JP2005008770A - ポリオレフィン系樹脂及び発泡体 - Google Patents
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Abstract
【課題】高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体の原料として好適な発泡用ポリオレフィン樹脂を提供し、および該ポリオレフィン系樹脂を用いて製造した高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体を提供する。
【解決手段】(a)溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1が30Pa以上132Pa以下である、及び(b)ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)が0.05g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡用ポリオレフィン系樹脂。。
【選択図】 なし
【解決手段】(a)溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1が30Pa以上132Pa以下である、及び(b)ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)が0.05g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡用ポリオレフィン系樹脂。。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、未架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂およびその樹脂と発泡剤からなる組成物を発泡させて得られる発泡体の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品や家電製品などの材料の軽量化などのために、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂の発泡体が開発されている。高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有し、軽量でかつ衝撃強度や剛性のバランスに優れたポリプロピレン系発泡体を製造するためには、特定の性質を有するポリプロピレン系樹脂を原料として使用した発泡体及びその製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−259774号公報(特許文献1)には特定の構造を有するポリプロピレン系ブロック共重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物を用いた発泡体、特開平8−253614号公報(特許文献2)には長鎖分岐指数が0.6未満のポリプロピレン樹脂組成物を用いた発泡体、及び特開平8−302050号公報(特許文献3)には特定のMFR、エチレン含有量、パラキシレン可溶分の固有粘度、分子量分布を有するエチレン・プロピレンブロック共重合体を用いた発泡体が開示されている。
【0004】
また、特開平10−60145号公報(特許文献4)には架橋させたポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる樹脂組成物を用いた発泡体、特開平10−147657号公報(特許文献5)には特定の伸長粘度と結晶化時間を有するポリプロピレン系樹脂を用いた発泡体、特開平11−60834号公報(特許文献6)には特定の伸長粘度とせん断粘度の関係を有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いた発泡体、特開2000−26646号公報(特許文献7)にはポリプロピレンをイソプレンとラジカル重合開始剤で改質した樹脂を用いた発泡体、特開2002−80526号公報(特許文献8)にはポリプロピレンをペルオキシジカーボネートで改質した樹脂を用いた発泡体、特開2002−173564号公報(特許文献9)には特定の組成を有するポリプロピレン共重合体とポリエチレンからなる樹脂組成物を用いた発泡体が開示されている。
しかしながら、上記発泡用ポリプロピレン系樹脂は、必ずしも発泡倍率が高くなく、また、均質な発泡セル構造が得られない場合があり、改良が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−259774号公報
【特許文献2】
特開平8−253614号公報
【特許文献3】
特開平8−302050号公報
【特許文献4】
特開平10−60145号公報
【特許文献5】
特開平10−147657号公報
【特許文献6】
特開平11−60834号公報
【特許文献7】
特開2000−26646号公報
【特許文献8】
特開2002−80526号公報
【特許文献9】
特開2002−173564号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体の原料として好適な発泡用ポリオレフィン樹脂を提供し、および該ポリオレフィン系樹脂を用いて製造した高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値(σ)が40Pa以上132Pa以下である、及び(b)ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)が0.05以下であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0008】
また本発明は、該ポリプロピレン系樹脂が未架橋であることを特徴とする上記の発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0009】
