JP2005012233A - Iii族窒化物膜の製造方法 - Google Patents

Iii族窒化物膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005012233A
JP2005012233A JP2004223539A JP2004223539A JP2005012233A JP 2005012233 A JP2005012233 A JP 2005012233A JP 2004223539 A JP2004223539 A JP 2004223539A JP 2004223539 A JP2004223539 A JP 2004223539A JP 2005012233 A JP2005012233 A JP 2005012233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nitride
nitride film
film
island
group iii
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004223539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4170269B2 (ja
Inventor
Tomohiko Shibata
智彦 柴田
Shigeaki Sumiya
茂明 角谷
Keiichiro Asai
圭一郎 浅井
Mitsuhiro Tanaka
光浩 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2004223539A priority Critical patent/JP4170269B2/ja
Publication of JP2005012233A publication Critical patent/JP2005012233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4170269B2 publication Critical patent/JP4170269B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】低転位のIII族窒化物膜を簡易に製造する方法を提供する。
【解決手段】第1のAl含有窒化物からなる基材1上に、第2の窒化物からなる互いに孤立した複数の島状結晶部2−1〜2−4を形成する。そして、この島状結晶部2−1〜2−4を核としてエピタキシャル成長させることにより、前記第2の窒化物と異なる第3の窒化物から窒化物膜3を製造する。
【選択図】図2

