JP2005011941A - 半導体製造装置及び熱処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は加熱すべき対象材料を選択的に加熱することにより熱処理装置の省エネルギ化及び低温加熱を達成し、且つ、対象材料の凝固速度を制御することにより意図的に改質することのできる熱処理装置及び熱処理方法を提供すること課題とする。
【解決手段】輻射加熱により熱処理を行なう半導体製造装置において、処理チャンバ1の外壁の一部として透過窓4が設けられる。レーザ源5から出力されたレーザ光7は、光学系6により線状のレーザ光7aとなって、透過窓4を介して薄膜に照射される。レーザ源5の出力はパワーコントローラ8により制御される。レーザ光の波長は、薄膜の光吸収係数が大きい波長である。透過窓4は当該波長の光を吸収しない材料により形成される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体製造技術に係わり、より詳細には、基板上に形成された薄膜を熱処理により改質するための半導体製造装置及び熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体製品の製造工程において、シリコンウェーハ等の基板上には様々な薄膜が形成される。このような薄膜に対して、熱処理を施して所望の特性を得るためのいわゆる材料改質が行なわれる場合がある。特に、近年の半導体製品の高密度化、高機能化に伴い、様々な薄膜の材料改質が重要になりつつある。
【0003】
材料改質のための熱処理の一例として、従来よりレーザアニールが提案されている。レーザアニールは、熱処理すべき基板や薄膜に対してレーザ光を照射し加熱し、所望の特性となるように冷却する技術である。しかし、レーザアニール技術はレーザドーピングを除いてこれまで実用化に至っておらず、アイデア段階で終止していた。
【0004】
上述のレーザアニールにおいて、改質すべき対象物質(薄膜等を構成する材料)を溶融して再び凝固させるという発想はあるが、溶融した材料を凝固させる際の凝固速度を制御するような技術は提案されていない。従来のレーザアニールでは、溶融した材料は、レーザアニール装置(熱処理装置)のハードウェアにおける伝熱環境により決まる凝固速度で凝固する。このため、凝固した後の対象材料は、凝固速度により決まるアモルファス状態又は多結晶状態にしかならない。このように、従来のレーザアニールでは、対象物質を加熱した後の冷却は自然冷却に任せており、意図的に対象物質の状態を制御する(材料改質)までには至っていない。
【0005】
また、レーザ光照射による輻射加熱のような加熱方法では、加熱用の光(例えばレーザ光)と加熱すべき対象物質の光吸収特性のよい部分の波長を、加熱用の光として用いれば、効率よく輻射加熱を行なうことができる。しかし、従来のレーザアニールでは、加熱すべき材料の光吸収特性と輻射加熱の際の光の波長との関連性を考慮して輻射加熱設計に言及している例は見当たらない。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−275336号公報
【0007】
【特許文献2】
特開平7−202208号公報
【0008】
【特許文献3】
特開平9−82662号公報
【0009】
【特許文献4】
特開2001−102593号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、熱処理装置のような半導体デバイス製造装置を用いてウェーハ上の薄膜の材料改質を行なう際、ウェーハ全体及び熱処理装置の装置チャンバ内全体を加熱しなければならず、下記のような問題があった。
【0011】
1)従来の熱処理装置では、ウェーハ全体や装置全体を加熱するため、熱処理における使用エネルギ効率が低く、省エネルギ対策が必要である。
【0012】
すなわち、対象材料(加熱すべき部分)のみを選択的に加熱するわけではないため、対象材料への供給エネルギは少量であるのにも拘わらず、全体消費エネルギ量は高いままである。
【0013】
2)デバイス構成材料が年々変化してきており、耐熱温度の低い材料が用いられるようになってきている。したがって、処理温度の低温化が必要となる。
【0014】
すなわち、対象材料(加熱すべき部分)のみを選択的に加熱するわけではないため、ウェーハ加熱温度は一番高い処理温度により支配され、この結果、熱処理温度の低温化を達成できない。
【0015】
3)対象材料を加熱溶融した後、所望の冷却速度で冷却することができないため、凝固速度を制御することができない。したがって、凝固後の対象材料を所望の状態にすることができない。
【0016】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、加熱すべき対象材料を選択的に加熱することにより熱処理装置の省エネルギ化及び低温加熱を達成し、且つ、対象材料の凝固速度を制御することにより意図的に改質することのできる熱処理装置及び熱処理方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明によれば、加熱対象物質に対して光を照射して輻射加熱により熱処理を行なう半導体製造装置であって、加熱対象物質を含む被処理体が配置される処理チャンバと、該処理チャンバの外壁の一部として設けられた透過窓と、該透過窓を介して前記加熱対象物質に光を照射する光源と、該光源の出力を制御する制御器とを有し、前記光源から照射される光の波長は、前記加熱対象物質の光吸収係数が大きい波長であり、前記透過窓は、該波長の光を吸収しない材料により形成されることを特徴とする半導体製造装置が提供される。
