JP2003100638A - 半導体薄膜及び薄膜トランジスタの製造方法、電気光学装置及び電子機器 - Google Patents

半導体薄膜及び薄膜トランジスタの製造方法、電気光学装置及び電子機器

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JP2003100638A
JP2003100638A JP2002146440A JP2002146440A JP2003100638A JP 2003100638 A JP2003100638 A JP 2003100638A JP 2002146440 A JP2002146440 A JP 2002146440A JP 2002146440 A JP2002146440 A JP 2002146440A JP 2003100638 A JP2003100638 A JP 2003100638A
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清一郎 東
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低いプロセス温度、高スループット且つ低コ
ストで大粒径の多結晶シリコン膜を形成する。 【解決手段】 半導体層上に第一絶縁層、W、Cr、T
iいずれかの金属をもちいた光吸収層、第二絶縁層を設
け、波長1μm付近にピーク波長を有する複数の線状ラ
ンプ光源から発した光を楕円反射面を有する反射光学系
をもちいて光吸収層上に集光し処理をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単結晶半導体基板上
あるいは絶縁体上に形成される半導体薄膜、薄膜トラン
ジスタ、およびこれにより形成したロジック回路、メモ
リ回路、液晶表示装置および有機エレクトロルミネッセ
ンス(EL)表示装置の表示画素または表示装置駆動回
路の構成素子として利用される薄膜トランジスタの製造
方法および絶縁体上に形成される太陽電池の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多結晶シリコン(poly−S
i)等の半導体薄膜は薄膜トランジスタ(TFT)や太
陽電池に広く利用されている。とりわけpoly−Si
TFTは、キャリア移動度が高い上、ガラス基板のよう
な透明の絶縁基板上に作製できるという特徴を生かし
て、液晶表示装置、液晶プロジェクターや有機EL表示
装置などのスイッチング素子、或いは液晶駆動用ドライ
バの回路素子として広く用いられている。
【0003】ガラス基板上に高性能なTFTを作製する
方法としては高温プロセスと呼ばれている製造方法がす
でに実用化されている。TFTの製造プロセスの中で
も、最高温度が1000℃程度の高温を用いるプロセス
を一般的に高温プロセスと呼んでいる。高温プロセスの
特徴は、シリコンの固相成長により比較的良質の多結晶
シリコンを成膜する事ができる点、シリコンの熱酸化に
より良質のゲート絶縁層を得ることができる点、及び清
浄な多結晶シリコンとゲート絶縁層との界面を形成でき
る点である。高温プロセスではこれらの特徴により、高
移動度でしかも信頼性の高い高性能TFTを安定的に製
造することができる。しかし、高温プロセスでは固相成
長によりSi膜の結晶化をおこなうために、600℃程
度の温度で48時間程度の長時間の熱処理を必要とす
る。これは大変長時間の工程であり、工程のスループッ
トを上げるためには必然的に熱処理炉を多数必要とし、
低コスト化が難しいという点が課題である。加えて、耐
熱性の高い絶縁性基板として石英ガラスを使わざるを得
ないため基板価格が高く、大面積化には向かないとされ
ている。
【0004】一方、工程温度を下げ、安価な大面積ガラ
ス基板上にpoly−SiTFTを作製するための技術
が低温プロセスと呼ばれる技術である。TFTの製造プ
ロセスの中でも、最高温度が概ね600℃以下の温度環
境下において比較的安価な耐熱性ガラス基板上にpol
y−SiTFTを製造するプロセスは一般に低温プロセ
スと呼ばれている。低温プロセスでは発振時間が極短時
間のパルスレーザーを用いてシリコン膜の結晶化をおこ
なうレーザー結晶化技術が広く使われている。レーザー
結晶化とは、基板上のシリコン薄膜に高出力のパルスレ
ーザー光を照射することによって瞬時に溶融させ、これ
が凝固する過程で結晶化する性質を利用する技術であ
る。最近ではガラス基板上のアモルファスシリコン膜に
エキシマレーザービームを繰り返し照射しながらスキャ
ンすることによって大面積のpoly−Si膜を作製す
る技術が広く使われるようになった。また、ゲート絶縁
層としてはプラズマCVDを用いた成膜方法により二酸
化珪素(SiO)膜が大面積基板上に成膜可能となっ
た。これらの技術によって、現在では一辺が数十センチ
ほどもある大型のガラス基板上にpoly−SiTFT
が作製可能となっている。
【0005】しかし、この低温プロセスで問題となるの
は能動層となる半導体層(poly−Si膜)をレーザ
ー結晶化により形成した場合、結晶粒径が高々0.5ミ
クロンと小さいため、このpoly−Si膜を用いて作
製したTFTの閾値電圧が高く移動度が低い事である。
またエキシマレーザー結晶化法では結晶化したpoly
−Si膜の表面に膜厚の30から40%相当の高さの凹
凸が発生するという問題が有った。これは結晶成長核か
ら成長した結晶同士が衝突する結晶粒界で発生する。こ
の突起部分ではゲート絶縁膜厚が実効的に薄くなるため
絶縁耐圧が低くなり、特に薄いゲート絶縁膜を有するT
FTでは大きな課題となっていた。加えて、レーザー結
晶化工程に広く使われているエキシマレーザーはガスレ
ーザーであるためパルス間のエネルギー安定性が低く、
TFT素子バラツキを低減するのが難しいという課題を
有する。さらにエキシマレーザーは装置単価が高く、レ
ーザーチューブ(発振器)の交換によるランニングコス
トが高く、またスループットも低いので、製品の製造コ
ストを下げられないという課題を抱えていた。
【0006】以上のような課題を解決するための手段と
して、以下のような従来技術がある。
【0007】特開昭57−113217では絶縁板の一
主面上に半導体膜を被着する工程、前記半導体膜上に絶
縁膜を被着する工程、該絶縁膜上に光吸収層を被着する
工程を含み、光吸収層上からレーザー照射し加熱するこ
とにより半導体層の結晶化をおこなう技術が開示されて
いる。
【0008】特開昭59−158515では非単結晶半
導体層上に熱抵抗層を介してエネルギー吸収層を設け、
該エネルギー吸収層をエネルギー線照射により昇温せし
めることにより前記熱抵抗層を介して該半導体層を加熱
溶融して単結晶化する技術が開示されている。
【0009】特開昭59−205712では絶縁層上に
非単結晶半導体よりなる半導体領域を配設し、少なくと
も前記半導体領域及びその近傍を被覆する皮膜を形成
し、前記皮膜にエネルギー線を照射して該皮膜を加熱す
ることにより前記半導体領域の非単結晶半導体を融解し
て単結晶化する技術が開示されている。
【0010】特開昭60−18913では絶縁性基板上
に再結晶される非晶質または多結晶の化合物半導体層を
設ける工程、この化合物半導体層上に化合物半導体より
高い融点を有する加熱層を設ける工程、およびエネルギ
ー線を上記加熱層に照射し吸収させ、上記加熱層の熱を
