JP2005003487A - ロードセルの出力調整方法、ロードセル、秤 - Google Patents

ロードセルの出力調整方法、ロードセル、秤 Download PDF

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Abstract

【課題】ロードセルの小型化が可能で、衝撃等により出力調整が変化することのないロードセルの出力調整方法、該出力調整方法を採用するロードセル及び該ロードセルを複数用いた秤を提供すること。
【解決手段】歪ゲージZ1〜Z4を組み込んだホイートストンブリッジ回路HBと電圧端子TVINの間に挿入した出力調整用抵抗の抵抗値を調整して該ホイートストンブリッジ回路の出力を調整するロードセルの出力調整方法であって、出力調整抵抗としてそれぞれ抵抗値の異なる複数の粗調整用固定抵抗RAと、中調整用固定抵抗RBと、微調整用固定抵抗RCを用意し、ロードセルの出力を測定し、該測定結果に応じて複数の粗調整用固定抵抗RA、中調整用固定抵抗RB、微調整用固定抵抗RCの中から所望の抵抗を選択しホイートストンブリッジ回路HBと電圧端子TVINの間に挿入する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は起歪体の起歪部に歪ゲージを取り付け、該起歪体に加わる荷重により該歪ゲージに作用する圧縮圧力及び引っ張り力による歪ゲージの抵抗値の変化を電気信号に変換するロードセルの出力調整方法、該出力調整方法を採用したロードセル、該ロードセルを複数用いた秤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のロードセルとして、起歪体の起歪部に設けた4個の歪ゲージZ1、Z2、Z3、Z4を図1に示すように、該歪ゲージZ1〜Z4の抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路であるホイートストンブリッジ回路HBに組み込みロードセル回路を構成し、起歪体に加わる荷重により該歪ゲージZ1〜Z4に作用する圧縮圧力及び引っ張り力による抵抗値の変化を電気信号に変換して出力端子TOUT、TOUTから出力VOUTを出力するように構成したものがある。
【0003】
上記構成のロードセル回路において、出力調整のためには、電圧端子TVIN、TVINとホイートストンブリッジ回路HBのA点の間に粗調整用固定抵抗RAと微調整用可変抵抗VRの直列回路からなる出力調整抵抗RVを接続する構成とし、粗調整を粗調整用固定抵抗RAで微調整を微調整用可変抵抗VRで行なっている。なお、R1、R2はスパン温度補償用抵抗である。
【0004】
また、上記構成のロードセルを複数個、例えば4個有する秤においては、図2に示すように、図1に示す構成のホイートストンブリッジ回路HB1〜HB4を4個併設すると共に、各ホイートストンブリッジ回路HB1〜HB4にそれぞれ出力調整抵抗RV1〜RV4を接続し、各ホイートストンブリッジ回路HB1〜HB4の出力を並列和算する構成としている。
【0005】
上記構成のロードセルの出力調整、又は複数個のロードセルを用いた秤のロードセルの出力調整は、粗調整用固定抵抗RA、RA1〜RA4と微調整用可変抵抗VR、VR1〜VR4の直列回路からなる出力調整抵抗RV、RV1〜RV4を用いるため、微調整用可変抵抗VR、VR1〜VR4を必要とする。この微調整用可変抵抗VR、VR1〜VR4は、可変抵抗であるため固定抵抗である粗調整用固定抵抗RA、RA1〜RA4に比べて構造が複雑で且つ寸法が大きいため、ロードセルの小型化、特に出力調整基板の小型化に支障となると共に、可変抵抗を用いるため一度出力調整を行なっても衝撃等により調整値が変化し、再度調整し直さなければならないという問題もあった。
【0006】
【特許文献1】
特許第3259693号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので上記問題点を除去し、ロードセルの小型化が可能で、衝撃等により出力調整が変化することのないロードセルの出力調整方法、該出力調整方法を採用するロードセル及び該ロードセルを複数用いた秤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込んだ構成のロードセルの、該変換回路と該変換回路に電圧を印加する電圧端子の間に挿入した出力調整用抵抗の抵抗値を調整して該変換回路の出力を調整するロードセルの出力調整方法であって、調整抵抗としてそれぞれ抵抗値の異なる複数の粗調整用固定抵抗と、中調整用固定抵抗と、微調整用固定抵抗を用意し、ロードセルの出力を測定し、該測定結果に応じて複数の粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の中から所望の抵抗を選択し、選択した抵抗を変換回路と電圧端子の間に挿入することを特徴とする。
【0009】
