JP2005006726A - X線ct装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ないX線照射で高速にMPR画像を生成するX線CT装置を提供する。
【解決手段】MPR画像生成範囲の断層画像撮影において、1枚目の撮影では物体断面の全範囲にX線を照射し、1回転分の透過X線データを取得する。2枚目以降の撮影ではMPR画像生成範囲のみにX線を照射し、X線を照射しない部分の投影データには1枚目のデータをあてはめて1回転分の透過X線データを作成する。このようにして求めた透過X線データからMPR画像生成領域について部分断層画像を再構成し、この部分断層画像をつなげてMPR画像を生成する。
【選択図】 図1
【解決手段】MPR画像生成範囲の断層画像撮影において、1枚目の撮影では物体断面の全範囲にX線を照射し、1回転分の透過X線データを取得する。2枚目以降の撮影ではMPR画像生成範囲のみにX線を照射し、X線を照射しない部分の投影データには1枚目のデータをあてはめて1回転分の透過X線データを作成する。このようにして求めた透過X線データからMPR画像生成領域について部分断層画像を再構成し、この部分断層画像をつなげてMPR画像を生成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線CT装置に係り、特にMPR画像を生成するX線CT装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置では、被検体の断層画像を撮影したり、撮影した断層画像を基にMPR(Multi−Planer Reconstruction)画像を生成することが行われている。
【0003】
従来のX線CT装置の例を図6に示す。このようなX線CT装置で断層画像を生成するには、被検体のどの位置からどれだけの範囲の断層画像を撮影するかスキャン計画を立て、設定を行う。中央処理部でその情報が処理され、X線制御部やコリメータ制御部、スキャナ制御部にてスキャナが制御される。
【0004】
図7に示すように、スキャナ部分ではX線管と検出器が撮影領域を挟んで対向する位置に固定されており、それらが一回転する間にX線管からX線が照射され、検出器にて被検体透過後のX線を測定する。検出器は複数の検出素子から構成されており、それらの素子から得られるデータにチャンネル番号を割り当てている。また、スキャナが1回転する間のサンプリング回数をビュー数とすると、検出器から得られた1回転分のデータは投影データ変換部で図8のような2次元投影データに変換される。図8の横方向は検出器のチャンネル番号、縦方向はビュー数である。
【0005】
再構成処理部では、この投影データにフィルターリング(畳み込み重積法)とバックプロジェクション(逆投影)を行い、被検体の断層画像を再構成する。
【0006】
MPR画像の生成は、断層画像を再構成した後に、取得したいMPR画像範囲の複数の断層画像からMPR画像に必要な箇所の画像データを抽出し、それらを並べて1枚の画像とすることで行われる(図9参照)。このようなMPR画像生成の流れを図10に示す。
【0007】
また、MPR画像を表示する三次元画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−101449号公報(第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のX線CT装置では、MPR画像を生成するために、まずそのMPR画像の範囲の断層画像全てを全領域分再構成する必要がある。しかしMPR画像は断層画像の一部分の集合体であり、断層画像の撮影においてMPR画像の生成に使用しない箇所にもX線が照射されているので、本来は必要の無いX線を照射し無効被爆を招いている。また、検出器で得られる断層画像全範囲のデータからMPR画像が生成可能な投影データへの変換や、断層像の全領域を再構成する処理に時間を要している。
【0010】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、少ないX線照射で高速にMPR画像を生成するX線CT装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明に係るX線CT装置は、被検体のMPR画像生成領域のみにX線を照射して透過X線データを取得するデータ取得手段と、前記MPR画像生成領域以外についてあらかじめ用意されたデータを前記透過X線データにあてはめることにより、前記被検体の断層像再構成に必要な透過X線データを作成するデータ作成手段と、前記作成した透過X線データに基づいて、前記被検体のMPR画像生成領域における部分断層画像を再構成する再構成手段と、前記再構成した部分断層画像を用いてMPR画像を生成する画像生成手段と、を有している。
