JP4123110B2 - 印刷装置、及び印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置、及び印刷方法に関する。
印刷用紙等の印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷装置としてインクジェットプリンタが知られている。このインクジェットプリンタでは、印刷用紙を間欠搬送する搬送ローラと、この間欠搬送の合間たる停留中に、前記搬送方向と直交する走査方向に移動する印刷ヘッドとを備えている。そして、印刷ヘッドの移動中に当該印刷ヘッドが備える複数のノズルからインクを吐出することによって、搬送方向に関して部分的に印刷画像を印刷し、これら間欠搬送および印刷を順次繰り返して、搬送方向に亘った所定サイズの印刷画像を形成する。
図21A乃至図21Dに、前記搬送ローラとしての紙送りローラ65が印刷用紙50を紙送りする様子を示す。この紙送りローラ65は、従動ローラ66とによって印刷用紙50を挟み込みながら駆動回転し、これによってこの紙送りローラ65の下流に位置する印刷ヘッド9に印刷用紙50を送り出す。そして、この送り出された印刷用紙50の部分に対して印刷ヘッド9は印刷を行う。
但し、図21Dに示すように、この印刷用紙50の後端が前記紙送りローラ65を抜ける瞬間には、当該紙送りローラ65と従動ローラ66との挟み込み圧力Fが印刷用紙50を下流側に送り出す方向に余計に作用し、これによって印刷用紙50は、その間欠搬送の停留予定位置から下流側にずれてしまう場合がある(以下、この現象を「蹴飛ばし現象」と言う)。そして、この位置ずれ状態のまま印刷すると、今回の停留中に印刷する部分と、その前の停留時に印刷した部分との間に、走査方向に沿った未印刷部分(筋状部)が生じてしまい印刷不良となる。
このため、この蹴飛ばし現象を緩和する目的で、搬送速度を低速にして印刷用紙50の後端を紙送りローラ65に通すようにしている(例えば、特許文献1を参照。)。
すなわち、図22の上半部に示すように、前記後端が紙送りローラ65を抜ける前の第1切り換え位置Pbにて、印刷用紙50の搬送速度を通常速度から低速に切り換えるとともに、紙送りローラ65を抜けた後の第2切り換え位置Pcにて、通常速度に戻すようにしている。
この切り換えは、後端位置を監視するセンサに基づいてなされる。このセンサは、紙送りローラ65の上流側に配された後端検知センサとしての紙検知センサ15と、紙送りローラ65の回動量を計数する計数器としてのエンコーダとを備えており、図21Bのように、紙検知センサ15を後端が通過したら当該紙検知センサ15は検知信号を出力し、エンコーダは、この検知信号の出力時点からの紙送りローラ65の回動量を計数する。そして、この回動量の計数値が、前記第1切り換え位置Pbに相当する第1回動量に達したら、前記後端が低速への切り換え位置に到達したとみなして、低速へ切り換える一方、前記計数値が、前記第2切り換え位置Pcに相当する第2回動量に達したら、前記第2切り換え位置に到達したとみなして、通常速度へ切り換える。
この第1切り換え位置Pbおよび第2切り換え位置Pcの設定は、図22に示すように、前記紙検知センサ15から紙送りローラ65までの物理的距離Lに、これら紙検知センサ15や紙送りローラ65の取り付け位置公差等を加味して設定される。このため、これら第1および第2切り換え位置Pb,Pcにて規定される、後端を低速で搬送する領域(以下では、低速搬送領域と言う)は、一般に、真に低速で搬送すべき必要最小限な範囲よりも、前記公差分だけ広めに設定されている。
特開2002−96512号公報
しかしながら、この低速搬送領域を広めに設定すると、その分だけ印刷に要する実印刷時間が長くなってしまう。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実印刷時間の短縮化が図れる印刷装置、及び印刷方法を実現することにある。
前記課題を解決するために、主たる本発明は、搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備え、前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻す印刷装置において、前記印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め計測しておき、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記第1切り換え位置および第2切り換え位置が設定されていることを特徴とする印刷装置である。
本発明の他の特徴については、本明細書及び添付図面の記載により明らかにする。
本発明によれば、実印刷時間の短縮化が図れる。
本明細書における発明に詳細な説明の項の記載により、少なくとも次のことが明らかにされる。
搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備え、前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻す印刷装置において、前記印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め計測しておき、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記第1切り換え位置および第2切り換え位置が設定されていることを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め実際に計測し、その計測結果に基づいて第1切り換え位置および第2切り換え位置が設定されている。このモータ負荷に基づいて設定している理由は、搬送ローラを後端が通過する際に生じる不安定な搬送状態は、モータ負荷変動として顕れ易いからであり、つまり、当該モータ負荷変動によって、搬送状態が不安定となる範囲を正確に割り出し可能であるからである。
従って、第1切り換え位置と第2切り換え位置とで規定される、後端を低速で搬送する範囲を、当該モータ負荷変動に基づいて必要最小限な範囲までに狭く追い込んで設定することができて、これによって実印刷時間の短縮化が図れる。
かかる印刷装置において、前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転し、該搬送ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでいるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記搬送ローラは、印刷媒体を加圧状態に挟んでいるので、印刷媒体を確実に搬送することができる。
かかる印刷装置において、前記計測結果のモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる位置を第1切り換え位置とし、これに続いて、第2閾値よりも大きくなる位置を第2切り換え位置として設定されているのが望ましい。
このような印刷装置によれば、後端を低速で搬送する範囲を、モータ負荷が第1および第2閾値を下方に割り込む範囲として規定している。従って、モータ負荷が軽くなる範囲で発生傾向にある蹴飛ばし現象を確実に抑制可能となる。
かかる印刷装置において、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサと、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量を計数する計数器とを備え、前記回動量に基づいて、前記後端位置が前記第1および第2切り換え位置に到達したか否かを判断するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、後端検知センサの検知信号を起点とする搬送ローラの回動量によって、後端位置を把握することができる。従って、この計数された回動量に基づいて、前記切り換え位置に到達したか否かの判断を容易に行うことができる。
かかる印刷装置において、前記モータ負荷の計測は、前記回動量と対応付けて行われ、前記計測されたモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる回動量を第1切り換え位置とし、第2閾値よりも大きくなる回動量を第2切り換え位置として設定するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、後端を低速で搬送する範囲を、モータ負荷が第1閾値および第2閾値を下方に割り込む回動量の範囲として規定している。従って、モータ負荷が軽くなる範囲で発生傾向にある蹴飛ばし現象を確実に抑制可能となる。
かかる印刷装置において、前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、レバーと印刷媒体との物理的接触によって印刷媒体の後端の通過を検知するので、当該検知の確実性に優れる。
かかる印刷装置において、少なくとも前記第1切り換え位置から第2切り換え位置までに亘るモータ負荷の計測は、前記低速時と同じ速度で印刷媒体を搬送して行われるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、前記切り換え位置を設定するために予め計測されるモータ負荷は、実印刷時の搬送速度と条件を揃えて低速で計測される。従って、この計測結果に基づいて設定される前記切り換え位置は、更に精度の高いものとなり、これによって、蹴飛ばし現象を更に確実に抑制可能となる。
