JP2005006405A - モータロック保護回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ロック検出時間と自動復帰時間の比を変更可能にする。
【解決手段】DCモータがロックしてVref1に上昇すると放電されVref2に低下すると充電される鋸波電圧Vcを発生するコンデンサ8を有し、充電時にモータ駆動信号を出力し、放電時にモータ駆動信号の出力を停止するモータロック保護回路において、Vref2<Vref3<Vref1とし、充電時におけるVref3≦Vc≦Vref1のときもモータ駆動信号の出力を停止させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファンモータ等のDCモータがロック状態になったときに、モータ駆動信号の出力を停止し、一定時間経過後にそのモータ駆動信号の出力を再開して復帰を促すモータロック保護回路に係り、特にモータ駆動信号の出力を停止するまでのロック検出時間とその後のモータ駆動信号の出力を再開までの自動復帰時間の比を任意に変更可能にしたモータロック保護回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のモータロック保護回路については、特許文献1に記載がある。ここには、DCモータの回転状態をホール素子により検出し、該ホール素子の出力信号が変化しなくなったとき、そのDCモータの回転がロック状態になったと判断して、モータロック保護回路を動作させ、DCモータに対してモータ駆動信号の出力停止と再開を繰り返す信号を印加することが記載されている。具体的には、モータロック保護はDCモータがロック状態に陥ってから数秒後にDCモータに供給する駆動信号をカットし、カットしてから数秒後に駆動信号を発生して回転を促し、ホール素子により回転状態が検出されるまでこれを繰り返すことにより行われる。このとき、ロック検出時間と自動復帰時間の比は回路によって決められており、約1:5が通常である。
【0003】
図5に従来のモータロック保護回路のブロック図を、図6にその具体的回路図を示す。108は鋸波電圧発生用のコンデンサであり、充電回路105の電流I1により充電され、放電回路106の電流により放電される。放電回路106は、充電回路105の電流源の電流I1と同値の電流I2(=I1)の電流源I2とトランジスタQ1、Q2からなるカレントミラー回路によって放電電流を決定する。109は出力回路110に電力を供給する出力停止/復帰回路である。出力回路110は出力端子113からモータ駆動信号を出力する回路である。107は放電回路106のオン/オフ、及び出力停止/復帰回路109の出力回路110への電力供給のオン/オフを決めるフリップフロップ回路である。103は第1のコンパレータ回路で、コンデンサ108に生ずる電圧Vcと第1の基準電圧源101の基準電圧Vref1の比較結果を前記フリップフロップ回路107のセット端子Sに入力する。104は第2のコンパレータ回路で、コンデンサ108に生ずる電圧Vcと第2の基準電圧源102の基準電圧Vref2の比較結果を前記フリップフロップ回路107のリセット端子Rに入力する。
【0004】
次に、この回路構成の動作について図7を用いて説明する。図7(a)はコンデンサ108の電圧Vcの波形を示し、(b)は出力端子113の電圧Voutの波形を示す。DCモータロック時は、図示しない回路により本モータロック保護回路が動作し、t=0ではコンパレータ回路103の出力は「L」(ロウレベル)、コンパレータ回路104の出力は「H」(ハイレベル)であり、フリップフロップ回路107のQ出力は「L」である。よって、放電回路106は電流源I2の電流がフリップフロップ回路107に吸収されるので放電動作は行わず、t=0でコンデンサ108に充電回路105から電流I1が充電される。そして、その電圧Vcが基準電圧源101の電圧Vref1に到達するとコンパレータ回路103の出力が「H」となり、フリップフロップ回路107がセットされてそのQ出力が「H」になる。この結果、放電回路106が動作し、トランジスタQ2に流れる電流によってコンデンサ108の電荷が放電される。この放電によってコンデンサ108の電圧Vcが基準電圧源102の電圧Vref2まで低下すると、今度はコンパレータ回路104の出力が「H」となってフリップフロップ回路107がリセットされ、Q出力が「L」になり、放電回路106が動作を停止し、充電回路105によりコンデンサ108に充電が始まる。このようなコンデンサ108の充電時に出力停止/復帰回路109が動作し、出力回路110の出力端子113には、図7(b)に示す矩形波のモータ駆動信号が出力する。
【0005】
ロック検出時間T1と自動復帰時間T2は、コンデンサ108の容量をC108、充電回路105の充電電流をI1=I2とし、トランジスタQ1,Q2の面積比をn:mとすると、放電回路106のトランジスタQ2のコレクタ電流IQ2は、