【0012】
本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、被検体のMPR画像生成領域のみについて透過X線データが取得される。MPR画像を生成する領域以外についてはあらかじめ用意されたデータをあてはめるので、X線を照射して透過X線データを取得する必要はない。
【0013】
また、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、透過X線データから部分断層画像を再構成し、その部分断層画像からMPR画像を生成する。すなわち、被検体断面の全ての領域について断層像の再構成を行う必要はなく、処理の対象となるデータ量を低減することができる。部分断層画像の再構成は、1回転分の透過X線データから行うことができる。
【0014】
このようにして、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、少ないX線照射で高速にMPR画像を生成することができる。
【0015】
本願発明第2の特徴に係るX線CT装置は、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置において、前記データ作成手段は、前記被検体の断面の全範囲にX線を照射して得られた透過X線データをあてはめることを特徴としている。
【0016】
断層画像の再構成に用いる透過X線データにおいて、MPR画像生成領域以外については任意のデータをあてはめることが可能であるが、被検体の断面の全範囲にX線を照射して得られた透過X線データをあてはめることで、MPR画像のノイズやアーチファクト(偽像)を低減することができる。
【0017】
なお、本願発明第2の特徴に係るX線CT装置では、被検体の断面の全範囲に対するX線の照射は、任意の体軸方向位置において1度行えばよい。例えば、断層画像1枚目については被検体の断面の全範囲にX線を照射して透過X線データを取得する。2枚目以降の断層画像においてはMPR画像生成領域についてのみX線を照射し、それ以外の領域については1枚目のデータをあてはめて断層画像の再構成に必要な透過X線データを作成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係るX線CT装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1に、本実施の形態が適用されたX線CT装置10の構成を示す。X線CT装置10は、中央処理部12により撮影対象物99のスキャン計画を処理し、X線制御部18やコリメータ制御部20、スキャナ制御部22によりスキャナ24を制御する。X線照射領域演算処理部14は、コリメータ制御部20を制御してX線照射領域を調節する。
【0020】
スキャナ24は、X線管球26と検出器30とが撮影領域を挟んで対向する位置に固定されており、相対的な位置関係を保持しつつ回転する。スキャナが回転する間にX線管球26からX線が照射され、検出器30が撮影対象物99透過後のX線量を測定する。X線管球26が照射するX線はコリメータ28により照射方向および幅が調整され、スキャン計画に従って撮影対象物99にX線が照射される。
【0021】
投影データ変換部34は、検出器30が測定したX線量を2次元投影データに変換する。変換された2次元投影データは、投影データ保存部40に保存される。
【0022】
再構成処理部42は、投影データ保存部40に保存されているデータを用いてデータのあてはめを行うことにより撮影対象物99の各断層位置における1回転分の投影データを作成し、作成した投影データから部分断層画像の再構成を行う(後述)。なお、断層画像の全領域について再構成を行う場合は、投影データ変換部34が変換した投影データを用いて、再構成処理部36が再構成処理を行う。
【0023】
MPR画像作成部38は、再構成処理部42が再構成した部分断層画像からMPR画像を作成する(後述)。断層画像およびMPR画像は、画像表示部46に表示される。
【0024】
操作部48は、図示しないキーボードやマウス、スイッチ等を含み、スキャン計画の設定や画像表示等の指示入力が可能に構成されている。
【0025】
次に、上記実施の形態の作用を説明する。X線CT装置10では、操作者は、撮影対象物99のどの部分のMPR画像を作成するのか、というスキャン計画を操作部48を介して設定する。X線CT装置10は、該スキャン計画の指示入力に基づいてスキャナ24を制御し、撮影対象物99にX線を照射して投影データを得る。
【0026】