Description

本発明は、III族窒化物膜の製造方法、詳しくは、発光ダイオード素子などの半導体発光素子又は高速ICチップなどの半導体素子を構成する下地膜として好適に用いることのできる、III族窒化物膜の製造方法に関する。
III族窒化物膜は、発光ダイオード素子などの半導体発光素子を構成する半導体膜として用いられており、近年においては、携帯電話などに用いられる高速ICチップなどの半導体素子を構成する半導体膜としても注目を浴びている。
上記のようなIII族窒化物膜は、通常MOCVD法によって形成される。具体的には、前記III族窒化物膜を形成すべき基板を、所定の反応管内に設けられたサセプタ上に設置させるとともに、このサセプタ内あるいはサセプタ外に設置された加熱機構に埋め込まれたヒータによって1000℃以上にまで加熱する。そして、前記反応管内に所定の原料ガスをキャリアガスとともに導入し、前記基板上に供給する。
すると、前記基板上で熱化学反応が生じて、前記各原料ガスは構成元素に分解されるとともに、これら構成元素同士が互いに反応し、目的とするIII族窒化物膜が前記基板上に堆積されて製造されるものである。
しかしながら、III族窒化物膜の成分組成が変化すると、その格子定数が比較的大きく変化する。このため、基板を構成する材料の格子定数との差が大きくなって、基板との界面にミスフィット転位が比較的多量に形成されてしまう場合がある。
このような状態において前記III族窒化物膜のエピタキシャル成長を実施すると、前記ミスフィット転位の伝搬により膜中に約〜1010/cmオーダの密度で、多量の転位が生成されてしまう場合が生じる。その結果、前記III族窒化物膜の結晶性が劣化し、電気的及び光学的な特性をも劣化させてしまうという問題があった。
かかる問題を回避すべく、基板上にSiOなどからなるストリップ状のマスクを形成し、このマスク上にIII族窒化物膜を横方向エピタキシャル成長させることが試みられている。この方法によれば、基板との界面で発生したミスフィット転位は、前記マスク面上において基板と平行な横方向にのみ伝搬され、基板と垂直な縦方向へは伝搬されないので、前記マスクの、ストリップ状の部分間において低転位のIII族窒化物膜を形成することができるものである。
しかしながら、この方法はSiOマスクを作製する際において、エッチングを含むフォトリソグラフィ工程を必要とするため、III族窒化物膜の製造時の工程が増加して複雑になるという問題があった。
本発明は、低転位のIII族窒化物膜を簡易に製造する方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
CVD法により、III族窒化物膜を製造する方法であって、第1のAl含有窒化物からなる基材上に、第2の窒化物からなる互いに孤立した複数の島状結晶部を形成し、この島状結晶部を核としてエピタキシャル成長させることにより、前記第2の窒化物と異なる第3の窒化物から窒化物膜を製造することを特徴とする、窒化物膜の製造方法に関する。
本発明において、上記「基材」という文言は、第1のAl含有窒化物からなる基板の他に、第1のAl含有窒化物からなる所定の下地膜をも含むものである。
本発明者らは、上記のようなSiOマスクを用いることなく、簡易な工程により低転位のIII族窒化物膜を形成すべく、鋭意検討を行った。
図1〜3は、本発明の製造方法を説明するための概念図である。
最初に、目的とするIII族窒化物膜を形成すべき、第1のAl含有窒化物からなる基材1上に、第2の窒化物からなる複数の島状結晶部2−1〜2−4を形成する。そして、図2に示すように、島状結晶部2−1〜2−4をエピタキシャル成長の核として、これら島状結晶部より前記第2の窒化物と異なる第3の窒化物からなるIII族窒化物膜3Aをエピタキシャル成長させ、図3に示すように、目的とするIII族窒化物膜3を得るものである。
すなわち、基材1上に形成された島状結晶部2−1〜2−4は、その大きさが微細であり、初期成長段階においては、初期核を中心に三次元成長するため、基材1の貫通転位の方向を横方向へ曲げる役割を持つ。したがって、基材1中に比較的多量の貫通転位が存在している場合においても、島状結晶部2−1〜2−4において、基板面垂直方向に伝搬する貫通転位は大幅に減少する。
このため、このような島状結晶部2−1〜2−4をエピタキシャル成長の核とし、これらの島状結晶部からエピタキシャル成長させて、前記島状結晶部と異なる窒化物からなるIII族窒化物膜を作製することにより、島状結晶部2−1〜2−4の低転位の性質を受け継いで、極めて低転位のIII族窒化物膜3を形成することができる。
また、これらの島状結晶部上に成長したIII族窒化物膜の初期成長過程においては、横方向成長が促進されるため、初期成長過程における低転位化がさらに促進される。
このような傾向は、上記基材又は下地膜1の(002)X線ロッキングカーブの半値幅が90秒以下の場合、より顕著となる。
なお、上記島状結晶部は、CVD法などにおいて成膜条件を適宜制御することによって作製することができるが、その成長原理としては以下の3つが考えられる。
