JP2005008819A - 硬化性組成物 - Google Patents

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JP2005008819A JP2003176623A JP2003176623A JP2005008819A JP 2005008819 A JP2005008819 A JP 2005008819A JP 2003176623 A JP2003176623 A JP 2003176623A JP 2003176623 A JP2003176623 A JP 2003176623A JP 2005008819 A JP2005008819 A JP 2005008819A
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Taketaka Suzuki
建剛 鈴木
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Abstract

【課題】−20〜5℃の低温でも硬化性を有し、常温では迅速に硬化する硬化性組成物であって、且つ、保存安定性が改良された硬化性組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(1)で表される複素環基(a)を有する化合物(A)、水酸基価が0を超え14以下であるエポキシ樹脂(B)、及び1級又は2級アミノ基を有する化合物(C)からなる硬化性組成物である。
一般式
【化1】
Figure 2005008819

[式(1)中、X1、Y1及びZ1は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は炭素数2〜10の炭化水素基である。]
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエポキシ樹脂からなる硬化性組成物に関し、詳しくは−20〜5℃の低温でも硬化性を有し、常温では迅速に硬化する硬化性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂はその機械的物性、電気的特性、接着性、耐薬品性等において優れた性質を有し、接着剤、塗料、ライニング等、種々の工業的用途に使用されている。本発明者らは特殊な複素環化合物(A)とエポキシ樹脂(B)の混合物とアミン化合物(C)を用い、−20℃〜5℃の低温下でも硬化性を有し、常温では迅速に硬化するエポキシ樹脂組成物を提案している。(例えば特許文献1)
【0003】
【特許文献1】
再表99/54373号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のエポキシ樹脂組成物において、予め特殊な複素環化合物(A)とエポキシ樹脂(B)を配合しておくと、その混合物の保存安定性が不十分な場合があり、改良が望まれていた。
本発明の目的は、−20〜5℃の様な低温でも硬化性を有し、常温では迅速に硬化する硬化性組成物であって、且つ、保存安定性が改良された硬化性組成物を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の組成物は、下記一般式(1)で表される複素環基(a)を有する化合物(A)、水酸基価が0を超え14以下であるエポキシ樹脂(B)、及びアミノ基を有する化合物(C)からなる硬化性組成物である。
一般式(1)
【0006】
【化4】
Figure 2005008819
【0007】
[式(1)中、X1、Y1及びZ1は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は炭素数2〜10の炭化水素基である。]
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の組成物において、複素環基(a)は前記一般式(1)で示される。式中、X1、Y1及びZ1は、それぞれ酸素又は硫黄原子である。好ましくはX1が硫黄原子(S)で、Y1、Z1の一方が硫黄原子(S)で他方が酸素原子(O)である。
R1は炭素数2〜10の炭化水素基であり、下記一般式(4)
【0009】
【化5】
Figure 2005008819
【0010】
[式(4)中、pは1〜9の整数である。]で示される3価の炭化水素基、又は下記一般式(5)
【0011】
【化6】
Figure 2005008819
【0012】
[式(5)中、qは0〜8の整数である。]で示される4価の炭化水素基である。上記3価の炭化水素基としては、例えば>CHCH−、>CHCHCH−、>CHCHCHCH−、>CHCHCHCHCHCH−等が挙げられ、上記4価の炭化水素基としては、例えば>CHCH<、>CHCHCH<、>CHCHCHCH<、>CHCHCHCHCHCH<等が挙げられる。好ましくは、3価の炭化水素基であり、特に好ましくは>CHCH−、>CHCHCH−である。
該複素環基(a)は、具体的には表1に記載したものが挙げられる。
【0013】
【表1】
Figure 2005008819
【0014】
本発明の組成物中の化合物(A)は、例えば、下記一般式(6)
【0015】
【化7】
Figure 2005008819
【0016】
[式(6)中、R2は炭素数2〜10の炭化水素基である。]
で表される環状エーテル基を有する化合物(D)と二硫化炭素を、触媒存在下、必要により溶剤中で反応させることにより得られる。
前記環状エーテル基としては、環内に酸素原子を1個有するものならば特に限定されない。環状エーテル基の例としては、エポキシ基、オキセタン基等が挙げられ、好ましくはエポキシ基である。
【0017】
エポキシ基を有する化合物(エポキシ化合物)(D1)としては、分子内に1個以上のエポキシ基を有していれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは、分子内にエポキシ基を1〜6個有するものである。エポキシ化合物のエポキシ当量(エポキシ基1個当たりの分子量)は、好ましくは65〜1,000であり、より好ましくは90〜500である。エポキシ当量が1,000以下であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等の物性が良好であり、一方、エポキシ当量が65以上であると硬化物の耐水性、耐薬品性、機械的強度等が良好な架橋構造となる。
