JP2005006963A - 弾球遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】アウト口からの不正行為防止と、遊技領域の見栄えを向上可能とした弾球遊技機を提供することである。
【解決手段】遊技領域内でいずれの入賞口にも入らない遊技球が、アウト球として遊技領域Aの最下部位に存しているアウト口16から遊技盤ベース裏側へと排出される弾球遊技機であって、前記アウト口16前方にアウト口16を前方より直視困難とする隠蔽構造34を備え、隠蔽構造34は、アウト口16前方にて、アウト球をアウト口16へと導くべく設けられたアウト球受部36と、該受部36の前端に立上げ形成された隠蔽壁37とからなる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、弾球遊技機に関し、遊技領域内でいずれの入賞口にも入らない遊技球が、アウト球として遊技領域最下部位に存しているアウト口から遊技盤裏側へと排出される弾球遊技機を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
図8は現在一般に使用されている弾球遊技機の一例であり、弾球遊技機は、一定の金額で一定量の遊技球を借り、この遊技球を発射装置により遊技領域Aに打ち出し、各種入賞口(始動口100,入賞口101,大入賞口102など)に遊技球を入れることにより、賞球を得て遊技者が楽しむものである。
このように各種入賞口100等に遊技球が入ることで所定量の賞球が得られるものであるが、遊技領域A内でいずれの入賞口100等にも入らなかった遊技球は、アウト球として遊技領域Aの最下部位に存しているアウト口200から遊技盤裏側へと排出される。
このアウト口200は、例えば、図8に示すように、遊技盤ベース300に備えた内レール(ガイドレール)400の弧の最深部を若干凹ませてアウト球受部500とし、その後部の遊技盤ベースに形成されている貫通口600をもって構成されている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−306708号(図1,図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記特許文献1を含め、一般的なパチンコ機にあっては、アウト口200を介して図示しない遊技盤裏側のソレノイド、センサのリード線等が遊技者側から視認できるものもある。
近年、このアウト口200を介して遊技機に不正行為や悪戯を働くという悪質な事件が見受けられている。
これは、遊技盤裏側の機械的・電気的構造等がアウト口200を介して遊技者側から直視できてしまうということに起因しており、このように遊技盤裏側の構造がアウト口200を介して遊技者側から直視できてしまうものでは、不正遊技客(針金やピアノ線等を使用して不正に遊技を行い、賞球を獲得してしまう遊技客をいう。ゴト師ともいう。)の標的になり易く不正行為を防止しにくいものであった。
【0005】
また、現在一般的に使用されている遊技機の遊技盤ベース300は、「合板材その他の材料で入賞口及び遊技くぎ等を固定することができ、かつ容易に曲がらない程度の硬度と強度を有するものであること。」とのように、パチンコ遊技機に係る規格にて材質が定められていることから、木材製が主流である。
このような遊技盤ベース300は、遊技領域Aを構成している表面301にあっては、種々の絵柄・模様などの装飾が施されて見栄え良く形成されているが、アウト口200を構成している貫通口600の内壁は、構成部材である木材が丸出しであるため、遊技者から直視されてしまう。これでは、表示領域の装飾を損ねてしまい遊技領域全体の見栄えを低下させてしまっているのが現状である。
