JP2005015151A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】プリンタやファクシミリ等の画像形成装置において、媒体搬送速度を適確に制御し画像形成装置の動作環境下における最大限の性能により媒体搬送を行う。
【解決手段】印刷動作毎の媒体ジャム発生の有無やジャム要因を格納するジャム履歴格納部及び媒体種類毎に各速度ランクに対応する搬送速度や画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴に基づき搬送速度を変化させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】印刷動作毎の媒体ジャム発生の有無やジャム要因を格納するジャム履歴格納部及び媒体種類毎に各速度ランクに対応する搬送速度や画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴に基づき搬送速度を変化させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の画像形成装置に関し、画像形成速度、その他の媒体搬送速度を適確に制御する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置1は図16に示したように、媒体カセット87と、カセット内の媒体を繰出すホッピングローラ88、媒体を搬送するレジストローラ89、裏面印刷リア搬送ローラ95、裏面印刷搬送ローラ96、裏面印刷ホッピングモータ90と、画像を形成し定着する感光ドラム91、定着器92と、排出媒体をスタックするスタッカ93、94と、媒体搬送を制御するための媒体検出手段としてのホッピングセンサ80、レジストセンサ81、入口センサ82、排出センサ83、裏面印刷スタックセンサ84、裏面印刷フロントセンサ85、裏面印刷リアセンサ97から構成される。
【0003】
以上の構成により、媒体搬送は次のような手順により行われる。すなわち、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)やプリンタサーバのような上位装置から印刷データを受信した画像形成装置1は、印刷イメージデータを生成し、印刷準備が整った後に、印刷動作を起動し媒体搬送を開始する。そして、最初にホッピングローラ88により媒体カセット87内に収納されている媒体が繰出され、ホッピングセンサ80を通過して媒体搬送路上に送り出される。
【0004】
送り出された媒体はレジストセンサ81を通過しレジストローラ89に突き当てられ媒体の斜行が修正される。次にレジストローラ89を回転駆動することで媒体は入口センサ82を通過し感光ドラム91、定着器92等から構成される電子写真ユニットに送り込まれる。そして、感光ドラム91等によりトナーを付着させた媒体は定着器92により定着され、排出センサ83を通過後、片面印刷でフェイスアップ排出が選択された場合は印刷面を上にしてスタッカ93へ、フェイスダウン排出が選択された場合はスタッカ94へ印刷面を下側にして排出される。両面印刷の場合は画像形成装置1の下側に配置された裏面印刷ユニットへ送り出され、裏面印刷スタックセンサ84により後端を検出してから一定量搬送したa点まで搬送される。そして、a点まで搬送された媒体は再び裏面印刷リア搬送ローラ95により裏面印刷搬送ローラ96へと搬送され、裏面印刷搬送ローラ96により、さらに搬送され媒体の先端が裏面印刷フロントセンサ85を通過したところで一旦停止する。
【0005】
そして、裏面を印刷する準備が整った時、裏面印刷ホッピングモータ90により待機していた媒体を繰出し、レジストローラ89へ送り出し、表面の印刷と同様に感光ドラム91等によりトナーを付着させ、定着器92により定着し、予め選択されたフェイスアップまたはフェイスダウン排出設定に応じスタッカ93、94へと排出する。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−89155号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の画像形成装置では、異なる媒体種類毎に媒体の搬送速度を変化させることはできるが、最悪の環境下において安定な動作を保証できるような搬送速度として媒体種類毎に固定の搬送速度に設定するので、さらに高速に搬送できる環境であっても固定の搬送速度としているため、性能を充分に発揮することはできなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、第1の発明の画像形成装置では、所望の画像を印刷形成する画像形成装置において、印刷毎に媒体のジャム発生の有無を格納するジャム履歴格納部と、予め媒体種類毎に決めた複数の搬送速度及び搬送速度に対応する画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴に基づき搬送速度を可変とした。
【0009】
第2の発明の画像形成装置では、印刷毎にジャム発生の有無及びジャム発生要因を格納するジャム履歴格納部と、媒体搬送速度を独立して設定することが可能な搬送区間毎に媒体搬送速度レジスタを設け、前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴及びジャム発生要因に基づき、媒体搬送区間毎に搬送速度を可変とした。
【0010】
第3の発明の画像形成装置では、印刷毎にジャム発生の有無及びジャム要因を格納するジャム履歴格納部を設け、同一要因によるジャム発生頻度が高いときは、ジャム発生要因を操作者に通知するようにした。
【0011】
第4の発明の画像形成装置では、媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始するようにした。
【0012】
第5の発明の画像形成装置では、装置内の温度または湿度或いはその両方を検出する温度湿度検出部と、媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方と、温度または湿度或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類及び前記温度湿度検出部にて検出した温度、湿度に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0014】
《第1の実施形態例》
第1の実施形態例の画像形成装置は、同種類の媒体におけるジャム発生の頻度により搬送速度を可変としたものである。
【0015】
(構成)
第1の実施形態例の画像形成装置の構成図を図1に示す。同図に示したように第1の実施形態例の画像形成装置は、上位装置2からの印刷データを受信するインタフェイス部3と、後述の各種検出センサの出力結果により搬送速度を制御する制御テーブル等を記憶する記憶部を有し媒体搬送用のモータの駆動制御を行う制御部4、制御部4の制御のもとに駆動モータ6(1)〜6(n)を回転駆動するモータ駆動回路5、媒体ジャムを検出するジャム検出センサ7(1)〜7(n)、ジャム検出センサの出力に基づき印刷速度を設定する印刷速度判定処理部8、ジャム発生の履歴を格納するジャム履歴格納部9から構成され、同図のように接続されている。
【0016】
図2は、ファーストインファーストアウトレジスタ(以下、「FIFO」という)から構成され、印刷毎のジャム有無の履歴を格納するジャム履歴格納部9の構成例を示した図である。印刷中にジャムがあった場合は入力(図左側)b1に”1”をセットし、ジャムがなかった場合は”0”をセットし、セットされたデータが図示しないシフトクロックによりbn方向に順次詰めてシフトされて格納される。例えば、図2の例では、b(n−3)=”1”、b(n−1)=”1”であるので画像形成装置の電源オン或いは初期化後2回目と4回目の印刷時にジャムが発生し、b(1)=”0”、b(2)=”1”であるので前回の印刷の際にジャムが発生し直前の印刷は正常に行われたことを示している。
【0017】
図3は、各速度ランクに対応した媒体搬送速度、及びその媒体搬送速度に対応した定着器の温度やドラムの帯電電圧等の電子写真印刷制御用設定値を媒体種類毎に予め設定し格納する制御テーブル20の構成例である。例えば、媒体種類がMedium Lightで速度ランクが2に設定された場合は、{ML2}として搬送速度と搬送速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等が格納されているので、{ML2}情報に基づき搬送速度、帯電電圧、定着温度等を設定し印刷を行う。
【0018】
(動作)
以上の構成により、第1の実施形態例の画像形成装置は以下のように動作する。本動作を図4の印刷動作フローチャート図を用いて説明する。まず、電源投入後或いは初期化後、図2に示したジャム履歴格納部9のFIFOのすべてのビットをクリアする。また、媒体搬送速度ランクをデフォルト値とする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0019】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる搬送速度判定処理を行い媒体搬送速度を決定する。印刷速度判定処理では、まず、ジャム履歴格納部9のFIFOの全ビットをチェックし(ステップS1)、全ビットが”0”であった場合は、過去の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS2)、速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し、速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は速度ランクを1加算する(ステップS3)。
【0020】
一方、ステップS1にてジャム履歴格納部9のFIFOに1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかを判定する(ステップS4)。この直前のジャム履歴はb1に格納されているのでb1の値を確認することにより行われる。直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。そして、現在の速度ランクが下限値SRminかどうかを判定する(ステップS5)。速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持し、速度ランクが下限値SRminより大きい場合は、速度ランクを1下げ、印刷速度を下げるようにする(ステップS6)。ここで、ステップS4の判定でジャム履歴格納部9のFIFOのいずれかのビットが”1”であるが、直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持する。
【0021】
以上の処理にて速度ランクが決定した後、図3の制御テーブル20から前記決定した速度ランクに対応した印刷速度、その印刷速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等の情報を抽出し、抽出した情報に基づき印刷を開始する(ステップS7)。
【0022】
