JP2005008787A - 押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 - Google Patents
押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005008787A JP2005008787A JP2003175963A JP2003175963A JP2005008787A JP 2005008787 A JP2005008787 A JP 2005008787A JP 2003175963 A JP2003175963 A JP 2003175963A JP 2003175963 A JP2003175963 A JP 2003175963A JP 2005008787 A JP2005008787 A JP 2005008787A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- film
- adhesive resin
- layer
- resin composition
- vapor
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Abstract
【課題】本発明は、包装材料としてのフィルム積層体における積層の際の押出ラミネート用接着樹脂層の厚さを極力薄くしてラミネート加工を可能とし、使用済み後の廃棄物として焼却の際のダイオキシン類の発生を抑制することが可能な、押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体を提供することを目的とする。
【解決手段】エチレン−メタクリル酸共重合体、またはエチレン−メタクリル酸共重合体に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を3〜15重量%添加してなることを特徴とする押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体である。
【選択図】図1
【解決手段】エチレン−メタクリル酸共重合体、またはエチレン−メタクリル酸共重合体に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を3〜15重量%添加してなることを特徴とする押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体である。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体に係わり、さらに詳細には、この押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて、プラスチック材料を主体とする基材間に溶融押し出し、押ラミネート加工時、その押出ラミネート用接着樹脂組成物の薄膜成膜を可能とし、かつ使用後の廃棄物として焼却する際のダイオキシン類の発生を抑制することが可能な押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱可塑性樹脂(プラスチック)物質は、産業資材、包装材料、などその使用上の便宜性から様々に用いれれているが、熱可塑性樹脂はそれ自体が殆どの構造的な特性によって使用後廃棄処理する方法の一つである埋め立ての場合は、熱可塑性樹脂骨格構造の化学的な硬さによって分解が容易でなく、それにより土壌を著しく汚染させる場合があり、かつ再活用のための分離除去に非常に高費用を要求する。従って、使用後の処理問題が社会・経済的に解決しがたい問題となってきた。このようなことから、熱可塑性樹脂物質の大部分は、使用後に一括的に焼却処理した方がより効果的である。しかしながら、日本の全国各地に設置されている焼却炉から出る排ガスや灰分中には相当量の塩化水素、塩素、ダイオキシン類が含有されているのが現状である。
【0003】
焼却炉でダイオキシン類の発生を抑制するためには焼却物を完全燃焼させる必要がありそのためには、焼却炉内で高い燃焼ガス温度、充分なガスの滞留時間と炉内での充分なガス撹拌・二次空気との混合が必要である。しかしながら、高い燃焼ガス温度を保持するためには、ランニングコストや維持管理費等が高くなり、また焼却炉の内壁の劣化がはやくなるため、より高温耐熱性に優れた耐火材を用いる必要がある。
【0004】
このようなことから、塩化水素または塩素またはダイオキシン類の発生を抑制する抑制剤が、例えば特許文献1に開示されている。すなわち、炭酸塩基物をダイオキシン等の抑制剤とし、この抑制剤と共に廃棄物を焼却する際に水を混合撹拌して廃棄物に混ぜるか、または水とは別に炭酸塩基物を焼却炉に投入すると言うことである。
【0005】
そこで、熱可塑性樹脂(プラスチック)を主体とする、産業資材、包装材料そのもの自体にダイオキシン類の発生を抑制する機能を持たせたり、一方では、産業資材、包装材料の減量化の要求が高まってきている。減量化の一例として、例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子等を包装する軟包装材料を積層構成する際の押出ラミネート加工時の接着樹脂層の厚さを極力薄くすることが要求されているが、従来、軟包装材料を積層構成する押出ラミネート接着樹脂として、汎用に用いられている低密度ポリエチレン樹脂等は、ドローダウン性に問題があり、ラミネート加工時の薄膜成膜が困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−159735号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、包装材料としてのフィルム積層体における積層の際の押出ラミネート用接着樹脂層の厚さを極力薄くしてラミネート加工を可能とし、使用済み後の廃棄物として焼却の際のダイオキシン類の発生を抑制することが可能な、押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、すなわち請求項1に係る発明は、
エチレン−メタクリル酸共重合体、またはエチレン−メタクリル酸共重合体に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を3〜15重量%添加してなることを特徴とする押出ラミネート用接着樹脂組成物である。
【0009】
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて、プラスチック材料を主体とする基材間に、該押出ラミネート用接着樹脂組成物を溶融押し出して積層してなることを特徴とするフィルム積層体である。
【0010】
請求項3に係る発明は、
前記溶融押し出す押出ラミネート用接着樹脂組成物層の厚さが、3〜7μmの範囲を満たすことを特徴とする請求項2記載のフィルム積層体である。
【0011】
請求項4に係る発明は、
プラスチック材料からなる基材層、蒸着フィルム層、シーラント層からなる積層体において、
前記押出ラミネート用接着樹脂組成物を、プラスチック材料からなる基材層と蒸着フィルム層の間、および蒸着フィルム層とシーラント層の間に溶融押し出し、順次積層したことを特徴とする請求項2または3記載のフィルム積層体である。
【0012】
請求項5に係る発明は、
前記蒸着フィルムが、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドまたは/およびその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を、この順に順次積層してなることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0013】
請求項6に係る発明は、