本発明は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、アウト口からの不正行為防止と、遊技領域の見栄えを向上可能とした弾球遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために本発明がなした技術的手段は、遊技領域A内でいずれの入賞口12,13,14にも入らない遊技球が、アウト球として遊技領域Aの最下部位に存しているアウト口16から遊技盤の裏側へと排出される弾球遊技機を対象とし、前記アウト口16前方に、アウト口16を前方より直視困難とする隠蔽構造34を備えたことを特徴とする。
このような技術的手段を講じることにより、アウト口16は遊技者側から直視し難くなる。従って、アウト口16から不正手段を講じて不正行為をしたり、悪戯をしたりすることが困難となる。
前記隠蔽構造34は、例えば、アウト口16前方にて、アウト球をアウト口16へと導くべく設けられたアウト球受部36と、該受部36の前端に立上げ形成された隠蔽壁37とから構成されている。
そして、このようにアウト口16が隠蔽構造34により遊技者側から直視し難くなっている。従って、アウト口16を構成する貫通口の内壁の木材が遊技者側から見え難くなるため、遊技領域Aの装飾性を損なわず遊技領域Aの見栄えを向上させることとなる。
アウト球受部36を設けた上で隠蔽壁37を設けているため、アウト球のアウト口16への排出経路が確保され、効果的な位置に隠蔽壁を配置できる。
また、隠蔽構造34の他の構成例として、アウト球をアウト口16方向へと転動案内する内レール20aを有し、該内レール20aの最深部20a´にアウト球受部36を設け、前記アウト口16とアウト球受部36は、内レール20aの最深部20a´におけるアウト球転動面33よりも下方に位置付けられているものが挙げられる。
前記アウト口16とアウト球受部36は、内レール20aの最深部20a´におけるアウト球転動面33よりも下方に位置付けられている構成を採用すれば、アウト口を覆い隠すように配置できるため、さらに遊技者側からのアウト口視認性が悪くなる。
隠蔽壁37の内面に、アウト球排出案内面38を設けることにより、アウト球のアウト口16への排出が図られる。
前記アウト口16に対面する隠蔽壁37の内面は、アウト口16方向に下り傾斜状に形成されたアウト球排出案内面38とすれば、さらにアウト球のアウト口16への排出に寄与することができる。
このアウト球排出案内面38とアウト球受部36のいずれか一方若しくは双方には、アウト球をアウト口16へと誘導する誘導溝39,41を設けることが好ましい。
アウト球排出案内面38とアウト球受部36のいずれか一方若しくは双方に、アウト球をアウト口16へと誘導する誘導溝39,41を設ける構成を採用すればさらにアウト球のアウト口16への排出案内作動に寄与するばかりか、誘導溝を形成することにより設けられた複数のリブが補強リブとして作用するため、隠蔽構造の剛性を高めることが出来る。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態に係る弾球遊技機について、図1を参照して説明する。
なお、本実施形態では、遊技盤ベースの略中央に開口を設け、該開口に特別図柄表示装置などの識別情報表示装置を嵌め込む一般的な形態ではなく、遊技盤ベースを透明部材で形成すると共に、該遊技盤ベースの裏側に識別情報表示装置を配置して、該透明の遊技盤ベースを介して裏側の識別情報表示装置の表示などを視認可能とした新規形態であり、以下この構成に基づいて説明はするが、本発明は、アウト口を介した不正行為防止と遊技領域の見栄え向上を図るために隠蔽構造を設けた点に特徴的な構成を有するものであるため、本実施形態で一例として説明するような弾球遊技機に限定して解釈するものではなく、上述したような遊技盤ベースの略中央に開口を設け、該開口に特別図柄表示装置などの識別情報表示装置を嵌め込む構造を採用した現在一般に流通されている形態の弾球遊技機をも対象とすることはいうまでもない。
【0008】
図1は、本発明を適用した弾球遊技機(パチンコ機ともいう)の一例であり、遊技枠1に本体2を開閉可能に支持している。