そして、印刷が開始され印刷最終ページまで印刷されたかどうかを判定し(ステップS8)、全て印刷されていない場合は引続きステップS7の印刷動作を行い、全てのページが印刷された場合は、印刷動作中にジャムエラーが発生したかどうかを判定する。この判定方法としては、通常、印刷動作においてジャムが発生した場合、割り込み処理にてジャム発生を操作者に通知する処理を行い操作者によりジャムが除去された後、再びリトライ印刷を行うが、この割り込み処理にてエラーステータスフラッグをセットし、最終ページが印刷された時にこのエラーステータスフラッグを参照してエラーが発生したかどうかの判定を行う方法が採られる(ステップS9)。
【0023】
そして、印刷動作においてジャムエラーが発生せず、エラーステータスフラッグがセットされていない場合は、ジャム履歴格納部9のFIFOに”0”をセット(ステップS10)し、ジャムエラーが発生しエラーステータスフラッグがセットされている場合は、ジャム履歴格納部9のFIFOに”1”をセットし(ステップS11)、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0024】
(第1の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第1の実施形態例の画像形成装置によれば、印刷動作毎に媒体のジャム発生の有無を格納するジャム履歴格納部と、媒体種類毎に複数の速度ランクを設け、各速度ランクに対応する搬送速度及び搬送速度に関連する画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム発生頻度により搬送速度を増減するようにしたので、動作環境下における最大限の性能により媒体搬送、印刷を行うことができる。
【0025】
《第2の実施形態例》
第2の実施形態例の画像形成装置では、搬送速度を上げたことに起因して発生したジャムか、別の要因により発生したジャムかを判別し、搬送速度を上げたこととは別の要因によるジャム発生の場合は、発生箇所固有の障害であるとして操作者に通知するようにしたものである。
【0026】
(構成)
第2の実施形態例の画像形成装置の構成は、第1の実施形態例の画像形成装置の構成とはジャム履歴格納部9aの内部構成が異なり、他は同様であるので簡略化のためにその説明を省略する。
【0027】
図5は、第2の実施形態例の画像形成装置におけるジャム履歴格納部9aの構成例を示す図である。同図(a)に示したようにジャム履歴格納部9aはジャム発生が有った場合は”1”をb1にセットするジャム履歴FIFO9a1と、ジャム発生が有った場合のジャム発生の要因を格納するジャム要因履歴FIFO9a2から構成され、いずれもFIFOで構成されている。そして、ジャム履歴FIFO9a1は第1の実施形態例の画像形成装置と同様のものであり、ジャム要因履歴19は同図(b)に示したようなジャム要因コードに従い、ジャムが発生した場合、ジャム要因コードを随時格納するものである。
【0028】
例えば、ホッピングローラ88近傍で発生するホッピングジャムであれば、ジャム発生を示す”1”をジャム履歴FIFO9a1のb1にセットするとともにホッピングジャムを示すジャム要因コード”1”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1にセットし、排出時ジャムが発生した場合はジャム発生を示す”1”をジャム履歴FIFO9a1のb1にセットするとともに、排出ジャムを示すジャム要因コード”3”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1にセットする。ジャムが発生しなかった場合は、ジャム履歴FIFO9a1のb1には”0”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1には該当なしコード”0”をセットする。
【0029】
(動作)
以上の構成により第2の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図6の印刷動作フローチャートを用いて説明する。まず、電源投入後或いは初期化後、図5に示したジャム履歴格納部9aの両FIFO9a1、9a2のすべてのビットをクリアする。また、媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値をセットする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0030】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、まず以下に述べる印刷速度判定処理を行い媒体搬送速度を決定する。なお、印刷速度判定処理のステップS21からステップS26までは第1の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS1からステップS6までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略しステップS27から説明することとする。
【0031】
すなわち、ステップS21、S24〜S26により直前の印刷ジョブにてジャムが発生したと判定した場合は速度ランクが下限値かどうかの判定を行い速度ランク維持或いは下げた後、過去のジャム履歴をジャム履歴FIFO9a1の”1”の回数をカウントし、ジャム発生がx回以上かどうかを判定する(ステップS27)。そして、ジャム発生がx回以上の場合は、ジャム発生要因コードが全て同じかどうかを判定し(ステップS28)、全て同じ場合は速度ランクを下げていったにも拘らず、同一箇所にてジャムが発生しているのでジャムの原因は速度によるものではなく、その場所固有の問題と考えられ、操作者等に図示しない画像形成装置の表示部やインタフェイスを通じて上位装置2にその旨の通知を行う(ステップS29)。図示していないが、この通知を受けた操作者等は、ジャム要因を除去した後再び印刷を開始させるが、その際、媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値がセットされ、下げられた速度ランクがリセットされる。
【0032】
前記場所固有の問題と判定する方法としては上記のようにジャム発生要因コードが全て同じかどうかを判定するのではなく、予め決めた回数、或いは比率を閾値として判定するようにしてもよい。
【0033】
一方、ステップS27の判定によりジャム発生がx回より少ない場合は、ジャム発生回数が原因の判定を行う回数まで至っていないので、上記ステップS28の要因判定の処理及びステップS29の通知処理をスキップする。
【0034】
以上の処理にて速度ランクが決定した後、前述の図3制御テーブル20から前記決定した速度ランクに対応した印刷速度、及びその印刷速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等を抽出し、抽出した情報に基づき印刷を開始する(ステップS30)。
【0035】
そして、印刷が開始され印刷最終ページまで印刷されたかどうかを判定し(ステップS31)、全て印刷されていない場合は引続きステップS30の印刷動作を行い、全てのページが印刷された場合は印刷動作中にジャムエラーが発生したかどうかをエラーステータスフラッグを参照して判定する(ステップS32)。
【0036】
印刷動作においてジャムエラーが発生せず、エラーステータスフラッグがセットされていない場合は、ジャム履歴FIFO9a1のb1に”0”をセットし(ステップS33)、ジャム要因履歴FIFO19a2のC1には該当なしコード”0”をセットし(ステップS34)、ジャムエラーが発生しエラーステータスフラッグがセットされている場合は、ジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし(ステップS35)、ジャム要因履歴19にはジャム発生箇所のコードをセットし(ステップS36)、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0037】
(第2の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第2の実施形態例の画像形成装置では、第1の実施形態例の画像形成装置効果に加え、ジャム履歴格納部9aにジャム要因コードを格納するジャム要因履歴FIFO9a2を設け、ジャム発生要因を確認することによりジャムが媒体搬送速度に起因しない場合は操作者にその旨を通知することができるので、適確にジャム要因を除去できるとともに、早期に速度ランクをクリアし搬送速度を復帰することができる。
【0038】
《第3の実施形態例》
第3の実施形態例の画像形成装置は、媒体搬送路の各区間毎に搬送速度を設定可能とし、ジャムが発生した区間のみ搬送速度を下げ、他の区間は現状の速度を維持或いは速度を上げるようにしたものである。
【0039】
(構成)
第3の実施形態例の画像形成装置は、第2の実施形態例の画像形成装置とは搬送速度レジスタの構成が異なり、他の構成は同様であるので簡略化のために他の構成についての説明を省略する。
【0040】
図7は、第3の実施形態例の画像形成装置における各搬送区間の媒体搬送速度を格納して置く搬送速度レジスタの構成例である。例えば電子写真プリンタではその構造上、レジストローラ89から定着器92までの電子写真プロセスは一定の搬送速度に保つ必要があり、この区間は1グループとして管理する。その他の、ホッピングローラ88によるホッピング速度、裏面印刷ローラ96による裏面搬送速度、裏面印刷の際のホッピング速度、媒体排出速度は電子写真印刷プロセスとは独立に設定することが可能であるので、第3の実施形態例の画像形成装置の搬送速度レジスタでは、これらに対応する速度設定レジスタをそれぞれ別に設けた構成としている。
【0041】
そして、ホッピング速度30aはホッピングモータ88にて媒体カセット87内にスタックしている媒体を送り出しレジストセンサ81を媒体先端が通過した後一定時間後にホッピングモータ88を停止し媒体先端がレジストローラ89に突き当たるまでの区間の搬送速度に適用され、レジスト・定着速度30bはレジストローラ89で媒体を電子写真プロセスへ送り込み、ドラム91による現像と定着器92による定着を行い媒体先端が排出センサ83を通過するまでの区間の搬送速度に適用され、反転スタック速度30cは裏面印刷スタックセンサ84を媒体後端が通過してから一定時間搬送し媒体後端が裏面印刷ユニットへの入口a点まで到達するまでの区間の速度に適用され、裏面搬送速度30dは媒体が裏面搬送ユニットに入り裏面印刷フロントセンサ85に到達し裏面ホッピングローラ90に突き当たるまでの区間に適用され、裏面ホッピング速度30eは裏面印刷ユニットに待機していた媒体が裏面ホッピングローラ90により送り出されレジストローラ89に突き当たるまでの区間に適用され、排出速度30fはレジスト・定着区間を通過し排出センサ83を媒体後端が通過してからフェイスダウン排出センサ86を通過して排出完了するまでの区間に適用される。
【0042】
以上の特性から媒体搬送速度レジスタ30は、図7のように媒体ホッピングの速度としてホッピング速度レジスタ30a、レジスト及び定着する速度としてレジスト・定着速度レジスタ30b、裏面印刷ユニットへの入口a点まで到達するまでの区間の速度として反転スタック速度30c、裏面印刷ローラ96による媒体搬送速度である裏面搬送速度レジスタ30d、裏面をホッピングする速度であるホッピング速度レジスタ30e、媒体を排出する際の排出速度レジスタ30fから構成される。
【0043】
(動作)
