JP2005014110A - 押圧装置 - Google Patents

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Hidemori Kawashita
英盛 川下
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Abstract

【課題】構造が簡素化され、小型化を達成でき、被押圧物を安定した状態で確実に押圧することが可能な押圧装置を提供する。
【解決手段】被押圧物を押圧可能な押圧部15と、押圧部15が前記被押圧物を押圧するよう、押圧部15に荷重を加える荷重付加部18と、押圧部15と荷重付加部18との間に設けられた荷重伝達室17と、荷重伝達室17内に充填され、荷重付加部18からの荷重を押圧部15に伝達する複数の球体19と、を備え、球体19の比重と、荷重伝達室17を画定する壁部16の比重を略同一にした。また、球体19の弾性係数を選択して、被押圧物に対する押圧状態を調整した。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、被押圧物を押圧可能な押圧装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、機械加工分野や精密測定分野等において、被加工物であるワークまたは工具等を把持する目的で、液圧チャック装置が使用されている。この従来の液圧チャックは、通常、被加工物を把持する部分に薄肉壁を有しており、液圧(例えば、油圧)によりこの薄肉壁を弾性変形させて、前記被加工物を押圧固定する構成を備えている。(例えば、特許文献1〜3、実用新案文献1参照)。
【0003】
また、筺体の内部に形成した空間に球体を充填すると共に、当該球体に押圧されることにより進退運動する複数のピン(爪体)の一端を配設し、当該ピンにより被加工物を押圧固定するバイスも使用されている。(例えば、特許文献4及び5、実用新案文献2及び3参照)。
【0004】
そしてまた、口金本体と、この口金本体に設けられたワーク挟持方向の偶数個のプランジャ孔と、各々のプランジャ孔に軸方向遊動可能に挿通されたプランジャと、対となる2個のプランジャ孔の底部を連結する当該プランジャ孔と交差する方向の連結孔と、この連結孔の両端に位置してプランジャの底部に当接するローラまたはボールを含む複数個の部材であって当該連結孔に長手方向移動自在に挿入されている伝達部材と、前記ローラまたはボールを介してプランジャの軸方向移動と伝達部材の長手方向移動との移動方向を変換する斜面ないし円弧面と、を備えているバイスのフレキシブル口金も存在している。このフレキシブル口金は、口金ホルダをワークに向けて相対的に前進させ、ワークの把持面が、複数のプランジャのいずれかに当接すると、先に当接したプランジャが押込まれ、ワークの形状に応じて両側のプランジャが進退して、最終的に複数のプランジャのワーク把持面がワークに当接し、その状態でワークに把持力が作用する構成を備えている。(例えば、特許文献6参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−270002号公報
【特許文献2】
特開平7−223103号公報
【特許文献3】
特開平10−29106号公報
【特許文献4】
特開昭48−27400号公報
【特許文献5】
特開昭48−77474号公報
【特許文献6】
特開2001−232572号公報
【実用新案登録文献1】
実開平5−93705号公報
【実用新案登録文献2】
実開昭49−142900号公報
【実用新案登録文献3】
実開平7−27757号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液圧によりこの薄肉壁を弾性変形させて、前記被加工物を押圧固定する構成を備えた液圧チャック装置は、液体(例えば、油等)が漏れないように密封性を良くする必要がある。このため、所望箇所にシールを設ける必要があり、装置が複雑になり、小型化することが困難である。また、前記液圧チャック装置では、前記薄肉壁を弾性変形させるために使用される液体の比重と、この液体が収容されている液圧室(荷重伝達室)の比重が異なるため、この液圧チャック装置により、回転する被加工物を押圧する(把持する)場合、回転のバランスを保つことが困難である。
【0007】
さらにまた、前記液圧チャック装置は、被加工物を把持する際の作業性についても改良の余地がある。また、液体は非圧縮性を有するが、この非圧縮性は、気泡が混じったり、液体の成分等により損なわれることもある。
【0008】
