JP2005007070A - ヘッドレスト - Google Patents
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Abstract
【課題】表皮にシワが発生することを抑止できるヘッドレストを提供する。
【解決手段】ヘッドレスト10を構成する表皮13のうち、底部表皮材13a,13bには凹状に湾曲した湾曲部19が構成されている。底部表皮材13a,13bには、湾曲部19の湾曲によって表皮13のシワの原因となる圧縮力を受ける部分において縫い目21が形成されている。このため、圧縮部において従来技術では発生するシワが縫い目21により吸収され、シワの発生が抑止される。
【選択図】 図1
【解決手段】ヘッドレスト10を構成する表皮13のうち、底部表皮材13a,13bには凹状に湾曲した湾曲部19が構成されている。底部表皮材13a,13bには、湾曲部19の湾曲によって表皮13のシワの原因となる圧縮力を受ける部分において縫い目21が形成されている。このため、圧縮部において従来技術では発生するシワが縫い目21により吸収され、シワの発生が抑止される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の座席等に取り付けられるヘッドレストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヘッドレストとしては、図6に示すように、底部31が凹状に湾曲したヘッドレスト30がある。このヘッドレスト30では、湾曲部32における湾曲の底部近辺において表皮33にシワ34が発生し易いという問題があった。これは、表皮33に厚みがあることに起因して、湾曲により表皮33の表面側と裏面側とで曲率が異なり、表皮33の表面側に圧縮力が作用するためである。さらに、表皮33は、表面に露出するファブリック等で構成される表皮層と、ウレタンフォーム等で構成される中間層と、注入される発泡合成樹脂の浸透を防ぐフィルム層等が積層された複数層で構成されていることが多い。この場合、裏面側にある中間層、フィルム層が表皮層よりも伸縮性に乏しいため、表皮層にさらに大きな圧縮力が作用してシワの発生に一層拍車をかけることになっていた。
【0003】
そして、シワが発生した状態の表皮33に発泡合成樹脂が注入されたとしても、同図に示すように依然として表皮33にシワ34が残存してしまい、ヘッドレスト30の外観を損ね、商品価値を低下させていた。
【0004】
このため、シワの発生を抑止する方法として、湾曲部の底部近辺においてその表皮の一部をつまむようにして裏面側で折り畳み、その折り畳み部を縫製するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、表皮に引っ張り作用が働き、シワの発生が抑止される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−166708号公報(明細書の段落[0007]〜[0015]、第1,3,4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に開示された表皮を用いても、表皮の表面側における圧縮がなくなるわけではないため、シワを確実に消滅させるのは難しい。しかも、折り畳み部が形成された表皮材(底部表皮材)は、ヘッドレストの側部を構成する表皮材(側部表皮材)等と縫製により一体化されており、側部表皮材等により拘束されている。このため、底部表皮材のみを引っ張ってその張力を変えると、側部表皮材等との縫い付け部において、予期しないところや予期しない形状のシワが新たに発生する。また、ヘッドレスト全体の形がくずれる恐れがあった。この対策として、表皮層に伸縮性の良い素材を使用することが考えられるが、このような素材は高価であり、それでもシワの発生を抑止するには限界があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、その目的は、表皮材にシワが発生することを抑止できるヘッドレストを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、表皮内に発泡合成樹脂が充填されてヘッドレスト本体が構成されているとともに、前記表皮に凹状の湾曲部が形成されているヘッドレストにおいて、前記表皮の湾曲部には、その湾曲によって同表皮に圧縮力が作用する部分において縫い目が形成されていることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、表皮層に作用する圧縮力は縫い目の部分に集中する。このため、縫い目によりシワが吸収され、シワの発生が抑止される。従って、ヘッドレストの商品価値の低下を防ぐことができる。また、表皮の張力が部分的に変動するものではないため、予期せぬところにシワが生じたり、ヘッドレストの形がくずれたりする恐れがない。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記湾曲部の底部に沿って形成されていることを要旨とする。
