JP2005014520A - 密閉式混練機 - Google Patents

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JP2005014520A JP2003185250A JP2003185250A JP2005014520A JP 2005014520 A JP2005014520 A JP 2005014520A JP 2003185250 A JP2003185250 A JP 2003185250A JP 2003185250 A JP2003185250 A JP 2003185250A JP 2005014520 A JP2005014520 A JP 2005014520A
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Takuzo Iwata
拓三 岩田
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

【課題】下の開口部と覆い体との間の隙間に被混練体が付着するのを防止し、混練り作業の効率化を図る。
【解決手段】被混練物を投入する上の開口部2と、混練された混練物を取り出す下の開口部20とを形成した混合室3を有する混合機本体4、前記混合室3に配される2本の平行なロータ軸5L、5R、及び前記上下の開口部2、20を閉じる上下の覆い体6、21を具える密閉式混練機1において、下の開口部20の内周面20Sと、その覆い体21の外周面22Sとの間への被混練体の付着を防ぐ剥離液を塗布する剥離液塗布手段40を設けた。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴムやプラスチック等の混練に使用する密閉式混練機に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、加硫後のゴム材に所望の物性を付与するためには、ゴム分子の切断によって原料ゴムを可塑化しかつ添加剤を均一に分散させる混練り作業が必要であり、そのために密閉式混練機が多用されている。
【0003】
この密閉式混練機は、図7(A)に略示するように、上下の開口部a1、a2を形成した混合室bを有する混合機本体cと、前記混合室b内に配される2本の平行なロータ軸dと、前記上下の開口部a1、a2を閉じる上下の覆い体f1、f2とを具えて構成される。
【0004】
そして、原料ゴムや添加剤である被混練物を、前記上の開口部a1から混合室b内に投入した後、前記ロータ軸d、dを互いに逆向きに回転駆動させることにより混練りが行われる。このとき、上の開口部a1には、その開口を閉じる重り状の上の覆い体f1(所謂フローティングウェイト)が昇降自在に配置され、加圧状態で混練が行われることにより混練時間の短縮が図られる。又混練された混練物は、下の覆い体f2(所謂ドロップドア)の開放によって下の開口部a2から取り出される。(例えば特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−70775号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この種の密閉式混練機では、加圧状態で混練が行われるため、図7(B)に拡大して示すように、下の開口部a2の内周面と覆い体f2の外周面との間の隙間に、被混練体が侵入して付着を招く場合がある。この付着物gは、下の覆い体f2を開放した後も、一方の面に付着したままとなり、かつ膨潤して体積を増加する傾向がある。従って、次の混練り作業を行う際、この付着物gが邪魔となって覆い体f2が閉止できなくなるというトラブルが発生する。
【0007】
そこで本発明は、混合機本体又は下の覆い体に剥離液塗布手段を設けることを基本として、下の開口部と覆い体との間の隙間に剥離液を塗布することができ、該隙間への被混練体の付着を防止し、混練り作業効率を向上しうる密閉式混練機の提供を目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、被混練物を投入する上の開口部と、混練された混練物を取り出す下の開口部とを形成した混合室を有する混合機本体、前記混合室に配される2本の平行なロータ軸、及び前記上下の開口部を閉じる上下の覆い体を具える密閉式混練機であって、
