JP2005008343A - 印刷装置、及び印刷装置の制御方法 - Google Patents

印刷装置、及び印刷装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】印刷時間を不必要に長くすることなく、印刷用紙の後端の搬送ローラ抜け時の不安定な搬送状態が印刷画像の画質に与える影響を確実に小さく抑えることが可能な印刷装置、及び印刷装置の制御方法を実現することにある。
【解決手段】印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置において、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変更する。
【選択図】 図27

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷装置および印刷装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
印刷用紙等の印刷媒体に印刷画像を印刷する装置としてインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタでは、印刷用紙を間欠搬送する搬送ローラと、この間欠搬送の停留中に、前記搬送方向と直交する主走査方向に移動する印刷ヘッドとを備えている。そして、印刷ヘッドの移動中に当該印刷ヘッドが備える複数のノズルからインクを吐出することによって、搬送方向に関して部分的に印刷画像を印刷し、これら間欠搬送および印刷を順次繰り返して、搬送方向に亘った所定サイズの印刷画像を形成する。
【0003】
図21A乃至図21Dに、前記搬送ローラとしての紙送りローラ65が印刷用紙50を紙送りする様子を示す。この紙送りローラ65は、従動ローラ66とによって印刷用紙50を挟み込みながら駆動回転し、これによってこの紙送りローラ65の下流に位置する印刷ヘッド9に印刷用紙50を送り出す。そして、この送り出された印刷用紙50の部分に対して印刷ヘッド9は印刷を行う。
【0004】
但し、図21Dに示すように、この印刷用紙50の後端が前記紙送りローラ65を抜ける瞬間には、当該紙送りローラ65と従動ローラ66との挟み込み圧力Fが印刷用紙50を下流側に送り出す方向に余計に作用し、これによって印刷用紙50は、その間欠搬送の停留予定位置から下流側にずれてしまう場合がある(以下、この現象を「蹴飛ばし現象」と言う)。そして、この位置ずれ状態のまま印刷すると、今回の停留中に印刷する部分と、その前の停留時に印刷した部分との間に、主走査方向に沿った未印刷部分(筋状部)が生じてしまい印刷不良となる。
【0005】
このため、この蹴飛ばしを緩和する目的で、前記後端が紙送りローラ65を抜ける前に、印刷用紙50の搬送速度を通常速度から低速へ切り換えるようにしている(例えば、特許文献1を参照。)。この切り換えは、紙送りローラ65の上流側に配された後端検知センサ15としての紙検知センサと、紙送りローラ65の回動量を計測するエンコーダを用いてなされる。すなわち、図21Bのように、紙検知センサ15を後端が通過したら当該紙検知センサ15は検知信号を出力し、エンコーダは、この検知信号の出力時点からの紙送りローラ65の回動量を計測する。そして、この回動量の計測値が所定値に達したら、前記後端が低速への切り換え位置に到達したとみなして、前記切り換えを行う。尚、この切り換え位置は、低速搬送する範囲を極力短くすべく、通常、紙送りローラ65の直近上流に近接設定されている。
【0006】
但し、紙検知センサ15が、後端の通過に対して遅れ気味の検知誤差を有する場合、すなわち図21Bに示す紙検知センサ15を後端が通過した時点から、図21Cに示す前記検知信号の出力時点までの間に所定時間を要する場合には、実際の後端位置は、エンコーダの前記計測値に基づく後端位置よりも、前記所定時間に相当する相当距離L0だけ下流側に移動している。
【0007】
従って、この計測値に基づいて切り換えた場合には、実際の後端位置は、前記所定時間に相当する相当距離L0だけ前記切り換え位置よりも下流側に移動しており、この相当距離L0の大きさによっては、低速への切り換え時には、実際の後端は既に紙送りローラ65を通過し終わっていて、蹴飛ばし現象を防止できない虞がある。
【0008】
ここで、このような防止不良を確実に防ぐ一つの方法として、前記切り換え位置を、前記検知誤差の最大値に相当する相当距離L0だけ上流側に一律に移動することが挙げられる。
【0009】
【特許文献1】
特開2002−96512号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この相当距離L0は、前記時間遅れに起因するため、前記センサ15を通過する際の搬送速度に比例して大きくなる性質のものであり、一律に前記最大値だけ移動してしまうと、当該搬送速度が小さい場合には、必要以上に低速搬送される距離が長くなり、もって印刷時間が必要以上に長くなってしまう。
【0011】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、印刷時間を不必要に長くすることなく、印刷用紙の後端の搬送ローラ抜け時の不安定な搬送状態が印刷画像の画質に与える影響を確実に小さく抑えることが可能な印刷装置、及び印刷装置の制御方法を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、主たる本発明は、印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置において、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変化させることを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
【0013】
【発明の実施の形態】
本明細書における発明に詳細な説明の項の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
【0014】
印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置において、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変化させることを特徴とする印刷装置。
【0015】
このような印刷装置によれば、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変更する。よって、後端検知センサが、前記搬送速度に伴って変動するような検知誤差を有する場合でも、前記搬送速度毎に、その搬送速度に対応した検知誤差分だけ前記第1の所定値を変更することができる。従って、検知誤差の変動の最大値を考慮して前記第1の所定値を設定しなくて良いことから、当該第1の所定値を、不必要に搬送ローラから上流側に大きく離れた位置に設定せずに済み、もって印刷時間が不必要に長くなることを防ぐことができる。
【0016】
また、前記搬送速度に応じて前記第1の所定値を精細に変更することによって、実際の後端が搬送ローラを通過する以前に確実に低速への切り換え完了状態に設定することができて、もって後端の搬送ローラ抜け時の不安定な搬送状態が印刷画像の画質に与える影響を確実に小さくすることができる。
【0017】
また、かかる印刷装置において、前記後端検知センサは、前記後端が前記後端検知センサを通過した通過時点から前記検知信号が出力される時点までの間に所定時間を要し、該所定時間と前記搬送速度との積に相当する回動量だけ前記第1の所定値を小さく変化させるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記後端検知センサが、前記所定時間だけの検知信号の出力遅れを有する場合には、該所定時間と前記搬送速度との積に相当する回動量だけ前記第1の所定値を小さく変化させる。よって、前記通過する際の搬送速度によらずに、前記搬送ローラから所定距離だけ上流側に離れた位置で、正確に低速へ切り換えることができる。
【0018】
また、かかる印刷装置において、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度とは、前記検知信号の出力時点の搬送速度であるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記センサを通過する際の搬送速度として、検知信号の出力時点での搬送速度を用いている。つまり、この検知信号に基づいて計測するため、常に同じタイミングで搬送速度を計測することができる。
【0019】
また、かかる印刷装置において、前記回動量が、前記第1の所定値よりも大きな第2の所定値に達した際に、前記搬送速度を低速から通常速度に切り換えるとともに、当該第2の所定値を、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて変更するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記後端が低速で搬送される範囲は、前記第1の所定値と第2の所定値との間の範囲に限られる。従って、当該範囲以外では、搬送速度を自由に設定可能であり、例えば、当該所定範囲以外の領域を、前記低速よりも高速の通常速度で搬送すれば、搬送時間の短縮化を図ることができる。
【0020】
また、かかる印刷装置において、前記第1の所定値は前記搬送ローラよりも上流側の位置に、第2の所定値は前記搬送ローラよりも下流側の位置に対応させて設定されているのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記後端が低速で搬送される範囲は、前記搬送ローラの上流から下流にかけて当該搬送ローラを跨るように設定されている。従って、前記搬送ローラを後端が通過する際には、印刷媒体は確実に低速で搬送される。
【0021】
また、かかる印刷装置において、前記印刷媒体は間欠搬送され、該間欠搬送の停留中に前記印刷ヘッドは印刷画像を印刷し、前記後端位置は、前記回動量に基づいて算定され、間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が、前記第1の所定値と第2の所定値との間で規定される低速搬送領域に含まれる場合には、少なくとも前記低速搬送領域では印刷媒体を低速で搬送するように、当該間欠搬送を複数回に分割して実行することを許容するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記移動経路における少なくとも前記低速搬送領域に含まれる部分だけは低速で搬送しつつ、それ以外の部分は適宜搬送速度を自由に設定可能であり、例えば、それ以外の移動経路部分を、前記低速よりも高速の通常速度で搬送すれば搬送時間の短縮化を図ることができる。
【0022】
また、かかる印刷装置において、前記間欠搬送における後端の移動経路の一部も、前記低速搬送領域に含まれない場合には、当該間欠搬送を低速では行わないのが望ましい。
このような印刷装置によれば、行う必要の無い低速搬送を確実に無くすことができて、これにより搬送時間の短縮化を図ることができる。
【0023】
また、かかる印刷装置において、前記低速搬送領域に連続させて、その上流側および下流側には、それぞれに前記低速搬送の実行が許容された許容領域が設定され、該許容領域において低速搬送を実行するか否かは、停留中の後端位置および間欠搬送後に停留予定の後端位置の両者に基づいて決定されるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、停留中の後端位置および間欠搬送後に停留予定の後端位置を考慮して、当該間欠搬送における前記低速搬送の許容領域を低速搬送するか否かを決定する。従って、低速搬送とそれ以外の速度での搬送という搬送方式の切り換えに伴うロスタイムと、搬送速度を低速から切り換えない場合に余計にかかる搬送時間とのバランスをとって、全体として搬送時間を短くすることが可能となる。