また本発明は、該ポリプロピレン系樹脂が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性したポリプロピレンとポリアミン化合物とを反応させたものであることを特徴とする上記の発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0010】
また本発明は、上記ののポリオレフィン系樹脂と発泡剤からなる組成物を発泡させて得られる発泡体に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合体が挙げられる。
プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどエチレンまたは炭素数4〜8のオレフィンが挙げられる。中でも、エチレンが好ましい。
共重合体は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
【0012】
例えば、アイソタクチックポリプロピレンなどの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体などのプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合などのプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などが挙げられる。また、これらのブレンド物が挙げられる。
【0013】
プロピレン−エチレン共重合体のエチレン含量は、通常0.01〜15wt%であり、より好ましくは0.1〜15wt%である。
【0014】
上記のポリプロピレンは、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであることが好ましい。
上記のポリプロピレンを変性する不飽和カルボン酸またはその酸無水物の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−無水ジカルボン酸などが挙げられる。中でも、無水マレイン酸または無水イタコン酸が好ましい。あるいは酸アミド、酸エステルなどの誘導体も挙げられる。
【0015】
ポリプロピレン系樹脂と不飽和カルボン酸またはその酸無水物とを、溶媒中あるいは溶融状態で過酸化物などの反応開始剤の存在下あるいは不存在下でグラフト反応させる公知の方法で製造できる。
【0016】
過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、n−ブチル4,4−t−ブチルパーオキシバレリネート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチル−3ヘキシン、ベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0017】
反応割合は、ポリピロピレン90〜99.99重量部、好ましくは、92〜99.95重量部に対して不飽和カルボン酸またはその酸無水物などの誘導体10〜0.01重量部、好ましくは、8〜0.05重量部である。
【0018】
上記の変性ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂とポリアミン化合物を反応させたものであることが好ましい。ポリアミン化合物としては、分岐ポリアミンが好ましい。
分岐ポリアミンとしては、例えば、トリス(2−アミノエチル)アミン、1,3、5−トリアミノベンゼン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルフォンなどが挙げられる。直鎖状ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテロラミン、テトラエチレンペンタミン、などが挙げられる。中でも、トリス(2−アミノエチル)アミンが特に好ましい。
【0019】
反応方法としては、二軸混練機、ブラベンダー型混練機、コニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練機などを用いてポリプロピレン樹脂に供給し混練する方法などがある。
【0020】
ポリアミン化合物の反応量は、変性ポリプロピレン樹脂100gに対して0.05〜2gが好ましい。
【0021】
上記のポリプロピレン樹脂は、無架橋であることが好ましい。架橋されていると熱キシレンなどの溶媒に不溶となる、あるいは加熱しても流動出来ずに材料のリサイクルが困難な場合があり好ましくない。
【0022】
上記のポリプロピレン樹脂のASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)は、通常0.05g/10分以下であり、好ましくは0.02g/10分以下である。
【0023】また、本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1が30Pa以上132Pa以下、好ましくは35〜120Paである。
【0024】第一法線応力差(N1)が上記の範囲外であると、高倍率の発泡体が得られない。
ここで、溶融状態におけるポリプロピレン系樹脂のせん断応力(σ)が100Paにおける第一法線差応力差(N1)は、溶融状態における貯蔵弾性率G′および損失弾性率G″により以下の方法で算出できる。
G′およびG″は溶融状態における粘弾性測定により得られる。溶融状態における粘弾性測定は、直径25mm、コーン角0.1ラジアンのコーン・プレートを装着したレオメトリックス社製のRDS−IIあるいはARESを用いて行った。測定周波数範囲は400〜0.01s−1であり、また測定温度は240、220、200、180℃である。J.D.Ferry著、“Viscoelastic Properties of Polymers、3rd ed.”(John Wiley & Sons,1990)に記載の温度―時間の重ねあわせにより、広い周波数範囲におけるG′およびG″の周波数依存性のマスターカーブを得る。
