JP2005014586A - 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】各色のインクカートリッジを個別に交換可能な印刷装置において印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることを課題とする。
【解決手段】ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換し、色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
近年の印刷装置は、略同一の色相で濃度の異なる濃淡インクを含む複数色のインクを充填したインクカートリッジを搭載し、各色インクの使用量を印刷制御装置により制御して印刷媒体上に画像を形成している。濃淡インクはシアンやマゼンタ等有彩色インクに対して採用されることが多く、濃淡インクを併用することによって高画質の印刷物を得ることができる。しかし、濃淡インクの使用量に偏りが生じやすい。そこで、特許文献1に開示された技術のように、濃淡インクを一体的に収容したインクカートリッジを使用してカラー印刷を行うときに、複数の同一色相インクを有する色相についてユーザからの印刷モードの選択を許容することにより、インクの利用効率を向上させている。
また、インクカートリッジを交換した直後、上記印刷制御装置は、インクカートリッジからヘッドにインクを供給する供給経路に対するインク詰まり防止、供給経路へのインク充填等のためにクリーニングを印刷装置に実施させている。ここで、同じ色のインクカートリッジに交換する場合には交換クリーニングを実行させ、異なる色のインクカートリッジに交換する場合には交換クリーニングよりもインク消費量の多い初期充填クリーニングを実行させている。
特開2001−71539号公報
各色のインクカートリッジを個別に交換可能な印刷装置においても、上記クリーニングは印刷装置の低コスト化のため全インクを単一のポンプで同時に吸引している。従って、交換したインクカートリッジ以外のインクカートリッジについてもインクは吸引されてしまい、印刷画像の形成に寄与せず損失となり、クリーニング時のインク消費量が多くなっていた。このような状況であっても画像の形成に寄与しないインクの消費はできるだけ少ない方が好ましい。
また、インクの色を変えるようなインクカートリッジの交換が可能な印刷装置では、複数のインクカートリッジを他の色のインクカートリッジに交換する際に一部のインクカートリッジにインクが残り、インクの無駄が生じていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、クリーニング頻度を低減させ、クリーニングによって印刷画像の形成に寄せずに消費されるインクを少なくさせることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、インク情報取得手段と、色変換手段と、印刷制御手段とを具備することを特徴とする。
上記インク情報取得手段により、複数のインクカートリッジ内のインクの量を示す情報(インク情報)が取得される。すると、色変換手段により、インク情報を参照することによって、ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系が第二表色系に色変換される。この第二表色系の成分色は、第一特定色と代替色とを含むとともに、複数のインクの色の少なくとも一部とされている。色変換の際、第一特定色のインクの量と、第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに、当該差異が低減されるインク使用量となる色成分値に色変換される。色変換後の色成分値は、第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させることにより第一・第二特定色(第一特定色と第二特定色)のインクの量についての差異を低減させるインク使用量とされている。なお、第二特定色は、第一特定色を除いて第二表色系の成分色の中から選ばれる色である。
そして、印刷制御手段により、色変換後の各画素の色成分値からなる画像データに対応する画像を印刷装置に印刷させる制御が行われる。すると、印刷装置により、第一・第二特定色のインク量の差異が低減されるように色変換された画像データに対応する画像が印刷される。
すなわち、第一・第二特定色のインク量の差異が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一特定色のインク(特定のインク)と第二特定色のインク(他のインク)の消費量を均衡させることができ、両インクのいずれか一方を他方よりも非常に早い段階で使い切ってしまうことを防止することができる。そこで、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、個別に交換して交換の度にクリーニングを実施する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることが可能になる。従って、クリーニングの頻度を少なくさせることが可能となり、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
さらに、複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御装置でも、第一・第二特定色のインク量の差異が少なくなるので、クリーニングの頻度を少なくさせることが可能となり、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
また、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができるので、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少ない。従って、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残しを少なくさせ、インクを効率よく使用することが可能となる。
上記複数のインクは、様々な組み合わせが考えられ、CMYKlclm(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)のインクでもよいし、さらにlk(ライトブラック)、DY(ダークイエロー)、R(レッド)、V(バイオレット)、cl(無着色)のインク等を含めてもよい。
第一特定色と代替色は、Cとlc、Mとlm、CMの組とlclmの組、CMYの組とK、YとDY、Kとlk、等、様々な組み合わせが考えられる。第一特定色と第二特定色は、lcとlm、RとV、lclmの組とRVの組、等、様々な組み合わせが考えられる。ここで、第一特定色と代替色と第二特定色は、それぞれ、単色でもよいし、複数の色の組み合わせでもよい。
上記第一表色系の成分色は、RGB(赤、緑、青)、YCbCr(輝度、青色差、赤色差)、CMY、CMYK、国際照明委員会(CIE)で規定されたLab色空間の各成分、等、様々な組み合わせが考えられる。上記第二表色系の成分色は、各インクの色の全部または一部から構成されていればよく、CMYKlclm、CMYK、等、様々な組み合わせが考えられる。
上記画像データは、様々なデータが考えられ、例えば画像をドットマトリクス状の多数の画素別の階調データで表現したデータとしてもよい。同多数の画素は、画像を表現できればよく、複数画素の構成とすることができ、例えば4×4画素、8×8画素のような小画像を表現するものでもよい。むろん、色を指定する表色系としては種々の表色系を採用可能である。
色変換後の表色系は印刷装置にて形成させる画像を表現するのに好適な表色系、すなわち、印刷装置に搭載されたインク色の少なくとも一部を色成分とした表色系である。また、4次元以上の表色系では一般的に他の色を代替可能な代替色が含まれ、同じ色を異なる色成分値の組み合わせによって表現することができる。そこで、色変換の際に第一特定色のインクと代替色のインクとの使用量を調整して色変換を実施可能である。
また、インクカートリッジ内のインク量を示すインク情報を参照することにより、色変換に際してインクカートリッジ内のインク量を逐次把握することができる。従って、インク残量に応じて適宜インク使用量を変更してインクカートリッジ内のインクの量が均衡するようにインク使用量を動的に調整することができる。むろん、一枚の画像内で逐次インク使用量を変更してもしなくてもよい。所望のタイミングでインク情報を取得してインク量の差異を低減するように色変換をすることにより、インク量の差異を低減することができる。この結果、特定のインクを他のインクより非常に早い段階で使い切ってしまうことを防止することができる。また、特定のインクと他のインクとを比較的近い時期に使い切ることができる。従って、クリーニングの頻度を抑えることが可能になり、画像の形成に寄与しないインクの消費を抑えることができる。
上記複数のインクの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段をさらに備える構成としてもよい。交換しようとするインクカートリッジの組み合わせを選択して交換時のインクの使い残しを少なくさせることができるので、利便性を向上させることができる。
上記第一表色系で色を表現する色成分値と上記第二表色系で色を表現する色成分値との対応関係を規定した色変換データを記録した記録領域をさらに備え、上記色変換手段は、上記第一特定色および第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換する構成としてもよい。
すなわち、複数の色を各表色系で表現し、各表色系で同じ色を示す色成分値の組み合わせ同士を対応づけて参照値とすれば、任意の色について参照値を参照した補間演算によって表色系の変換が可能になる。従って、色変換データを少なくとも一つ作成し予め記録しておけば、この色変換データを補正することによってインク量の差異を低減するような色成分値を取得することができ、補正後の色変換データによって色変換を実施することによってインク使用量を調整することができる。従って、色変換データを参照して各画素の色成分値を色変換するという簡易な構成で、画像の形成に寄与せずに消費されるインクが少なくなる。
上記色変換データは、情報テーブル形式の色変換テーブル、色変換前後の色の対応関係を関数によって表現したプロファイルのように演算を行うためのデータ、等、様々なデータが考えられる。色変換の際には、画像データの表色系を一旦Lab色空間等のデバイスに依存しない色空間の色に変換した後に第二要素色を成分色とする表色系に変換してもよい。
上記記録領域は、ハードディスク、RAM、等、様々な記録媒体(記憶媒体)に設けることができる。
上記記録領域に、組み合わせ可能な上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す組み合わせ情報を記録し、上記記録領域に記録された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段を設けてもよい。この場合、色変換手段は、上記選択された第一特定色および第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより当該第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換してもよい。
選択される組み合わせのインクは第一・第二特定色のインクとして組み合わせ可能であるので、簡易な構成で、画像の形成に寄与せずに消費されるインクが少なくなる。また、印刷制御装置のユーザは使い残しを少なくして効率よく同時に交換するインクの組み合わせを選択することができるので、利便性を向上させることができる。
上記記録領域に、上記印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報を記録していてもよい。この場合、インク指定手段は、上記各画質設定の中から画質設定を選択する入力を受け付け、上記画質設定情報から同選択された画質設定に対応する上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得し、色変換手段は、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一・第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより当該第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換してもよい。
画質設定に応じて第一・第二特定色のインクの組み合わせが選択されるので、同時に交換するインクの組み合わせをユーザに意識させなくなる。従って、利便性を向上させることができる。
