JP2005009797A - 加熱システム - Google Patents
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Abstract
【課題】排気系との接触面積を多くすることにより、より有効に車両の排気系の熱を伝導して所望する箇所の加熱を可能にする加熱システムを提供する。
【解決手段】本体部(601)にその長手方向に沿って複数枚の受熱フィン(602)を周設するとともに下端部を平面状に成形した受熱用ヒートパイプ(6)と受熱用ヒートパイプ(6)における前記複数枚の受熱フィン(602)間に充填した熱伝導素材(7)と受熱用ヒートパイプ(6)を被覆した断熱材(9)を具備した受熱手段(2)と、受熱用ヒートパイプ(6)に連結された熱伝導手段(3)と、熱伝導手段(3)が連結された放熱用ヒートパイプ(405)と該放熱用ヒートパイプ(405)が当接された複数枚の放熱フィン(404)と該放熱フィン(404)に伝導された熱を所望する箇所に放出するファン(406)を具備した放熱手段(4)とにより構成される。
【選択図】 図1
【解決手段】本体部(601)にその長手方向に沿って複数枚の受熱フィン(602)を周設するとともに下端部を平面状に成形した受熱用ヒートパイプ(6)と受熱用ヒートパイプ(6)における前記複数枚の受熱フィン(602)間に充填した熱伝導素材(7)と受熱用ヒートパイプ(6)を被覆した断熱材(9)を具備した受熱手段(2)と、受熱用ヒートパイプ(6)に連結された熱伝導手段(3)と、熱伝導手段(3)が連結された放熱用ヒートパイプ(405)と該放熱用ヒートパイプ(405)が当接された複数枚の放熱フィン(404)と該放熱フィン(404)に伝導された熱を所望する箇所に放出するファン(406)を具備した放熱手段(4)とにより構成される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱システムに係り、より詳しくは、車両の排気系に装着される受熱手段とこの受熱手段で受熱した熱を所望する箇所に伝導するための熱伝導手段とこの熱伝導手段により伝導された熱を所望する箇所に向けて放出するための放熱手段とを備えて、これにより車両の排気系の熱を所望する箇所に伝導可能とした加熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、仮調理した食品等を、保温した状態で貨物車両等で運搬することが行われており、これにより、例えばファミリーレストラン等において、加熱調理するのみで顧客に提供する料理が完成するシステムが確立している。
【0003】
しかしながら、このように仮調理した食品等を保温状態で運搬するために従来から用いられていた貨物車両においては、エンジンを冷却するための冷却水を用いてコンテナ内等を加熱していたため、コンテナ内の加熱に限度があり、高温状態での保温を必要とする食品等の運搬は困難であった。そのため、前述したように、従来のファミリーレストランで用いられているシステムでは、仮調理した食品をファミリーレストランに運搬し、ファミリーレストランにおいてこの仮調理した食品を加熱調理し、その後に顧客に料理を提供することが限度であった。
【0004】
また、近年、ピザ等の調理された食品類を自動二輪車等で宅配する宅配ピザ等が流行しており、この宅配ピザ等を利用することにより、自宅等に居ながらにしてピザ等を食することができるという利点があるが、一方、特に、冬場等の周囲の温度が低い場合などにあっては、収納ボックス内のピザ等が短時間で冷めてしまい、できたての温度を維持して客先へ届けることは困難であった。
【0005】
更に、従来から車両においては運転席内の温度を一定に保つためにヒーターが備えられているが、このヒーターシステムにおいても前記貨物車両の場合と同様に冷却水を使用しているため、停止した状態での長時間使用等の場合には運転席に排気ガス等が入り込む危険も考えられる。
【0006】
そこで、本発明者は過去において、このような問題点を解決するために、車両の排気系から放出される熱を利用することにより、所望する個所を加熱することを可能とした車両用加熱装置を提案した。
【0007】