この際、1枚目の断層画像では撮影対象物99の断面の全範囲にX線を照射し、1回転全体の投影データを得ておく。2枚目以降の断層画像ではMPR画像の対象位置のみにX線を照射し、その部分の投影データを得る。図2(a)に、撮影対象物99にX線が照射されたときの投影データ収集範囲、およびX線がMPR画像作成部分を透過する範囲を示す。1枚目の断層画像では撮影対象物99の全範囲についてのデータ(図中Aの範囲)が、2枚目以降の断層画像では撮影対象物99のMPR画像作成範囲についてのデータ(図中Bの範囲)が取得される。
【0027】
このように、X線CT装置10では、2枚目以降の断層画像ではMPR画像作成範囲についてのみX線を照射するので、X線照射量を少なくすることができる。
【0028】
なお、図2(b)に示すように、データが取得される範囲はスキャナ24の回転に従って変化する。また、図2(c)に示すように、MPR画像作成部分にはある程度の幅を持たせておくことが好ましい。
【0029】
スキャナ24が1回転して得られるデータを図3に示す。図3(b)の横軸方向はチャンネル番号、縦軸方向はビュー数であり、網掛け部分はMPR画像作成部分を透過するデータの範囲を表している。このような投影データが、MPR画像作成範囲について取得される。
【0030】
得られた投影データから部分断層像を再構成するが、2枚目以降の投影データにはMPR画像の対象位置を透過する部分のデータしか存在しない。そこで、2枚目以降の投影データにおいては、X線を照射しない部分に1枚目の投影データをあてはめ、1回転全体の投影データを獲得する(図4参照)。
【0031】
この際、シミュレーションにより作成したデータをあてはめることも可能であるが、上述のように、実際のデータに近いデータ1枚目の投影データをあてはめることで、作成するMPR画像のノイズやアーチファクトを低減することができる。
【0032】
投影データのそれぞれからMPR画像部分のみの部分断層画像を再構成し、再構成したそれぞれの部分断層画像を1枚の画像につなげてMPR画像を作成する(図5参照)。このように、X線CT装置10では、1回転分の投影データからMPR画像部分のみの部分断層像を再構成するので、MPR画像を高速に作成することができる。
【0033】
なお、部分断層画像に基づくMPR画像の作成は、従来から用いられている技術により行うことができる。
【0034】
以上説明したように、X線CT装置10では、少ないX線照射で高速にMPR画像を作成することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では1枚目の断層画像において撮影対象物99の断面の全範囲にX線を照射し、得られた投影データを2枚目以降にあてはめる場合について説明しているが、全範囲へのX線の照射は1枚目の断層画像に限らず、2枚目以降の任意の断層画像で行うようにしてよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少ないX線照射で高速にMPR画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係り、X線CT装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一の実施の形態に係り、データ収集範囲を示す概念図である。
【図3】本発明の一の実施の形態に係り、スキャナ1回転分の投影データを示す図である。
【図4】本発明の一の実施の形態に係り、投影データのあてはめを示す概念図である。
【図5】本発明の一の実施の形態に係り、MPR画像作成の流れを示す概念図である。
【図6】従来のX線CT装置の構成例を示す図である。
【図7】従来のX線CT装置によるX線透過データの取得を示す図である。
【図8】従来のX線CT装置により取得した投影データを示す概念図である。
【図9】従来のX線CT装置による断層画像およびMPR画像を示す概念図である。
【図10】従来のX線CT装置によるMPR画像作成の例を示す概念図である。
【符号の説明】
10・・・X線CT装置、14・・・X線照射領域演算処理部、18・・・X線制御部、20・・・コリメータ制御部、22・・・スキャナ制御部、24・・・スキャナ、28・・・コリメータ、34・・・投影データ変換部、38・・・MPR画像作成部、40・・・投影データ保存部、42・・・再構成処理部
【発明の属する技術分野】
本発明はX線CT装置に係り、特にMPR画像を生成するX線CT装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置では、被検体の断層画像を撮影したり、撮影した断層画像を基にMPR(Multi−Planer Reconstruction)画像を生成することが行われている。
