JP2008278335A - 撮像装置及びその制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】後幕としてのメカニカルシャッターの走行特性を撮像素子により検知する場合のカメラの像ぶれ(輝度変化)による検知精度の低下を防止する。
【解決手段】撮像素子の撮像領域を遮光する後幕としてのメカニカルシャッターと、撮像素子の撮像領域毎に電荷の蓄積を開始する走査手段と、走査と、蓄積された電荷を読み出す走査とを実行することで撮像素子を先幕電子シャッター及び後幕電子シャッターとして機能させると共に、メカニカルシャッターの走行に先行して電荷の蓄積を開始する先幕電子シャッターとして機能させる露光制御手段と、先幕電子シャッターと後幕電子シャッターによる第1の電荷蓄積動作、先幕電子シャッター及びメカニカルシャッターによる第2の電荷蓄積動作、先幕電子シャッターと後幕電子シャッターによる第3の電荷蓄積動作を行い、第1乃至第3の電荷蓄積動作による蓄積電荷量を比較してメカニカルシャッターの走行特性を検知する。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子シャッターとメカニカルシャッターとを有する撮像装置において、メカニカルシャッターの走行特性を検知する技術に関するものである。
図11及び図12は単板式のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す断面図である。特に、図11は光学ファインダーにより被写体像を観察するときの状態、図12は液晶モニタ(電子ビューファインダー)により被写体像を観察するときの状態をそれぞれ示している。
図11及び図12において、101はカメラ本体であり、102は不図示のマウント機構を介してカメラ本体101に電気的、機械的に接続された交換レンズ装置である。交換レンズ装置102の種類を取り替えることにより、異なる画角の撮影画像を得ることが可能である。交換レンズ装置102は内部の結像光学系103を光軸L1方向に沿って移動させることで合焦状態を調節する。この結像光学系103には赤外線カットフィルターも形成されている。
106はパッケージ124に収納された増幅型固体撮像素子の1つであるCMOSプロセスコンパチブルのCMOSセンサである。CMOSセンサは、任意の画素へのランダムアクセスが可能であり、後述する表示装置107での表示用画像を生成するための間引き読み出しが容易であり、高いフレームレートでの画像読み出しが行える。
156は結像光学系103から撮像素子106に至る光路中に設けられた光学ローパスフィルターであり、被写体から撮像素子106の撮像面に、必要以上に高い空間周波数成分が伝達されないように構成されている。
107はカメラ本体101の背面に設けられた液晶モニタからなる表示装置であり、撮像素子106により撮像された被写体の画像データは表示装置107に表示される。
111は結像光学系103からの光束を分割し、その一部を光学ファインダー側に導くための可動型のハーフミラーである。105は被写体の予定結像面に配置されたフォーカシングスクリーンであり、112はペンタプリズムである。
109はフォーカシングスクリーン105に投影された被写体の像を観察するためのレンズである。フォーカシングスクリーン105、ペンタプリズム112、レンズ109はファインダー光学系を構成する。ハーフミラー111の背後には可動型のサブミラー122が設けられ、ハーフミラー111を透過した光束のうち光軸に近い光束を焦点検出装置121に偏向している。本実施形態の焦点検出装置121は位相差検出方式の焦点検出を行う。
ハーフミラー111とサブミラー122からなる光路分割手段は、図11に示すミラーダウン状態と図12に示すミラーアップのいずれかに動作可能である。光路分割手段は、ミラーダウン状態では結像光学系103からの光束を分割して、一方をファインダー光学系に導き、他方を焦点検出装置121に導く。また、ミラーダウン状態では結像光学系103からの光束をそのまま撮像素子106に導く。
不図示の電磁モータとギア列からなるミラー駆動機構は、ハーフミラー111とサブミラー122を作動させてミラーダウン状態又はミラーアップ状態のいずれかに切り替える。ミラーダウン状態では光学ファインダーにより被写体像を観察可能な状態となる。また、ミラーアップ状態では表示装置107により被写体を観察可能な状態(電子ビューファインダー)、撮像素子106による焦点検出動作や測光動作を行う状態、或いは撮影可能な状態となる。
113は、撮像素子106の撮像面への光束を遮光するためのフォーカルプレーンシャッター、119はカメラ本体の電源のオン/オフを切り替えるためのメインスイッチである。123は被写体を観察する際に、光学ファインダーを用いるか、電子ビューファインダーを用いるかを切り替えるためのファインダーモード切り替えスイッチである。以下、光学ファインダーを用いて被写体を観察する設定を光学ファインダーモード、表示装置107を用いて被写体を観察する設定を電子ビューファインダーモードと呼ぶ。
180は光学ファインダーモードが設定された場合に、シャッター速度や絞り値等の撮影パラメータを表示するための光学ファインダー内情報表示装置である。
シャッター装置には機能や特性の異なる様々な種類のものが存在するが、電子ビューファインダー機能を備えるデジタルカメラは、光学ファインダー機能のみを備えるカメラに比較して、多くの種類のシャッター装置を適用することができる。例えば、銀塩カメラで用いられている先幕と後幕を有するフォーカルプレーンシャッターを適用できる。
フォーカルプレーンシャッターは、シャッター地板に枢支された2組の羽根ユニットを有する。この羽根ユニットは複数に分割された遮光羽根群を2本のアームで各々回転可能に保持して平行リンクを形成している。一方の羽根ユニットは露光時にシャッター開口部を遮蔽状態から開放状態へ移行させる先羽根(先幕とも呼ぶ)として作用する。他方の羽根ユニットは露光時にシャッター開口部を開放状態から遮蔽状態へ移行させる後羽根(後幕とも呼ぶ)として作用する。先羽根と後羽根を構成する羽根ユニットは、所定の方向へ付勢力を付与するバネ等の付勢手段と電磁石により吸着保持されるアーマチュアとを有した駆動機構に連結されている。
先羽根を構成する羽根ユニットは、撮影前に不図示のチャージレバーによってアーマチュアが電磁石のヨーク吸着面に接触する撮影準備位置まで移動され、シャッター開口部を遮蔽した状態で保持される。