【0018】
上述の半導体製造装置において、前記光源はレーザ光を出力するレーザ源であり、該レーザ光が前記加熱対象物質に対して線状に照射されるように該レーザ光を導く光学系を更に有することが好ましい。また、前記レーザ源は赤外レーザであり、前記加熱対象物質は半導体製造工程の初期工程において形成されるシリコン酸化膜であることがより好ましい。さらに、前記赤外レーザは炭酸ガスレーザであり、前記透過窓はゲルマニウムにより形成されることが好ましい。あるいは、前記光源は赤外光を出力する赤外ランプであり、前記加熱対象物質は半導体製造工程の初期工程において形成されるシリコン酸化膜であることとしてもよい。この場合、前記透過窓はAlにより形成されることとしてもよい。
【0019】
また、本発明によれば、半導体製造に用いられる熱処理方法であって、加熱対象物質の光吸収波長に対応した波長を有する光を該加熱対象物質に照射して、該加熱対象物質を周囲の部分に対して選択的に加熱し、該照射する光の強度を制御して、加熱された前記対象物質を周囲への伝熱作用により冷却することを特徴する熱処理方法が提供される。
【0020】
上述の発明においいて、前記加熱対象物質はシリコン酸化膜であり、前記光は炭酸ガスレーザ光であることが好ましい。また、前記加熱対象物質はシリコン酸化膜であり、前記光は赤外ランプから出力される赤外光であることとしてもよい。
【0021】
上述の熱処理方法において、前記加熱対象物質を選択的に加熱することにより溶融し、その後の冷却過程において、結晶化及び結晶の成長が抑制されるように急速冷却することとしてもよい。あるいは、前記加熱対象物質を選択的に加熱することにより溶融し、その後の冷却過程において前記加熱対象物質が凝固する際に内部の元素が偏析するように冷却速度を制御することとしてもよい。
【0022】
上述の発明によれば、加熱すべき対象物質を選択的に加熱し且つ冷却することにより、加熱対象物質の材料改質を行なうことができる。また、選択加熱であるため、加熱に費やされるエネルギを低減することができ、半導体製造装置の省エネルギ化及び低温加熱を達成を達成することができる。また、加熱対象物質のみを選択的に加熱・溶融し、且つ凝固速度を制御することにより加熱対象物質の材料改質を行なうことができる。
【発明の実施の形態】
まず、本発明による選択輻射加熱の原理について説明する。
【0023】
選択輻射加熱により材料改質を行う際には、材料改質すべき材料の輻射エネルギ吸収特性に応じて、ウェーハ処理工程中の多層構造における選択輻射加熱設計を行う。すなわち、対象材料に選択輻射加熱を施すことができる条件を満足するか否かを検討する。
【0024】
選択輻射加熱を施すことができる条件として、まず、(1)改質すべき対象材料の吸収長(吸収係数の逆数:1/α)が、対象材料の膜厚より大きいかほぼ等しいことが必要である(吸収長≧対象材料層の膜厚)。また、(2)改質すべき対象材料の吸収長が、対象材料層の膜厚より小さい場合であっても、対象材料層の下地が反射率の高い材料構造(例えば反射率95%以上)であればよい。
【0025】
上記条件(1)、(2)を目安にして選択輻射加熱設計を行って対象材料層の溶融時間を計算し、対象材料層を含む基板(ウェーハ)を輻射加熱した際に、対象材料層が最初に溶融することを確認する。輻射加熱源として例えばレーザ光を照射する際に、上記溶融時間だけ照射することにより、対象材料層のみを断熱的に選択輻射加熱し、溶融することができる。
【0026】
ここで、輻射加熱用の光の照射時間と、対象材料層を含む基板の温度上昇との関係について考察する。
【0027】
半無限固体にヒートフラックス(熱流束)qを与えた場合の固体表面からの深さδ、時間tにおける温度T(δ,t)は以下の式で表わすことができる。
【0028】
【数1】
Figure 2005011941
ここで、上式における誤差関数erfは2次関数で近似でき、Tiは室温であり無視することができる。これにより上記式は以下のようになる。
【0029】
【数2】
Figure 2005011941
対象となる材料構造、各物性値、及びヒートフラックスの値を上式に与えて計算すると、個体表面から各位置での温度T(δ,t)を計算することができる。
【0030】
上記温度計算の一例として、シリコン基板(Si)上にスクリーン酸化膜(以下SC−Ox膜と略す)が形成された層構造に炭酸ガスレーザを照射して加熱した際の層構造中の温度上昇を計算により求めた。図1はその結果を示すグラフである。シリコン基板の厚みは750μmとし、SC−Ox膜の厚みは10nmとした。また、炭酸ガスレーザの照射により生じるヒートフラックスqは5×10W/cmとし、照射時間は0.1秒として計算した。なお、図1のグラフ中、qtはSC−Ox膜表面から内部に向かう熱流束を示し、レーザ照射を停止した0.1秒の時点から急激に低下していることがわかる。
