JP2005006675A - プレフィルドシリンジ - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で確実にプランジャロッドのロックを行うプレフィルドシリンジを提供する。
【解決手段】予め薬剤を充填した容器本体1にガスケット3,4とプランジャロッド2を移動可能に挿入し、該プランジャロッド2の移動初期及び/又は移動途中の位置をロック機構により規制するようにしたプレフィルドシリンジにおいて、前記ロック機構を前記プランジャロッド2に形成した偏心軸9に係止駒10を回動自在に装着して構成し、該係止駒10の回動中心から放射方向の最大外周縁を、該係止駒1回転当たり前記容器本体1の内径に対して相対位置を内側と外側に変位させるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】予め薬剤を充填した容器本体1にガスケット3,4とプランジャロッド2を移動可能に挿入し、該プランジャロッド2の移動初期及び/又は移動途中の位置をロック機構により規制するようにしたプレフィルドシリンジにおいて、前記ロック機構を前記プランジャロッド2に形成した偏心軸9に係止駒10を回動自在に装着して構成し、該係止駒10の回動中心から放射方向の最大外周縁を、該係止駒1回転当たり前記容器本体1の内径に対して相対位置を内側と外側に変位させるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプレフィルドシリンジに関し、さらに詳しくは、プランジャロッドのロック機構を改良したプレフィルドシリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
予め注射容器本体に薬剤を充填状態にして容器本体とプランジャロッドとを組み立てた状態にしておき、これを医療現場でそのまま使用できるようにしたプレフィルドシリンジでは、その流通や保管など、使用するまでの過程で不測の外力が加わった場合プランジャロッドが移動し、充填済みの薬剤が漏洩してしまうことがある。
【0003】
従来、このような事故の防止対策として、プランジャロッドにロック機構を設けるようにしている。例えば、そのロック機構として、プランジャロッドの一部を細い枝状に分離し、その細枝の端部を注射容器の入口端に係止させ、ストッパーとして機能させることによりプランジャロッドの移動を阻止するようにし、また使用時にはその細枝をプランジャロッド側に押し込んでロックを解除するようにしたものが知られている(特許文献1など)。
【0004】
しかし、上記のロック機構では、プランジャロッドの一部を細枝状に分離してストッパーが構成されているため、そのストッパーに側面から外力が加わった場合、ストッパーがプランジャロッド側へ押し込まれて注射容器入口端に対する係止が外れて外れてしまったり、また長手方向に圧縮外力が加わった場合には、ストッパーが撓んで曲がることにより、ロックの作用が不安定になるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−229122号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、簡単な構成で確実にプランジャロッドのロックを行うプレフィルドシリンジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するため、本発明は、予め薬剤を充填した容器本体にガスケットとプランジャロッドを移動可能に挿入し、該プランジャロッドの移動初期及び/又は移動途中の位置をロック機構により規制するようにしたプレフィルドシリンジにおいて、前記ロック機構を前記プランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着して構成し、該係止駒の回動中心から放射方向の最大外周縁を、該係止駒1回転当たり前記容器本体の内径に対して相対位置を内側と外側に変位させるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このようにプランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着したロック機構にしたので、この係止駒がプランジャロッドに対する外力により簡単に撓んだり、曲がったりすることがなく、プランジャロッドの移動を確実にロックすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態からなるデュアルチャンバー型のプレフィルドシリンジであり、使用前の状態を示している。
【0011】
図1において、1は容器本体、2はプランジャロッドである。容器本体1には先端側にキャップ5が図示しないゴムパッキンを挟んで嵌合され、後端側にフィンガーグリップ6とリング8が取り付けられている。その先端側のキャップ5には、使用時に両針付き構造の注射針(図示せず)が針の一方を差し込むようにして装着されるようになっている。また、デュアルチャンバー型であるため、容器本体1の長手方向中間にバイパス7が設けられ、そのバイパス7は容器本体1の内壁に縦溝が軸方向に延びるようにして形成されている。
