JP2005004071A - 光学部品用筐体、プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】騒音の発生を防止することができ、かつ、光変調装置を充分に冷却することができる光学部品用筐体、プロジェクタを提供すること。
【解決手段】筒状のダクト6Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51B内に収容されており、内部に収容され、固定された液晶パネル441を冷却する冷却空気を流すものである。このダクト6Aは、液晶パネル441が固定される断面略L字型の基部と、断面略逆L字型のカバー部とを備えており、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下となっている。
【選択図】 図1
【解決手段】筒状のダクト6Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51B内に収容されており、内部に収容され、固定された液晶パネル441を冷却する冷却空気を流すものである。このダクト6Aは、液晶パネル441が固定される断面略L字型の基部と、断面略逆L字型のカバー部とを備えており、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下となっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品用筐体及びプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、光源から射出された光束を複数の色光に分離し、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに複数の光変調装置により変調し、各光変調装置で変調された色光を合成し、この合成された光束を拡大投写して投写画像形成するプロジェクタが利用されている。
このようなプロジェクタの光変調装置では、光束の透過、吸収により発熱し、温度が上昇するため、光変調装置に冷却空気を吹き付け、熱交換を行うことで光変調装置を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−186784号公報(図9、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような冷却方法では、光変調装置と、入射側偏光板又は射出側偏光板との間のわずかな隙間に、冷却に必要な空気を強制的に導入しているため、大きな通気抵抗が発生する。そのため、光変調装置を充分に冷却するには、冷却空気を供給する吸気ファンの回転数を高速回転させる必要があり、低騒音化を図ることが困難であるという問題がある。また、吸気ファンを高回転数で回転させるため、乱流が発生しやすくなり、この乱流発生に伴って騒音が発生するという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、騒音の発生を防止することができ、かつ、光変調装置を充分に冷却することができる光学部品用筐体、プロジェクタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学部品用筐体は、内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定されるとともに、複数の色光を各色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置を含む光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納する光学部品用筐体であって、前記光変調装置を収容し、固定するとともに、前記光変調装置を冷却するための冷却流体を流す筒状のダクトが設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、光学部品用筐体が光変調装置以外の他の光学部品を収納する筐体本体と、ダクトとを備える場合、ダクトは、前記筐体本体に一体的に形成されていてもよく、また、前記筐体本体とは別体であってもよい。
本発明では、冷却流体を流す筒状のダクトを設けたので、従来のように、わずかな隙間に冷却流体を強制的に導入する場合に比べ、通気抵抗が発生しにくく、冷却流体を流すためのファンの回転数を高回転数に設定しなくても、光変調装置を充分に冷却することができる。これにより、低騒音化を図ることができる。
また、ダクト内で乱流が発生した場合であっても、ダクトは筒状に形成されているため、騒音を遮蔽でき、これによっても低騒音化を図ることができる。
【0008】
さらに、光変調装置は、ダクトに固定されており、ダクトを膨張率が低い部材で構成すれば、光変調装置の発熱によりダクトが変形してしまうことがなく、光変調装置の取り付け位置がずれてしまうこともない。これにより、投写画像の画素ずれを防止することができる。
また、ダクトを高熱伝導率の部材で構成すれば、光変調装置で発生する熱をダクトを介して放熱させることもできる。
さらに、ダクトは筒状であるため、ダクト内を流れる冷却流体に粉塵等が混ざってしまうことを防止できる。これにより光変調装置への粉塵の付着を防止することができる。
また、照明光軸が設定された光学部品用筐体にダクトを設け、このダクトに光変調装置を取り付けているので、光変調装置の光軸調整を正確に行なうことができる。
【0009】
また、本発明では、前記ダクトには、前記光変調装置に入射する光束を透過させるための第1開口部と、前記光変調装置から射出される光束を透過させるための第2開口部とが形成されており、前記第1開口部には、入射側偏光板が取り付けられ、第2開口部には射出側偏光板が取り付けられていることが好ましい。
このような本発明によれば、ダクトの開口部に入射側偏光板及び射出側偏光板を取り付けることで、ダクト内に流れる冷却空気により入射側偏光板、射出側偏光板を冷却することができる。また、入射側偏光板及び射出側偏光板で発生した熱をダクトを介して放熱させることも可能となる。
【0010】
本発明では、前記光学部品を収容するための開口が形成された箱状の下部筐体と、下部筐体の開口を塞ぐ蓋状の上部筐体とを備えた筐体本体を有し、前記光学部品は、光源から射出された光束を複数の色光に分離する色分離光学素子を備え、前記ダクトは、前記筐体本体の下部筐体の前記開口と対向する底面部に固定される固定部を有する基部を備え、前記基部の固定部には、前記下部筐体の底面部と略平行に延びるとともに、前記色分離光学素子を保持するための保持部が形成された延出部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、ダクトの基部には、色分離光学素子を保持するための保持部が形成された延出部が設けられているので、色分離光学素子で発生した熱をダクトに伝達させて放熱させることができる。さらに、ダクトを低膨張率の部材で構成すれば、ダクトの保持部が色分離光学素子で発生する熱による熱膨張で変形してしまうことがなく、色分離光学素子の保持位置のずれも防止することができる。
【0011】
また、本発明では、前記ダクトは、前記冷却流体の流路を形成するとともに、前記光変調装置が固定される基部を備え、前記基部は、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下であることが好ましい。
なかでも、膨張率は、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であることが好ましく、また、熱伝導率は、180W/m・K以上、218W/m・K以下であることが好ましい。
このような基部を構成する材料としては、焼結合金材が好ましく、なかでも、Mo−Cu材、W−Cu材、Fe−Ni系の材料の焼結合金材であることが好ましい。さらに、Mo−Cu材であることがより好ましい。
基部の膨張率を4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下としたので、光変調装置の発熱により基部が変形してしまうことがなく、光変調装置の取り付け位置がずれてしまうこともない。これにより、投写画像の画素ずれを防止することができる。
さらに、基部の熱伝導率を180W/m・K以上、390W/m・K以下としたので、光変調装置で発生する熱を基部を介して放熱させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、上述した何れかに記載の光学部品用筐体を備えることを特徴とする。
このようなプロジェクタでは、前述した光学部品用筐体と同様の効果を奏することができる。すなわち、騒音の発生を防止することができ、光変調装置を充分に冷却することができるという効果を奏することができる。
【0013】
さらに、本発明では、光源を収納した光源ユニットと、前記光源及び前記光学部品用筐体に収容された光学部品に電源を供給する電源ユニットとを備え、前記光学部品用筐体の前記ダクトの一方の開口には、吸気ファンが接続されており、この一方の開口から冷却流体である冷却空気が導入され、他方の開口から冷却空気が排出されるとともに、この他方の開口から排出された冷却空気は、前記電源ユニット及び/又は前記光源ユニット内に供給されることが好ましい。
このような本発明によれば、ダクトから排気される冷却空気は、光変調装置を冷却したものであり、この冷却空気は、電源ユニットや光源ユニット内の空気に比べ充分に温度が低いものであるため、電源ユニットや光源ユニット内に導入することで、電源ユニット、光源ユニットを充分に冷却することができる。
【0014】
また、本発明では、前記光変調装置で変調された複数の色光を合成する色合成用ダイクロイックミラーを有する色合成光学系を備えていることが好ましい。
このように、プロジェクタの色合成光学系を色合成用ダイクロイックミラーを有するものとすることで、クロスダイクロイックプリズムを使用する場合に比べて安価なものとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のプロジェクタ1が示されている。プロジェクタ1は、略直方体形状の外装ケース2と、外装ケース2内に収容された電源ユニット3と、同じく外装ケース2内に配置された光学ユニット4Aとを備えている。
外装ケース2は、ここでは、電源ユニット3や光学ユニット4Aを収容するロアーケース21と、アッパーケース(図示略)とを備えている。
電源ユニット3は、後述する光源装置や電気光学装置等に電源を供給するためのものであり、図示しないが、光源装置を駆動する光源駆動ブロックと、電気光学装置を制御する制御ブロックと、これら光源駆動ブロックおよび制御ブロックに電力を供給する電源ブロックとを備えている。
【0016】
光学ユニット4Aは、光源ランプ411から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、光源装置41、色分離光学系42、電気光学装置44、色合成光学系45A、および投写光学系としての投写レンズ46を備えている。
光源装置41は、放射状の光線を射出する光源ランプ411と、この光源ランプ411から射出された放射光を反射する楕円面鏡410と、光源ランプ411から射出され楕円面鏡410により反射された光を平行光とする平行化凹レンズ(図示略)とを備える。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、楕円面鏡410および平行化凹レンズの代わりに、放物面鏡を用いてもよい。
【0017】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、一枚の反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422により光源装置41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。
このような光学ユニット4Aにおいて、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、光源装置41から射出された光束の青色光成分及び緑色光成分が透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421で反射した赤色光成分は、反射ミラー423で反射されて後述する液晶パネル441Rに到達する。
ダイクロイックミラー421を透過した緑色光成分は、ダイクロイックミラー421の後段に配置されたダイクロイックミラー422で反射して、後述する液晶パネル441Gに到達する。
さらに、ダイクロイックミラー421を透過した青色光成分は、ダイクロイックミラー422をも透過し、後述する液晶パネル441Bに到達する。
【0018】
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441(441R,441G,441B)と、各液晶パネル441の後段に配置される射出側偏光板443とを備えている。
【0019】
液晶パネル441は、図3に示すように、駆動基板441A(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)と、対向基板441E(例えば、共通電極が形成された基板)と、この対向基板441Eの光束入射側に貼り付けられた防塵ガラス441Cと、駆動基板441Aの光束射出側に貼り付けられた防塵ガラス441Dとを備えている。駆動基板441Aと対向基板441Eとの間には、液晶(光変調素子本体)が封入されたものであり、図示しないが、これらの基板の間から制御用ケーブルが延びている。
【0020】
防塵ガラス441D,441Cは、熱伝導率が10W/m・K以上の材料で構成されていることが好ましく、このような材料としては、例えば、サファイアガラス及び水晶等があげられる。
色分離光学系42で分離された各色光は、以上のような3枚の液晶パネル441R,441G,441Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0021】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、例えば、サファイアガラス及び水晶等の高熱伝導率を有する基板442Aに偏光膜442Bが貼付されたものである(図3参照)。