上記のようにロードセルの出力測定結果に応じて複数の粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の中から所望の抵抗を選択し、選択した抵抗を変換回路と電圧端子の間に挿入して出力を調整するので、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがない。また、出力調整用抵抗を、粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗とすることにより、用意する調整用固定抵抗の抵抗値種類を減らすことが可能となる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込んだ構成の複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成する秤におけるロードセルの出力調整方法において、各ロードセルの出力調整方法に請求項1に記載のロードセルの出力調整方法を採用することを特徴とする。
【0011】
上記のように複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成する秤におけるロードセル出力調整方法に、請求項1に記載のロードセルの出力調整方法を採用することにより、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがなく、用意する調整用固定抵抗の抵抗値種類を減らすことが可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のロードセルの出力調整方法において、粗調整用固定抵抗は抵抗値が等間隔になるように予め複数個用意し、中調整用固定抵抗は粗調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意し、微調整用固定抵抗は前記中調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意したことを特徴とする。
【0013】
上記のように粗調整用固定抵抗は抵抗値が等間隔になるように、中調整用固定抵抗は粗調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように、微調整用固定抵抗は前記中調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように、それぞれ予め複数個用意することにより、後に詳述するように、出力調整用の固定抵抗の抵抗値種類を約40程度用意すれば、2万分の1程度の精度を得ることができ、小売店等で使用する秤のロードセルの出力調整に適用できる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込み、該変換回路と該変換回路に電圧を印加する電圧端子の間に出力調整用抵抗を挿入した構成のロードセルであって、出力調整用抵抗が粗調整用固定抵抗と中調整用固定抵抗と微調整用固定抵抗からなることを特徴とする。
【0015】
上記のように変換回路と電圧端子の間に挿入した出力調整用抵抗が粗調整用固定抵抗と中調整用固定抵抗と微調整用固定抵抗からなるので、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがなく、用意する調整用固定抵抗の種類を減らすことが可能となる。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のロードセルにおいて、電子部品を実装する基板を具備し、該基板に粗調整用固定抵抗を装着する粗調整抵抗装着部と、中調整用固定抵抗を装着する中調整抵抗装着部と、微調整用固定抵抗を装着する微調整抵抗装着部を設けたことを特徴とする。
【0017】
上記のように基板に粗調整抵抗装着部、中調整抵抗装着部、微調整抵抗装着部を具備する基板を設けたことにより、粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の装着が容易となる。また、基板に可変抵抗を実装しないから、基板を小型化できる。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のロードセルにおいて、基板にはロードセルの温度による出力誤差を相殺する係数を有する感温抵抗を設けたことを特徴とする。
【0019】
上記のように基板が小型化できることから、基板をロードセルの起歪体により密着させて設けることができ、出力調整用固定抵抗を実装した該基板に感温抵抗を設けたことにより、該感温抵抗は起歪体の温度に適格(精度よく)に反応し、温度による出力誤差をより正確に相殺できる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項5又は6に記載のロードセルにおいて、ロードセルの前記起歪体は、支点部と起歪部と重点部とを平面に配置した平板状起歪体であり、基板は平板状起歪体の支点部と起歪部との間の面に密着して設けたことを特徴とする。