また、搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備え、前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻す印刷装置において、前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転し、該搬送ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでおり、前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有し、前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサと、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量を計数する計数器とを備え、前記印刷媒体を前記低速時と同じ速度で搬送した際の搬送モータのモータ負荷を、前記回動量に対応付けて予め計測しておき、前記計測されたモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる回動量を第1切り換え位置とし、第2閾値よりも大きくなる回動量を第2切り換え位置として設定されており、前記回動量に基づいて、前記後端位置が前記第1および第2切り換え位置に到達したか否かを判断するのが望ましい。
このような印刷装置によれば、既述の全ての効果を奏するため、本発明の目的が最も有効に達成される。
また、搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備えた印刷装置の印刷方法であって、前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるステップと、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻すステップとを実行する印刷方法において、前記印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め計測するステップと、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記第1切り換え位置および第2切り換え位置を設定するステップとを備えていることを特徴とする印刷方法も実現可能である。
また、印刷ヘッドを保持して移動するキャリッジと、該キャリッジを移動させるキャリッジモータと、前記キャリッジが移動する際に、前記印刷ヘッドと干渉してキャリッジモータに負荷を加える干渉物とを備え、前記印刷ヘッドが前記干渉物を通過する前に移動速度を低速に切り換えるための切り換え位置と、該通過後に前記移動速度を通常速度に復帰するための切り換え位置とが設定された印刷装置において、前記移動する際のキャリッジモータのモータ負荷を予め計測しておき、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記切り換え位置を設定することを特徴とする印刷装置。
このような印刷装置によれば、キャリッジを移動する際のキャリッジモータのモータ負荷を予め実際に計測し、その計測結果に基づいて前記切り換え位置が設定されている。このモータ負荷に基づいて設定している理由は、キャリッジを移動する際の干渉物との干渉状態は、モータ負荷変動として顕れ易いからであり、つまり、当該モータ負荷変動によって、干渉する範囲を正確に割り出し可能であるからである。
従って、前記切り換え位置で規定される、キャリッジを低速で搬送する範囲を、必要最小限な範囲までに狭く設定することができて、これによって、実印刷時間の短縮化が図れる。
かかる印刷装置において、前記干渉物は、前記移動する印刷ヘッドのノズルと当接してインクを拭き取るワイパであるのが望ましい。
このような印刷装置によれば、ノズル詰まりを防ぐことができる。
===印刷装置の概略構成===
本第1実施形態に係る印刷装置としてのインクジェットプリンタを、図1乃至図5を参照して説明する。
図1に示すように、このインクジェットプリンタは、印刷用紙50の搬送たる紙送りを行う紙送りモータ(以下、PFモータともいう)1と、この紙送りモータ1を駆動する紙送りモータドライバ2と、キャリッジ3と、このキャリッジ3を駆動するキャリッジモータ(以下、CRモータともいう)4と、このキャリッジモータ4を駆動するCRモータドライバ5と、DCユニット6と、キャリッジ3に固定されて印刷用紙50にインクを吐出する印刷ヘッド9と、この印刷ヘッド9を駆動制御するヘッドドライバ10と、キャリッジ3に固定されたリニア式エンコーダ11と、所定の間隔にスリットが形成された符号板12と、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13と、印刷用紙50の先端および後端を検知する紙検知センサ15と、プリンタ全体の制御を行うCPU16と、CPU16に対して周期的に割込み信号を発生するタイマIC17と、ホストコンピュータ18との間でデータの送受信を行うインタフェース部(以下IFともいう)19と、ホストコンピュータ18からIF19を介して送られてくる印刷情報に基づいて印刷解像度や印刷ヘッド9の駆動波形等を制御するASIC20と、ASIC20およびCPU16の作業領域やプログラム格納領域として用いられるPROM21,RAM22およびEEPROM23と、印刷中の印刷用紙50を支持するプラテン25と、PFモータ1によって駆動されて印刷用紙50を紙送りする紙送りローラ65と、CRモータ4の回転軸に取付けられたプーリ30と、このプーリ30によって駆動されるタイミングベルト31と、を備えている。
尚、前記DCユニット6は、CPU16から送られてくる制御指令、エンコーダ11,13の出力に基づいて紙送りモータドライバ2およびCRモータドライバ5を駆動制御する。また、紙送りモータ1およびCRモータ4はいずれもDCモータで構成されている。このうちのDCユニット6による紙送りモータ1の制御については後述する。
――― キャリッジの周辺構成 ―――
インクジェットプリンタのキャリッジ3の周辺構成を図2に示す。
キャリッジ3は、タイミングベルト31によりプーリ30を介してキャリッジモータ4に接続され、ガイド部材32に案内されてプラテン25に平行に移動するように駆動される。キャリッジ3の印刷用紙50に対向する面には、ブラックインクを吐出するノズル列およびカラーインクを吐出するノズル列からなる印刷ヘッド9が設けられ、これらノズル列のノズルは、ノズル毎に設けられたピエゾ素子によってインク滴を吐出するようになっている。そして、各ノズルは、インクカートリッジ34からインクの供給を受けて印刷用紙50にインク滴を吐出して文字や画像を印刷する。
――― リニア式エンコーダおよびロータリ式エンコーダの構成 ―――
図3は、キャリッジ3に取り付けられたリニア式エンコーダ11の構成を示す図である。このエンコーダ11は発光ダイオード11aと、コリメータレンズ11bと、検出処理部11cとを備えている。この検出処理部11cは複数(4個)のフォトダイオード11dと、信号処理回路11eと、2個のコンパレータ11fA ,11fBとを有している。
発光ダイオード11aの両端に抵抗を介して電圧Vccが印加されると、発光ダイオード11aから光が発せられる。この光はコリメータレンズ11bによって平行にされて符号板12を通過する。符号板12には所定の間隔(例えば1/1440インチ(=1/1440×2.54cm))毎にスリットが設けられた構成となっている。
この符号板12を通過した平行光は、図示しない固定スリットを通って各フォトダイオード11dに入射し、電気信号に変換される。4個のフォトダイオード11dから出力される電気信号が信号処理回路11eにおいて信号処理される。この信号処理回路11eから出力される信号がコンパレータ11fA,11fBにおいて比較され、比較結果がパルスとして出力される。コンパレータ11fA、11fB から出力されるパルスENC−A,ENC−Bがエンコーダ11の出力となる。
パルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。CRモータ4が正転すなわちキャリッジ3が走査方向に移動しているときは図4Aに示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が進み、CRモータ4が逆転しているときは図4Bに示すようにパルスENC−AはパルスENC−Bよりも90度だけ位相が遅れるようにエンコーダ4は構成されている。そして、上記パルスの1周期Tは符号板12のスリット間隔(例えば1/1440インチ(=1/1440×2.54cm))に対応し、 キャリッジ3が上記スリット間隔を移動する時間に等しい。
一方、PFモータ1用のロータリ式エンコーダ13は符号板がPFモータ1の回転に応じて回転する回転円板である以外は、リニア式エンコーダ11と同様の構成となっており、2つの出力パルスENC−A,ENC−Bを出力する。尚、インクジェットプリンタにおいては、PFモータ1用のエンコーダ13の符号板に設けられている複数のスリットのスリット間隔は、1/1440インチであり、PFモータ1が上記1スリット間隔だけ回転すると、1/1440インチだけ紙送りされるような構成となっている。尚、前記エンコーダ13の符号板は、紙送りローラ65の回転軸に取り付けられている。
――― 印刷用紙の搬送 ―――
次に、印刷用紙50の搬送たる紙送りについて図5を参照して説明する。図5において、給紙トレー61にセットされた印刷用紙50は、給紙モータ(不図示)によって駆動される給紙ローラ64によってプリンタ内に送り込まれる。そして、この印刷用紙50の先端が、給紙ローラ64の下流側に配された紙検知センサ15の位置に到達すると、当該紙検知センサ15によって先端が検知され、当該印刷用紙50は、PFモータ1にて駆動される搬送ローラとしての紙送りローラ65によって間欠搬送される。
この間欠搬送の停留中には、キャリッジガイド部材32に沿って移動するキャリッジ3に固定された印刷ヘッド9からインク滴が吐出されることにより印刷用紙50に対して印刷が行われる。そして、この間欠搬送およびその停留中の印刷を繰り返し行って印刷用紙50に所定サイズの印刷画像を形成する。
尚、この印刷ヘッド9の下流側には排紙ローラ69が配置されており、印刷用紙50がこの排紙ローラ69に到達すると、前記紙送りローラ65に加えて当該排紙ローラ69によっても紙送りがなされる。この排紙ローラ69と前記紙送りローラ65とはギヤ列(不図示)によって繋がっており、もってこれらの搬送速度たる紙送り速度は一致している。
