JP2005013940A - 濾過装置及び濾過方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面から固形物を剥離してフィルターの閉塞を解消すると共に、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができる装置を提供する。
【解決手段】原液を容器8に移送し、フィルター3に通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段10と、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜り2とを有し、更に圧縮された気体を前記容器8に注入する手段を有すると共に、所定の弁手段、即ち、原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁1と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁9と、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁4と、前記容器と濾過液の貯留槽11とを接続する配管に介設される濾過液弁7とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】原液を容器8に移送し、フィルター3に通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段10と、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜り2とを有し、更に圧縮された気体を前記容器8に注入する手段を有すると共に、所定の弁手段、即ち、原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁1と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁9と、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁4と、前記容器と濾過液の貯留槽11とを接続する配管に介設される濾過液弁7とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を濾過してその中に含まれている固形物(不純物)をフィルター(逆洗式フィルター)によって除去する液体の濾過装置及び濾過方法等に関する。
【0002】
本発明により、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消することができるので、高い濾過速度で安定して、液体の濾過を連続的にかつ効率よく行うことができる。
【0003】
【従来の技術】
液体の中に含まれている固形物(不純物)をフィルター(濾材)によって除去する液体の濾過装置及び濾過方法において、濾過により生ずるフィルターの閉塞(目詰まり)を解消するため、圧縮空気等を通常の濾過とは逆の方向(フィルターの濾過液側から原液側へ)に作用させることにより、フィルターを通して流体(液体)を濾過液側から原液側に逆流させ、フィルターの表面に堆積した固形物(濾滓固体)を剥離させ(除去し)、この固形物を容器外へ容器内の液体(原液)と共に排出する逆洗が行われている。また、この逆洗に適したフィルター(逆洗式フィルター)を使用した原液を連続的に濾過することができる濾過装置や、濾過方法がある(例えば、特許文献1及び2等参照)。
【0004】
例えば、逆洗用の圧縮空気配管や弁制御装置を必要とすることなく逆洗を行うことができ、装置が煩雑とならず、濾過効率を低下させることなく濾過を行うことができる濾過装置として、下面に弁付のスラッジ排出路を設けるとともに弁付の原液供給路を設けた濾過容器内に中空濾過体を設け、該中空濾過体に逆洗水圧を得るだけの水量を貯留する逆洗式タンクを接続した加圧濾過装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、濃縮倍率の高い濃縮液を廃棄することが可能で、かつフィルターに侵入したSS分が残留することなく逆洗を行うことができる原液の処理方法(濾過方法)として、原液タンク内の原液を固液分離手段を通して濾過手段に供給すると共に、圧縮エアーを逆洗チャンバ内に供給し、フィルターに侵入した浮遊物を原液側に排出し、濾過手段の原液側に供給された原液により浮遊物を逆洗液排出管を通してタンクに戻す濃縮用逆洗工程と、第1エアー開閉弁を開き、逆洗チャンバ内の濾過液を濾過手段の濾過側に供給してフィルタに侵入した浮遊物を原液側に排出し、エアーパージ弁を開き、圧縮エアーをエアーパージ配管を通して濾過手段の原液側に供給する操作を繰り返し、浮遊物を固液分離手段内の固形分と共に濃縮液排出管を通して排出する払い出し逆洗工程とを具備し、払い出し用逆洗工程を濃縮用逆洗工程を複数回行うごとに1回行う原液の処理方法(濾過方法)が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、上記報告されている何れの濾過装置及び濾過方法においても、逆洗において原液をフィルター(逆洗式フィルター)表面から剥離した固形物(スラッジやSS分)と共に排出している。このため、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合、即ちフィルター表面に堆積した固形物(粒子層)の濾過抵抗が大きく、短時間で濾過速度が大きく低下する場合には、高い濾過速度を維持するために、頻繁に逆洗を行う必要があるので、原液のロスが大きく濾過液の回収を極めて低下させるという問題があった。
【0007】
このような情況下に、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面から固形物を剥離してフィルターの閉塞を解消すると共に、高い濾過速度で安定して濾過することができる濾過装置を開発することが望まれている。
【0008】
【特許文献1】
実開平5−13508号公報
【特許文献2】
特開平11−19420号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面から固形物を剥離してフィルターの閉塞を解消すると共に、高い濾過速度で安定して濾過することができる、簡便な装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、特定の構成の濾過装置を用いることにより、上記課題を達成できる。この濾過装置は、
液体を濾過するためのフィルターと、
前記フィルターが配設される容器と、
原液を前記容器に移送し、前記フィルターに通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段、
一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りとを有する。更に、この濾過装置は、圧縮された気体を前記容器に注入する手段を有すると共に、所定の弁手段を有する。
即ち、原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁と、
前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に濾過液の貯留槽と接続すべく接続された分岐管に介設される濾過液弁と
を備える。かかる構成の液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過装置を用いて、特定の条件下で逆洗を行うときには、原液を排出させることなくフィルターの表面に堆積した固形物をフィルターの表面から剥離することができる。かくて、濾過液の回収率をほとんど低下させることなくフィルターの目詰まりを解消することができる。更にこの逆洗だけでなく、従来の固形物を原液と共に排出する逆洗を適宜行うことにより、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができる。
【0011】
ここで、「一次側」とは、系において原液側をいい、「二次側」とは、系において濾過液側をいう。
【0012】
即ち、本発明の第一の視点において、液体中の固形物(不純物)をフィルターによって除去する液体の濾過装置であって、
液体を濾過するためのフィルターと、
前記フィルターが配設される容器と、
原液を前記容器に移送し、前記フィルターに通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段と、
一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜り(以下、単に「空気溜り(absorber)」と称することがある。)と、
圧縮された気体を前記容器に注入する手段と、
原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁と、
前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、
前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁と
を備えることに特徴を有する濾過装置(以下、「本発明の濾過装置」とも称する。)を提供することができる。
【0013】
また、本発明の濾過装置では、前記圧縮された気体として、圧縮空気を選択することができる。このとき、前記圧縮空気の圧力については、好ましくは絶対圧力で、0.2〜0.6MPa(ゲージ圧力で、0.1〜0.5MPa)が選択される。
【0014】
本発明の第二の視点において、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の特定の濾過方法が提供される。この濾過方法は、下記工程を含む(以下、「本発明の濾過方法」とも称する。):
工程a.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む工程。この濾過方法は更に、下記工程を含む:
工程b.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記工程aにおいて剥離された固形物を原液と共に排出するステップ
とを含む工程。
【0015】
また、本発明の濾過方法では、前記工程a又はbを、濾過を行った後毎に行うことができ、前記工程aを、前記工程bとこの次に行われる前記工程bとの間に少なくとも1回行うことができる。尚、前記工程bを、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)となるときに、前記工程aに替えて行うことが好ましい。
【0016】
本発明の濾過方法では、前記圧縮された気体として、圧縮空気を選択することができる。このとき、前記圧縮空気の圧力については、好ましくは絶対圧力で、0.2〜0.6MPaが選択される。
【0017】
本発明の第三の視点において、原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧しつつ、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧することにより、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含むことに特徴を有する逆洗方法(以下、「本発明の逆洗方法」とも称する。)を提供することができる。
【0018】