【0012】
容器本体1の内側には、2個のガスケット3,4が挿入されている。2個のガスケット3,4のうち、後側のガスケット3はプランジャロッド2の先端に連結され、プランジャロッド2の押込み操作に連動するようになっている。また、前側のガスケット4はバイパス7の後方側でフリー状態にしてあり、このガスケット4により容器本体1の内部空間が前後2室に分離されている。
【0013】
ガスケット4に分離された前室側には、例えば粉末状の薬剤が充填され、また後室側には薬剤の溶解液が充填されている。溶解液は非圧縮性であるため、プランジャロッド2を操作してガスケット3を前方側へ移動させると、ガスケット4が連動して前方へ移動する。そして、ガスケット4がバイパス7に対応する位置に到達すると、バイパス7の縦溝が前後室間を連通するため、後室側の溶解液が前室側へ移動し、粉末状の薬剤を溶解して溶液にする。
【0014】
図1のA部を拡大した図2及び図3を参照して説明すると、プランジャロッド2の先端部には、プランジャロッド2の中心軸O1 からオフセットした位置に中心軸O2 をもつ偏心軸9が形成され、その偏心軸9に係止駒10が回転自在に装着されている。この係止駒10は一部が切り欠かれた筒状をなし、軸方向に直交する断面での形状が、偏心軸9に嵌合する内側円弧部と、偏心軸9の中心軸O2 からオフセットした位置に中心をもつ外側円弧部とから、所謂勾玉形状に形成されている。このような形状であることにより、曲げにも圧縮にも高い剛性を有するようになっている。
【0015】
上記勾玉形状の係止駒10は、回動中心(偏心軸9の中心軸O2 )から放射方向に最大距離を有する外周縁部が、係止駒10が1回転する間に容器本体1の内径(図示の例では、プランジャロッド2の外径に相当)に対して相対位置を内側と外側とに交互に変化するようになっている。すなわち、係止駒10は、偏心軸9を中心に回動するとき、その外周縁部が、容器本体1の内径の外側に突出する状態(図2(A),(B))と、内側に収納される状態(図3)とに変化するようになっている。
【0016】
上記のように係止駒10の外周縁部が、容器本体1の内径から突出する状態と収納された状態とになった位置では、係止駒10とプランジャロッド2との間に設けた係合用の突起11a,11bと12により固定されるようになっている。すなわち、偏心軸9が連結しているプランジャロッド2の段付部と係止駒10とが対面する部分に、係止駒10側に半球状の突起11a,11bが一対形成され、プランジャロッド2側の段付面に平面状の突起12が形成されている。突起11a,11bは偏心軸9を挟んで両側に設けられている。双方の突起11a,11bと12は、係止駒10を回動操作することにより互いに押圧係合して固定される。そして、係止駒10の外周縁が容器本体1の内径より外側に突出するときは、突起11aと12が押圧係合し、また内側に収納されるときは、突起11bと12が押圧係合するようになっている。
【0017】
上述したプレフィルドシリンジによると、使用前の保管や流通の段階において、図2(A),(B)のように、ロック機構の係止駒10の外周縁部を容器本体1の内径(プランジャロッド2の外径)の外側に突出した状態にセットしておくことにより、係止駒10が容器本体1後端のリング8に係止されるため、プランジャロッド2を移動しないようにロックすることができる。したがって、不測の外力がプランジャロッド2に作用しても押し込まれることがなく、容器本体1内部の薬剤と溶解液が混合する事故を防ぐことができる。また、使用時には、図3のように、係止駒10を回動させて外周縁部が容器本体1の内径(プランジャロッド2の外径)の内側に収納された状態にすれば、上記ロックが解除されるため、プランジャロッド2を容易に押込み操作することができる。
【0018】
上述のように本発明のプレフィルドシリンジに設けたロック機構は、実質的に筒状の係止駒10で構成されているので、操作時に曲がりや撓みなどの変形を生ずることが殆どなく、プランジャロッド2をロック操作やロック解除操作を確実に行なうことができる。この作用効果は、図示の実施形態のようなデュアルチャンバー型のプレフィルドシリンジは勿論のこと、シングルチャンバー型のプレフィルドシリンジに対しても同様に奏することができる。
【0019】
図4(A),(B)は、本発明の他の実施形態のプレフィルドシリンジを示したものである。
【0020】
上述した係止駒10のロック機構はプランジャロッド2の先端部に設けられ、プランジャロッド2の初期動作をロックするようにしたものであるが、この実施形態では、プランジャロッド2の中間部に設けることにより、移動の途中動作をロックするようにしたものであり、その他の構成は上述した図1の場合と略同じである。
【0021】
図4(A)は、この移動の途中動作をロック可能にしたプレフィルドシリンジの使用前の状態を示す。プランジャロッド2は初期位置にあり、ガスケット3は容器本体1の最も後端部に位置し、中間のガスケット4はバイパス7の後方に位置している。ロック機構の係止駒10は、外周縁部が容器本体1の内径より外側に突出した状態にセットされている。
