JP2005003102A - 直動案内装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことのできる直動案内装置を提供する。
【解決手段】転動体戻し路21aの長さをL1、転動体方向転換路20の底までの距離をR、スライダ側軌道溝19aの開口端から転動体すくい上げ部24の根元部までの距離をL2としたとき、転動体保持器22の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定する。
【選択図】 図3
【解決手段】転動体戻し路21aの長さをL1、転動体方向転換路20の底までの距離をR、スライダ側軌道溝19aの開口端から転動体すくい上げ部24の根元部までの距離をL2としたとき、転動体保持器22の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直線運動する物体をその移動方向に案内する機械部品として工作機械などで使用される直動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直線運動する物体(例えば直動テーブル等)をその移動方向に案内する機械部品として工作機械などで使用される直動案内装置は、案内レールと、この案内レールの側面と対向する内側面を左右に有するスライダ本体と、このスライダ本体の内側面に形成されたスライダ側軌道溝の開口端を閉塞する一対のエンドキャップとを備えており、スライダ本体及びエンドキャップで構成されるスライダが案内レールの長手方向に相対移動すると、これに伴って多数の転動体が案内レールの両側面に形成されたレール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動した後、エンドキャップに形成された転動体方向転換路を転動し、さらにスライダ側軌道溝と平行にスライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動するようになっている。
【0003】
また、このような直動案内装置は図8に示すような転動体保持器22を備えており、この転動体保持器22の長手方向両端に形成された係合片部26をエンドキャップ17(図9参照)の転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れて転動体がスライダから脱落するのを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した直動案内装置では、図10に示すように、スライダ本体16に形成された転動体戻し路21aの長さをL1、エンドキャップ17に形成された転動体方向転換路20の底までの距離をRとすると、転動体保持器22の長さL3がL1+2Rを越える長さとなっている。このため、スライダ本体にエンドキャップを取り付けた後では、転動体保持器を弓形に撓ませても転動体保持器の係合片部を転動体すくい上げ部の溝部に嵌め込むことができず、エンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行ってスライダを組立てねばならないため、スライダの組立に熟練した技能や多くの手間を要していた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことのできる直動案内装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記転動体戻し路の長さをL1、前記転動体方向転換路の底までの距離をR、前記スライダ側軌道溝の開口端から前記転動体すくい上げ部の根元部までの距離をL2としたとき、前記転動体保持器の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定したことを特徴とする。
【0006】
このような構成によると、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部に形成される溝部の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
【0007】
請求項2の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記係合片部の厚さを前記転動体保持器の厚さよりも小さくしたことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、転動体すくい上げ部に形成される溝部の幅が従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度をより高めることができる。
【0008】
請求項3の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記転動体保持器の係合片部を前記転動体すくい上げ部の先端より外側で前記案内レールのレール幅を越えない位置に配置したことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部に形成される溝部の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置の一部断面平面図、図2は同実施形態に係る直動案内装置の一部断面正面図であり、図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る直動案内装置は、案内レール11と、この案内レール11の長手方向に相対移動するスライダ12と、このスライダ12に組み込まれた多数の転動体13とを備えている。
【0010】
案内レール11はその高さ方向に貫通する複数のボルト挿通孔14を有しており、案内レール11の下面はボルト挿通孔14を挿通するボルトによって例えば工作機械の基台等に固定されるようになっている。また、案内レール11はその左右両側面の中央部と上端部にレール側軌道溝15a,15b(図2参照)を有しており、これらのレール側軌道溝15a,15bは案内レール11の長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されている。