後羽根を構成する羽根ユニットは、撮影前にやはり不図示のチャージレバーによってアーマチュアが電磁石のヨーク吸着面に接触する撮影準備位置まで移動され、シャッター開口部を開放した状態で保持される。
不図示のシャッタースイッチが操作されると、チャージレバーは羽根ユニットをヨーク吸着面に保持した位置から退避させる。それぞれの羽根ユニットは専用のコイルに通電された電磁石の磁力により、アーマチュアが電磁石のヨーク吸着面に吸着した状態で保持される。そして、先に先羽根を構成する羽根ユニットに対応した電磁石の通電が断たれて先羽根がシャッター開口部を開放する。シャッター速度から設定される所定秒時後、後羽根を構成する羽根ユニットに対応した電磁石の通電が断たれて後羽根がシャッター開口部を遮蔽する。このようにして撮像素子106の撮像面が露光される。これら羽根ユニットの走行が完了した後、再び不図示のチャージレバーにより、それぞれの羽根ユニットが撮影準備位置へ移動し、次の撮影まで待機する。
図13は、撮像素子による電荷蓄積動作と、先羽根及び後羽根の走行タイミングを示し、横軸は時間、縦軸は撮像素子の撮像領域の上下方向での位置、つまり、羽根の走行方向における位置を表している。
M101は露光開始位置としての先羽根の最後部のスリット形成端位置、M201は遮光開始位置としての後羽根の最前部のスリット形成端位置をそれぞれ示している。
また、E101は撮像素子による電荷蓄積を開始するためのリセット動作のタイミング、E201は撮像素子に蓄積された電荷に相当する信号を得るための読み出し動作のタイミングをそれぞれ示している。撮像素子はシャッター装置の先羽根が走行を開始するのに先行して電荷蓄積を開始しており、先羽根及び後羽根のいずれもが走行を完了した後に撮像素子に蓄積された電荷の読み出し動作を行っている。つまり、撮像素子が電荷蓄積動作を行っている期間に、先羽根及び後羽根の両方が走行する期間が包含されていることになる。
上記構成において、電子ビューファインダーモードを実行しようとすると、表示装置107により被写体を観察する期間は、撮像素子106により被写体像を撮像可能なように先羽根がシャッター開口部から退避している必要がある。
先羽根をシャッター開口部から退避させるには、チャージレバーを羽根ユニットがヨーク吸着面に保持される位置から退避させ、先羽根の電磁石用のコイルへの通電を解除し、先羽根を走行させる。このとき後羽根の電磁石用のコイルへの通電は継続し、後羽根をシャッター開口部から退避した位置に保持したままとする。
電子ビューファインダーモードの間、先羽根用の電磁石のヨーク吸着面は剥き出しの状態となり、撮影が終了して再び羽根ユニットが撮影準備位置へ移動されるまでこの剥き出しの状態は続く。撮影者が構図を決めるまでに時間を要すれば、それだけ電磁石のヨーク吸着面が剥き出しになる時間が長くなる。そのため、電磁石のヨーク吸着面へゴミが侵入する可能性が高くなり、このゴミに起因した先羽根の吸着不良によってシャッター秒時精度が悪化したり、吸着不良によってアーマチュア自体を保持できなくなるといった不都合が生じる可能性がある。
そこで、このような不都合を生じない構成として、特許文献1に記載されたシャッター装置がある。このシャッター装置は後羽根としての羽根ユニットのみを備え、XYアドレス型の撮像素子の電荷蓄積開始タイミングを後羽根の走行特性に一致させることで露光時間を制御している。
図14は、カメラにおける撮像素子の電荷蓄積動作と、上記メカニカルシャッターの後羽根の走行タイミング及び走行特性を示している。
M202は遮光開始位置としての後羽根の最前部のスリット形成端位置を示している。E102は撮像素子106による電荷蓄積を開始するためのリセット動作のタイミング、E202は撮像素子に蓄積された電荷に相当する信号を得るための読み出し動作のタイミングをそれぞれ示している。
撮像素子は、設定されたシャッター速度に応じて、メカニカルシャッターの後羽根が走行を開始するよりも所定秒時前に電荷蓄積を開始する。この電荷蓄積の開始タイミングは、加速しながら走行する後羽根の走行特性に合わせて、全ての撮像領域において露光量が均等になるように撮像素子のライン毎に制御されている。撮像素子は後羽根としての羽根ユニットの走行が完了した後、蓄積された電荷の読み出しが行われる。
この構成によれば、先羽根としての羽根ユニットが不要となり、スミアが発生しない動画撮影を行うことができ、更に、十分な精度のシャッター動作で静止画撮影も行うことができることになる。更に先羽根の吸着不良によってシャッター秒時精度が悪化したり、吸着不良によってアーマチュア自体を保持できなくなるという不都合も生じなくなる。
しかしながら、羽根ユニットはカメラ本体の姿勢や使用環境温度の変化等によって、その走行特性が変化するものであり、これらの影響を無視すれば、特にシャッター速度が高速に設定されたときに露光時間のムラ(以下、露光ムラ)による影響が大きくなる。先羽根と後羽根の両方を機械的な羽根ユニットで構成した場合には、両方の羽根ユニットに対して均等な影響が及ぶことが多く、羽根ユニット間の走行特性の差異を気にしなくとも、さほど問題は生じない。しかしながら、撮像素子のリセット動作によって電荷蓄積開始タイミングを制御する場合には、リセット動作と後羽根の走行特性とで使用環境温度等による影響の有無に相違がある。
一方、特許文献2には、先羽根の羽根ユニットの走行特性をフォトインタラプタにより検知することで、撮像素子のリセット動作による電荷蓄積開始タイミングを制御する技術が記載されている。これによると、撮影直前にこれから走行させる後羽根の走行特性を推定できるため、撮像領域全体の露光ムラを低減できる可能性が高い。
特開平11−041523号公報 特開2005−159418号公報 特開2006−101492号公報
上記特許文献2では、後羽根の走行特性を事前に推定してリセット動作のタイミングを制御することができるが、フォトインタラプタを設けた分だけシャッターの構成が大型化してしまう。また、撮像素子の近傍にフォトインタラプタ等の光センサを配置すると、光センサから光が撮像素子の撮像面に入射しないような構成を別途設ける必要もある。
このように撮像素子のリセット動作とメカニカルシャッターとにより露光時間を制御する構成では、リセット動作のタイミングを適切に設定する構成について改善の余地があると考えられる。