本体2の前面上部には、ガラス板4を嵌めたフロント扉3を有し、その内方に遊技盤ベース19を備える。本体2の前面下部には、貸球及び賞球を受け止める上皿5、上皿5満杯時に球出口の内方で溢れた球を受け止める下皿6、発射装置のハンドル7を備える。ハンドル7のレバー7aを時計方向に回転させることにより、内蔵する発射ソレノイドを作動させて遊技球を遊技領域Aに打ち出す。
そして、遊技枠1の内枠セット8側には、特別図柄・演出表示等を行う液晶ディスプレイなどからなる識別情報表示装置(例えば、特別図柄表示装置)9が装着されている。本実施形態にて使用される液晶ディスプレイ9は、図2で、HとWで示す範囲の遊技盤ベース19の大形の表示領域Bに対応するサイズ(例えば液晶画面15インチサイズなど)のものとする。
遊技盤ベース19は、遊技領域Aを区画すると共に、該遊技領域Aに発射ソレノイドから打ち出される発射球を導くガイドレール20(内レール20a,外レール20b)、遊技領域Aに打ち出された遊技球が当たり、遊技球の流下方向を転動案内する遊技球誘導部材22、前記表示装置の変動表示を起動すると共に、大当たりとするか否かの抽選処理を起動するチューリップ式の普通電動役物からなる始動口12、大当たり時に開放するアタッカと称する第一種特別電動役物の大入賞口13、一般入賞口となる左右の入賞口14、左右の風車15、そして遊技領域Aでの入賞を逃したアウト球を排出するアウト口16を遊技領域Aの下方に備える。
そして本発明では、このアウト口16を遊技者側から直視困難なように隠蔽する隠蔽構造34を備えている。
図中17は、遊技盤ベース19に打たれている多数の遊技釘である。なお、図中、遊技盤ベース19の裏側下方に配設されているのは主制御基板18である。
上皿5には、効果音やBGM、エラー音などを出力するステレオ式のスピーカ10を内蔵すると共に、遊技機に隣接して設置される図示しないCRカードユニットから球貸し等するための操作スイッチ11を備える。
【0009】
隠蔽構造34は、遊技盤ベース19の遊技領域Aの下方に設けたアウト口16の前方に、アウト口16を前方より直視困難とするよう隠蔽できるもので、例えば次のような形態が一例として挙げられる。
例えば、図3・図4に示すように、アウト球をアウト口16方向へと転動案内する内レール(インサイドレールともいう)20aの最深部20a´から下方に立ち上がり壁35を一体的に延設すると共に、該立ち上がり壁35から連続してアウト球受部36を一体的に設け、該受部36の前端(遊技者側端部)に一体的に連続して隠蔽壁37を立ち上げ形成して構成されている。
すなわち、本実施形態では、アウト球受部36と左右の立ち上がり壁35,35と隠蔽壁37とで構成し、アウト口16前方に配設されることでポケット状に形成されている。このポケット形状を深くすればする程、遊技者側からのアウト口16の視認性を悪くすることができる。
また、本実施形態では、この隠蔽構造34を左右の内レール20a,20aと共に一体成形しているが、左右の内レール20aと別体で形成するものであっても、いずれか一方の内レール20aと一体成形されるものであってもよく、いずれも本発明の範囲内である。
なお、アウト口16前方にて、アウト球をアウト口16へと導くべく設けられたアウト球受部36と、該受部36の前端に立上げ形成された隠蔽壁37とから少なくとも構成されているものであれば本発明の構成要件としては満たされるため、本実施形態にて説明していない他の構成を適宜付加することもでき任意である。
【0010】
アウト球受部36は、内レール20aの幅よりも遊技盤ベース19方向に長尺に突出して形成されており、配設時にその突出するアウト球受部36の一部又は全部がアウト口16を構成する貫通口内に挿入配設される。アウト球受部36の横幅は、貫通口内面の横幅に嵌り合う程度の幅とする。
さらに、アウト球受部36は、隠蔽壁37方向からアウト口16方向に向けて下り傾斜状に形成し、アウト球のアウト口16への転動排出作動を向上させている。アウト球受部36の傾斜角度は特に限定されず、アウト球をアウト口16方向へ転動可能と誘導する程度に僅かに傾斜させていればよい。
