JP2005012063A - 紫外発光素子およびその製造方法 - Google Patents
紫外発光素子およびその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005012063A JP2005012063A JP2003176228A JP2003176228A JP2005012063A JP 2005012063 A JP2005012063 A JP 2005012063A JP 2003176228 A JP2003176228 A JP 2003176228A JP 2003176228 A JP2003176228 A JP 2003176228A JP 2005012063 A JP2005012063 A JP 2005012063A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- light emitting
- ultraviolet light
- substrate
- aluminum nitride
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Abstract
【課題】370nm以下の波長の紫外光を高輝度で出力する紫外発光素子を提供する。
【解決手段】紫外発光素子は、表面に所定の凹凸を有する基板(11)と、この基板上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層(12)と、窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層(14)とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】紫外発光素子は、表面に所定の凹凸を有する基板(11)と、この基板上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層(12)と、窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層(14)とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に、波長370nm以下の紫外域での発光波長を有する紫外発光ダイオード(LED)と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外発光ダイオード(LED)は、樹脂硬化分析や医療用マーカの照射光源、光触媒の励起光源、あるいは白色LEDを実現するための構成部品として、種々の用途が期待されている。
【0003】
紫外LEDの発光層の材料としては、通常InGaNが用いられるが、短波長にするためにインジウム(In)の組成を減らしていくと、出力が著しく低下する。これは、In組成揺らぎによる局在化の効果が低減し、非発光再結合中心にキャリアが捕獲される割合が高くなるためと考えられている。
【0004】
紫外LEDの光出力を大きくするためには、転位密度を低減するのが有効であることが知られている。非発光再結合中心の発生は貫通転位に起因すると考えられるため、転位密度を低減することによって非発光再結合中心の形成を抑制し、活性層での発光効率を改善しようとするものである。
【0005】
紫外発光素子の転位密度を低減する方法として、横方向のラテラル成長を利用する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。この方法では、窒化ガリウム(GaN)の横方向成長を利用して転位密度を低減した、発光波長370nmのLEDが実現されている。
【0006】
図1は、このような紫外LEDの断面構成を示す。基板101上に、バッファ層102を介してストライプ状に形成されたGaNシード層103から、GaNを縦方向と横方向に同時に成長させ、隣接するシード(不図示)から横方向に成長してきた結晶と合体、平坦化することにより、転位密度が低減された平坦な表面のGaN低転位化層104を実現している。この低転位化層104上に、n型コンタクト層105、n型クラッド層106、活性層107、p型クラッド層108、p型コンタクト層109から成るLED構造を設けている。p型コンタクト109とn型コンタクト105には、それぞれp電極110とn電極111が接続され、p電極110上に電極パッドが設けられている。
【0007】
また、転位密度を低減するために、転位が屈曲する現象を利用する方法も知られている(たとえば、特許文献2参照)。図2は、このような方法で作製された紫外LEDの断面構成を示す。凹凸形状を有する基板201上に、GaN系の低温バッファ層202を介してGaN低転位化層204を成長する。凹凸形状が平坦になっていく過程において転位が屈曲する現象を利用し、転位同士を合体させて、あるいは、転位線を側面に抜けさせることによって転位密度を低減している。結晶成長により凹凸を埋め込むことによって低転位の平坦面が得られ、その上にn型クラッド層206、活性層207,p型クラッド層208、p型コンタクト層209が積層されたLED構造を配置している。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−60719号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−280609号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したいずれの従来技術においても、低転位化を実現するためにGaNの低転位化層を用いている。しかし、発光波長をGaNのバンドギャップに相当する370nm以下にしようとすると、発光効率が著しく低下する。たとえば、発光層(あるいは活性層)を360nmの光を発光する組成に設計すると、371nmの発光波長の場合と比較して、発光効率は1/10に低下し、出力は半分以下になる。これは、発光層性層から出る光が低転位化層を構成するGaNに吸収されてしまい、LEDの光出力が妨げられるからだと考えられる。
【0011】
これでは、転位密度を低減して発光効率を改善したにもかかわらず、光が吸収され、発光効率の改善が無駄になってしまう。
【0012】
一方で、光触媒として用いられるルチル型二酸化チタンの照射光として、360nm以下の紫外光の実用化が望まれている。また、医療用マーカの蛍光体を光らせる照射光としても、波長が350nm以下の紫外光が要求されている。
【0013】
そこで、本発明は、370nm以下の短波長の光を高出力で発光する紫外LEDと、その製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、基本的には、凹凸基板上に結晶層を成長して低転位化を図る手法を採用する。また、低転位化層の材料として、エネルギーバンドギャップが大きい窒化アルミニウム(AlN)を用いる。
【0015】
具体的には、本発明の第1の側面では、半導体発光素子は、表面に所定の凹凸を有する基板と、この基板の凹凸上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層と、窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層とを備える。
【0016】