紙送りが進んで、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15を通過すると、当該紙検知センサ15は後端の検知信号を出力する。そして、更に紙送りが進むと、印刷用紙50は紙送りローラ65を抜け、これ以降は、排紙ローラ69だけで紙送りされて、最終的に印刷用紙50は排紙口(不図示)から外部に排出される。尚、印刷用紙50の後端が紙送りローラ65を抜ける際には前述の蹴飛ばし現象が発生するが、これについては後述する。また、前記紙検知センサ15の構成についても後述する。
=== 紙送りモータ(PFモータ)の制御 ===
前記紙送りモータ1の制御について、図6乃至図20を参照して説明する。このPFモータ1の制御は前記DCユニット6によって行われる。
このDCユニットは、図6に示すように、印刷用紙50を通常速度で搬送するための通常搬送制御部60と、蹴飛ばし現象を防ぐべく印刷用紙50を低速で搬送するための低速搬送制御部80と、これらのうちのいずれかを選択する搬送制御選択部70と、この搬送制御選択部70にて選択された前記搬送制御部から送られる電流信号をアナログ電流に変換するためのD/Aコンバータ6jと、印刷用紙50の後端位置を計測するための後端位置カウンタ95と、を有している。そして、このD/Aコンバータ6jからのアナログ電流に基づいて、前記紙送りモータドライバ2がPFモータ1を駆動する。
――― 後端位置カウンタ ―――
後端位置カウンタ95は、紙検知センサ15による後端の検知信号の出力時点からの紙送りローラ65の回動量を計数し、この計数値を前記搬送制御選択部70に出力する。この回動量の計数は、前述のエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数することによって行われる。この計数は、PFモータ1の正転時に1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆に逆転時に1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。前述したように、パルスENC−AおよびENC−Bの各々の周期Tは符号板のスリット間隔に等しく、かつパルスENC−AとパルスENC−Bは位相が90度だけ異なっている。このため、上記計数のカウント値「1」はエンコーダ13の符号板のスリット間隔の1/4に対応する。また、PFモータ1が1スリット間隔だけ回転すると、1/1440インチだけ紙送りされるから、これにより上記位置カウンタ6aの計数値に1/4×1/1440インチを乗算すれば、この計数値たる回動量に対応する後端の移動量を求めることができる。
――― 搬送制御選択部 ―――
搬送制御選択部70は、前記蹴飛ばし現象を防止すべく、図23乃至図26のフローチャートに示す処理を間欠搬送毎に行って通常搬送制御部60または低速搬送制御部80のいずれか一つを択一的に選択し、当該選択した搬送制御部にPFモータ1を制御させるものである。すなわち、図23に示すように、間欠搬送の停留中に、紙検知センサ15が後端を検知しているか否かをチェックし、検知していない場合には、その間欠搬送に対しては通常搬送制御部60を選択して印刷用紙50を通常搬送する。一方で、前記検知している場合には、その間欠搬送に対して図24乃至図26に示す分割方法決定処理を行い、その結果に従って、当該間欠搬送の途中で低速搬送制御部80を適宜タイミングで選択することにより蹴飛ばし現象を防止する。尚、この分割方法決定処理等については、後述する。
――― 通常搬送制御部 ―――
通常搬送制御部60は、図7に示すように、位置カウンタ60aと、減算器60bと、目標速度演算部60cと、速度演算部60dと、減算器60eと、比例要素60fと、積分要素60gと、微分要素60hと、加算器60iと、タイマ60kと、加速制御部60mとを備えている。そして、後述する加速制御およびPID制御を適宜行って、前記低速よりも速い通常速度で印刷用紙50を紙送りする。
位置カウンタ60aは、前記紙検知センサ15による先端の検知信号が出力された時点からの紙送りローラ65の回動量を計測し、この回動量に基づいてPFモータ1によって送られる間欠搬送の紙送り量を演算する。すなわち、この位置カウンタ60aは、前述の後端位置カウンタ95と同様に、エンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数する。そして、この計数値に、1/4×1/1440インチを乗算すれば、PFモータ1の、計数値が「0」に対応する位置、例えば前記先端の検知信号の出力時点からの紙送りの量等を求めることができる。
減算器60bは、目標位置と、位置カウンタ60aのカウント値との位置偏差を演算する。
目標速度演算部60cは、減算器60bの出力である位置偏差に基づいてPFモータ1の目標速度を演算する。この演算は位置偏差にゲインKpを乗算することにより行われる。このゲインKpは位置偏差に応じて決定される。尚、このゲインKpの値は図示しないテーブルに格納していても良い。
速度演算部60dはエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bに基づいてPFモータ1の速度を演算する。この速度は次のようにして求められる。まずエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、エッジ間の時間間隔を例えばタイマカウンタによってカウントする。そして、このカウント値の逆数に、前記スリット間隔の1/4(=1/4×1/1440インチ)を乗算すれば速度となる。
減算器60eは、目標速度と、速度演算部60dによって演算されたPFモータ1の実際の速度との速度偏差を演算する。
比例要素60fは上記速度偏差に定数Gpを乗算し、乗算結果を出力する。積分要素60gは速度偏差に定数Giを乗じたものを積算する。微分要素60hは現在の速度偏差と、1つ前の速度偏差との差に定数Gdを乗算し、乗算結果を出力する。尚、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hの演算はエンコーダ13の出力パルスENC−Aの1周期毎に、例えば出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行う。
比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hの出力は加算器60iにおいて加算される。そして加算結果、すなわちPFモータ1の駆動電流がD/Aコンバータ6jに送られてアナログ電流に変換される。このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
また、タイマ60kおよび加速制御部60mは加速制御に用いられ、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hを使用するPID制御は加速途中の定速および減速制御に用いられる。
タイマ60kはCPU16から送られてくるクロック信号に基づいて所定時間毎にタイマ割込み信号を発生する。
加速制御部60mは上記タイマ割込信号を受ける度毎に所定の電流値を目標電流値に積算し、積算結果すなわち加速時におけるPFモータ1の目標電流値がD/Aコンバータ6jに送られる。PID制御の場合と同様に上記目標電流値はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
ドライバ2は、例えば4個のトランジスタを備えており、D/Aコンバータ6jの出力に基づいて上記トランジスタを各々ONまたはOFFさせることにより(a)PFモータ1を正転または逆転させる運転モード(b)回生ブレーキ運転モード(ショートブレーキ運転モード、すなわちPFモータ1の停止を維持するモード)(c)PFモータ1を停止させようとするモードを行わせることが可能な構成となっている。
次に図8Aおよび図8Bを参照して通常搬送制御部60の動作を説明する。PFモータ1が停止しているときに、前記搬送制御選択部70によって通常搬送制御部60が選択されると、この通常搬送制御部60の加速制御部60mから起動初期電流値I0がD/Aコンバータ6jに送られる。そしてこの電流値I0はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換されてドライバ2に送られ、このドライバ2によってPFモータ1が起動開始する(図8Aおよび図8Bを参照)。
この起動開始後、所定の時間毎にタイマ6kからタイマ割込信号が発生される。加速制御部60mはタイマ割込信号を受信する度毎に、起動初期電流値I0に所定の電流値を積算し、積算した電流値をD/Aコンバータ6jに送る。するとこの積算した電流値はD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換されてドライバ2に送られる。そしてPFモータ1に供給される電流の値が上記積算した電流値となるように、ドライバ2によってPFモータ1が駆動されPFモータ1の速度は上昇する(図8Bを参照)。このためPFモータ1に供給される電流値は図8Aに示すように階段状になる。
尚、このときPID制御系も動作しているが、D/Aコンバータ6jは加速制御部60mの出力を選択して取込む。
加速制御部60mの電流値の積算処理は、積算した電流値が一定の電流値ISとなるまで行われる。時刻t1において積算した電流値が所定値ISとなると、加速制御部60mは積算処理を停止し、D/Aコンバータ6jに一定の電流値ISを供給する。これによりPFモータ1に供給される電流の値が電流値ISとなるようにドライバ2によって駆動される(図8Aを参照)。
そして、PFモータ1の速度がオーバーシュートするのを防止するために、PFモータ1が所定の速度V1になると(時刻t2 )になると、PFモータ1に供給される電流を減少させるように加速制御部6mが制御する。このときPFモータ1の速度は更に上昇するが、PFモータ1の速度が所定の速度vcに達すると(図8Bの時刻t3参照)、D/Aコンバータ6jが、PID制御系の出力すなわち加算器60iの出力を選択し、PID制御が行われる。
