JP2005014730A - 吸音構造 - Google Patents

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靖彦 西村
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Abstract

【課題】本発明は、歩行者保護機能と優れた吸音機能の両立が可能な吸音構造の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、フードパネルの裏面に沿って配設される底板74と、底板74に傾斜して立設される複数の第1群の仕切り板72aと、底板74に略垂直に立設され第1群の仕切り板72aに交差する第2群の仕切り板72bとを備えた吸音ユニット10a,bを少なくとも2個以上隣接して配置し、一端が開口する複数の空間部71を吸音材76により覆う吸音構造において、各吸音ユニット10a,bは、第1群の仕切り板72aが底板74に対して略垂直になるような弾性変形状態で、互いに分離可能に結合されており、各吸音ユニットがフードパネルの曲げ変形に伴って互いに分離した際に、第1群の仕切り板72aが、底板74に対して傾斜した状態に弾性的に復帰することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン音等を吸収して騒音を低減する吸音構造に係り、特に、車両のフードパネルに設置するのに好適な吸音構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、略平らな基板と、当該基板と対向する吸音材と、基板と吸音材との間の空気層を複数の格子状のセルに分割する仕切り板とを備えた吸音構造体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この従来の吸音構造体は、吸音材背後の空気層の厚さ(即ち、各セルの深さ)を、吸収すべき音波の波長の1/4倍に設定することによって、吸音材による音波のエネルギの効率的な減衰を図っている。この従来の吸音構造体によれば、セルの深さの約4倍の波長を持つ音の周波数成分の吸音率が向上する。
【0003】
また、エンジンカバー本体の裏側(エンジン側)からエンジンに向かって突出する無端(連続したリング状)の隔壁を有し、隔壁とエンジンカバー本体とにより相対的に音圧レベルの高い部位(エンジンやデリバリーパイプの表面)を閉塞するようにした遮音構造が知られている(例えば、特許文献2参照。)。この従来の遮音構造では、隔壁の先端(エンジン側)をエンジン表面に当接させることで、遮音性能を高めることを可能としている。
【0004】
また、車両のフードパネルのエンジンルーム側の面に取り付けられる遮音材として、種々のサイズ、形状及び素材の粉砕ゴムからなる粉砕ゴム層と、当該粉砕ゴム層を被覆する被覆層とを備えた遮音材が知られている(例えば、特許文献3参照。)。この従来の技術は、前記粉砕ゴム層を用いて種々の周波数レベルの騒音を遮断及び吸収することを目的としている。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−161282号(第6頁、第16図)
【0006】
【特許文献2】
特開2001−214752号公報
【0007】
【特許文献3】
特開平8−129109号(第3頁及び第4貢)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の特許文献3に開示される従来の遮音材は、種々の周波数レベルの騒音の遮断及び吸収を可能とすべく、種々のサイズ、形状及び素材の粉砕ゴムからなる粉砕ゴム層を備えるため、コストが高くなり、重量が重くなるという問題点を有する。特に、近年では、車両のフードパネルの軽量化と高剛性化の両立を図るべく、フードインナをアルミにより高い剛性の構造に成形することが行われている。従って、かかるフードパネルに上述の従来の遮音材のような重量のある吸遮音構造体を設けることはフードパネルの軽量化に反することになる。
【0009】
また、上述の特許文献1に開示される吸音構造体は、比較的軽量に構成できるため、フードパネルの軽量化に対応可能であるが、セル構造である故に圧縮方向の剛性が高く、歩行者保護の観点から、フードパネルに設置するのに理想的な構成とはいえない。即ち、かかる高剛性の吸音構造体をフードパネルとエンジンとの間に介在させると、歩行者(の頭部)との衝突時のフードパネルの変形過程において、吸音構造体の圧壊時に二次的なピーク荷重が発生することになる。
【0010】
