JP2005010206A - 手術用顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】この発明は、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度な観察位置の調整を実現し得るようにして、取扱い操作を含む使い勝手の向上を図ることにある。
【解決手段】対物レンズ101の設けられるズーム本体10に対して中間鏡筒15を、対物光軸周りに一体に回動可能に配して、この中間鏡筒15に対して副側接眼鏡筒14を回転操作自在に配し、この副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して該副側接眼鏡筒14が中間鏡筒15に対して伸縮移動されて対物光軸に対する距離が変更されるように構成したものである。
【選択図】 図2
【解決手段】対物レンズ101の設けられるズーム本体10に対して中間鏡筒15を、対物光軸周りに一体に回動可能に配して、この中間鏡筒15に対して副側接眼鏡筒14を回転操作自在に配し、この副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して該副側接眼鏡筒14が中間鏡筒15に対して伸縮移動されて対物光軸に対する距離が変更されるように構成したものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば脳神経外科等の微細な組織を処置する手術を行うのに用いられる手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の手術用顕微鏡においては、手術の高度化が進につれて、手術を行う際に、主観察者と副観察者により、処置を施す方法がとられている。このような手術用顕微鏡は、主観察者と副観察者がより観察しやすい観察姿勢で手術が出来ることが求められている。
【0003】
そこで、手術用顕微鏡には、主観察者と副観察者の対物光軸に対する距離を可変できるようにしたものや(例えば、特許文献1参照。)、その観察光軸に対する角度を変えることができるように構成したものが出現されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、主観察者の観察光軸を中心に回転方向で観察方向を可変調整可能に構成したものもある(例えば、特許文献3参照。)。このような観察方向が可変調整可能な鏡体は、例えば中間アームを介して架台アームに対して空間的に移動調整自在に配される(例えば、特許文献4参照。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示される手術用顕微鏡では、いずれも自由度に制約を有し、副観察者に無理な観察姿勢を強いることがあり、副観察者に大きなストレスを与えるという不都合を有する。
【0006】
そこで、これら特許文献1及び2を組み合わせて構成することも考えられるが、これによると、機構が非常に複雑となり、大形となると共に、重量が重くな流という問題を有する。
【0007】
また、特許文献3及び4を組み合わせた構造では、中間アームが副観察者側ポートの移動を妨げて、自由な観察位置変更が艱難となり、副観察者の作業性を悪化させるという不都合を有する。
【0008】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度な観察位置の調整を実現し得るようにして、取扱い操作を含む使い勝手の向上を図った手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、被観察部位からの光束を取り込む対物光学系と、前記対物光学系で取り込んだ前記被観察部位の光束を観察するもので、観察光軸周りに回転自在に配された接眼光学系と、前記接眼光学系を、その回転操作に連動して前記観察光軸方向に伸縮移動して前記対物光学系の対物光軸からの距離を変位させる伸縮機構とを備えて手術用顕微鏡を構成した。
【0010】
上記構成によれば、接眼光学系を回転操作すると、その回転角に応じて観察光軸方向に伸縮移動して対物光学系の対物光軸からの距離が変位されることにより、接眼鏡筒の傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。従って、簡易な構成を確保したうえで、その取扱い操作を含む使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0011】
また、この発明は、顕微鏡本体と、前記顕微鏡本体に設けられて被観察部位からの光束を取り込むための対物光学系と、前記被観察部位の光束に基づく光学像を観察するための接眼光学系と、前記対物光学系の対物光軸、もしくは、前記対物光軸に平行な軸を回転軸として回動可能に前記顕微鏡本体と接続された回動ポートと、前記被観察部位からの光束を前記回動ポートを介して前記接眼光学系へ伝達するための伝達光学系と、前記回動ポートと前記接眼光学系とを連結すると共に前記回動ポートの回転操作に連動して前記回動ポートと前記接眼光学系との間に形成される観察光軸方向に伸縮移動して前記回動ポートと前記接眼光学系との距離を変更する伸縮手段とを備えて手術用顕微鏡を構成した。
【0012】
上記構成によれば、接眼光学系は、回動ポートの回転操作に連動して伸縮手段を介して該回動ポートとの距離が変更され、その変更位置において対物光学系で取り込んだ光束に基づく光学像が伝達光学系を介して導かれることにより、その回動ポートの回転角に応じて接眼鏡筒の傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。従って、簡易な構成を確保したうえで、対物光学系の回動位置に応じた姿勢変更と、その姿勢変更位置における観察位置の変更が可能となり、その取扱い操作を含む使い勝手の向上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の一実施の形態に係る手術用顕微鏡を示すもので、対物光学系を有するズーム本体10(顕微鏡本体)は、中間アーム11を介して図示しない懸垂架台に取り付けられ、この懸垂架台(図示せず)を介して空間上を3次元的に移動可能に配される。このズーム本体10には、その先端部に対物レンズ101が配され、その基端部に第1の観察者が覗く込んで観察に供する第1の接眼光学系を構成する主側接眼鏡筒12が接続部材13を介して組付けられる。
【0015】
上記ズーム本体10には、図2に示すように上記対物レンズ101で取り込んだ光束を、上記主側接眼鏡筒12及び対向観察位置での観察時に、後述する第2の接眼光学系を構成する副側接眼鏡筒14に出射する左右一対のズームレンズ102(図の都合上、一方のみを図示)と、側方観察時に上記副側接眼鏡筒14に出射する左右一対のズームレンズ103と、反射部材104がそれぞれ内装される。
【0016】
上記接続部材13には、左右光束の光軸を結ぶ中間点を中心として回動する回動機構を構成するオスヘリコイドネジ部131が設けられ、このオスヘリコイドネジ部131には、上記ズーム本体10のメスヘリコイドネジ部105が螺合調整自在に螺合される。ここで、回動機構の回転中心(左右光束の光軸を結ぶ中間点)を観察光軸として定義する。これにより、主側接眼鏡筒12は、その回転操作に連動して、接続部材13のオスへリコイドネジ部131とズーム本体10のメスへリコイドネジ部105との螺合が調整されることにより、該接続部材13と共に光軸方向(矢印方向)に伸縮移動される。
【0017】
また、上記ズーム本体10の中間部には、回動ポートである中間鏡筒15が対物光軸周り(矢印方向)に回動自在に配され、この中間鏡筒15の先端部には、第2の観察者が覗き込んで観察に供する上記副側接眼鏡筒14が配される。即ち、ズーム本体10には、対物光軸を中心に回動可能な嵌合部106が設けられ、この嵌合部106には、上記中間鏡筒15に設けられる嵌合部151が対物光軸周りに回動自在に組付けられる。
【0018】