また、メカニカルシャッターの走行特性を検出する技術が特許文献3に記載されている。これによると、撮像素子のリセット動作と読み出し動作の間に蓄積された全撮像領域の電荷量と、撮像素子のリセット動作とシャッターの走行動作の間に蓄積された全撮像領域の電荷量とを比較することでメカニカルシャッターの走行特性を検出している。この場合、撮像素子の全撮像領域の読み出しに数百ms程度の時間を要し、その間の被写体の状況変化による輝度変化によってメカニカルシャッターの走行時間の正確な比較ができなくなり、走行特性を正確に検出できない可能性がある。
更に、通常撮影の直前にメカニカルシャッターの走行特性を検知しようとすると、1回の撮影につき撮影前と撮影時の2回シャッターを走行させることになり、実際にシャッターを切るまでに時間がかかり、シャッタータイムラグが大きく不便となる。
また、上記不都合を解消するため、撮像素子の一部をメカニカルシャッターの走行特性検知に用い、その走行検知部に蓄積された電荷に応じて、上記撮像領域毎の露光時間の差分を演算し、この演算結果を用いて画像データの補正を行う技術が提案されている。この場合、走行検知部の読み出しに要する時間は極短時間になり、走行特性検知に要する時間は撮像素子の全撮像領域の電荷を読み出す時間に比べて大幅に少なくて済む。また、走行特性検知中の被写体の状況変化による輝度変化も無視できるほどであり、大抵の場合は正確な走行特性検知を行うことが可能となる。
しかしながら、撮像素子の一部をメカニカルシャッターの走行特性検知に用いる場合、走行曲線を正確に求めるためには走行検知部を多数設ける必要があり、結局のところ走行特性検知に要する時間が増加してしまうという問題がある。また、走行特性検知中のカメラの像ぶれにより走行検知部に無視できないほどの輝度変化が生じた場合には、走行特性検知により蓄積された電荷データに輝度変化による電荷データが上乗せされてしまい、正確な走行特性検知を行えない場合がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、後幕としてのメカニカルシャッターの走行特性を撮像素子により検知する場合のカメラの像ぶれ(輝度変化)による検知精度の低下を防止する技術を実現するものである。
上記課題を解決するため、本発明の撮像装置は、被写体像を受光して電荷として蓄積する撮像素子と、前記撮像素子の撮像領域を遮光するように走行する後幕としてのメカニカルシャッターと、前記撮像素子の撮像領域毎に順次、電荷の蓄積を開始する走査を行う走査手段と、前記電荷の蓄積を開始する走査と、蓄積された電荷を読み出す走査とを、予め決められた時間間隔で実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッター及び後幕電子シャッターとして機能させると共に、前記メカニカルシャッターの走行に先行して前記電荷の蓄積を開始する走査を実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッターとして機能させる露光制御手段と、前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第1の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッター及び前記メカニカルシャッターによる第2の電荷蓄積動作とを行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第3の電荷蓄積動作を行い、前記第1乃至第3の電荷蓄積動作により得られた蓄積電荷量を比較することにより前記メカニカルシャッターの走行特性を検知する検知手段と、を有する。
また、本発明の撮像装置の制御方法は、被写体像を受光して電荷として蓄積する撮像素子と、前記撮像素子の撮像領域を遮光するように走行する後幕としてのメカニカルシャッターと、前記撮像素子の撮像領域毎に順次、電荷の蓄積を開始する走査を行う走査手段と、前記電荷の蓄積を開始する走査と、蓄積された電荷を読み出す走査とを、予め決められた時間間隔で実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッター及び後幕電子シャッターとして機能させると共に、前記メカニカルシャッターの走行に先行して前記電荷の蓄積を開始する走査を実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッターとして機能させる露光制御手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第1の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッター及び前記メカニカルシャッターによる第2の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第3の電荷蓄積動作を行い、前記第1乃至第3の電荷蓄積動作により得られた蓄積電荷量を比較することにより前記メカニカルシャッターの走行特性を検知する。
本発明によれば、後幕としてのメカニカルシャッターの走行特性を撮像素子により検知する場合のカメラの像ぶれ(輝度変化)による検知精度の低下を防止できる。
以下に、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。即ち、本実施形態ではデジタル一眼レフカメラを例に説明を行うが、これに限られるものではない。例えば、被写体像を受光して電荷として蓄積する撮像素子と、羽根ユニットとを用いて撮像素子の露光時間を制御する撮像装置であれば、他の構成を有する撮像装置についても本発明を適用可能である。
[第1の実施形態]
先ず、本発明に係る第1の実施形態について説明する。
本実施形態のデジタル一眼レフカメラの概略構成は、上述した図11及び図12と同様であり、ハーフミラー111とサブミラー122からなる光路分割手段を備え、図11に示すミラーダウン状態と図12に示すミラーアップ状態のいずれかに動作可能である。また、光学ファインダーモードと電子ビューファインダーモードとが切り替え可能である。
図1は本発明に係る実施形態のデジタル一眼レフカメラ200の回路ブロック図である。
図1において、201は結像光学系103を含むレンズ部であり、202はレンズ駆動装置である。レンズ駆動装置202がレンズ部201に含まれる不図示のズーム光学系、結像光学系103を移動させることによって、ズーム制御やフォーカス制御等が行われる。203はメカニカルシャッターで、本実施形態では、一眼レフカメラに使用される、所謂フォーカルプレーン型のメカニカルシャッターの後羽根に相当する羽根ユニットを備える。204はメカニカルシャッター203を駆動するためのシャッター駆動装置であり、上述したチャージレバーや電磁石により構成される。