【0031】
図1のグラフ中、T(0,t)はSC−Ox膜の表面の温度であり、T(4,t)、T(8,t)、T(12,t)、T(100,t)は、夫々表面から4nm、8nm、10nm、100nmの位置での温度を表す。したがって、T(0,t)、T(4,t)、T(8,t)はSC−Ox膜の温度を示す。また、T(12,t)境界部分付近から僅かに離れた位置でのシリコン基板の温度を示し、T(100,t)は境界部分から離れた位置でのシリコン基板の温度を示す。
【0032】
図1のグラフより、レーザの照射時間が1×10−2秒を過ぎるとSC−Ox層の温度(T(0,t)、T(4,t)、T(8,t))は急激に上昇してその融点(1690℃)を超え、その後1×10−1秒の手前で急激に低下することがわかる。一方、シリコン基板の温度(T(12,T)、T(100,t))は、シリコンの融点(1414℃)よりはるかに低い温度までしか到達しない。したがって、図1に示す例では、下地のシリコン基板をある程度低温(融点以下)に保ったまま、表面のSC−Ox層のみを選択的に加熱し溶融することができることがわかる。
【0033】
ここで、対象材料の溶融時間は、輻射の性質と、材料の吸収係数αと膜厚dとを考慮して、半無限物体の非定常熱伝導に基づいて計算することができる。
【0034】
輻射の性質において、透過率をT(無次元数)、反射率をR(無次元数)、吸収率をAbs(無次元数)とすると、T=[(1−R)*exp(−αd)]/[1−R*exp(−2αd)]であり、且つR=[(n−1)+k]/[(n+1)+k]である。ここで、kは材料の消衰係数である。そして、T,R,Absの間には、Abs=1−T−Rという関係が成り立つ。
【0035】
半無限物体の非定常熱伝導に基づいて、対象材料の表面温度T(0,t)を求めると、単位面積当たりの熱流束をF・Absとして、以下のようになる。
【0036】
【数3】
Figure 2005011941
これより表面温度T(0,t)が融点に達する時間tmを求めると以下のようになる。ここで、Tdは材料の熱拡散定数[cm/sec]である。
【0037】
【数4】
Figure 2005011941
また、対象材料の表面融解から底面融解までの時間tbtを、半無限物体における1次熱伝導方程式において表面エネルギ保存法則を適用すると、tbt=dρΔH/0.16F・Absで表わすことができる。ここで、ρは対象材料の密度であり、ΔHは溶融潜熱である。
【0038】
上述のように、対象材料の膜が溶融するまでの時間tは、t=tm+tbtとなる。この計算値に基づいて、材料改質すべき対象材料の膜あるいは層と、それが形成された基板あるいは他の膜とが溶融するまでの時間を求め、対象材料を最初に融解することができることを確認する。すなわち、対象材料を最初に融解することできれば、その計算により求めた時間だけ対象材料を輻射加熱することにより、対象材料を選択的に加熱して溶融させることができる。
【0039】
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
【0040】
まず、本発明の第1の実施の形態による半導体製造装置について、図2を参照しながら説明する。図2は本発明の第1の実施の形態による半導体製造装置としての熱処理装置の概略構成を示しす図であり、図3は図2に示す熱処理装置の平面図である。
【0041】
図2に示す熱処理装置は、選択加熱輻射装置であり、処理チャンバ内のサセプタ上に載置されたウェーハWに対してレーザ光を照射してウェーハ表面(表面に形成された薄膜)を選択的に加熱する装置である。
【0042】
処理チャンバ1内に配置されたサセプタ2は、サセプタ移動機構3により処理チャンバ1内で水平移動できるように構成されている。ウェーハWはサセプタ2の上面に載置された状態で処理チャンバ1の天井壁1aに対向する。天井壁1aを含む処理チャンバ1の壁面は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等のセラミック材により形成され、処理チャンバ1内は周囲の雰囲気から隔離される。
【0043】
処理チャンバ1の天井壁1aのほぼ中央には、透過窓4が天井壁1aの一部として設けられる。レーザ源5は処理チャンバ1の外側に設けられ、レンズやプリズム等よりなる光学系6を介してレーザ光を処理チャンバ1の内部に照射する。
【0044】
すなわち、レーザ源5から出力されたレーザ光7は、レンズ6aにより図3に示すように線状のレーザ光7aとして拡大され、プリズムあるいは偏向反射板6bにより進行方向が90度変えられて、処理チャンバ1の透過窓4に向けられる。
【0045】
レーザ光7aは透過窓4を通過してサセプタ2上に載置されたウェーハWに照射される。ウェーハWの表面あるいは、表面付近に形成された薄膜は、レーザ光7aにより所定の温度に加熱される。ここで、レーザ源5の出力はパワーコントローラ8により制御され、所定の強度のレーザ光7aがウェーハWに照射されるよう構成されている。パワーコントローラ8がレーザ源5の出力をオフに制御することで、ウェーハWの加熱は停止され、ウェーハWの薄膜は冷却される。また、レーザ源5の出力を完全にオフすることなく冷却時にも小さな出力でレーザ光を出力させることにより、冷却速度を制御することができる。さらに、パワーコントローラ8は、レーザ出力強度が時間と共に変化するように制御することもできる。
