JP2005007506A - 切断装置、プレス装置及び切断方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】切断速度又は切断荷重を容易に変更できる切断装置を実現する。
【解決手段】切断装置は、第1可動ピン28と、第1可動ピン28と軸方向が平行な第2可動ピン30と、第1可動ピン28と第2可動ピン30を連結するとともに、これらのピン28、30を軸として回転可能な第1リンクアーム32と、第1可動ピン28を下降させるシリンダー装置39と、右向きに第2可動ピン30を案内する案内溝43と、第2可動ピン30と連動して移動する切断部48を備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】切断装置は、第1可動ピン28と、第1可動ピン28と軸方向が平行な第2可動ピン30と、第1可動ピン28と第2可動ピン30を連結するとともに、これらのピン28、30を軸として回転可能な第1リンクアーム32と、第1可動ピン28を下降させるシリンダー装置39と、右向きに第2可動ピン30を案内する案内溝43と、第2可動ピン30と連動して移動する切断部48を備えている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切断装置、プレス装置及び切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鍛造素材等のワークを切断するために切断装置が用いられている。このような切断装置の中には、直線運動する刃によってワークを切断するものがある。このような直線運動は、モータを駆動源として生じさせた回転運動を、回転カムやクランク機構によって直線運動に変換することで生じさせている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−13828号公報(その公報の図1参照)
【0004】
ワークの種類や形状に応じて、切断速度又は切断荷重を変更する必要が生じる場合がある。従来は、切断速度又は切断荷重を変更するには、駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させて減速比を変化させること等で対応していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の手法によって切断速度や切断荷重を変更するのは、手間がかかるという問題があった。例えば、駆動源(モータ)の出力を変化させるには、インバータ等を追加する必要がある。また、ギアで減速比を変更するには、その前提としてギア機構を設ける必要がある。
【0006】
本発明は、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる技術を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用と効果】本発明の1つの態様の切断装置は、軸部を有する第1可動部と、第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有する第2可動部と、第1可動部の軸部と第2可動部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第1連結部と、前記軸方向にほぼ直交する第1の向きに第1可動部を移動させる駆動機構と、前記軸方向にほぼ直交するとともに第1の向きと非平行な第2の向きに第2可動部を案内する案内部と、第2可動部と連動して移動する切断部を備えている。
【0008】
本態様では、駆動部によって第1可動部を第1の向きに移動させると、これに連動して第2可動部が第2の向きに移動する。
本態様によると、第1可動部が第1の向きに移動した距離と、これに連動して第2可動部が第2の向きに移動した距離の比を、第2可動部(第1可動部)の位置によって変化させることができる。よって、第1可動部の第1の向きの移動速度が例えば一定であっても、第2可動部の位置によって、第2可動部の第2の向きの移動速度を変化させることができる。このため、駆動機構の駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させたりしなくても、第2可動部に接続する切断部の切断位置を変化させることで、切断部の切断速度を変化させることができる。
【0009】
また、本態様によると、駆動部によって第1可動部を第1の向きに移動させたときに第2可動部が第2の向きに加える荷重を、第2可動部(第1可動部)の位置によって変化させることができる。よって、第1可動部が第1の向きに加える荷重が例えば一定であっても、第2可動部の位置によって、第2可動部が第2の向きに加える荷重を変化させることができる。このため、駆動機構の駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させたりしなくても、第2可動部に接続する切断部の切断位置を変化させることで、切断部の切断荷重を変化させることができる。
【0010】
このように、本態様によると、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる。
【0011】
第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有するとともに位置決めされた位置決め部と、第1可動部の軸部と位置決め部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第2連結部をさらに備えていることが好ましい。本態様によると、切断速度又は切断荷重をより広い範囲で容易に変更できる。
【0012】
本発明の他の態様の切断装置は、第1の向きの直線運動を、第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換するリンク機構と、リンク機構で変換した第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する切断部を備えている。