上記中間鏡筒15には、上記一対のズームレンズ102の透過光を上記主側接眼鏡筒12に案内し、反射光を上記副側接眼鏡筒14に案内するハーフプリズム152が設けられる。なお、ズームレンズ102,103及びハーフプリズム152は、中間鏡筒15(回動ポート)を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。また、中間鏡筒15には、回動ポートと顕微鏡本体との回動ポートの回動軸回りの相対位置を検出するセンサとしてのエンコーダ16及び伸縮用モータ17が内装され、その先端部にメスネジ部181の設けられた伸縮部材18が副側接眼鏡筒14の観察光軸方向に移動自在に配される。この伸縮部材18のメスネジ部181には、リードネジ171が螺合調整自在に螺合され、このリードネジ171は、その基端部が上記中間鏡筒15内に配される伸縮駆動用モータ17の回転部に嵌着される。この伸縮部材18の伸縮により、中間鏡筒15(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0019】
このモータ17は、例えば図示しない架台支持部に配される制御部19に電気的に接続され、該制御部19からの駆動信号に応動して回転駆動される。モータ17は、その回転駆動に連動してリードネジ171を回転駆動し、該リードネジ171を介して伸縮部材18のメスネジ部181を直線状に移動付勢して、該伸縮部材18を同方向に移動させて伸縮させる。
【0020】
また、上記エンコーダ16には、ギア161が組み合わせ係合され、このギア161には、上記ズーム本体10に固定配置されるギア107が噛合される。エンコーダ16は、上記制御部19に電気的に接続され、上記ギア161の回転角度を検出し、検出信号を上記制御部19に出力する。制御部19は、エンコーダ16からの検出信号に基づいて上記駆動信号を生成して上記モータ17を駆動制御する。
【0021】
上記伸縮部材18には、先端部に上記副側接眼鏡筒14の左右光束の光軸を結ぶ中間点を中心とするメスヘリコイドネジ部182が設けられ、このメスヘリコイドネジ部182には、接続部材20に設けられたオスヘリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。接続部材20は、上記副側接眼鏡筒14に取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して、そのオスへリコイド部201が回転されて、上記伸縮部材18のメスへリコイド部182との螺合が調整される。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に光軸方向に移動され、対物光軸との距離が変更される。つまり、中間鏡筒15(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0022】
上記構成において、ズーム本体10が被観察部位9に対向配置され、図示しない照明光学系が駆動されて、照明光が被観察部位9に照射されると、該被観察部9からの光束は、対物レンズ101及びズームレンズ102を介して、ビームスプリッタ152に入射される。このうちビームスプリッタ152を透過した光束は、反射部材104により偏向され、主側接眼鏡筒12を通して主側観察者により立体観察される。そして、他方のビームスプリッタ12により反射された光束は、中間鏡筒15を通って副側接眼鏡筒14に導かれて副側観察者により観察される。
【0023】
ここで、主側観察者は、被観察部位9を観察するためにズーム本体10を左右傾斜する。この際、主側観察者は、主側接眼鏡筒12を観察しやすい角度になるように回転させると、接続部材13のオスヘリコイドネジ部131とズーム本体10のメスヘリコイドネジ部105との螺合が調整され、対物光軸に対する距離が変更されて左右回転補正される。
【0024】
また、手術を行う際には、患者の位置及び周辺の手術器具の配置により副側観察者の観察方向が制限される。そこで、副観察者は、中間鏡筒15の嵌合部151を回動付勢してズーム本体10の嵌合部106に対して対物光軸周りに回動させ、観察方向を所望の方向に変更する。この際、中間鏡筒15のエンコーダ16は、その回転に連動して、ズーム本体10に配されたギア107が回動されることにより、ギア161が回動され、その回転角度を検出して、検出情報を制御部19に出力する。
【0025】
ここで、制御部19は、検出情報に基づいた駆動信号を生成してモータ17を回転駆動し、リードネジ171を回転させる。すると、リードネジ171は、その回転によりメスネジ部181を直線状に移動付勢し、伸縮部材18を観察光軸方向に伸縮させる。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に中間鏡筒15の光軸方向に伸縮され、初期の観察状態に保たれる。
【0026】
一般的に、主観察者に対して対向位置で観察する場合は、中間鏡筒15を短くし、側方にて観察する場合は、長くして主側観察者の手術の邪魔にならない位置へと移動するように、制御部19は、モータ17を駆動制御する。
【0027】
また、副側観察者は、主側観察者のズーム本体10の傾斜に伴い、副側接眼鏡筒14を左右方向に回転させて補正する。この副側接眼鏡筒14は、回転付勢されると、接続部材20が一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材18のメスヘリコイドネジ部182との螺合が調整されて左右回転補正が行われる。
【0028】
そして、手術途中において副側観察者は、被観察部位9へのアプローチのため、主側観察者との距離を変更する場合、上記左右回転補正と同様に副側接眼鏡筒14を回転させる。すると、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に回転されて、該接続部材20のオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材18のメスヘリコイドネジ部182との螺合が調整され、その螺合位置に応じて副側接眼鏡筒14の接続部材20が、伸縮部材18に対して中間鏡筒15の光軸方向に伸縮され、距離の変更が行われる。
【0029】
このように、上記手術用顕微鏡は、対物レンズ101の設けられるズーム本体10に対して中間鏡筒15を、対物光軸周りに一体に回動可能に配して、この中間鏡筒15に対して副側接眼鏡筒14を回転操作自在に配し、この副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して該副側接眼鏡筒14が中間鏡筒15に対して伸縮移動されて対物光軸に対する距離が変更されるように構成した。
【0030】
これによれば、副側接眼鏡筒14は、ズーム本体10が回動付勢されると、その回動位置に応じて中間鏡筒15を介して回動されて姿勢変更が行われ、その姿勢変更位置において回転操作されると、その回転角に応じて観察光軸方向に伸縮移動してズーム本体10の対物光軸からの距離が変位されて、その傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。
【0031】
このように副側接眼鏡筒15の左右補正及び対物光軸に対する距離の変更を単に副側接眼鏡筒15を回転操作するだけで可能となることにより、簡易な構成を確保したうえで、ズーム本体10の傾斜に応じた姿勢変更と、その姿勢変更位置における観察位置の変更が可能となり、その取扱い操作を含む使い勝手の向上が図れる。
【0032】
また、これによれば、主側観察者に対する副側観察者の観察位置を変更する場合、自動的に主側観察者と副側観察者の相互の位置が設定され、中間アーム11のズーム本体10に対する接続部の位置が中間鏡筒15の回転軸と同軸近傍に設けられているため中間鏡筒15の位置変更の妨げにならない。これにより、取扱い操作の簡略化が図れて、例えば手術前のセッティング時間の短縮及び疲労の軽減を図ることが可能となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図3及び図4は、この発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡を示すもので、上記第1の実施の形態と略同様の効果を期待することができる。但し、図3及び図4においては、上記図1及び図2と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
