JP2005003144A - ラック軸及びラックピニオン式操舵装置 - Google Patents

ラック軸及びラックピニオン式操舵装置 Download PDF

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JP2005003144A JP2003168887A JP2003168887A JP2005003144A JP 2005003144 A JP2005003144 A JP 2005003144A JP 2003168887 A JP2003168887 A JP 2003168887A JP 2003168887 A JP2003168887 A JP 2003168887A JP 2005003144 A JP2005003144 A JP 2005003144A
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学泰 山崎
Shiro Nakano
史郎 中野
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【課題】切削加工により形成されたラック歯に対する簡易な後処理により、ピニオン歯との干渉を有効に防止することができ、耐久性の向上を図り得るラック軸を提供し、このラック軸を用いたラックピニオン式操舵装置を提供する。
【解決手段】ラック軸1の外面に対する切削加工により軸長方向に並ぶラック歯の歯形3a,3a…を形成した後、これらの歯形3a,3a…の歯先部分の厚さ方向両側のエッジ3b,3b…と、歯すじ方向の両端に現れる歯形形状のエッジ3c,3cとに対して面取り処理を実施し、エッジ3b,3cのうち、少なくとも歯先側のエッジ3bに適宜の丸みを有する面取り部3dを形成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、外面の軸長方向に複数のラック歯を並設してなるラック軸、及びこのラック軸を用いてなるラックピニオン式操舵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用の操舵装置として広く用いられているラックピニオン式操舵装置は、ステアリングホイール等の操舵部材に連結され、周面にピニオン歯が設けられたピニオン軸と、車体の左右方向に延設され、その中途部外面に適長に亘ってラック歯が並設されたラック軸とを備えてなり、運転者による操舵部材の操作に応じた前記ピニオン軸の回転を前記ラック軸の軸長方向の移動に変換し、該ラック軸の左右両端に各別のタイロッドを介して連結された操舵用の車輪(一般的には左右の前輪)を操舵せしめる構成となっている。
【0003】
このようなラックピニオン式操舵装置において、ピニオン軸に設けられるピニオン歯、及びラック軸に設けられるラック歯は、高い噛み合い精度を得るべく、歯切り盤、ブローチ盤等の工作機械を用いた切削加工により一般的に形成されており、多くの場合、表面硬さを増して耐久性の向上を図るべく、歯面の熱処理が実施されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、ピニオン軸に設けられるピニオン歯、及びラック軸に設けられるラック歯の歯諸元(モジュール、歯数、圧力角)は、ピニオン軸の一回転当たりのラック軸の移動量(ストロークレシオ)により拘束されるピニオン軸の円周上において、要求される負荷条件に耐え得る強度を確保すべく決定されており、一般的なストロークレシオの下でのピニオン歯の歯諸元は、JIS(日本工業規格)において規定されている標準的な圧力角(=20°)を採用した場合、モジュールが2.5前後、歯数が5枚となる。
【0005】
ところが、以上の如き大嵩で少数のピニオン歯を備えるピニオン軸をラック軸に設けられたラック歯と噛合させた場合、特に、噛合中心の前後における歯当たり境界部において、ピニオン歯とラック歯との干渉が避け難く、種々の不具合が発生するという問題がある。このような問題に対し従来においては、特殊な歯諸元を採用し(例えば、特許文献2参照)、また種々の形態での歯形状の修正を行って対応している。
【0006】
【特許文献1】
特公平8−25462号公報
【特許文献2】