得られたG′およびG″の周波数依存性のマスターカーブを用いて、日本レオロジー学会誌、vol.18、180p(1990)に記載の方法により、σおよびN1を算出する。
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
【0025】
また、ポリポレフィン樹脂のゲル分率は、2wt%以下であることが好ましい。
【0026】
上記のポリオレフィン系樹脂に混合する発泡剤としては、熱分解性発泡剤、揮発性有機発泡剤、無機ガス発泡剤などが挙げられる。
【0027】
熱分解性発泡剤としては、重炭酸ソーダ、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ヒドラゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシ(ビスベンゾエスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、クエン酸、シュウ酸等が挙げられる。
【0028】
揮発性有機発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、クロロジフルオロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0029】
無機ガス発泡剤としては、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウムなどの常温ガス状無機物が挙げられる。
【0030】
中でも、アゾジカルボンアミドが好適に用いられる。上記の発泡剤は単独で使用してもよく、また併用してもよい。
【0031】
発泡剤の使用量は、特に限定されず、必要なガス量を発生するように適宜選択される。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂と発泡剤の混合方法としては、押出機等で溶融混合する方法などが挙げられる。
【0033】
本発明のポリオレフィン系樹脂と発泡剤とからなる組成物には、本発明の効果を損なわない程度に、発泡助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ、ワラスナイト、マグネシウムオキシ・サルフェート、酸化チタン、ケイソウ土などの粉末状、短繊維状またはフレーク状の無機充填剤、ガラス繊維などを混合してもよい。
【0034】
本発明のポリオレフィン系樹脂を用いて発泡体を製造する場合に、リサイクル性に問題を生じない程度であれば、γ線照射などの電子線架橋、有機パーオキサイドの化学架橋の処理を行ってもよい。
【0035】
本発明の発泡体は、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤、必要に応じて各種の添加剤の混合物を、押出機、熱プレスなどでシート、フィルムなどの所望の形状に成形発泡させる方法により製造できる。
【0036】
得られる発泡体の形状はフィルム状、シート状、パイプ状、円筒状などが挙げられる。
【0037】
発泡温度は、オレフィン系樹脂の種類、発泡剤の種類や量によって異なるが、通常、 150〜250℃である。
【0038】
本発明における発泡体の発泡倍率は、ポリオレフィン樹脂の種類、発泡剤の種類と量、発泡条件などにより異なるが、通常、9倍以上のものが得られる。
【0039】
【実施例】
(1)試料調製
▲1▼無水マレイン酸グラフトPP
表1に示した特性を有するポリプロピレン系樹脂を表3中に記載したスクリュー回転数に設定した池貝鉄工社製のPCM−30型二軸混練機にホッパー口から投入する。ここで、混練機のシリンダー温度は以下のように設定した。シリンダー1を185℃、シリンダー2を195℃、シリンダー3〜10を200℃、ヘッド部を200℃に設定した。無水マレイン酸およびパーオキサイドの添加は、固体添加法と液体添加法の二種類で行った。固体添加法は無水マレイン酸粉末およびパーオキサイドをPP系樹脂と共にホッパー口から混練機に投入する方法であり、一方、液体添加法は無水マレイン酸およびパーオキサイドをキシレンとアセトン(重量比4/1)の混合液に溶解して、ジーエルサイエンス社製のダブルプランジャー型定量ポンプを用いて途中から混練機に供給する方法である。混練中に発生する揮発性分はベント口から吸引除去した。
【0040】
▲2▼無水マレイン酸グラフトPPと分岐ポリアミンの反応物
上述した無水マレイン酸グラフトPP試料100重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド12.5重量部、添加剤BHT1.5重量部をタンブラーで20分間、ドライブレンドした後、スクリュー回転数を100rpmに設定した池貝鉄工社製のPCM−30型二軸混練機にホッパー口から投入する。ここで、混練機のシリンダー温度(シリンダー1〜10およびヘッド部)は、すべて165℃に設定した。トリス(2−アミノエチル)アミンのキシレン溶液(溶液濃度は、0.01g/ml)をジーエルサイエンス社製のダブルプランジャー型定量ポンプを用いて途中から混練機に供給する。この溶液の供給量は、溶液中のアミノ基のモル数がPPにグラフトした酸無水物と当量になるように設定した。なお、混練中に発生する揮発性分はベント口から吸引除去した。
スリット状のヘッドから吐出された反応物を100℃に加熱した二軸ロールによりシート状に成形した。なお、シート成形と同時にPET不織布の裏打ちを行った。
【0041】
(2)発泡成形
<成形方法1>
・発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが有る場合で溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が30〜70Paの範囲である樹脂物性を持ったもの。
