JP2005007852A - 印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム - Google Patents

印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】各色のインクカートリッジを個別に交換可能な印刷装置において印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることを課題とする。
【解決手段】第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとを少なくとも含む複数のインクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する際、上記第一特定色のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて上記複数のインクの中から選ばれる第二特定色のインクの残量と、に基づいて、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる。インクの種類を交換可能な印刷装置の場合、カートリッジ交換時におけるインクの使い残しを少なくさせることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムに関する。
近年の印刷装置は、略同一の色相で濃度の異なる濃淡インクを含む複数色のインクを充填したインクカートリッジを搭載し、各色インクの使用量を印刷制御装置により制御して印刷媒体上に画像を形成している。濃淡インクはシアンやマゼンタ等有彩色インクに対して採用されることが多く、濃淡インクを併用することによって高画質の印刷物を得ることができる。しかし、濃淡インクの使用量に偏りが生じやすい。そこで、特許文献1に開示された技術のように、濃淡インクを一体的に収容したインクカートリッジを使用してカラー印刷を行うときに、複数の同一色相インクを有する色相についてユーザからの印刷モードの選択を許容することにより、インクの利用効率を向上させている。
また、インクカートリッジを交換した直後、上記印刷制御装置は、インクカートリッジからヘッドにインクを供給する供給経路に対するインク詰まり防止、供給経路へのインク充填等のためにクリーニングを印刷装置に実施させている。ここで、同じ色のインクカートリッジに交換する場合には交換クリーニングを実行させ、異なる色のインクカートリッジに交換する場合には交換クリーニングよりもインク消費量の多い初期充填クリーニングを実行させている。
特開2001−71539号公報
各色のインクカートリッジを個別に交換可能な印刷装置においても、上記クリーニングは印刷装置の低コスト化のため全インクを単一のポンプで同時に吸引している。従って、交換したインクカートリッジ以外のインクカートリッジについてもインクは吸引されてしまい、印刷画像の形成に寄与せず損失となり、クリーニング時のインク消費量が多くなっていた。このような状況であっても画像の形成に寄与しないインクの消費はできるだけ少ない方が好ましい。
また、インクの色を変えるようなインクカートリッジの交換が可能な印刷装置では、複数のインクカートリッジを他の色のインクカートリッジに交換する際に一部のインクカートリッジにインクが残り、インクの無駄が生じていた。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、クリーニング頻度を低減させ、クリーニングによって印刷画像の形成に寄せずに消費されるインクを少なくさせることが可能な印刷制御装置、印刷制御方法および印刷制御プログラムの提供を目的とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
上記目的を達成するため、本発明は、第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとを少なくとも含む複数のインクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、上記第一特定色のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて上記複数のインクの中から選ばれる第二特定色のインクの残量と、に基づいて、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせることを特徴とする。
すなわち、第一・第二特定色(第一特定色と第二特定色)のインクの残量差が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一特定色のインク(特定のインク)と第二特定色のインク(他のインク)の消費量を均衡させることができ、両インクのいずれか一方を他方よりも非常に早い段階で使い切ってしまうことを防止することができる。そこで、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、個別に交換して交換の度にクリーニングを実施する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることが可能になる。従って、クリーニングの頻度を少なくさせることが可能となり、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
上記第一特定色のインクの残量が上記第二特定色のインクの残量より少ないときに、上記第一特定色のインクの少なくとも一部を上記代替色のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させる構成としてもよい。また、上記第一特定色のインクの残量が上記第二特定色のインクの残量より多いときに、上記代替色のインクの少なくとも一部を上記第一特定色のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させる構成としてもよい。すると、第一特定色のインクを第二特定色のインクよりも非常に早い段階で使い切ってしまうことが防止される。従って、簡易な構成で、画像の形成に寄与せずに消費されるインクが少なくなる。
上記第二特定色のインクを上記代替色のインクとしてもよい。すると、第一特定色のインクと代替色のインクのいずれか一方を他方よりも非常に早い段階で使い切ってしまうことが防止される。従って、簡易な構成で、画像の形成に寄与せずに消費されるインクが少なくなる。
また、本発明は、第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、色変換データを記録した記録領域と、インク情報取得手段と、色変換手段と、印刷制御手段とを具備することを特徴とする。
上記記録領域には、第一特定色のインクと代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データが記録されている。同色変換データは、複数の第一要素色毎の階調データと、複数の第二要素色毎の階調データと、の対応関係を規定したデータである。複数の第二要素色は、第一特定色と代替色とが含まれ、複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の少なくとも一部から構成されている。
上記インク情報取得手段により、複数のインクカートリッジ内のインクの量を示す情報(インク情報)が取得される。すると、色変換手段により、インク情報を参照することによって、上記記録領域に記録された複数の色変換データのうちいずれかの色変換データを参照した色変換が行われ、画像を複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データは複数の第二要素色毎の階調データで表現した画像データに変換される。この色変換を行う際に参照する色変換データは、第一特定色のインクの量と第二特定色のインクの量との大小関係に対応して、第一特定色のインクと代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させるデータであり、第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせるデータである。なお、第二特定色は、第一特定色を除いて複数の第二要素色の中から選ばれる色である。
そして、印刷制御手段により、色変換後の画像データに対応する画像を印刷装置に印刷させる制御が行われる。すると、印刷装置により、第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるように色変換された画像データに対応する画像が印刷される。
上記のように構成しても、第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるので、クリーニングの頻度を少なくさせることが可能となり、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
さらに、複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御装置でも、第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるので、クリーニングの頻度を少なくさせることが可能となり、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
また、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができるので、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少ない。従って、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残しを少なくさせ、インクを効率よく使用することが可能となる。
色変換後の表色系は印刷装置にて形成させる画像を表現するのに好適な表色系、すなわち、印刷装置に搭載されたインク色の少なくとも一部を色成分とした表色系である。また、4次元以上の表色系では一般的に他の色を代替可能な代替色が含まれ、同じ色を異なる色成分値の組み合わせによって表現することができる。そこで、色変換の際に第一特定色のインクと代替色のインクとの使用量を調整して色変換を実施可能である。
この調整を行うために、予め複数の色変換データを所定の記録媒体に記録しておき、また、インクカートリッジ内のインク量を示すインク情報を参照すれば、色変換時にインク量に応じた代替処理を容易に行うことができる。すなわち、複数の色変換データのそれぞれは、第一特定色のインクと代替色のインクとで色変換後の使用量を異ならせる。従って、色変換データを適宜選択して参照することによって第一特定色のインク量と代替色のインク量とが異なる状態で色変換を実行することができ、色毎にインクの使用量を調整することができる。また、インク情報によって第一特定色のインク量と代替色のインク量との大小関係を判定することができ、判定結果に基づいて色変換データを選択することができる。
上記複数のインクは、様々な組み合わせが考えられ、CMYKlclm(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック、ライトシアン、ライトマゼンタ)のインクでもよいし、さらにlk(ライトブラック)、DY(ダークイエロー)、R(レッド)、V(バイオレット)、cl(無着色)のインク等を含めてもよい。
第一特定色と代替色は、Cとlc、Mとlm、CMの組とlclmの組、CMYの組とK、YとDY、Kとlk、等、様々な組み合わせが考えられる。第一特定色と第二特定色は、lcとlm、RとV、lclmの組とRVの組、等、様々な組み合わせが考えられる。ここで、第一特定色と代替色と第二特定色は、それぞれ、単色でもよいし、複数の色の組み合わせでもよい。
上記複数の第一要素色は、RGB(赤、緑、青)、YCbCr(輝度、青色差、赤色差)、CMY、CMYK、国際照明委員会(CIE)で規定されたLab色空間の各成分、等、様々な組み合わせが考えられる。上記複数の第二要素色は、各インクの色の全部または一部から構成されていればよく、CMYKlclm、CMYK、等、様々な組み合わせが考えられる。
上記画像データは、様々なデータが考えられ、例えば画像をドットマトリクス状の多数の画素別の階調データで表現したデータとしてもよい。同多数の画素は、画像を表現できればよく、複数画素の構成とすることができ、例えば4×4画素、8×8画素のような小画像を表現するものでもよい。むろん、色を指定する表色系としては種々の表色系を採用可能である。
上記色変換データは、情報テーブル形式の色変換テーブル、色変換前後の色の対応関係を関数によって表現したプロファイルのように演算を行うためのデータ、等、様々なデータが考えられる。色変換の際には、画像データの表色系を一旦Lab色空間等のデバイスに依存しない色空間の色に変換した後に第二要素色を成分色とする表色系に変換してもよい。
上記記録領域は、ハードディスク、RAM、等、様々な記録媒体(記憶媒体)に設けることができる。
上記複数のインクの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段をさらに備える構成としてもよい。交換しようとするインクカートリッジの組み合わせを選択して交換時のインクの使い残しを少なくさせることができるので、利便性を向上させることができる。
上記記録領域に、組み合わせ可能な上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す組み合わせ情報を記録しているとともに、同組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データを記録していてもよい。この場合、インク指定手段は、上記記録領域に記録された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付け、色変換手段は、上記選択された第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて上記選択された第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、上記画像データを色変換してもよい。
