JP2005005303A - 溶液塗布方法および溶液塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】所望の電気特性を有し、かつ歩留まりの高い半導体装置を製造するため、非晶質膜を結晶化させる触媒金属を基板上に均一に添加する溶液塗布方法、および溶液塗布装置を提供する。
【解決手段】溶液塗布方法は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質シリコン膜が形成されたガラス基板上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、ガラス基板上に溶液が供給された状態で、ガラス基板を回転速度V1で回転させる工程と、溶液が供給された後、回転速度V1よりも大きい回転速度V2まで、所定の加速度でガラス基板を加速させる工程と、回転速度V2から回転速度V2よりも小さい回転速度V3まで、ガラス基板を減速させる工程と、回転速度V3で所定期間、ガラス基板を回転させる工程とを備える。
【選択図】 図3
【解決手段】溶液塗布方法は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質シリコン膜が形成されたガラス基板上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、ガラス基板上に溶液が供給された状態で、ガラス基板を回転速度V1で回転させる工程と、溶液が供給された後、回転速度V1よりも大きい回転速度V2まで、所定の加速度でガラス基板を加速させる工程と、回転速度V2から回転速度V2よりも小さい回転速度V3まで、ガラス基板を減速させる工程と、回転速度V3で所定期間、ガラス基板を回転させる工程とを備える。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、スピンコーティング法により基板上に溶液を塗布する溶液塗布方法、および溶液塗布装置に関し、より特定的には、基板の回転速度を適切に制御して溶液を塗布する溶液塗布方法、および溶液塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に成膜された非晶質シリコン膜に熱処理を施すことで非晶質シリコン膜を結晶化し、結晶質シリコン膜を形成することが知られている。この際、非晶質シリコン膜上にニッケル(Ni)などの触媒金属を添加すると、非晶質シリコン膜の結晶化を助長させることができる。
【0003】
また、所望の電気特性を有する半導体装置を製造するためには、均一に結晶化された結晶質シリコン膜を形成しなければならない。従って、触媒金属を用いる場合には、非晶質シリコン膜の全面に渡って均一に触媒金属を添加することが重要である。
【0004】
このように触媒金属を均一に添加する方法として、スピン式のテーブルを用いることによって、ニッケルの硝酸塩を含むエタノール溶液を非晶質シリコン膜に塗布する方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−256155号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フォトレジスト膜またはゾルゲル薄膜を形成する際、基板に塗布される溶液には粘度が10cPから20cPまでのレジスト溶液または高分子溶液などが一般的に使用される。特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法でこのように比較的粘度が高い溶液を基板上に供給すると、厚みを均一にして溶液を塗布することができる。
【0007】
これに対して、非晶質シリコン膜の結晶化を助長させる触媒金属を含む溶液を塗布する場合、アンモニア水またはアセトンなどが溶媒として使用される。表1は、触媒金属を含む溶液を塗布する際使用される各種溶媒の粘度値を示す。
【0008】
【表1】
【0009】
表1を参照して分かるように、使用される溶媒の多くは粘度が1cP以下と比較的低い。このため、粘度が高いレジスト溶液などとは溶液の流動特性が大きく異なり、特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法をそのまま適用しても溶液の厚みを均一にして塗布することはできない。厚みが不均一な状態で溶液が乾燥すると、非晶質シリコン膜に触媒金属が均一に添加されないという問題が発生する。
【0010】
また、特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法を、触媒金属を含む溶液の塗布にそのまま適用した場合、溶液の液面に斑紋が形成される。図12は、ガラス基板上に塗布された溶液の様子を示す平面図である。図12を参照して、回転するガラス基板101上に触媒金属を含む溶液が塗布されている。ガラス基板101の四隅の液面には、風きりによって発生する乱流により風きり模様112が形成されている。また、ガラス基板101の中央部と周縁部との溶液の厚みが不均一であることから、中央部から周縁部に向けて放射状の筋状紋113が形成されている。溶液の液面にこのような斑紋が形成されれば、非晶質シリコン膜に触媒金属が均一に添加されないという同様の問題が発生する。
【0011】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、所望の電気特性を有し、かつ歩留まりの高い半導体装置を製造するため、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を基板上に均一に添加する溶液塗布方法、および溶液塗布装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った溶液塗布方法は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、基板上に溶液が供給された状態で、基板を第1の回転速度で回転させる工程と、溶液が供給された後、第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の加速度で基板を加速させる工程と、第2の回転速度から第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、基板を減速させる工程と、第3の回転速度で所定期間、基板を回転させる工程とを備える。
【0013】
このように構成された溶液塗布方法によれば、基板上に供給された溶液が乾燥することで溶液中の溶質である金属触媒が析出する。これにより、基板上の非晶質膜に触媒金属を添加する。まず、基板を第1の回転速度で回転させる工程では、基板上に供給された溶液を、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面に行き渡らせる。続いて、第2の回転速度まで基板を加速させる工程では、基板上の溶液に、基板の周縁方向に向かう遠心力を大きく作用させる。これにより、基板上に供給された溶液のうち余分な溶液を基板上から除去し、非晶質膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。さらに、第3の回転速度まで基板を減速させる工程において、基板上の溶液の厚みを再び均一にする。その後、溶液を完全に乾燥させることを目的として、第3の回転速度を維持して基板を所定の間回転させる。以上の工程によって、基板上の非晶質膜に触媒金属を均一に添加することができる。これにより、非晶質膜を均一に結晶成長させ、所望の電気特性を有する半導体装置を製造することができる。また、第2の回転速度まで基板を加速させる工程で、基板上に供給された余分な溶液を積極的に除去し、さらに、第3の回転速度で基板を回転させる工程で、溶液の乾燥を促進していることから、触媒金属を添加する工程に費やす時間を短縮化し、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
【0014】
また好ましくは、基板を加速させる工程は、基板の回転速度が第2の回転速度を超えた場合、直ちに非晶質膜の表面が溶液から露出し始めるように、第2の回転速度まで基板を加速させる工程を含む。このように構成された溶液塗布方法によれば、非晶質膜の表面が露出し始める寸前に、基板の回転を加速から減速へと転じる。第2の回転速度まで基板を加速させる工程の途中に非晶質膜の表面が露出し始めた場合、その露出した部分が溶液の液面に斑紋を形成する原因となったり、露出した部分に添加される触媒金属の濃度が高くなるおそれがある。したがって、非晶質膜が露出しないように基板を第2の回転速度まで加速させることによって、触媒金属が不均一に添加される要因を取り除くことができる。
【0015】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、第1の回転速度は、10(rpm)以上100/X(rpm)以下である。第1の回転速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の回転速度が10(rpm)よりも小さい場合、回転によって発生する遠心力が小さすぎて溶液を基板上の全面にスムーズに行き渡らせることができない。また、基板の回転速度が100/X(rpm)よりも大きい場合、溶液の厚みが不均一になったり、液面に斑紋が形成されたりするおそれがある。このように比較的小さい第1の回転速度で基板を回転させることができるのは、触媒金属の添加に使用される溶液の粘度が低いことによる。以上の理由から、第1の回転速度を上述の範囲に制御することによって、基板上に供給された溶液を均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面にスムーズに行き渡らせることができる。