以上の構成により第3の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図8の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、印刷速度判定処理のステップS57からステップS66までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0044】
まず、電源投入後或いは初期化後、第2の実施形態例の画像形成装置と同様に図5に示したジャム履歴格納部9aのFIFOのすべてのビットをクリアする。また、図7に示した媒体搬送レジスタ30の各レジスタに媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値をセットする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0045】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図8の印刷速度判定処理を行い、印刷を開始する媒体搬送速度を決定する。印刷速度判定処理では、まず、ジャム履歴格納部のジャム履歴FIFO9a1の全ビットをチェックし(ステップS51)、全ビットが”0”であった場合は、前の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、媒体搬送レジスタ30の各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS52)、各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は該当するレジスタの速度ランクを1加算する(ステップS53)。
【0046】
一方、ステップS51にてジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFOに1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかをジャム履歴FIFO9aのビットb1を参照して判定する(ステップS54)。ビットb1=”0”で直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持し、ステップS60以降の印刷処理に進む。
【0047】
直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。まず、ジャム履歴FIFO9a1の前記b1に相当するジャム要因履歴FIFO9a2のC1に格納されているジャム要因コードをチェックし、この要因に関連する図7記載の媒体搬送速度レジスタの速度ランクが速度ランクの下限値SRminかどうかを判定し(ステップS55)、下限値SRminの場合は、速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持し、下限値SRminより大きい場合は1ランク下げる(ステップS56)。
【0048】
以降のステップS57からステップS59の処理にて第2の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示していないが操作者によりジャム要因を除去後再び印刷を開始し、ステップS60からステップS66の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFOに”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFOにジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0049】
(第3の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第3の実施形態例の画像形成装置では、第2の実施形態例の画像形成装置の効果に加え、媒体搬送レジスタ30を媒体搬送区間毎に独立して持たせジャムが発生した区間の媒体搬送速度だけを下げることができるので、装置全体の印刷処理の低下を最小限とすることができる。
【0050】
《第4の実施形態例》
第4の実施形態例の画像形成装置は、媒体搬送速度レジスタの初期速度ランクとして、一定の値を入れるのではなく、過去の履歴から印刷可能であった最大速度ランクをセットするようにし、最高速度に到達するまでの時間を短くすることにより、印刷処理速度を向上するものである。
【0051】
(構成)
第4の実施形態例の画像形成装置は、速度制御テーブルの構成が異なり、他は第3の実施形態例の画像形成装置と同様であるので、簡略化のために他の構成についての説明を省略する。
【0052】
図9は第4の実施形態例の画像形成装置における制御テーブルの構成例である。同図のように、制御テーブル40は媒体サイズと媒体種類毎に最大速度ランクが保持される構成となっている。例えば、過去に媒体サイズがA4の場合で媒体種類がMedium Lightでの印刷ジョブがあり、その時に速度ランクを更新したときは、その速度ランクをV(A4−2)に格納するようになっている。
【0053】
(動作)
以上の構成により第4の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図10、図11の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、図11の印刷速度判定処理のステップS80からステップS89までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0054】
まず、電源投入後或いは初期化後、ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とし、他のビットを”0”にクリアし、またジャム要因履歴FIFO9a2は該当無しコード”0”を全てセットする。ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とする理由は、媒体搬送速度の初期値として過去の履歴より最大速度ランクをセットするが、ジャム履歴FIFOの全ビットが”0”の場合は次の印刷速度判定処理にて速度ランクが1増加することになるのを防ぐためである。勿論、上記のようにジャム履歴FIFO9a1の初期設定を行わずに、最初の印刷の場合は特別に後述の速度ランクを上げないような処理としてもよい。
【0055】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図10の搬送速度レジスタ設定処理を行い、搬送速度レジスタの初期値を決定する。まず、印刷データを受信すると、受信データより媒体サイズと媒体種類を抽出する(ステップS61)。この時、印刷データに媒体サイズ、媒体種類の情報がない場合は画像形成装置のデフォルト値を搬送速度レジスタに設定する。次に、抽出した媒体サイズと媒体種類に相当する図9記載の制御テーブル40を参照し、最大速度ランクの値があるかどうかの判定を行い(ステップS62)、最大ランクの値が有る場合は、履歴データを搬送速度レジスタ30にセットする(ステップS63)。一方、履歴がない場合はデフォルト値を搬送レジスタ30にセットする(ステップS64)
【0056】
媒体搬送速度レジスタの初期値が決定した後、印刷速度判定処理を行う。まず、ジャム履歴格納部のジャム履歴FIFO9a1の全ビットをチェックし(ステップS71)、全ビットが”0”であった場合は、前の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS72)。媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し、媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は該当するレジスタの速度ランクを1加算する(ステップS73)。そして、1加算した速度ランクが、制御テーブル40の媒体サイズ、媒体種類に対応する最大速度履歴の値と比較し(ステップS74)、1加算した速度ランクの方が大きい場合は、その最大速度履歴の値を新たな速度ランクに置き換える(ステップS75)。
【0057】
一方、ステップS71にてジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFO9a1に1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかをジャム履歴FIFO9aのビットb1を参照して判定する(ステップS76)。ビットb1=”0”で直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持し、ステップS83以降の印刷処理に進む。ここで、本実施形態例の画像形成装置では、電源オン時或いは初期化時、ジャム履歴FIFO9a1のb2を”1”としているので、必ず、前記ステップS72へは行かず後述のステップS77の処理へと進む。
【0058】
直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。まず、媒体搬送速度レジスタの速度ランクが速度ランクの下限値SRminかどうかを判定し(ステップS77)、下限値SRminの場合は、速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持しステップS80以降の処理に進み、下限値SRminより大きい場合は1ランク下げる(ステップS78)。そして、更新された速度ランクを媒体サイズ、媒体種類に相当する最大速度ランク履歴に格納する(ステップ79)。
【0059】
以降のステップS80からステップS89の処理にて第4の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示していないが操作者がジャム要因を除去後再び印刷を開始させ、ステップS83からステップS89の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFO9a2にジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0060】
以上第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、速度ランクを1つ設けた例を示したが、多少複雑な制御となるが、第3の実施形態例の画像形成装置のように搬送区間毎に速度ランクを制御する場合においても、媒体サイズ、媒体種類毎に最大速度ランク履歴を格納する制御テーブルを設け、初期化時に前記最大速度ランク値から開始するようにすることもできる。
【0061】
(第4の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第4の実施形態例の画像形成装置では、第2の実施形態例の画像形成装置効果に加え、媒体サイズと媒体種類毎に過去の最高速度ランクを格納する制御テーブルを設け、初期化時に、印刷ジョブ毎の媒体情報に対応した最高速度ランクを媒体搬送レジスタ30に格納するので、徐々に速度ランクを更新することなく、可能な最高速度ランクより開始できるので搬送速度をさらに向上することができる。
【0062】
《第5の実施形態例》
第5の実施形態例の画像形成装置は、媒体サイズ、媒体種類に加え、環境条件である温度湿度検出部を設け、温度、湿度をパラメータとして保持した過去の最大速度ランクを媒体搬送速度レジスタの初期速度ランクとしてセットするようにしたものである。
【0063】
(構成)