即ち、ズーム本体30(顕微鏡本体)には、対物レンズ301、大口径ズームレンズ302、主観察光路を構成する偏向プリズム303が順に設けられ、偏向プリズム303に対向して上記主側接眼鏡筒31が設けられる。そして、ズーム本体30の大口径ズームレンズ302と偏向プリズム303との間の光軸上には、副側観察光路が構成する光路分割用ハーフミラー304及び偏向用ミラー305が順に配される。この光路分割用ハーフミラー304及び偏向用ミラー305で偏光された光束は、対物レンズ301の光軸と平行な光軸を有する。
【0035】
このズーム本体30は、中間アーム32を介して上述したように懸垂架台(図示せず)に空間上を3次元的に移動可能に配される。そして、この中間アーム32には、回動ピン331を介してリンク部材33の一端がリンク結合されて配される。このリンク部材33の他端部には、係合ピン332が設けられ、この係合ピン332は、中間鏡筒34(回動ポート)に設けられた長孔341に移動自在に挿入されて、その先端部が伸縮部材35にリンク結合されて取り付けられる。上記中間鏡筒34の長孔341は、観察像を導く光束と略平行に設けられる。
【0036】
上記伸縮部材35は、中間鏡筒34に移動自在に内挿されて配される。即ち、中間鏡筒34には、偏向用ミラー342が上記ズーム本体30の偏向用ミラー305に対向して内装され、上記伸縮部材35が、偏向用ミラー342と上記副側接眼鏡筒14との間で光軸方向に伸縮自在に内挿されて配される。この伸縮部材35には、メスへリコイドネジ部351が設けられ、このメスヘリコイドネジ部351には、上記接続部材20に設けられたオスへリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。なお、光路分割用ハーフミラー304、偏光用ミラー305,342は、中間鏡筒34を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。
【0037】
接続部材20には、上記副側接眼鏡筒14が取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材35のメスヘリコイドネジ部351との螺合が調整される。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に伸縮部材35に対して観察光軸方向に移動される。
【0038】
上記構成において、被観察部位9からの光束は、対物レンズ301、大口径ズームレンズ302を介してハーフミラー304に導かれて透過した透過光が偏向プリズム303を介して主側接眼鏡筒31に入射され、主側観察者を通して観察される。そして、上記ハーフミラー304において反射された光束は、偏向用ミラー305により光軸X方向に偏向されて中間鏡筒34に入射される。この中間鏡筒34に入射された光束は、偏向用ミラー342により偏向され、伸縮部材35に対して接続部材20を介して配された副側接眼鏡筒14を通して副側観察者により観察される。
【0039】
また、例えば手術の術式により、副側観察者の被観察部位に対する観察方向が制限された場合には、副側観察者が中間鏡筒34を光軸Xに対して回動させ、主側接眼鏡筒31に対する観察位置を変更させる。
【0040】
ここで、中間鏡筒34が、主側接眼鏡筒31に対して図4中反時計方向に回動付勢されて図中2点鎖線に示す主側の左側の位置に変更された場合には、係合ピン332が中間鏡筒34の長孔341を移動して、伸縮部材35が伸びた状態となる。これにより、中間鏡筒34の回転中心Oから係合ピン332までの距離は、a1−aとなる。同様に、主側観察者の左側方向に副側観察者が移動した場合にも対向観察位置の距離aは、a1と伸長状態に変更される。つまり、中間鏡筒34(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0041】
このように、第2の実施の形態によれば、ズーム本体30に大口径ズームレンズ302を使用しているため、副側の観察位置が対向及び側方90°位置に限定されることなく任意の位置で観察することも可能となり、さらに使い勝手の向上を図ることができる。
【0042】
また、ズーム本体30の回動に連動して中間鏡筒34を、リンク機構を用いて回動制御するように構成していることにより、上記第1の実施の形態に比して、さらに構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0043】
(第3の実施の形態)
図5及び図6は、この発明の第3の実施の形態を示すもので、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果を期待することができる。但し、図5及び図6においては、上記図3及び図4と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】
即ち、上記中間アーム32に支持されたズーム本体30(顕微鏡本体)には、中間鏡筒40が回動自在に配される。中間鏡筒40(回動ポート)には、偏向用ミラー401が上記ズーム本体30の偏向用ミラー305に対応して配され、この偏向用ミラー401の反射光路には、伸縮部材41が観察光軸方向に移動(伸縮)自在に内挿される。なお、ハーフミラー304,偏向用ミラー305,偏向用ミラー401は、中間鏡筒40(回動ポート)を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。また、中間鏡筒40上には、カム機構を構成する中間アーム32に支持されたカム板42が積重状に配される。このカム板42には、所望のカム曲線を有したカム溝421が設けられ、このカム溝421には、リンク部材43の一端部に設けられたカムピン431が駆動自在に収容される。
【0045】
リンク部材43には、他端に係合ピン432が立設され、この係合ピン432は、上記中間鏡筒40に設けられた長孔402に挿通された後、上記伸縮部材41の一端部にリンク結合される。この中間鏡筒40の長孔402は、副側観察光路と略平行に設けられる。
【0046】
上記伸縮部材41には、その他端部にメスへリコイドネジ部412が設けられ、このメスヘリコイドネジ部412には、上記接続部材20に設けられたオスへリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。そして、この接続部材20には、上記副側接眼鏡筒14が取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材41のメスヘリコイドネジ部412との螺合が調整され、副側接眼鏡筒14と共に光軸方向に移動される。
【0047】
上記構成において、上記ハーフミラー304において反射された光束は、偏向用ミラー305により光軸X方向に偏向されて中間鏡筒40に入射される。この中間鏡筒40に入射された光束は、偏向用ミラー401により偏向され、伸縮部材41に接続部材20を介して配された副側接眼鏡筒14を通して副側観察者により観察される。
【0048】
そして、副側観察者は、主側観察者の左右側方向または対向位置に中間鏡筒40を回転した場合、リンク部材43のカムピン431がカム板42のカム溝421にそって移動され、伸縮部材41の光軸方向の出入り位置を可変設定する(図6参照)。この場合、左右側方観察位置では、主側観察者に対して副側観察者は、被観察部位よりb1−bの距離だけ遠ざかる。つまり、中間鏡筒40(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0049】