エポキシ化合物(D1)の例としては、下記(D1−1)から(D1−5)が挙げられる。
【0018】
(D1−1)グリシジルエーテル型
(i)1価フェノール類のグリシジルエーテル;
炭素数6〜30の1価フェノール類のグリシジルエーテル、例えば、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、4−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、4−ブロモフェニルグリシジルエーテル、1−ナフタレングリシジルエーテル、2−ナフタレングリシジルエーテル等;
【0019】
(ii)2価フェノール類のジグリシジルエーテル;
炭素数6〜30の2価フェノール類のジグリシジルエーテル、例えば、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールBジグリシジルエーテル、ビスフェノールADジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ハロゲン化ビスフェノールAジグリシジルエーテル(例えばテトラクロロビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、カテキンジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ハイドロキノンジグリシジルエーテル、1,5−ジヒドロキシナフタレンジグリシジルエーテル、ジヒドロキシビフェニルジグリシジルエーテル、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル、ビスフェノールA2モルとエピクロロヒドリン3モルの反応から得られるジグリシジルエーテル等;
【0020】
(iii)3価〜6価又はそれ以上の、多価フェノール類のポリグリシジルエーテル;
炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量250〜5,000の3価〜6価又はそれ以上の多価フェノール類のポリグリシジルエーテル、例えば、ピロガロールトリグリシジルエーテル、ジヒドロキシナフチルクレゾールトリグリシジルエーテル、トリス(ヒドロキシフェニル)メタントリグリシジルエーテル、ジナフチルトリオールトリグリシジルエーテル、テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンテトラグリシジルエーテル、ビス(ジヒドロキシナフタレン)テトラグリシジルエーテル、フェノール又はクレゾールノボラック樹脂(分子量200〜5,000)のグリシジルエーテル、リモネンフェノールノボラック樹脂(分子量400〜5,000)のグリシジルエーテル、フェノールとグリオキザール、グルタールアルデヒド、又はホルムアルデヒドの縮合反応によつて得られるポリフェノール(分子量400〜5,000)のポリグリシジルエーテル、およびレゾルシンとアセトンの縮合反応によって得られる分子量400〜5,000のポリフェノールのポリグリシジルエーテル等;
【0021】
(iv)脂肪族1価アルコールのグリシジルエーテル;
炭素数2〜100、分子量150〜5,000のモノオールのグリシジルエーテル、例えば、アリルグリシジルエーテル、n−ブチルグリシジルエーテル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、炭素数11〜15の高級アルコールのグリシジルエーテル等;
(v)脂肪族2価アルコールのジグリシジルエーテル;
炭素数2〜100、分子量150〜5,000のジオールのジグリシジルエーテル、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、テトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール(分子量150〜4,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(分子量180〜5,000)ジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール(分子量200〜5,000)ジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのアルキレンオキシド〔エチレンオキシドまたはプロピレンオキシド(1〜20モル)〕付加物のジグリシジルエーテル等;
【0022】
(vi)3価〜6価又はそれ以上の脂肪族アルコールのポリグリシジルエーテル;
炭素数3〜50又はそれ以上で、分子量92〜10,000の3価〜6価又はそれ以上の多価アルコール類のグリシジルエーテル、例えば、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールヘキサグリシジルエーテル、ポリ(n=2〜5)グリセロールポリグリシジルエーテル等;
等があげられる。
【0023】
(D1−2)グリシジルエステル型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の芳香族カルボン酸のグリシジルエステル、及び炭素数2〜20又はそれ以上で、1価〜6価又はそれ以上の脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステルがあげられる。
(i)芳香族カルボン酸、例えばフタル酸類のグリシジルエステルとしては、フタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等;
(ii)脂肪族若しくは脂環式カルボン酸のグリシジルエステルとしては、上記芳香族カルボン酸のグリシジルエステルの芳香核水添加物、ダイマー酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルオキサレート、ジグリシジルマレート、ジグリシジルスクシネート、ジグリシジルグルタレート、ジグリシジルアジペート、ジグリシジルピメレート、グリシジル(メタ)アクリレートの(共)重合体(重合度は例えば2〜10)、トリカルバリル酸トリグリシジルエステル等;