図2はメカニカルシャッター203の概略構成図である。
図2において、301はシャッター地板、301aは被写体にて反射された光束を通過させるためにシャッター地板301に形成されたシャッター開口部である。302は第1のアーム、303は第2のアームであり、それぞれシャッター地板301に設けられた軸周りに回転自在に取り付けられている。311〜314は後羽根であり、第1のアーム302に設けられたダボと第2のアーム303に設けられたダボによって、各アームに対して回転自在に支持されている。第1のアーム302、第2のアーム303、及び後羽根311〜314によって平行リンクを形成した羽根ユニットが構成される。
不図示のチャージレバーによって撮影準備位置へ移動された図2に示す状態から、シャッター駆動装置204の電磁石用のコイルの通電を切ると、後羽根311、後羽根312、後羽根313、後羽根314の順にシャッター開口部301aを覆い始める。311aは後羽根311の進行方向先端のスリット形成端であり、後述するCMOSセンサからなるの撮像素子205にて電荷蓄積が開始され、このスリット形成端311aにて遮光されるまでの時間が、撮像素子の、その撮像領域における露光時間となる。
尚、図2のメカニカルシャッター203は、撮影準備位置では図の下方に後羽根が位置し、撮影時に後羽根311〜314が図の上方に向かって移動するように記載されている。しかしながら、説明の便宜上、上述した図13と図14、後述する図6、図9及び図10では、撮影時に後羽根が図の上方から下方に向かって移動するものとして記載している。
図1の説明に戻り、205は被写体からの光束を受光することにより、その光量に応じて電荷を蓄積し、被写体像を電気信号に変換する撮像素子であり、図11及び図12の撮像素子106に対応する。
206は画像信号処理回路であり、撮像素子205から出力される画像のアナログ信号を増幅する。また、画像信号処理回路206は画像のアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換処理や、A/D変換後の画像データに各種の補正処理や圧縮処理を施したりする。
207は撮像素子205及び画像信号処理回路206に対して、タイミング信号を出力するタイミング発生部であり、208は画像データを一時的に記憶するためのメモリ部である。209はカメラ全体の動作を統括して制御し、また、撮影パラメータや補正処理に用いる係数を演算するための制御回路である。210は記録媒体211に対する画像データの記録又は読み出しを行うための記録媒体制御インターフェース(I/F)部である。211は画像データを記録するための半導体メモリ等からなる着脱可能な記録媒体である。212はコンピュータ等の外部装置と通信するための外部I/F部である。
213は図11及び図12のペンタプリズム112の近傍に配置され、光学ファインダーモード時に光学ファインダーに導かれた光束を用いて被写体の輝度を測定する測光装置である。214は光学ファインダーモード時にハーフミラー111及びサブミラー122にて反射された光束を用いて被写体の焦点状態を検出する焦点検出装置であり、図11及び図12の焦点検出装置121に対応する。215は重力センサ等を用いてカメラ本体の向きを検知する姿勢検知装置である。216は電子ビューファインダーモード時に被写体を動画として表示したり、撮影画像を表示したりするための表示装置であり、図11及び図12の表示装置107に対応する。
次に、XYアドレス型の撮像素子の走査方法について説明する。
撮像素子は、撮像素子の画素毎又はライン毎に不要電荷を除去し電荷蓄積を開始する走査(以下、リセット動作)を実行し、その後、画素毎又はライン毎に蓄積された電荷を読み出す走査(以下、読み出し動作)を行うことで蓄積動作を終了する。これらリセット動作と読み出し動作を撮像素子の撮像領域毎に時間差で行うものを、特にローリング電子シャッターと呼ぶ。
続いて、図3及び図4を参照して、XYアドレス型の撮像素子の構造と駆動方法、及びローリング電子シャッターの動作について説明する。
図3はXYアドレス型の走査方法が適用される撮像素子の回路構成図である。
図3において、401は単位画素である。402は光を電荷に変換するフォトダイオード(以下、PD)である。403は転送パルスφTXによってPDで発生した電荷を後述する電荷検出部(以下、FD)404に転送する転送スイッチである。FD404は電荷を一時的に蓄積しておく電荷検出部であり、405はソースフォロアとして機能する増幅MOSアンプである。406は選択パルスφSELVによって画素を選択する選択スイッチであり、407はリセットパルスφRESによってFDに蓄積された電荷を除去するリセットスイッチである。FD404、増幅MOSアンプ405、及び後述する定電流源409でフローティングディフュージョンアンプが構成される。そして、選択スイッチ406で選択された画素の電荷が電圧に変換され信号出力線408を介して読み出し回路413に出力される。409は増幅MOSアンプ405の負荷となる定電流源である。
410は読み出し回路413から出力信号を選択する選択スイッチであり、水平走査回路414によって駆動される。また、412は転送スイッチ403、選択スイッチ406、リセットスイッチ407を選択するための垂直走査回路である。
φTX、φRES、φSELVのそれぞれにおいて垂直走査回路412によって走査選択されたn番目の走査ラインをφTXn、φRESn、φSELVnとする。
図4は、従来のローリング電子シャッターの動作における撮像素子の駆動パルスと動作シーケンスを示す図である。尚、図4では垂直走査回路412によって走査選択されたnラインからn+3ラインのみを示している。
従来のローリング電子シャッターは、nラインにおいて、先ず時刻t41からt42の間、φRESnとφTXnにパルスが印加され転送スイッチ403及びリセットスイッチ407がオンされる。これによりnライン目のPD402とFD404に蓄積されている不要電荷を除去するリセット動作を行う。
リセット動作が行われると、時刻t42で転送スイッチ403がオフになり、PD402に発生した光電荷の蓄積動作が開始される。次に時刻t44においてφTXnにパルスを印加され転送スイッチ403をオンにし、PD402に蓄積された光電荷をFD404に転送する転送動作を行う。尚、リセットスイッチ407は、転送動作に先んじてオフする必要があり、本図では、時刻t42で転送スイッチ403と同時にオフとなる。ここで、時刻t42から時刻t44までが蓄積時間となる。