上記色変換データを上記色記録領域に記録する色変換データ記録手段が設けられると、色変換時に参照される色変換データを変更することができるので、利便性が向上する。また、上記画素毎に上記第一表色系の色を示す色成分値からなる画像データを取得する画像データ取得手段が設けられてもよい。
色変換手段で色変換データを補正し、インク量の差異が低減されるインク使用量とするための一例として、上記第二特定色のインクは、上記代替色のインクとされており、上記色変換手段は、色変換後の色成分値による上記第一特定色および代替色のインクのインク使用量が上記第一特定色および代替色のインクの残量比または使用済みインク量の逆比となるように上記色変換データを補正し、当該補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換する構成としてもよい。上記補正前に多く使用したインクを補正以後は相対的に少ない使用量に抑えつつ印刷を実行することができるので、第一・第二特定色のインクの量の差異を適切に低減させることができ、両インクを同時に交換する際に使い残しをより確実に減らすことができる。従って、画像の形成に寄与せずに消費されるインクをより確実に少なくさせることが可能となる。
インク量の差異を低減させるために、その時点のインク残量比ではなく使用済みインクの比に基づいて第一・第二特定色のインクの量の差異を低減させることも可能である。使用済みインクの比は印刷装置を利用するユーザのインク使用傾向が反映されているので、この比の逆比に相当するインク使用量となっている色変換データを選択して印刷を実行すれば、このユーザのインク使用傾向にあわせてインク残量を均衡させることが可能になる。
実際のインク使用量は、印刷対象の画像によって異なるものである。また、クリーニングの頻度を抑えるという意味ではインクカートリッジ内のインク量差に常に追従し、常に厳密にインク量差を解消するよう色変換を実施することが必須ではなく、ある時点でインク情報を取得し、その時点でのインク情報に基づいてインク量差を解消するように色変換を実施できれば、インク量の均衡に対して充分に寄与する場合が多い。従って、インク使用量は厳密に算出することは必須ではなく、概算的に取得することができればよい。
例えば、色に偏りの無い画像を印刷することを仮定するなどして、平均的なインク使用量を色変換データに関する使用量とすることが可能である。上記特定色とその代替色の色相について低輝度から高輝度まで全輝度成分を含む画像を各色変換データに基づいて色変換して印刷を実行すると当該特定色および代替色がまんべんなく使用されるので、そのインク使用量を積分すると各色変換データ毎の平均的なインク使用量を示しているといえる。そこで、これを平均的なインク使用量とすることが可能である。また、インクの使用量差を解消するという意味では第一特定色と代替色のいずれか一方を全く使用しないように色変換を実施してもよい。このような色変換によれば、いずれか一方のインクが空になった場合であっても上記クリーニングを実施することなく印刷を続けることができて好ましい。
また、色変換手段において予め記録された少なくとも一つの色変換データを保持しこの色変換データを補正する場合、予め記録された色変換データにおけるインク使用量を見積もったり予め把握しておくことができる。従って、この色変換データにおけるインク使用量に対して第一特定色あるいはその代替色のインクの使用量をどの程度増減させればインク残量を均衡させ得るのか把握しやすく、インク量差を解消するための色変換を容易に実施することができる。例えば、デフォルトで予め記録された色変換データを参照して色変換を実施するように構成し、インクカートリッジ内のインク量差を解消する際にはこれを補正して色変換を実施するような構成を採用可能である。
色変換データでは、異なる表色系同士での色の対応関係を規定しているので、変換後の表色系における色成分値を調整すれば変換後のインク使用量を調整することができる。また、第一特定色とその代替色とが互いに代替可能な関係にあることによって略同一の色に維持しながらインク使用量を調整することができるので、各インクの代替関係を利用すれば色変換データに対する補正を行うことができる。
具体的には、第一特定色のインクと代替色のインクとの代替比率を利用することが可能であり、この代替比率は予め決められた値としてもよい。すると、予め決められた代替比率を使用するという簡易な構成で色変換データを補正することができ、画像の形成に寄与しないインクの消費を抑えることが可能となる。
色変換データを作成する際には、インクの色を成分とした表色系より少ない色成分数の表色系を利用する場合が多い。このとき、インク色より少ない色成分数の表色系で色を規定し、特定の代替規則に従うようにしながら色成分数の多い表色系での色に変換する(これを分版という)。この分版では、第一特定色のインク1重量部に対して代替色のインク2重量部で代替させるなどの処理を行っている。従って、色変換データを作成する際にこのような代替比率を含む代替規則を利用することができる。
上記代替比率を色変換データから取得する構成としてもよい。すると、より確実に第一・第二特定色のインクの量の差異を低減させる代替比率で色変換データが補正されるので、画像の形成に寄与しないインクの消費をより確実に抑えることが可能となる。その一例として、色変換データから得られる色変換後の色成分値に基づいて代替比率を算出してもよい。すなわち、色変換データを参照すれば、第一特定色とその代替色とについて複数の色成分値をサンプリングし、一方を増加させたときの他方の減少量を算出することにより、増加量と減少量との比を代替比率として取得することができる。そこで、上記色変換手段による色変換に際して補正前の色変換データから代替比率を算出すれば、上記色変換手段における色変換データの補正時に当該代替比率を利用することが可能になる。
代替比率を取得すると、色変換データにおいて第一特定色の色成分値を増加(または減少)させるとともにその代替色の色成分値については代替比率通りに減少(または増加)させることによってインク量を調整することができる。上述の平均的なインク使用量を考える場合には、インク量を調整した結果増加あるいは減少する平均的なインク使用量を把握することができる。従って、代替比率による調整でインク使用量が使用済みインク量の逆比あるいはインク残量の比になるように色変換データを補正することが可能になる。
代替比率を利用して色変換データを補正する構成の具体例として、第一特定色の色成分値と代替色の色成分値とのいずれか一方の色成分値を先に規定してもよい。すると、補正前の色変換データに規定された色成分値との差分を把握することができ、この差分を上記代替比率に従って代替させることによって他方の色成分値も容易に決定することができる。
また、補正前の色変換データにおけるインク使用量を参照すれば上記色成分値を先に決定する色のインク使用量を容易に把握することができ、これに伴って他方の色のインク使用量も容易に把握することができるので、容易に上記インク使用量が上記使用済みインク量の逆比あるいはインク残量の比になるように補正することができる。
第一特定色のインクと代替色のインクの組み合わせは、印刷媒体上にインクが付着したときに同等の色に見えうるインクの組み合わせであればよい。その一例として、上記代替色のインクは、上記第一特定色のインクと色相が略同一であって濃度が異なるインクとされている構成としてもよい。単位重量あたりの色剤量が異なることによって単位量のインクが媒体上に付着した状態で色相が略同一であって濃度が異なるような濃インクと淡インクの組み合わせは、一方が第一特定色となり、他方が代替色なインクとなりうる。濃淡インクでは、濃インク1重量部に対して淡インク2重量部の比率で印刷媒体上にインクを付着させればほぼ同色に見えるなどインク使用量を調節することによって代替可能である。従って、確実に第一特定色のインクと代替色のインクとの間でインクを代替することができ、画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。
略同一色相の具体的な一例として、第一特定色のインクを所定の記録濃度で印刷媒体に印刷した画像と、代替色のインクを同じ記録濃度で同じ印刷媒体に印刷した画像とをCIE規格のD50光源等の標準光源のもとで測色して、CIE Lab色空間での測色値L1,a1,b1、L2,a2,b2を得、両画像の色相角θ=tan-1(b/a)の差が所定範囲内(例えば、30°以下、15°以下等)であるときに、第一特定色のインクと代替色のインクとを略同一の色相とすることができる。
また、複数の色相のインクを組み合わせて微小位置に付着させると人間の目に他の色として見えることもある。そこで、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方は、複数とされるとともに当該複数のインクを混合した色が他方のインクの色と略同一とされている構成としてもよい。すると、確実に第一特定色のインクと代替色のインクとの間でインクを代替することができ、画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。
略同一の色の具体的な一例として、複数のインクを混合して所定の記録濃度で印刷媒体に印刷した画像と、他方のインクを同じ記録濃度で同じ印刷媒体に印刷した画像とをCIE規格のD50光源等の標準光源のもとで測色して、CIE Lab色空間での測色値L3,a3,b3、L4,a4,b4を得、両画像の色相平面上の距離(a2+b21/2が所定範囲内(例えば、10以下、5以下等)であるときに、複数のインクを混合した色とが他方のインクの色と略同一とを略同一の色とすることができる。例えば、CMYのインクの組み合わせとKのインクとの間でインクを代替することができる。
印刷装置は、各カートリッジから印刷ヘッドなど媒体にインクを付着させるための機構にインクを供給する。インク情報は、インクの残量を示す情報でもよいし、インクの使用量を示す情報でもよい。例えば、インクジェットプリンタのようにヘッドからインク滴を吐出する機構を採用した印刷装置では、インクの吐出滴数をカウントすれば使用量を取得することができるし、インクカートリッジの容量から使用量を減じれば残量を取得することができる。
画像データ取得手段は、アプリケーションプログラム(APL)で作成した画像の画像データを取得してもよいし、スキャナで取り込んだ画像を示す画像データを取得してもよく、種々の構成を採用可能である。
上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であるときに、上記各画素の色成分値を、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて上記第一特定色および第二特定色のインクの量についての差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する構成としてもよい。すると、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインク使用量をなるべく節約することが可能となる。
すなわち、第一特定色のインクを代替色のインクによって代替可能であっても、画質は印刷物が人間に与える粒状感やバンディング発生の有無により大きな影響を受け、高画質を実現するためには必ずしも第一特定色と代替色との比率を任意に変更可能であるとは限らない。従って、高画質を実現するための色変換データを作成し、この色変換データと比較して代替色のインクを多く使用した色変換データを作成すると、後者の色変換データによる印刷物は前者の色変換データによる印刷物より低画質になる。
そこで、上記閾値を決めておけば、第一特定色と代替色とのインクの量に大きな差異が無い場合には高画質を実現するための色変換データを優先的に使用し、インク量に大きな差異が生じている場合にはインク使用量を均衡させるために本発明にかかる色変換データを優先的に使用するといった切り分けが可能である。従って、どの程度までインク量に差異が生じたら画質面をある程度犠牲にしてインク量消費を考慮するのかを、容易に制御することができる。
本発明にかかる色変換は画質面をある程度犠牲にしつつインク量消費を考慮するという側面があるので、あまりに大きなインク量差がある場合にそのインク量差を解消するような色変換データを利用するように構成すると、画質が許容限度を超えて低下する場合がある。そこで、特定色とその代替色のインク量の差異が第一閾値より大きい所定の第二閾値を超えるときに本発明にかかる色変換を実施しないように構成すれば、画質の低下を許容できないようなインク使用量比となる色変換データでの色変換が行われない。従って、より確実に、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインク使用量をなるべく節約することが可能となる。
むろん、第一閾値と第二閾値とは、いずれも予め決めておいてもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