【0016】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、所定の加速度は、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下である。所定の加速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の加速度が10(rpm/秒)よりも小さい場合、回転によって発生する遠心力が小さすぎて、溶液を効率良く基板の周縁方向に除去することができない。また、基板の加速度が50/X(rpm/秒)よりも大きい場合、溶液の液面に大きな乱れを発生させてしまう。したがって、所定の加速度を上述の範囲に制御することによって、溶液の液面に大きな乱れを生じさせることなく、かつ短時間で余分な溶液を基板上から除去することができる。
【0017】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、第3の回転速度は、10(rpm)以上200/X(rpm)以下である。第3の回転速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の回転速度が10(rpm)よりも小さい場合、基板上の溶液を効率良く乾燥させることができない。また、基板の回転速度が200/X(rpm)よりも大きい場合、溶液の厚みが不均一になったり、液面に斑紋が形成されたりするおそれがある。したがって、第3の回転速度を上述の範囲に制御することによって、基板上に薄く形成された溶液を流動させることなく短時間で乾燥させることができる。
【0018】
また好ましくは、溶液は、水、アルコール、無機酸、およびアンモニア水からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性溶媒を含む。これらの極性溶媒は、分子中で正荷電と負荷電とが分離していたり、正荷電と負荷電の中心がずれていたりする。また、極性溶媒は高い誘電率を有し、化学的に活性で配位共有結合を形成するという特徴を有している。
【0019】
また好ましくは、溶液は、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、およびエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非極性溶媒を含む。キシレンは、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンの混合物である。
【0020】
この発明に従った溶液塗布装置は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する装置である。溶液塗布装置は、基板を保持するスピンテーブルと、スピンテーブルの回転速度を経時的に制御して、スピンテーブルを回転させる駆動手段と、スピンテーブルに保持された基板上に溶液の供給を行なう溶液供給手段とを備える。溶液塗布装置は、溶液供給手段が、基板上に溶液を供給した状態で、駆動手段が基板を第1の回転速度で回転させる工程と、溶液供給手段が溶液を供給した後、駆動手段が、第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の回転加速度で基板を加速させる工程と、駆動手段が、第2の回転速度から第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、基板を減速させる工程と、駆動手段が、第3の回転速度で所定期間、基板を回転させる工程とを実行する。
【0021】
このように構成された溶液塗布装置によれば、スピンテーブルの回転速度を経時的に制御することができる駆動手段を備えるため、基板上の非晶質膜に触媒金属を添加する一連の工程の中で、それぞれ適切と考えられる回転速度で基板を回転させることができる。具体的には、基板上に供給された溶液を、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面に行き渡らせるために、駆動手段により基板を第1の回転速度で回転させる。続いて、基板上の溶液に基板の周縁方向に向かう遠心力を大きく作用させるために、駆動手段により第2の回転速度まで基板を加速させる。これにより、基板上に供給された溶液のうち余分な溶液を基板上から除去し、非晶質膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。さらに、基板上の溶液の厚みを再び均一にすることを目的として、駆動手段により第3の回転速度まで基板を減速させる。さらに、基板上の溶液を完全に乾燥させることを目的として、そのまま第3の回転速度で基板を回転させる。以上の工程を実行することによって、基板上の非晶質膜に触媒金属を均一に添加することができる。これにより、非晶質膜を均一に結晶成長させ、所望の電気特性を有する半導体装置を製造することができる。
【0022】
また好ましくは、溶液塗布装置は、基板上に気体の吹き付けを行なうノズルを有し、スピンテーブルの上方に設けられた第1の可動式アームをさらに備える。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板の中心部における溶液の厚みを周縁部における溶液の厚みに近づけることを目的として、ノズルから基板の中心部付近に気体が吹き付けられる。特に水など1cPを超える比較的大きい粘度の溶媒が使用された場合には、基板の中央部および周縁部で溶液に作用する遠心力が異なり、中心部で溶液の厚みが厚く形成される傾向がある。このような場合に、基板の中心部に気体の吹き付けを行なうことによって、基板上の全面に渡ってより一層溶液の厚みを均一にすることができる。また、ノズルは第1の可動式アームに設けられているため、必要な場合にのみノズルをスピンテーブル上にセットすることができる。これにより、基板をスピンテーブルにセットする際や、溶液供給手段から基板上に溶液を供給する際に、気体の吹き付けを行なうノズルとの干渉が問題になることがない。
【0023】
また好ましくは、ノズルより吹き付けられる気体は、空気、窒素、およびアルゴンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。このように構成された溶液塗布装置によれば、非晶質膜上に析出する触媒金属の変質を防ぐことができる。
【0024】
また好ましくは、溶液塗布装置は、基板に向けて加熱を行なう加熱手段を有し、スピンテーブルの上方に設けられた第2の可動式アームをさらに備える。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板上に供給された溶液を乾燥させる速度を向上させることができる。これにより、溶液塗布装置による処理時間を短縮化することができる。また、加熱手段は第2の可動式アームに設けられているため、必要な場合にのみ加熱手段をスピンテーブル上にセットすることができる。これにより、基板をスピンテーブルにセットする際や、溶液供給手段から基板上に溶液を供給する際に、加熱手段との干渉が問題になることがない。
【0025】
また好ましくは、加熱手段は、赤熱ヒータ、赤外ランプ、ハロゲンランプ、およびキセノンランプからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0026】
また好ましくは、加熱手段は、基板の中心から周縁に向かう方向に線上に延びて設けられている。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板上の全面が加熱手段の下方を通過するように基板が回転するので、基板のサイズが大きい場合であっても基板上の溶液に対して均一な加熱を行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における溶液塗布装置を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。図1および図2を参照して、溶液塗布装置1は、ガラス基板2を保持するスピンテーブル14と、スピンテーブル14の回転速度を経時的に制御して、スピンテーブル14を回転させる駆動手段としてのスピンモータ15と、スピンテーブル14に保持されたガラス基板2上に溶液の供給を行なう溶液供給手段としての溶液ノズルアーム4とを備える。ガラス基板2は、対角距離がX(m)の矩形状を有する液晶基板である。
【0029】
図1を参照して、ベース体7の上面7aには、開口6が形成されたカップ3が設けられている。カップ3の内部にはガラス基板2が配置されている。ガラス基板2上には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により非晶質シリコン膜が形成されている。ベース体7の上面7aには、溶液ノズルアーム4が設けられている。溶液ノズルアーム4の一部を構成し、ベース体7の上面7aに接続されたシャフト5を回動させることによって、溶液ノズルアーム4をガラス基板2の上方から退避させることができる。
【0030】
図2を参照して、カップ3の内部には、スピンテーブル14が設けられている。スピンテーブル14の上面には、複数の支持ピン13および保持ピン12が設けられている。支持ピン13は、先端部分が円錐状の樹脂によって形成されており、その先端部分がガラス基板2の底面と接触してガラス基板2を支持する。保持ピン12は、外周がガラス基板2の四隅と接触することによって、ガラス基板2をスピンテーブル14に対して保持する。
【0031】
スピンテーブル14の底面の中央部に、スピンモータ15が接続されている。スピンモータ15は、回転速度、回転加速度および回転時間を設定することによってスピンテーブル14の回転を制御できる機構を有する。これにより、回転速度の経時変化のタイミングを自由に制御して、ガラス基板2を回転させることができる。
【0032】