伝導して上記化合物半導体層を加熱し再結晶する工程を
施す半導体装置の製造方法が開示されている。
【0011】特開昭60−126815では部分的に単
結晶シードに接した非単結晶半導体層が絶縁膜上に設け
られ、該非単結晶半導体層が分離層を介して設けられた
エネルギー線吸収層によって被覆された試料の該エネル
ギー線吸収層にエネルギー線を照射して加熱し、これを
熱源としたヒートフローにより、該非単結晶半導体層を
溶融し、前記単結晶シードから横方向にエピタキシャル
成長させることにより、該非単結晶半導体層を単結晶化
する工程が含まれてなることを特徴とする半導体装置の
製造方法が開示されている。
【0012】特開昭60−231319では絶縁物基体
上に熱伝導層として寄与する第一の層を設け、該第一の
層上に単結晶化しようとする半導体島状領域を形成し、
次いで該半導体島状領域の上表面及び側面を覆いエネル
ギー線吸収体として寄与する第2の層を形成し、該第2
の層上からエネルギー線を照射して該半導体島状領域を
単結晶化する工程を有することを特徴とする半導体装置
の製造方法が開示されている。
【0013】特開昭61−30025では、少なくとも
その表面がアモルファス絶縁層で覆われた基板上に多結
晶あるいは非晶質半導体膜を形成する工程と、該基板上
に光吸収係数の異なる少なくとも2種類のアモルファス
絶縁膜を形成する工程と、この基板に前記半導体が吸収
できる波長成分を持つ光を照射するとともに、電子線を
照射することにより、前記半導体膜を溶融再結晶させる
肯定を含むことを特徴とする単結晶半導体薄膜の製造方
法が開示されている。
【0014】特開平4−332120では、基板上にア
ニールされるべき半導体層を形成し、該半導体層上に高
融点金属膜を形成するに際して、半導体層と高融点金属
膜との間に中間層を形成しておき、半導体層上に中間
層、高融点金属膜を形成後、半導体層をアニールするた
めのエネルギービームを高融点金属膜側から照射するよ
うになっていることを特徴とする半導体結晶層の製造方
法が開示されている。
【0015】特開平6−291034では、光照射によ
り薄膜を熱処理するようにした薄膜の熱処理方法におい
て、上記薄膜を加熱層上に積層した構造体を形成した
後、上記薄膜に対して実質的に透明でかつ上記加熱層に
よって吸収される第1の波長を有する第1の光を上記構
造体に照射し、次いで上記薄膜によって吸収される第2
の波長を有する第2の光を上記構造体に照射するように
したことを特徴とする薄膜の熱処理方法が開示されてい
る。
【0016】特開平8−51076では、絶縁基板上に
光反射膜を形成する工程、該反射膜上にバッファ層を形
成する工程、該バッファ層上に非晶質シリコン膜を形成
する工程、該非晶質シリコン膜にランプ光を極短時間で
複数回照射させ該シリコン膜を溶融結晶化させることに
より多結晶シリコン膜を形成する技術が開示されてい
る。
【0017】以上のような技術を用いることにより絶縁
基板上であっても結晶粒径が1ミクロン以上のpoly
−Si膜を形成することが可能となるのでTFTの能動
層領域内の結晶粒界を劇的に低減でき、結果としてTF
Tの性能を向上させることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】前述の従来技術は照射
光源の光エネルギーの吸収層による吸収効率が低かった
ため、汎用のハロゲンランプ等低価格の光源から発する
光で吸収層温度を十分に上昇させる事が難しかった。加
えて従来技術を大面積基板上に形成したpoly−Si
膜の熱処理に適用することができないという課題を有し
ていた。これら課題の主たる原因は光吸収層にふさわし
い材料や吸収層の膜構造、照射光源と光学系の配置、光
照射条件、更には温度測定法が不明確であり、吸収層へ
の効率的な熱の投入および基板表面温度制御ができなか
ったことである。結果として、安価なガラス基板上へ大
粒径の高品質なpoly−Si膜を形成する事が不可能
であった。
【0019】そこで本発明は上述の諸課題を鑑み、安価
な照射光源をもちいつつ低温プロセスで大粒径且つ表面
が平坦なpoly−Si膜を大面積に形成する技術を開
示し、poly−SiTFTおよび回路の特性向上を実
現する半導体薄膜及び薄膜トランジスタの製造方法、更
にはこれを用いた電気光学装置及び電子機器を低コスト
で提供する技術を与えるものである。
【0020】
【課題を解決するための手段】基板上に形成された半導
体層上に第一絶縁層を形成する工程と、該絶縁層上に
W、Ti、Crのいずれかの材料からなる光吸収層を形
成する工程と、複数の線状光源から発した赤外域に出力
ピーク波長を有する光を各光源に設置した楕円面を有す
る反射光学系により前記光吸収層上に線状に集光し、前
記基板を相対的に移動させながら前記光吸収層に光照射
することによって前記半導体層を結晶化させる工程と、
を備える。前記材料を光吸収層として用いることによ
り、安価で大出力が得られるハロゲンランプのピーク出
力である赤外域の光がもっとも効率的に吸収されるとと
もに、前記反射光学系を用いることによりライン状光源
の光を光吸収層上に効率的に集光でき極めて高いパワー
密度の光を照射することができる。これにより基板温度
を600℃以上に上昇させること無く光吸収層および半
導体層のみを局所的に加熱することが可能となるので、
低温プロセスで大面積に高品質poly−Si膜を形成
することができる。
【0021】より好ましくは、前記光吸収層上に第二絶
縁層を設ける。本発明の光学系を用いると光吸収層上で
高パワー密度の光が集光されるので光吸収層材料が熱処
理中に酸化され光吸収効率が著しく低下するという問題
が有るが、前記第二絶縁層を設けることによりこの問題
を完全に解決する事ができる。加えて、第二絶縁層膜厚
を50乃至250nmとする事により反射防止膜として
の機能を同時に付与する事ができ、同膜がない場合より
効率的な光エネルギーの吸収層による吸収を可能ならし
める。
【0022】好ましくは光吸収層上に絶縁層を設けない
場合は不活性ガス中にて光照射をおこなう。これにより
酸化防止のための絶縁層を設ける工程を増やすことな
く、光吸収層の酸化を防ぐ事ができるので工程が簡単で
ある。
【0023】好ましくは、前記各光源に設置した楕円反
射面は、各光源の中心位置がひとつの焦点に位置し、他
の焦点を光吸収層上の集光点で共有してなる配置であ
る。しかる配置により複数の線状光源を光吸収層上に最
も効率的に集光しうるので、本発明を低温プロセスへ適
用可能ならしめる。
【0024】好ましくは前記各光源と楕円反射面の相対
位置は、マイクロメータにより調整可能である。複数の
線状光源を光吸収層上に均一性よく集光するためには線
状光源と楕円反射光学系の光軸を数10μm程度の精度
で調整する必要が有り、線状光源を支持する両端部に2
軸のマイクロメータを設けることにより光学系との相対
位置を調整するのが極めて有効である。
【0025】好ましくは、前記反射光学系と前記光吸収
層の間にスリットを設けて光照射をおこなう。本発明を
低温プロセスに適用するためには線状光源を光学系によ
り空間的に狭い領域に集光することが重要であり、これ
以外の漏れ光をできる限り遮断する必要がある。これに
は反射光学系と光吸収層の間の位置にスリットを設ける
のが最も効果的である。
【0026】好ましくは、前記複数の反射光学系の中心
