JP2005015433A - α−複素環置換光学活性カルボン酸誘導体およびその製造方法 - Google Patents

α−複素環置換光学活性カルボン酸誘導体およびその製造方法 Download PDF

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Keisuke Suzuki
鈴木  啓介
Yuichi Shinohara
友一 篠原
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Abstract

【課題】簡便な条件にて、ヘテロ隣接位に不斉中心を立体選択的に導入する手法の提供。
【解決手段】化合物(2a)を、加熱条件下、転位反応させて光学活性カルボン酸誘導体(1a)を製造する。
【化1】
Figure 2005015433

[式中、RはC〜C20炭化水素基を表し、Xは脱離基である。Zは2価のC〜C10炭化水素基を示し、A環は5〜11員複素環を示す。]
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複素環隣接位に不斉中心を有する光学活性カルボン酸誘導体の製造方法に関し、より詳しくは、熱転位反応による光学活性カルボン酸誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ヘテロ環隣接位への不斉中心の導入は、天然物合成の見地から重要である。従来、酵素法によるピリジン4位、チオフェン2位又は3位隣接位への不斉中心の導入(G. Guanti et. al. Tetrahedron, 46, 7081 (1990):非特許文献1)や、不斉マイケル反応によるピロール2位隣接位への不斉中心の導入(N. A. Paras and D. W. C. MacMillan, J. Am. Chem. Soc., 123, 4370 (2001) :非特許文献2)が報告されているが、必ずしも効率的ではないという問題があった。
【0003】
また、本出願人による出願にかかる特願2002−127530号には、ルイス酸を用いて、ヘテロ芳香環に立体特異的にピナコール型1,2転位を起こさせる手法が記載されている。当該方法によって、ヘテロ隣接位に不斉中心を立体選択的に導入することが可能となった。しかしながら、当該手法は、反応基質がルイス酸に対して不安定である場合には適用できないという問題があった。
そこで、ルイス酸等の活性化剤を使用することなく、簡便な条件にて、ヘテロ隣接位に不斉中心を立体選択的に導入する手法が望まれていた。
【0004】
【非特許文献1】
G. Guanti et. al. Tetrahedron, 46, 7081 (1990)
【非特許文献2】
N. A. Paras and D. W. C. MacMillan, J. Am. Chem. Soc., 123, 4370 (2001)
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1態様では、下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体が提供される。
【化7】
Figure 2005015433
[式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、Zは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、A環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
【0006】
また、本発明の第2態様では、下記式(2a)で示される化合物を、
【化8】
Figure 2005015433
[式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、Xは、脱離基であり、Zは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、A環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]、加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法が提供される。
【化9】
Figure 2005015433
[式中、R、Z及びA環は、上記の意味を有する。]
【0007】
本発明の第1及び第2態様において、Rが、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルケニル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜C18アリール基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいC〜C20アリールアルキル基であることが好ましい。また、Zが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基であることが好ましい。また、A環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンであることが好ましい。
【0008】
本発明の第2態様において、Xが水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基であることが好ましい。また、前記加熱条件が、60℃〜150℃であることが好ましい。
【0009】
また、本発明の第3態様では、下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体が提供される。
【化10】
Figure 2005015433
[式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、Yは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、B環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
【0010】
また、本発明の第4態様では、下記式(2b)で示される化合物を、
【化11】
Figure 2005015433
[式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、Xは、脱離基であり、Yは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、B環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]、加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法が提供される。
【化12】
Figure 2005015433
[式中、R、Y及びB環は、上記の意味を有する。]
【0011】
本発明の第3及び第4態様において、Rが、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルケニル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜C18アリール基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいC〜C20アリールアルキル基であることが好ましい。また、Yが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基ことが好ましい。また、B環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンであることが好ましい。
【0012】
