JP2005003583A - 駆動制御装置およびこれを用いた測定機 - Google Patents

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Abstract

【課題】ジョイスティックのデッドバンドを実現すると共に、操作性と機能性も満足する駆動制御装置及びそれを用いた測定機を提供すること。
【解決手段】駆動装置を制御する駆動制御装置は、中立位置pに復帰可能な操作レバー13A,13Bを有するジョイスティック11と、ジョイスティックの揺動角度に応じた速度で駆動装置を制御すると共に、操作レバーが最大揺動角度のときに駆動装置を最高速度で移動させる制御手段とを備え、制御手段は、操作レバーの揺動角度θを判定し、揺動角度θが中立位置pから予め設定した停止指令角度領域内qにあると判定した際に、駆動装置に対して停止指令を出力すると共に、揺動角度θが揺動可能角度領域rから停止指令角度領域qを差引いた速度可変角度領域s内にあると判定した際に、速度可変角度領域の速度を0超〜最高速度として、操作レバーの揺動角度に対応する速度で駆動装置を指令制御する。
【選択図】図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作機械の工具や測定装置の測定子などを移動させる駆動装置の動作を制御する駆動制御装置およびこれを用いた測定機に関する。
【0002】
【背景技術】
従来より、測定機や工作機械においては、プログラムによる自動実行が行われる前の準備段階や、実際の測定操作や加工操作などとして、手動操作により測定部位や工具を対象物に近接させる操作が行われる。このような手動操作にあたっては、操作の容易性から、また、リアルタイムでの追従動作が容易なことから、ジョイスティック等が多用されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。
ジョイスティックは、所定の回転軸周りに揺動する操作レバーを有し、この回転軸周りの操作レバーの揺動角度等をエンコーダやポテンショメータ等で検出してその大きさを示す信号を出力するように構成されている。ジョイスティックからの信号を受けた制御装置は、受け取った信号に応じた速度で測定機や工作機械などの対応する軸方向の可動部材を移動させる。
従って、可動部材の状態を見ながら操作レバーを揺動することで、容易な手動操作を行うことができる。
【0003】
通常、このようなジョイスティックの操作レバーは、操作者による外力が解除された際は中立位置に復帰可能であり、操作レバーが中立位置にある場合に可動部材は停止状態となるが、ジョイスティックの個体差、つまり、復帰位置のばらつきにより、操作レバーに対する外力が解除されても操作レバーが中立位置に復帰せずに、中立位置近傍に位置する場合がある。すると、中立位置近傍に位置する操作レバーの揺動角度が速度指令に変換され、操作者の意に反して可動部材が移動してしまうという問題が生じる。
この問題を解決するため、一般的には、ジョイスティックの操作レバーが中立位置にあるとみなす一定の角度領域(停止指令角度領域=デッドバンド)を設け、操作レバーが停止指令角度領域内にあるとき、制御装置は操作レバーが中立位置にある場合と同様、可動部材を停止させる構成としてある。
【0004】
一般に、ジョイスティックの操作レバーの位置(揺動角度)はアナログで出力され、それがAD変換される。たとえば、AD変換のビット数を8ビットとすると、揺動角度に対応して、操作レバーの位置は「0〜255」に数値化される。この場合は、「127」が中立位置にいることになるが、通常は、「127±α」の間にいる場合は、中立とみなし、可動部材を停止させる構成としている。
ここで、「127±α」の「α」はデッドバンドと呼ばれ、「α」の大きさは使用する操作レバーによって実験的に求められる。
【0005】
さて、たとえば、「α」を「5」とした場合、「0〜121」が逆方向への移動、「122〜132」が停止、「133〜255」が正方向への移動というようになるが、これを速度指令に変換する際、従来では、次の二通りの方法があった。
(第1の方法)
デッドバンドの「122〜132」を除いて、「0〜121」を逆方向への移動、「133〜255」を正方向への移動とする方法。
(第2の方法)
デッドバンドの「5」を考慮し、逆方向の移動に対しては「5」を加算し、正方向の移動に対しては「5」を減算する方法。つまり、「5〜126」を逆方向への移動、「128〜250」が正方向への移動とする方法。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−239042号公報([0015][0016]段落、図1参照)
【特許文献2】
特開2000−155024号公報([0012][0018]段落、図1参照)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
第1の方法では、操作レバーの最大揺動角度に対応する数値が「0」「255」であるから、最大速度(可動部材の最大移動速度)を維持することができる一方、中立位置から移動を開始する際、最小移動速度に段差(この場合、数値「5」に対応する速度)が生じ、停止状態からの加速あるいは移動状態からの減速が円滑に行えないという課題がある。
第2の方法では、中立位置から移動を開始する際、最小移動速度が最小の「1」に相当する速度であるため、段差が生じないものの、最大速度を維持することが不可能になる。つまり、最大速度が「5」「250」に相当する速度に制限されるから、予め設定された最高速度が減殺されるという課題がある。
【0008】