nライン目の転送動作終了後、φSELVnにパルスが印加され選択スイッチ406がオンすることにより、FD404に保持した電荷が電圧に変換され、読み出し回路413に出力される。読み出し回路413で一時的に保持された信号が水平走査回路414によって時刻t46より順次出力される。時刻t44の転送開始から時刻t47の読み出し終了までをnラインでのT4readとし、時刻t41から時刻t43までの時間をn+1ラインでのT4waitとする。他のラインにおいても同様に、転送開始から読み出し終了までの時間がT4readとなり、あるラインのリセット開始から次のラインのリセット開始までの間の時間がT4waitとなる。
このようにローリング電子シャッターでは撮像素子の上下の領域で電荷蓄積のタイミングは異なるが、それぞれの電荷蓄積に要する時間は撮像素子の上下の領域で同等にすることが可能である。
本実施形態においては、リセット動作によって電荷蓄積動作を開始してから羽根ユニットによる遮光までの時間を変更することによって撮像素子の露光時間を制御する構成となっている。
この構成では、撮像素子のリセット動作から羽根ユニットによる遮光までが実質的な露光時間となるため、電荷蓄積に要する時間を撮像素子の上下の領域で等しくする必要はない。本実施形態では、撮像素子のPD402とFD404のリセット動作をライン毎に等間隔で行うのではなく、このリセット動作を後羽根の走行特性に合わせる必要がある。ここで、後羽根の走行特性とは、後羽根の走行時の、時間経過に対する後羽根の走行位置を表す特性を意味している。
図5は、本実施形態のローリング電子シャッターにおける撮像素子の駆動パルスと動作シーケンスを示す図である。図4と同様に、図5も垂直走査回路412によって走査選択されたnラインからn+3ラインのみを示している。
本実施形態のローリング電子シャッター(先幕電子シャッター及び後幕電子シャッター)は、nラインにおいて、先ず時刻t51からt52の間、φRESnとφTXnにパルスが印加され、転送スイッチ403及びリセットスイッチ407がオンされる。これによりnライン目のPD402とFD404に蓄積されている不用電荷を除去するリセット動作を行う。
時刻t52で転送スイッチ403がオフになり、PD402に発生した光電荷の蓄積動作が開始される。次に時刻t54においてφTXnにパルスが印加され、転送スイッチ403がオンされ、PD402に蓄積された光電荷をFD404に転送する転送動作を行う。尚、リセットスイッチ407は、転送動作に先んじてオフする必要があり、本図では、時刻t52で転送スイッチ403と同時にオフとなる。ここで、時刻t52から時刻t54までがnラインの蓄積時間となる。
nライン目の転送動作終了後φSELVnにパルスが印加され、選択スイッチ406がオンされることにより、FD404で保持した電荷が電圧に変換され、読み出し回路413に出力される。読み出し回路413で一時的に保持された信号が水平走査回路414によって時刻t56より順次出力される。時刻t54の転送開始から時刻t57の読み出し終了までをT5readとし、時刻t51から時刻t53までの時間をT5waitとする。この時刻t53で、n+1ライン目での電荷蓄積動作が開始される。他のラインにおいても同様に、転送開始から読み出し終了までの時間はT5readとなるが、あるラインのPD402とFD404のリセット開始から次のラインのPD402とFD404のリセット開始までの間の時間T5waitは等間隔とはならない。あるラインのPD402とFD404のリセット開始から次のラインのPD402とFD404のリセット開始までの時間T5waitは、後羽根が通過するまでの時間が全てのラインで略同じになるように、後羽根の走行特性に合うように制御される。
しかしながら、後羽根の走行特性はある程度は予測できても、カメラの姿勢、使用環境温度、湿度、電源状態、作動回数、撮影間隔等の多くの要因によって変化するため、撮像素子のリセット動作を後羽根の走行特性に一致させることは困難である。
そこで、本実施形態では後述する方法によって、撮像素子の撮像領域毎の露光ムラやズレを低減させる処理を行っている。
ここで、本実施形態におけるデジタル一眼レフカメラによる撮影動作(露光制御)について、光学ファインダーモード時を例に説明する。
デジタル一眼レフカメラの電源がオンされると、画像信号処理回路206やタイミング発生部207等の撮像系回路の電源がオンされる。
不図示のレリーズボタンが半押しされ、撮影準備動作が指示されると、制御回路209は測光装置213に測光を行わせて被写体輝度を検出する。制御回路209は、検出された被写体輝度に応じて、適正なシャッター速度(以下、目標露光時間)と絞り値を決定する。また、制御回路209は、焦点検出装置214から出力された信号から被写体の高周波成分を取り出し、被写体までの距離を演算する。そして、主被写体と判定された対象が合焦状態となるようにレンズ駆動装置202によりレンズ部201を駆動する。主被写体が合焦状態になると、音や焦点検出枠を点灯させる等の手段によってその旨を撮影者に通知する。
不図示のレリーズボタンが全押しされ撮影開始が指示されると、制御回路209はハーフミラー111とサブミラー122からなる光路分割手段を跳ね上げて、図12に示すミラーアップ状態とする。
撮像素子205のリセット動作を開始し、決定された目標露光時間に応じた時間が経過した後、後羽根としての羽根ユニットの走行を開始する。尚、羽根ユニットの走行を開始するタイミングは、シャッター駆動装置204に羽根ユニットの走行を開始させるための信号を出力してから後羽根311が撮像素子205を覆うまでの時間も考慮されて決定される。
そして、羽根ユニットの走行が完了し、シャッター開口部301aが後羽根311〜314にて完全に覆われた後で、撮像素子205に蓄積された電荷の読み出し動作をライン毎に行う。
尚、電子ビューファインダーモードが設定されている場合は、レリーズボタンが半押しされる前にハーフミラー111とサブミラー122を跳ね上げて、図12に示すミラーアップ状態とする。撮像素子205は読み出し動作を周期的に行い、表示装置216に被写体の画像を連続してリアルタイムに表示する。そして、撮像素子205により撮像された画像データから適正なシャッター速度と絞り値を決定し、主被写体と判定された対象が合焦状態となるよう、レンズ駆動装置202によりレンズ部201を駆動する。そして、レリーズボタンが全押しされたタイミングに合わせて撮像素子205のリセット動作を行い、羽根ユニットを走行させる。