さらに、本発明にかかる色変換を実施するか否かをユーザの設定あるいは印刷条件によって決定してもよい。すなわち、ユーザの設定によって色変換実施の可否を決定することができれば、画像の形成に寄与しないインクの消費を抑えるよりもむしろ常に高画質の印刷を望むユーザのニーズに応じるなど、ユーザの多様なニーズに対応することができる。また、印刷条件によっては、高画質か否かをあまり問われない場合がある。例えば、印刷媒体が普通紙という条件と光沢紙という条件とを比較すると普通紙においては高画質であるか否かはあまり問われないことが多い。
そこで、印刷条件として普通紙が設定されているときに本発明にかかる色変換を実施し、印刷条件として光沢紙が設定されているときに本発明にかかる色変換を実施しない構成等を採用可能である。むろん、本発明にかかる色変換を実施するか否かを印刷条件として設定してもよい。例えば、印刷条件をユーザインターフェイス(UI)等によって設定可能にし、このUIにて「画質優先」「インク節約優先」という選択肢を設け、後者の選択肢が選択されているときに本発明にかかる色変換を実施する構成等を採用可能である。
なお、上述した装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上記構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項14,請求項15にかかる発明も、基本的には同様の作用、効果を有する。さらに、印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果となる。
本発明を実施しようとする際に、上記装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項16、請求項17に記載したプログラムでも、基本的には同様の作用、効果を有する。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項3〜請求項14に記載した構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第一の実施形態の印刷制御装置の構成:
(2)色変換テーブルの補正処理:
(2−1)色変換テーブルの作成処理:
(2−2)インク残量差を解消する補正の詳細:
(3)印刷制御装置の動作:
(4)変形例:
(5)第二の実施形態:
(1)第一の実施形態の印刷制御装置の構成:
図1は本発明にいう印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ40に搭載されているC,lcインクの残量を模式的に示す図であり、図2は本発明にいう印刷制御装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10やプリンタ40等から構成された印刷システムを示す図であり、図3は印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示すブロック図である。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。図1では、紙面上から下向きを経時的な流れとして示してあり、各インクカートリッジについては短い横線を付した部分でインクの残量、白抜きの部分でインクの使用量が示されている。初期段階S1ではC,lcインクカートリッジともにインクが満量とされている状態を示してあり、次の段階S2ではlcインクの残量がCインクの残量より少なくされていることを示してある。プリンタ40は、CMYKlclmの6色のインクを使用して印刷を行うことが可能な装置であるとしている。
本印刷制御装置は、第一特定色(lc)のインクの量と、当該第一特定色のインクを除いて複数のインク(CMYKlmインク)の中から選ばれる第二特定色(C)のインクの量と、に差異が生じているときに、第一特定色(lc)および代替色(C)のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となるように画像データを色変換し、色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させる。説明をわかりやすくさせるため、括弧内に図1での例で記載している。同差異が生じているか否かは、第一特定色のインク量と代替色のインク量とが異なっているか否かにより判断してもよいし、両インクの差が所定の閾値以上(またはより大)であるか否かにより判断してもよい。
第一・第二特定色(lc,C)のインクの量に差異が生じている場合において、第一特定色(lc)のインクの量が第二特定色(C)のインクの量より少ないときに、第一特定色(lc)のインクの少なくとも一部を代替色(C)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させ、第一特定色(lc)のインクの量が第二特定色(C)のインクの量より多いときに、代替色(C)のインクの少なくとも一部を第一特定色(lc)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させる。すると、第一・第二特定色(lcとC)のインク量の差異が少なくなるので、lcとCのいずれか一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに捨てられるインクを少なくさせることが可能となる。
図1の例では、補正済LUT(lcに対するCの使用割合が増えるように補正された色変換テーブル)を参照して画像データを色変換することを示してあり、その結果、段階S3に示すように、lcとCのインク量の差異が少なくなる。
PC10では、システムバス10aに、演算処理の中枢をなしてPC全体を制御するCPU11、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ14、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、インターフェイス(I/F)17a〜c、I/O19a,b等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)15も接続されている。
HD15にはオペレーティングシステム(OS)やAPL等が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。同HD15には、本発明の印刷制御プログラム、画像データ15a、色変換LUT15b、各種データ15c〜fが記憶されている。I/F17a(例えばUSB I/F)にはデジタルカメラ30等を接続可能であり、ビデオボードとされたCRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該画像データに対応する画像を表示するディスプレイ18が接続され、シリアル通信用I/O19aにはキーボード31やマウス32が操作用入力機器として接続され、USB用I/O19bにはシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ40が接続されている。
プリンタ40は、CMYKlclmのインクを充填したインクカートリッジ41a〜fのそれぞれを別々に着脱可能なカートリッジホルダを備え、当該ホルダに各カートリッジ41a〜fが搭載されている。Cインクとlcインクとでは前者の方が溶媒内の色剤濃度が高く、印刷媒体に記録されたときに略同一色相であるが前者の方が低輝度になり、両者は相互に代替可能である。Mインクとlmインクとにおいても同様の関係となっており、両者は相互に代替可能である。また、CMYあるいはlclmの有彩色インクを組み合わせると種々の色相、彩度、明度の色とすることができ、無彩色にすることもできる。この意味でCMY(あるいはlclmY)とKとは代替可能な関係になっている。
本プリンタ40は、CPU41、ROM42、RAM43、通信I/O44、コントロールIC45、ASIC46、I/F47,49、等がバス20aを介して接続され、CPU41がROM42に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。そして、インクカートリッジ41a〜fに充填された6色のインク(記録剤)を使用して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより画像データに対応する印刷画像の印刷を実行する。むろん、lk、DY、cl等のインクも使用するプリンタを採用してもよいし、CMYKlclmのいずれかのインクを使用しないプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
印刷ヘッド46bには、各インクカートリッジ41a〜fとの間に設けられた管状のインク供給経路49dを介してインクが供給されるようになっている。ここで、インク供給経路49dは各インクに対応して6本設けられている。
各インクカートリッジ41a〜fには、例えばRAMからなるメモリチップ42a〜fが搭載されており、各メモリチップ42a〜fは電気的にコントロールIC45と接続されている。通信I/O44はPCのI/O19bと接続され、プリンタ40は通信I/O44を介してPC10から送信される色別のラスタデータを受信したり、メモリチップ42a〜fに記憶されたインク使用量を表すデータをPC10に対して出力したりする。ASIC46は、CPU41と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部46aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部46aは、同印加電圧データから印刷ヘッド46bに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド46bに6色のインクをドット単位で吐出させる。I/F47に接続されたキャリッジ機構47aや紙送り機構47bは、印刷ヘッド46bを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
また、I/F49に接続されたポンプ駆動機構49aはポンプ49bを駆動可能であり、同ポンプ49bは吸引管49cを介してインクを吸引することによって各インクカートリッジ41a〜f内のインクを印刷ヘッド46bに供給可能である。CPU41は、ROM42に書き込まれたプログラムに従ってポンプ駆動機構49aを駆動しながら、インクカートリッジ内のインクを的確に印刷ヘッドに供給する初期充填クリーニングや交換クリーニングを実行させる制御を行ったり、供給経路の目詰まりを防止する小クリーニングを実行させる制御を行ったりする。このように、クリーニングは全インク色の供給経路に対して一度に差圧を作用させることによって一定のインクを排出させる処理であり、この処理によってカートリッジ内のインクがヘッドまで充填される。従って、プリンタ40は、いずれかのインクカートリッジを交換したときにこのクリーニング処理を実施し、印刷準備を行う。
なお、クリーニングを実行する構成には、例えば特許第3250556号公報や特許第3438521号公報に開示された技術等も採用可能である。
また、プリンタ40に搭載したプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接接続されたデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなどしてもよい。スキャナとプリンタとが一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
PC10では、OSにI/O19bを制御するプリンタドライバ(PRTDRV)21や入力機器ドライバ(DRV)22やディスプレイドライバ(DRV)23等が組み込まれ、OSの一部となって各種の制御を実行する。ディスプレイドライバはディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器ドライバはシリアル通信用I/O19aを介して入力されるキーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、I/O19bを介してプリンタ40と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ40に送出する。
なお、本発明の印刷制御プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムを記録した媒体は、HD15以外にも、CD−ROM14a、FD、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17cをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