本発明の目的は、操作レバーの傾きに応じて測定子等の可動部材を円滑に加速・減速させることができ、測定機等における駆動装置の機能仕様として予め設定されている最高速度も達成することのできる駆動制御装置およびこれを用いた測定機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の駆動制御装置は、可動部材を変位させる駆動装置の動作を制御する駆動制御装置であって、本体、前記本体に予め設定された揺動可能角度領域内で揺動可能かつ外力が解除された際に中立位置に復帰可能に設けられた操作レバー、および、前記操作レバーの揺動角度を検出する角度検出器を有するジョイスティックと、前記ジョイスティックの角度検出器からの検出信号に応じた速度で前記駆動装置を介して前記可動部材を移動させるとともに、前記操作レバーが最大揺動角度のときに前記駆動装置を介して前記可動部材を予め設定された最高速度で移動させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記操作レバーの揺動角度が中立位置から予め設定した停止指令角度領域内にあると判定した際に、前記駆動装置に対して停止指令を出力するとともに、前記操作レバーの揺動角度が前記揺動可能角度領域から前記停止指令角度領域を差し引いた速度可変角度領域内にあると判定した際に、速度可変角度領域の速度を0超〜前記最高速度として、前記操作レバーの揺動角度に対応する速度で前記可動部材が移動するように、前記駆動装置を指令制御することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、ジョイスティックにおいて、操作レバーの揺動角度が角度検出器により検出され、その検出信号が駆動制御装置に与えられると、駆動制御装置は、角度検出器からの検出信号を基に操作レバーの揺動角度を判定し、その判定結果に従って駆動装置を制御する。
つまり、操作レバーの揺動角度が停止指令角度領域にあると判定した場合には、駆動装置に対して速度指令0に相当する停止指令を出力する。また、操作レバーの揺動角度が速度可変角度領域にあると判定した場合には、速度可変角度領域の速度を0超〜最高速度として、操作レバーの揺動角度に対応する速度指令を駆動装置に対して出力する。
【0011】
制御手段から速度指令0が出力される場合、駆動装置は可動部材を停止させ、制御手段から速度指令0超〜最高速度が出力される場合、駆動装置は対応する駆動量を求めて可動部材を速度0超〜最高速度で移動させる。その結果、操作レバーの揺動角度に可動部材の移動速度が連動し、最高速度を有効範囲として可動部材を円滑に加速・減速できる。
また、外力が解除された状態において、操作レバーが中立位置近傍に位置して中立位置に復帰しない場合でも、操作レバーの揺動角度が停止指令角度領域にあれば操作レバーは中立位置にあるとみなされ制御手段から停止指令が出力されるため、駆動装置による可動部材の自走を招くという問題も同時に解決されている。
【0012】
本発明において、前記制御手段は、前記揺動可能角度領域、前記停止指令角度領域、および、前記速度可変角度領域が予め記憶された記憶手段と、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記駆動装置に対して速度指令を出力する指令手段とを有し、前記指令手段は、前記操作レバーの揺動角度が前記記憶手段に記憶された前記停止指令角度領域、および、前記速度可変角度領域のいずれに属するかを判定し、前記操作レバーの揺動角度が前記停止指令角度領域内にあると判定した際に、前記駆動装置に対して速度0の速度指令を出力するとともに、前記操作レバーの揺動角度が前記速度可変角度領域内にあると判定した際に、前記揺動可能角度領域の角度巾を前記速度可変角度領域の角度巾で割った値に前記操作レバーの揺動角度を掛合わせた値の速度指令を前記駆動装置に対して出力することを特徴とすることが望ましい。
【0013】
この構成によれば、揺動可能角度領域、停止指令角度領域、速度可変角度領域を記憶手段に予め記憶しておき、これらの各領域を必要に応じて記憶手段から読み出すことにより、各領域ごとに値が一元化され、制御手段による処理プロセスが簡略な構成となるという利点がある。
操作レバーの揺動角度が速度可変角度領域にあると判定された場合、揺動可能角度領域の角度巾を速度可変角度領域の角度巾で割った値に操作レバーの揺動角度を掛合わせて速度指令を求めるため、つまり、揺動可能角度領域、停止指令角度領域、速度可変角度領域を予め記憶しておくだけで速度指令を求めることができるから、記憶エリアを少なくできる。
また、速度可変角度領域において、操作レバーの揺動角度と速度指令とは正比例の関係となり、可動部材の初動における加速と停止状態への減速について、より円滑に行うことができる。
【0014】
本発明において、前記制御手段は、前記停止指令角度領域内の各角度に対応して速度0を、前記速度可変角度領域内の各角度に対応して速度0超〜前記最高速度をそれぞれ予め記憶した記憶手段と、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記駆動装置に対して速度指令を出力する指令手段とを有し、前記指令手段は、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、その揺動角度に相当する前記停止指令角度領域内の、および、前記速度可変角度領域内の角度を求めるとともに、その角度に対応する速度指令を前記記憶手段の中から読み出し、読み出した速度を速度指令として前記駆動装置に対して出力することを特徴とすることが望ましい。
【0015】
この構成によれば、停止指令角度領域内の各角度に対応して速度0を、速度可変角度領域内にあって停止指令角度領域に近接する境界角度を起点に速度0超〜最高速度をそれぞれ記憶手段内に予め記憶しておき、この記憶手段内から、指令手段が操作レバーの揺動角度に相当する角度を求めるとともに、その角度に対応する速度指令を読み出し、これを駆動装置に出力するようにしたので、操作レバーの揺動角度が停止指令角度領域、および、速度可変角度領域のいずれに属するかの判定を、そして、操作レバーの揺動角度を速度指令に変換する処理を、不要にできる。このため、制御手段の処理プロセスを少なくかつ単純化することができ、処理の効率化をはかることができるうえ、処理系によって出力値に影響がないという利点がある。