隠蔽壁37の高さは、図示例では内レール20aの最深部20a´におけるアウト球転動面33よりも僅かに低い位置としているが、これに限定されるものではなく、アウト口16を遊技者側から直視し難くする高さであればよく、前記アウト球転動面33と同一レベル若しくは高い位置に設定することも可能である。
このように隠蔽構造34を採用することにより、遊技者側からのアウト口16の隠蔽効果のみでなく、例えば隠蔽壁37やアウト球受部36に他の遊技領域Aに施した装飾と関連付けた装飾をさらに施すこともできるため、遊技領域Aの装飾性を向上し見栄えをさらによくすることができる。
【0011】
本実施形態では、前記アウト口16とアウト球受部36は、内レール20aの最深部20a´におけるアウト球転動面33よりも下方に位置付けられている。すなわち、このように構成することで、遊技者が遊技盤に対して真正面を向いた際の視界領域からアウト口16位置を下方向に外すことが出来、これに隠蔽壁37を備えることで、遊技者側からのアウト口16の視認性がさらに悪くなり、不正行為防止や見栄え向上が図り易い。
【0012】
アウト口16に対面する隠蔽壁37の内面は、アウト口16方向に下り傾斜状に形成されたアウト球排出案内面38とする。このアウト球排出案内面38の傾斜角度は特に限定されず、アウト球をアウト口16方向へ転動可能とする程度に僅かに傾斜させていればよい。また、前記したアウト球受部36の傾斜角度と同一であっても異なるものであってもよく制限はされない。また、アウト球排出案内面38は本発明において特に限定して設けなければならないものではなく、例えば内レール20aから転動移動してきたアウト球が、アウト口16前方で溜まることなく、流れよくアウト口16へと排出される構成であればよい。
【0013】
そして、このアウト球受部36とアウト球排出案内面38の双方には、アウト球をアウト口16へと誘導案内する誘導溝39,41を設けることが好ましい。誘導溝39,41は、本実施形態では、それぞれアウト口16方向に向けて凹設した所望深さの縦溝で、横方向に所定間隔をもって複数本形成されている。溝深さ・溝幅・溝長さなど特に限定されず、アウト球の転動作動を損なわず、アウト口16方向へと誘導可能な構成であれば本発明の範囲内で設計変更可能である。本実施形態では、直線形状に誘導溝39,41を構成しているが、溝形状はなんらこれに限定されるものではなく、蛇行状溝など任意の形状が本発明の範囲内で選択されるものである。
なお、誘導溝39,41は、アウト球排出案内面38とアウト球受部36のいずれか一方のみに設ける構成としてもよく本発明の範囲内である。
また、この誘導溝39,41を設けることにより、各溝間に形成されるリブ40,42が補強リブとして作用し、隠蔽構造の剛性を高める。
【0014】
特に限定されるものではないが、図5に示すように、このアウト球受部36に、貫通口の内壁横面に密着可能な横壁43を立設するものとしてもよい。
なお、このような構成を採用する場合には、アウト口16の口径が狭くなり、アウト球の排出に弊害を及ぼすようなことがないように十分留意する。
このように構成することで、アウト口16を構成する貫通口の底面・横壁面が被覆されることとなり、貫通口内壁の木材を覆い隠すことができる。また、アウト球受部36と左右の横壁43,43を備え、これらがアウト口16に嵌り合う形態とすれば、隠蔽構造のがたつきもなく取り付け固定上大変有用である。
【0015】
遊技盤ベース19は、本実施形態では、ガイドレール20により区画された遊技領域Aを構成する部分のみを少なくとも透明部材により形成し、始動口12と大入賞口13と入賞口14を取り付ける開口、及びアウト口16のみが遊技盤ベース19前面に開けられている。また、本実施形態では、遊技球誘導部材22を構成するステージ29よりも下方部分の領域に遊技盤ベース19の裏面側から化粧パネル21を取り付けて遊技盤ベース19の装飾を図っている。