等があげられる。
【0024】
(D1−3)グリシジルアミン型;
炭素数6〜20又はそれ以上で、1〜10又はそれ以上の活性水素原子をもつ芳香族アミン類のグリシジルアミン及び脂肪族、脂環式若しくは複素環式アミン類のグリシジルアミンがあげられる。
(i) 芳香族アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、N,N,O−トリグリシジルアミノフェノール等;
【0025】
(ii) 脂肪族アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等;
(iii) 脂環式アミン類のグリシジルアミンとしては、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミンの水添化合物等;
(iv) 複素環式アミンのグリシジルアミンとしては、トリスグリシジルメラミン等;
等があげられる。
【0026】
(D1−4)鎖状脂肪族エポキサイド;
炭素数6〜50又はそれ以上で1〜6価又はそれ以上の鎖状脂肪族エポキサイド、例えば、エポキシ化(ポリ)アルカジエン[例えばエポキシ当量130〜1,000のエポキシ化ポリブタジエン(分子量90〜2,500)]、エポキシ化油脂[エポキシ化大豆油(分子量130〜2,500)]等があげられる。
(D1−5)脂環式エポキサイド
炭素数6〜50又はそれ以上で、分子量90〜2,500、エポキシ基の数1〜4又はそれ以上の脂環式エポキサイド、例えば、ビニルシクロヘキセンジオキシド、リモネンジオキシド、ジシクロペンタジエンジオキシド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、エチレングリコールビスエポキシジシクロペンチルエーテル、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3’、4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、及びビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)ブチルアミン等があげられる。また、前記フェノール類のエポキシ化合物の核水添化物も含む。
【0027】
これらのうち、好ましいのはグリシジルエステル型(D1−2)であり、より好ましいのはグリシジルエーテル型(D1−1)である。特に好ましいのは(D1−1)の内、二価フェノール類、二価脂肪族アルコールのジグリシジルエーテルである。
オキセタン基を有する化合物(オキセタン化合物)(D2)としては、炭素数6〜20の脂肪族系オキセタン化合物(2−エチル−ヘキシルオキセタン、ジオキセタン等)、炭素数7〜30の芳香族系オキセタン化合物(ベンジルオキセタン、キシリレンビスオキセタン、フェニルオキセタン等)、炭素数6〜30の脂肪族カルボン酸系オキセタン化合物(アジペートビスオキセタン等)、炭素数8〜30の芳香族カルボン酸系オキセタン化合物(テレフタレートビスオキセタン等)、炭素数8〜30の脂環式カルボン酸系オキセタン化合物(シクロヘキサンカルボン酸オキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等)、芳香族イソシアネート系オキセタン化合物(MEIビスオキセタン等)等が挙げられる。好ましくは炭素数6〜20の脂肪族系オキセタン化合物、炭素数7〜30の芳香族系オキセタン化合物である。
【0028】
環状エーテル基として、エポキシ基を使用して前記の反応を行って得られる該複素環基(a)は、下記一般式(3)で示される。
一般式
【0029】
【化8】
Figure 2005008819
【0030】
[式(3)中、Y2、Z2は一方が硫黄原子で他方が酸素原子である。]
【0031】
化合物(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、分子内に前記環状エーテル基を有する化合物(D)に対して、該環状エーテル基1個当たり0.1〜10倍当量、好ましくは0.5〜5倍当量の二硫化炭素を、触媒存在下、必要により溶剤中で反応させることにより得られる。
触媒は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属のハロゲン化物が好ましく、例えば、塩化リチウム、臭化リチウム、沃化リチウム、塩化カリウム、臭化カルシウム等が挙げられ、特に好ましくは臭化リチウムである。触媒の量は、該(b)に対し、0.001〜1.0倍当量である。好ましくは0.01〜0.1倍当量である。
必要により添加する溶剤としては、反応を阻害せず、原料及び生成物を溶解するものなら特に制限はなく、通常、非プロトン性溶剤が挙げられる。例えば、エーテル類(テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルセロソルブ、ジオキソラン、トリオキサン、ジブチルセロソルブ、ジエチルカービトール、ジブチルカービトール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル等)、その他極性溶剤(アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等)等が挙げられ、好ましくはテトラヒドロフラン、アセトン、酢酸エチル等である。
反応温度は、好ましくは0〜100℃、より好ましくは、20〜70℃である。
【0032】
該化合物(A)の重量平均分子量は好ましくは120〜12,000であり、より好ましくは200〜8,000である。複素環基(a)当量は好ましくは120〜1,200であり、より好ましくは200〜800である。
【0033】
該化合物(A)は、具体的には表2に記載したものが挙げられる。
【0034】
【表2】
Figure 2005008819
【0035】