【0021】
上記のように各出力調整用抵抗は小型の固定抵抗であるから、これを実装する基板も小型にでき、該小型の基板を平板状起歪体の支点部と起歪部との間の面に密着して設けたことにより、感温抵抗の温度補償を更に精密に行なうことができる。
【0022】
請求項8に記載の発明は、請求項4乃至7のいずれか1項に記載のロードセルを複数個具備し、該複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成したことを特徴とする秤にある。
【0023】
上記のように複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成した秤に請求項4乃至7のいずれか1項に記載のロードセルを用いるので、秤の四隅誤差が生じない。そのため市場でのロードセルの交換作業が簡単にできる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて説明する。図3は本発明に係るロードセルの構成を示す図で、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図である。本ロードセル12は、図示するように金属(高力アルミ等)製の矩形平板状の起歪体12aの中央部に矩形状の穴12bを設けて、2本のビーム12c、12dを形成している。そしてビーム12cの裏面の2箇所に起歪部(円弧状凹部)12c−1、12c−2を設け、ビーム12dの表面の2個所に起歪部(円弧状凹部)12d−1、12d−2を設けている。そしてビーム12cの起歪部12c−1、12c−2の反対側に当たる部分の面、即ち表面に歪ゲージZ1、Z2を設け、ビーム12dの起歪部12d−1、12d−2の反対側に当たる部分の面、即ち裏面に歪ゲージZ3、Z4を設けている。
【0025】
上記構成のロードセル12において、支点側Sを支持し荷重点側Mに荷重を加えると、歪ゲージZ1、Z4には圧縮力、歪ゲージZ2、Z3には引っ張り力が作用し、歪ゲージZ1〜Z4を図4に示すようにホイートストンブリッジ回路HBに組むことにより、ロードセル12に加わる荷重を測定することが可能となる。この場合、一方のビーム12cには表面に2個の歪ゲージZ1、Z2を設け、他方のビーム12dには裏面に2個の歪ゲージZ3、Z4を設けるので、歪ゲージZ1、Z2の誤差がプラス方向となり、歪ゲージZ3、Z4の誤差がマイナス方向となり、両方の誤差が互いに相殺され、ロードセルの精度が大幅に向上する。
【0026】
図4に示すロードセル回路構成において、一方の電圧端子TVINとホイートストンブリッジ回路HBのA点の間に中調整用固定抵抗RB、スパン温度補償用抵抗RD及び微調整用固定抵抗RCの直列回路を挿入(接続)し、他方の電圧端子TVINとホイートストンブリッジ回路HBのB点の間に粗調整用固定抵抗RA及びスパン温度補償用抵抗REの直列回路を挿入(接続)している。また、一方の出力端子TOUTとホイートストンブリッジのC点の間にゼロ点温度補償用抵抗RFが接続され、他方の出力端子TOUTとホイートストンブリッジのD点の間にゼロ点温度補償用抵抗RGが接続されている。
【0027】
また、ロードセル12の起歪体12aの支点部Sと起歪部12c−1、12c−2、12d−1、12d−2の間の面には、図3に示すように電子部品を実装した基板20が密着して設けられている。この基板20には図5に示すように、粗調整用固定抵抗RAを装着する粗調整抵抗装着部20−1、中調整用固定抵抗RBを装着する中調整抵抗装着部20−2、微調整用固定抵抗RCを装着する微調整抵抗装着部20−3を設け、更にスパン温度補償用抵抗RD及びスパン温度補償用抵抗REを装着するスパン温度補償用抵抗装着部20−4、20−5、ゼロ点温度補償用抵抗RF及びゼロ点温度補償用抵抗RGを装着するゼロ点温度補償用抵抗装着部20−6〜8が設けられている。
【0028】
上記構成のロードセル12において、粗調整用固定抵抗RAは抵抗値が等間隔になるように予め複数個用意し、中調整用固定抵抗RBは粗調整用固定抵抗RAの一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意し、微調整用固定抵抗RCは中調整用固定抵抗RBの一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意し、ロードセル12の出力を測定し、該測定結果に応じて複数の粗調整用固定抵抗RA、中調整用固定抵抗RB、微調整用固定抵抗RCの中から所望の抵抗を選択し、該選択した抵抗をホイートストンブリッジ回路HBのA点及びB点と電圧端子TVINの間に挿入(接続)して行なう。以下、ロードセルの出力調整方法の手順を具体的に説明する。
【0029】
(手順1)