射出側偏光板443も、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。入射側偏光板442と同様、この射出側偏光板443も、サファイアガラス及び水晶等の等の高熱伝導率を有する基板443Aに偏光膜443Bが貼付されたものである(図3参照)
【0022】
色合成光学系45Aは、射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。この色合成光学系45Aは、2枚の色合成用ダイクロイックミラー451,452と、1枚の反射ミラー453とを備えている。
液晶パネル441Rで変調された赤色光成分は、射出側偏光板443から射出されて、色合成用ダイクロイックミラー451を透過する。
液晶パネル441Gで変調された緑色光成分は、射出側偏光板443から射出されて、色合成用ダイクロイックミラー451で反射されて、赤色光成分と合成される。
液晶パネル441Bで変調された青色光成分は、射出側偏光板443から射出されて反射ミラー453で反射される。
そして、これらの赤色光成分、緑色光成分、青色光成分は、色合成用ダイクロイックミラー452に入射し、合成されて、投写レンズ46に入射する。この投写レンズ46は、色合成光学系45Aで合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
【0023】
以上のような光学ユニット4Aの光学部品は、照明光軸が設定されたライトガイド5(光学部品用筐体)内に収容されている。
図1に示すように、ライトガイド5は、各光学部品を上方から収納するための収容用の開口が形成された箱状の下ライトガイド51及び下ライトガイド51の開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド(図示略)を備えた筐体本体50と、筒状のダクト6Aとを備えて構成される。
筐体本体50は、金属等の熱伝導性の部材で構成されている。
下ライトガイド51は、光源装置41を収容したランプハウジング(光源ユニット)を収納するランプハウジング収納部51Aと、他の光学部品を収納する箱状の光学部品収納部51Bとを有している。
下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの開口と対向する底面部512には、光学部品である各ミラー421〜423,451〜453をスライド状にはめ込むための断面略コ字形のボス部(保持部)512Aが立設されている。
【0024】
ダクト6Aは、内部に収容された液晶パネル441を冷却する冷却空気を流すものである。このダクト6Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51B内に収容されている。このダクト6Aは、屈曲部分が略90°に折れ曲がった平面略Z字状であり、液晶パネル441B側に位置する一方の開口には吸気ファンF1が接続されている。また、液晶パネル441R側に位置する他方の開口は、電源ユニット3に接続されている。
なお、ダクト6Aが接続される吸気ファンF1は、外装ケース2のロアーケース21の底面に形成された吸気用開口部から外部の空気を吸気するものであり、図示しないが防塵フィルタが取り付けられている。
【0025】
このようなダクト6Aは、図2及び図3に示すように、断面略矩形形状であり、断面略L字型の基部61Aと、断面略逆L字型のカバー部62Aとを備えている。この基部61Aとカバー部62Aとで冷却空気を通す冷却流路が形成される。
基部61Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512に固定される固定部611と、固定部611から立設され、図3上方に延びる壁部612とを備えている。
壁部612には、各液晶パネル441へ入射する光束を透過させるための矩形形状の第1の開口部612Aが形成されている。この開口部612Aの四隅付近であって、壁部612の内側(ダクト6Aの内部側)には、液晶パネル441の防塵ガラス441Cを熱伝導性接着剤、又は、はんだにより固着するための凸部612Bが形成されている。この凸部612Bに固定された液晶パネル441と、壁部612との間には、隙間が形成されることとなる。
また、この第1の開口部612Aの外側には、入射側偏光板442が取り付けられており、この入射側偏光板442により第1の開口部612Aは塞がれることとなる。この入射側偏光板442の基板442Aと、壁部612とは熱伝導性接着剤、又は、はんだにより固着される。
【0026】
以上のような基部61Aは、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下、特に好ましくは、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下、特に好ましくは、180W/m・K以上、218W/m・K以下、比重が8.0以上、19.0以下となっている。
このような物性を満たす材料としては、焼結合金材が例示でき、例えば、Mo−Cu材、W−Cu材、又はFe−Ni系の焼結合金材があげられる。なかでも、Mo−Cu材が最も好ましく、Cu含有率が10〜60wt%、なかでも20〜40wt%であることが好ましい。
また、基部61Aの内側及び外側の表面には、熱放射率を高めるための処理が施されている。この熱放射率を高めるための処置としては、例えば、高輻射塗料を塗布したり、金属めっきを行ったりすることがあげられる。
【0027】
一方、カバー部62Aは、基部61Aの固定部611と対向配置される上面部621と、上面部621の一端から基部61Aの固定部611側に延びて、基部61Aの壁部612と対向配置する壁部622とを備えている。
壁部622には、液晶パネル441から射出された光束を透過させるための矩形形状の第2の開口部622Aが形成されている。この第2の開口部622Aの外側(ダクト6Aの外部側)には、射出側偏光板443が取り付けられ、第2の開口部622Aを塞いでいる。
この射出側偏光板443の基板443Aは、入射側偏光板442と同様に、熱伝導性接着剤、又は、はんだにより壁部622に固着される。
このようなカバー部62Aの材質は特に限定されないが、低膨張率で、高熱伝導率を有する材料で構成されていることが好ましい。このような材料としては、基部61Aと同様の材料があげられる。
【0028】
以上のようなカバー部62Aの上面部621の壁部622が設けられた側と反対側の端部と、基部61Aの壁部612の延出方向先端側の端部とは、接着剤Sにより固定されている。また、カバー部62Aの壁部622の延出方向先端側の端部と、基部61Aの固定部611の壁部612と反対側の端部も接着剤Sにより固定されている。
なお、本実施形態では、基部61Aと、カバー部62Aとを接着剤Sにより固定するものとしたが、端部同士を嵌め合わせることでカバー部62Aと、基部61Aとを固定してもよい。例えば、図4に示すように、カバー部62Aの壁部622の延出方向先端側の端部内側を切り欠き、突片部623と切り欠き部624を形成する。また、基部61Aの固定部611の端部を立設させて、その端部外側を切り欠き、突片部613と切り欠き部614とを形成する。そして、カバー部62Aの壁部622の突片部623を基部61Aの固定部611の切り欠き部614に挿入するとともに、基部61Aの固定部611の突片部613をカバー部62Aの壁部622の切り欠き部624に挿入し、嵌め合わせる。このようにすれば、接着剤Sを使用せずに、基部61Aとカバー部62Aとを固定することができる。
【0029】
次に、再度、図1を参照して、以上のようなダクト6Aを用いた冷却構造について説明する。
まず、吸気ファンF1を駆動させると、外装ケース2に形成された吸気用開口部から冷却空気が吸気され、ダクト6A内に冷却空気が導入される。導入された冷却空気は、ダクト6A内を通り、液晶パネル441を冷却する。前述したように、液晶パネル441と、ダクト6Aの基部61Aの壁部612との間には、凸部612Bにより隙間が形成されているので、液晶パネル441の光束射出側面のみならず、光束入射側面も冷却空気により冷却することができる。
また、ダクト6A内を通過する冷却空気は第1の開口部612A及び第2の開口部622Aに取り付けられた入射側偏光板442及び射出側偏光板443をも冷却する。
このようにしてダクト6A内を通過した冷却空気はダクト6Aの開口から排出されて、電源ユニット3内に導入される。そして、電源ユニット3から排出された冷却空気は、排気ファンF2により引き寄せられ、光源装置41が収容されたランプハウジング収納部51A内に導入され、光源装置41を冷却する。さらに、この空気は排気ファンF2により、外装ケース2に形成された排気口から排出される。
なお、本実施形態では、電源ユニット3及びランプハウジング収納部51Aの双方に冷却空気が導入されるとしたが、いずれか一方のみに冷却空気が供給される構造としてもよく、また、電源ユニット3及びランプハウジング収納部51Aの何れにも冷却空気は供給されず、外装ケース2から外部に排出される構造としてもよい。
【0030】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1−1)ライトガイド5内に、外装ケース2外部からの冷却空気を直接取り入れて流すダクト6Aが設けられており、このダクト6A内に液晶パネル441が収容されているので、液晶パネル441を充分に冷却することができる。そして、液晶パネル441と、ダクト6Aの基部61Aの壁部612との間には、凸部612Bにより隙間が形成されているので、液晶パネル441の光束射出側面のみならず、光束入射側面も冷却空気により冷却することができ、これにより、液晶パネル441の冷却効率を高めることができる。
また、ダクト6Aの開口部612A,622Aを塞ぐように入射側偏光板442、射出側偏光板443が貼り付けられているので、ダクト6Aを流れる空気により入射側偏光板442,射出側偏光板443をも冷却することができる。
(1−2)冷却空気を流すダクト6Aを設けたので、従来のように、わずかな隙間に冷却空気を強制的に導入する場合に比べ、通気抵抗が発生しにくく、冷却空気を流すためのファンF1の回転数を高回転数に設定しなくても液晶パネル441を充分に冷却することができる。これにより、低騒音化を図ることができる。また、ダクト6A内で乱流が発生したとしてもダクト6Aは筒状に形成されているため、騒音を遮蔽でき、これによっても低騒音化を図ることができる。
(1−3)液晶パネル441は、ダクト6Aの基部61Aに固定されており、この基部61Aは、4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下という低い熱膨張率であるため、液晶パネル441の発熱により基部61Aが変形してしまうことを防止できる。従って、熱による液晶パネル441の取り付け位置のずれを防止でき、これにより投写画像の画素ずれを防止することができる。
【0031】
(1−4)ダクト6Aの基部61Aを180W/m・K以上、390W/m・K以下という高熱伝導率を有するものとしたので、液晶パネル441で発生した熱をダクト6Aの基部61Aを介して、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512に伝達させて、熱伝導により液晶パネル441を冷却することもできる。
(1−5)さらに、このダクト6Aの基部61Aには、入射側偏光板442が取り付けられているので、入射側偏光板442で発生する熱も基部61Aを介して光学部品収納部51Bに伝達させて、放熱させることができる。
(1−6)また、ダクト6Aのカバー部62Aも基部61Aと同様の材料で構成されているので、カバー部62Aに取り付けられた射出側偏光板443の熱をカバー部62A、基部61Aを介して下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて冷却することができる。
【0032】
(1−7)液晶パネル441の防塵ガラス441Cは、熱伝導率の高い材料により構成されているので、液晶パネル441で発生する熱を効率よく基部61Aに伝達させることができる。
(1−8)また、液晶パネル441と基部61Aの壁部612の凸部612Bとの固着を熱伝導性接着剤又ははんだにより行っているので、液晶パネル441から基部61Aへの熱伝導を妨げることがない。
【0033】
(1−9)さらに、基部61Aには、放射率を高めるための処理が施されているため、基部61Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bへの熱伝導に加え、熱放射によっても冷却されることとなる。そのため、基部61Aに熱が溜まってしまうことがなく、液晶パネル441から基部61Aへの熱伝導を促進させることができる。
(1−10)基部61Aは、比重が8.0以上、19.0以下となっており、高い合成を有するものであるため、液晶パネル441を保持させても、液晶パネル441の重さにより基部61Aが変形してしまうことがない。これにより、投写画像の画素ずれ等を防止することができる。
【0034】
(1−11)ダクト6Aに冷却空気を導入するための吸気ファンF1には、防塵フィルタが設けられているため、ダクト6A内に粉塵等が入り込むことを防止できる。これに加え、ダクト6Aは筒状であるため、ダクト6A内を流れる冷却空気に外装ケース2隙間等から入り込んだ粉塵等が混ざってしまうことを防止できる。これにより液晶パネル441への粉塵の付着を防止することができる。
また、このように液晶パネル441への粉塵の付着を防止することができるため、液晶パネル441の光束射出側の防塵ガラス441Dをなくすことも可能となる。
(1−12)また、照明光軸が設定されたライトガイド5にダクト6Aを設け、このダクト6Aに液晶パネル441を取り付けているので、外装ケース2内の直接ダクトを設け、液晶パネル441を取り付ける場合に比べ、液晶パネル441の光軸調整を正確に行うことができる。
【0035】