第5の実施形態例の画像形成装置の構成図を図12に示す。同図に示したように第5の実施形態例の画像形成装置は、第1の実施形態例の画像形成装置の構成に温度湿度検出部10を追加し、印刷速度判定処理部8に接続した構成となっている。その他の構成は第1の実施形態例の画像形成装置と同様であり、同図に示したように接続されている。
【0064】
図13は第5の実施形態例の画像形成装置における制御テーブル50の構成例である。同図のように、制御テーブル50は、媒体サイズと媒体種類毎に設けた温度、湿度表に最大速度ランクをそれぞれ格納できるようになっている。勿論、第4の画像形成装置の制御テーブル40のような表形式として予め決めた温度、湿度毎に表を設ける構成としてもよい。図13の制御テーブルの場合、例えば、過去に媒体サイズがA4で、媒体種類がMediumの印刷ジョブがあり、その時の温度がT2(15℃)で湿度がH2(15%)の場合に速度ランクを更新したときは、更新した速度ランクを、A4・MediumのV22に格納する。
【0065】
(動作)
以上の構成により第5の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図14、図15の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、図15の印刷速度判定処理のステップS110からステップS119までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0066】
まず、第4の実施形態例の画像装置と同様に、電源投入後或いは初期化後、ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とし、他のビットを”0”にクリアし、またジャム要因履歴FIFO9a2は該当無しコード”0”を全てセットする。そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図14の搬送速度レジスタ設定処理を行い、搬送速度レジスタの初期値を決定する。まず、印刷データを受信すると、受信データより媒体サイズと媒体種類を抽出する(ステップS91)。次に、現在の画像形成装置1内の温度、湿度を、画像形成装置1内に設置したサーミスタ、抵抗式或いは静電容量式湿度検出素子等から構成される温湿度検出部10により検出する(ステップ92)。そして、抽出した媒体サイズと媒体種類、検出した温度、湿度に相当する図13記載の制御テーブル50を参照し、最大速度ランクの値が既に格納されているかどうかの判定を行い(ステップS93)、最大速度ランクの値が格納されている場合は、格納されている最大速度ランクを搬送速度レジスタ30にセットする(ステップS94)。一方、格納されている値がない場合はデフォルト値を搬送レジスタ30にセットする(ステップS95)
【0067】
媒体搬送速度レジスタの初期値が決定した後、図15の印刷速度判定処理を行う。ここで、ステップS101〜ステップS103、ステップS106〜ステップS108は第4の実施形態例の画像形成装置のステップS71〜S73、S76〜S78と同様であるので説明を省略する。
【0068】
過去にジャムが発生していない場合の処理であるステップS104では、該当する媒体サイズ、媒体種類で、抽出した温度、湿度に対応した最大速度ランクを抽出し、抽出した最大速度ランクとステップS103にて1加算した速度ランクを比較して、1加算した速度ランクが大きい場合は、最大速度ランクの値を新たな速度ランクに置き換える(ステップS105)。
【0069】
一方、過去にジャムが発生して場合の処理であるステップS109では、更新された速度ランクを媒体サイズ、媒体種類、温度、湿度に対応する最大速度ランク格納位置に格納する(ステップ109)。
【0070】
以降のステップS110からステップS119の処理にて第4の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示しないが操作者によりジャム除去が行われ再び印刷を開始することにより、ステップS113からステップS119の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFO9a2にジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0071】
以上、第5の実施形態例の画像形成装置の説明では、速度ランクを1つ設けた例を示したが、多少複雑な制御となるが、第3の実施形態例の画像形成装置と同様に搬送区間毎に、媒体サイズ、媒体種類毎、温度、湿度毎に最大速度ランク履歴を格納する制御テーブルを設け、搬送区間毎に搬送速度を制御し電源投入時或いは初期化時に搬送区間毎に当該制御テーブルから最大速度ランク値を抽出し速度ランクとして設定することによっても、詳細な速度制御を行うことができる。
【0072】
また、第5の実施形態例の画像形成装置の説明では、装置内の温度湿度を所定の位置に備えた1つの温度湿度検出部10にて検出した温度湿度による処理として説明したが、前述の変形例のように搬送区間毎に制御テーブルを設け、搬送区間毎に温度湿度検出素子を配置し温度湿度を搬送区間毎にそれぞれ検出し検出した各搬送区間の温度湿度に対応した最大速度ランク値を制御テーブルから抽出し、電源投入時或いは初期化時の速度ランクとして設定することによっても、さらに詳細な速度制御を行うことができる。
【0073】
(第5の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第5の実施形態例の画像形成装置では、第4の実施形態例の画像形成装置効果に加え、温度や湿度も考慮した過去の最高速度ランクを格納する制御テーブルを設け、初期化時に、印刷ジョブ毎の媒体情報に対応した最高速度ランクを媒体搬送レジスタ30に格納するので、徐々に速度ランクを更新することなく、温度や湿度を考慮した最高速度ランクより開始できるので適確に搬送速度を向上することができる。
【0074】
《その他の変形例》
以上述べた実施形態例の他、以下の変形例の実施形態としても本発明の同様の作用、効果が得られる。すなわち、
【0075】
(1)各実施形態例での説明では、印刷ジョブ毎のジャム発生の有無やジャム要因履歴により媒体搬送速度を変化させる例を示したが、1ページを印刷する毎にジャム発生やジャム要因履歴を格納し、当該履歴に基づいて媒体搬送速度を変えるようにしてもよい。
【0076】
(2)各実施形態例での説明では、プリンタの例を示したが、シート状の媒体やカードや冊子状等の媒体を搬送し印刷等する装置であれば、例えば発券機や自動取引装置などにおいても同様の作用・効果が得られる。
【0077】
(3)各実施形態例での説明では、ステップS1、S21、S51、S71、S101にてジャム履歴FIFOの全ビットをチェックし、全ビットが”0”かどうかで媒体搬送速度を増減する例を示したが、1回のジャム発生では搬送速度が直接的な原因でない場合もあるので、予め決めた回数のジャム発生では搬送速度を減少させない制御とし、予め決めた回数以上のジャムが発生したときに搬送速度を下げるようにしてもよい。
【0078】
(4)各実施形態例での説明では、ステップS27、S57、S80、S110によりジャム発生回数がx回以上のとき連続したジャム要因かどうかの判定を行っているが、ステップS25、S55、S77、S107の速度ランク下限値かどうかの判定を行い下限値となっている場合は、ジャム発生が多数回発生している場合が多いので、速度ランク下限値の判定処理を前述のx回以上の判定と同等のものとし、前述のx回以上の判定をなくすこともできる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に述べたように、本発明の画像形成装置によれば、印刷毎の媒体のジャム発生の有無やジャム要因を格納するジャム履歴格納部、媒体種類毎に各速度ランクに対応する搬送速度や画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム発生頻度やジャム要因により搬送速度を変化させるようにしたので、動作環境下における最大限の性能により媒体搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態例のジャム履歴格納部の構成図である。
【図3】第1の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図4】第1の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図5】第2の実施形態例のジャム履歴格納部の構成図とジャム要因コード例である。
【図6】第2の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図7】第3の実施形態例の画像形成装置の媒体搬送速度レジスタの構成図である。
【図8】第3の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図9】第4の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図10】第4の実施形態例の搬送速度レジスタ設定の動作フローチャートである。
【図11】第4の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図12】第5の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図13】第5の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図14】第5の実施形態例の搬送速度レジスタ設定の動作フローチャートである。
【図15】第5の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図16】画像形成装置の構造図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 上位装置
3 インタフェイス部
4 制御部
5 モータ駆動回路
6 モータ
7 ジャム検出センサ
8 印刷速度判定処理部
9、9a ジャム履歴格納部
10 温度湿度検出部
20、40、50 制御テーブル
30 媒体搬送速度レジスタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタやファクシミリ等の画像形成装置に関し、画像形成速度、その他の媒体搬送速度を適確に制御する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像形成装置1は図16に示したように、媒体カセット87と、カセット内の媒体を繰出すホッピングローラ88、媒体を搬送するレジストローラ89、裏面印刷リア搬送ローラ95、裏面印刷搬送ローラ96、裏面印刷ホッピングモータ90と、画像を形成し定着する感光ドラム91、定着器92と、排出媒体をスタックするスタッカ93、94と、媒体搬送を制御するための媒体検出手段としてのホッピングセンサ80、レジストセンサ81、入口センサ82、排出センサ83、裏面印刷スタックセンサ84、裏面印刷フロントセンサ85、裏面印刷リアセンサ97から構成される。
【0003】