【特許文献1】特開2001−233045号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−317629号公報(図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気系の熱を利用して所望する個所を加熱するためには、排気系が放出する熱を有効に受け入れる必要があり、そのためには、ヒートパイプ等の熱伝導手段を排気系に直接接触させるとともに、その接触面積を多くする必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、排気系との接触面積を多くすることにより、より有効に車両の排気系の熱を伝導して所望する箇所の加熱を可能にする加熱システムを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱システムは、車両の排気系の熱を所望する箇所に伝達するために用いられる加熱システムであって、
排気系の熱を受熱するための受熱手段と、
該受熱手段で受熱した熱を所望する箇所に伝達するための熱伝導手段と、
該熱伝導手段により伝達された熱を放出して所望する箇所を加熱するための放熱手段、とにより構成され、
前記受熱手段は、本体部にその長手方向に沿って複数枚の受熱フィンを周設するとともに、下端部を平面状に成形した受熱用ヒートパイプと、該受熱用ヒートパイプにおける前記複数枚の受熱フィン間に充填した熱伝導素材と、前記受熱用ヒートパイプを被覆した断熱材と、を具備し、
前記熱伝導素材は、前記受熱用ヒートパイプに連結された、断熱材が周設された熱伝導用ヒートパイプであり、
前記放熱手段は、前記熱伝導手段が連結された放熱用ヒートパイプと、該放熱用ヒートパイプが当接された複数枚の放熱フィンと、該放熱フィンに伝導された熱を所望する箇所に放出するための加熱ファンと、を具備したことを特徴としている。
【0011】
本発明の加熱システムでは、ヒートパイプを用いて、これにより車両の排気系の熱を受熱して伝導する方法を採用しており、ヒートパイプは、ヒートパイプ本体と、このヒートパイプ本体に長手方向に沿って周設した複数枚の受熱フィンとにより構成するとともに、その下端部を平面状に成形している。
【0012】
そのため、本発明においては、排気系との接触が面接触になり接触面積を多くすることが可能であり、排気系の熱をより有効に受熱することが可能である。
【0013】
【実施例】
本発明の加熱システムの実施例について図面を参照にして説明すると、図1は、本実施例の加熱システムの全体を示す図であり、図において1が本実施例の加熱システムである。
【0014】
そして、本実施例の加熱システム1は、車両におけるサーマルリアクターや排気筒等の排気系に装着される受熱手段2と、この受熱手段2に連結され、これにより受熱した熱を所望する箇所に伝導するための熱伝導手段3、そして、この熱伝導手段3に連結されるとともに、伝導された熱を所望する箇所に向けて放出するための加熱手段4とを備えて構成されている。
【0015】
ここで、図2は、前記受熱手段2の構造を示す断面図であり、図において5は、車両の排気系に装着される受熱プレートであり、本実施例においてこの受熱プレート5は、車両の排気系の外形状に沿った形状としており、即ち本実施例においては、その側面形状として底辺の無い台形状としており、全体をアルミ板により構成している。
【0016】
そして、この受熱プレート5における各面上には、受熱プレート5により受熱した熱を受け入れるとともにこの受け入れた熱を所望する箇所に伝導するために用いられる受熱用ヒートパイプ6の底部が当接されており、これにより、本実施例では3本の受熱用ヒートパイプ6を備えている。
【0017】
ここで、図3は前記受熱用ヒートパイプ6を示す斜視図であり、本実施例においてこの受熱用ヒートパイプ6は、従来から各種分野において用いられているヒートパイプにより構成されるヒートパイプ本体601を備えている。
【0018】
即ち、このヒートパイプ本体601は、従来から一般に提供されているヒートパイプと同様の構成をしており、両端を閉鎖した中空のパイプ状であり、その内部は、少量の液体を備えるとともに低真空状態になっている。そしてこの構成により、一端側を下側にした状態でこの一端側に熱を加えると、内部の液体が高温の気体になるとともにその気体が瞬時に他端に伝導し、これにより一端で受熱した熱を他端に伝導することを可能としている。
【0019】
次に、ヒートパイプ本体601の周囲には、その長手方向に沿って、複数枚のリング状の受熱フィン602が、ヒートパイプ本体601と略同心円状に周設され、これにより本実施例における受熱用ヒートパイプ6が構成されている。
【0020】
そして、本実施例においてこの受熱用ヒートパイプ6は、その下面部分を削り取り、これにより、下端部を平面状に成形している。
【0021】
このように、本実施例においては、受熱用ヒートパイプ6の下端を平面状に成形し、この平面部分を前記受熱プレート5の表面に当接させているため、パイプ状のヒートパイプを受熱プレートあるいは車両の排気系に接触させた場合と異なり、受熱プレート5との接触が面接触になり、接触面積を多くすることにより、有効に排気系の熱を受熱することが可能である。