同様に、上述の特許文献2に開示されるように、エンジンカバー本体の裏側に隔壁(リブ)を立設すると、エンジンカバー本体の変形荷重が高くなるため、歩行者(の頭部)がフードパネルに衝突した時、フードパネルの変形過程後期におけるエンジンカバー本体の変形過程において、二次的なピーク荷重が発生することになる。他言すると、エンジンカバー本体の裏側に隔壁を立設すると、エンジンカバーとフードパネルとの間隔(フードパネルの変形のために確保されたスペース)が狭くなり、衝突物がフードパネルに衝突した際に、隔壁がフードパネル等による衝撃吸収の妨げとなるという問題点がある。
【0011】
そこで、本発明は、フードパネルやエンジンカバーの裏側に設置された場合であっても、歩行者保護機能と優れた吸音機能の両立が可能な吸音構造の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、請求項1に記載する如く、車両のフードパネルの裏側に設置される吸音構造であって、
前記吸音構造は、縦方向及び横方向に延在する壁体により複数のセルに区画されたセル構造を有すると共に、フードパネルを介して外部から力が加わった際に、前記壁体が傾斜するように構成されていることを特徴とする、吸音構造により達成される。
【0013】
本発明において、フードパネルの裏側にはセル構造の吸音構造が設けられるため、フードパネルの剛性が向上する。一方、フードパネルに歩行者の頭部が衝突した際のような、吸音構造にフードパネルを介して外部から力が加わった際に、壁体が傾斜するように構成されているので、壁体が垂直に保持される場合に比して、初期変形後のフードパネルの変形荷重が低減される。また、最終的に吸音構造がエンジン等に衝突した際、壁体が倒れ方向に容易に変形するので、壁体が略垂直に保持される場合に比して、吸音構造の圧壊時の荷重を大幅に低減することができる。このように、本発明によれば、上述のような理想的な荷重特性(加速度曲線)により低HIC値を確保できると共に、セル構造による優れた吸音効果を得ることができる。
【0014】
また、請求項2に記載する如く、前記縦方向及び横方向に延在する壁体のうちの何れか一方の方向に延在する壁体は、予め傾斜した状態に成形されており、前記吸音構造の設置状態では、該壁体は、前記傾斜が無くなるように引き起こされて弾性変形状態で保持されている場合には、吸音構造にフードパネルを介して外部から力が加わった際に、壁体は傾斜した状態に弾性的に復帰することが可能となる。
【0015】
また、請求項3に記載する如く、前記吸音構造は、分離可能な複数のユニットから形成されており、該複数のユニットは、互いに傾斜を引き起こし合う態様で最外側の壁体同士で接合されている場合には、通常時には、壁体が垂直に保持され、吸音構造にフードパネルを介して外部から力が加わった際に、複数のユニットが分離することで、壁体の傾斜状態が実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施例について図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明による吸音構造の一実施例を概略的に示す斜視図である。本発明による吸音構造は、2以上の吸音ユニット10の組み合わせにより構成されている。以下では、2つの吸音ユニット10a,10bの組み合わせにより構成される吸音構造について説明する。
【0018】
吸音ユニット10a,10bのそれぞれは、一端が開口した筒状の空間部71(以下、「吸音セル71」という)を複数有する。複数の吸音セル71は、例えば碁盤目状に配設され、好ましくは、互いに隣接した態様で縦横に配列される。
【0019】
これらの複数の吸音セル71は、略平らな底板74(図2参照)と、底板74上に形成される複数の仕切り板72とによって画成される。これらの複数の仕切り板72は、互いに平行に第1の方向に延在する第1群の複数の仕切り板72aと、互いに平行に第2の方向に延在する第2群の複数の仕切り板72bとから構成される。尚、第1の方向と第2の方向とは互いに略直交する関係であってよい。吸音ユニット10a,10bは、比較的軟質な樹脂若しくはその他の可撓性のある素材により、それぞれ別々に一体成形される。この際、第2群の複数の仕切り板72bは、薄肉で形成され、比較的小さな板厚(例えば、0.3mm以下)を有していることが好ましい。
【0020】
図2(A)は、2つの吸音ユニット10a,10bの成形後の状態を示す断面図であり、図2(B)は、吸音ユニット10a,10bの組み立て状態(即ち、図1の状態)を示す断面図である。
【0021】