以上の構成により、媒体搬送は次のような手順により行われる。すなわち、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」という)やプリンタサーバのような上位装置から印刷データを受信した画像形成装置1は、印刷イメージデータを生成し、印刷準備が整った後に、印刷動作を起動し媒体搬送を開始する。そして、最初にホッピングローラ88により媒体カセット87内に収納されている媒体が繰出され、ホッピングセンサ80を通過して媒体搬送路上に送り出される。
【0004】
送り出された媒体はレジストセンサ81を通過しレジストローラ89に突き当てられ媒体の斜行が修正される。次にレジストローラ89を回転駆動することで媒体は入口センサ82を通過し感光ドラム91、定着器92等から構成される電子写真ユニットに送り込まれる。そして、感光ドラム91等によりトナーを付着させた媒体は定着器92により定着され、排出センサ83を通過後、片面印刷でフェイスアップ排出が選択された場合は印刷面を上にしてスタッカ93へ、フェイスダウン排出が選択された場合はスタッカ94へ印刷面を下側にして排出される。両面印刷の場合は画像形成装置1の下側に配置された裏面印刷ユニットへ送り出され、裏面印刷スタックセンサ84により後端を検出してから一定量搬送したa点まで搬送される。そして、a点まで搬送された媒体は再び裏面印刷リア搬送ローラ95により裏面印刷搬送ローラ96へと搬送され、裏面印刷搬送ローラ96により、さらに搬送され媒体の先端が裏面印刷フロントセンサ85を通過したところで一旦停止する。
【0005】
そして、裏面を印刷する準備が整った時、裏面印刷ホッピングモータ90により待機していた媒体を繰出し、レジストローラ89へ送り出し、表面の印刷と同様に感光ドラム91等によりトナーを付着させ、定着器92により定着し、予め選択されたフェイスアップまたはフェイスダウン排出設定に応じスタッカ93、94へと排出する。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−89155号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の画像形成装置では、異なる媒体種類毎に媒体の搬送速度を変化させることはできるが、最悪の環境下において安定な動作を保証できるような搬送速度として媒体種類毎に固定の搬送速度に設定するので、さらに高速に搬送できる環境であっても固定の搬送速度としているため、性能を充分に発揮することはできなかった。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の課題を解決するため次の構成を採用する。すなわち、第1の発明の画像形成装置では、所望の画像を印刷形成する画像形成装置において、印刷毎に媒体のジャム発生の有無を格納するジャム履歴格納部と、予め媒体種類毎に決めた複数の搬送速度及び搬送速度に対応する画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴に基づき搬送速度を可変とした。
【0009】
第2の発明の画像形成装置では、印刷毎にジャム発生の有無及びジャム発生要因を格納するジャム履歴格納部と、媒体搬送速度を独立して設定することが可能な搬送区間毎に媒体搬送速度レジスタを設け、前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴及びジャム発生要因に基づき、媒体搬送区間毎に搬送速度を可変とした。
【0010】
第3の発明の画像形成装置では、印刷毎にジャム発生の有無及びジャム要因を格納するジャム履歴格納部を設け、同一要因によるジャム発生頻度が高いときは、ジャム発生要因を操作者に通知するようにした。
【0011】
第4の発明の画像形成装置では、媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始するようにした。
【0012】
第5の発明の画像形成装置では、装置内の温度または湿度或いはその両方を検出する温度湿度検出部と、媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方と、温度または湿度或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類及び前記温度湿度検出部にて検出した温度、湿度に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施形態例を、図面を用いて説明する。なお図面に共通する要素には同一の符号を付す。
【0014】
《第1の実施形態例》
第1の実施形態例の画像形成装置は、同種類の媒体におけるジャム発生の頻度により搬送速度を可変としたものである。
【0015】
(構成)
第1の実施形態例の画像形成装置の構成図を図1に示す。同図に示したように第1の実施形態例の画像形成装置は、上位装置2からの印刷データを受信するインタフェイス部3と、後述の各種検出センサの出力結果により搬送速度を制御する制御テーブル等を記憶する記憶部を有し媒体搬送用のモータの駆動制御を行う制御部4、制御部4の制御のもとに駆動モータ6(1)〜6(n)を回転駆動するモータ駆動回路5、媒体ジャムを検出するジャム検出センサ7(1)〜7(n)、ジャム検出センサの出力に基づき印刷速度を設定する印刷速度判定処理部8、ジャム発生の履歴を格納するジャム履歴格納部9から構成され、同図のように接続されている。
【0016】
図2は、ファーストインファーストアウトレジスタ(以下、「FIFO」という)から構成され、印刷毎のジャム有無の履歴を格納するジャム履歴格納部9の構成例を示した図である。印刷中にジャムがあった場合は入力(図左側)b1に”1”をセットし、ジャムがなかった場合は”0”をセットし、セットされたデータが図示しないシフトクロックによりbn方向に順次詰めてシフトされて格納される。例えば、図2の例では、b(n−3)=”1”、b(n−1)=”1”であるので画像形成装置の電源オン或いは初期化後2回目と4回目の印刷時にジャムが発生し、b(1)=”0”、b(2)=”1”であるので前回の印刷の際にジャムが発生し直前の印刷は正常に行われたことを示している。
【0017】
図3は、各速度ランクに対応した媒体搬送速度、及びその媒体搬送速度に対応した定着器の温度やドラムの帯電電圧等の電子写真印刷制御用設定値を媒体種類毎に予め設定し格納する制御テーブル20の構成例である。例えば、媒体種類がMedium Lightで速度ランクが2に設定された場合は、{ML2}として搬送速度と搬送速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等が格納されているので、{ML2}情報に基づき搬送速度、帯電電圧、定着温度等を設定し印刷を行う。
【0018】
(動作)
以上の構成により、第1の実施形態例の画像形成装置は以下のように動作する。本動作を図4の印刷動作フローチャート図を用いて説明する。まず、電源投入後或いは初期化後、図2に示したジャム履歴格納部9のFIFOのすべてのビットをクリアする。また、媒体搬送速度ランクをデフォルト値とする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0019】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる搬送速度判定処理を行い媒体搬送速度を決定する。印刷速度判定処理では、まず、ジャム履歴格納部9のFIFOの全ビットをチェックし(ステップS1)、全ビットが”0”であった場合は、過去の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS2)、速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し、速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は速度ランクを1加算する(ステップS3)。
【0020】
一方、ステップS1にてジャム履歴格納部9のFIFOに1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかを判定する(ステップS4)。この直前のジャム履歴はb1に格納されているのでb1の値を確認することにより行われる。直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。そして、現在の速度ランクが下限値SRminかどうかを判定する(ステップS5)。速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持し、速度ランクが下限値SRminより大きい場合は、速度ランクを1下げ、印刷速度を下げるようにする(ステップS6)。ここで、ステップS4の判定でジャム履歴格納部9のFIFOのいずれかのビットが”1”であるが、直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持する。
【0021】
以上の処理にて速度ランクが決定した後、図3の制御テーブル20から前記決定した速度ランクに対応した印刷速度、その印刷速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等の情報を抽出し、抽出した情報に基づき印刷を開始する(ステップS7)。
【0022】
そして、印刷が開始され印刷最終ページまで印刷されたかどうかを判定し(ステップS8)、全て印刷されていない場合は引続きステップS7の印刷動作を行い、全てのページが印刷された場合は、印刷動作中にジャムエラーが発生したかどうかを判定する。この判定方法としては、通常、印刷動作においてジャムが発生した場合、割り込み処理にてジャム発生を操作者に通知する処理を行い操作者によりジャムが除去された後、再びリトライ印刷を行うが、この割り込み処理にてエラーステータスフラッグをセットし、最終ページが印刷された時にこのエラーステータスフラッグを参照してエラーが発生したかどうかの判定を行う方法が採られる(ステップS9)。
【0023】
そして、印刷動作においてジャムエラーが発生せず、エラーステータスフラッグがセットされていない場合は、ジャム履歴格納部9のFIFOに”0”をセット(ステップS10)し、ジャムエラーが発生しエラーステータスフラッグがセットされている場合は、ジャム履歴格納部9のFIFOに”1”をセットし(ステップS11)、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0024】
(第1の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第1の実施形態例の画像形成装置によれば、印刷動作毎に媒体のジャム発生の有無を格納するジャム履歴格納部と、媒体種類毎に複数の速度ランクを設け、各速度ランクに対応する搬送速度及び搬送速度に関連する画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム発生頻度により搬送速度を増減するようにしたので、動作環境下における最大限の性能により媒体搬送、印刷を行うことができる。
【0025】
《第2の実施形態例》
第2の実施形態例の画像形成装置では、搬送速度を上げたことに起因して発生したジャムか、別の要因により発生したジャムかを判別し、搬送速度を上げたこととは別の要因によるジャム発生の場合は、発生箇所固有の障害であるとして操作者に通知するようにしたものである。
【0026】
(構成)
第2の実施形態例の画像形成装置の構成は、第1の実施形態例の画像形成装置の構成とはジャム履歴格納部9aの内部構成が異なり、他は同様であるので簡略化のためにその説明を省略する。