先ず、図3に示す起歪体12aの起歪部12c−1、12c−2、12d−1、12d−2の反対側の面に歪ゲージZ1、Z2、Z3、Z4を取り付け、支点部Sと起歪部12c−1、12c−2、12d−1、12d−2の間の面に基板20を密着させた構成のロードセル12を用意する。該基板20の粗調整抵抗装着部20−1に所定抵抗値を有する抵抗を装着し、中調整抵抗装着部20−2、微調整抵抗装着部20−3、スパン温度補償用抵抗装着部20−4、20−5及びゼロ点温度補償用抵抗装着部20−6〜20−8の端子間を短絡する。
【0030】
(手順2)
次に、上記ロードセル12を恒温槽に入れ、低温、常温、高温の各温度ごとに、無荷重、中間荷重、最大荷重等の荷重ごとにロードセル12の出力VOUTを測定する。
【0031】
(手順3)
上記手順2で測定した出力VOUTの温度特性に応じて、ゼロ点温度補償用抵抗RF、RGやスパン温度補償用抵抗RD、REを選択し、基板20のゼロ点温度補償用抵抗装着部20−6〜8に装着する。但し、スパン温度補償用抵抗REは予め決めてある所定の抵抗値のものでもよく、またスパン温度補償用抵抗RDも歪ゲージZ1〜Z4の種類が同じであれば、スパン出力の温度特性は略一定しており、該スパン温度補償用抵抗RDも例外を除いて予め決めたものでもよい。調整後、確認が必要であれば、上記手順2に戻って出力を測定する。
【0032】
(手順4)
常温で最大荷重でのスパン出力を測定する。
【0033】
(手順5)
歪ゲージZ1〜Z4に抵抗値R=2.5kΩのものを使用するものとし、スパン温度補償用抵抗RD、REは予め決まっているから、出力調整用抵抗(粗調整用固定抵抗RA、中調整用固定抵抗RB、微調整用固定抵抗RC)を挿入することによるロードセル12の出力温度特性の劣化を防ぐための出力調整抵抗の特性はその抵抗値によって決まる。そのため、予め用意する粗調整用固定抵抗RAは同じ抵抗値では一種類の温度特性のものを用意すれば足りる。
【0034】
そして、予め用意する粗調整用固定抵抗RAの抵抗値RRAの種類は20Ωから20Ωごとに200Ωまでの10種類の抵抗値とし(ここでは2個の抵抗を並列に接続して20Ωごと200Ωまでの抵抗値を得ている)、中調整用固定抵抗RBの抵抗値RRBは1Ωから始まり、1Ωごとに20Ωまでの20種類の抵抗値とし、微調整用固定抵抗RCの抵抗値RRCは0.1から始まり0.1Ωごと1Ωまでの10種類の抵抗値とし、計40種類の抵抗値を有する調整用固定抵抗を用意する。
【0035】
また、ロードセル12の作成時には、上記出力調整用抵抗の挿入のみでスパン出力の調整ができるように他の部品の値を設定しておく。そして上記手順4にて最大荷重でのスパン出力値から目標スパン値に調整するスパン値は、
Figure 2005003487
の関係にある。
【0036】
ここで、
ZGSM=R+RRD+RRE+(RRA0+RRB0+RRC0
ZG=R+RRD+RRE
である。但し、Rは歪ゲージZの抵抗値(ホイートストンブリッジ回路HBの抵抗値)、RRD、RREはそれぞれスパン温度補償用抵抗RD、REの抵抗値、RRA0、RRB0、RRC0はそれぞれロードセル12の作成時に接続される粗調整用固定抵抗RA、中調整用固定抵抗RB、微調整用固定抵抗RCの抵抗値である。
【0037】
そして、RRD=30Ω(CTNという仕様のニッケル系合金3600PPM))、RRE=50Ω(CTPという仕様の白金系合金3500PPM)、標準スパン(カウント値)=30000、調整スパン=30200(カウント値)、RRA0=47Ω、RRB0=0Ω、RRC0=0Ω、R=2500Ωとすると、出力調整抵抗値は上記(1)式から64.5Ωとなる。
【0038】
(手順6)
上記のように出力調整抵抗値は64.5Ωであるから、粗調整用固定抵抗RAとして抵抗値RRA=60Ω、中調整用固定抵抗RBとして抵抗値RRB=4Ω、微調整用固定抵抗RCとしての抵抗値RRC=0.5Ωのものを選択し、それぞれ基板20の粗調整抵抗装着部20−1、中調整用抵抗装着部20−2、微調整抵抗装着部20−3に装着する(但し、粗調整抵抗装着部20−1には予め抵抗値RRA0=47Ωの固定抵抗が接続されているから、これと入れ替える)。
【0039】
(手順7)
上記手順4と同様に常温にて、出力測定を行い、確認する。ここでは目標スパンとの誤差は1以内となる。これでロードセル12の出力調整が完了する。
【0040】
図6は本発明に係る秤の一部切欠平面図、図7は図6のA−A断面図である。
図示するようにこの秤10は秤量皿11の四隅にそれぞれロードセル12−1〜12−4を配置した構成である。平板状ロードセル12−1〜12−4はそれぞれその支点側がブラケット13を介して秤量皿11の上板11−1の四隅に固定され、荷重点側はブラケット14を介して支柱15に固定されている。更に各支柱15の下端は支持台16に枢着され、各支持台16はベース17に載置される。
【0041】
秤量皿11は上板11−1と下板11−2からなり、下板11−2には厚さ方向にリブ11−2aが格子状に設けられ、上板11−1は該下板11−2のリブ11−2aに支持されるように覆い被さっている。このように下板11−2の厚さ方向に格子状にリブ11−2aを設けることにより、秤量皿11の剛性が向上する。支柱15は下板11−2の対角線上の所定位置に設けられた支柱貫通孔11−2bを貫通して下方に延びている。
