JP2005010677A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】低速域においても転写効率が高く、高速域においても画像濃度が高く、現像ゴーストが発生せず、且つ、高い定着性能が得られ、低速域から高速域まで幅広く使用することができる、磁性一成分トナーを用いた画像形成方法を提供する。
【解決手段】用いられるトナーが、結着樹脂、アルミニウムと鉄との複合酸化物で表面が被覆されてなる磁性粉を35〜55質量%、及び、離型剤を含有するトナー粒子と、平均一次粒子径30〜100nmの酸化チタンを外添剤として0.5〜1.0質量%含有してなるトナーであり、該トナーをキャリアに対して4質量%となるように混合した混合物を、現像装置内に配置し、磁気ブラシにより500Vの直流電流を印可して測定した体積抵抗が、1×1015Ω・cm以上、5×1016Ω・cm以下であることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性一成分トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真プロセスとしては従来から多数知られている。電子写真プロセスにおいては、光導電性物質を利用した静電潜像保持体上に種々の手段により電気的に潜像を形成し、この潜像をトナーを用いて現像し、静電潜像保持体上のトナー潜像を中間転写体を介して又は介さずに、紙等の被転写体にトナー画像を転写した後、この転写画像を加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、定着画像が形成される。静電潜像保持体上に残ったトナーは必要により種々の方法でクリーニングされ、前記複数の工程が繰り返される。電子写真プロセスを用いたプリンターや複写機は広く普及しており、年々その性能・画質に対する要求は厳しくなっている。
【0003】
電子写真プロセスにおける現像方式には、一成分現像方式と二成分現像方式がある。二成分現像方式は、高速化に対して有利であることから、最も広く用いられている現像方式であるが、現像剤がキャリア表面へ付着することにより現像剤が劣化したり、現像剤のみが消費される方式であるため、現像剤中の現像剤濃度割合が低下しないようにキャリアとの混合割合を一定に保たなければならず、そのために現像装置が大型化してしまうといった欠点がある。一方、一成分現像方式では上記のような欠点が無いことから、装置の小型化、低コスト化などへの利点を有しており、スモールオフィス環境やパーソナルユーザ向けの分野における現像方式の主流と成りつつある。
【0004】
一成分現像方式は、非磁性一成分現像方式と磁性一成分現像方式に大別される。前者は、トナー中に磁性粉を含まないことからカラー化には適している。一方、磁性一成分現像方式は、トナー中の磁性粉により、トナー担持体上に磁力を用いてトナーを担持させておくことができることから、トナーの搬送性や非画像部へのトナーのカブリを抑制しやすく、白黒静電複写方式においては磁性一成分現像方式が主流となっている。
【0005】
しかし、一成分現像方式は、キャリアの帯電付与力、現像剤搬送力、現像剤攪拌力を利用できないことから、トナー担持体上へのトナー搬送性が不安定になることやトナー帯電分布が広くなってしまうなどの欠点も有している。その結果、現像ゴースト、非画像部へのトナーカブリ、現像濃度の低下などの問題が発生しやすくなっている。特に画質向上の観点から、従来の黒色以上に黒色であることが求められており、画像濃度を従来より高める必要が生じている。一方では、装置の小型化に伴いトナー担持体などの部材も小型化されたこと及び高速化に伴いトナー帯電時間や現像時間の短時間化、高画質化のためのトナー小粒径化によるトナー1粒子当たりの帯電量の低下が、上記問題の発生を加速している。
【0006】
このような問題点を改善するために、種々の提案がなされている。
前記現像ゴーストは、一般的にトナーのチャージアップを抑制する手段を用いることで改善できることが明らかとなってきている。これを受けて、例えば、トナー担持体にフェノール樹脂とカーボンからなる導電性および表面潤滑性を有する樹脂層を設けることにより、現像剤担持体(スリーブ)の抵抗値を下げることで、トナーの帯電量の絶対値を下げ、現像ゴーストの発生を抑制する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、トナーの帯電量を下げてしまうことで、現像剤担持体から潜像担持体(感光体)への現像性が低下し、画像濃度が低下する場合が有る。特に近年では、高画質化の要求からトナーが小粒径化されてきていることで、トナー1粒子当たりの帯電量も下がっており、画像濃度の低下が発生しやすくなっている。他の方法として、表面にMo、O及びHを主な構成成分とする被膜を備えた現像剤担持体を用いると共に、磁性一成分現像剤にTiO(OH)とシラン化合物との反応で得られたチタン系化合物を添加する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法は、Mo系材料を有した現像剤担持体を用いることで、担持体上に搬送されるトナー層を均一化すると共に、チタン系化合物外添剤による早い電荷交換性を利用し現像ゴーストを防止するものであり、その効果は高いものである。しかしながら、接触型の転写システムにおいては、チタン系化合物外添剤は抵抗値が比較的低いために、トナーへの転写電界の注入が発生し、結果として転写効率や画像濃度が低下してしまう。特に高温、高湿度下や転写時間が長い低速機において発生しやすくなる。前述の通り、トナー小粒径化により帯電量が低下しており転写性の悪化も発生しやすくなっている。また、転写性の悪化が画質上に問題をおこさない場合でも、潜像担持体上の転写残トナーは確実に増加しており、廃トナー減量の観点からも転写効率はより向上させることが求められている。