Figure 2005006405
であるので、コンデンサ108の放電電流Idisは、
Figure 2005006405
となり、
Figure 2005006405
であるので、
Figure 2005006405
となり、ロック検出時間T1と自動復帰時間T2の比(T2/T1)は、カレントミラー回路のトランジスタQ1、Q2の面積比(n:m)によってきまることになる。
【0006】
【特許文献1】特開平7−131995号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ロック検出時間T1と自動復帰時間T2の比は、モータ発熱や使用用途によって変更することが望ましい。例えば、発熱が大きな場合はロック検出時間T1と自動復帰時間T2の比を大きく取ることが望ましい。しかしながら、ロック検出時間T1と自動復帰時間T2の比は、上記のようにカレントミラー回路のトランジスタQ1、Q2の面積比によって決まり、トランジスタの面積比を変更することは困難であるので、ロック検出時間T1と自動復帰時間T2の比の変更は容易でない。
【0007】
本発明の目的は、ロック検出時間と自動復帰時間の比を自由に設定できるようにしたDCモータロック保護回路を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1にかかる発明は、DCモータの回転がロックすると充電され第1の基準電圧に上昇すると放電され第2の基準電圧に低下すると充電されて鋸波電圧を発生する鋸波発生回路を有し、充電時にモータ駆動信号を出力し、放電時に該モータ駆動信号の出力を停止するモータロック保護回路において、第2の基準電圧<第3の基準電圧<第1の基準電圧の関係をもつ第3の基準電圧を設定し、充電時において前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より高いとき、前記モータ駆動信号の出力を停止させるようにしたことを特徴とするモータロック保護回路とした。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のモータロック保護回路において、前記モータ駆動信号の出力を停止し又は開始する出力回路と、該出力回路を動作させ又は停止させる出力停止/復帰回路と、充電回路及び放電回路により充放電され鋸波電圧を発生する鋸波発生回路と、フリップフロップ回路と、前記鋸波電圧が前記第1の基準電圧に上昇したとき前記フリップフロップ回路を第1の状態にセットする第1のコンパレータ回路と、前記鋸波電圧が前記第2の基準電圧に低下したとき前記フリップフロップ回路を第2の状態にセットする第2のコンパレータ回路と、前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より低いか否かを検出する第3のコンパレータ回路とを具備し、前記フリップフロップ回路は、前記第1の状態にセットされることにより前記充電回路を動作させ、前記第2の状態にセットされることにより前記放電回路を動作させ、前記出力停止/復帰回路は、前記フリップフロップ回路が前記第1の状態にセットされ且つ前記第3のコンパレータ回路により前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より低いことが検出されているとき、前記出力回路から前記モータ駆動信号を出力させ、それ以外では前記モータ駆動信号の出力を停止することを特徴とするモータロック保護回路とした。
【0010】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載のモータロック保護回路において、前記第1,第2,第3の基準電圧の少なくともいずれか1つはその電圧を調整する電圧調整手段を備えることを特徴とするモータロック保護回路とした。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明では、従来のモータロック保護回路の構成に加えて、Vref3の第3の基準電圧源と、その基準電圧Vref3とコンデンサの電圧Vcを比較する第3のコンパレータ回路と、その第3のコンパレータ回路の出力信号とフリップフロップ回路のQX出力信号を受けて出力回路をオン/オフするゲート回路を設けた。このような構成にすることによって、トランジスタの面積比率を変更せずともロック検出時間と自動復帰時間の比を任意に変更することができる。
【0012】
