JP2005010026A - ナビゲーションシステム及び情報提供方法のプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】提供された情報を容易に認識することができるようにする。
【解決手段】現在地を検出する現在地検出処理部と、情報を取得する情報取得処理手段と、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定する抑制範囲設定処理手段と、前記現在地及び抑制範囲に基づいて、取得された情報の提供を抑制する情報提供抑制処理手段とを有する。この場合、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定し、現在地及び抑制範囲に基づいて情報の提供を抑制するので、抑制範囲において、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中している際に情報が提供されない。そして、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中する必要がないときに情報が提供されるので、提供された情報を容易に認識することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ナビゲーションシステム及び情報提供方法のプログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ナビゲーション装置においては、例えば、GPS(グローバルポジショニングシステム)によって車両の現在の位置、すなわち、現在地が検出されるとともに、ジャイロセンサによって検出された車両の回転角速度、すなわち、旋回角に基づいて、車両の方位、すなわち、自車方位が検出され、データ記録部から地図データが読み出され、表示部に地図画面が形成され、該地図画面に、現在地、現在地の周辺の地図及び自車方位が表示されるようになっている。したがって、操作者である運転者は、前記地図画面に表示された現在地、現在地の周辺の地図及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0003】
また、運転者が目的地を入力し、探索条件を設定すると、該探索条件に基づいて現在地で表される出発地から目的地までの経路が探索される。そして、探索された経路、すなわち、探索経路は前記表示部に形成された探索経路表示画面に現在地及び目的地と共に表示される。したがって、運転者は表示された探索経路に従って車両を走行させることができる。
【0004】
ところで、前記ナビゲーション装置は通信部を備え、車両を運転中に、前記通信部を介して情報センタとの間において通信を行い、ニュース等の情報を取得することができるようにしたナビゲーションシステムが提供されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
該ナビゲーションシステムにおいては、例えば、前記ナビゲーション装置と情報センタとが接続され、情報センタはナビゲーション装置に前記情報を送信する。そして、ナビゲーション装置は、前記情報を受信すると、表示部のディスプレイに所定の表示画面を形成し、該表示画面に文字、画像等によって情報を表示するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−109771号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のナビゲーションシステムにおいては、ナビゲーション装置は、前記情報が送信されると、自動的に所定の表示画面を形成して該表示画面に情報を表示するようになっているので、例えば、進路変更を行う地点を走行している場合のように、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中している際には、提供された情報を認識するのが困難である。
【0008】
本発明は、前記従来のナビゲーションシステムの問題点を解決して、提供された情報を容易に認識することができるナビゲーションシステム及び情報提供方法のプログラムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明のナビゲーションシステムにおいては、現在地を検出する現在地検出処理部と、情報を取得する情報取得処理手段と、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定する抑制範囲設定処理手段と、前記現在地及び抑制範囲に基づいて、取得された情報の提供を抑制する情報提供抑制処理手段とを有する。
【0010】
本発明の他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記情報提供抑制処理手段は、現在地が前記抑制範囲内にあるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する。
【0011】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記情報提供抑制処理手段は、選択された情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲にかかるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する。
【0012】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記情報提供抑制処理手段は、情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲にかからない情報がほかにあるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する。
【0013】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記抑制範囲は、抑制範囲を車両が通過するときの通過条件に従って変更される。
【0014】
本発明の更に他のナビゲーションシステムにおいては、さらに、前記抑制範囲は、車速に基づいて変更される。
【0015】