【0022】
次いで、図4(B)は、プレフィルドシリンジの使用を開始した後、プランジャロッド2が移動途中で一時停止した状態を示している。プランジャロッド2の押込み操作により、ガスケット3と共にフリーのガスケット4も前進するが、ガスケット4がバイパス7の位置に達したところで、突出状態にしてあった係止駒10が容器本体1後端のリング8に当接し、プランジャロッド2の移動がロックされた状態になる。このようにガスケット4をバイパス7で確実に一時停止させるので、バイパス7が連通状態になってガスケット4の後室側の溶解液が前室側へ移動し、粉末状の薬剤を溶解し溶液にする。
【0023】
上記のようにプランジャロッド2の中間にロック機構の係止駒10が設けてない場合には、経験不足や未熟などによりプランジャロッド2を急激に操作すると、ガスケット4も連動して急移動するため、バイパス7で止まらずに通り過ぎてしまうことがある。ガスケット4がバイパス7を通り過ぎてしまうと、薬剤と溶解液の混合は不可能になり、そのプレフィルドシリンジは使用できなくなる。
【0024】
本発明のプレフィルドシリンジは、このようなバイパス7に対するガスケット4の通過事故を防止するので、未熟な操作者であっても、必ずガスケット4をバイパス7で一時停止させることができ、プレフィルドシリンジの無駄をなくすことができる。薬剤と溶解液の混合が完了すると、係止駒10のロックを容器本体1の後端から外すことにより、プランジャロッド2を押込み可能にし、次のステップの注射操作を行なうことができる。
【0025】
上記のようなプランジャロッド2の移動途中でロックする機構は、薬剤をコントロールする必要のあるプレフィルドシリンジの注射操作にも適用することができる。例えば、大人用と子供用とで薬剤の投与量が異なる場合、プランジャロッド2に係止駒10をセットする位置を子供用に投与する薬液量に対応するように調整すれば、未熟な操作者にも確実に適量の注射操作を行なうことができる。
【0026】
また、本発明のロック機構は、上記のように筒状の係止駒10で構成されており、それを回動操作するだけでよいので、操作時に曲がりや撓みなどの変形を生ずることが殆どなく、確実にプランジャロッド2のロック操作やロック解除操作を行なうことができる。
【0027】
本発明に使用されるロック機構は、プランジャロッドに偏心軸を形成し、その偏心軸に係止駒を回動自在に装着するものであれば、必ずしも図2及び図3に例示したものに限定されない。
【0028】
図5(A),(B)は、ロック機構の他の態様を例示したものであり、偏心軸9を八角形などの多角形にしたことにより、図2及び図3の実施形態に設けた突起11a,11bと12を不要にしたものである。偏心軸9が八角形であるため、係止駒10を偏心軸9の周りに360°/8ずつの角度で回動と停止を交互に行なうことで一時固定をするようにしている。
【0029】
また、図2及び図3の実施形態においては、係止駒10を容器本体1の内径から突出させる状態と収納する状態との姿勢変化を、180°の位相変化によって実施するようにしたが、図5(A),(B)の実施形態では90°の位相変化で実施するようにしている。
【0030】
上述した図1の実施形態ではプランジャロッドの初期動作をロックするようにし、また図4の実施形態ではプランジャロッドの途中動作をロックするようにしたものである。本発明は、これを更に発展させることにより、プランジャロッドに対し上述したロック機構を2段又はそれ以上設けるようにして、プレフィルドシリンジの初期動作と途中動作の両方を制御できるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、プランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着することによりロック機構を構成したので、ロック機構がプランジャロッドに対する外力により簡単に撓んだり、曲がったりすることがなく、確実にプランジャロッドをロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるプレフィルドシリンジを示す縦断面図である。
【図2】(A)は図1のA部を拡大して示す要部拡大図であり、(B)は(A)のX−X矢視断面図である。
【図3】ロック機構の係止駒が図2の突出状態から収納状態に変化した様子を示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態からなるプレフィルドシリンジを示す縦断面図である。
【図5】本発明に適用されるロック機構の他の態様を示し、(A)はロック機構の係止駒が突出状態のときの図、(B)は収納状態のときの図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 プランジャロッド
3,4 ガスケット
7 バイパス
9 偏心軸
10 係止駒
【発明の属する技術分野】
本発明はプレフィルドシリンジに関し、さらに詳しくは、プランジャロッドのロック機構を改良したプレフィルドシリンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
