JP2005007600A - 駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動装置において、駆動手段の回転数に応じ、この駆動手段を固定する支持ブラケットの固有振動数を変更することにより、複数の回転数域にて使用される前記駆動手段と、前記支持ブラケットとの共振を、単純且つコンパクトな構成にて防止することが可能な駆動装置を提供する。
【解決手段】任意に回転数を変更できる駆動手段と、前記駆動手段を支持する支持ブラケットとから構成される駆動装置において、前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの共振周波数を変動させる変動機構を有するように構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】任意に回転数を変更できる駆動手段と、前記駆動手段を支持する支持ブラケットとから構成される駆動装置において、前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの共振周波数を変動させる変動機構を有するように構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回転数域にて使用される駆動装置において、駆動手段と、かかる駆動手段を固定する支持ブラケットの共振を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平1−004774
【特許文献2】特開平9−236973
【特許文献3】特開平11−305533
【特許文献4】特開平2000−238326
【0003】
従来、駆動装置を有する画像形成装置等の機器において、かかる駆動装置は、駆動手段と支持ブラケットとから形成される。この支持ブラケットは、本体フレームの所定位置にビス止めされ、更に、かかる支持ブラケット上に前記駆動手段がビス止めされる。この構成では、該駆動手段が前記支持ブラケット上を回転すると、この駆動手段の回転に伴う振動がかかる駆動手段を固定する前記支持ブラケットへ伝わり、更には、かかる支持ブラケットを固定する本体フレームへ伝わる。この駆動手段の使用に際し、前記支持ブラケットの固有振動数が、前記駆動手段の回転による振動数の整数倍に合致した場合、かかる駆動装置の駆動手段と、この駆動手段を固定する支持ブラケットとが共振することになる。この場合、前記駆動手段を1つの回転数域にて使用するのであれば、かかる支持ブラケットの固有振動数を前記駆動手段の振動数から避けて設計することにより、共振を防止することができた。しかし、近年の画像形成装置等では、出力する紙の種類や解像度、そしてモノクロとカラーとの使い分け等、ニーズの多様化により多機能化が進み、数種類の出力スピードを有する機器が増えている。そのため、複数の回転数にて前記駆動手段を使用する必要があり、前記支持ブラケットの固有振動数を避け、駆動装置の共振を回避することが難しくなっている。また、この共振による振動は、印刷物の品質を落とす原因や騒音の原因となるので、防止しなければならない。
【0004】
共振を防止する方法としては、キャリッジを移動させる際、駆動パルス数可変手段でキャリッジ移動用モータの駆動パルス数を変えることで、かかる駆動パルス数とキャリッジの固定振動数の一致を避けることにより、キャリッジ内の共振音による騒音を低減させる画像形成装置(特開平1−004774)がある。また、原稿に対して光学系をステッピングモータにより副走査方向に移動させる際に、前記ステッピングモータに印加される電流を変倍率に応じて制御手段で可変させることにより、振動を防止させるスキャナ駆動装置(特開平9−236973)がある。これらの先行技術では、駆動手段の駆動周波数と駆動電流をそれぞれ電気的に変更することにより、振動や騒音を回避できる。しかし、振動の発生を確認後、手動でスイッチを切換える必要があったり、電気回路が複雑になるといった問題があった。
【0005】
また、振動源の振動を抑える装置としては、かかる振動装置を覆う音響空間を設け、前記音響空間の体積を調整する機能を有するもの(特開平11−305533、特開平2000−238326)もある。この機能により、振動源を覆う音響空間の音響共振周波数と前記振動源の振動周波数との一致が避けられ、かかる振動源と音響空間の共振を防ぐことが可能となる。しかし、音響空間の体積を可変とさせるにはスペースが必要であり、装備できる装置が限られてしまうといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、駆動装置において、駆動手段の回転数に応じ、この駆動手段を固定する支持ブラケットの固有振動数を変更することにより、複数の回転数域にて使用される前記駆動手段と、前記支持ブラケットとの共振を、単純且つコンパクトな構成にて防止することが可能な駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、任意に回転数を変更できる駆動手段と、前記駆動手段を支持する支持ブラケットとから構成される駆動装置において、前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる変動機構を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の駆動装置が、画像形成装置に適用された場合、前記支持ブラケットは本体フレームの所定位置に固定され、更に、前記駆動手段はかかる支持ブラケット上に固定される。該駆動手段は、前記画像形成装置で出力される印刷物の出力スピードに応じた複数の回転数にて使用されることを想定し、任意にその回転数を変更できるものとなっている。前記支持ブラケットは、固有振動数を有し、この固有振動数が前記駆動手段の回転により生じた振動数の整数倍に合致する場合、前記支持ブラケットと前記駆動手段とが共振し、大きい振動が発生する。該駆動手段が複数の回転数にて使用される際には、前記支持ブラケットの固有振動数をかかる駆動手段の回転による振動数を避け設定するのが難しく、前記支持ブラケットとの共振を防止するのが困難となる。この共振による振動は、かかる支持ブラケットを通じ、前記本体フレームへと伝わり、装置本体の性能に影響を及ぼすため、前記共振を防止する必要がある。
【0009】
近年の画像形成装置において、かかる画像形成装置が複数の出力スピードを有する都合上、駆動手段が複数の回転数にて使用されることは免れず、この駆動手段の複数の回転数に伴う複数の振動数に応じた支持ブラケットを設計することは難しい。そこで、本願発明者は、前記支持ブラケットの固有振動数を積極的に変動させれば、前記共振を防止できると考え、その方法を案出した。
【0010】
まず、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させるには、かかる支持ブラケットへ何らかの外力を作用させる必要がある。この時、常に前記支持ブラケットへ外力を作用させる必要はなく、前記駆動手段の回転による振動数が、該支持ブラケットの固有振動数の整数倍となる状態(以下「共振状態」という)において、適宜作用させれば良い。そのため、前記駆動手段の回転に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能な変動機構を設けた。
【0011】
この変動機構の1例としては、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる振動数変換部材と、位置切換え手段とから構成することが考えられる。ここで、前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態でない場合、この振動数変換部材は、かかる支持ブラケットへ何も作用しておらず、退避位置にて止まっている。これに対し、前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にある場合、かかる振動数変換部材はかかる支持ブラケットへ作用可能な作用位置に設定される。この前記振動数変換部材を退避位置、及び作用位置へ切り換えるのが位置切換え手段であり、前記駆動手段の回転数に応じ、前記振動数変換部材を適宜移動させることが可能である。
【0012】
前記振動数変換部材と、前記位置切換え手段とを駆使し前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる方法としては、この支持ブラケットの質量及び形状を変化させるものと、かかる支持ブラケットに振動の節を作り出すものとがある。この何れの方法においても、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させることができ、共振状態を回避することができる。
【0013】