スピンテーブル14の上方に位置する溶液ノズルアーム4の先端には、溶液ノズル11が設けられている。溶液ノズルアーム4に接続された図示しない溶液供給装置から溶液ノズル11を介して、ガラス基板2上に形成された非晶質シリコン膜の中心部に溶液が滴下される。この溶液は、ニッケル(Ni)など非晶質シリコン膜の結晶化を助長する金属触媒を溶質として含む。また、この溶液には、アンモニア水またはアセトンなど比較的粘度の低い溶媒が使用される。カップ3の底面には、ガラス基板2の周縁から流れ落ちた溶液を外部に回収するための図示しない排出口が設けられている。
【0033】
続いて、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜に触媒金属を添加する一連の工程について説明する。図3は、触媒金属を添加する工程において、時間の経過に伴う基板回転速度の変化を示すグラフである。図4から図7は、触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す断面図である。図4から図7に示す断面図は、図2に示す断面図に相当する。
【0034】
図2および図3を参照して、溶液ノズルアーム4をスピンテーブル14上から退避した状態で、上面に非晶質シリコン膜が形成されたガラス基板2をスピンテーブル14の所定位置に位置決めする。保持ピン12によってガラス基板2を保持する。スピンモータ15を駆動させ、スピンテーブル14上のガラス基板2を回転速度V1で回転させる。ガラス基板2の対角距離X(m)を用いて、10(rpm)以上100/X(rpm)以下と表される範囲に含まれるように回転速度V1を設定する。溶液ノズル11がガラス基板2の回転軸上に位置するように、溶液ノズルアーム4を移動させる。滴下期間T1にて、溶液を溶液ノズル11からガラス基板2上に滴下する。
【0035】
図3および図4を参照して、溶液の滴下が完了した後、液膜形成期間T2にて、回転速度V1を維持してガラス基板2を回転させる。このとき、溶液ノズルアーム4をスピンテーブル14上から退避させてもよい。液膜形成期間T2において、ガラス基板2上に供給された溶液は均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態でガラス基板2上の全面に行き渡る。なお、液膜形成期間T2に要する時間は、溶液の濃度および粘度、ならびに溶媒の気化のしやすさ等から決定される。
【0036】
図3および図5を参照して、加速期間T3にて、ガラス基板2を回転速度V2まで加速させる。この間のガラス基板2の回転加速度Aが、ガラス基板2の対角距離x(m)を用いて、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下で表わされる範囲に含まれるように設定する。この際、ガラス基板2上の溶液には、ガラス基板2の周縁方向に向かう遠心力が大きく作用する。これにより、ガラス基板2上に滴下された溶液のうち余分な溶液をガラス基板2上から除去し、非晶質シリコン膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。ガラス基板2の回転加速度Aは上述の範囲に設定されているため、液面に大きな乱れを発生させることなく余分な溶液を除去することができる。
【0037】
また、ガラス基板2の回転速度がV2に達した時点で、ガラス基板2上に形成された非晶質シリコン膜の表面が溶液から露出していないことが必要である。この時点で非晶質シリコン膜の表面の一部で溶液の乾燥が始まっている場合、溶液の液面に斑紋が形成される原因となったり、その乾燥した部分に添加される触媒金属の濃度が高くなる。このため、加速期間T3に要する時間および回転速度V2は、溶液の濃度および粘度、ならびに溶媒の気化のしやすさ等から決定される。
【0038】
図3および図6を参照して、減速期間T4にて、ガラス基板2を回転速度V2からV3まで減速させる。回転速度V3が、ガラス基板2の対角距離x(m)を用いて、10(rpm)以上200/X(rpm)以下で表わされる範囲に含まれるように設定する。減速期間T4において、ガラス基板2上に残った溶液を、再び均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態とする。
【0039】
図3および図7を参照して、乾燥期間T5にて、所定時間ガラス基板2を回転速度V3で回転させる。乾燥期間T5において、ガラス基板2上の溶液は、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態を維持したまま乾燥し、溶液中に含まれた金属触媒が非晶質シリコン膜に析出される。
【0040】
この発明の実施の形態1に従った溶液塗布方法は、非晶質膜としての非晶質シリコン膜を結晶化させる触媒金属を含む溶液を、非晶質シリコン膜が形成された基板としてのガラス基板2上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、ガラス基板2上に溶液が供給された状態で、ガラス基板2を第1の回転速度としての回転速度V1で回転させる工程と、溶液が供給された後、回転速度V1よりも大きい第2の回転速度としての回転速度V2まで、所定の加速度Aでガラス基板2を加速させる工程と、回転速度V2から回転速度V2よりも小さい第3の回転速度としての回転速度V3まで、ガラス基板2を減速させる工程と、回転速度V3で所定期間、ガラス基板2を回転させる工程とを備える。
【0041】
ガラス基板2を加速させる工程は、ガラス基板2の回転速度が回転速度V2を超えた場合、直ちに非晶質シリコン膜の表面が溶液から露出し始めるように、回転速度V2までガラス基板2を加速させる工程を含んでも良い。この場合、非晶質シリコン膜の表面を溶液から露出させることなく、短時間で余分な溶液をガラス基板2上から除去することができる。
【0042】
ガラス基板2は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、回転速度V1は、10(rpm)以上100/X(rpm)以下である。ガラス基板2を加速させる工程における所定の加速度Aは、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下である。回転速度V3は、10(rpm)以上200/X(rpm)以下である。
【0043】
溶液は、水、アルコール、無機酸、およびアンモニア水からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性溶媒を含んでも良い。溶液は、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、およびエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非極性溶媒を含んでも良い。
【0044】
このように構成された溶液塗布装置1および溶液塗布方法によれば、触媒金属を添加する工程の全体に渡って、溶液の厚みが均一で、かつ液面に乱れのない状態が維持されるようにガラス基板2の回転速度が制御されている。このため、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜の全面に渡って、触媒金属を均一に添加することができる。このように触媒金属が添加された非晶質シリコン膜を熱処理すると、非晶質シリコン膜の全面に渡って均一に結晶成長させることができ、これを用いて所望の電気特性を有する液晶装置を製造することができる。
【0045】
また、ガラス基板2を加速させることによって、ガラス基板2上から余分な溶液を効率良く除去している。また、ガラス基板2を回転速度V3で所定時間回転させることによって、短時間で溶液を乾燥させている。これにより、触媒金属を添加する工程に費やす時間を短縮化し、液晶装置の生産効率を向上させることができる。
【0046】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2における溶液塗布装置を示す断面図である。実施の形態2における溶液塗布装置は、実施の形態1における溶液塗布装置1に、ガラス基板2上に気体を吹き付ける構造をさらに備える。図8を参照して、気体ノズルアーム22が、スピンテーブル14の上方に設けられている。気体ノズルアーム22は、図1に示す溶液ノズルアーム4のシャフト5に相当する回動機構を有し、気体ノズルアーム22をスピンテーブル14の上方から退避させることができる。気体ノズルアーム22の先端には、気体ノズル23が設けられている。気体ノズルアーム22に接続された図示しない気体供給装置から気体ノズル23を介して、ガラス基板2の中心付近に気体の吹き付けが行なわれる。
【0047】
この発明の実施の形態2に従った溶液塗布装置は、ガラス基板2上に気体の吹き付けを行なうノズルとしての気体ノズル23を有し、スピンテーブル14の上方に設けられた第1の可動式アームとしての気体ノズルアーム22をさらに備える。
【0048】
ガラス基板2をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする工程では、溶液ノズルアーム4および気体ノズルアーム22の両方をスピンテーブル14上から退避させておく。液膜形成期間T2の後半において、気体ノズルアーム22をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする。そして、加速期間T3、減速期間T4、および乾燥期間T5のうち1以上の期間において、気体ノズル23からガラス基板2の中心付近に位置する溶液に向けて気体を吹き付ける。この際吹き付けられる気体は、空気、窒素、およびアルゴンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0049】