【0024】
また、かかる印刷装置において、停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送するとともに前記入口以降の領域では低速搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行し、停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記下流側許容領域を超える場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送し、前記低速搬送領域では低速搬送し、該低速搬送領域の出口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を3分割して実行するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、停留中の後端位置が、上流側許容領域よりも上流側にある場合における間欠搬送に要する搬送時間を、全体として短くできる。すなわち、低速搬送および通常速度の搬送という搬送方式の切り換えに伴うロスタイムと、通常速度の搬送に切り換えない場合に余計にかかる搬送時間とのバランスをとって、全体として搬送時間を短くすることが可能となる。
【0025】
また、かかる印刷装置において、停留中の後端位置が上流側許容領域または低速搬送領域にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、当該間欠搬送を分割せずに低速搬送し、停留中の後端位置が上流側許容領域または低速搬送領域にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が下流側許容領域を超える場合には、該下流側許容領域の入口までは低速搬送するとともに前記入口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、停留中の後端位置が上流側許容領域または低速搬送領域にある場合における間欠搬送に要する搬送時間を、全体として短くできる。すなわち、低速搬送および通常速度の搬送という搬送方式の切り換えに伴うロスタイムと、通常速度の搬送に切り換えない場合に余計にかかる搬送時間とのバランスをとって、全体として搬送時間を短くすることが可能となる。
【0026】
また、かかる印刷装置において、間欠搬送の搬送量が、印刷ヘッドの一回の印刷動作にて印刷される最大印刷領域よりも大きい場合には、前記間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が前記低速搬送領域に含まれる場合であっても、当該間欠搬送を低速で行わないのが望ましい。
このような印刷装置によれば、間欠搬送の搬送量が前記最大印刷領域よりも大きい場合には、当該間欠搬送の前後の停留中に形成された一対の印刷画像同士の間には、空白部が形成される。従って、当該間欠搬送において後端が搬送ローラを抜けて、その際に搬送状態が不安定になっても、その影響は空白部にのみ顕れて印刷画像には顕在化しない。従って、前記影響を小さく抑えるために低速で搬送する必要は無く、当該搬送速度を自由に設定可能であり、例えば、前記低速よりも高速の通常速度で搬送すれば搬送時間の短縮化を図ることができる。
【0027】
また、かかる印刷装置において、前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転する駆動ローラを備え、該駆動ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでいるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記搬送ローラは、印刷媒体を加圧状態にて挟んでいるので、印刷媒体を確実に搬送することができる。
【0028】
また、かかる印刷装置において、前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、レバーと印刷媒体との物理的接触によって印刷媒体の後端の通過を検知するので、当該検知の確実性に優れる。
【0029】
また、印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転する駆動ローラを有し、該駆動ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでおり、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記回動量が、前記第1の所定値よりも大きな第2の所定値に達した際に、前記搬送速度を低速から通常速度に切り換える印刷装置において、前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有し、前記後端が前記後端検知センサを通過した通過時点から前記検知信号が出力される時点までの間に所定時間を要し、該所定時間と、前記検知信号の出力時点の搬送速度との積に相当する回動量だけ前記第1の所定値および第2の所定値を小さく変化させ、前記第1の所定値は前記搬送ローラよりも上流側の位置に、第2の所定値は前記搬送ローラよりも下流側の位置に対応させて設定されており、前記第1の所定値と第2の所定値との間で規定される低速搬送領域に連続させて、その上流側および下流側には、それぞれに前記低速搬送の実行が許容された許容領域が設定され、前記印刷媒体は間欠搬送され、該間欠搬送の停留中に前記印刷ヘッドは印刷画像を印刷し、該印刷媒体の後端位置は、前記回動量に基づいて算定され、間欠搬送における後端の移動経路の一部も、前記低速搬送領域に含まれない場合には、当該間欠搬送を低速では行わず、間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が、前記低速搬送領域に含まれる場合には、少なくとも前記低速搬送領域では印刷媒体を低速で搬送するように、当該間欠搬送を複数回に分割して実行することを許容し、停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送するとともに前記入口以降の領域では低速搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行し、停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記下流側許容領域を超える場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送し、前記低速搬送領域では低速搬送し、該低速搬送領域の出口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を3分割して実行し、間欠搬送の搬送量が、印刷ヘッドの一回の印刷動作にて印刷される最大印刷領域よりも大きい場合には、前記間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が前記低速搬送領域に含まれる場合であっても、当該間欠搬送を低速で行わないのが望ましい。 このような印刷装置によれば、既述の全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
【0030】
また、印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置の制御方法において、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変化させることを特徴とする印刷装置の制御方法も実現可能である。
【0031】
===印刷装置の概略構成===
本第1実施形態に係る印刷装置としてのインクジェットプリンタを、図1乃至図5を参照して説明する。
図1に示すように、このインクジェットプリンタは、印刷用紙50の搬送たる紙送りを行う紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1と、この紙送りモータ1を駆動する紙送りモータドライバ2と、キャリッジ3と、このキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、このキャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5と、DCユニット6と、キャリッジ3に固定されて印刷用紙50にインクを吐出する印刷ヘッド9と、この印刷ヘッド9を駆動制御するヘッドドライバ10と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ11と、所定の間隔にスリットが形成された符号板12と、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13と、印刷用紙50の先端および後端を検知する紙検知センサ15と、プリンタ全体の制御を行うCPU16と、CPU16に対して周期的に割込み信号を発生するタイマIC17と、ホストコンピュータ18との間でデータの送受信を行うインタフェース部(以下IFともいう)19と、ホストコンピュータ18からIF19を介して送られてくる印刷情報に基づいて印刷解像度や印刷ヘッド9の駆動波形等を制御するASIC20と、ASIC20およびCPU16の作業領域やプログラム格納領域として用いられるPROM21,RAM22およびEEPROM23と、印刷中の印刷用紙50を支持するプラテン25と、PFモータ1によって駆動されて印刷用紙50を紙送りする紙送りローラ65と、CRモータ4の回転軸に取付けられたプーリ30と、このプーリ30によって駆動されるタイミングベルト31と、を備えている。
【0032】
尚、前記DCユニット6は、CPU16から送られてくる制御指令、エンコーダ11,13の出力に基づいて紙送りモータドライバ2およびCRモータドライバ5を駆動制御する。また、紙送りモータ1およびCRモータ4はいずれもDCモータで構成されている。このうちのDCユニット6による紙送りモータ1の制御については後述する。
【0033】
――― キャリッジの周辺構成 ―――
インクジェットプリンタのキャリッジ3の周辺構成を図2に示す。
キャリッジ3は、タイミングベルト31によりプーリ30を介してキャリッジモータ4に接続され、ガイド部材32に案内されてプラテン25に平行に移動するように駆動される。キャリッジ3の印刷用紙50に対向する面には、ブラックインクを吐出するノズル列およびカラーインクを吐出するノズル列からなる印刷ヘッド9が設けられ、これらノズル列のノズルは、ノズル毎に設けられたピエゾ素子によってインク滴を吐出するようになっている。そして、各ノズルは、インクカートリッジ34からインクの供給を受けて印刷用紙50にインク滴を吐出して文字や画像を印刷する。
【0034】
――― リニア式エンコーダおよびロータリ式エンコーダの構成 ―――
図3は、キャリッジ3に取り付けられたリニア式エンコーダ11の構成を示す図である。このエンコーダ11は発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11bと、検出処理部11cとを備えている。この検出処理部11cは複数(4個)のフォトダイオード11dと、信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA ,11fBとを有している。