尚、液体の濾過に際して、液体が逆洗を頻繁に行う必要が生じる固形物、例えば、金属微粉体等を含む機械部品洗浄液等の、液体が微細な粒子径を有する固形物を含んでいる場合や、濾過比抵抗の大きい有機系の固形物を含んでいる場合に、本発明は極めて有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明には、幾つかの形態、即ち、特定の濾過装置及び濾過方法等が含まれる。尚、本発明の濾過装置を中心に図1〜図3を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
また、本発明において、「保持逆洗」とは、フィルターに圧縮された気体を作用させて容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するが、この固形物と原液を容器外へ排出しない逆洗をいい、「排出逆洗」とは、フィルターに圧縮された気体を作用させて容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記保持逆洗により剥離された固形物を原液と共に排出する逆洗をいう。
【0021】
(本発明の濾過装置)
本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図1を参照すると、容器8内には、フィルター(逆洗式フィルター)3が配設されており、これにより前記容器8内が一次側と二次側に分割されている。前記容器8の一次側において、原液の貯留槽(原液を貯えたタンク)(図示せず)から原液が導出されるように、原液導出口(前記原液の貯留槽の導出口)(図示せず)と前記容器8とが配管を介して接続され、前記原液導出口と前記容器8とを接続する配管には原液弁1が介設されている。また、前記原液弁1と前記容器8との間には、一次側の原液系に連通し、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器8(系)の内圧とバランスを保つための空気溜り2が配管を介して配設、詳しくはこの配管から分岐して接続されている。更に、前記容器8、詳しくはその下端部とドレン排出口(図示せず)とは、配管を介して接続されており、前記容器8と前記ドレン排出口とを接続する配管には、ドレン弁9が介設されている。一方、前記容器8の二次側、詳しくは前記容器8の上端部において、前記容器8と圧縮気体源6から圧縮された気体を前記フィルター3に作用させるべく前記容器8に注入する手段(圧縮気体注入手段)5とが、配管を介して接続されており、前記容器8と前記圧縮気体注入手段5とを接続する配管には、逆洗弁4が介設されている。また、前記容器8と前記圧縮気体注入手段5とを接続する配管には分岐管が接続されており、この分岐管は濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)11と接続されている。更に、この分岐管には、濾過液弁7が介設されている。尚、原液を前記容器8に移送し、前記フィルター3に通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送するための液体移送手段10が備えられている。
【0022】
本発明において、濾過する原液については、特に制限は無い。例えば、金属微粉体等を含む機械部品の洗浄液等、種々の液体に適用することができる。特に逆洗を頻繁に行う必要が生じる固形物、例えば、微細な粒子径を有する固形物を含んでいる液体や、濾過比抵抗の大きい有機系の固形物を含んでいる液体に対して有効である。
【0023】
本発明において使用するフィルターについては、特に制限は無いが、フィルター表面の細孔径が、除去する対象となる原液中に含まれる固形物のうち最小のものの粒子径と同等以下であることが好ましい。前記フィルター表面の細孔径が大きい場合には、フィルターの内部に固形物が保持(捕捉)される可能性があり、また、フィルターの内部で固形物が保持された場合には、逆洗を行っても内部に保持された固形物の除去は困難であるため、十分な逆洗効果が得られない。
【0024】
また、前記フィルターとしては、好ましくは網目状、格子状、すのこ状、又はばね状の構造をした線形材料からできており、その間隙を用いて濾過が行われるフィルターが選択される。更に、前記フィルターの材質については特に制限は無く、金属材料、樹脂材料等が選択される。また、焼結金属や、不織布等からなるフィルターを使用することもできる。
【0025】
前記フィルターの目開き(濾過精度)については、特に制限は無く、濾過する液体から除去すべき固形物の粒子径に応じて選択される。例えば、原液中の固形物の最小粒子径が0.005mm程度の場合には、目開き0.01mmのフィルターが、原液中の固形物の最小粒子径が0.5mmの場合には、目開き0.1mmのフィルターが選択される。
【0026】
前記フィルターの形状及び大きさについては、特に制限は無いが、好ましくは直径10〜100mm(φ10×100mm)、長さ10〜100cmの円筒状のフィルターが選択される。また、前記フィルターについては容器内に1又は2本以上配設することができる。例えば、内径2.5cm、長さ60cm(φ2.5×60cm)の円筒形の容器を使用する場合においては、直径15mm、長さ50cmのフィルターを1本使用(配設)することができ、また、内径32cm、長さ100cmの円筒形の容器を使用する場合においては、直径15mm、長さ50cmのフィルターを50本使用(配設)することができる。尚、前記フィルターの配設位置については特に制限は無く、前記フィルターの形状及び大きさや、使用する容器に応じて、容器の適当な位置に配設することができるが、容器の上部に懸装する(容器の上部で懸垂させて吊るす)ことが好ましい。
【0027】
前記液体移送手段については特に制限は無く、例えば、公知の又は将来開発され得る各種のポンプを使用することができる。また、前記液体移送手段の配設位置については特に制限は無く、例えば、加圧濾過の場合には、原液の貯留槽と原液弁との間に配設することができ、吸引濾過の場合には、濾過弁と濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)の間に配設することができる。
【0028】
本発明において、濾過装置に、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りが設けられる。濾過装置にこのような空気溜りを設けた場合には、フィルター表面から剥離された固形物及び原液を排出しなくとも逆洗(保持逆洗)を行う、即ち、フィルターの表面に堆積した固形物を剥離することができる。具体的には、先ず逆洗用の圧縮された気体をフィルターに作用させる。この結果、この圧縮された気体の作用により容器内の濾過液及び原液は加圧され、圧縮された気体の圧力と等しくなる。更に、この加圧された原液により前記空気溜り内の空気が圧縮され(収縮し)、その体積が減少した量だけ原液が前記空気溜り内に流入する。それゆえ、前記空気溜り内に流入した原液の量と等しい量又はそれ以上の量の濾過液がフィルターの二次側の配管内に貯留されている場合には前記空気溜り内に流入した原液の量と等しい量の濾過液が、そうでない場合には濾過液及び圧縮された気体の一部がフィルターを通過してフィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ、即ち通常の濾過とは逆の方向に流れ、この結果、フィルターの表面に堆積した固形物がそこから剥離され、フィルターの目詰まりは解消される。
【0029】
尚、前記空気溜りについて、その配設の位置については、一次側の原液系に連通するように配設又は内設されていればよく、特に制限は無い。
【0030】
本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図2を参照すると、図1の装置と同様に、容器22内には、フィルター(逆洗式フィルター)17が配設されており、これにより前記容器22内が一次側と二次側に分割されている。また、前記容器22の一次側において、原液の貯留槽(原液を貯えたタンク)(図示せず)から原液が導出されるように、原液導出口(前記原液を貯えたタンクの導出口)(図示せず)と前記容器22とが配管を介して接続されている。更に、前記原液導出口と前記容器22とを接続する配管には原液弁15が介設されているが、空気溜り16は、前記容器22と配管を介して接続(配設)されており、一次側の原液系に連通している。このように空気溜りを配設した場合であっても、前記同様、逆洗(保持逆洗)を行うことができる。
【0031】
更に、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図3を参照すると、容器38内には、フィルター(逆洗式フィルター)31及び不透性のフィルター支持部材35が配設されており、これらにより前記容器38内が一次側と二次側に分割されている。このとき、前記容器38内の液面(原液の液面)36は、不透性のフィルター支持部材35の位置にあり、この液面36より上の部分において空気溜り30が一次側の原液系に内設されるように構成されている。このようにして空気溜りが一次側の原液系に内設された場合であっても、前記同様、逆洗(保持逆洗)を行うことができる。
【0032】
前記不透性のフィルター支持部材の材質については、特に制限は無く、金属や樹脂等の液体不透性の材料が選択される。尚、前記不透性のフィルター支持部材の形状及び大きさについても、特に制限は無く、前記フィルターの形状及び大きさ、容器の形状及び大きさ等に応じて適宜選択される。
【0033】
前記空気溜りについては、濾過時においてその内部に液(原液)が流入しないように(溜まらないように)、その開口部(配管との接合部)を下向きとすることが好ましい。また、前記空気溜りが接続される配管については、排出逆洗を行うときに原液が自然流下により、容器に流入し、ドレン排出口から排出されるように、水平にする又は下方向に傾斜させることが好ましい。
【0034】
前記空気溜りの形態については特に制限は無い。例えば、容器の形態を選択することができ、この場合にはその空間が空気で充満されていればよい。一方、袋の形態を選択することもできる。この場合には保持逆洗を行ったときに、空気溜りである袋が原液の流入により膨らむことができればよく、その空間が空気で充満されていなくてもよく、また、濾過時における原液の流入があってもよい。
【0035】
前記空気溜りの材質については、選択される空気溜りの形態に応じて適宜選択される。例えば、容器の形態を選択する場合には、金属や樹脂等の通常容器の材質として用いられる液体不透性の材料を選択すればよい。また、袋の形態を選択する場合には、保持逆洗を行ったときに、空気溜りである袋が原液の流入により膨らむことができる材料が選択され、例えば、ゴム、ポリエチレン等の樹脂材料等が選択される。
【0036】
前記空気溜りの形状については特に制限は無い。
【0037】
前記空気溜りの大きさ(容量)については、特に制限は無いが、好ましくは下記式により定められ、このとき定められた容量又はこれよりも大きい容量が選択される。
【0038】
V2=(1/P1−1/P2)×V1×P0
(尚、式中、V2は逆洗によって二次側の濾過液系から一次側の原液系に流れる液量を、P0は大気圧の絶対圧力を、P1は圧縮された気体を注入する前の空気溜り内の絶対圧力を、P2は圧縮された気体の絶対圧力を、V1は空気溜りの容積(容量)をそれぞれ表す。)
【0039】
前記容器の形状については特に制限は無いが、好ましくは前記容器の下端部を錘状にする。このようにした場合には、前記容器の下端部に沈降した固形物をスムーズに排出することができる。
【0040】
前記容器の大きさについては特に制限は無く、濾過すべき原液の量に応じて、即ち装置の規模に応じて適宜選択される。
【0041】