すなわち、目標位置と、カウンタ60aのカウント値との位置偏差に基づいて目標速度が演算され、この目標速度と、エンコーダ13の出力から得られる実際の速度との速度偏差に基づいて、比例要素60f、積分要素60g、および微分要素60hが動作し、各々比例、積分、および微分演算が行われ、これらの演算結果の和に基づいて、PFモータ1の制御が行われる。尚、上記比例、積分、および微分演算は、例えばエンコーダ13の出力パルスENC−Aの立ち上がりエッジに同期して行われる。これによりPFモータ1の速度は所望の速度veとなるように制御される。尚、所定の速度vcは所望の速度veの70〜80%の値であることが好ましい。
時刻t4からPFモータ1は所望の速度veとなる。その後、PFモータ1が目標位置に近づくと(図8Bの時刻t5参照)、PFモータ1の減速が行われ、時刻t6にPFモータ1が停止する。
――― 低速搬送制御部 ―――
低速搬送制御部80は、前記蹴飛ばし現象を防止すべく印刷用紙50を低速搬送する際に、前記搬送制御選択部70によって選択される。
図9に示すように、この低速搬送制御部80は、位置カウンタ81と、周期カウンタ82と、制御選択部84と、タイマ割込制御部85と、エンコーダ割込制御部86と、ホールド制御部87と、微分制御部88と、選択部89,90とを備えている。
位置カウンタ81はエンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、検出されたエッジの個数を計数するとともに上記立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジに同期してパルスを出力する。この計数はPFモータ1が正転しているときは1個のエッジが検出されると「+1」を加算し、逆転しているときは、1個のエッジが検出されると「−1」を加算する。
周期カウンタ82は、エンコーダ13の出力パルスENC−A,ENC−Bの各々の立ち上がりエッジ、立ち下がりエッジを検出し、符号板12のスリット間隔の1/4を紙が移動する時間(周期)を例えばタイマカウントによってカウントし、このカウント値T-curを出力する。
制御選択部84は設定値Timerを有するタイマカウンタ84aを備えている。このタイマカウンタ84aは、カウント値が上記設定値Timerに達するまでカウントを行い、上記設定値Timerに達したとき、および位置カウンタ81からの出力パルスを受けたときは、リセットされ再び零からカウントを開始する。
また制御選択部84は、位置カウンタ81からの出力パルスを受けたときに図10に示すように目標位置を含む目標範囲内に印刷用紙50の後端(以下、紙後端とも言う)が位置している場合は、ホールド制御部87を選択する。そして上記目標範囲外に位置している場合は、位置カウンタ81からの出力パルスをタイマカウンタ84aが受信したときのカウント値Tに基づいてタイマ割込制御部85かまたはエンコーダ割込制御部86を選択する。上記カウント値Tが設定値Timerに達しても位置カウンタ81から出力パルスを受信しない場合(この場合、T>Timerと見なす)、すなわち印刷用紙50が停止しているかまたは目標速度よりもかなりゆっくりと動いている場合はタイマ割込制御部85を選択し、上記カウント値Tが設定値Timerの値以下の場合はエンコーダ割込制御部86を選択する。したがって制御選択部84は位置カウンタ81から出力パルスを受信する毎、またはタイマカウンタ84aのカウント値が設定値Timerに達したときに、上記3つの制御部のうちの1つの制御部を選択する動作を行う。
タイマ割込制御部85は、制御選択部84によって選択されたときには、位置カウンタ81の出力から得られる紙後端の位置および進行方向に基づいてPFモータ1に付加する電流I-curを決定し、選択部89に送出する。エンコーダ割込制御部86は、制御選択部84によって選択されたときには、位置カウンタ81の出力から得られる紙後端の位置および進行方向と、周期カウンタ82の出力から得られた周期T-curとに基づいて、PFモータ1に付加する電流I-curを決定し、選択部89に送出する。
選択部89は、タイマ割込制御部85が選択されているときにはタイマ割込制御部85の出力を選択し、エンコーダ割込制御部86が選択されているときにはエンコーダ割込制御部86の出力を選択して選択部90に送出する。
微分制御部88は、周期カウンタ82の出力から得られる周期T-curに基づいて、紙後端の現在の速度と基準速度との速度偏差を演算し、この速度偏差と一つ前の割込時、すなわち一つ前の動作時の速度偏差との差に応じた増減電流値I-crtDを決定する。尚、増減電流値I-crtDは、紙後端の現在の速度と基準速度との速度偏差と一つ前の動作時の速度偏差との差に、上記演算された速度偏差に対応した定数を乗じて求めても良い。
ホールド制御部87は、位置カウンタ81の出力から得られる、紙後端の位置および進行方向に基づいて、紙後端が図10に示すホールド時の許容範囲内に位置しているときは、上記範囲内に紙後端の位置が保持されるようにPFモータ1に付加する電流I-curを決定し、紙後端が上記許容範囲外に位置しているときには、制御選択部84を介して、タイマ割込制御部85またはエンコーダ割込制御部86を動作させる。
選択部90はホールド制御部87が選択されているときには、ホールド制御部87の出力を選択し、ホールド制御部87が選択されていないときには選択部89の出力を選択し、この選択された、PFモータ1に付加する電流I-curをD/Aコンバータ6jに送出する。この電流値I-curはD/Aコンバータ6jによってアナログ電流に変換され、このアナログ電流に基づいてドライバ2によってPFモータ1が駆動される。
次に、低速搬送制御部80の動作の概要を、図11を参照して説明する。
まず、低速搬送制御部80が選択されると、選択された回数が1回目かそれとも2回以上選択されたか制御選択部84によって判定される(ステップF10参照)。1回目の場合は、電流値I-curの初期値としてI-cur=I-startが設定される(ステップF11参照)。1回目の場合は、電流値I-curの初期値として、前回のホールド電流値I-holdがI-cur=I-holdとして設定される(ステップF12参照)。
続いて、タイマカウンタ84aのカウント値TがTimerか否かが判定され(ステップF13参照)、T>Timerの場合は、制御選択部84によってタイマ割込制御部85が選択され、タイマ割込制御が実行される(ステップF14参照)。T≦Timerの場合は制御選択部84によってエンコーダ割込制御部86が選択され(ステップF15参照)、エンコーダ割込制御が行われる。
そして、位置カウンタ81の出力に基づいて、紙後端の現在位置が図10に示す目標範囲LR間に位置しているか否かが制御選択部84によって判定される(ステップF16参照)。紙後端が目標範囲LR間に位置していない場合は、ステップF13に戻り、上述のステップが繰返される。
紙後端が目標範囲LR間に位置している場合は制御選択部84によってホールド制御部87が選択され、ホールド制御が行われる。
次にタイマ割込制御部85の動作の一具体例を図12を参照して説明する。
まず、紙後端の現在位置Pが確認される(ステップF20参照)。続いて紙送りの進行方向Dirが確認され(ステップF21参照)、現在周期TーcurがTimerであることの確認がなされる(ステップF22参照)。
その後、位置カウンタ81の出力に基づいて、紙後端の現在位置が図10に示す目標範囲(LR間)に入っているか否かが判定される(ステップF23参照)。紙後端の現在位置が目標範囲(LR間)に入っている場合は現在の電流値を変更せず(ステップF24参照)、紙後端の現在位置が目標範囲に入っていなくて、図10に示すLL側に位置している場合は、ステップF25に進み、現在の電流値I-curに制御量I-stepT1が付加された値がI-curとなる(I-cur=I-cur+I-stepT1)。またステップF23において紙後端の位置が図10に示すRR側に位置している場合は、ステップF26に進み、現在の電流値I-curから制御量I-stepT1を減算した値がI-curとなる(I-cur=I-cur-I-stepT1)。
続いて、ステップF27において、現在速度係数V-radが零に設定され、ステップF28において微分制御部F88が呼び出され、微分制御量I-curDが演算される。
その後、ステップF29において、現在の電流値I-curに上記微分制御量I-curDが加算された値がI-curとなる(I-cur=I-cur+I-curD)。このステップF29において演算された電流値I-curに基づいてモータ制御が行われる(ステップF30)。すなわち上記電流値I-curが選択部89,90を介してD/Aコンバータ6jに送られ、PFモータ1の制御が行われる。
次に上述の微分制御部88の動作の一具体例を、図13を参照して説明する。まず、微分制御部88が呼び出されると、この呼び出しがタイマ割込制御部85からの呼び出しか否かがステップF40において判定される。タイマ割込制御部85からの呼出しでない場合はステップF41に進み、制御前1個進行方向Dir-lastが現在の進行方向Dir-curとされた後、ステップF42において現在の速度V-radが現在の周期T-curから求められ(V-rad=α/T-cur)、ステップF44に進む。尚、ここでαは周期を速度に変換する係数である。ステップF40において、タイマ割込制御部85からの呼出しの場合は、現在の速度V-radは「0」に初期設定され(ステップF43)、ステップF44に進む。
ステップF44において、現在の速度V-radが微分制御における上限速度V-radDと比較される。そして現在の速度V-radが上限速度V-radDを越えている場合には、現在の速度V-radは上限速度V-radDとされ(ステップF45参照)、ステップF46に進む。ステップF44において、現在の速度V-radが上限速度V-radD以下の場合は、ステップF46に進む。
