JP2005005975A - 撮影装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影終了時に撮像素子への光の入射を直ちに禁止することで、画素周辺記録型の撮像素子でも電子の溢れ出しを回避し、画質の劣化を防止する。
【解決手段】撮像素子13の受光面の手前の光路上にマイクロミラー素子11を挿入し、駆動部12から印加する電圧により2次元アレイ状に配置された各マイクロミラーの反射面11aの角度を振るように制御することで、撮影時には撮像素子13の受光面へ被写体から到来した光を導入し、撮影終了時にはその光が受光面から外れるようにする。マイクロミラー素子11では機械的なシャッタ機構に比べて格段に高速で反射面11aを駆動できるので、きわめて高速なシャッタが実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】撮像素子13の受光面の手前の光路上にマイクロミラー素子11を挿入し、駆動部12から印加する電圧により2次元アレイ状に配置された各マイクロミラーの反射面11aの角度を振るように制御することで、撮影時には撮像素子13の受光面へ被写体から到来した光を導入し、撮影終了時にはその光が受光面から外れるようにする。マイクロミラー素子11では機械的なシャッタ機構に比べて格段に高速で反射面11aを駆動できるので、きわめて高速なシャッタが実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影装置に関し、更に詳しくは、主として破壊、爆発、燃焼などの高速の現象を撮影するために好適な撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば爆発、破壊、燃焼、衝突、放電などの高速の現象を、短時間だけ連続的に撮影するための高速撮影装置(高速ビデオカメラ)が従来より開発されている(例えば非特許文献1、2など)。こうした高速撮影装置では、最高で100万枚/秒程度のきわめて高速度の撮影が可能となっている。従来の一般的なCCD型やCMOS型の撮像素子では、このような高速度での撮影には対応し得ない。そのため、こうした高速撮影装置には、例えば特許文献1、非特許文献2などに記載のような特殊な構造の撮像素子が利用される。
【0003】
この撮像素子は画素周辺記録型撮像素子と呼ばれ、受光部である各フォトダイオード毎にそれぞれ記録枚数分の転送を兼ねた蓄積用CCDを備え、撮影中にはフォトダイオードで光電変換された信号電荷を蓄積用CCDに順次転送し、撮影終了後に蓄積用CCDに記憶してある記録枚数分の信号電荷を読み出すことによって画素信号を取得する。撮影中に記録枚数分を越えた信号電荷は廃棄され、常に最新の記録枚数分の信号電荷が蓄積用CCDに保持されるようにしているため、撮影の終了時に信号電荷の転送を中止すれば、その時点から時間的に記録枚数分だけ遡った時間からの最新の画像が得られることになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−345441号公報
【非特許文献1】
“撮影速度100万コマ/秒の超高速度ビデオカメラを開発(2001年9月27日付プレスリリース”、[online]、株式会社島津製作所、[平成15年6月2日検索]、インターネット、〈URL : http://www.shimadzu.co.jp/news/press/010927.html〉
【非特許文献2】
丸野 浩昌、近藤 泰志、江藤 剛治,「画素周辺記録型撮像素子を用いた高速度ビデオカメラ」,応用光学 2002 Vol.2 No.12 p.5−8,2002年12月10日発行
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記画素周辺記録型撮像素子では、その素子内部に信号電荷の転送と蓄積とを兼ねたCCDを多数設ける必要があり、構造上、フォトダイオードへの入射光により発生した電子を基板へと逃がすような電子的なシャッタ機能を内蔵することが困難である。そのため、上記特許文献1に記載の高速撮影装置では、撮像素子の手前に機械的に閉鎖するシャッタ機構を設け、撮影終了時にこのシャッタを閉鎖して撮像素子への光の入射を遮っている。
【0006】
しかしながら、こうした機械的なシャッタ機構は開閉速度が遅く、一般的にはその開放又は閉鎖には数m秒〜10m秒程度以上の時間を必要とする。シャッタ機構の閉鎖が遅いと、撮像素子のフォトダイオードには撮影終了時点からシャッタが閉鎖するまでの期間に不要な光が当たり続ける。すると、この光によって電子が発生し、その量が多いと周囲に溢れ出る。上記画素周辺記録型撮像素子では、こうした不所望の電子がフォトダイオード近傍の転送路を兼ねた蓄積用CCDに流れ込むと、撮影した画像の劣化を引き起こす。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、撮影終了時などに撮像素子の受光面に入射する光をきわめて高速に遮断することができるシャッタを備えた撮影装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明は、撮影対象物から到来する入射光を撮像素子の受光面に導入して画像信号を取得する撮影装置において、