まず、前記支持ブラケットの質量及び形状を変化させる方法では、かかる振動数変換部材として重量物、例えば略平板状の重りを適用することが好ましい。前記駆動手段とかかる支持ブラケットとが共振状態にない場合では、この重りを該支持ブラケットから離れた退避位置に設定する。反対に、共振状態にある場合には、前記重りを作用位置へ設定し、この重りとかかる支持ブラケットとを面接触させる。この結果、両者を擬似的に一体化させ、前記支持ブラケットの質量及び形状を変化させることができ、かかる支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能である。
【0014】
次に、前記支持ブラケットに振動の節を形成する方法においては、前記振動数変換部材として棒状の節形成部材を適用すると良い。前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にない場合、前記節形成部材を退避位置に設定し、かかる節形成部材を該支持ブラケットから離す。逆に共振状態では、前記位置切換え手段で前記節形成部材を作用位置に設定する。これにより、かかる節形成部材を前記支持ブラケットへ点あるいは線接触させることが可能となり、かかる支持ブラケットへ節を形成し、該支持ブラケットの固有振動数を変動させることができる。
【0015】
更に、前記変動機構の他の例としては、前記支持ブラケットの剛性を変化させる方法が考えられる。即ち、温度により剛性を変化させることができる材質をかかる支持ブラケットの一部又は全部に適用すれば良い。この場合、熱を加えるヒータを前記材質へ接触させ配置し、必要に応じかかるヒータを作動させる。前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にない場合、前記ヒータは作動させない。一方、共振状態においては、前記ヒータを作動させ、前記材質へ熱を加えることにより、かかる材質の剛性を変化させる。この方法においても、前記支持ブラケットを構成する前記材質の剛性を変化させることにより、かかる支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能である。
【0016】
上述の通り、何れの方法においても前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させ、共振状態を避けることができる。どの方法を適用するかは、各方法の共振抑制効果や前記駆動装置の使用用途、配置位置やコストを考慮し決めれば良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の駆動装置を詳細に説明する。
先ず、図1は本発明の駆動装置を適用可能なカラーレーザビームプリンタの一例を示すものである。このレーザビームプリンタはイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色毎にトナー像を形成する4基の作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkを備えると共に、各作像エンジンからトナー像が一次転写される中間転写ベルト120を備え、かかる中間転写ベルト120に多重転写されたトナー像を記録シートPに二次転写してフルカラー画像を形成するように構成されている。
【0018】
前記中間転写ベルト120は無端状に形成されると共に駆動ロール121を含む3本のベルト搬送ロール121〜123に架け回されており、矢線方向に回動しながら各色作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkで形成されたトナー像の一次転写を受けるように構成されている。また、中間転写ベルト120を挟んでベルト搬送ロール123と対向する位置には二次転写ロール130が配設されており、記録シートPは互いに圧接する転写ロール130と中間転写ベルト120との間に挿通されて、かかる中間転写ベルト120からトナー像の二次転写を受けるようになっている。すなわち、前記ベルト搬送ロール123は転写ロール130のバックアップロールとして機能しており、これら転写ロール130及びベルト搬送ロール123によって二次転写部が構成されている。
【0019】
この中間転写ベルト120は3本のベルト搬送ロール121〜123に張架されており、ベルト搬送ロール121,122の間に略水平な受像スパンが形成される一方、この受像スパンの直下に前記二次転写ロール130と対向する第3のベルト搬送ロール123が配設されており、全体として逆三角形状に張られている。
【0020】
前記中間転写ベルト120の受像スパン上には前述した4基の作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkが並列的に配設されており、各色の画情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト120に一次転写するようになっている。これら4基の作像エンジンは中間転写ベルト120の回動方向に沿ってイエロー110Y、マゼンタ110M、シアン110C及びブラック110Bkの順に配設されており、最も頻繁に使用されるであろうブラックの作像エンジン110Bkが最も二次転写部の近傍に配置されている。また、これら作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkは、各作像エンジンに具備された感光体ドラム111を画情報に応じて露光するラスタ走査ユニット112を夫々備えており、各色の画情報に応じて変調されたレーザ光Bmが各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111を露光するようになっている。
【0021】
また、各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkは、感光体ドラム111と、この感光体ドラム111を一様な背景部電位にまで帯電させる帯電器113と、前記レーザ光Bmの露光によって感光体ドラム111上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器114と、トナー像を中間転写ベルト120に転写した後の感光体ドラム111の表面から残留トナーや紙粉を除去するドラムクリーナ115と、このドラムクリーナによる清掃に先立って残留トナーを除電するクリーニング前除電器116とを備えており、感光体ドラム111上に各色の画情報に応じたトナー像を形成し得るように構成されている。
【0022】
各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111と対向する位置には、中間転写ベルト120を挟むようにして一次転写ロール117Y、117M、117C、117Bkが配設されており、これら転写ロール117Y、117M、117C、117Bkに対して所定の転写バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム111と転写ロール117Y、117M、117C、117Bkとの間に電界が形成され、感光体ドラム111上で電荷を帯びているトナー像がクーロン力で中間転写ベルト120に転写されるようになっている。
【0023】
従って、このカラーレーザビームプリンタによるフルカラー画像の形成に当たっては、先ず、各色の画情報に応じてラスタ走査ユニット112が各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111を所定のタイミングで露光し、これによって各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111上には画情報に応じたトナー像が形成される。各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkで形成されたトナー像は回動する中間転写ベルト120に対して順次転写され、かかる中間転写ベルト120上には各色トナー像が重なり合った多重トナー像が形成される。
【0024】
一方、記録シートPは給紙ロール141によって給紙カセット140から一枚ずつ引き出された後、図中に破線で示す所定のシート給送通路146を経て中間転写ベルト120と二次転写ロール130とが接する二次転写部に給送される。二次転写部の手前側にはレジストレーションロール142が設けられており、記録シートPはこのレジストレーションロール142によって二次転写部に対する突入タイミングが制御され、中間転写ベルト120上に一次転写されたトナー像との位置合わせがなされる。
【0025】