前記混合室は、前記2本のロータ軸が回転する断面繭形状をなすとともに、
前記下の覆い体は、前記下の開口部内周面に近接する外周面を有してその嵌まり合いにより下の開口部を閉止しうる基体部上に、前記断面繭形状に連なる傾斜面を有してロータ軸の交差部に向かって隆起する押し込み部が形成され、
しかも前記下の開口部の内周面と覆い体の前記外周面との間への被混練体の付着を防ぐ、剥離液を塗布する剥離液塗布手段を具えたことを特徴としている。
【0009】
又請求項2の発明では、前記下の開口部の前記ロータ軸に沿う向きの上縁は、ロータ軸芯の下方又はその内側に位置するとともに、
前記剥離液塗布手段は、前記下の覆い体に透設される主供給孔と、該主供給孔から分岐されかつ先端にノズル口を有する支管部とを具え、
かつ前記ノズル口は、少なくとも一方の前記傾斜面にしかも前記上縁に近接して並ぶことを特徴としている。
【0010】
又請求項3の発明では、前記下の開口部の前記ロータ軸に沿う向きの上縁は、ロータ軸芯の下方又はその外側に位置するとともに、
前記剥離液塗布手段は、混合機本体に透設される主供給孔と、該主供給孔から分岐されかつ先端にノズル口を有する支管部とを具え、
かつ前記ノズル口は、前記混合室の内面にしかも前記上縁に近接して並ぶことを特徴としている。
【0011】
又請求項4の発明では、前記剥離液は、その剥離効果が時効消滅性であることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を、図示例とともに説明する。
図1において、密閉式混練機1は、被混練物を投入する上の開口部2と、混練された混練物を取り出す下の開口部20とを形成した混合室3を有する混合機本体4、前記混合室3に配される2本の平行なロータ軸5L、5R、および前記上下の開口部2、20を閉じる上下の覆い体6、21を具える。
【0013】
なお前記被混練物は、例えば原料ゴムなどの基本材料と、例えばカーボンやイオウなどの添加剤とを含み、前記ロータ軸5L、5Rの回転による剪断作用、ローリング作用等によって混練りされる。
【0014】
又前記混合機本体4は、内部に混合室3を設けたブロック状をなし、この混合室3は、2つの同径な円筒空間H、Hの一部を交差させて平行に並列した断面繭形状に形成される。すなわち、混合室3は、並列方向X(ロータ軸芯と直角方向)の中央Cに、各円筒空間Hの内壁が内方に突出してなる略三角形状の括れ部7U、7Lを上下に形成している。
【0015】
そして、このうちの上の括れ部7Uを開口させることにより、前記上の開口部2を形成し、かつ下の括れ部7Lを開口させることにより、前記下の開口部20を形成している。
【0016】
ここで、前記下の開口部20は、ロータ軸芯方向を長寸とした縦長矩形状をなし、本例では、図2に示すように、そのロータ軸芯方向の上縁Eが、前記ロータ軸芯の下方よりも内側(中央C側)に位置する場合を例示している。すなわち前記上縁E、E間の開口巾W1は、ロータの軸芯間距離Lの1.0倍以下であり、好ましくは0.5〜1.0倍の範囲に設定される。又下の開口部20では、その内周面20Sは、下方に向かって裾広がり状に傾斜している。
【0017】
なお上の開口部2は、その内周面2Sが垂直をなす以外、本例では、下の開口部20と略同構成に形成されている。
【0018】
又前記ロータ軸5L、5Rは、前記円筒空間H、Hと同心に配されるとともに、モータを含む周知の駆動・伝導手段(図示しない)を介して、互いに逆向きに回転駆動される。なおロータ軸5L、5Rのピッチ円Fは、前記円筒空間Hと略同径をなし、従って、ロータ軸5L、5Rは、前記中央Cにピッチ円Fが部分的に交差する交差部Jを有して配設される。なおロータ軸5L、5Rとして周知の種々の構造のものが採用できる。
【0019】