選択される組み合わせのインクは第一・第二特定色のインクとして組み合わせ可能であるので、簡易な構成で、画像の形成に寄与せずに消費されるインクが少なくなる。また、印刷制御装置のユーザは使い残しを少なくして効率よく同時に交換するインクの組み合わせを選択することができるので、利便性を向上させることができる。
上記記録領域に、上記印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報を記録していてもよい。この場合、インク指定手段は、上記各画質設定の中から画質設定を選択する入力を受け付け、上記画質設定情報から同選択された画質設定に対応する上記第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得し、色変換手段は、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一特定色のインクおよび当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて当該選択情報で表される組み合わせの第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、上記画像データを色変換してもよい。
画質設定に応じて第一・第二特定色のインクの組み合わせが選択されるので、同時に交換するインクの組み合わせをユーザに意識させなくなる。従って、利便性を向上させることができる。
上記複数の色変換データを上記色記録領域に記録する色変換データ記録手段が設けられると、色変換時に参照される色変換データを変更することができるので、利便性が向上する。また、上記複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データを取得する画像データ取得手段が設けられてもよい。
第一特定色のインクと代替色のインクの組み合わせは、印刷媒体上にインクが付着したときに同等の色に見えうるインクの組み合わせであればよい。その一例として、上記代替色のインクは、上記第一特定色のインクと色相が略同一であって濃度が異なるインクとされている構成としてもよい。単位重量あたりの色剤量が異なることによって単位量のインクが媒体上に付着した状態で色相が略同一であって濃度が異なるような濃インクと淡インクの組み合わせは、一方が第一特定色となり、他方が代替色なインクとなりうる。濃淡インクでは、濃インク1重量部に対して淡インク2重量部の比率で印刷媒体上にインクを付着させればほぼ同色に見えるなどインク使用量を調節することによって代替可能である。従って、確実に第一特定色のインクと代替色のインクとの間でインクを代替することができ、画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。
略同一色相の具体的な一例として、第一特定色のインクを所定の記録濃度で印刷媒体に印刷した画像と、代替色のインクを同じ記録濃度で同じ印刷媒体に印刷した画像とをCIE規格のD50光源等の標準光源のもとで測色して、CIE Lab色空間での測色値L1,a1,b1、L2,a2,b2を得、両画像の色相角θ=tan-1(b/a)の差が所定範囲内(例えば、30°以下、15°以下等)であるときに、第一特定色のインクと代替色のインクとを略同一の色相とすることができる。
また、複数の色相のインクを組み合わせて微小位置に付着させると人間の目に他の色として見えることもある。そこで、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方は、複数とされるとともに当該複数のインクを混合した色が他方のインクの色と略同一とされている構成としてもよい。すると、確実に第一特定色のインクと代替色のインクとの間でインクを代替することができ、画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。
略同一の色の具体的な一例として、複数のインクを混合して所定の記録濃度で印刷媒体に印刷した画像と、他方のインクを同じ記録濃度で同じ印刷媒体に印刷した画像とをCIE規格のD50光源等の標準光源のもとで測色して、CIE Lab色空間での測色値L3,a3,b3、L4,a4,b4を得、両画像の色相平面上の距離(a2+b21/2が所定範囲内(例えば、10以下、5以下等)であるときに、複数のインクを混合した色とが他方のインクの色と略同一の色とすることができる。例えば、CMYのインクの組み合わせとKのインクとの間でインクを代替することができる。
印刷装置は、各カートリッジから印刷ヘッドなど媒体にインクを付着させるための機構にインクを供給する。インク情報は、インクの残量を示す情報でもよいし、インクの使用量を示す情報でもよい。例えば、インクジェットプリンタのようにヘッドからインク滴を吐出する機構を採用した印刷装置では、インクの吐出滴数をカウントすれば使用量を取得することができるし、インクカートリッジの容量から使用量を減じれば残量を取得することができる。
画像データ取得手段は、アプリケーションプログラム(APL)で作成した画像の画像データを取得してもよいし、スキャナで取り込んだ画像を示す画像データを取得してもよく、種々の構成を採用可能である。
実際のインクの使用量は印刷対象の画像によって異なるものであるから、色変換データ毎のインク使用量としては色に偏りの無い画像を印刷することを仮定するなどして、平均的なインク使用量を色変換データに関する使用量とすればよい。例えば、上記特定色とその代替色の色相について低輝度から高輝度まで全輝度成分を含む画像を各色変換データに基づいて色変換して印刷を実行すると当該特定色および代替色がまんべんなく使用されるので、そのインク使用量を積分すると各色変換データ毎の平均的なインク使用量を示しているといえる。
各色変換データにおいて第一特定色を代替色のインクで表現する際に代替色のインクを使用し始める輝度が大きいか小さいかによってインク使用量の大小を決めてもよい。むろん、第一特定色と代替色については、互いに他方の色とすることもできるので、ある基準の色変換データをデフォルトで使用する例では、第一特定色と代替色のいずれか一方のインク使用量が基準の色変換データより多いものと少ないものとを予め用意することによりいずれが少なくなった場合であっても本発明を適用することができて好ましい。また、インクの使用量に差異を設けるという意味では第一特定色と代替色のいずれか一方を全く使用しない色変換データを設けてもよい。このような色変換データによれば、いずれか一方のインクが空になった場合であっても上記クリーニングを実施することなく印刷を続けることができて好ましい。
上記色変換データは、上記複数の第二要素色から上記代替色を除いた色について上記第一特定色の一部を所定の代替規則に従って上記代替色で代替させた複数の色を上記印刷装置に印刷させて印刷された複数の色について測色して得られる所定の色空間での成分データと、上記複数の第一要素色からなる複数の色についての当該色空間での成分データと、を対応付けて作成されたデータとされている構成としてもよい。
多数の色成分で色を表現すると、各色で代替可能な関係にある色数が増加するので、色成分値の異なる複数の組み合わせによって同じ色を表現可能である。この場合、どの組み合わせを採用するのが画質の上で好ましいのかが不明であるなど、組み合わせを一義的に決定することが困難である。より色成分値の少ない表色系で色を規定しておき、特定の代替規則に従うようにしながら色成分数の多い表色系での色にすることにより、容易に第一要素色毎の階調データと第二要素色毎の階調データとを対応付けた色変換データを作成することができ、容易に作成された色変換データを参照して色変換を行うことができる。
上記代替規則には、単位面積内に付着させるインクの量に上限を規定するなど高画質の印刷結果を得るための種々の条件を加味することができる。すると、任意の色をインクの色の少なくとも一部を成分とした表色系で表現することができ、代替規則に従って代替色で代替させた複数の色を印刷装置に印刷させて印刷された複数の色について測色すれば、この表色系での色を任意の色空間の色に対応づけて色変換データとすることができる。
上記複数の色変換データは、上記第一要素色毎の階調データと上記第二要素色毎の階調データとの対応関係を規定したデータであって基準とされる基準データと上記第一特定色および第二特定色のインクの残量差を補償する場合に参照される差異補償用データとを含み、当該差異補償用データは、同基準データと比較して上記代替色を多くまたは少なく代替させる代替規則に従って作成されたデータとされている構成としてもよい。第一・特定色および第二特定色のインクの残量差を補償しない場合に基準データを参照し、当該差異を補償する場合に差異補償用データを参照することによって、容易に画像データを色変換することができる。
また、基準データと差異補償用データとの差分を示す差分データによれば、基準データに対して差分を加えることによって差異補償用データを作成することができるので、基準データと差分データが記録媒体に記録されていれば十分である。差分データとすると差異補償用データよりデータ容量を小さくさせることができるので、記憶媒体のリソースを節約することができる。また、基準データと差異補償用データとの差分が複数の色において同じ関係にある場合、当該同じ関係にある色について共通の差分データのみを記録しておくことによりさらにリソースを節約することができる。
インク情報によってある時点でのインク残量を検出しその差異を解消するような色変換データを適宜選択できると都合がよい。そこで、上記第二特定色のインクは、上記代替色のインクとされており、上記記録領域には、上記複数の色変換データのそれぞれに対応して上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとの使用量比が予め算出されて記録されており、上記色変換手段は、上記記録領域に記録された複数の色変換データのうち上記第一特定色および代替色のインクの残量比に最も近い使用量比または使用済みインク量の逆比に最も近い使用量比に対応する色変換データを参照して上記画像データを色変換する構成としてもよい。インク残量に追従して第一・第二特定色のインクの残量差を適切に解消することができ、両インクを同時に交換する際に使い残しをより確実に減らすことができる。従って、画像の形成に寄与せずに消費されるインクをより確実に少なくさせることが可能となる。
インク残量の差異を解消するために、その時点のインク残量比ではなく使用済みインクの比に基づいて第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせることも可能である。使用済みインクの比は印刷装置を利用するユーザのインク使用傾向が反映されているので、この比の逆比に相当するインク使用量となっている色変換データを選択して印刷を実行すれば、このユーザのインク使用傾向にあわせてインク残量を均衡させることが可能になる。
インクの実際の使用量は色変換データで一義的に決定されるのではなく、上述のように実際の画像毎に異なるが、ここでも第一特定色とその代替色の色相について低輝度から高輝度まで全輝度成分を含む画像を各色変換データに基づいて色変換して印刷を実行する場合のインク使用量の積分値を各色変換データ毎の平均的なインク使用量とするなどして使用量を考慮すればよい。また、第一特定色とその代替色のインク量に差異が生じている場合常に本発明にかかる色変換を実施する構成では、上記インクカートリッジ内のインク残量の比あるいは使用済みインク量の逆比に近いインク使用量となる色変換データを選択して印刷を実行するので、予めできるだけ多くの色変換データを記録しておき、適宜選択できるように構成することが好ましい。さらに、各色変換データの間に相当するインク使用量となる色変換データを補間演算によって作成してもよい。この構成によれば、すべてのインク使用量に対応した色変換データによって色変換を実施することができる。
上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であるときに、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して上記画像データを色変換する構成としてもよい。すると、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインク使用量をなるべく節約することが可能となる。
すなわち、第一特定色のインクを代替色のインクによって代替可能であっても、画質は印刷物が人間に与える粒状感やバンディング発生の有無により大きな影響を受け、高画質を実現するためには必ずしも第一特定色と代替色との比率を任意に変更可能であるとは限らない。従って、高画質を実現するための色変換データを作成し、この色変換データと比較して代替色のインクを多く使用した色変換データを作成すると、後者の色変換データによる印刷物は前者の色変換データによる印刷物より低画質になる。
そこで、上記閾値を決めておけば、第一特定色と代替色とのインクの量に大きな差異が無い場合には高画質を実現するための色変換データを優先的に使用し、インク量に大きな差異が生じている場合にはインク使用量を均衡させるために本発明にかかる色変換データを優先的に使用するといった切り分けが可能である。従って、どの程度までインク量に差異が生じたら画質面をある程度犠牲にしてインク量消費を考慮するのかを、容易に制御することができる。
本発明にかかる色変換は画質面をある程度犠牲にしつつインク量消費を考慮するという側面があるので、あまりに大きなインク量差がある場合にそのインク量差を解消するような色変換データを利用するように構成すると、画質が許容限度を超えて低下する場合がある。そこで、特定色とその代替色のインク量の差異が第一閾値より大きい所定の第二閾値を超えるときに本発明にかかる色変換を実施しないように構成すれば、画質の低下を許容できないようなインク使用量比となる色変換データでの色変換が行われない。従って、より確実に、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインクをなるべく節約することが可能となる。