ステップF46において、微分制御における基準速度V-rad-limitBから現在の速度を引き現在の加速度係数β-rad2を演算する。続いてステップF47において、紙の送り方向Dirが正転方向か否かが判定される。正転方向の場合はそのままで、ステップF49に進み、逆転方向の場合にはステップF48に進み現在の加速度係数β-rad2に−1を乗算したものを新たに現在の加速度係数β-rad2とし、ステップF49に進む。
ステップF49において、現在の加速度係数β-rad2から1つ前の加速度係数β-rad1を減算して、加速度係数β-radを求める。
その後、ステップF50において、この求めた加速度係数β-radに微分制御量(電流値)I-stepDを乗算し、微分制御量I-curDを求める。その後、次の微分制御に備えて、1つ前の加速度係数β-rad1を現在の加速度係数β-rad2とする(ステップF51参照)。
そして求めた微分制御量I-curDの絶対値が微分制御量の上下限値I-curD-limit以下か否かがステップF52において判定され、上下限値以下の場合は微分制御量I-curDは変更せず、そのままとし、上下限値を超えている場合は、微分制御量I-curDの絶対値が上下限値に等しくなるようにして微分制御を終了する(ステップF53参照)。尚、このとき、微分制御量I-curDの符号は元のままとする。
次に図12で説明したモータ制御の動作の一具体例を図14を参照して説明する。
まず、現在の電流値I-curの絶対値が電流値の上下限値I-max以下か否かがステップF32において判定される。上下限値I-maxを超えている場合はエラー処理が行われる。上下限値I-max以下の場合は、ステップF34に進み、現在の電流値I-curが零以上か否かが判定される。零以上の場合は、ステップF35に進み、紙送り正転方向にPFモータ1を駆動する。現在の電流値I-curが負の場合はステップF36に進み、紙送り逆転方向にPFモータ1を駆動する。このようにしてモータ制御が行われる。尚、ステップF33において行われるエラー処理の一具体例を図14を参照して説明する。まずステップF37において、全オフブレーキ運転とし、PFモータ1を停止させることにより紙送りを停止する。続いてステップF38において、エラーメッセージを出力し、処理を終了する。
次にエンコーダ割込制御部86の動作の一具体例を図16乃至図18を参照して説明する。まず、ステップF60において、今回の制御のためにPFモータ1を起動してから、エンコーダ割込制御部86の呼出し回数が5回以上か否かが判定され、4回以下の場合は図17に示すステップF76に進み、現在の電流値I-curにエンコーダ割込制御量の初期値I-stepEStが加算された後、ステップF77において上述したモータ制御が行われる。
ステップF60において、エンコーダ割込制御部86の呼出し回数が5回以上の場合は、紙後端の現在位置Pの確認(ステップF61参照)、紙送りの進行方向Dirの確認(ステップF62参照)、および現在周期T-curの確認(ステップF63参照)が行われる。
その後、ステップF64において、紙後端の現在位置の判定が行われる。紙後端が図10に示す目標範囲(LR間)に位置している場合は、ステップF65に進み、紙送りの進行方向Dirの判定が行われる。進行方向Dirが紙送り正転方向の場合は、後述するホールド電流値I-holdの計算が行われる(ステップF66参照)。続いてステップF66において、現在の電流値I-curからホールド電流値I-holdが減算されたものが新たな、現在の電流値I-curとされる。進行方向が紙送り逆転方向の場合は、ステップF68に進みホールド電流値I-holdの計算が行われる。続いてステップF69において、現在の電流値I-curに上記ホールド電流値I-holdが加算されたものが新たな、現在の電流値I-curとされる。
次にステップF70において、ホールド制御に変更され、目標範囲への到達回数V-timesがカウントされる(ステップF71参照)。そして目標範囲突入方向Dir-holdが現在の進行方向Dir-curとされ(ステップF72参照)、現在の進行方向Dir-curが進行方向Dirとされる(ステップF73)。
続いてステップF74において、微分制御部88が呼び出されて、微分制御量I-curDが演算される。その後、ステップF75において、現在の電流値I-curに上記微分制御量I-curDが加算されたものが、新たな、現在の電流値I-curとなる。続いて、この現在電流値に基づいてモータ制御が行われる(ステップF77参照)。
再び図16に戻り、図16に示すステップF64において、紙後端の現在位置が、図10に示す範囲LL側にある場合は、図17に示すステップF78に進む。ステップF78において、紙送りの進行方向Dir-curが紙送り正転方向の場合はステップF79に進み、紙送り逆転方向の場合はステップF80に進む。
ステップF79において、現在の周期T-curが、上限速度時エンコーダ周期T-limitD、基準速度時エンコーダ周期T-limitB(>T-limitD)、および下限速度時エンコーダ周期T-limitL(>T-limitB)と比較され、比較結果に応じて制御量が決定される。そして現在の電流値I-curに、決定された制御量が加算されたものが新しい、現在の電流値I-curとし(ステップF79参照)、その後図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。ステップF79において、決定される制御量は以下の通りである。現在の周期T-curがT-limitDより小さい場合には、制御量は−I-stepE1であり、T-curがT-limitD以上でかつT-limitBより小さい場合には、制御量は、−I-stepE2であり、T-curがT-limitB以上でかつT-limitLより小さい場合には、制御量は零であり、T-curがT-limitL以上である場合には、制御量は、+I-stepE3である。
ステップF80においては、現在の電流値I-curに制御量I-stepE4を加算したものが新しい、現在の電流値I-curとされ、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
再び図16に戻り、図16に示すステップF64において、紙後端の現在位置が、図10に示す範囲RR側にある場合は、図18に示すステップF81に進む。ステップF81において、紙送りの進行方向Dir-curが紙送り正転方向の場合はステップF82に進み、紙送り逆転方向の場合はステップF83に進む。
ステップF82において、現在の電流値I-curに制御量I-stepE4を加算したものが新しい、現在の電流値I-curとされ、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
ステップF83において、現在の周期T-curが、T-limitD,T-limitB、およびT-limitLと比較され、比較結果に応じて制御量が決定される。そして現在の電流値I-curに、決定された制御量が加算されたものが新しい、現在の電流値I-curとされ(ステップF83参照)、その後、図16に示すステップF74に進み、微分制御が行われる。
ステップF83において、決定される制御量は以下の通りである。現在の周期T-curがT-limitDより小さい場合には、制御量は+I-stepE1であり、T-curがT-limitD以上でかつT-limitBより小さい場合には、制御量は、+I-stepE2であり、T-curがT-limitB以上でかつT-limitLより小さい場合には、制御量は零であり、T-curがT-limitL以上である場合には、制御量は、−I-stepE3である。
次にホールド制御部87の動作の一具体例を図19を参照して説明する。
まず、紙後端の現在位置Pの確認、進行方向Dirの確認、および現在周期T-curの確認が行われる(ステップF90,F91,F92参照)。
次にステップF93において、紙後端の現在位置の判定が行われる。紙後端の現在位置が図10に示す停止許容範囲LL〜RR間に入っている場合は、ステップF94に進み、現在の電流値I-curが新たに現在の電流値とされた後、ステップF100に進む。
ステップF93において、紙後端の位置が点LLの外側に位置している場合には、現在の電流値I-curに制御量I-stepH1が加算されたものが新たな、現在の電流値とされ(ステップF95参照)、その後、ステップF96において、制御選択部84によってエンコーダ割込制御部86またはタイマ割込制御部85が呼び出され、エンコーダ割込制御またはタイマ割込制御が行われる。そしてその後、ステップF100に進む。
ステップF93において、紙後端の位置が点RRの外側に位置している場合には、現在の電流値I-curから制御量I-stepH1が減算されたものが新たな、現在の電流値I-curとされ(ステップF97参照)、その後ステップF98において、制御選択部84によって、エンコーダ割込制御部86またはタイマ割込制御部85が呼び出され、エンコーダ割込制御またはタイマ割込制御が行われる。そして、その後ステップF100に進む。
ステップF100において、現在速度係数V-rad「0」に初期設定される。その後、ステップF101において、微分制御部88が呼び出され、微分制御量I-curDが求められる。次にステップF102において、現在の電流値I-curに上記微分制御量I-curDが加算された値が、新しい現在の電流値となる。
次にステップF103において、紙送りが停止していてかつ停止時間が停止時間上限値T-hold-limit以下か否かが判定され、停止時間上限値T-hold-limitを超えている場合には現在の電流値I-curを変更せずステップF105に進み、停止時間上限値T-hold-limit以下の場合には、現在の電流値I-curを「0」にしてステップF105に進む。
ステップF105において、既に述べたモータ制御が行われる。その後ステップF106に進み、タイマ割込制御またはエンコーダ割込制御からホールド制御に入った回数、すなわち振動回数V-timesが停止判定振動回数V-time-limit以上か否かが判定される。停止判定振動回数以上の場合にはステップF109に進み、停止判定がOKとされる。停止判定振動回数より少ない場合にはステップF107に進む。