この第3の実施の形態によれば、中間アーム32に対してリンク部材43の移動が光軸と略平行に移動するだけとなることにより、さらに構成の簡略化の促進を図ることが可能となる。
【0050】
なお、上記第2及び第3の実施の形態においても、主側接眼鏡筒31を、上記第1の実施の形態の場合と同様に回転操作自在に配して、その回転操作により、伸縮自在に配するように構成してもよい。
【0051】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱いない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0052】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0053】
また、この発明は、上記各実施の形態に基づいて
(1) 被観察部位を観察するための対物光学系と、前記対物光学系からの光束を観察者の目に導くための接眼光学系とを備える手術用顕微鏡において、
前記対物光学系または前記接眼光学系の任意の光軸を中心に前記接眼光学系を保持する保持部が顕微鏡の鏡体に対して相対的に回転及び伸縮する回動伸縮機構を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0054】
(2) 被観察部位を観察するための対物レンズを有した対物光学系と、前記対物光学系からの光束を観察者の目に導くための接眼レンズを有した第1の接眼光学系と、前記対物光学系からの光束を第2の観察者の目に導くための接眼レンズを有した第2の接眼光学系とを備えることを手術用顕微鏡において、
前記対物光学系は前記対物レンズの任意の光軸を中心として回転する回動ポートを有し、前記回動ポートの先端には前記第2の接眼光学系が取り付いており、前記回動ポートの回転運動に応じ相対的に前記対物レンズ光軸から前記第2の接眼レンズまでの距離が変位する伸縮機構を有することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0055】
(3) 前記(1)の記述において、
前記回動伸縮機構は、回転手段と伸縮手段を備えるネジ機構であることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0056】
(4) 前記(2)の記述において、
前記回動ポートと前記対物光学系の設けられた顕微鏡本体との対物光軸周りの相対位置を検出する位置検出手段を有し、前記位置検出手段の検出に応じて前記伸縮機構を駆動することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0057】
(5) 前記(2)の記述において、
前記伸縮機構は、前記回転ポートの回転動作に連動するリンク機構を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0058】
(6) 前記(2)の記述において、
前記伸縮機構は、前記回転ポートの回転動作に連動するカム機構を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0059】
(7) 前記(2)の記述において、
さらに、架台アーム及び前記対物光学系と接続する中間アームを備え、前記回転ポートの回転軸と略同軸延長上に前記中間アームと前記対物光学系を接続する接続部を有することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0060】
(8) 被観察部位からの光束を取り込む対物光学系と、
前記対物光学系で取り込んだ前記被観察部位の光束を観察するもので、観察光軸周りに回転自在に配された接眼光学系と、
前記接眼光学系を、その回転操作に連動して前記観察光軸方向に伸縮移動して前記対物光学系の対物光軸からの距離を変位させる伸縮機構と、
前記接眼光学系を前記対物光学系の対物光軸を中心として回動自在に支持する回動機構と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0061】
(9) 顕微鏡本体と、
前記顕微鏡本体に設けられて被観察部位からの光束を取り込むための対物光学系と、
前記被観察部位の光束に基づく光学像を観察するための接眼光学系と、
前記対物光学系の対物光軸、もしくは、前記対物光軸に平行な軸を回転軸として回動可能に前記顕微鏡本体と接続された回動ポートと、
前記被観察部位からの光束を前記回動ポートを介して前記接眼光学系へ伝達するための伝達光学系と、
前記回動ポートと前記接眼光学系とを連結すると共に前記回動ポートの回転操作に連動して前記回動ポートと前記接眼光学系との間に形成される観察光軸方向に伸縮移動して前記回動ポートと前記接眼光学系との距離を変更する伸縮手段と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0062】
(10) 前記(9)の記述において、
前記伸縮手段は、前記回動ポートと前記顕微鏡本体との前記回動ポートの回転軸回りの相対位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記回動ポートと前記顕微鏡本体との相対位置に応じて前記伸縮手段の駆動を制御する制御部と
を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度な観察位置の調整を実現し得るようにして、取扱い操作を含む使い勝手の向上を図った手術用顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を取り出して示した斜視図である。
【図2】図1を対物光軸方向に断面して示した断面図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を断面して示した断面図である。
【図4】図3の観察位置の変更調整動作を説明するために示した平面図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を断面して示した断面図である。
【図6】図5の観察位置の変更調整動作を説明するために示した平面図である。
【符号の説明】
9…被観察部位、10…ズーム本体、101…対物レンズ、102…ズームレンズ、103…ズームレンズ、104…反射部材、105…オスへリコイドネジ部、106…嵌合部、11…中間アーム、12…主側接眼鏡筒、13…接続部材、131…オスへリコイドネジ部、14…副側接眼鏡筒、15…中間鏡筒、151…嵌合部、16…エンコーダ、17…モータ、171…リードネジ、18…伸縮部材、181…メスネジ部、182…メスへリコイドネジ部、19…制御部、20…接続部材、201…オスへリコイドネジ部、30…ズーム本体、301…対物レンズ、302…大口径ズームレンズ、303…偏向プリズム、304…ハーフミラー、305…偏向用ミラー、31…主側接眼鏡筒、32…中間アーム、33…リンク部材、331…回動ピン、332…係合ピン、34…中間鏡筒、341…長孔、342…偏向用ミラー、35…伸縮部材、351…メスヘリコイドネジ部、40…中間鏡筒、401…偏向用ミラー、402…長孔、41…伸縮部材、412…メスへリコイドネジ部、42…カム板、421…カム溝、43…リンク部材、431…カムピン、432…係合ピン。
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば脳神経外科等の微細な組織を処置する手術を行うのに用いられる手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、この種の手術用顕微鏡においては、手術の高度化が進につれて、手術を行う際に、主観察者と副観察者により、処置を施す方法がとられている。このような手術用顕微鏡は、主観察者と副観察者がより観察しやすい観察姿勢で手術が出来ることが求められている。
【0003】
そこで、手術用顕微鏡には、主観察者と副観察者の対物光軸に対する距離を可変できるようにしたものや(例えば、特許文献1参照。)、その観察光軸に対する角度を変えることができるように構成したものが出現されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