利用者は、カラー画像のレタッチ等を実行可能とされたAPL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。APL25は、利用者の指示によりHD15に記録された画像データ15aをRAMに読み出して、ディスプレイDRV23を介して画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。また、利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
画像データ15aは、RGB表色系(第一表色系)の成分色RGB(複数の第一要素色)毎の色成分値(階調データ)で表現したデータであり、画像をドットマトリクス状の多数の画素別の階調データ(例えば各色256階調)で表現したデータである。RGB表色系の色空間は、sRGB規格に定義されたRGB色空間であるとして説明するが、より広域の広域RGB色空間等としてもよい。むろん、画像データ15aは、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データ、CMYK表色系を採用した画像データでもよい。Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用可能である。
APL25にて印刷指示がなされると、プリンタドライバ21はディスプレイDRV23にデータを送出して、印刷媒体や画質、印刷速度などの印刷条件を示す情報を入力させるための図示しないユーザインターフェイス(UI)画面を表示する。上記キーボード31やマウス32等を操作して利用者が当該UI画面にて印刷に必要な情報を入力すると、プリンタドライバ21の各モジュール21a〜dが起動され、画像データ15aを構成する各画素の色別とされた色成分値(階調値)に対する処理が行われ、印刷データが生成される。同印刷データはI/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
図4は、画像を印刷する際の印刷制御処理を示すフローチャートである。
上記APL25で画像データ15aを読み出し、レタッチ処理等の後に利用者から印刷実行の指示を受け付けると、プリンタドライバ21を起動し、PC10を画像データ取得手段として機能させる画像データ取得モジュール21aにて印刷実行対象の画像を示す画像データ15aのうち主走査一回分の画像データを取得し、印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う(ステップS100。以下、「ステップ」の記載を省略)。すなわち、S100の処理を行うPCは、RGB毎に階調表現した画像データを取得する画像データ取得手段を構成する。
色変換モジュール21bは、各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、図5に示す各部21b1〜3を備えている。そして、HD15に記録された色変換LUT(色変換テーブル、色変換データ)を適宜参照して画像データ15aのsRGB表色系(第一表色系)をプリンタに搭載されたインクの色であるCMYKlclm(複数の第二要素色)を成分とするCMYKlclm表色系(第二表色系)に変換する。色変換LUTは、RGB毎の色成分値(階調データ)と、上記第一特定色および代替色を含むとともにインクカートリッジ41a〜fに充填された各インクのCMYKlclmの色毎の色成分値(階調データ)と、の対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。従って、HD15には、色変換データが記憶(記録)された記憶領域(記録領域)が設けられていることになる。
なお、さらにcl(無着色)インクを使用する印刷装置でも、色変換LUTを、RGB毎の色成分値と、上記第一特定色および代替色を含むとともに複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の一部であるCMYKlclm毎の色成分値と、を対応付けたデータとしてもよい。また、濃インク(例えばC,M)の使用量の一部を淡インク(例えばlc,lm)に分版することを前提として、色変換LUTを、RGB毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の一部であるCMYK毎の色成分値と、を対応付けたデータとしてもよい。
本実施形態では、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であって色変換LUTに規定されたsRGBの色の色成分値を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclm表色系の色の色成分値を算出することができ、色変換を実施することができる。
色変換モジュール21bはS105〜S130にて上記色変換を実施しており、印刷対象画像を印刷するためのループにおいて既に色変換LUTを決定済みか否かをS105で判別する。本実施形態では、印刷制御を開始した時点でLUTを決定し、決定済みであれば同じ画像の印刷に際してLUTを変更することなくS110〜S125をスキップして印刷を行う。
インクカートリッジ41a〜fにはメモリチップ42a〜fが内蔵されており、プリンタ40では、CPU41にて行われる制御によって、印刷ヘッドから吐出したインクのインク使用量やクリーニングによって消費したインク量をドットカウントとして計測し、インクの色毎にインク使用量に対応するドットカウントをメモリチップ42a〜fに記憶させている。そこで、S105にてLUTを決定済みでないと判断したときに、インク情報取得部21b1によりUSB用I/O19bを介してプリンタ40と通信を行い、インクカートリッジに搭載された各メモリチップ42a〜fからインク情報として各色インクのドットカウントを取得し、このドットカウントから各色インクの残量を算出し、インク残量を示すデータを取得する(S110)。すなわち、S110の処理を行うPCは、インク情報を取得するインク情報取得手段を構成する。
図の右上ではインクカートリッジの容量を矩形で示すとともに上部の白抜き部位によってカートリッジ内の空部分を示し、短い横線を付した部位によってインクの残量を示している。上記ドットカウントはカートリッジ内の空部分、すなわち、使用済みインク量に対応しているので、このドットカウントを参照することによりインク使用量を把握することができ、カートリッジの容量と使用済みインク量との差分をとることによってインク残量を把握することができる。本実施形態では、インク情報取得部21b1はドットカウントからインク残量を取得するようになっており、各色のインク残量はLUT補正部21b2に受け渡される。
次に、LUT補正部21b2により上記インク残量を示すデータと閾値データ15fを取得し、濃淡インク、すなわち、CインクとlcインクあるいはMインクとlmインクのそれぞれについて所定の第一閾値TH1以上(またはより大)の残量差があるか否かを判断する(S115)。第一特定色のインクと代替色のインクとの組み合わせにすることが可能なインクの残量をそれぞれA1,A2とすると、|A1−A2|≧TH1であるか否かを判断すればよい。なお、A1,A2,TH1は、ドットカウント単位でもよいし、ml単位でもよいし、インクカートリッジの満量を基準とした相対量でもよい。Cインクとlcインクの残量差がTH1を超えている、あるいは、Mインクとlmインクの残量差がTH1を超えていると判定されたときには、S120にて色変換LUT15bを補正する。このLUT補正処理はLUT補正部21b2がLUT15bと各種データ15c〜eおよび上記受け渡されたインクの残量を利用して行っており、詳細は後述する。
なお、この補正においては、後述するように、色変換LUT15bに規定された色成分値を補正しており、この補正後のLUTを参照して色変換すると、平均的なインク使用量が使用済みインク量の逆比になる。従って、補正後のLUTによって色変換をし、印刷を実行するとインクカートリッジ内のインク量差が低減する。また、本実施形態において、代替比率データ15cと発生点データ15dとはLUT15bの作成時に使用するパラメータであり、パラメータ値としてHD15に記録される。インク使用量データはLUT15bの作成後に予め算出され、インク使用量データ15eとしてHD15に記録される。
S115にて条件不成立の場合、色変換LUT15bを取得する(S125)。
このようにして、第一・第二特定色のインクの量に差異が生じているときに色変換データを補正することにより第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成することができる。
補間演算部21b3は色変換LUTを参照して補間演算を実施する機能をPCに実現させるモジュールである。S125にてLUT15bを取得あるいはS120にてLUT15bを補正した後、補間演算部21b3によりそのLUTを参照し、当該LUTを参照しながら適宜補間演算を行ってRGBデータ(画像を複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データ)をCMYKlclmデータ(画像を複数の第二要素色毎の階調データで表現した画像データ)に色変換する、色変換処理を行う(S130)。印刷対象の画像を示す画像データにおいてはsRGB表色系で各画素の色を表現しており、色変換LUTに規定された色成分値を参照して適宜補間演算を実施すれば、各画素についてRGBの色成分値をCMYKlclm表色系の色成分値に色変換することができる。具体的には、各画素毎に、RGBの階調値に一致するCMYKlclmの階調値がLUTに格納されている場合にはそのCMYKlclmの階調値を色変換後の色成分値とし、RGBの階調値に一致するCMYKlclmの階調値がLUTに格納されていない場合には、同RGBの階調値に近いCMYKlclmの階調値の組み合わせを複数LUTから取得し、体積補間等の補間演算により色変換後のCMYKlclm別の階調値を算出し、当該色別の階調値を色変換後の色成分値とすればよい。
すなわち、S115〜S130の処理を行うPCは、色変換手段を構成する。
なお、印刷媒体や解像度毎に異なる色変換LUTを予め用意しておくことも可能であるので、印刷モードや印刷条件等を示すデータによって印刷媒体や解像度を把握し、対応するLUTを選択するように構成してもよい。この場合、印刷媒体や解像度毎にLUTを予め作成しておけばよい。
ハーフトーン処理モジュール21cは、CMYKlclm表色系で表現された各画素の色成分値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行う機能をPCに実現させるモジュールである。S130終了後、ハーフトーン処理モジュール21cにより、CMYKlclm別にインクの使用量に対応したCMYKlclmデータに対して所定のハーフトーン処理を行い、CMYKlclm別のハーフトーンデータ(ドットの形成状況を表すデータ)を生成する(S140)。すなわち、CMYKlclmデータで指定されるインク記録率にて各色インクを印刷媒体に記録するようにプリンタ40での吐出インク滴が各画素毎に特定される。同ハーフトーンデータは、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させたデータとすることができるが、階調値「3」、「2」、「1」を大、中、小ドット形成有りに対応させたデータとしてもよい。
印刷データ生成モジュール21dは、ハーフトーン処理後のデータをプリンタ40で使用される順番に並べ替える機能をPCに実現させるモジュールである。プリンタ40ではインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。S140終了後、印刷データ生成モジュール21dにより、ハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理(インターレース処理)を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYKlclmインクのドットの形成状況が表されたデータを生成する(S150)。
その後、印刷データ生成モジュール21dによりラスタライズ後のデータに画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成して当該印刷データをプリンタ40に対して出力する印刷データ送出処理を行う(S160)。
すなわち、S140〜S160の処理を行うPCは、印刷制御手段を構成する。
そして、画像を構成する全ラスタについて上記処理が終了したか否かを判別し、全ラスタについて上記処理が終了したと判別されるまでS100〜S160を繰り返す(S170)。この繰り返しにおいて、一旦色変換LUTが選択された後には、S105にてLUTが決定済みであると判別され、S130以降の処理を実施するので、同一画像においては同一のLUTを参照するようになっている。
なお、S100で全ラスタ分の画像データを取得する場合には、S170の処理を省略することができる。
プリンタ40では、上記印刷データに基づいて画像データに対応する印刷対象の画像を印刷する。