中間転写ベルト120を挟んで二次転写ロール130と対向するバックアップロール123は絶縁性ロールの表面を半導電性シートで被覆して形成されており、その表面には所定の転写バイアス電圧が印加された導電性のコンタクトロール150が当接している。従って、このコンタクトロール150に対してトナー像と同極性の転写バイアス電圧を印加し、バックアップロール123の表面に対して電荷を付与すると、記録シートPの裏面側に位置する転写ロール130と中間転写ベルト120の裏面側に位置するバックアップロール123との間に転写電界が形成され、中間転写ベルト120上に保持されていたトナー像は記録シートPに静電転写される。
【0026】
トナー像の二次転写がなされた記録シートPは中間転写ベルト120から剥離された後、直列的に配置された二連のシート搬送ベルト143によって定着器144へと搬送される。そして、記録シートPは定着器144によってトナー像の定着がなされたのち、排紙トレイ145に排出され、これによって記録シートPに対するフルカラー画像の形成が完了する。また、このプリンタでは記録シートPの画像面を下向きにした所謂フェイスダウン排出を可能にするため、定着器144と排紙トレイ145との間に記録シートPの表裏を反転させるためのインバータ通路147が形成されている。更に、このインバータ通路147はシート再送通路148によって前述のシート給送通路146と繋がれており、インバータ通路147において表裏反転した記録シートPを再度二次転写部に送り込むことによって、記録シートPの表裏両面に記録画像を形成することが可能となっている。
【0027】
この図1のカラーレーザビームプリンタの構成において、各作像エンジン110にはその感光体ドラム111や現像器114を回転駆動するモータが個別に設けられており、各作像エンジン110によって形成されるトナー像の位置ずれを防止するため、各作像エンジン110のモータの回転数が個別に制御し得るようになっている。また、中間転写ベルト120に回転を与える駆動ロール121、記録シートPをトナー像の転写位置に送り込むためのレジストレーションロール142、トナー像転写後の記録シートPが挿入される定着器144に対しても個別にモータが設けられている。記録シートP上に形成する記録画像の解像度や該記録シートPの種別に拘らず、高画質の記録画像を形成するため、このプリンタでは各作像エンジン110における感光体ドラム111の回転速度、前記中間転写ベルト120の回転速度、記録シートPの搬送速度、定着器144における定着速度(以下、これらを総称して「プロセススピード」という)が数段階用意されている。即ち、モノクロ画像を形成する場合とフルカラー画像を形成する場合とを比較すれば、前者の場合の方がプロセススピードは速く、また、フルカラー画像を形成する場合であっても、記録シートPの種類が普通紙の場合と厚紙の場合とを比較すると、後者の方がプロセススピードは遅く設定されている。従って、各作像エンジン110や中間転写ベルト120を駆動するモータは、プリントジョブの内容に応じ数段階のプロセススピードに合致した速度で駆動されるようになっている。
【0028】
一方、各モータは支持ブラケットを介してプリンタの本体フレームに装着されているが、かかる支持ブラケットはその形状や質量などに応じ固有振動数を有している。前記モータと前記支持ブラケットとが共振状態にある場合、本体フレームへ大きい振動が作用してしまう。この振動により、記録画像上にはバンディングと称される縞状の模様が生じてしまい、かかる記録画像の画質は著しく劣化してしまう。或いは、この振動により大きな騒音が発生してしまう。本来、支持ブラケットは、その固有振動数がモータの回転による振動数の整数倍を避けるように設計されているが、前述のようにモータが複数の回転速度で使用される場合、すべての回転速度で共振が発生しないように支持ブラケットの固有振動数を設定することは極めて困難である。
【0029】
そこで、本発明では前記支持ブラケットの固有振動数をモータの回転に応じて積極的に変化させることにより、何れのプロセススピードにおいても支持ブラケットがモータの回転による振動に対して共振するのを防止している。
【0030】
図2及び図3は、本発明の第1実施例を示すものである。図中において、符号10は前記支持ブラケットであり、板金を折り曲げて形成されている。この支持ブラケット10は、平板上のベース部10aと、このベース部10aの両側に位置する一対の脚部10bを有しており、前記ベース部10aには図示外のモータが固定され、脚部10bは本体フレームFへ固定されている。この支持ブラケット10に設けられた脚部10bの間には、略平板状に形成された一対の重り12が設けられており、これら重り12は脚部10bの内側面11に接する作用位置(図3)と、かかる内側面11から離間した退避位置(図2)との間を自在に移動設定し得るように構成されている。また、各重り12には、ソレノイド13が連結されており、かかるソレノイド13に通電すると、重り12が退避位置から作用位置に設定されて内側面11に対して押し付けられる一方、通電を解除すると、各重り12がかかる内側面11から離間して退避位置に再設定されるようになっている。即ち、この重り12が振動数変換部材に相当する一方、ソレノイド13が位置切換え手段に相当する。
【0031】
図4は、前記モータ及びソレノイド13の制御系を示すブロック図である。このプリンタに接続されたコンピュータからプリントジョブが指示されると、プリンタに搭載されたMCU31に対し、記録シート種別、記録画像の解像度、モノクロ画像又はカラー画像の種別に関する情報が画像内容データ30として入力される。MCU31は、この画像内容データ30に応じて最適なプロセススピードを選択し、かかるプロセススピードに対応した回転数をモータ(図中駆動手段32)に対して指示する。また、MCU31は数段階のプロセススピードのうちから、特定のプロセススピードが選択された場合には、前記ソレノイド13(図中変動機構33)に対して作動指令信号を送出する。これにより、前記ソレノイド13は駆動され、かかるソレノイド13に連結された重り12は退避位置から作用位置へ設定され、支持ブラケット10の脚部10bの内側面11に押し付けられる。
【0032】
図2に示されるように、重り12が退避位置に設定されている場合は、支持ブラケット10は本来の固有振動数を有しているが、図3に示されるように、重り12が作用位置に設定されると、かかる重り12が支持ブラケット10の脚部10bの内側面11に押し付けられて面接触していることから、あたかも脚部10bと重り12とが一体化されたようになり、支持ブラケット10の質量及び形状が擬似的にそれらとは異なったものとなる。これにより、支持ブラケット10の固有振動数が変化することになる。また、脚部10bに押し付けられた重り12が支持ブラケット10の振動を抑える作用もあるので、これによっても該支持ブラケット10の固有振動数が変化することになる。
【0033】
従って、特定のプロセススピードにおいて、モータの回転振動数と支持ブラケット10の固有振動数が共振を生じる場合には、ソレノイド13を駆使して前記重り12を退避位置から作用位置へ設定することにより、支持ブラケット10の固有振動数を積極的に変化させることができ、それによってモータの回転振動数と支持ブラケット10の固有振動数とが共振するのを回避することができるものである。
【0034】
このことから、前述のプリンタにおいて数段階のプロセススピードが存在する場合に、支持ブラケット10本来の固有振動数が何れかのプロセススピードにおいて共振を生じてしまうような場合であっても、プロセススピードにおいて前記ソレノイド13を駆動させ、支持ブラケット10の固有振動数を変化させてやれば、支持ブラケット10の共振によって記録画像にバンディングが発生するのを防止することができ、何れのプロセススピードにおいても高画質の記録画像を形成することが可能となるものである。
【0035】
次に、図5及び図6は本発明の第2実施例を示すものである。図2に示した第1実施例では、振動数変換部材としての重り12を作用位置または退避位置に設定する位置切換え手段としてソレノイド13を用いたが、この第2実施例では、振動数変換部材として重り12を、位置切換え手段として電磁石14を用いている。第1実施例と同様に、かかる重り12は脚部10bの内側面11に接する作用位置(図6)と、かかる内側面11から離間された退避位置(図5)とを自在に設定可能な構成となっている。また、各重り12には、前記内側面11より直立する案内棒15が貫通されており、かかる重り12を退避位置から作用位置へ平行移動させ、作用位置において前記内側面11へ面接触できるものとなっている。更に、各重り12と内側面11は、保持スプリング16で連結されており、この保持スプリング16によりかかる重り12を作用位置から退避位置へと戻す仕組みとなっている。前記重り12は磁性体であり、前記電磁石14が通電されると、この電磁石14の磁力によりかかる重り12は、退避位置から作用位置に設定され、内側面11へ押し付けられる。一方、通電が解除されると、前記保持スプリング16により各重り12が内側面11から離間して退避位置に再設定される。本実施例においても、前記重り12を作用位置へと設定することにより、前記支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を防止することができる。