(1−13)ダクト6Aに入射側偏光板442及び射出側偏光板443を取り付けているため、入射側偏光板442及び射出側偏光板443を保持する部材を別途筐体本体50に形成する必要がなくなり、筐体本体50の製造にかかる手間を省くことができる。
(1−14)ダクト6Aから排気される空気は、主に液晶パネル441を冷却したものであり、この空気は、電源ユニット3やランプハウジング内の空気に比べ充分に温度が低いものであるため、電源ユニット3やランプハウジングに導入することで、電源ユニット3、光源装置41を充分に冷却することができる。
(1−15)本実施形態のプロジェクタ1の光学ユニット4Aの色合成光学系45Aは、複数の色合成用ダイクロイックミラー451,452により各色光を合成するものであり、クロスダイクロイックプリズムを使用する場合に比べ、安価となる。従って、プロジェクタ1の製造コストを低減させることができる。
(1−16)さらに、本実施形態では、光源装置41から射出される光束のうち、比較的強いエネルギーを持つ青色光成分を変調する液晶パネル441Bを、ダクト6Aの吸気ファンF1が接続される開口近傍に配置しているため、外気に近い温度の冷却空気で冷却することができる。これにより、液晶パネル441Bを効率よく冷却することができる。
【0036】
[第2実施形態]
図5及び図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態では、色分離光学系42を構成するミラー421〜423及び色合成光学系45Aのダイクロイックミラー451は、下ライトガイド51に形成されたボス部512Aに保持されていたが、本実施形態では、これらのミラー421〜423,451は、ダクト6Bの基部61Aに設けられた延出部63に形成されたボス部(保持部)631により保持されている。
【0037】
すなわち、本実施形態のダクト6Bは、基部61Aと、カバー部62Aと、基部61Aの固定部611に設けられた延出部63とを備える。
延出部63は、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512と略平行に延びる板状部材である。この延出部63は、固定部611の壁部612側の端部及びこの端部と対向する端部から延びており、固定部611に一体成形されている。従って、この延出部63の材質は基部61Aと同じ材質となる。
この延出部63に形成されたボス部631は、延出部63と同様の材質から構成され、前記実施形態のボス部512Aと同様、断面略コ字形であり、各ミラーに対応して2個づつ設けられている。このボス部631には、各ミラー421〜423,451がスライド式にはめ込まれる。
【0038】
従って、このような本実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−16)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(2−1)ダクト6Bの基部61Aの固定部611に、色分離光学系のミラー421〜423及び色合成光学系のミラー451を保持するためのボス部631を備えた延出部63が設けられているので、各ミラー421〜423,451で発生した熱を延出部63を介して下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて放熱させることができる。この延出部63は基部61Aに一体成形されており、基部61Aと同じ材質のもので構成されているため、熱伝導率が高いため、効率よく各ミラー421〜423,451の熱を下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて放熱させることができる。
【0039】
(2−2)さらに、このように延出部63のボス部631は基部61Aと同じ材質のもので構成されているので、ミラー421〜423,451で発生する熱により、ボス部631が変形してしまうことがなく、各ミラー421〜423,451の位置ずれを防止することができる。
(2−3)また、ダクト6Bの延出部63にミラー421〜423,451を保持するボス部631を形成したので、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bにミラー421〜423,451を保持するためのボス部を形成する必要がなくなり、下ライトガイド51の製造を容易化することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、図7を参照して第3実施形態について説明する。
第1実施形態のダクト6Aは、断面略L字型の基部61Aと、断面略逆L字型のカバー部62Aとを備える構造としたが、本実施形態のダクト6Cは、断面略L字型の基部61Aと、断面略コ字型のカバー部62Cを備え、この基部61Aとカバー部62Cとで冷却流体を通過させるための流路が形成されている。
カバー部62Cは、前記実施形態のカバー部62Aと同様の材質で構成されている。このカバー部62Cは、基部61Aの固定部611と対向配置される上面部621と、上面部621の端部から基部61Aの固定部611側に延びる壁部622及び壁部625とを備えている。
壁部625は、基部61Aの壁部612の外側に当接し、液晶パネル441に入射する光束を透過する開口部625Aが形成されている。すなわち、本実施形態では、開口部625Aと、基部61Aの開口部612Aとを介して、液晶パネル441に光束が入射することとなる。
この開口部625Aを覆うように、壁部625の外側に入射側偏光板442が取り付けられている。
なお、本実施形態では、カバー部62Cの壁部622,625の延出方向先端側は、基部61Aの固定部611の端部を覆うように延びており、光学部品収納部51Bの底面部512に当接している。
【0041】
このような第3実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−16)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(3−1)ダクト6Cでは、カバー部62Cに入射側偏光板442が取り付けられており、基部61Aに入射側偏光板442を取り付ける必要がないので、入射側偏光板442を取り付ける場合に比べ、基部61Aの強度を低いものとすることが可能である。
(3−2)カバー部62Cにより基部61Aを覆うような構造であるため、カバー部62Cと基部61Aとを接着しなくても、カバー部62Cと基部61Aとの間の隙間から粉塵等が入り込んでしまうことがない。
(3−3)カバー部62Cは、光学部品収納部51Bの底面部512に当接しており、また、熱伝導性の高い材料で構成されているため、入射側偏光板442、射出側偏光板443からの熱をカバー部62Cから直接底面部512に伝達させることができる。
【0042】
[第4実施形態]
次に、図8を参照して発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態では、ダクト6Cは、断面略L字型の基部61Aと、断面略コ字型のカバー部62Cとを備えるものであったが、本実施形態のダクト6Dは、断面略コ字形の基部61Dと、カバー部62Cとを備え、この基部61Dと、カバー部62Cとで冷却空気を通過させる流路が形成されている。
基部61Dは、前記各実施形態の基部61Aと同様の材質で構成されるとともに、前記各実施形態の基部61Aと同様に、熱放射率を高めるための処理がされており、固定部611と、この固定部611の両端部に立設された壁部612,615とを備えている。
この壁部612,615は、カバー部62Cの壁部622,625の内側に位置している。
壁部615には、液晶パネル441から射出された光束を透過させるための開口部615Aが形成されている。すなわち、本実施形態では、液晶パネル441から射出された光束は、開口部615Aと、カバー部62Cの開口部622Aと介して射出されることとなる。
【0043】
このような第4実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−16)、第3実施形態の(3−1)〜(3−3)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(4−1)ダクト6Dは、断面略コ字形の基部61Dと、断面略コ字形のカバー部62Cとを備えており、基部61D、カバー部62Cの壁部がそれぞれ重なりあうような構造となっているので、ダクト6Dは高度に密閉されたものとなる。従って、例え、ダクト6D内で乱流が発生し、騒音が発生したとしても、確実に騒音を遮蔽することができる。
【0044】
[第5実施形態]
次に、図9から図11を参照して発明の第5実施形態について説明する。
前記実施形態では、光学ユニット4Aの色合成光学系45Aは、複数の色合成用ダイクロイックミラー451,452により各色光を合成するものであったが、本実施形態の色合成光学系45Bは、クロスダイクロイックプリズム450により各色光を合成するものである。
すなわち、本実施形態の光学ユニット4Eは、図9に示すように、光源装置41を含むインテグレータ照明光学系40、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44、色合成光学系45Bおよび投写レンズ46を備えている。
【0045】
インテグレータ照明光学系40は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、第1実施形態と同様の光源装置41と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換光学素子414と、重畳レンズ415とを備えている。なお、図9には、第1実施形態では図示しなかった平行化凹レンズ411Aが図示されている。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0046】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ412は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
【0047】
偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されている。このような偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0048】
具体的に、偏光変換光学素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分を利用することができない。
そこで、偏光変換光学素子414を用いることにより、光源ランプ411からの射出光をほぼ1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換光学素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0049】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー424,425と、反射ミラー426とを備え、ダイクロイックミラー424、425によりインテグレータ照明光学系40から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
【0050】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0051】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー424では、インテグレータ照明光学系40から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー424によって反射した青色光は、反射ミラー426で反射し、フィールドレンズ418を通って青色用の液晶パネル441Bに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0052】
ダイクロイックミラー424を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー425によって反射し、フィールドレンズ418を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー425を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って赤色光用の液晶パネル441Rに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。
なお、リレー光学系43には、3つの色光のうち、赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0053】
色合成光学系45Bは、クロスダイクロイックプリズム450を備えており、このクロスダイクロイックプリズム450は、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bから射出された各色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成する。なお、クロスダイクロイックプリズム450には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム450で合成されたカラー画像は、投写レンズ46から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
【0054】
このような光学ユニット4Eは、図10に示すような、ライトガイド7に収納されている。このライトガイド7は、ライトガイド5と同じように、各光学部品を上方から収納するための収容用の開口が形成された箱状の下ライトガイド71及び下ライトガイド71の開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド72(図11参照)を備えた筐体本体70を備えて構成される。
下ライトガイド71は、光源装置41を収容したランプハウジング(光源ユニット)を収納するランプハウジング収納部71Aと、他の光学部品を収納する箱状の光学部品収納部71Bとを有している。