第1の原理としては、基材を構成する第1のAl含有窒化物と島状結晶部を構成する第2の窒化物との格子定数差に起因するものである。すなわち、第1のAl含有窒化物と比較して第2の窒化物の格子定数が大きい場合において、前記第1のAl含有窒化物から構成される基材上に、前記第2の窒化物から構成される膜を作製しようとすると、その膜はSKモードに従って成長する。その結果、実際には第2の窒化物は一様な膜として成長せずに、所定の核を中心として3次元成長し、最終的に島状の結晶部が得られるものである。
第2の原理としては、第1のAl含有窒化物から構成される基材主面の酸化に起因するものである。すなわち、前記基材の主面が酸化されて部分的に酸化膜が形成されている場合において、前記基材上に第2の窒化物から構成される膜を作製しようとすると、前記第2の窒化物は、前記基材主面の、酸化膜が形成されている部分を除いた窒化物の露出部分において選択的に堆積し、凝集するようになる。その結果、第2の窒化物は一様な膜として成長せずに、前記露出した窒化物部分を核として3次元成長し、その結果、島状の結晶部が得られるものである。
第3の原理としては、組成ゆらぎに起因した凝集によるものである。すなわち、基材を構成する第1のAl含有窒化物は、その構成元素が基材中において均一に分布しているものではなく、ある程度の偏りを持って分布しており完全に均一な状態とはなっていない。したがって、このような基材上に、第2の窒化物から構成される膜を作製しようとすると、前記第2の窒化物中の構成元素は、基材中の組成分布に応じて選択的に堆積し、凝集するようになる。その結果、第2の窒化物は一様な膜として成長せずに、部分的に凝集して3次元成長した島状の結晶部として構成されるものである。
また、上述したように、第3の窒化物からなる窒化物膜は島状結晶部を核としてエピタキシャル成長するが、図2からも明らかなように、前記窒化物膜は、前記島状結晶部のみを中心としてエピタキシャル成長するものではなく、ある程度の割合で基材上にも直接的に成長し、膜形成に寄与するものである。
さらに、第3の窒化物から構成される窒化物膜は、単層の場合のみならず、ひずみ超格子などの複数の窒化物層が積層された多層膜構造をも含むものである。さらには、厚さ方向に組成が連続的又はステップ状に傾斜した組成傾斜膜などをも含む。
上記製造方法によって得たIII族窒化物膜は、特に、高速ICチップなどの半導体素子、あるいは発光ダイオード素子などを構成する半導体膜として用いることができる。その結果、半導体発光素子の発光効率や半導体素子の高速応答性などが著しく改善される。
以上説明したように、本発明によれば、MOCVD法などを用いた簡易な方法によって、低転位で結晶性に優れたIII族窒化物膜を形成することができる。したがって、前記III族窒化物膜から半導体素子を構成することによって、素子全体の結晶性を改善し、良好な素子特性を付与できるようになる。
発明の実施するための最良の形態
以下、本発明を、発明の実施の形態に基づいて詳細に説明する。
本発明においては、第1のAl含有窒化物からなる基材上に、第2の窒化物からなる互いに独立した複数の島状結晶部を形成することが必要である。この島状結晶部の大きさについて、これを核として目的とする第3の窒化物からなる窒化物膜を製造することができれば特には限定されない。
しかしながら、前記島状結晶部の上面の平均面積は大きいほど好ましく、実用的には100μm程度である。また、前記島状結晶部の上面の平均面積の下限は0.0001μmであることが好ましく、さらには1μmであることが好ましい。これによって、目的とする低転位の窒化物膜を比較的短時間で効率よく作製することができる。
なお、目的とするIII族窒化物膜のエピタキシャル成長条件は、前記基材を構成する前記第1のAl含有窒化物の種類、前記島状結晶部を構成する前記第2の窒化物の種類、及び前記窒化物膜を構成する前記第3の窒化物の種類、並びに島状結晶部の大きさなどに依存して適宜に選択する。
また、前記第2の窒化物及び前記第3の窒化物は互いに異なることが必要である。また、前記第1のAl含有窒化物は、前記第2の窒化物又は前記第3の窒化物と同じ材料及び組成の窒化物から構成しても良い。
また、本発明において、前記島状結晶部を構成する第2の窒化物のAl組成が、前記基材を構成する第1のAl含有窒化物のAl組成よりも大きいことが好ましい。これにより、CVD法などによって、前記第2の窒化物からなる薄膜を比較的薄く形成しようとした場合において、この薄膜に対し、前記基材から圧縮応力が作用するようになる。したがって、前記薄膜は一様な膜を形成することなくSKモードに従って成長し、前記圧縮応力によって分断され、上述したような島状を呈するようになる。
結果として、第1のAl含有窒化物及び第2の窒化物を適宜に選択するのみで、目的とする島状結晶部を従来のCVD法のみで簡易に形成することができるものである。
具体的には、前記第2の窒化物がAlx1Gax2Inx3N(x1+x2+x3=1,x1,x2,x3≧0)なる組成を有するとともに、前記第1のAl含有窒化物はAly1Gay2Iny3N(y1+y2+y3=1,y1>0,y2,y3≧0)なる組成を有する場合においては、前記第2の窒化物のAl組成x1と前記第1のAl含有窒化物のAl組成y1とが、x1≦y1−0.1なる関係を満たすことが好ましい。これによって、目的とするIII族窒化物膜中の転位密度を1010/cm以下にまで低減することができる。