予め注射容器本体に薬剤を充填状態にして容器本体とプランジャロッドとを組み立てた状態にしておき、これを医療現場でそのまま使用できるようにしたプレフィルドシリンジでは、その流通や保管など、使用するまでの過程で不測の外力が加わった場合プランジャロッドが移動し、充填済みの薬剤が漏洩してしまうことがある。
【0003】
従来、このような事故の防止対策として、プランジャロッドにロック機構を設けるようにしている。例えば、そのロック機構として、プランジャロッドの一部を細い枝状に分離し、その細枝の端部を注射容器の入口端に係止させ、ストッパーとして機能させることによりプランジャロッドの移動を阻止するようにし、また使用時にはその細枝をプランジャロッド側に押し込んでロックを解除するようにしたものが知られている(特許文献1など)。
【0004】
しかし、上記のロック機構では、プランジャロッドの一部を細枝状に分離してストッパーが構成されているため、そのストッパーに側面から外力が加わった場合、ストッパーがプランジャロッド側へ押し込まれて注射容器入口端に対する係止が外れて外れてしまったり、また長手方向に圧縮外力が加わった場合には、ストッパーが撓んで曲がることにより、ロックの作用が不安定になるという問題がある。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−229122号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、簡単な構成で確実にプランジャロッドのロックを行うプレフィルドシリンジを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達するため、本発明は、予め薬剤を充填した容器本体にガスケットとプランジャロッドを移動可能に挿入し、該プランジャロッドの移動初期及び/又は移動途中の位置をロック機構により規制するようにしたプレフィルドシリンジにおいて、前記ロック機構を前記プランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着して構成し、該係止駒の回動中心から放射方向の最大外周縁を、該係止駒1回転当たり前記容器本体の内径に対して相対位置を内側と外側に変位させるようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
このようにプランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着したロック機構にしたので、この係止駒がプランジャロッドに対する外力により簡単に撓んだり、曲がったりすることがなく、プランジャロッドの移動を確実にロックすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態を参照して説明する。
【0010】
図1は、本発明の実施形態からなるデュアルチャンバー型のプレフィルドシリンジであり、使用前の状態を示している。
【0011】
図1において、1は容器本体、2はプランジャロッドである。容器本体1には先端側にキャップ5が図示しないゴムパッキンを挟んで嵌合され、後端側にフィンガーグリップ6とリング8が取り付けられている。その先端側のキャップ5には、使用時に両針付き構造の注射針(図示せず)が針の一方を差し込むようにして装着されるようになっている。また、デュアルチャンバー型であるため、容器本体1の長手方向中間にバイパス7が設けられ、そのバイパス7は容器本体1の内壁に縦溝が軸方向に延びるようにして形成されている。
【0012】
容器本体1の内側には、2個のガスケット3,4が挿入されている。2個のガスケット3,4のうち、後側のガスケット3はプランジャロッド2の先端に連結され、プランジャロッド2の押込み操作に連動するようになっている。また、前側のガスケット4はバイパス7の後方側でフリー状態にしてあり、このガスケット4により容器本体1の内部空間が前後2室に分離されている。
【0013】
ガスケット4に分離された前室側には、例えば粉末状の薬剤が充填され、また後室側には薬剤の溶解液が充填されている。溶解液は非圧縮性であるため、プランジャロッド2を操作してガスケット3を前方側へ移動させると、ガスケット4が連動して前方へ移動する。そして、ガスケット4がバイパス7に対応する位置に到達すると、バイパス7の縦溝が前後室間を連通するため、後室側の溶解液が前室側へ移動し、粉末状の薬剤を溶解して溶液にする。
【0014】
図1のA部を拡大した図2及び図3を参照して説明すると、プランジャロッド2の先端部には、プランジャロッド2の中心軸O1 からオフセットした位置に中心軸O2 をもつ偏心軸9が形成され、その偏心軸9に係止駒10が回転自在に装着されている。この係止駒10は一部が切り欠かれた筒状をなし、軸方向に直交する断面での形状が、偏心軸9に嵌合する内側円弧部と、偏心軸9の中心軸O2 からオフセットした位置に中心をもつ外側円弧部とから、所謂勾玉形状に形成されている。このような形状であることにより、曲げにも圧縮にも高い剛性を有するようになっている。
【0015】