この発明によれば、仮に縫い目がないとした場合、圧縮力が作用する部分に発生するシワは湾曲部の底部に沿うようにして発生する。このため、底部の方向に沿って縫い目が形成されることで、より効果的にシワが吸収され、シワの発生が抑止される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記ヘッドレスト本体の幅方向における両端部に形成されていることを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、ヘッドレスト本体の両端部において縫い目が形成されることで、両端部に発生するシワを効果的に吸収することができる。ちなみに、湾曲部の中央には発泡合成樹脂を注入するための開口部があるため、両端部に比べてシワが発生しにくい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記発泡合成樹脂が注入される開口部を挟んで両側に形成されていることを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、開口部を挟んでその両側に縫い目が形成されることで、開口部の両側に発生するシワを吸収することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記表皮の一端から他端まで連続して形成されていることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、一端から他端まで一縫いで縫い目を形成することができ、縫い目の形成が容易になるとともに、シワの発生を有効に抑止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記表皮の裏面における前記縫い目の部分には、前記発泡合成樹脂が前記ヘッドレスト本体の表面側へ漏れ出すのを防止するための封止処理が施されていることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、封止処理として例えば縫い目の裏面をコーティングしたり、テープを貼り付ける等により表皮内に注入された発泡合成樹脂が縫い目を介して表面側に漏れ出すのを防止することができ、良好な外観を維持できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3を参照にして説明する。
図1及び図2に示すように、ヘッドレスト10は、凹状に湾曲した底部11aを備えるヘッドレスト本体11とその底部11aから突出するインサートステー12(以下、ステー12という)とで構成されている。ヘッドレスト本体11は、表皮13及び該表皮13内に充填された発泡合成樹脂14とで構成されている。本実施形態におけるヘッドレスト10は、開口部15を有する袋状に形成された表皮13にステー12がセットされた後、表皮13内に発泡合成樹脂14が注入されることで得られる一体成形タイプのヘッドレストである。
【0018】
表皮13は、ヘッドレスト本体11の底部を構成する底部表皮材13a,13b、側部を構成する側部表皮材13c,13d及び上部を構成する上部表皮材13eがそれらの端縁において縫い合わされることにより仕上げられる。そして、表皮13内に金属棒材よりなるステー12の基端部を挿入し、その挿入された状態で発泡合成樹脂14が表皮13内に充填されてヘッドレスト10として完成される。
【0019】
図3に示すように、表皮13を構成する生地は、ヘッドレスト本体11の表面に露出するファブリック等で構成される表皮層16と、その表皮層16の内側に一体的に形成され、表皮13に弾力性及び柔軟性を持たせるための、例えばウレタンフォーム等で構成された中間層17とを備えている。また、中間層17の内側には、開口部15から注入される発泡合成樹脂14が表皮層16側に浸透することを防止するための薄膜状のフィルム層18が形成されている。
【0020】
底部表皮材13a,13b間の部分には凹状の湾曲部19が形成されている。また、底部表皮材13a,13b間には発泡合成樹脂14を注入する際及びステー12を表皮13にセットする際に使用されるスリット状の開口部15が形成されている。なお、開口部15は図1に実線の矢印で示す幅で形成されている。また、底部表皮材13bには、ステー12が突出する孔11bが形成されている。ステー12は、その先端の脚部12a側から開口部15を介して表皮13内に入れられ、その脚部12aが孔11bから外側へ突出される。
【0021】
表皮13の幅方向(ヘッドレスト10の左右方向)における両端部で、かつ湾曲部19の底部20近辺には四角枠状の縫い目21が形成されている。この縫い目21は、底部表皮材13a,13b間の合わせ目と並行に形成された横縫い目部21aと、それらの横縫い目部21a間を繋ぐ縦縫い目部21bとで形成されている。そして、湾曲部19の湾曲によって、表皮層16のシワの原因となる圧縮力を受ける部分(以下、圧縮部22という)に前記縫い目21が形成されている。この縫い目21は、底部表皮材13a,13bが縫い合わされるときに形成される。なお、本実施形態の縫い目21は、本縫いにより形成されているが、縫い目21は本縫いに限らず、環縫い、しつけ縫い等の他の縫い目を採用することもできる。
【0022】
また、表皮13の裏面において縫い目21の部分には、注入される液状の発泡合成樹脂が縫い目21を介して表面側に漏れ出すことを防止する封止処理としてのテープ23が貼り付けられている。