本態様によっても、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる。
【0013】
切断部の切断位置を変化させる切断位置の調整機構をさらに備えていることが好ましい。
本態様によると、切断速度又は切断荷重をより容易に変更できる。
【0014】
本発明の他の態様のプレス装置は、上記切断装置と、プレス機構を備え、切断装置の駆動機構が、プレス機構を利用して構成されている。
本態様によると、プレス機構を利用して第1可動部を移動させ、切断動作を行うことができる。
【0015】
本発明の他の態様の切断方法は、第1の向きの直線運動を、リンク機構によって第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換し、その第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する。この場合、切断位置を調整して切断速度又は切断荷重を変化させることが好ましい。また、第1の向きの直線運動をプレス装置のプレス動作を利用して生じさせるおとが好ましい。
【0016】
前記第2の向きは、前記第1の向きにほぼ直交していることが好ましい。
本態様によると、切断速度又は切断荷重をより広い範囲で変更できるようにし易い。
本明細書で、「ほぼ平行」な状態とは、正確に平行な状態から5度以下(好ましくは、3度以下)ずれた状態を含む。また、「ほぼ直交」した状態とは、正確に直交した状態から5度以下(好ましくは、3度以下)ずれた状態を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施例) 図1は、第1実施例の切断装置の正面図を示す。図2は、その平面図を示す。この切断装置は、基台22上に、位置決め部24が設けられている。位置決め部24は、基台22に対して固定されている。図2に示すように、位置決め部24は、図2の上下方向に間隔を置いて2つ設けられている。2つの位置決め部24の間には、第2リンクアーム(第2連結部)34の下端部(一端部)が配置されている。2つの位置決め部24と、第2リンクアーム34には、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。これらのピン挿入孔に1本のピン(軸部)26が挿入されている。ピン26は両端が抜け止めされている。以上の構成により、ピン26は位置決めされている。第2リンクアーム34は、位置決めピン26を軸として回転可能になっている。
【0018】
第2リンクアーム34の上端部(他端部)と、第1リンクアーム32の上端部(一端部)にも、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さはほぼ等しい。これらのピン挿入孔に1本の第1可動ピン(軸部、第1可動部)28が挿入されている。第1可動ピン28の両端は、溝カム部36に形成されたカム溝29内に位置している。カム溝29は、図1の左右方向に伸びている。溝カム部36の頂部には、油圧シリンダー装置39のシリンダーロッド40の先端部が取付けられている。シリンダーロッド40は、図1の上下方向に移動可能である。よって、シリンダーロッド40に取付けられた溝カム部36も、上下方向に移動可能である。溝カム部36の周囲には、溝カム部36の支持部38が設けられている。溝カム部36の支持部38は固定されている。よって、溝カム部36は、支持部38に対して相対的に上下動する。溝カム部36やシリンダー装置39によって駆動機構が構成されている。
【0019】
基台22上には、案内台41が設けられている。案内台41は、基台22に対して固定されている。案内台41には、図2に示すように、2つの案内壁41aが設けられている。2つの案内壁41aの間には、案内空間44が形成されている。案内空間44には、第1リンクアーム32の下端部(他端部)が配置されている。案内空間44にはまた、切断アーム45が配置されている。アーム45は、第1リンクアーム32を挟み込む部位を有する。第1リンクアーム32の下端部と切断アーム45には、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。これらのピン挿入孔に1本の第2可動ピン(軸部、第2可動部)30が挿入されている。第2可動ピン30の一端は、一方の案内壁41aに形成されたピン案内溝43内に位置している。第2可動ピン30の他端は、他方の案内壁41aに形成されたピン案内溝43内に位置している。ピン案内溝43は、図1の左右方向に伸びている。
第1可動ピン28と、第2可動ピン30と、位置決めピン26の軸方向は平行である。可動ピン28、30や、位置決めピン26や、リンクアーム32、34によってリンク機構が構成されている。
【0020】
切断アーム45の右端部には、切断位置の調整機構46が取付けられている。切断位置の調整機構46は、可変長部46aを有する。可変長部46aは、図1の左右方向の長さが調整可能である。切断位置の調整機構46の右端部には、切断部48が取付けられている。なお、調整機構46の右端部に隙間を空けることで、衝撃切断を効果的に行うことができる。切断部48には、ワーク挿入孔50が形成されている。切断部48のうちワーク挿入孔50の周囲には、刃が形成されている。ワーク挿入孔50には、丸棒状の金属製のワーク52が挿入されている。ワーク52は、ワーク搬送機構56によって搬送される。
【0021】
なお、ワーク搬送機構56を、図2の左右方向(例えば符号56aの位置や符号56bの位置)に移動させることで、切断位置を調整してもよい。この場合、ワーク搬送機構56の左右方向の位置を調整する機構が、切断位置の調整機構といえる。なお、この場合は、切断部48には、図2の左右方向に間隔を置いて複数のワーク挿入孔50を形成しておく。この構成によれば、ワーク搬送機構56が左右方向に移動したことに連動してワーク52の位置が移動したときでも、そのワーク52をワーク挿入孔50に挿入できる。符号56aや56bは、ワーク搬送機構56を側面からみた図である。
【0022】