ステップF107において、停止時間H-timeが停止判定時間H-time-limit以上か否かが判定され。停止判定時間以上の場合はステップF109に進み、停止判定がOKとされる。停止判定時間未満の場合はステップF108に進み停止判定は不可とされる。
最後に、エンコーダ割込制御において用いられたホールド電流値I-holdの計算を図20を参照して説明する。まず、ステップF120において、振動回数V-timesが1か否かが判定される。振動回数V-timesが1に等しい場合には、ステップF121に進み、ホールド電流値I-holdはホールド基準電流I-hold-baseとされる。振動回数V-timesが1に等しくない場合には、ステップF122に進み、紙送りの現在進行方向Dir-curが目標範囲突入方向Dir-holdか否か判定される。目標範囲突入方向Dir-holdに等しい場合には、ステップF123に進み、現在のホールド電流I-holdからホールド電流補正量I-hold-adを減算した値を、新たなホールド電流値I-holdとする。ステップF122において目標範囲突入方向Dir-holdに等しくない場合には、ステップF124に進み、現在のホールド電流値I-holdにホールド電流補正量I-hold-adを加算した値を、新たなホールド電流値I-holdとする。
===紙検知センサ===
紙検知センサ15について図5を参照しつつ詳細に説明する。この紙検知センサ15は、紙送りローラ65の上流側に配された接触式センサであり、印刷用紙50との接触によって印刷用紙50の先端および後端を検知して検知信号を出力する。
紙検知センサ15は、印刷用紙50の搬送経路より高い位置に回動中心151aを持つレバー151と、その上方に設けられ発光部および受光部を有する検知部としての透過型光センサ152とで構成されている。レバー151は、自重によって搬送経路に垂れ下がるように配置され給紙トレー61から供給された印刷用紙50によって回動される作用部153と、この作用部153と回動中心151を挟んで反対側に位置し、発光部と受光部との間を通過するように設けられた遮光部154とで構成されている。
そして、供給された印刷用紙50にレバー151の下端部151bが押されて当該レバー151が図中の時計回りに回動し、これによって、図に示すように遮光部154による遮光が解除された時点で、この紙検知センサ15は先端の検知信号を出力する。そして、この先端の検知信号の出力によって、印刷用紙50の先端が紙検知センサ15の位置に到達したことが検知される。
また、紙送りローラ65による印刷用紙50の紙送りが更に進んで、印刷用紙50の後端がレバー151の下端部151bを通過すると、印刷用紙50による自重の支持が無くなったレバー151は、反時計回りに回動して元の状態に垂れ下がるが、これによって前記遮光部154が発光部と受光部との間に入って透過型光センサ152を遮光した時点で、後端の検知信号を出力する。そして、この後端の検知信号に基づいて、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15の位置に達したことが検出される。
===蹴飛ばし現象===
図21A乃至図21Dを参照して蹴飛ばし現象について説明する。図21Aに示すように、印刷用紙50を搬送する紙送りローラ65は、前記PFモータ1によって駆動される駆動ローラであり、その上方には従動ローラ66が回転軸を揃えて対向配置されている。この従動ローラ66はバネ部材662によって紙送りローラ65に押し付けられており、もって、これらローラ65,66のニップに印刷用紙50を加圧状態に挟みながら紙送りローラ65を駆動することにより印刷用紙50は搬送される。また、前述したが紙送りローラ65の下流側には前記印刷ヘッド9が設けられており、当該紙送りローラ65によってその下流側に送り出された印刷用紙50の部分に対して、印刷ヘッド9が印刷するようになっている。
但し、図21Dに示すように、この印刷用紙50の後端が前記紙送りローラ65を抜ける瞬間には、当該ローラ65,66の挟み込み圧力Fが印刷用紙50を下流側に送り出す方向に余分に作用し、これによって印刷用紙50は、その間欠搬送の停留予定位置から下流側にずれてしまう。そして、この位置ずれ状態のまま印刷すると、今回の停留中に印刷した部分と、その前の停留時に印刷した部分との間に、走査方向に沿った未印刷部分(筋状部)が生じてしまい印刷不良となる。このため、この蹴飛ばしを緩和する目的で、前記後端が紙送りローラ65を抜ける間の搬送速度を低速にしている。尚、この低速搬送は、前述の低速搬送制御部80によって実行され、また、この低速よりも速い通常速度で搬送する通常搬送は、前述の通常搬送制御部60によって実行される。
===低速搬送する領域について===
図22の上半部に、印刷用紙50の後端を低速搬送する領域(以下では、低速搬送領域とも言う)Pb〜Pcを示す。この低速搬送領域Pb〜Pcは、前記紙送りローラ65の上流側に設定された第1切り換え位置Pbと、紙送りローラ65の下流側に設定された第2切り換え位置Pcとで挟まれる領域として規定される。そして、印刷用紙50の後端が、低速搬送領域Pb〜Pcを通過している間は、前記搬送制御選択部70は低速搬送制御部80を選択し、これにより印刷用紙50を低速搬送する。他方、前記後端が低速搬送領域Pb〜Pc以外の領域を通過している間は、搬送制御選択部70は通常搬送制御部60を選択し、これにより印刷用紙50を通常搬送する。
ここで、この印刷用紙50の後端位置の監視は、前記エンコーダ13および前記後端位置カウンタ95を用いてなされる。詳細には、後端位置カウンタ95が、エンコーダ13から出力される前記エッジの個数を、紙検知センサ15の後端の検知信号の出力時点を起点として計数する。そして、この計数値を紙送りローラ65の回動量として用い、この回動量の計測値が、前記第1切り換え位置Pbに相応させて予め設定された第1回動量に達したら、前記搬送制御選択部70は、前記後端が低速への切り換え位置に到達したと判断して搬送速度を低速に切り換える。すなわち、搬送制御選択部70は、選択中の通常搬送制御部60に替えて低速搬送制御部80を選択する。一方、前記第2切り換え位置Pcに相応させて予め設定された第2回動量に達したら、前記搬送制御選択部70は、通常速度へ戻すための切り換え位置に到達したと判断して通常速度に戻す。すなわち、搬送制御選択部70は、選択中の低速搬送制御部80に替えて通常搬送制御部60を選択する。なお、前記第1回動量および第2回動量は、予めEEPROM23に記録されている。
===低速搬送と通常搬送との切り換えについて===
前記低速搬送と通常搬送との間の切り換えは、この切り換えを安定して行うべく、紙送りローラ65を一旦停止させてから行う。このため、間欠搬送によっては、一回の間欠搬送を分割して行うことがある。例えば、図22の下半部に示すように、一回の間欠搬送P1〜P2が低速搬送領域Pb〜Pcを跨いで行われる場合には、第1切り換え位置Pbまで通常搬送し、当該Pbにて一旦停止をして低速搬送に切り換えて低速搬送領域Pb〜Pcを低速搬送し、第2切り換え位置Pcで一旦停止をして通常搬送に切り換えるといったように、前記間欠搬送P1〜P2を3分割して行う。
この間欠搬送を分割する必要が有るか否かは、図23の分割要否判定処理によって決定され、当該分割要否判定処理において、分割が必要とされた場合に、その間欠搬送をどのように分割するかを決めるのは、図24乃至図26の分割方法決定処理に因っている。
具体的には、先ず、搬送制御選択部70は、間欠搬送毎に、その間欠搬送の開始前に、図23の分割要否判定処理を実行する。すなわち、図23のステップS101において、紙検知センサ105が後端の検知信号を出力しているか否かをチェックする。ここで、検知信号を出力していない場合には、この間欠搬送の分割は不要であると判断し、通常搬送制御部60を選択する。一方、同ステップS101にて検知信号を出力している場合には、搬送制御選択部70は、図24乃至図26に示す分割方法決定処理を実行して、この間欠搬送に対する分割の仕方を決定する。そして、その決定の結果に従って、搬送制御選択部70は、低速搬送制御部80又は通常搬送制御部60を択一的に選択し、選択した制御部に対して目標位置を送信する。選択された制御部は、この目標位置に後端が到達するまで搬送を続ける。搬送制御選択部70は、この選択および目標位置の送信を、後端が、この間欠搬送の停留予定位置P2に到達するまで繰り返し、P2に到達したら、次の間欠搬送に対して図23に示す分割要否判定処理を実行する。
ここで、分割方法決定処理について、図22の下半部に示す「一回の間欠搬送P1〜P2が低速搬送領域Pb〜Pcを跨いで行われる場合」を例に具体的に説明する。図示例にあっては、現在停留中の後端位置P1はPbよりも上流に、また間欠搬送後に停留予定の後端位置P2は、Pcよりも下流に位置している。従って、図24乃至図26のフローチャートに従えば、S202、S203、S205、S301のステップを順次経てS303のステップに達し、その決定の結果として、『後端位置が第1切り換え位置Pbまでは通常搬送し、Pbから第2切り換え位置Pcまでは低速搬送し、Pcから停留予定位置P2までは通常搬送する』旨の結果を得る。
すると、この決定の結果に従って、搬送制御選択部70は、先ず通常搬送制御部60を選択し、当該通常搬送制御部60に向けて『目標位置がPbである』旨の情報を送信する。そして、通常搬送制御部60の制御によって後端がPbに到達すると、次に搬送制御選択部70は低速搬送制御部80を選択し、当該低速搬送制御部80に向けて『目標位置がPcである』旨の情報を送信する。すると低速搬送制御部80は、後端がPcに到達するまで搬送を続ける。後端がPcに到達すると、搬送制御選択部70は、通常搬送制御部60を選択し、当該通常搬送制御部60に向けて『目標位置が停留予定位置P2である』旨の情報を送信する。そして、この通常搬送制御部60の制御によって後端がP2に到達したら、この間欠搬送は終了し、次の間欠搬送に対して図23の分割要否判定処理を実行する。なお、当該次の間欠搬送にあっては、現在停留中の位置P1は、既に第2切り換え位置Pcの下流に位置しているので、図24のS202およびS203のステップを経てS204のステップに達し『分割せずに通常搬送する』旨の結果を得ることになる。
