JP2005003007A - 振動発熱体の防振支持構造 - Google Patents

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Tsutomu Kato
務 加藤
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  • Cooling, Air Intake And Gas Exhaust, And Fuel Tank Arrangements In Propulsion Units (AREA)
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Abstract

【課題】製造コストの高額化、製造工程の煩雑化及び取付け工数の増加や、防振性能悪化、異音発生、強度・耐久性低下等を防止するとともに、部品点数の減少、ヒートプロテクターの小型化及び標準化を可能にする振動発熱体の防振支持構造を提供する。
【解決手段】防振支持構造は、振動発熱体(15)を車体(11)に支持するブラケット(31:32)と、ブラケットに介装したハンガーラバー(20)とを備え、ハンガーラバーには、ヒートプロテクター(40)が取付けられる。ハンガーラバーの車体側ブラケット取付け部(22、23)の近傍には、突起(51、52)及び隆起部(50)が形成される。ヒートプロテクターは、突起と嵌合可能な開口部(43、44)を備え、ヒートプロテクターの遮熱板部分(42)は、振動発熱体及びハンガーラバーの間に延び、振動発熱体の放射熱を遮蔽する。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動発熱体の防振支持構造に関するものであり、より詳細には、車体に対して振動する振動発熱体を車体に支持するブラケットと、ブラケットに介装したハンガーラバーとを備えた振動発熱体の防振支持構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関を備えた自動車等の車両は、高温の燃焼排ガスを車外に排気するための排気系を備える。一般に、この種の排気系は、フロントパイプ、ミドルパイプ、サイレンサー及びテールパイプ等の各種排気系部品を車体フレーム等に沿って相互連結してなる一連の排気管路を含み、排気管路は、複数のブラケットを介して車体フレームの適所に支持又は懸吊される。
【0003】
従来、この種のブラケットには、ハンガーラバーが介装され(特許文献1参照)、ハンガーラバーは、排気管路及び車体の間の振動伝達を絶縁し又は抑制する。しかしながら、排気管路及び車体フレームの距離、或いは、ブケットの全長には車体固有の限界があることから、ハンガーラバーは、通常は、排気管の近傍に配置されるので、排気系部品の放射熱(輻射熱)がハンガーラバーに作用する。このため、排気系部品の放熱に起因するハンガーラバーの熱害を防止する必要がある。
【0004】
このようなハンガーラバーの熱害問題に関し、従来、次のような対策が講じられてきた。
即ち、ハンガーラバーに作用する排気系部品の放射熱の影響を抑制すべく、(1)発熱体(排気系部品)と受熱体(ハンガーラバー)との間のクリアランスを拡大し、或いは、発熱体及び受熱体の相互離間距離を拡大し、(2)排気管にヒートプロテクターを取付け、周囲雰囲気に対する排気管の放熱を遮蔽し、(3)耐熱性を向上可能な材質にハンガーラバーを設計変更し(例えば、EPDMゴム製ハンガーラバーをシリコン製ハンガーラバーに設計変更し)、或いは、(4) 排気管側ハンガーロッドにヒートプロテクターを取付け、ヒートプロテクターにより排気管の放射熱を遮蔽する(特許文献2参照)といった各種の対策が採用され又は検討されてきた。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−32893号公報
【0006】
【特許文献2】
特開平8−99320号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような過去の対策によれば、ハンガーラバーの熱害問題自体は、ある程度は、改善し得たかもしれない。しかしながら、このような従来の対策では、以下の如き弊害が生じていた。
【0008】
即ち、クリアランス拡大又は離間距離拡大により発熱体及び受熱体を離間させる対策(上記(1))を採用する場合、現実には、ハンガーラバーの位置が周辺の部材、機器、配管、配線等のレイアウトにより制約されるので、所望のクリアランス又は離間距離を確保し難く、しかも、ハンガーロッド延長の結果、ハンガーロッドの強度低下及び耐久性低下や、ロッドの共振による「こもり音」等の発生が懸念される。