【0011】
スライダ12は案内レール11の側面と対向する内側面を左右に有するスライダ本体16と、このスライダ本体16に取り付けられた一対のエンドキャップ17とからなり、スライダ本体16の上面には、図示しない止めネジによりスライダ12を直線運動する物体に固定するためのネジ穴18が複数箇所に設けられている。またスライダ本体16の内側面中央部及び内側面上端部には、開口端をエンドキャップ17によって閉塞された直線状のスライダ側軌道溝19a,19b(図2参照)が形成されている。
【0012】
レール側軌道溝15a,15bおよびスライダ側軌道溝19a,19bは互いに対向しており、スライダ12が案内レール11の長手方向に相対移動すると、これに伴って転動体13がレール側軌道溝15a,15bとスライダ側軌道溝19a,19bとの間を転動した後、エンドキャップ17に所定の曲率半径で形成された転動体方向転換路20を転動し、さらにスライダ側軌道溝19a,19bと平行にスライダ本体16内に形成された直線状の転動体戻し路21a,21bを転動するようになっている。
【0013】
転動体13は球状に形成されており、レール側軌道溝15aとスライダ側軌道溝19aとの間を転動する転動体13は一対の転動体保持器22(図2参照)によりスライダ側に保持され、またレール側軌道溝15bとスライダ側軌道溝19bとの間を転動する転動体13は転動体保持器22(図2参照)によりスライダ側に保持されている。
【0014】
図3はスライダ12の一部分を示す図、図4は図3の部分拡大図であり、これらの図に示すように、エンドキャップ17には、レール側軌道溝15a,15bとスライダ側軌道溝19a,19bとの間を転動する転動体13を転動体方向転換路20に導入するための複数の転動体すくい上げ部24がエンドキャップ17と一体に樹脂で形成されている。
【0015】
転動体保持器22は、金属板を細長い棒状にプレス加工して形成されている。また、転動体保持器22は転動体すくい上げ部24に形成された溝部25(図4参照)に係合する係合片部26を長手方向両端に有している。この係合片部26は転動体すくい上げ部24の先端より外側で案内レール11のレール幅を越えない位置に配置されている。さらに、転動体保持器22は、図4に示すように、転動体戻し路21aの長さをL1、転動体方向転換路20の底までの距離をR、スライダ側軌道溝19aの開口端から転動体すくい上げ部24の根元部までの距離をL2とすると、その長さL3が(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定されている。
【0016】
図5は転動体保持器22をスライダ12に取り付ける場合の手順を示す図であり、同図に示すように、転動体保持器22をスライダ12に取り付ける場合は、スライダ本体16にエンドキャップ17,17を取り付け、転動体保持器22の一端を一方のエンドキャップ17の転動体方向転換路20の底部へ挿入した後、転動体保持器22の他端を他方のエンドキャップ17の転動体すくい上げ部24の隙間を通して転動体方向転換路20の底部へ挿入する。次に、転動体保持器22の長手方向に形成された係合片部26の一方を、転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れる。次に、転動体保持器22を弓形に撓ませた状態で残りの係合片部26を転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れることにより、図3のように転動体保持器22をスライダ12に取り付けることができる。
【0017】
上述のように、転動体保持器22の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定すると、スライダ本体16にエンドキャップ17,17を取り付けた後でも転動体保持器22の係合片部26を転動体すくい上げ部24の溝部25に嵌め込むことが可能となる。したがって、前述した従来例のように、スライダ12の組立時にエンドキャップ17の取付けと転動体保持器22の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダ12の組立を行うことができる。また、溝部25の大きさを小さくできるため、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0018】
また、転動体保持器22の係合片部26を転動体すくい上げ部24の先端より外側で案内レール11のレール幅を越えない位置に配置したことで、スライダ12の組立時にエンドキャップ17の取付けと転動体保持器22の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダ12の組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部24に形成される溝部25の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0019】
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示す図であり、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、溝部25に係合する係合片部26の厚さt1を転動体保持器22の厚さt2よりも薄くした点である。このように、係合片部26の厚さt1を転動体保持器22の厚さt2よりも薄くすることにより、転動体すくい上げ部24に形成される溝部25の幅を小さくできるため、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び3の発明によれば、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、溝部の大きさを小さくできるため、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、転動体すくい上げ部に形成される溝部の幅を小さくできるため、転動体すくい上げ部の強度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置の一部断面平面図である。