なお、前述の目標位置は、基本的には、後端の検知信号の出力時点からの回動量で与えられる。但し、通常搬送制御部60は、先端の検知信号の出力時点を起点とする回動量に基づいて紙送りを行っているので、通常搬送制御部60へ与える目標位置については、後端の検知信号を起点とする回動量を、前記先端基準の回動量に換算して与えているのは言うまでもない。
==第1および第2切り換え位置に係る第1および第2回動量の設定について==
図22に示すように、前記第1切り換え位置Pbおよび第2切り換え位置Pcに、それぞれ相応する第1回動量および第2回動量は、紙検知センサ15の位置P0から前記切り換え位置Pb,Pcまでの離間距離Lb(インチ),Lc(インチ)に相当する回動量であり、基本的には物理的距離から一義的に定まるものである。例えば、前述したように回動量としての前記エッジ個数一つにつき印刷用紙50は1/4×1/1440インチだけ搬送されるので、前記離間距離Lbに相当する第1回動量は、Lb/(1/4×1/1440)というように、また前記離間距離Lcに相当する第2回動量はLc/(1/4×1/1440)というように定まる。
但し、通常は、この第1切り換え位置Pbと第2切り換え位置Pcとで規定される範囲たる低速搬送領域が、前記物理的距離に基づく領域よりも広めになるように、前記切り換え位置Pb,Pcを設定している。これは、同機種であっても、プリンタ毎に個体差を有することがあるためであり、例えば、前記紙検知センサ15の位置P0から紙送りローラ65中心までの距離Lがプリンタ毎に若干異なる虞があるためである。そこで、通常は、前記公差分だけ低速搬送領域を広めに設定することによって、少なくとも紙送りローラ65を後端が通過する瞬間においては、低速搬送を確実に実行するようにしている。
しかしながら、その場合には、真に低速で搬送すべき領域よりも公差分広めに設定されることになるため、その公差分だけ実印刷時間が長くなってしまう。そして、特に、その広げる領域の搬送速度は低速であるため、その広めに設定したことによる実印刷時間への影響は大きい。
そこで、本発明にあっては、真に低速で搬送すべき領域のみを低速搬送するように、前記公差を加味せずに前記第1切り換え位置Pbおよび第2切り換え位置Pcを設定するようにしている。
この真に低速で搬送すべき領域は、印刷用紙50を実際に搬送して得られる紙送りモータ1の負荷電流チャートの実測値から特定することができる。図27に、この負荷電流チャートの説明図を示す。なお、この負荷電流チャートは、モータ負荷を表現可能な一指標であって、これ以外にモータ負荷を指示可能な指標があればそれを用いても良く、例えば負荷トルク等であっても良い。
図27の横軸は前記回動量であり、縦軸は負荷電流値である。なお、回動量の原点は、紙検知センサ15からの後端の検知信号の出力時点である。また、このチャートの上には、紙検知センサ15や紙送りローラ65の位置も対応させて示している。
図27の負荷電流チャートにおいて、紙送りローラ15の配置位置に相当する回動量には、負荷電流値の落ち込み部分が有るが、この落ち込み部分が前記蹴飛ばし現象によって生じているのである。すなわち、前述したように、印刷用紙50の後端が紙送りローラ65を通過する際には、この紙送りローラ65と従動ローラ66との挟み込み圧力が、印刷用紙50を下流側に送り出す方向に余分に作用するために、紙送りに必要な負荷電流値は少なくなり、これによってチャート上に落ち込み部分が発生するのである。
従って、この落ち込み部分を用いて、真に蹴飛ばし現象が発生する回動量の範囲を高精度に特定することが可能である。具体的には、この負荷電流値の絶対値が第1閾値を下回る時の回動量を、前記第1切り換え位置Pbに対応する前記第1回動量とし、これに続いて第2閾値を上回る時の回動量を、前記第2切り換え位置Pcに対応する第2回動量として設定するようにしている。なお、この第1閾値および第2閾値は、落ち込み部分以外の負荷電流値の平均値を求めて、この平均値から所定量だけ落ち込んだ値として定めても良いし、または、落ち込み部分の下限値から最大落ち込み量の所定%だけ大きい値として定めても良い。
そして、このようにして求められた第1回動量および第2回動量は、EEPROM23に記録される。
この第1および第2回動量の設定に用いる負荷電流チャートは、出荷前等のタイミングにて、プリンタ一台毎に、下記手順によって採取される。
先ず、印刷用紙50を紙送りローラ65にセットする。なお、この印刷用紙50としては厚紙が望ましい。これは、厚手の紙の方が、前記負荷電流の落ち込み部分が顕著に顕れるからである。
次に、印刷用紙50の後端が紙検知センサ15を通過する少し前から、紙送りローラ65を通過する少し後までに亘って搬送し、この搬送中の、負荷電流値および回動量の計測値をチャート式記録計等により記録する。
なお、この採取時の搬送速度は、低速搬送制御時の搬送速度に揃えて低速で行うのが好ましい。これは、実印刷時に近い条件で計測した方が、実印刷に即した設定を行うことができるからである。但し、全長に亘って低速搬送する必要はなく、前記第1切り換え位置Pbから第2切り換え位置Pcまでの範囲以外は、通常速度で搬送して計測時間の短縮化を図っても良い。
また、互いに厚みの異なる複数の印刷用紙50について、それぞれ負荷電流チャートを計測し、厚み区分毎に前記第1回動量および第2回動量を設定しても良い。なお、この厚み区分に、印刷用紙50の種類を組み合わせて区分しても良い。
===第2実施形態===
前述の実施形態では、通常搬送と低速搬送とを切り換えて行う例として、紙送りの場合を示したが、これに限るものではなく、例えば、キャリッジ3の走査方向の移動(以下では搬送と言う)を通常速度で行う通常搬送と、低速で行う低速搬送とを切り換えて行う場合に適用しても良い。
但し、この場合において、低速搬送に切り換える目的は、蹴飛ばし現象の抑制ではない。図28A乃至図28Cに示すように、キャリッジ3の走査方向の移動経路の端部には、印刷ヘッド9をワイピングするためのワイパ100が固定されているが、このワイパ位置を通過する際にはワイピングする分だけCRモータ4の負荷電流値が大きくなり、そのまま通常速度で搬送するCRモータ4がトリップする虞があるためである。そこで、ワイパ位置の直前で低速搬送に切り換え、ワイパ位置を通過したら通常搬送に戻すようにしている。なお、ワイピングは、ゴム板等のブレードからなるワイパ100を印刷ヘッド9のノズルに当接させて、当該ノズルに付着するインクの拭き取りを行う処理である。
このように通常搬送と低速搬送とを切り換えて行うべく、第2実施形態に係るDCユニット6は、前述の図6、図7、図9に示す構成と類似の構成を別途有している。但し、第2実施形態に係る構成にあっては、図6、図7、および図9のロータリ式エンコーダ13に代えてリニア式エンコーダ11が接続される。また、図6の後端位置カウンタ95、図7の位置カウンタ60a、および図9の位置カウンタ81に代えて、前記リニア式エンコーダ11からの出力パルスを計数する位置カウンタが設けられる。また、図6の紙検知センサ15に代えて、キャリッジ3がホームポジションに到達した際に前記位置カウンタの計数値を零リセットするためのホームポジションセンサが設けられる。また、図6の紙送りドライバ2に代えてCRモータドライバ5が接続される。
図28Dに示すように、キャリッジ3の走査方向の移動経路には、ワイパ位置を挟んで、一対の切り換え位置が設定されており、この切り換え位置の間の範囲が、低速搬送される低速搬送領域となっている。なお、キャリッジ3の位置は、ホームポジションを起点とする前記計数値によって検出されるため、前記切り換え位置にそれぞれ対応させて、第1計数値および第2計数値が前記EEPROMに記録されている。そして、前記位置カウンタの計数値が、第1計数値と第2計数値との間に入ったら、DCユニット6の搬送制御選択部70は、低速搬送制御部80を選択してキャリッジ3を低速搬送し、そこから出たら、前記搬送制御選択部70は、通常搬送制御部80を選択してキャリッジ3を通常搬送する。
この第1および第2計数値は、前述の紙送りの実施形態と同様に、予めプリンタ毎にキャリッジ3を往復搬送させてCRモータ4の負荷電流値を計測しておき、当該負荷電流値に基づいてプリンタ毎に設定される。
図29に、その負荷電流チャートを示すが、横軸は位置カウンタの計数値であり、また縦軸は負荷電流値である。なお、計数値の原点は、ホームポジションセンサによって計数値が零リセットされる位置である。また、このチャートの上には、ワイパ位置等も対応させて示している。
図29に示すように、印刷ヘッド9のワイパ通過時にはワイパ100が抵抗となるために、CRモータ4の負荷電流値には、山部が顕れている。そして、この負荷電流値の絶対値が、第1閾値を上回る時の計数値を、前記第1切り換え位置に対応する第1計数値とし、これに続いて第2閾値を下回る時の計数値を、前記第2切り換え位置に対応する第2計数値として前記EEPROM23に記録する。なお、第1閾値および第2閾値は、CRモータ4のトリップ電流値を考慮して決定される。
そして、このような構成によれば、プリンタ毎に負荷電流値を計測し、この負荷電流値に基づいて、真に低速搬送が必要な範囲を特定して、この範囲のみを低速搬送させることができて、これによって、実印刷時間の短縮化を図ることができる。
===その他の実施の形態===
以上、一実施形態に基づき本発明に係る印刷装置等を説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
前述の実施形態では、後端検知センサとして、レバーと透過型光センサとを備える構成を例示したが、これに限るものではない。例えば、検知部としての前記透過型光センサに代えて、レバーの変位による接点の動きにて電気回路を開閉するマイクロスイッチ(商品名)や、レバーが近よったときに電気信号を発生する近接検出器等を用いても良い。