注入による転写性悪化については、トナーの抵抗値変化を最適化することによりプロセススピード120mm/s以下の低速域において転写性を改善しうる技術が示されているが(例えば、特許文献3参照。)、このような磁性一成分トナーは、プロセススピード120mm/sを超えると、転写性向上効果よりもスピードアップに伴うトナーの高抵抗化による現像ゴーストの悪化や画像濃度低下が顕著となってくる。また、高い画像濃度を得るために現像電界を上げると、スピードが速くなるにつれてカブリトナーが増加してしまう。以上のように、転写性と現像性を両立することが課題となっている。
【0007】
更に、高スピード化に対応するトナーとして、アルミニウムと鉄との複合酸化物皮膜により磁気特性・流動性・環境安定性・抵抗値調整など行え、かつ黒色度も低下させない磁性粉を使用したトナーが提案されている(例えば、特許文献4参照。)。このような磁性粉を磁性トナーに使用する場合、プロセススピード120mm/s以下の低速域ではトナー中への磁性粉含有量を低下させ、優れた現像性・転写性を得ることが可能である。またプロセススピード120mm/sを超えた部分では、スピードに応じて磁性粉含有量を上昇させ、かつチタン系外添剤のような比較的低抵抗な外添剤を使用することで、使いこなすことが可能であるが、スピードに応じた含有量の調整が必要であり、上記の如くプロセススピードが低速域(120mm/s以下)から高速域(250mm/sまで)まで一種類のトナーで現像性・転写性を初めとするすべての特性項目を満足できる磁性一成分トナーは得られていないのが現状であった。
更に特にプロセススピード180mm/s以上になると、定着時に熱を与える時間が短くなり、定着性能が不足してしまうため、この観点からも、公知の磁性一成分トナーでは低速域(120mm/s以下)から高速域(250mm/sまで)まで一種類のトナーでカバーすることはできなかった。
【0008】
【特許文献1】
特開平1−276174号公報
【特許文献2】
特開平10−177275号公報
【特許文献3】
特開2002−169329公報
【特許文献4】
特開2002−72545公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑み、従来の技術の問題点を解決することを目的としてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、低速域においても転写効率が高く、かつ、高速域においても画像濃度が高く、現像ゴーストが発生せず、且つ、高い定着性能が得られ、低速域から高速域まで幅広く使用することができる、磁性一成分トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像を現像装置内の現像剤を用いてトナー画像として現像する工程と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する工程と、を有する画像形成方法であって、転写工程が、転写部材を接触させると共に電圧を印可してなるものであり、用いられるトナーが、結着樹脂、アルミニウムと鉄との複合酸化物で表面が被覆されてなる磁性粉を35〜55質量%、及び、離型剤を含有するトナー粒子と、平均一次粒子径30〜100nmの酸化チタンを外添剤として0.5〜1.0質量%含有してなるトナーであり、且つ、該トナーをキャリアに対して4質量%となるように混合した混合物を、現像装置内に配置し、磁気ブラシにより500Vの直流電流を印可して測定した体積抵抗が、1×1015Ω・cm以上、5×1016Ω・cm以下である、ことを特徴とする画像形成方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の画像形成方法においては、用いるトナーの、特定条件下で測定した抵抗値を所定の範囲内に調整することが必要である。
従来から、トナーの抵抗値は、加圧成型されたトナーペレットの上下に電極を付けて電圧を印可し、電極間に流れる電流値からトナーの抵抗値を算出する方法により一般的に測定されてきた。しかしこのような方法では、トナーを成型する必要があるため、現像されたトナー粒子の表面での電荷注入や漏洩を考慮することができないことや、抵抗の絶対値が高すぎて測定感度が悪くトナーの差を明確にすることができない、などの観点から、転写性を見積もる上で満足できるものではなかった。本発明者らは、この点を考慮し、従来から二成分系現像剤で用いられている、磁気ブラシにより電流を印可した条件下での抵抗測定を磁性トナー評価に用いることにより、トナーの微小な抵抗差を検知でき、さらに、その抵抗差がトナーの転写性に及ぼす影響を見積もれること、さらには、そのような条件で測定したトナーの抵抗値を、所定の範囲にすることで、従来技術の持つ問題点を改善できることを見出した。