撮影動作が終了すると、撮像素子205から出力された画像データは画像信号処理回路206にて増幅され、更にA/D変換され、制御回路209によりメモリ部208に書き込まれる。その後、メモリ部208に蓄積された画像データは、制御回路209によって後述するゲイン補正が行われ、補正された画像データは記録媒体制御I/F部210を介して記録媒体211に記録される。
次に、図6〜図9を参照して、後羽根の走行特性の検知方法について説明する。
図6は、撮像素子205及びメカニカルシャッター203の後羽根を光軸方向の被写体側から見た図であり、撮像面を後羽根にて遮光する前の待機状態を示している。矢印20は、リセット動作及び読み出し動作の走査方向と、後羽根の走行方向を表している。
21は撮像素子205の撮像面である。311は走行時に先頭となる後羽根である。後羽根311の先端311aは、撮像素子205に配列されたラインセンサと平行になるように形成されている。21a,21bは走行検知部であり、撮像面21における後羽根の走行方向に対してズレた複数の位置に設けられる。本実施形態では撮像面21のうち、後述する後羽根の走行特性検知に用いる最上部の複数行21aと最下部の複数行21bのラインセンサをそれぞれ示している。
本実施形態では、後羽根の走行特性の検知は、撮像素子のリセット動作と読み出し動作の間に蓄積された電荷量と、撮像素子のリセット動作とメカニカルシャッターの走行の間に蓄積された電荷量とを比較することで行う。図6では、それぞれの走行検知部21a,21bのラインセンサに対し、リセット動作が開始されてから後羽根311の先端311aによって遮光されるまでの時間が、その走行検知部におけるラインセンサの露光時間となる。
[走行特性検知]
図7は後羽根の走行特性検知処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、先ず走行検知部21a,21bのそれぞれによりリセット動作を行ってから後羽根311〜314を走行させずに読み出し動作を行う第1の電荷蓄積動作により第1の電荷蓄積量を得る。次に、リセット動作を行ってから後羽根311〜314を走行させて読み出し動作を行う第2の電荷蓄積動作により第2の電荷蓄積量を得る。更に、第1の電荷蓄積動作と同じ間隔でリセット動作を行ってから読み出し動作を行う第3の電荷蓄積動作を再度実行することにより第3の電荷蓄積量を得る。ここで、第1の電荷蓄積動作の時間間隔、第2の電荷蓄積動作の時間間隔、第3の電荷蓄積動作の時間間隔とが互いに同一であれば、第1乃至第3の電荷蓄積動作による各蓄積電荷量は同等となるはずである。
そこで、図7において、後羽根の走行特性検知モードに移行し、不図示のレリーズボタンによって撮影指示がなされると、S21では、制御回路209はハーフミラー111とサブミラー122からなる光路分割手段を跳ね上げて、ミラーアップ状態とする。
S22では、制御回路209は撮像素子205の走行検知部21a,22bにリセット動作を実行させる。走行検知部21a、21bのリセット動作の開始タイミングは、ライン毎に1つの走行検知部での読み出し動作に要する時間だけずらして行われる。走行検知部21aの全てのラインセンサでのリセット動作が開始されれば、間を空けずにすぐさま走行検知部21bでのリセット動作が開始される。
S23では、走行検知部21a,21bのそれぞれについて、リセット動作から所定時間経過後に読み出し動作を行い、走行検知部21a,21bにより第1の電荷蓄積量を得る。ここでの読み出し動作は、撮像面の全面積よりも小さな走行検知部21a,21bに相当する領域から電荷を読み出せば済むので、短時間で読み出すことができる。
例えばアスペクト比が3:2の600万画素の撮像素子を想定した場合、ラインセンサは2000行並んでおり、全画素の電荷蓄積量を読み出すのに要する時間は100〜200msである。走行検知部21a,21bのそれぞれがラインセンサ5行で構成され、これらラインセンサ10行分を読み出すのであればその1/200の時間で済み、0.5ms〜1.0msで読み出すことができる。
従って、第1の電荷蓄積量を得るために要する時間は、先のリセット動作から読み出しまでの所定時間T0を例えば1/1000秒(1ms)程度に設定すれば、2ms程度という非常に短時間にすることができる。
S23の読み出し動作の完了後、S24〜S26において、後羽根311〜314を用いた露光動作によって撮影を行うと共に、走行検知部21a,21bにより第2の電荷蓄積量を得る。
具体的には、S24にて予め推定された後羽根311〜314の走行特性に合うようにタイミングを合わせて走行検知部21a、21bのリセット動作を行う。
S25では、走行検知部21aでの露光時間が所定時間T0となることを狙って後羽根311〜314を走行させ、撮像面21の走行検知部21a、21bを遮光させる。
S26では、走行検知部21a,21bの読み出し動作を行い第2の電荷蓄積量を得る。この電荷の読み出しが完了すると、後羽根311〜314のチャージを行って走行開始位置に戻す(S27)。
S28では、S2-2と同様に、走行検知部21a,21bのそれぞれについて、リセット動作から所定時間経過後に読み出し動作を行い、走行検知部21a,21bにより第3の電荷蓄積量を得る。
図8は、図7で述べた後羽根の走行特性検知において、第1の電荷蓄積量と第3の電荷蓄積量とを比較することで、カメラの像ぶれによる走行検知部の輝度変化を検出し、後羽根の走行特性検知結果の成否を判定するフローチャートである。
S31〜S32では、上記S21〜S29による後羽根の走行特性検知を行う。走行特性検知が完了すると、カメラの像ぶれ検出処理に移行し、上記第1の電荷蓄積量及び第3の電荷蓄積量の差分データを算出する(S33)。
この差分データは後羽根の走行特性検知の前後における所定時間のリセット動作、読み出し動作による電荷蓄積量の差であり、走行特性検知中にカメラに像ぶれが発生していなければ値はゼロになるはずである。つまり、前述の後羽根の走行特性検知時に、カメラを完全に固定し、一定輝度面を撮像するようにして、撮像素子の走行検知部に集束する光束が走行特性検知中に変化しないようにしない限り、走行特性検知の前後で像ぶれが発生する。そして、この像ぶれにより走行検知部での輝度が変化してしまうため、この差分データはゼロになることはない。
よって、S34では、予め設定された所定の閾値を設定し、差分が所定閾値以下であれば、後羽根の走行特性検知の前後における像ぶれによる輝度変化は無視できると判定し、逆に差分が所定閾値を上回る場合には走行特性検知が失敗であると判定する。