【図2】図1に示す直動案内装置の一部断面正面図である。
【図3】図1に示すスライダの部分断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図3の転動体保持器をスライダに取り付ける場合の手順を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る直動案内装置の部分断面図である。
【図7】図6の転動体保持器の一部を示す図である。
【図8】従来の直動案内装置の転動体保持器を示す図である。
【図9】従来の直動案内装置の部分断面図である。
【図10】エンドキャップの斜視図である。
【符号の説明】
11 案内レール
12 スライダ
13 転動体
15a,15b レール側軌道溝
16 スライダ本体
17 エンドキャップ
19a,19b スライダ側軌道溝
20 転動体方向転換路
21a,21b 転動体戻し路
22 転動体保持器
24 転動体すくい上げ部
25 溝部
26 係合片部
【発明の属する技術分野】
本発明は、直線運動する物体をその移動方向に案内する機械部品として工作機械などで使用される直動案内装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
直線運動する物体(例えば直動テーブル等)をその移動方向に案内する機械部品として工作機械などで使用される直動案内装置は、案内レールと、この案内レールの側面と対向する内側面を左右に有するスライダ本体と、このスライダ本体の内側面に形成されたスライダ側軌道溝の開口端を閉塞する一対のエンドキャップとを備えており、スライダ本体及びエンドキャップで構成されるスライダが案内レールの長手方向に相対移動すると、これに伴って多数の転動体が案内レールの両側面に形成されたレール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動した後、エンドキャップに形成された転動体方向転換路を転動し、さらにスライダ側軌道溝と平行にスライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動するようになっている。
【0003】
また、このような直動案内装置は図8に示すような転動体保持器22を備えており、この転動体保持器22の長手方向両端に形成された係合片部26をエンドキャップ17(図9参照)の転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れて転動体がスライダから脱落するのを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した直動案内装置では、図10に示すように、スライダ本体16に形成された転動体戻し路21aの長さをL1、エンドキャップ17に形成された転動体方向転換路20の底までの距離をRとすると、転動体保持器22の長さL3がL1+2Rを越える長さとなっている。このため、スライダ本体にエンドキャップを取り付けた後では、転動体保持器を弓形に撓ませても転動体保持器の係合片部を転動体すくい上げ部の溝部に嵌め込むことができず、エンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行ってスライダを組立てねばならないため、スライダの組立に熟練した技能や多くの手間を要していた。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことのできる直動案内装置を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記転動体戻し路の長さをL1、前記転動体方向転換路の底までの距離をR、前記スライダ側軌道溝の開口端から前記転動体すくい上げ部の根元部までの距離をL2としたとき、前記転動体保持器の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定したことを特徴とする。
【0006】
このような構成によると、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部に形成される溝部の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
【0007】
請求項2の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記係合片部の厚さを前記転動体保持器の厚さよりも小さくしたことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、転動体すくい上げ部に形成される溝部の幅が従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度をより高めることができる。
【0008】
請求項3の発明は、案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、前記転動体保持器の係合片部を前記転動体すくい上げ部の先端より外側で前記案内レールのレール幅を越えない位置に配置したことを特徴とするものであり、このような構成を採用することで、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部に形成される溝部の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置の一部断面平面図、図2は同実施形態に係る直動案内装置の一部断面正面図であり、図1及び図2に示すように、第1の実施形態に係る直動案内装置は、案内レール11と、この案内レール11の長手方向に相対移動するスライダ12と、このスライダ12に組み込まれた多数の転動体13とを備えている。