水酸基価が0を超え14以下であるエポキシ樹脂(B)とは、水酸基を有するエポキシ樹脂又はそれと他の水酸基を有しないエポキシ樹脂との混合物であって、混合物全体における水酸基価が0を超え14以下であれば特に限定されない。(B)は水酸基を有するエポキシ樹脂と水酸基を有さないエポキシ樹脂との混合物が好ましい。水酸基を有するエポキシ樹脂としては、上記の(D1)のものの水酸基を有する変性物があげられる。(D1)の内で好ましくは(D1−1)であり、より好ましくは(D1−1)の(i)、(v)であり、特に好ましくはビスフェノールA型若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。
水酸基を有するエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂の水酸基を有する変性物の場合には、下記一般式(2)で示されるエポキシ樹脂の水酸基があげられる。
一般式(2)
【0036】
【化9】
Figure 2005008819
【0037】
[式(2)中、R3はメチル基又は水素原子を表す。nは1〜10の整数である。]
【0038】
ビスフェノールA型若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂の変性物としての水酸基を有するエポキシ樹脂は、ビスフェノールA型若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂を製造する場合の副生物として製造される。上記エポキシ樹脂の製造法としては、好ましくはビスフェノールA若しくはビスフェノールFに過剰のエピクロルヒドリンをアルカリ存在下において付加させた後、脱塩酸反応によって環化する方法がとられるが、その場合、副反応として、生成されたグリシジル基とビスフェノールA若しくはビスフェノールFの付加重合反応が起こる。その場合上記一般式(2)が繰り返し単位(n)を持ち、異なる分子量分布を有する混合物となり、分子内に2級水酸基を有することとなる。副生する一般式(2)で示される化合物のn及びその量によって、エポキシ樹脂混合物(B)中の水酸基価が決まる。このnの値及びその量は、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFとエピクロルヒドリンのモル比によって決まる。理論的にはビスフェノールA若しくはビスフェノールFとエピクロルヒドリンのフェノール性水酸基とエピクロルヒドリンが当量の時、nが0となり、エピクロルヒドリンの量が少なくなるにつれてnが大きくなる。nは1〜10の整数が好ましく、より好ましくは1〜3である。nが10以下であると低粘度であり、作業性に優れる。。
【0039】
また、水酸基を有するエポキシ樹脂としての製造法は上記の他に、低分子量のエポキシ樹脂とビスフェノールA若しくはビスフェノールFとの重付加反応によるFusion法等があげられる。好ましくは上記のエピクロルヒドリンを使用する方法である。
【0040】
水酸基価は試料1g中の水酸基と当量の水酸化カリウムのmg数であり、エポキシ当量から、下記計算式(1)より算出することができる。
水酸基価=1/2Ep×(2Ep−Mn)/Mn×MKOH ×1000 (1)
[式(1)中、Epは(B)のエポキシ当量、Mnは(B)のn=0の場合の分子量、Mnは(B)のn=1の場合の分子量とn=0の場合の分子量の差、MKOHは水酸化カリウムの分子量を表す。]
【0041】
エポキシ樹脂混合物(B)は水酸基価が0を超え14以下であり、好ましくは0を超え12以下であり、特に好ましくは0を超え6以下である。
(B)の水酸基価が14を超えると、(A)及び(B)の2成分を配合した際、その配合物の粘度が経時的に上昇する場合があり、保存安定性を悪化させることとなる。また、水酸基価が0は実際には困難である。
【0042】
該(B)の重量平均分子量は、好ましくは310〜3,100であり、より好ましくは310〜1,500である。分子量が3,10以上であると、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等の物性が良好であり、一方、分子量が3,100以下であると硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等が良好な架橋構造となる。
【0043】
化合物(C)は、分子内に1級アミノ基又は2級アミノ基に由来する活性水素を有する化合物であれば特に限定されず、用途、目的に応じて適宜選択することができる。好ましくは、分子内に1級アミノ基又は2級アミノ基に由来する活性水素を2〜10個有する化合物であり、より好ましくは3〜6個有する化合物である。
分子内にアミノ基を有する化合物(C)の活性水素当量(活性水素1個当たりの分子量)は、好ましくは15〜500であり、より好ましくは20〜200である。活性水素当量が500以下であると、架橋構造がルーズにならず硬化物の耐薬品性、接着性等の物性も良好であり、一方、活性水素当量が15以上であると硬化物の耐薬品性、接着性等の物性が良好である。
【0044】
該(C)の例としては、以下の(C1)〜(C9)が挙げられる。
(C1)脂肪族ポリアミン類(炭素数2〜18、官能基数1〜7、分子量50〜500)
(i)脂肪族アミン{炭素数2〜6のアルキルアミン(n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等)、炭素数2〜6のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(炭素数2〜6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等〕};
【0045】
(ii)これらのアルキル(炭素数1〜10)、ヒドロキシアルキル(炭素数2〜10)又はアルキル(炭素数1〜10)オキシ置換体〔ジアルキル(炭素数1〜3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、N,N−ジメチルアミノエチルアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン等〕;