ガラス基板2を回転させることによって、ガラス基板2上の溶液にはガラス基板2の回転軸を中心に外側に向かう遠心力が作用する。この遠心力はガラス基板2の回転軸から離れるほど増大するため、加速期間T3および減速期間T4を経たガラス基板2上の溶液の厚みが、中心部で厚く周縁部で薄くなる傾向がある。このため、ガラス基板2の中心付近の溶液に気体を吹き付けることによって、ガラス基板2の中心部に位置する溶液の厚みを周縁部に位置する溶液の厚みと同様にすることができる。
【0050】
このように構成された溶液塗布装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、ガラス基板2の中心付近の溶液に気体を吹き付けているため、溶液が比較的高粘度である場合にも、ガラス基板2上の溶液の厚みを均一に維持することができる。また、吹き付けられる気体は、圧縮空気または不活性ガスであるため、非晶質シリコン膜上に析出する触媒金属の変質を防止することができる。
【0051】
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3における溶液塗布装置を示す断面図である。実施の形態3における溶液塗布装置は、実施の形態1における溶液塗布装置1に、さらに溶液に向けて加熱を行なう構造を備える。図9を参照して、加熱用アーム32が、スピンテーブル14の上方に設けられている。加熱用アーム32は、図1に示す溶液ノズルアーム4のシャフト5に相当する回動機構を有し、加熱用アーム32をスピンテーブル14の上方から退避させることができる。加熱用アーム32には、スピンテーブル14と向かい合う位置に赤熱ヒータ33が設けられている。赤熱ヒータ33は、加熱用アーム32がスピンテーブル14上に位置決めされた状態で、ガラス基板2の中心から周縁に向かう方向に線上に延びて設けられている。なお、本実施の形態では、加熱用アーム32に赤熱ヒータ33を設けたが、赤熱ヒータ33の代わりに、赤外ランプ、ハロゲンランプ、またはキセノンランプを用いても良い。また、非接触によりガラス基板2に向けて加熱を行なうことができる他の加熱源を用いても良い。
【0052】
この発明の実施の形態3に従った溶液塗布装置は、ガラス基板2に向けて加熱を行なう加熱手段としての赤熱ヒータ33を有し、スピンテーブル14の上方に設けられた第2の可動式アームとしての加熱用アーム32をさらに備える。
【0053】
ガラス基板2をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする工程で、溶液ノズルアーム4および加熱用アーム32の両方をスピンテーブル14上から退避させておく。乾燥期間T5が始まる前に、加熱用アーム32をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする。そして、乾燥期間T5において、赤熱ヒータ33に通電しガラス基板2上の溶液に向けて加熱を行なう。溶液は赤熱ヒータ33の下方に位置する部分を中心に加熱されるが、ガラス基板2は回転しているためガラス基板2上の溶液の全面に渡って加熱が行なわれる。
【0054】
このように構成された溶液塗布装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、赤熱ヒータ33による加熱により、ガラス基板2上の溶液が短時間で乾燥するため、乾燥期間T5に要する時間を短縮することができる。
【0055】
なお、実施の形態2における気体ノズルアーム22と、実施の形態3における加熱用アーム32とを併せて溶液塗布装置1に適用しても良い。この場合、実施の形態1から3に記載の効果を奏することができる。
【0056】
【実施例】
実施の形態1における溶液塗布装置1を使用して、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜に触媒金属のニッケルを添加した。ガラス基板2には、620mm×750mmの矩形状を有し、対角距離Xが約973mmの液晶基板を用いた。溶液として濃度が5ppmから10ppmほどの酢酸ニッケル水溶液を用い、この溶液を常温常圧下でガラス基板2上に塗布した。
【0057】
ガラス基板2の回転速度が図3に示すグラフに従うように制御した。図3中の回転速度V1、V2およびV3、ならびに回転加速度Aを表2に示す値とした。
【0058】
【表2】
【0059】
表2を参照して、サンプルCでは、回転速度V1およびV3、ならびに回転加速度Aが、実施の形態1に記載の各々の数値範囲を満たしている。サンプルDでは、回転速度V1およびV3が実施の形態1に記載の数値範囲を満たしているが、回転加速度Aが実施の形態1に記載の数値範囲を超えて大きい値となっている。サンプルEでは、回転速度V1および回転加速度Aが実施の形態1に記載の数値範囲を満たしているが、回転速度V3が実施の形態1に記載の数値範囲を超えて大きい値となっている。
【0060】
図10は、実施例においてガラス基板の測定位置を示す平面図である。図10を参照して、ガラス基板2の角部から中心部に向かう線上に測定位置0から8を選定し、それぞれの測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を測定した。
【0061】
図11は、実施例において、各測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を示すグラフである。縦軸に非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度(単位;任意単位(a.u.))を、横軸に各測定位置を示した。図11を参照して、サンプルCでは、各測定位置でほぼ均一なニッケル濃度となった。サンプルDおよびEでは、特にガラス基板2の角部の測定位置0および8で、他の測定位置と比べてニッケル濃度が高くなった。以上の結果から、本発明である溶液塗布方法の手段を全て含む方法で酢酸ニッケル水溶液をガラス基板2上に塗布した場合、ほぼ均一な濃度で非晶質シリコン膜にニッケルを添加できることを確認できた。
【0062】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、所望の電気特性を有し、かつ歩留まりの高い半導体装置を製造するため、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を基板上に均一に添加する溶液塗布方法、および溶液塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における溶液塗布装置を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】触媒金属を添加する工程において、時間の経過に伴う基板回転速度の変化を示すグラフである。
【図4】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す断面図である。
【図5】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す別の断面図である。
【図6】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示すさらに別の断面図である。
【図7】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示すさらに別の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2における溶液塗布装置を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3における溶液塗布装置を示す断面図である。
【図10】実施例においてガラス基板の測定位置を示す平面図である。
【図11】実施例において、各測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を示すグラフである。
【図12】ガラス基板上に塗布された溶液の様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1 溶液塗布装置、2 ガラス基板、4 溶液ノズルアーム、14 スピンテーブル、15 スピンモータ、22 気体ノズルアーム、23 気体ノズル、32 加熱用アーム、33 赤熱ヒータ。
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的には、スピンコーティング法により基板上に溶液を塗布する溶液塗布方法、および溶液塗布装置に関し、より特定的には、基板の回転速度を適切に制御して溶液を塗布する溶液塗布方法、および溶液塗布装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
基板上に成膜された非晶質シリコン膜に熱処理を施すことで非晶質シリコン膜を結晶化し、結晶質シリコン膜を形成することが知られている。この際、非晶質シリコン膜上にニッケル(Ni)などの触媒金属を添加すると、非晶質シリコン膜の結晶化を助長させることができる。
【0003】
また、所望の電気特性を有する半導体装置を製造するためには、均一に結晶化された結晶質シリコン膜を形成しなければならない。従って、触媒金属を用いる場合には、非晶質シリコン膜の全面に渡って均一に触媒金属を添加することが重要である。
【0004】
このように触媒金属を均一に添加する方法として、スピン式のテーブルを用いることによって、ニッケルの硝酸塩を含むエタノール溶液を非晶質シリコン膜に塗布する方法が特許文献1に開示されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−256155号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フォトレジスト膜またはゾルゲル薄膜を形成する際、基板に塗布される溶液には粘度が10cPから20cPまでのレジスト溶液または高分子溶液などが一般的に使用される。特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法でこのように比較的粘度が高い溶液を基板上に供給すると、厚みを均一にして溶液を塗布することができる。