基板表面の凹凸は、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸であるのが望ましい。
【0017】
発光層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成され、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成を有する。発光層は、たとえば単層の量子井戸、あるいは多重量子井戸(MQW)である。
【0018】
この構成では、凹凸基板上に結晶成長された窒化アルミニウム(AlN)層において、転位の屈曲現象により転位が低減されており、非発光再結合中心の形成が抑制されている。また、AlNのバンドギャップは6.2eVと大きいため、波長200nm以上の光に対しては透明である。したがって、本発明で想定している波長200nm〜370nmの波長の光に対して、光吸収による光出力の低下という問題がない。このように、窒化アルミニウム層において、低転位化と紫外光に対する透明性の双方を確保することによって、370nm以下の波長の光を実用に適したパワーで出力することが可能になる。
【0019】
本発明の第2の側面では、半導体発光素子の製造方法は、
(a)表面に所定の凹凸形状が加工された基板を形成する工程と、
(b)基板の表面から、窒化アルミニウム(AlN)を結晶成長させて、表面が平坦なAlN層を形成する工程と、
(c) 前記窒化アルミニウム層上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第1導電型とは逆の2導電型のクラッド層を順次成長して、波長370nm以下の紫外光の発光構造を形成する工程とを含む。
【0020】
表面に凹凸がある基板上にAlNを成長すると、成長が進むにつれ表面が凹凸から平坦へと変化していくが、その過程で転位が屈曲し合体し、あるいは側面に抜けて、転位線がそこで終端する。したがって、AlNをある程度の膜厚に成長することで、低転位化された平坦な表面が得られる。
【0021】
基板表面の凹凸は、たとえばリソグラフ工程とエッチング工程を組み合わせて形成することができる。
【0022】
表面の凹凸形状をストライプ状にする場合は、ストライプが窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿って延びるように基板を加工する。ストライプ状の凹凸をこの方向にそって形成することによって、窒化アルミニウムの横方向への成長が抑制され、AlN結晶の成長過程で斜めのファセットが形成されやすくなる。したがって、基板から上方に伝播した転位線がファセット面で屈曲され、貫通転位を低減することができる。
【0023】
結果として、発光効率を改善し、かつ、窒化アルミニウム層で紫外光の吸収が起きないので、高出力の紫外線LEDが製造される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下で、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態に係る紫外発光素子(LED)の断面構成図である。紫外発光素子は、表面に凹凸を有する基板11と、基板11上に位置する表面が平坦な窒化アルミニウム(AlN)低転位化層12を有する。AlN低転位化層12の上に、n型クラッド層13、活性層14、p型クラッド層15、p型コンタクト層16のLED積層構造を有する。
【0026】
p型コンタクト層16上にp電極17が位置し、p電極17上に電極パッド19が設けられている。一方、一部露出されたn型クラッド層13上に、n電極18が設けられている。
【0027】
基板11は、実施形態ではサファイア基板を用いる。しかし、この例に限定されるわけではなく、活性層14の発光波長に対して透明であり、かつ結晶成長の雰囲気に耐えられる物質であれば、任意の基板を用いることができる。たとえば、マグネシアスピネル等を使用してもよい。
【0028】
凹凸形状は、任意の形状を採用することができ、規則的なパターンでも不規則なものでもよい。多角形や円形を並べた形状、直線ストライプ、同心円などのパターンで凹凸を形成できる。
【0029】
基板11の表面の凹凸パターンを直線ストライプ状とする場合は、凸部の幅w1を0.1μm〜10μm、凹部の幅w2を0.1μm〜10μm、深さdを0.1μm〜10μmの範囲で適宜設定できる。
【0030】
凹凸形状として直線ストライプを選択する場合は、ストライプの方向が,AlNの[11−20]方向と平行であることが望ましい。この場合、成長初期に、ストライプの凹凸を埋め込んで成長するAlN単結晶の横方向の成長が抑制されて、成長面が三角形状に傾斜するので、AlN層の成長につれて基板11からの転位線が屈曲して成長面に抜け、最終的な平坦なAlN層12の転位密度が低減される。
【0031】
AlN層12の厚さに関しては,凹凸パターン形状、寸法、AlN層12の成長条件に応じて、表面が平坦化するまでの厚さが異なるが,概ね凹部の幅w2の数倍程度の厚さとすることで、CMP等の加工を必要とせずに平坦な表面が得られる。
【0032】
AlN層12上のn型クラッド層13は、たとえば膜厚2μmであり、実施形態では、シリコン(Si)がドープされたn−Al0.25Ga0.75Nを用いる。もっとも、活性層の波長に応じて、十分なキャリア閉じ込めが可能となるようなバンドギャップを有する物質を選択すればよいので、ターゲットとする発光波長に応じて、組成が決定される。n型の不純物濃度も特に限定されず、抵抗と結晶性を考慮して適宜設定される。
【0033】
活性層14は、本実施形態では、膜厚2.8nmのIn0.05Al0.34Ga0.61N量子井戸と、膜厚7nmのIn0.02Al0.60Ga0.38N障壁層とを3周期繰り返すMQW構造とする。この場合、発光波長は340nmとなる。活性層の組成、膜厚、周期数は、ターゲットとする発光波長に合わせて、200nm〜370nmの範囲で適宜調節することができる。さらに短波長側の紫外光を発光させる場合は、活性層のAlの組成を大きくするとともに、クラッド層のAl組成も増大させてバンドギャップを大きくすることによって、キャリアを閉じ込める。
【0034】
p型クラッド層15には,例えば,マグネシウム(Mg)がドープされた膜厚12nmのp−Al0.3Ga0.7Nと、膜厚3nmのp−GaNを10周期繰り返した超格子(SL)の多層構造とする。超格子を用いるのは、抵抗率を低減するためである。n型クラッド層13と同様に、活性層14の波長に応じて,十分なキャリア閉じ込めが可能となるようなバンドギャップを有する物質を選択することができる。
【0035】
p型コンタクト層16には、例えば,膜厚が50nmのマグネシウム(Mg)ドープされたp−GaN層を用いる。p電極17を構成する金属に対して接触抵抗が低い物質を用いる。また光吸収を避けるため、厚さは薄いほうが好ましい。
【0036】
p電極17は、透光性のある金属材料の薄膜とする。p電極17上には、ボンディング用のAu電極パッド19を有する。一方、一部露出したn型クラッド層13の表面に、n電極18を有する。
【0037】
図4および5は、図3に示す紫外LEDの製造工程を示す図である。
【0038】
まず、図4(a)に示すように、たとえばサファイア基板11の表面に、所定の凹凸を形成する。基板表面の凹凸は、例えば、通常のリソグラフィ工程とエッチング工程を組み合わせることによって形成される。あるいは、ダイシング、レーザ加工により凹凸パターンを形成してもよい。