また、複数のピン(爪体)により被加工物を押圧固定するバイスは、不規則な面を備えた被加工物を締め付けるものであり、構造が複雑であり、小型化することが困難である。さらに、これらの従来技術は、球体によって複数のピンを移動させる構造であり、球体によって薄肉壁を弾性変形させて、被加工物を押圧固定する構成ではない。また、筺体を構成する壁の比重や、球体の比重、さらには、球体の弾性係数については何ら言及されていない。
【0009】
さらに、バイスのフレキシブル口金は、複数のプランジャを備え、構造が複雑であり、小型化することが困難である。また、球体によって複数のプランジャを移動させる構造であり、球体によって薄肉壁を弾性変形させて、被加工物を押圧固定する構成ではない。また、このフレキシブル口金も、球体が収容される連結孔を画定する壁の比重や、球体の比重、さらには、球体の弾性係数については何ら言及されていない。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点を解決することを課題とするものであり、構造が簡素化され、小型化を達成でき、被押圧物を最適な条件で、かつ安定した状態で確実に押圧することが可能な押圧装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、被押圧物を押圧可能な押圧部と、前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、を備え、前記球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一である押圧装置を提供するものである。
【0012】
ここで、押圧部に荷重を伝達する手段として流体を用いている装置によって高速回転する被押圧物を押圧する場合、流体(特に液体)が分離する等して、回転バランスを保つことが困難である。したがって、一般的に、装置の外形を修正して回転バランスを取っているが、完全に修正することが困難である。また、修正作業に手間がかかるという問題がある。本発明にかかる押圧装置では、球体の比重と、荷重伝達室を画定する壁部の比重とをほぼ同一にすることで、高速回転する被押圧物を押圧する場合であっても、球体が偏ることがなく回転バランスを簡単に取ることができる。
【0013】
また、この構成を備えた押圧装置は、押圧部に荷重を伝達する手段として球体を使用しているため、荷重伝達室に隙間があったり、孔が開いていたとしても、これらの隙間や孔が球体よりも狭いあるいは小さければ、球体が外部に漏れ出すことがない。したがって、押圧部に荷重を伝達する手段として流体(例えば、油や空気等)を用いている装置のように、シール構造を設ける必要がなく、構成を簡素化でき、小型化を達成することができる。
【0014】
また、本発明は、被押圧物を押圧可能な押圧部と、前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、を備え、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整する押圧装置を提供するものである。
【0015】
すなわち、例えば、減衰率を高くして振動等を吸収させたい場合は、弾性係数が低い(弾性変形し易い)球体を選択し、剛性を得たい場合は、弾性係数が高い(弾性変形し難い)球体を選択することができる。
【0016】
そしてまた、本発明は、被押圧物を押圧可能な押圧部と、前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、を備え、前記球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一であり、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整する押圧装置を提供するものである。
【0017】
この構成を備えた押圧装置は、球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一であり、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整することができるため、高速回転する被押圧物を押圧する場合であっても、球体が偏ることがなく回転バランスを簡単に取ることができると共に、被押圧物を最適な条件で、かつ安定した状態で確実に押圧することができる。また、構造が簡素化され、小型化を達成できる。
【0018】
そしてまた、本発明にかかる押圧装置は、前記荷重付加部近傍に、第1の球体を配置し、前記押圧部の前記被押圧物を押圧する面の近傍に、前記第1の球体の径より小さな径を備えた第2の球体を配置した構成とすることもできる。このような構成にすることで、荷重付加部から加えられる荷重を押圧部に、さらに効率よく伝達することができる。