【0042】
<成形方法2>発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが無く溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が30〜70Paの範囲である樹脂物性(ゴム弾性中のもの)を持つもの。成形行程は実施例1と同様。但しエンドレスベルトでシート保持する。
【0043】
<成形方法3>発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが無く溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が70〜132Paの範囲である樹脂物性(ゴム弾性大もの)を持つもの。成形行程は実施例2と同様。但し上下をエンドレスベルトで構成し、シートの拘束時間を稼ぐ。
【0044】
−成形工程−
加熱…発泡性原反シートを加熱し、シートを軟化させる。
予備プレス…シートが軟化したところ(発泡開始直前)でプレスロールにてプレスし、シート形状(厚み)を整える。→伸縮によるシート厚みの不均一を防ぎ、シート厚みを整え、均一に発泡が開始され易くする。
開放・加熱発泡…予備プレスロールを通過すると、再び加熱が開始され、発泡プレスロール直前で発泡が開始する。
発泡プレス…発泡が始まったシートは発泡プレスロールにて押さえつけられて、均一厚みで均一加熱され、一時的に発泡を抑制される。
開放…発泡プレスロール通過後、プレスロールによって押さえつけられていたシートは圧力から開放され、ゴム弾性の反発により一気に縦横方向に膨張し、皺の発生が少なくなる。
整形プレス…膨張したシートに発生するうねりや小さな凹凸等をプレスロールにて整え、所定のシート厚みにプレスし、冷却を行う。
冷却、巻き取り…シートを空冷した後、巻き取機にて巻き取る。
【0045】
(3)発泡倍率
発泡倍率(H)は、発泡後のシート厚み(t)を発泡前のシート厚み(t0)で除した値(H=t/t0)とした。表2に発泡倍率を示した。
【0046】
(4)シート外観、発泡セル、クッション性の評価
シート外観評価は目視で行った。発泡セルの均一性に関する評価は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−7000を用いて行った。発泡シートのクッション性評価は、触感法で行った。
【0047】
実施例1〜3、比較例1〜3
【0048】
表1〜2に原料、成形方法、結果を示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明の発泡用ポリオレフィン系樹脂を原料として用いることにより、高発泡倍率で均質な発泡セル構造の発泡体を製造することができる。
得られた発泡体は、軽量で機械的特性のバランスに優れており、自動車の各種部品、電子電気部品、機械部品などの材料として利用できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、未架橋発泡用ポリオレフィン系樹脂およびその樹脂と発泡剤からなる組成物を発泡させて得られる発泡体の製造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車部品や家電製品などの材料の軽量化などのために、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂の発泡体が開発されている。高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有し、軽量でかつ衝撃強度や剛性のバランスに優れたポリプロピレン系発泡体を製造するためには、特定の性質を有するポリプロピレン系樹脂を原料として使用した発泡体及びその製造方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開平8−259774号公報(特許文献1)には特定の構造を有するポリプロピレン系ブロック共重合体とエチレン・α−オレフィン共重合体からなる樹脂組成物を用いた発泡体、特開平8−253614号公報(特許文献2)には長鎖分岐指数が0.6未満のポリプロピレン樹脂組成物を用いた発泡体、及び特開平8−302050号公報(特許文献3)には特定のMFR、エチレン含有量、パラキシレン可溶分の固有粘度、分子量分布を有するエチレン・プロピレンブロック共重合体を用いた発泡体が開示されている。
【0004】
また、特開平10−60145号公報(特許文献4)には架橋させたポリプロピレン系樹脂とポリエチレン系樹脂からなる樹脂組成物を用いた発泡体、特開平10−147657号公報(特許文献5)には特定の伸長粘度と結晶化時間を有するポリプロピレン系樹脂を用いた発泡体、特開平11−60834号公報(特許文献6)には特定の伸長粘度とせん断粘度の関係を有するポリプロピレン系樹脂組成物を用いた発泡体、特開2000−26646号公報(特許文献7)にはポリプロピレンをイソプレンとラジカル重合開始剤で改質した樹脂を用いた発泡体、特開2002−80526号公報(特許文献8)にはポリプロピレンをペルオキシジカーボネートで改質した樹脂を用いた発泡体、特開2002−173564号公報(特許文献9)には特定の組成を有するポリプロピレン共重合体とポリエチレンからなる樹脂組成物を用いた発泡体が開示されている。
しかしながら、上記発泡用ポリプロピレン系樹脂は、必ずしも発泡倍率が高くなく、また、均質な発泡セル構造が得られない場合があり、改良が望まれている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−259774号公報
【特許文献2】
特開平8−253614号公報
【特許文献3】
特開平8−302050号公報
【特許文献4】
特開平10−60145号公報