S35では、走行特性検知が失敗であるので、その旨を表示する等して撮影者に通知し、再度後羽根の走行特性検知を行う。
S36では、差分が所定閾値以下であるので、走行特性検知が成功であると判定し、後羽根の走行特性に合わせた画像輝度補正のための補正データを算出する。
次に、上記S36での画像輝度補正について詳細に説明する。
図9において、縦軸は撮像素子205の撮像面の上下方向における位置を示し、横軸は時間を示している。
図9において、71a,71bはそれぞれ走行検知部21a,21bにおけるリセット動作(S22)の開始タイミングを、72a,72bは同じ走行検知部21a、21bにおける読み出し動作(S23)の開始タイミングを示している。71aと72aの間隔と71bと72bの間隔はいずれも所定時間T0あり、走行検知部21a,21bにおける露光蓄積時間は等しくなっている。このリセット動作及び読み出し動作による露光動作で得られる走行検知部21a,21bの電荷蓄積量をQa,Qbとする。走行検知部21a,21bの露光蓄積時間がT0で等しくとも、このときの被写体の輝度が一様でなければ、電荷蓄積量QaとQbは異なる値となる。
81は撮像面21の全撮像領域のリセット動作の開始タイミングを示し、82は撮像面21の全撮像領域の後羽根の走行特性を示している。81a,81bはそれぞれ走行検知部21a,21bにおけるリセット動作(S24)の開始タイミングを、82a,82bは同じ走行検知部21a,21bにおける後羽根の先端311aの走行(S25)のタイミングを示している。また、83a,83bはは同じ走行検知部21a,21bにおける電荷の読み出し動作(S26)の開始タイミングを示している。このリセット動作及び後羽根の走行による露光動作で得られる走行検知部21a,21bの電荷蓄積量をqa,qbとする。
ここで、上述したようにS22、S23とS24〜S26のそれぞれの走行検知部における像ぶれによる輝度変化は無視できるものとすると、電荷蓄積量Qaとqa、電荷蓄積量Qbとqbの比はそれぞれの走行検知部での露光時間の比となる。
従って、走行検知部21aにおけるS24〜S26での実際の平均露光蓄積時間taは、電荷量Qaとqaの比となるため、式1の関係となる。
ta=T0*qa/Qa・・・(1)
同様に、走行検知部21bにおけるS24〜S26での実際の平均露光蓄積時間tbは、式2の関係となる。
tb=T0*qb/Qb・・・(2)
T0に対するtaの値を、目標とする露光時間に対する実際の後羽根の走行開始タイミングのズレと考えられるため、得られた画像データ全体は露光時間が式3だけズレていると見なすことができる。
ta/T0・・・(3)
次に、後羽根の走行特性に対するリセット動作のタイミングのズレは、後羽根の走行特性を1次関数に近似することで、撮像素子205のライン毎に式4から求められる。
tb/ta×n/v0・・・(4)
但し、v0は撮像素子205のラインの総数であり、nは図9の上部からのライン数を示している。
上記式3,4で表される分だけ撮像素子の各ラインにおいて実際の露光時間が目標とする露光時間からズレている。そのため、この逆数を加味した式5で表されるゲイン補正を各ラインに相当する画素に対して行えば、露光時間を目標値に一致させたときの画像データに相当する画像データを得ることができる。
1/(ta/T0×tb/ta×n/v0)×Y・・・(5)
但し、Yは画像データのゲイン補正対象となるが素の輝度信号の値を表している。
図10は上記式5で表されるゲイン補正の概念を示す図である。
図10では、撮影によって得られた画像データの輝度信号に対して、羽根ユニットの走行開始タイミングのズレと、1次式で近似された目標値に対する実際の走行特性の形状のズレを考慮して、ゲイン補正による輝度補正を行っていることを示している。
具体的には、電子先幕シャッターの撮影により得られた画像は、画面上側が暗く下側に移るにつれて徐々に明るい画像になっている。しかし、上側で強く下側に移るにつれて徐々に弱くなっていくようにゲイン補正を行うことで、露出ムラが抑制された画像が得られる。
尚、実際の露光時間と目標露光時間の差分を補償する方法はこれに限定されるわけではない。
例えば、式4は1次関数として求めたが、決定されたシャッター速度を考慮して2次以上の関数として求めても良い。また、式5の代わりに予めゲイン補正の値を補正テーブルに記憶しておき、目標露光時間T0、ta及びtbの値の組み合わせに応じて選択的にゲイン補正の値を読み出してもよい。
更に後羽根だけでなく、電荷蓄積動作の開始タイミングを規定する先羽根をメカニカルシャッターの羽根ユニットにより構成した場合でも本発明を適用可能である。後羽根としての羽根ユニットと同様に、先羽根としての羽根ユニットの通過タイミングを検知することにより、2つの羽根ユニットの走行間隔の目標値に対する差分が求められる。更に、上記式4と同様に、2つの羽根ユニットの走行特性の差分も求められる。これらの差分を考慮したゲイン補正を撮影した画像に施すことで、先羽根を電子シャッター機能を用いて構成した場合と同様に、撮像領域毎に生じる露光ムラを適正に補償することができる。
また、上記式4を用いて次回の撮影時のリセット動作のタイミングを補正しても良い。
尚、上述の輝度補正処理を、画像を撮影したカメラとは別の装置で行っても良い。目標露光時間T0、ta及びtbに相当する値を撮影によって得られた画像データに付随して記録媒体に保存し、この画像データを読み出した画像処理装置において上述のゲイン補正を行うことも可能である。つまり、画像データが得られたときの撮像領域毎のリセット動作のタイミングを示す情報と、羽根ユニットの走行特性を示す情報とがあれば、これらの差分等の比較結果から画像を撮影したカメラとは別の装置での輝度補正が可能となる。
尚、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体(又は記録媒体)をカメラに供給ことによっても達成されることは言うまでもない。この場合、カメラのコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体からプログラムコードを読み出して実行することによって達成される。
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した図7、図8の各フローチャートの処理を実行する制御プログラムや各種テーブルが格納されることになる。これらのプログラムコードは、例えば、アップデート可能なファームウェアとしても提供可能である。