【0035】
発光ダイオード11aの両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード11aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ11bによって平行にされて符号板12を通過する。符号板12には所定の間隔(例えば1/1440インチ(=1/1440×2.54cm))毎にスリットが設けられた構成となっている。
【0036】
この符号板12を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード11dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード11dから出力される電気信号が信号処理回路11eにおいて信号処理される。この信号処理回路11eから出力される信号がコンパレータ11fA,11fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ11fA、11fB から出力されるパルスENC−A,ENC−Bがエンコーダ11の出力となる。
【0037】
パルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。CRモータ4が正転すなわちキャリッジ3が主走査方向に移動しているときは図4Aに示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、CRモータ4が逆転しているときは図4Bに示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れるようにエンコーダ4は構成されている。そして、上記パルスの1周期Tは符号板12のスリット間隔(例えば1/1440インチ(=1/1440×2.54cm))に対応し、 キャリッジ3が上記スリット間隔を移動する時間に等しい。
【0038】
一方、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13は符号板がPFモータ1の回転に応じて回転する回転円板である以外は、リニア式エンコーダ11と同様の構成となっており、2つの出力パルスENC−A,ENC−Bを出力する。尚、インクジェットプリンタにおいては、PFモータ1用のエンコーダ13の符号板に設けられている複数のスリットのスリット間隔は、1/1440インチであり、PFモータ1が上記1スリット間隔だけ回転すると、1/1440インチだけ紙送りされるような構成となっている。尚、前記エンコーダ13の符号板は、紙送りローラ65の回転軸に取り付けられている。
【0039】
――― 印刷用紙の搬送 ―――
次に、印刷用紙50の搬送たる紙送りについて図5を参照して説明する。図5において、給紙トレー61にセットされた印刷用紙50は、給紙モータ(不図示)によって駆動される給紙ローラ64によってプリンタ内に送り込まれる。そして、この印刷用紙50の先端が、給紙ローラ64の下流側に配された紙検知センサ15の位置に到達すると、当該紙検知センサ15によって先端が検知され、当該印刷用紙50は、PFモータ1にて駆動される搬送ローラとしての紙送りローラ65によって間欠搬送される。
【0040】
この間欠搬送の停留中には、キャリッジガイド部材32に沿って移動するキャリッジ3に固定された印刷ヘッド9からインク滴が吐出されることにより印刷用紙50に対して印刷が行われる。そして、この間欠搬送およびその停留中の印刷を繰り返し行って印刷用紙50に所定サイズの印刷画像を形成する。
【0041】
尚、この印刷ヘッド9の下流側には排紙ローラ69が配置されており、印刷用紙50がこの排紙ローラ69に到達すると、前記紙送りローラ65に加えて当該排紙ローラ69によっても紙送りがなされる。この排紙ローラ69と前記紙送りローラ65とはギヤ列(不図示)によって繋がっており、もってこれらの搬送速度たる紙送り速度は一致している。
【0042】
紙送りが進んで、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15を通過すると、当該紙検知センサ15は後端の検知信号を出力する。そして、更に紙送りが進むと、印刷用紙50は紙送りローラ65を抜け、これ以降は、排紙ローラ69だけで紙送りされて、最終的に印刷用紙50は排紙口(不図示)から外部に排出される。尚、印刷用紙50の後端が紙送りローラ65を抜ける際に前記蹴飛ばし現象が発生するが、これについては後述する。また、前記紙検知センサ15の構成についても後述する。
【0043】
=== 紙送りモータ(PFモータ)の制御 ===
前記紙送りモータ1の制御について、図6乃至図20を参照して説明する。このPFモータ1の制御は前記DCユニット6によって行われる。
このDCユニットは、図6に示すように、印刷用紙50を通常速度で搬送するための通常搬送制御部60と、蹴飛ばし現象を防ぐべく印刷用紙50を低速で搬送するための低速搬送制御部80と、これらのうちのいずれかを選択する搬送制御選択部70と、この搬送制御選択部70にて選択された前記搬送制御部から送られる電流信号をアナログ電流に変換するためのD/Aコンバータ6jと、印刷用紙50の後端位置を計測するための後端位置カウンタ95と、を有している。そして、このD/Aコンバータ6jからのアナログ電流に基づいて、前記紙送りモータドライバ2がPFモータ1を駆動する。
【0044】
――― 後端位置カウンタ ―――
後端位置カウンタ95は、紙検知センサ15による後端の検知信号の出力時点からの紙送りローラ65の回動量を計測し、この計測値を前記搬送制御選択部70に出力する。この回動量の計測は、前述のエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数することによって行われる。この計数は、PFモータ1の正転時に1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆に逆転時に1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。前述したように、パルスENC−AおよびENC−Bの各々の周期Tは符号板のスリット間隔に等しく、かつパルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はエンコーダ13の符号板のスリット間隔の1/4に対応する。また、PFモータ1が1スリット間隔だけ回転すると、1/1440インチだけ紙送りされるから、これにより上記位置カウンタ6aの計数値に1/4×1/1440インチを乗算すれば、この計数値たる回動量に対応する後端の移動量を求めることができる。
【0045】
――― 搬送制御選択部 ―――
搬送制御選択部70は、前記蹴飛ばし現象を防止すべく、図28乃至図31のフローチャートに示す処理を行って通常搬送制御部60または低速搬送制御部80のいずれか一つを択一的に選択し、当該選択した搬送制御部にPFモータ1を制御させるものである。すなわち、図28に示すように、紙検知センサが後端の検知信号を出力していない場合には、通常搬送制御部60を選択して印刷用紙50を通常搬送する。一方で、前記検知信号を出力している場合には、後述する分割判定処理を行って低速搬送制御部80を適宜タイミングで選択することにより蹴飛ばし現象を防止する。尚、この分割判定処理については、後述する。
【0046】
また、この搬送制御選択部70は、紙検知センサ15による後端の検知信号の出力時点における搬送速度Voを取得する目的で、周期カウンタ(不図示)を備えている。この周期カウンタは、エンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、エッジ間の時間間隔を例えばタイマカウンタによってカウントする。そして、このカウント値に基づいてエンコーダ周期Tを出力する。尚、前記カウント値は、前記スリット間隔の1/4分の時間に相当するため、スリット間隔を移動する時間としてのエンコーダ周期Tは、前記カウント値の4倍となる。
【0047】
――― 通常搬送制御部 ―――
通常搬送制御部60は、図7に示すように、位置カウンタ60aと、減算器60bと、目標速度演算部60cと、速度演算部60dと、減算器60eと、比例要素60fと、積分要素60gと、微分要素60hと、加算器60iと、タイマ60kと、加速制御部60mとを備えている。そして、後述する加速制御およびPID制御を適宜行って、前記低速よりも高速の通常速度で印刷用紙50を紙送りする。
【0048】
位置カウンタ60aは、前記紙検知センサ15による先端の検知信号が出力された時点からの紙送りローラ65の回動量を計測し、この回動量に基づいてPFモータ1によって送られる紙送り量を演算する。すなわち、この位置カウンタ60aは、前述の後端位置カウンタ95と同様に、エンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数する。そして、この計数値に、1/4×1/1440インチを乗算すれば、PFモータ1の、計数値が「0」に対応する位置、例えば前記検知信号の出力時点からの紙送りの量等を求めることができる。
【0049】
減算器60bは、目標位置と、位置カウンタ60aのカウント値との位置偏差を演算する。
目標速度演算部60cは、減算器60bの出力である位置偏差に基づいてPFモータ1の目標速度を演算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。このゲインKpは位置偏差に応じて決定される。尚、このゲインKpの値は図示しないテーブルに格納していても良い。
速度演算部60dはエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bに基づいてPFモータ1の速度を演算する。この速度は次のようにして求められる。まずエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、エッジ間の時間間隔を例えばタイマカウンタによってカウントする。そして、このカウント値の逆数に、前記スリット間隔の1/4(=1/4×1/1440インチ)を乗算すれば速度となる。
減算器60eは、目標速度と、速度演算部60dによって演算されたPFモータ1の実際の速度との速度偏差を演算する。
【0050】
比例要素60fは上記速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素60gは速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素60hは現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。尚、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hの演算はエンコーダ13の出力パルスENC−Aの1周期毎に、例えば出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行う。
比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hの出力は加算器60iにおいて加算される。そして加算結果、すなわちPFモータ1の駆動電流がD/Aコンバータ6jに送られてアナログ電流に変換される。このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
【0051】