本発明の情報提供方法のプログラムにおいては、コンピュータを、情報を取得する情報取得処理手段、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定する抑制範囲設定処理手段、並びに現在地検出処理部によって検出された現在地及び抑制範囲に基づいて、取得された情報の提供を抑制する情報提供抑制処理手段として機能させる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムのブロック図である。
【0018】
図において、61は利用者端末としてのパソコン、62は情報提供者としての情報センタであり、前記パソコン61、情報センタ62等はネットワーク43を介して接続される。そして、前記情報センタ62は、所定のプロバイダのサーバに、ナビゲーション情報を表すナビデータのほかに、各種の情報を提供するためのサイトを開設する。
【0019】
また、14は車両に搭載された車載装置としてのナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、ナビゲーション処理部17、情報記録部としてのデータ記録部16、通信部38等を備える。前記ナビゲーション装置14、ネットワーク43、パソコン61、情報センタ62等によってナビゲーションシステムが構成される。
【0020】
前記パソコン61は、演算装置及び制御装置としてのCPU71、操作者に各種の情報を通知する通知装置としての表示部72、操作部73、記録装置74、通信部75等を備える。なお、通信部75には、パソコン61をサーバ63と接続するための図示されないモデム、パソコン61を通信部38を介してナビゲーション装置14と無線で接続するための図示されないアクセスポイント等が含まれる。
【0021】
本実施の形態においては、前記演算装置及び制御装置としてCPU71が使用されるようになっているが、CPU71に代えてMPU等を使用することもできる。また、前記表示部72としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用することができる。
【0022】
そして、操作部73としては、キーボード、マウス等を使用することができるほかに、前記ディスプレイに形成されたタッチパネル、さらに、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。前記タッチパネルにおいては、ディスプレイに各種のキー、スイッチ、ボタン等の操作部領域が形成され、該操作部領域をタッチ(押下)することによって入力を行うことができる。
【0023】
また、前記記録装置74には、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の内部記憶装置が内蔵されるほかに、記録媒体としてのハードディスク等の外部記憶装置が配設される。該外部記憶装置として、ハードディスクに代えて、フレキシブルディスク、磁気テープ、磁気ドラム、CD−ROM、CD−R、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード、メモリカード等を使用することもできる。なお、前記外部記憶装置を使用するために、記録装置74には、外部記憶装置に記録されたデータを読み出すための読出装置、及びデータを記録するための書込装置が配設される。
【0024】
本実施の形態においては、前記利用者端末としてパソコン61が使用されるようになっているが、該パソコン61に代えて電子手帳、携帯電話、携帯端末、PDA(個人用携帯情報端末)、テレビ電話、ゲーム機等のような、前記ネットワーク43に接続することができ、双方向の通信を行うことができるものを使用することもできる。
【0025】
そして、前記情報センタ62は、サーバ63、該サーバ63に接続され、ナビデータを記録するデータベース(DB)64等を備える。該データベース64は、地図を表示するための地図データが記録された地図データファイル、経路を探索するための探索データが記録された探索データファイル、各種の施設に関する施設データが記録された施設データファイル等から成る。前記地図データファイルに、道路データファイル、交差点データファイル、ノードデータファイル等のデータファイルが形成され、道路データファイルに各道路(道路リンク)の情報を表す道路データが、交差点データファイルに各交差点の情報を表す交差点データが、ノードデータファイルに、各道路に沿って設定されたノード点の情報を表すノードデータがそれぞれ記録される。なお、前記地図データ、探索データ、施設データ等によってナビデータが構成される。
【0026】
そして、前記道路データとして、道路自体に関して、幅員、勾(こう)配、カント、バンク、路面の状態、道路の車線数、車線数の減少する箇所、幅員の狭くなる箇所、踏切り等を表すデータが、コーナに関して、曲率半径、交差点、T字路、コーナの入口及び出口等を表すデータが、道路属性に関して、降坂路、登坂路等を表すデータが、道路種別に関して、国道、県道、細街路等の一般道のほか、高速道路、都市高速道路、有料道路等の高速・有料道を表すデータがそれぞれ記録される。さらに、高速・有料道に関して、入口及び出口の取付道(ランプウェイ)、料金所等を表すデータが記録される。
【0027】
また、前記ノードデータとして、実際の道路の分岐点(交差点、T字路等も含む)、各道路に曲率半径等に応じて所定の距離ごとに設定されたノード点の座標(位置)、各ノード点間を連結するノード点間リンク、各ノード点の高さ(高度)等を表すデータが記録される。
【0028】
そして、前記施設データとして、各地域のホテル、ガソリンスタンド、駐車場、観光施設等の施設を表すデータが記録される。なお、前記データベース64には、所定の情報をナビゲーション装置14の図示されない音声出力部によって出力するための音声出力データも記録される。
【0029】
ところで、前記情報センタ62は、情報提供者のうちの交通情報提供者としての交通情報送信センタ、例えば、図示されないVICS(道路交通情報通信システム:Vehicle Information and Communication System)センタから送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報のほかに、ニュース、天気予報、メール等の一般情報を受信したり、他の情報提供者としての放送局、コンテンツ配信業者等から送信されたテレビ番組等の画像情報、更には音楽番組等の音楽情報を受信したりすることができるようになっていて、前記交通情報、一般情報、画像情報、音楽情報等の各種の情報を、テキストデータ、音声データ、画像データ等のデータ形式で、そのまま前記ネットワーク43を介してパソコン61に送ったり、一旦(いったん)データベース64に記録した後、ネットワーク43を介してパソコン61に送ったりすることができるようになっている。
