JP2005014929A - 封緘物 - Google Patents

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Hiroshi Fujimoto
洋 藤本
Naoki Horiguchi
直樹 堀口
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Abstract

【課題】製造工程でトラブルが起こらず、送付中に不用意に剥離してしまうことがなく、しかも、往信時に使用された封筒部分を有効利用できる封緘物を提供する。
【解決手段】DM(ダイレクトメール)10は、4つの片からなる折畳み部11と、折畳み部11の端片に連接された封筒紙片12と、封筒紙片12の折畳み部11が連接されている側と反対側の側辺に設けられたフラップ13と、剥離不可能な封緘用接着糊14と、封筒紙片12とフラップ13との間に設けられ、2本のミシン目mcを両側辺に有する切取り部15と、封筒紙片12,フラップ13,切取り部15を折畳んで形成され、折畳まれた折畳み部11を内部に封緘する封筒部16と、水で湿らせると粘着性を示す再湿糊17と、往信情報欄18と、返信情報欄19などとを備える。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、販促(販売促進)情報や広告が記載されたDM(ダイレクトメール)などに好適に利用できる封緘物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、生活者に返信行動を促すようなDMを送付して販促活動を行う場合には、販促情報を載せた印刷物と一緒に、購入や資料請求などの申込用紙、返信用の封筒などを同封する形態や、郵便料金が安い返信用ハガキを同封する形態をとってきた。
【0003】
返信用ハガキを使用する場合、申込内容や個人の属性などの個人情報を隠蔽したいという要望から、別途隠蔽シールなどを同封するケースが増えており、同封する封入点数が増えることで、製造上も封入手間や欠落の検査などの新たなコストが掛かっている。
【0004】
一方、申込用紙と返信用の封筒を同封する場合は、申込用紙、返信用の封筒がばらばらに入っているため、開封後、申込の意志決定期間中にこれらを紛失し、返信の機会を逸する可能性があった。
【0005】
また、配送、郵送コストの視点から、総重量を一定重量以下に抑えることが必要であるが、返信用の封筒を同封すると、重量が増えてしまうので、広告などといった販促情報の紙面の領域や重量に制約が生じていた。
【0006】
これらの問題を解決するために、返信用封筒を内封し、情報を隠蔽して送り届けることができるメールフォームが知られている(例えば、特許文献1)。
【0007】
また、返信用封筒が一体に形成されて折畳まれ、切取り線で返信用封筒を切り離せば、そのまま申込用紙などを返送できる封書型のDM用紙が知られている(例えば、特許文献2)。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−304285号公報
【特許文献2】
実開平7−11364号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1の方法によると、製造工程において、重ねフォーム本体の表面と裏面との両面に粘着部を設けなければならないので、製造工程が複雑で困難であり、また、給紙中にロールに貼り付いてしまう可能性があった。
【0010】
一方、特許文献2の方法によると、往信時は、剥離可能な接着層を用いてDM用紙の周縁部を接着しているが、剥離が可能なゆえに、不用意に剥離してしまうことがあり、また、このトラブルを防止するために、接着層の粘着力を強めれば、今度は、開封しづらく、最悪の場合は、DM用紙を破いてしまう可能性があった。
【0011】
また、いずれの特許文献も、往信時に使用された封筒部分は、開封されたあとは不要となり、有効利用されていなかった。
【0012】
本発明の課題は、製造工程でトラブルが起こらず、送付中に不用意に剥離してしまうことがなく、しかも、往信時に使用された封筒部分を有効利用できる封緘物を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。すなわち、請求項1の発明は、複数の片(11a,11b,11c,11d)からなる折畳み部(11)と、前記折畳み部(11)の端片に連接された封緘片(12)を折畳んで形成され、折畳まれた前記折畳み部(11)を内部に封緘する封緘部(16)と、を備える封緘物である。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1に記載された封緘物において、前記封緘部(16)は、前記折畳み部(11)が連接されている側と反対側の側辺に設けられた閉じ部(13)と、周縁部の一部又は全部に設けられた剥離不可能な接着手段(14)と、を備えること、を特徴とする封緘物である。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載された封緘物において、前記折畳み部(11)の前記封緘片(12)と連接している片は、返信に必要な情報が記載された返信情報片(11a)であること、を特徴とする封緘物である。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された封緘物において、前記折畳み部(11)の天地長さは、前記封緘片(12)の天地長さより短いこと、を特徴とする封緘物である。
【0017】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された封緘物において、前記封緘部(16)は、前記封緘片(12)と前記閉じ部(13)との間に分離予定部(15)を備えること、を特徴とする封緘物である。