【0016】
また、本発明の測定機は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動制御装置を用いて、測定対象物の位置および/または座標を測定するための測定子を移動させる駆動装置を構成していることを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、測定機を構成する既存の駆動制御装置と請求項1から請求項3のいずれかに記載の駆動制御装置とを置き換えるだけで、測定機に予め備わる機能の利用効率を容易に改善することができる。ジョイスティックの復帰位置のばらつきに関する問題は本発明の駆動制御装置において解決されているため、本発明の駆動制御装置を組み込んだ測定機は、その駆動装置の停止状態を確保できる。同時に、駆動装置の機能仕様として予め設定されている最高速度範囲が有効に活用され、ジョイスティックの操作レバーの傾きに応じて測定子等の可動部材を円滑に加速・減速させることができ、操作感も良好にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
図1には、本発明の駆動制御装置を適用した測定システム1の全体斜視図が、図2には、測定システム1のブロック図がそれぞれ示されている。測定システム1は、接触時にタッチ信号を発する可動部材としてのプローブ8と被測定物2とを三次元方向(X,Y,Z軸方向)へ相対移動させる三次元測定機Aと、手動で操作することにより三次元測定機Aのプローブ8を移動させる操作盤Bと、三次元測定機Aの動作を制御するとともに三次元測定機Aから与えられるプローブ8と被測定物2との相対移動データなどを取り込むモーションコントローラCと、このモーションコントローラCを介して三次元測定機Aを動作させるとともに三次元測定機Aからのプローブ8と被測定物2との相対移動データ等を処理して被測定物2の寸法や形状などを求めるホストシステムDとを備えて構成されている。
【0019】
三次元測定機Aは、ベース3と、このベース3上に設置され上面に被測定物2を載置するテーブル4と、このテーブル4に前後方向(Y軸方向)へ移動可能に設けられた門形フレーム5と、この門形フレーム5のXビーム5Aに沿って左右方向(X軸方向)へ移動可能に設けられたスライダ6と、このスライダ6に上下方向(Z軸方向)へ昇降可能に設けられかつ下端にプローブ8を有するZ軸スピンドル7とを備えて構成されている。
スライダ6、門形フレーム5およびZ軸スピンドル7には、これらをそれぞれX軸、Y軸、Z軸方向へ移動させるために図示しないボールねじ軸およびモータによる駆動機構が設けられている。この駆動機構とこれらのスライダ6、門形フレーム5およびZ軸スピンドル7とから、本発明の駆動装置としての駆動部10が構成されている。スライダ6、門形フレーム5およびZ軸スピンドル7には、それぞれの軸方向の位置を検出し、その検出信号をモーションコントローラCに送信する位置検出部9が設けられている。この位置検出部9としては、リニアエンコーダ等が採用できる。プローブ8は、被測定物2との接触によってタッチ信号を出力可能に構成され、かつ、モーションコントローラCに電気的に接続されている。
【0020】
ホストシステムDは、測定プログラムやデータ処理プログラムなどを実行するホストコンピュータ、キーボード、モニタおよびプリンタ等を備えている。このホストシステムDは、モーションコントローラCに電気的に接続されており、モーションコントローラCを通してプローブ8の位置の検出信号を受信したり、プローブ8を設定位置へ移動させる指令をモーションコントローラCに対して送信することが可能となっている。
【0021】
操作盤Bは、図3に示すように、三次元測定機Aのプローブ8をXYZ軸方向へ手動操作により駆動するためのジョイスティック11を有し、このジョイスティック11は、所定方向に傾けることによりプローブ8の移動方向および移動速度を指示する操作レバー13A,13Bを備えている。
操作レバー13Aの下端には、操作盤Bに向かって左右方向の揺動角度を検出する角度検出器14X(図2)と、前後方向の揺動角度を検出する角度検出器14Y(図2)とが設けられている。操作レバー13Bの下端には、操作盤Bに向かって前後方向の揺動角度を検出する角度検出器14Zが設けられている。これらの角度検出器14X,14Y,14Zは、図2に示すように、モーションコントローラCと電気的に接続されており、操作レバー13Aを左右に傾けると角度検出器14XがX軸方向の検出信号を、前後に傾けると角度検出器14YがY軸方向の検出信号を、また、操作レバー13Bを前後方向に傾けると角度検出器14ZがZ軸方向の検出信号をモーションコントローラCに出力する。
ここで、角度検出器14X,14Y,14Zとしては、ロータリエンコーダやポテンショメータ等が採用できる。
【0022】
モーションコントローラCは、図2に示すように、プローブ8の駆動制御や計数値の取り込み制御などを行うCPU21と、プローブ8の移動方向・速度を決定する制御手段としての移動方向速度決定部22とを備えている。
移動方向速度決定部22は、ホストシステムDからの移動指令の信号またはジョイスティック11からの検出信号が入力される入力部23を備えている。この入力部23への入力信号は、ホストシステムDからの移動指令によってプローブ8を制御する自動測定の場合と、ジョイスティック11の手動操作によってプローブ8を制御する場合とでモード切替可能となっている。
ジョイスティック11を手動操作する場合は、入力部23から入力された信号が指令手段24へ送信され、指令手段24は、この入力信号と、記憶手段25に予め記憶されているジョイスティック11の設定情報とから速度指令を算出し、出力部26を通してCPU21に速度指令を送信する。