【0009】
ヒートプロテクターを排気管に直に取付ける対策(上記(2))を採用した場合、排気系部品の熱及び振動がヒートプロテクターに固体伝導するので、ヒートプロテクターの強度及び耐久性を向上しなければならず、同時に、ヒートプロテクターがビビリ音の発生源となる現象が発生する虞がある。また、このような対策では、排気管とヒートプロテクターとの間に空気層を確保し難く、ヒートプロテクターの遮熱効果が固体熱伝導により低下し易い。しかも、排気系部品の各部形状(曲げ形状、管径等)に適合したヒートプロテクターを車種別に設計・製作する必要が生じるので、初期設備投資及び製造コストの高額化を招来し易い。
【0010】
他方、ハンガーラバーの材質等を設計変更する場合(上記(3))、ハンガーラバーの製造コストが高額化するのみならず、材質変更に伴う振動伝達特性の変化により、ハンガーラバーを含む振動系の防振性能が悪化する事態が懸念される。
【0011】
また、ヒートプロテクターを排気管側のハンガーロッドに取付ける上記対策(上記(4))にあっては、熱及び振動の影響によりヒートプロテクターの強度及び耐久性が低下したり、ヒートプロテクターがビビリ音等の異音発生源となる懸念があり、しかも、この構造では、排気系の振動に耐えるヒートプロテクター支持強度を確保すべく、ボルト及びナット等の締結具又は緊締具によりヒートプロテクターを堅固にハンガーラバーに取付けなければならない。この結果、ヒートプロテクター支持構造が複雑化したり、製造コストの高額化や、製造工程の煩雑化又は取付け工数の増加等の弊害が生じ易い。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排気系部品等の振動発熱体の放熱に起因するハンガーラバーの熱害問題を確実に防止するとともに、製造コストの高額化、製造工程の煩雑化及び取付け工数の増加をもたらさず、ハンガーラバーを含む振動系の防振性能悪化及び異音発生を防止し、支持構造の強度低下、耐久性低下及び複雑化を防止し、しかも、部品点数の減少、ヒートプロテクターの小型化及びヒートプロテクターの標準化を可能にする振動発熱体の防振支持構造を提供することにある。
【0013】
本発明は又、このような防振支持構造において、遮熱効果の向上に寄与する十分な空気層をハンガーラバー及びヒートプロテクターの間に比較的容易に確保し得る振動発熱体の防振支持構造を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく、本発明は、車体に取付けられた第1ラバーブラケットと、車体に対して振動する振動発熱体を支持する第2ラバーブラケットと、第1及び第2ラバーブラケットの間に介装したハンガーラバーとを備えた振動発熱体の防振支持構造において、
前記ハンガーラバーは、前記第1ラバーブラケットを取付け可能な第1取付け部と、前記第2ラバーブラケットを取付け可能な第2取付け部と、前記第1取付け部近傍のラバー部分により形成した嵌合部と、該嵌合部と嵌合可能な嵌合手段を備えたヒートプロテクターとを備え、
該ヒートプロテクターは、遮熱板を有し、該遮熱板は、前記振動発熱体の放射熱が前記ハンガーラバーに作用するのを防止するように前記振動発熱体及びハンガーラバーの間に延びることを特徴とする振動発熱体の防振支持構造を提供する。
【0015】
本発明の上記構成によれば、ヒートプロテクターは、嵌合部及び嵌合手段の嵌合により、ハンガーラバーに直に取付けられ、ハンガーラバーにより支持される。遮熱板は、振動発熱体及びハンガーラバーの間で放射熱を遮蔽し、振動発熱体の放射熱がハンガーラバーに作用するのを阻止する。従って、本発明の防振支持構造は、車体フレーム及び振動発熱体の間のクリアランス又は離間距離を増大させずにハンガーラバーの熱害問題を防止する。このため、ブラケット全長の拡大に伴う支持構造の強度低下、耐久性低下及び異音発生等の問題は、生じない。
【0016】
また、上記構成によれば、嵌合突起は、第1取付け部の側に配置されるので、第2ラバーブラケットを介してハンガーラバーに伝達した振動発熱体の振動は、ハンガーラバーの振動減衰効果を確実に受ける。従って、第1ラバーブラケット及び遮熱板に振動が伝達し難く、振動系の防振性能悪化や、遮熱板の異常振動又は異音発生を防止することができる。
【0017】