図2(A)に示すように、成形後の第1の吸音ユニット10aにおいては、第1群の複数の仕切り板72aは、底板74に対して90度以外のある角度αをなして傾斜している。また、第2群の複数の仕切り板72bは、底板74に対して略垂直をなしている(図示せず)。但し、第1群の複数の仕切り板72aは、同一方向に傾斜している限り、必ずしも底板74に対して一定の角度をなしている必要はない。
【0022】
一方、成形後の第2の吸音ユニット10bにおいては、第1群の複数の仕切り板72aは、底板74に対して90度以外のある角度βをなして傾斜している。この角度βは、上記角度αに対して異符合である。即ち、第2の吸音ユニット10bの第1群の仕切り板72aは、第1の吸音ユニット10aの第1群の仕切り板72aとは逆方向に傾斜している。尚、角度βは、典型的には、上記角度αと同一の大きさである。但し、第1群の複数の仕切り板72aは、同一方向に傾斜している限り、必ずしも底板74に対して一定の角度をなしている必要はない。第2群の複数の仕切り板72bは、底板74に対して略垂直をなしている。
【0023】
図2(A)及び図2(B)に示すように、2つの吸音ユニット10a,10bは、互いに側面同士(即ち、最外側の仕切り板72の外面同士)が接合されることによって一体とされる。この2つの吸音ユニット10a,10bの接合は、接着剤による局所的な点による接着であってよい。この際、吸音ユニット10a,10bの第1群の仕切り板72aは、上述の傾斜が共に矯正される方向に(引き起こされる方向に)弾性変形し、例えば第2群の複数の仕切り板72bと同様、底板74に対して略垂直をなすようになる。従って、この組み立て状態では、吸音ユニット10aの第1群の仕切り板72a及び吸音ユニット10bの第1群の仕切り板72aは、互いに引き起こし合うような態様で弾性変形した状態で保持されることになる。尚、仕切り板72(及び底板74)は、かかる弾性変形が可能なように、その板厚や材料が決定される。以下、組み立てられた状態の吸音ユニット10a,10bを、「吸音構造体11」という。
【0024】
本実施例の吸音構造体11には、吸音材76が設けられる。吸音材76は、図1に示すように、各吸音セル71の開口部を覆うように仕切り板72の端部に接着等により固定される。吸音材76は、吸音性を有する材料から形成され、例えばグラスウールやロックウール等の無機質繊維、アルミニウム繊維等の金属繊維材料、ポリスチレン系樹脂やポリエチレン系樹脂等のような合成樹脂発泡体、ウレタンやゴム系の軟質な材料、多孔質材料等から形成されてよい。尚、吸音材76には、後述する吸音ユニット10a,10bの分離を妨げないように、吸音ユニット10a,10b間の境界部に切り込みやスリットが形成されてよい。或いは、吸音材76は、吸音ユニット10a,10b毎に別々に設けられてもよい。
【0025】
図3は、本実施例の吸音構造体11の設置状態を示す断面図である。本実施例の吸音構造体11は、音源(即ち、エンジン)に対して吸音セル71の開口(吸音材76が設けられている側)が向くように、フードパネル(エンジンフード)の内面に接着により固定される。この際、吸音構造体11は、各吸音ユニット10a,10bの外周に設定される結合点にてフードパネルの内面に接着されてよい。当然に、結合点数は、吸音構造体11の設置領域の大きさ等に依存して決定される。尚、本発明は、吸音構造体11の設置領域や設置態様(例えば、設置面内での吸音構造体11の向き)を特定するものではない。例えば、吸音構造体11は、複数個互いに独立して、フードパネルの略全域に亘って設置されてもよい。
【0026】
次に、図4を参照して、本発明による吸音構造の吸音原理について説明する。図4(A)及び図4(B)は、図1の吸音構造体11のI−I断面を示している。
【0027】
図4(A)を参照するに、波長λの音波が吸音セル71に略垂直に入射した場合、吸音セル71内には入射波と反射波との合成により定在波が形成される。一方、波長λの音波が吸音セル71に斜め方向から入射した場合であっても、図4(B)に示すように、各仕切り板72により音波の斜め入射角が制限され、各吸音セル71内に定在波が形成される。
【0028】
この定在波は、吸音セル71内において底板74から波長λの1/4の奇数倍離れた位置で腹を有しており、当該腹で音波の粒子速度が最大となる。従って、粒子速度が最大となる位置に吸音材76を設け、最も高い粒子速度を持つ位置で音波を吸音材76に通過させれば、最も効率的に音波を減衰させることができる。
【0029】
このため、吸音セル71の深さH(吸音セル71内の空気層の最大厚み)は、好ましくは、吸収すべき音波の波長λの1/4倍(若しくはその奇数倍)に設定される。例えば、1kHz周辺の周波数の騒音に対して吸音性を高めたい場合、吸音セル71の深さHは、音速をc=340×10mm/sとしたとき、H=m×c/4f=m×85(m:正の奇数)周辺の値に設定される。