【0010】
案内レール11はその高さ方向に貫通する複数のボルト挿通孔14を有しており、案内レール11の下面はボルト挿通孔14を挿通するボルトによって例えば工作機械の基台等に固定されるようになっている。また、案内レール11はその左右両側面の中央部と上端部にレール側軌道溝15a,15b(図2参照)を有しており、これらのレール側軌道溝15a,15bは案内レール11の長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されている。
【0011】
スライダ12は案内レール11の側面と対向する内側面を左右に有するスライダ本体16と、このスライダ本体16に取り付けられた一対のエンドキャップ17とからなり、スライダ本体16の上面には、図示しない止めネジによりスライダ12を直線運動する物体に固定するためのネジ穴18が複数箇所に設けられている。またスライダ本体16の内側面中央部及び内側面上端部には、開口端をエンドキャップ17によって閉塞された直線状のスライダ側軌道溝19a,19b(図2参照)が形成されている。
【0012】
レール側軌道溝15a,15bおよびスライダ側軌道溝19a,19bは互いに対向しており、スライダ12が案内レール11の長手方向に相対移動すると、これに伴って転動体13がレール側軌道溝15a,15bとスライダ側軌道溝19a,19bとの間を転動した後、エンドキャップ17に所定の曲率半径で形成された転動体方向転換路20を転動し、さらにスライダ側軌道溝19a,19bと平行にスライダ本体16内に形成された直線状の転動体戻し路21a,21bを転動するようになっている。
【0013】
転動体13は球状に形成されており、レール側軌道溝15aとスライダ側軌道溝19aとの間を転動する転動体13は一対の転動体保持器22(図2参照)によりスライダ側に保持され、またレール側軌道溝15bとスライダ側軌道溝19bとの間を転動する転動体13は転動体保持器22(図2参照)によりスライダ側に保持されている。
【0014】
図3はスライダ12の一部分を示す図、図4は図3の部分拡大図であり、これらの図に示すように、エンドキャップ17には、レール側軌道溝15a,15bとスライダ側軌道溝19a,19bとの間を転動する転動体13を転動体方向転換路20に導入するための複数の転動体すくい上げ部24がエンドキャップ17と一体に樹脂で形成されている。
【0015】
転動体保持器22は、金属板を細長い棒状にプレス加工して形成されている。また、転動体保持器22は転動体すくい上げ部24に形成された溝部25(図4参照)に係合する係合片部26を長手方向両端に有している。この係合片部26は転動体すくい上げ部24の先端より外側で案内レール11のレール幅を越えない位置に配置されている。さらに、転動体保持器22は、図4に示すように、転動体戻し路21aの長さをL1、転動体方向転換路20の底までの距離をR、スライダ側軌道溝19aの開口端から転動体すくい上げ部24の根元部までの距離をL2とすると、その長さL3が(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定されている。
【0016】
図5は転動体保持器22をスライダ12に取り付ける場合の手順を示す図であり、同図に示すように、転動体保持器22をスライダ12に取り付ける場合は、スライダ本体16にエンドキャップ17,17を取り付け、転動体保持器22の一端を一方のエンドキャップ17の転動体方向転換路20の底部へ挿入した後、転動体保持器22の他端を他方のエンドキャップ17の転動体すくい上げ部24の隙間を通して転動体方向転換路20の底部へ挿入する。次に、転動体保持器22の長手方向に形成された係合片部26の一方を、転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れる。次に、転動体保持器22を弓形に撓ませた状態で残りの係合片部26を転動体すくい上げ部24に形成された溝部25に嵌め入れることにより、図3のように転動体保持器22をスライダ12に取り付けることができる。
【0017】
上述のように、転動体保持器22の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定すると、スライダ本体16にエンドキャップ17,17を取り付けた後でも転動体保持器22の係合片部26を転動体すくい上げ部24の溝部25に嵌め込むことが可能となる。したがって、前述した従来例のように、スライダ12の組立時にエンドキャップ17の取付けと転動体保持器22の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダ12の組立を行うことができる。また、溝部25の大きさを小さくできるため、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0018】
また、転動体保持器22の係合片部26を転動体すくい上げ部24の先端より外側で案内レール11のレール幅を越えない位置に配置したことで、スライダ12の組立時にエンドキャップ17の取付けと転動体保持器22の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダ12の組立を行うことができる。また、転動体すくい上げ部24に形成される溝部25の長さが従来よりも小さくなるので、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0019】