【0007】
これに対して、非晶質シリコン膜の結晶化を助長させる触媒金属を含む溶液を塗布する場合、アンモニア水またはアセトンなどが溶媒として使用される。表1は、触媒金属を含む溶液を塗布する際使用される各種溶媒の粘度値を示す。
【0008】
【表1】
【0009】
表1を参照して分かるように、使用される溶媒の多くは粘度が1cP以下と比較的低い。このため、粘度が高いレジスト溶液などとは溶液の流動特性が大きく異なり、特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法をそのまま適用しても溶液の厚みを均一にして塗布することはできない。厚みが不均一な状態で溶液が乾燥すると、非晶質シリコン膜に触媒金属が均一に添加されないという問題が発生する。
【0010】
また、特許文献1に示されているスピン式のテーブルを用いた方法を、触媒金属を含む溶液の塗布にそのまま適用した場合、溶液の液面に斑紋が形成される。図12は、ガラス基板上に塗布された溶液の様子を示す平面図である。図12を参照して、回転するガラス基板101上に触媒金属を含む溶液が塗布されている。ガラス基板101の四隅の液面には、風きりによって発生する乱流により風きり模様112が形成されている。また、ガラス基板101の中央部と周縁部との溶液の厚みが不均一であることから、中央部から周縁部に向けて放射状の筋状紋113が形成されている。溶液の液面にこのような斑紋が形成されれば、非晶質シリコン膜に触媒金属が均一に添加されないという同様の問題が発生する。
【0011】
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、所望の電気特性を有し、かつ歩留まりの高い半導体装置を製造するため、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を基板上に均一に添加する溶液塗布方法、および溶液塗布装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に従った溶液塗布方法は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、基板上に溶液が供給された状態で、基板を第1の回転速度で回転させる工程と、溶液が供給された後、第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の加速度で基板を加速させる工程と、第2の回転速度から第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、基板を減速させる工程と、第3の回転速度で所定期間、基板を回転させる工程とを備える。
【0013】
このように構成された溶液塗布方法によれば、基板上に供給された溶液が乾燥することで溶液中の溶質である金属触媒が析出する。これにより、基板上の非晶質膜に触媒金属を添加する。まず、基板を第1の回転速度で回転させる工程では、基板上に供給された溶液を、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面に行き渡らせる。続いて、第2の回転速度まで基板を加速させる工程では、基板上の溶液に、基板の周縁方向に向かう遠心力を大きく作用させる。これにより、基板上に供給された溶液のうち余分な溶液を基板上から除去し、非晶質膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。さらに、第3の回転速度まで基板を減速させる工程において、基板上の溶液の厚みを再び均一にする。その後、溶液を完全に乾燥させることを目的として、第3の回転速度を維持して基板を所定の間回転させる。以上の工程によって、基板上の非晶質膜に触媒金属を均一に添加することができる。これにより、非晶質膜を均一に結晶成長させ、所望の電気特性を有する半導体装置を製造することができる。また、第2の回転速度まで基板を加速させる工程で、基板上に供給された余分な溶液を積極的に除去し、さらに、第3の回転速度で基板を回転させる工程で、溶液の乾燥を促進していることから、触媒金属を添加する工程に費やす時間を短縮化し、半導体装置の生産効率を向上させることができる。
【0014】
また好ましくは、基板を加速させる工程は、基板の回転速度が第2の回転速度を超えた場合、直ちに非晶質膜の表面が溶液から露出し始めるように、第2の回転速度まで基板を加速させる工程を含む。このように構成された溶液塗布方法によれば、非晶質膜の表面が露出し始める寸前に、基板の回転を加速から減速へと転じる。第2の回転速度まで基板を加速させる工程の途中に非晶質膜の表面が露出し始めた場合、その露出した部分が溶液の液面に斑紋を形成する原因となったり、露出した部分に添加される触媒金属の濃度が高くなるおそれがある。したがって、非晶質膜が露出しないように基板を第2の回転速度まで加速させることによって、触媒金属が不均一に添加される要因を取り除くことができる。
【0015】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、第1の回転速度は、10(rpm)以上100/X(rpm)以下である。第1の回転速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の回転速度が10(rpm)よりも小さい場合、回転によって発生する遠心力が小さすぎて溶液を基板上の全面にスムーズに行き渡らせることができない。また、基板の回転速度が100/X(rpm)よりも大きい場合、溶液の厚みが不均一になったり、液面に斑紋が形成されたりするおそれがある。このように比較的小さい第1の回転速度で基板を回転させることができるのは、触媒金属の添加に使用される溶液の粘度が低いことによる。以上の理由から、第1の回転速度を上述の範囲に制御することによって、基板上に供給された溶液を均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面にスムーズに行き渡らせることができる。
【0016】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、所定の加速度は、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下である。所定の加速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の加速度が10(rpm/秒)よりも小さい場合、回転によって発生する遠心力が小さすぎて、溶液を効率良く基板の周縁方向に除去することができない。また、基板の加速度が50/X(rpm/秒)よりも大きい場合、溶液の液面に大きな乱れを発生させてしまう。したがって、所定の加速度を上述の範囲に制御することによって、溶液の液面に大きな乱れを生じさせることなく、かつ短時間で余分な溶液を基板上から除去することができる。
【0017】
また好ましくは、基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、第3の回転速度は、10(rpm)以上200/X(rpm)以下である。第3の回転速度の上限値は、基板の対角距離と反比例の関係にある。基板の回転速度が10(rpm)よりも小さい場合、基板上の溶液を効率良く乾燥させることができない。また、基板の回転速度が200/X(rpm)よりも大きい場合、溶液の厚みが不均一になったり、液面に斑紋が形成されたりするおそれがある。したがって、第3の回転速度を上述の範囲に制御することによって、基板上に薄く形成された溶液を流動させることなく短時間で乾燥させることができる。
【0018】
また好ましくは、溶液は、水、アルコール、無機酸、およびアンモニア水からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性溶媒を含む。これらの極性溶媒は、分子中で正荷電と負荷電とが分離していたり、正荷電と負荷電の中心がずれていたりする。また、極性溶媒は高い誘電率を有し、化学的に活性で配位共有結合を形成するという特徴を有している。
【0019】
また好ましくは、溶液は、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、およびエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非極性溶媒を含む。キシレンは、o−キシレン、m−キシレンおよびp−キシレンの混合物である。
【0020】
この発明に従った溶液塗布装置は、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する装置である。溶液塗布装置は、基板を保持するスピンテーブルと、スピンテーブルの回転速度を経時的に制御して、スピンテーブルを回転させる駆動手段と、スピンテーブルに保持された基板上に溶液の供給を行なう溶液供給手段とを備える。溶液塗布装置は、溶液供給手段が、基板上に溶液を供給した状態で、駆動手段が基板を第1の回転速度で回転させる工程と、溶液供給手段が溶液を供給した後、駆動手段が、第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の回転加速度で基板を加速させる工程と、駆動手段が、第2の回転速度から第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、基板を減速させる工程と、駆動手段が、第3の回転速度で所定期間、基板を回転させる工程とを実行する。
【0021】
