JP2005008773A - 廃プラスチックからの有用物回収方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックから有用化学原料である有用物を回収する有用物回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油化学工業の発展とプラスチック合成、加工技術の進歩に伴い、種々のプラスチック製品が大量に生産され、これに伴って使用済みのプラスチック製品を産業廃棄物や一般廃棄物として排出される廃プラスチックの量も、急速に増加してきた。例えば平成13年の我が国における廃プラスチックの量は年間1000万トンを超えるに至った。更に、この廃プラスチックの量の増加傾向は続いており、廃プラスチックの処分問題は深刻化しつつある。
現在、このような廃プラスチックの50%前後は単純焼却や埋立によって処分されている。しかしながら、燃焼熱カロリーの高い廃プラスチックを通常のゴミ焼却場で焼却処分すると、異常燃焼し、焼却炉の炉体等を傷めるという問題がある。そして、廃プラスチックを単純焼却することで、大気中に放出される炭酸ガスが増加し、地球温暖化という観点からも問題がある。
【0003】
一方、廃プラスチックを埋立によって処分する場合には、廃プラスチックは軽くてかさばるため、廃棄物の中でも大きな容積を占め、埋め立て地などの廃棄物最終処分場の用地不足が切迫化してきた現在、将来に亘ってこのような処分方法を続けることは困難である。
従って、廃棄物処理という地球環境の観点からも、また資源(原油)の枯渇という地球資源の観点からも廃棄されたプラスチックをもう一度再利用(リサイクル)することが非常に重要になってきた。
【0004】
この廃プラスチックのリサイクル方法は、▲1▼廃プラスチックをそのまま再利用するマテリアルリサイクル、▲2▼廃プラスチックをモノマーへ解重合したり、化学的に分解して有用化学原料として回収するケミカルリサイクル、▲3▼廃プラスチックを熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクルなどに大別できる。
これら複数のリサイクル方法のうちで、サーマルリサイクルはプラスチックを石油燃料の代替とする、と言う位置づけであり、単純焼却とたいして相違がなく、エネルギー変換効率も余り良くない。また焼却によって地球温暖化ガス(炭酸ガス)を放出するという問題が残り、最も好ましいリサイクル方法とは言えない。
【0005】
一方マテリアルリサイクルは、廃プラスチックスチックをプラスチックとして再利用するため、エネルギー的には、好ましい方法である。しかしながら、廃プラスチックは他の無機金属材料と複合化された製品も多く、再利用する場合には、これらの不必要なものを除去処理しなければならない問題がある。また再処理工程、再成形工程で受ける熱履歴等で当初そのプラスチックが持っていた物性が劣化したり、着色などの問題がある。このため再利用の用途が限られてしまうという問題がある。
これに対して、ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に分解して化学原料に戻し、新たな合成樹脂や化成品を新規に合成することから、広範囲な用途に利用でき、最近注目され始めている。
【0006】
そこで、上記したケミカルリサイクルの方法を適用して、光ディスクなどに良く用いられているポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを化学的に分解して、モノマー等の有用化学原料を回収する廃プラスチックからの有用物回収方法が盛んに研究されており、いくつかの特許が提案されている。例えば、特公平6−25086号公報(特許文献1)に開示されたスクラップポリエステルからの二価フェノール回収方法では、ポリカーボネート樹脂にアンモニア水と有機溶媒として塩化アルキルを加え、この溶液を撹拌すると化学的な分解が起こり、これにより有用物であるビスフェノールAと尿素が得られることが示されている。また、特開2001−302573号公報(特許文献2)には、廃ポリカーボネート樹脂を、第一級アミンが存在する溶液中にて化学的に分解し、ビスフェノールA及び尿素誘導体を有用化学原料として回収する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平6−25086号公報(第2−第5頁)
【特許文献2】
特開2001−302573号公報(第3−第5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は、廃ポリカーボネート樹脂の分解剤としてアンモニアや第一級アミンを使用しており、ポリカーボネート樹脂の炭酸エステル結合が切断されるときアンモニアや第一級アミン自体も反応して尿素や尿素誘導体に化学変化してしまう。このため分解剤を回収して、さらに次の廃ポリカーボネート樹脂の分解剤に再利用することができないという問題点があった。
そこで本出願人は、上記問題点の解決策として、特願2002−324467号において、分解触媒として第三級アミンを使用し、廃ポリカーボネート樹脂の分解反応終了後、第三級アミンを回収可能にする方法を開示した。
【0009】
この特願2002−324467号で開示した技術は第三級アミンを回収できる点において優れている。しかし、この技術では、廃ポリカーボネートの分解触媒として使う第三級アミンの使用量が比較的多く、分解処理時間を大幅に短縮することができるようにするには、廃ポリカーボネート樹脂中の繰り返し単位の分子量から計算した炭酸エステル基のモル数の1倍モル以上が必要となる、という新たな問題があった。また、第三級アミンは分解触媒であるので分解反応では化学変化せず消費されることはないが、第三級アミンを回収する蒸留行程ではかなりの量がロスし、廃ポリカーボネートの分解触媒として繰り返し使う場合には第三級アミンをつぎ足さなければならない状況であった。そして、第三級アミンの価格は高く、リサイクル処理費用が高くなってしまう、という新たな問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを大量に短時間でリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンの使用量を低減し、リサイクル処理費用を低くすることができる廃プラスチックから有用物を回収できる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを大量に短時間でリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンを使用する場合、分解触媒として第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または金属酸化物の両者を加えると、第三級アミンの使用量を低減し、リサイクル処理費用を低くすることができる、ということを見出すことにより、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックから有用物を回収する有用物回収方法において、前記廃プラスチックと、一価のアルコール類または一価のフェノール類とが存在する溶液中に分解を促進する触媒として下記の一般式[式1]で表される常温で液体である第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とを加え、前記廃プラスチック中の前記ポリカーボネート樹脂を化学的に分解する工程と、分解生成物を有用物として回収する工程とからなることを特徴とする廃プラスチックからの有用物回収方法である。
[式1]
R1,R2,R3は炭化水素
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る廃プラスチックからの有用物回収方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明において共通に発生する反応式を示す図である。
本発明に係るポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックからの有用物回収方法では、ポリカーボネート樹脂と、一価のアルコール類または一価のフェノール類と、第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とが存在する溶液中にて、廃プラスチック中のポリカーボネート樹脂を化学的に分解して、有用化学原料として高純度のビスフェノールAと炭酸誘導体としての炭酸エステルが主として得られるものである。即ち、図1に示すように、ポリカーボネート樹脂のエステル部分が一価のアルコール類または一価のフェノール類とエステル交換反応により、化学的な分解が起こり、ビスフェノールAと炭酸エステルが分解生成物として主として得られるとき、分解反応を促進させる触媒として第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩X1、アルカリ土類金属の炭酸塩X2及び酸化物X3の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とを加えたことを特徴とするものである。ここで酸化物としては、例えば金属酸化物を用いることができる。
【0014】
上記第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩や酸化物、例えば金属酸化物は、ポリカーボネート樹脂が一価のアルコール類または一価のフェノール類とエステル交換反応で分解するときに触媒として分解に関与し、第三級アミンと共に、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または金属酸化物を用いることにより、第三級アミンの使用量を低減することが可能となる。
勿論、触媒である第三級アミンや、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩や、金属酸化物自身は、ポリカーボネートや一価のアルコール類または一価のフェノール類と反応して他の物質に化学変化することはなく、分解反応後においても分解生成物液中にそのまま残っている。しかしながら、第三級アミンを回収する蒸留行程ではかなりの量の第三級アミンがロスするため、分解時に使用する第三級アミン触媒の使用量を低減しておくと、第三級アミンを回収する蒸留行程でのロス量も少なくでき、結果としてリサイクル処理費用を低くすることが可能となる。
【0015】
本発明で使用される一価のアルコール類または一価のフェノール類の例としては、以下が挙げられる。一価のアルコール類としては、例えばシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等の脂環式アルコール、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が挙げられる。中でもメタノールを用いたときに分解生成物として生成するジメチルカーボネートは、工業的に化学原料として有用であり好ましい。
また、一価のフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ナフトール等が挙げられる。中でも、フェノールを用いたときに分解生成物として生成するジフェニルカーボネートは、ポリカーボネート樹脂のモノマー原料であるため、分解した廃ポリカーボネート樹脂の分解生成物から再び新しいポリカーボネート樹脂を合成するときに直接利用でき、好適である。
【0016】
本発明で使用される常温で液体である第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ブチルジメチルアミン、N−メチルジブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N−メチルジ−n−オクチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン等が挙げられる。
【0017】
本発明で使用されるアルカリ金属の炭酸塩、或いはアルカリ土類金属の炭酸塩の例としては、以下が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
【0018】
本発明で使用される金属酸化物の例としては、以下が挙げられる。金属酸化物としては、元素の周期表の1A族、2A族、3A族、5B族及び6B族の金属を除く他の金属の酸化物が好適であり、Fe2 O3 、V2 O5 、ZrO2 、CuO、Cu2 O、MoO3 、ZnO、Al2 O3 、TiO2 、Cr2 O3 、CeO2 、MnO2 、SnO2 、CdO、CoO等が挙げられる。
【0019】
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。
<実施例1>
オイルバス中のフラスコ内に、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックである廃棄されたコンパクトディスク(以下、単に「CD」とも称す)の粉砕物を3.045g、一価のアルコール類または一価のフェノール類であるメタノールを7.5g、第三級アミンであるトリエチルアミンを0.12g、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムを0.13gを入れ、フラスコ内の溶液が62℃となるようオイルバス中のオイルを温度制御し、フラスコ内の溶液が回転子により撹拌されるようにして、CD中のポリカーボネート樹脂の分解を行った。その際、フラスコ内溶液の温度が62℃とメタノールの沸点に近いためメタノールは蒸発するが、蒸発したメタノールは冷やされてフラスコ内に戻り、加熱還流による分解反応がなされるようにした。フラスコ内の溶液の温度が62℃となってから時間を計測し、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの時間を分解時間とした。この条件における分解時間は210分であった。
【0020】
そして、この時点でフラスコ内の溶液を少量採取し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)によりポリカーボネート樹脂が完全に分解していることを確認した。また、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)によりポリカーボネート樹脂がメタノールとエステル交換反応により完全に分解し、ビスフェノールAと炭酸誘導体であるジメチルカーボネートに分解されたことが確認された。また、分解液中にはポリカーボネート樹脂の末端基が分解したt−ブチルフェノールが少量検出された。
【0021】
分解工程終了後、CDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムを含んだ溶液を濾過し、溶液に不溶なCDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムを濾別した。濾過した溶液はオイルバス温度85℃で15分間蒸留し、流出した溶液をGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により分析したところ、メタノールが多量となっており、トリエチルアミンとジメチルカーボネートも検出した。そして、流出液中のジメチルカーボネートの量はかなり少量となっていた。この溶液を85℃で蒸留分離した理由は、沸点がメタノールは64.7℃、トリエチルアミンは88.8℃、ジメチルカーボネートは90℃となっており、廃棄されたCDの分解に再利用するメタノールとトリエチルアミンを回収し、なるべくジメチルカーボネートを混入させないようにするために85℃という蒸留温度を選択した。ここで85℃より蒸留温度を上げると、回収できるトリエチルアミンは増加するが、混入してくるジメチルカーボネートも多くなり、この流出液を廃棄されたCDの分解に再利用することを繰り返すと、ポリカーボネートの分解系内にジメチルカーボネートが多量に蓄積され、ポリカーボネートの分解に対して阻害要因となるので好ましくない。更には、85℃より蒸留温度を上げると、多量のジメチルカーボネートの加熱に多くのエネルギーを使用することになり、効率的なリサイクル方法とはならない。
【0022】
そして、85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.05gであった。この0.05gのトリエチルアミンは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
この蒸留後の残分にトルエンを多量に加えて100℃で加熱し、残分が完全に溶解した後、常温までゆっくりと冷却した。冷却後、容器底部には析出物があり、これらを濾別乾燥後、その一部を採取してクロロホルムに溶解させ、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により分析したところ、濾別物がビスフェノールAで不純物がないことが判明した。
【0023】
なお、濾別したCDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムにメタノール等の液体を加え、十分に攪拌した後、速やかに粗めのメッシュに通すと、CDの保護膜及び印刷膜のほとんどはメッシュに捕捉され、炭酸ナトリウム粉末は液体と共にほとんどがメッシュを通過し、廃棄されたCDの分解に再利用することが可能であった。これはCD粉砕品の大きさが炭酸ナトリウム粉末よりも十分大きいために可能となったことである。この炭酸ナトリウム回収行程では、炭酸ナトリウムのロスが若干発生するが、炭酸ナトリウムの価格は第三級アミンであるトリエチルアミンの価格に比べて遥かに安いため、炭酸ナトリウムの若干のロスはリサイクル処理費用に大きな影響を与えることはない。
【0024】
<比較例1>
実施例1において、ポリカーボネートの分解時の第三級アミンであるトリエチルアミンの量を2.4gとし、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムは使用しないこと以外は同一として、比較例1を行った。その結果、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶けるまでの分解時間は225分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜の濾別後、温度85℃で15分間の蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.96gであった。このトリエチルアミン0.96gは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0025】
<比較例2>
実施例1において、ポリカーボネートの分解時のアルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムは使用しないこと以外は同一として、比較例2を行った。その結果、溶液を1325分間加熱したが、ポリカーボネート樹脂は完全には分解しないで残っている状態であった。1325分間の加熱後に溶液を少量採取し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)測定したところ、ポリカーボネート樹脂の一部が分解し、ビスフェノールAが生成されていることは確認した。
【0026】
このように、実施例1では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムをポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、210分と比較的短時間で分解した。そして実施例1では、炭酸ナトリウムをトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.05gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
【0027】
これに対して、比較例1ではポリカーボネートの分解触媒として第三級アミンであるトリエチルアミンのみを用いたため、分解時間を225分と比較的短時間とするためには、トリエチルアミン使用量を2.4gと多くしなければならなかった。このため、トリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.96gと多くなり、実施例1と比べるとリサイクル処理費用は高くなった。
また、比較例2ではアルカリ金属の炭酸塩、或いはアルカリ土類金属の炭酸塩を使用せず、第三級アミンであるトリエチルアミンのみを使用し、この使用量を実施例1と同様に0.12gと少なくしたため、1325分という長時間に亘って加熱してもポリカーボネート樹脂は完全に分解しないで残っている状態となってしまい、実施例1とは違い、短時間では分解ができなかった。
【0028】
<実施例2>
上記実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの代わりにアルカリ土類金属の炭酸塩である炭酸カルシウム(CaCO3 )0.13gを用い、実施例2を行った。実施例2の場合、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの分解時間は330分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜および炭酸カルシウム(CaCO3 )の濾別後、温度85℃で15分蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.04gであった。このトリエチルアミン0.04gは、特別な処理を行わないと、再度廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0029】
このように、実施例2では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、アルカリ土類金属の炭酸塩である炭酸カルシウム(CaCO3 )をポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、330分と比較的短時間で分解した。そして実施例2では、炭酸カルシウム(CaCO3 )をトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.04gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
上記のように炭酸カルシウム(CaCO3 )を使用した場合には、実施例1の炭酸ナトリウムを使用した場合に比べ、分解時間を短くできなかったが、比較例2と比べると、分解時間をかなり短縮させることが可能であった。
また、実施例2と比較例1を比べると、分解時間が330分と225分と多少違うが、両者とも比較的短時間で分解が完了した。そして、トリエチルアミンのロス量は実施例2では0.04gと少ないが、比較例1では0.96gと多く、大きな違いを示した。
【0030】
<実施例3>
上記実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの代わりに金属酸化物である酸化鉄(Fe2 O3 )を0.13g用い、実施例3を行った。この実施例3の場合、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの分解時間は350分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜および酸化鉄(Fe2 O3 )の濾別後、温度85℃で15分間の蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.04gであった。このトリエチルアミン0.04gは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0031】
このように、この実施例3では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、金属酸化物である酸化鉄(Fe2 O3 )をポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、350分と比較的短時間でポリカーボネート樹脂を分解できた。そして実施例3では、酸化鉄(Fe2 O3 )をトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.04gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
上記のように酸化鉄(Fe2 O3 )を使用した場合には、実施例1の炭酸ナトリウムを使用した場合に比べ、分解時間を短くできなかったが、比較例2と比べると、分解時間をかなり短縮させることが可能であった。
また、実施例3と比較例1を比べると、分解時間が350分と225分と多少違うが、両者とも比較的短時間でポリカーボネート樹脂の分解が完了した。そして、トリエチルアミンのロス量は実施例3では0.04gと少ないが、比較例1では0.96gと多く、大きな違いを示した。
【0032】
上記実施例1乃至実施例3では、一価のアルコール類または一価のフェノール類としてメタノールを用い、第三級アミンとしてトリエチルアミンを用いたため、分解溶液中に分解触媒であるトリエチルアミンと炭酸誘導体であるジメチルカーボネートが混在し、この2つの物質の沸点が近いため、トリエチルアミンを回収する蒸留工程でのトリエチルアミンのロス量がかなり多くなった。この場合、一価のアルコール類または一価のフェノール類と第三級アミンの種類を適切に選ぶことにより、第三級アミンを回収する蒸留工程での第三級アミンのロス量は実施例1乃至実施例3よりも少なくすることは可能である。しかしながら、その場合でも第三級アミンを回収する蒸留工程での第三級アミンのロスは防げず、分解触媒としてアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物として例えば金属酸化物を使うことは、第三級アミンの使用量、ロス量を少なくでき、リサイクル処理費用を低くするという観点で、有効であった。
【0033】
なお、ポリカーボネートを分解するための分解触媒として使われるアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物(金属酸化物)は、これらの内の1種類に限らず2種類以上を用いることができる。また、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックと、一価のアルコール類または一価のフェノール類と、分解を促進する触媒の常温で液体である第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物とを混合した混合物中に、さらにポリカーボネート樹脂を溶解する、または膨潤させる溶媒を加えることで分解時間をさらに短くすることが可能となる。ここでは、廃プラスチックの一例としてCDを例にとって説明したが、DVD、Blu−Rayディスク等にも応用可能である。CD、DVD、Blu−Rayディスクの基板としては、ポリカーボネート樹脂が用いられるが、この基板上に形成される記録膜、誘電体層等は、ポリカーボネート樹脂の量に比較すれば1%以下と微量である。従って、上記ディスクの主成分としては、ポリカーボネート樹脂と言うことができ、上記ディスク等の廃プラスチックからの有用物の回収とは、略ポリカーボネート樹脂からの回収を言うことになる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックをリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンを使用する場合、廃プラスチックを大量に短時間で処理できるのみならず、第三級アミンの使用量を大幅に低減でき、もってリサイクル処理費用を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において共通に発生する反応式を示す図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックから有用化学原料である有用物を回収する有用物回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、石油化学工業の発展とプラスチック合成、加工技術の進歩に伴い、種々のプラスチック製品が大量に生産され、これに伴って使用済みのプラスチック製品を産業廃棄物や一般廃棄物として排出される廃プラスチックの量も、急速に増加してきた。例えば平成13年の我が国における廃プラスチックの量は年間1000万トンを超えるに至った。更に、この廃プラスチックの量の増加傾向は続いており、廃プラスチックの処分問題は深刻化しつつある。
現在、このような廃プラスチックの50%前後は単純焼却や埋立によって処分されている。しかしながら、燃焼熱カロリーの高い廃プラスチックを通常のゴミ焼却場で焼却処分すると、異常燃焼し、焼却炉の炉体等を傷めるという問題がある。そして、廃プラスチックを単純焼却することで、大気中に放出される炭酸ガスが増加し、地球温暖化という観点からも問題がある。
【0003】
一方、廃プラスチックを埋立によって処分する場合には、廃プラスチックは軽くてかさばるため、廃棄物の中でも大きな容積を占め、埋め立て地などの廃棄物最終処分場の用地不足が切迫化してきた現在、将来に亘ってこのような処分方法を続けることは困難である。
従って、廃棄物処理という地球環境の観点からも、また資源(原油)の枯渇という地球資源の観点からも廃棄されたプラスチックをもう一度再利用(リサイクル)することが非常に重要になってきた。
【0004】
この廃プラスチックのリサイクル方法は、▲1▼廃プラスチックをそのまま再利用するマテリアルリサイクル、▲2▼廃プラスチックをモノマーへ解重合したり、化学的に分解して有用化学原料として回収するケミカルリサイクル、▲3▼廃プラスチックを熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクルなどに大別できる。
これら複数のリサイクル方法のうちで、サーマルリサイクルはプラスチックを石油燃料の代替とする、と言う位置づけであり、単純焼却とたいして相違がなく、エネルギー変換効率も余り良くない。また焼却によって地球温暖化ガス(炭酸ガス)を放出するという問題が残り、最も好ましいリサイクル方法とは言えない。
【0005】
一方マテリアルリサイクルは、廃プラスチックスチックをプラスチックとして再利用するため、エネルギー的には、好ましい方法である。しかしながら、廃プラスチックは他の無機金属材料と複合化された製品も多く、再利用する場合には、これらの不必要なものを除去処理しなければならない問題がある。また再処理工程、再成形工程で受ける熱履歴等で当初そのプラスチックが持っていた物性が劣化したり、着色などの問題がある。このため再利用の用途が限られてしまうという問題がある。
これに対して、ケミカルリサイクルは、廃プラスチックを化学的に分解して化学原料に戻し、新たな合成樹脂や化成品を新規に合成することから、広範囲な用途に利用でき、最近注目され始めている。
【0006】
そこで、上記したケミカルリサイクルの方法を適用して、光ディスクなどに良く用いられているポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを化学的に分解して、モノマー等の有用化学原料を回収する廃プラスチックからの有用物回収方法が盛んに研究されており、いくつかの特許が提案されている。例えば、特公平6−25086号公報(特許文献1)に開示されたスクラップポリエステルからの二価フェノール回収方法では、ポリカーボネート樹脂にアンモニア水と有機溶媒として塩化アルキルを加え、この溶液を撹拌すると化学的な分解が起こり、これにより有用物であるビスフェノールAと尿素が得られることが示されている。また、特開2001−302573号公報(特許文献2)には、廃ポリカーボネート樹脂を、第一級アミンが存在する溶液中にて化学的に分解し、ビスフェノールA及び尿素誘導体を有用化学原料として回収する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】
特公平6−25086号公報(第2−第5頁)
【特許文献2】
特開2001−302573号公報(第3−第5頁)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術は、廃ポリカーボネート樹脂の分解剤としてアンモニアや第一級アミンを使用しており、ポリカーボネート樹脂の炭酸エステル結合が切断されるときアンモニアや第一級アミン自体も反応して尿素や尿素誘導体に化学変化してしまう。このため分解剤を回収して、さらに次の廃ポリカーボネート樹脂の分解剤に再利用することができないという問題点があった。
そこで本出願人は、上記問題点の解決策として、特願2002−324467号において、分解触媒として第三級アミンを使用し、廃ポリカーボネート樹脂の分解反応終了後、第三級アミンを回収可能にする方法を開示した。
【0009】
この特願2002−324467号で開示した技術は第三級アミンを回収できる点において優れている。しかし、この技術では、廃ポリカーボネートの分解触媒として使う第三級アミンの使用量が比較的多く、分解処理時間を大幅に短縮することができるようにするには、廃ポリカーボネート樹脂中の繰り返し単位の分子量から計算した炭酸エステル基のモル数の1倍モル以上が必要となる、という新たな問題があった。また、第三級アミンは分解触媒であるので分解反応では化学変化せず消費されることはないが、第三級アミンを回収する蒸留行程ではかなりの量がロスし、廃ポリカーボネートの分解触媒として繰り返し使う場合には第三級アミンをつぎ足さなければならない状況であった。そして、第三級アミンの価格は高く、リサイクル処理費用が高くなってしまう、という新たな問題があった。
【0010】
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものであり、本発明の目的は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを大量に短時間でリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンの使用量を低減し、リサイクル処理費用を低くすることができる廃プラスチックから有用物を回収できる方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックを大量に短時間でリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンを使用する場合、分解触媒として第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または金属酸化物の両者を加えると、第三級アミンの使用量を低減し、リサイクル処理費用を低くすることができる、ということを見出すことにより、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックから有用物を回収する有用物回収方法において、前記廃プラスチックと、一価のアルコール類または一価のフェノール類とが存在する溶液中に分解を促進する触媒として下記の一般式[式1]で表される常温で液体である第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とを加え、前記廃プラスチック中の前記ポリカーボネート樹脂を化学的に分解する工程と、分解生成物を有用物として回収する工程とからなることを特徴とする廃プラスチックからの有用物回収方法である。
[式1]
R1,R2,R3は炭化水素
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る廃プラスチックからの有用物回収方法の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明において共通に発生する反応式を示す図である。
本発明に係るポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックからの有用物回収方法では、ポリカーボネート樹脂と、一価のアルコール類または一価のフェノール類と、第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩及び酸化物の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とが存在する溶液中にて、廃プラスチック中のポリカーボネート樹脂を化学的に分解して、有用化学原料として高純度のビスフェノールAと炭酸誘導体としての炭酸エステルが主として得られるものである。即ち、図1に示すように、ポリカーボネート樹脂のエステル部分が一価のアルコール類または一価のフェノール類とエステル交換反応により、化学的な分解が起こり、ビスフェノールAと炭酸エステルが分解生成物として主として得られるとき、分解反応を促進させる触媒として第三級アミンと、アルカリ金属の炭酸塩X1、アルカリ土類金属の炭酸塩X2及び酸化物X3の3種類の物質よりなる群の内の少なくとも1種以上の物質とを加えたことを特徴とするものである。ここで酸化物としては、例えば金属酸化物を用いることができる。
【0014】
上記第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩や酸化物、例えば金属酸化物は、ポリカーボネート樹脂が一価のアルコール類または一価のフェノール類とエステル交換反応で分解するときに触媒として分解に関与し、第三級アミンと共に、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または金属酸化物を用いることにより、第三級アミンの使用量を低減することが可能となる。
勿論、触媒である第三級アミンや、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩や、金属酸化物自身は、ポリカーボネートや一価のアルコール類または一価のフェノール類と反応して他の物質に化学変化することはなく、分解反応後においても分解生成物液中にそのまま残っている。しかしながら、第三級アミンを回収する蒸留行程ではかなりの量の第三級アミンがロスするため、分解時に使用する第三級アミン触媒の使用量を低減しておくと、第三級アミンを回収する蒸留行程でのロス量も少なくでき、結果としてリサイクル処理費用を低くすることが可能となる。
【0015】
本発明で使用される一価のアルコール類または一価のフェノール類の例としては、以下が挙げられる。一価のアルコール類としては、例えばシクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール等の脂環式アルコール、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール等の脂肪族アルコール、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール等が挙げられる。中でもメタノールを用いたときに分解生成物として生成するジメチルカーボネートは、工業的に化学原料として有用であり好ましい。
また、一価のフェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノール、ナフトール等が挙げられる。中でも、フェノールを用いたときに分解生成物として生成するジフェニルカーボネートは、ポリカーボネート樹脂のモノマー原料であるため、分解した廃ポリカーボネート樹脂の分解生成物から再び新しいポリカーボネート樹脂を合成するときに直接利用でき、好適である。
【0016】
本発明で使用される常温で液体である第三級アミンの例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジエチルメチルアミン、N,N−ブチルジメチルアミン、N−メチルジブチルアミン、N,N−ジメチルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N−メチルジ−n−オクチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、N,N−ジシクロヘキシルメチルアミン等が挙げられる。
【0017】
本発明で使用されるアルカリ金属の炭酸塩、或いはアルカリ土類金属の炭酸塩の例としては、以下が挙げられる。アルカリ金属の炭酸塩としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられ、アルカリ土類金属の炭酸塩としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。
【0018】
本発明で使用される金属酸化物の例としては、以下が挙げられる。金属酸化物としては、元素の周期表の1A族、2A族、3A族、5B族及び6B族の金属を除く他の金属の酸化物が好適であり、Fe2 O3 、V2 O5 、ZrO2 、CuO、Cu2 O、MoO3 、ZnO、Al2 O3 、TiO2 、Cr2 O3 、CeO2 、MnO2 、SnO2 、CdO、CoO等が挙げられる。
【0019】
以下に、本発明の実施例および比較例を示す。
<実施例1>
オイルバス中のフラスコ内に、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックである廃棄されたコンパクトディスク(以下、単に「CD」とも称す)の粉砕物を3.045g、一価のアルコール類または一価のフェノール類であるメタノールを7.5g、第三級アミンであるトリエチルアミンを0.12g、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムを0.13gを入れ、フラスコ内の溶液が62℃となるようオイルバス中のオイルを温度制御し、フラスコ内の溶液が回転子により撹拌されるようにして、CD中のポリカーボネート樹脂の分解を行った。その際、フラスコ内溶液の温度が62℃とメタノールの沸点に近いためメタノールは蒸発するが、蒸発したメタノールは冷やされてフラスコ内に戻り、加熱還流による分解反応がなされるようにした。フラスコ内の溶液の温度が62℃となってから時間を計測し、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの時間を分解時間とした。この条件における分解時間は210分であった。
【0020】
そして、この時点でフラスコ内の溶液を少量採取し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)によりポリカーボネート樹脂が完全に分解していることを確認した。また、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)によりポリカーボネート樹脂がメタノールとエステル交換反応により完全に分解し、ビスフェノールAと炭酸誘導体であるジメチルカーボネートに分解されたことが確認された。また、分解液中にはポリカーボネート樹脂の末端基が分解したt−ブチルフェノールが少量検出された。
【0021】
分解工程終了後、CDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムを含んだ溶液を濾過し、溶液に不溶なCDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムを濾別した。濾過した溶液はオイルバス温度85℃で15分間蒸留し、流出した溶液をGC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により分析したところ、メタノールが多量となっており、トリエチルアミンとジメチルカーボネートも検出した。そして、流出液中のジメチルカーボネートの量はかなり少量となっていた。この溶液を85℃で蒸留分離した理由は、沸点がメタノールは64.7℃、トリエチルアミンは88.8℃、ジメチルカーボネートは90℃となっており、廃棄されたCDの分解に再利用するメタノールとトリエチルアミンを回収し、なるべくジメチルカーボネートを混入させないようにするために85℃という蒸留温度を選択した。ここで85℃より蒸留温度を上げると、回収できるトリエチルアミンは増加するが、混入してくるジメチルカーボネートも多くなり、この流出液を廃棄されたCDの分解に再利用することを繰り返すと、ポリカーボネートの分解系内にジメチルカーボネートが多量に蓄積され、ポリカーボネートの分解に対して阻害要因となるので好ましくない。更には、85℃より蒸留温度を上げると、多量のジメチルカーボネートの加熱に多くのエネルギーを使用することになり、効率的なリサイクル方法とはならない。
【0022】
そして、85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.05gであった。この0.05gのトリエチルアミンは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
この蒸留後の残分にトルエンを多量に加えて100℃で加熱し、残分が完全に溶解した後、常温までゆっくりと冷却した。冷却後、容器底部には析出物があり、これらを濾別乾燥後、その一部を採取してクロロホルムに溶解させ、GC/MS(ガスクロマトグラフ質量分析)により分析したところ、濾別物がビスフェノールAで不純物がないことが判明した。
【0023】
なお、濾別したCDの保護膜、印刷膜および炭酸ナトリウムにメタノール等の液体を加え、十分に攪拌した後、速やかに粗めのメッシュに通すと、CDの保護膜及び印刷膜のほとんどはメッシュに捕捉され、炭酸ナトリウム粉末は液体と共にほとんどがメッシュを通過し、廃棄されたCDの分解に再利用することが可能であった。これはCD粉砕品の大きさが炭酸ナトリウム粉末よりも十分大きいために可能となったことである。この炭酸ナトリウム回収行程では、炭酸ナトリウムのロスが若干発生するが、炭酸ナトリウムの価格は第三級アミンであるトリエチルアミンの価格に比べて遥かに安いため、炭酸ナトリウムの若干のロスはリサイクル処理費用に大きな影響を与えることはない。
【0024】
<比較例1>
実施例1において、ポリカーボネートの分解時の第三級アミンであるトリエチルアミンの量を2.4gとし、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムは使用しないこと以外は同一として、比較例1を行った。その結果、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶けるまでの分解時間は225分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜の濾別後、温度85℃で15分間の蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.96gであった。このトリエチルアミン0.96gは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0025】
<比較例2>
実施例1において、ポリカーボネートの分解時のアルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムは使用しないこと以外は同一として、比較例2を行った。その結果、溶液を1325分間加熱したが、ポリカーボネート樹脂は完全には分解しないで残っている状態であった。1325分間の加熱後に溶液を少量採取し、GPC(ゲル浸透クロマトグラフ)測定したところ、ポリカーボネート樹脂の一部が分解し、ビスフェノールAが生成されていることは確認した。
【0026】
このように、実施例1では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、アルカリ金属の炭酸塩である炭酸ナトリウムをポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、210分と比較的短時間で分解した。そして実施例1では、炭酸ナトリウムをトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.05gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
【0027】
これに対して、比較例1ではポリカーボネートの分解触媒として第三級アミンであるトリエチルアミンのみを用いたため、分解時間を225分と比較的短時間とするためには、トリエチルアミン使用量を2.4gと多くしなければならなかった。このため、トリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.96gと多くなり、実施例1と比べるとリサイクル処理費用は高くなった。
また、比較例2ではアルカリ金属の炭酸塩、或いはアルカリ土類金属の炭酸塩を使用せず、第三級アミンであるトリエチルアミンのみを使用し、この使用量を実施例1と同様に0.12gと少なくしたため、1325分という長時間に亘って加熱してもポリカーボネート樹脂は完全に分解しないで残っている状態となってしまい、実施例1とは違い、短時間では分解ができなかった。
【0028】
<実施例2>
上記実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの代わりにアルカリ土類金属の炭酸塩である炭酸カルシウム(CaCO3 )0.13gを用い、実施例2を行った。実施例2の場合、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの分解時間は330分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜および炭酸カルシウム(CaCO3 )の濾別後、温度85℃で15分蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.04gであった。このトリエチルアミン0.04gは、特別な処理を行わないと、再度廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0029】
このように、実施例2では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、アルカリ土類金属の炭酸塩である炭酸カルシウム(CaCO3 )をポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、330分と比較的短時間で分解した。そして実施例2では、炭酸カルシウム(CaCO3 )をトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.04gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
上記のように炭酸カルシウム(CaCO3 )を使用した場合には、実施例1の炭酸ナトリウムを使用した場合に比べ、分解時間を短くできなかったが、比較例2と比べると、分解時間をかなり短縮させることが可能であった。
また、実施例2と比較例1を比べると、分解時間が330分と225分と多少違うが、両者とも比較的短時間で分解が完了した。そして、トリエチルアミンのロス量は実施例2では0.04gと少ないが、比較例1では0.96gと多く、大きな違いを示した。
【0030】
<実施例3>
上記実施例1と同様にして、炭酸ナトリウムの代わりに金属酸化物である酸化鉄(Fe2 O3 )を0.13g用い、実施例3を行った。この実施例3の場合、CD中のポリカーボネート樹脂が分解して溶け、CDの保護膜および印刷膜のみが残るまでの分解時間は350分であった。
そして、実施例1と同様にCDの保護膜、印刷膜および酸化鉄(Fe2 O3 )の濾別後、温度85℃で15分間の蒸留を行った。85℃で蒸留分離したときの残分をGC/MSにより分析したところ、ビスフェノールA、t−ブチルフェノール、ジメチルカーボネート、トリエチルアミンが検出され、蒸留残分中のトリエチルアミンの量は0.04gであった。このトリエチルアミン0.04gは、特別な処理を行わないと、廃棄されたCDの分解に再利用することはできず、ロスとなる。
【0031】
このように、この実施例3では第三級アミンであるトリエチルアミンと共に、金属酸化物である酸化鉄(Fe2 O3 )をポリカーボネートの分解触媒として使用したため、第三級アミンであるトリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくても、350分と比較的短時間でポリカーボネート樹脂を分解できた。そして実施例3では、酸化鉄(Fe2 O3 )をトリエチルアミンと共に使用したため、トリエチルアミンの使用量が0.12gと少なくでき、そのためトリエチルアミンを回収する蒸留行程でロスとなるトリエチルアミン量も0.04gと少なくすることが可能となり、リサイクル処理費用を低くすることができた。
上記のように酸化鉄(Fe2 O3 )を使用した場合には、実施例1の炭酸ナトリウムを使用した場合に比べ、分解時間を短くできなかったが、比較例2と比べると、分解時間をかなり短縮させることが可能であった。
また、実施例3と比較例1を比べると、分解時間が350分と225分と多少違うが、両者とも比較的短時間でポリカーボネート樹脂の分解が完了した。そして、トリエチルアミンのロス量は実施例3では0.04gと少ないが、比較例1では0.96gと多く、大きな違いを示した。
【0032】
上記実施例1乃至実施例3では、一価のアルコール類または一価のフェノール類としてメタノールを用い、第三級アミンとしてトリエチルアミンを用いたため、分解溶液中に分解触媒であるトリエチルアミンと炭酸誘導体であるジメチルカーボネートが混在し、この2つの物質の沸点が近いため、トリエチルアミンを回収する蒸留工程でのトリエチルアミンのロス量がかなり多くなった。この場合、一価のアルコール類または一価のフェノール類と第三級アミンの種類を適切に選ぶことにより、第三級アミンを回収する蒸留工程での第三級アミンのロス量は実施例1乃至実施例3よりも少なくすることは可能である。しかしながら、その場合でも第三級アミンを回収する蒸留工程での第三級アミンのロスは防げず、分解触媒としてアルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物として例えば金属酸化物を使うことは、第三級アミンの使用量、ロス量を少なくでき、リサイクル処理費用を低くするという観点で、有効であった。
【0033】
なお、ポリカーボネートを分解するための分解触媒として使われるアルカリ金属の炭酸塩、アルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物(金属酸化物)は、これらの内の1種類に限らず2種類以上を用いることができる。また、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックと、一価のアルコール類または一価のフェノール類と、分解を促進する触媒の常温で液体である第三級アミンと、アルカリ金属若しくはアルカリ土類金属の炭酸塩または酸化物とを混合した混合物中に、さらにポリカーボネート樹脂を溶解する、または膨潤させる溶媒を加えることで分解時間をさらに短くすることが可能となる。ここでは、廃プラスチックの一例としてCDを例にとって説明したが、DVD、Blu−Rayディスク等にも応用可能である。CD、DVD、Blu−Rayディスクの基板としては、ポリカーボネート樹脂が用いられるが、この基板上に形成される記録膜、誘電体層等は、ポリカーボネート樹脂の量に比較すれば1%以下と微量である。従って、上記ディスクの主成分としては、ポリカーボネート樹脂と言うことができ、上記ディスク等の廃プラスチックからの有用物の回収とは、略ポリカーボネート樹脂からの回収を言うことになる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の方法によれば、ポリカーボネート樹脂を主成分とする廃プラスチックをリサイクル処理するために、ポリカーボネート樹脂の分解触媒である第三級アミンを使用する場合、廃プラスチックを大量に短時間で処理できるのみならず、第三級アミンの使用量を大幅に低減でき、もってリサイクル処理費用を低くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明において共通に発生する反応式を示す図である。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050929 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060824 |