【0030】
また、前記データベース64に図示されない統計データファイルが形成され、統計データとして、過去の交通情報、一般情報等が履歴情報として時系列に記録されるほかに、過去の交通情報、一般情報等が元データとされ、所定の加工が施されて加工データが作成される。そして、前記統計データを作成するに当たり、必要に応じて、前記履歴情報に、日時、曜日、天候、各種イベント、季節、施設情報(デパート、スーパーマーケット等の大型の施設の有無)等の詳細な条件が加えられたり、一般情報等が参照される。
【0031】
なお、前記情報センタ62は、個人、企業、団体、地方自治体、政府関係機関等のいずれであってもよい。そして、前記情報センタ62は、前記ナビデータを、自ら作成したり、他の情報作成者から購入したりして配信する。
【0032】
また、前記ネットワーク43としては、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット、携帯電話回線網、電話回線網、公衆通信回線網、専用通信回線網、インターネット等の通信回線網等から成る各種の通信手段を使用することができる。また、放送用衛星によるCS放送、BS放送、地上波ディジタルテレビ放送、FM多重放送等を利用する通信手段を使用することもできる。さらに、高度道路交通システム(ITS)において利用されるノンストップ自動料金支払いシステム(ETC)、境域通信システム(DSRC)等の通信手段を使用することもできる。なお、前記パソコン61、サーバ63、前記プロバイダのサーバ、ナビゲーション処理部17等は、それぞれ独立して、又は二つ以上を組み合わせて、所定のプログラム、データ等に基づいてコンピュータとして機能する。
【0033】
次に、前記構成のナビゲーション装置14について説明する。
【0034】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置を説明する図である。
【0035】
図において、14はナビゲーション装置であり、該ナビゲーション装置14は、現在地等を検出する現在地検出処理部15、各種のデータが記録されたデータ記録部16、入力された情報に基づいて、各種の演算処理を行うナビゲーション処理部17、第1の操作部としての入力部34、操作者に各種の情報を提供する第1の情報提供部としての表示部35、第2の操作部としての音声入力部36、操作者に各種の情報を提供する第2の情報提供部としての音声出力部37及び通信部38を有し、前記ナビゲーション処理部17に車速センサ41が接続される。
【0036】
そして、前記現在地検出処理部15は、現在地検出部としてのGPS21、地磁気センサ22、距離センサ23、ステアリングセンサ24、方位検出部としてのジャイロセンサ26、図示されない高度計等から成る。
【0037】
前記GPS21は、人工衛星によって発生させられた電波を受信することにより、地球上における車両の現在地を検出し、前記地磁気センサ22は、地磁気を測定することによって自車方位を検出し、前記距離センサ23は、道路上の所定の位置間の距離等を検出する。距離センサ23としては、例えば、図示されない車輪の回転速度を測定し、該回転速度に基づいて距離を検出するもの、加速度を測定し、該加速度を2回積分して距離を検出するもの等を使用することができる。
【0038】
また、前記ステアリングセンサ24は舵(だ)角を検出し、ステアリングセンサ24としては、例えば、図示されないステアリングホイールの回転部に取り付けられた光学的な回転センサ、回転抵抗センサ、車輪に取り付けられた角度センサ等が使用される。
【0039】
そして、前記ジャイロセンサ26は旋回角を検出し、ジャイロセンサ26としては、例えば、ガスレートジャイロ、振動ジャイロ等が使用される。また、前記ジャイロセンサ26によって検出された旋回角を積分することにより、自車方位を検出することができる。
【0040】
なお、前記GPS21は単独で現在地を検出することができる。そして、距離センサ23によって検出された距離と、地磁気センサ22によって検出された自車方位、又はジャイロセンサ26によって検出された旋回角とを組み合わせたり、距離センサ23によって検出された距離と、ステアリングセンサ24によって検出された舵角とを組み合わせたりすることにより現在地を検出することもできる。
【0041】
前記ナビゲーション処理部17は、ナビゲーション装置14の全体の制御を行う演算装置及び制御装置としてのCPU31、並びに該CPU31が各種の演算処理を行うに当たってワーキングメモリとして使用されるRAM32、制御用のプログラムのほか、目的地までの経路の探索、経路案内、特定区間の決定等を行うための各種のプログラムが記録されたROM33、パソコン61から転送されたナビデータを記録するためのデータベース用の記録媒体としてのフラッシュメモリ30等の内部記憶装置を備える。また、前記ナビゲーション処理部17に、前記入力部34、表示部35、音声入力部36、音声出力部37及び通信部38が接続される。なお、前記RAM32、ROM33、フラッシュメモリ30等として半導体メモリ、磁気コア等が使用される。そして、演算装置及び制御装置としてCPU31に代えてMPU等を使用することもできる。
【0042】
前記データ記録部16は、外部記憶装置及び記録媒体としての図示されないハードディスクをセットすることができるようになっていて、該ハードディスクに記録された所定のプログラム、データ等を読み出したり、前記ハードディスクに所定のデータを書き込んだりするためのドライバとしての図示されない記録ヘッドを備える。
【0043】
本実施の形態においては、外部記憶装置及び記憶媒体としてハードディスクが使用されるが、該ハードディスクのほかに、フレキシブルディスク等の磁気ディスクを外部記憶装置として使用することができる。また、メモリカード、磁気テープ、磁気ドラム、CD、MD、DVD、光ディスク、MO、ICカード、光カード等を外部記憶装置として使用することもできる。