すなわち、本実施形態によれば、この化粧パネル21を取り付けた領域を除く残りの領域、すなわち、図2で符号HとWで示す大きな領域全体が表示領域Bとなっており、この表示領域Bの裏側に表示装置9を配設する。
遊技盤ベース19は、例えば次のような形態を一例として挙げられる。なお、これらは一例にすぎず、遊技盤ベース19の全体形状は特に限定されない。
図6(a)は、表示領域Bにあたる部分全体を透明部材aで形成すると共に、その下方領域全体を木製部材bで形成してなるもの、図6(b)は、全体を木製部材bで形成すると共に、その中心部分に嵌合穴を形成し、該嵌合穴に表示領域Bとなる透明部材aを嵌合してなるもの、図6(c)は全体を透明部材aとすると共に、その中心部分に表示領域Bとしての透明部分を残してその周囲(裏面側)を着色塗装して非透過としたもの等が代表例として挙げられる。
従って、従来のように、遊技盤ベースの略中央位置に表示装置組み込み用の大きな開口は本発明では設けることがない。
なお、本実施形態のように遊技領域A部分に限らず、遊技盤ベース19全体を透明部材で形成しても構わない。また、遊技領域A全体ではなく上述の表示領域Bのみを透明部材とすることも可能である。
【0016】
遊技盤ベース19を形成する透明部材は、遊技球誘導部材22・入賞口12・13・14などの役物全て及び遊技釘17等を固定でき、かつ、容易に変形(曲がらない)又は変質しない程度の硬度・強度等を有し、かつ透明な材質のものを選択する。例えば、透明性の高い硬質の合成樹脂材が一例として挙げられ、さらに具体的には、無色透明のアクリル樹脂材、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂などが任意に選択される。
【0017】
遊技球誘導部材22は、遊技領域Aに打ち出された遊技球が当たり、遊技球の流下(落下)方向を転動案内する部材で、本実施形態では、遊技領域Aの中央部上方部位(「天」ともいう。)に配設される天通路23と、遊技領域Aにおいて天通路23よりも表面方向から視て下方に配設されるステージ29とする。なお、本実施形態では天通路23とステージ29を遊技球誘導部材22としているが、単なる一実施形態であって、本発明において、常に天通路とステージを遊技盤ベース上に備えていなければならないというものではなく、天通路23やステージ29に代えて、若しくは天通路23・ステージ29と共に他の遊技球誘導部材を備えるものであっても本発明の範囲内である。
遊技球誘導部材22は、遊技盤ベース19にネジ・ボルトなどを介して固定でき、かつ、容易に変形(曲がらない)又は変質しない程度の硬度・強度を有し、かつ透明な材質のものを選択する。例えば遊技盤ベース19を形成する透明部材と同様、硬質の合成樹脂材が一例として挙げられ、さらに具体的には無色透明のアクリル樹脂材、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂などが任意に選択される。
【0018】
天通路23及びステージ29は、その全体形状において特に図示例に限定解釈されるものではなく、本実施形態では、遊技盤ベース19に取り付けられるベース部24,30と、該ベース部24,30から立上げ形成される遊技球誘導面部27,31とにより夫々構成されている。
【0019】
天通路23は、遊技盤ベース19中央上方に配設される遊技球誘導部材22で、遊技盤ベース19にネジ止め固定されるベース部24と、該ベース部24の上端縁から正面方向直角に立設されている正面視最上部にある切妻屋根状の第一よろい部25と、該第一よろい部25の左右にて下がった状態で、ベース部24の上端縁に沿って、かつ正面方向直角に立設されている第二よろい部26と、前記ベース部24の下端縁全域に沿って、かつ正面方向直角に立設されている遊技球誘導面部27により構成されており、第一よろい部25と、左右の第二よろい部26との間には、遊技球が通過して遊技球誘導面部27へと案内する切欠き28が形成されている。なお、切欠き28の位置、配設数、配設形状などは特に限定はされず設計変更可能である。