【0019】
また、前記第2の球体同士は、互いに略同一の径を備えることができる。このようにすることで、前記荷重を押圧部に対しより均等に加えることができる。
【0020】
そしてまた、本発明にかかる押圧装置は、前記押圧部の前記被押圧物を押圧する面が、当該被押圧物の押圧される面に対し略平行に位置するよう形成することができる。すなわち、被押圧物の押圧される面が、例えば水平方向に対し角度α程度傾いている場合、押圧部の前記被押圧物を押圧する面を、水平方向に対し角度α程度傾けて構成することができる。このように、押圧部の前記被押圧物を押圧する面が、当該被押圧物の押圧される面に対し略平行であれば、被押圧物を押圧部で、より一層確実に効率よく押圧することができる。
【0021】
また、本発明にかかる押圧装置の荷重付加部の一態様としては、前記荷重伝達室に連通形成された螺子孔と、当該螺子孔に螺合すると共に、前記球体の少なくとも一つに当接可能な雄螺子と、を備え、当該雄螺子の回転に応じて、前記押圧部に加える荷重を調整する構成が挙げられる。
【0022】
さらにまた、前記押圧部は、前記球体から伝達された荷重により弾性変形し、前記被押圧物を押圧するよう構成してもよい。このように構成することで、被押圧物をより一層確実に押圧・保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の好適な実施の形態にかかる押圧装置について、図面を参照して説明する。なお、以下に記載される実施の形態1及び2は、本発明を説明するための例示であり、本発明をこれらの実施形態にのみ限定するものではない。したがって、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、様々な形態で実施することができる。
【0024】
(実施の形態1)
実施の形態1では、本発明にかかる押圧装置を、工具ホルダに設けた場合について説明する。
【0025】
図1は、実施の形態1にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図であって、荷重伝達室内に球体が充填されていない状態を示す図、図2は、実施の形態1にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図であって、荷重伝達室内に球体が充填されている状態を示す図、図3は、図2に示す工具ホルダに工具を把持させた状態を示す断面図である。
【0026】
なお、実施の形態1では、工具ホルダの工具(被押圧物)挿入側を「先端」、工作機械等に装着される側を「基端」として説明する。
【0027】
図1〜図3に示すように、実施の形態1にかかる押圧装置10を備える工具ホルダ1は、軸方向略中央部に設けられたフランジ部11と、フランジ部11の先端側に形成され、被押圧物としての工具100を挿入して保持する工具保持部12と、フランジ部11の基端側に形成されたテーパシャンク部13と、を備えて構成されている。
【0028】
工具保持部12の内部には、押圧装置10が配設されている。この押圧装置10は、工具100のシャンク部101を挿入して保持可能な工具保持孔14を画定すると共に、弾性変形することにより工具100を押圧して保持する押圧部15と、押圧部15の外側に形成されると共に、押圧部15と工具保持部12の壁部16によって画定される荷重伝達室17と、荷重伝達室17に連通して形成され、工具保持部12の外表面まで至る荷重付加部18と、荷重伝達室17内に充填される複数の球体19(図2及び図3参照)と、を備えて構成されている。
【0029】
押圧部15は、中空の略円筒形を備え、軸方向略中央部分の肉厚が厚くなっており、この肉厚部23を挟んだ両側が肉薄部24及び25となっている。押圧部15の先端部と基端部には、外側に延出したフランジ状の側壁21及び22が形成されている。この側壁21及び22は、肉厚部23より外側に延出されており、側壁21が工具保持部12の壁部16の先端側に当接し、側壁22が壁部16の基端側に当接することによって、工具保持部12の壁部16との間に荷重伝達室17を画定している。この押圧部15は、後に詳述するが、荷重伝達室17に充填された球体19を介して荷重が加えられると、工具保持孔14を狭くするよう弾性変形し、工具保持孔14に挿入されている工具100のシャンク部101を押圧して確実に保持するよう構成されている。
【0030】
荷重伝達室17は、押圧部15及び工具保持部12の壁部16によって画定されており、その内部には、複数の球体19が充填される。この荷重伝達室17は、その内部に流体が充填される従来のものと異なり、仮に、隙間が形成されていたり、孔が開いていたとしても、これらの隙間や孔が球体19よりも狭いあるいは小さければ、球体19が外部に漏れ出すことがない。したがって、シール構造を設ける必要がなく、構成を簡素化でき、小型化を達成することができる。