【0044】
そして、本実施の形態においては、前記ROM33に各種のプログラムが記録され、前記データ記録部16に各種のデータが記録されるようになっているが、プログラム、データ等を同じ外部記憶装置、メモリカード等に記録したり、該メモリカード等からプログラム、データ等を読み出して前記フラッシュメモリ30に書き込んだりすることもできる。また、メモリカード等を交換することによって前記プログラム、データ等を更新することができる。なお、車両に搭載された図示されない自動変速機の制御を行うために自動変速機制御装置が搭載されている場合には、自動変速機制御装置の制御用のプログラム、データ等も前記ハードディスクに記録することができる。
【0045】
前記入力部34は、走行開始時の現在地を修正したり、案内開始地点としての出発地及び案内終了地点としての目的地を入力したり、通信部38を操作したりするためのものであり、各種のキー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチから成る。また、入力部34として、キーボード、マウス、バーコードリーダ、遠隔操作用のリモートコントロール装置、ジョイスティック、ライトペン、スタイラスペン等を使用することもできる。さらに、入力部34を前記表示部35の図示されないディスプレイに形成された画面に画像で表示された各種のキー、スイッチ、ボタン等の図示されない操作スイッチによって構成することもできる。その場合、該操作スイッチをタッチすることによって入力を行う。
【0046】
そして、前記ディスプレイに形成された各種の画面には、操作案内、操作メニュー、キーの案内、現在地から目的地までの探索経路、該探索経路に沿った案内情報、交通情報、ニュース、天気予報、時刻、メール、テレビ番組、FM多重放送のラジオ番組等が表示される。前記表示部35としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイを使用したり、車両のフロントガラスにホログラムを投影するホログラム装置等を使用したりすることができる。
【0047】
また、前記音声入力部36は、図示されないマイクロホン等によって構成され、音声によって必要な情報を入力することができる。さらに、前記音声出力部37は、図示されない音声合成装置及びスピーカを備え、音声出力部37から、前記探索経路、案内情報等が、例えば、前記音声合成装置によって合成された音声で音声出力される。なお、音声合成装置によって合成された音声のほかに、各種の音、あらかじめテープ、メモリ等に録音された各種の案内情報等を音声出力することもできる。
【0048】
そして、前記通信部38は、前記交通情報送信センタ、例えば、前記VICSセンタから送信された渋滞情報、規制情報、駐車場情報、交通事故情報、サービスエリアの混雑状況等の各情報から成る交通情報を、道路に沿って配設された図示されない電波ビーコン装置、光ビーコン装置等を介して電波ビーコン、光ビーコン等として受信する第1の受信装置としてのビーコンレシーバ、前記交通情報のほかに、ニュース、天気予報等の情報から成るFM多重情報を、FM放送局を介してFM多重放送として受信する第2の受信装置としてのFM受信機等を備える。前記ビーコンレシーバ及びFM受信機は、ユニット化されてVICSレシーバとして配設されるようになっているが、別々に配設することもできる。
【0049】
また、通信部38は、前記GPS21の検出誤差を検出するD−GPS情報等の各種のデータを受信することもできる。なお、電波ビーコン、光ビーコン等に基づいて位置情報を受信し、現在地を検出することもでき、その場合、前記ビーコンレシーバは、現在地検出部として機能する。
【0050】
そして、前記ナビゲーション装置14とパソコン61(図1)とは、双方向の通信を行うことができるように無線LANによって接続され、そのために、前述されたように前記通信部75にアクセスポイントが配設されるとともに、前記通信部38にPCMCIAスロット、PCカードスロット等の図示されないスロットが形成され、該スロットに図示されない無線カードが挿入されるようになっている。なお、本実施の形態においては、ナビゲーション装置14とパソコン61とは無線LANによって接続されるようになっているが、他の実施の形態においては、ナビゲーション装置14とパソコン61とが有線LANによって接続される。その場合、前記通信部75に図示されないハブが配設され、該ハブと通信部38とがケーブルによって着脱自在に連結される。
【0051】
次に、前記構成のナビゲーションシステムの動作について説明する。
【0052】
まず、操作者が、例えば、パソコン61の操作部73(図1)を操作して情報取得要求を情報センタ62に送ると、情報センタ62において、サーバ63の情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、データベース64の地図データファイル等を参照して地図データ等を読み出すとともに、データベース64から交通情報、一般情報等の情報を読み出し、取得する。また、操作者による情報取得要求に基づいて、必要に応じてデータベース64から画像情報、音楽情報等の情報を読み出す。
【0053】
そして、操作者が出発地及び目的地を入力すると、CPU71の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、出発地及び目的地を探索条件として設定し、該探索条件を情報センタ62に送信する。なお、前記利用者端末として、パソコン61に代えて、例えば、PDA等を使用し、かつ、該PDAのPCMCIAスロット、PCカードスロット等のスロットにGPSカードをセットすることができる場合は、出発地としてGPSカードによって検出された現在地を設定することもできる。
【0054】
そして、情報センタ62において、サーバ63によって探索条件が受信されると、サーバ63の前記情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、データベース64の探索データファイルを参照して探索データを読み出し、統計データファイルを参照して統計データを読み出し、VICSセンタから送信された交通情報を読み込むことによって経路を探索するために必要な情報を取得する。
【0055】