【0036】
本発明の第3実施例を示しているのが図7及び図8である。この第3実施例では、振動数変換部材として重り12を、位置切換え手段としてカム機構を用いている。このカム機構は、切換えモータ17と、この切換えモータ17の駆動軸18に挿嵌された駆動ギヤ19及びカム20と、前記駆動軸18と平行に軸支された回転軸21から構成され、この回転軸21には、ギヤ22及びカム20が挿嵌されている。更に、前記駆動ギヤ19と前記ギヤ22との間には、小ギヤ23が噛合しており、前記駆動軸18の回転が、同方向同角度、前記回転軸21へ伝わる仕組みとなっている。前記カム20は、楕円形状を有しており、退避位置(図7)においては、かかるカム20の短軸面が前記重り12に接しており、かかる重り12へ何ら力を加えていない。これに対し、切換えモータ17を作動させ、前記カム20の長軸面がかかる重り12に接する角度分だけ回転させると、かかるカム20の働きにより、前記重り12が作用位置(図8)に設定される。尚、前記重り12は、実施例2のように、退避位置と作用位置を平行移動自在に支持されている(図7及び図8には示さず)。この実施例においても、支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を抑えることが可能である。
【0037】
前述第3実施例を応用した、第4実施例を示しているのが図9である。この第4実施例は、2組の重り12と、かかる2組の重り12に対応した位置に2組のカム20を挿嵌している点が第3実施例と異なる。この構成により、かかる2組のカム20は、位相を任意に設定することが可能となり、図9(a)から(c)に示すように、前記2組の重りを選択的に作用位置へ設定することができる。従って、駆動手段が複数の回転数にて使用される場合において、前記支持ブラケット10に複数の固有振動数を与えることが可能である。
【0038】
図10及び図11は、本発明の第5実施例を示している。この第5実施例では、振動数変換部材として棒状の節形成部材24を、位置切換え手段としてソレノイド13を用いている。前記ソレノイド13に通電すると、前記節形成部材24は退避位置から作用位置へ設定される。一方、通電が解除されると、かかる節形成部材24は前記内側面11から離間し、退避位置へ再設定される。従って、前記節形成部材24は、内側面11に接する作用位置(図11)と、かかる内側面11から離間された退避位置(図10)とを自在に設定できる構成となっている。該節形成部材24は、作用位置において、前記内側面11と点接触し、かかる内側面11へ振動の節を形成することにより、前記支持ブラケットの10の固有振動数を変化させ、共振を防ぐことができる。
【0039】
本発明の第6実施例を示しているのが、図12及び図13である。本実施例では、第5実施例の如く、内側面11へ節を形成することにより、前記支持ブラケット10の固有振動数を変化させるが、振動数変換部材としてカム20を用いている点が異なる。また、本実施例は、図9で示した第4実施例とほぼ同じカム機構を有する。このカム機構は、前記支持ブラケット内に平行に軸支された回転軸21、21と、かかる回転軸21、21に挿嵌された4組のカム20及び1組のギヤ22から成る。このギヤ22には、切換えモータ17の駆動軸(図示せず)に挿嵌された駆動ギヤ19が噛合しており、かかる切換えモータ17の回転により、前記回転軸21、21が同方向へ同角度回転する構成となっている。前記4組のカム20は、図9での第4実施例と同様に、位相を任意に設定することができ、かかる4組のカム20を選択的に前記内側面11へ点接触させ、該内側面11に振動の節を形成することが可能となる。これにより、駆動手段が複数の回転数にて使用される場合についても、前記支持ブラケット10に複数の固有振動数を与えることができる。
【0040】
前述の第1から第6実施例の他に、支持ブラケット10の一部又は全部を、熱により剛性を変化させることができる材質を用いた第7実施例を示しているのが図14及び図15である。本実施例の支持ブラケット10は、脚部10bの一部に形成された開口部に、隙間27を設けながら嵌入された樹脂部材25と、かかる樹脂部材25に接しながら拘止されたヒータ26とから構成されている(図14)。前記樹脂部材25は、熱によりその体積が膨張する材質を用いており、かかるヒータ26が通電されることにより前記隙間27が閉塞し、かかる樹脂部材25は前記支持ブラケット10と強固に一体化される(図15)。従って、共振が発生し得る条件においては、前記ヒータ26の通電により、前記支持ブラケット10の剛性を変化させることができ、かかる支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を防止することが可能となる。
【0041】
尚、本発明は、前述した各作像エンジンや中間転写ベルトの駆動源に対してだけではなく、画情報取込み用イメージスキャナのADFモータ又はキャリッジモータ、現像機へのトナーを補給するトナー供給用モータ、クリーナから不要トナーを排出するトナー排出用モータ等の画像形成装置の可動機構の各駆動源に対しても適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の駆動装置によれば、駆動装置において、駆動手段の回転数に応じ、この駆動手段を固定する支持ブラケットの固有振動数を変更することにより、複数の回転数域にて使用される前記駆動手段と、前記支持ブラケットとの共振を、単純且つコンパクトな構成にて防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置を利用したカラーレーザビームプリンタを示す概略構成図である。
【図2】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図3】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図4】本発明の駆動装置における駆動手段の制御装置を示したブロック図である。
【図5】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組の電磁石を適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図6】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組の電磁石を適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図7】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のカムを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図8】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のカムを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図9】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に2組の重りを、位置切換え手段に2組のカムを適用した実施例を示した図である。
【図10】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の節形成部材を、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図11】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の節形成部材を、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図12】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に4組のカムを適用した実施例(2組のカムが作用)を示した図である。
【図13】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に4組のカムを適用した実施例(4組のカムが作用)を示した図である。
【図14】本発明の駆動装置において、熱により剛性を変化させることができる材質とヒータを組み合わせて変動機構を形成した実施例を示した図である。
【図15】本発明の駆動装置において、熱により剛性を変化させることができる材質とヒータを組み合わせて変動機構を形成した実施例(ヒータへ通電)を示した図である。
【符号の説明】