本発明の第4態様において、Xが、水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基であることが好ましい。また、前記加熱条件が、60℃〜150℃であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の第1態様では、下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体が提供される。
【化13】
Figure 2005015433
[式中、R、Z及びA環は、上記の意味を有する。]
【0014】
は、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基である。
【0015】
本明細書において、「C〜C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C〜C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C〜C20炭化水素基」には、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アルキルジエニル基、C〜C18アリール基、C〜C20アルキルアリール基、C〜C20アリールアルキル基、C〜C20シクロアルキル基、C〜C20シクロアルケニル基、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル基などが含まれる。
【0016】
本明細書において、「C〜C20アルキル基」は、C〜C10アルキル基であることが好ましく、C〜Cアルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0017】
本明細書において、「C〜C20アルケニル基」は、C〜C10アルケニル基であることが好ましく、C〜Cアルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2−メチル−1−プロペニル、2−メチルアリル、2−ブテニル等を挙げることができる。
【0018】
本明細書において、「C〜C20アルキニル基」は、C〜C10アルキニル基であることが好ましく、C〜Cアルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、2−プロピニル、2−ブチニル等を挙げることができる。
【0019】
本明細書において、「C〜C20アルキルジエニル基」は、C〜C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C〜Cアルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3−ブタジエニル等を挙げることができる。
【0020】
本明細書において、「C〜C18アリール基」は、C〜C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0021】
本明細書において、「C〜C20アルキルアリール基」は、C〜C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o−トリル、m−トリル、p−トリル、2,3−キシリル、2,4−キシリル、2,5−キシリル、o−クメニル、m−クメニル、p−クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C〜C20アリールアルキル基」は、C〜C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、2,2−ジフェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C〜C20シクロアルキル基」は、C〜C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C〜C20シクロアルケニル基」は、C〜C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、2−シクロペンテン−1−イル、2−シクロヘキセン−1−イル、3−シクロヘキセン−1−イル等を挙げることができる。
【0025】
で示される「C〜C20炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0026】
本発明の第1態様において、Rは、それぞれ、置換基を有していてもよい、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C18アリール基、C〜C20アルキルアリール基、又は、C〜C20アリールアルキル基であることが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、フェニルメチル、フェニルエチル、シクロヘキシルメチルであることが更に好ましい。
【0027】
上記式(1a)中、Zは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基を示す。
本明細書において、「2価のC〜C10炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C〜C10炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「2価のC〜C10炭化水素基」には、トリメチレン基のようなC〜C10アルキレン基、ブテニレン基のようなC〜C10アルケニレン基、ブチニレン基のようなC〜C10アルキニレン基、フェニレン基のようなC〜C10アリーレン基等が挙げられる。
【0028】
Zで示される「2価のC〜C10炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよく、2個導入されていることが特に好ましく、同一の炭素原子にこれらが導入されていることが好ましい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
本発明の第1態様において、Zは、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基であることが好ましく、1以上のC〜Cアルキル基を置換基として有するトリメチレン基がさらに好ましい。2,2−ジアルキルトリメチレン基がより好ましく、2,2−ジメチルトリメチレン基が特に好ましい。
【0030】
上記式(1a)中、A環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。
【0031】
本明細書において、「5〜11員複素環」としては、単環式複素環、多環式複素環等を挙げることができる。
【0032】
本明細書において、「単環式複素環」としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピラン、チオピラン、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン、1,3,5−トリアジン、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピラゾール、フラザン、ピリダジン、ピラジン、トリアゾール等を挙げることができる。
【0033】
本明細書において、「多環式複素環」としては、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、キノリン、プリン、イソキノリン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾイソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、4H−キノリジン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン等を挙げることができる。
【0034】