続いて、前記サーバ63の図示されない探索処理手段は、探索処理を行い、前記探索条件に従って、探索データ、交通情報、統計データ等に基づいて経路を探索し、探索経路を表す経路データ、探索経路の周辺の地図を表す地図データ、音声出力部37によって探索経路を案内するための音声出力データ等を経路案内データとして出力する。なお、前記経路データには、探索経路を構成する道路データ(道路種別、道路属性等)が含まれる。
【0056】
このようにして、サーバ63によって各種の情報が取得されると、サーバ63の図示されない情報送信処理手段は、情報送信処理を行い、前記経路案内データのほかに、前記情報取得処理手段によって取得された情報を前記パソコン61に送信する。
【0057】
そして、パソコン61において、前記経路案内データ及び情報が送信されると、CPU71の図示されない受信処理手段は、受信処理を行い、前記経路案内データ及び情報を受信し、続いて、CPU71の図示されない情報記録処理手段は、情報記録処理を行い、前記経路案内データ及び情報を記録装置74のハードディスクにダウンロードし、記録する。
【0058】
ところで、操作者は、車両が、例えば、車庫内に収容されているときに、操作部73を操作して前記ハードディスクにダウンロードされた経路案内データ及び情報をナビゲーション装置14に転送(送信)し、ナビゲーション処理部17内の、例えば、前記フラッシュメモリ30(図2)に記録することができるようになっている。
【0059】
そのために、操作者が、操作部73を操作して前記ナビゲーション装置14の起動を指令すると、CPU71の図示されないナビゲーション装置起動処理手段は、ナビゲーション装置起動処理を行い、ナビゲーション装置14の電源を投入してナビゲーション装置14を起動する。続いて、CPU71の図示されない情報転送処理手段は、情報転送処理を行い、前記ハードディスクから前記経路案内データ及び情報を読み出し、ナビゲーション装置14に転送する。これに伴って、該ナビゲーション装置14において、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、ナビゲーション装置14から転送された経路案内データ及び情報を受信して取得し、CPU31の図示されない情報記録処理手段は、情報記録処理を行い、パソコン61から受信された経路案内データ及び情報をフラッシュメモリ30に記録する。
【0060】
そして、前記経路案内データ及び情報がフラッシュメモリ30に記録されると、CPU71の図示されないナビゲーション装置停止処理手段は、ナビゲーション装置停止処理を行い、ナビゲーション装置14を停止させ、経路案内データ及び情報を利用可能な状態、すなわち、待機状態に移行させる。なお、パソコン61からナビゲーション装置14に経路案内データ及び情報を転送するに当たり、必要に応じて経路案内データ及び情報を圧縮し、データサイズを小さくすることができる。
【0061】
本実施の形態において、情報センタ62からパソコン61に経路案内データが送信されるようになっているが、他の実施の形態においては、ナビゲーション装置14のデータ記録部16に経路案内データがあらかじめ記録される。その場合、前記情報センタ62からパソコン61に経路案内データを送信したり、パソコン61からナビゲーション装置14に経路案内データを転送したりする必要はない。
【0062】
また、この場合、情報センタ62において探索処理を行う必要はなく、ナビゲーション装置14において探索処理が行われる。すなわち、操作者が、入力部34を操作して出発地及び目的地を入力すると、CPU31の図示されない探索条件設定処理手段は、探索条件設定処理を行い、出発地及び目的地を探索条件として設定し、CPU31の図示されない情報取得処理手段は、情報取得処理を行い、データ記録部16の探索データファイルを参照して探索データを読み出し、VICSセンタから送信された交通情報を読み込むことによって経路を探索するために必要な情報を取得する。
【0063】
そして、CPU31の図示されない探索処理手段は、探索処理を行い、前記探索条件に従って、探索データ、交通情報等に基づいて経路を探索し、経路データ、地図データ、音声出力データ等を経路案内データとして出力する。
【0064】
また、他の実施の形態においては、一般情報、画像情報、音楽情報等の他の情報も情報センタ62からナビゲーション装置14に直接送信することもできる。その場合、CPU31の前記情報取得処理手段は、情報センタ62から送信された情報を受信して取得する。
【0065】
また、本実施の形態においては、前記記録装置74のハードディスクにダウンロードされた経路案内データ及び情報を、無線LANを介してナビゲーション装置14に転送することによって、フラッシュメモリ30に記録するようにしているが、本発明の他の実施の形態においては、記録装置74のハードディスクにダウンロードされた経路案内データ及び情報を一旦メモリカード等に記録し、該メモリカードをナビゲーション装置14のデータ記録部16にセットし、同様に該データ記録部16のハードディスク等に記録する。
【0066】
次に、車両を走行させるときの前記ナビゲーション装置14の動作について説明する。
【0067】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャート、図4は本発明の第1の実施の形態における抑制範囲を説明する図、図5は本発明の第1の実施の形態における情報提供抑制処理の動作を示す図である。
【0068】
この場合、前記CPU31(図2)の前記情報取得処理手段は、パソコン61(図1)から転送された経路案内データ及び情報を、車両が、例えば、車庫内に収容されているときに、あらかじめ受信して取得している。
【0069】
そして、車両の図示されないイグニッションスイッチがオンにされると、前記ナビゲーション装置14が起動され、CPU31の図示されないナビ初期化処理手段は、ナビ初期化処理を行い、現在地検出処理部15によって検出された現在地、及びジャイロセンサ26によって検出された自車方位を読み込むとともに、各種のデータを初期化する。なお、前記CPU31の図示されないマッチング処理手段は、マッチング処理を行い、読み込まれた現在地の軌跡、及び周辺の道路を構成する各道路リンクの形状、配列等に基づいて、現在地がいずれの道路リンク上に位置するかの判定を行うことによって、現在地を特定する。
【0070】