a)前記撮像素子の受光面の手前の光路上に挿入され、前記入射光を反射する反射面を有するアレイ状のマイクロミラーから成る光反射手段と、
b)前記反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面に照射する撮影モードと、該反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面の範囲外に照射する遮光モードとを切り替えるように前記反射面の傾斜角を制御するべく前記光反射手段の各マイクロミラーを駆動する駆動手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
周知のようにマイクロミラー(又はMEMSミラーなどと呼ばれることもあるある)はマイクロマシン(MEMS=Micro Electro Mechanical System)の一つであり、微細なミラーをアレイ状に多数配列して反射面を構成している。こうしたマイクロミラーは、これまで一般には液晶プロジェクタの光走査用デバイスや光通信のための光スイッチデバイスとして利用されているが、本発明に係る撮影装置では、撮像素子への入射光を遮断するためのシャッタとして利用する。
【0010】
すなわち、撮影時には駆動手段は撮影モードとなるようにマイクロミラーの反射面の傾斜角を設定し、必要な撮影が終了すると撮影モードから遮光モードへと速やかに切り替える。この切替えは各マイクロミラーを所定角度(通常大きくても10°程度の比較的小さな角度)だけ振ることにより達成されるので、数μ秒〜数十μ秒程度のごく短時間での切替えが可能である。
【0011】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、必要な撮影が終了した時点において、機械的なシャッタ機構よりも格段に高速に撮像素子への入射光を遮蔽することができる。それによって、撮像素子として例えば上記画素周辺記録型撮像素子を使用した場合に、撮影終了後の不所望の光の入射による電子の溢れ出しを回避することができ、撮影した画像の劣化を防止することができる。
【0012】
なお、画素周辺記録型撮像素子以外の撮像素子であっても、撮影終了後の不所望の光の入射が画質の劣化等、何らかの不具合をもたらすものであれば、本発明を適用することが有効であるのは当然である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例である高速撮影装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施例による高速撮影装置の要部の構成図、図2はこの高速撮影装置におけるシャッタの動作原理の説明図である。
【0014】
この高速撮影装置1は、撮影対象である被写体から到来する入射光を集光する撮像レンズ10、撮像レンズ10を通過した光を反射するようにその光路上に配置されたマイクロミラー素子11、マイクロミラー素子11を駆動するべく電圧を印加するマイクロミラー素子駆動部12、二次元受光面を有する撮像素子である画素周辺記録型の撮像素子13、撮像素子13を駆動するべく電荷転送信号等を送る撮像素子駆動部14、マイクロミラー素子駆動部12や撮像素子駆動部14を制御する制御部15など、を備える。
【0015】
撮像素子13は既述のような画素周辺記録型撮像素子であり、例えば100枚の記録枚数分の蓄積用CCDを内蔵しているものとする。一方、マイクロミラー素子11は多数のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列された構成を有し、各マイクロミラーでは、ヒンジ部11bを中心にして反射面11aが揺動自在となっている。反射面11aの揺動動作は各マイクロミラーに対応して基板11c上に形成されたヨークを含む電気回路によって達成され、外部から印加される電圧に応じて各マイクロミラーの反射面11aの傾斜角が変化する。マイクロミラー素子11として具体的には、テキサス・インスツルメンツ社が開発したデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD:登録商標)などを利用することができるが、ここで利用できるマイクロミラー素子11はこれに限るものではなく、その反射面11aの駆動方式は特に限定しない。
【0016】