(2)色変換テーブルの補正処理:
上記クリーニングは、プリンタのコスト低減のために単一のポンプ49bによって実施されるようにされており、一度に全6色に対して実施される。すなわち、交換したインクカートリッジ以外もインクがヘッドから排出され、印刷媒体上で印刷画像の形成に寄与しないインクが消費される。従って、クリーニングの頻度は少ない方が画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。一方、インクカートリッジを交換した色についてはクリーニングは必須である。そこで、プリンタの運用に際して複数色のインクカートリッジがほぼ同時に空となり、同時にインクカートリッジを交換することができればクリーニング頻度を抑えることができる。
本実施形態では、複数のインクカートリッジ内のインク残量をできるだけ均衡させることによってクリーニング頻度を抑えており、LUT補正部21b2により図6に示すフローに従ってインク残量に応じて色変換LUT15bを補正することによってインク残量を均衡させるようにしている。S200では、HD15から各種データ15c〜eを取得する。本実施形態では、LUT15bの作成段階でこれらのデータを予め把握しており、以下、説明する。
(2−1)色変換テーブルの作成処理:
この処理では多くの演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演算を実行するのが好ましい。各色変換LUTは、sRGB色空間において色域の全空間を網羅するようにRGBデータを規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれらのRGBデータとプリンタ40で使用するCMYKlclmデータによる色をLab色空間の座標値に変換し、当該Lab色空間内でRGBデータとCMYKlclmデータとを対応づける。
まず、17個のRGBデータを選択し、ディスプレイ18の代表色として確定する。このとき、各色がRGB表色系で表現可能な色(色域)の全域に略均等に配置されていることが好ましく、RGBの各色成分を直行空間の各軸とした色立方体において各色成分を一定間隔で変化させて複数の色を得るなど種々の構成を採用可能である。次に、当該確定した代表色のRGBデータをLab色空間の座標値に変換する。sRGB規格に準拠した画像データは公知の変換式によりLab色空間の座標値に変換することができるが、測色器等によってLab座標を取得してもよい。
続いて、CMYKlclmデータについてもLab色空間内の座標値と対応づける。CMYKlclmデータは6次元のデータであり、同じ色を異なる複数の組み合わせによって表現可能、すなわち代替可能な関係にある色成分を含んでいるので、CMYをKおよびlclmにて代替させる分版処理を行って多数の色をCMYKlclmインクで表現したデータを作成する。図7、図8は、この分版処理を説明するための説明図である。まず、CMYKlclmより色成分数が少ないCMY表色系において複数の色を表現し、CMYの組み合わせをKにて代替する分版処理を行う。
図7左側のグラフでは、縦軸に各色成分値を相対量として示している。同図に示す例では、C成分,M成分,Y成分の順に色成分値が小さくなるある色を示している。分版処理の第1段階ではこのCMYの組み合わせから所定量の色成分値をKで代替させており、本実施形態ではCMYの全色成分から等量の成分値を抜き出してK成分としている。
さらに、第2段階として前述の分版によってCMYKの組み合わせで表現された色をCMYKlclmの組み合わせに変換する分版を行っている。このとき、Cの一部をlc、Mの一部をlmに代替させ、すなわち、濃インクを淡インクで代替させている。図8はこの代替における規則の例を示している。図の横軸はCMYKからCMYKlclmへの分版前の濃インクの色成分値を示し、縦軸は分版後の濃インクあるいは淡インクによるインク記録率を示している。ここで、インク記録率は単位面積あたりのドット滴数に対応しており、単位面積に対して記録可能な最大ドット滴を記録した状態を100%としている。従って、インク記録率とインク使用量とは比例関係にある。
この分版を実施するに際しては、まず図8の破線に示すように濃インクのみで色成分値0〜255がインク記録率0〜100%に相当すると考え、高明度(低階調)域でこの濃インクを記録した場合と同等の色剤量となるように濃インクを淡インクで代替させる。図8では、単位インク滴あたりの色剤量が濃インクと淡インクとで2:1である場合について示しており、濃インク1に対して淡インク2を記録した場合に媒体上に記録される色剤量が等価であるとして代替を行う例を示している。
この例においては濃インク発生点の色成分値aを考え、この色成分値aにおいて濃インクのみでインクを記録した場合のインクのすべてを淡インクで代替させる。すなわち、色成分値aにおける破線の高さを2倍にしたインク記録率を淡インクの記録率とする。なお、濃インク発生点は、濃インクを使用するか否かの境界値であり、発生点より小さな色成分値では濃インクを使用せず、発生点より大きな色成分値で濃インクを使用する。
発生点における淡インクの記録率を決定した後には、発生点より大きな色成分値について濃インクのインク記録率を決定し、このインク記録率にあわせて発生点より大きな色成分値について淡インクのインク記録率を決定するとともに発生点より小さな色成分値についても淡インクのインク記録率を決定する。この結果、図8においては一点鎖線に示すように淡インクのインク記録率が決定され、実線に示すように濃インクのインク記録率が決定される。このようにして決められた関係が濃淡インクの分版規則である。
なお、濃インクと淡インクで色剤量を等価にする構成の他、印刷時の明度を一致させるなど種々の考え方に基づいて代替を行うことができる。また、淡インクおよび濃インクにおいて色成分値に対するインク記録率の変化は必ずしも直線的である必要はなく曲線的であってもよいし、濃インク発生点より大きな色成分値域において淡インクのインク記録率が0となる点は色成分値255と一致してもよい。さらに、上記濃淡インクの分版規則はC,Mインクで共通の規則としてもよいし、色毎に変更してもよい。いずれにしても代替可能な関係にあるインクであれば本発明を適用することができる。
本実施形態では、このような作成作業によってC,lc,M,lmについて分版処理を行っており、上記CMY表色系で表現した複数の色についてCMYKlclm表色系での色、すなわちCMYKlclmデータを取得する。CMYKlclm表色系にて色が表現されていれば、各色成分値によって特定される色を印刷するようにプリンタ40を駆動することができ、分版処理によって生成された多数のCMYKlclmデータにて色を特定した多数のパッチをプリンタ40で印刷する。そして、これらのパッチを測色機にて測色することによってCMYKlclmデータとLab色空間の座標値とを対応づける。
以上の結果、sRGBの代表色に該当する色のLab座標値と、多数のCMYKlclmデータに対応づけられたLab座標値が得られるので、これらのLab座標値を参照して補間演算を実施すれば、任意のRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を規定することができる。このRGBデータとCMYKlclmデータの対応関係を規定した情報テーブルが色変換LUTであり、両データを対応づけたテーブルとして色変換LUT15bが得られる。
以上のような作業によって予めLUT15bを作成し、所定の記録媒体に記録する。同記録媒体として例えばCD−ROMを用いると、PC10は、CD−ROMドライブに同CD−ROMが挿入されることによって所定のインストール処理を行い、CD−ROMドライブから色変換LUTを読み込んでHD15に記憶させる処理を行う。この処理を行うPCは、色変換データを記録領域に記録する色変換データ記録手段を構成する。
上記処理ではLUT補正処理で参照する各種データ15c〜eを把握することができ、LUT15bの記録と共にこれらのデータもHD15に記録する。すなわち、濃淡インクの代替比率(図8に示す例では1:2)を示すデータが代替比率データ15cであり、発生点の色成分値aを示すデータを発生点データ15dである。また、図8に示す分版前色成分値に対してインク記録率を積分すればインク使用量に相当する値になるのでこれをインク使用量データ15eとする。インク使用量データ15eは、濃インクと淡インクとのそれぞれについてのインク使用量に相当する値であり、図8においては横軸と一点鎖線にて形成される三角形の面積Aが淡インクの使用量に相当し、発生点と右角を結ぶ直線,右角と横軸を結ぶ破線および横軸にて形成される三角形の面積Bが濃インクの使用量に相当する。
(2−2)インク残量差を解消する補正の詳細:
図6のフローにおいて、上記データ15c〜e取得後、第一特定色および代替色のインクの組み合わせにすることが可能な濃淡インク、すなわち、CインクとlcインクあるいはMインクとlmインクのそれぞれについて、S110で取得したインク情報から使用済みインク量を取得する(S210)。ここで、第一特定色およびその代替色とするインクの使用済みインク量をそれぞれB1,B2、当該第一特定色および代替色のインクカートリッジのインクの満量をそれぞれB3,B4、当該第一特定色および代替色のインクカートリッジのインク残量をそれぞれB5,B6とすると、B3−B5をB1とし、B4−B6をB2とすればよい。本実施形態における色変換LUT15bの補正は、補正後のLUTによって色変換を実施すればそのインク使用量が補正前の使用済みインク量の逆比またはインクの残量比になるようにする処理である。
色変換LUT15bは上述の分版処理を経て作成されたものであり、濃インクと淡インクのCMYKlclmの階調値(インク記録率に相当)の組み合わせは図8に示すグラフに規定されたインク記録率の組み合わせに相当する。従って、同図のグラフにおける上述の分版規則を変更するように補正を行い、LUT15bに規定されたCMYKlclmデータを変更すれば、インク使用量を所望のものに変更する補正を実施することができる。
図9は、上記補正を説明するための説明図である。横軸および縦軸は図8と同様であって一点鎖線と細い実線において図8に示す色変換LUT15bの分版規則を再掲するとともに補正によって変更された淡インクについて二点鎖線、補正後の濃インクについて太い実線で示している。補正に際して、まずS210にて使用済みインク量を取得し、S220で濃インクの発生点を補正する。
発生点データ15dで示される発生点は、インクの階調値域0〜255内で階調値を増加(低インク記録率側から高インク記録率側に変化)させたときに濃インクと淡インクの組み合わせで表現される色について濃インクの使用を開始する色成分値aの位置としている。この色成分値aに対して所定値bを増減すると濃インクの使用量に相当する三角形の面積Bが増減し、濃インクの使用量を調整することができる。図9では、色成分値aに所定値bを加えた状態、すなわち、濃インクの使用量を減少させる場合の例について示している。
所定値bは、所望のインク使用量の比および代替比率データ15cで示される代替比率から算出することができる。この代替比率は色変換LUT15bを作成するときに利用した濃インクと淡インクとの代替比率であり、この代替比率に従って濃インクの増減量を淡インクの増減量で代替するとすれば濃インク使用量と淡インク使用量とを示す方程式を作成することができ、この方程式を上記インク使用量を利用して解けば所定値bを決定することができる。
具体的には、図9に示すように色成分値aに所定値bを加えた状態では所定値bを底辺とし、高さがインク記録率100%に相当する三角形の面積が減少量になり、補正後の濃インク使用量B’を(B−100b/2)と見積もることができる。図9においては代替比率が1:2であるので、二点鎖線で規定された部位と一点鎖線で規定された部位(面積A)との差分(すなわち淡インクの増加量A’)は濃インク減少量の2倍に相当する。従って、一般的には、代替比率から得られる代替係数Ex(淡インクの使用量/濃インクの使用量)を利用し、淡インク使用量A’を(A+100bEx/2)と見積もることができる。なお、以上の濃インク使用量と淡インク使用量との見積もりにおいて数値100はインク記録率の最大値に相当するが、この値は相対的な値であるので100という値が必須というわけではなく、上記A,Bの値に対して次元がそろえてあればよい。
上述の面積A,面積Bは上記S200で取得されるインク使用量データ15eから把握することができ、使用済みインク量は上記インク情報に基づいてS210で把握している。淡インクの使用済みインク量をB7、濃インクの使用済みインク量をB8とすると、S220では使用済みインク量の逆比=B8:B7=(A+100bEx/2):(B−100b/2)を満たすb、すなわち、b={2×(B8×B−B7×A)/(B8×100+B7×100×Ex)}を算出することによって、所定値bを決定することができる。むろん、所定値bを発生点より小さな値にする場合も同様である。すなわち、発生点を移動させ、この移動量を代替比率データとインク使用量データと使用済みインク量とから立てられる方程式によって解けば、使用済みインク量が多いインクを相対的に少なく使用するように補正後の発生点を決定することができる。