続いて、前記CPU31の図示されない表示処理手段は、表示処理を行い、前記表示部35に地図画面を形成し、該地図画面に、前記情報のうちの地図データに従って現在地の周辺の地図を表示するとともに、該地図に現在地及び自車方位を表示する。したがって、例えば、前記操作者である運転者は、地図画面に表示された周辺の地図、現在地及び自車方位に従って車両を走行させることができる。
【0071】
また、探索経路に従って車両を走行させる場合、CPU31の図示されない経路案内処理手段は、経路案内処理を行い、前記データ記録部16のハードディスクから前記情報のうちの経路案内データを読み出し、該経路案内データに基づいて、前記地図画面に、周辺の地図、現在地及び自車方位のほかに、現在地の周辺の探索経路を表示し、音声出力部37による音声によって探索経路を運転者に通知して経路案内を行う。
【0072】
したがって、運転者は、前記地図画面に表示された周辺の地図、現在地、自車方位のほかに、地図画面に表示され、かつ、音声出力された探索経路に従って車両を走行させることができる。
【0073】
ところで、前記情報取得処理手段によって取得された情報のうちの、前記地図画面に周辺の地図、探索経路等を表示するために使用される情報以外の情報については、例えば、車両の走行を開始した後に、情報提供画面に表示したり、音声出力したりすることによって運転者に提供することができるようになっている。なお、各情報のうちのニュース、天気予報、音楽情報等は、例えば、音声データの様式で、メール等は、例えば、テキストデータの様式で、交通情報は、例えば、静止画データの様式で、画像情報等は、例えば、動画データの様式で運転者に提供される。
【0074】
ところが、例えば、進路変更を行う地点を走行している場合のように、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中している際に、自動的に情報が提供されると、提供された情報を運転者が認識するのが困難になってしまう。
【0075】
そこで、CPU31の図示されない情報提供処理手段は、情報提供処理を行い、情報の提供を抑制する所定の条件が成立するかどうかを判断し、所定の条件が成立する場合、情報の提供を抑制し、所定の条件が成立しない場合、情報を提供するようにしている。
【0076】
そのために、前記CPU31の図示されない抑制範囲設定処理手段は、抑制範囲設定処理を行い、図4に示されるように、走行経路Rt上に、情報の提供を抑制する範囲、すなわち、抑制範囲ARi(i=1、2、…)を設定し、RAM32(図2)に記録する。
【0077】
本実施の形態においては、所定の地点を通過するのに伴って、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中すると推測される領域、例えば、車両が通過する際に進路変更を行う交差点の前後の所定の範囲の領域、車両が通過する踏切の前の所定の範囲の領域、信号のない交差点の前後の所定の範囲の領域等が抑制範囲ARiとして設定される。
【0078】
なお、前記走行経路Rtには、探索経路のほかに、前記統計データを参照することによって読み出され、過去の通行履歴に基づいて、車両が走行すると予測される経路、すなわち、走行予測経路が含まれる。また、道路種別、道路属性等に基づいて、車両が道なりに走行すると予測される道なり経路も含まれる。
【0079】
図4において、pi(i=1、2、…)は、車両が通過する際に進路変更を行う交差点であり、前記抑制範囲ARiは、前記交差点piの前後に設定される。なお、前記各抑制範囲ARiは、車両が抑制範囲ARiに進入する地点を表す通過開始点Spの座標、及び抑制範囲ARiから脱出する地点を表す通過終了点Epの座標によって特定される。また、前記各抑制範囲ARiを、通過開始点Spの座標、及び通過開始点Spからの距離によって特定することもできる。
【0080】
続いて、前記CPU31の図示されない抑制条件判定処理手段は、抑制条件判定処理を行い、第1の抑制条件が成立するかどうかを、現在地が前記抑制範囲ARi内にあるかどうかによって判断する。第1の抑制条件が成立し、現在地が前記抑制範囲ARi内にある場合は、CPU31の図示されない情報提供抑制処理手段は、情報提供抑制処理を行い、現在地が抑制範囲ARiを出るまで情報を提供しない。
【0081】
また、第1の抑制条件が成立せず、現在地が前記抑制範囲ARi内にない場合は、前記CPU31の図示されない情報選択処理手段は、ハードディスクに記録されている各情報のうちの所定の情報を選択する。
【0082】
続いて、前記抑制条件判定処理手段は、抑制条件判定処理を行い、第2の抑制条件が成立するかどうかを、選択された情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲ARiにかかるかどうかによって判断する。第2の抑制条件が成立し、選択された情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲ARiにかかる場合、前記抑制条件判定処理手段は、さらに、第3の抑制条件が成立するかどうかを、他の情報のうちの、情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにないかどうかによって判断する。
【0083】
なお、第1の抑制条件が成立するかどうかは、現在地、通過開始点Sp及び通過終了点Epの各座標等に基づいて判断される。また、第2、第3の抑制条件が成立するかどうかは、車速V、現在地から通過開始点Spまでの距離、情報のデータ量を表すデータサイズ、CPU31の処理速度等に基づいて判断される。
【0084】
第3の抑制条件が成立し、他の情報のうちの、情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにない場合、前記情報提供抑制処理手段は、現在地が抑制範囲ARiを出るまで情報を提供しない。
【0085】
また、第3の抑制条件が成立せず、他の情報のうちの、情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにある場合、前記情報提供抑制処理手段は、選択された情報を、情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報に変更する。
【0086】