むろん、第一閾値と第二閾値とは、いずれも予め決めておいてもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。
さらに、本発明にかかる色変換を実施するか否かをユーザの設定あるいは印刷条件によって決定してもよい。すなわち、ユーザの設定によって色変換実施の可否を決定することができれば、画像の形成に寄与しないインクの消費を抑えるよりもむしろ常に高画質の印刷を望むユーザのニーズに応じるなど、ユーザの多様なニーズに対応することができる。また、印刷条件によっては、高画質か否かをあまり問われない場合がある。例えば、印刷媒体が普通紙という条件と光沢紙という条件とを比較すると普通紙においては高画質であるか否かはあまり問われないことが多い。
そこで、印刷条件として普通紙が設定されているときに本発明にかかる色変換を実施し、印刷条件として光沢紙が設定されているときに本発明にかかる色変換を実施しない構成等を採用可能である。むろん、本発明にかかる色変換を実施するか否かを印刷条件として設定してもよい。例えば、印刷条件をユーザインターフェイス(UI)等によって設定可能にし、このUIにて「画質優先」「インク節約優先」という選択肢を設け、後者の選択肢が選択されているときに本発明にかかる色変換を実施する構成等を採用可能である。
なお、上述した装置は、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもある等、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上記構成に対応した所定の手順に従って処理を進めていくことも可能であるので、本発明は制御方法としても適用可能であり、請求項16,請求項17にかかる発明も、基本的には同様の作用、効果を有する。さらに、印刷装置を備える印刷システムとしても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果となる。
本発明を実施しようとする際に、上記装置にて所定の制御プログラムを実行させる場合もある。そこで、請求項18、請求項19に記載したプログラムでも、基本的には同様の作用、効果を有する。また、同プログラムを記録した媒体が流通し、同記録媒体からプログラムを適宜コンピュータに読み込むことが考えられるので、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としても適用可能であり、基本的には同様の作用、効果を有する。
むろん、請求項2、請求項3、請求項5〜請求項15に記載した構成を上記方法やプログラムや記録媒体に対応させることも可能である。
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)第一の実施形態の印刷制御装置の構成:
(2)色変換モジュールの構成:
(3)色変換テーブルの作成処理:
(4)印刷制御処理:
(5)変形例:
(6)第二の実施形態:
(1)第一の実施形態の印刷制御装置の構成:
図1は本発明にいう印刷装置(印刷手段)となるカラー印刷可能なインクジェットプリンタ40に搭載されているC,lcインクの残量を模式的に示す図であり、図2は本発明にいう印刷制御装置となるパーソナルコンピュータ(PC)10やプリンタ40等から構成された印刷システムを示す図であり、図3は印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示すブロック図である。むろん、本発明に用いられるコンピュータは、PCに限定されない。図1では、紙面上から下向きを経時的な流れとして示してあり、各インクカートリッジについては短い横線を付した部分でインクの残量、白抜きの部分でインクの使用量が示されている。初期段階S1ではC,lcインクカートリッジともにインクが満量とされている状態を示してあり、次の段階S2ではlcインクの残量がCインクの残量より少なくされていることを示してある。プリンタ40は、CMYKlclmの6色のインクを使用して印刷を行うことが可能な装置であるとしている。
本印刷制御装置は、第一特定色(lc)のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて複数のインク(CMYKlmインク)の中から選ばれる第二特定色(C)のインクの残量と、に基づいて、第一特定色(lc)および代替色(C)のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させて第一特定色(lc)および第二特定色(C)のインクの残量差を少なくさせる。説明をわかりやすくさせるため、括弧内に図1での例で記載している。ここで、第一特定色(lc)のインクの残量が第二特定色(C)のインクの残量より少ないときに、第一特定色(lc)のインクの少なくとも一部を代替色(C)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させ、第一特定色(lc)のインクの残量が第二特定色(C)のインクの残量より多いときに、代替色(C)のインクの少なくとも一部を第一特定色(lc)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させる。すると、第一・第二特定色(lcとC)のインクの残量差が少なくなるので、lcとCのいずれか一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに捨てられるインクを少なくさせることが可能となる。
図1の例では、C増量LUT(lcに対するCの使用割合を増やした色変換テーブル)を参照して画像データを色変換することを示してあり、その結果、段階S3に示すように、lcとCのインクの残量差が少なくなる。
PC10では、システムバス10aに、演算処理の中枢をなしてPC全体を制御するCPU11、書き換え不可能な半導体メモリであるROM12、書き換え可能な半導体メモリであるRAM13、CD−ROMドライブ14、フレキシブルディスク(FD)ドライブ16、インターフェイス(I/F)17a〜c、I/O19a,b等が接続され、ハードディスクドライブを介して磁気ディスクであるハードディスク(HD)15も接続されている。
HD15にはオペレーティングシステム(OS)やAPL等が記憶されており、実行時にCPU11によって適宜RAM13に転送され、実行される。同HD15には、本発明の印刷制御プログラム、画像データ15a、各種色変換LUT15b〜f、閾値データ15gが記憶されている。I/F17a(例えばUSB I/F)にはデジタルカメラ30等を接続可能であり、ビデオボードとされたCRTI/F17bにはカラー画像データに基づいて当該画像データに対応する画像を表示するディスプレイ18が接続され、シリアル通信用I/O19aにはキーボード31やマウス32が操作用入力機器として接続され、USB用I/O19bにはシリアルI/Fケーブルを介してプリンタ40が接続されている。
プリンタ40は、CMYKlclmのインクを充填したインクカートリッジ41a〜fのそれぞれを別々に着脱可能なカートリッジホルダを備え、当該ホルダに各カートリッジ41a〜fが搭載されている。Cインクとlcインクとでは前者の方が溶媒内の色剤濃度が高く、印刷媒体に記録されたときに略同一色相であるが前者の方が低輝度になり、両者は相互に代替可能である。Mインクとlmインクとにおいても同様の関係となっており、両者は相互に代替可能である。また、CMYあるいはlclmの有彩色インクを組み合わせると種々の色相、彩度、明度の色とすることができ、無彩色にすることもできる。この意味でCMY(あるいはlclmY)とKとは代替可能な関係になっている。
本プリンタ40は、CPU41、ROM42、RAM43、通信I/O44、コントロールIC45、ASIC46、I/F47,49、等がバス20aを介して接続され、CPU41がROM42に書き込まれたプログラムに従って各部を制御する。そして、インクカートリッジ41a〜fに充填された6色のインク(記録剤)を使用して、印刷用紙(印刷媒体)にインクを付着させてドットを形成することにより画像データに対応する印刷画像の印刷を実行する。むろん、lk、DY、cl等のインクも使用するプリンタを採用してもよいし、CMYKlclmのいずれかのインクを使用しないプリンタを採用してもよい。また、インク通路内に泡を発生させてインクを吐出するバブル方式のプリンタや、トナーインクを使用して印刷媒体上に印刷画像を印刷するレーザープリンタ等、種々の印刷装置を採用可能である。
印刷ヘッド46bには、各インクカートリッジ41a〜fとの間に設けられた管状のインク供給経路49dを介してインクが供給されるようになっている。ここで、インク供給経路49dは各インクに対応して6本設けられている。
各インクカートリッジ41a〜fには、例えばRAMからなるメモリチップ42a〜fが搭載されており、各メモリチップ42a〜fは電気的にコントロールIC45と接続されている。通信I/O44はPCのI/O19bと接続され、プリンタ40は通信I/O44を介してPC10から送信される色別のラスタデータを受信したり、メモリチップ42a〜fに記憶されたインク使用量を表すデータをPC10に対して出力したりする。ASIC46は、CPU41と所定の信号を送受信しつつヘッド駆動部46aに対してラスタデータに対応する印加電圧データを出力する。同ヘッド駆動部46aは、同印加電圧データから印刷ヘッド46bに内蔵されたピエゾ素子への印加電圧パターンを生成し、印刷ヘッド46bに6色のインクをドット単位で吐出させる。I/F47に接続されたキャリッジ機構47aや紙送り機構47bは、印刷ヘッド46bを主走査させたり、適宜改ページ動作を行いながら印刷用紙を順次送り出して副走査を行ったりする。
また、I/F49に接続されたポンプ駆動機構49aはポンプ49bを駆動可能であり、同ポンプ49bは吸引管49cを介してインクを吸引することによって各インクカートリッジ41a〜f内のインクを印刷ヘッド46bに供給可能である。CPU41は、ROM42に書き込まれたプログラムに従ってポンプ駆動機構49aを駆動しながら、インクカートリッジ内のインクを的確に印刷ヘッドに供給する初期充填クリーニングや交換クリーニングを実行させる制御を行ったり、供給経路の目詰まりを防止する小クリーニングを実行させる制御を行ったりする。このように、クリーニングは全インク色の供給経路に対して一度に差圧を作用させることによって一定のインクを排出させる処理であり、この処理によってカートリッジ内のインクがヘッドまで充填される。従って、プリンタ40は、いずれかのインクカートリッジを交換したときにこのクリーニング処理を実施し、印刷準備を行う。
なお、クリーニングを実行する構成には、例えば特許第3250556号公報や特許第3438521号公報に開示された技術等も採用可能である。
また、プリンタ40に搭載したプログラム実行環境によって本発明にかかる印刷制御処理を実施可能に構成し、プリンタ40に対して直接接続されたデジタルカメラから画像データを取得して印刷制御処理を行ってもよい。むろん、同様の構成においてデジタルカメラにて印刷制御処理を実施してもよいし、他にも分散処理によって本発明にかかる印刷制御処理を実施するなどしてもよい。スキャナとプリンタとが一体となったいわゆる複合機において本発明にかかる印刷制御処理を行ってもよい。
PC10では、OSにI/O19bを制御するプリンタドライバ(PRTDRV)21や入力機器ドライバ(DRV)22やディスプレイドライバ(DRV)23等が組み込まれ、OSの一部となって各種の制御を実行する。ディスプレイドライバはディスプレイ18における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器ドライバはシリアル通信用I/O19aを介して入力されるキーボード31やマウス32からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。APLは、OSを介してハードウェアとデータ等のやりとりを行う。プリンタドライバは、APLの印刷機能の実行時に稼働され、I/O19bを介してプリンタ40と双方向の通信を行うことが可能であり、OSを介してAPLから印刷データを受け取ってラスタデータに変換し、プリンタ40に送出する。
なお、本発明の印刷制御プログラムは、OS、APL、OSとAPL、のいずれにより構成してもよい。これらのプログラムを記録した媒体は、HD15以外にも、CD−ROM14a、FD、半導体メモリ、等でもよい。また、通信I/F17cをインターネット網に接続し、所定のサーバから本発明のプログラムをダウンロードして実行してもよい。
利用者は、カラー画像のレタッチ等を実行可能とされたAPL25の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ40にて印刷させることができる。APL25は、利用者の指示によりHD15に記録された画像データ15aをRAMに読み出して、ディスプレイDRV23を介して画像データ15aに基づく画像をディスプレイ18上に表示させる。また、利用者が上記入力機器を操作するとその操作内容が入力機器DRV22を介して取得されて内容が解釈されるようになっており、APL25はその操作内容に応じて印刷指示やレタッチなど種々の処理を行う。
画像データ15aは、RGB表色系(第一表色系)の成分色RGB(複数の第一要素色)毎の色成分値(階調データ)で表現したデータであり、画像をドットマトリクス状の多数の画素別の階調データ(例えば各色256階調)で表現したデータである。RGB表色系の色空間は、sRGB規格に定義されたRGB色空間であるとして説明するが、より広域の広域RGB色空間等としてもよい。むろん、画像データ15aは、YCbCr表色系を採用したJPEG画像データ、CMYK表色系を採用した画像データでもよい。Exif2.2規格(Exifは社団法人電子情報技術産業協会の登録商標)に準拠したデータ、Print Image Matching(PIM:PIMはセイコーエプソン株式会社の登録商標)に対応したデータ等について本発明を適用可能である。