更に、本発明では、ハンガーラバーのラバー部分により嵌合部を形成し、ヒートプロテクターをハンガーラバーに直に取付ける構成を採用したことから、ヒートプロテクター支持構造は、従来の熱害対策用ヒートプロテクターの支持構造と比べ、その耐久性が向上し、構造自体もかなり簡素化し且つ小型化する。このようなヒートプロテクター支持構造の簡素化及び小型化は、ハンガーラバーの部品点数削減を可能にするのみならず、振動発熱部品の設計条件又は形態・寸法が異なる複数の車種に適用可能にヒートプロテクターの設計を標準化し又は画一化することを可能にする。これは、ヒートプロテクターの付加的設置に伴う製造コストの高額化、製造工程の煩雑化及び取付け工数の増加を最小限に抑制する上で極めて有利である。
【0018】
加えて、本発明の上記構成によれば、遮熱板は、コンパクト且つ簡素な構造を有するので、その形態上の制約が少なく、形態を任意に設計することができる。このため、遮熱板が十分にその遮熱効果を発揮するように適正な空気層を遮熱板廻りに形成することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施形態において、上記振動発熱体は、車両用内燃機関本体、或いは、車両用内燃機関の付属部品又は排気系部品からなる。
本発明の好適な実施形態によれば、上記嵌合部は、ハンガーラバーの表面に一体的に形成された嵌合突起からなり、上記嵌合手段は、突起と嵌合可能なヒートプロテクターの開口部からなる。好ましくは、突起は、ヒートプロテクターの開口部に挿入可能な先端部と、開口部の開口寸法よりも大きな寸法を有する拡大部と、拡大部とハンガーラバーの表面との間に形成され且つ開口部の開口寸法よりも小さい断面寸法を有する溝部分とを有する。突起は、ハンガーラバーに一体成形することができる。拡大部は、突起を開口部に挿入する際に開口部の開口縁に係合して弾性変形し、縮小する。開口縁が拡大部を通過し、溝部分と整合すると、拡大部は、初期寸法に復元し、開口縁は、溝内に保持される。更に好ましくは、ハンガーラバーは、上記嵌合部を全体的にハンガーラバーの表面から隆起させる隆起部を備える。隆起部は、遮熱板をハンガーラバーの表面から離間させ、この結果、比較的大きな空気層がハンガーラバー及び遮熱板の間に形成される。空気層の形成により、遮熱板の遮熱効果は向上し、遮熱板の放熱冷却は、促進する。
【0020】
本発明の更に好適な実施形態によれば、第1及び第2取付け部は夫々、第1及び第2ラバーブラケットを嵌入可能な貫通孔を有し、上記嵌合部は、第1取付け部の近傍に配置される。第2ラバーブラケットの振動は、各取付け部の間のラバー部分により減衰し、遮熱板に伝達し難い。従って、遮熱板の振動及び異音発生を確実に防止することができる。
【0021】
所望により、更に遮熱効果を改善すべく、遮熱板の板厚を増大し、遮熱板を複数の金属板の積層構造に構成し、或いは、金属板の間に断熱材を挟み込んだ多層構造に構成しても良い。
【0022】
【実施例】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
図1は、本発明の好適な実施例に係る排気系部品の防振支持構造を示す斜視図である。
【0023】
図1には、自動車の車体フレーム11を構成するサイドメンバ12及びクロスメンバ13が示されている。車両駆動用内燃機関(図示せず)の排気系を構成する排気管15がサイドメンバ12の近傍に配置される。サイドメンバ12の上面には、ベースプレート33が固定され、ベースプレート33は、一対の車体側ラバーブラケット31を支持する。ブラケット31は夫々、クロスメンバ13に沿ってベースプレート33から排気管15の側に延びる。各ブラケット31は、ハンガーラバー20に係合可能に屈曲した先端部34、35を備える。先端部34、35は、ハンガーラバー20の車体側取付け部22、23を貫通し、ハンガーラバー20を所定位置に支持する。
【0024】
ハンガーラバー20は、排気管側の取付け部24を備える。排気管側ラバーブラケット32が取付け部24から排気管15に向かって延びる。ブラケット32は、ハンガーラバー20に係合可能に屈曲した基端部36を備える。基端部36は、取付け部24を貫通する。ブラケット32は又、排気管15を係止可能に屈曲した先端部37を備え、先端部37は、排気管15を所定位置に支持する。
【0025】
排気管15の放射熱を遮蔽する金属製ヒートプロテクター40がハンガーラバー20に配置される。ヒートプロテクター40は、ハンガーラバー20に直に取付けられ、ハンガーラバー20及び排気管15の間に延びる。
【0026】