10・・・支持ブラケット、12・・・重り、24・・・節形成部材、25・・・樹脂部材、26・・・ヒータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回転数域にて使用される駆動装置において、駆動手段と、かかる駆動手段を固定する支持ブラケットの共振を防止する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平1−004774
【特許文献2】特開平9−236973
【特許文献3】特開平11−305533
【特許文献4】特開平2000−238326
【0003】
従来、駆動装置を有する画像形成装置等の機器において、かかる駆動装置は、駆動手段と支持ブラケットとから形成される。この支持ブラケットは、本体フレームの所定位置にビス止めされ、更に、かかる支持ブラケット上に前記駆動手段がビス止めされる。この構成では、該駆動手段が前記支持ブラケット上を回転すると、この駆動手段の回転に伴う振動がかかる駆動手段を固定する前記支持ブラケットへ伝わり、更には、かかる支持ブラケットを固定する本体フレームへ伝わる。この駆動手段の使用に際し、前記支持ブラケットの固有振動数が、前記駆動手段の回転による振動数の整数倍に合致した場合、かかる駆動装置の駆動手段と、この駆動手段を固定する支持ブラケットとが共振することになる。この場合、前記駆動手段を1つの回転数域にて使用するのであれば、かかる支持ブラケットの固有振動数を前記駆動手段の振動数から避けて設計することにより、共振を防止することができた。しかし、近年の画像形成装置等では、出力する紙の種類や解像度、そしてモノクロとカラーとの使い分け等、ニーズの多様化により多機能化が進み、数種類の出力スピードを有する機器が増えている。そのため、複数の回転数にて前記駆動手段を使用する必要があり、前記支持ブラケットの固有振動数を避け、駆動装置の共振を回避することが難しくなっている。また、この共振による振動は、印刷物の品質を落とす原因や騒音の原因となるので、防止しなければならない。
【0004】
共振を防止する方法としては、キャリッジを移動させる際、駆動パルス数可変手段でキャリッジ移動用モータの駆動パルス数を変えることで、かかる駆動パルス数とキャリッジの固定振動数の一致を避けることにより、キャリッジ内の共振音による騒音を低減させる画像形成装置(特開平1−004774)がある。また、原稿に対して光学系をステッピングモータにより副走査方向に移動させる際に、前記ステッピングモータに印加される電流を変倍率に応じて制御手段で可変させることにより、振動を防止させるスキャナ駆動装置(特開平9−236973)がある。これらの先行技術では、駆動手段の駆動周波数と駆動電流をそれぞれ電気的に変更することにより、振動や騒音を回避できる。しかし、振動の発生を確認後、手動でスイッチを切換える必要があったり、電気回路が複雑になるといった問題があった。
【0005】
また、振動源の振動を抑える装置としては、かかる振動装置を覆う音響空間を設け、前記音響空間の体積を調整する機能を有するもの(特開平11−305533、特開平2000−238326)もある。この機能により、振動源を覆う音響空間の音響共振周波数と前記振動源の振動周波数との一致が避けられ、かかる振動源と音響空間の共振を防ぐことが可能となる。しかし、音響空間の体積を可変とさせるにはスペースが必要であり、装備できる装置が限られてしまうといった問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、駆動装置において、駆動手段の回転数に応じ、この駆動手段を固定する支持ブラケットの固有振動数を変更することにより、複数の回転数域にて使用される前記駆動手段と、前記支持ブラケットとの共振を、単純且つコンパクトな構成にて防止することが可能な駆動装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、任意に回転数を変更できる駆動手段と、前記駆動手段を支持する支持ブラケットとから構成される駆動装置において、前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる変動機構を有することを特徴とするものである。
【0008】
本発明の駆動装置が、画像形成装置に適用された場合、前記支持ブラケットは本体フレームの所定位置に固定され、更に、前記駆動手段はかかる支持ブラケット上に固定される。該駆動手段は、前記画像形成装置で出力される印刷物の出力スピードに応じた複数の回転数にて使用されることを想定し、任意にその回転数を変更できるものとなっている。前記支持ブラケットは、固有振動数を有し、この固有振動数が前記駆動手段の回転により生じた振動数の整数倍に合致する場合、前記支持ブラケットと前記駆動手段とが共振し、大きい振動が発生する。該駆動手段が複数の回転数にて使用される際には、前記支持ブラケットの固有振動数をかかる駆動手段の回転による振動数を避け設定するのが難しく、前記支持ブラケットとの共振を防止するのが困難となる。この共振による振動は、かかる支持ブラケットを通じ、前記本体フレームへと伝わり、装置本体の性能に影響を及ぼすため、前記共振を防止する必要がある。
【0009】
近年の画像形成装置において、かかる画像形成装置が複数の出力スピードを有する都合上、駆動手段が複数の回転数にて使用されることは免れず、この駆動手段の複数の回転数に伴う複数の振動数に応じた支持ブラケットを設計することは難しい。そこで、本願発明者は、前記支持ブラケットの固有振動数を積極的に変動させれば、前記共振を防止できると考え、その方法を案出した。
【0010】
まず、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させるには、かかる支持ブラケットへ何らかの外力を作用させる必要がある。この時、常に前記支持ブラケットへ外力を作用させる必要はなく、前記駆動手段の回転による振動数が、該支持ブラケットの固有振動数の整数倍となる状態(以下「共振状態」という)において、適宜作用させれば良い。そのため、前記駆動手段の回転に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能な変動機構を設けた。
【0011】
この変動機構の1例としては、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる振動数変換部材と、位置切換え手段とから構成することが考えられる。ここで、前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態でない場合、この振動数変換部材は、かかる支持ブラケットへ何も作用しておらず、退避位置にて止まっている。これに対し、前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にある場合、かかる振動数変換部材はかかる支持ブラケットへ作用可能な作用位置に設定される。この前記振動数変換部材を退避位置、及び作用位置へ切り換えるのが位置切換え手段であり、前記駆動手段の回転数に応じ、前記振動数変換部材を適宜移動させることが可能である。
【0012】
前記振動数変換部材と、前記位置切換え手段とを駆使し前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる方法としては、この支持ブラケットの質量及び形状を変化させるものと、かかる支持ブラケットに振動の節を作り出すものとがある。この何れの方法においても、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させることができ、共振状態を回避することができる。
【0013】
まず、前記支持ブラケットの質量及び形状を変化させる方法では、かかる振動数変換部材として重量物、例えば略平板状の重りを適用することが好ましい。前記駆動手段とかかる支持ブラケットとが共振状態にない場合では、この重りを該支持ブラケットから離れた退避位置に設定する。反対に、共振状態にある場合には、前記重りを作用位置へ設定し、この重りとかかる支持ブラケットとを面接触させる。この結果、両者を擬似的に一体化させ、前記支持ブラケットの質量及び形状を変化させることができ、かかる支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能である。
【0014】
次に、前記支持ブラケットに振動の節を形成する方法においては、前記振動数変換部材として棒状の節形成部材を適用すると良い。前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にない場合、前記節形成部材を退避位置に設定し、かかる節形成部材を該支持ブラケットから離す。逆に共振状態では、前記位置切換え手段で前記節形成部材を作用位置に設定する。これにより、かかる節形成部材を前記支持ブラケットへ点あるいは線接触させることが可能となり、かかる支持ブラケットへ節を形成し、該支持ブラケットの固有振動数を変動させることができる。