このように構成された溶液塗布装置によれば、スピンテーブルの回転速度を経時的に制御することができる駆動手段を備えるため、基板上の非晶質膜に触媒金属を添加する一連の工程の中で、それぞれ適切と考えられる回転速度で基板を回転させることができる。具体的には、基板上に供給された溶液を、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態で基板上の全面に行き渡らせるために、駆動手段により基板を第1の回転速度で回転させる。続いて、基板上の溶液に基板の周縁方向に向かう遠心力を大きく作用させるために、駆動手段により第2の回転速度まで基板を加速させる。これにより、基板上に供給された溶液のうち余分な溶液を基板上から除去し、非晶質膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。さらに、基板上の溶液の厚みを再び均一にすることを目的として、駆動手段により第3の回転速度まで基板を減速させる。さらに、基板上の溶液を完全に乾燥させることを目的として、そのまま第3の回転速度で基板を回転させる。以上の工程を実行することによって、基板上の非晶質膜に触媒金属を均一に添加することができる。これにより、非晶質膜を均一に結晶成長させ、所望の電気特性を有する半導体装置を製造することができる。
【0022】
また好ましくは、溶液塗布装置は、基板上に気体の吹き付けを行なうノズルを有し、スピンテーブルの上方に設けられた第1の可動式アームをさらに備える。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板の中心部における溶液の厚みを周縁部における溶液の厚みに近づけることを目的として、ノズルから基板の中心部付近に気体が吹き付けられる。特に水など1cPを超える比較的大きい粘度の溶媒が使用された場合には、基板の中央部および周縁部で溶液に作用する遠心力が異なり、中心部で溶液の厚みが厚く形成される傾向がある。このような場合に、基板の中心部に気体の吹き付けを行なうことによって、基板上の全面に渡ってより一層溶液の厚みを均一にすることができる。また、ノズルは第1の可動式アームに設けられているため、必要な場合にのみノズルをスピンテーブル上にセットすることができる。これにより、基板をスピンテーブルにセットする際や、溶液供給手段から基板上に溶液を供給する際に、気体の吹き付けを行なうノズルとの干渉が問題になることがない。
【0023】
また好ましくは、ノズルより吹き付けられる気体は、空気、窒素、およびアルゴンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。このように構成された溶液塗布装置によれば、非晶質膜上に析出する触媒金属の変質を防ぐことができる。
【0024】
また好ましくは、溶液塗布装置は、基板に向けて加熱を行なう加熱手段を有し、スピンテーブルの上方に設けられた第2の可動式アームをさらに備える。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板上に供給された溶液を乾燥させる速度を向上させることができる。これにより、溶液塗布装置による処理時間を短縮化することができる。また、加熱手段は第2の可動式アームに設けられているため、必要な場合にのみ加熱手段をスピンテーブル上にセットすることができる。これにより、基板をスピンテーブルにセットする際や、溶液供給手段から基板上に溶液を供給する際に、加熱手段との干渉が問題になることがない。
【0025】
また好ましくは、加熱手段は、赤熱ヒータ、赤外ランプ、ハロゲンランプ、およびキセノンランプからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0026】
また好ましくは、加熱手段は、基板の中心から周縁に向かう方向に線上に延びて設けられている。このように構成された溶液塗布装置によれば、基板上の全面が加熱手段の下方を通過するように基板が回転するので、基板のサイズが大きい場合であっても基板上の溶液に対して均一な加熱を行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0028】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1における溶液塗布装置を示す斜視図である。図2は、図1中のII−II線上に沿った断面図である。図1および図2を参照して、溶液塗布装置1は、ガラス基板2を保持するスピンテーブル14と、スピンテーブル14の回転速度を経時的に制御して、スピンテーブル14を回転させる駆動手段としてのスピンモータ15と、スピンテーブル14に保持されたガラス基板2上に溶液の供給を行なう溶液供給手段としての溶液ノズルアーム4とを備える。ガラス基板2は、対角距離がX(m)の矩形状を有する液晶基板である。
【0029】
図1を参照して、ベース体7の上面7aには、開口6が形成されたカップ3が設けられている。カップ3の内部にはガラス基板2が配置されている。ガラス基板2上には、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法により非晶質シリコン膜が形成されている。ベース体7の上面7aには、溶液ノズルアーム4が設けられている。溶液ノズルアーム4の一部を構成し、ベース体7の上面7aに接続されたシャフト5を回動させることによって、溶液ノズルアーム4をガラス基板2の上方から退避させることができる。
【0030】
図2を参照して、カップ3の内部には、スピンテーブル14が設けられている。スピンテーブル14の上面には、複数の支持ピン13および保持ピン12が設けられている。支持ピン13は、先端部分が円錐状の樹脂によって形成されており、その先端部分がガラス基板2の底面と接触してガラス基板2を支持する。保持ピン12は、外周がガラス基板2の四隅と接触することによって、ガラス基板2をスピンテーブル14に対して保持する。
【0031】
スピンテーブル14の底面の中央部に、スピンモータ15が接続されている。スピンモータ15は、回転速度、回転加速度および回転時間を設定することによってスピンテーブル14の回転を制御できる機構を有する。これにより、回転速度の経時変化のタイミングを自由に制御して、ガラス基板2を回転させることができる。
【0032】
スピンテーブル14の上方に位置する溶液ノズルアーム4の先端には、溶液ノズル11が設けられている。溶液ノズルアーム4に接続された図示しない溶液供給装置から溶液ノズル11を介して、ガラス基板2上に形成された非晶質シリコン膜の中心部に溶液が滴下される。この溶液は、ニッケル(Ni)など非晶質シリコン膜の結晶化を助長する金属触媒を溶質として含む。また、この溶液には、アンモニア水またはアセトンなど比較的粘度の低い溶媒が使用される。カップ3の底面には、ガラス基板2の周縁から流れ落ちた溶液を外部に回収するための図示しない排出口が設けられている。
【0033】
続いて、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜に触媒金属を添加する一連の工程について説明する。図3は、触媒金属を添加する工程において、時間の経過に伴う基板回転速度の変化を示すグラフである。図4から図7は、触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す断面図である。図4から図7に示す断面図は、図2に示す断面図に相当する。
【0034】
図2および図3を参照して、溶液ノズルアーム4をスピンテーブル14上から退避した状態で、上面に非晶質シリコン膜が形成されたガラス基板2をスピンテーブル14の所定位置に位置決めする。保持ピン12によってガラス基板2を保持する。スピンモータ15を駆動させ、スピンテーブル14上のガラス基板2を回転速度V1で回転させる。ガラス基板2の対角距離X(m)を用いて、10(rpm)以上100/X(rpm)以下と表される範囲に含まれるように回転速度V1を設定する。溶液ノズル11がガラス基板2の回転軸上に位置するように、溶液ノズルアーム4を移動させる。滴下期間T1にて、溶液を溶液ノズル11からガラス基板2上に滴下する。
【0035】
図3および図4を参照して、溶液の滴下が完了した後、液膜形成期間T2にて、回転速度V1を維持してガラス基板2を回転させる。このとき、溶液ノズルアーム4をスピンテーブル14上から退避させてもよい。液膜形成期間T2において、ガラス基板2上に供給された溶液は均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態でガラス基板2上の全面に行き渡る。なお、液膜形成期間T2に要する時間は、溶液の濃度および粘度、ならびに溶媒の気化のしやすさ等から決定される。
【0036】
図3および図5を参照して、加速期間T3にて、ガラス基板2を回転速度V2まで加速させる。この間のガラス基板2の回転加速度Aが、ガラス基板2の対角距離x(m)を用いて、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下で表わされる範囲に含まれるように設定する。この際、ガラス基板2上の溶液には、ガラス基板2の周縁方向に向かう遠心力が大きく作用する。これにより、ガラス基板2上に滴下された溶液のうち余分な溶液をガラス基板2上から除去し、非晶質シリコン膜に添加される触媒金属の濃度を調整する。ガラス基板2の回転加速度Aは上述の範囲に設定されているため、液面に大きな乱れを発生させることなく余分な溶液を除去することができる。
【0037】
また、ガラス基板2の回転速度がV2に達した時点で、ガラス基板2上に形成された非晶質シリコン膜の表面が溶液から露出していないことが必要である。この時点で非晶質シリコン膜の表面の一部で溶液の乾燥が始まっている場合、溶液の液面に斑紋が形成される原因となったり、その乾燥した部分に添加される触媒金属の濃度が高くなる。このため、加速期間T3に要する時間および回転速度V2は、溶液の濃度および粘度、ならびに溶媒の気化のしやすさ等から決定される。