【0023】
ジョイスティック11の操作レバー13A,13Bは、図4に示すように、外力が解除された状態では中立位置pまたはその近傍に復帰可能に構成されている。
ここで、中立位置pから操作レバー13A,13Bを最大限傾けることができる角度領域を揺動可能角度領域r、操作レバー13A,13Bが復帰動作したとき中立位置pから操作レバー13A,13Bの復帰位置の角度までを包含できる角度領域を停止指令角度領域q、揺動可能角度領域rから停止指令角度領域qを差し引いた角度領域を速度可変角度領域sとして、それぞれ設定されている。
なお、停止指令角度領域qは、操作レバー13A,13Bが復帰動作したときの復帰位置のばらつきを考慮して、予め、実験・計測により求める。また、停止指令角度領域q,揺動可能角度領域r,速度可変角度領域sは、中立位置pを中心としてそれぞれ対称に設定する。本実施形態において、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度はθで表す。
【0024】
指令手段24には、角度検出器14X,14Y,14Zから送信されるアナログ信号をデジタル信号に変換する処理が含まれる。本実施形態では、符号なし8ビット整数のデジタル信号に変換される。
例えば、図4に示すように、操作レバー13A,13Bの揺動可能角度領域が「0〜255」に設定されている。操作レバー13A,13Bの中立位置pを中心として片側毎でみると、停止指令角度領域qが「122〜127」「127〜132」に、速度可変角度領域sが「0〜121」「133〜255」にそれぞれ設定されている。
【0025】
CPU21は、移動方向速度決定部22から送信される速度指令の信号「0〜255」に対応するトルク信号を駆動部10に出力し、駆動機構のモータを回転させる。信号が「127」のときプローブ8を停止させ、「0」または「255」のときは駆動部10の機能仕様として予め設定されている最高速度でプローブ8を移動させるように、トルク信号が算出される。なお、速度指令の信号が「0〜126」のときと「128〜255」のときとでは、プローブ8の移動方向は対称となる。
【0026】
記憶手段25には、図5に示されるように、揺動可能角度領域r、停止指令角度領域q、速度可変角度領域sが予め記憶される。本実施形態では、揺動可能角度領域rとして「0〜127」および「127〜255」を記憶した記憶エリア23A、停止指令角度領域qとして「122〜132」を記憶した記憶エリア23B、速度可変角度領域sとして「0〜121」および「133〜255」を記憶した記憶エリア23Cを備えている。
なお、これらの領域を記憶手段25に記憶させるには、ホストシステムDの所定のプログラムを実行して記憶手段25に領域データを送信してもよいし、記憶手段25に領域データを直接書き込んでもよい。記憶手段25としては、例えばRAM、ハードディスク等の記憶装置が採用できる。
【0027】
本実施形態における測定システム1は、以下のように動作する。
まず、ホストシステムDによる自動測定モード、つまり、プローブ8の移動の指示をホストシステムDによって行う場合の動作について説明する。
ホストシステムDから移動方向速度決定部22に送信される移動指令の信号は、移動方向速度決定部22の入力部23から図示しないサンプルタイム処理部、位置ループのフィードバック処理部に送信され、その移動指令の信号に基づいて求められた速度指令は、出力部26からCPU21へ送信される。CPU21は、この速度指令に応じたトルク信号を駆動部10に出力し、プローブ8を所定位置へ移動させる。
また、プローブ8が被測定物2に接触すると、プローブ8からタッチ信号が出力され、CPU21に与えられる。CPU21はこの時のプローブ8の位置を位置検出部9より取り込んでホストシステムDに送信し、ホストシステムDがこれらの位置データを処理することにより、被測定物2の寸法や形状が求められる。
【0028】
次に、プローブ8の移動の指示を操作盤Bによって行う場合には、測定システム1は以下のように動作する。
ここではX軸方向の移動の制御について説明するが、Y軸方向、Z軸方向についても同様の動作となる。
ジョイスティック11の操作レバー13Aを操作盤Bに向かって左右方向(X方向)に揺動すると、その操作レバー13Aの揺動角度は角度検出器14Xによって検出され、検出されたアナログ信号は移動方向速度決定部22の入力部23を通して指令手段24へ送信される。指令手段24は、受信した操作レバー13Aの揺動角度θの信号をデジタル信号に変換し、記憶手段25から読み出した領域データを参照して操作レバー13Aの揺動角度θが停止指令角度領域qおよび速度可変角度領域sのいずれに属するかを判定した上で、デジタル信号に応じた速度指令を求める。
【0029】
速度指令は、操作レバー13Aの揺動角度θが停止指令角度領域qにある場合は速度0の速度指令である停止指令となり、操作レバー13Aの揺動角度θが速度可変角度領域sにある場合は揺動可能角度領域rの角度巾を速度可変角度領域sの角度巾で割った値と操作レバー13Aの揺動角度θであるデジタル信号とを掛合わせた値となる。
本実施形態では停止指令角度領域qの角度巾は「5」であり、操作レバー13Aの揺動角度θのデジタル信号が「122〜132」のときは記憶手段25から読み出した停止指令角度領域qに該当するため、一律に速度0の速度指令が求められる。
実際に行われる計算は、操作レバー13Aの揺動角度θであるデジタル信号をRAW、求められる速度指令をOUTとすると、次のようになる。
RAWが0〜121のとき、OUT = RAW * (126/121)
RAWが122〜132のとき、OUT = 127
RAWが133〜255のとき、OUT = (RAW − 255) * (127/122) + 255
【0030】