【0031】
荷重付加部18は、工具保持部12の外表面から荷重伝達室17まで貫通形成された螺子孔31と、螺子孔31に形成された雌螺子に螺合する雄螺子32と、を備えている。雄螺子32は、螺子孔31の雌螺子に螺合して所定の方向に回転することにより螺子孔31の奥方向に進み、荷重伝達室17に充填されている球体19(図2及び図3参照)に当接して圧力をかける。また、雄螺子32は、前記とは反対方向に回転することにより、螺子孔31の入口側(工具保持部12の外表面側)に進み、球体19に加えていた圧力を緩める。
【0032】
球体19は、押圧部15の肉厚部23と、工具保持部12の壁部16とによって画定されている荷重伝達室17の略中央部分(狭い空間部分)を通過可能な直径を備えており、荷重伝達室17の全域にわたって移動可能な大きさとなっている。この球体19は、押圧部15及び工具保持部12の壁部16の強度と同じか、あるいは若干弱い強度を備えている。また、球体19は、押圧部15及び工具保持部12の壁部16の比重と、ほぼ同じ比重を備えている。
【0033】
なお、実施の形態1では、荷重伝達室17に、同じ種類の球体19を充填した。このようにすることで、前記荷重を押圧部15に対し、より均等に加えることができる。
【0034】
また、実施の形態1では、押圧部15の比重を7.48とし、工具保持部12の壁部16の比重を7.85とし、球体19の比重を7.82とした。また、押圧部15及び工具保持部12の弾性係数を230×10Kgf/cm、球体19の弾性係数を220×10Kgf/cmとした。
【0035】
テーパシャンク部13の内部には、テーパシャンク部13の基端面から工具挿入孔14の基端側に連通する連通孔26が形成されており、この連通孔26の基端部には、図示しないプルスタッドが取付けられる。
【0036】
次に、実施の形態1にかかる押圧装置10を備える工具ホルダ1の具体的動作について説明する。
【0037】
図2に示す工具ホルダ1に工具100を保持させる際は、先ず、工具ホルダ1の工具保持孔14内に工具100のシャンク部101を挿入する。この時、螺子孔31内に挿入されている雄螺子32は、荷重伝達室17に充填されている球体19に当接していない、あるいは球体19に強い荷重をかけておらず、したがって、押圧部15は弾性変形していない。
【0038】
次に、この状態から雄螺子32を締め付けていくと、雄螺子32の先端が球体19に当接し、球体19に荷重がかけられる。この雄螺子32によって球体19に加えられた荷重は、球体19から押圧部15に伝達される。押圧部15では、伝達された荷重により、肉薄部24及び25が工具保持孔14側に向けて弾性変形し、工具100のシャンク部101を押圧して確実に保持する。この時、シャンク部101は、肉厚部24及び25に対応する部分、すなわち、工具100の軸方向の2カ所が、押さえられた状態となるため、工具100は工具保持孔14に一層精度良く保持される。
【0039】
一方、工具保持孔14から工具100を取り外したい場合は、雄螺子32を前記とは逆方向に回転させれば、球体19に荷重が加えられなくなるため、押圧部15が弾性復元して元の状態に戻る。この動作によって、押圧部15が工具100を押圧しなくなるので、工具100を工具保持孔14から取り外すことができる。
【0040】
次に、実施の形態1にかかる押圧装置10を備えた工具ホルダ1を、図示しない工作機械に取付け、この工具ホルダ1に前記と同様の方法で工具100を保持させた。次いで、工作機械により工具ホルダ1を高速回転(例えば、20000〜30000min−1)させ、工具100の高速回転時におけるバランスを調査したところ、良好なバランスを維持していた。
【0041】
なお、実施の形態1では、本発明にかかる押圧装置を、工具ホルダに設けた場合について説明したが、これに限らず、本発明にかかる押圧装置は、被押圧物を押圧するために使用されるあらゆる装置(例えば、被押圧物を押圧して固定する装置や、被押圧部との嵌合時に形成される隙間を無くす装置、各種機械に搭載されている位置決め装置のXYテーブルの摺動部等)に設けることができ、また押圧装置単独で用いてもよい。
【0042】
また、実施の形態1では、同一形状の球体19を用いた場合について説明したが、これに限らず、径の異なった球体を使用してもよく、例えば、図4に示すように、荷重付加部18の近傍、すなわち雄螺子32の先端部に当接する部分及びその近傍には、径の比較的大きな球体19Aを配置し、押圧部15との境界部分及びその近傍には、球体19Aより径が小さい球体19Bを配置してもよい。この場合、球体19B同士は、同じ径を備えていることが好ましい。