また、淡インクの残量をB9、濃インクの残量をB10として、S220でインクの残量比=B9:B10=(A+100bEx/2):(B−100b/2)を満たすb、すなわち、b={2×(B9×B−B10×A)/(B8×100+B10×100×Ex)}を算出することによって、所定値bを決定してもよい。このようにすると、インク残量の少ないインクを相対的に少なく使用するように補正後の発生点を決定することができる。
以上のようにして補正後の発生点を決定した後には、この発生点より大きな色成分値に相当する濃インクのインク記録率をS230で決定する。図9においては、補正後の発生点からインク記録率100%に向けて直線的にインク記録率が変化することとして濃インクのインク記録率を決定している。S240では、S230にて決定した濃インクのインク記録率から、淡インクのインク記録率を決定する。
すなわち、補正前後の濃インクの記録率について差分を取得し、濃インクの増減量に対して上記代替係数Exを乗じて淡インクを減少あるいは増加させる。具体的には、補正前後の濃インク記録率をそれぞれC0,Cとし、補正前後の淡インク記録率をそれぞれlc0,lcとしたときに、lc=lc0+(C0−C)Exとして淡インク記録率の増減量を算出することができる。
インク記録率は色変換LUTに規定するCMYKlclmデータの値に相当するので、以上のようにして補正後の濃淡インク記録率を決定すれば、補正前のLUT15bについて色成分値を置き換えることによって補正後のLUTを作成することができ、S250にて補正を実施してRAMに記録する。なお、上述のようにLUT15bを作成する際にはLab色空間を介して補間演算を利用してCMYKlclmデータとsRGBデータとを対応づけるので、CMYKlclmデータにおいて濃淡インクの色成分値の組み合わせが図9に示す組み合わせと厳密に等しくないこともあり得るが、その場合は図9に示す組み合わせにできるだけ近いものを選択して補正を行うなど種々の調整が可能である。
(3)印刷制御装置の動作:
以上の補正を行って色変換を行うと、インク残量が均衡するようにしつつプリンタ40を運用することが可能になる。図1で示したように、最上部に示す例ではC,lcインクともにインクが満量であり、この状態で画像を印刷すると図4,図6に示す処理が実行される。ここで、C,lcインクに残量差が存在しないため、S215で条件不成立となり、S125にて色変換LUT15bが取得され、LUT15bを参照した色変換が実施される。
図1では上記印刷の後に再度同一の画像を印刷する場合を示している。図の中段に示すようにC,lcインクの使用量に差異(図の例ではlcインクのほうが残量少)が生じ、インクの残量差が閾値TH1を超えている場合、S115で条件成立となり、S120にて色変換LUTが補正される。この結果、補正された色変換LUTを参照した色変換が実施され、補正されていない色変換LUTを参照した色変換を実施したときよりもCインクを多く使用して印刷がなされる。従って、図の下部左側に示すようにC,lcインクの使用量が均衡する。
一方、同図中段に示すインク残量にて本発明を適用せずに色変換LUT15bを利用して印刷を実行すると、lcインクが多く使用され、Cインクが多く残っている状態でlcインクのカートリッジが空になる。従って、さらに印刷を実行しようとするとlcインクのカートリッジを交換する必要がある。カートリッジを交換すると、lcインクをインク供給経路に充填するために上述のポンプ49bを駆動し、全6色を対象としてクリーニングが実行され、画像形成に寄与せずにCMYKlmインクが消費されてしまう。
これに対して図1の下段左側に示すlcインクはCインクとほぼ残量が一致し、依然としてカートリッジが空になっていないので、インクを交換することなくさらなる印刷を実行することができる。従って、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることができる。また、さらなる印刷を実施する上でいずれか一方のインクカートリッジが空になった場合であっても、そのときには他方のインクカートリッジが空あるいは空に近い状態になっている。従って、両インクのインクカートリッジを同時に交換することにより、個別にインクカートリッジを交換する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることができる。この結果、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることができる。むろん、M,lmインクについても同様のことが言える。
(4)変形例:
本発明は、様々な変形例が考えられる。例えば、YインクとDYインクとは代替可能であり、Yインクと第二特定色のインク、または、DYインクと第二特定色のインク、の残量差が所定の閾値を超えたときにいずれか多い方が多く消費されるようにしてもよい。
また、CMYのインクを混合(例えば等量ずつ混合)した色はKインクの色と略同一とすることができるので、CMYとKとは代替可能である。従って、CMYインクのいずれかと第二特定色のインク、または、Kインクと第二特定色のインク、の残量差が所定の閾値を超えたときにいずれか多い方が多く消費されるようにしてもよい。インクの残量差の代わりに、インクの使用量の差が閾値を超えたときにインク使用量が少ない方のインクが多く消費されるようにしてもよい。いずれの構成であっても、本発明にかかる色変換を実施していることに相違ない。
代替色が第二特定色とされている場合、CMインクの双方、lclmの双方、Clmインクの双方、Mlcインクの双方を増加したLUTを作成しておき、C,lc,M,lmのうち2色を組にして組同士で所定のインク残量差が存在するときに上述の色変換LUTによって色変換する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、インク残量差が生じているような種々の状況に対応することができる。
さらに、閾値TH1による判別を経ることなく、インク残量に差異が生じているときに常に本発明にかかる色変換を実施してもよい。かかる構成によれば、クリーニング頻度を非常に効果的に抑えることができる。むろん、インク残量に差異が生じているときに常に本発明にかかる色変換を実施するとしても、印刷中にインク残量を逐次把握する構成が必須となるわけではない。例えば、一枚の画像を印刷する前にインク情報を取得し、このときにインク残量に差異が生じていれば常に本発明にかかる色変換を実施する構成等を採用可能である。
さらに、上述の実施形態のように予め閾値TH1を決めておいてもよいし、ユーザが閾値TH1を入力可能な入力装置を提供し、ユーザが任意に決めた閾値TH1を採用してもよい。さらに、ユーザに対して閾値TH1による判定を行うか否かの入力、インク量に差が生じているときには常に本発明を適用するのか否かの入力を実行する入力装置を提供し、ユーザの指示に従って本発明の適用態様を変更してもよい。むろん、本発明を適用しないような指示を受け付けてもよいし、高画質優先、速度優先など印刷品質に影響を与えるような印刷条件によって本発明の適用可否を決定してもよい。かかる構成により、ユーザの多様なニーズに応じることができる。
さらに、上記S115では、第一特定色のインクの量と第二特定色のインクの量との差分(ΔAとする)が正の値とされた第一閾値TH1以上(またはより大)であり、かつ、第一閾値TH1より大きい所定の第二閾値TH2以下(またはより小)であるか否かを判断し、条件成立の場合にS220にて色変換LUT15bを補正し、条件不成立の場合にS225にて色変換LUT15bを取得してもよい。すると、TH1≦ΔA≦TH2(TH1<ΔA<TH2等も可)の場合に第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて第一・第二特定色のインクのインク量の差異を少なくさせる色変換LUTを参照して画像データを色変換することができる。
このように、インク残量差が非常に大きくなった場合に本発明を適用しないようにすると、高画質を維持しやすい。HDに記憶させた元の色変換LUTでは高画質が得られるように濃淡インクを配分しているところ、インク使用量の比が同LUTから大きくずれるように同LUTを補正すれば、画質が非常に低下することが考えられる。そこで、このようなLUTを選択しないでもよいように、ある閾値以上のインク残量差になったときには本発明にかかる色変換を実施しないように構成すると高画質を維持しやすく、好適である。従って、より確実に、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインク消費量をなるべく少なくさせることが可能となる。
さらに、試し印刷の場合など画像の途中で色が微妙に変わってもよいような場合、インク残量に応じて同一画像内で色変換LUTを変更して印刷を実行してもよい。
さらに、淡インク記録率を決定した後に濃インク記録率を決定する構成を採用してもよい。また、色変換LUTの補正に際しては、インク使用量に差異を生じさせることによってインクカートリッジ内のインク量差を解消できればよく、そのためのLUT補正法としては種々の構成を採用可能である。
さらに、色変換LUTにおけるインク記録率の変化としては直線的なものに限られない。例えば、図10のようにLUT15bの作成時に濃インク(細い実線)と淡インク(一点鎖線)のようにインク記録率を曲線状に規定した場合に、補正後のインク記録率も曲線状に規定することが可能である。曲線の決定手法としては種々の手法を採用可能であり、同図に示すように補正前の濃インクの発生点(色成分値a)と補正後の濃インクの発生点(色成分値a’)とのそれぞれからグラフ上の右上角に向けて直線を引き、補正前後のいずれにおいても同じ値のインク記録率では直線からインク記録率の曲線までの距離cが一定になるようにするなどの構成を採用可能である。
むろん、インク記録率を曲線とすることが可能である限りにおいて、種々の構成を採用可能である。濃インクのインク記録率を決定した後には、上記実施形態と同様に代替比率を用いて補正前後の差分を淡インクで代替させることで淡インクのインク記録率を決定することができる。
さらに、予めHD15に記録されたLUT15bから、代替比率データ、発生点データ、インク使用量データを算出してもよい。
図11は、色変換LUT15bから代替比率データや発生点データやインク使用量データを算出する算出例を説明する説明図である。同図左側にはLUTの一例を示しており、同例に示すようにLUTではRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を複数の色について規定している。このLUTから上述の図8のようにC成分単独で色成分値を変化させた場合のlc成分値とC成分値との変化を知ることができればよい。
例えば、C成分とR成分とが補色の関係にあることを利用すれば、G,B成分を階調値255に固定してR成分を任意の値に変化させたとき、M,Y成分が階調値0に固定されてC成分が変化すると考えることができる。そこで、LUTに規定された各色成分値からG=B=255でR成分は任意のものを抜き出してC=255−Rとし、そのCMYKlclmデータを参照すれば、図の右側に示すようにCのみの変化に相当する色成分値に対するC成分およびlc成分をグラフにすることができる。
むろん、図の右側に示すようなグラフを生成するためにデータを抽出する構成は種々の構成を採用可能であり、所望のRGBデータに対応するCMYKlclmデータを補間演算で算出してもよい。いずれにしても、図の右側に示すグラフによれば、濃インクの発生点に相当する色成分値を取得することができる。むろん、Cの色成分値が0になるデータがなかったとしても外挿によって発生点を算出することは可能である。
また、図の右側に示すグラフから代替比率を算出することも可能である。すなわち、代替比率としては濃インクの増減量に対する淡インクの減少量あるいは増加量を把握することができればよいので、グラフ上で濃淡インクの双方とも有限の値を有する値域にて複数の色成分値をサンプリングすれば、横軸に対する濃淡インクの変化率を取得することができる。双方の変化率を比較すれば、濃インクが所定量増減したときの淡インクの減少量あるいは増加量、すなわち代替比率を取得することができる。
さらに、図の右側に示すグラフにおいて淡インクおよび濃インクの色成分値を積分すれば、インク使用量に相当する値を取得することができる。以上のようにして代替比率データと発生点データとインク使用量データとを取得した後には、図6に示すS210以降の処理と同様の処理によって色変換LUTを補正することができる。この補正後のLUTを参照して色変換を実施し、印刷を実行すればインク残量差を解消するようにプリンタ40を制御することができる。