付近に位置し、且つ前記光吸収層の略鉛直線上に配置し
た放射温度計により光吸収層または第二絶縁層の温度を
測定し照射光強度にフィードバックをかけながら光照射
をおこなう。かかる方法により線状光照射による光吸収
層加熱を常時温度測定しながら光源の出力にフィードバ
ックをかけるので被処理半導体層の温度制御が安定して
おり、結果として均一な品質を有するpoly−Si膜
を提供することができる。
【0027】本発明の薄膜トランジスタの製造方法は、
前記半導体薄膜の製造方法により形成した半導体層を能
動層とする。かかる方法により低温プロセスで形成した
大粒径poly−Si膜を能動層に用いることが可能と
なるので、高移動度の薄膜トランジスタを提供すること
ができる。
【0028】本発明の電気光学装置は、上記の方法によ
り製造された薄膜トランジスタを表示画素の駆動素子お
よび周辺回路の構成素子として備える。これによりLC
Dや有機EL表示装置にメモリーや指紋センサー、更に
は演算機能を有する回路群を備えることが可能となり、
より高機能な表示装置を提供することができる。
【0029】本発明の電子機器は、上記の電気光学装置
を備える。このような電子機器として、例えば、携帯電
話、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ、ヘッドマ
ウントディスプレイ、プロジェクタ、ファックス装置、
デジタルカメラ、携帯型テレビ、携帯情報端末、電子手
帳、多機能カードなどが好適である。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。図1に本発明の半導体薄膜製
造工程断面図を示す。
【0031】(1.半導体層の形成)本願発明の実施の
ためには通常、基板(100)の上に下地保護膜(10
1)を形成しその上に半導体薄膜(102)を形成する
ので、この一連の形成方法について説明する。
【0032】本発明を適応し得る基板(100)として
は金属等の導電性物質、シリコン・カーバイト(Si
C)やアルミナ(Al)や窒化アルミニウム(A
lN)等のセラミック材料、溶融石英やガラス等の透明
または非透明絶縁性物質、シリコン、ゲルマニウムウェ
ーハー等の半導体物質、並びにそれを加工したLSI基
板等が可能である。半導体膜は基板上に直接、又は下地
保護膜や下部電極等を介して堆積する。
【0033】下地保護膜(101)としては酸化硅素膜
(SiO:0<x≦2)や窒化硅素膜(Si
0<x≦4)等の絶縁性物質が挙げられる。TFTなど
の薄膜半導体装置を通常のガラス基板上に作成する場合
の様な半導体膜への不純物制御が重要である時、ガラス
基板中に含まれているナトリウム(Na)、カリウム
(K)等の可動イオンが半導体膜中に混入しない様に下
地保護膜を形成した後に半導体膜を堆積する事が好まし
い。金属材料などの導電性材料を基板として用い、且つ
半導体膜が金属基板と電気的に絶縁されていなければな
らない場合には、絶縁性を確保する為に当然下地保護膜
は必要不可欠である。更に半導体基板やLSI素子上に
半導体膜を形成する時にはトランジスタ間や配線間の層
間絶縁膜が同時に下地保護膜でもある。
【0034】下地保護膜はまず基板を純水やアルコール
などの有機溶剤で洗浄した後、基板上に常圧化学気相堆
積法(APCVD法)や低圧化学気相堆積法(LPCV
D法)、プラズマ化学気相堆積法(PECVD法)等の
CVD法或いはスパッター法等で形成する。 下地保護膜
として酸化硅素膜を用いる場合、常圧化学気相堆積法で
は基板温度を250℃程度から450℃程度としてモノ
シラン(SiH)や酸素を原料として堆積し得る。プ
ラズマ化学気相堆積法やスパッター法では基板温度は室
温から400℃程度である。下地保護膜の膜厚は基板か
らの不純物元素の拡散と混入を防ぐのに十分な厚さが必
要で、その値は最小で100nm程度以上である。ロッ
ト間や基板間のばらつきを考慮すると200nm程度以
上が好ましく、300nm程度あれば保護膜としての機
能を十分に果たし得る。下地保護膜がIC素子間やこれ
らを結ぶ配線等の層間絶縁膜を兼ねる場合には、通常4
00nmから600nm程度の膜厚となる。絶縁膜が余
りにも厚くなると絶縁膜のストレスに起因するクラック
が生ずる。その為最大膜厚は2μm程度が好ましい。生
産性を考慮する必要が強い場合、絶縁膜厚は1μm程度
が上限である。
【0035】次に半導体薄膜(102)について説明す
る。本発明が適用される半導体膜としてはシリコン(S
i)やゲルマニウム(Ge)等の四族単体の半導体膜の
他に、シリコン・ゲルマニウム(SiGe1−x:0
<x<1)やシリコン・カーバイド(Si1−x
0<x<1)やゲルマニウム・カーバイド(Ge
1−x:0<x<1)等の四族元素複合体の半導体膜、
ガリウム・ヒ素(GaAs)やインジウム・アンチモン
(InSb)等の三族元素と五族元素との複合体化合物
半導体膜、またはカドミウム・セレン(CdSe)等の
二族元素と六族元素との複合体化合物半導体膜等があ
る。或いはシリコン・ゲルマニウム・ガリウム・ヒ素
(SiGeGaAs:x+y+z=1)と云っ
た更なる複合化合物半導体膜やこれらの半導体膜にリン
(P)、ヒ素(As)、アンチモン(Sb)などのドナ
ー元素を添加したN型半導体膜、或いはホウ素(B)、
アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム
(In)等のアクセプター元素を添加したP型半導体膜
に対しても本発明は適応可能である。これら半導体薄膜
はAPCVD法やLPCVD法、PECVD法等のCV
D法、或いはスパッター法等や蒸着法等のPVD法で形
成する。半導体膜としてシリコン膜を用いる場合、LP
CVD法では基板温度を400℃程度から700℃程度
としてジシラン(Si)などを原料として堆積し
得る。PECVD法ではモノシラン(SiH )などを
原料として基板温度が100℃程度から500℃程度で
堆積可能である。スパッター法を用いる時には基板温度
は室温から400℃程度である。この様に堆積された半
導体膜の初期状態(as−deposited状態)は
非晶質や混晶質、微結晶質、或いは多結晶質等様々な状
態があるが、本願発明において初期状態はいずれの状態
であっても構わない。尚本願明細書中では非晶質の結晶
化のみならず、多結晶質や微結晶質の再結晶化をも含め
て総て結晶化と呼ぶ。半導体膜の膜厚はそれをTFTに
用いる時には20nm程度から100nm程度が適して
いる。
【0036】(2.第一絶縁層の形成)次に前記半導体
層上に第一絶縁層(103)を形成する。この絶縁層の
役割は次の工程で形成する光吸収層(104)と半導体
層(102)を分離することにある。後の熱処理工程で
光吸収層から半導体層への不純物の拡散を防ぐために、
この絶縁層には酸化硅素膜(SiO:0<x≦2)や
窒化硅素膜(Si:0<x≦4)等の絶縁性物質
が適用しうる。第一絶縁層の形成は、半導体層上の自然
酸化膜をフッ酸でエッチングし、純水洗浄した後、AP
CVD法やLPCVD法、PECVD法等のCVD法或
いはスパッター法等で形成する。 絶縁層として酸化硅素
膜を用いる場合、常圧化学気相堆積法では基板温度を2
50℃程度から450℃程度としてSiHや酸素を原
料として堆積し得る。PECVD法やスパッター法では
基板温度は室温から400℃程度である。第一絶縁層の
膜厚は光吸収層からの不純物元素の拡散と混入を防ぐの