図1は、本発明のモータロック保護回路のブロック図、図2は具体的な回路図である。8はコンデンサ(鋸波発生回路)であり、充電回路5の電流源I1の電流により充電され、放電回路6により放電される。放電回路6は、充電回路5の電流源の電流源I1の電流I1と同値の電流I2(=I1)の電流源I2とトランジスタQ1、Q2からなるカレントミラー回路によって放電電流を決定する。9は出力回路10に電力を供給する出力停止/復帰回路であり、カレントミラー接続のトランジスタQ3,Q4、電流源I3、NANDゲートGからなる。出力回路10は出力端子13からモータ駆動信号を出力する回路であり、トランジスタQ5,抵抗R1,R2からなる。7は放電回路6のオン/オフ及び出力停止/復帰回路9から出力回路10への電力供給のオン/オフを決めるRS型のフリップフロップ回路である。3は第1のコンパレータ回路で、コンデンサ8に生ずる電圧Vcと第1の基準電圧源1の電圧Vref1の比較結果を前記フリップフロップ回路7のセット端子Sに入力する。4は第2のコンパレータ回路で、コンデンサ8に生ずる電圧Vcと第2の基準電圧源2の電圧Vref2の比較結果を前記フリップフロップ回路7のリセット端子Rに入力する。12は第3のコンパレータ回路で、コンデンサ8に生ずる電圧Vcと第3の基準電圧源11の電圧Vref3の比較結果をNANDゲートGに入力する。なお、基準電圧はVref2<Vref3<Vref1の関係にある。
【0013】
さて、DCモータがロック状態に陥ると、図示しない回路によって本実施形態のモータロック保護回路が動作可能状態にセットされ、コンデンサ8には充電回路5の電流源I1の電流I1によって充電が開始される。このとき、コンデンサ8の容量をC、モータがロックしている時間をTLKとすると、コンデンサ8の電位Vcは次式
Figure 2005006405
にしたがって上昇する。
【0014】
Vc<Vref2のとき、コンパレータ回路3の出力は「L」、コンパレータ回路4の出力は「H」、コンパレータ回路12の出力は「H」であり、フリップフロップ回路7はリセットされてQ出力が「L」、QX出力が「H」となる。よって、出力停止/復帰回路9のNANDゲートGは両入力が「H」となって出力が「L」となり、電流源I3の電流が流れるので、トランジスタQ3,Q4のカレントミラー回路が動作し、抵抗R1に生じる電圧によって出力回路10のトランジスタQ5がオンとなり、出力端子13は「H」となり、モータ駆動信号が出力する。
【0015】
Vref2≦Vc<Vref3のとき、コンパレータ回路3の出力は「L」、コンパレータ回路4の出力は「L」、コンパレータ回路12の出力は「H」であり、フリップフロップ回路7はリセット状態を保持してQ出力が「L」、QX出力が「H」のままである。よって、出力停止/復帰回路9のNANDゲートGは両入力が「H」となるので出力が「L」となり、電流源I3の電流I3が流れるので、抵抗R1に生じる電圧によって出力回路10のトランジスタQ5がオンのままであり、出力端子13は「H」の状態を保つ。
【0016】
Vref3≦Vc<Vref1のとき、コンパレータ回路3の出力は「L」、コンパレータ回路4の出力は「L」、コンパレータ回路12の出力は「L」であり、フリップフロップ回路7はリセット状態を保持してQ出力が「L」、QX出力が「H」のままである。よって、出力停止/復帰回路9のNANDゲートGは両入力が「H」と「L」となるので出力が「H」となり、電流源I3の電流は流れず、出力端子13は「L」に変わり、モータ駆動信号の出力は停止する。
【0017】
Vref1≦Vcのとき、コンパレータ回路3の出力は「H」、コンパレータ回路4の出力は「L」、コンパレータ回路12の出力は「L」であり、フリップフロップ回路7はセットされてQ出力が「H」、QX出力が「L」に変わる。よって、出力停止/復帰回路9のNANDゲートGは両入力が「H」と「L」となるので出力が「H」となり、電流源I3の電流は流れず、出力端子13は「L」のままである。また、放電回路6のトランジスタQ1に電流源I2の電流I2が流れ、トランジスタQ2のコレクタにI2(m/n)のコレクタ電流が流れる。するとコンデンサ8は次の電流Idisで放電される。すなわち、
Figure 2005006405
ここでI1=I2であるので、
Figure 2005006405
で放電される。
【0018】
この放電によってVc<Vref2になると、コンパレータ回路3の出力は「L」、コンパレータ回路4の出力は「H」、コンパレータ回路12の出力は「H」になり、フリップフロップ回路7はリセットされてQ出力が「L」、QX出力が「H」に変わる。よって、出力停止/復帰回路9のNANDゲートGは両入力が「H」となるので出力が「L」となり、電流源I3の電流I3が流れ、出力端子13は「H」に変化しモータ駆動信号が出力する。また、放電回路6は動作を停止する。よって、コンデンサ8は充電回路5の電流I1によって再度充電を開始する。
【0019】
図3(a)はモータロック時に鋸波を発生する前記コンデンサ8の電圧Vcの波形を示し、(b)は出力端子13の電圧Voutの波形を示している。ここで、ロック検出時間T1と自動復帰時間T2は、前記コンデンサ8の容量C、基準電圧Vref1、Vref2、Vref3、及びトランジスタQ1、Q2の面積比n:mによって、次のように求められる。