なお、色変換LUTを参照して印刷を実施する際に、本発明にかかる補正以外にもLUTに対してコントラスト補正等種々の補正を実施することが可能である。図11に示した実施形態によれば、このようにコントラスト補正等の補正をLUTに施した後に、その補正を反映した代替比率を取得することができ、本発明にかかる補正以外の補正を忠実に反映した状態で本発明にかかるLUT補正を実施することが可能になる。
(5)第二の実施形態:
図12は、インクジェットプリンタ40に搭載されているlm,lc,Cインクの残量を模式的に示す図である。本実施形態のプリンタ40は、CMYKlclmの6色のインクを使用して印刷を行うことが可能であるとともに、インクの種類を交換可能である。すなわち、各インクカートリッジ41a〜fを当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能である。なお、プリンタがインクの種類を交換可能である以外には、第一の実施形態と同様の構成を採用することができるので、印刷システムの構成を説明する際には図2、図3を用いることにする。本実施形態に適用可能な印刷装置は、複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な装置であればよい。例えば、lclmのインクをRVのインクに交換可能なプリンタを採用することができる。
本実施形態では、印刷装置が使用する複数のインクの中からインクカートリッジ交換後に使用しなくなるインクの組み合わせを選択する操作入力をユーザから受け付け、選択されたインクの組み合わせを第一・第二特定色のインクの組み合わせとして当該第一・第二特定色のインクを同時に無くならせるようにする。初期段階S11ではlm,lcインクカートリッジともにインクが満量とされている状態を示してあり、次の段階S12ではlcインクの残量がlmインクの残量より少なくされていることを示してある。
本印刷制御装置は、第一特定色(lc)のインクの量と、当該第一特定色のインクを除いて複数のインク(CMYKlmインク)の中から選ばれる第二特定色(lm)のインクの量と、に差異が生じているときに、第一特定色(lc)および代替色(C)のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となるように画像データを色変換し、色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させる。説明をわかりやすくさせるため、括弧内に図12での例で記載している。ここで、第一・第二特定色(lc,lm)のインクの量に差異が生じている場合において、第一特定色(lc)のインクの量が第二特定色(lm)のインクの量より少ないときに、第一特定色(lc)のインクの少なくとも一部を代替色(C)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させ、第一特定色(lc)のインクの残量が第二特定色(lm)のインクの量より多いときに、代替色(C)のインクの少なくとも一部を第一特定色(lc)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させる。すると、第一・第二特定色(lcとlm)のインク量の差異が少なくなるので、lcとlmのいずれか一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに捨てられるインクを少なくさせることが可能となる。
また、第一・第二特定色のインクが互いに代替関係になくても両インクの消費量を均衡させることができるので、インクの種類を交換可能な印刷装置で交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
図12の例では、補正済LUT(lcに対するCの使用割合が増えるように補正された色変換テーブル)を参照して画像データを色変換することを示してあり、その結果、段階S13に示すように、lcとlmのインクの残量差が少なくなる。
本実施形態のプリンタ40も、ポンプ49bが吸引管49cを介してインクを吸引することによって各インクカートリッジ41a〜f内のインクを印刷ヘッド46bに供給可能である。ここで、インクカートリッジ交換時にインクの種類を変更した場合には、CPU41は上記初期充填クリーニングを実行させる制御を行う。
図13の上段は同時に無くならせるインクの組み合わせを表す組み合わせ情報D1と上記データ15c〜eとの対応関係を表した組み合わせテーブルT1の構造を示してあり、下段は同組み合わせ情報D1を用いて表示されるUI画面を示している。同組み合わせ情報D1は、組み合わせ可能な第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す情報を有し、HD15に記憶されている。同組み合わせ情報D1で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に、当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとの間で色を代替する際に用いられる代替比率データ15cと発生点データ15dとインク使用量データ15eがHD15に記憶されている。例えば、lclmインクの組み合わせの場合、lcを第一特定色とするとCを代替色とすることができるので、データ15c〜eのうちlcインクとCインクとの間で色を代替する際に用いるlc−C代替データをlclmインクの組み合わせに対応付けるとともに、lmを第一特定色とするとMを代替色とすることができるので、データ15c〜eのうちlmインクとMインクとの間で色を代替する際に用いるlm−M代替データをlclmインクの組み合わせに対応付けておけばよい。
図14は、第二の実施形態において画像を印刷する際の印刷制御処理を示すフローチャートである。本フローは、図4で示したフローと比べてS100の前にS300の処理を行う点で相違している。
処理を開始すると、まず、図13の下段に示すようなUI画面をディスプレイに表示し、同時に無くならせるインクの組み合わせを選択する操作入力を受け付ける(S300)。当該組み合わせは、本実施形態では使用しなくなるインクの組み合わせを想定しているが、同じ色のインクカートリッジに交換する場合であってもよい。図13の下段に示す画面では、インク組み合わせ選択欄91a、各種操作ボタン91b,c等を表示する。ここで、現在プリンタが使用しているインクの種類を表すインク種類情報をプリンタ40から取得するとともに、組み合わせ情報D1の中からインク種類情報に含まれるインクの組み合わせを表す情報を取得し、取得した情報を同選択欄91aに表示する。例えば、インク種類情報が「CMYKlclm」の各色を表す情報である場合、図13の上段に示す組み合わせ情報D1に含まれる情報のうち「lc,lm」、「C,lc」、「M,lm」についてはインク種類情報に含まれるので同選択欄91aに表示し、「R,V」についてはインク種類情報に含まれていないので同選択欄91aには表示しない。
そして、OKボタン91bがマウスにてクリック操作されると、選択欄91aにて選択されたインクの組み合わせの操作入力を受け付け、当該組み合わせを表す情報を取得する。
以上により、HDに記憶された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から第一・第二特定色のインクの組み合わせの選択入力を受け付けることができる。すなわち、S300の処理を行うPCは、複数のインクの中から第一・第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段を構成する。
その後は、上述したS100の処理を行うことによって主走査一回分の画像データを取得し、S105〜S125にて上記選択された組み合わせ中の第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて上記選択された第一・第二特定色のインク量の差異を少なくさせる色変換LUTを決定することができる。そして、S130にて当該色変換LUTを参照して画像データを色変換し、S140〜S160にて色変換後の画像データから印刷データを生成してプリンタに対して出力し、S170の判断処理を行うことによって全主走査分の画像データを色変換して色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させる制御を行うことができる。
以上の処理を行うと、第一の実施形態と同様、代替関係の有り無しにかかわらず第一・第二特定色のインク量の差異が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができ、両インクのいずれか一方を他方よりも非常に早い段階で使い切ってしまうことを防止することができる。図12で示したように、最上部に示す例ではlm,lcインクカートリッジともにインクが満量であり、この状態で画像を印刷するとlm,lcインクに残量差が存在しないため、S115で条件不成立となり、S125にてHDに記憶されている元の色変換LUT15bが取得され、当該LUTを参照した色変換が実施される。
図の中段に示すようにlm,lcインクの使用量に差異(図の例ではlcインクのほうが残量少)が生じ、インクの残量差が閾値TH1を超えている場合、S115で条件成立となり、S120にて元の色変換LUTから、lcインクの少なくとも一部をCインクで代替させてlm,lcインクの差異を低減させるインク使用量の色成分値に色変換させる色変換LUTに補正される。この結果、当該LUTを参照した色変換が実施され、元のLUT15bを参照した色変換を実施したときよりもCインクを多く使用して印刷がなされる。従って、図の下部左側に示すようにlm,lcインクの使用量が均衡する。
一方、同図中段に示すインク残量にて本発明を適用せずに元のLUT15bを利用して印刷を実行すると、lcインクが多く使用され、lmインクが多く残っている状態でlcインクのカートリッジが空になる。従って、さらに印刷を実行しようとするとlcインクのカートリッジを交換する必要がある。カートリッジを交換すると、lcインクをインク供給経路に充填するために上述のポンプ49bが駆動され、全6色を対象としてクリーニングが実行され、画像形成に寄与せずにCMYKlmインクが消費されてしまう。
以上より、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることが可能となる。また、さらなる印刷を実施する上でいずれか一方のインクカートリッジが空になった場合であっても、そのときには他方のインクカートリッジが空あるいは空に近い状態になっているので、両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済む。従って、両インクのインクカートリッジを同時に交換することにより、個別にインクカートリッジを交換する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることができる。この結果、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
また、第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができるので、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄を少なくさせることができる。従って、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
なお、図15に示すように、印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と第一・第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報D2を用いてインクの組み合わせを決定し、当該組み合わせのインクを同時に無くならせるようにしてもよい。同画質設定情報D2はHDに記憶されており、当該画質設定情報D2に基づいて同図の下段に示すUI画面が表示される。図示を省略しているが、同時に無くならせるインクの組み合わせを表す情報と上記データ15c〜eとの対応関係を表した情報テーブルもHDに記憶されており、当該インクの組み合わせを表す情報は、組み合わせ可能な第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す情報であり、当該情報で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に、当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとの間で色を代替する際に用いられる代替比率データ15cと発生点データ15dとインク使用量データ15eがHD15に記憶されている。