図2において、マイクロミラー素子11に2次元アレイ状に配置された各反射面11aが実線で示す位置(これを「撮影位置」という)にあるとき、この反射面11aで反射された光はその全てが撮像素子の受光面13aに照射される。このとき、入射光に対する各反射面11aの傾斜角度は45°である。一方、反射面11aがそれぞれ上記撮影位置から角度θだけ振られて図2中で点線で示す位置(これを「遮光位置」という)にきたとき、各反射面11aで反射された光はその全てが撮像素子の受光面13aを逸脱する。つまり、撮像素子の受光面13aに対する入射光が完全に遮蔽されたことになり、機械的なシャッタが完全に閉鎖したのと同じことである。
【0017】
このときの遮光の条件は、図2に示すように撮像素子の受光面13aの端部に反射光を送るマイクロミラー素子11の反射面11aと撮像素子の受光面13aとの最短離間距離をL、撮像素子の受光面13aの幅をDとしたとき、
L≧D/tan θ
である。通常、角度θの上限はマイクロミラー素子11の特性で決まっており、例えば最大振れ角が10°であって、Dが3mmである場合には、上記式より、最短離間距離Lを約17mm以上とするように光学的配置を決める必要がある。但し、入射光に対し撮影位置にある各反射面11aの傾斜角度を45°とするのは一例であり、それ以外の角度に設定してもよく、その場合には上記遮光条件は適宜変わる。したがって、入射光に対するマイクロミラー素子11及び撮像素子13の配置は適宜に決めることができる。また、マイクロミラー素子11の各マイクロミラーの反射面11aはそれぞれ独立に揺動自在であるから、必ずしも全ての反射面11aを上記最大振れ角で以て振る必要はなく、少なくとも反射光が受光面13aから逸脱するような角度分だけそれぞれの反射面11aを傾斜しさえすればよい。
【0018】
次に、上記高速撮影装置の典型的な動作の一例について説明する。撮影時には、制御部15の制御の下に、マイクロミラー素子駆動部12は反射面11aが撮影位置にあるようにマイクロミラー素子11を駆動する。したがって、時間の経過に伴い、撮像素子13内部の蓄積用CCDには常に最新の100枚分の画素信号(信号電荷)が保持される。例えば、撮影対象である被写体に大きな変化が発生すると、図示しないトリガ信号発生回路からトリガ信号が制御部15に入力される。制御部15はトリガ信号を受けると、予め決められたフレーム数分だけ遅延した時点で蓄積用CCDでの信号転送を停止させるべく撮像素子駆動部14を制御する。例えば、遅延フレーム数をとすれば、トリガ信号が入力された時点から時間的に前方向に50枚、後方向に50枚分の画素信号が蓄積用CCDに残る。
【0019】
一方、制御部15はトリガ信号を受けた後、上記遅延フレーム数に相当する時間が経過した後に直ちに反射面11aが撮影位置から遮光位置に切り替わるようにマイクロミラー素子駆動部12を制御する。この切替えに要する時間はマイクロミラー素子の特性や反射面11aの振り角度などにも依るが、一般には数μ秒〜数十μ秒程度のごく短時間である。したがって、撮像素子13において画像の形成に必要な入射光を受けた後、不要になった入射光が撮像素子13の受光面に当たる時間が短くて済む。それによって、撮像素子13では不所望の電子の溢れ出しが発生することを防止できる。
【0020】
撮像素子13の蓄積用CCDに保持された画素信号は、撮影時の信号転送の停止の後の適宜の時点で順次読み出され、図示しないA/D変換器を通してデジタルデータに変換された後に一旦、メモリに格納される。そして、その後に、画像処理部において各フレームの画像に再構成される。上記のように撮像素子13に画素信号が蓄積されている際に不所望の電子による汚染を受けないので、こうした要因による画質の劣化が生じることがない。
【0021】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行なえることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である高速撮影装置の要部の構成図。
【図2】本高速撮影装置におけるシャッタの動作の原理説明図。
【符号の説明】
1…高速撮影装置
10…撮像レンズ
11…マイクロミラー素子
11a…反射面
11b…ヒンジ部
11c…基板
12…マイクロミラー素子駆動部
13…画素周辺記録型撮像素子
13a…受光面
14…撮像素子駆動部
15…制御部
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影装置に関し、更に詳しくは、主として破壊、爆発、燃焼などの高速の現象を撮影するために好適な撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば爆発、破壊、燃焼、衝突、放電などの高速の現象を、短時間だけ連続的に撮影するための高速撮影装置(高速ビデオカメラ)が従来より開発されている(例えば非特許文献1、2など)。こうした高速撮影装置では、最高で100万枚/秒程度のきわめて高速度の撮影が可能となっている。従来の一般的なCCD型やCMOS型の撮像素子では、このような高速度での撮影には対応し得ない。そのため、こうした高速撮影装置には、例えば特許文献1、非特許文献2などに記載のような特殊な構造の撮像素子が利用される。