【0039】
基板11表面にストライプ状の凹凸を形成する場合は,ストライプの方向を、次工程で基板11上に形成する窒化アルミニウム(AlN)結晶の[11−20]方向と平行にするのが望ましい。凸部と凹部の幅は、例えば1μmとする。深さは,例えば、0.5μmに設定する。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、基板11の凹凸面上に窒化アルミニウム(AlN)を成長する。成長方法としては、例えば、通常のMOCVD法を用いる。成長条件は、一例として、成長温度1100℃、TMA(トリメチルアルミニウム)の供給量が1sccm、NH3(アンモニア)の供給量が1.2slmとする。基板11の凹凸上に形成されるAlN結晶の形状は、ストライプの方向、成長温度、TMAとアンモニアの流量比などによって変化するが、AlN結晶の成長初期に、図4(b)に示すような三角形状のファセット12aが形成されるように、凹凸形状と、成長条件を組み合わせるのが望ましい。
【0041】
上述したように、基板の凹凸形状をAlN結晶の[11−20]方向と平行に形成しているので、基板11表面の凸部あるいは凹部から成長するAlNの横方向の成長が抑制され、斜めのファセット12aが形成されやすくなる。
【0042】
次に、図4(c)に示すように、AlNの成長を続けると、成長初期には基板11の凸部の上面と凹部の底面に分かれていたAlNが、基板11の凹凸を乗り越えて合体する。合体したばかりの状態では,AlN層12bの表面はまだ凹凸になっている。このような傾斜した凹凸表面を有する状態で結晶成長を行うことにより、基板11側から伝播した転位線が、AlNの凹凸面(傾斜したファセット面)で横方向に屈曲して貫通転位が低減し、全体として転位密度が低減する。
【0043】
次に、図4(d)に示すように、さらに成長を続けると、AlNの表面が平坦化し、表面が平坦なAlN層12が形成される。このときのAlN層12の厚さは、例えば3μmである。
【0044】
この実施形態のように、基板11の凹凸表面から表面が平坦になる厚さまでAlN層12を成長してもよいし、所定の厚さになったところで、表面研磨により平坦化する方法を採用してもよい。
【0045】
次に、図5(e)に示すように、平坦化したAlN層12上に、n型クラッド層13、活性層14、p型クラッド層15、p型コンタクト層16を順次成長して、LED積層構造を形成する。
【0046】
n型クラッド層13は、たとえば、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、NH3(アンモニア)、SiH4(シラン)を所定の流量で供給して、シリコン(Si)がドープされたn−Al0.25Ga0.75Nを膜厚2μmに成長する。
【0047】
活性層14は、TMI(トリメチルインジウム)、TMG、TMA、アンモニアの供給量を制御して、アンドープのIn0.05Al0.34Ga0.61Nと、In0.02Al0.60Ga0.38Nを、それぞれ膜厚2.8nmと7nmで交互に成長して、10周期のMQWを形成する。
【0048】
p型クラッド層15は、たとえばTMG,TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)の供給を制御して、Mgをドープしたp−Al0.3Ga0.7Nと、p−GaNを、それぞれ膜厚12nmと3nmずつ交互に10周期成長する。このようにp型クラッド層15を超格子構造として、抵抗を低減する。
【0049】
p型コンタクト層16は、TMGとアンモニアとCp2Mgを所定の流量で供給して、Mgドープされたp−GaNを膜厚50nmに成長する。
【0050】
次に、図5(f)に示すように、LED積層構造の一部を、たとえば通常のリソグラフィ工程とRIEなどのエッチング工程の組み合わせで除去し、n型クラッド層13の一部を露出する。この後、p電極17とn電極18を、p型コンタクト層15と露出したn型クラッド層13上に、蒸着等により形成する。本実施形態では、p電極17は、透光性のある金属材料、たとえばNiAuを用いて、膜厚20nm程度に形成する。さらに、p電極17上にボンディング用の電極パッド19を形成する。最後に、素子をウエハから切り出してLED素子とする。
【0051】
図6は、本発明の紫外LEDの変形例を示す。図6の構成では、p型コンタクト層16上に設けるp電極27の膜厚を厚くして、電極としての機能とともに、反射膜としての機能を持たせる。p電極27は、たとえばRh(ロジウム)で膜厚200nmとする。この場合、電極パッド29をp電極27の全面に形成する。活性層14で発光した光のうち、pクラッド層15側に放射した光はp電極/反射膜27で反射されて、基板11側に戻る。しがたって、光の出射方向は、矢印で示すように、基板裏面から出射する構成となる。
【0052】
AlN低転位化層は、図3の例と同様に、基板の凹凸表面から成長したものであり、転位密度を低減してある。また、活性層14は、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成となっている。
【0053】
最後に、上記説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 表面に所定の凹凸を有する基板と、
前記基板上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層と、
前記窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層と
を備える紫外発光素子。
(付記2) 前記凹凸は、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸であることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記3) 前記発光層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成され、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成を有することを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記4) 前記発光層は、In0.05Al0.34Ga0.61Nの量子井戸と、In0.02Al0.60Ga0.38Nの障壁を所定周期繰り返す多重量子井戸構造を有することを特徴とする付記3に記載の紫外発光素子。
(付記5) 前記窒化アルミニウム単結晶層上で、前記発光層を挟み込む互いに異なる導電型のクラッド層をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記6) 前記基板は、前記発光層の発光波長に対して透明な材料で構成されることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記7) 表面に所定の凹凸を加工した基板を形成する工程と、
前記基板の表面から、窒化アルミニウムを結晶成長させて、表面が平坦な窒化アルミニウム層を形成する工程と、
前記窒化アルミニウム層上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第1導電型とは逆の2導電型のクラッド層を順次成長して、波長370nm以下の紫外光の発光構造を形成する工程と