(iii)脂環又は複素環含有脂肪族アミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、アミノエチルシクロヘキサン、4−メチル−アミノプロピルシクロヘキサン、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノエチルモルホリン等〕;
(iv)芳香環含有脂肪族アミン類(炭素数7〜15)(ベンジルアミン、ジベンジルアミン、キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミン等)等;
(C2)脂環式アミン(炭素数4〜15、官能基数1〜3):シクロヘキシルアミン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等;
(C3)複素環式アミン(炭素数4〜15、官能基数1〜3):ピペリジン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等;
【0046】
(C4)芳香族アミン類(炭素数6〜20、官能基数1〜3、分子量100〜1000)
(i)非置換芳香族アミン〔アニリン、1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチルアミン、ナフチレンジアミン等;
(ii)核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチル等の炭素数C1〜C4アルキル基〕を有する芳香族アミン、例えば2,4−及び2,6−ジメチルアニリン、2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホン等〕、及びこれらの異性体の種々の割合の混合物;
【0047】
(iii)核置換電子吸引基(Cl,Br,I,F等のハロゲン;メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族アミン〔4−クロロアニリン、メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリン等〕;
(iv)2級アミノ基を有する芳香族アミン〔上記(i)〜(iii)の芳香族アミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基、例えばメチル,エチル等の低級アルキル基)で置き換ったもの、例えばN−メチルアニリン、N−エチルアニリン、4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕等;
【0048】
(C5)ポリアミドアミン類:ジカルボン酸(ダイマー酸等)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)アミン類(官能基数1〜7の上記アルキレンアミン,ポリアルキレンアミン等)との縮合により得られるポリアミドアミン(数平均分子量200〜1000)等;
(C6)ポリエーテルアミン類:ポリエーテルポリオール(前述のポリアルキレングリコール等)のシアノエチル化物の水素化物(分子量100〜1000)等;
(C7)エポキシ付加アミン:エポキシ化合物〔上記エポキシ化合物(B1)、並びにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、フェニルギリシジルエーテル等のモノエポキサイド〕1モルをアミン類(上記アルキレンアミン、ポリアルキレンアミン等)に1〜30モル付加させることによって得られるエポキシ付加アミン(分子量100〜1000)等;
【0049】
(C8)シアノエチル化アミン:アクリロニトリルとアミン類(上記アルキレンアミン、ポリアルキレンアミン等)との付加反応により得られるシアノエチル化アミン、(ビスシアノエチルジエチレントリアミン等)(分子量100〜500)等;
(C9)その他のアミン化合物:
(i)ヒドラジン類(ヒドラジン、モノアルキルヒドラジン等);
(ii)ジヒドラジッド類(コハク酸ジヒドラジッド,アジピン酸ジヒドラジッド,イソフタル酸ジヒドラジッド,テレフタル酸ジヒドラジッド等);
(iii)グアニジン類(ブチルグアニジン,1−シアノグアニジン等);
(iv)ジシアンジアミド等;並びにこれらの2種以上の混合物;等
【0050】
上記(C1)〜(C9)のうち、硬化速度の観点から好ましいのは(C2)、(C3)及び(C5)であり、より好ましいのは(C1)及び(C4)である。
【0051】
本発明の組成物中において、前記(B)と該(C)の配合比率は、(B)中の環状エーテル基1個に対し、(C)中の求核性基が、好ましくは0.7〜1.3であり、より好ましくは、0.9〜1.1である。この比率が0.7以上、あるいは1.3以下であると、硬化性が良好であり、硬化物の耐水性、接着性の低下もなく好ましい。
【0052】
(B)と(A)の比率は、(B)中の環状エーテル基1個に対し、(A)中の複素環基(a)が好ましくは0.01〜1.0であり、より好ましくは0.05〜0.8である。この比率が0.01以上、あるいは1.0以下では硬化性の低下がなく、硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等の低下もなく好ましい。
該(A)の添加量は、好ましくは硬化性組成物100重量部に対して0.1重量部〜200重量部であり、より好ましくは0.5重量部〜100重量部、特に好ましくは1重量部〜50重量部である。添加量が0.1重量部以上であると硬化促進効果及び粘度低下効果が十分であり、200重量部以下であると、硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等の物性が良好である。
【0053】
本発明の硬化性組成物には、硬化速度をより促進する目的で、必要により塩基性化合物(E)をさらに含有させることができる。
塩基性化合物(E)としては、3級アミン化合物(E1)、ソジウムメチラート、カセイソーダ、カセイカリ、炭酸リチウム等のアルカリ化合物(E2)、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のルイス塩基化合物(E3)等が挙げられる。これらのうち好ましいものは、3級アミン化合物(E1)である。
【0054】