【0055】
下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの側面部711には、平行化凹レンズ411Aと、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、および偏光変換光学素子414で構成されるユニットと、重畳レンズ415とを上方からスライド式に嵌め込むための第1溝部711Aと、入射側レンズ431、反射ミラー432、リレーレンズ433を上方からスライド式に嵌め込むための第2溝部711Bとが形成されている。
【0056】
下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの底面部712には、ダイクロイックミラー421を支持する第1ボス部712Aと、上記第2溝部711Bに対応した溝を有する第2ボス部712Bとが突設されている。
このような底面部712には、図10及び図11に示すように、クロスダイクロイックプリズム450を囲むように配置されるとともに、底面部712側及び上ライトガイド72側が開口した筒状のダクト6Eが形成されている。このダクト6Eは、底面部712と一体的に形成されており、底面部712から立設されるとともに、液晶パネル441が取り付けられる板状の基部61Eと、この基部61Eに取り付けられた液晶パネル441の光束入射側を囲むように設けられた断面略コ字形のカバー部62Eとを備えている。
【0057】
基部61E及びカバー部62Eは、各液晶パネル441に応じて3つずつ設けられており、ダクト6Eには3つの筒状部が形成されることとなる。
3つの基部61Eは一体的に形成されており、各基部61Eの内側面(ダクト6Eの筒状の内側面)には、液晶パネル441が熱伝導性の接着剤、又は、はんだを介して固定される。そして、その中央部分に液晶パネル441から射出された光束を透過させるための第1の開口部612Aが形成されている。
また、基部61Eには、液晶パネル441の側方に突出した2つの突出部616が形成されており、各突出部616と、液晶パネル441の光束入射側端面に跨って、1枚の見切り板Pが取り付けられる。この見切り板Pは、液晶パネル441を基部61Eに固定するとともに、液晶パネル441の画像形成領域以外の部分に光束が入射してしまうのを防ぐためのものである。この見切り板Pには、光束入射用の開口が形成され、この開口の対角の寸法は0.3インチ以上となっている。
見切り板Pは、低膨張率、高熱伝導率を有する材料で構成されていることが好ましく、例えば、焼結合金材または圧延された金属部材から構成されていることが好ましい。
【0058】
さらに、基部61Eの外側には、第1の開口部612Aを塞ぐように、熱伝導性の接着剤を介して射出側偏光板443が貼り付けられている。
一方、カバー部62Eは、底面部712から立設されるとともに、基部61Eと一体的に成形されている。このカバー部62Eの液晶パネル441と対向する面には、液晶パネル441への入射光束を透過させるための第2の開口部622Aが形成されている。この第2の開口部622Aには入射側偏光板442が取り付けられるが、本実施形態では、カバー部62Eの内側に熱伝導性の接着剤を介して入射側偏光板442が貼り付けられている。
このような、ダクト6Eが形成された底面部712には、液晶パネル441の位置に対応するとともに、ダクト6Eの3つの筒状部に連通する3つの開口712A1が形成されている。また、各射出側偏光板443の位置に対応した3つの開口712A2も形成されている。
なお、ダクト6Eの基部61E及びカバー部62Eは上ライトガイド72と当接しており、この上ライトガイド72には、ダクト6Eの3つの筒状部に連通する3つの開口721A1及び各射出側偏光板443の位置に対応した3つの開口721A2が形成されている。
【0059】
また、下ライトガイド71の底面部712の下面側(ダクト6Eが形成された面と反対側の面)には、下方に突出した環状のリブ712Cが形成されており、このリブ712Cで囲まれた部分に吸気ファンF3が設置され、下ライトガイド71の底面部712と外装ケース2のロアケース21の底面との間に吸気ファンF3が配置されることとなる。なお、外装ケース2の底面の開口には、防塵フィルタが取り付けられている。
【0060】
このような下ライトガイド71は、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下、特に好ましくは、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下、特に好ましくは、180W/m・K以上、218W/m・K以下、比重が8.0以上、19.0以下であることが好ましい。
このような物性を満たす材料としては、焼結合金材が例示でき、例えば、Mo−Cu材、W−Cu材、又はFe−Ni系の焼結合金材があげられる。なかでも、Mo−Cu材が最も好ましく、Cu含有率が10〜60wt%、なかでも20〜40wt%であることが好ましい。
【0061】
次に、液晶パネル441の冷却構造について説明する。
まず、吸気ファンF3を駆動させると、外装ケース2外部の冷却空気が外装ケース2内に吸引され、下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの底面部712に形成された開口712A1,712A2に導入される。開口712A1に導入された冷却空気はダクト6E内に導入され、液晶パネル441、入射側偏光板442を冷却する。そして、この冷却空気はダクト6Eに連通する上ライトガイド72の開口721A1から排出される。
一方、開口712A2に導入された空気は、3つの基部61Eで囲まれた部分に導入されて、射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム450を冷却する。そして、この冷却空気は上ライトガイド72の開口721A2から排出される。
上ライトガイド72の開口721A1,721A2から排出された冷却空気は、上ライトガイド72と外装ケース2のアッパーケース22との間を通り、光学ユニット4Eの前方側に送風される。そして、この冷却空気は電源ユニット3、ランプハウジング収納部71A内に導入され、さらには、外装ケース2に形成された排気口から排出される。
【0062】
従って、このような本実施形態によれば、第1実施形態の(1−2)〜(1−7)、(1−10)〜(1−14)と略同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(5−1)ライトガイド7に、外装ケース2外部からの冷却空気を直接取り入れて流すダクト6Eが設けられており、このダクト6E内に液晶パネル441が収容されているので、液晶パネル441を充分に冷却することができる。これに加え、各液晶パネル441の下方に設けられた開口712A1からの空気を直接各液晶パネル441に当てることができるので、各液晶パネル441を効率よく冷却できる。
また、ダクト6Eの開口部622Aを塞ぐように入射側偏光板442が貼り付けられているので、ダクト6Eを流れる空気により入射側偏光板442も冷却することができる。
(5−2)さらに、下ライトガイド71の底面部712には、射出側偏光板443の位置に対応した開口712A2が形成されており、この開口712A2から導入された冷却空気により、基部61Eの外側に取り付けられた射出側偏光板443を冷却することができる。本実施形態のように液晶パネル441と基部61Eとの間に隙間がほとんど形成されておらず、液晶パネル441と基部61Eとの間にダクト6E内の冷却空気を通すことが困難である場合であっても、基部61Eに取り付けられた射出側偏光板443を冷却することができる。
(5−3)ダクト6Eは、下ライトガイド71と一体的に構成されているため、別体とする場合に比べ、部材点数を削減することができる。
(5−4)また、ダクトと下ライトガイドとを別体で構成し、互いに異なる材質のもので構成している場合には、ダクトから下ライトガイドへの熱の伝達が効率よく行われない可能性がある。これに対し、本実施形態では、ダクト6Eと下ライトガイド71とが同じ材質で一体的に構成されているため、効率よく熱を伝達させることができる。
さらに、下ライトガイド71を高い熱伝導率を有する材料で構成しているため、通常の金属等で構成する場合にくらべ、冷却効率を向上させることができる。
【0063】
(5−5)液晶パネル441をダクト6Eの基部61Eに固定し、クロスダイクロイックプリズム450と液晶パネル441とを分離した構成としたので、クロスダイクロイックプリズムに液晶パネルを取り付ける場合に必要となる保持枠等を不要とすることができる。これにより部材点数の削減を図ることができる。
(5−6)液晶パネル441の見切り板Pを低膨張率の部材で構成しているため、液晶パネル441の熱により見切り板Pが変形してしまうことがなく、液晶パネル441の取り付け位置がずれてしまうことがない。従って、投写画像の画素ずれ等を防止することができる。
【0064】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ダクト6A〜6Eは、焼結合金材から構成されるものとしたが、これに限らず、低膨張率かつ高熱伝導性の樹脂等から構成されていてもよい。
また、ダクト6A〜6Eの基部61A,61D,61Eは、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下であるとしたが、この範囲外であってもよい。
さらに、ダクトの形状は、前記実施形態で示した形状に限られず、筒状のものであれば任意である。例えば、第5実施形態では、ダクト6Eは、3つの筒状部が形成されているものとしたが、これらの3つの筒状部を連通させて1つの筒状部により形成されるものとしてもよい。ただし、この場合には、筒状部の幅が広くなってしまうので、乱流等が発生する可能性がある。これに対し、第5実施形態のように3つの筒状部を形成することで、冷却空気を整流し、乱流の発生を防止することができる。
【0065】
さらに、前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
さらに、前記各実施形態では、ダクト6A〜6Eから排出された空気は、電源ユニット3やランプハウジング内に供給され、電源ユニット3や光源装置41を冷却し、プロジェクタ1外部に排出されるものとしたが、プロジェクタ1内に冷却装置を設け、空気を冷却して循環させてもよい。
【0066】
さらに、第1実施形態から第4実施形態では、基部61A,61Dに凸部612Bを形成し、この凸部612Bに液晶パネル441を固定していたが、凸部612Bを形成せずに液晶パネル441を固定してもよい。このようにすれば凸部を形成しないでよいので、基部の製造を簡易化することができる。
【0067】
さらに、第1実施形態から第4実施形態では、ダクト6A〜6Dの外側に射出側偏光板443を貼り付けたが、ダクト6A〜6Dの内側に射出側偏光板443を貼り付けてもよい。ただし、この場合には、ダクト6A〜6D内に射出側偏光板が収容されることとなるので、冷却空気の冷却通路が狭くなる虞がある。これに対し、第1実施形態から第4実施形態では、ダクト6A〜6Dの外側に射出側偏光板443を貼り付けているので、ダクト6A〜6Dの冷却空気の通路を広く確保することが可能である。
また、第5実施形態では、下ライトガイドから導入された空気がダクト6E内を冷却空気が下方から上方に流れるものとしたが、上ライトガイドから冷却空気を取り込みダクト6E内を上方から下方に流れる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるプロジェクタを示す模式図。
【図2】本発明の第1実施形態のダクトを示す斜視図。
【図3】前記ダクトの断面図。
【図4】前記ダクトの一部の変形例を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態にかかるプロジェクタを示す模式図。
【図6】本発明の第2実施形態のダクトを示す斜視図。
【図7】本発明の第3実施形態のダクトを示す断面図。
【図8】本発明の第4実施形態のダクトを示す断面図。
【図9】本発明の第5実施形態のプロジェクタの光学系を示す模式図。
【図10】前記プロジェクタのライトガイドの内部を示す断面図。
【図11】前記ライトガイドを示す断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、3…電源ユニット、5,7…ライトガイド(光学部品用筐体)、6A,6B,6C,6D,6E…ダクト、42…色分離光学系、50…筐体本体、51,71…下ライトガイド(下部筐体)、61A,61D,61E…基部、63…延出部、72…上ライトガイド(上部筐体)、441…液晶パネル(光変調装置)、442…入射側偏光板、443…射出側偏光板、611…固定部、612A…第1の開口部、622A…第2の開口部、631…ボス部(保持部)
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学部品用筐体及びプロジェクタに関する。
【0002】
【背景技術】
従来から、光源から射出された光束を複数の色光に分離し、複数の色光を画像情報に応じて各色光ごとに複数の光変調装置により変調し、各光変調装置で変調された色光を合成し、この合成された光束を拡大投写して投写画像形成するプロジェクタが利用されている。
このようなプロジェクタの光変調装置では、光束の透過、吸収により発熱し、温度が上昇するため、光変調装置に冷却空気を吹き付け、熱交換を行うことで光変調装置を冷却している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−186784号公報(図9、図10)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような冷却方法では、光変調装置と、入射側偏光板又は射出側偏光板との間のわずかな隙間に、冷却に必要な空気を強制的に導入しているため、大きな通気抵抗が発生する。そのため、光変調装置を充分に冷却するには、冷却空気を供給する吸気ファンの回転数を高速回転させる必要があり、低騒音化を図ることが困難であるという問題がある。また、吸気ファンを高回転数で回転させるため、乱流が発生しやすくなり、この乱流発生に伴って騒音が発生するという問題もある。