【特許文献5】
特開平10−147657号公報
【特許文献6】
特開平11−60834号公報
【特許文献7】
特開2000−26646号公報
【特許文献8】
特開2002−80526号公報
【特許文献9】
特開2002−173564号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体の原料として好適な発泡用ポリオレフィン樹脂を提供し、および該ポリオレフィン系樹脂を用いて製造した高発泡倍率で均質な発泡セル構造を有する発泡体を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値(σ)が40Pa以上132Pa以下である、及び(b)ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)が0.05以下であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0008】
また本発明は、該ポリプロピレン系樹脂が未架橋であることを特徴とする上記の発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0009】
また本発明は、該ポリプロピレン系樹脂が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性したポリプロピレンとポリアミン化合物とを反応させたものであることを特徴とする上記の発泡用ポリオレフィン系樹脂に関する。
【0010】
また本発明は、上記ののポリオレフィン系樹脂と発泡剤からなる組成物を発泡させて得られる発泡体に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のポリプロピレンとしては、プロピレン単独重合体またはプロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合体が挙げられる。
プロピレン以外のオレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンなどエチレンまたは炭素数4〜8のオレフィンが挙げられる。中でも、エチレンが好ましい。
共重合体は、ブロック共重合体であっても、ランダム共重合体であってもよい。
【0012】
例えば、アイソタクチックポリプロピレンなどの単独重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテンランダム共重合体などのプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−ブテンブロック共重合などのプロピレン−α−オレフィンブロック共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン共重合体などが挙げられる。また、これらのブレンド物が挙げられる。
【0013】
プロピレン−エチレン共重合体のエチレン含量は、通常0.01〜15wt%であり、より好ましくは0.1〜15wt%である。
【0014】
上記のポリプロピレンは、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性されたものであることが好ましい。
上記のポリプロピレンを変性する不飽和カルボン酸またはその酸無水物の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−無水ジカルボン酸などが挙げられる。中でも、無水マレイン酸または無水イタコン酸が好ましい。あるいは酸アミド、酸エステルなどの誘導体も挙げられる。
【0015】
ポリプロピレン系樹脂と不飽和カルボン酸またはその酸無水物とを、溶媒中あるいは溶融状態で過酸化物などの反応開始剤の存在下あるいは不存在下でグラフト反応させる公知の方法で製造できる。
【0016】
過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、n−ブチル4,4−t−ブチルパーオキシバレリネート、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン、2,2,4−トリメチルペンチルパーオキシネオデカネート、α−クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオヘキサネート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチル−3ヘキシン、ベンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0017】
反応割合は、ポリピロピレン90〜99.99重量部、好ましくは、92〜99.95重量部に対して不飽和カルボン酸またはその酸無水物などの誘導体10〜0.01重量部、好ましくは、8〜0.05重量部である。
【0018】
上記の変性ポリプロピレン樹脂は、ポリプロピレン樹脂とポリアミン化合物を反応させたものであることが好ましい。ポリアミン化合物としては、分岐ポリアミンが好ましい。
分岐ポリアミンとしては、例えば、トリス(2−アミノエチル)アミン、1,3、5−トリアミノベンゼン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルフォンなどが挙げられる。直鎖状ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテロラミン、テトラエチレンペンタミン、などが挙げられる。中でも、トリス(2−アミノエチル)アミンが特に好ましい。
【0019】
反応方法としては、二軸混練機、ブラベンダー型混練機、コニーダー、バンバリーミキサー、単軸混練機などを用いてポリプロピレン樹脂に供給し混練する方法などがある。
【0020】
ポリアミン化合物の反応量は、変性ポリプロピレン樹脂100gに対して0.05〜2gが好ましい。