上記の(E)として好ましい3級アミン化合物(E1)は、分子内に3級アミノ基を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、炭素数3〜20、アミノ基数1〜4の脂肪族アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、テトラエチルメチレンジアミン、テトラメチルプロパン−1,3−ジアミン、テトラメチルヘキサン−1,6−ジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ペンタメチルジプロピレントリアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、エチレングリコール(3−ジメチル)アミノプロピルエーテル、ジメチルアミノエタノール、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチル−エタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン等、炭素数9〜20、アミノ基数1〜4の芳香族アミンとしては、ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルアミノメチルフェノール(通称「DMP−10」)、トリス(N,N−ジメチルアミノメチル)フェノール(通称「DMP−30」)等、炭素数4〜20、アミノ基数1〜6の複素環化合物としては、1,2−ジメチルイミダゾール、ジメチルピペラジン、N−メチル−N’−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)モルホリン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(「DBU」:サンアプロ社商標)、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)−ノネン−5(「DBN」:サンアプロ社商標)、6−ジブチルアミノ−1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(「DBA−DBU」:サンアプロ社商標)、トリエチレンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン等が挙げられる。
【0055】
3級アミン化合物(E1)は、得ようとする硬化速度、可使時間に応じて、種類、添加量とも適宜選択すればよいが、(A)100重量部に対して、0.1〜50重量部程度添加されるのが好ましい。
【0056】
硬化速度を速めるために、必要に応じて触媒を添加しても良い。1級又は2級アミンと前記(B)との反応の触媒としては、上記3級アミン類及びホスフィン類、トリフェニルホスフィントリブチルホスフィン等の炭素数3〜30の炭化水素系ホスフィン等が挙げられる。このうちでは3級アミン類が好ましく、N,N−ジメチルプロピルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族3級アミン類;N−メチルピロリジン,N,N’−ジメチルピペラジン等の脂環続3級アミン類;ベンジルジメチルアミン、ジメチルアミノメチルフェノール等の芳香族3級アミン類等が特に好ましい。
【0057】
本発明の硬化性組成物には熱可塑性樹脂(F)及び/又は脱臭剤を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂(F)としては、特に限定されないが、ゴム、汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック、特殊エンジニアリングプラスチック等が挙げられる。ゴムは、液状であっても固体状であってもよく、天然ゴムおよび合成ゴムが挙げられる。
【0058】
合成ゴムとしては、ジエン系、オレフィン系、ビニル系、多硫化物系、含珪素系、含フッ素系、ウレタン系、および含リン系が挙げられる。
ジエン系としては、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、メチルゴム、ブチルゴム、ポリペンタジエン、ニトリルゴム(アクリロニトリル/ブタジエン共重合体、アクリロニトリル/イソプレン共重合体)、スチレン/ブタジエンゴム(SBR)、アクリレート/ブタジエン共重合体、イソブチレン/イソプレン共重合体、アクリロニトリル/クロロプレン共重合体、クロロプレンゴム、ポリエチレン/ブチルグラフト共重合体、およびスチレン/ブタジエン/ビニルピリジン共重合体が挙げられる。
オレフィン系としては、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンプロピレンジエンゴム(EPT)、イソブチレン重合体、イソブチルエーテル重合体、ポリシクロペンテン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ブチルゴム、およびクロロスルホン化ポリエチレンが挙げられる。
ビニル系としては、アクリルゴム(アクリル酸エステル/アクリロニトリル共重合体)及びアクリル酸エステル/クロロエチルビニルエーテル共重合体が挙げられる。
【0059】
多硫化物系としては、ポリアルキレンサルファイドゴム(エチレンサルファイド/プロピレンサルファイド共重合体)が挙げられる。
含珪素系としては、シリコーンゴム(アルキルシロキサン縮合物)が挙げられる。
含フッ素系としては、フッ素ゴム(トリフルオロクロロエチレン/ビニリデンフロライド共重合体、ヘキサフロロプロピレン/ビニリデンフロライド共重合体、ジヒドロパーフロロアルキルアクリレート重合体)、ニトロソゴム、及びポリフッ化チオカルボニルゴムが挙げられる。
ウレタン系としては、ポリエーテルウレタンゴム及びポリエステルウレタンゴムが挙げられる。
含リン系としては、ポリフォスファゼンが挙げられる。
また、本発明におけるゴムには、クロロヒドリンゴム、、ポリプロピレンオキシドゴム、及びポリエーテルポリエステルブロック共重合体も用いることができる。前記ブタジエン系ゴムはシス型またはトランス型のいずれであってもよい。
【0060】