【0043】
そしてまた、実施の形態1では、押圧部15の比重を7.48、工具保持部12の壁部16の比重を7.85、球体19の比重を7.82とし、押圧部15及び工具保持部12の弾性係数を230×10Kgf/cm、球体19の弾性係数を220×10Kgf/cmとした場合について説明したが、これに限らず、押圧部15及び壁部16の比重と、球体19の比重は、両者がほぼ同一の値であれば、他の値を選択してもよい。また、球体19の弾性係数は、所望により決定することができる。
【0044】
また、実施の形態1では、荷重付加部18を、螺子孔31と雄螺子32とから構成した場合について説明したが、これに限らず、荷重付加部18は、荷重伝達室17に充填された球体19に荷重を加えることが可能であれば、他の構成を備えていてもよい。
【0045】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2にかかる押圧装置を、工具ホルダに設けた場合について説明する。
【0046】
図5は、実施の形態2にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図、図6は、図5に示す工具ホルダの押圧装置付近を拡大して示した断面図、図7は、図6に示す工具ホルダの押圧装置の押圧部によってクイルを押圧して移動させた状態を示す断面図である。
【0047】
なお、実施の形態2では、工具ホルダの工具が取付けられる側を「先端」、工作機械等に装着される側を「基端」として説明する。また、実施の形態1で説明した部材と同様の部材には、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0048】
図5〜図7に示すように、実施の形態2にかかる押圧装置40を備える工具ホルダ2は、軸方向略中央部に設けられたフランジ部41と、フランジ部41の先端側に形成されたクイル取付部42と、フランジ部41の基端側に形成されたストレートシャンク部43と、クイル取付部42に取付けられる被押圧物としてのクイル44と、クイル44を工具ホルダ2の軸方向に対し略垂直な方向に移動させる移動部材48と、を備えて構成されている。
【0049】
クイル取付部42は、工具ホルダ2の軸方向に対し略垂直な方向に貫通形成されると共に、内部にクイル44を収納可能な収納孔45を備えている。この収納孔45の先端側には、クイル取付部42の先端面まで連通した連通孔46が形成されている。
【0050】
フランジ部41の内部及びストレートシャンク部43の内部には、クイル取付部42に形成されている収納孔45の基端側に連通すると共に、ストレートシャンク部43の基端面まで連通した連通孔47が形成されている。この連通孔47には、後に詳述する移動部材48の本体49が、工具ホルダ2の軸方向に移動可能に挿入されている。
【0051】
クイル44は、工具ホルダ2の軸方向に対し垂直な方向に移動可能となるようクイル取付部42の収納孔45内に収納されている。このクイル44には、後に詳述する移動部材48のネック部50を移動可能に挿入する挿入孔51が、先端面から後端面まで貫通形成されている。この挿入孔51は、クイル44の先端面側が後端面側よりも図5でいう下側に位置するよう傾斜して形成されており、挿入口51の図5でいう下側を画定する傾斜面52が、後に詳述する押圧装置40の押圧部55に押圧されるようになっている。なお、このクイル44の図5でいう上面には、図示しない刃物が取付けられる。
【0052】
移動部材48は、工具ホルダ2の軸方向に移動可能となるよう、フランジ部41の内部及びストレートシャンク部43の内部に形成されている連通孔47内に収納された本体49と、本体49の先端側に設けられると共に、クイル44に形成された挿入孔51の角度と同じ傾きを持って先端側に向けて延出したネック部50と、を備えている。そして、このネック部50は、クイル44の挿入孔51内に移動可能に収納されており、クイル44の傾斜面52に対向する傾斜面53と、傾斜面52との間には、隙間が形成されている。
【0053】
ネック部50の先端部には、押圧装置40が配設されている。この押圧装置40は、ネック部50の傾斜面53から、クイル44の傾斜面52に向けて延出して傾斜面52を押圧可能な押圧部55と、ネック部50の先端側端面から基端側に向けて配設された荷重付加部18と、荷重付加部18と押圧部55との間に形成された荷重伝達室57と、荷重伝達室57内に充填される複数の球体19と、を備えて構成されている。
【0054】