【0005】
本発明の目的は、騒音の発生を防止することができ、かつ、光変調装置を充分に冷却することができる光学部品用筐体、プロジェクタを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の光学部品用筐体は、内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定されるとともに、複数の色光を各色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置を含む光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納する光学部品用筐体であって、前記光変調装置を収容し、固定するとともに、前記光変調装置を冷却するための冷却流体を流す筒状のダクトが設けられていることを特徴とする。
【0007】
ここで、光学部品用筐体が光変調装置以外の他の光学部品を収納する筐体本体と、ダクトとを備える場合、ダクトは、前記筐体本体に一体的に形成されていてもよく、また、前記筐体本体とは別体であってもよい。
本発明では、冷却流体を流す筒状のダクトを設けたので、従来のように、わずかな隙間に冷却流体を強制的に導入する場合に比べ、通気抵抗が発生しにくく、冷却流体を流すためのファンの回転数を高回転数に設定しなくても、光変調装置を充分に冷却することができる。これにより、低騒音化を図ることができる。
また、ダクト内で乱流が発生した場合であっても、ダクトは筒状に形成されているため、騒音を遮蔽でき、これによっても低騒音化を図ることができる。
【0008】
さらに、光変調装置は、ダクトに固定されており、ダクトを膨張率が低い部材で構成すれば、光変調装置の発熱によりダクトが変形してしまうことがなく、光変調装置の取り付け位置がずれてしまうこともない。これにより、投写画像の画素ずれを防止することができる。
また、ダクトを高熱伝導率の部材で構成すれば、光変調装置で発生する熱をダクトを介して放熱させることもできる。
さらに、ダクトは筒状であるため、ダクト内を流れる冷却流体に粉塵等が混ざってしまうことを防止できる。これにより光変調装置への粉塵の付着を防止することができる。
また、照明光軸が設定された光学部品用筐体にダクトを設け、このダクトに光変調装置を取り付けているので、光変調装置の光軸調整を正確に行なうことができる。
【0009】
また、本発明では、前記ダクトには、前記光変調装置に入射する光束を透過させるための第1開口部と、前記光変調装置から射出される光束を透過させるための第2開口部とが形成されており、前記第1開口部には、入射側偏光板が取り付けられ、第2開口部には射出側偏光板が取り付けられていることが好ましい。
このような本発明によれば、ダクトの開口部に入射側偏光板及び射出側偏光板を取り付けることで、ダクト内に流れる冷却空気により入射側偏光板、射出側偏光板を冷却することができる。また、入射側偏光板及び射出側偏光板で発生した熱をダクトを介して放熱させることも可能となる。
【0010】
本発明では、前記光学部品を収容するための開口が形成された箱状の下部筐体と、下部筐体の開口を塞ぐ蓋状の上部筐体とを備えた筐体本体を有し、前記光学部品は、光源から射出された光束を複数の色光に分離する色分離光学素子を備え、前記ダクトは、前記筐体本体の下部筐体の前記開口と対向する底面部に固定される固定部を有する基部を備え、前記基部の固定部には、前記下部筐体の底面部と略平行に延びるとともに、前記色分離光学素子を保持するための保持部が形成された延出部が設けられていることが好ましい。
本発明によれば、ダクトの基部には、色分離光学素子を保持するための保持部が形成された延出部が設けられているので、色分離光学素子で発生した熱をダクトに伝達させて放熱させることができる。さらに、ダクトを低膨張率の部材で構成すれば、ダクトの保持部が色分離光学素子で発生する熱による熱膨張で変形してしまうことがなく、色分離光学素子の保持位置のずれも防止することができる。
【0011】
また、本発明では、前記ダクトは、前記冷却流体の流路を形成するとともに、前記光変調装置が固定される基部を備え、前記基部は、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下であることが好ましい。
なかでも、膨張率は、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であることが好ましく、また、熱伝導率は、180W/m・K以上、218W/m・K以下であることが好ましい。
このような基部を構成する材料としては、焼結合金材が好ましく、なかでも、Mo−Cu材、W−Cu材、Fe−Ni系の材料の焼結合金材であることが好ましい。さらに、Mo−Cu材であることがより好ましい。
基部の膨張率を4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下としたので、光変調装置の発熱により基部が変形してしまうことがなく、光変調装置の取り付け位置がずれてしまうこともない。これにより、投写画像の画素ずれを防止することができる。
さらに、基部の熱伝導率を180W/m・K以上、390W/m・K以下としたので、光変調装置で発生する熱を基部を介して放熱させることができる。
【0012】
本発明のプロジェクタは、上述した何れかに記載の光学部品用筐体を備えることを特徴とする。
このようなプロジェクタでは、前述した光学部品用筐体と同様の効果を奏することができる。すなわち、騒音の発生を防止することができ、光変調装置を充分に冷却することができるという効果を奏することができる。
【0013】
さらに、本発明では、光源を収納した光源ユニットと、前記光源及び前記光学部品用筐体に収容された光学部品に電源を供給する電源ユニットとを備え、前記光学部品用筐体の前記ダクトの一方の開口には、吸気ファンが接続されており、この一方の開口から冷却流体である冷却空気が導入され、他方の開口から冷却空気が排出されるとともに、この他方の開口から排出された冷却空気は、前記電源ユニット及び/又は前記光源ユニット内に供給されることが好ましい。
このような本発明によれば、ダクトから排気される冷却空気は、光変調装置を冷却したものであり、この冷却空気は、電源ユニットや光源ユニット内の空気に比べ充分に温度が低いものであるため、電源ユニットや光源ユニット内に導入することで、電源ユニット、光源ユニットを充分に冷却することができる。
【0014】
また、本発明では、前記光変調装置で変調された複数の色光を合成する色合成用ダイクロイックミラーを有する色合成光学系を備えていることが好ましい。
このように、プロジェクタの色合成光学系を色合成用ダイクロイックミラーを有するものとすることで、クロスダイクロイックプリズムを使用する場合に比べて安価なものとすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態のプロジェクタ1が示されている。プロジェクタ1は、略直方体形状の外装ケース2と、外装ケース2内に収容された電源ユニット3と、同じく外装ケース2内に配置された光学ユニット4Aとを備えている。
外装ケース2は、ここでは、電源ユニット3や光学ユニット4Aを収容するロアーケース21と、アッパーケース(図示略)とを備えている。
電源ユニット3は、後述する光源装置や電気光学装置等に電源を供給するためのものであり、図示しないが、光源装置を駆動する光源駆動ブロックと、電気光学装置を制御する制御ブロックと、これら光源駆動ブロックおよび制御ブロックに電力を供給する電源ブロックとを備えている。
【0016】
光学ユニット4Aは、光源ランプ411から射出された光束を、光学的に処理して画像情報に対応した光学像を形成するユニットであり、光源装置41、色分離光学系42、電気光学装置44、色合成光学系45A、および投写光学系としての投写レンズ46を備えている。
光源装置41は、放射状の光線を射出する光源ランプ411と、この光源ランプ411から射出された放射光を反射する楕円面鏡410と、光源ランプ411から射出され楕円面鏡410により反射された光を平行光とする平行化凹レンズ(図示略)とを備える。光源ランプ411としては、ハロゲンランプやメタルハライドランプ、高圧水銀ランプが多用される。また、楕円面鏡410および平行化凹レンズの代わりに、放物面鏡を用いてもよい。
【0017】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー421,422と、一枚の反射ミラー423とを備え、ダイクロイックミラー421、422により光源装置41から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有する。
このような光学ユニット4Aにおいて、色分離光学系42のダイクロイックミラー421では、光源装置41から射出された光束の青色光成分及び緑色光成分が透過するとともに、赤色光成分が反射する。ダイクロイックミラー421で反射した赤色光成分は、反射ミラー423で反射されて後述する液晶パネル441Rに到達する。
ダイクロイックミラー421を透過した緑色光成分は、ダイクロイックミラー421の後段に配置されたダイクロイックミラー422で反射して、後述する液晶パネル441Gに到達する。
さらに、ダイクロイックミラー421を透過した青色光成分は、ダイクロイックミラー422をも透過し、後述する液晶パネル441Bに到達する。
【0018】
電気光学装置44は、入射された光束を画像情報に応じて変調してカラー画像を形成するものであり、色分離光学系42で分離された各色光が入射される3つの入射側偏光板442と、各入射側偏光板442の後段に配置される光変調装置としての液晶パネル441(441R,441G,441B)と、各液晶パネル441の後段に配置される射出側偏光板443とを備えている。
【0019】
液晶パネル441は、図3に示すように、駆動基板441A(例えば複数のライン状の電極と、画素を構成する電極と、これらの間に電気的に接続されたTFT素子とが形成された基板)と、対向基板441E(例えば、共通電極が形成された基板)と、この対向基板441Eの光束入射側に貼り付けられた防塵ガラス441Cと、駆動基板441Aの光束射出側に貼り付けられた防塵ガラス441Dとを備えている。駆動基板441Aと対向基板441Eとの間には、液晶(光変調素子本体)が封入されたものであり、図示しないが、これらの基板の間から制御用ケーブルが延びている。
【0020】
防塵ガラス441D,441Cは、熱伝導率が10W/m・K以上の材料で構成されていることが好ましく、このような材料としては、例えば、サファイアガラス及び水晶等があげられる。
色分離光学系42で分離された各色光は、以上のような3枚の液晶パネル441R,441G,441Bによって、画像情報に応じて変調されて光学像を形成する。
【0021】
入射側偏光板442は、色分離光学系42で分離された各色光のうち、一定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものであり、例えば、サファイアガラス及び水晶等の高熱伝導率を有する基板442Aに偏光膜442Bが貼付されたものである(図3参照)。
射出側偏光板443も、液晶パネル441(441R,441G,441B)から射出された光束のうち、所定方向の偏光光のみ透過させ、その他の光束を吸収するものである。入射側偏光板442と同様、この射出側偏光板443も、サファイアガラス及び水晶等の等の高熱伝導率を有する基板443Aに偏光膜443Bが貼付されたものである(図3参照)
【0022】
色合成光学系45Aは、射出側偏光板443から射出され、各色光毎に変調された光学像を合成してカラー画像を形成するものである。この色合成光学系45Aは、2枚の色合成用ダイクロイックミラー451,452と、1枚の反射ミラー453とを備えている。
液晶パネル441Rで変調された赤色光成分は、射出側偏光板443から射出されて、色合成用ダイクロイックミラー451を透過する。
液晶パネル441Gで変調された緑色光成分は、射出側偏光板443から射出されて、色合成用ダイクロイックミラー451で反射されて、赤色光成分と合成される。
液晶パネル441Bで変調された青色光成分は、射出側偏光板443から射出されて反射ミラー453で反射される。
そして、これらの赤色光成分、緑色光成分、青色光成分は、色合成用ダイクロイックミラー452に入射し、合成されて、投写レンズ46に入射する。この投写レンズ46は、色合成光学系45Aで合成されたカラー画像を拡大して投写するものである。
【0023】
以上のような光学ユニット4Aの光学部品は、照明光軸が設定されたライトガイド5(光学部品用筐体)内に収容されている。
図1に示すように、ライトガイド5は、各光学部品を上方から収納するための収容用の開口が形成された箱状の下ライトガイド51及び下ライトガイド51の開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド(図示略)を備えた筐体本体50と、筒状のダクト6Aとを備えて構成される。
筐体本体50は、金属等の熱伝導性の部材で構成されている。
下ライトガイド51は、光源装置41を収容したランプハウジング(光源ユニット)を収納するランプハウジング収納部51Aと、他の光学部品を収納する箱状の光学部品収納部51Bとを有している。
下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの開口と対向する底面部512には、光学部品である各ミラー421〜423,451〜453をスライド状にはめ込むための断面略コ字形のボス部(保持部)512Aが立設されている。
【0024】
ダクト6Aは、内部に収容された液晶パネル441を冷却する冷却空気を流すものである。このダクト6Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51B内に収容されている。このダクト6Aは、屈曲部分が略90°に折れ曲がった平面略Z字状であり、液晶パネル441B側に位置する一方の開口には吸気ファンF1が接続されている。また、液晶パネル441R側に位置する他方の開口は、電源ユニット3に接続されている。