【0012】
以下、本発明の方法に用いるトナーの磁気ブラシで電流を印可する条件下での体積抵抗の測定方法について説明する。本発明に適用される測定方法は、特開2000−214637号公報などに記載されているように、二成分系現像剤の体積抵抗測定に用いられている方法と同様のものであり、本発明においては、磁性一成分トナーの抵抗測定に応用したものである。
磁気ブラシの抵抗測定は、二成分用現像器のスリーブに、感光体に見立てたアルミニウムパイプを一定間隔で対向させ、現像器とアルミニウムパイプを電源及び電流計を介して接続した装置を用い、現像器に現像剤を実装し、スリーブ上に磁気ブラシを形成し、電源から所定の電圧を印可し、流れた電流から抵抗値を算出するものである。印可磁気ブラシの形にすることで、トナー内部とトナー表面での電流の流れやすさを同時に考慮することができ、転写時の電荷の注入を見積もることができる。
【0013】
本発明においては、体積抵抗率を以下の手順で測定した。すなわち、A−color630複写機(富士ゼロックス社製)用現像器に、パウダーテック社製35μmフェライトキャリア(例EF−35B)のみ500gを実装し、キャリア層を安定させるために7分間、90rpmでスリーブを回転させ、スリーブ上キャリア量が50mg/cmとなるように現像器の仕切り板で調整した後、さらにキャリア層を安定させるために30秒間スリーブを回転させる。次に、A−color630複写機用感光体と同一径のアルミニウムパイプを、キャリア層の層構造を破壊しないようにしながら、500μmの間隔でスリーブに対向させる。現像器は、エレクトロメーター(商品名:KEITHLEY610C、KEITHLEY社製)と高圧電源(商品名:TREC MODEL610C、TREC社製)を介してアルミパイプに接続されている。
【0014】
この状態で所定の直流電圧を印可し、10秒後の電流値から求めた抵抗に、キャリアで覆われているスリーブ長(cm)を掛けた値を記録する。アルミニウムパイプをはずし、再びキャリア層を安定させるために30秒間スリーブを回転させた後、同様の操作を繰り返して、その差が30%以内にある3点の平均値を、所定の電圧におけるキャリアの抵抗値とする。
印可する電圧を、200V、300V、500V、800V、1000Vとして、それぞれの電圧で抵抗を測定する。次に、抵抗値を測定したキャリアを実装したままの現像器に、スリーブを90rpmで回転させた状態で、20gのトナーを徐々に加えて、キャリアに対するトナー量(以下「TC」と略すことがある)が4質量%の現像剤を調節する。スリーブ上の磁気ブラシを安定させるために、スリーブを7分間回転させておく。その後はキャリアの場合と同様にして、磁気ブラシの抵抗を測定し、これを、所定の電圧におけるTCが4質量%でのトナー抵抗値とした。
【0015】
本発明においては、上記方法で測定されたTCが4質量%において、磁気ブラシにより直流電圧500V印可した時の体積抵抗R(500V)が1×1015Ω・cm以上かつ5×1016Ω・cm以下であることが重要である。この値が1×1015Ω・cm以下であると、トナーを潜像担持体から用紙に転写する際に転写電流がトナーに注入してしまい、特にプロセススピード120mm/s以下の場合転写性の悪化を引き起こす。また500V印可時の体積抵抗R(500V)が5×1016Ω・cm以上であると、特にプロセススピード121mm/s以上の場合、トナーとして帯電立ち上がり悪化による現像性、特にゴーストや現像濃度の低下が発生しやすくなる。
【0016】
このような抵抗値を有するトナーは、内添される材料、特に磁性粉の分散状態を良くすると共に、トナー表面にも導電性を持たせることで得ることができる。特に、本発明に用いられるトナーは磁性粉としてアルミニウムと鉄との複合酸化物(以下、適宜、複合酸化鉄と称する)にて表面が被覆されているため、磁性粉として流動性に優れており、かつ複合酸化鉄層を有するため結着樹脂との親和性が高い。そのためトナー内部の磁性粉分散性が良好であり、なおかつ表面の酸化アルミニウムは酸化鉄と比較し電気抵抗が高いため磁性粉中への電荷注入を阻止することができる。
また、抵抗値を所望の値に調整する手段としては、ワックスなどの添加剤の分散性を高めることが好ましい。分散性を高めるには、混練条件を最適化する方法、磁性粉に表面処理を施す方法、あるいは、ポリオレフィンがグラフトされたビニル系ポリマーなどの分散助剤を添加する方法が効果的である。
トナー表面に導電性を持たせるためには、極性基を有するポリマーを用いて吸着水を利用したり、チタンなど比較的抵抗の低い外添剤を少量添加することが効果的である。
つまり、本発明に用いられる磁性粉は、樹脂中への内部分散性を良好にするとともに、適度な電気抵抗を有することにより、外添剤無しのベーストナー状態において、従来より高い電気抵抗を有するものとなる。前記の各方法を用いてこのような高い電気抵抗のベーストナーを得る場合には、このようなベーストナーに酸化チタンなど比較的抵抗の低い外添剤を添加することで、容易にTCが4質量%における磁気ブラシによる500V印可時の体積抵抗R(500V)が1×1015Ω・cm以上かつ5×1016Ω・cm以下の磁性一成分トナーを作成することが可能となる。