また、主観察者の観察光軸を中心に回転方向で観察方向を可変調整可能に構成したものもある(例えば、特許文献3参照。)。このような観察方向が可変調整可能な鏡体は、例えば中間アームを介して架台アームに対して空間的に移動調整自在に配される(例えば、特許文献4参照。)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に開示される手術用顕微鏡では、いずれも自由度に制約を有し、副観察者に無理な観察姿勢を強いることがあり、副観察者に大きなストレスを与えるという不都合を有する。
【0006】
そこで、これら特許文献1及び2を組み合わせて構成することも考えられるが、これによると、機構が非常に複雑となり、大形となると共に、重量が重くな流という問題を有する。
【0007】
また、特許文献3及び4を組み合わせた構造では、中間アームが副観察者側ポートの移動を妨げて、自由な観察位置変更が艱難となり、副観察者の作業性を悪化させるという不都合を有する。
【0008】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度な観察位置の調整を実現し得るようにして、取扱い操作を含む使い勝手の向上を図った手術用顕微鏡を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、被観察部位からの光束を取り込む対物光学系と、前記対物光学系で取り込んだ前記被観察部位の光束を観察するもので、観察光軸周りに回転自在に配された接眼光学系と、前記接眼光学系を、その回転操作に連動して前記観察光軸方向に伸縮移動して前記対物光学系の対物光軸からの距離を変位させる伸縮機構とを備えて手術用顕微鏡を構成した。
【0010】
上記構成によれば、接眼光学系を回転操作すると、その回転角に応じて観察光軸方向に伸縮移動して対物光学系の対物光軸からの距離が変位されることにより、接眼鏡筒の傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。従って、簡易な構成を確保したうえで、その取扱い操作を含む使い勝手の向上を図ることが可能となる。
【0011】
また、この発明は、顕微鏡本体と、前記顕微鏡本体に設けられて被観察部位からの光束を取り込むための対物光学系と、前記被観察部位の光束に基づく光学像を観察するための接眼光学系と、前記対物光学系の対物光軸、もしくは、前記対物光軸に平行な軸を回転軸として回動可能に前記顕微鏡本体と接続された回動ポートと、前記被観察部位からの光束を前記回動ポートを介して前記接眼光学系へ伝達するための伝達光学系と、前記回動ポートと前記接眼光学系とを連結すると共に前記回動ポートの回転操作に連動して前記回動ポートと前記接眼光学系との間に形成される観察光軸方向に伸縮移動して前記回動ポートと前記接眼光学系との距離を変更する伸縮手段とを備えて手術用顕微鏡を構成した。
【0012】
上記構成によれば、接眼光学系は、回動ポートの回転操作に連動して伸縮手段を介して該回動ポートとの距離が変更され、その変更位置において対物光学系で取り込んだ光束に基づく光学像が伝達光学系を介して導かれることにより、その回動ポートの回転角に応じて接眼鏡筒の傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。従って、簡易な構成を確保したうえで、対物光学系の回動位置に応じた姿勢変更と、その姿勢変更位置における観察位置の変更が可能となり、その取扱い操作を含む使い勝手の向上を図ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、この発明の一実施の形態に係る手術用顕微鏡を示すもので、対物光学系を有するズーム本体10(顕微鏡本体)は、中間アーム11を介して図示しない懸垂架台に取り付けられ、この懸垂架台(図示せず)を介して空間上を3次元的に移動可能に配される。このズーム本体10には、その先端部に対物レンズ101が配され、その基端部に第1の観察者が覗く込んで観察に供する第1の接眼光学系を構成する主側接眼鏡筒12が接続部材13を介して組付けられる。
【0015】
上記ズーム本体10には、図2に示すように上記対物レンズ101で取り込んだ光束を、上記主側接眼鏡筒12及び対向観察位置での観察時に、後述する第2の接眼光学系を構成する副側接眼鏡筒14に出射する左右一対のズームレンズ102(図の都合上、一方のみを図示)と、側方観察時に上記副側接眼鏡筒14に出射する左右一対のズームレンズ103と、反射部材104がそれぞれ内装される。
【0016】
上記接続部材13には、左右光束の光軸を結ぶ中間点を中心として回動する回動機構を構成するオスヘリコイドネジ部131が設けられ、このオスヘリコイドネジ部131には、上記ズーム本体10のメスヘリコイドネジ部105が螺合調整自在に螺合される。ここで、回動機構の回転中心(左右光束の光軸を結ぶ中間点)を観察光軸として定義する。これにより、主側接眼鏡筒12は、その回転操作に連動して、接続部材13のオスへリコイドネジ部131とズーム本体10のメスへリコイドネジ部105との螺合が調整されることにより、該接続部材13と共に光軸方向(矢印方向)に伸縮移動される。
【0017】
また、上記ズーム本体10の中間部には、回動ポートである中間鏡筒15が対物光軸周り(矢印方向)に回動自在に配され、この中間鏡筒15の先端部には、第2の観察者が覗き込んで観察に供する上記副側接眼鏡筒14が配される。即ち、ズーム本体10には、対物光軸を中心に回動可能な嵌合部106が設けられ、この嵌合部106には、上記中間鏡筒15に設けられる嵌合部151が対物光軸周りに回動自在に組付けられる。
【0018】
上記中間鏡筒15には、上記一対のズームレンズ102の透過光を上記主側接眼鏡筒12に案内し、反射光を上記副側接眼鏡筒14に案内するハーフプリズム152が設けられる。なお、ズームレンズ102,103及びハーフプリズム152は、中間鏡筒15(回動ポート)を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。また、中間鏡筒15には、回動ポートと顕微鏡本体との回動ポートの回動軸回りの相対位置を検出するセンサとしてのエンコーダ16及び伸縮用モータ17が内装され、その先端部にメスネジ部181の設けられた伸縮部材18が副側接眼鏡筒14の観察光軸方向に移動自在に配される。この伸縮部材18のメスネジ部181には、リードネジ171が螺合調整自在に螺合され、このリードネジ171は、その基端部が上記中間鏡筒15内に配される伸縮駆動用モータ17の回転部に嵌着される。この伸縮部材18の伸縮により、中間鏡筒15(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0019】
このモータ17は、例えば図示しない架台支持部に配される制御部19に電気的に接続され、該制御部19からの駆動信号に応動して回転駆動される。モータ17は、その回転駆動に連動してリードネジ171を回転駆動し、該リードネジ171を介して伸縮部材18のメスネジ部181を直線状に移動付勢して、該伸縮部材18を同方向に移動させて伸縮させる。
【0020】
また、上記エンコーダ16には、ギア161が組み合わせ係合され、このギア161には、上記ズーム本体10に固定配置されるギア107が噛合される。エンコーダ16は、上記制御部19に電気的に接続され、上記ギア161の回転角度を検出し、検出信号を上記制御部19に出力する。制御部19は、エンコーダ16からの検出信号に基づいて上記駆動信号を生成して上記モータ17を駆動制御する。
【0021】