本発明の第1態様において、A環で示される「5〜11員複素環」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、置換基を有していてもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル)、又は、置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニル)などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
本発明の第1態様において、A環は、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンであることが好ましく、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、又は、インドールであることがさらに好ましく、無置換ベンゾフラン、無置換ベンゾチオフェン、無置換インドール、1−メチルインドール、1−フェニルスルホニルインドールであることが更に好ましい。
【0036】
本発明の第2態様では、本発明の第1態様にかかる光学活性カルボン酸誘導体の製造方法の一態様が提供され、下記式(2a)で示される化合物を、加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法が提供される。
【化14】
Figure 2005015433
[式中、R、X、Z及びA環は、上記の意味を有する。]
【0037】
本発明の第2態様において、下記式(2a)で示される化合物が用いられる。
【化15】
Figure 2005015433
[式中、R、X、Z及びA環は、上記の意味を有する。]
【0038】
上記式(2a)中のRは、本発明の第1態様で、上記式(1a)中のRにおいて説明したのと同様である。
【0039】
上記式(2a)中のA環は、本発明の第1態様で、上記式(1a)中のA環において説明したのと同様である。
【0040】
上記式(2a)中のXは、脱離基であり、水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基であることが好ましい。
【0041】
本明細書において、「C〜C10アルカンスルホニルオキシ基」は、C〜C10アルカン部分が、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C〜C10アルカンスルホニルオキシ基」は、C〜Cアルカンスルホニルオキシ基であることが好ましく、C〜Cアルカンスルホニルオキシ基であることが更に好ましい。アルカンスルホニルオキシ基の例としては、制限するわけではないが、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ等を挙げることができる。
【0042】
で示される「C〜C10アルカンスルホニルオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0043】
本発明の第2態様において、Xは、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、フルオロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシであることが好ましい。
【0044】
上記式(2a)で示される化合物は、公知の方法で合成することができる。
【0045】
本発明の第2態様において、上記式(2a)で示される化合物を、加熱条件下、転位反応させる。加熱条件は60℃〜150℃であることが好ましく、80℃〜120℃であることがさらに好ましい。
【0046】
本発明の第2態様において、上記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体は、典型的には、上記式(2a)で示される化合物の溶液を加熱し、転位反応させることによって生成する。加熱する際には、必要に応じて溶液を封緘してもよく、攪拌してもよい。化合物(2a)は単離されたものを用いる必要はなく、溶液中で調製された化合物(2a)をそのまま用いても良い。
【0047】
本発明の第2様態において、転位基質にはアセタール基が導入されており、電子的に又は立体的に転位反応を活性化させる要因を備えている。このため、ルイス酸等の活性化剤を使用しなくても、加熱条件によって、化合物(2a)中の複素環が立体特異的に1,2転位をすることが可能となると考えられる。したがって、本発明の第2態様によれば、ルイス酸に不安定な反応基質であっても、効率的な転位反応を行うことができる。
なお、上記反応機構は仮説に過ぎず、本発明の第2態様は上記反応機構に限定されるものではない。
【0048】
本発明の第2態様において、その他の反応条件(時間、圧力等)としては、上記転位反応が完結するのに適当な条件が適宜決定される。
例えば、本発明の第2態様において、反応時間は、好ましくは1分〜48時間の範囲で行われ、特に好ましくは10分〜24時間の範囲、更に好ましくは30分〜2時間の範囲、特に好ましくは約1時間で行われる。
また、本発明の第2態様において、反応圧力は、好ましくは1atm〜10atmの範囲で行われ、特に好ましくは1atm〜2atmの範囲で行われる。
【0049】
本発明の第2態様において、溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、メタノールのような低級アルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノンが用いられる。
【0050】
本発明の第3態様では、下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体が提供される。
【化16】
Figure 2005015433
[式中、R、Y及びB環は、上記の意味を有する。]
【0051】
は、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基である。
【0052】
で示される「C〜C20炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0053】
本発明の第3態様において、Rは、それぞれ、置換基を有していてもよい、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C18アリール基、C〜C20アルキルアリール基、又は、C〜C20アリールアルキル基であることが好ましく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、フェニルメチル、フェニルエチル、シクロヘキシルメチルであることが更に好ましい。
【0054】
上記式(1b)中、Yは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基を示す。
【0055】
Yで示される「2価のC〜C10炭化水素基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよく、2個導入されていることが特に好ましく、同一の炭素原子にこれらが導入されていることが好ましい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0056】
本発明の第3態様において、Yは、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基であることが好ましく、1以上のC〜Cアルキル基を置換基として有するトリメチレン基がさらに好ましい。2,2−ジアルキルトリメチレン基がより好ましく、2,2−ジメチルトリメチレン基が特に好ましい。
【0057】
上記式(1b)中、B環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。
【0058】