【0046】
サセプタ2はサセプタ移動機構3により処理チャンバ内で図2の矢印方向に段階的に水平移動できるように構成されており、ウェーハW上のレーザ照射位置を順次移動することにより、ウェーハWは線状のレーザ光により走査されることとなる。これにより、ウェーハWの全面にレーザ光7aを照射してウェーハWの全面を熱処理することができる。なお、サセプタ移動機構3は周知の移動機構により構成できるものであり、詳細な説明は省略する。
【0047】
ここで、レーザ光7の波長は、加熱対象物質(ウェーハW又はウェーハW上に形成された薄膜)の光吸収波長に合わせて選定される。例えばウェーハW上に形成されたシリコン酸化膜の熱処理(材料改質)を行なう場合、波長9.6μm〜10.6μmの赤外レーザである炭酸ガスレーザ(COレーザ)が適している。したがって、レーザ源5として炭酸ガスレーザを用いる。
【0048】
ここで、従来の熱処理装置に用いられてい透過窓は溶融石英(透過波長0.4μm〜3.5μm)であり、波長9.6μm〜10.6μmの炭酸ガスレーザを透過することができない。したがって、照射光として炭酸ガスレーザを用いた場合、なるべく炭酸ガスレーザ光を吸収しないで透過するな材料として、例えば波長2.5μm〜13μmの光を透過するゲルマニウム(Ge)を透過窓4の材料として選定することが好ましい。
【0049】
ただし、レーザの種類(波長)と透過窓4の材質とは上述の炭酸ガスレーザとゲルマニウムの組み合わせに限ることなく、加熱対象物質を選択的に加熱可能な波長と、その波長の光を損失少なく透過できる材料との組み合わせは様々なものが考えられる。
【0050】
従来の溶融石英より長い波長の光を透過できる材料として、アルカリハライド、アルカリ土類フロライド、半導体材料、赤外透過ガラス等のような赤外透明結晶材料が考えられる。
【0051】
例えばアルカリハライドとしては、NaF,NaCl,KCl,KBr、KI,CsBr,CsI等がある。アルカリ土類フロライドとしては、CaF,SrF,BaF,MgF,PbF等がある。半導体材料としては、Ge,Si,GaAS,ZnS,ZnSe,CdTe等がある。赤外透過ガラスとしては、カルコゲナイドガラス(Ge33As12S55)、コーニング9754(商標)等がある。
【0052】
以上のような赤外透明結晶材料により形成した透過窓に反射防止コーティングを施すことで赤外線透過率を向上することもできる。例えば、GeあるいはSiにより形成した透過窓にGe及びSiOのコーティングを両面に施す。また、ZnSeにより形成した透過窓にZnSe及びThFのコーティングを両面に施す。
【0053】
また、処理チャンバの透過窓には大きな曲げ応力が加わることがあり、上記の材料単体では曲げ応力に耐えられない場合がある。そこで、透過窓を、曲げ応力に耐える強度を有する格子状の骨格部分と、骨格部分により分けられた小面積の部分とにより形成する。そして、骨格部分を比較的強度を有する例えば透光性セラミックスにより形成し、小面積の部分を上記の赤外透明結晶材料又はそれに反射防止コーティングを施したもので形成する。例えば、骨格部分をアルミナ(Al)又は単結晶アルミナとしてサファイヤにより形成し、小面積の部分をBaFにより形成することができる。あるいは、小面積の部分を、例えばZnSe基板にZnSe及びThFのコーティングを両面コーティングしたものとしてもよい。
【0054】
なお、上述の実施の形態では赤外レーザ光を照射して加熱する熱処理装置として説明したが、赤外レーザの代わりに赤外ランプを用いてもよい。また、レーザの種類も赤外レーザに限ることなく、加熱すべき対象物質によっては紫外レーザが適している場合もある。また、紫外レーザの代わりに紫外ランプを用いてもよい。
【0055】
以上のように、本実施の形態による熱処理装置では、加熱すべき対象物質の光吸収波長に合致した波長の光を照射して効率的に対象物質を加熱する。また、加熱用の光が透過する透過窓の材料を、光の波長に応じて吸収されにくい材料を選定するので、光が透過窓を通過する際の損失が低減され、効率的に熱処理を行なうことができ、熱処理装置の運転に費やされるエネルギ量を低減することができる。
【0056】
次に、本発明の第2の実施の形態による半導体製造装置としての熱処理装置について図4を参照しながら説明する。図4は本発明の第2の実施の形態による熱処理装置の全体構成を示す断面図である。
【0057】
図4に示す熱処理装置は、選択加熱輻射装置であり、処理チャンバ内のサセプタ上に載置されたウェーハWに対してランプ光を照射してウェーハ表面(表面に形成された薄膜)を選択的に加熱する装置である。
【0058】
処理チャンバ11内に配置されたサセプタ12は、サセプタ回転機構13により処理チャンバ11内で水平回転できるように構成されている。ウェーハWはサセプタ12の上面に載置された状態で処理チャンバ11の天井壁に対向する。処理チャンバ11の壁面は、例えば、酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等のセラミック材により形成され、処理チャンバ11の内部は周囲の雰囲気から隔離される。