【0017】
本発明に用いられる磁性トナーの構成要素としては、磁性粉としてアルミニウムと鉄との複合酸化物にて表面が被覆されている磁性粉を使用する以外は特に限定はなく、従来公知の材料を用いることが出来る。
【0018】
本発明に用いる磁性一成分トナー用磁性粉末としては公知の磁性体、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の金属及びこれらの合金、Fe、γ−Fe、コバルト添加酸化鉄等の金属酸化物、MnZnフェライト、NiZnフェライト等の各種フェライト、マグネタイト、ヘマタイト等が使用できるが、本発明の好ましい磁性体である複合酸化鉄層を有する磁性体は、例えば、水系媒体中にてそれら磁性体粒子表面に酸化アルミニウムと酸化鉄の複合物を析出させ、表面を被覆することにより得ることができる。本発明に用いられる鉄とアルミニウムとの複合酸化物におけるアルミニウムと鉄の比率は、該磁性体表面のアルミニウム元素(Al)と鉄元素(Fe)のモル比(Al/Fe)で表され、好ましい比率は0.3≦(Al/Fe)≦3.0、より好ましくは0.5≦(Al/Fe)≦2.0、さらに好ましくは0.6≦(Al/Fe)≦1.5である。前記モル比が0.5より小さい場合磁性体の流動性が悪化し、樹脂内部に均一に分散しなくなるため好ましくない。また3.0を超えた場合はアルミニウムの比率が大きすぎるために、磁性体表面へ被覆が不均一になりにくく、磁性体の電気抵抗制御が困難になる等の問題が生じるため好ましくない。なおアルミニウムと鉄のモル比は、たとえばXPS等の装置を用い、元素吸収のピークを各元素ごとに求めることにより測定することができる。
このような物性の磁性体を使用すると、低速域転写性と高速域画像濃度及びかぶりが良好となる理由として、アルミニウムと鉄との複合酸化物皮膜により磁性粉抵抗値が上昇し、且つ、結着樹脂中への分散性が良好であるため、黒色度も低下させないことが挙げられる。
磁性粉末の混合割合はトナー粒子全体に対して35〜55質量%の範囲にあるものが好ましく、より好ましくは40〜50質量%の範囲である。磁性粉末が35質量%より少ない場合は、トナー担持体のマグネットによるトナーの拘束力が低下し、特に高速領域においてトナー飛散、カブリの問題が発生する。一方55質量%を越える場合は電気抵抗が低下してしまうため、特に低速領域において電荷注入による転写性が悪化するばかりか、すべての速度領域において画像濃度が低下するという問題がある。また、これらの磁性粉の平均粒径は0.15〜0.35μm程度のものが結着樹脂への分散性の観点で好ましく用いられる。
【0019】
本発明に用いるトナーの結着樹脂としては、公知の樹脂が使用できる。例えば、1又は2以上のビニルモノマーのホモポリマー又はコポリマーである。代表的なビニルモノマーとしては、スチレン、p−クロルスチレン、ビニルナフタレン、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン系不飽和モノオレフィン類、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル、ぎ酸ビニル、ステアリン酸ビニル、カプロン酸ビニル等のビニルエステル類、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、メチル−α−クロルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル等のエチレン性モノカルボン酸及びそのエステル類、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のエチレン性モノカルボン酸置換体、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチル等のエチレン性カルボン酸及びそのエステル類、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテル等の如きビニルエーテル類、例えば、ビニリデンクロリド、ビニリデンクロルフロリド等のビニリデンハロゲン化物、例えば、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物類等があげられるが、トナーの定着特性及び保管安定性を考慮するとスチレン/アクリル酸の共重合体やポリエステル樹脂、あるいはこれらの混合系が好ましく用いられる。
特にプロセススピードが180mm/s以上の高速機であれば定着性の観点からポリエステル樹脂が最も好ましい。
【0020】
更に、本発明に係るトナーには、その表面抵抗を調整する目的で酸化チタン微粒子を外添剤として0.5〜1.0質量%添加することを要する。このような外添剤を1.0質量%以上添加すると、特に低速側にて転写効率が大きく低下する。一方添加量が0.5質量%以下であると表面抵抗の調整が不十分なため、現像ゴーストが悪化する。
酸化チタン微粒子の一次粒径(平均一次粒子径)としては0.03〜0.1μmであることが好ましく、0.04〜0.07μmであることがさらに好ましい。