【0038】
図3および図6を参照して、減速期間T4にて、ガラス基板2を回転速度V2からV3まで減速させる。回転速度V3が、ガラス基板2の対角距離x(m)を用いて、10(rpm)以上200/X(rpm)以下で表わされる範囲に含まれるように設定する。減速期間T4において、ガラス基板2上に残った溶液を、再び均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態とする。
【0039】
図3および図7を参照して、乾燥期間T5にて、所定時間ガラス基板2を回転速度V3で回転させる。乾燥期間T5において、ガラス基板2上の溶液は、均一な厚みで、かつ液面に乱れのない状態を維持したまま乾燥し、溶液中に含まれた金属触媒が非晶質シリコン膜に析出される。
【0040】
この発明の実施の形態1に従った溶液塗布方法は、非晶質膜としての非晶質シリコン膜を結晶化させる触媒金属を含む溶液を、非晶質シリコン膜が形成された基板としてのガラス基板2上にスピンコーティング法によって塗布する方法である。溶液塗布方法は、ガラス基板2上に溶液が供給された状態で、ガラス基板2を第1の回転速度としての回転速度V1で回転させる工程と、溶液が供給された後、回転速度V1よりも大きい第2の回転速度としての回転速度V2まで、所定の加速度Aでガラス基板2を加速させる工程と、回転速度V2から回転速度V2よりも小さい第3の回転速度としての回転速度V3まで、ガラス基板2を減速させる工程と、回転速度V3で所定期間、ガラス基板2を回転させる工程とを備える。
【0041】
ガラス基板2を加速させる工程は、ガラス基板2の回転速度が回転速度V2を超えた場合、直ちに非晶質シリコン膜の表面が溶液から露出し始めるように、回転速度V2までガラス基板2を加速させる工程を含んでも良い。この場合、非晶質シリコン膜の表面を溶液から露出させることなく、短時間で余分な溶液をガラス基板2上から除去することができる。
【0042】
ガラス基板2は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、回転速度V1は、10(rpm)以上100/X(rpm)以下である。ガラス基板2を加速させる工程における所定の加速度Aは、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下である。回転速度V3は、10(rpm)以上200/X(rpm)以下である。
【0043】
溶液は、水、アルコール、無機酸、およびアンモニア水からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性溶媒を含んでも良い。溶液は、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、およびエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非極性溶媒を含んでも良い。
【0044】
このように構成された溶液塗布装置1および溶液塗布方法によれば、触媒金属を添加する工程の全体に渡って、溶液の厚みが均一で、かつ液面に乱れのない状態が維持されるようにガラス基板2の回転速度が制御されている。このため、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜の全面に渡って、触媒金属を均一に添加することができる。このように触媒金属が添加された非晶質シリコン膜を熱処理すると、非晶質シリコン膜の全面に渡って均一に結晶成長させることができ、これを用いて所望の電気特性を有する液晶装置を製造することができる。
【0045】
また、ガラス基板2を加速させることによって、ガラス基板2上から余分な溶液を効率良く除去している。また、ガラス基板2を回転速度V3で所定時間回転させることによって、短時間で溶液を乾燥させている。これにより、触媒金属を添加する工程に費やす時間を短縮化し、液晶装置の生産効率を向上させることができる。
【0046】
(実施の形態2)
図8は、この発明の実施の形態2における溶液塗布装置を示す断面図である。実施の形態2における溶液塗布装置は、実施の形態1における溶液塗布装置1に、ガラス基板2上に気体を吹き付ける構造をさらに備える。図8を参照して、気体ノズルアーム22が、スピンテーブル14の上方に設けられている。気体ノズルアーム22は、図1に示す溶液ノズルアーム4のシャフト5に相当する回動機構を有し、気体ノズルアーム22をスピンテーブル14の上方から退避させることができる。気体ノズルアーム22の先端には、気体ノズル23が設けられている。気体ノズルアーム22に接続された図示しない気体供給装置から気体ノズル23を介して、ガラス基板2の中心付近に気体の吹き付けが行なわれる。
【0047】
この発明の実施の形態2に従った溶液塗布装置は、ガラス基板2上に気体の吹き付けを行なうノズルとしての気体ノズル23を有し、スピンテーブル14の上方に設けられた第1の可動式アームとしての気体ノズルアーム22をさらに備える。
【0048】
ガラス基板2をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする工程では、溶液ノズルアーム4および気体ノズルアーム22の両方をスピンテーブル14上から退避させておく。液膜形成期間T2の後半において、気体ノズルアーム22をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする。そして、加速期間T3、減速期間T4、および乾燥期間T5のうち1以上の期間において、気体ノズル23からガラス基板2の中心付近に位置する溶液に向けて気体を吹き付ける。この際吹き付けられる気体は、空気、窒素、およびアルゴンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む。
【0049】
ガラス基板2を回転させることによって、ガラス基板2上の溶液にはガラス基板2の回転軸を中心に外側に向かう遠心力が作用する。この遠心力はガラス基板2の回転軸から離れるほど増大するため、加速期間T3および減速期間T4を経たガラス基板2上の溶液の厚みが、中心部で厚く周縁部で薄くなる傾向がある。このため、ガラス基板2の中心付近の溶液に気体を吹き付けることによって、ガラス基板2の中心部に位置する溶液の厚みを周縁部に位置する溶液の厚みと同様にすることができる。
【0050】
このように構成された溶液塗布装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、ガラス基板2の中心付近の溶液に気体を吹き付けているため、溶液が比較的高粘度である場合にも、ガラス基板2上の溶液の厚みを均一に維持することができる。また、吹き付けられる気体は、圧縮空気または不活性ガスであるため、非晶質シリコン膜上に析出する触媒金属の変質を防止することができる。
【0051】
(実施の形態3)
図9は、この発明の実施の形態3における溶液塗布装置を示す断面図である。実施の形態3における溶液塗布装置は、実施の形態1における溶液塗布装置1に、さらに溶液に向けて加熱を行なう構造を備える。図9を参照して、加熱用アーム32が、スピンテーブル14の上方に設けられている。加熱用アーム32は、図1に示す溶液ノズルアーム4のシャフト5に相当する回動機構を有し、加熱用アーム32をスピンテーブル14の上方から退避させることができる。加熱用アーム32には、スピンテーブル14と向かい合う位置に赤熱ヒータ33が設けられている。赤熱ヒータ33は、加熱用アーム32がスピンテーブル14上に位置決めされた状態で、ガラス基板2の中心から周縁に向かう方向に線上に延びて設けられている。なお、本実施の形態では、加熱用アーム32に赤熱ヒータ33を設けたが、赤熱ヒータ33の代わりに、赤外ランプ、ハロゲンランプ、またはキセノンランプを用いても良い。また、非接触によりガラス基板2に向けて加熱を行なうことができる他の加熱源を用いても良い。
【0052】
この発明の実施の形態3に従った溶液塗布装置は、ガラス基板2に向けて加熱を行なう加熱手段としての赤熱ヒータ33を有し、スピンテーブル14の上方に設けられた第2の可動式アームとしての加熱用アーム32をさらに備える。
【0053】
ガラス基板2をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする工程で、溶液ノズルアーム4および加熱用アーム32の両方をスピンテーブル14上から退避させておく。乾燥期間T5が始まる前に、加熱用アーム32をスピンテーブル14上の所定位置に位置決めする。そして、乾燥期間T5において、赤熱ヒータ33に通電しガラス基板2上の溶液に向けて加熱を行なう。溶液は赤熱ヒータ33の下方に位置する部分を中心に加熱されるが、ガラス基板2は回転しているためガラス基板2上の溶液の全面に渡って加熱が行なわれる。
【0054】
このように構成された溶液塗布装置によれば、実施の形態1に記載の効果と同様の効果を奏することができる。加えて、赤熱ヒータ33による加熱により、ガラス基板2上の溶液が短時間で乾燥するため、乾燥期間T5に要する時間を短縮することができる。
【0055】
なお、実施の形態2における気体ノズルアーム22と、実施の形態3における加熱用アーム32とを併せて溶液塗布装置1に適用しても良い。この場合、実施の形態1から3に記載の効果を奏することができる。
【0056】
【実施例】
実施の形態1における溶液塗布装置1を使用して、ガラス基板2上の非晶質シリコン膜に触媒金属のニッケルを添加した。ガラス基板2には、620mm×750mmの矩形状を有し、対角距離Xが約973mmの液晶基板を用いた。溶液として濃度が5ppmから10ppmほどの酢酸ニッケル水溶液を用い、この溶液を常温常圧下でガラス基板2上に塗布した。