前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0014】
請求項7に係る発明は、
前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0015】
請求項8に係る発明は、
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフィルム積層体の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、例えば本発明のフィルム積層体1は、プラスチック材料からなる基材21の片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層22、ガスバリア性被覆層23を順次積層した蒸着フィルム20のプラスチック材料からなる基材21側に、さらにプラスチック材料からなる基材10を、一方、蒸着フィルム20の蒸着層側にシーラントフィルム層30を、各々本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物40を溶融押出して積層してなる積層体である。
【0017】
上記の本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物40が、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、またはエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン類の発生抑制剤を3〜15重量%、好ましくは6〜10重量%添加してなることを特徴とするものである。
【0018】
本発明において用いられるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)としては、メタクリル酸(MAA)含量が5〜11重量%の範囲で、密度が0.920〜0.942g/cm3、メルトフローレート(MFR)が8〜13g/10分のエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)が好適に用いられる。
【0019】
本発明において用いられる低密度ポリエチレンとしては、多くの長鎖分岐を有する構造を有する優れた押出特性を持つ分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)やシングルサイト系触媒から得られる、エチレンと炭素数3〜20のα―オレフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが用いられる。エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)に配合される添加量は、30重量%未満が好ましい。
【0020】
本発明において用いられるダイオキシン類の発生抑制剤としては、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤であって、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主体とする化合物は、塩化水素または塩素またはダイオキシン類の発生を抑制するのに有用であり、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および酸化物は炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムに比較して単位重量当たりのマグネシウムイオンやカルシウムイオンが多く、従って単位重量当たりの塩化水素または塩素またはダイオキシン類の抑制能力が高いものである。エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、またはエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、添加される抑制剤の量は樹脂に対して、3〜10重量%の範囲が望ましい。この範囲の添加量であれば、ダイオキシン類の発生抑制効果と押出ラミネート加工時の薄膜成膜に問題がない。また、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムを主体とする抑制剤は廃棄物を焼却する際に水を必要としないで、電気炉で廃棄物を焼却することができる。
【0021】
上記で得られる本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物は、ダイオキシン類の発生抑制効果に優れるとともに、ドローダウン性に優れ押出ラミネート加工時の従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能なものである。
【0022】
本発明において用いられるプラスチック材料からなる基材10は、透明なフィルム基材であることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。また,この基材に、周知の種々の添加剤や安定剤等を添加することもできる。例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが挙げられる。また、この基材に他の各層を積層する場合の密着性を良くするために、基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
【0023】
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また、包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。なお、他の各層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0024】
本発明において用いられる蒸着フィルム20は、プラスチック材料からなる基材21の片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層22、ガスバリア性被覆層23を順次積層した構成からなり、蒸着薄膜層22とガスバリア性被膜層23は、いずれもガスバリア層として機能するものである。以下、本発明におけるガスバリア層を形成する各層についてさらに詳細に説明する。
【0025】
プラスチック材料からなる基材21としては、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルム基材であることが好ましい。プラスチック材料からなる基材10に用いられると同様、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わないが、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステルフィルムが好適に用いられる。さらに、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが特に好ましく用いられる。また,この基材に、周知の種々の添加剤や安定剤等を添加することもできる。例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが挙げられる。また、この基材に他の各層を積層する場合の密着性を良くするために、基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
【0026】
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、他の各層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0027】
まず、無機酸化物からなる蒸着薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。これらの中では、特に酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはこれらの混合物が好ましい。ただし、本発明における蒸着薄膜層は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0028】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
【0029】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層をプラスチック材料からなる基材上に形成する方法としては、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいづれかが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0030】
次に、ガスバリア性被膜層について説明する。
本発明におけるガスバリア性被膜層は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよび/または加水分解物または、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を無機酸化物からなる蒸着薄膜層上にコーティング後、加熱乾燥し形成される。このコーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
【0031】
本発明におけるコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとして例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を含み、特に限定されない。
【0032】
また、コーティング剤に使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
【0033】
さらに、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C2H5等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などが挙げられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0034】
コーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
【0035】
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
【0036】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0037】
シーラントフィルム層は、包装材料として製袋等の包装体とするときの熱接着層として作用するものである。
【0038】
本発明で用いられるシーラントフィルム層を構成する素材としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンおよびプロピレン系共重合体フィルム等が挙げられる。
【0039】
それらの選択に当たっては、シーラントフィルム層の厚さ等も考慮してその素材を選ぶことが必要となる。厚さとしては、10〜200μmの範囲が望ましい。10μm未満では、包装材料として十分な強度が得られない。200μmを超えると経済的に不利である。
【0040】
本発明のフィルム積層体を積層する方法は、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて押出ラミネーション法により積層する。従来では実現できない、押出ラミネート加工時の薄膜成膜できることを特徴とし、その接着樹脂層の厚さは3〜7μmの範囲が望ましい。押出条件は、用いるプラスチック材料からなる基材の種類、ラミネート構成、用途等により適宜加工条件を設定することができる。
【0041】
本発明のフィルム積層体には、必要に応じて印刷層を設けることができる。この印刷層は、包装体などとして実用的に用いるために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の乾燥膜厚(固形分)は0.1〜2.0μmで良い。
【0042】
上記で得られる本発明のフィルム積層体は、ダイオキシン類の発生抑制効果に優れるとともに、ドローダウン性に優れ押出ラミネート加工時の従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能な、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層してあることから、積層接着層が極めて薄くできフィルム積層体の減量化を実現でき、またフィルム積層体自体もダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生抑制効果に優れるもである。特に、炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に混合したダイオキシン類発生抑制剤を用いたことで、フィルム積層体廃棄物を焼却する炉として燃料を使用する焼却炉にも水分のない電気炉にも適用できる利点がある。
【0043】
上記で得られる本発明のフィルム積層体は、例えば、水産加工品、畜肉加工品や、茶、コーヒー、紅茶、鰹節、とろろ昆布、油菓子、米菓、ビスケット、クッキー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品分野等の包装材料として、広範囲にわたって使用できる。
【0044】
【実施例】
以下、図1を参照して具体的な実施例を挙げて本発明を説明する。
まず、蒸着フィルム20として、プラスチックフィルム基材21として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さ150Åの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層22を形成した。この蒸着薄膜層22の上に、下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃1分間乾燥させ厚さ0.5μmのガスバリア性被膜層23を形成した蒸着フィルム20を作成した。
【0045】
〈コーティング剤の組成〉
コーティング剤の組成は、下記(1)液と(2)液を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液。(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
【0046】
次に、上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、エチレンーメタクリル樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ニュクレルAN4228C」)に低密度ポリエチレン(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名「スミカセン14P」)を10重量%配合し、さらに粉末状の水酸化カルシウムと粉末状の水酸化マグネシウムと粉末状の炭酸マグネシウムと粉末状の炭酸カルシウムとを重量比率77:2:6:14で混合したダイオキシン生成抑制剤を、上記の樹脂に6重量%添加して得られるマスターバッチを作成し、押出ラミネート用接着性樹脂組成物を得た。
【0047】
上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、この押出ラミネート用接着性樹脂組成物を溶融押し出し、厚さ5μmの接着性樹脂層40を介して上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム10を積層した後、さらに蒸着フィルム20のガスバリア被覆層23の面に、前記と同様の押出ラミネート用接着性樹脂組成物を用いて、同様厚さ5μmの接着性樹脂層40を介して、シーラントフィルム30として厚さ20μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層して、本発明のフィルム積層体を作成した。
【0048】
上記で得られた本発明のフィルム積層体は、押出ラミネート加工において、従来では実現不可能な厚さ5μmの薄い接着性樹脂層40を介して押出ラミネート加工が可能であった。そして、接着性も実用上問題のないことが確認された。
また、上記で得られた本発明のフィルム積層体を、小型焼却炉を使用しダイオキシン類の測定結果からダイオキシン類の発生を抑制することが確認された。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、エチレン−メタクリル酸共重合体を主体とする樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を含有する特定の樹脂組成物としたことから、ダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生抑制効果に優れるとともに、押出成膜時のドローダウン性に優れ、押出ラミネート加工において、従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能な押出ラミネート用接着樹脂組成物を提供できる。
【0050】
そして、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層して得られる本発明のフィルム積層体は、ダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生をも抑制する優れた効果を奏するものである。
【0051】
また、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層して得られる本発明のフィルム積層体は、押出ラミネート加工時、ラミネート接着樹脂層の厚さが極めて薄い薄膜を形成して積層されていることから、積層フィルムの減量化を図ることができる。
【0052】
また、本発明のフィルム積層体は、例えば、水産加工品、畜肉加工品や、茶、コーヒー、紅茶、鰹節、とろろ昆布、油菓子、米菓、ビスケット、クッキー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品分野等の包装材料として、広範囲にわたって使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのフィルム積層体の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・フィルム積層体
10・・・プラスチック基材層
20・・・蒸着フィルム
21・・・ポリエステル系プラスチックフィルム基材層
22・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
23・・・ガスバリア性被覆層
30・・・シーラントフィルム層
40・・・押出ラミネート用接着樹脂層
【発明の属する技術分野】
本発明は、押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体に係わり、さらに詳細には、この押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて、プラスチック材料を主体とする基材間に溶融押し出し、押ラミネート加工時、その押出ラミネート用接着樹脂組成物の薄膜成膜を可能とし、かつ使用後の廃棄物として焼却する際のダイオキシン類の発生を抑制することが可能な押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、熱可塑性樹脂(プラスチック)物質は、産業資材、包装材料、などその使用上の便宜性から様々に用いれれているが、熱可塑性樹脂はそれ自体が殆どの構造的な特性によって使用後廃棄処理する方法の一つである埋め立ての場合は、熱可塑性樹脂骨格構造の化学的な硬さによって分解が容易でなく、それにより土壌を著しく汚染させる場合があり、かつ再活用のための分離除去に非常に高費用を要求する。従って、使用後の処理問題が社会・経済的に解決しがたい問題となってきた。このようなことから、熱可塑性樹脂物質の大部分は、使用後に一括的に焼却処理した方がより効果的である。しかしながら、日本の全国各地に設置されている焼却炉から出る排ガスや灰分中には相当量の塩化水素、塩素、ダイオキシン類が含有されているのが現状である。
【0003】
焼却炉でダイオキシン類の発生を抑制するためには焼却物を完全燃焼させる必要がありそのためには、焼却炉内で高い燃焼ガス温度、充分なガスの滞留時間と炉内での充分なガス撹拌・二次空気との混合が必要である。しかしながら、高い燃焼ガス温度を保持するためには、ランニングコストや維持管理費等が高くなり、また焼却炉の内壁の劣化がはやくなるため、より高温耐熱性に優れた耐火材を用いる必要がある。
【0004】
このようなことから、塩化水素または塩素またはダイオキシン類の発生を抑制する抑制剤が、例えば特許文献1に開示されている。すなわち、炭酸塩基物をダイオキシン等の抑制剤とし、この抑制剤と共に廃棄物を焼却する際に水を混合撹拌して廃棄物に混ぜるか、または水とは別に炭酸塩基物を焼却炉に投入すると言うことである。
【0005】
そこで、熱可塑性樹脂(プラスチック)を主体とする、産業資材、包装材料そのもの自体にダイオキシン類の発生を抑制する機能を持たせたり、一方では、産業資材、包装材料の減量化の要求が高まってきている。減量化の一例として、例えば、ポテトチップスなどのスナック菓子等を包装する軟包装材料を積層構成する際の押出ラミネート加工時の接着樹脂層の厚さを極力薄くすることが要求されているが、従来、軟包装材料を積層構成する押出ラミネート接着樹脂として、汎用に用いられている低密度ポリエチレン樹脂等は、ドローダウン性に問題があり、ラミネート加工時の薄膜成膜が困難であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−159735号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、包装材料としてのフィルム積層体における積層の際の押出ラミネート用接着樹脂層の厚さを極力薄くしてラミネート加工を可能とし、使用済み後の廃棄物として焼却の際のダイオキシン類の発生を抑制することが可能な、押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、すなわち請求項1に係る発明は、
エチレン−メタクリル酸共重合体、またはエチレン−メタクリル酸共重合体に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を3〜15重量%添加してなることを特徴とする押出ラミネート用接着樹脂組成物である。
【0009】
請求項2に係る発明は、
請求項1記載の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて、プラスチック材料を主体とする基材間に、該押出ラミネート用接着樹脂組成物を溶融押し出して積層してなることを特徴とするフィルム積層体である。
【0010】
請求項3に係る発明は、
前記溶融押し出す押出ラミネート用接着樹脂組成物層の厚さが、3〜7μmの範囲を満たすことを特徴とする請求項2記載のフィルム積層体である。
【0011】
請求項4に係る発明は、
プラスチック材料からなる基材層、蒸着フィルム層、シーラント層からなる積層体において、
前記押出ラミネート用接着樹脂組成物を、プラスチック材料からなる基材層と蒸着フィルム層の間、および蒸着フィルム層とシーラント層の間に溶融押し出し、順次積層したことを特徴とする請求項2または3記載のフィルム積層体である。
【0012】
請求項5に係る発明は、
前記蒸着フィルムが、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドまたは/およびその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を、この順に順次積層してなることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0013】
請求項6に係る発明は、
前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0014】
請求項7に係る発明は、
前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0015】
請求項8に係る発明は、
前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のフィルム積層体である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明のフィルム積層体の構成の一例を示す断面図である。図1に示すように、例えば本発明のフィルム積層体1は、プラスチック材料からなる基材21の片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層22、ガスバリア性被覆層23を順次積層した蒸着フィルム20のプラスチック材料からなる基材21側に、さらにプラスチック材料からなる基材10を、一方、蒸着フィルム20の蒸着層側にシーラントフィルム層30を、各々本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物40を溶融押出して積層してなる積層体である。
【0017】
上記の本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物40が、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、またはエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン類の発生抑制剤を3〜15重量%、好ましくは6〜10重量%添加してなることを特徴とするものである。
【0018】
本発明において用いられるエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)としては、メタクリル酸(MAA)含量が5〜11重量%の範囲で、密度が0.920〜0.942g/cm3、メルトフローレート(MFR)が8〜13g/10分のエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)が好適に用いられる。
【0019】
本発明において用いられる低密度ポリエチレンとしては、多くの長鎖分岐を有する構造を有する優れた押出特性を持つ分岐状低密度ポリエチレン(LDPE)やシングルサイト系触媒から得られる、エチレンと炭素数3〜20のα―オレフィンとの共重合体からなる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などが用いられる。エチレン−メタアクリル酸共重合体(EMAA)に配合される添加量は、30重量%未満が好ましい。
【0020】
本発明において用いられるダイオキシン類の発生抑制剤としては、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤であって、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主体とする化合物は、塩化水素または塩素またはダイオキシン類の発生を抑制するのに有用であり、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および酸化物は炭酸マグネシウムと炭酸カルシウムに比較して単位重量当たりのマグネシウムイオンやカルシウムイオンが多く、従って単位重量当たりの塩化水素または塩素またはダイオキシン類の抑制能力が高いものである。エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、またはエチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、添加される抑制剤の量は樹脂に対して、3〜10重量%の範囲が望ましい。この範囲の添加量であれば、ダイオキシン類の発生抑制効果と押出ラミネート加工時の薄膜成膜に問題がない。また、水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムを主体とする抑制剤は廃棄物を焼却する際に水を必要としないで、電気炉で廃棄物を焼却することができる。
【0021】
上記で得られる本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物は、ダイオキシン類の発生抑制効果に優れるとともに、ドローダウン性に優れ押出ラミネート加工時の従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能なものである。
【0022】
本発明において用いられるプラスチック材料からなる基材10は、透明なフィルム基材であることが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わない。また,この基材に、周知の種々の添加剤や安定剤等を添加することもできる。例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが挙げられる。また、この基材に他の各層を積層する場合の密着性を良くするために、基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
【0023】
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、また、包装材料としての適性を考慮して単体フィルム以外に異なる性質のフィルムを積層したフィルムを使用できる。なお、他の各層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0024】
本発明において用いられる蒸着フィルム20は、プラスチック材料からなる基材21の片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層22、ガスバリア性被覆層23を順次積層した構成からなり、蒸着薄膜層22とガスバリア性被膜層23は、いずれもガスバリア層として機能するものである。以下、本発明におけるガスバリア層を形成する各層についてさらに詳細に説明する。
【0025】
プラスチック材料からなる基材21としては、蒸着薄膜層の透明性を生かすために透明なフィルム基材であることが好ましい。プラスチック材料からなる基材10に用いられると同様、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステルフィルム、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリルニトリルフィルム、ポリイミドフィルム等が用いることができる。これらは、機械的強度や寸法安定性を有するものであれば、延伸されたものでも未延伸のものでも構わないが、特にポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのポリエステルフィルムが好適に用いられる。さらに、二軸方向に任意に延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムが特に好ましく用いられる。また,この基材に、周知の種々の添加剤や安定剤等を添加することもできる。例えば、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤などが挙げられる。また、この基材に他の各層を積層する場合の密着性を良くするために、基材の積層面側を前処理としてコロナ処理、低温プラズマ処理、イオンボンバード処理、薬品処理、溶剤処理などのいずれかの処理を施しても良い。
【0026】
基材の厚さはとくに制限を受けるものではなく、他の各層を形成する場合の加工性を考慮すると、実用的には3〜200μmの範囲が好ましく、特に6〜30μmとすることが好ましい。
【0027】
まず、無機酸化物からなる蒸着薄膜層は、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化錫、酸化マグネシウム、あるいはそれらの混合物などの無機酸化物の蒸着膜からなり、透明性を有しかつ酸素、水蒸気等のガスバリア性を有する層であればよい。これらの中では、特に酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはこれらの混合物が好ましい。ただし、本発明における蒸着薄膜層は、上述した無機酸化物に限定されず、上記条件に適合する材料であれば用いることができる。
【0028】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層の厚さは、用いられる無機化合物の種類・構成により最適条件が異なるが、一般的には5〜300nmの範囲内が望ましく、その値は適宜選択される。ただし膜厚が5nm未満であると均一な膜が得られないことや膜厚が十分ではないことがあり、ガスバリア材としての機能を十分に果たすことができない場合がある。また膜厚が300nmを越える場合は薄膜にフレキシビリティを保持させることができず、成膜後に折り曲げ、引っ張りなどの外的要因により、薄膜に亀裂を生じるおそれがある。好ましくは、10〜150nmの範囲内である。
【0029】
無機酸化物からなる蒸着薄膜層をプラスチック材料からなる基材上に形成する方法としては、通常の真空蒸着法により形成することができる。また、その他の薄膜形成方法であるスパッタリング法やイオンプレーティング法、プラズマ気相成長法(CVD)などを用いることも可能である。但し、生産性を考慮すれば、現時点では真空蒸着法が最も優れている。真空蒸着法の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱方式、誘導加熱方式のいづれかが好ましい。また蒸着薄膜層と基材の密着性及び蒸着薄膜層の緻密性を向上させるために、プラズマアシスト法やイオンビームアシスト法を用いて蒸着することも可能である。また、蒸着膜の透明性を上げるために蒸着の際、酸素ガスなど吹き込む反応蒸着を行っても一向に構わない。
【0030】
次に、ガスバリア性被膜層について説明する。
本発明におけるガスバリア性被膜層は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよび/または加水分解物または、(b)塩化錫、の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を用いて形成される。例えば、水溶性高分子と塩化錫を水系(水あるいは水/アルコール混合)溶媒で溶解させた溶液、あるいはこれに金属アルコキシドを直接、あるいは予め加水分解させるなど処理を行ったものを混合した溶液を調整し溶液とする。この溶液を無機酸化物からなる蒸着薄膜層上にコーティング後、加熱乾燥し形成される。このコーティング剤に含まれる各成分についてさらに詳細に説明する。
【0031】
本発明におけるコーティング剤に用いられる水溶性高分子は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。特に、ポリビニルアルコール(以下、PVAと略す)を本発明のコーティング剤に用いた場合にガスバリア性が最も優れる。ここでいうPVAは、一般にポリ酢酸ビニルをけん化して得られるものである。PVAとして例えば、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分けん化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全PVA等を含み、特に限定されない。
【0032】
また、コーティング剤に使用される塩化錫は、塩化第一錫(SnCl2)、塩化第二錫(SnCl4)、あるいはそれらの混合物であってもよい。またこれらの塩化錫は、無水物でも水和物でもあってもよい。
【0033】
さらに、金属アルコキシドは、一般式、M(OR)n(M:Si,Ti,Al,Zr等の金属、R:CH3 ,C2H5等のアルキル基)で表せる化合物である。具体的には、テトラエトキシシラン〔Si(OC2H5)4〕、トリイソプロポキシアルミニウム〔Al(O−2’−C3H7)3〕などが挙げられ、中でもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキシアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中において比較的安定であるので好ましい。
【0034】
コーティング剤のガスバリア性を損なわない範囲で、イソシアネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などの公知の添加剤を必要に応じて加えることができる。
【0035】
例えば、コーティング剤に加えられるイソシアネート化合物としては、その分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが好ましい。例えばトリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノマー類と、これらの重合体、誘導体が挙げられる。
【0036】
コーティング剤の塗布方法には、通常用いられるディッピング法、ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法、グラビア印刷法などの従来公知の手段を用いることができる。被膜の厚さは、コーティング剤の種類や加工機や加工条件によって異なる。乾燥後の厚さが、0.01μm以下の場合は、均一な塗膜が得られず十分なガスバリア性を得られない場合があるので好ましくない。また厚さが50μmを超える場合は膜にクラックが生じ易くなるため問題がある。好ましくは0.01〜50μmの範囲にあることが好ましく、より好ましくは0.1〜10μmの範囲にあることである。
【0037】
シーラントフィルム層は、包装材料として製袋等の包装体とするときの熱接着層として作用するものである。
【0038】
本発明で用いられるシーラントフィルム層を構成する素材としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどのポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレンおよびプロピレン系共重合体フィルム等が挙げられる。
【0039】
それらの選択に当たっては、シーラントフィルム層の厚さ等も考慮してその素材を選ぶことが必要となる。厚さとしては、10〜200μmの範囲が望ましい。10μm未満では、包装材料として十分な強度が得られない。200μmを超えると経済的に不利である。
【0040】
本発明のフィルム積層体を積層する方法は、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて押出ラミネーション法により積層する。従来では実現できない、押出ラミネート加工時の薄膜成膜できることを特徴とし、その接着樹脂層の厚さは3〜7μmの範囲が望ましい。押出条件は、用いるプラスチック材料からなる基材の種類、ラミネート構成、用途等により適宜加工条件を設定することができる。
【0041】
本発明のフィルム積層体には、必要に応じて印刷層を設けることができる。この印刷層は、包装体などとして実用的に用いるために形成されるものである。例えば、ウレタン系、アクリル系、ニトロセルロース系、ゴム系等の従来から用いられているインキバインダー樹脂に各種顔料、体質顔料及び可塑剤、乾燥剤、安定剤等の添加剤などが添加されてなるインキにより構成される層である。この印刷により、文字、絵柄等が形成されている。形成方法としては、例えばオフセット印刷法、グラビア印刷法、シルクスクリーン印刷法等の周知の印刷方式や、ロールコート、ナイフエッジコート、グラビアーコート等の周知の塗布方式を用いることができる。印刷層の乾燥膜厚(固形分)は0.1〜2.0μmで良い。
【0042】
上記で得られる本発明のフィルム積層体は、ダイオキシン類の発生抑制効果に優れるとともに、ドローダウン性に優れ押出ラミネート加工時の従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能な、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層してあることから、積層接着層が極めて薄くできフィルム積層体の減量化を実現でき、またフィルム積層体自体もダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生抑制効果に優れるもである。特に、炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に混合したダイオキシン類発生抑制剤を用いたことで、フィルム積層体廃棄物を焼却する炉として燃料を使用する焼却炉にも水分のない電気炉にも適用できる利点がある。
【0043】
上記で得られる本発明のフィルム積層体は、例えば、水産加工品、畜肉加工品や、茶、コーヒー、紅茶、鰹節、とろろ昆布、油菓子、米菓、ビスケット、クッキー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品分野等の包装材料として、広範囲にわたって使用できる。
【0044】
【実施例】
以下、図1を参照して具体的な実施例を挙げて本発明を説明する。
まず、蒸着フィルム20として、プラスチックフィルム基材21として、厚さ12μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に、電子線加熱方式による真空蒸着装置により、厚さ150Åの酸化アルミニウムを蒸着して無機酸化物からなる蒸着薄膜層22を形成した。この蒸着薄膜層22の上に、下記組成からなるコーティング剤をグラビアコート法により塗布し、その後120℃1分間乾燥させ厚さ0.5μmのガスバリア性被膜層23を形成した蒸着フィルム20を作成した。
【0045】
〈コーティング剤の組成〉
コーティング剤の組成は、下記(1)液と(2)液を配合比(wt%)で60/40に混合したものである。
(1)液:テトラエトキシシラン10.4gに塩酸(0.1N)89.6gを加え、30分間撹拌し、加水分解させた固形分3wt%(SiO2換算)の加水分解溶液。
(2)液:ポリビニルアルコールの3wt%水/イソプロピルアルコール溶液。(水:イソプロピルアルコール重量比で90:10)
【0046】
次に、上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、エチレンーメタクリル樹脂(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、商品名「ニュクレルAN4228C」)に低密度ポリエチレン(三井住友ポリオレフィン株式会社製、商品名「スミカセン14P」)を10重量%配合し、さらに粉末状の水酸化カルシウムと粉末状の水酸化マグネシウムと粉末状の炭酸マグネシウムと粉末状の炭酸カルシウムとを重量比率77:2:6:14で混合したダイオキシン生成抑制剤を、上記の樹脂に6重量%添加して得られるマスターバッチを作成し、押出ラミネート用接着性樹脂組成物を得た。
【0047】
上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、この押出ラミネート用接着性樹脂組成物を溶融押し出し、厚さ5μmの接着性樹脂層40を介して上記で得られた蒸着フィルム20の基材層21側に、厚さ20μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルム10を積層した後、さらに蒸着フィルム20のガスバリア被覆層23の面に、前記と同様の押出ラミネート用接着性樹脂組成物を用いて、同様厚さ5μmの接着性樹脂層40を介して、シーラントフィルム30として厚さ20μmの無軸延伸ポリプロピレンフィルムを積層して、本発明のフィルム積層体を作成した。
【0048】
上記で得られた本発明のフィルム積層体は、押出ラミネート加工において、従来では実現不可能な厚さ5μmの薄い接着性樹脂層40を介して押出ラミネート加工が可能であった。そして、接着性も実用上問題のないことが確認された。
また、上記で得られた本発明のフィルム積層体を、小型焼却炉を使用しダイオキシン類の測定結果からダイオキシン類の発生を抑制することが確認された。
【0049】
【発明の効果】
本発明により、エチレン−メタクリル酸共重合体を主体とする樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を含有する特定の樹脂組成物としたことから、ダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生抑制効果に優れるとともに、押出成膜時のドローダウン性に優れ、押出ラミネート加工において、従来の技術では実現不可能な薄膜成膜が可能な押出ラミネート用接着樹脂組成物を提供できる。
【0050】
そして、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層して得られる本発明のフィルム積層体は、ダイオキシン類はもとより、塩化水素、塩素の発生をも抑制する優れた効果を奏するものである。
【0051】
また、本発明の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて積層して得られる本発明のフィルム積層体は、押出ラミネート加工時、ラミネート接着樹脂層の厚さが極めて薄い薄膜を形成して積層されていることから、積層フィルムの減量化を図ることができる。
【0052】
また、本発明のフィルム積層体は、例えば、水産加工品、畜肉加工品や、茶、コーヒー、紅茶、鰹節、とろろ昆布、油菓子、米菓、ビスケット、クッキー、ケーキ、饅頭、カステラ、チーズ、バター、切り餅、スープ、ソース、ラーメン、わさびなどの食品分野等の包装材料として、広範囲にわたって使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのフィルム積層体の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・フィルム積層体
10・・・プラスチック基材層
20・・・蒸着フィルム
21・・・ポリエステル系プラスチックフィルム基材層
22・・・無機酸化物からなる蒸着薄膜層
23・・・ガスバリア性被覆層
30・・・シーラントフィルム層
40・・・押出ラミネート用接着樹脂層
Claims (8)
- エチレン−メタクリル酸共重合体、またはエチレン−メタクリル酸共重合体に低密度ポリエチレンを30重量%未満含有する樹脂に、マグネシウム、カルシウムの水酸化物および/または酸化物を主成分とする化合物に、さらに炭酸マグネシウムおよび/または炭酸カルシウムを配合してなるダイオキシン発生抑制剤を3〜15重量%添加してなることを特徴とする押出ラミネート用接着樹脂組成物。
- 請求項1記載の押出ラミネート用接着樹脂組成物を用いて、プラスチック材料を主体とする基材間に、該押出ラミネート用接着樹脂組成物を溶融押し出して積層してなることを特徴とするフィルム積層体。
- 前記溶融押し出す押出ラミネート用接着樹脂組成物層の厚さが、3〜7μmの範囲を満たすことを特徴とする請求項2記載のフィルム積層体。
- プラスチック材料からなる基材層、蒸着フィルム層、シーラント層からなる積層体において、
前記押出ラミネート用接着樹脂組成物を、プラスチック材料からなる基材層と蒸着フィルム層の間、および蒸着フィルム層とシーラント層の間に溶融押し出し、順次積層したことを特徴とする請求項2または3記載のフィルム積層体。 - 前記蒸着フィルムが、プラスチック材料からなる基材の少なくとも片面に、無機酸化物からなる蒸着薄膜層、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドまたは/およびその加水分解物又は、(b)塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液あるいは水/アルコール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し加熱乾燥してなるガスバリア性被膜層を、この順に順次積層してなることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のフィルム積層体。
- 前記無機酸化物からなる蒸着薄膜層が、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のフィルム積層体。
- 前記金属アルコキシドが、テトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアルミニウムあるいはそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれか1項に記載のフィルム積層体。
- 前記水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のフィルム積層体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003175963A JP2005008787A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003175963A JP2005008787A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005008787A true JP2005008787A (ja) | 2005-01-13 |
Family
ID=34098964
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003175963A Pending JP2005008787A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | 押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005008787A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542841A (ja) * | 2006-06-29 | 2009-12-03 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 保護接着フィルム |
WO2022085586A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリア積層体及び包装材 |
-
2003
- 2003-06-20 JP JP2003175963A patent/JP2005008787A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009542841A (ja) * | 2006-06-29 | 2009-12-03 | ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド | 保護接着フィルム |
WO2022085586A1 (ja) * | 2020-10-23 | 2022-04-28 | 凸版印刷株式会社 | ガスバリア積層体及び包装材 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4200972B2 (ja) | ガスバリア積層フィルム | |
JP4085814B2 (ja) | 積層体 | |
EP2408016A1 (en) | Underside protective sheet for solar cell, solar cell module, and gas-barrier film | |
JP2007301878A (ja) | 透明蒸着フィルム及び包装材料 | |
JP2006056092A (ja) | 強密着蒸着フィルムおよびそれを用いたレトルト用包装材料 | |
JP2008073986A (ja) | ガスバリア性積層フィルム | |
JP4784039B2 (ja) | 帯電防止性能を有する強密着蒸着フィルム | |
JP2006205626A (ja) | 包装材料 | |
JP2004203023A (ja) | 高性能バリアフィルム | |
JP2006256091A (ja) | 加熱処理耐性を有するガスバリアフィルム積層体 | |
JP2007069487A (ja) | 積層フィルム | |
JP2002308286A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP2005008787A (ja) | 押出ラミネート用接着樹脂組成物およびそれを用いたフィルム積層体 | |
JP2003326633A (ja) | 積層材およびそれを使用した包装用袋 | |
JP2007126181A (ja) | 紫外線カット性包装材料 | |
JP4225032B2 (ja) | 加熱処理耐性を有するガスバリアフィルム積層体 | |
JP2000052475A (ja) | バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材 | |
JP2005349582A (ja) | 透明ガスバリア積層フィルムおよびそれを使用した蓋材 | |
JPWO2004020309A1 (ja) | 引裂き性を有するガスバリア性包装袋 | |
JP2006130669A (ja) | 加熱処理耐性を有するガスバリア性フィルム積層体 | |
JP4626324B2 (ja) | ガスバリアフィルム積層体およびその製造方法 | |
JP2002166487A (ja) | ガスバリア性積層フィルムおよびこの積層フィルムを用いた包装材料 | |
JP2002308285A (ja) | レトルト用パウチ | |
JP4998063B2 (ja) | ガスバリア性積層フィルム、その製造方法、それを使用した包装用積層材、および包装袋 | |
JP2000185375A (ja) | ガスバリア性積層フィルム |