【0015】
更に、前記変動機構の他の例としては、前記支持ブラケットの剛性を変化させる方法が考えられる。即ち、温度により剛性を変化させることができる材質をかかる支持ブラケットの一部又は全部に適用すれば良い。この場合、熱を加えるヒータを前記材質へ接触させ配置し、必要に応じかかるヒータを作動させる。前記駆動手段と前記支持ブラケットとが共振状態にない場合、前記ヒータは作動させない。一方、共振状態においては、前記ヒータを作動させ、前記材質へ熱を加えることにより、かかる材質の剛性を変化させる。この方法においても、前記支持ブラケットを構成する前記材質の剛性を変化させることにより、かかる支持ブラケットの固有振動数を変動させることが可能である。
【0016】
上述の通り、何れの方法においても前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させ、共振状態を避けることができる。どの方法を適用するかは、各方法の共振抑制効果や前記駆動装置の使用用途、配置位置やコストを考慮し決めれば良い。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の駆動装置を詳細に説明する。
先ず、図1は本発明の駆動装置を適用可能なカラーレーザビームプリンタの一例を示すものである。このレーザビームプリンタはイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各色毎にトナー像を形成する4基の作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkを備えると共に、各作像エンジンからトナー像が一次転写される中間転写ベルト120を備え、かかる中間転写ベルト120に多重転写されたトナー像を記録シートPに二次転写してフルカラー画像を形成するように構成されている。
【0018】
前記中間転写ベルト120は無端状に形成されると共に駆動ロール121を含む3本のベルト搬送ロール121〜123に架け回されており、矢線方向に回動しながら各色作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkで形成されたトナー像の一次転写を受けるように構成されている。また、中間転写ベルト120を挟んでベルト搬送ロール123と対向する位置には二次転写ロール130が配設されており、記録シートPは互いに圧接する転写ロール130と中間転写ベルト120との間に挿通されて、かかる中間転写ベルト120からトナー像の二次転写を受けるようになっている。すなわち、前記ベルト搬送ロール123は転写ロール130のバックアップロールとして機能しており、これら転写ロール130及びベルト搬送ロール123によって二次転写部が構成されている。
【0019】
この中間転写ベルト120は3本のベルト搬送ロール121〜123に張架されており、ベルト搬送ロール121,122の間に略水平な受像スパンが形成される一方、この受像スパンの直下に前記二次転写ロール130と対向する第3のベルト搬送ロール123が配設されており、全体として逆三角形状に張られている。
【0020】
前記中間転写ベルト120の受像スパン上には前述した4基の作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkが並列的に配設されており、各色の画情報に応じて形成したトナー像を中間転写ベルト120に一次転写するようになっている。これら4基の作像エンジンは中間転写ベルト120の回動方向に沿ってイエロー110Y、マゼンタ110M、シアン110C及びブラック110Bkの順に配設されており、最も頻繁に使用されるであろうブラックの作像エンジン110Bkが最も二次転写部の近傍に配置されている。また、これら作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkは、各作像エンジンに具備された感光体ドラム111を画情報に応じて露光するラスタ走査ユニット112を夫々備えており、各色の画情報に応じて変調されたレーザ光Bmが各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111を露光するようになっている。
【0021】
また、各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkは、感光体ドラム111と、この感光体ドラム111を一様な背景部電位にまで帯電させる帯電器113と、前記レーザ光Bmの露光によって感光体ドラム111上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像器114と、トナー像を中間転写ベルト120に転写した後の感光体ドラム111の表面から残留トナーや紙粉を除去するドラムクリーナ115と、このドラムクリーナによる清掃に先立って残留トナーを除電するクリーニング前除電器116とを備えており、感光体ドラム111上に各色の画情報に応じたトナー像を形成し得るように構成されている。
【0022】
各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111と対向する位置には、中間転写ベルト120を挟むようにして一次転写ロール117Y、117M、117C、117Bkが配設されており、これら転写ロール117Y、117M、117C、117Bkに対して所定の転写バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム111と転写ロール117Y、117M、117C、117Bkとの間に電界が形成され、感光体ドラム111上で電荷を帯びているトナー像がクーロン力で中間転写ベルト120に転写されるようになっている。
【0023】
従って、このカラーレーザビームプリンタによるフルカラー画像の形成に当たっては、先ず、各色の画情報に応じてラスタ走査ユニット112が各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111を所定のタイミングで露光し、これによって各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkの感光体ドラム111上には画情報に応じたトナー像が形成される。各作像エンジン110Y、110M、110C、110Bkで形成されたトナー像は回動する中間転写ベルト120に対して順次転写され、かかる中間転写ベルト120上には各色トナー像が重なり合った多重トナー像が形成される。
【0024】
一方、記録シートPは給紙ロール141によって給紙カセット140から一枚ずつ引き出された後、図中に破線で示す所定のシート給送通路146を経て中間転写ベルト120と二次転写ロール130とが接する二次転写部に給送される。二次転写部の手前側にはレジストレーションロール142が設けられており、記録シートPはこのレジストレーションロール142によって二次転写部に対する突入タイミングが制御され、中間転写ベルト120上に一次転写されたトナー像との位置合わせがなされる。
【0025】
中間転写ベルト120を挟んで二次転写ロール130と対向するバックアップロール123は絶縁性ロールの表面を半導電性シートで被覆して形成されており、その表面には所定の転写バイアス電圧が印加された導電性のコンタクトロール150が当接している。従って、このコンタクトロール150に対してトナー像と同極性の転写バイアス電圧を印加し、バックアップロール123の表面に対して電荷を付与すると、記録シートPの裏面側に位置する転写ロール130と中間転写ベルト120の裏面側に位置するバックアップロール123との間に転写電界が形成され、中間転写ベルト120上に保持されていたトナー像は記録シートPに静電転写される。
【0026】
トナー像の二次転写がなされた記録シートPは中間転写ベルト120から剥離された後、直列的に配置された二連のシート搬送ベルト143によって定着器144へと搬送される。そして、記録シートPは定着器144によってトナー像の定着がなされたのち、排紙トレイ145に排出され、これによって記録シートPに対するフルカラー画像の形成が完了する。また、このプリンタでは記録シートPの画像面を下向きにした所謂フェイスダウン排出を可能にするため、定着器144と排紙トレイ145との間に記録シートPの表裏を反転させるためのインバータ通路147が形成されている。更に、このインバータ通路147はシート再送通路148によって前述のシート給送通路146と繋がれており、インバータ通路147において表裏反転した記録シートPを再度二次転写部に送り込むことによって、記録シートPの表裏両面に記録画像を形成することが可能となっている。
【0027】