図2は、ハンガーラバー20の構造を示す正面図、側面図及び部分拡大断面図であり、図3は、ヒートプロテクター40の構造を示す正面図、側面図及び平面図である。
【0027】
ハンガーラバー20は、中心開口25を軸芯部に形成したEPDMゴムの加硫成形品からなり、弾力的に変形可能な物性を備えており、ブラケット32に作用する排気系部品の振動を制振し、ブラケット31の励振を防止する。取付け部22、23、24は夫々、貫通孔26、27、28を備え、各貫通孔の中心は、正三角形の各頂点と同様の相対的位置関係を有する。ハンガーラバー20の外周面29は、外側に膨らむように湾曲するが、ハンガーラバー20は、全体的として大凡三角形の正面形態を呈する。
【0028】
取付け部22、23を配置した側に位置する外周面29の部分、即ち、取付け部22、23の間に延びる上部表面29aには、所定幅の隆起部50が形成される。隆起部50は、上部表面29aに沿って延びる。隆起部50の隆起面59が、片側(車体側)の取付け部22の近傍から他方の側(排気管側)の取付け部23に向かって延び、ハンガーラバー20の側面を超え、外周面29の輪郭に相応するように下方に屈曲する。隆起部50は、図2(C)に示す如く、ハンガーラバー20のゴム素材の延長部からなり、ハンガーラバー20の成形時に一体成形される。突起51、52が所定間隔を隔てて隆起部50に配置され、隆起面59から上方に突出する。突起51、52も又、ハンガーラバー20のゴム素材の延長部からなり、ハンガーラバー20の成形時に一体成形される。
【0029】
突起51、52は夫々、小径部53、大径部54及び軸部55を備える。突起51、52の軸芯は、ハンガーラバー20の中心から径方向外方に向かう方向に配向される。小径部53及び軸部55は夫々、長円形断面を有し、突起51、52の幅寸法Wは、奥行き寸法Dよりも大きく設定される。
【0030】
大径部54の断面寸法は、小径部53及び軸部55の断面寸法よりも大きく、大径部54及び小径部53の寸法差により、外周溝57が大径部54及び隆起面59の間に形成される。傾斜面を形成する縮小部56が、大径部54及び軸部55の間に形成され、大径部54の断面寸法は、軸部55の断面寸法に徐々に変化する。
【0031】
図3に示す如く、ヒートプロテクター40は、屈曲部48において相互連接した嵌合部分41及び遮熱板部分42からなる。嵌合部分41は、屈曲部49を有し、屈曲部49は、隆起面59の屈曲形状に相応して屈曲する。遮熱板部分42の形態は、ハンガーラバー装着時にハンガーラバー20の輪郭に相応し、しかも、ハンガーラバー20の励振時にハンガーラバー20及びヒートプロテクター40の干渉が生じないように設計される。本実施例では、遮熱板部分42は、屈曲部48から垂下し、遮熱板部分42の下半部は、ハンガーラバー20の外周面29に接近するように湾曲する。ヒートプロテクター40の幅は、ハンガーラバー20の幅よりも大きく、嵌合部分41及び遮熱板部分42の左右の側縁部分46、47は、内側に若干屈曲しており、斜め方向にハンガーラバー20に入射する排気系部品の放射熱を効果的に遮蔽する。
【0032】
突起51、52を嵌入可能な長円形開口部43、44が、所定間隔を隔てて嵌合部分41に形成される。各開口部43、44の形状及び寸法は、小径部53及び軸部55の断面形状及び寸法と実質的に一致し、或いは、これより僅かに大きく設定される。開口部43、44の形状及び寸法は又、大径部54の断面形状及び寸法よりも若干小さく設定される。
【0033】
図4は、ハンガーラバー20に対するヒートプロテクター40の取付け過程を示す斜視図であり、図5及び図6は、ヒートプロテクター40をハンガーラバー20に取付けた状態を示す斜視図、正面図及び側面図である。
【0034】
図4及び図5に示す如く、ヒートプロテクター40は、突起51、52を開口部42、43に嵌入することにより、ハンガーラバー20に取付けられる。ヒートプロテクター40の取付け作業は、突起51、52の軸部55を開口部42、43内に挿入し、開口部42、43の開口縁を縮小部56の傾斜面に押し当てて縮小部56を縮径し、開口部42、43が大径部54を通過するようにすることにより遂行し得る。開口部42、43は、大径部54を通過すると、突起51、52に対する開口縁の押圧力を解放し、突起51、52は、その弾性復元力により初期形状に復元する。
【0035】