【0059】
処理チャンバ1の天井壁は、例えばアルミナ(Al)により形成された透過窓14となっている。複数のランプ15は処理チャンバ11の外側に設けられ、透過窓14を介してランプ光を処理チャンバ11の内部に照射する。
【0060】
すなわち、ランプ15から出力されたランプ光17は、ランプ15の周囲に設けられたリフレクタ16により処理チャンバ11の透過窓14に向けられる。
【0061】
ランプ光17は透過窓14を通過してサセプタ12上に載置されたウェーハWに照射される。ウェーハWの表面あるいは、表面付近に形成された薄膜は、レーザ光17により所定の温度に加熱される。ここで、ランプ電源15の出力はパワーコントローラ18により制御され、所定の強度のランプ光17がウェーハWに照射されるよう構成されている。パワーコントローラ18がランプ電源15の出力をオフに制御することで、ウェーハWの加熱は停止され、ウェーハWの薄膜は冷却される。また、ランプ電源15の出力を完全にオフすることなく冷却時にも小さな出力でランプ光を出力させることにより、冷却速度を制御することができる。さらに、パワーコントローラ18は、レーザ出力強度が時間と共に変化するように制御することもできる。
【0062】
サセプタ12はサセプタ回転機構13により処理チャンバ内で回転できるように構成されており、ウェーハWにランプ光が均一に照射される。これにより、ウェーハWの全面を均一に熱処理することができる。なお、サセプタ回転機構13は周知の回転機構により構成できるものであり、詳細な説明は省略する。
【0063】
ここで、ランプ光17の波長は、加熱対象物質(ウェーハW又はウェーハW上に形成された薄膜)の光吸収波長に合わせて選定される。例えばウェーハW上に形成されたシリコン酸化膜の熱処理(材料改質)を行なう場合、波長2μm〜11μmのセラミックコーティングランプが適している。また、この場合、ランプ光17が通過する透過窓14は、なるべくランプ光を吸収しないような材料として、例えば波長0.15μm〜6.0μmの光を透過するアルミナ(Al)を選定することが好ましい。ただし、ランプ光の種類(波長)と透過窓14の材質との組み合わせは、加熱対象物質を選択的に加熱可能な波長と、その波長の光を損失少なく透過できる材料として様々なものが考えられる。
【0064】
次に、上述の熱処理装置を用いて薄膜を熱処理することにより材料改質する例について説明する。
【0065】
1)大きな降温速度にて粒径を小さくする材料改質例
トランジスタ等の半導体製造工程において、ウェーハ上に薄膜を形成する工程の最初の部分(FEOL:Front End Of Line)において、いわゆる非常に浅い結合(USJ:Ultra Shallow Junction)を形成するために、ドープされた不純物を活性化することを目的としてスパイクアニールが施される。さらに、フラッシュランプアニールと称される高速な昇降温を行なう熱処理が施される場合もある。
【0066】
ドープされた不純物の活性化において、イオン注入れた不純物原子が非常に大きな速度を持つ過渡増速拡散が生じることに起因して、USJサイズ(USJ層の厚み)が大きくなってしまうおそれがある。したがって、これにより微細化寸法が損なわれないようにしながら、イオン注入された不純物原子が格子間原子から格子原子に収まって安定に機能する接合層となるように、高速な昇降温を伴う熱処理が必要となる。
【0067】
このような高速な昇降温を伴う熱処理を実現するために、従来の半導体製造装置(熱処理装置)では、処理チャンバ内の大部分にわたって加熱することによりシリコン(Si)ウェーハ全体を高速で昇温するような熱処理方法が採用されている。ところが、材料改質が必要な層はウェーハ全体の極一部であり、この層を加熱するために他の部分も一緒に加熱するということは効率的ではない。しかし、従来は材料改質が必要な層のみを選択的に加熱するといった発想や試みはなされていなかった。
【0068】
また、従来の熱処理装置では昇温速度を上げるという試みは多数提案されているが、降温速度を上げるという試み、すなわち冷却速度を上げて急速冷却を行なうといる試みはあまり行なわれておらず、僅かにUVレーザアニールの実験例があるのみである。
【0069】
ここで、選択加熱という技術と昇降温の速度の向上とは密接に関係している。特定の層に限定した選択加熱が実現できれば、加熱対象の熱容量を小さくすることができる。しかし、選択加熱が実現できないため、処理チャンバ全体という大きな熱容量のハードウェアを加熱しなければならず、また、処理チャンバ全体の伝熱特性に従った小さな降温速度での冷却を用いざるを得ないというのが現状であった。このため、トランジスタ形成時に注入した不純物の分布を浅い層に抑えながら活性化させて接合層を活性化させるような熱処理(アニール)を施すことができなかった。
【0070】