この図1のカラーレーザビームプリンタの構成において、各作像エンジン110にはその感光体ドラム111や現像器114を回転駆動するモータが個別に設けられており、各作像エンジン110によって形成されるトナー像の位置ずれを防止するため、各作像エンジン110のモータの回転数が個別に制御し得るようになっている。また、中間転写ベルト120に回転を与える駆動ロール121、記録シートPをトナー像の転写位置に送り込むためのレジストレーションロール142、トナー像転写後の記録シートPが挿入される定着器144に対しても個別にモータが設けられている。記録シートP上に形成する記録画像の解像度や該記録シートPの種別に拘らず、高画質の記録画像を形成するため、このプリンタでは各作像エンジン110における感光体ドラム111の回転速度、前記中間転写ベルト120の回転速度、記録シートPの搬送速度、定着器144における定着速度(以下、これらを総称して「プロセススピード」という)が数段階用意されている。即ち、モノクロ画像を形成する場合とフルカラー画像を形成する場合とを比較すれば、前者の場合の方がプロセススピードは速く、また、フルカラー画像を形成する場合であっても、記録シートPの種類が普通紙の場合と厚紙の場合とを比較すると、後者の方がプロセススピードは遅く設定されている。従って、各作像エンジン110や中間転写ベルト120を駆動するモータは、プリントジョブの内容に応じ数段階のプロセススピードに合致した速度で駆動されるようになっている。
【0028】
一方、各モータは支持ブラケットを介してプリンタの本体フレームに装着されているが、かかる支持ブラケットはその形状や質量などに応じ固有振動数を有している。前記モータと前記支持ブラケットとが共振状態にある場合、本体フレームへ大きい振動が作用してしまう。この振動により、記録画像上にはバンディングと称される縞状の模様が生じてしまい、かかる記録画像の画質は著しく劣化してしまう。或いは、この振動により大きな騒音が発生してしまう。本来、支持ブラケットは、その固有振動数がモータの回転による振動数の整数倍を避けるように設計されているが、前述のようにモータが複数の回転速度で使用される場合、すべての回転速度で共振が発生しないように支持ブラケットの固有振動数を設定することは極めて困難である。
【0029】
そこで、本発明では前記支持ブラケットの固有振動数をモータの回転に応じて積極的に変化させることにより、何れのプロセススピードにおいても支持ブラケットがモータの回転による振動に対して共振するのを防止している。
【0030】
図2及び図3は、本発明の第1実施例を示すものである。図中において、符号10は前記支持ブラケットであり、板金を折り曲げて形成されている。この支持ブラケット10は、平板上のベース部10aと、このベース部10aの両側に位置する一対の脚部10bを有しており、前記ベース部10aには図示外のモータが固定され、脚部10bは本体フレームFへ固定されている。この支持ブラケット10に設けられた脚部10bの間には、略平板状に形成された一対の重り12が設けられており、これら重り12は脚部10bの内側面11に接する作用位置(図3)と、かかる内側面11から離間した退避位置(図2)との間を自在に移動設定し得るように構成されている。また、各重り12には、ソレノイド13が連結されており、かかるソレノイド13に通電すると、重り12が退避位置から作用位置に設定されて内側面11に対して押し付けられる一方、通電を解除すると、各重り12がかかる内側面11から離間して退避位置に再設定されるようになっている。即ち、この重り12が振動数変換部材に相当する一方、ソレノイド13が位置切換え手段に相当する。
【0031】
図4は、前記モータ及びソレノイド13の制御系を示すブロック図である。このプリンタに接続されたコンピュータからプリントジョブが指示されると、プリンタに搭載されたMCU31に対し、記録シート種別、記録画像の解像度、モノクロ画像又はカラー画像の種別に関する情報が画像内容データ30として入力される。MCU31は、この画像内容データ30に応じて最適なプロセススピードを選択し、かかるプロセススピードに対応した回転数をモータ(図中駆動手段32)に対して指示する。また、MCU31は数段階のプロセススピードのうちから、特定のプロセススピードが選択された場合には、前記ソレノイド13(図中変動機構33)に対して作動指令信号を送出する。これにより、前記ソレノイド13は駆動され、かかるソレノイド13に連結された重り12は退避位置から作用位置へ設定され、支持ブラケット10の脚部10bの内側面11に押し付けられる。
【0032】
図2に示されるように、重り12が退避位置に設定されている場合は、支持ブラケット10は本来の固有振動数を有しているが、図3に示されるように、重り12が作用位置に設定されると、かかる重り12が支持ブラケット10の脚部10bの内側面11に押し付けられて面接触していることから、あたかも脚部10bと重り12とが一体化されたようになり、支持ブラケット10の質量及び形状が擬似的にそれらとは異なったものとなる。これにより、支持ブラケット10の固有振動数が変化することになる。また、脚部10bに押し付けられた重り12が支持ブラケット10の振動を抑える作用もあるので、これによっても該支持ブラケット10の固有振動数が変化することになる。
【0033】
従って、特定のプロセススピードにおいて、モータの回転振動数と支持ブラケット10の固有振動数が共振を生じる場合には、ソレノイド13を駆使して前記重り12を退避位置から作用位置へ設定することにより、支持ブラケット10の固有振動数を積極的に変化させることができ、それによってモータの回転振動数と支持ブラケット10の固有振動数とが共振するのを回避することができるものである。
【0034】
このことから、前述のプリンタにおいて数段階のプロセススピードが存在する場合に、支持ブラケット10本来の固有振動数が何れかのプロセススピードにおいて共振を生じてしまうような場合であっても、プロセススピードにおいて前記ソレノイド13を駆動させ、支持ブラケット10の固有振動数を変化させてやれば、支持ブラケット10の共振によって記録画像にバンディングが発生するのを防止することができ、何れのプロセススピードにおいても高画質の記録画像を形成することが可能となるものである。
【0035】
次に、図5及び図6は本発明の第2実施例を示すものである。図2に示した第1実施例では、振動数変換部材としての重り12を作用位置または退避位置に設定する位置切換え手段としてソレノイド13を用いたが、この第2実施例では、振動数変換部材として重り12を、位置切換え手段として電磁石14を用いている。第1実施例と同様に、かかる重り12は脚部10bの内側面11に接する作用位置(図6)と、かかる内側面11から離間された退避位置(図5)とを自在に設定可能な構成となっている。また、各重り12には、前記内側面11より直立する案内棒15が貫通されており、かかる重り12を退避位置から作用位置へ平行移動させ、作用位置において前記内側面11へ面接触できるものとなっている。更に、各重り12と内側面11は、保持スプリング16で連結されており、この保持スプリング16によりかかる重り12を作用位置から退避位置へと戻す仕組みとなっている。前記重り12は磁性体であり、前記電磁石14が通電されると、この電磁石14の磁力によりかかる重り12は、退避位置から作用位置に設定され、内側面11へ押し付けられる。一方、通電が解除されると、前記保持スプリング16により各重り12が内側面11から離間して退避位置に再設定される。本実施例においても、前記重り12を作用位置へと設定することにより、前記支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を防止することができる。
【0036】
本発明の第3実施例を示しているのが図7及び図8である。この第3実施例では、振動数変換部材として重り12を、位置切換え手段としてカム機構を用いている。このカム機構は、切換えモータ17と、この切換えモータ17の駆動軸18に挿嵌された駆動ギヤ19及びカム20と、前記駆動軸18と平行に軸支された回転軸21から構成され、この回転軸21には、ギヤ22及びカム20が挿嵌されている。更に、前記駆動ギヤ19と前記ギヤ22との間には、小ギヤ23が噛合しており、前記駆動軸18の回転が、同方向同角度、前記回転軸21へ伝わる仕組みとなっている。前記カム20は、楕円形状を有しており、退避位置(図7)においては、かかるカム20の短軸面が前記重り12に接しており、かかる重り12へ何ら力を加えていない。これに対し、切換えモータ17を作動させ、前記カム20の長軸面がかかる重り12に接する角度分だけ回転させると、かかるカム20の働きにより、前記重り12が作用位置(図8)に設定される。尚、前記重り12は、実施例2のように、退避位置と作用位置を平行移動自在に支持されている(図7及び図8には示さず)。この実施例においても、支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を抑えることが可能である。