前記圧縮気体源については、特に制限は無く、一般的な圧縮気体源を用いることができる。例えば、コンプレッサーによって得られる圧縮空気源等を用いることができる。
【0042】
前記圧縮気体注入手段については特に制限は無く、例えば、レギュレータ(減圧弁)等が使用される。尚、前記前記圧縮気体注入手段の配設位置については特に制限は無いが、前記フィルターに作用させることができる範囲内で適宜配設される。
【0043】
前記ドレン排出口については容器に配管を介して接続されていればよく、これを設ける位置については特に制限は無い。好ましくは前記容器の下端部に配管を介して接続される。
【0044】
前記原液弁、前記濾過液弁、前記逆洗弁及び前記ドレン弁の何れの弁についても、特に制限は無い。例えば、ボールバルブ、バタフライバルブ、ピンチバルブ等のバルブが適宜選択され、使用される。
【0045】
前記原液弁、前記濾過液弁、前記逆洗弁及び前記ドレン弁の何れの弁の配設位置についても、特に制限は無い。例えば、前記記載のように原液導出口と前記容器とを接続する配管に前記原液弁を介設し、また、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に前記ドレン弁を介設し、更に、前記容器と前記圧縮気体注入手段とを接続する配管に前記逆洗弁を介設することができる。尚、前記濾過液弁については、前記容器と前記濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設することができるし、前記記載のように前記容器と前記圧縮気体注入手段とを接続する配管に前記濾過液の貯留槽と接続すべく接続された分岐管に介設することもできる。
【0046】
本発明においては、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過、保持逆洗、及び排出逆洗が行われる。
【0047】
本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記濾過が、下記の如く行われる。先ず、濾過対象となる原液を貯えたタンク(原液の貯留槽)(図示せず)内の原液が液体移送手段10により原液を貯えたタンクの導出口(原液導出口)(図示せず)から導出され、原液弁1を通過して、前記容器8(詳しくはフィルター3及び当該容器8で構成されたフィルターモジュール)へ移送される。更に、前記容器8に移送された原液は、同様に前記液体移送手段10でフィルター3を通過させることにより原液中の固形物と、固形物を除去された濾過液とに分離される。即ち、前記固形物は前記フィルター3の表面に堆積し、濾過液は、濾過液弁7を通過して、濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)11に移送される。一方、空気溜り2は、濾過開始前では、空気で満たされているが、濾過が開始されると、濾過圧力により前記空気溜り2内の空気は圧縮され、前記空気溜り2内の体積が減る。その後、前記空気溜り2内の空気圧が濾過圧力と等しくなるために、前記空気溜り2において体積が減った分だけ、原液が前記空気溜り2内に流入する。尚、原液の濾過をするに際して、原液弁1及び濾過液弁5は開いているが、逆洗弁4及びドレン弁9は閉じている。
【0048】
前記濾過圧力については、特に制限は無いが、ゲージ圧力で、好ましくは0.05〜0.5MPa、より好ましくは0.1〜0.3MPaが選択される。
【0049】
尚、前記濾過の時間については特に制限は無いが、通常、3〜30分間濾過が行われ、その後に逆洗が行われる。
【0050】
本発明では、前記保持逆洗又は前記排出逆洗を、前記濾過を行った後毎に行うことができる。
【0051】
本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記保持逆洗が、下記の如く行われる。先ず、液体移送手段10を停止し、原液弁1を閉じる。このとき、容器8内の圧力は、濾過液を貯えるタンク11の導出口(濾過液導出口)側からのヘッド(水頭)差のみとなり、ほぼ大気圧(絶対圧力で0.1MPa(ゲージ圧力で0MPa))となる。この結果、空気溜り2内の空気は膨張し、濾過中に前記空気溜り2内に流入していた原液は、前記空気溜り2外へ排出され、前記空気溜り2内の圧力もほぼ大気圧(絶対圧力で0.1MPa)となる。次いで、濾過液弁7を閉じて、逆洗弁4を開け、逆洗用の圧縮された気体をフィルター3に対して二次側(濾過液側)から注入する(作用させる)。この圧縮された気体の作用により、前記容器8内の濾過液及び原液は加圧され、前記圧縮された気体の圧力と等しくなる。更に、この加圧された原液により前記空気溜り2内の空気が圧縮され(収縮し)、その体積が減少した量だけ原液が前記空気溜り2内に流入する。それゆえ、前記空気溜り2内に流入した原液の量と等しい量の濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部が前記フィルター3を通過して前記フィルター3の二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる。この結果、前記フィルター3の表面に堆積した固形物が前記フィルター3の表面から剥離され、前記フィルター3の目詰まりは解消される。更に、前記フィルター3から剥離した固形物は、自然沈降により、前記容器8の底面に貯えられる。尚、このときドレン弁9は閉じたままである。
【0052】
前記保持逆洗の時間については、特に制限は無く、フィルター表面に堆積した固形物の量等に応じて選択されるが、好ましくは長くとも10秒間、より好ましくは5〜10秒間程度行われる。
【0053】
尚、前記保持逆洗については、前記排出逆洗とこの次に行われる前記排出逆洗との間に少なくとも1回行うことができる。このときの回数については、容器底面に沈降した固形物が容器下部の排出口を閉塞させること無くスムーズに排出されることを限度として、適当な回数が選択される。即ち、ドレン液中の固形物の粒子径や分散性により異なるが、ドレン液の固形物濃度が容器の内部に固形物が残存することなくスムーズに固形物が排出される濃度で維持されるように選択される。好ましくは、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)、より好ましくは10〜20%(容積)となるように回数が定められる。5%(容積)未満では、濾過液の回収率が低くなるため好ましくなく、50%(容積)を超えると、容器内の固形物の排出が完全に行われず、容器内に固形物が残り、ドレン排出口が閉塞するおそれがあるため好ましくない。
【0054】
、本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記前記排出逆洗について、下記の如く行うことができる。先ず、液体移送手段10を停止し、原液弁1及び濾過液弁7を閉じる。次いで、逆洗弁4を開け、逆洗用の圧縮された気体をフィルター3に対して二次側(濾過液側)から注入した(作用させた)後、ドレン弁9を開ける。この結果、容器8内及び配管内の濾過液が二次側の濾過液系から前記フィルター3を通過して前記フィルター3の一次側の原液系へ流れ、前記フィルター3の表面に堆積した固形物が前記フィルター3の表面から剥離されて、前記フィルター3の目詰まりは解消する。尚、前記フィルター3から剥離した固形物は、原液及び前記容器8の底面に貯えられていた(沈降していた)固形物と共にドレン排出口より排出される。
【0055】
前記排出逆洗の時間については特に制限は無く、フィルター表面に堆積した固形物の量、容器底面に沈降した固形物の量等に応じて選択されるが、好ましくは長くとも30秒間行われる。尚、前記排出逆洗においては、容器内のすべての液(原液及び濾過液)を排出する必要があるため、通常は前記保持逆洗の時間よりも長くなる。
【0056】
尚、前記排出逆洗については、ドレン液の固形物濃度が容器の内部に固形物が残存することなくスムーズに固形物が排出される濃度で維持されるように、好ましくは、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)、より好ましくは10〜20%(容積)となるときに、前記保持逆洗に替えて適宜行うことができ、本発明の目的を阻害しない(濾過液の回収率をほとんど低下させることが無い)範囲で、一又は複数回行うことができる。
【0057】
前記保持逆洗の際に、前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる濾過液又は圧縮された気体の一部を含む濾過液の液量については、前記空気溜りの大きさ(容量)及び前記圧縮された気体の圧力により調節され、このときの値については特に制限は無いが、好ましくは濾過面積1cm2あたり0.5〜1ml程度が選択される。このような液量を選択した場合には、フィルター表面から固形物(粒子層)を十分に剥離、除去すると共に、これを沈降させることができる。一方、前記排出逆洗の際には、前記フィルターの二次側の濾過液、即ち容器内及び配管内の濾過液は前記圧縮された気体の圧力により、二次側の濾過液系から一次側の原液系へ全て流れ、フィルター表面から堆積した固形物(濾滓固体)を十分に剥離、除去し、前記容器内の一次側の原液と共にドレン排出口より排出される。尚、前記排出逆洗の際には、原液が排出された後、圧縮された気体もドレン排出口より排出される。
【0058】
前記記載したように、本発明においては、前記フィルターに作用させるため、前記容器には圧縮された気体が注入され、前記圧縮された気体については、特に制限は無いが、一般には、圧縮空気が選択される。
【0059】
前記保持逆洗及び排出逆洗における圧力、即ちフィルターに作用させるために容器に注入される圧縮された気体の圧力については、特に制限は無いが、何れにおいても、絶対圧力で、好ましくは0.2〜0.6MPa、より好ましくは0.3〜0.4MPa(ゲージ圧力で、好ましくは0.1〜0.5MPa、より好ましくは0.2〜0.3MPa)が選択される。圧力が低い場合には、濾過液がフィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる速度が遅くなり、十分な逆洗の効果が得られない。また、必要以上に高い圧力の場合には、装置において高い耐圧強度が必要とされ、圧縮気体源を得る上でもデメリットを生じる。
【0060】
本発明においては、前記した下記式を満たすように圧縮された気体の絶対圧力P2を定めることが好ましい。
【0061】
V2=(1/P1−1/P2)×V1×P0
尚、式中、V2は逆洗によって二次側の濾過液系から一次側の原液系に流れる液量を、P0は大気圧の絶対圧力を、P1は圧縮された気体を注入する前の空気溜り内の絶対圧力を、P2は圧縮された気体の絶対圧力を、V1は空気溜りの容積をそれぞれ表す。
【0062】
尚、本発明においては、濾過速度の低下や濾過圧力の上昇を検知する手段、タイマー等の計時手段を用いて行われる制御手段等の、公知の又は将来開発される制御手段を選択して使用することができ、このような制御手段を備える装置も本発明に含めることができる。例えば、このような制御手段を備えさせて、前記濾過、前記保持逆洗、及び前記排出逆洗をそれぞれ定期的に行うことができる。
【0063】
本発明において、必要により流量計、圧力計等の公知又は将来開発される測定器(計器類)を選択して使用することができ、このような測定器を備える装置も本発明に含めることができる。
【0064】
(本発明の濾過方法)
本発明の濾過方法は、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の特定の濾過方法である。この濾過方法は、下記工程を含む:
工程a.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む工程。更に、下記工程を含む:
工程b.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記工程aにおいて剥離された固形物を原液と共に排出するステップ
とを含む工程。
したがって、必要により他の工程を含めることができ、このような工程を含む濾過方法も本発明に含めることができる。尚、本発明については、前記本発明の濾過装置における記載に基づいて容易に実施することができる。
【0065】
(本発明の逆洗方法)
本発明の逆洗方法は、原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む逆洗方法である。尚、本発明については、前記本発明の濾過装置における記載に基づいて容易に実施することができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は何ら制限されるものではない。
【0067】
[実施例1]
図4は、本発明の一実施例に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。この装置を用いて下記方法により濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については48分間行い、逆洗については濾過開始から3分後に、3分間隔で行った。このとき、保持逆洗を濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行った後(濾過開始から30分後)に排出逆洗を1回行い、その後(濾過開始から33分後)、再び3分間隔で保持逆洗を5回行った。
【0068】
(原液の濾過)
下記方法により濾過を行った。尚、濾過対象となる原液として、機械部品洗浄液(固形物(金属粉体(粒子)等)の平均粒子径30μm程度)を選択した。また、機械部品洗浄液の濾過に際しては、原液弁45及び濾過液弁51は開け、逆洗弁48及びドレン弁53は閉じて行った。尚、濾過用のポンプとして、濾過に際して一般的に使用される遠心ポンプを選択して使用した。
【0069】
(1)機械部品洗浄液を貯えたタンク(図示せず)内の機械部品洗浄液を遠心ポンプ54により、機械部品洗浄液の導出口(図示せず)から導出させ、原液弁45を通過させて、濾過圧力としてゲージ圧力で0.2MPaで、容器(寸法 φ2.30×60cm(内径2.30cm、外径2.54cm、長さ60cm)、容積250cm3)52へ移送した。
(2)(1)において容器52に移送された機械部品洗浄液を、フィルター(濾過精度 10μm、寸法 φ15×500mm、濾過面積 235cm2)47により機械部品洗浄液中の固形物と、固形物を除去された濾過液とに分離した。
(3)(2)において分離された濾過液を、濾過液弁51を通過させて、濾過液を貯えるタンク55に移送した。
【0070】
(保持逆洗)
下記方法により保持逆洗を行った。尚、このときドレン弁53は閉じたままにした。また、この逆洗については5秒間行った。
【0071】
(1)遠心ポンプ54を停止し、原液弁45を閉じることにより、容器52内の圧力が、ほぼ大気圧(ゲージ圧力で0MPa)となるようにすると共に、空気溜り(容積 400cm3)46内の空気を膨張させ、濾過中に空気溜り46内に流入していた機械部品洗浄液を、空気溜り46外へ排出させて、空気溜り46内の圧力がほぼ大気圧(ゲージ圧力で0MPa)となるようにした。
(2)フィルター47の表面に堆積した固形物をフィルター47の表面から剥離させるため、濾過液弁51を閉じて、逆洗弁48を開け、逆洗用の圧縮空気を逆洗圧力としてゲージ圧力で0.3MPa(絶対圧力で0.4MPa)でフィルター47に対して二次側(濾過液側)から注入して(作用させて)、容器52内の濾過液及び機械部品洗浄液を加圧し、機械部品洗浄液が空気溜り46内に流入した量と等しい量の濾過液がフィルター47を通過してフィルター47の二次側の濾過液系から一次側の機械部品洗浄液の系へ流れるようにした。
【0072】
(排出逆洗)
下記方法により排出逆洗を行った。尚、この逆洗については10秒間行った。
【0073】
(1)遠心ポンプ54を停止し、原液弁45及び濾過液弁51を閉じた。
(2)逆洗弁42を開け、逆洗用の圧縮空気を逆洗圧力としてゲージ圧力で0.3MPaでフィルター47に対して二次側(濾過液側)から注入した(作用させた)。
(3)ドレン弁53を開けて、フィルター47から剥離した固形物、原液である機械部品洗浄液及び容器52の底面に貯えられていた(沈降していた)固形物をドレン排出口よりドレン排出量550cm3で排出させた。
【0074】
[比較例1]
図5は、比較例に係る濾過装置(従来の濾過装置)を模式的に示した断面図である。この装置を用いて濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については、実施例1において行われる保持逆洗に替えて、空気溜りを使用しないで実施例1において行われる保持逆洗と同一の条件で行われる逆洗を行う以外は、実施例1と同様の方法で行った。
【0075】
[比較例2]
比較例1と同様に、図5に示す装置を用いて濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については、逆洗として排出逆洗を濾過開始から3分後に、3分間隔で15回行う以外は、実施例1と同様の方法で行った。
【0076】
[実施例2]
(各種濾過装置の評価)
本発明の一実施例に係る濾過装置(実施例1)と比較例1及び2との濾過速度について評価した。この結果を図6に示す。
【0077】
この結果(図6参照)について、本発明の濾過装置(実施例1)と比較例1とを比較すると、本発明の濾過装置では、濾過速度が約1.0〜3.5L/minの範囲内で維持されているのに対し、比較例1では排出逆洗が行われるまで(濾過開始から30分)の間において徐々に濾過速度が低下していく。一方、本発明の濾過装置(実施例1)と比較例2とを比較すると、濾過速度については、両方とも約1.0〜3.5L/minの範囲内で維持されている。したがって、保持逆洗を行うに際して空気溜りの存在は不可欠であることが分かる。また、保持逆洗と排出逆洗が同等の効果を奏することが分かる。更に、濾過液の回収率については、本発明の濾過装置では98.9%であるのに対し、比較例2では89.2%であり、本発明の濾過装置では、濾過液の回収率をほとんど低下させることが無いことが分かる。
【0078】
以上から、本発明によれば、液体の濾過において、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消すると共に、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができることが分かる。
【0079】
【発明の効果】
本発明により、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消すると共に、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができる装置、及び方法を提供することができる。したがって、本発明は工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。原液弁1と容器8との間に、一次側の原液系に連通し、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器8(系)の内圧とバランスを保つための空気溜り2が備えられている。
【図2】図2は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。空気溜り16が容器22と配管を介して接続(配設)されている。
【図3】図3は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。容器38内に不透性のフィルター支持部材35を配設し、容器38内の液面(原液の液面)36を不透性のフィルター支持部材35の位置にさせることにより、この液面36より上の部分において空気溜り30が構成されている。
【図4】図4は、本発明の一実施例に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。原液弁45と容器52との間に、空気溜り46が備えられている。
【図5】図5は、比較例に係る濾過装置(従来の濾過装置)を模式的に示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例に係る濾過装置(実施例1)と比較例に係る濾過装置におけるフィルターの濾過速度の変化を示した図である。実施例1においては、保持逆洗が濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行われた後(濾過開始から30分後)に排出逆洗が1回行われ、その後(濾過開始から33分後)、再び保持逆洗が3分間隔で5回行われている。また、比較例1においては、空気溜りを使用しないで実施例1において行われる保持逆洗と同一の条件で行われる逆洗(保持逆洗に類似した逆洗)が濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行われた後(濾過開始から30分後)に排出逆洗が1回行われ、その後(濾過開始から33分後)、再び保持逆洗に類似した逆洗が3分間隔で5回行われている。更に、比較例2においては、排出逆洗が濾過開始から3分後に、3分間隔で15回行われている。
【符号の説明】
1、15、29、45、59.原液弁
2、16、30、46.空気溜り
3、17、31、47、60.フィルター
4、18、32、48、61.逆洗弁
5、19、33、49、62.圧縮気体注入手段
6、20、34、50、63.圧縮気体源
7、21、37、51、64.濾過液弁
8、22、38、52、65.容器
9、23、39、53、66.ドレン弁
10、24、40、54、67.液体移送手段
11、25、41、55、68.濾過液の貯留槽
12、26、42、56、69.原液導出方向
13、27、43、57、70.圧縮された気体の注入方向
14、28、44、58、71.ドレン(原液及び固形物)排出方向
35.フィルター支持部材
36.液面(原液の液面)
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を濾過してその中に含まれている固形物(不純物)をフィルター(逆洗式フィルター)によって除去する液体の濾過装置及び濾過方法等に関する。
【0002】
本発明により、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消することができるので、高い濾過速度で安定して、液体の濾過を連続的にかつ効率よく行うことができる。
【0003】
【従来の技術】
液体の中に含まれている固形物(不純物)をフィルター(濾材)によって除去する液体の濾過装置及び濾過方法において、濾過により生ずるフィルターの閉塞(目詰まり)を解消するため、圧縮空気等を通常の濾過とは逆の方向(フィルターの濾過液側から原液側へ)に作用させることにより、フィルターを通して流体(液体)を濾過液側から原液側に逆流させ、フィルターの表面に堆積した固形物(濾滓固体)を剥離させ(除去し)、この固形物を容器外へ容器内の液体(原液)と共に排出する逆洗が行われている。また、この逆洗に適したフィルター(逆洗式フィルター)を使用した原液を連続的に濾過することができる濾過装置や、濾過方法がある(例えば、特許文献1及び2等参照)。
【0004】
例えば、逆洗用の圧縮空気配管や弁制御装置を必要とすることなく逆洗を行うことができ、装置が煩雑とならず、濾過効率を低下させることなく濾過を行うことができる濾過装置として、下面に弁付のスラッジ排出路を設けるとともに弁付の原液供給路を設けた濾過容器内に中空濾過体を設け、該中空濾過体に逆洗水圧を得るだけの水量を貯留する逆洗式タンクを接続した加圧濾過装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
また、濃縮倍率の高い濃縮液を廃棄することが可能で、かつフィルターに侵入したSS分が残留することなく逆洗を行うことができる原液の処理方法(濾過方法)として、原液タンク内の原液を固液分離手段を通して濾過手段に供給すると共に、圧縮エアーを逆洗チャンバ内に供給し、フィルターに侵入した浮遊物を原液側に排出し、濾過手段の原液側に供給された原液により浮遊物を逆洗液排出管を通してタンクに戻す濃縮用逆洗工程と、第1エアー開閉弁を開き、逆洗チャンバ内の濾過液を濾過手段の濾過側に供給してフィルタに侵入した浮遊物を原液側に排出し、エアーパージ弁を開き、圧縮エアーをエアーパージ配管を通して濾過手段の原液側に供給する操作を繰り返し、浮遊物を固液分離手段内の固形分と共に濃縮液排出管を通して排出する払い出し逆洗工程とを具備し、払い出し用逆洗工程を濃縮用逆洗工程を複数回行うごとに1回行う原液の処理方法(濾過方法)が提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
しかしながら、上記報告されている何れの濾過装置及び濾過方法においても、逆洗において原液をフィルター(逆洗式フィルター)表面から剥離した固形物(スラッジやSS分)と共に排出している。このため、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合、即ちフィルター表面に堆積した固形物(粒子層)の濾過抵抗が大きく、短時間で濾過速度が大きく低下する場合には、高い濾過速度を維持するために、頻繁に逆洗を行う必要があるので、原液のロスが大きく濾過液の回収を極めて低下させるという問題があった。
【0007】
このような情況下に、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面から固形物を剥離してフィルターの閉塞を解消すると共に、高い濾過速度で安定して濾過することができる濾過装置を開発することが望まれている。
【0008】
【特許文献1】
実開平5−13508号公報
【特許文献2】
特開平11−19420号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面から固形物を剥離してフィルターの閉塞を解消すると共に、高い濾過速度で安定して濾過することができる、簡便な装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、特定の構成の濾過装置を用いることにより、上記課題を達成できる。この濾過装置は、
液体を濾過するためのフィルターと、
前記フィルターが配設される容器と、
原液を前記容器に移送し、前記フィルターに通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段、
一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りとを有する。更に、この濾過装置は、圧縮された気体を前記容器に注入する手段を有すると共に、所定の弁手段を有する。
即ち、原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁と、
前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に濾過液の貯留槽と接続すべく接続された分岐管に介設される濾過液弁と
を備える。かかる構成の液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過装置を用いて、特定の条件下で逆洗を行うときには、原液を排出させることなくフィルターの表面に堆積した固形物をフィルターの表面から剥離することができる。かくて、濾過液の回収率をほとんど低下させることなくフィルターの目詰まりを解消することができる。更にこの逆洗だけでなく、従来の固形物を原液と共に排出する逆洗を適宜行うことにより、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができる。
【0011】
ここで、「一次側」とは、系において原液側をいい、「二次側」とは、系において濾過液側をいう。
【0012】
即ち、本発明の第一の視点において、液体中の固形物(不純物)をフィルターによって除去する液体の濾過装置であって、
液体を濾過するためのフィルターと、
前記フィルターが配設される容器と、
原液を前記容器に移送し、前記フィルターに通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段と、
一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜り(以下、単に「空気溜り(absorber)」と称することがある。)と、
圧縮された気体を前記容器に注入する手段と、
原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁と、
前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、
前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁と
を備えることに特徴を有する濾過装置(以下、「本発明の濾過装置」とも称する。)を提供することができる。
【0013】
また、本発明の濾過装置では、前記圧縮された気体として、圧縮空気を選択することができる。このとき、前記圧縮空気の圧力については、好ましくは絶対圧力で、0.2〜0.6MPa(ゲージ圧力で、0.1〜0.5MPa)が選択される。
【0014】
本発明の第二の視点において、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の特定の濾過方法が提供される。この濾過方法は、下記工程を含む(以下、「本発明の濾過方法」とも称する。):
工程a.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む工程。この濾過方法は更に、下記工程を含む:
工程b.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記工程aにおいて剥離された固形物を原液と共に排出するステップ
とを含む工程。
【0015】
また、本発明の濾過方法では、前記工程a又はbを、濾過を行った後毎に行うことができ、前記工程aを、前記工程bとこの次に行われる前記工程bとの間に少なくとも1回行うことができる。尚、前記工程bを、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)となるときに、前記工程aに替えて行うことが好ましい。
【0016】
本発明の濾過方法では、前記圧縮された気体として、圧縮空気を選択することができる。このとき、前記圧縮空気の圧力については、好ましくは絶対圧力で、0.2〜0.6MPaが選択される。
【0017】
本発明の第三の視点において、原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧しつつ、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧することにより、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含むことに特徴を有する逆洗方法(以下、「本発明の逆洗方法」とも称する。)を提供することができる。
【0018】
尚、液体の濾過に際して、液体が逆洗を頻繁に行う必要が生じる固形物、例えば、金属微粉体等を含む機械部品洗浄液等の、液体が微細な粒子径を有する固形物を含んでいる場合や、濾過比抵抗の大きい有機系の固形物を含んでいる場合に、本発明は極めて有効である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明には、幾つかの形態、即ち、特定の濾過装置及び濾過方法等が含まれる。尚、本発明の濾過装置を中心に図1〜図3を用いて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
また、本発明において、「保持逆洗」とは、フィルターに圧縮された気体を作用させて容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するが、この固形物と原液を容器外へ排出しない逆洗をいい、「排出逆洗」とは、フィルターに圧縮された気体を作用させて容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記保持逆洗により剥離された固形物を原液と共に排出する逆洗をいう。
【0021】
(本発明の濾過装置)
本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図1を参照すると、容器8内には、フィルター(逆洗式フィルター)3が配設されており、これにより前記容器8内が一次側と二次側に分割されている。前記容器8の一次側において、原液の貯留槽(原液を貯えたタンク)(図示せず)から原液が導出されるように、原液導出口(前記原液の貯留槽の導出口)(図示せず)と前記容器8とが配管を介して接続され、前記原液導出口と前記容器8とを接続する配管には原液弁1が介設されている。また、前記原液弁1と前記容器8との間には、一次側の原液系に連通し、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器8(系)の内圧とバランスを保つための空気溜り2が配管を介して配設、詳しくはこの配管から分岐して接続されている。更に、前記容器8、詳しくはその下端部とドレン排出口(図示せず)とは、配管を介して接続されており、前記容器8と前記ドレン排出口とを接続する配管には、ドレン弁9が介設されている。一方、前記容器8の二次側、詳しくは前記容器8の上端部において、前記容器8と圧縮気体源6から圧縮された気体を前記フィルター3に作用させるべく前記容器8に注入する手段(圧縮気体注入手段)5とが、配管を介して接続されており、前記容器8と前記圧縮気体注入手段5とを接続する配管には、逆洗弁4が介設されている。また、前記容器8と前記圧縮気体注入手段5とを接続する配管には分岐管が接続されており、この分岐管は濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)11と接続されている。更に、この分岐管には、濾過液弁7が介設されている。尚、原液を前記容器8に移送し、前記フィルター3に通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送するための液体移送手段10が備えられている。
【0022】
本発明において、濾過する原液については、特に制限は無い。例えば、金属微粉体等を含む機械部品の洗浄液等、種々の液体に適用することができる。特に逆洗を頻繁に行う必要が生じる固形物、例えば、微細な粒子径を有する固形物を含んでいる液体や、濾過比抵抗の大きい有機系の固形物を含んでいる液体に対して有効である。
【0023】
本発明において使用するフィルターについては、特に制限は無いが、フィルター表面の細孔径が、除去する対象となる原液中に含まれる固形物のうち最小のものの粒子径と同等以下であることが好ましい。前記フィルター表面の細孔径が大きい場合には、フィルターの内部に固形物が保持(捕捉)される可能性があり、また、フィルターの内部で固形物が保持された場合には、逆洗を行っても内部に保持された固形物の除去は困難であるため、十分な逆洗効果が得られない。
【0024】
また、前記フィルターとしては、好ましくは網目状、格子状、すのこ状、又はばね状の構造をした線形材料からできており、その間隙を用いて濾過が行われるフィルターが選択される。更に、前記フィルターの材質については特に制限は無く、金属材料、樹脂材料等が選択される。また、焼結金属や、不織布等からなるフィルターを使用することもできる。
【0025】
前記フィルターの目開き(濾過精度)については、特に制限は無く、濾過する液体から除去すべき固形物の粒子径に応じて選択される。例えば、原液中の固形物の最小粒子径が0.005mm程度の場合には、目開き0.01mmのフィルターが、原液中の固形物の最小粒子径が0.5mmの場合には、目開き0.1mmのフィルターが選択される。
【0026】
前記フィルターの形状及び大きさについては、特に制限は無いが、好ましくは直径10〜100mm(φ10×100mm)、長さ10〜100cmの円筒状のフィルターが選択される。また、前記フィルターについては容器内に1又は2本以上配設することができる。例えば、内径2.5cm、長さ60cm(φ2.5×60cm)の円筒形の容器を使用する場合においては、直径15mm、長さ50cmのフィルターを1本使用(配設)することができ、また、内径32cm、長さ100cmの円筒形の容器を使用する場合においては、直径15mm、長さ50cmのフィルターを50本使用(配設)することができる。尚、前記フィルターの配設位置については特に制限は無く、前記フィルターの形状及び大きさや、使用する容器に応じて、容器の適当な位置に配設することができるが、容器の上部に懸装する(容器の上部で懸垂させて吊るす)ことが好ましい。
【0027】
前記液体移送手段については特に制限は無く、例えば、公知の又は将来開発され得る各種のポンプを使用することができる。また、前記液体移送手段の配設位置については特に制限は無く、例えば、加圧濾過の場合には、原液の貯留槽と原液弁との間に配設することができ、吸引濾過の場合には、濾過弁と濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)の間に配設することができる。
【0028】
本発明において、濾過装置に、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りが設けられる。濾過装置にこのような空気溜りを設けた場合には、フィルター表面から剥離された固形物及び原液を排出しなくとも逆洗(保持逆洗)を行う、即ち、フィルターの表面に堆積した固形物を剥離することができる。具体的には、先ず逆洗用の圧縮された気体をフィルターに作用させる。この結果、この圧縮された気体の作用により容器内の濾過液及び原液は加圧され、圧縮された気体の圧力と等しくなる。更に、この加圧された原液により前記空気溜り内の空気が圧縮され(収縮し)、その体積が減少した量だけ原液が前記空気溜り内に流入する。それゆえ、前記空気溜り内に流入した原液の量と等しい量又はそれ以上の量の濾過液がフィルターの二次側の配管内に貯留されている場合には前記空気溜り内に流入した原液の量と等しい量の濾過液が、そうでない場合には濾過液及び圧縮された気体の一部がフィルターを通過してフィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ、即ち通常の濾過とは逆の方向に流れ、この結果、フィルターの表面に堆積した固形物がそこから剥離され、フィルターの目詰まりは解消される。
【0029】
尚、前記空気溜りについて、その配設の位置については、一次側の原液系に連通するように配設又は内設されていればよく、特に制限は無い。
【0030】
本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図2を参照すると、図1の装置と同様に、容器22内には、フィルター(逆洗式フィルター)17が配設されており、これにより前記容器22内が一次側と二次側に分割されている。また、前記容器22の一次側において、原液の貯留槽(原液を貯えたタンク)(図示せず)から原液が導出されるように、原液導出口(前記原液を貯えたタンクの導出口)(図示せず)と前記容器22とが配管を介して接続されている。更に、前記原液導出口と前記容器22とを接続する配管には原液弁15が介設されているが、空気溜り16は、前記容器22と配管を介して接続(配設)されており、一次側の原液系に連通している。このように空気溜りを配設した場合であっても、前記同様、逆洗(保持逆洗)を行うことができる。
【0031】
更に、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置として、例えば、図3を参照すると、容器38内には、フィルター(逆洗式フィルター)31及び不透性のフィルター支持部材35が配設されており、これらにより前記容器38内が一次側と二次側に分割されている。このとき、前記容器38内の液面(原液の液面)36は、不透性のフィルター支持部材35の位置にあり、この液面36より上の部分において空気溜り30が一次側の原液系に内設されるように構成されている。このようにして空気溜りが一次側の原液系に内設された場合であっても、前記同様、逆洗(保持逆洗)を行うことができる。
【0032】
前記不透性のフィルター支持部材の材質については、特に制限は無く、金属や樹脂等の液体不透性の材料が選択される。尚、前記不透性のフィルター支持部材の形状及び大きさについても、特に制限は無く、前記フィルターの形状及び大きさ、容器の形状及び大きさ等に応じて適宜選択される。
【0033】
前記空気溜りについては、濾過時においてその内部に液(原液)が流入しないように(溜まらないように)、その開口部(配管との接合部)を下向きとすることが好ましい。また、前記空気溜りが接続される配管については、排出逆洗を行うときに原液が自然流下により、容器に流入し、ドレン排出口から排出されるように、水平にする又は下方向に傾斜させることが好ましい。
【0034】
前記空気溜りの形態については特に制限は無い。例えば、容器の形態を選択することができ、この場合にはその空間が空気で充満されていればよい。一方、袋の形態を選択することもできる。この場合には保持逆洗を行ったときに、空気溜りである袋が原液の流入により膨らむことができればよく、その空間が空気で充満されていなくてもよく、また、濾過時における原液の流入があってもよい。
【0035】
前記空気溜りの材質については、選択される空気溜りの形態に応じて適宜選択される。例えば、容器の形態を選択する場合には、金属や樹脂等の通常容器の材質として用いられる液体不透性の材料を選択すればよい。また、袋の形態を選択する場合には、保持逆洗を行ったときに、空気溜りである袋が原液の流入により膨らむことができる材料が選択され、例えば、ゴム、ポリエチレン等の樹脂材料等が選択される。
【0036】
前記空気溜りの形状については特に制限は無い。
【0037】
前記空気溜りの大きさ(容量)については、特に制限は無いが、好ましくは下記式により定められ、このとき定められた容量又はこれよりも大きい容量が選択される。
【0038】
V2=(1/P1−1/P2)×V1×P0
(尚、式中、V2は逆洗によって二次側の濾過液系から一次側の原液系に流れる液量を、P0は大気圧の絶対圧力を、P1は圧縮された気体を注入する前の空気溜り内の絶対圧力を、P2は圧縮された気体の絶対圧力を、V1は空気溜りの容積(容量)をそれぞれ表す。)
【0039】
前記容器の形状については特に制限は無いが、好ましくは前記容器の下端部を錘状にする。このようにした場合には、前記容器の下端部に沈降した固形物をスムーズに排出することができる。
【0040】
前記容器の大きさについては特に制限は無く、濾過すべき原液の量に応じて、即ち装置の規模に応じて適宜選択される。
【0041】
前記圧縮気体源については、特に制限は無く、一般的な圧縮気体源を用いることができる。例えば、コンプレッサーによって得られる圧縮空気源等を用いることができる。
【0042】
前記圧縮気体注入手段については特に制限は無く、例えば、レギュレータ(減圧弁)等が使用される。尚、前記前記圧縮気体注入手段の配設位置については特に制限は無いが、前記フィルターに作用させることができる範囲内で適宜配設される。
【0043】
前記ドレン排出口については容器に配管を介して接続されていればよく、これを設ける位置については特に制限は無い。好ましくは前記容器の下端部に配管を介して接続される。
【0044】
前記原液弁、前記濾過液弁、前記逆洗弁及び前記ドレン弁の何れの弁についても、特に制限は無い。例えば、ボールバルブ、バタフライバルブ、ピンチバルブ等のバルブが適宜選択され、使用される。
【0045】
前記原液弁、前記濾過液弁、前記逆洗弁及び前記ドレン弁の何れの弁の配設位置についても、特に制限は無い。例えば、前記記載のように原液導出口と前記容器とを接続する配管に前記原液弁を介設し、また、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に前記ドレン弁を介設し、更に、前記容器と前記圧縮気体注入手段とを接続する配管に前記逆洗弁を介設することができる。尚、前記濾過液弁については、前記容器と前記濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設することができるし、前記記載のように前記容器と前記圧縮気体注入手段とを接続する配管に前記濾過液の貯留槽と接続すべく接続された分岐管に介設することもできる。
【0046】
本発明においては、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過、保持逆洗、及び排出逆洗が行われる。
【0047】
本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記濾過が、下記の如く行われる。先ず、濾過対象となる原液を貯えたタンク(原液の貯留槽)(図示せず)内の原液が液体移送手段10により原液を貯えたタンクの導出口(原液導出口)(図示せず)から導出され、原液弁1を通過して、前記容器8(詳しくはフィルター3及び当該容器8で構成されたフィルターモジュール)へ移送される。更に、前記容器8に移送された原液は、同様に前記液体移送手段10でフィルター3を通過させることにより原液中の固形物と、固形物を除去された濾過液とに分離される。即ち、前記固形物は前記フィルター3の表面に堆積し、濾過液は、濾過液弁7を通過して、濾過液を貯えるタンク(濾過液の貯留槽)11に移送される。一方、空気溜り2は、濾過開始前では、空気で満たされているが、濾過が開始されると、濾過圧力により前記空気溜り2内の空気は圧縮され、前記空気溜り2内の体積が減る。その後、前記空気溜り2内の空気圧が濾過圧力と等しくなるために、前記空気溜り2において体積が減った分だけ、原液が前記空気溜り2内に流入する。尚、原液の濾過をするに際して、原液弁1及び濾過液弁5は開いているが、逆洗弁4及びドレン弁9は閉じている。
【0048】
前記濾過圧力については、特に制限は無いが、ゲージ圧力で、好ましくは0.05〜0.5MPa、より好ましくは0.1〜0.3MPaが選択される。
【0049】
尚、前記濾過の時間については特に制限は無いが、通常、3〜30分間濾過が行われ、その後に逆洗が行われる。
【0050】
本発明では、前記保持逆洗又は前記排出逆洗を、前記濾過を行った後毎に行うことができる。