APL25にて印刷指示がなされると、プリンタドライバ21はディスプレイDRV23にデータを送出して、印刷媒体や画質、印刷速度などの印刷条件を示す情報を入力させるための図示しないユーザインターフェイス(UI)画面を表示する。上記キーボード31やマウス32等を操作して利用者が当該UI画面にて印刷に必要な情報を入力すると、プリンタドライバ21の各モジュール21a〜dが起動され、画像データ15aを構成する各画素の色別とされた色成分値(階調値)に対する処理が行われ、印刷データが生成される。同印刷データはI/O19bを介してプリンタ40に出力され、プリンタ40は当該印刷データに基づいて印刷を実行する。
APL25にて利用者から印刷実行の指示を受け付けると、プリンタドライバは、PC10を画像データ取得手段として機能させる画像データ取得モジュール21aにて印刷実行対象の画像を示す画像データ15aを取得し、印刷に必要な画素を確保するため適宜解像度変換処理を行う。色変換モジュール21bは、各画素の色を示す表色系を変換するモジュールであり、HD15に記録された色変換LUT(色変換テーブル、色変換データ)を適宜参照して画像データ15aのsRGB表色系(第一表色系)をプリンタに搭載されたインクの色であるCMYKlclm(複数の第二要素色)を成分とするCMYKlclm表色系(第二表色系)に変換する。色変換LUTは、RGB毎の色成分値(階調データ)と、上記第一特定色および代替色を含むとともにインクカートリッジ41a〜fに充填された各インクのCMYKlclmの色毎の色成分値(階調データ)と、の対応関係を複数の参照点について規定した情報テーブルである。なお、さらにcl(無着色)インクを使用する印刷装置でも、色変換LUTを、RGB毎の色成分値と、上記第一特定色および代替色を含むとともに複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の一部であるCMYKlclm毎の色成分値と、を対応付けたデータとしてもよい。また、濃インク(例えばC,M)の使用量の一部を淡インク(例えばlc,lm)に分版することを前提として、色変換LUTを、RGB毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の一部であるCMYK毎の色成分値と、を対応付けたデータとしてもよい。
本実施形態では、sRGB表色系で表現した任意の色に関し、その周りの色であって色変換LUTに規定されたsRGBの色の色成分値を参照すれば補間演算によって当該任意の色に対応したCMYKlclm表色系の色の色成分値を算出することができ、色変換を実施することができる。
色変換モジュール21bは、プリンタ40からインクカートリッジ41a〜f内のインクの量を示すインク情報、HD15から閾値データ15gを取得し、プリンタ40のインクで代替可能な関係にあるインク同士の残量差が所定の第一閾値TH1(TH1>0)を超えているときにその残量差を低減する色変換LUTを選択して色変換を行う。HD15に記憶されている色変換LUT15c〜fは、基準LUT(基準とされる基準データ)15bとはインクの使用量が異なるように予め作成され、第一・第二特定色のインクの残量差を補償する場合に参照される差異補償用データとされている。このため、インク同士の残量差が閾値TH1を超えていないときに基準LUT15bを参照して画像データを色変換することによりインク残量差を補償せず、残量差が閾値TH1を超えているときに他の色変換LUT15c〜fを参照して画像データを色変換することにより、インク残量差を補償しながら印刷を進める。
ここで、基準LUT15bとC増量LUT15cとlc増量LUT15dとは、Cインクとlcインクとで使用量の代替割合を異ならせたデータとされ、基準LUT15bとM増量LUT15eとlm増量LUT15fとは、Mインクとlmインクとで使用量の代替割合を異ならせたデータとされている。従って、HD15には、第一特定色のインクと代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データが記憶(記録)された記憶領域(記録領域)が設けられていることになる。
ハーフトーン処理モジュール21cは、CMYKlclm表色系で表現された各画素の色成分値を変換してインク滴の記録密度で表現するためのハーフトーン処理を行うモジュールである。
印刷データ生成モジュール21dは、ハーフトーン処理後のデータをプリンタ40で使用される順番に並べ替えるモジュールである。プリンタ40ではインク吐出デバイスとして吐出ノズル列が搭載されており、当該ノズル列では副走査方向に複数の吐出ノズルが並設されるため、副走査方向に数ドット分離れたデータが同時に使用される。そこで、主走査方向に並ぶデータのうち同時に使用されるべきものがプリンタ40にて同時にバッファリングされるように順番に並べ替えるラスタライズを行う。同モジュール21dは、このラスタライズの後、画像の解像度などの所定の情報を付加して印刷データを生成し、I/O19bを介してプリンタ40に出力する。プリンタ40では、当該印刷データに基づいて画像データに対応する印刷対象の画像を印刷する。
(2)色変換モジュールの構成:
上記クリーニングは、プリンタのコスト低減のために単一のポンプ49bによって実施されるようにされており、一度に全6色に対して実施される。すなわち、交換したインクカートリッジ以外もインクがヘッドから排出され、印刷媒体上で印刷画像の形成に寄与しないインクが消費される。従って、クリーニングの頻度は少ない方が画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることができる。一方、インクカートリッジを交換した色についてはクリーニングは必須である。そこで、プリンタの運用に際して複数色のインクカートリッジがほぼ同時に空となり、同時にインクカートリッジを交換することができればクリーニング頻度を抑えることができる。本実施形態では、インク残量をできるだけ均衡させることによってクリーニング頻度を抑えており、この処理は主に色変換モジュール21bが担っている。
図4は、各部21b1〜3を備える色変換モジュール21bの構成を示すブロック図である。
インク情報取得部21b1は、USB用I/O19bを介してインク情報を取得するインク情報取得手段としてPC10を機能させるモジュールであり、プリンタ40と双方向通信を行ってインク情報として各インク色のドットカウントを取得する。インクカートリッジ41a〜fにはメモリチップ42a〜fが内蔵されており、プリンタ40では、CPU41にて行われる制御によって、印刷ヘッドから吐出したインクのインク使用量やクリーニングによって消費したインク量をドットカウントとして計測し、インクの色毎にインク使用量に対応するドットカウントをメモリチップ42a〜fに記憶させている。
図の右上ではインクカートリッジの容量を矩形で示すとともに上部の白抜き部位によってカートリッジ内の空部分を示し、短い横線を付した部位によってインクの残量を示している。上記ドットカウントはカートリッジ内の空部分、すなわち、使用済みインク量に対応しているので、このドットカウントを参照することによりインク使用量を把握することができ、カートリッジの容量と使用済みインク量との差分をとることによってインク残量を把握することができる。本実施形態では、インク情報取得部21b1はドットカウントからインク残量を取得するようになっており、各色のインク残量はLUT選択部21b2に受け渡される。
LUT選択部21b2は、上記インク残量と閾値データ15gとを取得して、上記HD15に記録されたLUTを選択する機能をPCに実現させるモジュールである。同LUT選択部21b2は、取得されたインク残量を参照して代替可能な関係にあるインク同士の残量差を取得する。閾値データ15gにはインク残量の閾値TH1が含まれており、LUT選択部21b2は当該残量差が閾値TH1を超えるか否かを判定する。そして、インクの残量差が閾値TH1を超えていない場合には基準LUT15bを選択する。
インクの残量差が閾値TH1を超えている場合には、その残量差を解消するように上記代替可能な関係にあるインク同士の一方が基準LUT15bにおけるインクより多く使用されるようにLUTを選択する。例えば、代替可能な関係にあるC,lcインクに関し、C,lcインクの残量差が閾値TH1を超えておりlcインクの残量の方が少ない場合にはそれ以後lcインクよりCインクを多く使うことによって残量差を解消できるので、C増量LUT15cを選択する。C,lcインクの残量差が閾値TH1を超えておりCインクの残量の方が少ない場合には、lc増量LUT15dを選択する。M,lmインクの残量差が閾値TH1を超えておりlmインクの残量の方が少ない場合には、M増量LUT15eを選択し、M,lmインクの残量差が閾値TH1を超えておりMインクの残量の方が少ない場合には、lm増量LUT15fを選択する。この選択によれば、基準LUT15bと比較してインク使用量の比が使用済みインク量の逆比に近いLUTあるいはインク残量の比に近いLUTを選択することができる。
補間演算部21b3は、選択されたLUTを参照して補間演算を実施する機能をPCに実現させるモジュールであり、画像データにおける各画素の色の色成分値を特定するための表色系を変換する。印刷対象の画像を示す画像データにおいてはsRGB表色系で各画素の色を表現しており、色変換LUTに規定された色成分値を参照して適宜補間演算を実施すれば、各画素についてRGBの色成分値をCMYKlclm表色系の色成分値に色変換することができる。具体的には、各画素毎に、RGBの階調値に一致するCMYKlclmの階調値がLUTに格納されている場合にはそのCMYKlclmの階調値を色変換後の色成分値とし、RGBの階調値に一致するCMYKlclmの階調値がLUTに格納されていない場合には、同RGBの階調値に近いCMYKlclmの階調値の組み合わせを複数LUTから取得し、体積補間等の補間演算により色変換後のCMYKlclm別の階調値を算出し、当該色別の階調値を色変換後の色成分値とすればよい。
色変換LUT15c〜fを予め作成する際に基準LUT15bを基準として相互に代替可能なインクについて異なる使用量になるようにする必要がある。以下、色変換LUTの作成作業を説明する。
(3)色変換テーブルの作成処理:
図5は、色変換LUT15b〜fを作成するための一連の処理を示すフローチャートである。この処理では多くの演算処理を必要とするので、コンピュータを使用して演算を実行するのが好ましい。各LUTは、sRGB色空間において色域の全空間を網羅するようにRGBデータを規定しており、ディスプレイ18にて使用するこれらのRGBデータとプリンタ40で使用するCMYKlclmデータによる色をLab色空間の座標値に変換し、当該Lab色空間内でRGBデータとCMYKlclmデータとを対応づける。
まず、17個のRGBデータを選択し、ディスプレイ18の代表色として確定する(ステップS100。以下「ステップ」の記載を省略)。このとき、各色がRGB表色系で表現可能な色(色域)の全域に略均等に配置されていることが好ましく、RGBの各色成分を直行空間の各軸とした色立方体において各色成分を一定間隔で変化させて複数の色を得るなど種々の構成を採用可能である。S105では、当該確定した代表色のRGBデータをLab色空間の座標値に変換する。sRGB規格に準拠した画像データは公知の変換式によりLab色空間の座標値に変換することができる。むろん、測色器等によってLab座標を取得してもよい。以上の結果、sRGBの代表色に該当する色のLab座標値が得られ、S110にて17個のRGBデータとLab成分値との対応関係を規定する。
続いて、CMYをKおよびlclmにて代替させる分版処理を行って多数の色をCMYKlclmインクの使用量で表現したデータを作成する。図6、図7はこの分版処理を説明するための説明図である。S115では、CMYKlclmより色成分数が少ないCMY表色系において複数の色を表現し、CMYの組み合わせをKにて代替する分版処理を行う。同図左側のグラフでは縦軸に各色成分値を相対量として示しており、同図に示す例では、C成分,M成分,Y成分の順に色成分値が小さくなるある色を示している。S115では、図6の左側に示すように、CMYの組み合わせから所定量の色成分値をKで代替させており、本実施形態ではCMYの全色成分から等量の成分値を抜き出してK成分としている。
さらに、S120では、前述の分版によってCMYKの組み合わせで表現された色をCMYKlclmの組み合わせに変換する分版を行っている。このとき、Cの一部をlc、Mの一部をlmに代替させ、すなわち、濃インクを淡インクで代替させている。図7はこの代替における規則の例を示している。図の横軸はCMYKからCMYKlclmへの分版前の濃インクの色成分値を示し、縦軸は分版後の濃インクあるいは淡インクによるインク記録率を示している。ここで、インク記録率は単位面積あたりのドット滴数に対応しており、単位面積に対して記録可能な最大ドット滴を記録した状態を100%としている。従って、インク記録率とインク使用量とは比例関係にある。
この分版を実施するに際しては、まず図7の破線に示すように濃インクのみで色成分値0〜255がインク記録率0〜100%に相当すると考え、高明度(低階調)域でこの濃インクを記録した場合と同等の色剤量となるように濃インクを淡インクで代替させる。図7では、単位インク滴あたりの色剤量が濃インクと淡インクとで2:1である場合について示しており、濃インク1に対して淡インク2を記録した場合に媒体上に記録される色剤量が等価であるとして代替を行う例を示している。この例においては濃インク発生点の色成分値aを考え、この色成分値aにおいて濃インクのみでインクを記録した場合のインクのすべてを淡インクで代替させる。すなわち、色成分値aにおける破線の高さを2倍にしたインク記録率を淡インクの記録率とする。なお、濃インク発生点は、濃インクを使用するか否かの境界値であり、発生点より小さな色成分値では濃インクを使用せず、発生点より大きな色成分値で濃インクを使用する。