【0003】
従来のX線CT装置の例を図6に示す。このようなX線CT装置で断層画像を生成するには、被検体のどの位置からどれだけの範囲の断層画像を撮影するかスキャン計画を立て、設定を行う。中央処理部でその情報が処理され、X線制御部やコリメータ制御部、スキャナ制御部にてスキャナが制御される。
【0004】
図7に示すように、スキャナ部分ではX線管と検出器が撮影領域を挟んで対向する位置に固定されており、それらが一回転する間にX線管からX線が照射され、検出器にて被検体透過後のX線を測定する。検出器は複数の検出素子から構成されており、それらの素子から得られるデータにチャンネル番号を割り当てている。また、スキャナが1回転する間のサンプリング回数をビュー数とすると、検出器から得られた1回転分のデータは投影データ変換部で図8のような2次元投影データに変換される。図8の横方向は検出器のチャンネル番号、縦方向はビュー数である。
【0005】
再構成処理部では、この投影データにフィルターリング(畳み込み重積法)とバックプロジェクション(逆投影)を行い、被検体の断層画像を再構成する。
【0006】
MPR画像の生成は、断層画像を再構成した後に、取得したいMPR画像範囲の複数の断層画像からMPR画像に必要な箇所の画像データを抽出し、それらを並べて1枚の画像とすることで行われる(図9参照)。このようなMPR画像生成の流れを図10に示す。
【0007】
また、MPR画像を表示する三次元画像表示装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開2001−101449号公報(第1図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来のX線CT装置では、MPR画像を生成するために、まずそのMPR画像の範囲の断層画像全てを全領域分再構成する必要がある。しかしMPR画像は断層画像の一部分の集合体であり、断層画像の撮影においてMPR画像の生成に使用しない箇所にもX線が照射されているので、本来は必要の無いX線を照射し無効被爆を招いている。また、検出器で得られる断層画像全範囲のデータからMPR画像が生成可能な投影データへの変換や、断層像の全領域を再構成する処理に時間を要している。
【0010】
本発明は上記事情を鑑みてなされたもので、少ないX線照射で高速にMPR画像を生成するX線CT装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明に係るX線CT装置は、被検体のMPR画像生成領域のみにX線を照射して透過X線データを取得するデータ取得手段と、前記MPR画像生成領域以外についてあらかじめ用意されたデータを前記透過X線データにあてはめることにより、前記被検体の断層像再構成に必要な透過X線データを作成するデータ作成手段と、前記作成した透過X線データに基づいて、前記被検体のMPR画像生成領域における部分断層画像を再構成する再構成手段と、前記再構成した部分断層画像を用いてMPR画像を生成する画像生成手段と、を有している。
【0012】
本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、被検体のMPR画像生成領域のみについて透過X線データが取得される。MPR画像を生成する領域以外についてはあらかじめ用意されたデータをあてはめるので、X線を照射して透過X線データを取得する必要はない。
【0013】
また、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、透過X線データから部分断層画像を再構成し、その部分断層画像からMPR画像を生成する。すなわち、被検体断面の全ての領域について断層像の再構成を行う必要はなく、処理の対象となるデータ量を低減することができる。部分断層画像の再構成は、1回転分の透過X線データから行うことができる。
【0014】
このようにして、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置では、少ないX線照射で高速にMPR画像を生成することができる。
【0015】
本願発明第2の特徴に係るX線CT装置は、本願発明第1の特徴に係るX線CT装置において、前記データ作成手段は、前記被検体の断面の全範囲にX線を照射して得られた透過X線データをあてはめることを特徴としている。
【0016】
断層画像の再構成に用いる透過X線データにおいて、MPR画像生成領域以外については任意のデータをあてはめることが可能であるが、被検体の断面の全範囲にX線を照射して得られた透過X線データをあてはめることで、MPR画像のノイズやアーチファクト(偽像)を低減することができる。