【0030】
また、吸音セル71の開口幅D(図1参照)は、吸音セル71に入射される音波の周波数を規制するため、吸収すべき周波数帯域の音波の波長λよりも小さく設定される。例えば、吸音セル71の開口幅Dは、40mm〜60mmの範囲内で設定される。但し、吸音セル71の開口幅Dは、各吸音セル71毎に異なるものであってもよく、また、奥行き方向と横方向で異なるものであってよい。
【0031】
次に、図5を参照して、歩行者の頭部がフードパネルに衝突した場合を想定して、当該衝突時における本実施例の吸音構造体11の作用について説明する。
【0032】
図5(A)に示すように、フードパネルに歩行者の頭部が衝突すると、フードパネルの曲げ変形が生ずる。これに伴って、吸音構造体11に対しても同様の態様の曲げ変形が生じ、この結果、図5(B)に示すように、吸音ユニット10a,10b間の結合部が破断し、吸音構造体11が吸音ユニット10a,10bへと分解される。尚、このような吸音構造体11の分離が実現される限り、吸音ユニット10a,10b間の結合は、上述のような接着剤による接着に限らず、スクリューやクリップ等による結合であってもよい。
【0033】
吸音構造体11の分離が生ずると、吸音ユニット10a,10bの相互間に作用する拘束力がなくなるので、吸音ユニット10a,10bは、図5(B)に示すように、その復元力により元の状態(即ち、図2(A)に示すような第1群の仕切り板72aが傾斜する元の状態)に復帰する。即ち、吸音ユニット10aの第1群の仕切り板72a及び吸音ユニット10bの第1群の仕切り板72aは、互いに離反する方向に傾斜した状態となる。この状態では、各吸音ユニット10a,10bは、フードパネルの変形を実質的に拘束しないので、各吸音ユニット10a,10bが、その後のフードパネルの変形過程において、フードパネルの変形荷重を増大させる要因となることはない。
【0034】
更にこの状態でフードパネルの曲げ変形が進行すると、吸音ユニット10a,10bは、下方に位置する典型的にはエンジン(若しくはその周辺の補機類又はエネルギ吸収材等)に衝突する。このとき、吸音ユニット10a,10bの第1群の仕切り板72aは、上述の如くエンジンの上面に対して傾斜した状態で衝突することになるので、第1群の仕切り板72aが倒れ方向に簡単に変形する(図5(C)参照)。これにより、吸音ユニット10a,10bの変形荷重が低減されると共に、吸音ユニット10a,10bの潰れ残りがなくなり(即ち、略平らになる)、衝撃吸収のために必要なフードパネルの変形ストロークが確保される。尚、第1群の仕切り板72aの倒れ変形時に、第2群の仕切り板72bの潰れ(主に、座屈による潰れ)が生ずるが、第2群の仕切り板72bは、上述の如く、薄肉に形成されていると共に、上述のフードパネルの曲げ変形過程で更に薄肉化されるか若しくは破断することになるので、吸音ユニット10a,10bの変形荷重に実質的に影響を及ぼさない。このように、本実施例によれば、フードパネルとエンジンとの間に吸音効果の高いセル構造の吸音構造体11を設けた場合であっても、低い頭部傷害値(HIC)が確保される。
【0035】
尚、上述の吸音構造体11の分離の際、若しくは、その後のフードパネルの変形過程において、吸音ユニット10a,10bとフードパネルとの間の結合部も破断し、吸音ユニット10a,10bがフードパネルから離脱する(即ち、下方に落下する)ものであってもよい。かかる場合であっても、最終的に吸音ユニット10a,10bがフードパネルとエンジンとの間に挟まれて変形する際、上述の如く第1群の仕切り板72aが倒れ方向に変形し易い故に、吸音ユニット10a,10bの変形荷重が低減される。また、この場合、吸音ユニット10a,10bがフードパネルから離脱するので、フードパネルの変形荷重に対する吸音ユニット10a,10bの影響がより小さくなる。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0037】
例えば、上述の実施例において、吸音構造体11は、必ずしもフードパネルの内面に直接的に設置される必要はなく、フードサイレンサー等の他の部材が介在する状態でフードパネルの内面に設置されてもよく、更には、エンジンカバーの裏面に設置されてもよい。また、上述の実施例は、2つの吸音ユニット10a,10bの組立体としての吸音構造体11に関するものであったが、3つ以上の吸音ユニットを同様に組み合わせることも当然に可能である。