上記勾玉形状の係止駒10は、回動中心(偏心軸9の中心軸O2 )から放射方向に最大距離を有する外周縁部が、係止駒10が1回転する間に容器本体1の内径(図示の例では、プランジャロッド2の外径に相当)に対して相対位置を内側と外側とに交互に変化するようになっている。すなわち、係止駒10は、偏心軸9を中心に回動するとき、その外周縁部が、容器本体1の内径の外側に突出する状態(図2(A),(B))と、内側に収納される状態(図3)とに変化するようになっている。
【0016】
上記のように係止駒10の外周縁部が、容器本体1の内径から突出する状態と収納された状態とになった位置では、係止駒10とプランジャロッド2との間に設けた係合用の突起11a,11bと12により固定されるようになっている。すなわち、偏心軸9が連結しているプランジャロッド2の段付部と係止駒10とが対面する部分に、係止駒10側に半球状の突起11a,11bが一対形成され、プランジャロッド2側の段付面に平面状の突起12が形成されている。突起11a,11bは偏心軸9を挟んで両側に設けられている。双方の突起11a,11bと12は、係止駒10を回動操作することにより互いに押圧係合して固定される。そして、係止駒10の外周縁が容器本体1の内径より外側に突出するときは、突起11aと12が押圧係合し、また内側に収納されるときは、突起11bと12が押圧係合するようになっている。
【0017】
上述したプレフィルドシリンジによると、使用前の保管や流通の段階において、図2(A),(B)のように、ロック機構の係止駒10の外周縁部を容器本体1の内径(プランジャロッド2の外径)の外側に突出した状態にセットしておくことにより、係止駒10が容器本体1後端のリング8に係止されるため、プランジャロッド2を移動しないようにロックすることができる。したがって、不測の外力がプランジャロッド2に作用しても押し込まれることがなく、容器本体1内部の薬剤と溶解液が混合する事故を防ぐことができる。また、使用時には、図3のように、係止駒10を回動させて外周縁部が容器本体1の内径(プランジャロッド2の外径)の内側に収納された状態にすれば、上記ロックが解除されるため、プランジャロッド2を容易に押込み操作することができる。
【0018】
上述のように本発明のプレフィルドシリンジに設けたロック機構は、実質的に筒状の係止駒10で構成されているので、操作時に曲がりや撓みなどの変形を生ずることが殆どなく、プランジャロッド2をロック操作やロック解除操作を確実に行なうことができる。この作用効果は、図示の実施形態のようなデュアルチャンバー型のプレフィルドシリンジは勿論のこと、シングルチャンバー型のプレフィルドシリンジに対しても同様に奏することができる。
【0019】
図4(A),(B)は、本発明の他の実施形態のプレフィルドシリンジを示したものである。
【0020】
上述した係止駒10のロック機構はプランジャロッド2の先端部に設けられ、プランジャロッド2の初期動作をロックするようにしたものであるが、この実施形態では、プランジャロッド2の中間部に設けることにより、移動の途中動作をロックするようにしたものであり、その他の構成は上述した図1の場合と略同じである。
【0021】
図4(A)は、この移動の途中動作をロック可能にしたプレフィルドシリンジの使用前の状態を示す。プランジャロッド2は初期位置にあり、ガスケット3は容器本体1の最も後端部に位置し、中間のガスケット4はバイパス7の後方に位置している。ロック機構の係止駒10は、外周縁部が容器本体1の内径より外側に突出した状態にセットされている。
【0022】
次いで、図4(B)は、プレフィルドシリンジの使用を開始した後、プランジャロッド2が移動途中で一時停止した状態を示している。プランジャロッド2の押込み操作により、ガスケット3と共にフリーのガスケット4も前進するが、ガスケット4がバイパス7の位置に達したところで、突出状態にしてあった係止駒10が容器本体1後端のリング8に当接し、プランジャロッド2の移動がロックされた状態になる。このようにガスケット4をバイパス7で確実に一時停止させるので、バイパス7が連通状態になってガスケット4の後室側の溶解液が前室側へ移動し、粉末状の薬剤を溶解し溶液にする。
【0023】
上記のようにプランジャロッド2の中間にロック機構の係止駒10が設けてない場合には、経験不足や未熟などによりプランジャロッド2を急激に操作すると、ガスケット4も連動して急移動するため、バイパス7で止まらずに通り過ぎてしまうことがある。ガスケット4がバイパス7を通り過ぎてしまうと、薬剤と溶解液の混合は不可能になり、そのプレフィルドシリンジは使用できなくなる。
【0024】
本発明のプレフィルドシリンジは、このようなバイパス7に対するガスケット4の通過事故を防止するので、未熟な操作者であっても、必ずガスケット4をバイパス7で一時停止させることができ、プレフィルドシリンジの無駄をなくすことができる。薬剤と溶解液の混合が完了すると、係止駒10のロックを容器本体1の後端から外すことにより、プランジャロッド2を押込み可能にし、次のステップの注射操作を行なうことができる。
【0025】