上記伸縮部材18には、先端部に上記副側接眼鏡筒14の左右光束の光軸を結ぶ中間点を中心とするメスヘリコイドネジ部182が設けられ、このメスヘリコイドネジ部182には、接続部材20に設けられたオスヘリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。接続部材20は、上記副側接眼鏡筒14に取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して、そのオスへリコイド部201が回転されて、上記伸縮部材18のメスへリコイド部182との螺合が調整される。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に光軸方向に移動され、対物光軸との距離が変更される。つまり、中間鏡筒15(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0022】
上記構成において、ズーム本体10が被観察部位9に対向配置され、図示しない照明光学系が駆動されて、照明光が被観察部位9に照射されると、該被観察部9からの光束は、対物レンズ101及びズームレンズ102を介して、ビームスプリッタ152に入射される。このうちビームスプリッタ152を透過した光束は、反射部材104により偏向され、主側接眼鏡筒12を通して主側観察者により立体観察される。そして、他方のビームスプリッタ12により反射された光束は、中間鏡筒15を通って副側接眼鏡筒14に導かれて副側観察者により観察される。
【0023】
ここで、主側観察者は、被観察部位9を観察するためにズーム本体10を左右傾斜する。この際、主側観察者は、主側接眼鏡筒12を観察しやすい角度になるように回転させると、接続部材13のオスヘリコイドネジ部131とズーム本体10のメスヘリコイドネジ部105との螺合が調整され、対物光軸に対する距離が変更されて左右回転補正される。
【0024】
また、手術を行う際には、患者の位置及び周辺の手術器具の配置により副側観察者の観察方向が制限される。そこで、副観察者は、中間鏡筒15の嵌合部151を回動付勢してズーム本体10の嵌合部106に対して対物光軸周りに回動させ、観察方向を所望の方向に変更する。この際、中間鏡筒15のエンコーダ16は、その回転に連動して、ズーム本体10に配されたギア107が回動されることにより、ギア161が回動され、その回転角度を検出して、検出情報を制御部19に出力する。
【0025】
ここで、制御部19は、検出情報に基づいた駆動信号を生成してモータ17を回転駆動し、リードネジ171を回転させる。すると、リードネジ171は、その回転によりメスネジ部181を直線状に移動付勢し、伸縮部材18を観察光軸方向に伸縮させる。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に中間鏡筒15の光軸方向に伸縮され、初期の観察状態に保たれる。
【0026】
一般的に、主観察者に対して対向位置で観察する場合は、中間鏡筒15を短くし、側方にて観察する場合は、長くして主側観察者の手術の邪魔にならない位置へと移動するように、制御部19は、モータ17を駆動制御する。
【0027】
また、副側観察者は、主側観察者のズーム本体10の傾斜に伴い、副側接眼鏡筒14を左右方向に回転させて補正する。この副側接眼鏡筒14は、回転付勢されると、接続部材20が一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材18のメスヘリコイドネジ部182との螺合が調整されて左右回転補正が行われる。
【0028】
そして、手術途中において副側観察者は、被観察部位9へのアプローチのため、主側観察者との距離を変更する場合、上記左右回転補正と同様に副側接眼鏡筒14を回転させる。すると、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に回転されて、該接続部材20のオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材18のメスヘリコイドネジ部182との螺合が調整され、その螺合位置に応じて副側接眼鏡筒14の接続部材20が、伸縮部材18に対して中間鏡筒15の光軸方向に伸縮され、距離の変更が行われる。
【0029】
このように、上記手術用顕微鏡は、対物レンズ101の設けられるズーム本体10に対して中間鏡筒15を、対物光軸周りに一体に回動可能に配して、この中間鏡筒15に対して副側接眼鏡筒14を回転操作自在に配し、この副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して該副側接眼鏡筒14が中間鏡筒15に対して伸縮移動されて対物光軸に対する距離が変更されるように構成した。
【0030】
これによれば、副側接眼鏡筒14は、ズーム本体10が回動付勢されると、その回動位置に応じて中間鏡筒15を介して回動されて姿勢変更が行われ、その姿勢変更位置において回転操作されると、その回転角に応じて観察光軸方向に伸縮移動してズーム本体10の対物光軸からの距離が変位されて、その傾斜やアイポイント位置の変更等の観察位置変更が行われる。
【0031】
このように副側接眼鏡筒15の左右補正及び対物光軸に対する距離の変更を単に副側接眼鏡筒15を回転操作するだけで可能となることにより、簡易な構成を確保したうえで、ズーム本体10の傾斜に応じた姿勢変更と、その姿勢変更位置における観察位置の変更が可能となり、その取扱い操作を含む使い勝手の向上が図れる。
【0032】
また、これによれば、主側観察者に対する副側観察者の観察位置を変更する場合、自動的に主側観察者と副側観察者の相互の位置が設定され、中間アーム11のズーム本体10に対する接続部の位置が中間鏡筒15の回転軸と同軸近傍に設けられているため中間鏡筒15の位置変更の妨げにならない。これにより、取扱い操作の簡略化が図れて、例えば手術前のセッティング時間の短縮及び疲労の軽減を図ることが可能となる。
【0033】
(第2の実施の形態)
図3及び図4は、この発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡を示すもので、上記第1の実施の形態と略同様の効果を期待することができる。但し、図3及び図4においては、上記図1及び図2と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0034】
即ち、ズーム本体30(顕微鏡本体)には、対物レンズ301、大口径ズームレンズ302、主観察光路を構成する偏向プリズム303が順に設けられ、偏向プリズム303に対向して上記主側接眼鏡筒31が設けられる。そして、ズーム本体30の大口径ズームレンズ302と偏向プリズム303との間の光軸上には、副側観察光路が構成する光路分割用ハーフミラー304及び偏向用ミラー305が順に配される。この光路分割用ハーフミラー304及び偏向用ミラー305で偏光された光束は、対物レンズ301の光軸と平行な光軸を有する。
【0035】
このズーム本体30は、中間アーム32を介して上述したように懸垂架台(図示せず)に空間上を3次元的に移動可能に配される。そして、この中間アーム32には、回動ピン331を介してリンク部材33の一端がリンク結合されて配される。このリンク部材33の他端部には、係合ピン332が設けられ、この係合ピン332は、中間鏡筒34(回動ポート)に設けられた長孔341に移動自在に挿入されて、その先端部が伸縮部材35にリンク結合されて取り付けられる。上記中間鏡筒34の長孔341は、観察像を導く光束と略平行に設けられる。
【0036】
上記伸縮部材35は、中間鏡筒34に移動自在に内挿されて配される。即ち、中間鏡筒34には、偏向用ミラー342が上記ズーム本体30の偏向用ミラー305に対向して内装され、上記伸縮部材35が、偏向用ミラー342と上記副側接眼鏡筒14との間で光軸方向に伸縮自在に内挿されて配される。この伸縮部材35には、メスへリコイドネジ部351が設けられ、このメスヘリコイドネジ部351には、上記接続部材20に設けられたオスへリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。なお、光路分割用ハーフミラー304、偏光用ミラー305,342は、中間鏡筒34を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。