本発明の第3態様において、B環で示される「5〜11員複素環」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、置換基を有していてもよいシリル基(例えば、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、t−ブチルジメチルシリル、t−ブチルジフェニルシリル、トリフェニルシリル)、又は、置換基を有していてもよいスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル、メタンスルホニル)などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0059】
本発明の第3態様において、B環は、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンであることが好ましく、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、又は、インドールであることがさらに好ましく、無置換ベンゾフラン、無置換ベンゾチオフェン、無置換インドール、1−メチルインドール、1−フェニルスルホニルインドールであることが更に好ましい。
【0060】
本発明の第4態様では、本発明の第3態様にかかる光学活性カルボン酸誘導体の製造方法の一態様が提供され、下記式(2b)で示される化合物を、加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法が提供される。
【化17】
Figure 2005015433
[式中、R、X、Y及びB環は、上記の意味を有する。]
【0061】
本発明の第4態様において、下記式(2b)で示される化合物が用いられる。
【化18】
Figure 2005015433
[式中、R、Y及びB環は、上記の意味を有する。]
【0062】
上記式(2b)中のRは、本発明の第3態様で、上記式(1b)中のRにおいて説明したのと同様である。
【0063】
上記式(2b)中のB環は、本発明の第3態様で、上記式(1b)中のB環において説明したのと同様である。
【0064】
上記式(2b)中のXは、脱離基であり、水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基であることが好ましい。
【0065】
で示される「C〜C10アルカンスルホニルオキシ基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、C〜C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C〜C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C〜C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個〜4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0066】
本発明の第4態様において、Xは、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、プロピルスルホニルオキシ、イソプロピルスルホニルオキシ、フルオロメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシであることが好ましい。
【0067】
上記式(2b)で示される化合物は、公知の方法で合成することができる。
【0068】
本発明の第4態様において、上記式(2b)で示される化合物を、加熱条件下、転位反応させる。加熱条件は60℃〜150℃であることが好ましく、80℃〜120℃であることがさらに好ましい。
【0069】
本発明の第4態様において、上記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体は、典型的には、上記式(2b)で示される化合物の溶液を加熱し、転位反応させることによって生成する。加熱する際には、必要に応じて溶液を封緘してもよく、攪拌してもよい。化合物(2b)は単離されたものを用いる必要はなく、溶液中で調製された化合物(2b)をそのまま用いても良い。
【0070】
本発明の第4様態において、転位基質にはアセタール基が導入されている。このため、ルイス酸等の活性化剤を使用しなくても、加熱条件によって、化合物(2b)中の複素環が立体特異的に1,2転位をすることが可能となると考えられる。したがって、本発明の第4態様によれば、ルイス酸に不安定な反応基質であっても、効率的な転位反応を行うことができる。
なお、上記反応機構は仮説に過ぎず、本発明の第4態様は上記反応機構に限定されるものではない。
【0071】
本発明の第4態様において、その他の反応条件(時間、圧力等)としては、上記転位反応が完結するのに適当な条件が適宜決定される。
例えば、本発明の第4態様において、反応時間は、好ましくは1分〜48時間の範囲で行われ、特に好ましくは10分〜24時間の範囲、更に好ましくは30分〜2時間の範囲、特に好ましくは約1時間で行われる。
また、本発明の第2態様において、反応圧力は、好ましくは1atm〜10atmの範囲で行われ、特に好ましくは1atm〜2atmの範囲で行われる。
【0072】
本発明の第4態様において、溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が用いられる。有機溶媒としては、メタノールのような低級アルコール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリジノンが用いられる。
【0073】
本発明によれば、複素環隣接位の絶対立体配置の制御が容易に行うことができるため、ヘテロ環の隣接位に不斉中心を有する多くの生理活性物質(医薬化合物、農薬など)又はその中間体を簡便かつ効率的に提供することができる。
【0074】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。ただし、本発明は、下記の実施例に制限されるものではない。
【0075】
参考例1
(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化19】
Figure 2005015433
(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン(200 mg)、 2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール(632 mg)の脱水メタノール溶液を0℃攪拌下、トリメチルシリルクロライド (0.231 ml)を滴下した。3時間攪拌後、氷、炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ込み反応を停止した。酢酸エチルを加え水洗(水×3)後、乾燥(硫酸マグネシウム)濃縮し、残滓をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/10〜1/5〜1/3)にて精製し、無色不定形のアセタールを238 mg (94%)得た。
【0076】
H−NMR (CDCl): 0.55(3H, s), 1.01(3H, d, J=6.5Hz), 1.26(3H, s), 2.32−2.60(1H, br), 3.42−3.59(4H, m), 3.86(1H, q, J=6.5Hz), 7.21−7.27(1H, m), 7.30−7.37(1H, m), 7.51−7.58(2H, m), 7.69(1H, d, J=7.7Hz), 7.88(2H, d, J=8.0Hz), 8.01(1H, d, J=8.5Hz).
13C−NMR (CDCl): 15.99, 21.80, 22.91, 29.89, 71.86, 73.45, 100.67, 113.75, 118.45, 121.68, 123.91, 124.94, 126.72, 127.19, 129.33, 134.01, 135.63, 137.85.