また、第一よろい部25及び左右の第二よろい部26の上面にあっても、遊技球があたり、遊技球の流下(落下)方向を転動案内する遊技球誘導面部27である。
なお、天通路の形態は一実施形態にすぎず、他の形態を本発明にて適用することは設計変更可能である。
【0020】
ステージ29は、遊技盤ベース19に設けられた遊技球通過検知領域(本実施形態では始動口12)の上方に配設される遊技球誘導部材22で、遊技盤ベース19にネジ止め固定されるベース部30と、該ベース部30の上端縁から正面方向直角に立設されている遊技球誘導面部31とで構成されている。
そして、始動口12の上方部位にあたる位置に遊技球落下部32を設けている。本実施形態では、始動口12と相対向する遊技球誘導面部31、すなわち、ステージ29の遊技球誘導面部31の最も深い谷部分にあたる部位31aを、前面側からベース部方向に向けて、遊技球が落下可能な形状に形成した切欠きをもって遊技球落下部32としている。
なお、本実施形態では、始動口12をもって遊技球通過検知領域としているが、特に限定して解釈されるものではなく、例えば、入賞口から遊技球通過センサまでの領域や、ゲート(何らかの遊技価値を与える遊技球の通過領域で、一般的には図柄表示装置の作動開始、または作動停止を行う信号を発生するものを言う。例えばスタートチャッカー等。)などを含むもので、本発明の範囲内で設計変更可能である。
このように遊技球落下部32をステージに設けた理由は、本発明によれば、従来のように遊技盤ベースに凹設した開口にステージを嵌め込む構成とは異なり、平坦な遊技盤ベース19面上にステージ29を立設する構成としているため、ステージ29の遊技球誘導面部31とガラス板4との間の距離が狭くなり、遊技球誘導面部31とガラス板4との間から入賞口12へと遊技球を落下させることは不可能なためである。
また、遊技球落下部32は、切欠きに代えて、所望径の穴を設けるものとしてもよく、さらに、ステージ29を左右二分割構成とし、遊技球が落下可能な隙間を空けて夫々のステージを遊技盤ベース19に取り付け固定する構成を採用することも可能である。
なお、ステージ29の形態は一実施形態にすぎず、他の形態を本発明にて適用することは設計変更可能である。
【0021】
本実施形態では、遊技球誘導部材22を構成する天通路23及びステージ29が、遊技盤ベース19にベース部24,30をネジ止めして取り付ける構成を採用しているが、遊技盤ベース19裏側に配設する表示装置9の表示に支障を来たさないものであれば他の構成を採用して遊技盤ベース19に取り付け固定するものとしてもよい。
例えば、天通路23・ステージ29に、同一の透明部材で嵌合突起を形成し、この嵌合突起を嵌合させて固定する嵌合凹部を遊技盤ベース側に形成し、両者の嵌合構造によって強固に連結固定する構成であってもよい。
【0022】
また、遊技球誘導部材22は、図7に示すように、その形状からして一体成形可能なものであれば、遊技盤ベース19と共に一体成形されて遊技盤ベース19の表面所望位置に遊技球誘導面部27,31が立設されているものとしてもよい。このように遊技球誘導部材が遊技盤ベースと一体成形されるものの場合、少なくとも遊技球誘導面部27,31のみが遊技盤ベース19の表面から立設されていればよく、ベース部が不要となる。ベース部24,30が不要となる結果、ベース部の肉厚分がなくなるため、遊技盤ベース裏面側の表示装置9の画像・演出表示などがさらに視認しやすくなる。
このように構成すれば、遊技球誘導部材を別途成形する成形手間・成形コスト及び遊技球誘導部材の取り付け手間が軽減できる。
【0023】
従って、遊技盤ベース19を透明部材で形成すると共にその裏面側に大形の表示装置9を配設し、かつ天通路23・ステージ29などの遊技球誘導部材22も透明部材で形成して遊技盤ベース19上に取り付けるものとしたため、透明な遊技盤ベース19の裏側から該遊技盤ベース19を介して表示装置9で表示する表示領域Bが、遊技球誘導部材配設位置を超えた大きい領域、すなわち、従来のように遊技球誘導部材22(天通路23とステージ29)で囲まれた表示領域よりも大きな表示領域Bが確保でき、遊技球誘導部材22の存在にもとらわれず、各種表示をすることができ、演出効果を向上できる。