そこで、図2に示す本発明による熱処理装置を用いて、シリコン酸化膜に対して炭酸ガスレーザ(COレーザ)を照射することにより、シリコン酸化膜を選択加熱する。すなわち、ウェーハ上に形成されたシリコン酸化膜の光吸収係数が大きい波長に対応した波長を有する炭酸ガスレーザ(波長9.6〜10.6μm)をシリコン酸化膜に照射する。これにより、加熱対象である酸化膜のみを選択的に加熱し溶融することができる。なお、炭酸ガスレーザにより選択加熱が可能なシリコン酸化膜として、Si−O結合を有する低誘電率膜(Low−k膜)や、SiON膜あるいはHfO膜のような高誘電率膜(High−k膜)が挙げられる。
【0071】
シリコン酸化膜が溶融した後に、炭酸ガスレーザの照射エネルギを急激に小さくすることにより、溶融したシリコン酸化膜を大きな冷却速度で冷却する。すなわち、シリコン酸化膜のみが選択的に加熱されているため、シリコン酸化膜の周囲の部分は低温のままであり、シリコン酸化膜の熱が急速に周囲に拡散するため、シリコン酸化膜自体を急速冷却することができる。
【0072】
以上のような選択加熱及び急速冷却を、スクリーン酸化膜の下のソースとドレインとの間に形成される浅い結合層(Shallow Junction層)に適用することにより、浅い結合層を不純物拡散を起こさずに活性化することができる。不純物の拡散は、浅い結合層の縦方向(厚さ方向)のみならず横方向に関しても抑制することができるので、微細化されたMOSトランジスタ構造を実現するのに適した接合層を形成することができる。
【0073】
また、急速冷却を行なうことができるため、ゲート酸化膜(例えばHfSiON膜)の結晶化及び結晶成長が抑制できる。これにより、粒界を伝わって流れるリーク電流を低減することができ、構成能なトランジスタを形成することができる。
【0074】
ここで、図5は、波長9.6μm〜10.6μmの炭酸ガスレーザ光をスクリーン酸化膜(SiO膜)に照射した際の溶融時間を試算した結果を示す図である。スクリーン酸化膜及び他の層の溶融時間は、上述したように、対象材料の膜が溶融するまでの時間をt=tm+tbtとする計算方法によりより求めた。
【0075】
スクリーン酸化膜は、シリコン(Si)基板上に形成されたものとし、シリコン基板は、厚さ5mmのアルミニウム底板上に載置されたものとした。シリコン基板は、スクリーン酸化膜との境界面から100Åまでを最表層、その下100Åまでを第2層、さらにその下100Åまでを第3層として、各層の溶融時間を試算した。また、透過窓は表面コーティングされたゲルマニウム(Ge)で形成されているものとした。また、炭酸ガスレーザ光のエネルギ密度は1×10W/cmとした。
【0076】
図5に示すように、SiO膜の吸収係数αを1.6×10/cmとした場合、膜厚が50Åであっても100Åであっても、SiO膜が融解するまでの時間は、他の層が融解するまでの時間より短く、且つその直下のシリコン基板の最表層が融解するまで時間の半分以下であり、選択的にSiO膜のみを融解できることが確認できた。
【0077】
また、SiO膜の吸収係数αを6.0×10/cmとし、且つ膜厚を100Åとした場合でも、SiO膜が融解するまでの時間は、他の層が融解するまでの時間より短く、且つその直下のシリコン基板の最表層が融解するまで時間の約半分であり、選択的にSiO膜のみを融解できることが確認できた。
【0078】
さらに、SiO膜の吸収係数αを6.0×10/cmとし、且つ膜厚を100Åとした場合には、シリコン基板の最表層の方がSiO膜より早く融解するものの、SiO膜が融解するまでの時間は、シリコン基板の第2層が融解するまでの時間の約半分であり、選択的にSiO膜を融解できることが確認できた。
【0079】
以上のように、SiO膜と下地のシリコン基板が融解するまでの時間を試算した結果、SiO膜の条件が変わったとしても、選択的にSiO膜を融解できることがわかった。
【0080】
以上のように、本発明による熱処理装置を用いて、酸化膜の吸収係数が非常に大きくなる波長の光を照射して酸化膜を選択的に輻射加熱し、且つ大きな冷却速度で冷却することにより、MOSトランジスタ等の半導体構造の形成においてレーザアニール等の熱処理を効率的に行なうことができる。また、微細化構造に適した浅い接合層を容易に形成することができる。
【0081】
シリコン酸化膜の選択加熱及び急速冷却による材料改質は、炭酸ガスレーザを用いた図2に示す熱処理装置により行なうことができるが、光源としてレーザに限ることなく、赤外ランプ(IRランプ)による赤外線照射によっても行なうことができる。すなわち、図2に示す熱処理装置の代わりに、ランプ光源としてセラミックコーティングランプ(波長2〜11μm)のような赤外ランプを用いた図4に示す熱処理装置を用いることもできる。この場合、透過窓4を形成する材料としてアルミナ(Al)を用いてもよい。アルミナの光透過波長は0.15μm〜6.0μmであり、透過できる光の波長範囲がゲルマニウムより狭いが、赤外ランプ光は炭酸ガスレーザ光よりエネルギ密度が小さいため、問題なく使用することができる。
【0082】
赤外ランプから赤外線をトランジスタ構造中のスクリーン酸化膜またはゲート酸化膜に照射して溶融し、その後、照射エネルギを急速に小さくして急速冷却する。これにより、上述のレーザ光照射による選択加熱及び急速冷却と同様な効果を得ることができる。赤外ランプを光源として用いることにより、レーザ源を用いる場合よりも安価な熱処理装置を実現することができる。また、アルミナ製の透過窓を用いることで製造コストを更に低減することができる。