を含む紫外発光素子の製造方法。
(付記8) 前記基板の準備工程は、前記基板の表面を、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸に加工する工程をさらに含むことを特徴とする付記7に記載の紫外発光素子の製造方法。
(付記9) 前記窒化アルミニウム層の形成工程は、表面が平坦化する厚さまで前記窒化アルミニウムを結晶成長させることを特徴とする付記7または8に記載の紫外発光素子の製造方法。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、波長200nm以上の光に対して透明なAlN結晶で転位を低減しているので、低転位化と透明性の確保を両立できる。
【0055】
この結果、370nm以下の波長の紫外光を高出力する紫外LEDが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】転位を低減した従来の紫外発光素子の構成例を示す図である。
【図2】転位を低減した従来の紫外発光素子の別の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る紫外発光素子の断面構成を示す図である。
【図4】図3に示す紫外発光素子の製造工程図(その1)である。
【図5】図3に示す紫外発光素子の製造工程図(その2)である。
【図6】本発明の紫外発光素子の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 基板
12 窒化アルミニウム(AlN)低転位化層
13 n型クラッド層
14 活性層(発光層)
15 p型クラッド層
16 p型コンタクト層
17 p電極
18 n電極
19、29 電極パッド
27 p電極/反射膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体発光素子に関し、特に、波長370nm以下の紫外域での発光波長を有する紫外発光ダイオード(LED)と、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
紫外発光ダイオード(LED)は、樹脂硬化分析や医療用マーカの照射光源、光触媒の励起光源、あるいは白色LEDを実現するための構成部品として、種々の用途が期待されている。
【0003】
紫外LEDの発光層の材料としては、通常InGaNが用いられるが、短波長にするためにインジウム(In)の組成を減らしていくと、出力が著しく低下する。これは、In組成揺らぎによる局在化の効果が低減し、非発光再結合中心にキャリアが捕獲される割合が高くなるためと考えられている。
【0004】
紫外LEDの光出力を大きくするためには、転位密度を低減するのが有効であることが知られている。非発光再結合中心の発生は貫通転位に起因すると考えられるため、転位密度を低減することによって非発光再結合中心の形成を抑制し、活性層での発光効率を改善しようとするものである。
【0005】
紫外発光素子の転位密度を低減する方法として、横方向のラテラル成長を利用する方法がある(たとえば、特許文献1参照)。この方法では、窒化ガリウム(GaN)の横方向成長を利用して転位密度を低減した、発光波長370nmのLEDが実現されている。
【0006】
図1は、このような紫外LEDの断面構成を示す。基板101上に、バッファ層102を介してストライプ状に形成されたGaNシード層103から、GaNを縦方向と横方向に同時に成長させ、隣接するシード(不図示)から横方向に成長してきた結晶と合体、平坦化することにより、転位密度が低減された平坦な表面のGaN低転位化層104を実現している。この低転位化層104上に、n型コンタクト層105、n型クラッド層106、活性層107、p型クラッド層108、p型コンタクト層109から成るLED構造を設けている。p型コンタクト109とn型コンタクト105には、それぞれp電極110とn電極111が接続され、p電極110上に電極パッドが設けられている。
【0007】
また、転位密度を低減するために、転位が屈曲する現象を利用する方法も知られている(たとえば、特許文献2参照)。図2は、このような方法で作製された紫外LEDの断面構成を示す。凹凸形状を有する基板201上に、GaN系の低温バッファ層202を介してGaN低転位化層204を成長する。凹凸形状が平坦になっていく過程において転位が屈曲する現象を利用し、転位同士を合体させて、あるいは、転位線を側面に抜けさせることによって転位密度を低減している。結晶成長により凹凸を埋め込むことによって低転位の平坦面が得られ、その上にn型クラッド層206、活性層207,p型クラッド層208、p型コンタクト層209が積層されたLED構造を配置している。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−60719号公報
【0009】
【特許文献2】
特開2002−280609号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上述したいずれの従来技術においても、低転位化を実現するためにGaNの低転位化層を用いている。しかし、発光波長をGaNのバンドギャップに相当する370nm以下にしようとすると、発光効率が著しく低下する。たとえば、発光層(あるいは活性層)を360nmの光を発光する組成に設計すると、371nmの発光波長の場合と比較して、発光効率は1/10に低下し、出力は半分以下になる。これは、発光層性層から出る光が低転位化層を構成するGaNに吸収されてしまい、LEDの光出力が妨げられるからだと考えられる。
【0011】
これでは、転位密度を低減して発光効率を改善したにもかかわらず、光が吸収され、発光効率の改善が無駄になってしまう。
【0012】
一方で、光触媒として用いられるルチル型二酸化チタンの照射光として、360nm以下の紫外光の実用化が望まれている。また、医療用マーカの蛍光体を光らせる照射光としても、波長が350nm以下の紫外光が要求されている。
【0013】
そこで、本発明は、370nm以下の短波長の光を高出力で発光する紫外LEDと、その製造方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、基本的には、凹凸基板上に結晶層を成長して低転位化を図る手法を採用する。また、低転位化層の材料として、エネルギーバンドギャップが大きい窒化アルミニウム(AlN)を用いる。
【0015】
具体的には、本発明の第1の側面では、半導体発光素子は、表面に所定の凹凸を有する基板と、この基板の凹凸上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層と、窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層とを備える。
【0016】
基板表面の凹凸は、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸であるのが望ましい。
【0017】
発光層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成され、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成を有する。発光層は、たとえば単層の量子井戸、あるいは多重量子井戸(MQW)である。