さらに、酸化チタンとは別に、本発明に係るトナーには、耐久性や粉体流動性などを向上させる目的で、トナーに微粒子が添加混合されることが好ましい。添加される微粒子としては、例えば、無機微粒子なら前述の酸化チタンの他に、例えば、シリカ、酸化アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの金属酸化物やセラミック粒子などを用いることができる。これらの中でも、シリカ微粒子、酸化アルミニウムを主体とした微粒子であることが好ましい。これらを単独、または併用して用いることも可能であるが、特に、シリカを主体としたものであることが好ましい。
【0021】
無機微粒子はそのままでは吸湿しやすく、帯電の環境安定性が悪いため、疎水化処理を行う方が好ましい。この処理に用いる疎水化剤としては、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。これらの疎水化剤を単独又は組み合わせて用いることができる。
これらの中でも、シラン系カップリング剤とシリコーンオイルを好ましく用いることができる。シラン系カップリング剤としては、クロロシラン、アルコキシシラン、シラザン、特殊シリル化剤等いずれのタイプも使用することができ、その具体例としては、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、
【0022】
デシルトリメトキシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシラン、トリメチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N,O−(ビストリメチルシリル)アセトアミド、N,N−ビス(トリメチルシリル)ウレア、tert−ブチルジメチルクロロシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3.4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等や、それらの一部の水素原子をフッ素原子に変えた、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシルトリエトキシシラン、3−ヘプタフルオロイソプロポキシプロピルトリエトキシシランなどのフッ素系シラン化合物、水素原子の一部をアミノ基で置換したアミノ系シラン化合物等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
また、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、環状ジメチルシリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等を用いることができるが、これらに限定されるものではない。疎水化処理された粒子を用いると高湿度下での帯電量を向上させる事ができ、結果として帯電の環境安定性を向上させる事ができる。
【0024】
微粒子の疎水化処理法としては、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の溶媒で混合希釈した処理剤を、ブレンダー等で強制的に攪拌させた微粒子に滴下したり、スプレーしたりして充分に混合し、必要に応じて洗浄、濾過を行った後、加熱乾燥させ、乾燥後凝集物をブレンダーや乳鉢等で解砕して処理する方法や、微粒子を処理剤の溶媒溶液に浸析した後、乾燥させる、あるいは、微粒子を水中に分散してスラリー状にした上で処理剤溶液を滴下し、その後微粒子を沈降させて加熱乾燥して解砕する方法や、微粒子へ直接処理剤を噴霧する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
前記処理剤の微粒子への付着量は、微粒子に対して0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜25質量%がより好ましい。付着量は、処理の段階で処理剤の混合量を増やしたり、処理後の洗浄工程数を変える等の方法によって処理量を変えることができる。また、処理剤の付着量は、XPSや元素分析により定量することができる。処理剤の付着量が少ないと高湿度下で帯電性が低下する場合が有り、処理量が多すぎると低湿度下で帯電が過剰になりすぎたり、遊離した処理剤が現像剤の粉体流動性を悪化させる場合がある。
【0025】
本発明に用いうるトナーのクリーニング性や転写性など更に向上させるため、必要に応じて有機微粒子を添加(外添)しても良い。有機微粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系重合体や、エステル系、メラミン系、アミド系、アリルフタレート系などの各種重合体、フッ化ビニリデンなどのフッ素系重合体、ユニリン(商品名)などの高級アルコールからなる微粒子などを挙げる事ができ、一次粒径で0.05〜7.0μmのものが好ましく用いられる。
【0026】
前記トナーに添加される微粒子は、トナー粒子と共にサンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー粒子表面に付着又は固着させられる。
【0027】