上記のようなプランジャロッド2の移動途中でロックする機構は、薬剤をコントロールする必要のあるプレフィルドシリンジの注射操作にも適用することができる。例えば、大人用と子供用とで薬剤の投与量が異なる場合、プランジャロッド2に係止駒10をセットする位置を子供用に投与する薬液量に対応するように調整すれば、未熟な操作者にも確実に適量の注射操作を行なうことができる。
【0026】
また、本発明のロック機構は、上記のように筒状の係止駒10で構成されており、それを回動操作するだけでよいので、操作時に曲がりや撓みなどの変形を生ずることが殆どなく、確実にプランジャロッド2のロック操作やロック解除操作を行なうことができる。
【0027】
本発明に使用されるロック機構は、プランジャロッドに偏心軸を形成し、その偏心軸に係止駒を回動自在に装着するものであれば、必ずしも図2及び図3に例示したものに限定されない。
【0028】
図5(A),(B)は、ロック機構の他の態様を例示したものであり、偏心軸9を八角形などの多角形にしたことにより、図2及び図3の実施形態に設けた突起11a,11bと12を不要にしたものである。偏心軸9が八角形であるため、係止駒10を偏心軸9の周りに360°/8ずつの角度で回動と停止を交互に行なうことで一時固定をするようにしている。
【0029】
また、図2及び図3の実施形態においては、係止駒10を容器本体1の内径から突出させる状態と収納する状態との姿勢変化を、180°の位相変化によって実施するようにしたが、図5(A),(B)の実施形態では90°の位相変化で実施するようにしている。
【0030】
上述した図1の実施形態ではプランジャロッドの初期動作をロックするようにし、また図4の実施形態ではプランジャロッドの途中動作をロックするようにしたものである。本発明は、これを更に発展させることにより、プランジャロッドに対し上述したロック機構を2段又はそれ以上設けるようにして、プレフィルドシリンジの初期動作と途中動作の両方を制御できるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
上述したように本発明によれば、プランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着することによりロック機構を構成したので、ロック機構がプランジャロッドに対する外力により簡単に撓んだり、曲がったりすることがなく、確実にプランジャロッドをロックすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなるプレフィルドシリンジを示す縦断面図である。
【図2】(A)は図1のA部を拡大して示す要部拡大図であり、(B)は(A)のX−X矢視断面図である。
【図3】ロック機構の係止駒が図2の突出状態から収納状態に変化した様子を示した断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態からなるプレフィルドシリンジを示す縦断面図である。
【図5】本発明に適用されるロック機構の他の態様を示し、(A)はロック機構の係止駒が突出状態のときの図、(B)は収納状態のときの図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 プランジャロッド
3,4 ガスケット
7 バイパス
9 偏心軸
10 係止駒
Claims (3)
- 予め薬剤を充填した容器本体にガスケットとプランジャロッドを移動可能に挿入し、該プランジャロッドの移動初期及び/又は移動途中の位置をロック機構で規制可能にしたプレフィルドシリンジにおいて、
前記ロック機構を前記プランジャロッドに形成した偏心軸に係止駒を回動自在に装着して構成し、該係止駒の回動中心から放射方向の最大外周縁を、該係止駒1回転当たり前記容器本体の内径に対して相対位置を内側と外側に変位させるようにしたプレフィルドシリンジ。 - 前記係止駒の形状を、前記偏心軸に嵌合する内側円弧部と、該偏心軸からオフセットした位置に中心を有する外側円弧部とから勾玉形状に形成した請求項1に記載のプレフィルドシリンジ。
- 前記容器本体の側壁にバイパスを設け、前記ガスケットとしてフリーの中間ガスケットを設けたデュアルチャンバー型のシリンジであって、前記ロック機構が前記プランジャロッドを前記中間ガスケットが前記バイパスに移動した位置で規制するようにした請求項1に記載のプレフィルドシリンジ。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007032352A1 (ja) * | 2005-09-13 | 2007-03-22 | Nipro Corporation | セーフティシリンジ |
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-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170678A patent/JP2005006675A/ja active Pending
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