【0024】
遊技盤ベース19及び遊技球誘導部材22は、本実施形態ではそれぞれの部材の全部を透明な合成樹脂材をもって形成しているが、仕様によっては遊技盤ベース19と遊技球誘導部材22のいずれか一方若しくは双方の任意の一部領域のみが透明部材で形成されているものとすることも可能で、本発明の範囲内である。透明部材は無色透明とするが、遊技盤ベース19裏面側の表示装置9の演出等が表示可能な程度であれば有色透明部材を採用することも可能である。透明部材は、例えば合成樹脂材である。また仕様によっては遊技盤ベース19・遊技球誘導部材22に、模様を施すことも可能である。この場合、模様は無色透明の線図が好ましいが、遊技盤ベース19裏面側に配設される表示装置9の表示構成によっては有色模様を施すことも可能で本発明の範囲内である。
【0025】
表示装置9は、前記遊技盤ベース19の表示領域Bのサイズに対応する画面サイズ(例えば、本実施形態では15インチ)を有している液晶ディスプレイがその一例として適用される。なお、表示装置9は、特に限定されるものではないが、好ましくは前記表示領域Bとして確保された全域を一杯に使用できるように設定されているものが良く、種々の形態が適用可能である。
例えば、正面から視て、横方向の三列にわたって数字、記号等の特別図柄(左特別図柄・中特別図柄・右特別図柄)を変動表示させる液晶ディスプレイなどからなる識別情報表示装置が適用可能である。
ここで「識別情報」とは、数字、キャラクタ等で構成され、「識別情報」が所定態様になったことを条件に、所定の遊技状態に移行する可能性のあるもの、例えば特別図柄・普通図柄・飾り図柄や演出態様で当たりを示すもの等も含むものとする。
また、縦方向若しくは斜め方向の識別情報を変動表示させるものであったり、また、キャラクタが表示領域内で動作したり、背景が動作したりするものなど任意に設定可能である。
従って、識別情報は、天通路23とステージ29の遊技球誘導部材22にて画成された(囲まれた)表示領域内で表示するものであってもよいが、これら遊技球誘導部材22で画成された(囲まれた)表示領域を超えた大きな表示領域を目一杯使用して表示するものであってもよく、また、識別情報を遊技球誘導部材22で画成された(囲まれた)表示領域内で表示し、その領域及び領域を超えたところで背景を表示すると共に、キャラクタ表示などをすることも可能である。
なお、このような識別情報表示装置と、識別情報表示以外の演出効果を高める表示装置を遊技盤ベース19の表示領域B内で、該遊技盤ベース19の裏面側に並設させる構成を採用することもできる。
【0026】
また、本実施形態では、遊技盤ベース19及び遊技球誘導部材22のみを透明部材により形成するものとしたが、遊技盤ベース19に配設される部材、若しくは遊技盤ベース19と一体成形される部材などを透明部材により形成することをなんら妨げるものではなく、本発明の範囲内で適宜設計変更可能である。例えば、ガイドレール20等を透明部材により形成することは本発明の目的から見ても好ましい実施の形態といえる。
【0027】
このように遊技盤ベースを透明部材とすることにより、アウト口を構成している貫通口は透明部材であるため何等表示領域の装飾性を損ねるものでもない。
さらに、遊技盤ベースの裏側に表示装置を配設するものとしても、遊技盤ベース表面から表示装置の図柄や画像などが直接視認できる。従って、従来のように、遊技盤ベースに形成した開口に表示装置を嵌め込む構成を採用しなくてよいため、遊技領域における表示領域の制約を受けずに済む。これにより、遊技領域中で大きな表示領域が確保でき、各種表示が自由に行え、演出効果を向上させることを可能とする弾球遊技機が提供できる。