前述の実施形態では、ピエゾ素子を用いてインクを吐出していた。しかし、インクを吐出する方式は、これに限られるものではない。例えば、熱によりノズル内に泡を発生させる方式など、他の方式を用いてもよい。
インクジェットプリンタの概略の構成を示す構成図である。 キャリッジ周辺の構成を示す斜視図である。 エンコーダの構成を示す模式図である。 図4Aおよび図4Bは、エンコーダの出力パルスの波形図である。 印刷用紙の搬送を説明するための説明図である。 DCユニットの構成を示すブロック図である。 通常搬送制御部の構成をしめすブロック図である。 図8Aおよび図8Bは、通常搬送制御部の動作を説明するタイミングチャートである。 低速搬送制御部の構成を示すブロック図である。 紙送りの目標範囲を説明する模式図である。 低速搬送制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るタイマ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係る微分制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るモータ制御の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るエラー処理の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るエンコーダ割込制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るホールド制御部の動作を説明するフローチャートである。 低速搬送制御部に係るホールド電流の計算を説明するフローチャートである。 図21A乃至図21Dは、印刷用紙の後端が、紙検知センサおよび紙送りローラを通過する様子を示す説明図である。 間欠搬送の分割判定処理および低速搬送領域を説明するための説明図である。 分割要否判定処理のフローチャートである。 分割方法決定処理のフローチャートである。 分割方法決定処理のフローチャートである。 分割方法決定処理のフローチャートである。 紙送りモータの負荷電流チャートである。 図28A乃至図28Dは、ワイピングを説明するための図である。 キャリッジモータの負荷電流チャートである。
符号の説明
1 紙送りモータ、PFモータ 2 紙送りモータドライバ
3 キャリッジ 4 キャリッジモータ(CRモータ)
5 キャリッジモータドライバ(CRモータドライバ)
6 DCユニット 6j D/Aコンバータ
9 印刷ヘッド
10 ヘッドドライバ 11 リニア式エンコーダ
12 符号板 13 ロータリ式エンコーダ
16 CPU
17 タイマIC 18 ホストコンピュータ
19 インタフェース部 20 ASIC
21 PROM 22 RAM
23 EEPROM 50 印刷用紙
61 給紙トレー 64 給紙ローラ
65 紙送りローラ、搬送ローラ 66 従動ローラ
662 バネ部材
69 排紙ローラ
15 紙検知センサ 151 レバー
151a 回動中心 151b 下端部
152 透過型光センサ、検知部
153 作用部 154 遮光部
60 通常搬送制御部
60a 位置カウンタ 60b 減算器
60c 目標速度演算手段 60d 速度演算部
60e 減算器 60f 比例要素
60g 積分要素 60h 微分要素
60k タイマ 60m 加速制御部
70 搬送制御選択部 71 補正テーブル
80 低速搬送制御部 81 位置カウンタ
82 周期カウンタ 84 制御選択部
84a タイマカウンタ 85 タイマ割込制御部
86 エンコーダ割込制御部 87 ホールド制御部
88 微分制御部 89 選択部
90 選択部
95 後端位置カウンタ

Claims (11)

  1. 搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備え、
    前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻す印刷装置において、
    前記印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め計測しておき、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記第1切り換え位置および第2切り換え位置が設定されていることを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転し、
    該搬送ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでいることを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項2に記載の印刷装置において、
    前記計測結果のモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる位置を第1切り換え位置とし、これに続いて、第2閾値よりも大きくなる位置を第2切り換え位置として設定されていることを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2又は3に記載の印刷装置において、
    前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサと、
    前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量を計数する計数器とを備え、
    前記回動量に基づいて、前記後端位置が前記第1および第2切り換え位置に到達したか否かを判断することを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項4に記載の印刷装置において、
    前記モータ負荷の計測は、前記回動量と対応付けて行われ、
    前記計測されたモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる回動量を第1切り換え位置とし、第2閾値よりも大きくなる回動量を第2切り換え位置として設定することを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項4又は5に記載の印刷装置において、
    前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有することを特徴とする印刷装置。
  7. 請求項1乃至6に記載の印刷装置において、
    少なくとも前記第1切り換え位置から第2切り換え位置までに亘るモータ負荷の計測は、前記低速時と同じ速度で印刷媒体を搬送して行われることを特徴とする印刷装置。
  8. 搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備え、
    前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるとともに、前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻す印刷装置において、
    前記搬送ローラは、回動軸を搬送方向と交わる方向に向けつつ駆動回転し、該搬送ローラは、周面を臨ませて対向配置された従動ローラとの間で、印刷媒体を加圧状態に挟んでおり、
    前記後端検知センサは、前記印刷媒体との接触によって変位するレバーと、該レバーの変位を検知して前記検知信号を出力する検知部とを有し、
    前記搬送ローラの上流側に設けられ、前記印刷媒体の後端の通過を検知して検知信号を出力する後端検知センサと、前記検知信号が出力されてからの前記搬送ローラの回動量を計数する計数器とを備え、
    前記印刷媒体を前記低速時と同じ速度で搬送した際の搬送モータのモータ負荷を、前記回動量に対応付けて予め計測しておき、前記計測されたモータ負荷が、第1閾値よりも小さくなる回動量を第1切り換え位置とし、第2閾値よりも大きくなる回動量を第2切り換え位置として設定されており、
    前記回動量に基づいて、前記後端位置が前記第1および第2切り換え位置に到達したか否かを判断することを特徴とする印刷装置。
  9. 搬送モータによって駆動されて印刷媒体を搬送する搬送ローラと、該搬送ローラよりも搬送方向の下流側に設けられ、前記印刷媒体に印刷画像を印刷する印刷ヘッドとを備えた印刷装置の印刷方法であって、
    前記印刷媒体の後端位置が、前記搬送ローラの上流側に設定された第1切り換え位置に達したと判断する場合に、前記印刷媒体の搬送速度を低速に切り換えるステップと、
    前記搬送ローラの下流側に設定された第2切り換え位置に達したと判断する場合に、前記搬送速度を通常速度に戻すステップとを実行する印刷方法において、
    前記印刷媒体を搬送した際の搬送モータのモータ負荷を予め計測するステップと、
    該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記第1切り換え位置および第2切り換え位置を設定するステップとを備えていることを特徴とする印刷方法。
  10. 印刷ヘッドを保持して移動するキャリッジと、該キャリッジを移動させるキャリッジモータと、前記キャリッジが移動する際に、前記印刷ヘッドと干渉してキャリッジモータに負荷を加える干渉物とを備え、
    前記印刷ヘッドが前記干渉物を通過する前に移動速度を低速に切り換えるための切り換え位置と、該通過後に前記移動速度を通常速度に復帰するための切り換え位置とが設定された印刷装置において、
    前記移動する際のキャリッジモータのモータ負荷を予め計測しておき、該モータ負荷の計測結果に基づいて、前記切り換え位置を設定することを特徴とする印刷装置。
  11. 請求項10に記載の印刷装置において、
    前記干渉物は、前記移動する印刷ヘッドのノズルと当接してインクを拭き取るワイパであることを特徴とする印刷装置。
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