【0023】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)湾曲部19における圧縮部22には、縫い目21が形成されている。このため、圧縮部22において発生する圧縮力は、縫い目21に集中される。従って、シワの発生が抑止される。特に、シワが発生し易い湾曲部19の両端で、かつ開口部15を挟んだ両側に縫い目21が形成されているため、良好にシワの発生を抑止することができる。従って、ヘッドレスト10の外観を損なうことがなく、商品価値の低下を防ぐことができる。しかも、底部表皮材13a,13bが他の側部表皮材13c等に対して張力が大きく変動することはなく、予期しないシワが生じたり、ヘッドレスト本体11の形がくずれたりすることがない。
【0024】
(2)縫い目21が形成された表皮13の裏面にテープ23が貼り付けられている。このため、液状の発泡合成樹脂14が注入された際、その発泡合成樹脂14が縫い目21を介して表面側に漏れ出すことを防止でき、外観の低下を未然に防ぐことができる。
【0025】
(3)縫い目21を形成する作業は、底部表皮材13a,13b、側部表皮材13c,13d及び上部表皮材13eを縫い合わせて表皮13を縫製する一連の作業に容易に含ませることが可能である。従って、ヘッドレスト10の製造作業が面倒になることはほとんどない。
【0026】
(4)縫い目21のうち、横縫い目部21aは、底部20に沿って形成されている。圧縮部22におけるシワは底部20に沿うように発生するため、同じく底部20に沿うように形成された横縫い目部21aにより効果的にシワが吸収され、シワの発生が抑止される。
【0027】
(5)縫い目21は、横縫い目部21a及び縦縫い目部21bにより四角枠状に形成されている。このため、不規則に縫い目が形成される場合に比べ、意匠性が高い。
【0028】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、湾曲部19における圧縮部22において四角枠状の縫い目21を形成したが、図4に示すように底部20に沿って幅方向(ヘッドレスト10の左右方向)における一端から他端まで一直線状に縫い目21を形成してもよい。この場合、一縫いで縫い目21を形成することができるので、縫い目21の形成が容易となる。また、縫い目21は底部20に沿うように形成されるため、シワを効果的に抑止することができる。また、図5に示すように、底部表皮材13a,13bの両端部に底辺を有する三角形状に縫い目21を形成してもよい。或いは、前記実施形態において縦縫い目部21bを省略してもよい。これらのように、圧縮部22に縫い目21が形成されるならばその形状は特に限定されない。
【0029】
○ ヘッドレスト本体11の底部11a全体が凹状に湾曲したヘッドレスト10ではなく、一部分において凹状に湾曲する底部11aを備えるヘッドレストに本発明を適用してもよい。この場合、上記実施形態と同じく湾曲部における圧縮部に縫い目を形成することでシワの発生を抑止することができる。
【0030】
○ 縫い目21の封止処理としてテープ23を貼り付けたが、コーティング剤を塗布して封止処理を施してもよい。
○ 底部表皮材13a,13bにより表皮13のうちヘッドレスト本体11の底部11aを構成する部分を形成したが、一枚からなる底部表皮材であってもよい。
【0031】
○ 表皮13は、表皮層16、中間層17及びフィルム層18からなる3層構造に限らない。1層や3層以外の複数層で構成される表皮13であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、縫い目を形成することで表皮にシワが発生することを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上下が反転されたヘッドレストの斜視図。
【図2】図1の2−2線におけるヘッドレストの断面図。
【図3】底部表皮材の要部拡大図。
【図4】別の実施形態におけるヘッドレストの斜視図。
【図5】別の実施形態におけるへッドレストの斜視図。
【図6】従来のヘッドレストの斜視図。
【符号の説明】
10…ヘッドレスト、11…ヘッドレスト本体、13…表皮、14…発泡合成樹脂、15…開口部、19…湾曲部、20…底部、21…縫い目、22…圧縮部、23…テープ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の座席等に取り付けられるヘッドレストに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のヘッドレストとしては、図6に示すように、底部31が凹状に湾曲したヘッドレスト30がある。このヘッドレスト30では、湾曲部32における湾曲の底部近辺において表皮33にシワ34が発生し易いという問題があった。これは、表皮33に厚みがあることに起因して、湾曲により表皮33の表面側と裏面側とで曲率が異なり、表皮33の表面側に圧縮力が作用するためである。さらに、表皮33は、表面に露出するファブリック等で構成される表皮層と、ウレタンフォーム等で構成される中間層と、注入される発泡合成樹脂の浸透を防ぐフィルム層等が積層された複数層で構成されていることが多い。この場合、裏面側にある中間層、フィルム層が表皮層よりも伸縮性に乏しいため、表皮層にさらに大きな圧縮力が作用してシワの発生に一層拍車をかけることになっていた。