【0037】
前述第3実施例を応用した、第4実施例を示しているのが図9である。この第4実施例は、2組の重り12と、かかる2組の重り12に対応した位置に2組のカム20を挿嵌している点が第3実施例と異なる。この構成により、かかる2組のカム20は、位相を任意に設定することが可能となり、図9(a)から(c)に示すように、前記2組の重りを選択的に作用位置へ設定することができる。従って、駆動手段が複数の回転数にて使用される場合において、前記支持ブラケット10に複数の固有振動数を与えることが可能である。
【0038】
図10及び図11は、本発明の第5実施例を示している。この第5実施例では、振動数変換部材として棒状の節形成部材24を、位置切換え手段としてソレノイド13を用いている。前記ソレノイド13に通電すると、前記節形成部材24は退避位置から作用位置へ設定される。一方、通電が解除されると、かかる節形成部材24は前記内側面11から離間し、退避位置へ再設定される。従って、前記節形成部材24は、内側面11に接する作用位置(図11)と、かかる内側面11から離間された退避位置(図10)とを自在に設定できる構成となっている。該節形成部材24は、作用位置において、前記内側面11と点接触し、かかる内側面11へ振動の節を形成することにより、前記支持ブラケットの10の固有振動数を変化させ、共振を防ぐことができる。
【0039】
本発明の第6実施例を示しているのが、図12及び図13である。本実施例では、第5実施例の如く、内側面11へ節を形成することにより、前記支持ブラケット10の固有振動数を変化させるが、振動数変換部材としてカム20を用いている点が異なる。また、本実施例は、図9で示した第4実施例とほぼ同じカム機構を有する。このカム機構は、前記支持ブラケット内に平行に軸支された回転軸21、21と、かかる回転軸21、21に挿嵌された4組のカム20及び1組のギヤ22から成る。このギヤ22には、切換えモータ17の駆動軸(図示せず)に挿嵌された駆動ギヤ19が噛合しており、かかる切換えモータ17の回転により、前記回転軸21、21が同方向へ同角度回転する構成となっている。前記4組のカム20は、図9での第4実施例と同様に、位相を任意に設定することができ、かかる4組のカム20を選択的に前記内側面11へ点接触させ、該内側面11に振動の節を形成することが可能となる。これにより、駆動手段が複数の回転数にて使用される場合についても、前記支持ブラケット10に複数の固有振動数を与えることができる。
【0040】
前述の第1から第6実施例の他に、支持ブラケット10の一部又は全部を、熱により剛性を変化させることができる材質を用いた第7実施例を示しているのが図14及び図15である。本実施例の支持ブラケット10は、脚部10bの一部に形成された開口部に、隙間27を設けながら嵌入された樹脂部材25と、かかる樹脂部材25に接しながら拘止されたヒータ26とから構成されている(図14)。前記樹脂部材25は、熱によりその体積が膨張する材質を用いており、かかるヒータ26が通電されることにより前記隙間27が閉塞し、かかる樹脂部材25は前記支持ブラケット10と強固に一体化される(図15)。従って、共振が発生し得る条件においては、前記ヒータ26の通電により、前記支持ブラケット10の剛性を変化させることができ、かかる支持ブラケット10の固有振動数を変化させ、共振を防止することが可能となる。
【0041】
尚、本発明は、前述した各作像エンジンや中間転写ベルトの駆動源に対してだけではなく、画情報取込み用イメージスキャナのADFモータ又はキャリッジモータ、現像機へのトナーを補給するトナー供給用モータ、クリーナから不要トナーを排出するトナー排出用モータ等の画像形成装置の可動機構の各駆動源に対しても適用可能である。
【0042】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の駆動装置によれば、駆動装置において、駆動手段の回転数に応じ、この駆動手段を固定する支持ブラケットの固有振動数を変更することにより、複数の回転数域にて使用される前記駆動手段と、前記支持ブラケットとの共振を、単純且つコンパクトな構成にて防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動装置を利用したカラーレーザビームプリンタを示す概略構成図である。
【図2】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図3】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図4】本発明の駆動装置における駆動手段の制御装置を示したブロック図である。
【図5】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組の電磁石を適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図6】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組の電磁石を適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図7】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のカムを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図8】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の重りを、位置切換え手段に1組のカムを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図9】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に2組の重りを、位置切換え手段に2組のカムを適用した実施例を示した図である。
【図10】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の節形成部材を、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(退避位置)を示した図である。
【図11】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に1組の節形成部材を、位置切換え手段に1組のソレノイドを適用した実施例(作用位置)を示した図である。
【図12】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に4組のカムを適用した実施例(2組のカムが作用)を示した図である。
【図13】本発明の駆動装置において、周波数変換部材に4組のカムを適用した実施例(4組のカムが作用)を示した図である。
【図14】本発明の駆動装置において、熱により剛性を変化させることができる材質とヒータを組み合わせて変動機構を形成した実施例を示した図である。
【図15】本発明の駆動装置において、熱により剛性を変化させることができる材質とヒータを組み合わせて変動機構を形成した実施例(ヒータへ通電)を示した図である。
【符号の説明】
10・・・支持ブラケット、12・・・重り、24・・・節形成部材、25・・・樹脂部材、26・・・ヒータ
Claims (6)
- 任意に回転数を変更できる駆動手段と、前記駆動手段を支持する支持ブラケットとから構成される駆動装置において、
前記駆動手段の回転数に応じ、前記支持ブラケットの固有振動数を変動させる変動機構を有することを特徴とする駆動装置。 - 前記変動機構は、前記支持ブラケットに接する作用位置及び、かかる支持ブラケットから離間した退避位置へ自在に設定可能な1組乃至複数組の振動数変換部材と、この振動数変換部材を前記駆動手段の回転数に応じ、前記作用位置及び退避位置のいずれか一方へ任意に設定する位置切換え手段とから構成されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 前記振動数変換部材は、重りから形成されることを特徴とする請求項2記載の駆動装置。
- 前記振動数変換部材は、節形成部材から形成されることを特徴とする請求項2記載の駆動装置。
- 前記支持ブラケットの一部、又は全部が温度により剛性を変化させることができる材質から形成される一方、前記変動機構は、前記駆動手段の回転数に応じ、かかる支持ブラケットの温度を調節する温度調整手段から構成されることを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
- 画像形成装置において、請求項1から5記載の何れかの駆動装置を可動機構の駆動源として用いたことを特徴とする画像形成装置。
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