前記液状ゴムは、通常数平均分子量が2,000〜10,000であって、ポリブタジエンまたはブタジエン/スチレン共重合体等の重合体鎖の末端に水酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、イソシアネート基、あるいはハロゲノ基等の官能基を有するものも挙げられる。
汎用樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等が挙げられる。
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアセタール、ナイロン、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンオキシド、ポリブチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、メチルペンテンポリマー、ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
特殊エンジニアリングプラスチックとしては、ポリスルフォン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルフォン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらのうち、好ましいのは、ゴム、特殊エンジニアリングプラスチックであり、さらに好ましいのは、ポリエーテルスルフォンである。必要に応じて、これらの樹脂の2種以上を混合使用することも可能である。
また、添加量としては重量比で、好ましくは(B):(F)=1:0.01〜2、より好ましくは、1:0.1〜1である。
【0061】
脱臭剤としては、特に限定されないが、活性炭、ゼオライト、シリカゾル、シリカゲル等が挙げられる。これらのうち、好ましいのは、ゼオライトである。また、添加量としては重量比で、好ましくは化合物(A):脱臭剤=1:0.01〜0.5 、より好ましくは、1:0.05〜0.3である。
【0062】
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、(1)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性向上剤、(2)ヒンダードアミン類、硫黄含有化合物等の酸化防止剤、(3)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(4)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機および有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(5)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(6)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量(分子量1,000〜10,000)ポリオレフィン等のワックス類、(7)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(8)炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、アスベスト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉等の充填剤、(9)カーボンブラック、酸化チタン、赤色酸化鉄、鉛丹、パラレッド、紺青等の顔料又は染料、(10)エステル(酢酸エチル等)、芳香族炭化水素(トルエン等)、アルコール(メタノール等)、エーテル(ジエチルエーテル等)、ケトン(アセトン等)等の溶剤、(11)発泡剤、(12)脱水剤(モノイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等)(13)帯電防止剤、(14)抗菌剤、(15)防かび剤、(16)香料、(17)難燃剤、(18)レベリング剤等を添加することができる。これらのうち2種以上を併用することも可能である。これらの添加量は重量比で、好ましくは(B):添加物=1.0:0.01〜2であり、より好ましくは1:0.02〜1である。
【0063】
本発明の硬化性組成物の製造方法としては、用いられる材料を混合、分散できる方法であれば特に限定されず、例えば、以下の方法等が例示される。
(i)ガラスビーカー、缶、プラスチックカップ等の適当な容器中にて、攪拌棒、へら等により手で混練する。
(ii)ダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(iii)プラネタリーミキサーにより混練する。
(iv)ビーズミルにより混練する。
(v)3本ロールにより混練する。
(vi)エクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
【0064】
本発明の硬化性組成物の使用方法は、特に制限を受けないが、(1)−20℃から5℃の低温、(2)5℃から40℃までの常温、(3)40℃から200℃付近までの高温条件のいずれでも、化合物(C)の反応性を変えることにより実用的な条件での使用が可能となる。
(1)の条件としては、例えば寒冷地、冬場の屋外、冷蔵又は冷凍倉庫内等の環境であり、脂肪族アミンのような高反応性の化合物(C)を使うことで実用的な時間内での硬化が可能となる。
(2)の条件は、通常の環境であり、脂環式アミン類のような中程度の反応性を持つ化合物(C)を使うことで硬化可能である。
また(3)の条件は加熱を要する環境であり、どのような組成でも使用可能であるが、高反応性の化合物(C)を使うと可使時間が短くなり使いづらいため、芳香族アミンのような反応性の低い化合物(C)を使うことで作業性が向上する。
【0065】
また、前記化合物(A)は、硬化促進の目的で添加されるフェノール化合物、ポリアミン化合物のような刺激臭、ポリメルカプタン化合物のような特異臭もなく、作業性に優れている。
さらに、該(A)は、硬化反応を通じて、硬化物のネットワーク構造中に組み込まれるため、硬化物の耐水性、耐薬品性、耐候性、接着性等の物性の低下を招くことがない。