このようにして求めた速度指令は、指令手段24により出力部26を通してCPU21に送信される。CPU21に停止指令が送信された場合、CPU21は駆動部10へ出力していたトルク信号を停止し、X軸のモータを停止させる。一方、CPU21に速度0超の速度指令が送信された場合は、CPU21はその速度指令に対応したトルク信号を駆動部10へ出力し、X軸のモータを回転させる。よって、操作レバー13Aを傾けた方向に、つまり、操作レバー13Aを左に傾ければ左に、右に傾ければ右に、操作レバー13Aの揺動角度θに応じた速度で、スライダ6がプローブ8を移動させる。
これにより、操作盤Bにおいて、操作者が操作レバー13Aを操作する前、もしくは、ごくわずかに左あるいは右に傾けた状態では、操作レバー13Aは、中立位置pもしくは停止指令角度領域qに位置するためプローブ8は停止し、操作者が停止指令角度領域qよりも操作レバー13Aを傾けると、その揺動角度θに応じた速度でプローブ8が移動する。
【0031】
Y軸およびZ軸についても、以上のような制御と同様に、指令手段24が操作レバー13A,13Bそれぞれの所定方向の揺動角度θに応じた速度指令を出力することにより、プローブ8は所望の速度でY軸、Z軸方向に移動される。つまり、操作レバー13Aを前に傾ければ前に、後ろに傾ければ後ろに、その揺動角度θに応じた速度で門形フレーム5が移動することで、プローブ8はY軸方向に移動される。また、操作レバー13Bを前に傾ければ下に、後ろに傾ければ上に、その揺動角度θに応じた速度でZ軸スピンドル7が昇降することで、プローブ8はZ軸方向に移動される。
【0032】
本実施形態によれば、次の作用効果が期待できる。
(1)操作レバー13Aの中立位置pを中心とする停止指令角度領域qを設け、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが停止指令角度領域qにある場合は操作レバー13A,13Bは中立位置pにあるものとみなしているので、移動方向速度決定部22からは停止指令が発せられ、三次元測定機Aの駆動部10へと伝わるトルク信号が停止する。
よって、ジョイスティック11の復帰位置のばらつきにより、外力を解除しても操作レバー13A,13Bが停止指令角度領域qにとどまって中立位置pに復帰しない場合でも、可動部材であるプローブ8の停止状態を確保できる。
【0033】
(2)操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが停止指令角度領域qにある停止状態では信号値を「127」とする停止指令が移動方向速度決定部22から出力され、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが停止指令角度領域qを超え、速度可変角度領域sに入ったときは信号値を「126」もしくは「128」とする速度指令を出力可能である。
よって、速度指令の速度の段差は最小となるため、可動部材であるプローブ8の初動を円滑に行うことができ、また停止状態に向かって円滑に減速できる。
【0034】
(3)操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが速度可変角度領域sにある場合に、移動方向速度決定部22が出力する速度指令の信号値「0〜126」および「128〜255」に対して、CPU21が駆動部10に対して送信するトルク信号の値となる初動制御量〜最大制御量が対応する。
よって、操作レバー13Aを左方向に最大限傾けた状態では、信号値を0とする速度指令が出力され、駆動部10はこれに対応する最大制御量のトルク信号を受信してスライダ6を左方向に移動する。また、操作レバー13Aを右方向に最大限傾けた状態では、信号値を「255」とする速度指令が出力され、駆動部10はこれに対応する最大制御量のトルク信号を受信してスライダ6を右方向に移動する。このようにして、駆動部10の機能仕様である最高速度を達成することができる。
【0035】
(4)記憶手段25に、停止指令角度領域q、揺動可能角度領域r、速度可変角度領域sを予め記憶手段25に記憶させ、指令手段24が速度指令を出力する際に、これらの領域を記憶手段25から読み出して参照する。指令手段24は、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが、読み出された停止指令角度領域qおよび速度可変角度領域sのいずれの領域に属するかを判定し、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θが速度可変角度領域sにある場合は、読み出された揺動可能角度領域r、速度可変角度領域sを用いて演算を行い速度を求める。
操作レバー13A,13Bの揺動角度θが速度可変角度領域sにあると判定された場合、揺動可能角度領域rの角度巾を速度可変角度領域sの角度巾で割った値に操作レバー13A,13Bの揺動角度θを掛合わせて速度指令が求められる。このように、各領域ごとに値が一元化され、指令手段24による処理プロセスが簡略な構成となるうえに、揺動可能角度領域r、停止指令角度領域q、速度可変角度領域sを予め記憶しておくだけで速度指令を求めることができるから、記憶エリアを少なくできる。
また、速度可変角度領域sでは、操作レバー13A,13Bの揺動角度θと速度指令とは正比例の関係となり、プローブ8の初動における加速と停止状態への減速について、より円滑に行うことができる。
【0036】
(第二実施形態)
第二実施形態では記憶手段32に記憶する情報と指令手段31の処理が第一実施形態とは異なり、他の構成は第一実施形態と共通する。以下、第二実施形態に特有の構成について説明する。ここで、第一実施形態と同一の構成については同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0037】
図6は、第一実施形態の図2における移動方向速度決定部22を表すブロック図である。