【0083】
2)大きな降温速度にて偏析を起こさせる材料改質例
従来、熱処理装置にてMOSトランジスタのFEOL構造全体をアニールする際、ゲート酸化膜層のみ改質することはできなかった。また、昇温速度を制御する技術は数多く提案されているが、冷却速度まで制御する技術は提案されていない。すなわち、従来の熱処理装置では、ウェーハ全体を含む処理チャンバ内全体を加熱・冷却するだけであり、例えば改質が必要なゲート酸化膜であるSiON層を選択的に加熱・冷却することはできなかった。すなわち、加熱対象材料層はウェーハ全体と共に加熱され、ウェーハ全体の冷却により加熱対象材料層も冷却される。したがって加熱対象層の冷却速度はウェーハ全体の冷却速度に支配され、急速冷却を行なうことができなかった。
【0084】
上述のように、従来の熱処理装置を用いた熱処理方法では、ゲート酸化膜を所定の温度に加熱・溶融することはできても、溶融したゲート酸化膜はゆるやかな冷却速度で凝固する。このため、ゲート酸化膜であるSiON層中の窒素原子の深さ分布は、注入されたときの状態のままで変えることはできない。ここで、窒素原子を意図的に最表面層に移動させることができれば、ゲート酸化膜からのリーク電流を低減することができる。しかし、窒素原子をゲート酸化膜の最表面層に移動させる(すなわち窒素を最表面層に偏析させる)には、溶融したゲート酸化膜を急速冷却して急速に凝固させる必要がある。
【0085】
そこで、本発明による熱処理装置を用いて、ゲート酸化膜の光吸収係数が大きくなる波長を有した炭酸ガスレーザをウェーハ(すなわち、ゲート酸化膜)に照射し、ゲート酸化膜を加熱・溶融する。その後、レーザ照射エネルギを低減して冷却速度を制御しながらゲート酸化膜を凝固させる。すなわち、図2に示すレーザ源5の出力をパワーコントローラ8により制御することにより、溶融したSiON層を下層側から上層側に向かって凝固するように炭酸ガスレーザの照射エネルギを制御する。これにより、溶融したゲート酸化膜が凝固する際に、窒素原子を最表面層に高濃度偏析させることができ、下地界面の良好な状態を保ちつつ、トランジスタ構造中のゲート酸化膜(SiON層)のリーク電流を低減することができ、且つゲート電極ポリシリコン中の不純物のSiON中への拡散(あるいはや突き抜け)を抑制することができる。
【0086】
以上の例では、ゲート酸化膜を選択的に加熱し、且つ冷却速度を制御することにより、ゲート酸化膜中で窒素原子を意図的に偏析させ、所望の効果を得るものである。加熱した後にレーザ照射を停止することにより、大きな冷却速度で冷却することができるため、レーザのパワーを適度に落とした状態で照射しながら冷却することにより、冷却速度を制御することができ、また、下層側から凝固するように制御することができる。
【0087】
ここで、図6は、波長9.6μm〜10.6μmの炭酸ガスレーザ光をゲート酸化膜(SiON膜)に照射した際の溶融時間を試算した結果を示す図である。ゲート酸化膜及び他の層の溶融時間は、上述したように、対象材料の膜が溶融するまでの時間をt=tm+tbtとする計算方法によりより求めた。
【0088】
SiON膜は、シリコン(Si)基板上に形成されたSiO膜の上に形成されたものとし、シリコン基板は、厚さ5mmのアルミニウム底板上に載置されたものとした。SiON膜の厚みは50Å、SiO膜の厚みは150Åとした。また、シリコン基板の厚みは730μmとした。また、透過窓は表面コーティングされたゲルマニウム(Ge)で形成されているものとした。また、炭酸ガスレーザ光のエネルギ密度は1×10W/cmとした。
【0089】
図6に示すように、SiON膜の吸収係数αを1.6×10/cm、1.6×10/cm、及び6.0×10/cmとした場合、そのいずれにおいても、SiON膜が融解するまでの時間は、他の層が融解するまでの時間より短く、且つその直下SiO膜が融解するまで時間の約半分であり、選択的にSiON膜のみを融解できることが確認できた。
【0090】
また、SiON膜の吸収係数αを2.9×10/cmとした場合でも、SiON膜が融解するまでの時間は、他の層が融解するまでの時間より短く、且つその直下SiO膜が融解するまで時間の約半分であり、選択的にSiON膜のみを融解できることが確認できた。
【0091】
以上のように、SiON膜と下地のSiO膜と基板とが融解するまでの時間を試算した結果、SiON膜の条件が変わったとしても、選択的にSiON膜を融解できることがわかった。
【0092】
以上のように、ゲート酸化膜の選択加熱及び急速冷却による材料改質は、炭酸ガスレーザを用いた図2に示す熱処理装置により行なうことができるが、光源としてレーザに限ることなく、赤外ランプ(IRランプ)による赤外線照射によっても行なうこともできる。すなわち、図2に示す熱処理装置の代わりに、ランプ光源としてセラミックコーティングランプ(波長2〜11μm)のような赤外ランプを用いた図4に示す熱処理装置を用いることもできる。この場合、透過窓4を形成する材料としてアルミナ(Al)を用いてもよい。
【0093】