に十分な厚さが必要である一方、半導体層への光吸収層
からの熱伝導が効率的におこなえる程度の厚みであるこ
とが条件である。このため絶縁層の膜厚には自ずと最適
範囲が存在し、その値は最小で50nm程度であり、最
大で熱拡散長と同程度の1μm程度である。
【0037】(3.光吸収層の形成)次に第一絶縁層
(103)上に光吸収層(104)を形成する。この光
吸収層は次の工程で照射する光を効率的に吸収し、これ
による発熱と熱伝導により半導体層温度を高温に上昇せ
しめるという役割を有する。したがって照射する光の波
長領域と、その波長領域における反射率、吸収係数の関
係および耐熱性が重要となる。このような目的には高融
点金属材料が好適である。金属中には高濃度のフリーキ
ャリア(電子)が存在するため、照射光の反射成分以外
は完全に吸収される。このため金属薄膜によって効率的
に光吸収をさせるためには反射率の低い高融点金属薄膜
を用いることが重要となる。図2に種々の高融点金属膜
の反射率スペクトルを示す。後述するように本発明では
比較的安価で高出力が得られるハロゲンランプを光照射
の光源として用いるので、その出力ピーク波長である赤
外域、特に波長1μm付近の反射率が低い材料が光吸収
層として適している。図2からわかるように、同波長に
おける反射率はTa、Mo、Cr、Ti、Wの順で徐々
に低くなる。現状で比較的容易に得られるハロゲンラン
プの出力をもって、大面積基板に対して本発明の半導体
形成方法を適用するためには、吸収層材料の反射率のわ
ずかな違いが決定的要素となる。特に一辺が400mm
以上の大面積基板に適用するためには吸収層材料はC
r、Ti、Wのいずれかが最も適している。
【0038】吸収層の厚みは、製造工程のタクトタイム
短縮のためには薄い方が好ましいが、照射光を十分吸収
しうる厚みが最低限必要となる。図3はCrとWを吸収
層に用いた場合の波長1μmにおける反射率の膜厚依存
性を示したものである。どちらの材料においても膜厚が
50nm以下では反射率が非常に小さくなっている。こ
れは膜が薄すぎるため、照射光を吸収しきれず透過成分
が発生しているためである。50から100nmの膜厚
では膜下面から反射してきた光と膜表面で反射した光の
干渉効果により反射率が上昇を示している。これからわ
かるように、照射光を十分吸収しかつ安定した反射率を
実現するためには光吸収層の膜厚は100nm以上、よ
り望ましくは150nm以上であることが重要である。
【0039】これら材料を光吸収層として絶縁層上に形
成する方法としては真空蒸着法やスパッタリング法があ
る。これら材料は高融点金属なのでスパッタリング方が
最も有効で、大面積に形成しうるという点においてもス
パッタリング法が有利である。
【0040】(4.第二絶縁層の形成)斯様にして形成
した光吸収層上に、第二絶縁層を形成する。この第二絶
縁層には重要な役割が二つある。
【0041】一つは光照射により吸収層の温度が上昇す
ることによって光吸収層が酸化するのを防ぐ役割であ
る。光照射により吸収層は1000℃以上の温度に容易
に上昇し、この処理を大気中でおこなうと大気中の酸素
と光吸収層の金属が反応して酸化物を形成する。金属酸
化物は光学的に透明になってしまうので処理中に光吸収
層の光吸収効率が著しく低下してしまい、半導体層の温
度を上昇させることができない、あるいは処理の再現性
が確保できないという問題を生じる。第二絶縁層を設け
ることにより大気と光吸収層を遮断できるので、このよ
うな処理中の光吸収層の酸化という問題を完全に防止す
ることができる。第二絶縁層を設けない場合、光照射処
理を不活性ガス雰囲気中でおこなうのも有効である。こ
の方法は第二絶縁層を形成する工程を増やすこと無く光
吸収層の酸化を防止できるという長所を有する。
【0042】第二絶縁層のもう一つの役割は、反射防止
膜効果により光吸収層の反射率を低減することである。
図4にCrおよびWを光吸収層に用い、第二絶縁層とし
てSiO膜(n=1.47)を用いた場合の波長1μ
mの光の反射率の第二絶縁層膜厚依存性を示す。本発明
に好適な光吸収層は金属膜であるため空気との屈折率差
がおおきい。よって光吸収層による反射率を低減するた
めには金属膜より屈折率(n)が空気に近い層を設ける
のが極めて有効である。反射防止膜は干渉効果により反
射率を下げるものであるから、図4からわかるように光
吸収層上の第二絶縁層膜厚によりその反射率は周期的に
変化する。当然反射防止膜として機能する条件の膜厚は
いくつか有るが、成膜時間が短い最小膜厚が工程タクト
短縮のために最も好ましい。第二絶縁膜の材料として何
を用いるかにも依存するが、このような条件としておお
むね50から250nmの膜厚が好ましい。これにより
例えばWを光吸収材料として用いた場合、第二絶縁層と
して140から150nmのSiO膜を形成すれば反
射率を48%から20%未満へと劇的に低下することが
でき、照射光の光吸収層への効率的吸収の上で極めて効
果的である。
【0043】(5.光照射)以上のようにして形成した
積層構造に光照射をおこなう。先にも述べたように照射
光は光吸収層に効率的に吸収されることが求められるの
で、そのスペクトルが重要である。換言すればどのよう
な種類の光源を用いるかがその光源の波長を大きく左右
する。本発明に適用し得る光源としてはハロゲンラン
プ、メタルハライドランプ、水銀ランプ、Xeランプ、
アークランプ等がある。大面積での処理を可能にするた
めにはランプ出力が高く、またランプ交換によりランニ
ングコストが低いことが要求される。このような理由か
ら本発明の光源としてはハロゲンランプが最も適してい
る。ハロゲンランプは種々のものが有るが、ピーク波長
を1μm付近に有し、出力も8kW以上を容易に達成し
得る。また有効光源長さが400mmの線状ランプ光源
1本の値段は高々10万円程度であり、エキシマレーザ
ーチューブ1本1500万円と比較すると非常に安価で
ある。
【0044】本発明では例えば長さ400mmの線状の
ハロゲンランプ2本(111)を並行にならべ、各々の
光源から発した光を放物面を有する反射鏡(112)で
被処理基板上に集光(106)する方法が有効である。
図1にはこのランプユニット(110)の断面構造が模
式的に示してある。放物面(112)は金によりコーテ
ィングしてあり、図に示すように2つのハロゲンランプ
光源(111)からの光は効率的に基板上の同一箇所に
集光される。このとき放物面(112)の一つの焦点位
置に線状光源の中心(111)が位置し、他方の焦点位
置が光吸収層上の集光点(116)となるような配置と
する。よって2本のランプ光源それぞれの反射光学系の
楕円面は一つの焦点を光吸収層上の集光点(116)で
共有する配置となる。これにより複数の光源から発生し
た光を最も効率的に集光することができる。
【0045】本発明の反射光学系と光源の相対的位置は
10μmオーダーで調整する必要がある。このためには
線状光源の両端にある支持部分に2軸可動なマイクロメ
ータを設けて調整するのが有効である。各線状光源の中
心位置と反射光学系の楕円面が理想的位置関係となって
いれば光吸収層上に集光される照射光の短軸方向は図5
の510に示すようなガウス分布的分布を示す。これが
数10μmずれると2つのピークをもつ分布となり、本
来の光照射条件より広がった領域への光照射をおこなう