記憶手段32には、図7に示すように、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度と速度指令が対応付けられて予め記憶される。第一実施形態と同様、指令手段31において角度検出器14X,14Y,14Zからのアナログ信号を符号なし8ビットのデジタル信号に変換しており、停止指令角度領域qの角度巾は5としている。操作レバー13A,13Bそれぞれのとりうる揺動角度に対応する信号は「0〜255」であって、停止指令角度領域qに相当する揺動角度「122〜132」に対しては一律に速度指令「127」が、速度可変角度領域sに相当する揺動角度「0〜121」および「133〜255」に対しては速度指令「0〜126」および「128〜255」がそれぞれ対応する。
【0038】
本実施形態での測定システム1の動作は、まず、第一実施形態と同様、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが角度検出器14X,14Y,14Zで検出され、検出されたアナログ信号は入力部23を通して指令手段31に送信され、指令手段31は受信したアナログ信号を0〜255のデジタル信号に変換する。
その後、指令手段31は、記憶手段32に記憶されている揺動角度のうちこのデジタル信号に一致する角度を読み出して参照し、この角度に対応付けられた速度指令を出力部26を通してCPU21に送信する。この後は第一実施形態と同様、CPU21により速度指令に対応するトルク信号が駆動部10に送信され、駆動部10によってプローブ8が移動される。
【0039】
第二実施形態では、第一実施形態における(1)〜(4)と同様の作用効果を奏する他、次の作用効果を奏することができる。
【0040】
(5)操作レバー13A,13Bの取りうる揺動角度とこれらの各角度に対応する速度指令が記憶手段32に予め記憶されており、指令手段31は、これらを読み出して参照することにより、操作レバー13A,13Bの揺動角度θに応じた角度の速度指令を容易に得ることができる。
よって、第一実施形態の指令手段24においては必要であった、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが停止指令角度領域q、および、速度可変角度領域sのいずれに属するかの判定、さらに、操作レバー13A,13Bの揺動角度θを速度指令に変換する処理が、本実施形態の指令手段31では不要にできる。このため、指令手段31の処理プロセスをより少なく、かつ単純化して効率化を図ることができるうえ、処理系によって出力値に影響がないという利点がある。
【0041】
(第三実施形態)
第三実施形態は駆動装置の制御手段としての移動方向速度決定部22での処理が第一、第二実施形態とは異なり、他の構成は第一実施形態と共通する。以下、第三実施形態に特有の構成について説明する。ここで、第一実施形態と同一の構成については同一符号を付して説明を省略もしくは簡略化する。
【0042】
図8は、第一実施形態の図2における移動方向速度決定部22を表すブロック図である。
X軸,Y軸,Z軸に対応するPID制御器41X,41Y,41Zは、図9に示すように、ジョイスティック11による手動操作時においては、位置のフィードバックループ(図9の点線)を無効とする一方、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θの検出信号を直接、PID制御の偏差として設定することにより、操作レバー13A,13Bの揺動角度θに応じた速度指令を得る構成とされる。P(比例)I(積分)D(微分)各成分の重み付けは別途ゲインの設定により行うことができ、ジョイスティック11の操作による制御の場合には、Iのゲインを0として、PD制御を行うこととする。
速度補正部42は、PID制御器41X,41Y,41Zからの速度指令と、入力部23を通じて角度検出器14X,14Y,14Zから送信される揺動角度θの信号とを合成した速度指令を出力部26を通してCPU21に送信する。
なお、記憶手段43は、第一実施形態の記憶手段25と同様の構成とされる(図5)。
【0043】
本実施形態での測定システム1の動作は、移動方向速度決定部22での処理の一部が異なる以外は、第一実施形態と同様である。操作レバー13A,13Bの揺動角度θがサンプルタイムごとに角度検出器14X,14Y,14Zで検出され、検出されたアナログ信号は、入力部23を通じて、対応する軸のPID制御器41X,41Y,41Z、および、速度補正部42へ送信される。
PID制御器41X,41Y,41Zは、操作レバー13A,13Bの揺動角度θであるアナログ信号をデジタル信号に変換し、この信号を偏差として設定する。その結果、設定された偏差を解消するように、ゲイン設定に応じたP(比例)制御が行われ、速度指令が出力される(図9)。サンプルタイムごとに操作レバー13A,13Bの揺動角度θに応じた偏差が設定され続けるため、操作レバー13A,13Bそれぞれを一定の揺動角度に保つ場合は、一定の速度指令が出力される。この場合、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが大きいと、PID制御器41X,41Y,41Zに入力される偏差は大きいので、出力される速度指令の速度も速く、逆に、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが小さいと、偏差は小さいので、出力される速度指令の速度も遅くなる。ここで、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが変化する場合は、D(微分)制御により、加減速が円滑となるように出力が調整される。
【0044】