【0018】
この構成では、凹凸基板上に結晶成長された窒化アルミニウム(AlN)層において、転位の屈曲現象により転位が低減されており、非発光再結合中心の形成が抑制されている。また、AlNのバンドギャップは6.2eVと大きいため、波長200nm以上の光に対しては透明である。したがって、本発明で想定している波長200nm〜370nmの波長の光に対して、光吸収による光出力の低下という問題がない。このように、窒化アルミニウム層において、低転位化と紫外光に対する透明性の双方を確保することによって、370nm以下の波長の光を実用に適したパワーで出力することが可能になる。
【0019】
本発明の第2の側面では、半導体発光素子の製造方法は、
(a)表面に所定の凹凸形状が加工された基板を形成する工程と、
(b)基板の表面から、窒化アルミニウム(AlN)を結晶成長させて、表面が平坦なAlN層を形成する工程と、
(c) 前記窒化アルミニウム層上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第1導電型とは逆の2導電型のクラッド層を順次成長して、波長370nm以下の紫外光の発光構造を形成する工程とを含む。
【0020】
表面に凹凸がある基板上にAlNを成長すると、成長が進むにつれ表面が凹凸から平坦へと変化していくが、その過程で転位が屈曲し合体し、あるいは側面に抜けて、転位線がそこで終端する。したがって、AlNをある程度の膜厚に成長することで、低転位化された平坦な表面が得られる。
【0021】
基板表面の凹凸は、たとえばリソグラフ工程とエッチング工程を組み合わせて形成することができる。
【0022】
表面の凹凸形状をストライプ状にする場合は、ストライプが窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿って延びるように基板を加工する。ストライプ状の凹凸をこの方向にそって形成することによって、窒化アルミニウムの横方向への成長が抑制され、AlN結晶の成長過程で斜めのファセットが形成されやすくなる。したがって、基板から上方に伝播した転位線がファセット面で屈曲され、貫通転位を低減することができる。
【0023】
結果として、発光効率を改善し、かつ、窒化アルミニウム層で紫外光の吸収が起きないので、高出力の紫外線LEDが製造される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下で、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態に係る紫外発光素子(LED)の断面構成図である。紫外発光素子は、表面に凹凸を有する基板11と、基板11上に位置する表面が平坦な窒化アルミニウム(AlN)低転位化層12を有する。AlN低転位化層12の上に、n型クラッド層13、活性層14、p型クラッド層15、p型コンタクト層16のLED積層構造を有する。
【0026】
p型コンタクト層16上にp電極17が位置し、p電極17上に電極パッド19が設けられている。一方、一部露出されたn型クラッド層13上に、n電極18が設けられている。
【0027】
基板11は、実施形態ではサファイア基板を用いる。しかし、この例に限定されるわけではなく、活性層14の発光波長に対して透明であり、かつ結晶成長の雰囲気に耐えられる物質であれば、任意の基板を用いることができる。たとえば、マグネシアスピネル等を使用してもよい。
【0028】
凹凸形状は、任意の形状を採用することができ、規則的なパターンでも不規則なものでもよい。多角形や円形を並べた形状、直線ストライプ、同心円などのパターンで凹凸を形成できる。
【0029】
基板11の表面の凹凸パターンを直線ストライプ状とする場合は、凸部の幅w1を0.1μm〜10μm、凹部の幅w2を0.1μm〜10μm、深さdを0.1μm〜10μmの範囲で適宜設定できる。
【0030】
凹凸形状として直線ストライプを選択する場合は、ストライプの方向が,AlNの[11−20]方向と平行であることが望ましい。この場合、成長初期に、ストライプの凹凸を埋め込んで成長するAlN単結晶の横方向の成長が抑制されて、成長面が三角形状に傾斜するので、AlN層の成長につれて基板11からの転位線が屈曲して成長面に抜け、最終的な平坦なAlN層12の転位密度が低減される。
【0031】
AlN層12の厚さに関しては,凹凸パターン形状、寸法、AlN層12の成長条件に応じて、表面が平坦化するまでの厚さが異なるが,概ね凹部の幅w2の数倍程度の厚さとすることで、CMP等の加工を必要とせずに平坦な表面が得られる。
【0032】
AlN層12上のn型クラッド層13は、たとえば膜厚2μmであり、実施形態では、シリコン(Si)がドープされたn−Al0.25Ga0.75Nを用いる。もっとも、活性層の波長に応じて、十分なキャリア閉じ込めが可能となるようなバンドギャップを有する物質を選択すればよいので、ターゲットとする発光波長に応じて、組成が決定される。n型の不純物濃度も特に限定されず、抵抗と結晶性を考慮して適宜設定される。
【0033】
活性層14は、本実施形態では、膜厚2.8nmのIn0.05Al0.34Ga0.61N量子井戸と、膜厚7nmのIn0.02Al0.60Ga0.38N障壁層とを3周期繰り返すMQW構造とする。この場合、発光波長は340nmとなる。活性層の組成、膜厚、周期数は、ターゲットとする発光波長に合わせて、200nm〜370nmの範囲で適宜調節することができる。さらに短波長側の紫外光を発光させる場合は、活性層のAlの組成を大きくするとともに、クラッド層のAl組成も増大させてバンドギャップを大きくすることによって、キャリアを閉じ込める。
【0034】
p型クラッド層15には,例えば,マグネシウム(Mg)がドープされた膜厚12nmのp−Al0.3Ga0.7Nと、膜厚3nmのp−GaNを10周期繰り返した超格子(SL)の多層構造とする。超格子を用いるのは、抵抗率を低減するためである。n型クラッド層13と同様に、活性層14の波長に応じて,十分なキャリア閉じ込めが可能となるようなバンドギャップを有する物質を選択することができる。
【0035】
p型コンタクト層16には、例えば,膜厚が50nmのマグネシウム(Mg)ドープされたp−GaN層を用いる。p電極17を構成する金属に対して接触抵抗が低い物質を用いる。また光吸収を避けるため、厚さは薄いほうが好ましい。
【0036】
p電極17は、透光性のある金属材料の薄膜とする。p電極17上には、ボンディング用のAu電極パッド19を有する。一方、一部露出したn型クラッド層13の表面に、n電極18を有する。
【0037】
図4および5は、図3に示す紫外LEDの製造工程を示す図である。
【0038】
まず、図4(a)に示すように、たとえばサファイア基板11の表面に、所定の凹凸を形成する。基板表面の凹凸は、例えば、通常のリソグラフィ工程とエッチング工程を組み合わせることによって形成される。あるいは、ダイシング、レーザ加工により凹凸パターンを形成してもよい。
【0039】
基板11表面にストライプ状の凹凸を形成する場合は,ストライプの方向を、次工程で基板11上に形成する窒化アルミニウム(AlN)結晶の[11−20]方向と平行にするのが望ましい。凸部と凹部の幅は、例えば1μmとする。深さは,例えば、0.5μmに設定する。
【0040】