【0037】
接続部材20には、上記副側接眼鏡筒14が取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材35のメスヘリコイドネジ部351との螺合が調整される。これにより、副側接眼鏡筒14は、接続部材20と共に伸縮部材35に対して観察光軸方向に移動される。
【0038】
上記構成において、被観察部位9からの光束は、対物レンズ301、大口径ズームレンズ302を介してハーフミラー304に導かれて透過した透過光が偏向プリズム303を介して主側接眼鏡筒31に入射され、主側観察者を通して観察される。そして、上記ハーフミラー304において反射された光束は、偏向用ミラー305により光軸X方向に偏向されて中間鏡筒34に入射される。この中間鏡筒34に入射された光束は、偏向用ミラー342により偏向され、伸縮部材35に対して接続部材20を介して配された副側接眼鏡筒14を通して副側観察者により観察される。
【0039】
また、例えば手術の術式により、副側観察者の被観察部位に対する観察方向が制限された場合には、副側観察者が中間鏡筒34を光軸Xに対して回動させ、主側接眼鏡筒31に対する観察位置を変更させる。
【0040】
ここで、中間鏡筒34が、主側接眼鏡筒31に対して図4中反時計方向に回動付勢されて図中2点鎖線に示す主側の左側の位置に変更された場合には、係合ピン332が中間鏡筒34の長孔341を移動して、伸縮部材35が伸びた状態となる。これにより、中間鏡筒34の回転中心Oから係合ピン332までの距離は、a1−aとなる。同様に、主側観察者の左側方向に副側観察者が移動した場合にも対向観察位置の距離aは、a1と伸長状態に変更される。つまり、中間鏡筒34(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0041】
このように、第2の実施の形態によれば、ズーム本体30に大口径ズームレンズ302を使用しているため、副側の観察位置が対向及び側方90°位置に限定されることなく任意の位置で観察することも可能となり、さらに使い勝手の向上を図ることができる。
【0042】
また、ズーム本体30の回動に連動して中間鏡筒34を、リンク機構を用いて回動制御するように構成していることにより、上記第1の実施の形態に比して、さらに構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0043】
(第3の実施の形態)
図5及び図6は、この発明の第3の実施の形態を示すもので、上記第1及び第2の実施の形態と同様の効果を期待することができる。但し、図5及び図6においては、上記図3及び図4と同一部分について同一符号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0044】
即ち、上記中間アーム32に支持されたズーム本体30(顕微鏡本体)には、中間鏡筒40が回動自在に配される。中間鏡筒40(回動ポート)には、偏向用ミラー401が上記ズーム本体30の偏向用ミラー305に対応して配され、この偏向用ミラー401の反射光路には、伸縮部材41が観察光軸方向に移動(伸縮)自在に内挿される。なお、ハーフミラー304,偏向用ミラー305,偏向用ミラー401は、中間鏡筒40(回動ポート)を介して被検体からの光束を、副側接眼鏡筒14へ伝達するための伝達光学系を構成する。また、中間鏡筒40上には、カム機構を構成する中間アーム32に支持されたカム板42が積重状に配される。このカム板42には、所望のカム曲線を有したカム溝421が設けられ、このカム溝421には、リンク部材43の一端部に設けられたカムピン431が駆動自在に収容される。
【0045】
リンク部材43には、他端に係合ピン432が立設され、この係合ピン432は、上記中間鏡筒40に設けられた長孔402に挿通された後、上記伸縮部材41の一端部にリンク結合される。この中間鏡筒40の長孔402は、副側観察光路と略平行に設けられる。
【0046】
上記伸縮部材41には、その他端部にメスへリコイドネジ部412が設けられ、このメスヘリコイドネジ部412には、上記接続部材20に設けられたオスへリコイドネジ部201が螺合調整自在に螺合される。そして、この接続部材20には、上記副側接眼鏡筒14が取り付けられ、該副側接眼鏡筒14の回転操作に連動して一体的に回転されて、そのオスヘリコイドネジ部201と伸縮部材41のメスヘリコイドネジ部412との螺合が調整され、副側接眼鏡筒14と共に光軸方向に移動される。
【0047】
上記構成において、上記ハーフミラー304において反射された光束は、偏向用ミラー305により光軸X方向に偏向されて中間鏡筒40に入射される。この中間鏡筒40に入射された光束は、偏向用ミラー401により偏向され、伸縮部材41に接続部材20を介して配された副側接眼鏡筒14を通して副側観察者により観察される。
【0048】
そして、副側観察者は、主側観察者の左右側方向または対向位置に中間鏡筒40を回転した場合、リンク部材43のカムピン431がカム板42のカム溝421にそって移動され、伸縮部材41の光軸方向の出入り位置を可変設定する(図6参照)。この場合、左右側方観察位置では、主側観察者に対して副側観察者は、被観察部位よりb1−bの距離だけ遠ざかる。つまり、中間鏡筒40(回動ポート)と副側接眼鏡筒14との距離が変更される。
【0049】
この第3の実施の形態によれば、中間アーム32に対してリンク部材43の移動が光軸と略平行に移動するだけとなることにより、さらに構成の簡略化の促進を図ることが可能となる。
【0050】
なお、上記第2及び第3の実施の形態においても、主側接眼鏡筒31を、上記第1の実施の形態の場合と同様に回転操作自在に配して、その回転操作により、伸縮自在に配するように構成してもよい。
【0051】
よって、この発明は、上記実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱いない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【0052】
例えば実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0053】
また、この発明は、上記各実施の形態に基づいて
(1) 被観察部位を観察するための対物光学系と、前記対物光学系からの光束を観察者の目に導くための接眼光学系とを備える手術用顕微鏡において、
前記対物光学系または前記接眼光学系の任意の光軸を中心に前記接眼光学系を保持する保持部が顕微鏡の鏡体に対して相対的に回転及び伸縮する回動伸縮機構を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0054】
(2) 被観察部位を観察するための対物レンズを有した対物光学系と、前記対物光学系からの光束を観察者の目に導くための接眼レンズを有した第1の接眼光学系と、前記対物光学系からの光束を第2の観察者の目に導くための接眼レンズを有した第2の接眼光学系とを備えることを手術用顕微鏡において、
前記対物光学系は前記対物レンズの任意の光軸を中心として回転する回動ポートを有し、前記回動ポートの先端には前記第2の接眼光学系が取り付いており、前記回動ポートの回転運動に応じ相対的に前記対物レンズ光軸から前記第2の接眼レンズまでの距離が変位する伸縮機構を有することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0055】
(3) 前記(1)の記述において、
前記回動伸縮機構は、回転手段と伸縮手段を備えるネジ機構であることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0056】
(4) 前記(2)の記述において、
前記回動ポートと前記対物光学系の設けられた顕微鏡本体との対物光軸周りの相対位置を検出する位置検出手段を有し、前記位置検出手段の検出に応じて前記伸縮機構を駆動することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0057】