速度補正部42は、PID制御器41X,41Y,41Zから出力された速度指令と、入力部23から操作レバー13A,13Bの揺動角度θの検出信号を受信し、揺動角度θの検出信号をデジタル信号に変換する。さらに、記憶手段43に記憶されている各領域を読み出し、操作レバー13A,13Bが停止指令角度領域qおよび速度可変角度領域sのいずれに属するかを判定し、揺動角度θの信号とPID制御器41X,41Y,41Zから得た速度指令とから新たな速度指令を求めて、求めた速度指令を出力部26に出力する。
具体的には、第一実施形態と同様、符号なし8ビットのデジタル変換を行う場合、揺動角度θが停止指令角度領域qにあるとき、速度補正部42は信号値「127」とする停止指令を出力し、揺動角度θが速度可変角度領域sにあるときは、揺動可能角度領域rの角度巾を速度可変角度領域sの角度巾で割った値にPID制御器41X,41Y,41Zからの出力値を掛合わせて速度指定を求め、出力部26を通してCPU21に送信する。この後は第一実施形態と同様、CPU21により速度指令に対応するトルク信号が駆動部10に送信され、駆動部10によってプローブ8が移動される。
【0045】
なお、ホストシステムDによる自動測定を行う場合は、図9に示すように、設定値としてホストシステムDからの移動指令、つまり目標位置が、サンプルタイムごとに設定される。位置のフィードバックループ(図9の点線)は有効であり、プローブ8の位置検出部9から送信される現在位置の検出信号がフィードバックループに入力される。
この場合は、PID制御器41X,41Y,41Zは、設定値(目標位置)とフィードバック信号(現在位置)との差を偏差として設定する。その結果、ジョイスティック11による手動操作による場合と同様、設定された偏差を解消するように、ゲイン設定に応じたPID制御が行われ、速度指令が出力される。そして、プローブ8が目標位置に達すると偏差は解消し、ホストシステムDのプログラムにより、目標位置の座標を変化させながら自動測定が続行される。
【0046】
第三実施形態では、第一実施形態における(1)〜(4)と同様の作用効果を奏する他、次の作用効果を奏することができる。
【0047】
(6)一般的に、測定機の制御手段においては、ホストシステムによる自動測定時とジョイスティックの手動操作による測定時とを問わず、位置のフィードバックループを有し、手動操作時においては、ジョイスティックの操作レバーの揺動角度θに応じた速度に変換するプロセスを必要とするため、応答性が損なわれる。
しかし、本実施形態では、ジョイスティック11による手動操作時には位置のフィードバックループを無効化し、操作レバー13A,13Bそれぞれの揺動角度θを位置の信号としてPID制御器41X,41Y,41Zの偏差に入力するため、操作レバー13A,13Bの揺動角度θを速度に変換するプロセスなしに、PID制御器41X,41Y,41Zの備える偏差解消の機能を利用して移動速度を求めることができる。また、操作レバー13A,13Bの揺動角度θが変化した際もPIDのD(微分)成分による加減速がなされるため、速度変換のプロセスの中で加減速を行う場合と比べ、サンプルタイムごとの処理を着実に行うことができる。さらに、PIDの各成分のゲインを調整することにより、出力される移動速度の大きさや操作レバー13A,13Bの揺動角度θの変化による加減速の態様を容易に変更することができ、例えば、測定前の準備時と測定時とで調整することができるため、操作性に優れる。
このようなPID制御器41X,41Y,41Zからの出力に基づいて速度補正部42は速度指令を求めることができる。よって、既存のPID制御器を利用した簡略な構成により、応答性や柔軟性にも優れる駆動制御装置および測定機を構成することができる。
【0048】
なお、本発明は前述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態ではジョイスティック11は、二つの操作レバー13A,13Bを有するものであったが、これに限らず、形態、構造は任意である。画像測定機に使用されるようなジョイスティックのように、一つの操作レバーを有するものであってもよい。この場合には、X,Y軸方向の移動はそれぞれ左右、前後の揺動角度で操作し、Z軸方向の移動は操作レバーの捻り角(回転角度)で操作する。したがって、操作レバーの回転角度検出器を設け、移動方向速度決定部22に入力すれば、前記実施形態と同様に操作レバーの捻り角に応じた移動速度を実現できる。
【0049】
また、前記各実施形態では、操作レバー13A,13Bの揺動角度θの検出信号を符号なし8ビットのデジタル信号に変換しているが、この変換を行わず、アナログの検出信号に基づいて、揺動角度θに応じた移動速度の制御を行ってもよい。デジタル信号に変換する場合でも、信号のデータ幅及び符号の有無は任意であり、例えば、符号あり8ビットのデジタル変換を行うこととし、データ範囲「−127〜128」において、操作レバーの中立位置を示す値を「0」としてもよい。
【0050】
さらに、前述のように、操作レバー13A,13Bは、中立位置pを中心として、停止指令角度領域q、揺動可能角度領域r、速度可変角度領域sが対称に設けられていたが、これは非対称であってもよく、中立位置pも中心である必要はない。また、停止指令角度領域の角度幅は「5」に限らず、任意である。
【0051】
そして、プローブ8が可動である構成に限らず、例えば、被測定物2を載置するテーブル4がプローブ8に対して可動である構成、あるいは、プローブ8およびテーブル4が共に移動する構成でも構わない。
なお、本発明の駆動制御装置は、一次元や二次元、さらに多次元の測定機にも適用できる。この場合には、門形フレーム5やスライダ6、Z軸スピンドル7をそれぞれ可動部材として制御対象にし、移動の制御を行ってもよい。また、測定機に限らず、工作機械など、手動で可動部材を操作する必要がある機械に適用できる。
【0052】