図1のST1はシリンダー装置39のシリンダーロッド40のストローク(シリンダーストロークを示す。但し、シリンダストロークST1の値が大きい方がストロークの初期となる。図1のST2は切断アーム45のストローク(切断アームストローク)を示す。切断アームストロークST2については、ST2の値が小さい方がストロークの初期となる。
また、図1のXは第1可動ピン28の一点鎖線の位置からの下向きの移動量を示す。図1のYは、第2可動ピン30の一点鎖線の位置からの右向きの移動量を示す。
【0023】
次に、切断装置の動作を説明する。まず、ワーク搬送機構56によって棒状のワーク52を搬送し、切断部48のワーク挿入孔50に挿入する。次に、シリンダー装置39を駆動させて、シリンダーロッド40を下降させる。これに連動して、溝カム部36も下降する。溝カム部36が下降すると、これに連動して第1可動ピン28も下降する。位置決めピン26が位置決めされ、第2可動ピン30が位置決めされていないため、第1可動ピン28が下降すると、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34のなす角(アーム角)αが徐々に増加する。この結果、第2可動ピン30は、ピン案内溝43に案内されて図1の右向きに移動する。これにより、第2可動ピン30に連動して移動する切断部48も図1の右向きに移動する。この結果、切断部48のワーク挿入孔50の周囲に形成された刃によって、ワーク52が切断される。
【0024】
次に、切断装置の上記動作中の第1可動ピン28の動作を説明する。溝カム部36が下降すると、第1可動ピン28は、位置決めピン26を軸として回転し、時計回りに円弧を描いて移動する。よって、溝カム部36が下降すると第1可動ピン28は下降するとともに、カム溝29に沿って図1の右向きに移動する。
【0025】
図3は、第1可動ピン28の下降量と右向きの移動量の関係を示す。アーム角がα1から、α1より大きいα2となるように第1可動ピン28を下降させたとする。このときの下降量をXとし、右向きの移動量をY1とする。次に、アーム角がα1より大きいα3から、α4となるように第1可動ピン28を下降させたとする。このときの下降量を上記と等しいXとし、右向きの移動量をY2とする。第1可動ピン28は曲線(この例では円弧)を描いているため、下降量がXと等しくても、右向きの移動量Y1とY2は異なり、Y1はY2よりも大きい。このことは、第1可動ピン28の下降速度が一定であっても、第1可動ピン28の高さ(アーム角α)が異なれば、第1可動ピン28の右向きの移動速度を異ならせることができることを意味する。具体的には、第1可動ピン28の位置が高い(アーム角αが小さい)方が、第1可動ピン28の右向きの移動速度を速くできる。
【0026】
第1可動ピン28の下降量をXとし、右向きの移動量をY1とした場合、このときの第2可動ピン30の右向きの移動量は、Y1のほぼ2倍となる。第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さはほぼ等しく、また、第1可動ピン28が下降すると、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34は対称的に動作するからである。
【0027】
以上のことから、第1可動ピン28が高い(アーム角αが小さい)位置でワークを切断した方が切断速度を速くできることがわかる。よって、切断速度を速くしたい場合は、切断位置の調整機構46の可変長部46aの長さを長くして、第1可動ピン28が高い(アーム角αが小さい)位置でワークを切断する。このように、シリンダーストロークの初期に切断すると、切断速度を速くできる。
【0028】
図4は、第1可動ピン28の高さ(アーム角α)と、第2可動ピン30が右向きに加える荷重の関係を示す。シリンダー装置39を駆動させてシリンダーロッド0を下降させると、溝カム部36を介して第1可動ピン28に荷重が加わる。この荷重が、第1リンクアーム32を介して第2可動ピン30に加わる。この荷重がさらにアーム45を介して切断部48に加わる(図1参照)。
第2可動ピン30に加わる荷重Fが一定である場合、第1可動ピン28の位置が低い(アーム角αが大きい)方が、第2可動ピン30が右向きに加える荷重が大きい。図4に示すように、第1可動ピン28の位置が高い場合に第2可動ピン30が右向きに加える荷重F11に比べて、第1可動ピン28の位置が低い場合に第2可動ピン30が右向きに加える荷重F21の方が大きい。
【0029】
以上のことから、第1可動ピン28が低い(アーム角αが大きい)位置でワークを切断した方が切断荷重を大きくできることがわかる。よって、切断荷重を大きくしたい場合は、切断位置の調整機構46の可変長部46aの長さを短くして、第1可動ピン28が低い(アーム角αが大きい)位置でワークを切断する。このように、シリンダーストロークの後期に切断すると、切断荷重を大きくできる。
【0030】
図5は、シリンダーストロークST1と切断アームストロークST2の関係を示す。これは、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さを400mmに設定した場合の関係である。図5において、Aで囲んだ領域は、アーム角が図3に示すようにα1からα2に至る領域に概ね相当する。Bで囲んだ領域は、アーム角が図3に示すようにα3からα4に至る領域に概ね相当する。図5からも、シリンダーストロークの初期の方(ST1の大きい方)が、シリンダーストロークST1の変化に対する切断アームストロークST2の変化の割合が大きいことがわかる。即ち、シリンダストロークの初期の方が切断速度を速くできることがわかる。
【0031】
(第2実施例) 図6は、第2実施例の油圧プレス装置の構成図を示す。図7は、図6の油圧プレス装置が有する切断装置120の構成図を示す。このプレス装置は、切断機能付きプレス装置といえる。
図6に示す油圧プレス装置では、基台102に2本のフレーム114の下端が固定されている。2本のフレーム114の頂端には、クラウン116が取付けられている。2本のフレーム114の間の領域のうち下部には、ヘッド104が取付けられている。ヘッド104は、フレーム114に固定されている。ヘッド104の頂面には、プレス用ワークの載置台106が取付けられている。