特公昭62−38579号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記特許文献1には、共に斜歯として形成されたピニオン歯及びラック歯の噛合部においてラック軸の軸回りの回動変位に伴ってピニオン歯との間に発生する食い付き現象を防止することを目的とし、ラック歯の捩れ角及び圧力角をラック軸の断面形状との関係から選定する方法が示されているに過ぎず、ラック歯とピニオン歯との干渉、特に、歯当り境界部において、ラック歯の歯先がピニオン歯の歯元をえぐるように発生する干渉を有効に防止することはできず、ピニオン歯の歯元部に偏摩耗が発生し、耐久性の低下を引き起こすという問題があった。
【0008】
また、ラック歯とピニオン歯との干渉部における噛み合い摩擦がピニオン軸に連なる操舵部材を操作する運転者に体感されることとなり、更に、操舵部材とピニオン軸とを連絡するコラム軸の中途に操舵補助用のモータを備え、該モータの回転力を前記ピニオン軸に伝えて、該ピニオン軸の回転に応じて前述の如くなされる操舵を補助する構成としたコラムアシスト式の電動パワーステアリング装置においては、前記モータの回転がピニオン軸をを介してラック軸に伝えられる際の応答性が前記噛み合い摩擦の影響により悪化する結果、操舵感の悪化を招来するという問題があった。
【0009】
これに対し歯形状の修正は、適切な修正がなされた場合、所望の干渉防止効果を得ることができ、噛み合い摩擦の影響による操舵感の悪化を防止することが可能とあるが、このような歯形状の修正のために多くの工数を要し、製品コストの増大を招くという問題があり、更に、大幅な歯形状の修正が行われた場合、ピニオン歯及びラック歯自体の強度低下を招来し、耐久性が低下する虞れもある。
【0010】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、切削加工により形成されたラック歯に対する簡易な後処理の実施により、ピニオン歯との干渉を有効に防止することができ、耐久性の向上を図り得るラック軸を提供し、このラック軸の使用により、滑らかで良好な操舵感が得られるラックピニオン式操舵装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係るラック軸は、切削加工により形成された複数のラック歯が、外面の軸長方向に並設してあるラック軸において、前記ラック歯の少なくとも歯先側のエッジ部に、歯すじ方向の全長に亘って設けられた面取り部を備えることを特徴とする。
【0012】
本発明においては、切削加工によりラック歯を形成した後、歯先部の歯厚方向両側に角を有して形成されているエッジ部に、歯すじの方向の全長に亘って面取りを施し、ラック歯の歯先がピニオン歯の歯元をえぐるように生じる干渉を面取り部の作用により有効に防止し、ピニオン歯との噛み合い摩擦を軽減し、偏摩耗の発生を防止して耐久性の向上を図る。このような面取り部は、例えば、ダイヤモンド粉を含有するナイロン樹脂製のブラシ毛を備える回転ブラシを用い、切削加工後のラック歯に摺接させて、ダイヤモンド粉の作用によりエッジ部の角を集中的に除去する簡易な手順により形成することができる。
【0013】
本発明の第2発明に係るラック軸は、第1発明における面取り部を形成するための面取り処理が、前記ラック歯の歯面の熱処理前になされていることを特徴とし、また本発明の第3発明に係るラック軸は、第1発明における面取り部を形成するための面取り処理が、前記ラック歯の歯面の熱処理後になされていることを特徴とする。
【0014】
第2発明においては、ラック歯の歯面の熱処理前に面取り処理を実施し、短時間での処理を可能とすると共に、熱処理時の応力集中によるエッジ部の焼き割れの発生を緩和し、不良品の発生を防止する。また第3発明においては、ラック歯の歯面の熱処理後に面取り処理を実施し、熱処理工程中に歯面に生成されるスケールを同時に除去して工程の簡素化を図る。
【0015】
更に、本発明の第4発明に係るラックピニオン式操舵装置は、操舵部材に連結されたピニオン軸の周面に設けたピニオン歯を、操舵のために軸長方向に移動するラック軸の一部に設けたラック歯に噛合させてなり、前記操舵部材の操作に応じた前記ピニオン軸の回転を前記ラック軸の軸長方向の移動に変換して操舵を行わせる構成としたラックピニオン式操舵装置において、前記ラック軸として、第1〜第3発明のいずれかのラック軸を用いてあることを特徴とする。
【0016】