【0022】
次に、図2において7は熱伝導素材であり、本実施例においては、前記複数枚の受熱フィン602間に熱伝導素材7を充填し、さらにその周囲を銅製のカバープレート8で被覆している。そのため、本実施例においては、この熱伝導素材7によっても受熱プレート5を介して排気系の熱を受熱してヒートパイプ本体601に伝導することができる。
【0023】
なお、本実施例においては、前記熱伝導素材7として熱伝導セメントを用いており、即ち、カーボン素材、金属紛等を混入したセメントを用いており、これにより、この熱伝導セメント7の部分においても排気系の熱を受熱してその熱をヒートパイプ本体602に伝導している。但し、必ずしもこの熱伝導セメントを用いる必要は無く、熱を伝導可能な素材であればいずれを用いてもよい。
【0024】
次に、本実施例においては、前記3本の受熱用ヒートパイプ6の部分を被覆するような配置で、前記受熱プレート5の上面に断熱材9を備えるとともに、この断熱材9を断熱カバー10により被覆しており、これにより受熱した熱が放出されることを防止している。
【0025】
なお、本実施例において前記断熱材9としては、ガラスを綿状にして形成したガラス断熱材を用いており、また断熱カバー10としてはビニール製のカバー材を用いている。但し、本発明においては必ずしもこのような断熱材及びカバー材を用いる必要は無く、断熱効果のある素材であればいずれを用いてもよい。
【0026】
次に、前記熱伝導手段3について説明すると、本実施例において前記熱伝導手段3としては、前記従来から用いられているヒートパイプ301の周囲をガラス断熱材等の断熱材302で被覆し、更にその外周にカバー材302を備えた構成としており(図5参照)、その下端を、前記ヒートパイプ本体601に連結して、これによって、受熱手段3により受熱した排気系の熱を伝導可能としている。なお、ヒートパイプ301を被覆する断熱材等の素材は特に限定されず、断熱効果がある素材であればいずれでもよい。
【0027】
次に、前記加熱手段4について説明すると、図4は、加熱手段4を平面方向から示した図であり、図4において、本実施例における加熱手段4は、給気窓402及び排気窓403を備える略箱形状の筐体401を備えており、その内部における前記給気窓402の近傍には、金属製薄板状の放熱フィン404が複数段に亘って備えられている。そして、この複数段の放熱フィン404を貫通するような配置で、前記複数段の放熱フィン404には、一般的に用いられているヒートパイプにより構成した放熱用ヒートパイプ405が、放熱フィン404に当接可能な配置で圧入されており、この放熱用ヒートパイプ405の下端部分には、前記熱伝導手段3を構成するヒートパイプが連結されている。
【0028】
また、前記筐体401における前記放熱フィン404の後方箇所には、ファン406が、前記給気窓402より筐体401内に空気を取り入れるとともに前記排気窓403から空気を排出可能なように備えられている。
【0029】
このような構成において、ファン406を駆動すると、給気窓402より外部の空気が取り入れられるとともに、その取り入れた空気が排気窓403より排出される。従って、前記放熱用ヒートパイプ405に車両の排気系の熱が伝導されている状態においてファン406を駆動すると、ファン406によって筐体401内に取入られた空気は、給気窓402の近傍に備えられた放熱用ヒートパイプ405及び放熱フィン404を通過する過程で加熱されるために、排気窓403からは高温の気体を放出し、これにより所望する箇所を加熱することが可能となる。
【0030】
なお、図5は、前記放熱用ヒートパイプ405と熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301との連結の構造を説明するための図であり、本実施例において前記放熱用ヒートパイプ405と熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301とはナット等の連結手段13によって連結されており、また、その連結部近傍も、その周囲を断熱材302により被覆するとともにこの断熱材302をカバー材303により被覆している。
【0031】
また、図6は、前記放熱用ヒートパイプ405の上端に着脱自在に装着したエアー抜き手段407であり、このエアー抜き手段407は、放熱用ヒートパイプ405の上端部分に螺合される真空バルブ407Aと、このバルブ407Aを含んで放熱用ヒートパイプ406の上端部分を覆うカバー407Bとにより構成されており、カバー407B及びバルブ407Aを外した後に放熱用ヒートパイプ405の上端部分に図示しない真空ポンプを連結することで、受熱手段3を構成する受熱用ヒートパイプ6、熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301、及び放熱用ヒートパイプ405の内部を真空にすることを可能としている。