また、タイマ60kおよび加速制御部60mは加速制御に用いられ、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hを使用するPID制御は加速途中の定速および減速制御に用いられる。
タイマ60kはCPU16から送られてくるクロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込み信号を発生する。
【0052】
加速制御部60mは上記タイマ割込信号を受ける度毎に所定の電流値を目標電流値に積算し、積算結果すなわち加速時におけるPFモータ1の目標電流値がD/Aコンバータ6jに送られる。PID制御の場合と同様に上記目標電流値はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
【0053】
ドライバ2は、例えば4個のトランジスタを備えており、D/Aコンバータ6jの出力に基づいて上記トランジスタを各々ONまたはOFFさせることにより(a)PFモータ1を正転または逆転させる運転モード(b)回生ブレーキ運転モード(ショートブレーキ運転モード、すなわちPFモータ1の停止を維持するモード)(c)PFモータ1を停止させようとするモードを行わせることが可能な構成となっている。
【0054】
次に図8Aおよび図8Bを参照して通常搬送制御部60の動作を説明する。PFモータ1が停止しているときに、前記搬送制御選択部70によって通常搬送制御部60が選択されると、この通常搬送制御部60の加速制御部60mから起動初期電流値I0がD/Aコンバータ6jに送られる。そしてこの電流値I0はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換されてドライバ2に送られ、このドライバ2によってPFモータ1が起動開始する(図8Aおよび図8Bを参照)。
【0055】
この起動開始後、所定の時間毎にタイマ6kからタイマ割込信号が発生される。加速制御部60mはタイマ割込信号を受信する度毎に、起動初期電流値I0に所定の電流値を積算し、積算した電流値をD/Aコンバータ6jに送る。するとこの積算した電流値はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換されてドライバ2に送られる。そしてPFモータ1に供給される電流の値が上記積算した電流値となるように、ドライバ2によってPFモータ1が駆動されPFモータ1の速度は上昇する(図8Bを参照)。このためPFモータ1に供給される電流値は図8Aに示すように階段状になる。
尚、このときPID制御系も動作しているが、D/Aコンバータ6jは加速制御部60mの出力を選択して取込む。
【0056】
加速制御部60mの電流値の積算処理は、積算した電流値が一定の電流値ISとなるまで行われる。時刻t1において積算した電流値が所定値ISとなると、加速制御部60mは積算処理を停止し、D/Aコンバータ6jに一定の電流値ISを供給する。これによりPFモータ1に供給される電流の値が電流値ISとなるようにドライバ2によって駆動される(図8Aを参照)。
そして、PFモータ1の速度がオーバーシュートするのを防止するために、PFモータ1が所定の速度V1になると(時刻t2 )になると、PFモータ1に供給される電流を減小させるように加速制御部6mが制御する。このときPFモータ1の速度は更に上昇するが、PFモータ1の速度が所定の速度vcに達すると(図8Bの時刻t3参照)、D/Aコンバータ6jが、PID制御系の出力すなわち加算器60iの出力を選択し、PID制御が行われる。
【0057】
すなわち、目標位置と、カウンタ60aのカウント値との位置偏差に基づいて目標速度が演算され、この目標速度と、エンコーダ13の出力から得られる実際の速度との速度偏差に基づいて、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hが動作し、各々比例、積分、および微分演算が行われ、これらの演算結果の和に基づいて、PFモータ1の制御が行われる。尚、上記比例、積分、および微分演算は、例えばエンコーダ13の出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行われる。これによりPFモータ1の速度は所望の速度veとな るように制御される。尚、所定の速度vcは所望の速度veの70〜80%の値であることが好ましい。
時刻t4からPFモータ1は所望の速度veとなる。その後、PFモータ1が目標位置に近づくと(図8Bの時刻t5参照)、PFモータ1の減速が行われ、時刻t6にPFモータ1が停止する。
【0058】
――― 低速搬送制御部 ―――
低速搬送制御部80は、前記蹴飛ばしを防止すべく印刷用紙50を低速搬送する際に、前記搬送制御選択部70によって選択される。
図9に示すように、この低速搬送制御部80は、位置カウンタ81と、周期カウンタ82と、制御選択部84と、タイマ割込制御部85と、エンコーダ割込制御部86と、ホールド制御部87と、微分制御部88と、選択部89,90とを備えている。
【0059】
位置カウンタ81はエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数するとともに上記立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに同期してパルスを出力する。この計数はPFモータ1が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。
周期カウンタ82は、エンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、符号板12のスリット間隔の1/4を紙が移動する時間(周期)を例えばタイマカウントによってカウントし、このカウント値T−curを出力する。
【0060】
制御選択部84は設定値Timerを有するタイマカウンタ84aを備えている。このタイマカウンタ84aは、カウント値が上記設定値Timerに達するまでカウントを行い、上記設定値Timerに達したとき、および位置カウンタ81からの出力パルスを受けたときは、リセットされ再び零からカウントを開始する。
また制御選択部84は、位置カウンタ81からの出力パルスを受けたときに図10に示すように目標位置を含む目標範囲内に印刷用紙50の後端(以下、紙後端とも言う)が位置している場合は、ホールド制御部87を選択する。そして上記目標範囲外に位置している場合は、位置カウンタ81からの出力パルスをタイマカウンタ84aが受信したときのカウント値Tに基づいてタイマ割込制御部85かまたはエンコーダ割込制御部86を選択する。上記カウント値Tが設定値Timerに達しても位置カウンタ81から出力パルスを受信しない場合(この場合、T>Timerと見なす)、すなわち印刷用紙50が停止しているかまたは目標速度よりもかなりゆっくりと動いている場合はタイマ割込制御部85を選択し、上記カウント値Tが設定値Timerの値以下の場合はエンコーダ割込制御部86を選択する。したがって制御選択部84は位置カウンタ81から出力パルスを受信する毎、またはタイマカウンタ84aのカウント値が設定値Timerに達したときに、上記3つの制御部のうちの1つの制御部を選択する動作を行う。
【0061】
タイマ割込制御部85は、制御選択部84によって選択されたときには、位置カウンタ81の出力から得られる紙後端の位置および進行方向に基づいてPFモータ1に付加する電流I−curを決定し、選択部89に送出する。エンコーダ割込制御部86は、制御選択部84によって選択されたときには、位置カウンタ81の出力から得られる紙後端の位置および進行方向と、周期カウンタ82の出力から得られた周期T−curとに基づいて、PFモータ1に付加する電流I−curを決定し、選択部89に送出する。
選択部89は、タイマ割込制御部85が選択されているときにはタイマ割込制御部85の出力を選択し、エンコーダ割込制御部86が選択されているときにはエンコーダ割込制御部86の出力を選択して選択部90に送出する。
【0062】
微分制御部88は、周期カウンタ82の出力から得られる周期T−curに基づいて、紙後端の現在の速度と基準速度との速度偏差を演算し、この速度偏差と一つ前の割込時、すなわち一つ前の動作時の速度偏差との差に応じた増減電流値I−crtDを決定する。尚、増減電流値I−crtDは、紙後端の現在の速度と基準速度との速度偏差と一つ前の動作時の速度偏差との差に、上記演算された速度偏差に対応した定数を乗じて求めても良い。
【0063】
ホールド制御部87は、位置カウンタ81の出力から得られる、紙後端の位置および進行方向に基づいて、紙後端が図10に示すホールド時の許容範囲内に位置しているときは、上記範囲内に紙後端の位置が保持されるようにPFモータ1に付加する電流I−curを決定し、紙後端が上記許容範囲外に位置しているときには、制御選択部84を介して、タイマ割込制御部85またはエンコーダ割込制御部86を動作させる。
【0064】
選択部90はホールド制御部87が選択されているときには、ホールド制御部87の出力を選択し、ホールド制御部87が選択されていないときには選択部89の出力を選択し、この選択された、PFモータ1に付加する電流I−curをD/Aコンバータ6jに送出する。この電流値I−curはD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
【0065】
次に、低速搬送制御部80の動作の概要を図11を参照して説明する。
まず、低速搬送制御部80が選択されると、選択された回数が1回目かそれとも2回以上選択されたか制御選択部84によって判定される(ステップF10参照)。1回目の場合は、電流値I−curの初期値としてI−cur=I−startが設定される(ステップF11参照)。1回目の場合は、電流値I−curの初期値として、前回のホールド電流値I−holdがI−cur=I−holdとして設定される(ステップF12参照)。
【0066】
続いて、タイマカウンタ84aのカウント値TがTimerか否かが判定され(ステップF13参照)、T>Timerの場合は、制御選択部84によってタイマ割込制御部85が選択され、タイマ割込制御が実行される(ステップF14参照)。T≦Timerの場合は制御選択部84によってエンコーダ割込制御部86が選択され(ステップF15参照)、エンコーダ割込制御が行われる。
そして、位置カウンタ81の出力に基づいて、紙後端の現在位置が図10に示す目標範囲LR間に位置しているか否かが制御選択部84によって判定される(ステップF16参照)。紙後端が目標範囲LR間に位置していない場合は、ステップF13に戻り、上述のステップが繰返される。
紙後端が目標範囲LR間に位置している場合は制御選択部84によってホールド制御部87が選択され、ホールド制御が行われる。
【0067】
次にタイマ割込制御部85の動作の一具体例を図12を参照して説明する。 まず、紙後端の現在位置Pが確認される(ステップF20参照)。続いて紙送りの進行方向Dirが確認され(ステップF21参照)、現在周期T−curがTimerであることの確認がなされる(ステップF22参照)。
その後、位置カウンタ81の出力に基づいて、紙後端の現在位置が図10に示す目標範囲(LR間)に入っているか否かが判定される(ステップF23参照)。紙後端の現在位置が目標範囲(LR間)に入っている場合は現在の電流値を変更せず(ステップF24参照)、紙後端の現在位置が目標範囲に入っていなくて、図10に示すLL側に位置している場合は、ステップF25に進み、現在の電流値I−curに制御量I−stepT1が付加された値がI−curとなる(I−cur=I−cur+I−stepT1)。またステップF23において紙後端の位置が図10に示すRR側に位置している場合は、ステップF26に進み、現在の電流値I−curから制御量I−stepT1を減算した値がI−curとなる(I−cur=I−cur−I−stepT1)。