この発明においては、歯先側のエッジ部に面取りを施し、ピニオン歯との干渉を軽減したラック歯を備えるラック軸をラックピニオン式操舵装置のラック軸として用い、ピニオン歯の耐久性を向上すると共に、ラック歯とピニオン歯との噛み合い摩擦の影響による操舵感の悪化を防止し、滑らかで良好な操舵感を長期に亘って実現する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係るラック軸を備えるラックピニオン式操舵装置の全体構成を示す模式図である。図中1はラック軸であり、該ラック軸1は、円筒形をなすラックハウジング10の内部に軸長方向への移動自在に支持され、図示しない車体の左右方向に延設されている。ラックハウジング10の両側に突出するラック軸1の両端は、操舵用の車輪としての左右の前輪11,11のナックルアーム12,12に、各別のタイロッド13,13を介して連結されている。
【0018】
またラックハウジング10の一側端部近傍には、これと軸心を交叉させてピニオンハウジング20が連設されており、該ピニオンハウジング20の内部には、軸回りでの回転自在にピニオン軸2が支持されている。ピニオン軸2の一部は、ピニオンハウジング20の上方に適長突出させてあり、この突出端は、コラム軸21を介して操舵部材としてのステアリングホイール22に連結されている。
【0019】
ピニオンハウジング20の内部に延設されたピニオン軸2の下半部は、適長に亘って大径化され、この大径部の外周面にピニオン歯4が形成されている。またラックハウジング10の内部に支持されたラック軸1の外面には、ピニオン軸2との対向部を含めた適長に亘ってラック歯3が形成されており、このラック歯3は、ピニオン軸2の周面に設けられたピニオン歯4に噛合させてある。
【0020】
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール22が回転操作された場合、該ステアリングホイール22にコラム軸21を介して連結されたピニオン軸2が回転し、この回転が、ピニオン歯4とラック歯3との噛合部においてラック軸1の軸長方向の移動に変換されてラック軸1が左右両方向に移動する。
【0021】
このように生じるラック軸1の移動は、該ラック軸1の両端に連結されたタイロッド13,13を介して左右のナックルアーム12,12に伝達され、これらのナックルアーム12,12の押し引きにより左右の前輪11,11が、ステアリングホイール22の操作方向に、操作量に対応する角度となるまで転舵されて操舵がなされる。
【0022】
なお本図に示すラックピニオン式操舵装置は、以上の如く行われる操舵を補助するモータ5を備える電動パワーステアリング装置として構成されている。操舵補助用のモータ5は、コラム軸21を支持する円筒形をなすコラムハウジング23の下端部近傍の外周に、内部のコラム軸21と略直交するように取付けられ、該モータ5の回転は、コラムハウジング23の内側に構成された図示しないウォームギヤ減速装置を介してコラム軸21に伝達されるようになしてある。またコラムハウジング23の内部には、コラム軸21に加わる回転トルク(操舵トルク)を検出するトルク検出装置24が、モータ5の取付け部よりも上位置に構成されており、該トルク検出装置24により検出される操舵トルクは、操舵補助用のモータ5の駆動制御に用いられている。
【0023】
以上の構成により、ステアリングホイール22が回転操作された場合、これに伴ってコラム軸21に加わる操舵トルクがトルク検出装置24により検出され、この検出トルクに基づいて駆動制御される操舵補助用のモータ5の回転力がコラム軸21に加わり、該コラム軸21からピニオン軸2に伝達されて、ラック軸1に軸長方向の移動力が付加されることとなり、この移動により前述の如くなされる操舵が補助される。
【0024】
以上の如く構成されたラックピニオン式操舵装置に備えられた本発明に係るラック軸1の特徴は、ピニオン軸2のピニオン歯4に噛合するラック歯3の形成態様にある。
【0025】
図2は、ラック歯3とピニオン歯4との噛合部の横断面図である。ラック歯3及びピニオン歯4の歯諸元は、ラック軸1に要求されるストロークレシオによって定まるピニオン軸2の円周上に並ぶピニオン歯4が、前述の如く負荷されるステアリングホイール22の操作力及びモータ5の回転力に耐え得る強度を有するように決定されている。図2においては、ピニオン軸2の円周上に5枚のピニオン歯4,4…が並設されており、これらが、ピニオン軸2の回転に応じて周方向位置を変え、ラック軸1の外面に軸長方向に並設されたラック歯3,3…に順次噛合するようになしてある。
【0026】