【0032】
次に、このように構成される本実施例の加熱システム1の使用方法等について説明すると、図7において、車両における排気筒やサーマルリアクタ11等の排気系に、バンド等12を用いて受熱手段3を装着するとともに、放熱手段4を、所望する箇所を加熱可能な配置で設置する。そして更に、放熱用ヒートパイプ405に装着したエアー抜き手段407を取り外し、受熱用ヒートパイプ6、熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301、及び放熱用ヒートパイプ405の内部に少量の液体を入れるとともに内部を真空にした後に、エアー抜き手段407を装着する。
【0033】
そうすると、ファン406を駆動した状態でエンジンの始動により排気系11が高温になると、まず、受熱手段3によりその熱を受熱し、その後、この受熱した熱は、熱伝導手段3を介して放熱手段4に伝導される。そしてそれとともに、この伝導された熱は熱風として所望する箇所に放出され、これにより所望する箇所の加熱が可能となる。
【0034】
このように、本実施例の加熱システムでは、面接触により排気系の熱を受熱可能としているために、車両の排気系の熱を有効に利用して所望する箇所を加熱することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の加熱システムは以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0036】
本発明の加熱システムでは、ヒートパイプを用いて、これにより車両の排気系の熱を受熱して伝導する方法を採用しており、ヒートパイプは、ヒートパイプ本体と、このヒートパイプ本体に長手方向に沿って周設した複数枚の受熱フィンとにより構成するとともに、その下端部を平面状に成形している。
【0037】
そのため、本発明においては、排気系との接触が面接触になり接触面積を多くすることが可能であり、排気系の熱をより有効に受熱することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱システムの実施例全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の加熱システムの実施例における受熱手段の構造を説明するための断面図である。
【図3】本発明の加熱システムの実施例における受熱手段を構成する受熱用ヒートパイプを示す斜視図である。
【図4】本発明の加熱システムの実施例における放熱手段を説明するための図である。
【図5】本発明の加熱システムの実施例における熱伝導用ヒートパイプと放熱用ヒートパイプとの連結を説明するための図である。
【図6】本発明の加熱システムの実施例におけるエアー抜き手段を説明するための図である。
【図7】本発明の加熱システムの実施例の使用方法等を説明するための図である。
【符号の説明】
1 加熱システム
2 受熱手段
3 熱伝導手段
301 熱伝導用ヒートパイプ
302 断熱材
303 断熱カバー
4 放熱手段
401 筐体
402 給気窓
403 排気窓
404 放熱フィン
405 放熱用ヒートパイプ
406 ファン
407 エアー抜き手段
407A 真空バルブ
407B カバー
5 受熱プレート
6 受熱用ヒートパイプ
601 ヒートパイプ本体
602 受熱フィン
7 熱伝導セメント
8 断熱カバー
9 ガラス断熱材
10 断熱カバー
11 サーマルリアクター
12 固定用バンド
13 ナット
【発明の属する技術分野】
本発明は加熱システムに係り、より詳しくは、車両の排気系に装着される受熱手段とこの受熱手段で受熱した熱を所望する箇所に伝導するための熱伝導手段とこの熱伝導手段により伝導された熱を所望する箇所に向けて放出するための放熱手段とを備えて、これにより車両の排気系の熱を所望する箇所に伝導可能とした加熱システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、仮調理した食品等を、保温した状態で貨物車両等で運搬することが行われており、これにより、例えばファミリーレストラン等において、加熱調理するのみで顧客に提供する料理が完成するシステムが確立している。
【0003】