【0042】
図8は平板状ロードセル12−1の取付部の詳細を示す図である。平板状ロードセル12−1の支点側は秤量皿11の上板の角部近傍に固定されたボルト13a付きのブラケット13にナット18で締付け固定されている。また、平板状ロードセル12−1の荷重点側は、L字状のブラケット14の垂直に配置されたアーム部14aの端部にビスで固定されている。このブラケット14の水平に配置されたアーム14bは平板状ロードセル12−1の中心部に向かって延び、その端部が支柱15の上端にビスで固定されている。図示は省略するが、平板状ロードセル12−2〜12−4のそれぞれの取付部も同様な構成となっている。
【0043】
上記のように出力調整方法で調整した4個のロードセル12−1〜12−4で秤量皿11を支持し、各ロードセル12−1〜12−4のホイートストンブリッジ回路HB1〜HB4の出力を図9に示すように並列和算して、出力端子TOUT、TOUTから出力VOUTを出力するように構成することにより、四隅誤差が生じない秤となる。また、市場でのロードセルの交換作業が簡単にできる。
【0044】
なお、上記例ではロードセル12、ロードセル12−1〜12−4に平板状の起歪体12aを採用する平板状ロードセルを用いる例を示したが、本発明に係るロードセルはこれに限定されるものではない。例えば、平行ビームを上下に配置した構成の起歪体を有するロードセルでもよい。また、上記例では歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路としてホイートストンブリッジ回路を用いる例を示したが、変換回路はこれに限定されるものではなく、歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換できる変換回路であればどのようなものでもよい。
【0045】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0047】
請求項1に記載の発明によれば、ロードセルの出力測定結果に応じて複数の粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の中から所望の抵抗を選択し、選択した抵抗を変換回路と電圧端子の間に挿入して出力を調整するので、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがないロードセルの出力調整方法を提供できる。また、出力調整用抵抗を、粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗とすることにより、用意する調整用固定抵抗の抵抗値種類を減らすことが可能となる。
【0048】
請求項2に記載の発明によれば、複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成する秤におけるロードセル出力調整方法に、請求項1に記載のロードセルの出力調整方法を採用することにより、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがなく、用意する調整用固定抵抗の種類を減らすことが可能となるロードセルの出力調整方法を提供できる。
【0049】
請求項3に記載の発明によれば、粗調整用固定抵抗は抵抗値が等間隔になるように、中調整用固定抵抗は粗調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように、微調整用固定抵抗は前記中調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように、それぞれ予め複数個用意することにより、少ない抵抗値種類の出力調整用固定抵抗で高い精度の出力調整ができるロードセルの出力調整方法を提供できる。また、小売店等で使用する秤のロードセルの出力調整に好適に適用できる。
【0050】
請求項4に記載の発明によれば、変換回路と電圧端子の間に挿入した出力調整用抵抗が粗調整用固定抵抗と中調整用固定抵抗と微調整用固定抵抗からなるので、可変抵抗が不要となり、ロードセルの回路を構成する電子部品を実装する基板の小型化が可能で、出力調整値が衝撃等で変化することがなく、用意する調整用固定抵抗の種類を減らすことが可能となるロードセルを提供できる。
【0051】
請求項5に記載の発明によれば、基板に粗調整抵抗装着部、中調整抵抗装着部、微調整抵抗装着部を具備する基板を設けたことにより、粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の装着が容易となるロードセルを提供できる。また、基板に可変抵抗を実装しないから、基板を小型化できる。
【0052】
請求項6に記載の発明によれば、基板が小型化できることから、基板をロードセルの起歪体により密着させて設けることができ、出力調整用固定抵抗を実装した該基板に感温抵抗を設けたことにより、温度による出力誤差をより正確に相殺できるロードセルを提供できる。