【0027】
図5は、第2の実施形態例の画像形成装置におけるジャム履歴格納部9aの構成例を示す図である。同図(a)に示したようにジャム履歴格納部9aはジャム発生が有った場合は”1”をb1にセットするジャム履歴FIFO9a1と、ジャム発生が有った場合のジャム発生の要因を格納するジャム要因履歴FIFO9a2から構成され、いずれもFIFOで構成されている。そして、ジャム履歴FIFO9a1は第1の実施形態例の画像形成装置と同様のものであり、ジャム要因履歴19は同図(b)に示したようなジャム要因コードに従い、ジャムが発生した場合、ジャム要因コードを随時格納するものである。
【0028】
例えば、ホッピングローラ88近傍で発生するホッピングジャムであれば、ジャム発生を示す”1”をジャム履歴FIFO9a1のb1にセットするとともにホッピングジャムを示すジャム要因コード”1”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1にセットし、排出時ジャムが発生した場合はジャム発生を示す”1”をジャム履歴FIFO9a1のb1にセットするとともに、排出ジャムを示すジャム要因コード”3”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1にセットする。ジャムが発生しなかった場合は、ジャム履歴FIFO9a1のb1には”0”をジャム要因履歴FIFO9a2のC1には該当なしコード”0”をセットする。
【0029】
(動作)
以上の構成により第2の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図6の印刷動作フローチャートを用いて説明する。まず、電源投入後或いは初期化後、図5に示したジャム履歴格納部9aの両FIFO9a1、9a2のすべてのビットをクリアする。また、媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値をセットする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0030】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、まず以下に述べる印刷速度判定処理を行い媒体搬送速度を決定する。なお、印刷速度判定処理のステップS21からステップS26までは第1の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS1からステップS6までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略しステップS27から説明することとする。
【0031】
すなわち、ステップS21、S24〜S26により直前の印刷ジョブにてジャムが発生したと判定した場合は速度ランクが下限値かどうかの判定を行い速度ランク維持或いは下げた後、過去のジャム履歴をジャム履歴FIFO9a1の”1”の回数をカウントし、ジャム発生がx回以上かどうかを判定する(ステップS27)。そして、ジャム発生がx回以上の場合は、ジャム発生要因コードが全て同じかどうかを判定し(ステップS28)、全て同じ場合は速度ランクを下げていったにも拘らず、同一箇所にてジャムが発生しているのでジャムの原因は速度によるものではなく、その場所固有の問題と考えられ、操作者等に図示しない画像形成装置の表示部やインタフェイスを通じて上位装置2にその旨の通知を行う(ステップS29)。図示していないが、この通知を受けた操作者等は、ジャム要因を除去した後再び印刷を開始させるが、その際、媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値がセットされ、下げられた速度ランクがリセットされる。
【0032】
前記場所固有の問題と判定する方法としては上記のようにジャム発生要因コードが全て同じかどうかを判定するのではなく、予め決めた回数、或いは比率を閾値として判定するようにしてもよい。
【0033】
一方、ステップS27の判定によりジャム発生がx回より少ない場合は、ジャム発生回数が原因の判定を行う回数まで至っていないので、上記ステップS28の要因判定の処理及びステップS29の通知処理をスキップする。
【0034】
以上の処理にて速度ランクが決定した後、前述の図3制御テーブル20から前記決定した速度ランクに対応した印刷速度、及びその印刷速度に対応した定着器92の設定温度や感光ドラム91の帯電電圧等を抽出し、抽出した情報に基づき印刷を開始する(ステップS30)。
【0035】
そして、印刷が開始され印刷最終ページまで印刷されたかどうかを判定し(ステップS31)、全て印刷されていない場合は引続きステップS30の印刷動作を行い、全てのページが印刷された場合は印刷動作中にジャムエラーが発生したかどうかをエラーステータスフラッグを参照して判定する(ステップS32)。
【0036】
印刷動作においてジャムエラーが発生せず、エラーステータスフラッグがセットされていない場合は、ジャム履歴FIFO9a1のb1に”0”をセットし(ステップS33)、ジャム要因履歴FIFO19a2のC1には該当なしコード”0”をセットし(ステップS34)、ジャムエラーが発生しエラーステータスフラッグがセットされている場合は、ジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし(ステップS35)、ジャム要因履歴19にはジャム発生箇所のコードをセットし(ステップS36)、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0037】
(第2の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第2の実施形態例の画像形成装置では、第1の実施形態例の画像形成装置効果に加え、ジャム履歴格納部9aにジャム要因コードを格納するジャム要因履歴FIFO9a2を設け、ジャム発生要因を確認することによりジャムが媒体搬送速度に起因しない場合は操作者にその旨を通知することができるので、適確にジャム要因を除去できるとともに、早期に速度ランクをクリアし搬送速度を復帰することができる。
【0038】
《第3の実施形態例》
第3の実施形態例の画像形成装置は、媒体搬送路の各区間毎に搬送速度を設定可能とし、ジャムが発生した区間のみ搬送速度を下げ、他の区間は現状の速度を維持或いは速度を上げるようにしたものである。
【0039】
(構成)
第3の実施形態例の画像形成装置は、第2の実施形態例の画像形成装置とは搬送速度レジスタの構成が異なり、他の構成は同様であるので簡略化のために他の構成についての説明を省略する。
【0040】
図7は、第3の実施形態例の画像形成装置における各搬送区間の媒体搬送速度を格納して置く搬送速度レジスタの構成例である。例えば電子写真プリンタではその構造上、レジストローラ89から定着器92までの電子写真プロセスは一定の搬送速度に保つ必要があり、この区間は1グループとして管理する。その他の、ホッピングローラ88によるホッピング速度、裏面印刷ローラ96による裏面搬送速度、裏面印刷の際のホッピング速度、媒体排出速度は電子写真印刷プロセスとは独立に設定することが可能であるので、第3の実施形態例の画像形成装置の搬送速度レジスタでは、これらに対応する速度設定レジスタをそれぞれ別に設けた構成としている。
【0041】
そして、ホッピング速度30aはホッピングモータ88にて媒体カセット87内にスタックしている媒体を送り出しレジストセンサ81を媒体先端が通過した後一定時間後にホッピングモータ88を停止し媒体先端がレジストローラ89に突き当たるまでの区間の搬送速度に適用され、レジスト・定着速度30bはレジストローラ89で媒体を電子写真プロセスへ送り込み、ドラム91による現像と定着器92による定着を行い媒体先端が排出センサ83を通過するまでの区間の搬送速度に適用され、反転スタック速度30cは裏面印刷スタックセンサ84を媒体後端が通過してから一定時間搬送し媒体後端が裏面印刷ユニットへの入口a点まで到達するまでの区間の速度に適用され、裏面搬送速度30dは媒体が裏面搬送ユニットに入り裏面印刷フロントセンサ85に到達し裏面ホッピングローラ90に突き当たるまでの区間に適用され、裏面ホッピング速度30eは裏面印刷ユニットに待機していた媒体が裏面ホッピングローラ90により送り出されレジストローラ89に突き当たるまでの区間に適用され、排出速度30fはレジスト・定着区間を通過し排出センサ83を媒体後端が通過してからフェイスダウン排出センサ86を通過して排出完了するまでの区間に適用される。
【0042】
以上の特性から媒体搬送速度レジスタ30は、図7のように媒体ホッピングの速度としてホッピング速度レジスタ30a、レジスト及び定着する速度としてレジスト・定着速度レジスタ30b、裏面印刷ユニットへの入口a点まで到達するまでの区間の速度として反転スタック速度30c、裏面印刷ローラ96による媒体搬送速度である裏面搬送速度レジスタ30d、裏面をホッピングする速度であるホッピング速度レジスタ30e、媒体を排出する際の排出速度レジスタ30fから構成される。
【0043】
(動作)
以上の構成により第3の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図8の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、印刷速度判定処理のステップS57からステップS66までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0044】
まず、電源投入後或いは初期化後、第2の実施形態例の画像形成装置と同様に図5に示したジャム履歴格納部9aのFIFOのすべてのビットをクリアする。また、図7に示した媒体搬送レジスタ30の各レジスタに媒体搬送速度ランクとしてデフォルト値をセットする。このデフォルト値は最小の速度ランクとしてもよいし、最大の速度ランクとしもよいし、またこれらの中間値としておいてもよい。
【0045】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図8の印刷速度判定処理を行い、印刷を開始する媒体搬送速度を決定する。印刷速度判定処理では、まず、ジャム履歴格納部のジャム履歴FIFO9a1の全ビットをチェックし(ステップS51)、全ビットが”0”であった場合は、前の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、媒体搬送レジスタ30の各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS52)、各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し各レジスタの速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は該当するレジスタの速度ランクを1加算する(ステップS53)。
【0046】
一方、ステップS51にてジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFOに1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかをジャム履歴FIFO9aのビットb1を参照して判定する(ステップS54)。ビットb1=”0”で直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持し、ステップS60以降の印刷処理に進む。