発生点における淡インクの記録率を決定した後には、発生点より大きな色成分値について濃インクのインク記録率を決定し、このインク記録率にあわせて発生点より大きな色成分値について淡インクのインク記録率を決定するとともに発生点より小さな色成分値についても淡インクのインク記録率を決定する。この結果、図7においては一点鎖線に示すように淡インクのインク記録率が決定され、実線に示すように濃インクのインク記録率が決定される。このようにして決められた関係が濃淡インクの分版規則である。
なお、濃インクと淡インクで色剤量を等価にする構成の他、印刷時の明度を一致させるなど種々の考え方に基づいて代替を行うことができる。また、淡インクおよび濃インクにおいて色成分値に対するインク記録率の変化は必ずしも直線的である必要はなく曲線的であってもよいし、濃インク発生点より大きな色成分値域において淡インクのインク記録率が0となる点は色成分値255と一致してもよい。さらに、上記濃淡インクの分版規則はC,Mインクで共通の規則としてもよいし、色毎に変更してもよい。いずれにしても代替可能な関係にあるインクであれば本発明を適用することができる。
本発明においては、上述のように種々の分版規則が採用可能である状況において、濃淡インク(代替可能な関係にあるインク)の使用量が異なる複数の分版規則を採用することができればよい。プリンタで印刷する際、個々の画像によってインク使用量は異なるものであるが、本実施形態では各分版規則における各色インクでのインク使用量を概算的に把握し、個々の画像での使用量差を考慮せず、平均的なインク使用量を考えている。
図7に示すグラフで色成分値に対するインク記録率を積分すると、全色成分値を均等に含む画像におけるインク使用量を算出することができ、このインク使用量を平均的なインク使用量とすれば、各分版規則における平均的なインク使用量を比較することができる。同図において矢印Aに示すように濃インク発生点をより低色成分値側に移動させて分版規則を規定した場合には、濃インクの積分値が増加し淡インクの積分値が減少するので、図の一点鎖線および実線で示す分版規則と比較して濃インクが相対的に多く使用され、淡インクの使用量が相対的に少ない分版規則とすることができる。むろん、濃淡インクのそれぞれにおいてインク滴の重量を変化させて、例えば大中小径のインク滴を吐出可能にするプリンタにおいては、各インク記録率で吐出する大中小径インク滴の数に基づいてインク使用量を算出して加えあわせたものを平均的なインク使用量とする構成を採用可能である。
一方、矢印Bに示すように濃インク発生点をより高色成分値側に移動させて分版規則を規定した場合には、濃インクの積分値が減少し淡インクの積分値が増加するので、図の一点鎖線および実線で示す分版規則と比較して淡インクが相対的に多く使用され、濃インクの使用量が相対的に少ない分版規則とすることができる。そこで、S120では、基準となる分版規則によって分版処理を行い、さらに当該基準の分版規則より濃インクを増量した分版処理、当該基準の分版規則より淡インクを増量した分版処理を実行する。
ここで、基準の分版規則(基準LUTに規定)は濃淡インクの相対的な使用量差の補償を主眼としたのではなく高画質を得ることを主眼に規定された規則である。すなわち、略同色相の濃淡インクを組み合わせると、一方のみを利用するよりもより微妙な階調変化を表現することができるし、高明度域で少数の濃インクではなくそれより多くの淡インクを記録することによりざらついた印象(粒状感)の印刷物を得ることを防ぐことができる。そこで、このような画質に影響を与える濃淡インクについて組み合わせを調整して高画質が得られるように分版規則を規定して基準の分版規則とする。
これに対して濃淡インクの使用量を相対的に増減させた分版規則において作成した色変換LUTで印刷を実行すると、粒状感が生じたり、階調表現力が低下するなど、必ずしも最高の画質を得られるとは限らないが、当該LUTによればインクカートリッジ内のインク使用量を調整することが可能になる。より具体的には、図6に示すようにCインクとMインクとをそれぞれ分けて分版処理を行う。S115の分版処理を終えた時点では、CMYKの組み合わせによって色を規定した状態となっているので、まずこれらの組み合わせに対して基準の分版規則を適用し、図6の中段に示すようにClcMYKの組み合わせで色を表現する。
一方、同図上段にはこの基準の分版規則に対して濃インクの発生点を高明度側に移動させることによってCを増量した場合の分版処理を示しており、同図下段には上記基準の分版規則に対して濃インクの発生点を低明度側に移動させることによってlcを増量した場合の分版処理を示している。同図に示すように、CMYKの組み合わせによって表現された色は分版によってClcMYKの組み合わせによって表現されるが、分版規則の差異により上段から下段に向けてC成分の相対量は少なくなっているし、lc成分成分の相対量は多くなっている。
すなわち、上述のように分版規則の差異によって平均的なインク使用量に差異が生じるし、ある色を表現する組み合わせにおいても色成分の相対値に差異が生じていることになる。以上のように、C成分をCおよびlcに分版した後には、M成分をMおよびlmに分版する。この結果、S115においてCMY表色系で表現した複数の色について複数の分版規則にて分版し、それぞれの規則に従った場合のCMYKlclm表色系での色が得られたことになる。
CMYKlclm表色系にて色が表現されていれば、各色成分値によって特定される色を印刷するようにプリンタ40を駆動することができ、S125では、S120で作成した多数のデータにて色を表現した多数の無地のパッチ(標準画像)をプリンタ40で印刷する。S130ではこれらのパッチを測色機にて測色することによってCMYKlclmデータとLab色空間の座標値とを対応づける。これにより、各パッチの色を指定する多数のCMYKlclmデータとLab色空間の座標値との対応関係を把握することができる。
以上の結果、sRGBの代表色に該当する色のLab座標値と、多数のCMYKlclmデータに対応づけられたLab座標値が得られるので、S135ではこれらのLab座標値を使用して各分版規則毎にRGBデータとCMYKlclmデータの対応関係を規定する。このRGBデータとCMYKlclmデータの対応関係を規定した情報テーブルが色変換LUTであり、各分版規則毎にLUTを作成することにより、上記LUT15b〜fが得られる。そして、C増量LUT15c〜lm増量LUT15fが、基準LUT15bと比較して代替色を多くまたは少なく代替させる代替規則に従って作成された情報テーブルとされている。
このようにして、第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを作成することができる。
その後、作成した複数の色変換LUTを所定の記録媒体に記録し(S140)、処理を終了する。同記録媒体として例えばCD−ROMを用いると、PC10は、CD−ROMドライブに同CD−ROMが挿入されることによって所定のインストール処理を行い、CD−ROMドライブから複数の色変換LUTを読み込んでHD15に記憶させる処理を行う。この処理を行うPCは、複数の色変換データを記録領域に記録する色変換データ記録手段を構成する。
(4)印刷制御処理:
図8は、画像を印刷する際の印刷制御処理を示すフローチャートである。上記APL25で画像データ15aを読み出し、レタッチ処理等の後に印刷実行指示がなされると、プリンタドライバ21を起動し、画像データ取得モジュール21aにより上記APL25によって印刷実行指示がなされた画像を示す画像データのうち主走査一回分の画像データを取得する(S200)。すなわち、S200の処理を行うPCは、RGB毎に階調表現した画像データを取得する画像データ取得手段を構成する。
S205では、この画像データに基づいて印刷を実行するためのループにおいて既に色変換LUTを選択済みか否かを判別する。本実施形態では、印刷制御を開始した時点でLUTを選択し、選択済みであれば同じ画像の印刷に際してLUTを変更することなく印刷を行うようになっている。このため、LUTを選択済みであると判別されたときにはS210〜S225をスキップする。
S205にてLUTを選択済みでないと判断したときに、インク情報取得部21b1によりプリンタ40と通信を行い、インクカートリッジに搭載された各メモリチップ42a〜fからインク情報として各色インクのドットカウントを取得し、このドットカウントから各色インクの残量を算出し、インク残量を示すデータを取得する(S210)。すなわち、S210の処理を行うPCは、インク情報を取得するインク情報取得手段を構成する。
次に、LUT選択部21b2により上記インク残量を示すデータと上記閾値データ15gを取得し、濃淡インク、すなわち、CインクとlcインクあるいはMインクとlmインクのそれぞれについて所定の第一閾値TH1以上(またはより大)の残量差があるか否かを判断する(S215)。第一特定色のインクと代替色のインクとの組み合わせにすることが可能なインクの残量をそれぞれA1,A2とすると、|A1−A2|≧TH1であるか否かを判断すればよい。なお、A1,A2,TH1は、ドットカウント単位でもよいし、ml単位でもよいし、インクカートリッジの満量を基準とした相対量でもよい。Cインクとlcインクの残量差がTH1を超えている、あるいは、Mインクとlmインクの残量差がTH1を超えていると判定されたときには、S220にて残量が少ないインクを増量させるLUTを選択する。例えば、残量が少ないインクがCインクであるときにはC増量LUT15cを選択する。
S215にて条件不成立の場合、基準LUT15bを選択する(S225)。LUTを選択する際には、例えば、LUTに対応するフラグ値を設定するなどしてLUTを選択することができる。
このようにして、複数の色変換データのうち、第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いてCMYKlclmの中から選ばれる第二特定色のインクの量と、の大小関係に対応して第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを選択することができる。
なお、印刷媒体や解像度毎に異なるLUTを予め用意しておくことも可能であるので、印刷モードや印刷条件等を示すデータによって印刷媒体や解像度を把握し、対応するLUTを選択するように構成してもよい。この場合、印刷媒体や解像度毎に基準LUTや代替可能なインクを増量したLUTを予め作成しておけばよい。
S220,S225で色変換LUTを選択した後、補間演算部21b3により印刷対象の画像を示す画像データおよび選択済みのLUTのデータを取得し、当該LUTを参照しながら適宜補間演算を行ってRGBデータ(画像を複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データ)をCMYKlclmデータ(画像を複数の第二要素色毎の階調データで表現した画像データ)に色変換する、色変換処理を行う(S230)。
すなわち、S215〜S230の処理を行うPCは、色変換手段を構成する。
その後、ハーフトーン処理モジュール21cにより、CMYKlclm別にインクの使用量に対応したCMYKlclmデータに対して所定のハーフトーン処理を行い、CMYKlclm別のハーフトーンデータ(ドットの形成状況を表すデータ)を生成する(S240)。すなわち、CMYKlclmデータで指定されるインク記録率にて各色インクを印刷媒体に記録するようにプリンタ40での吐出インク滴が各画素毎に特定される。同ハーフトーンデータは、例えば階調値「1」をドット形成有り、階調値「0」をドット形成無しに対応させたデータとすることができるが、階調値「3」、「2」、「1」を大、中、小ドット形成有りに対応させたデータとしてもよい。
さらに、印刷データ生成モジュール21dにより、ハーフトーンデータに対して所定のラスタライズ処理(インターレース処理)を行ってプリンタで使用される順番に並べ替え、CMYKlclmインクのドットの形成状況が表されたデータを生成する(S250)。ラスタライズ処理後、所定の情報を付加して印刷データを生成して当該印刷データをプリンタ40に対して出力する印刷データ送出処理を行う(S260)。
すなわち、S240〜S260の処理を行うPCは、印刷制御手段を構成する。
そして、画像を構成する全ラスタについて上記処理が終了したか否かを判別し、全ラスタについて上記処理が終了したと判別されるまでS200〜S260を繰り返す(S270)。この繰り返しにおいて、一旦色変換LUTが選択された後には、S205にてLUTが選択済みであると判別され、S230以降の処理を実施するので、同一画像においては同一のLUTを参照するようになっている。
なお、S200で全ラスタ分の画像データを取得する場合には、S270の処理を省略することができる。
以上の処理に従うと、インク残量が均衡するようにしつつプリンタ40を運用することが可能になる。図1で示したように、最上部に示す例ではC,lcインクカートリッジともにインクが満量であり、この状態で画像を印刷するとC,lcインクに残量差が存在しないため、S215で条件不成立となり、S225にて基準LUT15bが選択され、基準LUT15bを参照した色変換が実施される。
図1では上記印刷の後に再度同一の画像を印刷する場合を示している。図の中段に示すようにC,lcインクの使用量に差異(図の例ではlcインクのほうが残量少)が生じ、インクの残量差が閾値TH1を超えている場合、S215で条件成立となり、S220にてC増量LUT15cが選択される。この結果、C増量LUT15cを参照した色変換が実施され、基準LUT15bを参照した色変換を実施したときよりもCインクを多く使用して印刷がなされる。従って、図の下部左側に示すようにC,lcインクの使用量が均衡する。
一方、同図中段に示すインク残量にて本発明を適用せずに基準LUT15bを利用して印刷を実行すると、lcインクが多く使用され、Cインクが多く残っている状態でlcインクのカートリッジが空になる。従って、さらに印刷を実行しようとするとlcインクのカートリッジを交換する必要がある。カートリッジを交換すると、lcインクをインク供給経路に充填するために上述のポンプ49bが駆動され、全6色を対象としてクリーニングが実行され、画像形成に寄与せずにCMYKlmインクが消費されてしまう。