さらに、x1≦y1−0.5なる関係を満足することによって、目的とするIII族窒化物膜の転位密度を10/cm以下、さらには10/cm以下にまで簡易に低減することができる。
なお、上述した組成は、第2の窒化物から構成される島状結晶部中、及び第1のAl含有窒化物から構成される基材中の平均的な組成を意味し、特に、前記基材中においてはその厚さ方向において連続的あるいはステップ状に変化していても良い。また、ひずみ超格子などの形態で、組成が周期的に変化するように構成されていても良い。
第1の窒化物〜第3の窒化物は、必要に応じてGe、Si、Mg、Zn、Be、P、及びBなどの添加元素を含むことができる。また、意識的に添加した元素に限らず、成膜条件、原料、及び反応管材質に含まれる微量不純物O又はCを含むこともできる。
さらに、基材を構成する第1のAl含有窒化物は、(002)X線ロッキングカーブにおける半値幅が90秒以下、さらには50秒以下であることが好ましい。これによって、第3の窒化物からなる窒化物膜中の低転位化をさらに促進することができる。また、同様の観点から、前記基材の表面粗さRaは2Å以下であることが好ましい。
上記基材が下地膜を意味する場合、この下地膜を支持するための下地基材としては、サファイア単結晶、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgAl単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶などのIV族あるいはIV−IV族単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶、及びAlGaN単結晶などのIII−V族単結晶、ZrBなどのホウ化物単結晶などの、公知の基板材料から構成することができる。
さらに、上述した単結晶からなる下地基材上に、ZnO単結晶、MgO単結晶などの酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶などのIV族あるいはIV−IV族単結晶、GaAs単結晶、InP単結晶などのIII−V族単結晶、あるいはこれらの混晶からなるエピタキシャル成長膜を具えるエピタキシャル基板を用いることもできる。
特にサファイア単結晶を用いる場合について、すなわち、基材を直接的にサファイア単結晶から構成する場合、又はサファイア単結晶から下地基材を構成し、この下地基材上にエピタキシャル膜を形成してエピタキシャル基板を作製し、これを基材として用いる場合、前記サファイア単結晶基材などの主面に対して表面窒化処理を施すことが好ましい。
前記表面窒化処理は、前記サファイア単結晶基材をアンモニアなどの窒素含有雰囲気中に配置し、所定時間加熱することによって実施する。そして、窒素濃度や窒化温度、窒化時間を適宜に制御することによって、前記主面に形成される窒化層の厚さを制御する。
前述したように、第3の窒化物からなる窒化物膜は、ある程度の割合で基材上に直接的に形成されるので、このようにして表面窒化層が形成されたサファイア単結晶を基材として用いることにより、前記窒化物の結晶性をさらに向上させることができる。但し、このような表面窒化処理を行なわくとも、本発明の目的を十分に発揮することができる。
図4は、上述した本発明の製造方法に従って製造したIII族窒化物膜を具える半導体発光素子の一例を示す断面図である。
図4に示す半導体発光素子10は、基板11と、例えばAlNからなる下地層12と、例えば、n−AlGaNからなる第1の導電層13とを含む。さらに、第1の導電層13上において、例えば、n−AlGaNからなる第1のクラッド層14と、この第1のクラッド層14上に形成された、例えば、i−AlGaNからなる発光層15と、この発光層15上に形成された、例えば、p−AlGaNからなる第2のクラッド層16と、この第2のクラッド層16上に形成された、例えば、p−AlGaNからなる第2の導電層17を具えている。
第1の導電層13の一部は露出しており、この露出した表面には、例えば、Al/Tiなる構成のn−電極18が形成されている。そして、第2の導電層17上には、例えば、Au/Niなる構成のp−電極19が形成されている。
図4に示す半導体発光素子10において、例えば、基板11を本発明における基材と見做し、この基板11上に上述したような島状結晶部を形成した後、この島状結晶部を核としてエピタキシャル成長させることにより、下地層12を形成する。すると、本発明に従って、下地層12中の転位は著しく低減され、その結果、下地層12の結晶性を向上させることができる。したがって、下地層12上に形成された、第1の導電層13などの結晶性も改善されるため、半導体発光素子10の発光効率を向上させることができる。
なお、この場合においては、基板11と、この基板上に形成された島状結晶部とによって、本発明のエピタキシャル成長用基板が構成される。