ヘッド104の上方には、ラム(スライド)110が位置している。ラム110は、2本のフレーム114の間に配置され、2本のフレーム114に対して上下動可能に取付けられている。載置台106の直上であって、ラム110の底面には、プレス具108が取付けられている。クラウン116やラム110によってプレス機構が構成されている。一方のフレーム114には、油圧プレス装置の制御を行うためのコントローラ112が取付けられている。
【0032】
図7に示す切断装置120は、第1実施例の切断装置の構成と類似した構成となっている。この切断装置120について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施例の部材と概ね同様の機能を持つ部材は、第1実施例と同じ符号を付している。但し、同じ符号を付していても、細かい構成は第1実施例と異なるものもある。
【0033】
まず、この切断装置120は、第1実施例のようなシリンダ装置39(図1参照)を備えていない。溝カム部36を下降させる力は、油圧プレス装置のラム110の下降動作を利用して得ている。具体的にはラム110が下降すると、ラム110の底面に切断装置120の加圧板166が当接する。さらにラム110が下降すると、加圧板166も下降し、これに連結されたロッド137と溝カム部36も下降する。溝カム部36が下降した後の動作は、第1実施例と概ね同様である。
【0034】
なお、本実施例では、第1リンクアーム32の下端部には、切断アームではなく切断部48が第2可動ピン30を介して直接的に取付けられている。切断部48は、案内空間162に案内されて図7の左右方向に移動する。案内空間162は案内台160に形成されている。案内台160と位置決め部24は油圧プレス装置のヘッド104にネジで取付けられ、固定されている。溝カム部36の支持部38は、フレーム114にネジで取付けられ、固定されている。
【0035】
また、溝カム部36を上昇させる力は、シリンダー装置ではなく、戻しスプリング164の上向きの付勢力によって得ている。ラム110が下降している状態では、戻しスプリング164が縮められている。この状態では、戻しスプリング164には、上向きに付勢するエネルギーが蓄積されている。ラム110が上昇すると、このエネルギーが解放され、戻しスプリング164の上向きの付勢力によって、加圧板166が上昇する。加圧板166の上昇に連動して、溝カム部36も上昇する。
なお、加圧板166の位置を規制する戻しストッパー168が、フレーム114に取付けられている。これによると、溝カム部36が所望の位置よりも高い位置まで上昇することを規制できる。
【0036】
(第3実施例) 図8は、第3実施例の切断装置の概略図を示す。この切断装置は、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の間に第3リンクアーム35が介在している点で、第1実施例の切断装置と異なる。第3リンクアーム35と第1リンクアーム32は可動ピン29aを介して連結されている。第3リンクアーム35と第2リンクアーム34は可動ピン29bを介して連結されている。第3リンクアーム35と可動ピン29a、29bによって第1可動部が構成され、可動ピン30によって第2可動部が構成されている。
【0037】
この切断装置においても、例えばシリンダー装置や、プレス装置のラムを利用して第1可動部(第3リンクアーム35と可動ピン29a、29b)を下降させることで、第2可動部(可動ピン30)を図8の右向きに移動させることができる。
【0038】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)例えば上記した各リンクアーム32、34、35は直線状でなくてもよく、折れ曲がっていても、曲線状であってもよい。
(2)シリンダーロッド40の進行する向きと、切断部48の進行する向きは、直交していなくてもよい。例えば、図1において、右斜め下の向きや右斜め上の向きに切断部48が進行するように案内台41を形成してもよい。
(3)切断するワークの材料や形状に限定はない。ワークは金属や樹脂等に限らず、例えば紙であってもよい。ワークは棒状でなくても、例えば板状であってもよい。
(4)シリンダー装置は、空気圧式等であっても勿論よい。
【0039】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の切断装置の正面図を示す。
【図2】第1実施例の切断装置の平面図を示す。
【図3】第1可動ピンの下降量と右向きの移動量の関係を示す。
【図4】第1可動ピンの高さ(アーム角)と、第2可動ピンが右向きに加える荷重の関係を示す。
【図5】シリンダーストロークと切断アームストロークの関係を示す。
【図6】第2実施例の油圧プレス装置の構成図を示す。
【図7】第2実施例の油圧プレス装置が有する切断装置の構成図を示す。
【図8】第3実施例の切断装置の概略図を示す。
【符号の説明】
22:基台
24:位置決め部
26:位置決めピン(軸部)
28:第1可動ピン(軸部、第1可動部)
30:第2可動ピン(軸部、第2可動部)
32:第1リンクアーム(第1連結部)
34:第2リンクアーム(第2連結部)
36:溝カム部
38:溝カム部の支持部
39:油圧シリンダー装置
40:シリンダーロッド
41:案内台
45:切断アーム
46:切断位置の調整機構
48:切断部
50:ワーク挿入孔
52:ワーク
【発明の属する技術分野】本発明は、切断装置、プレス装置及び切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば鍛造素材等のワークを切断するために切断装置が用いられている。このような切断装置の中には、直線運動する刃によってワークを切断するものがある。このような直線運動は、モータを駆動源として生じさせた回転運動を、回転カムやクランク機構によって直線運動に変換することで生じさせている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−13828号公報(その公報の図1参照)