押圧部55は、傾斜面52に相補した(傾きがほぼ同じ)傾斜面59を備え、この傾斜面59が、クイル44の傾斜面52に当接可能となっている。この押圧部55は、後に詳述するが、荷重伝達室57に充填された球体19を介して荷重が加えられるとクイル44の傾斜面52を押圧するよう構成されている。そして、この押圧部55がクイル44の傾斜面52を押圧することによって、クイル44に形成された挿入孔51とネック部50の間の隙間が埋められるよう構成されている。
【0055】
荷重伝達室57は、押圧部55と、ネック部50の内壁とによって画定されており、その先端側が荷重付加部18に連通され、その内部には、複数の球体19が充填される。この荷重伝達室57は、その内部に流体が充填される従来のものと異なり、仮に、隙間が形成されていたり、孔が開いていたとしても、これらの隙間や孔が球体19よりも狭いあるいは小さければ、球体19が外部に漏れ出すことがない。したがって、シール構造を設ける必要がなく、構成を簡素化でき、小型化を達成することができる。
【0056】
荷重付加部18は、ネック部50の先端側端面から荷重伝達室57まで貫通形成された螺子孔31と、螺子孔31に形成された雌螺子に螺合する雄螺子32と、を備えている。
【0057】
次に、実施の形態2にかかる押圧装置40を備える工具ホルダ2の具体的動作について説明する。
【0058】
図5に示す状態から、クイル44を図5でいう下方に移動させたい場合は、先ず、螺子孔31内に挿入されている雄螺子32を締め付けると、雄螺子32の先端が球体19に当接し、球体19に荷重がかけられる。この雄螺子32によって球体19に加えられた荷重は、球体19から押圧部55に伝達される。押圧部55は、この伝達された荷重によりクイル44の傾斜面52を確実に押圧する。この状態で、移動部材48を工具ホルダ2の基端方向に押していくと、移動部材48は、図7に示すように、工具ホルダ2の基端方向に移動する。この工具ホルダ2の移動によって、クイル44は、図5でいう下方に移動する。
【0059】
一方、クイル44を上方に移動させたい場合は、移動部材48を工具ホルダ2の先端側に移動させればよい。クイル44の挿入孔51と移動部材48のネック部50の隙間は埋められているので、バックラッシの無い移動が可能になる。
【0060】
なお、実施の形態2では、押圧部55は、球体19から伝達された荷重によって弾性変形してクイル44の傾斜面52を押圧してもよく、また弾性変形せずにクイル44の傾斜面52を押圧してもよい。
【0061】
また、実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、所望により径の異なった球体を使用してもよく、図4と同様に、荷重付加部18の近傍、すなわち雄螺子32の先端部に当接する部分及びその近傍には、径の比較的大きな球体19Aを配置し、押圧部55との境界部分及びその近傍には、球体19Aより径が小さい球体19Bを配置してもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる押圧装置は、球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一であるため、例えば、高速回転する被押圧物を押圧する場合であっても、球体が偏ることがなく回転バランスを簡単に取ることができる。また、構造が簡素化され、小型化を達成できる。
【0063】
また、本発明にかかる押圧装置は、球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整することができるため、被押圧物を最適な条件で、かつ安定した状態で確実に押圧することができる。また、構造が簡素化され、小型化を達成できる。
【0064】
そしてまた、本発明にかかる押圧装置は、球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一であり、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整することができるため、高速回転する被押圧物を押圧する場合であっても、球体が偏ることがなく回転バランスを簡単に取ることができると共に、被押圧物を最適な条件で、かつ安定した状態で確実に押圧することができる。また、構造が簡素化され、小型化を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図であって、荷重伝達室内に球体が充填されていない状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図であって、荷重伝達室内に球体が充填されている状態を示す図である。
【図3】図2に示す工具ホルダに工具を把持させた状態を示す断面図である。