しかしながら、このように仮調理した食品等を保温状態で運搬するために従来から用いられていた貨物車両においては、エンジンを冷却するための冷却水を用いてコンテナ内等を加熱していたため、コンテナ内の加熱に限度があり、高温状態での保温を必要とする食品等の運搬は困難であった。そのため、前述したように、従来のファミリーレストランで用いられているシステムでは、仮調理した食品をファミリーレストランに運搬し、ファミリーレストランにおいてこの仮調理した食品を加熱調理し、その後に顧客に料理を提供することが限度であった。
【0004】
また、近年、ピザ等の調理された食品類を自動二輪車等で宅配する宅配ピザ等が流行しており、この宅配ピザ等を利用することにより、自宅等に居ながらにしてピザ等を食することができるという利点があるが、一方、特に、冬場等の周囲の温度が低い場合などにあっては、収納ボックス内のピザ等が短時間で冷めてしまい、できたての温度を維持して客先へ届けることは困難であった。
【0005】
更に、従来から車両においては運転席内の温度を一定に保つためにヒーターが備えられているが、このヒーターシステムにおいても前記貨物車両の場合と同様に冷却水を使用しているため、停止した状態での長時間使用等の場合には運転席に排気ガス等が入り込む危険も考えられる。
【0006】
そこで、本発明者は過去において、このような問題点を解決するために、車両の排気系から放出される熱を利用することにより、所望する個所を加熱することを可能とした車両用加熱装置を提案した。
【0007】
【特許文献1】特開2001−233045号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−317629号公報(図5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気系の熱を利用して所望する個所を加熱するためには、排気系が放出する熱を有効に受け入れる必要があり、そのためには、ヒートパイプ等の熱伝導手段を排気系に直接接触させるとともに、その接触面積を多くする必要がある。
【0009】
そこで、本発明は、排気系との接触面積を多くすることにより、より有効に車両の排気系の熱を伝導して所望する箇所の加熱を可能にする加熱システムを提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の加熱システムは、車両の排気系の熱を所望する箇所に伝達するために用いられる加熱システムであって、
排気系の熱を受熱するための受熱手段と、
該受熱手段で受熱した熱を所望する箇所に伝達するための熱伝導手段と、
該熱伝導手段により伝達された熱を放出して所望する箇所を加熱するための放熱手段、とにより構成され、
前記受熱手段は、本体部にその長手方向に沿って複数枚の受熱フィンを周設するとともに、下端部を平面状に成形した受熱用ヒートパイプと、該受熱用ヒートパイプにおける前記複数枚の受熱フィン間に充填した熱伝導素材と、前記受熱用ヒートパイプを被覆した断熱材と、を具備し、
前記熱伝導素材は、前記受熱用ヒートパイプに連結された、断熱材が周設された熱伝導用ヒートパイプであり、
前記放熱手段は、前記熱伝導手段が連結された放熱用ヒートパイプと、該放熱用ヒートパイプが当接された複数枚の放熱フィンと、該放熱フィンに伝導された熱を所望する箇所に放出するための加熱ファンと、を具備したことを特徴としている。
【0011】
本発明の加熱システムでは、ヒートパイプを用いて、これにより車両の排気系の熱を受熱して伝導する方法を採用しており、ヒートパイプは、ヒートパイプ本体と、このヒートパイプ本体に長手方向に沿って周設した複数枚の受熱フィンとにより構成するとともに、その下端部を平面状に成形している。
【0012】
そのため、本発明においては、排気系との接触が面接触になり接触面積を多くすることが可能であり、排気系の熱をより有効に受熱することが可能である。
【0013】
【実施例】
本発明の加熱システムの実施例について図面を参照にして説明すると、図1は、本実施例の加熱システムの全体を示す図であり、図において1が本実施例の加熱システムである。
【0014】
そして、本実施例の加熱システム1は、車両におけるサーマルリアクターや排気筒等の排気系に装着される受熱手段2と、この受熱手段2に連結され、これにより受熱した熱を所望する箇所に伝導するための熱伝導手段3、そして、この熱伝導手段3に連結されるとともに、伝導された熱を所望する箇所に向けて放出するための加熱手段4とを備えて構成されている。
【0015】
ここで、図2は、前記受熱手段2の構造を示す断面図であり、図において5は、車両の排気系に装着される受熱プレートであり、本実施例においてこの受熱プレート5は、車両の排気系の外形状に沿った形状としており、即ち本実施例においては、その側面形状として底辺の無い台形状としており、全体をアルミ板により構成している。