【0077】
参考例2
(S)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化20】
Figure 2005015433
参考例1で得られた(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン−2,2−ジメチルトリメチレンアセタール(214 mg)の塩化メチレン(2ml)溶液を0℃攪拌下、トリエチルアミン(0.093 ml)、メタンスルホニルクロライド(0.044 ml)を加え10分攪拌した。水を加え反応を停止し、酢酸エチルを加え水洗(炭酸水素ナトリウム水溶液×1,硫酸水素カリウム水溶液×1、水×3,飽和食塩水×1)、乾燥(無水硫酸マグネシウム)、濃縮した。残滓をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/5)にて精製し無色油状のメシラート(249mg,98 %)を得た。
【0078】
H−NMR (CDCl): 0.57(3H, s), 1.27(3H, s), 1.35(3H, d, J=6.5Hz), 2.58(3H, s), 3.42−3.59(4H, m), 4.71(1H, q, J=6.3Hz), 7.22−7.29(1H, m), 7.31−7.38(1H, m), 7.47(2H, t, J=7.7Hz), 7.54(1H, t, J=7.Hz), 7.70(1H, d, J=8.0Hz), 7.9(2H, d, J=7.5Hz), 8.01(1H, d, J=8.2Hz).
13C−NMR (CDCl): 15.94, 21.70, 22.86, 29.84, 37.71, 71.83, 71.87, 82.8, 99.00, 113.72, 117.63, 121.59, 124.06, 125.17, 126.79, 127.63, 129.02, 129.46, 134.12, 135.48, 137.78.
【0079】
実施例1
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロピオネート
【化21】
Figure 2005015433
参考例2で得られた(S)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール(100 mg)、水(2.1 ml)、メタノール(0.9 ml)の懸濁液を封緘中、100℃で5時間攪拌した。冷却後酢酸エチルを加え水洗(水×3,飽和食塩水×1)、乾燥(無水硫酸マグネシウム)、濃縮した。残滓をカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/1)にて精製し、無色油状のエステル(81 mg, 96%)を得た。
【0080】
H−NMR (CDCl): 0.70(3H, s), 0.72(3H, s), 1.61(3H, d, J=7.0Hz), 3.01(2H, qAB, J=11.4Hz), 3.81−4.00(3H, m), 7.05−7.36(2H, m), 7.43(2H, t, J=8.0Hz), 7.48−7.59(3H, m), 7.88(2H, d, J=7.5Hz), 7.99(1H, d, J=8.2Hz)。
13C−NMR (CDCl): 17.02, 21.27, 36.31, 36.90, 67.85, 69.67, 113.70, 119.76, 122.00, 123.20, 123.28, 125.02, 126.69, 129.25, 129.61, 133.80, 135.10, 138.08, 174.29。
【0081】
参考例3
(S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロパノール
【化22】
Figure 2005015433
実施例1で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロピオネート(10 mg)の脱水テトラヒドロフラン(1 ml)溶液を−78℃攪拌下、水素化ジイソプチルアルミニウム(0.93 M, 0.087 ml)を加え0℃で2時間攪拌した。硫酸ナトリウム・10水和物を加え反応を停止後、不溶物をセライト濾過した。濾液を濃縮しシリカゲルクロマトグラフィー(酢酸エチル/ノルマルヘキサン=1/1)にて精製し、無色油状のアルコール(6.1 mg, 95%)を得た。
【0082】
H−NMR (CDCl): 1.36(3H, d, J=6.8Hz), 1.38−1.54(1H, brs), 3.18(1H, sextet, J=6.8Hz), 3.64−3.87(2H, m), 7.20−7.57(7H, m), 7.83−7.89(2H, m), 7.99(1H, d, J=8.2Hz).
13C−NMR (CDCl): 16.69, 33.50, 67.16, 113.80, 119.77, 122.64, 123.15, 124.86, 125.08, 126.69, 129.22, 130.29, 133.76, 135.37, 138.08
【0083】
図1に、実施例1を合成するまでの反応スキーム(参考例1〜2)および実施例1を出発成分とした応用例(参考例3)の反応スキームを示す。
【0084】
参考例4
(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化23】
Figure 2005015433
参考例1と同様の操作を行った。ただし、(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノンの代わりに、(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)−1−プロパノンを用いた。無色不定形(95%)。
【0085】
H−NMR (CDCl): 0.63(3H, m), 1.18(3H, d, J=6.3Hz), 1.26(3H, s), 2.51(1H, d, J=4.1Hz), 3.48−3.59(2H, m), 3.73−3.82(2H, m), 3.94(1H, dq, J=4.1, 6.3Hz), 7.29(1H, s), 7.31−7.41(2H, m), 7.74−7.88(2H, m).
13C−NMR (CDCl): 15.98, 21.79, 22.76, 29.94, 72.02, 72.06, 73.99, 100.83, 122.37, 123.73, 124.24, 124.43, 124.69, 139.56, 140.64, 141.23.