なお、ダクト6Aが接続される吸気ファンF1は、外装ケース2のロアーケース21の底面に形成された吸気用開口部から外部の空気を吸気するものであり、図示しないが防塵フィルタが取り付けられている。
【0025】
このようなダクト6Aは、図2及び図3に示すように、断面略矩形形状であり、断面略L字型の基部61Aと、断面略逆L字型のカバー部62Aとを備えている。この基部61Aとカバー部62Aとで冷却空気を通す冷却流路が形成される。
基部61Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512に固定される固定部611と、固定部611から立設され、図3上方に延びる壁部612とを備えている。
壁部612には、各液晶パネル441へ入射する光束を透過させるための矩形形状の第1の開口部612Aが形成されている。この開口部612Aの四隅付近であって、壁部612の内側(ダクト6Aの内部側)には、液晶パネル441の防塵ガラス441Cを熱伝導性接着剤、又は、はんだにより固着するための凸部612Bが形成されている。この凸部612Bに固定された液晶パネル441と、壁部612との間には、隙間が形成されることとなる。
また、この第1の開口部612Aの外側には、入射側偏光板442が取り付けられており、この入射側偏光板442により第1の開口部612Aは塞がれることとなる。この入射側偏光板442の基板442Aと、壁部612とは熱伝導性接着剤、又は、はんだにより固着される。
【0026】
以上のような基部61Aは、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下、特に好ましくは、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下、特に好ましくは、180W/m・K以上、218W/m・K以下、比重が8.0以上、19.0以下となっている。
このような物性を満たす材料としては、焼結合金材が例示でき、例えば、Mo−Cu材、W−Cu材、又はFe−Ni系の焼結合金材があげられる。なかでも、Mo−Cu材が最も好ましく、Cu含有率が10〜60wt%、なかでも20〜40wt%であることが好ましい。
また、基部61Aの内側及び外側の表面には、熱放射率を高めるための処理が施されている。この熱放射率を高めるための処置としては、例えば、高輻射塗料を塗布したり、金属めっきを行ったりすることがあげられる。
【0027】
一方、カバー部62Aは、基部61Aの固定部611と対向配置される上面部621と、上面部621の一端から基部61Aの固定部611側に延びて、基部61Aの壁部612と対向配置する壁部622とを備えている。
壁部622には、液晶パネル441から射出された光束を透過させるための矩形形状の第2の開口部622Aが形成されている。この第2の開口部622Aの外側(ダクト6Aの外部側)には、射出側偏光板443が取り付けられ、第2の開口部622Aを塞いでいる。
この射出側偏光板443の基板443Aは、入射側偏光板442と同様に、熱伝導性接着剤、又は、はんだにより壁部622に固着される。
このようなカバー部62Aの材質は特に限定されないが、低膨張率で、高熱伝導率を有する材料で構成されていることが好ましい。このような材料としては、基部61Aと同様の材料があげられる。
【0028】
以上のようなカバー部62Aの上面部621の壁部622が設けられた側と反対側の端部と、基部61Aの壁部612の延出方向先端側の端部とは、接着剤Sにより固定されている。また、カバー部62Aの壁部622の延出方向先端側の端部と、基部61Aの固定部611の壁部612と反対側の端部も接着剤Sにより固定されている。
なお、本実施形態では、基部61Aと、カバー部62Aとを接着剤Sにより固定するものとしたが、端部同士を嵌め合わせることでカバー部62Aと、基部61Aとを固定してもよい。例えば、図4に示すように、カバー部62Aの壁部622の延出方向先端側の端部内側を切り欠き、突片部623と切り欠き部624を形成する。また、基部61Aの固定部611の端部を立設させて、その端部外側を切り欠き、突片部613と切り欠き部614とを形成する。そして、カバー部62Aの壁部622の突片部623を基部61Aの固定部611の切り欠き部614に挿入するとともに、基部61Aの固定部611の突片部613をカバー部62Aの壁部622の切り欠き部624に挿入し、嵌め合わせる。このようにすれば、接着剤Sを使用せずに、基部61Aとカバー部62Aとを固定することができる。
【0029】
次に、再度、図1を参照して、以上のようなダクト6Aを用いた冷却構造について説明する。
まず、吸気ファンF1を駆動させると、外装ケース2に形成された吸気用開口部から冷却空気が吸気され、ダクト6A内に冷却空気が導入される。導入された冷却空気は、ダクト6A内を通り、液晶パネル441を冷却する。前述したように、液晶パネル441と、ダクト6Aの基部61Aの壁部612との間には、凸部612Bにより隙間が形成されているので、液晶パネル441の光束射出側面のみならず、光束入射側面も冷却空気により冷却することができる。
また、ダクト6A内を通過する冷却空気は第1の開口部612A及び第2の開口部622Aに取り付けられた入射側偏光板442及び射出側偏光板443をも冷却する。
このようにしてダクト6A内を通過した冷却空気はダクト6Aの開口から排出されて、電源ユニット3内に導入される。そして、電源ユニット3から排出された冷却空気は、排気ファンF2により引き寄せられ、光源装置41が収容されたランプハウジング収納部51A内に導入され、光源装置41を冷却する。さらに、この空気は排気ファンF2により、外装ケース2に形成された排気口から排出される。
なお、本実施形態では、電源ユニット3及びランプハウジング収納部51Aの双方に冷却空気が導入されるとしたが、いずれか一方のみに冷却空気が供給される構造としてもよく、また、電源ユニット3及びランプハウジング収納部51Aの何れにも冷却空気は供給されず、外装ケース2から外部に排出される構造としてもよい。
【0030】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1−1)ライトガイド5内に、外装ケース2外部からの冷却空気を直接取り入れて流すダクト6Aが設けられており、このダクト6A内に液晶パネル441が収容されているので、液晶パネル441を充分に冷却することができる。そして、液晶パネル441と、ダクト6Aの基部61Aの壁部612との間には、凸部612Bにより隙間が形成されているので、液晶パネル441の光束射出側面のみならず、光束入射側面も冷却空気により冷却することができ、これにより、液晶パネル441の冷却効率を高めることができる。
また、ダクト6Aの開口部612A,622Aを塞ぐように入射側偏光板442、射出側偏光板443が貼り付けられているので、ダクト6Aを流れる空気により入射側偏光板442,射出側偏光板443をも冷却することができる。
(1−2)冷却空気を流すダクト6Aを設けたので、従来のように、わずかな隙間に冷却空気を強制的に導入する場合に比べ、通気抵抗が発生しにくく、冷却空気を流すためのファンF1の回転数を高回転数に設定しなくても液晶パネル441を充分に冷却することができる。これにより、低騒音化を図ることができる。また、ダクト6A内で乱流が発生したとしてもダクト6Aは筒状に形成されているため、騒音を遮蔽でき、これによっても低騒音化を図ることができる。
(1−3)液晶パネル441は、ダクト6Aの基部61Aに固定されており、この基部61Aは、4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下という低い熱膨張率であるため、液晶パネル441の発熱により基部61Aが変形してしまうことを防止できる。従って、熱による液晶パネル441の取り付け位置のずれを防止でき、これにより投写画像の画素ずれを防止することができる。
【0031】
(1−4)ダクト6Aの基部61Aを180W/m・K以上、390W/m・K以下という高熱伝導率を有するものとしたので、液晶パネル441で発生した熱をダクト6Aの基部61Aを介して、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512に伝達させて、熱伝導により液晶パネル441を冷却することもできる。
(1−5)さらに、このダクト6Aの基部61Aには、入射側偏光板442が取り付けられているので、入射側偏光板442で発生する熱も基部61Aを介して光学部品収納部51Bに伝達させて、放熱させることができる。
(1−6)また、ダクト6Aのカバー部62Aも基部61Aと同様の材料で構成されているので、カバー部62Aに取り付けられた射出側偏光板443の熱をカバー部62A、基部61Aを介して下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて冷却することができる。
【0032】
(1−7)液晶パネル441の防塵ガラス441Cは、熱伝導率の高い材料により構成されているので、液晶パネル441で発生する熱を効率よく基部61Aに伝達させることができる。
(1−8)また、液晶パネル441と基部61Aの壁部612の凸部612Bとの固着を熱伝導性接着剤又ははんだにより行っているので、液晶パネル441から基部61Aへの熱伝導を妨げることがない。
【0033】
(1−9)さらに、基部61Aには、放射率を高めるための処理が施されているため、基部61Aは、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bへの熱伝導に加え、熱放射によっても冷却されることとなる。そのため、基部61Aに熱が溜まってしまうことがなく、液晶パネル441から基部61Aへの熱伝導を促進させることができる。
(1−10)基部61Aは、比重が8.0以上、19.0以下となっており、高い合成を有するものであるため、液晶パネル441を保持させても、液晶パネル441の重さにより基部61Aが変形してしまうことがない。これにより、投写画像の画素ずれ等を防止することができる。
【0034】
(1−11)ダクト6Aに冷却空気を導入するための吸気ファンF1には、防塵フィルタが設けられているため、ダクト6A内に粉塵等が入り込むことを防止できる。これに加え、ダクト6Aは筒状であるため、ダクト6A内を流れる冷却空気に外装ケース2隙間等から入り込んだ粉塵等が混ざってしまうことを防止できる。これにより液晶パネル441への粉塵の付着を防止することができる。
また、このように液晶パネル441への粉塵の付着を防止することができるため、液晶パネル441の光束射出側の防塵ガラス441Dをなくすことも可能となる。
(1−12)また、照明光軸が設定されたライトガイド5にダクト6Aを設け、このダクト6Aに液晶パネル441を取り付けているので、外装ケース2内の直接ダクトを設け、液晶パネル441を取り付ける場合に比べ、液晶パネル441の光軸調整を正確に行うことができる。
【0035】
(1−13)ダクト6Aに入射側偏光板442及び射出側偏光板443を取り付けているため、入射側偏光板442及び射出側偏光板443を保持する部材を別途筐体本体50に形成する必要がなくなり、筐体本体50の製造にかかる手間を省くことができる。
(1−14)ダクト6Aから排気される空気は、主に液晶パネル441を冷却したものであり、この空気は、電源ユニット3やランプハウジング内の空気に比べ充分に温度が低いものであるため、電源ユニット3やランプハウジングに導入することで、電源ユニット3、光源装置41を充分に冷却することができる。
(1−15)本実施形態のプロジェクタ1の光学ユニット4Aの色合成光学系45Aは、複数の色合成用ダイクロイックミラー451,452により各色光を合成するものであり、クロスダイクロイックプリズムを使用する場合に比べ、安価となる。従って、プロジェクタ1の製造コストを低減させることができる。
(1−16)さらに、本実施形態では、光源装置41から射出される光束のうち、比較的強いエネルギーを持つ青色光成分を変調する液晶パネル441Bを、ダクト6Aの吸気ファンF1が接続される開口近傍に配置しているため、外気に近い温度の冷却空気で冷却することができる。これにより、液晶パネル441Bを効率よく冷却することができる。
【0036】
[第2実施形態]
図5及び図6を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。尚、以下の説明では、既に説明した部分と同一の部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
前記実施形態では、色分離光学系42を構成するミラー421〜423及び色合成光学系45Aのダイクロイックミラー451は、下ライトガイド51に形成されたボス部512Aに保持されていたが、本実施形態では、これらのミラー421〜423,451は、ダクト6Bの基部61Aに設けられた延出部63に形成されたボス部(保持部)631により保持されている。
【0037】
すなわち、本実施形態のダクト6Bは、基部61Aと、カバー部62Aと、基部61Aの固定部611に設けられた延出部63とを備える。
延出部63は、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bの底面部512と略平行に延びる板状部材である。この延出部63は、固定部611の壁部612側の端部及びこの端部と対向する端部から延びており、固定部611に一体成形されている。従って、この延出部63の材質は基部61Aと同じ材質となる。
この延出部63に形成されたボス部631は、延出部63と同様の材質から構成され、前記実施形態のボス部512Aと同様、断面略コ字形であり、各ミラーに対応して2個づつ設けられている。このボス部631には、各ミラー421〜423,451がスライド式にはめ込まれる。
【0038】