本発明に係るトナーには、耐オフセット性を向上させる目的でワックスを含有していていることが好ましい。本発明に用いられるワックスとしては、例えば、低分子量ポリプロピレンや低分子量ポリエチレン等の炭化水素系ワックス、マイクロクリスタリンワックス、シリコーン樹脂、ロジン類、エステル系ワックス、ライスワックス、カルナバワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックス、キャンデリラワックスなどが挙げられる。これらのワックスの中でも樹脂中への分散性・トナー粉体特性及びトナー生産性などの観点から低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、カルナバワックス等を使用することが好ましい。
【0028】
また、本発明のトナーには、色調を調整するために着色剤を含有させても良い。前記着色剤としては、特に制限はなく、それ自体公知の着色剤を挙げることができ、目的に応じて適宜選択することができる。前記着色剤としては、例えば、カーボンブラック、ランプブラックやウルトラマリンブルー、アニリンブルー、カルコイルブルー、メチレンブルークロライド、銅フタロシアニン、C.I.ピグメントブルーの15、60、15:1、15:2、15:3や、C.I.ピグメントグリーンの7や、マラカイトグリーンオキサレートなどが挙げられ、これらを単独又は複数組み合わせて用いることも可能である。これらはあらかじめトナーに使用する結着樹脂とフラッシング分散処理されたものであってもよい。
【0029】
また、帯電制御を目的として、種々の物質を添加することが出来る。例えば、フッ素系界面活性剤、サリチル酸系錯体、鉄錯体のような鉄系染料、クロム錯体のようなクロム系染料、マレイン酸を単量体成分として含む共重合体のごとき高分子酸、4級アンモニウム塩、ニグロシンなどのアジン系染料などを0.1〜10.0質量%の範囲で添加しても良い。なお、結着樹脂が十分な帯電制御機能を有している場合には帯電制御剤を添加しなくても良い。
【0030】
また、特開平11−065161号公報に記載されているようなインデン系樹脂を添加することもできる。特にインデン系モノマーと芳香族環を有するビニル系モノマーとの共重合体を用いることが好ましい。これらは一般にトナー粉砕時の粉砕性を向上させる目的で添加される。
【0031】
また、特開平11−119462号公報に記載されているようなテルペン変性ノボラック系樹脂を添加することもでき、これらは、一般に画像保存性を向上させる目的で添加される。
【0032】
本発明に用いられるトナーは、それ自体公知の製造方法に従って製造することができる。前記製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜決定することができる。例えば、混練粉砕法、混練冷凍粉砕法、液中乾燥法、溶融トナーを不溶解性液体中で剪断撹拌して微粒子化する方法、結着樹脂と着色剤を溶剤に分散させジェット噴霧により微粒子化する方法などが挙げられるが、中でも混練粉砕法が好ましい。混練粉砕法は、結着樹脂と着色剤及びその他の添加剤とを、バンバリー型混練機やエクストルーダーなどの二軸型混練機などを用いて溶融混練し、ハンマーミルやジェット式粉砕機などで粉砕を行い、慣性力分級機などで分級を行いトナーを得るものであり、材料効率がよく安価にトナーを製造できるとともに、添加剤を比較的分散性よく内添させることができる点で優れている。得られたトナーの体積平均粒径は5〜15μm程度であることが好ましい。5μm以下であると背景部のかぶりが悪化し、15μm以上であると画像濃度が低下する。
【0033】
本発明に用いられるトナーは、吸引法による帯電量が−3.0〜−20.0(μC/g)の帯電量を有することが必要である。低すぎると画像濃度が得られなくなり、高すぎるとカブリが悪化する。ここで、吸引法によるトライボ測定方法を簡単に説明すると、吸引−排出口を有すると共に、内部にトナーを通過させない程度のメッシュを内臓した金属製容器の排出口を真空ポンプに接続する。容器はクーロンメーターに接続する。吸引口はゴムカバーなどを用いて絶縁する。真空排気と同時に、トナー担持体上のトナーを吸引し、クーロンメーターで電荷量を測定する。吸引前後での容器の重量を測定することで、単位重量当たりの帯電量を測定することが出来る。
【0034】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
なお、トナーの粒度は、ベックマンコールター社製粒度測定機TA−IIによりアパーチャー径100μmで測定した。外添剤の粒径は、走査型電子顕微鏡写真から求めた。また該アルミニウムと鉄のモル比はXPS分析(日本電子社製:)を用い、アルゴン雰囲気下、加速電圧10kV、電流20mAで行った。
【0035】
(トナー製造例1)
ポリエステル樹脂(ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物・テレフタル酸を主体とする架橋ポリエステル、THF不溶分25%、MI=5.0、酸価=10.0、Tg=59.1℃)48.0質量部、マグネタイトを主成分とし、アルミニウムと鉄との複合酸化物にて表面が被覆されている磁性粉(マグネタイトベース一次粒子径0.20μm、1kOe時σs=68.0Am/kg)45.0質量部(Al/Fe=0.82)、ポリプロピレン(商品名:P200、三井化学社製)3.0重量部、分散助剤(スチレン65%・アクリロニトリル5%・ブチルアクリレート10%・ポリプロピレンワックス15%・ポリエチレンワックス5%を重合して得られた共重合樹脂、Tg=58℃)3.0質量部、帯電制御剤としてクロム錯体(商品名:T−95、保土谷化学社製)1.0質量部とを、ヘンシェルミキサーにより粉体混合し、これを設定温度150℃のエクストルーダーにより熱混練した。冷却後、粗粉砕、微粉砕した後、分級して、D50=6.5μm、4μm以下:20%の分級品を得た。