【0086】
参考例5
(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化24】
Figure 2005015433
参考例2と同様の操作を行った。ただし、参考例1で得られた(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン−2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例4で得られた(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。
【0087】
H−NMR (CDCl): 0.64(3H, s), 1.27(3H, s), 1.47(3H, d, J=6.5Hz), 2.85(3H, s), 3.48−3.60(2H, m), 3.76 (2H, d, J=11.4Hz), 4.80(1H, q, J=6.5Hz), 7.31−7.43(3H, m), 7.73−7.93(2H, m).
13C−NMR (CDCl): 16.11, 21.71, 22.72, 29.87, 37.92, 72.01, 82.96, 99.23, 122.47, 123.94, 124.50, 124.87, 125.58, 139.40, 140.06, 140.68.
【0088】
実施例2
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(ベンゾチオフェン−2−イル)プロピオネート
【化25】
Figure 2005015433
実施例1と同様の操作を行った。ただし、参考例2で得られた(S)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例5で得られた(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(ベンゾチオフェン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。無色油状のエステル(83%)を得た。
【0089】
H−NMR (CDCl): 0.866(3H, s), 0.872(3H, s), 1.66(3H, d, J=7.2Hz), 2.12(1H, brs), 3.23(2H, brs)3.91−4.14(3H, m), 7.26−7.35(2H, m), 7.66−7.73(1H, m), 7.74−7.82(1H, m).
13C−NMR (CDCl): 18.81, 21.37, 36.49, 41.76, 68.11, 70.06, 121.52, 122.15, 123.26, 124.11, 124.27, 139.26, 139.40, 143.42, 173.61.
【0090】
参考例6
(R)−2−(ベンゾチオフェン−2−イル)プロパノール
【化26】
Figure 2005015433
参考例3と同様の操作を行った。ただし、実施例1で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロピオネートの代わりに、実施例2で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(ベンゾチオフェン−2−イル)プロピオネートを用いた。無色油状のアルコール(95%)。
【0091】
H−NMR (CDCl): 1.39(3H, d, J=6.8Hz), 1.60−1.80(1H, m), 3.28(1H, sextet, J=6.8Hz), 3.68−3.83(2H, m), 7.10(1H, s), 7.22−7.35(2H, m), 7.68(1H, d, J=7.5Hz), 7.77(1H, d, J=7.8Hz).
13C−NMR (CDCl): 18.18, 38.82, 68.40, 120.52, 122.18, 122.94, 123.71, 124.18, 138.99, 139.81, 148.27
【0092】
参考例7
(R)−2−ヒドロキシ−1−(1−メチル−インドール−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化27】
Figure 2005015433
参考例1と同様の操作を行った。ただし、(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノンの代わりに、(R)−2−ヒドロキシ−1−(1−メチル−インドール−2−イル)−1−プロパノンを用いた。無色不定形(76%)。
【0093】
H−NMR (CDCl): 0.61(3H, s), 1.18(3H, d, J=6.3Hz), 1.29(3H, s), 2.36−2.52(1H, br), 3.49−3.58(2H, m), 3.60−3.79(1H, br), 3.87(3H, s), 3.93(1H, dq, J=4.3, 6.3Hz), 6.61(1H, s), 7.11−7.18(1H, m), 7.23−7.29(1H, m), 7.33−7.39(1H, m), 7.59−7.65(1H, m).
13C−NMR (CDCl): 16.13, 21.80, 22.96, 30.13, 31.04, 72.00, 72.06, 73.12, 100.39, 105.40, 109.52, 119.75, 120.67, 121.92, 126.97, 134.00, 138.68.
【0094】
参考例8
(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−メチル−インドール−2−イル)−1−プロパノン
2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化28】
Figure 2005015433
参考例2と同様の操作を行った。ただし、参考例1で得られた(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン−2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例7で得られた(R)−2−ヒドロキシ−1−(1−メチル−インドール−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。無色油状のメシラート(98 %)を得た。
【0095】
H−NMR (CDCl): 0.62(3H, s), 1.28(3H, s), 1.51(3H, d, J=6.5Hz), 2.55(3H, s), 3.49−3.77(4H, m), 3.89(3H, s), 4.77(1H, q, J=6.5Hz), 6.64(1H, s), 7.10−7.19(1H, m), 7.24−7.30(1H, m), 7.33−7.41(1H, m), 7.58−7.65(1H, m).
13C−NMR (CDCl): 15.91, 21.70, 22.94, 30.09, 31.13, 37.59, 71.98, 83.18, 98.73, 105.65, 109.63, 119.99, 120.83, 122.39, 126.78, 134.00, 138.67.