次に、図4(b)に示すように、基板11の凹凸面上に窒化アルミニウム(AlN)を成長する。成長方法としては、例えば、通常のMOCVD法を用いる。成長条件は、一例として、成長温度1100℃、TMA(トリメチルアルミニウム)の供給量が1sccm、NH3(アンモニア)の供給量が1.2slmとする。基板11の凹凸上に形成されるAlN結晶の形状は、ストライプの方向、成長温度、TMAとアンモニアの流量比などによって変化するが、AlN結晶の成長初期に、図4(b)に示すような三角形状のファセット12aが形成されるように、凹凸形状と、成長条件を組み合わせるのが望ましい。
【0041】
上述したように、基板の凹凸形状をAlN結晶の[11−20]方向と平行に形成しているので、基板11表面の凸部あるいは凹部から成長するAlNの横方向の成長が抑制され、斜めのファセット12aが形成されやすくなる。
【0042】
次に、図4(c)に示すように、AlNの成長を続けると、成長初期には基板11の凸部の上面と凹部の底面に分かれていたAlNが、基板11の凹凸を乗り越えて合体する。合体したばかりの状態では,AlN層12bの表面はまだ凹凸になっている。このような傾斜した凹凸表面を有する状態で結晶成長を行うことにより、基板11側から伝播した転位線が、AlNの凹凸面(傾斜したファセット面)で横方向に屈曲して貫通転位が低減し、全体として転位密度が低減する。
【0043】
次に、図4(d)に示すように、さらに成長を続けると、AlNの表面が平坦化し、表面が平坦なAlN層12が形成される。このときのAlN層12の厚さは、例えば3μmである。
【0044】
この実施形態のように、基板11の凹凸表面から表面が平坦になる厚さまでAlN層12を成長してもよいし、所定の厚さになったところで、表面研磨により平坦化する方法を採用してもよい。
【0045】
次に、図5(e)に示すように、平坦化したAlN層12上に、n型クラッド層13、活性層14、p型クラッド層15、p型コンタクト層16を順次成長して、LED積層構造を形成する。
【0046】
n型クラッド層13は、たとえば、TMG(トリメチルガリウム)、TMA(トリメチルアルミニウム)、NH3(アンモニア)、SiH4(シラン)を所定の流量で供給して、シリコン(Si)がドープされたn−Al0.25Ga0.75Nを膜厚2μmに成長する。
【0047】
活性層14は、TMI(トリメチルインジウム)、TMG、TMA、アンモニアの供給量を制御して、アンドープのIn0.05Al0.34Ga0.61Nと、In0.02Al0.60Ga0.38Nを、それぞれ膜厚2.8nmと7nmで交互に成長して、10周期のMQWを形成する。
【0048】
p型クラッド層15は、たとえばTMG,TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)の供給を制御して、Mgをドープしたp−Al0.3Ga0.7Nと、p−GaNを、それぞれ膜厚12nmと3nmずつ交互に10周期成長する。このようにp型クラッド層15を超格子構造として、抵抗を低減する。
【0049】
p型コンタクト層16は、TMGとアンモニアとCp2Mgを所定の流量で供給して、Mgドープされたp−GaNを膜厚50nmに成長する。
【0050】
次に、図5(f)に示すように、LED積層構造の一部を、たとえば通常のリソグラフィ工程とRIEなどのエッチング工程の組み合わせで除去し、n型クラッド層13の一部を露出する。この後、p電極17とn電極18を、p型コンタクト層15と露出したn型クラッド層13上に、蒸着等により形成する。本実施形態では、p電極17は、透光性のある金属材料、たとえばNiAuを用いて、膜厚20nm程度に形成する。さらに、p電極17上にボンディング用の電極パッド19を形成する。最後に、素子をウエハから切り出してLED素子とする。
【0051】
図6は、本発明の紫外LEDの変形例を示す。図6の構成では、p型コンタクト層16上に設けるp電極27の膜厚を厚くして、電極としての機能とともに、反射膜としての機能を持たせる。p電極27は、たとえばRh(ロジウム)で膜厚200nmとする。この場合、電極パッド29をp電極27の全面に形成する。活性層14で発光した光のうち、pクラッド層15側に放射した光はp電極/反射膜27で反射されて、基板11側に戻る。しがたって、光の出射方向は、矢印で示すように、基板裏面から出射する構成となる。
【0052】
AlN低転位化層は、図3の例と同様に、基板の凹凸表面から成長したものであり、転位密度を低減してある。また、活性層14は、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成となっている。
【0053】
最後に、上記説明に関して、以下の付記を開示する。
(付記1) 表面に所定の凹凸を有する基板と、
前記基板上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層と、
前記窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層と
を備える紫外発光素子。
(付記2) 前記凹凸は、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸であることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記3) 前記発光層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成され、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成を有することを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記4) 前記発光層は、In0.05Al0.34Ga0.61Nの量子井戸と、In0.02Al0.60Ga0.38Nの障壁を所定周期繰り返す多重量子井戸構造を有することを特徴とする付記3に記載の紫外発光素子。
(付記5) 前記窒化アルミニウム単結晶層上で、前記発光層を挟み込む互いに異なる導電型のクラッド層をさらに備えることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記6) 前記基板は、前記発光層の発光波長に対して透明な材料で構成されることを特徴とする付記1に記載の紫外発光素子。
(付記7) 表面に所定の凹凸を加工した基板を形成する工程と、
前記基板の表面から、窒化アルミニウムを結晶成長させて、表面が平坦な窒化アルミニウム層を形成する工程と、
前記窒化アルミニウム層上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第1導電型とは逆の2導電型のクラッド層を順次成長して、波長370nm以下の紫外光の発光構造を形成する工程と
を含む紫外発光素子の製造方法。
(付記8) 前記基板の準備工程は、前記基板の表面を、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸に加工する工程をさらに含むことを特徴とする付記7に記載の紫外発光素子の製造方法。
(付記9) 前記窒化アルミニウム層の形成工程は、表面が平坦化する厚さまで前記窒化アルミニウムを結晶成長させることを特徴とする付記7または8に記載の紫外発光素子の製造方法。