得られたトナー分級品100質量部に対して、疎水性酸化チタンを0.8質量部とシリコーンオイル処理シリカ1.2質量部をヘンシェルミキサーで外添混合した後、凝集物を取り除いて、トナーを得た。
酸化チタンは、イルメナイト鉱石を用い、これを硫酸に溶解させて鉄粉を分離し、得られたTiOSOを100部に対してSiClを5部添加し、加水分解させた後、水洗し、Si成分を含有したTiO(OH)を得、それを焼成せずにTiO(OH)100部に対してデシルトリメトキシシラン5部及びシリコーンオイル5部を湿式にて処理、乾燥し、ジェットミルにより粉砕して得られた平均粒径0.05μmの疎水性酸化チタンであり、シリカは、一次粒子粒径0.012μmのシリコーンオイル処理シリカ(商品名:RY200、日本アエロジル製)である。これをトナーAとする。トナーAのTC4質量%時の前記方法にて測定した体積抵抗R(500V)は3.5×1015でΩ・cmあった。
【0036】
(トナー製造例2)
トナー製造例1において、磁性粉の添加量を40質量%とし、外添剤としてのチタン化合物の添加量を0.2質量%に変更した以外は同様にしてトナーを得た。これをトナーBとする。トナーBのTC4%時体積抵抗R(500V)は2.0×1016Ω・cmであった。
【0037】
(トナー製造例3)
トナー製造例1において、磁性粉量を30質量%とし、チタン系外添剤を添加しなかった以外は同様にしてトナーCを得た。トナーCのTC4%時体積抵抗R(500V)は7.7×1016Ω・cmであった。
【0038】
(トナー製造例4)
トナー製造例1において、磁性粉をアルミニウムと鉄との複合酸化物で被覆していない従来タイプの磁性粉量を50質量%とし、外添剤としてのチタン化合物の添加量を1.0質量%とした以外は、同様にしてトナーDを得た。トナーDのTC4%時体積抵抗R(500V)は8.6×1014Ω・cmであった。
【0039】
〔実施例1〕
トナーAを、富士ゼロックス社製レーザープリンターDocuPrint210改造機(プロセススピード90mm/s)にセットし、試験環境10℃/15%RH(L−L)条件と30℃/80%(H−H)条件で、現像濃度、現像ゴースト、カブリの現像性と転写性を評価した。
【0040】
ここで用いるプリンター(画像形成装置)に装着される感光体カートリッジの概略構成を図1に示す。感光体カートリッジ100は、図1に示すように、静電潜像保持体(感光体ドラム)10と、これを帯電する帯電装置(ローラ帯電器)12と、感光体ドラム10を清掃するクリーニング装置(本例ではブレード式クリーナ)14とをカートリッジケース101に保持したものである。ここで、感光体ドラム10とローラ帯電器12はおのおのカートリッジケース101に回転自在に保持されている。
また、現像剤カートリッジ16は、本実施例では、一成分現像剤方式を採用したものであって、現像剤カートリッジ16にトナー補給ボックスとしての機能を具備させ、現像剤カートリッジ16の感光体ドラム10との対向部位には現像剤供給ローラ18を配設すると共に、この現像剤供給ローラ18の周囲には現像剤層厚規制用の層厚規制ブレード20を設けたものである。
このような形態では、カートリッジケース101のうち、現像剤カートリッジ16とローラ帯電器12との間には露光装置からの走査光を通過させるための走査用通路131が開設されている。
【0041】
本実施の形態では、感光体ドラム10は、ローラ帯電器12により帯電された後、レーザ光により走査露光され、感光体ドラム10上に静電潜像が形成される。現像剤供給ローラ18に一定の線圧で当接された層形成ブレード20によりトナーの薄層が形成される。現像ローラ及び現像剤供給ローラ18に、交流電圧と直流電圧とが重畳され、静電潜像が現像されるものである。
図1に示す感光体カートリッジ100は、その感光体ドラム10が図示されないローラ転写器と対向する位置に、画像形成装置内に配置される。ここで、現像されたトナー画像は、図示されないローラ転写器により紙などの受像材料に転写され、その後、ローラ転写器はブレード式クリーナによりクリーニングが行なわれる。
【0042】
評価は以下の基準にて行なった。
現像ゴーストの評価は、発生部分と未発生部分との濃度差が0.1未満のものを○、濃度差が0.1〜0.15のものを△、濃度差が0.2以上のものを×とした。
カブリ評価及び画像後端飛び散りは目視で判断し、富士ゼロックス製デジタル複写機DocuCenter400標準仕様を基準として、同等レベルを△、それよりも悪いものを×、それより良いものを○とした。現像ゴーストは、低湿度下でより発生しやすいことから、(L−L)条件で評価した。
【0043】
画像濃度はX−rite濃度計(X−rite社製)によって測定し、1.45以上を◎、1.40以上で1.45未満を○、1.35以上で1.40未満を△、1.35未満を×とした。画像濃度は(H−H)条件、(L−L)条件ともに評価した.