そして、第2の抑制条件が成立せず、選択された情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲ARiにかからない場合、及び第3の抑制条件が成立せず、選択された情報が変更された場合、前記CPU31の図示されない情報提供処理手段は、情報提供処理を行い、選択された情報又は変更された情報を運転者に提供する。
【0087】
そのために、前記表示処理手段は、前記表示部35に情報提供画面を形成し、該情報提供画面に、選択された情報又は変更された情報を表示したり、音声出力部37によって音声出力したりする。
【0088】
例えば、図5において、BWは車両、Prは現在地、P1は抑制条件判定処理が行われる地点である。前記抑制条件判定処理手段は、地点P1で抑制条件判定処理を行い、第1の抑制条件が成立するかどうかを、現在地Prが前記抑制範囲ARi内にあるかどうかによって判断する。この場合、現在地Prは前記抑制範囲ARi内にないので、第1の抑制条件は成立せず、前記情報選択処理手段は、ハードディスクに記録されている各情報のうちの所定の情報を選択する。
【0089】
続いて、前記抑制条件判定処理手段は、第2の抑制条件が成立するかどうかを、選択された情報の提供が終了するときに現在地Prが抑制範囲ARiにかかるかどうかによって判断する。
【0090】
ここで、選択された情報の提供に伴って車両BWが矢印A方向に移動する場合、選択された情報の提供が終了するときに、車両BWが通過開始点Spに到達せず、現在地Prが抑制範囲ARiにかからない。すなわち、第2の抑制条件は成立しない。そこで、前記情報提供処理手段は、選択された情報を運転者に提供する。
【0091】
また、選択された情報の提供に伴って車両BWが矢印B方向に移動する場合、選択された情報の提供が終了するときに、車両BWが通過開始点Spに到達しており、現在地Prが抑制範囲ARiにかかる。すなわち、第2の抑制条件は成立する。そこで、前記抑制条件判定処理手段は、さらに、第3の抑制条件が成立するかどうかを、情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにないかどうかによって判断する。
【0092】
このように、本実施の形態においては、情報の提供を抑制するために抑制範囲ARiが設定されるので、該抑制範囲ARiにおいて、情報の提供が抑制され、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中している際に情報が提供されない。
【0093】
そして、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中する必要がないときに情報が提供されるので、提供された情報を容易に認識することができる。
【0094】
また、前記抑制範囲ARiに係る地点が案内地点である場合には、車両が案内地点に到達するしばらく手前から案内地点を表示したり、案内地点の案内を音声出力したりするようになっていて、CPU31に加わる負荷が大きくなる。したがって、前記抑制範囲ARiにおいて情報の提供を行うと、CPU31に加わる負荷が一層大きくなってしまう。ところが、本実施の形態においては、前記抑制範囲ARiにおいて情報の提供が抑制されるので、CPU31に加わる負荷が大きくなるのを防止することができる。
【0095】
また、前記情報取得処理手段は、パソコン61から転送された情報、又は情報センタ62から送信された情報を、車両の走行が開始される前にあらかじめ受信して取得するようになっているので、第1〜第3の抑制条件が成立するかどうかを確実に判断することができる。したがって、運転者は提供された情報を容易に認識することができる。
【0096】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 情報を読み込む。
ステップS2 抑制範囲設定処理を行う。
ステップS3 抑制範囲ARi内にあるかどうかを判断する。抑制範囲ARi内にある場合はステップS4に、抑制範囲ARi内にない場合はステップS5に進む。
ステップS4 抑制範囲ARiを出るまで情報を提供せず、処理を終了する。
ステップS5 選択された情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかかるかどうかを判断する。選択された情報が終了するときに抑制範囲ARiにかかる場合はステップS6に、抑制範囲ARiにかからない場合は、ステップS8に進む。
ステップS6 情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにないかどうかを判断する。情報の提供が終了するときに抑制範囲ARiにかからない情報がほかにない場合はステップS4に、抑制範囲ARiにかからない情報がほかにある場合はステップS7に進む。
ステップS7 情報を変更する。
ステップS8 情報を提供し、処理を終了する。
【0097】
ところで、本実施の形態においては、前記抑制範囲ARiは、あらかじめ設定された地点について、所定の距離にわたって設定されるようになっているが、他の実施の形態においては、前記抑制範囲ARiを通過する際の種々の通過条件によって地点を変更したり、抑制範囲ARiの距離、すなわち、抑制距離Lrを変更したりすることができる。
【0098】
そのために、前記抑制範囲設定処理手段の図示されない抑制距離変更処理手段は、抑制距離変更処理を行い、前記抑制範囲ARiを通過する際の通過条件を取得し、取得された通過条件に基づいて抑制距離Lrを変更する。
【0099】
例えば、道路種別における通過条件については、高速道路、都市高速道路、有料道路等の高速・有料道の場合、抑制範囲ARiの抑制距離Lrを一定の距離ΔL1(本実施の形態においては、抑制距離Lrの20〔%〕)だけ長くする。また、一般道のうちの国道、県道等の場合、抑制距離Lrを前記距離ΔL1より短い距離ΔL2(本実施の形態においては、抑制距離Lrの10〔%〕)だけ長くする。
【0100】
また、渋滞状況における通過条件については、渋滞情報に基づいて、車両が抑制範囲ARiを通過するのに必要な時間、すなわち、通過時間を予測し、通過時間が渋滞に伴って長くなる場合には、抑制距離Lrを一定の距離だけ長くする。
【0101】
そして、交通状況における通過条件については、渋滞情報以外の交通情報に基づいて、車両が抑制範囲ARiを通過するのに必要な通過時間を予測し、通過時間が長くなる場合には、抑制距離Lrを一定の距離だけ長くする。