【0003】
そして、シワが発生した状態の表皮33に発泡合成樹脂が注入されたとしても、同図に示すように依然として表皮33にシワ34が残存してしまい、ヘッドレスト30の外観を損ね、商品価値を低下させていた。
【0004】
このため、シワの発生を抑止する方法として、湾曲部の底部近辺においてその表皮の一部をつまむようにして裏面側で折り畳み、その折り畳み部を縫製するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。これにより、表皮に引っ張り作用が働き、シワの発生が抑止される。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−166708号公報(明細書の段落[0007]〜[0015]、第1,3,4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、特許文献1に開示された表皮を用いても、表皮の表面側における圧縮がなくなるわけではないため、シワを確実に消滅させるのは難しい。しかも、折り畳み部が形成された表皮材(底部表皮材)は、ヘッドレストの側部を構成する表皮材(側部表皮材)等と縫製により一体化されており、側部表皮材等により拘束されている。このため、底部表皮材のみを引っ張ってその張力を変えると、側部表皮材等との縫い付け部において、予期しないところや予期しない形状のシワが新たに発生する。また、ヘッドレスト全体の形がくずれる恐れがあった。この対策として、表皮層に伸縮性の良い素材を使用することが考えられるが、このような素材は高価であり、それでもシワの発生を抑止するには限界があった。
【0007】
本発明は、上記問題点に着目してなされたものであって、その目的は、表皮材にシワが発生することを抑止できるヘッドレストを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、表皮内に発泡合成樹脂が充填されてヘッドレスト本体が構成されているとともに、前記表皮に凹状の湾曲部が形成されているヘッドレストにおいて、前記表皮の湾曲部には、その湾曲によって同表皮に圧縮力が作用する部分において縫い目が形成されていることを要旨とする。
【0009】
この発明によれば、表皮層に作用する圧縮力は縫い目の部分に集中する。このため、縫い目によりシワが吸収され、シワの発生が抑止される。従って、ヘッドレストの商品価値の低下を防ぐことができる。また、表皮の張力が部分的に変動するものではないため、予期せぬところにシワが生じたり、ヘッドレストの形がくずれたりする恐れがない。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記湾曲部の底部に沿って形成されていることを要旨とする。
この発明によれば、仮に縫い目がないとした場合、圧縮力が作用する部分に発生するシワは湾曲部の底部に沿うようにして発生する。このため、底部の方向に沿って縫い目が形成されることで、より効果的にシワが吸収され、シワの発生が抑止される。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記ヘッドレスト本体の幅方向における両端部に形成されていることを要旨とする。
【0012】
この発明によれば、ヘッドレスト本体の両端部において縫い目が形成されることで、両端部に発生するシワを効果的に吸収することができる。ちなみに、湾曲部の中央には発泡合成樹脂を注入するための開口部があるため、両端部に比べてシワが発生しにくい。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記発泡合成樹脂が注入される開口部を挟んで両側に形成されていることを要旨とする。
【0014】
この発明によれば、開口部を挟んでその両側に縫い目が形成されることで、開口部の両側に発生するシワを吸収することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記縫い目は、前記表皮の一端から他端まで連続して形成されていることを要旨とする。
【0015】
この発明によれば、一端から他端まで一縫いで縫い目を形成することができ、縫い目の形成が容易になるとともに、シワの発生を有効に抑止できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、前記表皮の裏面における前記縫い目の部分には、前記発泡合成樹脂が前記ヘッドレスト本体の表面側へ漏れ出すのを防止するための封止処理が施されていることを要旨とする。
【0016】
この発明によれば、封止処理として例えば縫い目の裏面をコーティングしたり、テープを貼り付ける等により表皮内に注入された発泡合成樹脂が縫い目を介して表面側に漏れ出すのを防止することができ、良好な外観を維持できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図3を参照にして説明する。