【0068】
続いて、ステップF27において、現在速度係数V−radが零に設定され、ステップF28において微分制御部F88が呼び出され、微分制御量I−curDが演算される。
その後、ステップF29において、現在の電流値I−curに上記微分制御量I−curDが加算された値がI−curとなる(I−cur=I−cur+I−curD)。このステップF29において演算された電流値I−curに基づいてモータ制御が行われる(ステップF30)。すなわち上記電流値I−curが選択部89,90を介してD/Aコンバータ6jに送られ、PFモータ1の制御が行われる。
【0069】
次に上述の微分制御部88の動作の一具体例を、図13を参照して説明する。まず、微分制御部88が呼び出されると、この呼び出しがタイマ割込制御部85からの呼び出しか否かがステップF40において判定される。タイマ割込制御部85からの呼出しでない場合はステップF41に進み、制御前1個進行方向Dirーlastが現在の進行方向Dir−curとされた後、ステップF42において現在の速度V−radが現在の周期T−curから求められ(V−rad=α/T−cur)、ステップF44に進む。尚、ここでαは周期を速度に変換する係数である。ステップF40において、タイマ割込制御部85からの呼出しの場合は、現在の速度V−radは「0」に初期設定され(ステップF43)、ステップF44に進む。
【0070】
ステップF44において、現在の速度V−radが微分制御における上限速度V−radDと比較される。そして現在の速度V−radが上限速度V−radDを越えている場合には、現在の速度V−radは上限速度V−radDとされ(ステップF45参照)、ステップF46に進む。ステップF44において、現在の速度V−radが上限速度V−radD以下の場合は、ステップF46に進む。
ステップF46において、微分制御における基準速度V−rad−limitBから現在の速度を引き現在の加速度係数β−rad2を演算する。続いてステップF47において、紙の送り方向Dirが正転方向か否かが判定される。正転方向の場合はそのままで、ステップF49に進み、逆転方向の場合にはステップF48に進み現在の加速度係数β−rad2に−1を乗算したものを新たに現在の加速度係数β−rad2とし、ステップF49に進む。
ステップF49において、現在の加速度係数β−rad2から1つ前の加速度係数β−rad1を減算して、加速度係数β−radを求める。
その後、ステップF50において、この求めた加速度係数β−radに微分制御量(電流値)I−stepDを乗算し、微分制御量I−curDを求める。その後、次の微分制御に備えて、1つ前の加速度係数β−rad1を現在の加速度係数β−rad2とする(ステップF51参照)。
【0071】
そして求めた微分制御量I−curDの絶対値が微分制御量の上下限値I−curD−limit以下か否かがステップF52において判定され、上下限値以下の場合は微分制御量I−curDは変更せず、そのままとし、上下限値を超えている場合は、微分制御量I−curDの絶対値が上下限値に等しくなるようにして微分制御を終了する(ステップF53参照)。尚、このとき、微分制御量I−curDの符号は元のままとする。
【0072】
次に図12で説明したモータ制御の動作の一具体例を図14を参照して説明する。
まず、現在の電流値I−curの絶対値が電流値の上下限値I−max以下か否かがステップF32において判定される。上下限値I−maxを超えている場合はエラー処理が行われる。上下限値I−max以下の場合は、ステップF34に進み、現在の電流値I−curが零以上か否かが判定される。零以上の場合は、ステップF35に進み、紙送り正転方向にPFモータ1を駆動する。現在の電流値I−curが負の場合はステップF36に進み、紙送り逆転方向にPFモータ1を駆動する。このようにしてモータ制御が行われる。尚、ステップF33において行われるエラー処理の一具体例を図14を参照して説明する。まずステップF37において、全オフブレーキ運転とし、PFモータ1を停止させることにより紙送りを停止する。続いてステップF38において、エラーメッセージを出力し、処理を終了する。
【0073】
次にエンコーダ割込制御部86の動作の一具体例を図16乃至図18を参照して説明する。まず、ステップF60において、今回の制御のためにPFモータ1を起動してから、エンコーダ割込制御部86の呼出し回数が5回以上か否かが判定され、4回以下の場合は図17に示すステップF76に進み、現在の電流値I−curにエンコーダ割込制御量の初期値I−stepEStが加算された後、ステップF77において上述したモータ制御が行われる。
【0074】
ステップF60において、エンコーダ割込制御部86の呼出し回数が5回以上の場合は、紙後端の現在位置Pの確認(ステップF61参照)、紙送りの進行方向Dirの確認(ステップF62参照)、および現在周期T−curの確認(ステップF63参照)が行われる。
【0075】
その後、ステップF64において、紙後端の現在位置の判定が行われる。紙後端が図10に示す目標範囲(LR間)に位置している場合は、ステップF65に進み、紙送りの進行方向Dirの判定が行われる。進行方向Dirが紙送り正転方向の場合は、後述するホールド電流値I−holdの計算が行われる(ステップF66参照)。続いてステップF66において、現在の電流値I−curからホールド電流値I−holdが減算されたものが新たな、現在の電流値I−curとされる。進行方向が紙送り逆転方向の場合は、ステップF68に進みホールド電流値I−holdの計算が行われる。続いてステップF69において、現在の電流値I−curに上記ホールド電流値I−holdが加算されたものが新たな、現在の電流値I−curとされる。
【0076】
次にステップF70において、ホールド制御に変更され、目標範囲への到達回数V−timesがカウントされる(ステップF71参照)。そして目標範囲突入方向Dir−holdが現在の進行方向Dir−curとされ(ステップF72参照)、現在の進行方向Dir−curが進行方向Dirとされる(ステップF73)。
続いてステップF74において、微分制御部88が呼び出されて、微分制御量I−curDが演算される。その後、ステップF75において、現在の電流値I−curに上記微分制御量IーcurDが加算されたものが、新たな、現在の電流値I−curとなる。続いて、この現在電流値に基づいてモータ制御が行われる(ステップF77参照)。
【0077】
再び図16に戻り、図16に示すステップF64において、紙後端の現在位置が、図10に示す範囲LL側にある場合は、図17に示すステップF78に進む。ステップF78において、紙送りの進行方向Dir−curが紙送り正転方向の場合はステップF79に進み、紙送り逆転方向の場合はステップF80に進む。
【0078】
ステップF79において、現在の周期T−curが、上限速度時エンコ−ダ周期T−limitD、基準速度時エンコーダ周期T−limitB(>T−limitD)、および下限速度時エンコーダ周期T−limitL(>T−limitB)と比較され、比較結果に応じて制御量が決定される。そして現在の電流値I−curに、決定された制御量が加算されたものが新しい、現在の電流値I−curとし(ステップF79参照)、その後図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。ステップF79において、決定される制御量は以下の通りである。現在の周期T−curがT−limitDより小さい場合には、制御量は−I−stepE1であり、T−curがT−limitD以上でかつT−limitBより小さい場合には、制御量は、−I−stepE2であり、T−curがT−limitB以上でかつT−limitLより小さい場合には、制御量は零であり、T−curがT−limitL以上である場合には、制御量は、+I−stepE3である。
【0079】
ステップF80においては、現在の電流値I−curに制御量I−stepE4を加算したものが新しい、現在の電流値I−curとされ、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
【0080】
再び図16に戻り、図16に示すステップF64において、紙後端の現在位置が、図10に示す範囲RR側にある場合は、図18に示すステップF81に進む。ステップF81において、紙送りの進行方向Dir−curが紙送り正転方向の場合はステップF82に進み、紙送り逆転方向の場合はステップF83に進む。
【0081】
ステップF82において、現在の電流値I−curに制御量I−stepE4を加算したものが新しい、現在の電流値I−curとされ、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
ステップF83において、現在の周期T−curが、T−limitD,T−limitB、およびT−limitLと比較され、比較結果に応じて制御量が決定される。そして現在の電流値I−curに、決定された制御量が加算されたものが新しい、現在の電流値I−curとされ(ステップF83参照)、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
ステップF83において、決定される制御量は以下の通りである。現在の周期T−curがT−limitDより小さい場合には、制御量は+I−stepE1であり、T−curがT−limitD以上でかつT−limitBより小さい場合には、制御量は、+I−stepE2であり、T−curがT−limitB以上でかつT−limitLより小さい場合には、制御量は零であり、T−curがT−limitL以上である場合には、制御量は、−I−stepE3である。
【0082】
次にホールド制御部87の動作の一具体例を図19を参照して説明する。
まず、紙後端の現在位置Pの確認、進行方向Dirの確認、および現在周期T−curの確認が行われる(ステップF90,F91,F92参照)。
次にステップF93において、紙後端の現在位置の判定が行われる。紙後端の現在位置が図10に示す停止許容範囲LL〜RR間に入っている場合は、ステップF94に進み、現在の電流値I−curが新たに現在の電流値とされた後、ステップF100に進む。
ステップF93において、紙後端の位置が点LLの外側に位置している場合には、現在の電流値I−curに制御量I−stepH1が加算されたものが新たな、現在の電流値とされ(ステップF95参照)、その後、ステップF96において、制御選択部84によってエンコーダ割込制御部86またはタイマ割込制御部85が呼び出され、エンコーダ割込制御またはタイマ割込制御が行われる。そしてその後、ステップF100に進む。
ステップF93において、紙後端の位置が点RRの外側に位置している場合には、現在の電流値I−curから制御量I−stepH1が減算されたものが新たな、現在の電流値I−curとされ(ステップF97参照)、その後ステップF98において、制御選択部84によって、エンコーダ割込制御部86またはタイマ割込制御部85が呼び出され、エンコーダ割込制御またはタイマ割込制御が行われる。そして、その後ステップF100に進む。
【0083】
ステップF100において、現在速度係数V−rad「0」に初期設定される。その後、ステップF101において、微分制御部88が呼び出され、微分制御量I−curDが求められる。次にステップF102において、現在の電流値I−curに上記微分制御量I−curDが加算された値が、新しい現在の電流値となる。
【0084】