【0004】
ワークの種類や形状に応じて、切断速度又は切断荷重を変更する必要が生じる場合がある。従来は、切断速度又は切断荷重を変更するには、駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させて減速比を変化させること等で対応していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の手法によって切断速度や切断荷重を変更するのは、手間がかかるという問題があった。例えば、駆動源(モータ)の出力を変化させるには、インバータ等を追加する必要がある。また、ギアで減速比を変更するには、その前提としてギア機構を設ける必要がある。
【0006】
本発明は、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる技術を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用と効果】本発明の1つの態様の切断装置は、軸部を有する第1可動部と、第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有する第2可動部と、第1可動部の軸部と第2可動部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第1連結部と、前記軸方向にほぼ直交する第1の向きに第1可動部を移動させる駆動機構と、前記軸方向にほぼ直交するとともに第1の向きと非平行な第2の向きに第2可動部を案内する案内部と、第2可動部と連動して移動する切断部を備えている。
【0008】
本態様では、駆動部によって第1可動部を第1の向きに移動させると、これに連動して第2可動部が第2の向きに移動する。
本態様によると、第1可動部が第1の向きに移動した距離と、これに連動して第2可動部が第2の向きに移動した距離の比を、第2可動部(第1可動部)の位置によって変化させることができる。よって、第1可動部の第1の向きの移動速度が例えば一定であっても、第2可動部の位置によって、第2可動部の第2の向きの移動速度を変化させることができる。このため、駆動機構の駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させたりしなくても、第2可動部に接続する切断部の切断位置を変化させることで、切断部の切断速度を変化させることができる。
【0009】
また、本態様によると、駆動部によって第1可動部を第1の向きに移動させたときに第2可動部が第2の向きに加える荷重を、第2可動部(第1可動部)の位置によって変化させることができる。よって、第1可動部が第1の向きに加える荷重が例えば一定であっても、第2可動部の位置によって、第2可動部が第2の向きに加える荷重を変化させることができる。このため、駆動機構の駆動源の出力を変化させたり、ギア比を変化させたりしなくても、第2可動部に接続する切断部の切断位置を変化させることで、切断部の切断荷重を変化させることができる。
【0010】
このように、本態様によると、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる。
【0011】
第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有するとともに位置決めされた位置決め部と、第1可動部の軸部と位置決め部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第2連結部をさらに備えていることが好ましい。本態様によると、切断速度又は切断荷重をより広い範囲で容易に変更できる。
【0012】
本発明の他の態様の切断装置は、第1の向きの直線運動を、第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換するリンク機構と、リンク機構で変換した第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する切断部を備えている。
本態様によっても、切断速度又は切断荷重を容易に変更できる。
【0013】
切断部の切断位置を変化させる切断位置の調整機構をさらに備えていることが好ましい。
本態様によると、切断速度又は切断荷重をより容易に変更できる。
【0014】
本発明の他の態様のプレス装置は、上記切断装置と、プレス機構を備え、切断装置の駆動機構が、プレス機構を利用して構成されている。
本態様によると、プレス機構を利用して第1可動部を移動させ、切断動作を行うことができる。
【0015】
本発明の他の態様の切断方法は、第1の向きの直線運動を、リンク機構によって第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換し、その第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する。この場合、切断位置を調整して切断速度又は切断荷重を変化させることが好ましい。また、第1の向きの直線運動をプレス装置のプレス動作を利用して生じさせるおとが好ましい。
【0016】
前記第2の向きは、前記第1の向きにほぼ直交していることが好ましい。
本態様によると、切断速度又は切断荷重をより広い範囲で変更できるようにし易い。
本明細書で、「ほぼ平行」な状態とは、正確に平行な状態から5度以下(好ましくは、3度以下)ずれた状態を含む。また、「ほぼ直交」した状態とは、正確に直交した状態から5度以下(好ましくは、3度以下)ずれた状態を含む。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1実施例) 図1は、第1実施例の切断装置の正面図を示す。図2は、その平面図を示す。この切断装置は、基台22上に、位置決め部24が設けられている。位置決め部24は、基台22に対して固定されている。図2に示すように、位置決め部24は、図2の上下方向に間隔を置いて2つ設けられている。2つの位置決め部24の間には、第2リンクアーム(第2連結部)34の下端部(一端部)が配置されている。2つの位置決め部24と、第2リンクアーム34には、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。これらのピン挿入孔に1本のピン(軸部)26が挿入されている。ピン26は両端が抜け止めされている。以上の構成により、ピン26は位置決めされている。第2リンクアーム34は、位置決めピン26を軸として回転可能になっている。