ことになってしまう。これは基板温度を上昇させてしま
う結果となるので、本発明の低温プロセスへの適用上問
題となる。よって前述のようにマイクロメータを用いて
微妙な調整をおこない理想的な照射光分布を用いて光照
射をおこなうのが重要である。特にハロゲンランプなど
ではランプ投入パワーを上昇させると実効的ランプ中心
点がわずかにずれるので、この状態でのランプ位置調整
をおこなうことが実用上重要となる。
【0046】本例では2本の線状光源を用いた場合を示
したが、これまで述べたような光学配置は当然3本以上
の線状光源を集光する場合にも適用しうる。しかしなが
ら光源数が増えると光吸収層に入射する光の斜め方向性
分が増え反射率が増加することと、反射光学系の配置に
制限が増えるため各光源からでる光の利用効率が下がる
ので、実用上は2本の光源がもっとも光利用効率が高
い。
【0047】また集光箇所以外の基板上に照射される光
を遮るために、遮光スリット(115)を設けることが
有効である。本発明を低温プロセスに適用するために
は、後述するように光吸収層上の狭い領域にいかに光を
集光し、高パワーの光照射領域を形成するかが重要であ
る。これ以外の領域へ漏れ光が照射されると基板温度を
不用意に上昇させてしまうので、光照射時に光吸収層・
半導体層のみでなく基板温度までも上昇させる結果とな
る。これを防止するためには反射光学系と光吸収層の間
にスリットを設け、前記漏れ光を完全に遮断するのが有
効である。
【0048】以上のようにしてランプ光を基板上に極め
て細い線状に集光した状態で連続的に照射しながら11
4のように基板とランプユニットを相対的に移動させ処
理をおこなう。これにより光吸収層のランプ光集光部分
(107)では急激に温度が上昇し、第一絶縁層を介し
て拡散した熱は半導体層を局所的に昇温せしめる(10
8)。照射条件を適当に選ぶことにより半導体層の被処
理部分108の温度は融点以上に達し、溶融する。この
溶融部分108はランプユニットの移動と共に114の
方向に移動していくので、その後方には溶融後の冷却過
程で連続横方向結晶成長により結晶化した大粒径pol
y−Si(109)が形成される。このようにして高品
質のpoly−Si膜を低コストで容易に提供すること
ができるのである。
【0049】本発明のランプユニットでは2本のハロゲ
ンランプの中間位置に放射温度計(113)を有し、測
定範囲が広がらないように筒状のコリメータまたはレン
ズを前面に有する。この位置で基板温度測定をすること
は、ランプ光源から発する赤外光が直接放射温度計に入
り異常に高い温度を示してしまうという問題を回避で
き、基板温度を正確に測定できるという利点を有する。
これにより被処理基板の温度を測定し、ランプ出力にフ
ィードバックをかけることにより安定したランプ照射処
理が可能となり、結果としてえられるpoly−Si膜
の品質を安定化できるという利点を有する。
【0050】ハロゲンランプの長軸方向には上記反射光
学系が筒状に形成されており、結果として図5に示すよ
うなライン状で且つ基板上に集光した光照射により大面
積の処理が可能となる。図5では前記ライン状照射光
(500)を基板(100)に照射しながらスキャン
(505)させる様子を示す。先に述べたように、ハロ
ゲンランプでは容易に400mmのライン状光源を構成
しうるので、例えば400mm×500mmの大型基板
に対して、400mmの辺とハロゲンランプの長軸方向
を平行にして1回スキャンをおこなうことによって、こ
の大面積基板上に大粒径の高品質poly−Si膜を形
成しうるのである。例えばランプユニットを10mm/
sの速度で移動させながら処理した場合、わずか50秒
で基板全面の処理が完了するので、本発明の半導体薄膜
の製造方法は製造装置コストが低いだけでなく、工程の
スループットも高いので、安価で高性能な薄膜トランジ
スタを提供することが可能である。
【0051】とりわけ本発明が開示する光吸収層材料と
して例えば150nmのW膜と150nmの第二絶縁層
(例えばSiO膜)を用い光照射の光源として出力8
kWのハロゲンランプをライン状に形成した線光源2本
を用いると、吸収層による光の吸収効率がきわめて高い
ので、一辺50cmの大面積ガラス基板上半導体薄膜の
結晶化が1回の照射光スキャンで可能となる。
【0052】次に具体的なランプ照射条件について述べ
る。図5に示すようにランプ光を集光して基板に照射し
た場合、基板(光吸収層)上(503)でのランプ光の
強度分布は典型的には501に示すようにガウス分布的
形状となる。本発明に好適な照射光形状は、この空間分
布の半値幅が1から10mm程度である。この照射光を
一定速度で基板上をスキャンすると、基板上の任意点
(例えば504)に照射される光パワーの時間的変化は
スキャン速度が速いと511のような照射プロファイル
になるし、逆に遅いと512のような照射プロファイル
となる。本発明の光照射では、照射プロファイルのピー
クパワーと照射時間(本明細書中では照射プロファイル
の半値全幅を照射時間と定義する)が重要であり、例え
ば図6には照射ピークパワー500W/cm、照射時
間600msの条件で光照射をおこなった場合の光吸収
層・半導体層および各基板深さ位置における温度変化を
示している。ここで照射光プロファイルはガウス分布に
近い形状である台形型を用いて代用し、また光吸収層は
Wとし、第二絶縁層を設けることにより実効反射率25
%である場合を示している。ここで考えているような時
間オーダーでは熱拡散長に比べて光吸収層と半導体層の
厚みは十分小さいので、これら二層の温度は全く同じで
ある。図6からわかるように本発明の光照射により光吸
収層・半導体層の温度は局所的に急激に上昇し、最高1
780K程度に達するのでSi膜は溶融する。照射光が
通過し温度が低下するとSi膜は固化と同時に結晶化す
る。この光照射条件では照射時間が比較的長いので基板
温度も高くなり、最終的には1200K程度にまで達す
る。よって、図6に示す照射条件は基板として石英など
の耐熱性基板を用いた場合に適当な条件である。基板温
度を上昇させず、光吸収層・半導体層のみを局所的に昇
温せしめるためにはより短時間に高いパワーを照射する
必要がある。前述の説明で明らかなように、これは照射
光の空間分布における半値幅を小さくする(集光す
る)、あるいはスキャンスピードを早くすると同時にラ
ンプ出力を増加させることによって実現可能である。例
えば図7に示すように照射ピークパワー700W/cm
、照射時間300msとすると、光吸収層・半導体層
の温度は1750Kに達するにもかかわらず基板温度は
最終的に900K程度にまでしか上昇しない。これは光
照射条件がより短時間、高パワーとなったため、基板表
面付近の光吸収層・半導体層が非熱平衡的に熱処理され
るためである。以上のように本発明の半導体薄膜の製造
方法は光照射プロファイルを制御することにより、容易
に低温プロセスに適用しうる。
【0053】加えて本発明の半導体薄膜の製造方法は結
晶成長方向が横方向で、しかも半導体層は上下を絶縁層
に挟まれているので結晶化後の半導体層の表面は極めて
平坦である。これはゲート絶縁膜厚の薄い薄膜トランジ
スタを作成した場合にも絶縁耐圧を低下させることが無
いので、より微細なTFTでより薄いゲート絶縁膜を有
するTFTにも適用可能で、結果としてエキシマレーザ
ー結晶化poly−Si膜を用いた場合より高速の回路