次にステップF103において、紙送りが停止していてかつ停止時間が停止時間上限値T−hold−limit以下か否かが判定され、停止時間上限値T−hold−limitを超えている場合には現在の電流値I−curを変更せずステップF105に進み、停止時間上限値T−hold−limit以下の場合には、現在の電流値I−curを「0」にしてステップF105に進む。
【0085】
ステップF105において、既に述べたモータ制御が行われる。その後ステップF106に進み、タイマ割込制御またはエンコーダ割込制御からホールド制御に入った回数、すなわち振動回数V−timesが停止判定振動回数V−time−limit以上か否かが判定される。停止判定振動回数以上の場合にはステップF109に進み、停止判定がOKとされる。停止判定振動回数より少ない場合にはステップF107に進む。
【0086】
ステップF107において、停止時間H−timeが停止判定時間H−time−limit以上か否かが判定され。停止判定時間以上の場合はステップF109に進み、停止判定がOKとされる。停止判定時間未満の場合はステップF108に進み停止判定は不可とされる。
【0087】
最後に、エンコーダ割込制御において用いられたホールド電流値I−holdの計算を図20を参照して説明する。まず、ステップF120において、振動回数V−timesが1か否かが判定される。振動回数V−timesが1に等しい場合には、ステップF121に進み、ホールド電流値I−holdはホールド基準電流I−hold−baseとされる。振動回数V−timesが1に等しくない場合には、ステップF122に進み、紙送りの現在進行方向Dir−curが目標範囲突入方向Dir−holdか否か判定される。目標範囲突入方向Dir−holdに等しい場合には、ステップF123に進み、現在のホールド電流I−holdからホールド電流補正量I−hold−adを減算した値を、新たなホールド電流値I−holdとする。ステップF122において目標範囲突入方向Dir−holdに等しくない場合には、ステップF124に進み、現在のホールド電流値I−holdにホールド電流補正量I−hold−adを加算した値を、新たなホールド電流値I−holdとする。
【0088】
===紙検知センサ===
紙検知センサ15について図5を参照しつつ詳細に説明する。この紙検知センサ15は、紙送りローラ65の上流側に配された接触式センサであり、印刷用紙50との接触によって印刷用紙50の先端および後端を検知して検知信号を出力する。
紙検知センサ15は、印刷用紙50の搬送経路より高い位置に回動中心151aを持つレバー151と、その上方に設けられ発光部および受光部を有する検知部としての透過型光センサ152とで構成されている。レバー151は、自重によって搬送経路に垂れ下がるように配置され給紙トレー61から供給された印刷用紙50によって回動される作用部153と、この作用部153と回動中心151を挟んで反対側に位置し、発光部と受光部との間を通過するように設けられた遮光部154とで構成されている。
【0089】
そして、供給された印刷用紙50にレバー151の下端部151bが押されて当該レバー151が図中の時計回りに回動し、これによって、図に示すように遮光部154による遮光が解除された時点で、この紙検知センサ15は先端の検知信号を出力する。そして、この先端の検知信号の出力によって、印刷用紙50の先端が紙検知センサ15の位置に到達したことが検知される。
【0090】
また、紙送りローラ65による印刷用紙50の紙送りが更に進んで、印刷用紙50の後端がレバー151の下端部151bを通過すると、印刷用紙50による自重の支持が無くなったレバー151は、反時計回りに回動して元の状態に垂れ下がるが、これによって前記遮光部154が発光部と受光部との間に入って透過型光センサ152を遮光した時点で、後端の検知信号を出力する。そして、この後端の検知信号に基づいて、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15の位置に達したことが検出される。
【0091】
但し、このようなレバー151の回動変化を用いて検知信号を出力する機構の紙検知センサ15では、印刷用紙50の後端が前記レバー151の下端部151bを通過した時点から検知信号の出力までの間に時間遅れを有してしまう。すなわち、図21A乃至図21Dに、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15を通過する様子を示すが、図21Bおよび図21Cに示すように後端がレバー151の下端部151bを通過してからレバー151が所定の回動量だけ回動しないと、後端の検知信号が出力されない。そして、これがこの紙検知センサ15の検知誤差L0となり、この検知信号に基づいてカウント開始される後端位置カウンタ95にて算定された後端位置は、実際の後端位置よりも前記検知誤差L0分だけ搬送方向の遅れた位置に算定されることになる。このことは、蹴飛ばし現象の防止のために搬送速度を低速に切り換える際に関係するが、これについては後述する。
【0092】
===蹴飛ばし現象===
図21A乃至図21Dを参照して蹴飛ばし現象について説明する。図21Aに示すように、印刷用紙50を搬送する紙送りローラ65は、前記PFモータ1によって駆動される駆動ローラであり、その上方には従動ローラ66が回転軸を揃えて対向配置されている。この従動ローラ66はバネ部材662によって紙送りローラ65に押し付けられており、もって、これらローラ65,66のニップに印刷用紙50を加圧状態に挟みながら紙送りローラ65を駆動することにより印刷用紙50は搬送される。また、前述したが紙送りローラ65の下流側には前記印刷ヘッド9が設けられており、当該紙送りローラ65によってその下流側に送り出された印刷用紙50の部分に対して、印刷ヘッド9が印刷するようになっている。
【0093】
但し、図21Dに示すように、この印刷用紙50の後端が前記紙送りローラ65を抜ける瞬間には、当該ローラ65,66の挟み込み圧力Fが印刷用紙50を下流側に送り出す方向に余分に作用し、これによって印刷用紙50は、その間欠搬送の停留予定位置から下流側にずれてしまう。そして、この位置ずれ状態のまま印刷すると、今回の停留中に印刷した部分と、その前の停留時に印刷した部分との間に、主走査方向に沿った未印刷部分(筋状部)が生じてしまい印刷不良となる。このため、この蹴飛ばしを緩和する目的で、前記後端が紙送りローラ65を抜ける間の搬送速度を低速にしている。尚、この低速搬送は、前述の低速搬送制御部80によって実行され、また、この低速よりも高速の通常速度で搬送する通常搬送は、前述の通常搬送制御部60によって実行される。
【0094】
===低速搬送する領域について===
図22に、印刷用紙50の搬送経路における前記低速搬送の対象領域である低速搬送領域Pb〜Pcを示す。この低速搬送領域Pb〜Pcは、紙送りローラ65を挟んで上流側から下流側にかけて所定範囲Pb〜Pcに設定されている。そして、印刷用紙50の後端が、少なくとも低速搬送領域Pb〜Pcを通過している間は、前記搬送制御選択部70は低速搬送制御部80を選択し、これにより印刷用紙50を低速搬送する。
【0095】
ここで、この印刷用紙50の後端位置の監視は、前記エンコーダ13および前記後端位置カウンタ95を用いてなされる。詳細には、後端位置カウンタ95が、エンコーダ13から出力される前記エッジの個数を、紙検知センサ15の後端の検知信号の出力時点を起点として計数する。そして、この計数値を紙送りローラ65の回動量として用い、この回動量の計測値が、予め設定された第1の所定値に達したら、前記搬送制御選択部70は、前記後端が前記低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbに到達したと判断して搬送速度を低速に切り換える。すなわち、搬送制御選択部70は、選択中の通常搬送制御部60に替えて低速搬送制御部80を選択する。一方、この第1の所定値よりも大きな第2の所定値に達したら、前記搬送制御選択部70は、前記低速搬送領域Pb〜Pcの出口Pcに到達したと判断して通常速度に戻す。すなわち、搬送制御選択部70は、選択中の低速搬送制御部80に替えて通常搬送制御部60を選択する。
【0096】
ここで、この第1および第2の所定値は、搬送方向における前記紙検知センサ15のレバー下端部151bの位置P0から低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbおよび出口Pcまでの離間距離Lb(インチ),Lc(インチ)に相当する回動量であり、基本的には物理的条件から一義的に定まるものである。例えば、前述したように回動量としての前記エッジ個数一つにつき印刷用紙は1/4×1/1440インチだけ搬送されるので、前記離間距離Lbに相当する第1の所定値は、Lb/(1/4×1/1440)というように、また前記離間距離Lcに相当する第2の所定値はLc/(1/4×1/1440)というように定まる。
【0097】
但し、前記紙検知センサ15は、前述したように、そのレバー下端部151bを印刷用紙50の後端が通過してから検知信号を出力するまでの間に時間遅れΔtを有するため、前記回動量の計測値に基づいて算定される後端位置は、実際の後端位置よりも前記時間遅れΔt分だけ遅れた位置に算定される。このため、前記搬送制御選択部70は、搬送速度を切り換えるための第1および第2の所定値を、前述の物理的条件から定まる値Lb/(1/4×1/1440)およびLc/(1/4×1/1440)よりも、前記時間遅れΔtに相当する補正量だけ小さく補正している。
【0098】
尚、この補正量は、前記後端の検知信号の出力時点における搬送速度Voに応じて変更される。この理由は、前記時間遅れΔtの間に後端が移動する移動量は、この時間遅れΔtと前記出力時点の搬送速度Voとの積によって基本的に決まるためである。
【0099】
すなわち、前記搬送制御選択部70は、図26に示すように、搬送速度(エンコーダ周期)の所定範囲毎にその補正量(エッジ個数)を対応付けてなる補正テーブル71、および図27のフローチャートに示す補正処理を実行する回路を実装しており、この補正処理を行って前記第1および第2の所定値を補正する。
【0100】
詳細には、図27に示すように、この搬送制御選択部70は、紙検知センサ15から後端の検知信号をその出力と同時に受信すると(ステップS11)、この受信時点のエンコーダ周期Tを搬送速度Voの代替データとして周期カウンタから取得し(ステップS12)、このエンコーダ周期Tに基づいて前記補正テーブル71を参照して該当する補正量を読み出し(ステップS13)、しかる後に、この補正量を前記第1および第2の所定値のそれぞれから減算する(ステップS14)。そして、このように第1および第2の所定値を補正することによって、前記搬送制御選択部70は、前記回動量の計測値に基づいて、前記低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbおよび出口Pcでの切り換えを正確に実行している。尚、前記第1および第2の所定値の補正処理は、搬送制御を安定して行う観点から、後端の検知信号の出力後における間欠搬送の最初の停留中になされるのが望ましい。
【0101】
ところで、前記低速搬送と通常搬送との間の切り換えは、この切り換えを安定して行うべく、紙送りローラ65を一旦停止してから行う。このため、一回の間欠搬送を分割して行う場合がある。例えば、図23のケース3−bに示すように、一回の間欠搬送P1〜P2が低速搬送領域Pb〜Pcを跨いで行われる場合には、低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbまで通常搬送し、入口Pbにて一旦停止をして低速搬送に切り換えて低速搬送領域Pb〜Pcを低速搬送し、低速搬送領域Pb〜Pcの出口Pcで一旦停止をして通常搬送に切り換えるといったように、前記間欠搬送P1〜P2を3分割して行うことがある。