【0038】
ここで、以上の説明に関して更に以下の付記を開示する。
【0039】
(付記1)フードパネルの裏面に沿って配設される底板と、該底板に傾斜して立設され互いに略同一方向に延在する複数の第1群の仕切り板と、該底板に略垂直に立設され前記第1群の仕切り板に交差する第2群の仕切り板とを備えた吸音ユニットを少なくとも2個以上隣接して配置し、前記底板及び前記第1群の仕切り板並びに前記第2群の仕切り板によって画成される一端が開口する複数の空間部を吸音材により覆う吸音構造において、
各吸音ユニットは、前記第1群の仕切り板が前記底板に対して略垂直になるような弾性変形状態で、互いに分離可能に結合されており、
各吸音ユニットがフードパネルの曲げ変形に伴って互いに分離した際に、前記第1群の仕切り板が、前記底板に対して傾斜した状態に弾性的に復帰することを特徴とする、吸音構造。
【0040】
かかる吸音構造において、各吸音ユニットが互いに結合した状態では、第1群の仕切り板が前記底板に対して略垂直になるため、第1群の仕切り板が前記底板に対して斜めに傾斜している場合に比して、フードパネルの剛性が向上する。一方、フードパネルに歩行者の頭部が衝突した際のフードパネルの変形によって、第1群の仕切り板が底板に対して傾斜した状態に弾性的に復元するので、第1群の仕切り板が前記底板に対して略垂直に保持される場合に比して、その後のフードパネルの変形荷重を大幅に低減することができる。また、最終的に吸音構造がエンジン等に衝突した際、第1群の仕切り板が倒れ方向に容易に変形するので、第1群の仕切り板が前記底板に対して略垂直になる場合に比して、吸音構造の圧壊時の荷重を大幅に低減することができる。このように、付記1に記載の構成によれば、上述のような理想的な荷重特性(加速度曲線)により低HIC値を確保できると共に、セル構造による優れた吸音効果を得ることができる。
【0041】
(付記2)前記各吸音ユニットは、フードパネルの曲げ変形に伴ってフードパネルから離脱するように、フードパネルの裏面に結合されている、付記1記載の吸音構造。
【0042】
付記1に記載の構成によれば、各吸音ユニットがフードパネルの裏面に保持され続ける構成に比して、当該離脱後のフードパネルの変形荷重を低減することができる。
【0043】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したようなものであるから、以下に記載されるような効果を奏する。本発明によれば、フードパネルに設置された場合であっても、歩行者保護機能と優れた吸音機能の両立が可能な吸音構造を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸音構造の一実施例を概略的に示す斜視図である。
【図2】図2(A)は、2つの吸音ユニット10a,10bの成形後の状態を示す断面図であり、図2(B)は、吸音ユニット10a,10bの組み立て状態を示す断面図である。
【図3】本実施例の吸音構造体11の設置状態を示す断面図である。
【図4】本発明による吸音構造体11の吸音原理の説明図である。
【図5】歩行者の頭部がフードパネルに衝突した際の本実施例の吸音構造体11の作用についての説明図である。
【符号の説明】
10a,b 吸音ユニット
11 吸音構造体
71 吸音セル
72 仕切り板
72a 第1群の複数の仕切り板
72b 第2群の複数の仕切り板
74 底板
76 吸音材

Claims (3)

  1. 車両のフードパネルの裏側に設置される吸音構造であって、前記吸音構造は、縦方向及び横方向に延在する壁体により複数のセルに区画されたセル構造を有すると共に、フードパネルを介して外部から力が加わった際に、前記壁体が傾斜するように構成されていることを特徴とする、吸音構造。
  2. 前記縦方向及び横方向に延在する壁体のうちの何れか一方の方向に延在する壁体は、予め傾斜した状態に成形されており、前記吸音構造の設置状態では、該壁体は、前記傾斜が無くなるように引き起こされて弾性変形状態で保持されている、請求項1記載の吸音構造。
  3. 前記吸音構造は、分離可能な複数のユニットから形成されており、該複数のユニットは、互いに傾斜を引き起こし合う態様で最外側の壁体同士で接合されている、請求項1又は2記載の吸音構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107724630A (zh) * 2017-11-02 2018-02-23 刘大仟 一种可逆变色吸音阻燃的装饰板材

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