【0020】
Figure 2005006405
よって、
Figure 2005006405
となる。
【0021】
以上の式から、自動復帰時間T2とロック検出時間T1の比はトランジスタ面積比を変えずに、基準電圧Vref1、Vref2、Vref3のいずれか1つ以上の値を変更することによって任意の値に設定することが可能であることがわかる。
【0022】
図4は基準電圧Vref2の値を変更可能にしたモータロック保護回路の回路図である。このとき、基準電圧Vref2は、電源電圧をVccとすると、
Figure 2005006405
のように、抵抗R3、R4の値よって求まり、抵抗R3、R4の少なくとも一方(図4ではR4)を可変抵抗(電圧調整手段)とすることにより、この可変抵抗R4の値によって決まることになる。このように、抵抗R4の値を変更することにより、任意に自動復帰時間T2とロック検出時間T1の比を変更することが可能となる。
【0023】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ロック検出時間と自動復帰時間の比を基準電圧の調整によって任意に変更することが可能となり、効果的にモータロック時の保護をすることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のモータロック保護回路のブロック図である。
【図2】図1のモータロック保護回路の具体的な回路図である。
【図3】図2のモータロック保護回路の動作を示す波形図である。
【図4】本発明の別の実施形態のモータロック保護回路の一部の回路図である。
【図5】従来のモータロック保護回路のブロック図である。
【図6】図5のモータロック保護回路の具体的な回路図である。
【図7】図6のモータロック保護回路の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
1,101:第1の基準電圧源
2,102:第2の基準電圧源
3,103:第1のコンパレータ回路
4,104:第2のコンパレータ回路
5,105:充電回路
6,106:放電回路
7,107:フリップフロップ回路
8,108:コンデンサ
9,109:出力停止/復帰回路
10,110:出力回路
11:第3の基準電圧源
12:第3のコンパレータ回路
13、113:出力端子

Claims (3)

  1. DCモータの回転がロックすると充電され第1の基準電圧に上昇すると放電され第2の基準電圧に低下すると充電されて鋸波電圧を発生する鋸波発生回路を有し、充電時にモータ駆動信号を出力し、放電時に該モータ駆動信号の出力を停止するモータロック保護回路において、
    第2の基準電圧<第3の基準電圧<第1の基準電圧の関係をもつ第3の基準電圧を設定し、充電時において前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より高いとき、前記モータ駆動信号の出力を停止させるようにしたことを特徴とするモータロック保護回路。
  2. 請求項1に記載のモータロック保護回路において、
    前記モータ駆動信号の出力を停止し又は開始する出力回路と、
    該出力回路を動作させ又は停止させる出力停止/復帰回路と、
    充電回路及び放電回路により充放電され鋸波電圧を発生する鋸波発生回路と、
    フリップフロップ回路と、
    前記鋸波電圧が前記第1の基準電圧に上昇したとき前記フリップフロップ回路を第1の状態にセットする第1のコンパレータ回路と、
    前記鋸波電圧が前記第2の基準電圧に低下したとき前記フリップフロップ回路を第2の状態にセットする第2のコンパレータ回路と、
    前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より低いか否かを検出する第3のコンパレータ回路とを具備し、
    前記フリップフロップ回路は、前記第1の状態にセットされることにより前記充電回路を動作させ、前記第2の状態にセットされることにより前記放電回路を動作させ、
    前記出力停止/復帰回路は、前記フリップフロップ回路が前記第1の状態にセットされ且つ前記第3のコンパレータ回路により前記鋸波電圧が前記第3の基準電圧より低いことが検出されているとき、前記出力回路から前記モータ駆動信号を出力させ、それ以外では前記モータ駆動信号の出力を停止することを特徴とするモータロック保護回路。
  3. 請求項2に記載のモータロック保護回路において、
    前記第1,第2,第3の基準電圧の少なくともいずれか1つはその電圧を調整する電圧調整手段を備えることを特徴とするモータロック保護回路。
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