【0102】
但し、前記通常搬送を行うべき範囲が狭くなる場合には、この切り換えに伴う一旦停止のロスタイムとの兼ね合いで、逆にトータルの搬送時間が長くなることもある。このため、上述の分割をすべき場合であっても、前記範囲が狭い場合には、例えば図24のケース4−aに示すように、この間欠搬送P1〜P2を分割せずに、当該間欠搬送P1〜P2に亘って低速で搬送するようにしている。すなわち、前記通常搬送を行うべき範囲P1〜Pb,Pc〜P2も低速搬送するようにしている。
【0103】
このような間欠搬送P1〜P2の分割判定処理を、図22乃至図25を参照しつつ詳細に説明する。図22に示すように、この低速搬送領域Pb〜Pcの上流側および下流側に連続させて、それぞれに前記低速搬送の実行が許容された許容領域Pa〜Pb,Pc〜Pdが設定されている。すなわち、これら許容領域Pa〜Pb,Pc〜Pdは、それぞれに、前記低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbまたは出口Pcを起点として、そこから所定長さだけ範囲を拡張するように設定されている。
【0104】
そして、この間欠搬送P1〜P2をどのように分割して実行するかは、停留中の後端位置P1と、間欠搬送後に停留予定の後端位置P2とに基づいて決定され、以下のように場合分けされる。
(ケース1)図22に示すように、『間欠搬送後に停留予定の後端位置P2が、低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbよりも上流側の場合』には、この間欠搬送P1〜P2に亘って通常搬送される。この理由は、この間欠搬送P1〜P2における後端の移動経路の一部も低速搬送領域Pb〜Pcに含まれず、もってこの間欠搬送P1〜P2については低速搬送する必要がないからである。
【0105】
(ケース2)図22に示すように、『停留中の後端位置P1が低速搬送領域Pb〜Pcの出口Pcよりも下流側の場合』にも、この間欠搬送P1〜P2に亘って通常搬送される。この理由は、当該停留中の後端P1は既に低速搬送領域Pb〜Pcを出ており、すなわち印刷用紙50の後端は既に搬送ローラ65も通り抜けており、もってこの間欠搬送P1〜P2については、低速搬送する必要がないからである。
【0106】
(ケース3)図23に示すように、『停留中の後端位置P1が、上流側許容領域Pa〜Pbよりも上流側にある場合』には、間欠搬送後に停留予定の後端位置P2によって、次の2ケースに分けられる。
(ケース3−a)間欠搬送後に停留予定の後端位置P2が前記低速搬送領域Pb〜Pcまたは下流側許容領域Pc〜Pdに入る場合には、該低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbまでは通常搬送するとともに前記入口Pb以降の領域では低速搬送するように当該間欠搬送P1〜P2を2分割して実行する。
この理由は、通常搬送すべき範囲P1〜Pbに関しては当該範囲が広いため、搬送速度の切り換えのためにPbにて一旦停止しても、トータルの搬送時間は、間欠搬送P1〜P2に亘って低速搬送するよりも短くなるからである。一方、通常搬送すべき範囲Pc〜P2に関しては当該範囲が無い場合と有る場合とが存在するが、当該有る場合にあってもこの範囲は狭いため、この範囲Pc〜P2でも低速搬送を継続した方が、Pcにて一旦停止して通常搬送に切り換えるよりもトータルの搬送時間が短くなるからである。
(ケース3−b)間欠搬送後に停留予定の後端位置P2が前記下流側許容領域Pc〜Pdを超える場合には、該低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbまでは通常搬送し、前記低速搬送領域Pb〜Pcでは低速搬送し、該低速搬送領域Pb〜Pcの出口Pc以降の領域では通常搬送するように当該間欠搬送を3分割して実行する。
この理由は、通常搬送すべき範囲P1〜Pbおよび範囲Pc〜P2が、それぞれ広いため、搬送速度の切り換えのためにPbおよびPcにて一旦停止しても、トータルの搬送時間は、間欠搬送P1〜P2に亘って低速搬送するよりも短くなるからである。
【0107】
(ケース4)図24および図25に示すように、『停留中の後端位置P1が上流側許容領域Pa〜Pbまたは低速搬送領域Pb〜Pcにある場合』には、間欠搬送後に停留予定の後端位置P2によって、次の2ケースに分けられる。
(ケース4−a)間欠搬送後に停留予定の後端位置P2が前記低速搬送領域Pb〜Pcまたは下流側許容領域Pc〜Pdに入る場合には、当該間欠搬送P1〜P2を分割せずに低速搬送する。
この理由は、通常搬送すべき範囲P1〜Pb,Pc〜P2が無いか若しくは有ったとしてもそれぞれにその範囲は狭いため、間欠搬送P1〜P2に亘って低速搬送する方が、Pb若しくはPcにて一旦停止して搬送速度を切り換えるよりもトータルの搬送時間が短くなるからである。
(ケース4−b)間欠搬送後に停留予定の後端位置P2が下流側許容領域Pc〜Pdを超える場合には、該下流側許容領域Pc〜Pdの入口Pcまでは低速搬送するとともに前記入口Pc以降の領域では通常搬送するように当該間欠搬送P1〜P2を2分割して実行する。
この理由は、通常搬送すべき範囲Pc〜P2に関しては当該範囲が広いため、搬送速度の切り換えのためにPcにて一旦停止しても、トータルの搬送時間は、間欠搬送P1〜P2に亘って低速搬送するよりも短くなるからである。一方、通常搬送すべき範囲P1〜Pbに関しては当該範囲が無い場合と有る場合とが存在するが、当該有る場合にあってもこの範囲は狭いため、この範囲P1〜Pbから低速搬送を行ってPbで継続した方が、Pbにて一旦停止して通常搬送から低速搬送に切り換えるよりもトータルの搬送時間が短くなるからである。
【0108】
(ケース5)但し、上記ケース3または4に該当する場合であっても、間欠搬送P1〜P2の搬送量が、印刷ヘッド9の一回の印刷動作にて印刷される最大印刷領域BAND_maxよりも大きい場合には、当該間欠搬送P1〜P2を低速搬送ではなく通常搬送で行うようにしている。
この理由は、この間欠搬送P1〜P2の搬送量が大きい場合というのは改行等がなされる場合であり、もって、当該間欠搬送P1〜P2の前後の停留中に形成された一対の画像同士の間には、印刷されない空白部が必ず形成される。よって、当該間欠搬送P1〜P2において後端が搬送ローラ65を抜ける際に蹴飛ばし現象が生じても、その影響は空白部にのみ顕れて印刷画像には顕在化しないためである。
【0109】
上述したケース1からケース5の分割判定処理を実行するためのフローチャートを図29乃至図31に示す。このフローチャートを実行する回路は、前記搬送制御選択部70に実装されている。そして、この搬送制御選択部70は、図28に示すように、紙検知センサ15が後端の検知信号を出力したら、間欠搬送P1〜P2を行う度に前記分割判定処理を実行し、この処理に基づいて通常搬送制御部60と低速搬送制御80とのいずれかを適宜選択する。
【0110】
尚、このような上流側許容領域Pa〜Pbおよび下流側許容領域Pc〜Pdを設けた場合には、前記低速搬送領域Pb〜Pcの入口Pbおよび出口Pc以外に、前記上流側許容領域の入口Paおよび下流側許容領域の出口Pdにおいても、低速搬送と通常搬送との切り換えを行うこととなる。このため、この切り換えができるように、これら入口Paおよび出口Pdに対しても、前記入口Pbおよび出口Pcに係る第1および第2の所定値のような所定値が設定されているのは言うまでもなく、更には、これら所定値は前記補正量によって補正されるようになっているのも言うまでもない。この所定値および補正処理の考え方は、前述の第1および第2の所定値と同じであるので、その説明は省略する。
【0111】
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0112】
前述の実施形態では、後端検知センサとして、レバーと透過型光センサとを備える構成を例示したが、これに限るものではない。例えば、検知部としての前記透過型光センサに代えて、レバーの変位による接点の動きにて電気回路を開閉するマイクロスイッチ(商品名)や、レバーが近よったときに電気信号を発生する近接検出器等を用いても良い。
【0113】
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
【0114】
【発明の効果】
本発明によれば、印刷時間を不必要に長くすることなく、印刷用紙の後端の搬送ローラ抜け時の不安定な搬送状態が印刷画像の画質に与える影響を確実に小さく抑えることが可能な印刷装置、及び印刷装置の制御方法を実現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの概略の構成を示す構成図である。
【図2】キャリッジ周辺の構成を示す斜視図である。
【図3】エンコーダの構成を示す模式図である。
【図4】図4Aはエンコーダの出力パルスの波形図である。図4Bはエンコーダの出力パルスの波形図である。
【図5】印刷用紙の搬送を説明するための説明図である。
【図6】DCユニットの構成を示すブロック図である。
【図7】通常搬送制御部の構成をしめすブロック図である。
【図8】図8Aは通常搬送制御部の動作を説明するタイミングチャートである。図8Bは通常搬送制御部の動作を説明するタイミングチャートである。
【図9】低速搬送制御部の構成を示すブロック図である。
【図10】紙送りの目標範囲を説明する模式図である。
【図11】低速搬送制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図12】低速搬送制御部に係るタイマ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図13】低速搬送制御部に係る微分制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図14】低速搬送制御部に係るモータ制御の動作を説明するフローチャートである。
【図15】低速搬送制御部に係るエラー処理の動作を説明するフローチャートである。
【図16】低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図17】低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図18】低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図19】低速搬送制御部に係るホールド制御部の動作を説明するフローチャートである。
【図20】低速搬送制御部に係るホールド電流の計算を説明するフローチャートである。
【図21】図21Aは印刷用紙の後端が、紙検知センサおよび紙送りローラを通過する様子を示す説明図である。図21Bは印刷用紙の後端が、紙検知センサおよび紙送りローラを通過する様子を示す説明図である。図21Cは印刷用紙の後端が、紙検知センサおよび紙送りローラを通過する様子を示す説明図である。図21Dは印刷用紙の後端が、紙検知センサおよび紙送りローラを通過する様子を示す説明図である。
【図22】間欠搬送の分割判定処理および低速搬送領域を説明するための説明図である。
【図23】間欠搬送の分割判定処理を説明するための説明図である。
【図24】間欠搬送の分割判定処理を説明するための説明図である。
【図25】間欠搬送の分割判定処理を説明するための説明図である。
【図26】第1および第2の所定値の補正量に係る補正テーブルである。
【図27】第1および第2の所定値の補正処理を示すフローチャートである。