また、例えば、下地層12を新たに本発明の基材と見做し、この下地層12上に上述したような島状結晶部を形成した後、この島状結晶部を核としてエピタキシャル成長させることにより、第1の導電層13を形成する。本発明に従って、第1の導電層13中の転位は著しく低減され、その結果、第1の導電層の結晶性を向上させることができる。したがって、第1の導電層13上に形成された、第1のクラッド層14などの結晶性も改善されるため、この場合においても、半導体発光素子10の発光効率を向上させることができる。
なお、下地層や、導電層、及びクラッド層などは公知のMOCVD法における公知の成膜条件に従って作製することができる。但し、島状結晶部よりエピタキシャル成長させて、例えば、上述したように、下地層12又は第1の導電層13を形成する場合は、前記島状結晶部の大きさなどを考慮して、成膜条件を適宜に調節する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
(実施例1)
C面サファイア単結晶から下地基材を構成し、これを石英製の反応管内に設置されたサセプタ上に載置した後、吸引固定した。次いで、前記サセプタ内のヒータにより、前記下地基材をその表面温度が1200℃になるまで加熱した。次いで、反応管内にアンモニアガス(NH)を導入し、5分保持した。
次いで、Al供給原料としてトリメチルアルミニウム(TMA)、窒素供給原料としてNHを用い、これら原料ガスを水素キャリアガスとともに、TMA/NH=0.5sccm/350sccmとなるようにして前記反応管内に導入するとともに、前記下地基材上に供給した。そして、60分間エピタキシャル成長させることによって、AlN膜を厚さ1μmに形成し、前記サファイア単結晶下地基材及び前記AlNエピタキシャル膜から構成される基材を得た。なお、前記AlNエピタキシャル膜の結晶性を評価したところ、50秒のX線ロッキングカーブ半値幅が得られた。
次いで、基材の表面温度を1070℃に設定し、Ga供給原料としてトリメチルガリウム(TMG)を追加導入し、前記原料供給ガスの流量比をTMA/TMG/NH=0.1sccm/0.9sccm/3000sccmとなるようにして、前記AlNエピタキシャル膜上に供給することにより、上面の平均面積が1μmである、Al0.1Ga0.9Nからなる島状結晶部を複数形成した。
次いで、基材の表面温度を1200℃に変更して、前記島状結晶部を核とし、前記原料供給ガスの流量比をTMA/TMG/NH=0.95sccm/0.05sccm/350sccmとなるように供給してエピタキシャル成長させ、Al0.95Ga0.05N膜を厚さ1μmに形成した。このAl0.95Ga0.05N膜の転位密度をTEM観察して測定したところ、1×10/cmであった。
(実施例2)
前記下地基材温度をその表面温度が900℃となるように加熱してAlNエピタキシャル膜を作製した以外は、実施例1と同様にして島状結晶部を作製し、Al0.95Ga0.05N膜を作製した。前記Al0.95Ga0.05N膜の結晶性をX線回折によって調べたところ、約300秒のロッキングカーブ半値幅が得られた。また前記Al0.95Ga0.05N膜の転位密度をTEM観察によって測定したところ、8×10/cmであった。
(比較例)
島状結晶部を形成しなかった以外は、実施例と同様にしてAl0.95Ga0.05N膜を作製した。このAl0.95Ga0.05N膜の転位密度をTEM観察によって測定したところ、5×1010/cmであった。
以上、実施例及び比較例から明らかなように、本発明の製造方法に従って作製したIII族窒化物膜は、転位密度が1010/cm以下まで低減されるとともに、良好な結晶性を有することが分かる。
したがって、本発明の製造方法により作製したIII族窒化物膜から半導体発光素子などを構成することによって、その発光効率を向上させることができる。同様に、上記III族窒化物膜から高速ICチップなどの半導体素子を構成することによって、その応答特性を良好なものとすることができる。
以上、具体例を挙げながら、発明の実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記発明の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない範囲であらゆる変更や変形が可能である。
例えば、上記実施例においては、基材上に島状結晶部を形成する工程と、この島状結晶部を核として窒化物膜をエピタキシャル成長させる工程とを同じ装置を用いて実施しているが、異なる装置を用いることもできる。さらに、上記実施例などにおいては、基材上に直接島状結晶部を成長させる場合について述べているが、前記基材上において、温度、流量、圧力、原料供給量、及び添加ガス量などの成膜条件を適宜制御することによって、バッファ層又はひずみ超格子などの多層膜構造を形成し、このバッファ層などを介して島状結晶部を作製することもできる。
本発明のIII族窒化物膜の製造方法を説明するための概念図である。 同じく、本発明のIII族窒化物膜の製造方法を説明するための概念図である。 同じく、本発明のIII族窒化物膜の製造方法を説明するための概念図である。 本発明の製造方法に従って製造したIII族窒化物膜を具える半導体発光素子の一例を示す構成図である。
符号の説明
1 基材
2−1〜2−4 島状結晶部
3A、3 III族窒化物膜