これに対して図1の下段左側に示すlcインクはCインクとほぼ残量が一致し、依然としてカートリッジが空になっていないので、インクを交換することなくさらなる印刷を実行することができる。従って、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることができる。また、さらなる印刷を実施する上でいずれか一方のインクカートリッジが空になった場合であっても、そのときには他方のインクカートリッジが空あるいは空に近い状態になっている。従って、両インクのインクカートリッジを同時に交換することにより、個別にインクカートリッジを交換する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることができる。この結果、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることができる。むろん、M,lmインクについても同様のことが言える。
(5)変形例:
本発明は、様々な変形例が考えられる。例えば、YインクとDYインクとは代替可能であり、Yインクと第二特定色のインク、または、DYインクと第二特定色のインク、の残量差が所定の閾値を超えたときにいずれか多い方が多く消費されるようにしてもよい。
また、CMYのインクを混合(例えば等量ずつ混合)した色はKインクの色と略同一とすることができるので、CMYとKとは代替可能である。従って、CMYインクのいずれかと第二特定色のインク、または、Kインクと第二特定色のインク、の残量差が所定の閾値を超えたときにいずれか多い方が多く消費されるようにしてもよい。インクの残量差の代わりに、インクの使用量の差が閾値を超えたときにインク使用量が少ない方のインクが多く消費されるようにしてもよい。いずれの構成であっても、本発明にかかる色変換を実施していることに相違ない。
代替色が第二特定色とされている場合、CMインクの双方、lclmの双方、Clmインクの双方、Mlcインクの双方を増加したLUTを作成しておき、C,lc,M,lmのうち2色を組にして組同士で所定のインク残量差が存在するときに上述の色変換LUTによって色変換する構成を採用してもよい。かかる構成によれば、インク残量差が生じているような種々の状況に対応することができる。
また、増量の程度を変更した複数の色変換LUTすなわち基準LUTに対して濃インクを所定量増量した場合、これよりさらに増量した場合、基準LUTに対して濃インクを所定量減量した場合、これよりさらに減量した場合など、多数のLUTを予め作成し、記録しておいてもよい。かかる構成によれば、各LUTにおける平均的なインク使用量を把握しておくことによってインクカートリッジ内のインク量差をより正確に均衡させることができる。ここで、第一特定色のインクとその代替色のインクについて色変換LUTにおけるインク使用量比がインク残量の比あるいはインク使用量の逆比と最も近いLUTを選択する構成を採用すれば、インク残量が均衡するように、あるいは使用済みインク量が均衡するように印刷制御を実施することができる。なお、複数のLUTにおいてその間のインク使用量を実現したい場合には当該複数のLUTを参照した補間演算によって中間的な増量程度となるようなLUTを作成してもよい。かかる構成ではより確実にインク使用量を均衡させることができる。
図9は、代替色を第二特定色とする場合において、第一特定色のインクと代替色のインクとの使用量比を表した使用量比データD1の構造を模式的に示す図である。同使用量比データD1は、複数の色変換LUTのそれぞれに対応して予め第一特定色および代替色の両インクの使用量比を算出してHDに記憶させた情報テーブルである。色変換処理を行う際、例えば、インク情報から第一特定色のインクと代替色のインクとの組み合わせにすることが可能なインクの残量A1,A2を取得し、使用量比データD1から当該組み合わせのインクの使用量比Bi(i=1,2,…)を全て取得し、残量A1,A2の比に最も近い使用量比Biに対応する色変換LUTを使用量比データD1から選択して、当該色変換LUTを参照して画像データを色変換すればよい。ここで、残量A1,A2のインクについて使用量比データD1に規定されたインク使用量をそれぞれA3,A4とすると、A1≧A2(またはA1>A2)の場合に|A2/A1−A4/A3|が最小となる使用量比A4/A3に対応する色変換LUTを選択し、A1<A2(またはA1≦A2)の場合に|A1/A2−A3/A4|が最小となる使用量比A3/A4に対応する色変換LUTを選択すればよい。すると、インク残量に追従して第一特定色および代替色のインクの残量差を適切に減少させることができ、両インクを同時に交換する際に使い残りがより確実に少なくなる。従って、印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクをより確実に少なくさせることが可能となる。
別の例として、インク情報から第一特定色のインクと代替色のインクとの組み合わせにすることが可能なインクの使用量A5,A6を取得し、使用量比データD1から当該組み合わせのインクの使用量比Bi(i=1,2,…)を全て取得し、使用量A5,A6の逆比に最も近い使用量比Biに対応する色変換LUTを使用量比データD1から選択して、当該色変換LUTを参照して画像データを色変換してもよい。ここで、使用量A5,A6のインクについて使用量比データD1に規定されたインク使用量をそれぞれA3,A4とすると、A5<A6(またはA5≦A6)の場合に|A5/A6−A4/A3|が最小となる使用量比A4/A3に対応する色変換LUTを選択し、A5≧A6(またはA5>A6)の場合に|A6/A5−A3/A4|が最小となる使用量比A3/A4に対応する色変換LUTを選択すればよい。このようにしても、インク残量に追従して第一特定色および代替色のインクの残量差を適切に減少させることができ、両インクを同時に交換する際に使い残りがより確実に少なくなる。従って、印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクをより確実に少なくさせることが可能となる。
また、閾値TH1によって本発明にかかる色変換を実施するか否かを判定する他、インク残量に差異が生じているときに常に本発明にかかる色変換を実施してもよい。すると、インクの残量差を常に解消することができ、クリーニング頻度を非常に効果的に抑えることができる。さらに、上述の実施形態のように予め閾値TH1を決めておいてもよいし、ユーザが閾値TH1を入力可能な入力装置を提供し、ユーザが任意に決めた閾値TH1を採用してもよい。さらに、ユーザに対して閾値TH1による判定を行うか否かの入力、インク量に差が生じているときには常に本発明を適用するのか否かの入力を実行する入力装置を提供し、ユーザの指示に従って本発明の適用態様を変更してもよい。むろん、本発明を適用しないような指示を受け付けてもよいし、高画質優先、速度優先など印刷品質に影響を与えるような印刷条件によって本発明の適用可否を決定してもよい。かかる構成により、ユーザの多様なニーズに応じることができる。
さらに、上記S215では、第一特定色のインクの量と第二特定色のインクの量との差分(ΔAとする)が正の値とされた第一閾値TH1以上(またはより大)であり、かつ、第一閾値TH1より大きい所定の第二閾値TH2以下(またはより小)であるか否かを判断し、条件成立の場合にS220にてClcMlm増量LUT15c〜fを選択し、条件不成立の場合にS225にて基準LUT15bを選択してもよい。すると、TH1≦ΔA≦TH2(TH1<ΔA<TH2等も可)の場合に第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換LUTを選択し、当該色変換LUTを参照して画像データを色変換することができる。
インク残量差が非常に大きくなった場合に本発明を適用しないようにすると、すなわち、代替インクを増量させたLUTに切り替える上限の残量差としてさらなる閾値TH2を規定すると、インク残量差が生じているときに残量差に応じたインク使用量のLUTを選択する構成に適用して好適である。かかる構成ではインク残量差が非常に大きな場合であっても残量差を均衡させようとすると、基準LUTに対してインク使用量の差が非常に大きなLUTを予め用意することになる。しかし、基準LUTでは高画質が得られるように濃淡インクを配分しているところ、インク使用量の比が基準LUTから大きくずれるようなLUTを採用すれば、画質が非常に低下することが考えられる。そこで、このようなLUTを選択しないでもよいように、ある閾値以上のインク残量差になったときには本発明にかかる色変換を実施しないように構成すると高画質を維持しやすく、好適である。従って、より確実に、印刷画像の画質をなるべく維持しながらインク消費量をなるべく少なくさせることが可能となる。
さらに、上記増量LUT15c〜fの代わりに、基準LUT(基準データ)と増量LUT(差異補償用データ)との差分を示す差分データを記録し、差分データを読み出して基準LUTを当該差分データで補正して増量LUTを作成すれば、上記実施形態と同様の色変換を実施可能である。例えば、基準LUTに規定されたCMYKlclmの色成分値をG1、当該基準LUTにてCMYKlclmの色成分値G1となるRGBの色成分値に対応する差分データをG2とすると、G1+G2等の演算を行うことにより基準LUTを補正して増量LUTを生成することができる。差分データであれば基準LUTと差異のないデータは記録する必要がないので、色変換データを記録させる記録容量を節約することができる。
また、第一特定色のインクとその代替色のインクとの使用量の相関が共通であるとすれば、共通の差分データを利用して色相の異なる代替インク(例えば、CとM)の双方を増量あるいは減量させた色変換LUTを作成することができ、より確実にリソースを節約することができる。なお、差分データであれば、LUTを記録しておくより、データの値域を小さく抑えることが可能であり、この意味でもリソースを効果的に低減することができる。さらに、上記図8に示すフローではある印刷対象画像の印刷を開始した後は、印刷が完了するまで共通のLUTを参照していたが、試し印刷の場合など画像の途中で色が微妙に変わってもよいような場合、インク残量に応じて同一画像内でLUTを変更して印刷を実行してもよい。
(6)第二の実施形態:
図10は、インクジェットプリンタ40に搭載されているlm,lc,Cインクの残量を模式的に示す図である。本実施形態のプリンタ40は、CMYKlclmの6色のインクを使用して印刷を行うことが可能であるとともに、インクの種類を交換可能である。すなわち、各インクカートリッジ41a〜fを当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能である。なお、プリンタがインクの種類を交換可能である以外には、第一の実施形態と同様の構成を採用することができるので、印刷システムの構成を説明する際には図2、図3を用いることにする。本実施形態に適用可能な印刷装置は、複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な装置であればよい。例えば、lclmのインクをRVのインクに交換可能なプリンタを採用することができる。
本実施形態では、印刷装置が使用する複数のインクの中からインクカートリッジ交換後に使用しなくなるインクの組み合わせを選択する操作入力をユーザから受け付け、選択されたインクの組み合わせを第一・第二特定色のインクの組み合わせとして当該第一・第二特定色のインクを同時に無くならせるようにする。初期段階S11ではlm,lcインクカートリッジともにインクが満量とされている状態を示してあり、次の段階S12ではlcインクの残量がlmインクの残量より少なくされていることを示してある。
本印刷制御装置は、第一特定色(lc)のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて複数のインク(CMYKlmインク)の中から選ばれる第二特定色(lm)のインクの残量と、に基づいて、第一特定色(lc)および代替色(C)のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させて第一特定色(lc)および第二特定色(lm)のインクの残量差を少なくさせる。説明をわかりやすくさせるため、括弧内に図10での例で記載している。ここで、第一特定色(lc)のインクの残量が第二特定色(lm)のインクの残量より少ないときに、第一特定色(lc)のインクの少なくとも一部を代替色(C)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させ、第一特定色(lc)のインクの残量が第二特定色(lm)のインクの残量より多いときに、代替色(C)のインクの少なくとも一部を第一特定色(lc)のインクで代替させる印刷をプリンタに実行させる。すると、第一・第二特定色(lcとlm)のインクの残量差が少なくなるので、lcとlmのいずれか一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済み、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに捨てられるインクを少なくさせることが可能となる。
また、第一・第二特定色のインクが互いに代替関係になくても両インクの消費量を均衡させることができるので、インクの種類を交換可能な印刷装置で交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
図10の例では、C増量LUT(lcに対するCの使用割合を増やした色変換テーブル)を参照して画像データを色変換することを示してあり、その結果、段階S13に示すように、lcとlmのインクの残量差が少なくなる。
本実施形態のプリンタ40も、ポンプ49bが吸引管49cを介してインクを吸引することによって各インクカートリッジ41a〜f内のインクを印刷ヘッド46bに供給可能である。ここで、インクカートリッジ交換時にインクの種類を変更した場合には、CPU41は上記初期充填クリーニングを実行させる制御を行う。