【0096】
実施例3
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(1−メチル−インドール−2−イル)プロピオネート
【化29】
Figure 2005015433
実施例1と同様の操作を行った。ただし、参考例2で得られた(S)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例8で得られた(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−メチル−インドール−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。無色油状のエステル(97%)を得た。
【0097】
H−NMR (CDCl): 0.81(3H, s), 0.83(3H, s), 1.66(3H, d, J=7.2Hz), 1.92−2.20(1H, br), 3.15(2H, s), 3.72(3H, s), 3.88−4.03(3H, m), 6.43(1H, s), 7.05−7.13(1H, m), 7.15−7.33(2H, m), 7.56(1H, d, J=7.7Hz).
13C−NMR (CDCl): 16.82, 21.31, 21.35, 29.75, 36.45, 37.88, 68.08, 70.00, 99.43, 109.01, 119.52, 120.37, 121.43, 127.40, 137.45, 138.62, 173.69.
【0098】
参考例9
(R)−2−(1−メチル−インドール−2−イル)プロパノール
【化30】
Figure 2005015433
参考例3と同様の操作を行った。ただし、実施例1で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロピオネートの代わりに、実施例3で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(1−メチル−インドール−2−イル)プロピオネートを用いた。無色油状のアルコール(94%)。
【0099】
H−NMR (CDCl): 1.31(3H, d, J=6.8Hz), 1.74(1H, brs), 3.18(1H, sextet, J=6.8Hz), 3.62−3.82(5H, m), 6.30(1H, s), 7.04−7.12(1H, m), 7.14−7.22(1H, m), 7.27(1H, d, J=8.2Hz).
13C−NMR (CDCl): 17.19, 29.51, 34.00, 67.08, 97.52, 108.96, 119.47, 119.98, 121.00, 127.71, 137.45, 142.72
【0100】
参考例10
(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化31】
Figure 2005015433
参考例1と同様の操作を行った。ただし、(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノンの代わりに、(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−1−プロパノンを用いた。無色不定形(99%)。
【0101】
H−NMR (CDCl): 0.64(3H, s), 1.17(3H, d, J=6.5Hz), 1.27(3H, s), 2.48(1H, d, J=3.9Hz), 3.51−3.61(2H, m), 3.62−3.72(2H, m), 3.96(1H, dq, J=3.9, 6.5Hz), 6.83(1H, s), 7.22−7.35(2H, m), 7.51−7.63(2H, m).
13C−NMR (CDCl): 15.85, 21.80, 22.86, 29.94, 72.50, 73.04, 99.16, 108.09, 111.70, 121.16, 123.00, 124.48, 127.96.
【0102】
参考例11
(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタール
【化32】
Figure 2005015433
参考例2と同様の操作を行った。ただし、参考例1で得られた(S)−2−ヒドロキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン−2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例10で得られた(R)−2−ヒドロキシ−1−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。無色油状のメシラート(95 %)を得た。
【0103】
H−NMR (CDCl): 0.65(3H, s), 1.28(3H, s), 1.45(3H, d, J=6.4Hz), 3.52−3.70(4H, m), 4.85(1H, q, J=6.4Hz), 6.89(1H, s), 7.23−7.39(2H, m), 7.50−7.66(2H, m).
13C−NMR (CDCl): 15.82, 21.72, 22.79, 29.89, 38.17, 72.47, 72.51, 81.93, 97.62, 108.96, 111.72, 121.39, 123.26, 124.99, 127.72, 150.89, 155.14.
【0104】
実施例4
3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)プロピオネート
【化33】
Figure 2005015433
実施例1と同様の操作を行った。ただし、参考例2で得られた(S)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールの代わりに、参考例11で得られた(R)−2−メチルスルホニルオキシ−1−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)−1−プロパノン 2,2−ジメチルトリメチレンアセタールを用いた。無色油状のエステル(80%)を得た。
【0105】
H−NMR (CDCl): 0.85(3H, s), 0.83(3H, s), 1.66(3H, d, J=7.2Hz), 1.92−2.20(1H, br), 3.15(2H, s), 3.72(3H, s), 3.88−4.03(3H, m), 6.43(1H, s), 7.05−7.13(1H, m), 7.15−7.33(2H, m), 7.56(1H, d, J=7.7Hz).
13C−NMR (CDCl): 15.54, 21.29, 36.42, 39.96, 68.20, 70.21, 103.14, 110.95, 120.74, 122.71, 123.98, 128.18, 154.67, 156.01, 172.57.