図14で示した処理を開始すると、S300にて、図15の下段に示すようなUI画面をディスプレイに表示し、画質設定情報D2で規定された各画質設定の中から画質設定を選択する操作入力を受け付ける。図15の下段に示す画面では、画質設定選択欄92a、インク組み合わせ表示欄92b、各種操作ボタン92c,d等を表示する。ここで、現在プリンタが使用しているインクの種類を表すインク種類情報をプリンタ40から取得するとともに、画質設定情報D2に格納されたインクの組み合わせを表す情報の中からインク種類情報に含まれるインクの組み合わせを表す情報を取得し、さらに、取得したインクの組み合わせを表す情報に対応する画質設定を表す情報を取得し、取得した情報を同選択欄91aに表示する。
そして、OKボタン92cがクリック操作されると、選択欄92aにて選択された画質設定の操作入力を受け付け、当該画質設定を表す情報を取得するとともに、当該画質設定を表す情報に対応するインクの組み合わせを表す情報を選択情報として画質設定情報D2の中から取得し、上記表示欄92bに表示する。ここで取得した選択情報で表されるインクの組み合わせは、同時に無くならせる第一・第二特定色のインクの組み合わせである。
以上により、HDに記憶された画質設定情報から選択された画質設定に対応する第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得することができる。
その後は、上述したS100〜S170の処理を行うことによって、画像データを取得し、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一特定色のインクおよび当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて当該選択情報で表される組み合わせの第一・第二特定色のインク量の差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換して、色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させることができる。
以上の処理を行っても、代替関係の有り無しにかかわらず第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができる。従って、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。また、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
第一の実施形態において印刷時の動作を説明する説明図。 印刷制御装置を含む印刷システムの概略構成図。 印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示す図。 印刷制御処理のフローチャート。 色変換モジュールの構成を示す図。 LUT補正処理のフローチャート。 分版処理を説明するための説明図。 分版処理を説明するための説明図。 LUTの補正を説明する説明図。 他の実施形態にかかるLUTの補正を説明する説明図。 他の実施形態にかかる補正の説明図。 第二の実施形態において印刷時の動作を説明する説明図。 組み合わせテーブルの構造とユーザインターフェイス画面の表示例を示す図。 印刷制御処理のフローチャート。 画質設定情報の構造とユーザインターフェイス画面の表示例を示す図。
符号の説明
10…コンピュータ、15…ハードディスク、15a…画像データ、15b…色変換LUT、15c…代替比率データ、15d…発生点データ、15e…インク使用量データ、15f…閾値データ、21…プリンタドライバ、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21b1…インク情報取得部、21b2…LUT補正部、21b3…補間演算部、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器ドライバ、23…ディスプレイドライバ、25…APL、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、41a〜41f…インクカートリッジ、D1…組み合わせ情報、D2…画質設定情報、T1…組み合わせテーブル

Claims (17)

  1. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得手段と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換手段と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  2. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得手段と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換手段と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  3. 上記複数のインクの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御装置。
  4. 上記第一表色系で色を表現する色成分値と上記第二表色系で色を表現する色成分値との対応関係を規定した色変換データを記録した記録領域をさらに備え、
    上記色変換手段は、上記第一特定色および第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の印刷制御装置。
  5. 上記記録領域には、組み合わせ可能な上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを表す組み合わせ情報が記録され、
    上記記録領域に記録された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段が設けられ、
    上記色変換手段は、上記選択された第一特定色および第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより当該第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換することを特徴とする請求項4に記載の印刷制御装置。
  6. 上記記録領域には、上記印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報が記録され、
    上記インク指定手段は、上記各画質設定の中から画質設定を選択する入力を受け付け、上記画質設定情報から同選択された画質設定に対応する上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得し、
    上記色変換手段は、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一特定色および第二特定色のインクの量に差異が生じているときに上記色変換データを補正することにより当該第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値を与える色変換データを生成し、補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の印刷制御装置。
  7. 上記第二特定色のインクは、上記代替色のインクとされており、
    上記色変換手段は、色変換後の色成分値による上記第一特定色および代替色のインクのインク使用量が上記第一特定色および代替色のインクの残量比または使用済みインク量の逆比となるように上記色変換データを補正し、当該補正後の色変換データを参照して上記各画素の色成分値を色変換することを特徴とする請求項4〜請求項6のいずれかに記載の印刷制御装置。
  8. 上記色変換手段は、上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとについて予め決められた代替比率を参照し、上記色変換データに規定された色成分値について当該代替比率で上記第一特定色の色成分値を上記代替色の色成分値に代替させることによって上記第一特定色および代替色のインクのインク使用量が上記第一特定色および代替色のインクの残量比または使用済みインク量の逆比となるように上記色変換データを補正することを特徴とする請求項7に記載の印刷制御装置。
  9. 上記色変換手段は、上記色変換データから上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとの代替比率を取得し、当該色変換データに規定された色成分値について当該代替比率で上記第一特定色の色成分値を上記代替色の色成分値に代替させることによって上記第一特定色および代替色のインクのインク使用量が上記第一特定色および代替色のインクの残量比または使用済みインク量の逆比となるように上記色変換データを補正することを特徴とする請求項7に記載の印刷制御装置。
  10. 上記代替色のインクは、上記第一特定色のインクと色相が略同一であって濃度が異なるインクとされていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の印刷制御装置。
  11. 上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方は、複数とされるとともに当該複数のインクを混合した色が他方のインクの色と略同一とされていることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれかに記載の印刷制御装置。
  12. 上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であるときに、上記各画素の色成分値を、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて上記第一特定色および第二特定色のインクの量についての差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の印刷制御装置。
  13. 上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であり、かつ、当該第一閾値より大きい所定の第二閾値以下またはより小であるときに、上記各画素の色成分値を、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて上記第一特定色および第二特定色のインクの量についての差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれかに記載の印刷制御装置。
  14. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得工程と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換工程と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  15. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得工程と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換工程と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  16. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得機能と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換機能と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
  17. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得機能と、
    ドットマトリクス状の画素毎に第一表色系の成分色で表現した画像の各画素の色を示す色成分値について表色系を上記第一特定色および代替色を成分色として含むとともに上記複数のインクの色の少なくとも一部を成分色とした第二表色系に色変換するにあたり、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて同第二表色系の成分色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、に差異が生じているときに上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同差異を低減させるインク使用量となる色成分値に色変換する色変換機能と、
    上記色変換後の色成分値からなる画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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