を形成しうるという利点を有する。
【0054】更に本発明の半導体薄膜の製造方法により
作製したpoly−Si膜は連続横方向結晶成長を利用
しているので結晶は優先的な配向をもって結晶成長す
る。これは結晶成長速度が面方位により異なるためで、
特に結晶成長方向には<100>面が優先的に成長し、
poly−Si膜の垂直方向には<110>面が成長す
るという特徴を有する。このように本発明では結晶の方
位制御ができるので、結晶粒界部分には規則粒界が形成
されやすい。このような規則粒界は電気的に活性な欠陥
を発生する確率が低い。斯様にして作製したpoly−
Si膜を用いて作製したTFTは面方位が揃っているの
で移動度ばらつきが極めて小さく、且つ欠陥密度が低い
ので閾値電圧が低いという特徴を有する。
【0055】本発明の半導体薄膜の形成方法は照射光源
のパワーがkWオーダーのハイパワーで、且つミリ秒オ
ーダーの熱処理時間なので、被処理半導体層の膜厚が1
00nmを超える厚さでも結晶化が可能である。従来の
レーザー結晶化法では1パルスの照射時間がナノ秒と短
く、且つ投入するエネルギー密度として1cmあたり
1Jが実用上の上限なので、100nm以上の膜厚の半
導体層を結晶化するのは原理的に不可能であった。これ
に対して本発明の半導体薄膜の形成方法は1ミクロン程
度の膜厚の半導体層でも十分結晶化ができるので、太陽
電池の用途に用いる多結晶シリコン膜の形成にも適用し
得るという特徴を有する。
【0056】本発明の半導体薄膜の製造方法を低温プロ
セスに適用するには初期基板温度を室温にするか、もし
くは処理中に基板冷却をおこなうのも有効である。基板
冷却をおこなえば図6に示すような光照射プロファイル
を用いても基板温度上昇を防ぎ低温プロセスに適用しう
る。基板冷却の方法としてはガスを基板に吹き付けるこ
とにより冷却する方法、或いは基板ホルダに基板を静電
チャックで完全に密着させ、基板ホルダに冷却水を循環
させることによって基板の熱を奪う構造にする方法が有
効である。
【0057】以上は半導体層を溶融させ結晶化させる条
件について述べてきたが、本発明の半導体薄膜の製造方
法は必ずしも溶融させずとも半導体層を結晶化させるこ
とができる。従来の固相成長法は600℃で48時間程
度の熱処理をおこなっていたが、本発明の半導体薄膜の
製造方法では半導体層の温度が容易に1000℃以上に
達するので例えば1秒程度の熱処理時間でも固相成長が
起こる。例えば照射ピークパワー400W/cm、照
射時間1秒というのがこのような固相成長を起こす照射
プロファイルの一例である。溶融・結晶化の場合のよう
な大粒径結晶はえられないものの、結晶粒径が1μm以
上で、且つ表面が平坦なpoly−Si膜を容易に得る
ことができる。ただしこの場合基板温度も高くなるの
で、高温プロセスへの適用がふさわしい。
【0058】
【実施例1】本発明の半導体薄膜の製造方法の実施例を
図1にそって説明する。本発明で用いられる基板及び下
地保護膜に関しては前述の説明に準ずるが、ここでは基
板の一例として300mm×300mmの正方形状汎用
無アルカリガラス(100)を用いる。まず基板100
上に絶縁性物質である下地保護膜(101)を形成す
る。ここでは基板温度を150℃としてECR−PEC
VD法にて200nm程度の膜厚を有する酸化硅素膜を
堆積する。次に後に薄膜トランジスタの能動層となる真
性シリコン膜等の半導体膜(102)を堆積する。半導
体層の厚みは50nm程度で有る。本例では高真空型L
PCVD装置を用いて、原料ガスで有るジシラン(Si
)を200SCCM流し、425℃の堆積温度で
非晶質シリコン膜102を堆積する。まず高真空型LP
CVD装置の反応室を250℃とした状態で反応室の内
部に複数枚(例えば17枚)の基板を表側を下向きとし
て配置する。こうした後にターボ分子ポンプの運転を開
始する。ターボ分子ポンプが定常回転に達した後、反応
室内の温度を約1時間掛けて250℃から425℃の堆
積温度に迄上昇させる。昇温開始後の最初の10分間は
反応室にガスを全く導入せず真空中で昇温を行い、しか
る後純度が99.9999%以上の窒素ガスを300S
CCM流し続ける。この時の反応室内における平衡圧力
は、3.0×10−3Torrで有る。堆積温度に到達
した後、原料ガスであるジシラン(Si )を20
0SCCM流すと共に、純度が99.9999%以上の
希釈用ヘリウム(He)を1000SCCM流す。堆積
開始直後の反応室内圧力は凡そ0.85Torrで有
る。堆積の進行と共に反応室内の圧力は徐々に上昇し、
堆積終了直前の圧力は凡そ1.25Torrと成る。斯
様に堆積したシリコン膜(102)は基板の周辺部約7
mmを除いた286mm角の領域内に於いて、その膜厚
変動は±5%以内で有る。次に第一絶縁層(103)を
形成する。ここではECR−PECVD法にて100n
m程度の膜厚を有するSiO膜を堆積した。原料ガス
としてSiHとOをそれぞれ30sccmおよび4
0sccm流し、基板を100℃に加熱した状態でプラ
ズマ放電を開始し成膜を行った。次に光吸収層(10
4)としてW膜をスパッタリングにより150nm形成
した。図3に示すようにこの膜厚のWを形成することに
よって安定的に照射光を吸収させることができ、処理中
の光吸収層の温度は極めて安定していた。この次に光吸
収層上に第二絶縁層(105)としてSiO膜を14
5nm形成した。これは第一絶縁層とまったく同様の条
件にて成膜をおこなった。Wを光吸収材料として用い、
第二絶縁層として145nmのSiO膜を形成したの
で実効反射率を50%から25%未満に劇的に低下する
ことができた。この後、1μm付近に強度ピークを持つ
発光体直径6mm、長さ400mmハロゲンランプ2本
を平行に並べ、その背面に楕円面を有する反射光学系を
配置できるランプユニットを用いて光を長軸300mm
(均一性がえられる有効長さ)、短軸5.5mmのライ
ン状に整形し、パワー密度950W/cmにて光吸収
層側から照射した。ランプユニットはアルミニウムで形
成し、反射面は金メッキを施した。処理前にランプ線状
光源に処理条件と同等のパワーを投入しながら光源と光
学系の相対位置をマイクロメータで調整し、集光位置に
おける分布が単一ピークを有するガウス分布に近くなる
ようにした。基板温度の上昇を抑えるため、基板を毎秒
36mmの速度で照射光の短軸方向にスキャンした。任
意点における光照射時間は150msである。処理中の
光吸収層または第二絶縁層の温度は放射温度計(11
3)でモニタし、温度が安定するようにランプ光源に投
入する電力にフィードバックをかけた。これにより照射
光後方部分に溶融シリコン層(108)が形成され、基
板の移動とともに固液界面(108と109の境界部
分)にて連続横方向結晶成長がおこり、最終的には基板
全面に多結晶シリコン層(109)を形成した。このよ
うな方法により、幅が20〜50μm、長さが100μ
m以上の大粒径poly−Si膜を形成できる。本照射
プロファイルにおける光吸収層・半導体層および基板各
深さにおける温度変化を図8に示す。本発明の半導体薄
膜の製造方法では基板温度はたかだか400℃程度にま
でしか上昇せず、従来の無アルカリガラスでも十分絶え
うる。本実施例には図7に示す照射プロファイル(照射
ピークパワー700W/cm、照射時間300ms)
でも十分適用可能である。図8の照射プロファイルなら