従って、このような本実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−16)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(2−1)ダクト6Bの基部61Aの固定部611に、色分離光学系のミラー421〜423及び色合成光学系のミラー451を保持するためのボス部631を備えた延出部63が設けられているので、各ミラー421〜423,451で発生した熱を延出部63を介して下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて放熱させることができる。この延出部63は基部61Aに一体成形されており、基部61Aと同じ材質のもので構成されているため、熱伝導率が高いため、効率よく各ミラー421〜423,451の熱を下ライトガイド51の光学部品収納部51Bに伝達させて放熱させることができる。
【0039】
(2−2)さらに、このように延出部63のボス部631は基部61Aと同じ材質のもので構成されているので、ミラー421〜423,451で発生する熱により、ボス部631が変形してしまうことがなく、各ミラー421〜423,451の位置ずれを防止することができる。
(2−3)また、ダクト6Bの延出部63にミラー421〜423,451を保持するボス部631を形成したので、下ライトガイド51の光学部品収納部51Bにミラー421〜423,451を保持するためのボス部を形成する必要がなくなり、下ライトガイド51の製造を容易化することができる。
【0040】
[第3実施形態]
次に、図7を参照して第3実施形態について説明する。
第1実施形態のダクト6Aは、断面略L字型の基部61Aと、断面略逆L字型のカバー部62Aとを備える構造としたが、本実施形態のダクト6Cは、断面略L字型の基部61Aと、断面略コ字型のカバー部62Cを備え、この基部61Aとカバー部62Cとで冷却流体を通過させるための流路が形成されている。
カバー部62Cは、前記実施形態のカバー部62Aと同様の材質で構成されている。このカバー部62Cは、基部61Aの固定部611と対向配置される上面部621と、上面部621の端部から基部61Aの固定部611側に延びる壁部622及び壁部625とを備えている。
壁部625は、基部61Aの壁部612の外側に当接し、液晶パネル441に入射する光束を透過する開口部625Aが形成されている。すなわち、本実施形態では、開口部625Aと、基部61Aの開口部612Aとを介して、液晶パネル441に光束が入射することとなる。
この開口部625Aを覆うように、壁部625の外側に入射側偏光板442が取り付けられている。
なお、本実施形態では、カバー部62Cの壁部622,625の延出方向先端側は、基部61Aの固定部611の端部を覆うように延びており、光学部品収納部51Bの底面部512に当接している。
【0041】
このような第3実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−16)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(3−1)ダクト6Cでは、カバー部62Cに入射側偏光板442が取り付けられており、基部61Aに入射側偏光板442を取り付ける必要がないので、入射側偏光板442を取り付ける場合に比べ、基部61Aの強度を低いものとすることが可能である。
(3−2)カバー部62Cにより基部61Aを覆うような構造であるため、カバー部62Cと基部61Aとを接着しなくても、カバー部62Cと基部61Aとの間の隙間から粉塵等が入り込んでしまうことがない。
(3−3)カバー部62Cは、光学部品収納部51Bの底面部512に当接しており、また、熱伝導性の高い材料で構成されているため、入射側偏光板442、射出側偏光板443からの熱をカバー部62Cから直接底面部512に伝達させることができる。
【0042】
[第4実施形態]
次に、図8を参照して発明の第4実施形態について説明する。
第3実施形態では、ダクト6Cは、断面略L字型の基部61Aと、断面略コ字型のカバー部62Cとを備えるものであったが、本実施形態のダクト6Dは、断面略コ字形の基部61Dと、カバー部62Cとを備え、この基部61Dと、カバー部62Cとで冷却空気を通過させる流路が形成されている。
基部61Dは、前記各実施形態の基部61Aと同様の材質で構成されるとともに、前記各実施形態の基部61Aと同様に、熱放射率を高めるための処理がされており、固定部611と、この固定部611の両端部に立設された壁部612,615とを備えている。
この壁部612,615は、カバー部62Cの壁部622,625の内側に位置している。
壁部615には、液晶パネル441から射出された光束を透過させるための開口部615Aが形成されている。すなわち、本実施形態では、液晶パネル441から射出された光束は、開口部615Aと、カバー部62Cの開口部622Aと介して射出されることとなる。
【0043】
このような第4実施形態によれば、第1実施形態の(1−1)〜(1−4)、(1−7)〜(1−16)、第3実施形態の(3−1)〜(3−3)と同様の効果を奏することができるうえ、以下の効果を奏することができる。
(4−1)ダクト6Dは、断面略コ字形の基部61Dと、断面略コ字形のカバー部62Cとを備えており、基部61D、カバー部62Cの壁部がそれぞれ重なりあうような構造となっているので、ダクト6Dは高度に密閉されたものとなる。従って、例え、ダクト6D内で乱流が発生し、騒音が発生したとしても、確実に騒音を遮蔽することができる。
【0044】
[第5実施形態]
次に、図9から図11を参照して発明の第5実施形態について説明する。
前記実施形態では、光学ユニット4Aの色合成光学系45Aは、複数の色合成用ダイクロイックミラー451,452により各色光を合成するものであったが、本実施形態の色合成光学系45Bは、クロスダイクロイックプリズム450により各色光を合成するものである。
すなわち、本実施形態の光学ユニット4Eは、図9に示すように、光源装置41を含むインテグレータ照明光学系40、色分離光学系42、リレー光学系43、電気光学装置44、色合成光学系45Bおよび投写レンズ46を備えている。
【0045】
インテグレータ照明光学系40は、電気光学装置44を構成する3枚の液晶パネル441(赤、緑、青の色光毎にそれぞれ液晶パネル441R,441G,441Bと示す)の画像形成領域をほぼ均一に照明するための光学系であり、第1実施形態と同様の光源装置41と、第1レンズアレイ412と、第2レンズアレイ413と、偏光変換光学素子414と、重畳レンズ415とを備えている。なお、図9には、第1実施形態では図示しなかった平行化凹レンズ411Aが図示されている。
第1レンズアレイ412は、光軸方向から見てほぼ矩形状の輪郭を有する小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。各小レンズは、光源ランプ411から射出される光束を、複数の部分光束に分割している。各小レンズの輪郭形状は、液晶パネル441の画像形成領域の形状とほぼ相似形をなすように設定されている。
【0046】
第2レンズアレイ413は、第1レンズアレイ412と略同様な構成を有しており、小レンズがマトリクス状に配列された構成を有している。この第2レンズアレイ412は、重畳レンズ415とともに、第1レンズアレイ412の各小レンズの像を液晶パネル441上に結像させる機能を有している。
【0047】
偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413と重畳レンズ415との間に配置されるとともに、第2レンズアレイ413と一体でユニット化されている。このような偏光変換光学素子414は、第2レンズアレイ413からの光を1種類の偏光光に変換するものであり、これにより、電気光学装置44での光の利用効率が高められている。
【0048】
具体的に、偏光変換光学素子414によって1種類の偏光光に変換された各部分光は、重畳レンズ415によって最終的に電気光学装置44の液晶パネル441R,441G,441B上にほぼ重畳される。偏光光を変調するタイプの液晶パネルを用いたプロジェクタでは、1種類の偏光光しか利用できないため、ランダムな偏光光を発する光源ランプ411からの光のほぼ半分を利用することができない。
そこで、偏光変換光学素子414を用いることにより、光源ランプ411からの射出光をほぼ1種類の偏光光に変換し、電気光学装置44での光の利用効率を高めている。なお、このような偏光変換光学素子414は、たとえば特開平8−304739号公報に紹介されている。
【0049】
色分離光学系42は、2枚のダイクロイックミラー424,425と、反射ミラー426とを備え、ダイクロイックミラー424、425によりインテグレータ照明光学系40から射出された複数の部分光束を赤、緑、青の3色の色光に分離する機能を有している。
【0050】
リレー光学系43は、入射側レンズ431、リレーレンズ433、および反射ミラー432、434を備え、色分離光学系42で分離された色光、赤色光を液晶パネル441Rまで導く機能を有している。
【0051】
この際、色分離光学系42のダイクロイックミラー424では、インテグレータ照明光学系40から射出された光束の青色光成分が反射するとともに、赤色光成分と緑色光成分とが透過する。ダイクロイックミラー424によって反射した青色光は、反射ミラー426で反射し、フィールドレンズ418を通って青色用の液晶パネル441Bに達する。このフィールドレンズ418は、第2レンズアレイ413から射出された各部分光束をその中心軸(主光線)に対して平行な光束に変換する。他の液晶パネル441G、441Rの光入射側に設けられたフィールドレンズ418も同様である。
【0052】
ダイクロイックミラー424を透過した赤色光と緑色光のうちで、緑色光はダイクロイックミラー425によって反射し、フィールドレンズ418を通って緑色用の液晶パネル441Gに達する。一方、赤色光はダイクロイックミラー425を透過してリレー光学系43を通り、さらにフィールドレンズ418を通って赤色光用の液晶パネル441Rに達する。なお、赤色光にリレー光学系43が用いられているのは、赤色光の光路の長さが他の色光の光路長さよりも長いため、光の発散等による光の利用効率の低下を防止するためである。すなわち、入射側レンズ431に入射した部分光束をそのまま、フィールドレンズ418に伝えるためである。
なお、リレー光学系43には、3つの色光のうち、赤色光を通す構成としたが、これに限らず、例えば、青色光を通す構成としてもよい。
【0053】
色合成光学系45Bは、クロスダイクロイックプリズム450を備えており、このクロスダイクロイックプリズム450は、3枚の液晶パネル441R,441G,441Bから射出された各色光毎に変調された画像を合成してカラー画像を形成する。なお、クロスダイクロイックプリズム450には、赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが、4つの直角プリズムの界面に沿って略X字状に形成され、これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成される。そして、クロスダイクロイックプリズム450で合成されたカラー画像は、投写レンズ46から射出され、スクリーン上に拡大投写される。
【0054】
このような光学ユニット4Eは、図10に示すような、ライトガイド7に収納されている。このライトガイド7は、ライトガイド5と同じように、各光学部品を上方から収納するための収容用の開口が形成された箱状の下ライトガイド71及び下ライトガイド71の開口を閉塞する蓋状の上ライトガイド72(図11参照)を備えた筐体本体70を備えて構成される。
下ライトガイド71は、光源装置41を収容したランプハウジング(光源ユニット)を収納するランプハウジング収納部71Aと、他の光学部品を収納する箱状の光学部品収納部71Bとを有している。
【0055】
下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの側面部711には、平行化凹レンズ411Aと、第1レンズアレイ412、第2レンズアレイ413、および偏光変換光学素子414で構成されるユニットと、重畳レンズ415とを上方からスライド式に嵌め込むための第1溝部711Aと、入射側レンズ431、反射ミラー432、リレーレンズ433を上方からスライド式に嵌め込むための第2溝部711Bとが形成されている。
【0056】
下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの底面部712には、ダイクロイックミラー421を支持する第1ボス部712Aと、上記第2溝部711Bに対応した溝を有する第2ボス部712Bとが突設されている。
このような底面部712には、図10及び図11に示すように、クロスダイクロイックプリズム450を囲むように配置されるとともに、底面部712側及び上ライトガイド72側が開口した筒状のダクト6Eが形成されている。このダクト6Eは、底面部712と一体的に形成されており、底面部712から立設されるとともに、液晶パネル441が取り付けられる板状の基部61Eと、この基部61Eに取り付けられた液晶パネル441の光束入射側を囲むように設けられた断面略コ字形のカバー部62Eとを備えている。
【0057】
基部61E及びカバー部62Eは、各液晶パネル441に応じて3つずつ設けられており、ダクト6Eには3つの筒状部が形成されることとなる。
3つの基部61Eは一体的に形成されており、各基部61Eの内側面(ダクト6Eの筒状の内側面)には、液晶パネル441が熱伝導性の接着剤、又は、はんだを介して固定される。そして、その中央部分に液晶パネル441から射出された光束を透過させるための第1の開口部612Aが形成されている。
また、基部61Eには、液晶パネル441の側方に突出した2つの突出部616が形成されており、各突出部616と、液晶パネル441の光束入射側端面に跨って、1枚の見切り板Pが取り付けられる。この見切り板Pは、液晶パネル441を基部61Eに固定するとともに、液晶パネル441の画像形成領域以外の部分に光束が入射してしまうのを防ぐためのものである。この見切り板Pには、光束入射用の開口が形成され、この開口の対角の寸法は0.3インチ以上となっている。