図1及び図2に示すように、ヘッドレスト10は、凹状に湾曲した底部11aを備えるヘッドレスト本体11とその底部11aから突出するインサートステー12(以下、ステー12という)とで構成されている。ヘッドレスト本体11は、表皮13及び該表皮13内に充填された発泡合成樹脂14とで構成されている。本実施形態におけるヘッドレスト10は、開口部15を有する袋状に形成された表皮13にステー12がセットされた後、表皮13内に発泡合成樹脂14が注入されることで得られる一体成形タイプのヘッドレストである。
【0018】
表皮13は、ヘッドレスト本体11の底部を構成する底部表皮材13a,13b、側部を構成する側部表皮材13c,13d及び上部を構成する上部表皮材13eがそれらの端縁において縫い合わされることにより仕上げられる。そして、表皮13内に金属棒材よりなるステー12の基端部を挿入し、その挿入された状態で発泡合成樹脂14が表皮13内に充填されてヘッドレスト10として完成される。
【0019】
図3に示すように、表皮13を構成する生地は、ヘッドレスト本体11の表面に露出するファブリック等で構成される表皮層16と、その表皮層16の内側に一体的に形成され、表皮13に弾力性及び柔軟性を持たせるための、例えばウレタンフォーム等で構成された中間層17とを備えている。また、中間層17の内側には、開口部15から注入される発泡合成樹脂14が表皮層16側に浸透することを防止するための薄膜状のフィルム層18が形成されている。
【0020】
底部表皮材13a,13b間の部分には凹状の湾曲部19が形成されている。また、底部表皮材13a,13b間には発泡合成樹脂14を注入する際及びステー12を表皮13にセットする際に使用されるスリット状の開口部15が形成されている。なお、開口部15は図1に実線の矢印で示す幅で形成されている。また、底部表皮材13bには、ステー12が突出する孔11bが形成されている。ステー12は、その先端の脚部12a側から開口部15を介して表皮13内に入れられ、その脚部12aが孔11bから外側へ突出される。
【0021】
表皮13の幅方向(ヘッドレスト10の左右方向)における両端部で、かつ湾曲部19の底部20近辺には四角枠状の縫い目21が形成されている。この縫い目21は、底部表皮材13a,13b間の合わせ目と並行に形成された横縫い目部21aと、それらの横縫い目部21a間を繋ぐ縦縫い目部21bとで形成されている。そして、湾曲部19の湾曲によって、表皮層16のシワの原因となる圧縮力を受ける部分(以下、圧縮部22という)に前記縫い目21が形成されている。この縫い目21は、底部表皮材13a,13bが縫い合わされるときに形成される。なお、本実施形態の縫い目21は、本縫いにより形成されているが、縫い目21は本縫いに限らず、環縫い、しつけ縫い等の他の縫い目を採用することもできる。
【0022】
また、表皮13の裏面において縫い目21の部分には、注入される液状の発泡合成樹脂が縫い目21を介して表面側に漏れ出すことを防止する封止処理としてのテープ23が貼り付けられている。
【0023】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)湾曲部19における圧縮部22には、縫い目21が形成されている。このため、圧縮部22において発生する圧縮力は、縫い目21に集中される。従って、シワの発生が抑止される。特に、シワが発生し易い湾曲部19の両端で、かつ開口部15を挟んだ両側に縫い目21が形成されているため、良好にシワの発生を抑止することができる。従って、ヘッドレスト10の外観を損なうことがなく、商品価値の低下を防ぐことができる。しかも、底部表皮材13a,13bが他の側部表皮材13c等に対して張力が大きく変動することはなく、予期しないシワが生じたり、ヘッドレスト本体11の形がくずれたりすることがない。
【0024】
(2)縫い目21が形成された表皮13の裏面にテープ23が貼り付けられている。このため、液状の発泡合成樹脂14が注入された際、その発泡合成樹脂14が縫い目21を介して表面側に漏れ出すことを防止でき、外観の低下を未然に防ぐことができる。
【0025】
(3)縫い目21を形成する作業は、底部表皮材13a,13b、側部表皮材13c,13d及び上部表皮材13eを縫い合わせて表皮13を縫製する一連の作業に容易に含ませることが可能である。従って、ヘッドレスト10の製造作業が面倒になることはほとんどない。
【0026】
(4)縫い目21のうち、横縫い目部21aは、底部20に沿って形成されている。圧縮部22におけるシワは底部20に沿うように発生するため、同じく底部20に沿うように形成された横縫い目部21aにより効果的にシワが吸収され、シワの発生が抑止される。
【0027】
(5)縫い目21は、横縫い目部21a及び縦縫い目部21bにより四角枠状に形成されている。このため、不規則に縫い目が形成される場合に比べ、意匠性が高い。