【0044】
転写性は、感光体上に現像されたトナー量(mg/cm)と、転写工程通過後に感光体上に残されたトナー量(mg/cm)から、転写効率(%)=(感光体上に現像されたトナー量−転写工程通過後に感光体上に残されたトナー量)/(感光体上に現像されたトナー量)、算出し、転写効率が93%以上のものを◎、90%以上のものを○、85%以上のものを△、85%未満のものを×とした。
結果を表1に示す。
【0045】
〔実施例2〕
実施例1においてトナーAをトナーBに交換した以外は実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0046】
〔比較例1〕
実施例1においてトナーAをトナーCに交換した以外は実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
〔比較例2〕
実施例1においてトナーAをトナーDに交換した以外は実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表1に示す。
【0047】
〔実施例3〕
トナーAを用い富士ゼロックス社製複合機DocuCentre402改造機(プロセススピード220mm/s)にセットした以外は実施例1と同様の評価を行った。結果を表2に示す。
〔実施例4〕
実施例1においてトナーAをトナーBに交換した以外は実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0048】
〔比較例3〕
実施例3においてトナーAをトナーCに交換した以外は実施例3と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
〔比較例4〕
実施例3においてトナーAをトナーDに交換した以外は実施例1と同様の方法で評価を行った。結果を表2に示す。
【0049】
【表1】
Figure 2005010677
【0050】
【表2】
Figure 2005010677
【0051】
表1及び表2から以下のことが明らかである。すなわち、本発明に係るトナーを用いた画像形成方法を適用した実施例1〜4においては、本発明の範囲外のトナーを用いて画像形成した比較例1〜4に比較して、実験環境(高温高湿から低温低湿)によらず、プロセススピード90mm/sのレーザープリンターを用いた低速度域から、プロセススピード220mm/sの複合機を用いた高速度域まで、画像濃度、現像ゴースト、転写効率の良い画質の優れた画像を形成することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、結着樹脂及び磁性粉及び離型剤を含有するトナーの該磁性粉として特定金属との複合酸化鉄を用い、外添剤として用いる酸化チタンの粒径と量を制御した磁性一成分トナーを、キャリアと混合させたときの体積抵抗を特定範囲に制御することにより、低速域においても転写効率が高く、かつ、高速域においても画像濃度が高く、かつ現像ゴーストが発生しないプロセススピードに対する自由度の大きい画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1に用いた画像形成装置の、感光体カートリッジ部分を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10:静電潜像保持体(感光体ドラム)
12:ローラ帯電器
14:ブレード式クリーナ
16:トナー供給ボックス(現像剤カートリッジ)
18:現像剤供給ローラ
20:層形成ブレード

Claims (1)

  1. 潜像担持体表面に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像を現像装置内の現像剤を用いてトナー画像として現像する工程と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する工程と、を有する画像形成方法であって、
    転写工程が、転写部材を接触させると共に電圧を印可してなるものであり、
    用いられるトナーが、結着樹脂、アルミニウムと鉄との複合酸化物で表面が被覆されてなる磁性粉を35〜55質量%、及び、離型剤を含有するトナー粒子と、平均一次粒子径30〜100nmの酸化チタンを外添剤として0.5〜1.0質量%含有してなるトナーであり、
    該トナーをキャリアに対して4質量%となるように混合した混合物を、現像装置内に配置し、磁気ブラシにより500Vの直流電流を印可して測定した体積抵抗が、1×1015Ω・cm以上、5×1016Ω・cm以下である、
    ことを特徴とする画像形成方法。
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