遊技盤ベース上に遊技球誘導部材を備えているものにあっては、遊技盤ベースと共に遊技球誘導部材も透明部材により形成するものとすれば、たとえ遊技領域を大きく取り、その領域内に遊技球誘導部材が存在していても、該遊技球誘導部材が裏側の表示装置の表示を妨げるようなこともない。従って、役物の遊技球誘導部材が表示の邪魔とならず、誘導部材に囲まれた表示領域にとらわれず、遊技球誘導部材配設領域を超えて大きな表示領域が確保できるため、各種表示することができ、演出効果を向上できる。
従来のように遊技球誘導部材及び表示装置嵌め込み固定用の開口を設ける必要が無いため、開口と遊技球誘導部材の位置合わせ、開口と表示装置の位置合わせなどの面倒な作業手間も解消される。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、上述したとおりの構成を有するため、遊技盤上のアウト口は遊技者側から直視し難くなる。従って、アウト口から不正手段を講じて不正行為をしたり、悪戯をしたりすることが困難となり、不正行為防止効果が向上する。
そして、このようにアウト口が隠蔽構造により遊技者側から直視し難くなっているため、アウト口を構成する貫通口の内壁の木材が遊技者側から見え難くなり、遊技領域の装飾性を損なわず遊技領域の見栄えを向上させることとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明弾球遊技機の一実施形態を示す開扉状態の概略斜視図。
【図2】遊技盤を拡大して示す概略正面図。
【図3】隠蔽構造の一実施形態を示す斜視図。
【図4】図3の隠蔽構造の要部を示す背面図。
【図5】隠蔽構造の他の実施の形態を示す斜視図。
【図6】遊技盤ベースの一実施形態を示す概略斜視図。
【図7】遊技盤の他の実施形態を拡大して示す概略正面図。
【図8】従来の弾球遊技機を示す斜視図。
【符号の説明】
9:表示装置(液晶ディスプレイ)
16:アウト口
19:遊技盤ベース
20a:ガイドレール(内レール)
20a´:最深部
33:アウト球転動面
34:隠蔽構造
35:立ち上がり壁
36:アウト球受部
37:隠蔽壁
38:アウト球排出案内面
39,41:誘導溝
40,42:リブ

Claims (7)

  1. 遊技領域内でいずれの入賞口にも入らない遊技球が、アウト球として遊技領域最下部位に存しているアウト口から遊技盤裏側へと排出される弾球遊技機であって、前記アウト口前方にアウト口を前方より直視困難とする隠蔽構造を備えたことを特徴とする弾球遊技機。
  2. 隠蔽構造は、アウト口前方にて、アウト球をアウト口へと導くべく設けられたアウト球受部と、該受部の前端に立上げ形成された隠蔽壁とからなることを特徴とする請求項1に記載の弾球遊技機。
  3. アウト球をアウト口方向へと転動案内する内レールを有し、該内レールの最深部にアウト球受部を設け、前記アウト口とアウト球受部は、内レールの最深部におけるアウト球転動面よりも下方に位置付けられていることを特徴とする請求項2に記載の弾球遊技機。
  4. アウト口に対面する隠蔽壁内面は、アウト口方向に下り傾斜状に形成されたアウト球排出案内面としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の弾球遊技機。
  5. アウト球排出案内面には、アウト球をアウト口へと誘導する誘導溝を設けたことを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
  6. アウト球受部には、アウト球をアウト口へと誘導する誘導溝を設けたことを特徴とする請求項2又は3のいずれかに記載の弾球遊技機。
  7. アウト球受部とアウト球排出案内面の双方には、アウト球をアウト口へと誘導する誘導溝を設けたことを特徴とする請求項4に記載の弾球遊技機。
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JP2008086552A (ja) * 2006-10-02 2008-04-17 Heiwa Corp 弾球遊技機
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