【0016】
そして、この受熱プレート5における各面上には、受熱プレート5により受熱した熱を受け入れるとともにこの受け入れた熱を所望する箇所に伝導するために用いられる受熱用ヒートパイプ6の底部が当接されており、これにより、本実施例では3本の受熱用ヒートパイプ6を備えている。
【0017】
ここで、図3は前記受熱用ヒートパイプ6を示す斜視図であり、本実施例においてこの受熱用ヒートパイプ6は、従来から各種分野において用いられているヒートパイプにより構成されるヒートパイプ本体601を備えている。
【0018】
即ち、このヒートパイプ本体601は、従来から一般に提供されているヒートパイプと同様の構成をしており、両端を閉鎖した中空のパイプ状であり、その内部は、少量の液体を備えるとともに低真空状態になっている。そしてこの構成により、一端側を下側にした状態でこの一端側に熱を加えると、内部の液体が高温の気体になるとともにその気体が瞬時に他端に伝導し、これにより一端で受熱した熱を他端に伝導することを可能としている。
【0019】
次に、ヒートパイプ本体601の周囲には、その長手方向に沿って、複数枚のリング状の受熱フィン602が、ヒートパイプ本体601と略同心円状に周設され、これにより本実施例における受熱用ヒートパイプ6が構成されている。
【0020】
そして、本実施例においてこの受熱用ヒートパイプ6は、その下面部分を削り取り、これにより、下端部を平面状に成形している。
【0021】
このように、本実施例においては、受熱用ヒートパイプ6の下端を平面状に成形し、この平面部分を前記受熱プレート5の表面に当接させているため、パイプ状のヒートパイプを受熱プレートあるいは車両の排気系に接触させた場合と異なり、受熱プレート5との接触が面接触になり、接触面積を多くすることにより、有効に排気系の熱を受熱することが可能である。
【0022】
次に、図2において7は熱伝導素材であり、本実施例においては、前記複数枚の受熱フィン602間に熱伝導素材7を充填し、さらにその周囲を銅製のカバープレート8で被覆している。そのため、本実施例においては、この熱伝導素材7によっても受熱プレート5を介して排気系の熱を受熱してヒートパイプ本体601に伝導することができる。
【0023】
なお、本実施例においては、前記熱伝導素材7として熱伝導セメントを用いており、即ち、カーボン素材、金属紛等を混入したセメントを用いており、これにより、この熱伝導セメント7の部分においても排気系の熱を受熱してその熱をヒートパイプ本体602に伝導している。但し、必ずしもこの熱伝導セメントを用いる必要は無く、熱を伝導可能な素材であればいずれを用いてもよい。
【0024】
次に、本実施例においては、前記3本の受熱用ヒートパイプ6の部分を被覆するような配置で、前記受熱プレート5の上面に断熱材9を備えるとともに、この断熱材9を断熱カバー10により被覆しており、これにより受熱した熱が放出されることを防止している。
【0025】
なお、本実施例において前記断熱材9としては、ガラスを綿状にして形成したガラス断熱材を用いており、また断熱カバー10としてはビニール製のカバー材を用いている。但し、本発明においては必ずしもこのような断熱材及びカバー材を用いる必要は無く、断熱効果のある素材であればいずれを用いてもよい。
【0026】
次に、前記熱伝導手段3について説明すると、本実施例において前記熱伝導手段3としては、前記従来から用いられているヒートパイプ301の周囲をガラス断熱材等の断熱材302で被覆し、更にその外周にカバー材302を備えた構成としており(図5参照)、その下端を、前記ヒートパイプ本体601に連結して、これによって、受熱手段3により受熱した排気系の熱を伝導可能としている。なお、ヒートパイプ301を被覆する断熱材等の素材は特に限定されず、断熱効果がある素材であればいずれでもよい。
【0027】
次に、前記加熱手段4について説明すると、図4は、加熱手段4を平面方向から示した図であり、図4において、本実施例における加熱手段4は、給気窓402及び排気窓403を備える略箱形状の筐体401を備えており、その内部における前記給気窓402の近傍には、金属製薄板状の放熱フィン404が複数段に亘って備えられている。そして、この複数段の放熱フィン404を貫通するような配置で、前記複数段の放熱フィン404には、一般的に用いられているヒートパイプにより構成した放熱用ヒートパイプ405が、放熱フィン404に当接可能な配置で圧入されており、この放熱用ヒートパイプ405の下端部分には、前記熱伝導手段3を構成するヒートパイプが連結されている。
【0028】