【0003】
この撮像素子は画素周辺記録型撮像素子と呼ばれ、受光部である各フォトダイオード毎にそれぞれ記録枚数分の転送を兼ねた蓄積用CCDを備え、撮影中にはフォトダイオードで光電変換された信号電荷を蓄積用CCDに順次転送し、撮影終了後に蓄積用CCDに記憶してある記録枚数分の信号電荷を読み出すことによって画素信号を取得する。撮影中に記録枚数分を越えた信号電荷は廃棄され、常に最新の記録枚数分の信号電荷が蓄積用CCDに保持されるようにしているため、撮影の終了時に信号電荷の転送を中止すれば、その時点から時間的に記録枚数分だけ遡った時間からの最新の画像が得られることになる。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−345441号公報
【非特許文献1】
“撮影速度100万コマ/秒の超高速度ビデオカメラを開発(2001年9月27日付プレスリリース”、[online]、株式会社島津製作所、[平成15年6月2日検索]、インターネット、〈URL : http://www.shimadzu.co.jp/news/press/010927.html〉
【非特許文献2】
丸野 浩昌、近藤 泰志、江藤 剛治,「画素周辺記録型撮像素子を用いた高速度ビデオカメラ」,応用光学 2002 Vol.2 No.12 p.5−8,2002年12月10日発行
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記画素周辺記録型撮像素子では、その素子内部に信号電荷の転送と蓄積とを兼ねたCCDを多数設ける必要があり、構造上、フォトダイオードへの入射光により発生した電子を基板へと逃がすような電子的なシャッタ機能を内蔵することが困難である。そのため、上記特許文献1に記載の高速撮影装置では、撮像素子の手前に機械的に閉鎖するシャッタ機構を設け、撮影終了時にこのシャッタを閉鎖して撮像素子への光の入射を遮っている。
【0006】
しかしながら、こうした機械的なシャッタ機構は開閉速度が遅く、一般的にはその開放又は閉鎖には数m秒〜10m秒程度以上の時間を必要とする。シャッタ機構の閉鎖が遅いと、撮像素子のフォトダイオードには撮影終了時点からシャッタが閉鎖するまでの期間に不要な光が当たり続ける。すると、この光によって電子が発生し、その量が多いと周囲に溢れ出る。上記画素周辺記録型撮像素子では、こうした不所望の電子がフォトダイオード近傍の転送路を兼ねた蓄積用CCDに流れ込むと、撮影した画像の劣化を引き起こす。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、撮影終了時などに撮像素子の受光面に入射する光をきわめて高速に遮断することができるシャッタを備えた撮影装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段、及び効果】
上記課題を解決するために成された本発明は、撮影対象物から到来する入射光を撮像素子の受光面に導入して画像信号を取得する撮影装置において、
a)前記撮像素子の受光面の手前の光路上に挿入され、前記入射光を反射する反射面を有するアレイ状のマイクロミラーから成る光反射手段と、
b)前記反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面に照射する撮影モードと、該反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面の範囲外に照射する遮光モードとを切り替えるように前記反射面の傾斜角を制御するべく前記光反射手段の各マイクロミラーを駆動する駆動手段と、
を備えることを特徴としている。
【0009】
周知のようにマイクロミラー(又はMEMSミラーなどと呼ばれることもあるある)はマイクロマシン(MEMS=Micro Electro Mechanical System)の一つであり、微細なミラーをアレイ状に多数配列して反射面を構成している。こうしたマイクロミラーは、これまで一般には液晶プロジェクタの光走査用デバイスや光通信のための光スイッチデバイスとして利用されているが、本発明に係る撮影装置では、撮像素子への入射光を遮断するためのシャッタとして利用する。
【0010】
すなわち、撮影時には駆動手段は撮影モードとなるようにマイクロミラーの反射面の傾斜角を設定し、必要な撮影が終了すると撮影モードから遮光モードへと速やかに切り替える。この切替えは各マイクロミラーを所定角度(通常大きくても10°程度の比較的小さな角度)だけ振ることにより達成されるので、数μ秒〜数十μ秒程度のごく短時間での切替えが可能である。