ば熱的影響が小さいので、基板厚さが0.5mmの薄い
ガラス基板にも本発明の半導体薄膜の製造方法が適用可
能であった。以上の光照射方法により、低温プロセスで
結晶粒系のおおきなpoly−Si膜を容易に形成でき
た。
【0059】
【実施例2】本発明の第2の実施例を図1にそって説明
する。下地保護膜、半導体層、第一絶縁層、光吸収層を
形成する方法は実施例1とまったく同様である。しかる
後に第二絶縁層を形成せずに光照射をおこなった。ただ
し光吸収層の酸化を防止するためにランプ光照射時に照
射雰囲気をArガスで完全に置換し、雰囲気中の酸素濃
度が0.1%以下であることを確認してから光照射をお
こなった。光照射条件は実施例とまったく同じである。
これにより第二絶縁層を形成すること無く、実施例1と
全く同様の高品質poly−Si膜を得ることができ
た。本発明の半導体薄膜をTFTに適用する場合には半
導体層上に第一絶縁層、光吸収層、第二絶縁層を形成し
光照射した後これら三層をエッチングにより除去し半導
体層を能動層として利用する。よって半導体層上の積層
構造を単純化することによって工程に要する時間、すな
わち第二絶縁層の形成とエッチングの時間を短縮するこ
とができた。
【0060】
【実施例3】本発明の第3の実施例では、光照射条件を
変えて半導体薄膜の作製をおこなった。被処理基板の作
成方法は基板に比較的耐熱性の高いプラスティック基板
を用いたことを除けば実施例1とまったく同じである。
しかるのち、1μm付近に強度ピークを持つハロゲンラ
ンプ光を長尺300mm、短軸1mmのライン状に整形
し、パワー密度1800W/cmにて光吸収層側から
照射した。基板温度の上昇を抑えるため、基板を毎秒2
3mmの速度で照射光の短軸方向にスキャンした。任意
点における光照射時間は44msである。この照射プロ
ファイルによる光吸収層・半導体層および基板各深さに
おける温度変化を図9に示す。これにより、基板の温度
上昇は更に低下でき、たかだか220℃までしか上昇し
ない。なお且つ、大粒径poly−Si膜は実施例1、
2と同品質のものが形成しうる。本実施例ではプラステ
ィック基板を用いても本発明の半導体薄膜の製造法方が
適用しうることを確認できた。
【0061】
【実施例4】本発明の薄膜トランジスタの製造方法の実
施例を図10にそって説明する。本実施例で用いる試料
構造は実施例1または2のいずれの構造でも構わない
が、ここでは実施例1の構造を用いた。光照射は1μm
付近に強度ピークを持つハロゲンランプ光を長尺300
mm、短軸5.5mmのライン状に整形し、パワー密度
700W/cmにて光吸収層側から移動速度毎秒18
mmにて照射した。これにより大粒径高品質poly−
Si膜を形成した。本実施例では斯様に形成したpol
y−Si膜を能動層として用いるために第二絶縁層、光
吸収層および第一絶縁層をエッチングにより除去した。
SiO膜のエッチングには5%HF液を、また光吸収
層であるWは塩素系ガスをプラズマ放電させ発生するラ
ジカルを用いてドライエッチングにより除去した。斯様
にしてpoly−Si膜901が露出した基板をプラズ
マ処理チャンバーへセットする。プラズマ処理チャンバ
ーでは基板温度は250℃とし、水素ガスを80scc
m流し、圧力1Torrで平行平板RF電極を用いて1
kWのパワーでプラズマ放電をおこなった。これにより
poly−Si膜の捕獲準位(欠陥)不活性化処理およ
び表面の水素終端処理を160秒おこなった。この後、
多結晶シリコン膜上にフォトリソグラフィーによりフォ
トレジストパターンを形成し、CFとO混合ガスを
用いたリモートプラズマ放電によるドライエッチングを
おこなった。島状にパターニングされたpoly−Si
膜上にゲート絶縁膜(902)を形成するために基板を
絶縁膜形成チャンバーへセットする。チャンバー内を1
−6(torr)台の真空度に排気した後、シランガ
スと酸素ガスを流量比1:6で導入し、チャンバー圧力
を2×10−3(Torr)に調節する。チャンバー内
のガス圧力が安定したらECR放電を開始し、絶縁膜の
成膜を開始する。投入したマイクロ波パワーは1kW
で、マイクロ波は磁力線に平行に導入窓から導入した。
導入窓から14cmの位置にECRポイントがある。成
膜は10nm/minの成膜速度でおこなった。これによ
り、ゲート絶縁膜(902)を100nm形成した。引
き続いてゲート電極(905)となる薄膜をPVD法或
いはCVD法などで堆積する。通常はゲート電極とゲー
ト配線は同一材料にて同一工程で作られる為、この材質
は電気抵抗が低く、350℃程度の熱工程に対して安定
である事が望まれる。本例では膜厚が600nmのタン
タル薄膜をスパッター法により形成する。タンタル薄膜
を形成する際の基板温度は180℃であり、スパッタガ
スとして窒素ガスを6.7%含むアルゴンガスを用い
る。斯様に形成したタンタル薄膜は結晶構造がα構造と
成っており、その比抵抗は凡そ40μΩcmである。ゲ
ート電極となる薄膜を堆積後パターニングを行い、引き
続いて半導体膜に不純物イオン注入を行ってソース・ド
レイン領域(903、904)及びチャンネル領域を形
成する。この時ゲート電極がイオン注入のマスクとなっ
ているため、チャンネルはゲート電極下のみに形成され
る自己整合構造となる。イオン・ドーピング法の原料ガ
スとしては水素中に希釈された濃度0.1%程度から1
0%程度のホスフィン(PH)やジボラン(B
)等の注入不純物元素の水素化物を用いる。本例
ではNMOS形成を目指し、イオン・ドーピング装置を
用いて、水素中に希釈された濃度5%のホスフィン(P
)を加速電圧100keVで注入する。PH
イオンを含むの全イオン注入量量は1×1016
cm−2である。
【0062】次に層間絶縁膜をPECVD法を用いて形
成した。原料ガスはTEOS(テトラエトキシシラ
ン)、NOおよびArガスを用いて圧力1.5Tor
r、1kWのパワーで放電をおこない、800nmの層
間絶縁膜を形成した。次にソース・ドレイン上にコンタ
クトホールを開孔し、アルミニウムでソース・ドレイン
取り出し電極(907、908)と配線をPVD法やC
VD法などで形成して薄膜トランジスタが完成する。
【0063】本発明の製造方法により得られた薄膜トラ
ンジスタは電気光学装置を備える各種の電子機器に適用
可能である。図11に電気光学装置を適用可能な電子機
器の例を挙げる。同図(a)は携帯電話への適用例であ
り、携帯電話230は、アンテナ部231、音声出力部
232、音声入力部233、操作部234、及び本発明
の電気光学装置10を備えている。このように本発明の
電気光学装置10を携帯電話230の表示部として利用
可能である。同図(b)はビデオカメラへの適用例であ
り、ビデオカメラ240は、受像部241、操作部24
2、及び本発明の電気光学装置10を備えている。この
ように本発明の電気光学装置は、ファインダや表示部と
して利用可能である。このほかにも携帯型パーソナルコ
ンピュータ、ヘッドマウントディスプレイ、リア型プロ
ジェクター、フロント型プロジェクターへの適用が可能
である。このように本発明の電気光学装置は画像表示源
として利用可能である。
【0064】上記例に限らず本発明の電気光学装置10
は、アクティブマトリクス型の電気光学装置を適用可能
なあらゆる電子機器に適用可能である。例えば、この他
に、表示機能付きファックス装置、デジタルカメラのフ