【0054】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、波長200nm以上の光に対して透明なAlN結晶で転位を低減しているので、低転位化と透明性の確保を両立できる。
【0055】
この結果、370nm以下の波長の紫外光を高出力する紫外LEDが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】転位を低減した従来の紫外発光素子の構成例を示す図である。
【図2】転位を低減した従来の紫外発光素子の別の構成を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る紫外発光素子の断面構成を示す図である。
【図4】図3に示す紫外発光素子の製造工程図(その1)である。
【図5】図3に示す紫外発光素子の製造工程図(その2)である。
【図6】本発明の紫外発光素子の変形例を示す図である。
【符号の説明】
11 基板
12 窒化アルミニウム(AlN)低転位化層
13 n型クラッド層
14 活性層(発光層)
15 p型クラッド層
16 p型コンタクト層
17 p電極
18 n電極
19、29 電極パッド
27 p電極/反射膜
Claims (5)
- 表面に所定の凹凸を有する基板と、
前記基板上に結晶成長した窒化アルミニウム単結晶層と、
前記窒化アルミニウム単結晶層上に設けられた波長が370nm以下の紫外光を発光する発光層と
を備える紫外発光素子。 - 前記凹凸は、窒化アルミニウム結晶の[11−20]方向に沿ったストライプ状の凹凸であることを特徴とする請求項1に記載の紫外発光素子。
- 前記発光層は、窒化ガリウム系化合物半導体で形成され、波長が200nm〜370nmの紫外光を発光する組成を有することを特徴とする請求項1に記載の紫外発光素子。
- 前記窒化アルミニウム単結晶層上で、前記発光層を挟み込む互いに異なる導電型のクラッド層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の紫外発光素子。
- 表面に所定の凹凸を加工した基板を形成する工程と、
前記基板の表面から、窒化アルミニウムを結晶成長させて、表面が平坦な窒化アルミニウム層を形成する工程と、
前記窒化アルミニウム層上に、第1導電型のクラッド層、活性層、第1導電型とは逆の2導電型のクラッド層を順次成長して、波長370nm以下の紫外光の発光構造を形成する工程と
を含む紫外発光素子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176228A JP2005012063A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 紫外発光素子およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003176228A JP2005012063A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 紫外発光素子およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005012063A true JP2005012063A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34099169
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003176228A Withdrawn JP2005012063A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 紫外発光素子およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005012063A (ja) |
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006080708A1 (en) * | 2004-10-06 | 2006-08-03 | Epivalley Co., Ltd. | Iii-nitride semiconductor light emitting device and method for manufacturing the same |
EP1724846A2 (en) * | 2005-05-16 | 2006-11-22 | Sony Corporation | Light-emitting diode, integrated light-emitting diode and method for their production, method for growing a nitride-based III-V group compound semiconductor, light source cell unit, light emitting diode backlight, light-emitting diode display and electronic device |
JP2007142397A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-06-07 | Palo Alto Research Center Inc | 半導体デバイス用超格子歪緩衝層 |
JP2007151807A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Univ Meijo | 半導体発光素子による光線治療方法、及び半導体発光素子による光線治療システム |
KR100826390B1 (ko) | 2006-03-20 | 2008-05-02 | 삼성전기주식회사 | Ⅲ족 질화물 반도체 박막 및 ⅲ족 질화물 반도체 발광소자 |
JP2015039035A (ja) * | 2014-11-10 | 2015-02-26 | 株式会社東芝 | 半導体発光素子、及び、窒化物半導体層 |
US9190559B2 (en) | 2011-05-24 | 2015-11-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device, nitride semiconductor layer, and method for forming nitride semiconductor layer |
KR20170044286A (ko) * | 2015-10-15 | 2017-04-25 | 엘지이노텍 주식회사 | 발광 소자 및 이를 포함하는 발광 소자 패키지 |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003176228A patent/JP2005012063A/ja not_active Withdrawn
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006080708A1 (en) * | 2004-10-06 | 2006-08-03 | Epivalley Co., Ltd. | Iii-nitride semiconductor light emitting device and method for manufacturing the same |