【0021】
上記のポリプロピレン樹脂は、無架橋であることが好ましい。架橋されていると熱キシレンなどの溶媒に不溶となる、あるいは加熱しても流動出来ずに材料のリサイクルが困難な場合があり好ましくない。
【0022】
上記のポリプロピレン樹脂のASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)は、通常0.05g/10分以下であり、好ましくは0.02g/10分以下である。
【0023】また、本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1が30Pa以上132Pa以下、好ましくは35〜120Paである。
【0024】第一法線応力差(N1)が上記の範囲外であると、高倍率の発泡体が得られない。
ここで、溶融状態におけるポリプロピレン系樹脂のせん断応力(σ)が100Paにおける第一法線差応力差(N1)は、溶融状態における貯蔵弾性率G′および損失弾性率G″により以下の方法で算出できる。
G′およびG″は溶融状態における粘弾性測定により得られる。溶融状態における粘弾性測定は、直径25mm、コーン角0.1ラジアンのコーン・プレートを装着したレオメトリックス社製のRDS−IIあるいはARESを用いて行った。測定周波数範囲は400〜0.01s−1であり、また測定温度は240、220、200、180℃である。J.D.Ferry著、“Viscoelastic Properties of Polymers、3rd ed.”(John Wiley & Sons,1990)に記載の温度―時間の重ねあわせにより、広い周波数範囲におけるG′およびG″の周波数依存性のマスターカーブを得る。
得られたG′およびG″の周波数依存性のマスターカーブを用いて、日本レオロジー学会誌、vol.18、180p(1990)に記載の方法により、σおよびN1を算出する。
メルトフローレート(MFR)は、ASTM D1238に準拠し、230℃、荷重2.16kgで測定した。
【0025】
また、ポリポレフィン樹脂のゲル分率は、2wt%以下であることが好ましい。
【0026】
上記のポリオレフィン系樹脂に混合する発泡剤としては、熱分解性発泡剤、揮発性有機発泡剤、無機ガス発泡剤などが挙げられる。
【0027】
熱分解性発泡剤としては、重炭酸ソーダ、重炭酸アンモニウム、アゾジカルボンアミド(ADCA)、ヒドラゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4−オキシ(ビスベンゾエスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド、トリヒドラジノトリアジン、ビウレア、炭酸亜鉛、パラトルエンスルホニルアセトンヒドラジド、アゾジカルボン酸バリウム、クエン酸、シュウ酸等が挙げられる。
【0028】
揮発性有機発泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素、シクロブタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、クロロジフルオロメタン、ジクロロジフロロメタン、トリクロロフロロメタン、トリクロロトリフルオロエタン、ジクロロテトラフルオロエタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチレンクロライドなどのハロゲン化炭化水素等が挙げられる。
【0029】
無機ガス発泡剤としては、窒素、空気、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウムなどの常温ガス状無機物が挙げられる。
【0030】
中でも、アゾジカルボンアミドが好適に用いられる。上記の発泡剤は単独で使用してもよく、また併用してもよい。
【0031】
発泡剤の使用量は、特に限定されず、必要なガス量を発生するように適宜選択される。
【0032】
ポリオレフィン系樹脂と発泡剤の混合方法としては、押出機等で溶融混合する方法などが挙げられる。
【0033】
本発明のポリオレフィン系樹脂と発泡剤とからなる組成物には、本発明の効果を損なわない程度に、発泡助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料等の添加剤、タルク、炭酸カルシウム、クレー、マイカ、シリカ、ワラスナイト、マグネシウムオキシ・サルフェート、酸化チタン、ケイソウ土などの粉末状、短繊維状またはフレーク状の無機充填剤、ガラス繊維などを混合してもよい。
【0034】
本発明のポリオレフィン系樹脂を用いて発泡体を製造する場合に、リサイクル性に問題を生じない程度であれば、γ線照射などの電子線架橋、有機パーオキサイドの化学架橋の処理を行ってもよい。
【0035】
本発明の発泡体は、ポリオレフィン系樹脂と発泡剤、必要に応じて各種の添加剤の混合物を、押出機、熱プレスなどでシート、フィルムなどの所望の形状に成形発泡させる方法により製造できる。
【0036】
得られる発泡体の形状はフィルム状、シート状、パイプ状、円筒状などが挙げられる。
【0037】
発泡温度は、オレフィン系樹脂の種類、発泡剤の種類や量によって異なるが、通常、 150〜250℃である。
【0038】
本発明における発泡体の発泡倍率は、ポリオレフィン樹脂の種類、発泡剤の種類と量、発泡条件などにより異なるが、通常、9倍以上のものが得られる。
【0039】
【実施例】
(1)試料調製
▲1▼無水マレイン酸グラフトPP