【0057】
ガラス基板2の回転速度が図3に示すグラフに従うように制御した。図3中の回転速度V1、V2およびV3、ならびに回転加速度Aを表2に示す値とした。
【0058】
【表2】
【0059】
表2を参照して、サンプルCでは、回転速度V1およびV3、ならびに回転加速度Aが、実施の形態1に記載の各々の数値範囲を満たしている。サンプルDでは、回転速度V1およびV3が実施の形態1に記載の数値範囲を満たしているが、回転加速度Aが実施の形態1に記載の数値範囲を超えて大きい値となっている。サンプルEでは、回転速度V1および回転加速度Aが実施の形態1に記載の数値範囲を満たしているが、回転速度V3が実施の形態1に記載の数値範囲を超えて大きい値となっている。
【0060】
図10は、実施例においてガラス基板の測定位置を示す平面図である。図10を参照して、ガラス基板2の角部から中心部に向かう線上に測定位置0から8を選定し、それぞれの測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を測定した。
【0061】
図11は、実施例において、各測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を示すグラフである。縦軸に非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度(単位;任意単位(a.u.))を、横軸に各測定位置を示した。図11を参照して、サンプルCでは、各測定位置でほぼ均一なニッケル濃度となった。サンプルDおよびEでは、特にガラス基板2の角部の測定位置0および8で、他の測定位置と比べてニッケル濃度が高くなった。以上の結果から、本発明である溶液塗布方法の手段を全て含む方法で酢酸ニッケル水溶液をガラス基板2上に塗布した場合、ほぼ均一な濃度で非晶質シリコン膜にニッケルを添加できることを確認できた。
【0062】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に従えば、所望の電気特性を有し、かつ歩留まりの高い半導体装置を製造するため、非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を基板上に均一に添加する溶液塗布方法、および溶液塗布装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における溶液塗布装置を示す斜視図である。
【図2】図1中のII−II線上に沿った断面図である。
【図3】触媒金属を添加する工程において、時間の経過に伴う基板回転速度の変化を示すグラフである。
【図4】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す断面図である。
【図5】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示す別の断面図である。
【図6】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示すさらに別の断面図である。
【図7】触媒金属を添加する工程において、基板上の溶液の様子を示すさらに別の断面図である。
【図8】この発明の実施の形態2における溶液塗布装置を示す断面図である。
【図9】この発明の実施の形態3における溶液塗布装置を示す断面図である。
【図10】実施例においてガラス基板の測定位置を示す平面図である。
【図11】実施例において、各測定位置の非晶質シリコン膜に添加されたニッケルの濃度を示すグラフである。
【図12】ガラス基板上に塗布された溶液の様子を示す平面図である。
【符号の説明】
1 溶液塗布装置、2 ガラス基板、4 溶液ノズルアーム、14 スピンテーブル、15 スピンモータ、22 気体ノズルアーム、23 気体ノズル、32 加熱用アーム、33 赤熱ヒータ。
Claims (13)
- 非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する方法であって、
前記基板上に前記溶液が供給された状態で、前記基板を第1の回転速度で回転させる工程と、
前記溶液が供給された後、前記第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の加速度で前記基板を加速させる工程と、
前記第2の回転速度から前記第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、前記基板を減速させる工程と、
前記第3の回転速度で所定期間、前記基板を回転させる工程とを備える、溶液塗布方法。 - 前記基板を加速させる工程は、前記基板の回転速度が前記第2の回転速度を超えた場合、直ちに前記非晶質膜の表面が前記溶液から露出し始めるように、前記第2の回転速度まで前記基板を加速させる工程を含む、請求項1に記載の溶液塗布方法。
- 前記基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、前記第1の回転速度は、10(rpm)以上100/X(rpm)以下である、請求項1または2に記載の溶液塗布方法。
- 前記基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、前記所定の加速度は、10(rpm/秒)以上50/X(rpm/秒)以下である、請求項1から3のいずれか1項に記載の溶液塗布方法。
- 前記基板は、対角距離X(m)の大きさの液晶基板であり、前記第3の回転速度は、10(rpm)以上200/X(rpm)以下である、請求項1から4のいずれか1項に記載の溶液塗布方法。
- 前記溶液は、水、アルコール、無機酸、およびアンモニア水からなる群より選ばれた少なくとも1種の極性溶媒を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の溶液塗布方法。
- 前記溶液は、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素、クロロホルム、およびエチルエーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の非極性溶媒を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の溶液塗布方法。
- 非晶質膜を結晶化させる手法において触媒金属を含む溶液を、非晶質膜が形成された基板上にスピンコーティング法によって塗布する装置であって、
前記基板を保持するスピンテーブルと、
前記スピンテーブルの回転速度を経時的に制御して、前記スピンテーブルを回転させる駆動手段と、
前記スピンテーブルに保持された前記基板上に溶液の供給を行なう溶液供給手段とを備え、
前記装置は、
前記溶液供給手段が、前記基板上に溶液を供給した状態で、前記駆動手段が、前記基板を第1の回転速度で回転させる工程と、
前記溶液供給手段が溶液を供給した後、前記駆動手段が、第1の回転速度よりも大きい第2の回転速度まで、所定の回転加速度で前記基板を加速させる工程と、
前記駆動手段が、第2の回転速度から第2の回転速度よりも小さい第3の回転速度まで、前記基板を減速させる工程と、
前記駆動手段が、第3の回転速度で所定期間、前記基板を回転させる工程とを実行する、溶液塗布装置。 - 前記基板上に気体の吹き付けを行なうノズルを有し、前記スピンテーブルの上方に設けられた第1の可動式アームをさらに備える、請求項8に記載の溶液塗布装置。
- 前記ノズルより吹き付けられる気体は、空気、窒素、およびアルゴンからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項9に記載の溶液塗布装置。
- 前記基板に向けて加熱を行なう加熱手段を有し、前記スピンテーブルの上方に設けられた第2の可動式アームをさらに備える、請求項8から10のいずれか1項に記載の溶液塗布装置。
- 前記加熱手段は、赤熱ヒータ、赤外ランプ、ハロゲンランプ、およびキセノンランプからなる群より選ばれた少なくとも1種を含む、請求項11に記載の溶液塗布装置。
- 前記加熱手段は、前記基板の中心から周縁に向かう方向に線上に延びて設けられている、請求項11または12に記載の溶液塗布装置。
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JP2003163812A JP2005005303A (ja) | 2003-06-09 | 2003-06-09 | 溶液塗布方法および溶液塗布装置 |
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---|---|---|---|---|
KR100806846B1 (ko) | 2007-01-18 | 2008-02-22 | 성균관대학교산학협력단 | 비정질 실리콘 박막의 결정화 방법 |
JP2011071518A (ja) * | 2009-09-25 | 2011-04-07 | Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives | 埋め込み型脆化層が分割によって暴露された表面から基板を超音波平坦化する方法 |
JP2017034008A (ja) * | 2015-07-29 | 2017-02-09 | 株式会社ディスコ | レーザー加工方法 |
KR20210147940A (ko) * | 2020-05-29 | 2021-12-07 | 가부시키가이샤 스크린 홀딩스 | 주연부 도포 장치 및 주연부 도포 방법 |
-
2003
- 2003-06-09 JP JP2003163812A patent/JP2005005303A/ja active Pending
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