【0053】
請求項7に記載の発明によれば、各出力調整用抵抗は小型の固定抵抗であるから、これを実装する基板も小型にでき、該小型の基板を平板状起歪体の支点部と起歪部との間の面に密着して設けたことにより、感温抵抗の温度補償を更に精密に行なうことができるロードセルを提供できる。
【0054】
請求項8に記載の発明によれば、複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成した秤に請求項4乃至7のいずれか1項に記載のロードセルを用いるので、秤の四隅誤差が生じない。そのため市場でのロードセルの交換作業が簡単にできる秤を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のロードセルの出力回路の構成例を示す図である。
【図2】従来の複数ロードセルを用いた秤の出力回路の構成例を示す図である。
【図3】本発明に係るロードセルの構成例を示す図である。
【図4】本発明に係るロードセルの出力回路の構成例を示す図である。
【図5】本発明に係るロードセルに用いる基板の構成例を示す図である。
【図6】本発明に係る秤の一部切欠平面図である、
【図7】図6のA−A断面図である。
【図8】本発明に係る秤のロードセルの取付部の構成例を示す図である。
【図9】本発明に係る秤の出力回路の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10 秤
11 秤量皿
12 ロードセル
13 ブラケット
14 ブラケット
15 支柱
16 支持台
17 ベース
18 ナット
20 基板

Claims (8)

  1. 起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込んだ構成のロードセルの、該変換回路と該変換回路に電圧を印加する電圧端子の間に挿入した出力調整用抵抗の抵抗値を調整して該変換回路の出力を調整するロードセルの出力調整方法であって、
    前記調整抵抗としてそれぞれ抵抗値の異なる複数の粗調整用固定抵抗と、中調整用固定抵抗と、微調整用固定抵抗を用意し、
    前記ロードセルの出力を測定し、
    前記測定結果に応じて前記複数の粗調整用固定抵抗、中調整用固定抵抗、微調整用固定抵抗の中から所望の抵抗を選択し、
    前記選択した抵抗を前記変換回路と前記電圧端子の間に挿入することを特徴とするロードセルの出力調整方法。
  2. 起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込んだ構成の複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成する秤におけるロードセルの出力調整方法において、
    前記各ロードセルの出力調整方法に請求項1に記載のロードセルの出力調整方法を採用することを特徴とするロードセルの出力調整方法。
  3. 請求項1又は2に記載のロードセルの出力調整方法において、前記粗調整用固定抵抗は抵抗値が等間隔になるように予め複数個用意し、前記中調整用固定抵抗は前記粗調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意し、前記微調整用固定抵抗は前記中調整用固定抵抗の一つの抵抗値間隔を等間隔になるように予め複数個用意したことを特徴とするロードセルの出力調整方法。
  4. 起歪体を具備し、該起歪体の起歪部に取り付けた歪ゲージを該歪ゲージの抵抗値変化を電気信号に変換する変換回路に組み込み、該変換回路と該変換回路に電圧を印加する電圧端子の間に出力調整用抵抗を挿入した構成のロードセルであって、
    前記出力調整用抵抗が粗調整用固定抵抗と、中調整用固定抵抗と、微調整用固定抵抗からなることを特徴とするロードセル。
  5. 請求項4に記載のロードセルにおいて、
    電子部品を実装する基板を具備し、該基板に前記粗調整用固定抵抗を装着する粗調整抵抗装着部と、前記中調整用固定抵抗を装着する中調整抵抗装着部と、前記微調整用固定抵抗を装着する微調整抵抗装着部を設けたことを特徴とするロードセル。
  6. 請求項5に記載のロードセルにおいて、
    前記基板にはロードセルの温度による出力誤差を相殺する係数を有する感温抵抗を設けたことを特徴とするロードセル。
  7. 請求項5又は6に記載のロードセルにおいて、
    前記ロードセルの前記起歪体は、支点部と起歪部と重点部とを平面に配置した平板状起歪体であり、前記基板は前記平板状起歪体の支点部と起歪部との間の面に密着して設けたことを特徴とするロードセル。
  8. 請求項4乃至7のいずれか1項に記載のロードセルを複数個具備し、該複数のロードセルで計量台を支持し、各ロードセルの出力を並列和算して構成したことを特徴とする秤。
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