Claims (9)

  1. CVD法により、III族窒化物膜を製造する方法であって、第1のAl含有窒化物からなる基材上に、第2の窒化物からなる互いに孤立した複数の島状結晶部を形成し、この島状結晶部を核としてエピタキシャル成長させることにより、前記第2の窒化物と異なる第3の窒化物から窒化物膜を製造することを特徴とする、窒化物膜の製造方法。
  2. 前記島状結晶部の上面の平均面積が、0.0001μm〜100μmであることを特徴とする、請求項1に記載の窒化物膜の製造方法。
  3. 前記第2の窒化物のAl組成が、前記第1のAl含有窒化物のAl組成よりも小さいことを特徴とする、請求項1又は2に記載の窒化物膜の製造方法。
  4. 前記第2の窒化物はAlx1Gax2Inx3N(x1+x2+x3=1,x1,x2,x3≧0)なる組成を有するとともに、前記第1のAl含有窒化物はAly1Gay2Iny3N(y1+y2+y3=1,y1>0,y2,y3≧0)なる組成を有し、前記第2の窒化物のAl組成x1と前記第1のAl含有窒化物のAl組成y1とが、x1≦y1−0.1なる関係を満たすことを特徴とする、請求項3に記載の窒化物膜の製造方法。
  5. 前記第3の窒化物からなる窒化物膜中の転位密度が1010/cm以下であることを特徴とする、請求項4に記載の窒化物膜の製造方法。
  6. 前記第2の窒化物のAl組成x1と前記第1のAl含有窒化物のAl組成y1とが、x1≦y1−0.5なる関係を満たすことを特徴とする、請求項4に記載の窒化物膜の製造方法。
  7. 前記第3の窒化物からなる窒化物膜中の転位密度が10/cm以下であることを特徴とする、請求項6に記載の窒化物膜の製造方法。
  8. 前記第1のAl含有窒化物の(002)X線ロッキングカーブの半値幅が90秒以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一に記載の窒化物膜の製造方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか一に記載の製造方法によって作製されたIII族窒化物膜を具えることを特徴とする、半導体素子。
JP2004223539A 2001-03-28 2004-07-30 Iii族窒化物膜の製造方法 Expired - Lifetime JP4170269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004223539A JP4170269B2 (ja) 2001-03-28 2004-07-30 Iii族窒化物膜の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001091837 2001-03-28
JP2001353212 2001-11-19
JP2004223539A JP4170269B2 (ja) 2001-03-28 2004-07-30 Iii族窒化物膜の製造方法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002075812A Division JP2003218045A (ja) 2001-03-28 2002-03-19 Iii族窒化物膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005012233A true JP2005012233A (ja) 2005-01-13
JP4170269B2 JP4170269B2 (ja) 2008-10-22