図3は、ラック軸1の外面に並ぶラック歯3,3…の形成態様を示す斜視図である。図示の如く円形断面を有するラック軸1の外面には、移動ストロークに対応する軸方向長さに亘って適幅に平坦化された平坦面30が設けてあり、ラック歯3,3…は、歯切り盤、ブローチ盤等の平削りが可能な工作機械を用いて前記平坦面30を切削加工し、図3(a)に示す如く歯形3a,3a…を形成した後、これらの歯形3a,3a…に対して後述する面取り処理を行って、図3(b)に示す如く、ラック軸1の軸長方向と直交する方向に対して所定角度傾斜する斜歯として形成されている。なお歯形3a,3a…は、前述した切削加工の後に研磨仕上げされたものであってもよい。
【0027】
以上の如き切削加工により得られる歯形3a,3a…は、図3(a)に示す如く、歯先の厚さ方向両側のエッジ3b,3b…、及び歯すじ方向の両端に現れる歯形形状のエッジ3c,3cの夫々が角を有している。面取り処理は、これらのエッジ3b,3cのうち、少なくとも歯先側のエッジ3bに適宜の丸みを有する面取り部3dを形成すべく、例えば、以下の如く実施されている。
【0028】
図4は、面取り処理の実施手順の一例を示す斜視図である。本図における面取り処理は、回転軸60の周面に多数のブラシ毛61,61…が植設された回転ブラシ6を用いて行われる。ブラシ毛61,61…は、ダイヤモンド粉等の高硬度の研磨粉を含侵させたナイロン樹脂製の毛であり、回転軸60の軸長方向に適宜の長さ範囲に亘って、周面から径方向外向きに突出するように植設されている。
【0029】
このように構成された回転ブラシ6による面取り処理は、該回転ブラシ6を、図示の如く、ラック軸1の軸長方向に沿って歯形3a,3a…の形成面に対向するように位置決めした後、図示しない回転駆動源から回転軸60への伝動により矢符にて示す如く回転させると共に、白抜矢符により示す如くラック軸1に接近する向きに移動させ、更に、ラック軸1の軸長方向及び歯形3a,3a…の幅方向に移動させて、回転軸60に植設されたブラシ毛61,61…の夫々を各歯形3a,3a…の全面に連続的に接触せしめてなされる。
【0030】
このとき、夫々のブラシ毛61,61…に含まれる研磨粉は、各歯形3a,3a…のエッジ3b,3b…及びエッジ3c,3cの角部に対しては強く作用し、これらの角部は、研磨粉の作用により研磨されて面取りされるが、各歯形3a,3a…の平坦な歯面に対しては、ナイロン樹脂製のブラシ毛61,61…が撓みを伴って摺接するため、各ブラシ毛61,61…に含まれる研磨粉の作用は弱く、切削加工により高精度に形成された各歯形3a,3a…の歯形状は、実質的に変化することなく維持される。
【0031】
以上の如き面取り処理により、各エッジ3b,3cに面取り部3dが設けられたラック歯3,3…が、図3(b)に示す如く形成される。この面取り処理は、ラック軸1の外面に形成された歯形3a,3a…に回転ブラシ6を接触させるという簡易な手順により実施することができ、また回転ブラシ6による研磨量は、研磨が進行し、各エッジ3b,3cの角部が平坦化されるに従って平衡するから、処理時間の正確な管理は不要である。
【0032】
なお、回転ブラシ6に植設されたダイヤモンド粉を含侵させたナイロン樹脂製のブラシ毛61,61…は、例えば、各種の鋳物のバリ取りのために用いられるブラシに使用されているものであり、この種のブラシを用いた手作業により面取り部3dを形成してもよく、また、他の手段により面取り部3dを形成してもよいが、前述した回転ブラシ6を使用することにより、ラック歯3,3…の歯形状に影響を及ぼすことなく高能率での面取り処理が可能となる。
【0033】
このようにラック歯3,3…に設けられた面取り部3dは、図2に示す如き噛合状態において、ラック歯3,3…の歯先部とピニオン歯4,4…の歯元部との間に隙間を生ぜしめ、両者の干渉を有効に防止する作用をなす。このような干渉防止により、ピニオン歯4,4…の噛み合い摩擦を軽減することができ、ピニオン軸2からコラム軸21を介してステアリングホイール22に伝わるフリクション感が低減され、良好な操舵感を実現することができる。更に、干渉回避のためのピニオン歯4,4…の歯形及び歯すじの修正量を小さくすることができ、ピニオン歯4,4…の強度及び耐久性の向上を図ることができる。
【0034】