かくして、開口部42、43の開口縁は、外周溝57内に嵌まり、図5及び図6に示す如く、嵌合部分41は、隆起面59上に着座する。嵌合部分41は、隆起面59に密着し、遮熱板部分42は、屈曲部48から垂下し、外周面29に相応するように湾曲する。隆起部50は、ヒートプロテクター40を安定支持し、遮熱板部分42及び外周面29の間には、十分な空気層が形成される。
【0036】
遮熱板部分42は、配管15を含む排気系部品が放射する放射熱を遮蔽し、ハンガーラバー20を熱害から保護する。本発明者は、本実施例のヒートプロテクター40を備えたハンガーラバー20に関し、遮熱効果試験を実施した。この結果、以下の試験結果が得られた。なお、下記の比較例は、ハンガーラバー20単体の試験結果(ヒートプロテクター装着前の状態)であり、下記表面温度の温度測定部位は、排気管15に最も接近したハンガーラバー20のラバー表面である。
【0037】
Figure 2005003007
【0038】
この試験結果より明らかなとおり、ヒートプロテクター40を装着したハンガーラバー20では、ハンガーラバー20の表面温度は大きく低下し、ヒートプロテクター40による温度低減効果は、79℃に達しており、ヒートプロテクター40の良好な遮熱効果が確認された。
【0039】
以上説明した如く、本実施例の防振支持構造は、車体のサイドメンバ12に取付けたブラケット31と、排気管15を支持するブラケット32と、ブラケット31、32の間に介装したハンガーラバー20と、ハンガーラバー20に取付けたヒートプロテクター40とを備える。ハンガーラバー20は、ブラケット31を取付け可能な取付け部22、23と、ブラケット32を取付け可能な取付け部24と、取付け部22、23の近傍に配置された隆起部50及び突起51、52とを備える。ヒートプロテクター40は、突起51、52と嵌合可能な開口部43、44を備え、遮熱板部分42は、排気管15及びハンガーラバー20の間に位置し、排気管15の放射熱を遮蔽する。
【0040】
このような防振支持構造によれば、サイドメンバ12及び排気管15の間のクリアランス又は離間距離を拡大せずに、ハンガーラバー20の温度上昇を防止することができるので、ブラケット31、32の延長による支持構造の強度低下や、耐久性低下、更には、異音発生等の問題を回避し得る。
【0041】
また、上記防振支持構造では、突起51、52は、取付け部22の近傍に配置されるので、取付け部24に作用するブラケット32の振動は、取付け部22、23及び取付け部24の間に位置するラバー部分の振動減衰効果により減衰する。従って、ヒートプロテクター40の設置による振動系の防振性能悪化や、ヒートプロテクター40の異常振動又は異音発生は、生じ難い。
【0042】
更に、ヒートプロテクター40は、突起51、52及び開口部43、44の嵌込み構造(グロメット構造)により確実且つ容易にハンガーラバー20に取付けることができる。このため、ヒートプロテクター40の支持構造は、かなり簡素化し且つ小型化し、しかも、部品点数は減少する。ヒートプロテクター40の構造簡素化、小型化及び部品点数削減に伴い、排気系の設計条件又は形態・寸法が異なる複数の車種に適用可能なヒートプロテクターを標準的に設計し、製造することができる。これは、ヒートプロテクターの付加的設置に伴う製造コストの高額化、製造工程の煩雑化及び取付け工数の増加を最小限に抑制することを可能にする。
【0043】
また、ヒートプロテクター40は、コンパクト且つ簡素な構造を有するので、形態上の制約が非常に少なく、その形態を所望の如く設計することができる。このため、適正な空気層を遮熱部分42廻りに形成し、遮熱板の遮熱効果を向上することが可能となる。
【0044】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更または変形が可能であり、そのような変更例または変形例も又、本発明の範囲内に含まれるものであることはいうまでもない。
【0045】
例えば、本発明は、車両用エンジンの排気系部品に限らず、車両用エンジン自体又はその付属部品等の如く、熱害を考慮すべき事情がある各種の振動発熱体に関し、このような振動発熱体を車体に支持する防振支持構造を構成する上で好ましく適用することができる。
また、本発明の応用として、遮熱板部分42の板厚変更、大型化、材質変更又は多層化等により、ヒートプロテクター40の遮熱性能を更に改善することができる。断熱材を挟んだ複層構造に遮熱板部分42を設計し、或いは、断熱材料を遮熱板部分42に吹付ける等の設計変更を行っても良い。このような応用ないし設計変更は、ヒートプロテクター40をハンガーラバー20に直に取付けた本発明の構成によれば、比較的容易になし得る。