【0018】
第2リンクアーム34の上端部(他端部)と、第1リンクアーム32の上端部(一端部)にも、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さはほぼ等しい。これらのピン挿入孔に1本の第1可動ピン(軸部、第1可動部)28が挿入されている。第1可動ピン28の両端は、溝カム部36に形成されたカム溝29内に位置している。カム溝29は、図1の左右方向に伸びている。溝カム部36の頂部には、油圧シリンダー装置39のシリンダーロッド40の先端部が取付けられている。シリンダーロッド40は、図1の上下方向に移動可能である。よって、シリンダーロッド40に取付けられた溝カム部36も、上下方向に移動可能である。溝カム部36の周囲には、溝カム部36の支持部38が設けられている。溝カム部36の支持部38は固定されている。よって、溝カム部36は、支持部38に対して相対的に上下動する。溝カム部36やシリンダー装置39によって駆動機構が構成されている。
【0019】
基台22上には、案内台41が設けられている。案内台41は、基台22に対して固定されている。案内台41には、図2に示すように、2つの案内壁41aが設けられている。2つの案内壁41aの間には、案内空間44が形成されている。案内空間44には、第1リンクアーム32の下端部(他端部)が配置されている。案内空間44にはまた、切断アーム45が配置されている。アーム45は、第1リンクアーム32を挟み込む部位を有する。第1リンクアーム32の下端部と切断アーム45には、ピン挿入孔が形成されている。これらのピン挿入孔の中心軸は一致している。これらのピン挿入孔に1本の第2可動ピン(軸部、第2可動部)30が挿入されている。第2可動ピン30の一端は、一方の案内壁41aに形成されたピン案内溝43内に位置している。第2可動ピン30の他端は、他方の案内壁41aに形成されたピン案内溝43内に位置している。ピン案内溝43は、図1の左右方向に伸びている。
第1可動ピン28と、第2可動ピン30と、位置決めピン26の軸方向は平行である。可動ピン28、30や、位置決めピン26や、リンクアーム32、34によってリンク機構が構成されている。
【0020】
切断アーム45の右端部には、切断位置の調整機構46が取付けられている。切断位置の調整機構46は、可変長部46aを有する。可変長部46aは、図1の左右方向の長さが調整可能である。切断位置の調整機構46の右端部には、切断部48が取付けられている。なお、調整機構46の右端部に隙間を空けることで、衝撃切断を効果的に行うことができる。切断部48には、ワーク挿入孔50が形成されている。切断部48のうちワーク挿入孔50の周囲には、刃が形成されている。ワーク挿入孔50には、丸棒状の金属製のワーク52が挿入されている。ワーク52は、ワーク搬送機構56によって搬送される。
【0021】
なお、ワーク搬送機構56を、図2の左右方向(例えば符号56aの位置や符号56bの位置)に移動させることで、切断位置を調整してもよい。この場合、ワーク搬送機構56の左右方向の位置を調整する機構が、切断位置の調整機構といえる。なお、この場合は、切断部48には、図2の左右方向に間隔を置いて複数のワーク挿入孔50を形成しておく。この構成によれば、ワーク搬送機構56が左右方向に移動したことに連動してワーク52の位置が移動したときでも、そのワーク52をワーク挿入孔50に挿入できる。符号56aや56bは、ワーク搬送機構56を側面からみた図である。
【0022】
図1のST1はシリンダー装置39のシリンダーロッド40のストローク(シリンダーストロークを示す。但し、シリンダストロークST1の値が大きい方がストロークの初期となる。図1のST2は切断アーム45のストローク(切断アームストローク)を示す。切断アームストロークST2については、ST2の値が小さい方がストロークの初期となる。
また、図1のXは第1可動ピン28の一点鎖線の位置からの下向きの移動量を示す。図1のYは、第2可動ピン30の一点鎖線の位置からの右向きの移動量を示す。
【0023】
次に、切断装置の動作を説明する。まず、ワーク搬送機構56によって棒状のワーク52を搬送し、切断部48のワーク挿入孔50に挿入する。次に、シリンダー装置39を駆動させて、シリンダーロッド40を下降させる。これに連動して、溝カム部36も下降する。溝カム部36が下降すると、これに連動して第1可動ピン28も下降する。位置決めピン26が位置決めされ、第2可動ピン30が位置決めされていないため、第1可動ピン28が下降すると、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34のなす角(アーム角)αが徐々に増加する。この結果、第2可動ピン30は、ピン案内溝43に案内されて図1の右向きに移動する。これにより、第2可動ピン30に連動して移動する切断部48も図1の右向きに移動する。この結果、切断部48のワーク挿入孔50の周囲に形成された刃によって、ワーク52が切断される。
【0024】
次に、切断装置の上記動作中の第1可動ピン28の動作を説明する。溝カム部36が下降すると、第1可動ピン28は、位置決めピン26を軸として回転し、時計回りに円弧を描いて移動する。よって、溝カム部36が下降すると第1可動ピン28は下降するとともに、カム溝29に沿って図1の右向きに移動する。
【0025】