【0018】
請求項6の発明は、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された封緘物において、前記分離予定部(15)は、両側辺に2本の分離予定線(mc)が設けられており、前記封緘片(12)の面上に折畳まれた前記折畳み部(11)は、前記封緘片(12)の面上からはみ出しており、前記2本の分離予定線(mc)は、はみ出した部分の端辺の両側に配置されること、を特徴とする封緘物である。
【0019】
請求項7の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された封緘物において、前記折畳み部(11)の一部又は全部は、一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折りで折畳まれていること、を特徴とする封緘物である。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された封緘物において、前記折畳み部(11)の片の数は、偶数であること、を特徴とする封緘物である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面等を参照して、本発明の実施の形態について、さらに詳しく説明する。
(実施形態)
図1は、本発明による封緘物の実施形態を模式的に示す図である。
本実施形態によるDM10(封緘物)は、4つの片(返信に必要な情報が記載された返信情報片11a,2本のミシン目mcを両側辺に有し、申込情報を記入できる申込情報片11b,広告や宣伝などが記載されている2枚の情報片11c,11d)からなる折畳み部11と、折畳み部11の端片に連接された2枚の封筒紙片12と、封筒紙片12の折畳み部11が連接されている側と反対側の側辺に設けられたフラップ13と、フラップ13の端部及び一方の封筒紙片12の天地部分に設けられた剥離不可能な封緘用接着糊14と、封筒紙片12とフラップ13との間に設けられ、2本のミシン目mcを両側辺に有する切取り部15と、申込情報片11bの両側辺に設けられた2本のミシン目mcと、封筒紙片12,フラップ13,切取り部15を折畳んで形成され、折畳まれた折畳み部11を内部に封緘する封筒部16と、返信情報片11aの周縁部の3辺に塗布され、常態では粘着性を示さずに、水で湿らせると粘着性を示す再湿糊17と、宛名,住所,郵便区分などの往信情報、返信情報が記載された往信情報欄18、返信情報欄19などとを備える。
【0022】
次に、本実施形態によるDM10の製造方法を説明する。
まず、図1(A)に示すように、DM10に使用する横長の紙を用意し、封緘用接着糊14と接着しないように、折畳み部11の天地長さを封筒紙片12の天地長さより短くし、情報片11dの左右方向の幅を他の3紙片(11a,11b,11c)より長くする。返信情報片11aの裏面には、返信情報欄19を、申込情報片11bには、申込に必要な記入欄を、2つある封筒紙片12の左側の封筒紙片12の裏面には、往信情報欄18を、他の紙片には、必要に応じて販促情報や広告などをそれぞれ印刷する。申込情報片11bと切取り部15との両側辺にミシン目mcを設け、封緘用接着糊14と再湿糊17とを塗布する。
【0023】
ついで、図1(B)に示すように、一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折りで折畳み部11を折畳み、図1(C)に示すように、折畳み部11を一つに折畳む。この状態で、封筒紙片12の面上に折畳まれた折畳み部11は、情報片11dの幅を長くしたので、封筒紙片12の面上から端部がはみ出している。
【0024】
さらに、図1(D)に示すように、左側の封筒紙片12を折畳み部11に重なるように内側に折り返し、封緘用接着糊14を用いて封筒紙片12の天地部分を剥離不可能に接着する。
【0025】
最後に、図1(E)に示すように、フラップ13を内側に折り返し、フラップ13の端部に設けられた封緘用接着糊14を用いて封筒部16を完全に封緘し、DM10が完成する。
なお、切取り部15の両側辺に設けられた2本のミシン目mcは、折畳み部11のはみ出した部分の端辺の両側に配置されている。
【0026】
以上のようにして、図1(E)に示した状態のDM10が完成したら、封緘物10は、郵送や宅配便などの配送手段によって、往信情報欄18に記載された生活者に届けられる。
【0027】
ここで、DM10の開封方法について説明する。
図2は、本発明による封緘物の実施形態の開封方法を模式的に示す図である。
まず、図2(A)に示すように、DM10が届いたら、生活者側では、2本のミシン目mcを用いて切取り部15を切り離してゆく。
【0028】
ついで、図2(B)に示すように、切取り部15を完全に切り離すと、折畳み部11の端部が表出し、折畳み部11を引き出すことによって、内部に記載されている内容を確認できる。
【0029】
さらに、図2(C)に示すように、ミシン目mcを用いて、申込情報片11bを切り離す。
【0030】
そして、図2(D)に示すように、申込情報片11bの記入欄に必要事項を記入してから、申込情報片11bを封筒部16に挿入し、返信情報片11aに塗布されている再湿糊17を水で湿らせて、図2(E)に示すように、返信情報片11aを折り返して封緘する。
【0031】
最後に、図2(F)に示すように、フラップ13を内側に折り返して、糊や接着剤などで封止し、DM10は、郵送や宅配便などの配送手段によって、返信情報欄19に記載された送り主に返信される。
【0032】
このように、本実施形態によれば、返信用封筒として再利用可能な封筒部16と、生活者に届けたい販促情報の印刷物と、申込用紙とが一体になったDM10を提供できたので、製造工程においては、同封物の封入欠落を防止し、送付封筒の再利用により資源の無駄を省け、また、返信用封筒を別途同封する必要がなくなったので、規定の重量限界まで販促情報に紙面を割くことで、販促効果を高めることができた。