EP1724846A2 (en) * | 2005-05-16 | 2006-11-22 | Sony Corporation | Light-emitting diode, integrated light-emitting diode and method for their production, method for growing a nitride-based III-V group compound semiconductor, light source cell unit, light emitting diode backlight, light-emitting diode display and electronic device |
EP1724846A3 (en) * | 2005-05-16 | 2013-12-25 | Sony Corporation | Light-emitting diode, integrated light-emitting diode and method for their production, method for growing a nitride-based III-V group compound semiconductor, light source cell unit, light emitting diode backlight, light-emitting diode display and electronic device |
JP2007142397A (ja) * | 2005-11-14 | 2007-06-07 | Palo Alto Research Center Inc | 半導体デバイス用超格子歪緩衝層 |
EP1958662A4 (en) * | 2005-12-05 | 2011-01-05 | Univ Meijo | LIGHT THERAPY PROCEDURE WITH A SEMICONDUCTOR LED AND LIGHT THERAPY SYSTEM WITH A SEMICONDUCTOR LED |
EP1958662A1 (en) * | 2005-12-05 | 2008-08-20 | Meijo University | Method of light therapy by semiconductor light emitting device and light therapeutic system by semiconductor light emitting device |
JP2007151807A (ja) * | 2005-12-05 | 2007-06-21 | Univ Meijo | 半導体発光素子による光線治療方法、及び半導体発光素子による光線治療システム |
KR100826390B1 (ko) | 2006-03-20 | 2008-05-02 | 삼성전기주식회사 | Ⅲ족 질화물 반도체 박막 및 ⅲ족 질화물 반도체 발광소자 |
US9190559B2 (en) | 2011-05-24 | 2015-11-17 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device, nitride semiconductor layer, and method for forming nitride semiconductor layer |
US9601662B2 (en) | 2011-05-24 | 2017-03-21 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Semiconductor light emitting device, nitride semiconductor layer, and method for forming nitride semiconductor layer |
JP2015039035A (ja) * | 2014-11-10 | 2015-02-26 | 株式会社東芝 | 半導体発光素子、及び、窒化物半導体層 |
KR20170044286A (ko) * | 2015-10-15 | 2017-04-25 | 엘지이노텍 주식회사 | 발광 소자 및 이를 포함하는 발광 소자 패키지 |
KR102542229B1 (ko) * | 2015-10-15 | 2023-06-12 | 쑤저우 레킨 세미컨덕터 컴퍼니 리미티드 | 발광 소자 및 이를 포함하는 발광 소자 패키지 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4325232B2 (ja) | 窒化物半導体素子 | |
TW498582B (en) | Light-emitting device | |
JP4223797B2 (ja) | 窒化物系半導体発光素子およびその製造方法 | |
JP5082278B2 (ja) | 発光ダイオードの製造方法、集積型発光ダイオードの製造方法および窒化物系iii−v族化合物半導体の成長方法 | |
JP5084837B2 (ja) | 深紫外線発光素子及びその製造方法 | |
US9054269B2 (en) | Semiconductor light-emitting device | |
JP4626306B2 (ja) | 窒化物半導体発光素子およびその製造方法 | |
KR100709058B1 (ko) | 자외선 발광장치 | |
JP2007227938A (ja) | 窒化物系半導体発光素子及びその製造方法 | |
JP4063548B2 (ja) | 半導体発光素子 | |
JPWO2008153130A1 (ja) | 窒化物半導体発光素子及び窒化物半導体の製造方法 | |
JP3660446B2 (ja) | 窒化物半導体素子及びその製造方法 | |
WO2016082471A1 (zh) | 发光二极管及其制作方法 | |
JP2005116794A (ja) | 窒化物半導体発光素子 | |
Mukai et al. | Nitride light-emitting diodes | |
JP4641812B2 (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体積層物およびその製造方法 | |
JP2009021638A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子 | |
JP2007036174A (ja) | 窒化ガリウム系発光ダイオード | |
JP3896718B2 (ja) | 窒化物半導体 | |
JP2005012063A (ja) | 紫外発光素子およびその製造方法 | |
JP5458874B2 (ja) | 窒化物半導体の成長方法 | |
JP4735037B2 (ja) | 発光ダイオードおよびその製造方法ならびに集積型発光ダイオードおよびその製造方法ならびに発光ダイオードバックライトならびに発光ダイオード照明装置ならびに発光ダイオードディスプレイならびに電子機器 | |
JP3951973B2 (ja) | 窒化物半導体素子 | |
JP2005277401A (ja) | 窒化ガリウム系化合物半導体積層物およびその製造方法 | |
JP2006032933A (ja) | Iii族窒化物半導体発光素子 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |