JP2709026B2 - 膜分離装置及びその洗浄方法 - Google Patents

膜分離装置及びその洗浄方法

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JP2709026B2
JP2709026B2 JP6045480A JP4548094A JP2709026B2 JP 2709026 B2 JP2709026 B2 JP 2709026B2 JP 6045480 A JP6045480 A JP 6045480A JP 4548094 A JP4548094 A JP 4548094A JP 2709026 B2 JP2709026 B2 JP 2709026B2
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均 米川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固液分離を目的とする
膜分離装置及びその洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】セラミック膜装置を用いて全量ろ過方式
で膜ろ過を行う場合、膜面上に堆積した付着物を除去す
るために逆洗操作を行うが、この逆洗を行うには膜のろ
過水側から逆圧を加えて膜ろ過水を逆流させ、膜面から
付着物を剥離させるとともに、剥離物を系外に排出する
必要がある。剥離物を系外に排出させる方法としては、
膜面に対して平行に原水等のリンス水を流し、剥離物を
洗い流す方式が一般的である。この剥離物排出の工程を
リンス工程と呼ぶものとすると、このリンス工程の効果
は膜面上を流れるリンス水の線速度が大きくなるほど顕
著となる。このため、従来は図3に示すように膜モジュ
ール1の上方に高架水槽21を設けてリンス水を重力によ
り自然流下させたり、図4に示すように大容量ポンプ22
により原水槽23内の水を膜モジュール1に高速で流すよ
うな工夫がなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところがセラミック膜
の濾過運転時間に比較して逆洗のための時間はごくわず
かであるから、これらのリンス用の大型設備の可動率は
極めて少なく、設備面での無駄が大きかった。また高架
水槽21からの自然流下も大容量ポンプ22による送水も、
所定の流速に達するまでに時間を要するうえ、比較的低
い流速しか得られないためにリンス時間をかなり長く取
る必要があった。その結果、多量のリンス水を必要と
し、水回収率が低下し、かつ逆洗排水量が多いために排
水処理工程の負荷が多くなるという問題もあった。
【0004】本発明は上記した従来の逆洗方法の問題点
を解決して、大型の設備や多量のリンス水を必要とする
ことなく、膜面からの剥離物を確実に系外に排出するこ
とができる膜分離装置とその逆洗方法を提供するために
なされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明の膜分離装置は、その内部に鉛直方
向に配置した管状の親水性のセラミック膜と、下端に設
けられた原水供給口と、前記親水性のセラミック膜を透
過したろ過水を排出するろ過水排出口とを備え、かつ鉛
直方向に配設された膜モジュールからなる膜分離装置で
あって、その膜モジュールの原水側上端には下方に向う
膨張気流を発生させるための圧縮ガス供給口を、その膜
モジュールの原水側下端には逆洗排水排出口を設けた
とを特徴とするものである。
【0006】また本発明の膜分離装置の逆洗方法は、上
記の膜分離装置の親水性のセラミック膜を逆洗するに際
し、ろ過を停止し、ろ過により得られたろ過水を加圧し
て親水性のセラミック膜のろ過水側から逆流させること
により付着物を親水性のセラミック膜から剥離させる工
程と、膜モジュールの原水側上端に設けられた圧縮ガス
供給口から圧縮ガスを供給し、下方に向う膨張気流を発
生させることによって、膜モジュール内に残留している
保持水とともに、剥離された付着物を膜モジュールの下
端に設けられた逆洗排水排出口から排出する工程とを行
ことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明によれば、膜モジュールの原水側の上部
の圧縮ガス供給口から圧縮ガスを導入することにより、
圧縮ガスが膜モジュールの内部で瞬間的に下方に向かっ
膨張し、膜モジュールの上部配管の原水や膜モジュー
ル内の保持水を膜面に沿って高速で流下させ、膜面から
の剥離物を系外に排出する。このため膜表面を流れるリ
ンス水の線速度を瞬間的に高めることができ、多量のリ
ンス水を使用しなくても高いリンス効果を得ることがで
きる。しかも圧縮ガスの配管は従来のリンス水の配管に
比較して気体と液体との粘性係数の差から非常にコンパ
クトにすることができる利点がある。
【0008】
【実施例】以下に本発明を図示の実施例によって更に詳
細に説明する。図1において、1は鉛直方向に設けられ
た膜モジュールであり、その内部にモノリス型の親水性
セラミック膜2が鉛直方向に収納されている。実施例の
親水性セラミック膜2はアルミナ製のものである。3aは
膜モジュール1の下端に設けられた原水供給口であり、
ろ過運転時には原水供給バルブ3からの原水がこの原水
供給口3aを通じて膜モジュール1に供給され、ろ過水は
ろ過水排出口4aからろ過水バルブ4を通じて取り出され
ている。
【0009】膜モジュール1とろ過水バルブ4との中間