【0033】
また、切取り部15の両側辺に設けられた2本のミシン目mcを、折畳まれた折畳み部11のはみ出した部分の端辺の両側に配置されるようにしたので、切取り部15を切り離した場合に、折畳み部11の端部が表出し、折畳み部11を引き出すきっかけとなり、折畳み部11の天地長さを封筒紙片12の天地長さより短くしたので、折畳み部11が引き出しやすく、しかも、蛇腹折りで折畳み部11を折畳んだので、引き出し時の動作が滑らかになった。
【0034】
さらに、製造工程において、各接着糊は、片面にしか塗布されないので、給紙中のトラブルがなくなり、また、DM10を封緘するための封緘用接着糊14には、剥離不可能な接着糊を用いたので、送付中の不用意な剥離がなくなった。
【0035】
さらにまた、折畳み部11を4(偶数)つの片で構成したので、封筒紙片12の面上に折畳んだ場合に、折畳み部11の封筒紙片12と連接していない側の端部が、切取り部15を切り取ることによって形成される帯状部分付近に表出しやすくなった。
【0036】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の均等の範囲内である。
(1) 本実施形態では、分離予定線は、ミシン目としたが、マイクロミシン目やハーフカットなどの他のカット線でもよい。
【0037】
(2) 本実施形態では、折畳み部11をはみ出させる方法として、情報片11dの左右方向の幅を他の3紙片より長くする方法で説明したが、情報片11cの左右方向の幅を他の3紙片より短くする方法でもよく、また、4紙片の左右方向の幅は一定にして、情報片11dの側辺に、半円状や四角形などの取っ手を設けてもよい。
【0038】
(3) 図2(F)において、最終的にフラップ13を内側に折り込む場合は、、糊や接着剤などで封止する例で説明したが、用途に応じて、封緘用接着糊14と隣接する部分に、返信用の剥離不可能な接着層を剥離紙で覆って設けておいてもよい。
【0039】
(4) 本実施形態では、往信情報欄18と返信情報欄19とは、DM10に直接印刷することにより形成したが、別途作製したラベルを貼り込むことによって形成してもよい。
【0040】
(5) 本実施形態では、折畳み部11は、蛇腹折りで4紙片を折畳む例で説明したが、折畳む紙片数は、必要に応じて増減させてよい。
【0041】
【発明の効果】
以上詳しく説明したように、本発明によれば、封緘部と折畳み部とを一体化させ、往信後には廃棄されるだけであった封緘部を返信時に再利用したので、環境問題を低減でき、また、剥離不可能な接着手段を片面に設けたので、製造工程でのトラブルを減少させることができ、送付中には不用意な剥離を防止できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による封緘物の実施形態を模式的に示す図である。
【図2】本発明による封緘物の実施形態の開封方法を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 DM(ダイレクトメール)
11 折畳み部
11a 返信情報片
11b 申込情報片
11c 情報片
11d 情報片
12 封筒紙片
13 フラップ
14 封緘用接着糊
15 切取り部
16 封筒部
17 再湿糊
18 往信情報欄
19 返信情報欄
mc ミシン目

Claims (8)

  1. 複数の片からなる折畳み部と、
    前記折畳み部の端片に連接された封緘片を折畳んで形成され、折畳まれた前記折畳み部を内部に封緘する封緘部と、を備える封緘物。
  2. 請求項1に記載された封緘物において、
    前記封緘部は、
    前記折畳み部が連接されている側と反対側の側辺に設けられた閉じ部と、
    周縁部の一部又は全部に設けられた剥離不可能な接着手段と、を備えること、を特徴とする封緘物。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された封緘物において、
    前記折畳み部の前記封緘片と連接している片は、返信に必要な情報が記載された返信情報片であること、を特徴とする封緘物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載された封緘物において、
    前記折畳み部の天地長さは、前記封緘片の天地長さより短いこと、を特徴とする封緘物。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された封緘物において、
    前記封緘部は、前記封緘片と前記閉じ部との間に分離予定部を備えること、を特徴とする封緘物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された封緘物において、
    前記分離予定部は、両側辺に2本の分離予定線が設けられており、
    前記封緘片の面上に折畳まれた前記折畳み部は、前記封緘片の面上からはみ出しており、
    前記2本の分離予定線は、はみ出した部分の端辺の両側に配置されること、を特徴とする封緘物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された封緘物において、
    前記折畳み部の一部又は全部は、一端から他端へジグザグに折畳む蛇腹折りで折畳まれていること、を特徴とする封緘物。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載された封緘物において、
    前記折畳み部の片の数は、偶数であること、を特徴とする封緘物。
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