【0102】
また、天気の状態における通過条件については、悪天候、例えば、雨天の場合、抑制範囲ARiの抑制距離Lrを一定の距離ΔL3(本実施の形態においては、抑制距離Lrの20〔%〕)だけ長くする。
【0103】
さらに、時刻における通過条件については、早朝又は夕方の場合、抑制範囲ARiの抑制距離Lrを一定の距離ΔL4(本実施の形態においては、抑制距離Lrの10〔%〕)だけ長くし、夜間の場合、抑制範囲ARiの抑制距離Lrを一定の距離ΔL5(本実施の形態においては、抑制距離Lrの20〔%〕)だけ長くする。
【0104】
そして、走行履歴のおける通過条件については、交通情報に基づいて、抑制範囲ARiを通過するのに必要な通過時間を予測し、通過時間が長くなる場合には、抑制距離Lrを一定の距離だけ長くする。
【0105】
さらに、所定の通過条件については、抑制範囲ARiが設定される地点を抹消したり、追加したりすることができる。
【0106】
このように、種々の通過条件によって抑制範囲ARiが設定される地点を変更したり、抑制範囲ARiの抑制距離Lrを変更したりすることができるので、抑制範囲ARiにおいて情報の提供を確実に抑制することができる。
【0107】
次に、車速Vに応じて抑制範囲ARiの抑制距離Lrを変更することができるようにした第2の実施の形態について説明する。
【0108】
図6は本発明の第2の実施の形態における情報提供抑制処理の動作を示す図である。
【0109】
図において、Rtは走行経路であり、抑制範囲ARi(i=11、12、…、21、22、…、31、32、…)は、交差点piの前後に設定される。
【0110】
図に示されるように、車速Vが低い場合、抑制範囲AR11、AR12、…のように抑制距離Lrが長くされ、車速Vが中程度である場合、抑制範囲AR21、AR22、…のように抑制距離Lrが中程度にされ、車速Vが高い場合、抑制範囲AR31、AR32、…のように抑制距離Lrが短くされる。
【0111】
そのために、前記情報提供抑制処理手段の図示されない抑制距離変更処理手段は、抑制距離変更処理を行い、車速Vを読み込み、該車速Vに対応させて抑制距離Lrを変更する。
【0112】
このように、車速Vが低いほど抑制距離Lrが長く、車速Vが高いほど抑制距離Lrが短くされるので、抑制範囲ARiを適正にすることができる。
【0113】
前記各実施の形態においては、イグニッションスイッチがオンにされる前にあらかじめ前記経路案内データ及び情報が取得されるようになっているが、他の実施の形態においては、イグニッションスイッチがオンにされ、前記ナビゲーション装置14が起動されたときに、経路案内データ及び情報が取得される。
【0114】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0115】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定し、現在地及び抑制範囲に基づいて情報の提供を抑制するので、抑制範囲において、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中している際に情報が提供されない。
【0116】
そして、運転者が車両の操作、周囲の状況の把握等に集中する必要がないときに情報が提供されるので、提供された情報を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーションシステムのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置を説明する図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施の形態における抑制範囲を説明する図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態における情報提供抑制処理の動作を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態における情報提供抑制処理の動作を示す図である。
【符号の説明】
15 現在地検出処理部
31 CPU
ARi 抑制範囲
BW 車両
Lr 抑制距離
Pr 現在地
Rt 走行経路
V 車速

Claims (7)

  1. 現在地を検出する現在地検出処理部と、情報を取得する情報取得処理手段と、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定する抑制範囲設定処理手段と、前記現在地及び抑制範囲に基づいて、取得された情報の提供を抑制する情報提供抑制処理手段とを有することを特徴とするナビゲーションシステム。
  2. 前記情報提供抑制処理手段は、現在地が前記抑制範囲内にあるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  3. 前記情報提供抑制処理手段は、選択された情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲にかかるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  4. 前記情報提供抑制処理手段は、情報の提供が終了するときに現在地が抑制範囲にかからない情報がほかにあるかどうかに基づいて前記情報の提供を抑制する請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  5. 前記抑制範囲は、抑制範囲を車両が通過するときの通過条件に従って変更される請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  6. 前記抑制範囲は、車速に基づいて変更される請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  7. コンピュータを、情報を取得する情報取得処理手段、走行経路において情報の提供を抑制するための抑制範囲を設定する抑制範囲設定処理手段、並びに現在地検出処理部によって検出された現在地及び抑制範囲に基づいて、取得された情報の提供を抑制する情報提供抑制処理手段として機能させることを特徴とする情報提供方法のプログラム。
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