Family

ID=34108472

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004223539A Expired - Lifetime JP4170269B2 (ja) 2001-03-28 2004-07-30 Iii族窒化物膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4170269B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006222449A (ja) * 2001-12-25 2006-08-24 Ngk Insulators Ltd Iii族窒化物膜の製造方法、エピタキシャル成長用基板、iii族窒化物膜、iii族窒化物素子用エピタキシャル基板、及びiii族窒化物素子

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006222449A (ja) * 2001-12-25 2006-08-24 Ngk Insulators Ltd Iii族窒化物膜の製造方法、エピタキシャル成長用基板、iii族窒化物膜、iii族窒化物素子用エピタキシャル基板、及びiii族窒化物素子
JP4514727B2 (ja) * 2001-12-25 2010-07-28 日本碍子株式会社 Iii族窒化物膜の製造方法、iii族窒化物膜、iii族窒化物素子用エピタキシャル基板、及びiii族窒化物素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP4170269B2 (ja) 2008-10-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3620269B2 (ja) GaN系半導体素子の製造方法
JP2002222771A (ja) Iii族窒化物膜の製造方法、iii族窒化物膜の製造用下地膜、及びその下地膜の製造方法
JP2007067114A (ja) Iii族窒化物半導体薄膜およびその製造方法並びににiii族窒化物半導体発光素子
JP2003243302A (ja) Iii族窒化物半導体結晶、その製造方法、iii族窒化物半導体エピタキシャルウェーハ
JP3940673B2 (ja) Iii族窒化物半導体結晶の製造方法、および窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法
JP2002313742A (ja) 窒化物半導体の気相成長方法及び窒化物半導体素子
JP4781599B2 (ja) エピタキシャル基板、及び多層膜構造
JP2006273716A (ja) GaN単結晶基板の製造方法
KR100841269B1 (ko) Ⅲ족 질화물 반도체 다층구조물
JP3946976B2 (ja) 半導体素子、エピタキシャル基板、半導体素子の製造方法、及びエピタキシャル基板の製造方法
US6703255B2 (en) Method for fabricating a III nitride film
JP2003077835A (ja) Iii族窒化物素子及びiii族窒化物エピタキシャル基板
JP4001262B2 (ja) 窒化物膜の製造方法
JP2004096021A (ja) Iii族窒化物半導体結晶、その製造方法、iii族窒化物半導体エピタキシャルウェーハ
JP4170269B2 (ja) Iii族窒化物膜の製造方法
JP4222287B2 (ja) Iii族窒化物半導体結晶の製造方法
JP5103427B2 (ja) Iii族窒化物基板
JP2003218045A (ja) Iii族窒化物膜の製造方法
JP3941449B2 (ja) Iii族窒化物膜
JP2006344930A (ja) Iii族窒化物半導体素子の製造方法
JP3642001B2 (ja) 窒化物半導体素子、窒化物半導体結晶の作製方法および窒化物半導体基板
JP2003007627A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体の製造方法
JP4794799B2 (ja) エピタキシャル基板及び半導体積層構造
JP4545389B2 (ja) エピタキシャル基板およびiii族窒化物層群の転位低減方法
JP2005020026A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体及び半導体基板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050124

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060418

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070710

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20070910

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080422

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080623

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080805

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080806

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110815

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4170269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

S201 Request for registration of exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R314201

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120815

Year of fee payment: 4

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130815

Year of fee payment: 5

EXPY Cancellation because of completion of term