【0047】
直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。まず、ジャム履歴FIFO9a1の前記b1に相当するジャム要因履歴FIFO9a2のC1に格納されているジャム要因コードをチェックし、この要因に関連する図7記載の媒体搬送速度レジスタの速度ランクが速度ランクの下限値SRminかどうかを判定し(ステップS55)、下限値SRminの場合は、速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持し、下限値SRminより大きい場合は1ランク下げる(ステップS56)。
【0048】
以降のステップS57からステップS59の処理にて第2の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示していないが操作者によりジャム要因を除去後再び印刷を開始し、ステップS60からステップS66の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFOに”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFOにジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0049】
(第3の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第3の実施形態例の画像形成装置では、第2の実施形態例の画像形成装置の効果に加え、媒体搬送レジスタ30を媒体搬送区間毎に独立して持たせジャムが発生した区間の媒体搬送速度だけを下げることができるので、装置全体の印刷処理の低下を最小限とすることができる。
【0050】
《第4の実施形態例》
第4の実施形態例の画像形成装置は、媒体搬送速度レジスタの初期速度ランクとして、一定の値を入れるのではなく、過去の履歴から印刷可能であった最大速度ランクをセットするようにし、最高速度に到達するまでの時間を短くすることにより、印刷処理速度を向上するものである。
【0051】
(構成)
第4の実施形態例の画像形成装置は、速度制御テーブルの構成が異なり、他は第3の実施形態例の画像形成装置と同様であるので、簡略化のために他の構成についての説明を省略する。
【0052】
図9は第4の実施形態例の画像形成装置における制御テーブルの構成例である。同図のように、制御テーブル40は媒体サイズと媒体種類毎に最大速度ランクが保持される構成となっている。例えば、過去に媒体サイズがA4の場合で媒体種類がMedium Lightでの印刷ジョブがあり、その時に速度ランクを更新したときは、その速度ランクをV(A4−2)に格納するようになっている。
【0053】
(動作)
以上の構成により第4の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図10、図11の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、図11の印刷速度判定処理のステップS80からステップS89までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0054】
まず、電源投入後或いは初期化後、ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とし、他のビットを”0”にクリアし、またジャム要因履歴FIFO9a2は該当無しコード”0”を全てセットする。ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とする理由は、媒体搬送速度の初期値として過去の履歴より最大速度ランクをセットするが、ジャム履歴FIFOの全ビットが”0”の場合は次の印刷速度判定処理にて速度ランクが1増加することになるのを防ぐためである。勿論、上記のようにジャム履歴FIFO9a1の初期設定を行わずに、最初の印刷の場合は特別に後述の速度ランクを上げないような処理としてもよい。
【0055】
そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図10の搬送速度レジスタ設定処理を行い、搬送速度レジスタの初期値を決定する。まず、印刷データを受信すると、受信データより媒体サイズと媒体種類を抽出する(ステップS61)。この時、印刷データに媒体サイズ、媒体種類の情報がない場合は画像形成装置のデフォルト値を搬送速度レジスタに設定する。次に、抽出した媒体サイズと媒体種類に相当する図9記載の制御テーブル40を参照し、最大速度ランクの値があるかどうかの判定を行い(ステップS62)、最大ランクの値が有る場合は、履歴データを搬送速度レジスタ30にセットする(ステップS63)。一方、履歴がない場合はデフォルト値を搬送レジスタ30にセットする(ステップS64)
【0056】
媒体搬送速度レジスタの初期値が決定した後、印刷速度判定処理を行う。まず、ジャム履歴格納部のジャム履歴FIFO9a1の全ビットをチェックし(ステップS71)、全ビットが”0”であった場合は、前の印刷においてジャムは1度も発生していないことを示すので媒体搬送速度を上げるようにし、媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxかどうかの判定を行う(ステップS72)。媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxである場合は、現在の搬送速度以上に速度を上げることはできないので現状の速度ランクを維持し、媒体搬送レジスタの速度ランクが上限値SRmaxより低い場合は該当するレジスタの速度ランクを1加算する(ステップS73)。そして、1加算した速度ランクが、制御テーブル40の媒体サイズ、媒体種類に対応する最大速度履歴の値と比較し(ステップS74)、1加算した速度ランクの方が大きい場合は、その最大速度履歴の値を新たな速度ランクに置き換える(ステップS75)。
【0057】
一方、ステップS71にてジャム履歴格納部9aのジャム履歴FIFO9a1に1ビットでも”1”がセットされている場合は、過去の印刷においてジャムが発生しているので媒体搬送速度を下げるようにし、まず直前の印刷動作においてジャムが発生したかどうかをジャム履歴FIFO9aのビットb1を参照して判定する(ステップS76)。ビットb1=”0”で直前の印刷動作においてジャムが発生していない場合は、現在の速度では問題ないが以前の印刷動作においてジャムが発生しているので、速度ランクを上げることはせずに現在の速度ランクを維持し、ステップS83以降の印刷処理に進む。ここで、本実施形態例の画像形成装置では、電源オン時或いは初期化時、ジャム履歴FIFO9a1のb2を”1”としているので、必ず、前記ステップS72へは行かず後述のステップS77の処理へと進む。
【0058】
直前の印刷動作においてジャムが発生している場合、すなわちb1=”1”の場合は、現在の印刷速度に問題があると判定し、速度ランクを下げるようにする。まず、媒体搬送速度レジスタの速度ランクが速度ランクの下限値SRminかどうかを判定し(ステップS77)、下限値SRminの場合は、速度ランクが下限値SRminの場合は、これ以上、速度を下げることができないので速度ランクは現状を維持しステップS80以降の処理に進み、下限値SRminより大きい場合は1ランク下げる(ステップS78)。そして、更新された速度ランクを媒体サイズ、媒体種類に相当する最大速度ランク履歴に格納する(ステップ79)。
【0059】
以降のステップS80からステップS89の処理にて第4の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示していないが操作者がジャム要因を除去後再び印刷を開始させ、ステップS83からステップS89の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFO9a2にジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0060】
以上第4の実施形態例の画像形成装置の説明では、速度ランクを1つ設けた例を示したが、多少複雑な制御となるが、第3の実施形態例の画像形成装置のように搬送区間毎に速度ランクを制御する場合においても、媒体サイズ、媒体種類毎に最大速度ランク履歴を格納する制御テーブルを設け、初期化時に前記最大速度ランク値から開始するようにすることもできる。
【0061】
(第4の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第4の実施形態例の画像形成装置では、第2の実施形態例の画像形成装置効果に加え、媒体サイズと媒体種類毎に過去の最高速度ランクを格納する制御テーブルを設け、初期化時に、印刷ジョブ毎の媒体情報に対応した最高速度ランクを媒体搬送レジスタ30に格納するので、徐々に速度ランクを更新することなく、可能な最高速度ランクより開始できるので搬送速度をさらに向上することができる。
【0062】
《第5の実施形態例》
第5の実施形態例の画像形成装置は、媒体サイズ、媒体種類に加え、環境条件である温度湿度検出部を設け、温度、湿度をパラメータとして保持した過去の最大速度ランクを媒体搬送速度レジスタの初期速度ランクとしてセットするようにしたものである。
【0063】
(構成)
第5の実施形態例の画像形成装置の構成図を図12に示す。同図に示したように第5の実施形態例の画像形成装置は、第1の実施形態例の画像形成装置の構成に温度湿度検出部10を追加し、印刷速度判定処理部8に接続した構成となっている。その他の構成は第1の実施形態例の画像形成装置と同様であり、同図に示したように接続されている。
【0064】
図13は第5の実施形態例の画像形成装置における制御テーブル50の構成例である。同図のように、制御テーブル50は、媒体サイズと媒体種類毎に設けた温度、湿度表に最大速度ランクをそれぞれ格納できるようになっている。勿論、第4の画像形成装置の制御テーブル40のような表形式として予め決めた温度、湿度毎に表を設ける構成としてもよい。図13の制御テーブルの場合、例えば、過去に媒体サイズがA4で、媒体種類がMediumの印刷ジョブがあり、その時の温度がT2(15℃)で湿度がH2(15%)の場合に速度ランクを更新したときは、更新した速度ランクを、A4・MediumのV22に格納する。
【0065】
(動作)
以上の構成により第5の実施形態例の画像形成装置は、以下のように動作する。本動作を図14、図15の印刷動作フローチャートを用いて説明する。なお、図15の印刷速度判定処理のステップS110からステップS119までは第2の実施形態例の画像形成装置の印刷速度判定処理のステップS27からステップS36までの処理と同様であるので簡略化のために説明を省略する。
【0066】