ァインダ、携帯型TV、DSP装置、PDA、電子手
帳、電光掲示盤、宣伝公告用ディスプレイなどにも活用
することができる。
【0065】以上、従来の技術では、結晶粒径が大きく
表面が平坦な高品質poly−Si膜を低温プロセス
で、且つ高いスループットで、且つ低コストで形成する
有効なプロセスが明確でなかった。しかし、以上述べて
来た様に本発明の半導体薄膜および薄膜トランジスタの
製造方法を用いることによって極めて高品質なpoly
−Si膜形成が可能となる。結果として高移動度、低し
きい値電圧でなお且つバラツキの極めて少ない薄膜トラ
ンジスタの製造が可能となり、超低消費電力回路の実現
が可能となり、低価格で多機能の電気光学装置及び電子
機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体薄膜の製造方法を示した工程断
面図。
【図2】種々の高融点金属膜の反射率スペクトルを示し
た図。
【図3】CrおよびW膜の波長1μmにおける反射率の
膜厚依存性を示す図。
【図4】Cr、W上に設けた第二絶縁層膜厚と波長1μ
mにおける反射率の関係を示した図。
【図5】本発明の光照射方法を大面積基板に適用する方
法および照射プロファイルを説明した図。
【図6】本発明の光照射プロファイルと光吸収層・半導
体層、ガラス基板の各深さにおける温度上昇を示す図。
【図7】本発明の光照射プロファイルと光吸収層・半導
体層、ガラス基板の各深さにおける温度上昇を示す図。
【図8】本発明の光照射プロファイルと光吸収層・半導
体層、ガラス基板の各深さにおける温度上昇を示す図。
【図9】本発明の光照射プロファイルと光吸収層・半導
体層、ガラス基板の各深さにおける温度上昇を示す図。
【図10】本発明の薄膜トランジスタの製造方法を示し
た工程断面図。
【図11】本発明の電気光学装置を備える電子機器の例
を示す図。
【符号の説明】
100...基板 101...下地保護膜 102...半導体膜 103...第一絶縁層 104...光吸収層 105...第二絶縁層 106...照射光の基板上における集光点 107...光吸収層の温度上昇部分 108...液体シリコン 109...poly−Si 110...ランプユニット 111...ランプ光源 112...反射光学系・反射面 113...放射温度計 114...スキャン方向 115...スリット 500...照射光 501...照射終了領域 502...未照射領域 503...照射光照射位置 504...基板上任意点 510...基板上の照射光強度分布 511、512...照射プロファイル例 901...poly−Si膜 902...ゲート絶縁膜 903、904...ソース、ドレイン領域 905...ゲート電極 906...層間絶縁膜 907、908...ソース、ドレイン電極 10...本発明の半導体薄膜を用いて作製したTFT
を利用した電気光学装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 29/786 H01L 21/26 J T Fターム(参考) 2H092 GA11 GA31 GA60 JA05 JA24 KA04 MA29 MA35 NA21 NA24 NA27 NA28 NA29 5F052 AA24 BA07 BA18 CA04 DA01 DA03 DA04 DA06 DB01 DB02 DB03 DB04 DB07 EA06 JA01 JA09 5F110 AA01 AA17 AA30 BB01 CC02 DD01 DD02 DD03 DD05 DD13 DD14 EE04 EE43 EE44 EE45 FF02 FF31 GG01 GG02 GG03 GG04 GG13 GG17 GG42 GG43 GG44 GG45 GG46 GG47 GG57 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HL03 HL23 HL24 NN02 NN04 NN23 NN35 PP02 PP05 PP06 PP11 PP23 QQ11 QQ25

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に形成された半導体層上に第一絶縁
    層を形成する工程と、該絶縁層上にW、Ti、Crのい
    ずれかの材料からなる光吸収層を形成する工程と、複数
    の線状光源から発した赤外域に出力ピーク波長を有する
    光を各光源に設置した楕円面を有する反射光学系により
    前記光吸収層上に線状に集光し、前記基板を相対的に移
    動させながら前記光吸収層に光照射することによって前
    記半導体層を結晶化させる工程と、を備える半導体薄膜
    の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に形成された半導体層上に第一絶縁
    層を形成する工程と、該絶縁層上にW、Ti、Crのい
    ずれかの材料からなる光吸収層を形成する工程と、該光
    吸収層上に第二絶縁層を形成する工程と、複数の線状光
    源から発した光を各光源に設置した楕円面を有する反射
    光学系により前記光吸収層上に線状に集光し、前記基板
    を相対的に移動させながら前記光吸収層に光照射するこ
    とによって前記半導体層を結晶化させる工程と、を備え
    る半導体薄膜の製造方法。
  3. 【請求項3】前記光照射は、不活性ガス雰囲気中にてお
    こなう請求項1記載の半導体薄膜の製造方法。
  4. 【請求項4】前記各光源に設置した楕円反射面は、各光
    源の中心位置がひとつの焦点に位置し、他の焦点を光吸
    収層上の集光点で共有してなる配置である、請求項1乃
    至請求項3のうちいずれか1項に記載の半導体薄膜の製
    造方法。
  5. 【請求項5】前記各光源と楕円反射面の相対位置は、マ
    イクロメータにより調整可能である、請求項1乃至請求
    項4のうちいずれか1項に記載の半導体薄膜の製造方
    法。
  6. 【請求項6】前記反射光学系と前記光吸収層の間にスリ
    ットを設けて光照射をおこなう、請求項1乃至5のいず
    れか1項に記載の半導体薄膜の製造方法。
  7. 【請求項7】前記複数の反射光学系の中心付近に位置
    し、且つ前記光吸収層の略鉛直線上に配置した放射温度
    計により光吸収層または第二絶縁層の温度を測定し照射
    光強度にフィードバックをかけながら光照射をおこな
    う、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の半導
    体薄膜の製造方法。
  8. 【請求項8】前期半導体薄膜の製造方法により形成した
    半導体層を能動層として用いる、請求項1乃至請求項7
    のうちいずれか1項に記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の方法により製造された薄
    膜トランジスタを表示画素の駆動素子として備える、電
    気光学装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の電気光学装置を備え
    る、電子機器。
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