また、前記筐体401における前記放熱フィン404の後方箇所には、ファン406が、前記給気窓402より筐体401内に空気を取り入れるとともに前記排気窓403から空気を排出可能なように備えられている。
【0029】
このような構成において、ファン406を駆動すると、給気窓402より外部の空気が取り入れられるとともに、その取り入れた空気が排気窓403より排出される。従って、前記放熱用ヒートパイプ405に車両の排気系の熱が伝導されている状態においてファン406を駆動すると、ファン406によって筐体401内に取入られた空気は、給気窓402の近傍に備えられた放熱用ヒートパイプ405及び放熱フィン404を通過する過程で加熱されるために、排気窓403からは高温の気体を放出し、これにより所望する箇所を加熱することが可能となる。
【0030】
なお、図5は、前記放熱用ヒートパイプ405と熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301との連結の構造を説明するための図であり、本実施例において前記放熱用ヒートパイプ405と熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301とはナット等の連結手段13によって連結されており、また、その連結部近傍も、その周囲を断熱材302により被覆するとともにこの断熱材302をカバー材303により被覆している。
【0031】
また、図6は、前記放熱用ヒートパイプ405の上端に着脱自在に装着したエアー抜き手段407であり、このエアー抜き手段407は、放熱用ヒートパイプ405の上端部分に螺合される真空バルブ407Aと、このバルブ407Aを含んで放熱用ヒートパイプ406の上端部分を覆うカバー407Bとにより構成されており、カバー407B及びバルブ407Aを外した後に放熱用ヒートパイプ405の上端部分に図示しない真空ポンプを連結することで、受熱手段3を構成する受熱用ヒートパイプ6、熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301、及び放熱用ヒートパイプ405の内部を真空にすることを可能としている。
【0032】
次に、このように構成される本実施例の加熱システム1の使用方法等について説明すると、図7において、車両における排気筒やサーマルリアクタ11等の排気系に、バンド等12を用いて受熱手段3を装着するとともに、放熱手段4を、所望する箇所を加熱可能な配置で設置する。そして更に、放熱用ヒートパイプ405に装着したエアー抜き手段407を取り外し、受熱用ヒートパイプ6、熱伝導手段3を構成するヒートパイプ301、及び放熱用ヒートパイプ405の内部に少量の液体を入れるとともに内部を真空にした後に、エアー抜き手段407を装着する。
【0033】
そうすると、ファン406を駆動した状態でエンジンの始動により排気系11が高温になると、まず、受熱手段3によりその熱を受熱し、その後、この受熱した熱は、熱伝導手段3を介して放熱手段4に伝導される。そしてそれとともに、この伝導された熱は熱風として所望する箇所に放出され、これにより所望する箇所の加熱が可能となる。
【0034】
このように、本実施例の加熱システムでは、面接触により排気系の熱を受熱可能としているために、車両の排気系の熱を有効に利用して所望する箇所を加熱することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の加熱システムは以上説明したような形態で実施され、以下に記載するような効果を奏する。
【0036】
本発明の加熱システムでは、ヒートパイプを用いて、これにより車両の排気系の熱を受熱して伝導する方法を採用しており、ヒートパイプは、ヒートパイプ本体と、このヒートパイプ本体に長手方向に沿って周設した複数枚の受熱フィンとにより構成するとともに、その下端部を平面状に成形している。
【0037】
そのため、本発明においては、排気系との接触が面接触になり接触面積を多くすることが可能であり、排気系の熱をより有効に受熱することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱システムの実施例全体を示す斜視図である。
【図2】本発明の加熱システムの実施例における受熱手段の構造を説明するための断面図である。
【図3】本発明の加熱システムの実施例における受熱手段を構成する受熱用ヒートパイプを示す斜視図である。
【図4】本発明の加熱システムの実施例における放熱手段を説明するための図である。
【図5】本発明の加熱システムの実施例における熱伝導用ヒートパイプと放熱用ヒートパイプとの連結を説明するための図である。