に、逆洗用加圧タンク5が設けられている。この逆洗用
加圧タンク5には高圧ガス供給バルブ6と放圧バルブ7
とが設けられている。また膜モジュール1の下端には逆
洗排水排出バルブ9を備えた逆洗排水排出口9aが設けら
れている。更に膜モジュール1の原水側上部には、圧縮
ガス供給口10aが設けられており、圧縮ガス供給バルブ
10を介して圧縮空気や圧縮窒素等の圧縮ガスが供給され
るようになっている。このような親水性セラミック膜2
の膜表面の付着物が増加して逆洗を必要とするに到った
ときには、次のようにして逆洗を行う。
【0010】まずろ過を停止し、逆洗用加圧タンク5に
高圧ガス供給バルブ6から圧縮ガスを供給してろ過水及
び親水性セラミック膜2に逆圧をかける。その結果、逆
洗用加圧タンク5内のろ過水が親水性セラミック膜2を
逆流すると同時に、膜面の付着物が剥離する。なお、こ
のときには逆洗排水排出口9aの逆洗排水排出バルブ9を
開いておくものとする。これに続いて、圧縮ガス供給バ
ルブ10を開いて圧縮ガス供給口10aから膜モジュール1
の上部に圧縮空気を導入する。すると膜モジュール1内
の保持水が前記圧縮空気の下方に向かう膨張気流によっ
親水性セラミック膜2の膜表面に沿って瞬間的に高速
で流れ、逆洗排水バルブ9から剥離物を系外に排出す
る。
【0011】なお、膜モジュール1及びこれに接続され
る配管の内容積を計算しておき、これに応じた圧力及び
量の圧縮ガスを導入するようにすれば、必要最小限のリ
ンス水及び圧縮ガスによってリンス工程を完了させるこ
とができる。また膜モジュール1内の保持水が押し出さ
れた後に、引き続いて圧縮ガスが膜表面に沿って流れる
ことがあるが、本発明では親水性セラミック膜2を使用
しているためにセラミック膜の内部にガスが侵入するこ
とがなく、ろ過を再開した際にトラブルが生ずることが
ない。
【0012】図2は上記した本発明の逆洗方法と、従来
の逆洗方法における膜表面のリンス水の流速を比較して
示したグラフである。このグラフから、本発明の逆洗方
法によれば瞬間的にリンス水の流速が立ち上がり、短時
間でリンスを完了できることが分かる。またポンプ方式
と比較して、リンス水量を40%削減できることが確認さ
れた。
【0013】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明は膜モジ
ュールの原水側の上部に圧縮ガスを導入することにより
膜モジュール内の保持水を膜表面に沿って高速で流し、
剥離物を系外に排出するようにしたので、次の通りの優
れた作用効果を発揮することができる。 圧縮ガスを導入することにより瞬間的に膜表面のリ
ンス水の流速を高めることができるので、従来法とは異
なり流速が高まるまでのリンス水の無駄がなく、かつ高
い流速が得られるために短時間で効果的なリンスを行う
ことができる。更にリンス水量も軽減できるため、水回
収率が高まり、逆洗排水処理の負担を軽減できる利点も
ある。 圧縮ガスの配管は従来のリンス水の配管に比較して
非常にコンパクトとなり、例えば従来80Aの配管が必
要であったのに対して空気配管は10〜15Aで済むよ
うになり、装置がコンパクトになる。 従来の逆洗で必要であったリンス様のポンフや高架
水槽の設備が省け、設備的にも経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す配管系統図である。
【図2】本発明と従来法におけるリンス水の流速変化を
示すグラフである。
【図3】従来法を示す概略的な正面図である。
【図4】他の従来法を示す概略的な正面図である。
【符号の説明】
1 膜モジュール、2 親水性セラミック膜、3 原水
供給バルブ、3a 原水供給口、4 ろ過水バルブ、4a
ろ過水排出口、5 逆洗用加圧タンク、6 高圧ガス供
給バルブ、7 放圧バルブ、9 逆洗排水排出バルブ、
9a 逆洗排水排出口、10 圧縮ガス供給バルブ、10a 圧
縮ガス供給口。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 その内部に鉛直方向に配置した管状の親
    水性のセラミック膜と、下端に設けられた原水供給口
    、前記親水性のセラミック膜を透過したろ過水を排出
    するろ過水排出口とを備え、かつ鉛直方向に配設された
    膜モジュールからなる膜分離装置であって、その膜モジ
    ュールの原水側上端には下方に向う膨張気流を発生させ
    るための圧縮ガス供給口を、その膜モジュールの原水側
    下端には逆洗排水排出口を設けたことを特徴とする膜分
    離装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の膜分離装置の親水性の
    セラミック膜を逆洗するに際し、ろ過を停止し、ろ過に
    より得られたろ過水を加圧して親水性のセラミック膜の
    ろ過水側から逆流させることにより付着物を親水性のセ
    ラミック膜から剥離させる工程と、膜モジュールの原水
    上端に設けられた圧縮ガス供給口から圧縮ガスを供給
    し、下方に向う膨張気流を発生させることによって、膜
    モジュール内に残留している保持水とともに、剥離され
    た付着物を膜モジュールの下端に設けられた逆洗排水排
    出口から排出する工程とを行うことを特徴とする膜分離
    装置の逆洗方法。
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