次に、前記下の覆い体21は、前記下の開口部20の内周面20Sに近接する外周面22Sを有する基体部22と、この基体部22上で隆起する押し込み部23とを具え、前記基体部22が下の開口部20に嵌まり合うことによって、該下の開口部20を閉止する。
【0020】
又前記押し込み部23は、前記断面繭形状に連なる傾斜面23Sを有して前記交差部Jに向かって隆起する。本例では、前記傾斜面23Sが前記円筒空間Hと同径な凹円弧面をなし、これによって前記押し込み部23が、前記括れ部7Lと断面同形状に形成される場合を例示している。しかし、前記傾斜面23Sを傾斜平面とすることにより、押し込み部23を、前記括れ部7Lに近似する断面三角形状に形成することもできる。
【0021】
又この下の覆い体21は、開閉手段30を介して前記混合機本体4に開閉自在に支持される。該開閉手段30は、本例では、前記混合機本体4に取付け金具31を介して一端部が枢支される上下傾動自在な支持レバー32を有し、この支持レバー32の他端部に、前記下の覆い体21を保持している。従って、下の覆い体21は、前記下の開口部20に嵌まり合う閉止状態から、下方に控える開放状態までの間を、例えば油圧モータなどの周知の駆動装置を用いて、枢支点P廻りで自在に傾動しうる。
【0022】
そして本発明では、混練の際、この下の開口部20の内周面20Sと、覆い体21の外周面22Sとの間に被混練体が侵入して付着するのを防止するため、付着防止用の剥離液を塗布する剥離液塗布手段40を設けている。
【0023】
この剥離液塗布手段40は、図3、4に示すように、前記下の覆い体21に透設される主供給孔41と、該主供給孔41から分岐されかつ先端にノズル口42Aを有する支管部42とを具える。また前記ノズル口42Aは、少なくとも一方の前記傾斜面23Sに、しかも前記上縁Eに近接する位置で並設される。特に本例では、前記ノズル口42Aが、双方の傾斜面23Sに形成される好ましい場合を例示している。
【0024】
ここで、前記上縁Eに近接する位置とは、傾斜面23Sに沿って測定した前記上縁Eからの距離L1が前記開口巾W1(図2)の25%以下の範囲を意味し、この距離L1は好ましくは前記開口巾W1の20%以下、さらには15%以下が良い。
【0025】
この剥離液塗布手段40では、下の開口部20が下の覆い体21により閉止された後、しかも被混練物の上の開口部2からの投入に先駆けて、各ノズル口42Aから剥離液を吐出する。吐出された剥離液は、傾斜面23Sに沿って流下した後、下の開口部20の内周面20Sと覆い体21の外周面22Sとの間の隙間内に入り込み、これにより剥離液は、前記内周面20Sおよび外周面22Sの双方に自然に塗布される。
【0026】
なおノズル口42Aの前記上縁Eからの距離Lが80mmを越えた場合には、剥離液の流下速度が早くなり、前記上縁Eを通り越して混合室3の内面側に流下してしまうなど、前記隙間内に充分入り込まない恐れが生じる。又上縁E、E間の前記開口巾W1が、ロータの軸芯間距離Lの0.5倍未満の場合にも、前記傾斜面23Sが急勾配となるため流下速度が早くなり、同様の恐れが生じる。
【0027】
そのために、図5に示すように、前記傾斜面23Sと、混合室3の内面との境界に、流下する剥離液を受け止めかつ前記隙間内に誘導する例えばV字状等の細溝43を形成するのが好ましい。
【0028】
なお前記開口巾W1が、軸芯間距離Lの1.0倍を越えると、傾斜面23Sの勾配が緩やかとなって流下に時間がかかるなど混練り作業効率を損ねる傾向となり、特に1.0倍を越えると、登り勾配となって隙間内に入り込まなくなるなど、剥離液塗布手段40が機能しなくなる。
【0029】
前記剥離液としては、脂肪酸塩カルシウム石けん等が採用できる。このうち、その剥離効果が経時的に消滅する時効消滅性のもの、例えばステアリン酸亜鉛は、混練物内に混入した際の品質低下を抑える上で好ましい。
【0030】
なお前記上の覆い体6は、周知構造のフローティングウェイトであって、前記上の開口部2に昇降自在に配置され、混練中の被混練物を加圧する。
【0031】