本発明に係る実施形態のデジタル一眼レフカメラの回路ブロック図である。 本発明に係る実施形態のメカニカルシャッターの概略構成を示す図である。 XYアドレス型の走査方法が適用される撮像素子の回路構成図である。 従来のローリング電子シャッターの撮像素子の駆動パルスと動作シーケンスを示す図である。 本実施形態のローリング電子シャッターの撮像素子の駆動パルスと動作シーケンスを示す図である。 撮像素子及びメカニカルシャッターの後羽根を光軸方向の被写体側から見た図である。 後羽根の走行特性検知及び撮影を行うための動作シーケンスを示す図である。 後羽根の走行特性検知の成否を判定するフローチャートである。 後羽根の走行特性と電荷蓄積量との関係を説明する図である。 本実施形態におけるゲイン補正の概念を示す図である。 光学ファインダーモード時の単板式のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す断面図である。 電子ビューファインダーモード時の単板式のデジタル一眼レフカメラの概略構成を示す断面図である。 従来のカメラによる撮像素子の蓄積動作と、メカニカルシャッターにより構成した先羽根及び後羽根の走行タイミングを示す図である。 従来のカメラによる撮像素子の蓄積動作と、電子シャッター機能により構成した先羽根のリセット動作のタイミングと、メカニカルシャッターにより構成した後羽根の走行タイミングを示す図である。
符号の説明
21 撮像面
200 デジタル一眼レフカメラ
201 レンズ部
202 レンズ駆動装置
203 メカニカルシャッター
204 シャッター駆動装置
205 撮像素子
206 画像信号処理装置
207 タイミング発生部
208 メモリ部
209 制御回路
210 記録媒体制御インターフェース部
211 記録媒体
212 外部インターフェース部
213 測光装置
214 焦点検出装置
215 姿勢検知装置
216 表示装置
301 シャッター地板
302 第1アーム
303 第2アーム
311〜314 先羽根

Claims (7)

  1. 被写体像を受光して電荷として蓄積する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像領域を遮光するように走行する後幕としてのメカニカルシャッターと、
    前記撮像素子の撮像領域毎に順次、電荷の蓄積を開始する走査を行う走査手段と、
    前記電荷の蓄積を開始する走査と、蓄積された電荷を読み出す走査とを、予め決められた時間間隔で実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッター及び後幕電子シャッターとして機能させると共に、前記メカニカルシャッターの走行に先行して前記電荷の蓄積を開始する走査を実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッターとして機能させる露光制御手段と、
    前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第1の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッター及び前記メカニカルシャッターによる第2の電荷蓄積動作とを行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第3の電荷蓄積動作を行い、前記第1乃至第3の電荷蓄積動作により得られた蓄積電荷量を比較することにより前記メカニカルシャッターの走行特性を検知する検知手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
  2. 前記検知手段は、前記第1の電荷蓄積動作と前記第3の電荷蓄積動作において同一の撮像領域での蓄積電荷量の差分が閾値を上回る場合に、前記走行特性の検知結果が失敗であると判定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記検知手段は、前記走行特性の検知結果が失敗であると判定した場合、前記走行特性の検知を再度実行することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記検知手段は、前記走行特性の検知結果が失敗であることを通知する手段を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の電荷蓄積動作と前記第3の電荷蓄積動作において同一の撮像領域での蓄積電荷量の差分が閾値以下の場合、前記走行特性の検知結果が成功であると判定し、検知された走行特性に応じて撮影画像の輝度を補正する手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記第1乃至第3の電荷蓄積動作は、前記撮像素子の一部の撮像領域を用いて実行されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
  7. 被写体像を受光して電荷として蓄積する撮像素子と、
    前記撮像素子の撮像領域を遮光するように走行する後幕としてのメカニカルシャッターと、
    前記撮像素子の撮像領域毎に順次、電荷の蓄積を開始する走査を行う走査手段と、
    前記電荷の蓄積を開始する走査と、蓄積された電荷を読み出す走査とを、予め決められた時間間隔で実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッター及び後幕電子シャッターとして機能させると共に、前記メカニカルシャッターの走行に先行して前記電荷の蓄積を開始する走査を実行することで前記撮像素子を先幕電子シャッターとして機能させる露光制御手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
    前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第1の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッター及び前記メカニカルシャッターによる第2の電荷蓄積動作を行い、前記第1の電荷蓄積動作と同じ時間間隔で前記先幕電子シャッターと前記後幕電子シャッターによる第3の電荷蓄積動作を行い、前記第1乃至第3の電荷蓄積動作により得られた蓄積電荷量を比較することにより前記メカニカルシャッターの走行特性を検知することを特徴とする制御方法。
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