【0051】
本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記保持逆洗が、下記の如く行われる。先ず、液体移送手段10を停止し、原液弁1を閉じる。このとき、容器8内の圧力は、濾過液を貯えるタンク11の導出口(濾過液導出口)側からのヘッド(水頭)差のみとなり、ほぼ大気圧(絶対圧力で0.1MPa(ゲージ圧力で0MPa))となる。この結果、空気溜り2内の空気は膨張し、濾過中に前記空気溜り2内に流入していた原液は、前記空気溜り2外へ排出され、前記空気溜り2内の圧力もほぼ大気圧(絶対圧力で0.1MPa)となる。次いで、濾過液弁7を閉じて、逆洗弁4を開け、逆洗用の圧縮された気体をフィルター3に対して二次側(濾過液側)から注入する(作用させる)。この圧縮された気体の作用により、前記容器8内の濾過液及び原液は加圧され、前記圧縮された気体の圧力と等しくなる。更に、この加圧された原液により前記空気溜り2内の空気が圧縮され(収縮し)、その体積が減少した量だけ原液が前記空気溜り2内に流入する。それゆえ、前記空気溜り2内に流入した原液の量と等しい量の濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部が前記フィルター3を通過して前記フィルター3の二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる。この結果、前記フィルター3の表面に堆積した固形物が前記フィルター3の表面から剥離され、前記フィルター3の目詰まりは解消される。更に、前記フィルター3から剥離した固形物は、自然沈降により、前記容器8の底面に貯えられる。尚、このときドレン弁9は閉じたままである。
【0052】
前記保持逆洗の時間については、特に制限は無く、フィルター表面に堆積した固形物の量等に応じて選択されるが、好ましくは長くとも10秒間、より好ましくは5〜10秒間程度行われる。
【0053】
尚、前記保持逆洗については、前記排出逆洗とこの次に行われる前記排出逆洗との間に少なくとも1回行うことができる。このときの回数については、容器底面に沈降した固形物が容器下部の排出口を閉塞させること無くスムーズに排出されることを限度として、適当な回数が選択される。即ち、ドレン液中の固形物の粒子径や分散性により異なるが、ドレン液の固形物濃度が容器の内部に固形物が残存することなくスムーズに固形物が排出される濃度で維持されるように選択される。好ましくは、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)、より好ましくは10〜20%(容積)となるように回数が定められる。5%(容積)未満では、濾過液の回収率が低くなるため好ましくなく、50%(容積)を超えると、容器内の固形物の排出が完全に行われず、容器内に固形物が残り、ドレン排出口が閉塞するおそれがあるため好ましくない。
【0054】
、本発明の一つの実施形態として、例えば、図1に示す装置では、前記前記排出逆洗について、下記の如く行うことができる。先ず、液体移送手段10を停止し、原液弁1及び濾過液弁7を閉じる。次いで、逆洗弁4を開け、逆洗用の圧縮された気体をフィルター3に対して二次側(濾過液側)から注入した(作用させた)後、ドレン弁9を開ける。この結果、容器8内及び配管内の濾過液が二次側の濾過液系から前記フィルター3を通過して前記フィルター3の一次側の原液系へ流れ、前記フィルター3の表面に堆積した固形物が前記フィルター3の表面から剥離されて、前記フィルター3の目詰まりは解消する。尚、前記フィルター3から剥離した固形物は、原液及び前記容器8の底面に貯えられていた(沈降していた)固形物と共にドレン排出口より排出される。
【0055】
前記排出逆洗の時間については特に制限は無く、フィルター表面に堆積した固形物の量、容器底面に沈降した固形物の量等に応じて選択されるが、好ましくは長くとも30秒間行われる。尚、前記排出逆洗においては、容器内のすべての液(原液及び濾過液)を排出する必要があるため、通常は前記保持逆洗の時間よりも長くなる。
【0056】
尚、前記排出逆洗については、ドレン液の固形物濃度が容器の内部に固形物が残存することなくスムーズに固形物が排出される濃度で維持されるように、好ましくは、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)、より好ましくは10〜20%(容積)となるときに、前記保持逆洗に替えて適宜行うことができ、本発明の目的を阻害しない(濾過液の回収率をほとんど低下させることが無い)範囲で、一又は複数回行うことができる。
【0057】
前記保持逆洗の際に、前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる濾過液又は圧縮された気体の一部を含む濾過液の液量については、前記空気溜りの大きさ(容量)及び前記圧縮された気体の圧力により調節され、このときの値については特に制限は無いが、好ましくは濾過面積1cm2あたり0.5〜1ml程度が選択される。このような液量を選択した場合には、フィルター表面から固形物(粒子層)を十分に剥離、除去すると共に、これを沈降させることができる。一方、前記排出逆洗の際には、前記フィルターの二次側の濾過液、即ち容器内及び配管内の濾過液は前記圧縮された気体の圧力により、二次側の濾過液系から一次側の原液系へ全て流れ、フィルター表面から堆積した固形物(濾滓固体)を十分に剥離、除去し、前記容器内の一次側の原液と共にドレン排出口より排出される。尚、前記排出逆洗の際には、原液が排出された後、圧縮された気体もドレン排出口より排出される。
【0058】
前記記載したように、本発明においては、前記フィルターに作用させるため、前記容器には圧縮された気体が注入され、前記圧縮された気体については、特に制限は無いが、一般には、圧縮空気が選択される。
【0059】
前記保持逆洗及び排出逆洗における圧力、即ちフィルターに作用させるために容器に注入される圧縮された気体の圧力については、特に制限は無いが、何れにおいても、絶対圧力で、好ましくは0.2〜0.6MPa、より好ましくは0.3〜0.4MPa(ゲージ圧力で、好ましくは0.1〜0.5MPa、より好ましくは0.2〜0.3MPa)が選択される。圧力が低い場合には、濾過液がフィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ流れる速度が遅くなり、十分な逆洗の効果が得られない。また、必要以上に高い圧力の場合には、装置において高い耐圧強度が必要とされ、圧縮気体源を得る上でもデメリットを生じる。
【0060】
本発明においては、前記した下記式を満たすように圧縮された気体の絶対圧力P2を定めることが好ましい。
【0061】
V2=(1/P1−1/P2)×V1×P0
尚、式中、V2は逆洗によって二次側の濾過液系から一次側の原液系に流れる液量を、P0は大気圧の絶対圧力を、P1は圧縮された気体を注入する前の空気溜り内の絶対圧力を、P2は圧縮された気体の絶対圧力を、V1は空気溜りの容積をそれぞれ表す。
【0062】
尚、本発明においては、濾過速度の低下や濾過圧力の上昇を検知する手段、タイマー等の計時手段を用いて行われる制御手段等の、公知の又は将来開発される制御手段を選択して使用することができ、このような制御手段を備える装置も本発明に含めることができる。例えば、このような制御手段を備えさせて、前記濾過、前記保持逆洗、及び前記排出逆洗をそれぞれ定期的に行うことができる。
【0063】
本発明において、必要により流量計、圧力計等の公知又は将来開発される測定器(計器類)を選択して使用することができ、このような測定器を備える装置も本発明に含めることができる。
【0064】
(本発明の濾過方法)
本発明の濾過方法は、液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の特定の濾過方法である。この濾過方法は、下記工程を含む:
工程a.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む工程。更に、下記工程を含む:
工程b.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記工程aにおいて剥離された固形物を原液と共に排出するステップ
とを含む工程。
したがって、必要により他の工程を含めることができ、このような工程を含む濾過方法も本発明に含めることができる。尚、本発明については、前記本発明の濾過装置における記載に基づいて容易に実施することができる。
【0065】
(本発明の逆洗方法)
本発明の逆洗方法は、原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む逆洗方法である。尚、本発明については、前記本発明の濾過装置における記載に基づいて容易に実施することができる。
【0066】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明を詳細に説明するが、これらの実施例及び比較例により本発明は何ら制限されるものではない。
【0067】
[実施例1]
図4は、本発明の一実施例に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。この装置を用いて下記方法により濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については48分間行い、逆洗については濾過開始から3分後に、3分間隔で行った。このとき、保持逆洗を濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行った後(濾過開始から30分後)に排出逆洗を1回行い、その後(濾過開始から33分後)、再び3分間隔で保持逆洗を5回行った。
【0068】
(原液の濾過)
下記方法により濾過を行った。尚、濾過対象となる原液として、機械部品洗浄液(固形物(金属粉体(粒子)等)の平均粒子径30μm程度)を選択した。また、機械部品洗浄液の濾過に際しては、原液弁45及び濾過液弁51は開け、逆洗弁48及びドレン弁53は閉じて行った。尚、濾過用のポンプとして、濾過に際して一般的に使用される遠心ポンプを選択して使用した。
【0069】
(1)機械部品洗浄液を貯えたタンク(図示せず)内の機械部品洗浄液を遠心ポンプ54により、機械部品洗浄液の導出口(図示せず)から導出させ、原液弁45を通過させて、濾過圧力としてゲージ圧力で0.2MPaで、容器(寸法 φ2.30×60cm(内径2.30cm、外径2.54cm、長さ60cm)、容積250cm3)52へ移送した。
(2)(1)において容器52に移送された機械部品洗浄液を、フィルター(濾過精度 10μm、寸法 φ15×500mm、濾過面積 235cm2)47により機械部品洗浄液中の固形物と、固形物を除去された濾過液とに分離した。
(3)(2)において分離された濾過液を、濾過液弁51を通過させて、濾過液を貯えるタンク55に移送した。
【0070】
(保持逆洗)
下記方法により保持逆洗を行った。尚、このときドレン弁53は閉じたままにした。また、この逆洗については5秒間行った。
【0071】
(1)遠心ポンプ54を停止し、原液弁45を閉じることにより、容器52内の圧力が、ほぼ大気圧(ゲージ圧力で0MPa)となるようにすると共に、空気溜り(容積 400cm3)46内の空気を膨張させ、濾過中に空気溜り46内に流入していた機械部品洗浄液を、空気溜り46外へ排出させて、空気溜り46内の圧力がほぼ大気圧(ゲージ圧力で0MPa)となるようにした。