【図4】本発明の他の実施の形態にかかる押圧装置付近を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかる押圧装置を備える工具ホルダの断面図である。
【図6】図5に示す工具ホルダの押圧装置付近を拡大して示した断面図である。
【図7】図6に示す工具ホルダの押圧装置の押圧部によってクイルを押圧して移動させた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1、2 工具ホルダ
10、40 押圧装置
12 工具保持部
14 工具保持孔
15、55 押圧部
16 壁部
17、57 荷重伝達室
18 荷重付加部
19 球体
31 螺子孔
32 雄螺子
42 クイル取付部
44 クイル
48 移動部材
100 工具

Claims (8)

  1. 被押圧物を押圧可能な押圧部と、
    前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、
    前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、
    前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、
    を備え、前記球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一である押圧装置。
  2. 被押圧物を押圧可能な押圧部と、
    前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、
    前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、
    前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、
    を備え、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整する押圧装置。
  3. 被押圧物を押圧可能な押圧部と、
    前記押圧部が前記被押圧物を押圧するよう、当該押圧部に荷重を加える荷重付加部と、
    前記押圧部と荷重付加部との間に設けられた荷重伝達室と、
    前記荷重伝達室内に充填され、前記荷重付加部からの荷重を前記押圧部に伝達する複数の球体と、
    を備え、前記球体の比重と、前記荷重伝達室を画定する壁部の比重とが、略同一であり、前記球体の弾性係数を選択することで、前記被押圧物に対する押圧状態を調整する押圧装置。
  4. 前記荷重付加部近傍に、第1の球体を配置し、前記押圧部の前記被押圧物を押圧する面の近傍に、前記第1の球体の径より小さな径を備えた第2の球体を配置した請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の押圧装置。
  5. 前記第2の球体同士が、略同一の径を備えてなる請求項4記載の押圧装置。
  6. 前記押圧部の前記被押圧物を押圧する面が、当該被押圧物の押圧される面に対し略平行に位置するよう形成されている請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の押圧装置。
  7. 前記荷重付加部は、前記荷重伝達室に連通形成された螺子孔と、当該螺子孔に螺合すると共に、前記球体の少なくとも一つに当接可能な雄螺子と、を備え、当該雄螺子の回転に応じて、前記押圧部に加える荷重を調整する請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の押圧装置。
  8. 前記押圧部は、前記球体から伝達された荷重により弾性変形し、前記被押圧物を押圧する請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の押圧装置。
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WO2007139190A1 (ja) 2006-05-31 2007-12-06 Toray Industries, Inc. 免疫刺激オリゴヌクレオチド及びその医薬用途
JP2016540657A (ja) * 2013-12-10 2016-12-28 コメート グループ ゲーエムベーハー 工具装置及び捩り振動を切り離す方法
CN112045449A (zh) * 2019-06-06 2020-12-08 弗兰茨·翰默机械制造两合公司 用于对物体、尤其工具进行夹紧的夹紧设备

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