図3は、第1可動ピン28の下降量と右向きの移動量の関係を示す。アーム角がα1から、α1より大きいα2となるように第1可動ピン28を下降させたとする。このときの下降量をXとし、右向きの移動量をY1とする。次に、アーム角がα1より大きいα3から、α4となるように第1可動ピン28を下降させたとする。このときの下降量を上記と等しいXとし、右向きの移動量をY2とする。第1可動ピン28は曲線(この例では円弧)を描いているため、下降量がXと等しくても、右向きの移動量Y1とY2は異なり、Y1はY2よりも大きい。このことは、第1可動ピン28の下降速度が一定であっても、第1可動ピン28の高さ(アーム角α)が異なれば、第1可動ピン28の右向きの移動速度を異ならせることができることを意味する。具体的には、第1可動ピン28の位置が高い(アーム角αが小さい)方が、第1可動ピン28の右向きの移動速度を速くできる。
【0026】
第1可動ピン28の下降量をXとし、右向きの移動量をY1とした場合、このときの第2可動ピン30の右向きの移動量は、Y1のほぼ2倍となる。第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さはほぼ等しく、また、第1可動ピン28が下降すると、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34は対称的に動作するからである。
【0027】
以上のことから、第1可動ピン28が高い(アーム角αが小さい)位置でワークを切断した方が切断速度を速くできることがわかる。よって、切断速度を速くしたい場合は、切断位置の調整機構46の可変長部46aの長さを長くして、第1可動ピン28が高い(アーム角αが小さい)位置でワークを切断する。このように、シリンダーストロークの初期に切断すると、切断速度を速くできる。
【0028】
図4は、第1可動ピン28の高さ(アーム角α)と、第2可動ピン30が右向きに加える荷重の関係を示す。シリンダー装置39を駆動させてシリンダーロッド0を下降させると、溝カム部36を介して第1可動ピン28に荷重が加わる。この荷重が、第1リンクアーム32を介して第2可動ピン30に加わる。この荷重がさらにアーム45を介して切断部48に加わる(図1参照)。
第2可動ピン30に加わる荷重Fが一定である場合、第1可動ピン28の位置が低い(アーム角αが大きい)方が、第2可動ピン30が右向きに加える荷重が大きい。図4に示すように、第1可動ピン28の位置が高い場合に第2可動ピン30が右向きに加える荷重F11に比べて、第1可動ピン28の位置が低い場合に第2可動ピン30が右向きに加える荷重F21の方が大きい。
【0029】
以上のことから、第1可動ピン28が低い(アーム角αが大きい)位置でワークを切断した方が切断荷重を大きくできることがわかる。よって、切断荷重を大きくしたい場合は、切断位置の調整機構46の可変長部46aの長さを短くして、第1可動ピン28が低い(アーム角αが大きい)位置でワークを切断する。このように、シリンダーストロークの後期に切断すると、切断荷重を大きくできる。
【0030】
図5は、シリンダーストロークST1と切断アームストロークST2の関係を示す。これは、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の長さを400mmに設定した場合の関係である。図5において、Aで囲んだ領域は、アーム角が図3に示すようにα1からα2に至る領域に概ね相当する。Bで囲んだ領域は、アーム角が図3に示すようにα3からα4に至る領域に概ね相当する。図5からも、シリンダーストロークの初期の方(ST1の大きい方)が、シリンダーストロークST1の変化に対する切断アームストロークST2の変化の割合が大きいことがわかる。即ち、シリンダストロークの初期の方が切断速度を速くできることがわかる。
【0031】
(第2実施例) 図6は、第2実施例の油圧プレス装置の構成図を示す。図7は、図6の油圧プレス装置が有する切断装置120の構成図を示す。このプレス装置は、切断機能付きプレス装置といえる。
図6に示す油圧プレス装置では、基台102に2本のフレーム114の下端が固定されている。2本のフレーム114の頂端には、クラウン116が取付けられている。2本のフレーム114の間の領域のうち下部には、ヘッド104が取付けられている。ヘッド104は、フレーム114に固定されている。ヘッド104の頂面には、プレス用ワークの載置台106が取付けられている。
ヘッド104の上方には、ラム(スライド)110が位置している。ラム110は、2本のフレーム114の間に配置され、2本のフレーム114に対して上下動可能に取付けられている。載置台106の直上であって、ラム110の底面には、プレス具108が取付けられている。クラウン116やラム110によってプレス機構が構成されている。一方のフレーム114には、油圧プレス装置の制御を行うためのコントローラ112が取付けられている。
【0032】
図7に示す切断装置120は、第1実施例の切断装置の構成と類似した構成となっている。この切断装置120について、第1実施例と異なる点を中心に説明する。なお、第1実施例の部材と概ね同様の機能を持つ部材は、第1実施例と同じ符号を付している。但し、同じ符号を付していても、細かい構成は第1実施例と異なるものもある。
【0033】
まず、この切断装置120は、第1実施例のようなシリンダ装置39(図1参照)を備えていない。溝カム部36を下降させる力は、油圧プレス装置のラム110の下降動作を利用して得ている。具体的にはラム110が下降すると、ラム110の底面に切断装置120の加圧板166が当接する。さらにラム110が下降すると、加圧板166も下降し、これに連結されたロッド137と溝カム部36も下降する。溝カム部36が下降した後の動作は、第1実施例と概ね同様である。
【0034】
なお、本実施例では、第1リンクアーム32の下端部には、切断アームではなく切断部48が第2可動ピン30を介して直接的に取付けられている。切断部48は、案内空間162に案内されて図7の左右方向に移動する。案内空間162は案内台160に形成されている。案内台160と位置決め部24は油圧プレス装置のヘッド104にネジで取付けられ、固定されている。溝カム部36の支持部38は、フレーム114にネジで取付けられ、固定されている。