【0017】
なお、本願発明第2の特徴に係るX線CT装置では、被検体の断面の全範囲に対するX線の照射は、任意の体軸方向位置において1度行えばよい。例えば、断層画像1枚目については被検体の断面の全範囲にX線を照射して透過X線データを取得する。2枚目以降の断層画像においてはMPR画像生成領域についてのみX線を照射し、それ以外の領域については1枚目のデータをあてはめて断層画像の再構成に必要な透過X線データを作成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に従って、本発明に係るX線CT装置の好ましい実施の形態について詳説する。
【0019】
図1に、本実施の形態が適用されたX線CT装置10の構成を示す。X線CT装置10は、中央処理部12により撮影対象物99のスキャン計画を処理し、X線制御部18やコリメータ制御部20、スキャナ制御部22によりスキャナ24を制御する。X線照射領域演算処理部14は、コリメータ制御部20を制御してX線照射領域を調節する。
【0020】
スキャナ24は、X線管球26と検出器30とが撮影領域を挟んで対向する位置に固定されており、相対的な位置関係を保持しつつ回転する。スキャナが回転する間にX線管球26からX線が照射され、検出器30が撮影対象物99透過後のX線量を測定する。X線管球26が照射するX線はコリメータ28により照射方向および幅が調整され、スキャン計画に従って撮影対象物99にX線が照射される。
【0021】
投影データ変換部34は、検出器30が測定したX線量を2次元投影データに変換する。変換された2次元投影データは、投影データ保存部40に保存される。
【0022】
再構成処理部42は、投影データ保存部40に保存されているデータを用いてデータのあてはめを行うことにより撮影対象物99の各断層位置における1回転分の投影データを作成し、作成した投影データから部分断層画像の再構成を行う(後述)。なお、断層画像の全領域について再構成を行う場合は、投影データ変換部34が変換した投影データを用いて、再構成処理部36が再構成処理を行う。
【0023】
MPR画像作成部38は、再構成処理部42が再構成した部分断層画像からMPR画像を作成する(後述)。断層画像およびMPR画像は、画像表示部46に表示される。
【0024】
操作部48は、図示しないキーボードやマウス、スイッチ等を含み、スキャン計画の設定や画像表示等の指示入力が可能に構成されている。
【0025】
次に、上記実施の形態の作用を説明する。X線CT装置10では、操作者は、撮影対象物99のどの部分のMPR画像を作成するのか、というスキャン計画を操作部48を介して設定する。X線CT装置10は、該スキャン計画の指示入力に基づいてスキャナ24を制御し、撮影対象物99にX線を照射して投影データを得る。
【0026】
この際、1枚目の断層画像では撮影対象物99の断面の全範囲にX線を照射し、1回転全体の投影データを得ておく。2枚目以降の断層画像ではMPR画像の対象位置のみにX線を照射し、その部分の投影データを得る。図2(a)に、撮影対象物99にX線が照射されたときの投影データ収集範囲、およびX線がMPR画像作成部分を透過する範囲を示す。1枚目の断層画像では撮影対象物99の全範囲についてのデータ(図中Aの範囲)が、2枚目以降の断層画像では撮影対象物99のMPR画像作成範囲についてのデータ(図中Bの範囲)が取得される。
【0027】
このように、X線CT装置10では、2枚目以降の断層画像ではMPR画像作成範囲についてのみX線を照射するので、X線照射量を少なくすることができる。
【0028】
なお、図2(b)に示すように、データが取得される範囲はスキャナ24の回転に従って変化する。また、図2(c)に示すように、MPR画像作成部分にはある程度の幅を持たせておくことが好ましい。
【0029】
スキャナ24が1回転して得られるデータを図3に示す。図3(b)の横軸方向はチャンネル番号、縦軸方向はビュー数であり、網掛け部分はMPR画像作成部分を透過するデータの範囲を表している。このような投影データが、MPR画像作成範囲について取得される。
【0030】
得られた投影データから部分断層像を再構成するが、2枚目以降の投影データにはMPR画像の対象位置を透過する部分のデータしか存在しない。そこで、2枚目以降の投影データにおいては、X線を照射しない部分に1枚目の投影データをあてはめ、1回転全体の投影データを獲得する(図4参照)。
【0031】
この際、シミュレーションにより作成したデータをあてはめることも可能であるが、上述のように、実際のデータに近いデータ1枚目の投影データをあてはめることで、作成するMPR画像のノイズやアーチファクトを低減することができる。