見切り板Pは、低膨張率、高熱伝導率を有する材料で構成されていることが好ましく、例えば、焼結合金材または圧延された金属部材から構成されていることが好ましい。
【0058】
さらに、基部61Eの外側には、第1の開口部612Aを塞ぐように、熱伝導性の接着剤を介して射出側偏光板443が貼り付けられている。
一方、カバー部62Eは、底面部712から立設されるとともに、基部61Eと一体的に成形されている。このカバー部62Eの液晶パネル441と対向する面には、液晶パネル441への入射光束を透過させるための第2の開口部622Aが形成されている。この第2の開口部622Aには入射側偏光板442が取り付けられるが、本実施形態では、カバー部62Eの内側に熱伝導性の接着剤を介して入射側偏光板442が貼り付けられている。
このような、ダクト6Eが形成された底面部712には、液晶パネル441の位置に対応するとともに、ダクト6Eの3つの筒状部に連通する3つの開口712A1が形成されている。また、各射出側偏光板443の位置に対応した3つの開口712A2も形成されている。
なお、ダクト6Eの基部61E及びカバー部62Eは上ライトガイド72と当接しており、この上ライトガイド72には、ダクト6Eの3つの筒状部に連通する3つの開口721A1及び各射出側偏光板443の位置に対応した3つの開口721A2が形成されている。
【0059】
また、下ライトガイド71の底面部712の下面側(ダクト6Eが形成された面と反対側の面)には、下方に突出した環状のリブ712Cが形成されており、このリブ712Cで囲まれた部分に吸気ファンF3が設置され、下ライトガイド71の底面部712と外装ケース2のロアケース21の底面との間に吸気ファンF3が配置されることとなる。なお、外装ケース2の底面の開口には、防塵フィルタが取り付けられている。
【0060】
このような下ライトガイド71は、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下、特に好ましくは、6.8×10−6K以上、8.8×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下、特に好ましくは、180W/m・K以上、218W/m・K以下、比重が8.0以上、19.0以下であることが好ましい。
このような物性を満たす材料としては、焼結合金材が例示でき、例えば、Mo−Cu材、W−Cu材、又はFe−Ni系の焼結合金材があげられる。なかでも、Mo−Cu材が最も好ましく、Cu含有率が10〜60wt%、なかでも20〜40wt%であることが好ましい。
【0061】
次に、液晶パネル441の冷却構造について説明する。
まず、吸気ファンF3を駆動させると、外装ケース2外部の冷却空気が外装ケース2内に吸引され、下ライトガイド71の光学部品収納部71Bの底面部712に形成された開口712A1,712A2に導入される。開口712A1に導入された冷却空気はダクト6E内に導入され、液晶パネル441、入射側偏光板442を冷却する。そして、この冷却空気はダクト6Eに連通する上ライトガイド72の開口721A1から排出される。
一方、開口712A2に導入された空気は、3つの基部61Eで囲まれた部分に導入されて、射出側偏光板443、クロスダイクロイックプリズム450を冷却する。そして、この冷却空気は上ライトガイド72の開口721A2から排出される。
上ライトガイド72の開口721A1,721A2から排出された冷却空気は、上ライトガイド72と外装ケース2のアッパーケース22との間を通り、光学ユニット4Eの前方側に送風される。そして、この冷却空気は電源ユニット3、ランプハウジング収納部71A内に導入され、さらには、外装ケース2に形成された排気口から排出される。
【0062】
従って、このような本実施形態によれば、第1実施形態の(1−2)〜(1−7)、(1−10)〜(1−14)と略同様の効果を奏することができるほか、以下の効果を奏することができる。
(5−1)ライトガイド7に、外装ケース2外部からの冷却空気を直接取り入れて流すダクト6Eが設けられており、このダクト6E内に液晶パネル441が収容されているので、液晶パネル441を充分に冷却することができる。これに加え、各液晶パネル441の下方に設けられた開口712A1からの空気を直接各液晶パネル441に当てることができるので、各液晶パネル441を効率よく冷却できる。
また、ダクト6Eの開口部622Aを塞ぐように入射側偏光板442が貼り付けられているので、ダクト6Eを流れる空気により入射側偏光板442も冷却することができる。
(5−2)さらに、下ライトガイド71の底面部712には、射出側偏光板443の位置に対応した開口712A2が形成されており、この開口712A2から導入された冷却空気により、基部61Eの外側に取り付けられた射出側偏光板443を冷却することができる。本実施形態のように液晶パネル441と基部61Eとの間に隙間がほとんど形成されておらず、液晶パネル441と基部61Eとの間にダクト6E内の冷却空気を通すことが困難である場合であっても、基部61Eに取り付けられた射出側偏光板443を冷却することができる。
(5−3)ダクト6Eは、下ライトガイド71と一体的に構成されているため、別体とする場合に比べ、部材点数を削減することができる。
(5−4)また、ダクトと下ライトガイドとを別体で構成し、互いに異なる材質のもので構成している場合には、ダクトから下ライトガイドへの熱の伝達が効率よく行われない可能性がある。これに対し、本実施形態では、ダクト6Eと下ライトガイド71とが同じ材質で一体的に構成されているため、効率よく熱を伝達させることができる。
さらに、下ライトガイド71を高い熱伝導率を有する材料で構成しているため、通常の金属等で構成する場合にくらべ、冷却効率を向上させることができる。
【0063】
(5−5)液晶パネル441をダクト6Eの基部61Eに固定し、クロスダイクロイックプリズム450と液晶パネル441とを分離した構成としたので、クロスダイクロイックプリズムに液晶パネルを取り付ける場合に必要となる保持枠等を不要とすることができる。これにより部材点数の削減を図ることができる。
(5−6)液晶パネル441の見切り板Pを低膨張率の部材で構成しているため、液晶パネル441の熱により見切り板Pが変形してしまうことがなく、液晶パネル441の取り付け位置がずれてしまうことがない。従って、投写画像の画素ずれ等を防止することができる。
【0064】
[実施形態の変形]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記実施形態では、ダクト6A〜6Eは、焼結合金材から構成されるものとしたが、これに限らず、低膨張率かつ高熱伝導性の樹脂等から構成されていてもよい。
また、ダクト6A〜6Eの基部61A,61D,61Eは、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下であるとしたが、この範囲外であってもよい。
さらに、ダクトの形状は、前記実施形態で示した形状に限られず、筒状のものであれば任意である。例えば、第5実施形態では、ダクト6Eは、3つの筒状部が形成されているものとしたが、これらの3つの筒状部を連通させて1つの筒状部により形成されるものとしてもよい。ただし、この場合には、筒状部の幅が広くなってしまうので、乱流等が発生する可能性がある。これに対し、第5実施形態のように3つの筒状部を形成することで、冷却空気を整流し、乱流の発生を防止することができる。
【0065】
さらに、前記各実施形態では、3つの液晶パネル441を用いたプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、あるいは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
前記各実施形態では、スクリーンを観察する方向から投写を行なうフロントタイプのプロジェクタ1の例のみを挙げたが、本発明は、スクリーンを観察する方向とは反対側から投写を行なうリアタイプのプロジェクタにも適用可能である。
さらに、前記各実施形態では、ダクト6A〜6Eから排出された空気は、電源ユニット3やランプハウジング内に供給され、電源ユニット3や光源装置41を冷却し、プロジェクタ1外部に排出されるものとしたが、プロジェクタ1内に冷却装置を設け、空気を冷却して循環させてもよい。
【0066】
さらに、第1実施形態から第4実施形態では、基部61A,61Dに凸部612Bを形成し、この凸部612Bに液晶パネル441を固定していたが、凸部612Bを形成せずに液晶パネル441を固定してもよい。このようにすれば凸部を形成しないでよいので、基部の製造を簡易化することができる。
【0067】
さらに、第1実施形態から第4実施形態では、ダクト6A〜6Dの外側に射出側偏光板443を貼り付けたが、ダクト6A〜6Dの内側に射出側偏光板443を貼り付けてもよい。ただし、この場合には、ダクト6A〜6D内に射出側偏光板が収容されることとなるので、冷却空気の冷却通路が狭くなる虞がある。これに対し、第1実施形態から第4実施形態では、ダクト6A〜6Dの外側に射出側偏光板443を貼り付けているので、ダクト6A〜6Dの冷却空気の通路を広く確保することが可能である。
また、第5実施形態では、下ライトガイドから導入された空気がダクト6E内を冷却空気が下方から上方に流れるものとしたが、上ライトガイドから冷却空気を取り込みダクト6E内を上方から下方に流れる構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるプロジェクタを示す模式図。
【図2】本発明の第1実施形態のダクトを示す斜視図。
【図3】前記ダクトの断面図。
【図4】前記ダクトの一部の変形例を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態にかかるプロジェクタを示す模式図。
【図6】本発明の第2実施形態のダクトを示す斜視図。
【図7】本発明の第3実施形態のダクトを示す断面図。
【図8】本発明の第4実施形態のダクトを示す断面図。
【図9】本発明の第5実施形態のプロジェクタの光学系を示す模式図。
【図10】前記プロジェクタのライトガイドの内部を示す断面図。
【図11】前記ライトガイドを示す断面図。
【符号の説明】
1…プロジェクタ、3…電源ユニット、5,7…ライトガイド(光学部品用筐体)、6A,6B,6C,6D,6E…ダクト、42…色分離光学系、50…筐体本体、51,71…下ライトガイド(下部筐体)、61A,61D,61E…基部、63…延出部、72…上ライトガイド(上部筐体)、441…液晶パネル(光変調装置)、442…入射側偏光板、443…射出側偏光板、611…固定部、612A…第1の開口部、622A…第2の開口部、631…ボス部(保持部)
Claims (9)
- 内部に光源から射出された光束の照明光軸が設定されるとともに、複数の色光を各色光毎に画像情報に応じて変調する複数の光変調装置を含む光学部品を前記照明光軸上の所定位置に収納する光学部品用筐体であって、
前記光変調装置を収容し、固定するとともに、前記光変調装置を冷却するための冷却流体を流す筒状のダクトが設けられていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1に記載の光学部品用筐体において、
前記ダクトには、前記光変調装置に入射する光束を透過させるための第1開口部と、前記光変調装置から射出される光束を透過させるための第2開口部とが形成されており、
前記第1開口部には、入射側偏光板が取り付けられ、第2開口部には射出側偏光板が取り付けられていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1又は2に記載の光学部品用筐体において、
前記光学部品を収容するための開口が形成された箱状の下部筐体と、下部筐体の開口を塞ぐ蓋状の上部筐体とを備えた筐体本体を有し、
前記光学部品は、光源から射出された光束を複数の色光に分離する色分離光学素子を備え、
前記ダクトは、前記筐体本体の下部筐体の前記開口と対向する底面部に固定される固定部を有する基部を備え、
前記基部の固定部には、前記下部筐体の底面部と略平行に延びるとともに、前記色分離光学素子を保持するための保持部が形成された延出部が設けられていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1から3の何れかに記載の光学部品用筐体において、
前記ダクトは、前記冷却流体の流路を形成するとともに、前記光変調装置が固定される基部を備え、
前記基部は、その膨張率が4.0×10−6K以上、17.0×10−6K以下であり、熱伝導率が180W/m・K以上、390W/m・K以下であることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項4に記載の光学部品用筐体において、
前記基部は、焼結合金材から構成されていることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項5に記載の光学部品用筐体において、
前記焼結合金材は、Mo−Cu材又はW−Cu材、或いはFe−Ni系の材料であることを特徴とする光学部品用筐体。 - 請求項1から6の何れかに記載の光学部品用筐体を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
- 請求項7に記載のプロジェクタにおいて、
光源を収納した光源ユニットと、前記光源及び前記光学部品用筐体に収容された光学部品に電源を供給する電源ユニットとを備え、
前記光学部品用筐体の前記ダクトの一方の開口には、吸気ファンが接続されており、この一方の開口から冷却流体である冷却空気が導入され、他方の開口から冷却空気が排出されるとともに、この他方の開口から排出された冷却空気は、前記電源ユニット及び/又は前記光源ユニット内に供給されることを特徴とするプロジェクタ。 - 請求項7又は8に記載のプロジェクタにおいて、
前記光変調装置で変調された複数の色光を合成する色合成用ダイクロイックミラーを有する色合成光学系を備えていることを特徴とするプロジェクタ。
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