(5) 前記(2)の記述において、
前記伸縮機構は、前記回転ポートの回転動作に連動するリンク機構を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0058】
(6) 前記(2)の記述において、
前記伸縮機構は、前記回転ポートの回転動作に連動するカム機構を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0059】
(7) 前記(2)の記述において、
さらに、架台アーム及び前記対物光学系と接続する中間アームを備え、前記回転ポートの回転軸と略同軸延長上に前記中間アームと前記対物光学系を接続する接続部を有することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0060】
(8) 被観察部位からの光束を取り込む対物光学系と、
前記対物光学系で取り込んだ前記被観察部位の光束を観察するもので、観察光軸周りに回転自在に配された接眼光学系と、
前記接眼光学系を、その回転操作に連動して前記観察光軸方向に伸縮移動して前記対物光学系の対物光軸からの距離を変位させる伸縮機構と、
前記接眼光学系を前記対物光学系の対物光軸を中心として回動自在に支持する回動機構と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0061】
(9) 顕微鏡本体と、
前記顕微鏡本体に設けられて被観察部位からの光束を取り込むための対物光学系と、
前記被観察部位の光束に基づく光学像を観察するための接眼光学系と、
前記対物光学系の対物光軸、もしくは、前記対物光軸に平行な軸を回転軸として回動可能に前記顕微鏡本体と接続された回動ポートと、
前記被観察部位からの光束を前記回動ポートを介して前記接眼光学系へ伝達するための伝達光学系と、
前記回動ポートと前記接眼光学系とを連結すると共に前記回動ポートの回転操作に連動して前記回動ポートと前記接眼光学系との間に形成される観察光軸方向に伸縮移動して前記回動ポートと前記接眼光学系との距離を変更する伸縮手段と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0062】
(10) 前記(9)の記述において、
前記伸縮手段は、前記回動ポートと前記顕微鏡本体との前記回動ポートの回転軸回りの相対位置を検出するセンサと、
前記センサが検出した前記回動ポートと前記顕微鏡本体との相対位置に応じて前記伸縮手段の駆動を制御する制御部と
を備えることを特徴とする手術用顕微鏡を提供することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、簡易な構成で、且つ、簡便にして容易に高精度な観察位置の調整を実現し得るようにして、取扱い操作を含む使い勝手の向上を図った手術用顕微鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を取り出して示した斜視図である。
【図2】図1を対物光軸方向に断面して示した断面図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を断面して示した断面図である。
【図4】図3の観察位置の変更調整動作を説明するために示した平面図である。
【図5】この発明の第3の実施の形態に係る手術用顕微鏡の要部を断面して示した断面図である。
【図6】図5の観察位置の変更調整動作を説明するために示した平面図である。
【符号の説明】
9…被観察部位、10…ズーム本体、101…対物レンズ、102…ズームレンズ、103…ズームレンズ、104…反射部材、105…オスへリコイドネジ部、106…嵌合部、11…中間アーム、12…主側接眼鏡筒、13…接続部材、131…オスへリコイドネジ部、14…副側接眼鏡筒、15…中間鏡筒、151…嵌合部、16…エンコーダ、17…モータ、171…リードネジ、18…伸縮部材、181…メスネジ部、182…メスへリコイドネジ部、19…制御部、20…接続部材、201…オスへリコイドネジ部、30…ズーム本体、301…対物レンズ、302…大口径ズームレンズ、303…偏向プリズム、304…ハーフミラー、305…偏向用ミラー、31…主側接眼鏡筒、32…中間アーム、33…リンク部材、331…回動ピン、332…係合ピン、34…中間鏡筒、341…長孔、342…偏向用ミラー、35…伸縮部材、351…メスヘリコイドネジ部、40…中間鏡筒、401…偏向用ミラー、402…長孔、41…伸縮部材、412…メスへリコイドネジ部、42…カム板、421…カム溝、43…リンク部材、431…カムピン、432…係合ピン。
Claims (2)
- 被観察部位からの光束を取り込む対物光学系と、
前記対物光学系で取り込んだ前記被観察部位の光束を観察するもので、観察光軸周りに回転自在に配された接眼光学系と、
前記接眼光学系を、その回転操作に連動して前記観察光軸方向に伸縮移動して前記対物光学系の対物光軸からの距離を変位させる伸縮機構と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡。 - 顕微鏡本体と、
前記顕微鏡本体に設けられて被観察部位からの光束を取り込むための対物光学系と、
前記被観察部位の光束に基づく光学像を観察するための接眼光学系と、
前記対物光学系の対物光軸、もしくは、前記対物光軸に平行な軸を回転軸として回動可能に前記顕微鏡本体と接続された回動ポートと、
前記被観察部位からの光束を前記回動ポートを介して前記接眼光学系へ伝達するための伝達光学系と、
前記回動ポートと前記接眼光学系とを連結すると共に前記回動ポートの回転操作に連動して前記回動ポートと前記接眼光学系との間に形成される観察光軸方向に伸縮移動して前記回動ポートと前記接眼光学系との距離を変更する伸縮手段と、
を具備することを特徴とする手術用顕微鏡。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170935A JP2005010206A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 手術用顕微鏡 |
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JP2003170935A JP2005010206A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 手術用顕微鏡 |
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JP2003170935A Withdrawn JP2005010206A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | 手術用顕微鏡 |
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JP (1) | JP2005010206A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010046118A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Mitaka Koki Co Ltd | 手術顕微鏡システム |
JP2010046117A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Mitaka Koki Co Ltd | 手術顕微鏡システム |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170935A patent/JP2005010206A/ja not_active Withdrawn
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