まず、第4の実施形態例の画像装置と同様に、電源投入後或いは初期化後、ジャム履歴FIFO9a1のビットb2を”1”とし、他のビットを”0”にクリアし、またジャム要因履歴FIFO9a2は該当無しコード”0”を全てセットする。そして、PCやプリンタサーバ等の上位装置2からインタフェイス部3を経由し印刷データを受信し、制御部4により印刷イメージデータの作成が完了した時に、以下に述べる図14の搬送速度レジスタ設定処理を行い、搬送速度レジスタの初期値を決定する。まず、印刷データを受信すると、受信データより媒体サイズと媒体種類を抽出する(ステップS91)。次に、現在の画像形成装置1内の温度、湿度を、画像形成装置1内に設置したサーミスタ、抵抗式或いは静電容量式湿度検出素子等から構成される温湿度検出部10により検出する(ステップ92)。そして、抽出した媒体サイズと媒体種類、検出した温度、湿度に相当する図13記載の制御テーブル50を参照し、最大速度ランクの値が既に格納されているかどうかの判定を行い(ステップS93)、最大速度ランクの値が格納されている場合は、格納されている最大速度ランクを搬送速度レジスタ30にセットする(ステップS94)。一方、格納されている値がない場合はデフォルト値を搬送レジスタ30にセットする(ステップS95)
【0067】
媒体搬送速度レジスタの初期値が決定した後、図15の印刷速度判定処理を行う。ここで、ステップS101〜ステップS103、ステップS106〜ステップS108は第4の実施形態例の画像形成装置のステップS71〜S73、S76〜S78と同様であるので説明を省略する。
【0068】
過去にジャムが発生していない場合の処理であるステップS104では、該当する媒体サイズ、媒体種類で、抽出した温度、湿度に対応した最大速度ランクを抽出し、抽出した最大速度ランクとステップS103にて1加算した速度ランクを比較して、1加算した速度ランクが大きい場合は、最大速度ランクの値を新たな速度ランクに置き換える(ステップS105)。
【0069】
一方、過去にジャムが発生して場合の処理であるステップS109では、更新された速度ランクを媒体サイズ、媒体種類、温度、湿度に対応する最大速度ランク格納位置に格納する(ステップ109)。
【0070】
以降のステップS110からステップS119の処理にて第4の実施形態例の画像形成装置と同様に、ジャム回数判定及びジャムが速度に起因したものかどうかの判定を行い、ジャム回数が規定値以上でジャムが速度に起因していない場合は表示部或いは上位装置に通知し、図示しないが操作者によりジャム除去が行われ再び印刷を開始することにより、ステップS113からステップS119の処理にて設定された各速度ランクにより印刷処理を行い、ジャムが発生したときはジャム履歴FIFO9a1に”1”をセットし、同時にジャム要因履歴FIFO9a2にジャム発生箇所に相当する図5(b)記載のコードを格納する。そして、メインプログラムに戻り、次の印刷データの受信を待つ。以上の処理を印刷データ受信毎に繰り返す。
【0071】
以上、第5の実施形態例の画像形成装置の説明では、速度ランクを1つ設けた例を示したが、多少複雑な制御となるが、第3の実施形態例の画像形成装置と同様に搬送区間毎に、媒体サイズ、媒体種類毎、温度、湿度毎に最大速度ランク履歴を格納する制御テーブルを設け、搬送区間毎に搬送速度を制御し電源投入時或いは初期化時に搬送区間毎に当該制御テーブルから最大速度ランク値を抽出し速度ランクとして設定することによっても、詳細な速度制御を行うことができる。
【0072】
また、第5の実施形態例の画像形成装置の説明では、装置内の温度湿度を所定の位置に備えた1つの温度湿度検出部10にて検出した温度湿度による処理として説明したが、前述の変形例のように搬送区間毎に制御テーブルを設け、搬送区間毎に温度湿度検出素子を配置し温度湿度を搬送区間毎にそれぞれ検出し検出した各搬送区間の温度湿度に対応した最大速度ランク値を制御テーブルから抽出し、電源投入時或いは初期化時の速度ランクとして設定することによっても、さらに詳細な速度制御を行うことができる。
【0073】
(第5の実施形態例の効果)
以上詳細に述べたように、第5の実施形態例の画像形成装置では、第4の実施形態例の画像形成装置効果に加え、温度や湿度も考慮した過去の最高速度ランクを格納する制御テーブルを設け、初期化時に、印刷ジョブ毎の媒体情報に対応した最高速度ランクを媒体搬送レジスタ30に格納するので、徐々に速度ランクを更新することなく、温度や湿度を考慮した最高速度ランクより開始できるので適確に搬送速度を向上することができる。
【0074】
《その他の変形例》
以上述べた実施形態例の他、以下の変形例の実施形態としても本発明の同様の作用、効果が得られる。すなわち、
【0075】
(1)各実施形態例での説明では、印刷ジョブ毎のジャム発生の有無やジャム要因履歴により媒体搬送速度を変化させる例を示したが、1ページを印刷する毎にジャム発生やジャム要因履歴を格納し、当該履歴に基づいて媒体搬送速度を変えるようにしてもよい。
【0076】
(2)各実施形態例での説明では、プリンタの例を示したが、シート状の媒体やカードや冊子状等の媒体を搬送し印刷等する装置であれば、例えば発券機や自動取引装置などにおいても同様の作用・効果が得られる。
【0077】
(3)各実施形態例での説明では、ステップS1、S21、S51、S71、S101にてジャム履歴FIFOの全ビットをチェックし、全ビットが”0”かどうかで媒体搬送速度を増減する例を示したが、1回のジャム発生では搬送速度が直接的な原因でない場合もあるので、予め決めた回数のジャム発生では搬送速度を減少させない制御とし、予め決めた回数以上のジャムが発生したときに搬送速度を下げるようにしてもよい。
【0078】
(4)各実施形態例での説明では、ステップS27、S57、S80、S110によりジャム発生回数がx回以上のとき連続したジャム要因かどうかの判定を行っているが、ステップS25、S55、S77、S107の速度ランク下限値かどうかの判定を行い下限値となっている場合は、ジャム発生が多数回発生している場合が多いので、速度ランク下限値の判定処理を前述のx回以上の判定と同等のものとし、前述のx回以上の判定をなくすこともできる。
【0079】
【発明の効果】
以上詳細に述べたように、本発明の画像形成装置によれば、印刷毎の媒体のジャム発生の有無やジャム要因を格納するジャム履歴格納部、媒体種類毎に各速度ランクに対応する搬送速度や画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、ジャム発生頻度やジャム要因により搬送速度を変化させるようにしたので、動作環境下における最大限の性能により媒体搬送を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1〜第4の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図2】第1の実施形態例のジャム履歴格納部の構成図である。
【図3】第1の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図4】第1の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図5】第2の実施形態例のジャム履歴格納部の構成図とジャム要因コード例である。
【図6】第2の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図7】第3の実施形態例の画像形成装置の媒体搬送速度レジスタの構成図である。
【図8】第3の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図9】第4の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図10】第4の実施形態例の搬送速度レジスタ設定の動作フローチャートである。
【図11】第4の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図12】第5の実施形態例の制御テーブルの構成図である。
【図13】第5の実施形態例の画像形成装置の構成図である。
【図14】第5の実施形態例の搬送速度レジスタ設定の動作フローチャートである。
【図15】第5の実施形態例の印刷速度判定及び印刷処理の動作フローチャートである。
【図16】画像形成装置の構造図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 上位装置
3 インタフェイス部
4 制御部
5 モータ駆動回路
6 モータ
7 ジャム検出センサ
8 印刷速度判定処理部
9、9a ジャム履歴格納部
10 温度湿度検出部
20、40、50 制御テーブル
30 媒体搬送速度レジスタ
Claims (5)
- 所望の画像を印刷形成する画像形成装置において、
印刷毎に媒体のジャム発生の有無を格納するジャム履歴格納部と、
予め媒体種類毎に決めた複数の搬送速度及び搬送速度に対応する画像形成制御用設定値を格納する制御テーブルを設け、
前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴に基づき搬送速度を可変としたことを特徴とする画像形成装置。 - 印刷毎にジャム発生の有無及びジャム発生要因を格納するジャム履歴格納部と、
媒体搬送速度を独立して設定することが可能な搬送区間毎に媒体搬送速度レジスタを設け、
前記ジャム履歴格納部に格納されたジャム発生履歴及びジャム発生要因に基づき、媒体搬送区間毎に搬送速度を可変としたことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 印刷毎にジャム発生の有無及びジャム要因を格納するジャム履歴格納部を設け、
同一要因によるジャム発生頻度が高いときは、ジャム発生要因を操作者に通知することを特徴とする請求項1及び2記載の画像形成装置。 - 媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、
電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始することを特徴とする請求項項1ないし3いずれか記載の画像形成装置。 - 装置内の温度または湿度或いはその両方を検出する温度湿度検出部と、
媒体サイズまたは媒体種類或いはその両方と、温度または湿度或いはその両方毎に過去の最高搬送速度を格納する制御テーブルを設け、
電源投入時或いは初期化の際に、印刷する媒体サイズ、媒体種類及び前記温度湿度検出部にて検出した温度、湿度に対応した最高搬送速度を前記制御テーブルより抽出し、前記最高搬送速度から印刷動作を開始することを特徴とする請求項項1ないし3いずれか記載の画像形成装置。
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JP2007271881A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Toshiba Corp | 画像形成装置、シート搬送制御方法 |
JP2015143839A (ja) * | 2013-12-27 | 2015-08-06 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 画像形成装置及び画像形成方法 |
-
2003
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007271881A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-10-18 | Toshiba Corp | 画像形成装置、シート搬送制御方法 |
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