【0035】
また、溝カム部36を上昇させる力は、シリンダー装置ではなく、戻しスプリング164の上向きの付勢力によって得ている。ラム110が下降している状態では、戻しスプリング164が縮められている。この状態では、戻しスプリング164には、上向きに付勢するエネルギーが蓄積されている。ラム110が上昇すると、このエネルギーが解放され、戻しスプリング164の上向きの付勢力によって、加圧板166が上昇する。加圧板166の上昇に連動して、溝カム部36も上昇する。
なお、加圧板166の位置を規制する戻しストッパー168が、フレーム114に取付けられている。これによると、溝カム部36が所望の位置よりも高い位置まで上昇することを規制できる。
【0036】
(第3実施例) 図8は、第3実施例の切断装置の概略図を示す。この切断装置は、第1リンクアーム32と第2リンクアーム34の間に第3リンクアーム35が介在している点で、第1実施例の切断装置と異なる。第3リンクアーム35と第1リンクアーム32は可動ピン29aを介して連結されている。第3リンクアーム35と第2リンクアーム34は可動ピン29bを介して連結されている。第3リンクアーム35と可動ピン29a、29bによって第1可動部が構成され、可動ピン30によって第2可動部が構成されている。
【0037】
この切断装置においても、例えばシリンダー装置や、プレス装置のラムを利用して第1可動部(第3リンクアーム35と可動ピン29a、29b)を下降させることで、第2可動部(可動ピン30)を図8の右向きに移動させることができる。
【0038】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
(1)例えば上記した各リンクアーム32、34、35は直線状でなくてもよく、折れ曲がっていても、曲線状であってもよい。
(2)シリンダーロッド40の進行する向きと、切断部48の進行する向きは、直交していなくてもよい。例えば、図1において、右斜め下の向きや右斜め上の向きに切断部48が進行するように案内台41を形成してもよい。
(3)切断するワークの材料や形状に限定はない。ワークは金属や樹脂等に限らず、例えば紙であってもよい。ワークは棒状でなくても、例えば板状であってもよい。
(4)シリンダー装置は、空気圧式等であっても勿論よい。
【0039】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の切断装置の正面図を示す。
【図2】第1実施例の切断装置の平面図を示す。
【図3】第1可動ピンの下降量と右向きの移動量の関係を示す。
【図4】第1可動ピンの高さ(アーム角)と、第2可動ピンが右向きに加える荷重の関係を示す。
【図5】シリンダーストロークと切断アームストロークの関係を示す。
【図6】第2実施例の油圧プレス装置の構成図を示す。
【図7】第2実施例の油圧プレス装置が有する切断装置の構成図を示す。
【図8】第3実施例の切断装置の概略図を示す。
【符号の説明】
22:基台
24:位置決め部
26:位置決めピン(軸部)
28:第1可動ピン(軸部、第1可動部)
30:第2可動ピン(軸部、第2可動部)
32:第1リンクアーム(第1連結部)
34:第2リンクアーム(第2連結部)
36:溝カム部
38:溝カム部の支持部
39:油圧シリンダー装置
40:シリンダーロッド
41:案内台
45:切断アーム
46:切断位置の調整機構
48:切断部
50:ワーク挿入孔
52:ワーク
Claims (8)
- 軸部を有する第1可動部と、
第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有する第2可動部と、
第1可動部の軸部と第2可動部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第1連結部と、
前記軸方向にほぼ直交する第1の向きに第1可動部を移動させる駆動機構と、
前記軸方向にほぼ直交するとともに第1の向きと非平行な第2の向きに第2可動部を案内する案内部と、
第2可動部と連動して移動する切断部を備えた切断装置。 - 第1可動部の軸部と軸方向がほぼ平行な軸部を有するとともに位置決めされた位置決め部と、
第1可動部の軸部と位置決め部の軸部を連結するとともに、これらの軸部を軸として回転可能な第2連結部をさらに備えた請求項1に記載の切断装置。 - 第1の向きの直線運動を、第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換するリンク機構と、
リンク機構で変換した第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する切断部を備えた切断装置。 - 切断部の切断位置を変化させる切断位置の調整機構をさらに備えた請求項1〜3のいずれかに記載の切断装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の切断装置と、プレス機構を備え、切断装置の駆動機構が、プレス機構を利用して構成されているプレス装置。
- 第1の向きの直線運動を、リンク機構によって第1の向きと非平行な第2の向きの直線運動に変換し、その第2の向きの直線運動を利用してワークを切断する切断方法。
- 切断位置を調整して切断速度又は切断荷重を変化させる請求項6に記載の切断方法。
- 第1の向きの直線運動をプレス装置のプレス動作を利用して生じさせる請求項6又は7に記載の切断方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010247278A (ja) * | 2009-04-16 | 2010-11-04 | Nippon Steel Corp | シャー切断制御方法 |
-
2003
- 2003-06-18 JP JP2003173497A patent/JP2005007506A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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