以上の干渉防止作用は、切削加工により得られる歯形3a,3a…の歯先側のエッジ3b,3b…に設けられた面取り部3dにより実現されるものであり、歯すじ方向の両端のエッジ3c,3cに設けられる面取り部3dは必須の要件ではないが、この面取り部3dは、前述した面取り処理によって必然的に形成される上、例えば、ラック軸1の組み付け段階において、各部との衝突によるエッジ3cの割れ及び欠けの発生を未然に防止する作用をなすため、図3に示す如く、歯先側のエッジ3b,3b…の面取り部3dと共に形成するのが望ましい。
【0035】
なお前述した面取り処理は、表面硬さの増大により耐久性の向上を図るべく、ラック歯3,3…の歯面に対して熱処理が実施される場合、この熱処理の前後のいずれにおいて実施してもよい。熱処理前に面取り処理を行った場合、処理時間を短くすることができる上、熱処理工程中の応力集中に起因するエッジ3b,3b…及びエッジ3c周辺の割れ、所謂、焼き割れの発生を防止することができるという付加的な効果が得られる。また、熱処理後に面取り処理を行った場合、処理時間は長くなるが、熱処理によって歯面に生成されたスケールを、面取りと同時に除去することができるという付加的な効果が得られる。
【0036】
なお以上の実施の形態においては、操舵部材とピニオン軸との間に操舵補助用のモータを備え、このモータの回転力をピニオン軸に伝えて、該ピニオン軸の回転に応じてなされる操舵を補助する電動パワーステアリング装置、所謂、コラムアシスト式の電動パワーステアリング装置として構成されたラックピニオン式操舵装置への適用例について説明したが、本発明に係るラック軸1は、他の形式の電動パワーステアリング装置として構成されたラックピニオン式操舵装置に適用してもよく、また、ステアリングホイール22に運転者により加えられる操舵トルクのみによって操舵を行わせるマニュアル式の操舵装置として構成されたラックピニオン式操舵装置、更には、ラックハウジング10の中途に設けた油圧シリンダの発生力をラック軸1に加えて操舵を補助する油圧パワーステアリング装置として構成されたラックピニオン式操舵装置への適用も可能であることは言うまでもない。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係るラック軸においては、ラック歯の歯先側のエッジ部に面取りを施す簡易な処理によりピニオン歯との噛合部における干渉を軽減することができ、ピニオン歯の偏摩耗による耐久性の低下を防止し、またピニオン歯との滑らかな噛合を実現することができ、また本発明に係るラックピニオン式操舵装置においては、ラック歯とピニオン歯との噛み合い摩擦の影響を排除して、滑らかで良好な操舵感を安定して実現することが可能となる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るラック軸を備えるラックピニオン式操舵装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】ラック歯とピニオン歯との噛合部の横断面図である。
【図3】ラック軸の外面に並ぶラック歯の形成態様を示す斜視図である。
【図4】面取り処理の実施手順の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ラック軸
2 ピニオン軸
3 ラック歯
3b エッジ
3d 面取り部
4 ピニオン歯
22 ステアリングホイール(操舵部材)

Claims (4)

  1. 切削加工により形成された複数のラック歯が、外面の軸長方向に並設してあるラック軸において、
    前記ラック歯の少なくとも歯先側のエッジ部に、歯すじ方向の全長に亘って設けられた面取り部を備えることを特徴とするラック軸。
  2. 前記面取り部を形成するための面取り処理は、前記ラック歯の歯面の熱処理前になされている請求項1記載のラック軸。
  3. 前記面取り部を形成するための面取り処理は、前記ラック歯の歯面の熱処理後になされている請求項1記載のラック軸。
  4. 操舵部材に連結されたピニオン軸の周面に設けたピニオン歯を、操舵のために軸長方向に移動するラック軸の一部に設けたラック歯に噛合させてなり、前記操舵部材の操作に応じた前記ピニオン軸の回転を前記ラック軸の軸長方向の移動に変換して操舵を行わせる構成としたラックピニオン式操舵装置において、
    前記ラック軸として、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のラック軸を用いてあることを特徴とするラックピニオン式操舵装置。
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