【0106】
参考例12
(R)−2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)プロパノール
【化34】
Figure 2005015433
参考例3と同様の操作を行った。ただし、実施例1で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (S)−2−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)プロピオネートの代わりに、実施例4で得られた3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル (R)−2−(ベンゾ[b]フラン−2−イル)プロピオネートを用いた。無色油状のアルコール(92%)。
【0107】
H−NMR (CDCl): 1.36(3H, d, J=6.8Hz), 1.75(1H, brs), 3.16(1H, sextet, J=6.8Hz), 3.75−3.92(2H, m), 6.47(1H, s), 7.15−7.26(2H, m), 7.38−7.45(1H, m), 7.45−7.55(1H, m).
13C−NMR (CDCl): 15.05, 36.58, 66.17, 102.28, 110.85, 120.45, 122.5,
123.48, 128.50, 154.65
【0108】
図2に、実施例2、実施例3、実施例4を合成するまでの反応スキーム(それぞれ、参考例4〜5、参考例7〜8、参考例10〜11)、および実施例2、実施例3、実施例4をそれぞれ出発成分とした応用例(それぞれ、参考例6、参考例9、参考例12)の反応スキームを示す。
【0109】
【発明の効果】
本発明によれば、ヘテロ環の隣接位に不斉中心を有する多くの生理活性物質(医薬化合物、農薬など)又はその中間体を簡便かつ効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を合成するまでの反応スキーム(参考例1〜2)および実施例1を出発成分とした応用例(参考例3)の反応スキームを示す。
【図2】実施例2、実施例3、実施例4を合成するまでの反応スキーム(それぞれ、参考例4〜5、参考例7〜8、参考例10〜11)および実施例2、実施例3、実施例4をそれぞれ出発成分とした応用例(それぞれ、参考例6、参考例9、参考例12)の反応スキームを示す。

Claims (18)

  1. 下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体。
    Figure 2005015433
    [式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、
    Zは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、
    A環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
  2. が、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルケニル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜C18アリール基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいC〜C20アリールアルキル基である、請求項1に記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  3. Zが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基である、請求項1又は2に記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  4. A環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンである、請求項1〜3のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  5. 下記式(2a)で示される化合物を、
    Figure 2005015433
    [式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、
    は、脱離基であり、
    Zは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、
    A環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
    加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1a)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
    Figure 2005015433
    [式中、R、Z及びA環は、上記の意味を有する。]
  6. が、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルケニル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜C18アリール基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいC〜C20アリールアルキル基であり、Xが水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基である、請求項5に記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  7. Zが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基である、請求項5又は6に記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  8. A環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンである、請求項5〜7のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  9. 前記加熱条件が、60℃〜150℃である、請求項5〜8のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  10. 下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体。
    Figure 2005015433
    [式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、
    Yは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、
    B環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
  11. が、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルケニル基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキニル基、置換基を有していてもよいC〜C18アリール基、置換基を有していてもよいC〜C20アルキルアリール基、又は、置換基を有していてもよいC〜C20アリールアルキル基である、請求項10に記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  12. Yが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基である、請求項10又は11に記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  13. B環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンである、請求項10〜12のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体。
  14. 下記式(2b)で示される化合物を、
    Figure 2005015433
    [式中、Rは、置換基を有していてもよいC〜C20炭化水素基であり、
    は、脱離基であり、
    Yは、置換基を有していてもよい2価のC〜C10炭化水素基であり、酸素原子、硫黄原子、又は、−N(B)−で示される基(式中、Bは水素原子又はC〜C10炭化水素基である。)で中断されていてもよく、
    B環は、置換基を有していてもよい5〜11員複素環を示す。]
    加熱条件下、転位反応させることを特徴とする、下記式(1b)で示される光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
    Figure 2005015433
    [式中、R、Y及びB環は、上記の意味を有する。]
  15. が、置換基を有していてもよいC〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C18アリール基、C〜C20アルキルアリール基、又は、C〜C20アリールアルキル基であり、Xが、水酸基、又は、置換基を有していてもよいC〜C10アルカンスルホニルオキシ基である、請求項14に記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  16. Yが、置換基を有していてもよいC〜Cアルキレン基である、請求項14又は15に記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  17. B環が、それぞれ、置換基を有していてもよい、フラン、チオフェン、ピロール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インドール、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、キノリン、イソキノリン、又は、ナフチリジンである、請求項14〜16のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
  18. 前記加熱条件が、60℃〜150℃である、請求項14〜17のいずれかに記載の光学活性カルボン酸誘導体の製造方法。
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