表1に示した特性を有するポリプロピレン系樹脂を表3中に記載したスクリュー回転数に設定した池貝鉄工社製のPCM−30型二軸混練機にホッパー口から投入する。ここで、混練機のシリンダー温度は以下のように設定した。シリンダー1を185℃、シリンダー2を195℃、シリンダー3〜10を200℃、ヘッド部を200℃に設定した。無水マレイン酸およびパーオキサイドの添加は、固体添加法と液体添加法の二種類で行った。固体添加法は無水マレイン酸粉末およびパーオキサイドをPP系樹脂と共にホッパー口から混練機に投入する方法であり、一方、液体添加法は無水マレイン酸およびパーオキサイドをキシレンとアセトン(重量比4/1)の混合液に溶解して、ジーエルサイエンス社製のダブルプランジャー型定量ポンプを用いて途中から混練機に供給する方法である。混練中に発生する揮発性分はベント口から吸引除去した。
【0040】
▲2▼無水マレイン酸グラフトPPと分岐ポリアミンの反応物
上述した無水マレイン酸グラフトPP試料100重量部、発泡剤としてアゾジカルボンアミド12.5重量部、添加剤BHT1.5重量部をタンブラーで20分間、ドライブレンドした後、スクリュー回転数を100rpmに設定した池貝鉄工社製のPCM−30型二軸混練機にホッパー口から投入する。ここで、混練機のシリンダー温度(シリンダー1〜10およびヘッド部)は、すべて165℃に設定した。トリス(2−アミノエチル)アミンのキシレン溶液(溶液濃度は、0.01g/ml)をジーエルサイエンス社製のダブルプランジャー型定量ポンプを用いて途中から混練機に供給する。この溶液の供給量は、溶液中のアミノ基のモル数がPPにグラフトした酸無水物と当量になるように設定した。なお、混練中に発生する揮発性分はベント口から吸引除去した。
スリット状のヘッドから吐出された反応物を100℃に加熱した二軸ロールによりシート状に成形した。なお、シート成形と同時にPET不織布の裏打ちを行った。
【0041】
(2)発泡成形
<成形方法1>
・発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが有る場合で溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が30〜70Paの範囲である樹脂物性を持ったもの。
【0042】
<成形方法2>発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが無く溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が30〜70Paの範囲である樹脂物性(ゴム弾性中のもの)を持つもの。成形行程は実施例1と同様。但しエンドレスベルトでシート保持する。
【0043】
<成形方法3>発泡性原反シートにPET不織布の裏打ちが無く溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1値が70〜132Paの範囲である樹脂物性(ゴム弾性大もの)を持つもの。成形行程は実施例2と同様。但し上下をエンドレスベルトで構成し、シートの拘束時間を稼ぐ。
【0044】
−成形工程−
加熱…発泡性原反シートを加熱し、シートを軟化させる。
予備プレス…シートが軟化したところ(発泡開始直前)でプレスロールにてプレスし、シート形状(厚み)を整える。→伸縮によるシート厚みの不均一を防ぎ、シート厚みを整え、均一に発泡が開始され易くする。
開放・加熱発泡…予備プレスロールを通過すると、再び加熱が開始され、発泡プレスロール直前で発泡が開始する。
発泡プレス…発泡が始まったシートは発泡プレスロールにて押さえつけられて、均一厚みで均一加熱され、一時的に発泡を抑制される。
開放…発泡プレスロール通過後、プレスロールによって押さえつけられていたシートは圧力から開放され、ゴム弾性の反発により一気に縦横方向に膨張し、皺の発生が少なくなる。
整形プレス…膨張したシートに発生するうねりや小さな凹凸等をプレスロールにて整え、所定のシート厚みにプレスし、冷却を行う。
冷却、巻き取り…シートを空冷した後、巻き取機にて巻き取る。
【0045】
(3)発泡倍率
発泡倍率(H)は、発泡後のシート厚み(t)を発泡前のシート厚み(t0)で除した値(H=t/t0)とした。表2に発泡倍率を示した。
【0046】
(4)シート外観、発泡セル、クッション性の評価
シート外観評価は目視で行った。発泡セルの均一性に関する評価は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−7000を用いて行った。発泡シートのクッション性評価は、触感法で行った。
【0047】
実施例1〜3、比較例1〜3
【0048】
表1〜2に原料、成形方法、結果を示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】
本発明の発泡用ポリオレフィン系樹脂を原料として用いることにより、高発泡倍率で均質な発泡セル構造の発泡体を製造することができる。
得られた発泡体は、軽量で機械的特性のバランスに優れており、自動車の各種部品、電子電気部品、機械部品などの材料として利用できる。
Claims (5)
- (a)溶融状態のせん断応力が100Paにおける第一法線応力差N1が30Pa以上132Pa以下である、及び(b)ASTM D1238に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR:230℃、2160g)が0.05g/10分以下であるポリプロピレン系樹脂を主成分とする発泡用ポリオレフィン系樹脂。
- 該ポリプロピレン系樹脂のゲル分率が2wt%以下であることを特徴とする請求項1に記載の発泡用ポリオレフィン系樹脂。
- 該ポリプロピレン系樹脂が、不飽和カルボン酸またはその酸無水物で変性したポリプロピレンとポリアミン化合物とを反応させたものであることを特徴とする請求項1〜2に記載の発泡用ポリオレフィン系樹脂。
- 該ポリプロピレン系樹脂が、プロピレンとプロピレン以外のオレフィンとの共重合体であることを特徴とする請求項1〜3に記載の発泡用ポリオレフィン系樹脂。
- 請求項1〜4に記載のポリオレフィン系樹脂と発泡剤からなる組成物を発泡させて得られる発泡体。
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