【0032】
投影データのそれぞれからMPR画像部分のみの部分断層画像を再構成し、再構成したそれぞれの部分断層画像を1枚の画像につなげてMPR画像を作成する(図5参照)。このように、X線CT装置10では、1回転分の投影データからMPR画像部分のみの部分断層像を再構成するので、MPR画像を高速に作成することができる。
【0033】
なお、部分断層画像に基づくMPR画像の作成は、従来から用いられている技術により行うことができる。
【0034】
以上説明したように、X線CT装置10では、少ないX線照射で高速にMPR画像を作成することができる。
【0035】
なお、本実施の形態では1枚目の断層画像において撮影対象物99の断面の全範囲にX線を照射し、得られた投影データを2枚目以降にあてはめる場合について説明しているが、全範囲へのX線の照射は1枚目の断層画像に限らず、2枚目以降の任意の断層画像で行うようにしてよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、少ないX線照射で高速にMPR画像を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施形態に係り、X線CT装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の一の実施の形態に係り、データ収集範囲を示す概念図である。
【図3】本発明の一の実施の形態に係り、スキャナ1回転分の投影データを示す図である。
【図4】本発明の一の実施の形態に係り、投影データのあてはめを示す概念図である。
【図5】本発明の一の実施の形態に係り、MPR画像作成の流れを示す概念図である。
【図6】従来のX線CT装置の構成例を示す図である。
【図7】従来のX線CT装置によるX線透過データの取得を示す図である。
【図8】従来のX線CT装置により取得した投影データを示す概念図である。
【図9】従来のX線CT装置による断層画像およびMPR画像を示す概念図である。
【図10】従来のX線CT装置によるMPR画像作成の例を示す概念図である。
【符号の説明】
10・・・X線CT装置、14・・・X線照射領域演算処理部、18・・・X線制御部、20・・・コリメータ制御部、22・・・スキャナ制御部、24・・・スキャナ、28・・・コリメータ、34・・・投影データ変換部、38・・・MPR画像作成部、40・・・投影データ保存部、42・・・再構成処理部
Claims (2)
- 被検体のMPR画像生成領域のみにX線を照射して透過X線データを取得するデータ取得手段と、
前記MPR画像生成領域以外についてあらかじめ用意されたデータを前記透過X線データにあてはめることにより、前記被検体の断層像再構成に必要な透過X線データを作成するデータ作成手段と、
前記作成した透過X線データに基づいて、前記被検体のMPR画像生成領域における部分断層画像を再構成する再構成手段と、
前記再構成した部分断層画像を用いてMPR画像を生成する画像生成手段と、
を有するX線CT装置。 - 前記データ作成手段は、前記被検体の断面の全範囲にX線を照射して得られた透過X線データをあてはめることを特徴とする請求項1に記載のX線CT装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003171686A JP2005006726A (ja) | 2003-06-17 | 2003-06-17 | X線ct装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011031039A (ja) * | 2009-08-04 | 2011-02-17 | Ge Medical Systems Global Technology Co Llc | 傾斜画像スキャン方法、再構成方法及びその装置 |
US8393364B2 (en) | 2005-09-12 | 2013-03-12 | Toyo Seikan Kaisha, Ltd. | Refuelling container for fuelcell, method for refuelling, and holder for refulling container |
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2003
- 2003-06-17 JP JP2003171686A patent/JP2005006726A/ja active Pending
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