【0028】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記実施形態では、湾曲部19における圧縮部22において四角枠状の縫い目21を形成したが、図4に示すように底部20に沿って幅方向(ヘッドレスト10の左右方向)における一端から他端まで一直線状に縫い目21を形成してもよい。この場合、一縫いで縫い目21を形成することができるので、縫い目21の形成が容易となる。また、縫い目21は底部20に沿うように形成されるため、シワを効果的に抑止することができる。また、図5に示すように、底部表皮材13a,13bの両端部に底辺を有する三角形状に縫い目21を形成してもよい。或いは、前記実施形態において縦縫い目部21bを省略してもよい。これらのように、圧縮部22に縫い目21が形成されるならばその形状は特に限定されない。
【0029】
○ ヘッドレスト本体11の底部11a全体が凹状に湾曲したヘッドレスト10ではなく、一部分において凹状に湾曲する底部11aを備えるヘッドレストに本発明を適用してもよい。この場合、上記実施形態と同じく湾曲部における圧縮部に縫い目を形成することでシワの発生を抑止することができる。
【0030】
○ 縫い目21の封止処理としてテープ23を貼り付けたが、コーティング剤を塗布して封止処理を施してもよい。
○ 底部表皮材13a,13bにより表皮13のうちヘッドレスト本体11の底部11aを構成する部分を形成したが、一枚からなる底部表皮材であってもよい。
【0031】
○ 表皮13は、表皮層16、中間層17及びフィルム層18からなる3層構造に限らない。1層や3層以外の複数層で構成される表皮13であってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、縫い目を形成することで表皮にシワが発生することを抑止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上下が反転されたヘッドレストの斜視図。
【図2】図1の2−2線におけるヘッドレストの断面図。
【図3】底部表皮材の要部拡大図。
【図4】別の実施形態におけるヘッドレストの斜視図。
【図5】別の実施形態におけるへッドレストの斜視図。
【図6】従来のヘッドレストの斜視図。
【符号の説明】
10…ヘッドレスト、11…ヘッドレスト本体、13…表皮、14…発泡合成樹脂、15…開口部、19…湾曲部、20…底部、21…縫い目、22…圧縮部、23…テープ。
Claims (6)
- 表皮内に発泡合成樹脂が充填されてヘッドレスト本体が構成されているとともに、前記表皮に凹状の湾曲部が形成されているヘッドレストにおいて、
前記表皮の湾曲部には、その湾曲によって同表皮に圧縮力が作用する部分において縫い目が形成されていることを特徴とするヘッドレスト。 - 前記縫い目は、前記湾曲部の底部に沿って形成されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。
- 前記縫い目は、前記ヘッドレスト本体の幅方向における両端部に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のヘッドレスト。
- 前記縫い目は、前記発泡合成樹脂が注入される開口部を挟んで両側に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
- 前記縫い目は、前記表皮の一端から他端まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
- 前記表皮の裏面における前記縫い目の部分には、前記発泡合成樹脂が前記ヘッドレスト本体の表面側へ漏れ出すことを防止するための封止処理が施されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
Priority Applications (1)
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JP2003177182A JP2005007070A (ja) | 2003-06-20 | 2003-06-20 | ヘッドレスト |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
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JP2005007070A true JP2005007070A (ja) | 2005-01-13 |
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ID=34099842
Family Applications (1)
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Country | Link |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008029741A (ja) * | 2006-07-31 | 2008-02-14 | Inoac Corp | 袋状のカバー、カバーを備えた成形品及びヘッドレスト |
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2003
- 2003-06-20 JP JP2003177182A patent/JP2005007070A/ja active Pending
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