前述のように、記憶手段32には、操作レバー13の揺動角度とその各角度に対応する速度指令が記憶されており、これらの揺動角度と速度指令は1:1で対応し、操作レバー13の揺動可能角度領域全体に渡る1組であったが、2以上の組を記憶したり、1:nの対応として、制御の種類により切替可能としてもよい。さらには、揺動角度と速度指令を記憶する複数の記憶手段を設けてもよい。
【0053】
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【0054】
【発明の効果】
このような本発明によれば、操作レバーの傾きに応じて測定子等の可動部材を円滑に加速・減速させることができるとともに、測定機等における駆動装置の機能仕様として予め設定されている最高速度も達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の駆動制御装置を適用した第一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同上実施形態における三次元測定機、操作盤、モーションコントローラおよびホストシステムのブロック図である。
【図3】同上実施形態における駆動制御装置の操作盤を示す斜視図である。
【図4】同上実施形態におけるジョイスティックを示す側面模式図である。
【図5】同上実施形態における記憶手段を示すブロック図である。
【図6】本発明の第二実施形態における制御手段としての移動方向速度決定部を示すブロック図である。
【図7】同上実施形態における記憶手段を示す図である。
【図8】本発明の第三実施形態における制御手段としての移動方向速度決定部を示すブロック図である。
【図9】同上実施形態におけるPID制御器を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 測定システム
2 被測定物
8 プローブ(可動部材)
10 駆動部(駆動装置)
11 ジョイスティック
13A,13B 操作レバー
14X,14Y,14Z 角度検出器
22 移動方向速度決定部(制御手段)
24 指令手段
25 記憶手段
31 指令手段
32 記憶手段
41X,41Y,41Z PID制御器
42 速度補正部
43 記憶手段
A 三次元測定機(測定機)
B 操作盤([B,C,D]…駆動制御装置)
C モーションコントローラ
D ホストシステム
p 中立位置
q 停止指令角度領域
r 揺動可能角度領域
s 速度可変角度領域
θ 揺動角度

Claims (4)

  1. 可動部材を変位させる駆動装置の動作を制御する駆動制御装置であって、
    本体、前記本体に予め設定された揺動可能角度領域内で揺動可能かつ外力が解除された際に中立位置に復帰可能に設けられた操作レバー、および、前記操作レバーの揺動角度を検出する角度検出器を有するジョイスティックと、
    前記ジョイスティックの角度検出器からの検出信号に応じた速度で前記駆動装置を介して前記可動部材を移動させるとともに、前記操作レバーが最大揺動角度のときに前記駆動装置を介して前記可動部材を予め設定された最高速度で移動させる制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記操作レバーの揺動角度が中立位置から予め設定した停止指令角度領域内にあると判定した際に、前記駆動装置に対して停止指令を出力するとともに、前記操作レバーの揺動角度が前記揺動可能角度領域から前記停止指令角度領域を差し引いた速度可変角度領域内にあると判定した際に、速度可変角度領域の速度を0超〜前記最高速度として、前記操作レバーの揺動角度に対応する速度で前記可動部材が移動するように、前記駆動装置を指令制御することを特徴とする駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の駆動制御装置において、
    前記制御手段は、前記揺動可能角度領域、前記停止指令角度領域、および、前記速度可変角度領域が予め記憶された記憶手段と、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記駆動装置に対して速度指令を出力する指令手段とを有し、
    前記指令手段は、前記操作レバーの揺動角度が前記記憶手段に記憶された前記停止指令角度領域、および、前記速度可変角度領域のいずれに属するかを判定し、前記操作レバーの揺動角度が前記停止指令角度領域内にあると判定した際に、前記駆動装置に対して速度0の速度指令を出力するとともに、前記操作レバーの揺動角度が前記速度可変角度領域内にあると判定した際に、前記揺動可能角度領域の角度巾を前記速度可変角度領域の角度巾で割った値に前記操作レバーの揺動角度を掛合わせた値の速度指令を前記駆動装置に対して出力することを特徴とする駆動制御装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の駆動制御装置において、
    前記制御手段は、前記停止指令角度領域内の各角度に対応して速度0を、前記速度可変角度領域内の各角度に対応して速度0超〜前記最高速度をそれぞれ予め記憶した記憶手段と、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、前記駆動装置に対して速度指令を出力する指令手段とを有し、前記指令手段は、前記角度検出器からの検出信号を基に前記操作レバーの揺動角度を判定し、その揺動角度に相当する前記停止指令角度領域内の、および、前記速度可変角度領域内の角度を求めるとともに、その角度に対応する速度指令を前記記憶手段の中から読み出し、読み出した速度を速度指令として前記駆動装置に対して出力することを特徴とする駆動制御装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の駆動制御装置を用いて、測定対象物の位置および/または座標を測定するための測定子を移動させる駆動装置を構成していることを特徴とする測定機。
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