(2)フィルター47の表面に堆積した固形物をフィルター47の表面から剥離させるため、濾過液弁51を閉じて、逆洗弁48を開け、逆洗用の圧縮空気を逆洗圧力としてゲージ圧力で0.3MPa(絶対圧力で0.4MPa)でフィルター47に対して二次側(濾過液側)から注入して(作用させて)、容器52内の濾過液及び機械部品洗浄液を加圧し、機械部品洗浄液が空気溜り46内に流入した量と等しい量の濾過液がフィルター47を通過してフィルター47の二次側の濾過液系から一次側の機械部品洗浄液の系へ流れるようにした。
【0072】
(排出逆洗)
下記方法により排出逆洗を行った。尚、この逆洗については10秒間行った。
【0073】
(1)遠心ポンプ54を停止し、原液弁45及び濾過液弁51を閉じた。
(2)逆洗弁42を開け、逆洗用の圧縮空気を逆洗圧力としてゲージ圧力で0.3MPaでフィルター47に対して二次側(濾過液側)から注入した(作用させた)。
(3)ドレン弁53を開けて、フィルター47から剥離した固形物、原液である機械部品洗浄液及び容器52の底面に貯えられていた(沈降していた)固形物をドレン排出口よりドレン排出量550cm3で排出させた。
【0074】
[比較例1]
図5は、比較例に係る濾過装置(従来の濾過装置)を模式的に示した断面図である。この装置を用いて濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については、実施例1において行われる保持逆洗に替えて、空気溜りを使用しないで実施例1において行われる保持逆洗と同一の条件で行われる逆洗を行う以外は、実施例1と同様の方法で行った。
【0075】
[比較例2]
比較例1と同様に、図5に示す装置を用いて濾過及び逆洗を行った。尚、濾過及び逆洗については、逆洗として排出逆洗を濾過開始から3分後に、3分間隔で15回行う以外は、実施例1と同様の方法で行った。
【0076】
[実施例2]
(各種濾過装置の評価)
本発明の一実施例に係る濾過装置(実施例1)と比較例1及び2との濾過速度について評価した。この結果を図6に示す。
【0077】
この結果(図6参照)について、本発明の濾過装置(実施例1)と比較例1とを比較すると、本発明の濾過装置では、濾過速度が約1.0〜3.5L/minの範囲内で維持されているのに対し、比較例1では排出逆洗が行われるまで(濾過開始から30分)の間において徐々に濾過速度が低下していく。一方、本発明の濾過装置(実施例1)と比較例2とを比較すると、濾過速度については、両方とも約1.0〜3.5L/minの範囲内で維持されている。したがって、保持逆洗を行うに際して空気溜りの存在は不可欠であることが分かる。また、保持逆洗と排出逆洗が同等の効果を奏することが分かる。更に、濾過液の回収率については、本発明の濾過装置では98.9%であるのに対し、比較例2では89.2%であり、本発明の濾過装置では、濾過液の回収率をほとんど低下させることが無いことが分かる。
【0078】
以上から、本発明によれば、液体の濾過において、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消すると共に、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができることが分かる。
【0079】
【発明の効果】
本発明により、液体の濾過において、特に除去する対象となる固形物が、粒子径0.5mm以下の微細な粒子である場合でも、濾過液の回収率をほとんど低下させることなく、フィルター表面に堆積した固形物を剥離させてフィルターの閉塞(目詰まり)を解消すると共に、高い濾過速度で安定して、液体を簡便に濾過することができる装置、及び方法を提供することができる。したがって、本発明は工業的に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。原液弁1と容器8との間に、一次側の原液系に連通し、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器8(系)の内圧とバランスを保つための空気溜り2が備えられている。
【図2】図2は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。空気溜り16が容器22と配管を介して接続(配設)されている。
【図3】図3は、本発明の一つの実施形態に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。容器38内に不透性のフィルター支持部材35を配設し、容器38内の液面(原液の液面)36を不透性のフィルター支持部材35の位置にさせることにより、この液面36より上の部分において空気溜り30が構成されている。
【図4】図4は、本発明の一実施例に係る濾過装置を模式的に示した断面図である。原液弁45と容器52との間に、空気溜り46が備えられている。
【図5】図5は、比較例に係る濾過装置(従来の濾過装置)を模式的に示した断面図である。
【図6】図6は、本発明の一実施例に係る濾過装置(実施例1)と比較例に係る濾過装置におけるフィルターの濾過速度の変化を示した図である。実施例1においては、保持逆洗が濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行われた後(濾過開始から30分後)に排出逆洗が1回行われ、その後(濾過開始から33分後)、再び保持逆洗が3分間隔で5回行われている。また、比較例1においては、空気溜りを使用しないで実施例1において行われる保持逆洗と同一の条件で行われる逆洗(保持逆洗に類似した逆洗)が濾過開始から3分後に、3分間隔で9回行われた後(濾過開始から30分後)に排出逆洗が1回行われ、その後(濾過開始から33分後)、再び保持逆洗に類似した逆洗が3分間隔で5回行われている。更に、比較例2においては、排出逆洗が濾過開始から3分後に、3分間隔で15回行われている。
【符号の説明】
1、15、29、45、59.原液弁
2、16、30、46.空気溜り
3、17、31、47、60.フィルター
4、18、32、48、61.逆洗弁
5、19、33、49、62.圧縮気体注入手段
6、20、34、50、63.圧縮気体源
7、21、37、51、64.濾過液弁
8、22、38、52、65.容器
9、23、39、53、66.ドレン弁
10、24、40、54、67.液体移送手段
11、25、41、55、68.濾過液の貯留槽
12、26、42、56、69.原液導出方向
13、27、43、57、70.圧縮された気体の注入方向
14、28、44、58、71.ドレン(原液及び固形物)排出方向
35.フィルター支持部材
36.液面(原液の液面)
Claims (9)
- 液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過装置であって、
液体を濾過するためのフィルターと、
前記フィルターが配設される容器と、
原液を前記容器に移送し、前記フィルターに通過させると共に、これを濾過して得られた濾過液を移送する液体移送手段と、
一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が容器の内圧とバランスを保つための空気溜りと、
圧縮された気体を前記容器に注入する手段と、
原液導出口と前記容器とを接続する配管に介設される原液弁と、
前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、
前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、
前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁と
を備えることを特徴とする濾過装置。 - 前記圧縮された気体が、圧縮空気である請求項1に記載の装置。
- 前記圧縮空気の圧力が、絶対圧力で、0.2〜0.6MPaである請求項2に記載の装置。
- 液体中の固形物をフィルターによって除去する液体の濾過方法であって、下記工程を含むことを特徴とする濾過方法:
a.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含む工程、及び
b.原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することにより、二次側の濾過液系から前記フィルターの一次側の原液系へ濾過液を流して、前記フィルターを通過させ、前記フィルターの表面に堆積した固形物を剥離すると共に、前記固形物及び前記工程aにおいて剥離された固形物を原液と共に排出するステップ
とを含む工程。 - 前記工程a又はbは、濾過を行った後毎に行われ、前記工程aは、前記工程bとこの次に行われる前記工程bとの間に少なくとも1回行われる請求項4に記載の方法。
- 前記工程bは、排出されるドレン液の固形物濃度が5〜50%(容積)となるときに、前記工程aに替えて行われる請求項4又は5に記載の方法。
- 前記圧縮された気体が、圧縮空気である請求項4〜6の何れか1項に記載の方法。
- 前記圧縮空気の圧力が、絶対圧力で、0.2〜0.6MPaである請求項7に記載の方法。
- 原液導出口と容器とを接続する配管に介設される原液弁と、前記容器とドレン排出口とを接続する配管に介設されるドレン弁と、前記容器と濾過液の貯留槽とを接続する配管に介設される濾過液弁を閉じ、前記容器と前記圧縮された気体を前記容器に注入する手段とを接続する配管に介設される逆洗弁を開けるステップと、
フィルターに前記圧縮された気体を作用させて前記容器内を加圧することによって、一次側の原液系に連通し又は内設され、空間が空気で充満され、内部の圧力が前記容器の内圧とバランスを保つための空気溜りを加圧しつつ、原液を前記空気溜りに流入させると共に、前記フィルターを通過させるべく前記フィルターの二次側の濾過液系から一次側の原液系へ濾過液又は濾過液及び圧縮された気体の一部を流して前記フィルター表面に堆積した固形物を剥離するステップ
とを含むことを特徴とする逆洗方法。
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JP2003184992A JP2005013940A (ja) | 2003-06-27 | 2003-06-27 | 濾過装置及び濾過方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007038205A (ja) * | 2005-06-28 | 2007-02-15 | Yamada Tetsuzo | 濾過装置 |
JP2016501129A (ja) * | 2012-12-18 | 2016-01-18 | エヌ. ヴイ. ピーダブリューエヌ ウォーターライディングベドライフ ノールト‐ホランドN.V. Pwn Waterleidingbedrijf Noord−Holland | フィルタ装置およびフィルタ要素を洗浄する方法 |
CN107970657A (zh) * | 2018-01-24 | 2018-05-01 | 山东三禾环保节能科技有限公司 | 水自动除尘过滤器 |
JP2020006281A (ja) * | 2018-07-03 | 2020-01-16 | 清水建設株式会社 | ろ過装置及びろ過方法 |
CN115282667A (zh) * | 2022-06-27 | 2022-11-04 | 湖南金凯循环科技有限公司 | 一种过滤镍钴锰酸溶液中细微颗粒的精密过滤器 |
-
2003
- 2003-06-27 JP JP2003184992A patent/JP2005013940A/ja active Pending
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