【図28】搬送制御選択部による搬送制御部の選択に用いるフローチャートである。
【図29】間欠搬送の分割判定処理を行うためのフローチャートである。
【図30】間欠搬送の分割判定処理を行うためのフローチャートである。
【図31】間欠搬送の分割判定処理を行うためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 紙送りモータ、PFモータ 2 紙送りモータドライバ
3 キャリッジ 4 キャリッジモータ(CRモータ)
5 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
6 DCユニット 6j D/Aコンバータ
9 印刷ヘッド
10 ヘッドドライバ 11 リニア式エンコーダ
12 符号板 13 ロータリ式エンコーダ
16 CPU
17 タイマIC 18 ホストコンピュータ
19 インタフェース部 20 ASIC
21 PROM 22 RAM
23 EEPROM 50 印刷用紙
61 給紙トレー 64 給紙ローラ
65 紙送りローラ、搬送ローラ 66 従動ローラ
662 バネ部材
69 排紙ローラ
15 紙検知センサ 151 レバー
151a 回動中心 151b 下端部
152 透過型光センサ、検知部
153 作用部 154 遮光部
60 通常搬送制御部
60a 位置カウンタ 60b 減算器
60c 目標速度演算手段 60d 速度演算部
60e 減算器 60f 比例要素
60g 積分要素 60h 微分要素
60k タイマ 60m 加速制御部
70 搬送制御選択部 71 補正テーブル
80 低速搬送制御部 81 位置カウンタ
82 周期カウンタ 84 制御選択部
84a タイマカウンタ 85 タイマ割込制御部
86 エンコーダ割込制御部 87 ホールド制御部
88 微分制御部 89 選択部
90 選択部
95 後端位置カウンタ

Claims (15)

  1. 印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、
    前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置において、
    前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変更することを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記後端検知センサは、前記後端が前記後端検知センサを通過した通過時点から前記検知信号が出力される時点までの間に所定時間を要し、
    該所定時間と前記搬送速度との積に相当する回動量だけ前記第1の所定値を小さく変化させることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1または2のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度とは、前記検知信号の出力時点の搬送速度であることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記回動量が、前記第1の所定値よりも大きな第2の所定値に達した際に、前記搬送速度を低速から通常速度に切り換えるとともに、
    当該第2の所定値を、前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて変更することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記第1の所定値は前記搬送ローラよりも上流側の位置に、第2の所定値は前記搬送ローラよりも下流側の位置に対応させて設定されていることを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項5に記載の印刷装置において、
    前記印刷媒体は間欠搬送され、該間欠搬送の停留中に前記印刷ヘッドは印刷画像を印刷し、
    前記後端位置は、前記回動量に基づいて算定され、
    間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が、前記第1の所定値と第2の所定値との間で規定される低速搬送領域に含まれる場合には、少なくとも前記低速搬送領域では印刷媒体を低速で搬送するように、当該間欠搬送を複数回に分割して実行することを許容することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項6に記載の印刷装置において、
    前記間欠搬送における後端の移動経路の一部も、前記低速搬送領域に含まれない場合には、当該間欠搬送を低速では行わないことを特徴とする印刷装置。
  8. 請求項6または7のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記低速搬送領域に連続させて、その上流側および下流側には、それぞれに前記低速搬送の実行が許容された許容領域が設定され、
    該許容領域において低速搬送を実行するか否かは、停留中の後端位置および間欠搬送後に停留予定の後端位置の両者に基づいて決定されることを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8に記載の印刷装置において、
    停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送するとともに前記入口以降の領域では低速搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行し、
    停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記下流側許容領域を超える場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送し、前記低速搬送領域では低速搬送し、該低速搬送領域の出口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を3分割して実行することを特徴とする印刷装置。
  10. 請求項8または9のいずれかに記載の印刷装置において、
    停留中の後端位置が上流側許容領域または低速搬送領域にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、当該間欠搬送を分割せずに低速搬送し、
    停留中の後端位置が上流側許容領域または低速搬送領域にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が下流側許容領域を超える場合には、該下流側許容領域の入口までは低速搬送するとともに前記入口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行することを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載の印刷装置において、
    間欠搬送の搬送量が、印刷ヘッドの一回の印刷動作にて印刷される最大印刷領域よりも大きい場合には、前記間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が前記低速搬送領域に含まれる場合であっても、当該間欠搬送を低速で行わないことを特徴とする印刷装置。
  12. 請求項1乃至11のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転する駆動ローラを備え、該駆動ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでいることを特徴とする印刷装置。
  13. 請求項1乃至12のいずれかに記載の印刷装置において、
    前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有することを特徴とする印刷装置。
  14. 印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転する駆動ローラを有し、該駆動ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでおり、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記回動量が、前記第1の所定値よりも大きな第2の所定値に達した際に、前記搬送速度を低速から通常速度に切り換える印刷装置において、
    前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有し、前記後端が前記後端検知センサを通過した通過時点から前記検知信号が出力される時点までの間に所定時間を要し、該所定時間と、前記検知信号の出力時点の搬送速度との積に相当する回動量だけ前記第1の所定値および第2の所定値を小さく変化させ、前記第1の所定値は前記搬送ローラよりも上流側の位置に、第2の所定値は前記搬送ローラよりも下流側の位置に対応させて設定されており、前記第1の所定値と第2の所定値との間で規定される低速搬送領域に連続させて、その上流側および下流側には、それぞれに前記低速搬送の実行が許容された許容領域が設定され、
    前記印刷媒体は間欠搬送され、該間欠搬送の停留中に前記印刷ヘッドは印刷画像を印刷し、該印刷媒体の後端位置は、前記回動量に基づいて算定され、間欠搬送における後端の移動経路の一部も、前記低速搬送領域に含まれない場合には、当該間欠搬送を低速では行わず、間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が、前記低速搬送領域に含まれる場合には、少なくとも前記低速搬送領域では印刷媒体を低速で搬送するように、当該間欠搬送を複数回に分割して実行することを許容し、
    停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記低速搬送領域または下流側許容領域に入る場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送するとともに前記入口以降の領域では低速搬送するように当該間欠搬送を2分割して実行し、
    停留中の後端位置が上流側許容領域よりも上流側にある場合であって、間欠搬送後に停留予定の後端位置が前記下流側許容領域を超える場合には、該低速搬送領域の入口までは通常速度で搬送し、前記低速搬送領域では低速搬送し、該低速搬送領域の出口以降の領域では通常速度で搬送するように当該間欠搬送を3分割して実行し、
    間欠搬送の搬送量が、印刷ヘッドの一回の印刷動作にて印刷される最大印刷領域よりも大きい場合には、前記間欠搬送における後端の移動経路の少なくとも一部が前記低速搬送領域に含まれる場合であっても、当該間欠搬送を低速で行わないことを特徴とする印刷装置。
  15. 印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドと、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサとを備え、
    前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量が第1の所定値に達した際に、前記搬送ローラによる印刷媒体の搬送速度を低速に切り換える印刷装置の制御方法において、
    前記後端が前記後端検知センサを通過する際の搬送速度に応じて、前記第1の所定値を変化させることを特徴とする印刷装置の制御方法。
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