【0011】
したがって、本発明に係る撮影装置によれば、必要な撮影が終了した時点において、機械的なシャッタ機構よりも格段に高速に撮像素子への入射光を遮蔽することができる。それによって、撮像素子として例えば上記画素周辺記録型撮像素子を使用した場合に、撮影終了後の不所望の光の入射による電子の溢れ出しを回避することができ、撮影した画像の劣化を防止することができる。
【0012】
なお、画素周辺記録型撮像素子以外の撮像素子であっても、撮影終了後の不所望の光の入射が画質の劣化等、何らかの不具合をもたらすものであれば、本発明を適用することが有効であるのは当然である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例である高速撮影装置について、図1及び図2を参照して説明する。図1は本実施例による高速撮影装置の要部の構成図、図2はこの高速撮影装置におけるシャッタの動作原理の説明図である。
【0014】
この高速撮影装置1は、撮影対象である被写体から到来する入射光を集光する撮像レンズ10、撮像レンズ10を通過した光を反射するようにその光路上に配置されたマイクロミラー素子11、マイクロミラー素子11を駆動するべく電圧を印加するマイクロミラー素子駆動部12、二次元受光面を有する撮像素子である画素周辺記録型の撮像素子13、撮像素子13を駆動するべく電荷転送信号等を送る撮像素子駆動部14、マイクロミラー素子駆動部12や撮像素子駆動部14を制御する制御部15など、を備える。
【0015】
撮像素子13は既述のような画素周辺記録型撮像素子であり、例えば100枚の記録枚数分の蓄積用CCDを内蔵しているものとする。一方、マイクロミラー素子11は多数のマイクロミラーが2次元アレイ状に配列された構成を有し、各マイクロミラーでは、ヒンジ部11bを中心にして反射面11aが揺動自在となっている。反射面11aの揺動動作は各マイクロミラーに対応して基板11c上に形成されたヨークを含む電気回路によって達成され、外部から印加される電圧に応じて各マイクロミラーの反射面11aの傾斜角が変化する。マイクロミラー素子11として具体的には、テキサス・インスツルメンツ社が開発したデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD:登録商標)などを利用することができるが、ここで利用できるマイクロミラー素子11はこれに限るものではなく、その反射面11aの駆動方式は特に限定しない。
【0016】
図2において、マイクロミラー素子11に2次元アレイ状に配置された各反射面11aが実線で示す位置(これを「撮影位置」という)にあるとき、この反射面11aで反射された光はその全てが撮像素子の受光面13aに照射される。このとき、入射光に対する各反射面11aの傾斜角度は45°である。一方、反射面11aがそれぞれ上記撮影位置から角度θだけ振られて図2中で点線で示す位置(これを「遮光位置」という)にきたとき、各反射面11aで反射された光はその全てが撮像素子の受光面13aを逸脱する。つまり、撮像素子の受光面13aに対する入射光が完全に遮蔽されたことになり、機械的なシャッタが完全に閉鎖したのと同じことである。
【0017】
このときの遮光の条件は、図2に示すように撮像素子の受光面13aの端部に反射光を送るマイクロミラー素子11の反射面11aと撮像素子の受光面13aとの最短離間距離をL、撮像素子の受光面13aの幅をDとしたとき、
L≧D/tan θ
である。通常、角度θの上限はマイクロミラー素子11の特性で決まっており、例えば最大振れ角が10°であって、Dが3mmである場合には、上記式より、最短離間距離Lを約17mm以上とするように光学的配置を決める必要がある。但し、入射光に対し撮影位置にある各反射面11aの傾斜角度を45°とするのは一例であり、それ以外の角度に設定してもよく、その場合には上記遮光条件は適宜変わる。したがって、入射光に対するマイクロミラー素子11及び撮像素子13の配置は適宜に決めることができる。また、マイクロミラー素子11の各マイクロミラーの反射面11aはそれぞれ独立に揺動自在であるから、必ずしも全ての反射面11aを上記最大振れ角で以て振る必要はなく、少なくとも反射光が受光面13aから逸脱するような角度分だけそれぞれの反射面11aを傾斜しさえすればよい。
【0018】