【0066】
本発明の硬化性組成物の硬化温度は好ましくは−25℃以上であり、低温でも硬化する。温度が高いほど速い硬化性を示す。より好ましくは0〜100℃であり、特に好ましくは5〜40℃である。硬化時間は数分〜100時間である。
【0067】
上記の効果を奏することから、本発明の硬化性組成物は、(i)重防食塗料、防食コーティング剤、塗り床用コーティング剤、外装用塗料、自動車用(電着)塗料、粉体塗料、プライマー等の塗料・コーティング剤、(ii)構造用接着剤、弾性接着剤、溶剤型反応性接着剤、粘接着剤、感圧接着剤等の接着剤、(iii)シーリング剤、(iv)コンクリート用補修注入剤、(v)繊維強化積層物等の積層物用マトリクス樹脂、(vi)注型絶縁材、半導体用封止剤、層間絶縁材、エッチングレジスト材、メッキレジスト、ソルダーレジスト等のエレクトロニクス用材料、(vii)補修用パテ、(viii)その他含浸、注入、成型等に使用される樹脂等として有用である。
【0068】
【実施例】
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
また、試験方法は以下の通りである。
(i)水酸基価:各エポキシ樹脂のエポキシ当量から前記の計算式(1)より算出した。
(ii)粘度:表3に示す混合物の初期及び40℃、3ヶ月保存後の粘度を、BL型粘度計(回転数30rpm、ローターNo.3、測定温度25℃)で測定した。
(iii)碁盤目試験:十分洗浄した冷間圧延鋼板上に表3に示す組成物を50μmの厚さに塗布し、25℃、65%RHの雰囲気下で7日間放置し、硬化させた後、JIS A 5400に規定された方法に従って碁盤目試験を行った。
(iv)耐水性:表3に示す組成物を25℃、65%RHの雰囲気下で7日間放置し、硬化させた。この硬化物を、室温下蒸留水に30日間浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定した。
(v)耐酸性:表3に示す組成物を25℃、65%RHの雰囲気下で7日間放置し、硬化させた。この硬化物を、室温下5%硫酸水溶液に30日間浸漬し、浸漬前後の重量変化を測定した。
【0069】
製造例1
反応容器に2−エチルヘキシルグリシジルエーテル(エポキシ当量186)186部(エポキシ基として1.0モル当量)、臭化リチウム5部を仕込んで攪拌し、窒素気流下、二硫化炭素80部(1.1モル)を40℃以下に保ちながら滴下した後、40℃で6時間熟成した。減圧下で過剰の二硫化炭素を留去した後、残渣を酢酸エチル200mlに溶解し、水50mlで2回洗浄後、飽和食塩水50mlで1回洗浄した。酢酸エチル相を無水硫酸マグネシウム10gで乾燥後、ろ過により無水硫酸マグネシウムを除き、酢酸エチルを減圧下留去することにより、5−(2−エチルヘキシルオキシメチル)−1,3−オキサチオラン−2−チオン(A−1)250g(0.95モル)を得た。
A−1の分析値
1H−NMR(CDCl3、ppm)0.86(t、6H)、1.20〜1.40(m、8H)、1.40〜1.55(m、1H)、3.37(d、2H)、3.58〜3.80(m、4H)、5.17〜5.26(m、1H)
【0070】
実施例1〜2、比較例1
表3に示した配合量で各成分(g)を混合、攪拌して本発明の硬化性組成物及び比較の硬化性組成物を調製し、各組成物及び成分に対して、前記の(i)〜(v)の性能評価試験を行った。その結果を表3に示した。
【0071】
【表3】
Figure 2005008819
【0072】
この結果より、本発明の硬化性組成物は、保存安定性に優れていることが明らかである。また、硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等の物性も良好である。
【0073】
【発明の効果】
本発明の硬化性組成物は、下記の効果を奏する。
(1)エポキシ樹脂混合物(B)の水酸基価が小さいため、複素環基(a)を有する化合物(A)及び該(B)の混合物の保存安定性に優れ、長期の保存が可能である。
(2)常温で高速硬化性を有し、−20〜5℃の低温でも迅速に硬化する。
(3)硬化物の耐水性、耐薬品性、接着性等の物性に優れる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される複素環基(a)を有する化合物(A)、水酸基価が0を超え14以下であるエポキシ樹脂(B)、及び1級又は2級アミノ基を有する化合物(C)からなる硬化性組成物。
    一般式(1)
    Figure 2005008819
    [式(1)中、X1、Y1及びZ1は、それぞれ独立に酸素又は硫黄原子;R1は炭素数2〜10の炭化水素基である。]
  2. 前記(B)がビスフェノールA型若しくはビスフェノールF型エポキシ樹脂混合物であり、前記水酸基が下記一般式(2)で示される化合物に由来するものである請求項1記載の硬化性組成物。
    一般式(2)
    Figure 2005008819
    [式(2)中、R3はメチル基又は水素原子を表す。nは1〜10の整数である。]
  3. 前記(B)がビスフェノールA若しくはビスフェノールF及びエピクロルヒドリンとの反応によって得られるものである請求項1又は2記載の硬化性組成物。
  4. 前記(a)が、下記一般式(3)で表される複素環基である請求項1〜3の何れか記載の硬化性組成物。
    一般式(3)
    Figure 2005008819
    [式(3)中、Y2、Z2の一方が硫黄原子で他方が酸素原子である。]
  5. さらに塩基性化合物、熱可塑性樹脂、脱臭剤、密着性向上剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、安定剤、可塑剤、ワックス、非反応性希釈剤、充填剤、顔料、染料、溶剤、発泡剤、脱水剤、帯電防止剤、抗菌剤、防かび剤、香料、難燃剤、及びレベリング剤からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有してなる請求項1〜4の何れか記載の硬化性組成物。
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