次に、図6に、下の開口部20の前記上縁Eが、ロータ軸芯の下方又はその外側に位置する場合の、剥離液塗布手段40を例示する。係る場合には、混合室3の内面が、前記上縁Eに向かって下り勾配となるため、前記剥離液塗布手段40は、混合機本体4に形設される。
【0032】
即ち、剥離液塗布手段40は、混合機本体4に透設される主供給孔41と、該主供給孔41から分岐されかつ先端にノズル口42Aを有する支管部42とを具え、かつ前記ノズル口42Aは、前記混合室3の内面に、しかも前記上縁Eに近接する位置で並設されている。この剥離液塗布手段40は、下の覆い体21に設けた場合と同様に機能し、剥離液を、前記内周面20Sおよび外周面22Sの双方に自然に塗布することができる。
【0033】
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
【0034】
【発明の効果】
叙上の如く本発明は、混合機本体又は下の覆い体に、剥離液塗布手段を設けているため、下の開口部と覆い体との間の隙間に剥離液を塗布することができ、該隙間への被混練体の付着を防止し、混練り作業を効率化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉式混練機の一実施例を示す断面図である。
【図2】下の開口部を下の覆い体とともに拡大して示す断面図である。
【図3】剥離液塗布手段を説明する下の覆い体21の断面図である。
【図4】剥離液塗布手段を説明する下の覆い体21の斜視図である。
【図5】傾斜面と混合室3の内面との境界に設ける細溝の一例を示す断面図である。
【図6】剥離液塗布手段の他の例を示す断面図である。
【図7】(A)、(B)は従来技術およびその問題点を説明する断面図である。
【符号の説明】
2 上の開口部
3 混合室
4 混合機本体
5L、5R ロータ軸
6 上の覆い体
20 下の開口部
20S 下の開口部の内周面
21 下の覆い体
22 基体部
22S 下の覆い体の外周面
23 押し込み部
23S 傾斜面
40 剥離液塗布手段
41 主供給孔
42 支管部
42A ノズル口
E 上縁
J 交差部

Claims (4)

  1. 被混練物を投入する上の開口部と、混練された混練物を取り出す下の開口部とを形成した混合室を有する混合機本体、前記混合室に配される2本の平行なロータ軸、及び前記上下の開口部を閉じる上下の覆い体を具える密閉式混練機であって、
    前記混合室は、前記2本のロータ軸が回転する断面繭形状をなすとともに、
    前記下の覆い体は、前記下の開口部内周面に近接する外周面を有してその嵌まり合いにより下の開口部を閉止しうる基体部上に、前記断面繭形状に連なる傾斜面を有してロータ軸の交差部に向かって隆起する押し込み部が形成され、
    しかも前記下の開口部の内周面と覆い体の前記外周面との間への被混練体の付着を防ぐ、剥離液を塗布する剥離液塗布手段を具えたことを特徴とする密閉式混練機。
  2. 前記下の開口部の前記ロータ軸に沿う向きの上縁は、ロータ軸芯の下方又はその内側に位置するとともに、
    前記剥離液塗布手段は、前記下の覆い体に透設される主供給孔と、該主供給孔から分岐されかつ先端にノズル口を有する支管部とを具え、
    かつ前記ノズル口は、少なくとも一方の前記傾斜面にしかも前記上縁に近接して並ぶことを特徴とする請求項1記載の密閉式混練機。
  3. 前記下の開口部の前記ロータ軸に沿う向きの上縁は、ロータ軸芯の下方又はその外側に位置するとともに、
    前記剥離液塗布手段は、混合機本体に透設される主供給孔と、該主供給孔から分岐されかつ先端にノズル口を有する支管部とを具え、
    かつ前記ノズル口は、前記混合室の内面にしかも前記上縁に近接して並ぶことを特徴とする請求項1記載の密閉式混練機。
  4. 前記剥離液は、その剥離効果が時効消滅性であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の密閉式混練機。
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