図6及び図7は本発明の第2の実施形態を示す図であり、この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、溝部25に係合する係合片部26の厚さt1を転動体保持器22の厚さt2よりも薄くした点である。このように、係合片部26の厚さt1を転動体保持器22の厚さt2よりも薄くすることにより、転動体すくい上げ部24に形成される溝部25の幅を小さくできるため、転動体すくい上げ部24の強度を高めることができる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1及び3の発明によれば、スライダの組立時にエンドキャップの取付けと転動体保持器の取付けとを同時に行う必要がないので、熟練した技能や多くの手間を要することなくスライダの組立を行うことができる。また、溝部の大きさを小さくできるため、転動体すくい上げ部の強度を高めることができる。
請求項2の発明によれば、転動体すくい上げ部に形成される溝部の幅を小さくできるため、転動体すくい上げ部の強度をより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る直動案内装置の一部断面平面図である。
【図2】図1に示す直動案内装置の一部断面正面図である。
【図3】図1に示すスライダの部分断面図である。
【図4】図3の部分拡大図である。
【図5】図3の転動体保持器をスライダに取り付ける場合の手順を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る直動案内装置の部分断面図である。
【図7】図6の転動体保持器の一部を示す図である。
【図8】従来の直動案内装置の転動体保持器を示す図である。
【図9】従来の直動案内装置の部分断面図である。
【図10】エンドキャップの斜視図である。
【符号の説明】
11 案内レール
12 スライダ
13 転動体
15a,15b レール側軌道溝
16 スライダ本体
17 エンドキャップ
19a,19b スライダ側軌道溝
20 転動体方向転換路
21a,21b 転動体戻し路
22 転動体保持器
24 転動体すくい上げ部
25 溝部
26 係合片部
Claims (3)
- 案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、
前記転動体戻し路の長さをL1、前記転動体方向転換路の底までの距離をR、前記スライダ側軌道溝の開口端から前記転動体すくい上げ部の根元部までの距離をL2としたとき、前記転動体保持器の長さL3を(L1+2R)>L3>(L1+2L2)の範囲内に設定したことを特徴とする直動案内装置。 - 案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、
前記係合片部の厚さを前記転動体保持器の厚さよりも小さくしたことを特徴とする直動案内装置。 - 案内レールと、この案内レールの両側面に該レールの長手方向一端部から長手方向他端部に亘って直線状に形成されたレール側軌道溝と夫々対向するスライダ側軌道溝を内側面に有するスライダ本体と、前記スライダ側軌道溝の開口端を閉塞すべく前記スライダ本体に取り付けられた一対のエンドキャップと、前記スライダ本体及び前記エンドキャップで構成されるスライダの相対的直線運動に伴って前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動すると共に前記エンドキャップに形成された転動体方向転換路および前記スライダ側軌道溝と平行に前記スライダ本体内に形成された直線状の転動体戻し路を転動する多数の転動体と、前記レール側軌道溝と前記スライダ側軌道溝との間を転動する転動体を前記転動体方向転換路に導入すべく前記エンドキャップに形成された転動体すくい上げ部と、この転動体すくい上げ部に形成された溝部に係合する係合片部を長手方向両端に有する転動体保持器と、を備えた直動案内装置において、
前記転動体保持器の係合片部を前記転動体すくい上げ部の先端より外側で前記案内レールのレール幅を越えない位置に配置したことを特徴とする直動案内装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003167633A JP2005003102A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 直動案内装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003167633A JP2005003102A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 直動案内装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005003102A true JP2005003102A (ja) | 2005-01-06 |
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JP2003167633A Pending JP2005003102A (ja) | 2003-06-12 | 2003-06-12 | 直動案内装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2005003102A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11933359B1 (en) | 2022-08-30 | 2024-03-19 | Hiwin Technologies Corp. | Miniature linear guideway |
JP7459187B2 (ja) | 2022-08-17 | 2024-04-01 | 上銀科技股▲分▼有限公司 | リニアガイド |
-
2003
- 2003-06-12 JP JP2003167633A patent/JP2005003102A/ja active Pending
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