赤外ランプから赤外線をトランジスタ構造中のゲート酸化膜に照射して溶融し、その後、照射エネルギを小さくして冷却速度を制御しながら冷却する。これにより、上述のレーザ光照射による選択加熱及び制御された冷却と同様な効果を得ることができる。赤外ランプを光源として用いることにより、レーザ源を用いる場合よりも安価な熱処理装置を実現することができる。また、アルミナ製の透過窓を用いることで製造コストを更に低減することができる。
【発明の効果】
上述の如く本発明によれば、加熱すべき対象物質を選択的に加熱し且つ冷却することにより、加熱対象物質の材料改質を行なうことができる。また、選択加熱であるため、加熱に費やされるエネルギを低減することができ、半導体製造装置の省エネルギ化及び低温加熱を達成することができる。また、加熱対象物質のみを選択的に加熱・溶融し、且つ凝固速度を制御することにより、加熱対象物質の材料改質を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シリコン基板上にSC−Ox膜が形成された層構造に炭酸ガスレーザを照射して加熱した際の層構造中の温度上昇を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施の形態による熱処理装置の全体構成を示す断面図である
【図3】図1に示す熱処理装置の平面図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態による熱処理装置の全体構成を示す断面図である。
【図5】炭酸ガスレーザ光をスクリーン酸化膜に照射した際の溶融時間を試算した結果を示す図である。
【図6】炭酸ガスレーザ光をゲート酸化膜に照射した際の溶融時間を試算した結果を示す図である。
【符号の説明】
1,11 処理チャンバ
1a 天井壁
2,12 サセプタ
3 サセプタ移動機構
4,14 透過窓
5 レーザ源
6 光学系
7,7a レーザ光
8,18 パワーコントローラ
13 サセプタ回転機構
15 ランプ
16 リフレクタ
17 ランプ光

Claims (11)

  1. 加熱対象物質に対して光を照射して輻射加熱により熱処理を行なう半導体製造装置であって、
    加熱対象物質を含む被処理体が配置される処理チャンバと、
    該処理チャンバの外壁の一部として設けられた透過窓と、
    該透過窓を介して前記加熱対象物質に光を照射する光源と、
    該光源の出力を制御する制御器と
    を有し、
    前記光源から照射される光の波長は、前記加熱対象物質の光吸収係数が大きい波長であり、
    前記透過窓は、該波長の光を吸収しない材料により形成されることを特徴とする半導体製造装置。
  2. 請求項1記載の半導体製造装置であって、
    前記光源はレーザ光を出力するレーザ源であり、該レーザ光が前記加熱対象物質に対して線状に照射されるように該レーザ光を導く光学系を更に有することを特徴とする半導体製造装置。
  3. 請求項2記載の半導体製造装置であって、
    前記レーザ源は赤外レーザであり、前記加熱対象物質は半導体製造工程の初期工程において形成されるシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体製造装置。
  4. 請求項3記載の半導体装置であって、
    前記赤外レーザは炭酸ガスレーザであり、前記透過窓はゲルマニウムにより形成されることを特徴とする半導体製造装置。
  5. 請求項1記載の半導体製造装置であって、
    前記光源は赤外光を出力する赤外ランプであり、前記加熱対象物質は半導体製造工程の初期工程において形成されるシリコン酸化膜であることを特徴とする半導体製造装置。
  6. 請求項5記載の半導体製造装置であって、
    前記透過窓はAlにより形成されることを特徴とする半導体製造装置。
  7. 半導体製造に用いられる熱処理方法であって、
    加熱対象物質の光吸収波長に対応した波長を有する光を該加熱対象物質に照射して、該加熱対象物質を周囲の部分に対して選択的に加熱し、
    該照射する光の強度を制御して、加熱された前記対象物質を周囲への伝熱作用により冷却する
    ことを特徴する熱処理方法。
  8. 請求項7記載の熱処理方法であって、
    前記加熱対象物質はシリコン酸化膜であり、前記光は炭酸ガスレーザ光であることを特徴とする熱処理方法。
  9. 請求項8記載の熱処理方法であって、
    前記加熱対象物質はシリコン酸化膜であり、前記光は赤外ランプから出力される赤外光であることを特徴とする熱処理方法。
  10. 請求項7記載の熱処理方法であって、
    前記加熱対象物質を選択的に加熱することにより溶融し、その後の冷却過程において、結晶化及び結晶の成長が抑制されるように急速冷却することを特徴とする熱処理方法。
  11. 請求項7記載の熱処理方法であって、
    前記加熱対象物質を選択的に加熱することにより溶融し、その後の冷却過程において前記加熱対象物質が凝固する際に内部の元素が偏析するように冷却速度を制御することを特徴とする熱処理方法。
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