図11の上段は同時に無くならせるインクの組み合わせを表す組み合わせ情報D2と色変換LUTとの対応関係を表した組み合わせテーブルT1の構造を示してあり、下段は同組み合わせ情報D2を用いて表示されるUI画面を示している。同組み合わせ情報D2は、組み合わせ可能な第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す情報を有し、HD15に記憶されている。同組み合わせ情報D2で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に、当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換LUTがHD15に記憶されている。例えば、lclmインクの組み合わせの場合、lcを第一特定色とするとCを代替色とすることができるので、基準LUTとC増量LUTとlc増量LUTをlclmインクの組み合わせに対応付けるとともに、lmを第一特定色とするとMを代替色とすることができるので、さらにM増量LUTとlc増量LUTをlclmインクの組み合わせに対応付けておけばよい。
図12は、第二の実施形態において画像を印刷する際の印刷制御処理を示すフローチャートである。本フローは、図8で示したフローと比べてS200の前にS300の処理を行う点で相違している。
処理を開始すると、まず、図11の下段に示すようなUI画面をディスプレイに表示し、同時に無くならせるインクの組み合わせを選択する操作入力を受け付ける(S300)。当該組み合わせは、本実施形態では使用しなくなるインクの組み合わせを想定しているが、同じ色のインクカートリッジに交換する場合であってもよい。図11の下段に示す画面では、インク組み合わせ選択欄91a、各種操作ボタン91b,c等を表示する。ここで、現在プリンタが使用しているインクの種類を表すインク種類情報をプリンタ40から取得するとともに、組み合わせ情報D2の中からインク種類情報に含まれるインクの組み合わせを表す情報を取得し、取得した情報を同選択欄91aに表示する。例えば、インク種類情報が「CMYKlclm」の各色を表す情報である場合、図11の上段に示す組み合わせ情報D2に含まれる情報のうち「lc,lm」、「C,lc」、「M,lm」についてはインク種類情報に含まれるので同選択欄91aに表示し、「R,V」についてはインク種類情報に含まれていないので同選択欄91aには表示しない。
そして、OKボタン91bがマウスにてクリック操作されると、選択欄91aにて選択されたインクの組み合わせの操作入力を受け付け、当該組み合わせを表す情報を取得する。
以上により、HDに記憶された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から第一・第二特定色のインクの組み合わせの選択入力を受け付けることができる。すなわち、S300の処理を行うPCは、複数のインクの中から第一・第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段を構成する。
その後は、上述したS200の処理を行うことによって主走査一回分の画像データを取得し、S205〜S225にて上記選択された組み合わせ中の第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて上記選択された第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換LUTを選択することができる。そして、S230にて当該色変換LUTを参照して画像データを色変換し、S240〜S260にて色変換後の画像データから印刷データを生成してプリンタに対して出力し、S270の判断処理を行うことによって全主走査分の画像データを色変換して色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させる制御を行うことができる。
以上の処理を行うと、第一の実施形態と同様、代替関係の有り無しにかかわらず第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができ、両インクのいずれか一方を他方よりも非常に早い段階で使い切ってしまうことを防止することができる。図10で示したように、最上部に示す例ではlm,lcインクカートリッジともにインクが満量であり、この状態で画像を印刷するとlm,lcインクに残量差が存在しないため、S215で条件不成立となり、S225にて基準LUT15bが選択され、基準LUT15bを参照した色変換が実施される。
図の中段に示すようにlm,lcインクの使用量に差異(図の例ではlcインクのほうが残量少)が生じ、インクの残量差が閾値TH1を超えている場合、S215で条件成立となり、S220にてC増量LUT15cが選択される。この結果、C増量LUT15cを参照した色変換が実施され、基準LUT15bを参照した色変換を実施したときよりもCインクを多く使用して印刷がなされる。従って、図の下部左側に示すようにlm,lcインクの使用量が均衡する。
一方、同図中段に示すインク残量にて本発明を適用せずに基準LUT15bを利用して印刷を実行すると、lcインクが多く使用され、lmインクが多く残っている状態でlcインクのカートリッジが空になる。従って、さらに印刷を実行しようとするとlcインクのカートリッジを交換する必要がある。カートリッジを交換すると、lcインクをインク供給経路に充填するために上述のポンプ49bが駆動され、全6色を対象としてクリーニングが実行され、画像形成に寄与せずにCMYKlmインクが消費されてしまう。
これに対して図10の下段左側に示すlcインクはlmインクとほぼ残量が一致し、依然としてカートリッジが空になっていないので、インクを交換することなくさらなる印刷を実行することができる。従って、画像形成に寄与しないインク消費量を抑えることができる。また、さらなる印刷を実施する上でいずれか一方のインクカートリッジが空になった場合であっても、そのときには他方のインクカートリッジが空あるいは空に近い状態になっているので、両インクを共に交換しても他方のインクの無駄は少なく、両インクを共に交換することによって一回のクリーニングで済む。従って、両インクのインクカートリッジを同時に交換することにより、個別にインクカートリッジを交換する場合と比較してクリーニング頻度を抑えることができる。この結果、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。
また、第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができるので、一方のインクが無くなった段階で両インクを共に交換しても他方のインクの無駄を少なくさせることができる。従って、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
なお、図13に示すように、印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と第一・第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報D3を用いてインクの組み合わせを決定し、当該組み合わせのインクを同時に無くならせるようにしてもよい。同画質設定情報D3はHDに記憶されており、当該画質設定情報D3に基づいて同図の下段に示すUI画面が表示される。図示を省略しているが、同時に無くならせるインクの組み合わせを表す情報と色変換LUTとの対応関係を表した情報テーブルもHDに記憶されており、当該インクの組み合わせを表す情報は、組み合わせ可能な第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す情報であり、当該情報で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に、当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換LUTがHD15に記憶されている。
図12で示した処理を開始すると、S300にて、図13の下段に示すようなUI画面をディスプレイに表示し、画質設定情報D3で規定された各画質設定の中から画質設定を選択する操作入力を受け付ける。図13の下段に示す画面では、画質設定選択欄92a、インク組み合わせ表示欄92b、各種操作ボタン92c,d等を表示する。ここで、現在プリンタが使用しているインクの種類を表すインク種類情報をプリンタ40から取得するとともに、画質設定情報D3に格納されたインクの組み合わせを表す情報の中からインク種類情報に含まれるインクの組み合わせを表す情報を取得し、さらに、取得したインクの組み合わせを表す情報に対応する画質設定を表す情報を取得し、取得した情報を同選択欄91aに表示する。例えば、インク種類情報が「CMYKlclm」の各色を表す情報である場合、図13の上段に示すインクの組み合わせを表す情報のうち「lc,lm」、「C,M」については含まれているので同選択欄91aに表示し、「R,V」については含まれていないので同選択欄91aには表示しない。
そして、OKボタン92cがクリック操作されると、選択欄92aにて選択された画質設定の操作入力を受け付け、当該画質設定を表す情報を取得するとともに、当該画質設定を表す情報に対応するインクの組み合わせを表す情報を選択情報として画質設定情報D3の中から取得し、上記表示欄92bに表示する。ここで取得した選択情報で表されるインクの組み合わせは、同時に無くならせる第一・第二特定色のインクの組み合わせである。
以上により、HDに記憶された画質設定情報から選択された画質設定に対応する第一・第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得することができる。
その後は、上述したS200〜S270の処理を行うことによって、画像データを取得し、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一特定色のインクおよび当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて当該選択情報で表される組み合わせの第一・第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換LUTを選択し、当該色変換LUTを参照して画像データを色変換して、色変換後の画像データに対応する画像をプリンタに印刷させることができる。
以上の処理を行っても、代替関係の有り無しにかかわらず第一・第二特定色のインクの残量差が少なくなるので、印刷装置を運用する過程で第一・第二特定色のインクの消費量を均衡させることができる。従って、クリーニングによって印刷画像の形成に寄与せずに消費されるインクを少なくさせることが可能となる。また、インクの種類を交換可能な印刷装置では、交換後に使用しなくなるインクの使い残りが少なくなり、インクを効率よく使用することが可能となる。
第一の実施形態において印刷時の動作を説明する説明図。 印刷制御装置を含む印刷システムの概略構成図。 印刷制御装置となるコンピュータの概略構成を示す図。 色変換モジュールの構成を示す図。 色変換テーブルの作成処理を示すフローチャート。 分版処理を説明するための説明図。 分版処理を説明するための説明図。 印刷制御処理のフローチャート。 変形例において、使用量比データの構造を模式的に示す図。 第二の実施形態において印刷時の動作を説明する説明図。 組み合わせテーブルの構造とユーザインターフェイス画面の表示例を示す図。 印刷制御処理のフローチャート。 画質設定情報の構造とユーザインターフェイス画面の表示例を示す図。
符号の説明
10…コンピュータ、15…ハードディスク、15a…画像データ、15b〜15f…色変換LUT、15g…閾値データ、21…プリンタドライバ、21a…画像データ取得モジュール、21b…色変換モジュール、21b1…インク情報取得部、21b2…LUT選択部、21b3…補間演算部、21c…ハーフトーン処理モジュール、21d…印刷データ生成モジュール、22…入力機器ドライバ、23…ディスプレイドライバ、25…APL、31…キーボード、32…マウス、40…プリンタ、41a〜41f…インクカートリッジ、D1…使用量比データ、D2…組み合わせ情報、D3…画質設定情報、T1…組み合わせテーブル

Claims (19)

  1. 第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとを少なくとも含む複数のインクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    上記第一特定色のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて上記複数のインクの中から選ばれる第二特定色のインクの残量と、に基づいて、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせることを特徴とする印刷制御装置。
  2. 上記第一特定色のインクの残量が上記第二特定色のインクの残量より少ないときに、上記第一特定色のインクの少なくとも一部を上記代替色のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御装置。
  3. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行する印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    複数の第一要素色毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに上記複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の少なくとも一部からなる複数の第二要素色毎の階調データと、の対応関係を規定した色変換データであって、上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データを記録した記録領域と、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得手段と、