次に、上記高速撮影装置の典型的な動作の一例について説明する。撮影時には、制御部15の制御の下に、マイクロミラー素子駆動部12は反射面11aが撮影位置にあるようにマイクロミラー素子11を駆動する。したがって、時間の経過に伴い、撮像素子13内部の蓄積用CCDには常に最新の100枚分の画素信号(信号電荷)が保持される。例えば、撮影対象である被写体に大きな変化が発生すると、図示しないトリガ信号発生回路からトリガ信号が制御部15に入力される。制御部15はトリガ信号を受けると、予め決められたフレーム数分だけ遅延した時点で蓄積用CCDでの信号転送を停止させるべく撮像素子駆動部14を制御する。例えば、遅延フレーム数をとすれば、トリガ信号が入力された時点から時間的に前方向に50枚、後方向に50枚分の画素信号が蓄積用CCDに残る。
【0019】
一方、制御部15はトリガ信号を受けた後、上記遅延フレーム数に相当する時間が経過した後に直ちに反射面11aが撮影位置から遮光位置に切り替わるようにマイクロミラー素子駆動部12を制御する。この切替えに要する時間はマイクロミラー素子の特性や反射面11aの振り角度などにも依るが、一般には数μ秒〜数十μ秒程度のごく短時間である。したがって、撮像素子13において画像の形成に必要な入射光を受けた後、不要になった入射光が撮像素子13の受光面に当たる時間が短くて済む。それによって、撮像素子13では不所望の電子の溢れ出しが発生することを防止できる。
【0020】
撮像素子13の蓄積用CCDに保持された画素信号は、撮影時の信号転送の停止の後の適宜の時点で順次読み出され、図示しないA/D変換器を通してデジタルデータに変換された後に一旦、メモリに格納される。そして、その後に、画像処理部において各フレームの画像に再構成される。上記のように撮像素子13に画素信号が蓄積されている際に不所望の電子による汚染を受けないので、こうした要因による画質の劣化が生じることがない。
【0021】
なお、上記実施例は一例であって、本発明の趣旨の範囲で適宜変形や修正、追加を行なえることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である高速撮影装置の要部の構成図。
【図2】本高速撮影装置におけるシャッタの動作の原理説明図。
【符号の説明】
1…高速撮影装置
10…撮像レンズ
11…マイクロミラー素子
11a…反射面
11b…ヒンジ部
11c…基板
12…マイクロミラー素子駆動部
13…画素周辺記録型撮像素子
13a…受光面
14…撮像素子駆動部
15…制御部
Claims (1)
- 撮影対象物から到来する入射光を撮像素子の受光面に導入して画像信号を取得する撮影装置において、
a)前記撮像素子の受光面の手前の光路上に挿入され、前記入射光を反射する反射面を有するアレイ状のマイクロミラーから成る光反射手段と、
b)前記反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面に照射する撮影モードと、該反射面で反射させた入射光を前記撮像素子の受光面の範囲外に照射する遮光モードとを切り替えるように前記反射面の傾斜角を制御するべく前記光反射手段の各マイクロミラーを駆動する駆動手段と、
を備えることを特徴とする撮影装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003166415A JP2005005975A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 撮影装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003166415A JP2005005975A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 撮影装置 |
Publications (1)
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JP2005005975A true JP2005005975A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34092589
Family Applications (1)
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JP2003166415A Pending JP2005005975A (ja) | 2003-06-11 | 2003-06-11 | 撮影装置 |
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JP (1) | JP2005005975A (ja) |
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- 2003-06-11 JP JP2003166415A patent/JP2005005975A/ja active Pending
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