【図6】本発明の加熱システムの実施例におけるエアー抜き手段を説明するための図である。
【図7】本発明の加熱システムの実施例の使用方法等を説明するための図である。
【符号の説明】
1 加熱システム
2 受熱手段
3 熱伝導手段
301 熱伝導用ヒートパイプ
302 断熱材
303 断熱カバー
4 放熱手段
401 筐体
402 給気窓
403 排気窓
404 放熱フィン
405 放熱用ヒートパイプ
406 ファン
407 エアー抜き手段
407A 真空バルブ
407B カバー
5 受熱プレート
6 受熱用ヒートパイプ
601 ヒートパイプ本体
602 受熱フィン
7 熱伝導セメント
8 断熱カバー
9 ガラス断熱材
10 断熱カバー
11 サーマルリアクター
12 固定用バンド
13 ナット
Claims (3)
- 車両の排気系の熱を所望する箇所に伝達するために用いられる加熱システムであって、
排気系の熱を受熱するための受熱手段(2)と、
該受熱手段(2)で受熱した熱を所望する箇所に伝達するための熱伝導手段(3)と、
該熱伝導手段(3)により伝達された熱を放出して所望する箇所を加熱するための放熱手段(4)、とにより構成され、
前記受熱手段(2)は、
本体部(601)にその長手方向に沿って複数枚の受熱フィン(602)を周設するとともに、下端部を平面状に成形した受熱用ヒートパイプ(6)と、
該受熱用ヒートパイプ(6)における前記複数枚の受熱フィン(602)間に充填した熱伝導素材(7)と、
前記受熱用ヒートパイプ(6)を被覆した断熱材(9)と、を具備し、
前記熱伝導素材(3)は、
前記受熱用ヒートパイプ(6)に連結された、断熱材(302)が周設された熱伝導用ヒートパイプ(301)であり、
前記放熱手段(4)は、
前記熱伝導手段(3)が連結された放熱用ヒートパイプ(405)と、
該放熱用ヒートパイプ(405)が当接された複数枚の放熱フィン(404)と、
該放熱フィン(404)に伝導された熱を所望する箇所に放出するための加熱ファン(406)と、を具備したことを特徴とする加熱システム。 - 前記熱伝導素材(7)が熱伝導セメントであることを特徴とする請求項1に記載の加熱システム。
- 前記断熱材(9、302)がガラス断熱材であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003175779A JP2005009797A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 加熱システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003175779A JP2005009797A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 加熱システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005009797A true JP2005009797A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34098826
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003175779A Pending JP2005009797A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 加熱システム |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005009797A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015087105A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 楊 泰和 | 貼付け式均温器と伝熱流体を備える温度制御システム及びその応用装置 |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003175779A patent/JP2005009797A/ja active Pending
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JP2015087105A (ja) * | 2013-10-29 | 2015-05-07 | 楊 泰和 | 貼付け式均温器と伝熱流体を備える温度制御システム及びその応用装置 |
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