    上記複数の色変換データのうち、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて上記複数の第二要素色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、の大小関係に対応して上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、画像を上記複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データを上記第二要素色毎に階調表現した画像データに色変換する色変換手段と、
    上記色変換後の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  4. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御装置であって、
    複数の第一要素色毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに上記複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の少なくとも一部からなる複数の第二要素色毎の階調データと、の対応関係を規定した色変換データであって、上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データを記録した記録領域と、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得手段と、
    上記複数の色変換データのうち、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて上記複数の第二要素色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、の大小関係に対応して上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、画像を上記複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データを上記第二要素色毎に階調表現した画像データに色変換する色変換手段と、
    上記色変換後の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
  5. 上記複数のインクの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付けるインク指定手段をさらに備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の印刷制御装置。
  6. 上記記録領域には、組み合わせ可能な上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを表す組み合わせ情報が記録されているとともに、同組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせに含まれる第一特定色のインク毎に当該第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データが記録され、
    上記インク指定手段は、上記記録領域に記録された組み合わせ情報で表されるインクの組み合わせの中から上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを選択する入力を受け付け、
    上記色変換手段は、上記選択された第一特定色および当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて上記選択された第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、上記画像データを色変換することを特徴とする請求項5に記載の印刷制御装置。
  7. 上記記録領域には、上記印刷装置にて印刷される画像の各画質設定と上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせとの対応を表した画質設定情報が記録され、
    上記インク指定手段は、上記各画質設定の中から画質設定を選択する入力を受け付け、上記画質設定情報から同選択された画質設定に対応する上記第一特定色および第二特定色のインクの組み合わせを表す選択情報を取得し、
    上記色変換手段は、上記選択情報で表される組み合わせに含まれる第一特定色のインクおよび当該第一特定色を代替可能な代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて当該選択情報で表される組み合わせの第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、上記画像データを色変換することを特徴とする請求項5または請求項6に記載の印刷制御装置。
  8. 上記代替色のインクは、上記第一特定色のインクと色相が略同一であって濃度が異なるインクとされていることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
  9. 上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方は、複数とされるとともに当該複数のインクを混合した色が他方のインクの色と略同一とされていることを特徴とする請求項3〜請求項7のいずれかに記載の印刷制御装置。
  10. 上記色変換データは、上記複数の第二要素色から上記代替色を除いた色について上記第一特定色の一部を所定の代替規則に従って上記代替色で代替させた複数の色を上記印刷装置に印刷させて印刷された複数の色について測色して得られる所定の色空間での成分データと、上記複数の第一要素色からなる複数の色についての当該色空間での成分データと、を対応付けて作成されたデータとされていることを特徴とする請求項3〜請求項9のいずれかに記載の印刷制御装置。
  11. 上記複数の色変換データは、上記第一要素色毎の階調データと上記第二要素色毎の階調データとの対応関係を規定したデータであって基準とされる基準データと上記第一特定色および第二特定色のインクの残量差を補償する場合に参照される差異補償用データとを含み、当該差異補償用データは、同基準データと比較して上記代替色を多くまたは少なく代替させる代替規則に従って作成されたデータとされていることを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
  12. 上記複数の色変換データは、上記第一要素色毎の階調データと上記第二要素色毎の階調データとの対応関係を規定したデータであって基準とされる基準データを含むとともに上記第一特定色および第二特定色のインクの残量差を補償する場合に参照可能な差異補償用データと同基準データとの差分を示す差分データを含み、当該差異補償用データは、同基準データと比較して上記代替色を多くまたは少なく代替させる代替規則に従って作成されたデータとされており、
    上記色変換手段は、上記残量差を補償する場合に上記基準データを上記差分データで補正して生成した差異補償用データを参照して上記画像データを色変換することを特徴とする請求項10に記載の印刷制御装置。
  13. 上記第二特定色のインクは、上記代替色のインクとされており、
    上記記録領域には、上記複数の色変換データのそれぞれに対応して上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとの使用量比が予め算出されて記録されており、
    上記色変換手段は、上記記録領域に記録された複数の色変換データのうち上記第一特定色および代替色のインクの残量比に最も近い使用量比または使用済みインク量の逆比に最も近い使用量比に対応する色変換データを参照して上記画像データを色変換することを特徴とする請求項3〜請求項12のいずれかに記載の印刷制御装置。
  14. 上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であるときに、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して上記画像データを色変換することを特徴とする請求項3〜請求項13のいずれかに記載の印刷制御装置。
  15. 上記色変換手段は、上記第一特定色のインクの量と上記第二特定色のインクの量との差分が正の値とされた所定の第一閾値以上またはより大であり、かつ、当該第一閾値より大きい所定の第二閾値以下またはより小であるときに、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して上記画像データを色変換することを特徴とする請求項3〜請求項13のいずれかに記載の印刷制御装置。
  16. 第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとを少なくとも含む複数のインクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    上記第一特定色のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて上記複数のインクの中から選ばれる第二特定色のインクの残量と、に基づいて、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせることを特徴とする印刷制御方法。
  17. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する印刷制御方法であって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得工程と、
    複数の第一要素色毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに上記複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の少なくとも一部からなる複数の第二要素色毎の階調データと、の対応関係を規定した色変換データであって、上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データのうち、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて上記複数の第二要素色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、の大小関係に対応して上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、画像を上記複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データを上記第二要素色毎に階調表現した画像データに色変換する色変換工程と、
    上記色変換後の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御工程とを具備することを特徴とする印刷制御方法。
  18. 第一特定色のインクと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクとを少なくとも含む複数のインクを使用して印刷を行う印刷装置を制御する機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記第一特定色のインクの残量と、当該第一特定色のインクを除いて上記複数のインクの中から選ばれる第二特定色のインクの残量と、に基づいて、上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させる印刷を上記印刷装置に実行させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる機能を実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
  19. 第一特定色のインクを充填したインクカートリッジと当該第一特定色を代替可能な代替色のインクを充填したインクカートリッジとを少なくとも含む複数のインクカートリッジに充填されたインクを使用して印刷を実行可能であるとともに同複数のインクカートリッジの少なくとも一部を当該インクカートリッジに充填されたインクとは異なる色のインクが充填されたインクカートリッジに交換して印刷を実行可能な印刷装置を制御する機能をコンピュータに実現させる印刷制御プログラムであって、
    上記インクカートリッジ内のインクの量を示す情報を取得するインク情報取得機能と、
    複数の第一要素色毎の階調データと、上記第一特定色および代替色を含むとともに上記複数のインクカートリッジに充填された各インクの色の少なくとも一部からなる複数の第二要素色毎の階調データと、の対応関係を規定した色変換データであって、上記第一特定色のインクと上記代替色のインクとで使用量の代替割合を異ならせた複数の色変換データのうち、上記第一特定色のインクの量と、当該第一特定色を除いて上記複数の第二要素色の中から選ばれる第二特定色のインクの量と、の大小関係に対応して上記第一特定色および代替色のインクのいずれか一方の少なくとも一部を他方のインクで代替させて同第一特定色および第二特定色のインクの残量差を少なくさせる色変換データを参照して、画像を上記複数の第一要素色毎の階調データで表現した画像データを上記第二要素色毎に階調表現した画像データに色変換する色変換機能と、
    上記色変換後の画像データに対応する画像を上記印刷装置に印刷させる制御を行う印刷制御機能とを実現させることを特徴とする印刷制御プログラム。
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