【0046】
更に、本実施例では、突起51、52及び開口部43、44の数、寸法、構造詳細及び形状等、或いは、ヒートプロテクター40の寸法及び外形等は、使用形態に応じて適宜変更し得るものである。
また、上記実施例では、ハンガーラバー20は、取付け部22、23、24及び貫通孔26、27、28を概ね三角形配列に配置した構成のものであるが、対をなす2つの取付け部及び貫通孔を備えた形式のハンガーラバーについて、本発明を適用しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明によれば、振動発熱体の放熱に起因するハンガーラバーの熱害問題を確実に防止するとともに、製造コストの高額化、製造工程の煩雑化及び取付け工数の増加をもたらさず、ハンガーラバーを含む振動系の防振性能悪化及び異音発生を防止し、支持構造の強度低下、耐久性低下及び複雑化を防止し、しかも、部品点数の減少、ヒートプロテクターの小型化及びヒートプロテクターの標準化を可能にする振動発熱体の防振支持構造を提供することができる。
【0048】
また、ハンガーラバーに隆起部を形成した本発明の防振支持構造によれば、遮熱効果の向上に寄与する十分な空気層をハンガーラバー及びヒートプロテクターの間に比較的容易に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施例に係る排気系部品の防振支持構造を示す斜視図である。
【図2】ハンガーラバーの構造を示す正面図、側面図及び部分拡大断面図である。
【図3】ヒートプロテクターの構造を示す正面図、側面図及び平面図である。
【図4】ハンガーラバーに対するヒートプロテクターの取付け過程を示す斜視図である。
【図5】ヒートプロテクターをハンガーラバーに取付けた状態を示す斜視図である。
【図6】ヒートプロテクターをハンガーラバーに取付けた状態を示す正面図及び側面図である。
【符号の説明】
11 車体フレーム
15 排気管
20 ハンガーラバー
22、23 取付け部(車体側)
24 取付け部(排気管側)
26、27、28 貫通孔
29 外周面
31 ラバーブラケット(車体側)
32 ラバーブラケット(排気管側)
40 ヒートプロテクター
41 嵌合部分
42 遮熱板部分
43、44 開口部
50 隆起部
51、52 突起
59 隆起面

Claims (6)

  1. 車体に取付けられた第1ラバーブラケットと、車体に対して振動する振動発熱体を支持する第2ラバーブラケットと、第1及び第2ラバーブラケットの間に介装したハンガーラバーとを備えた振動発熱体の防振支持構造において、
    前記ハンガーラバーは、前記第1ラバーブラケットを取付け可能な第1取付け部と、前記第2ラバーブラケットを取付け可能な第2取付け部と、前記第1取付け部近傍のラバー部分により形成した嵌合部と、該嵌合部と嵌合可能な嵌合手段を備えたヒートプロテクターとを備え、
    該ヒートプロテクターは、遮熱板を有し、該遮熱板は、前記振動発熱体の放射熱が前記ハンガーラバーに作用するのを防止するように前記振動発熱体及びハンガーラバーの間に延びることを特徴とする振動発熱体の防振支持構造。
  2. 前記振動発熱体は、車両用内燃機関、その付属部品又は排気系部品であることを特徴とする請求項1に記載の防振支持構造。
  3. 前記嵌合部は、前記ハンガーラバーの表面に一体的に形成された嵌合突起からなり、前記嵌合手段は、前記突起と嵌合可能なヒートプロテクターの開口部からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の防振支持構造。
  4. 前記ハンガーラバーは、前記ハンガーラバーの表面から前記嵌合部を全体的に隆起させる隆起部を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の防振支持構造。
  5. 前記第1及び第2取付け部は夫々、前記第1及び第2ラバーブラケットを嵌入可能な貫通孔を有し、前記嵌合部は、前記第1取付け部の近傍に配置され、前記第2ラバーブラケットの振動は、前記貫通孔の間に位置するラバー部分により減衰することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の防振支持構造。
  6. 前記嵌合突起は、前記開口部に挿入可能な先端部と、前記開口部の開口寸法よりも大きな寸法を有する拡大部と、該拡大部と前記ハンガーラバーの表面との間に形成された溝部分とを有し、
    前記拡大部は、前記嵌合突起を前記開口部に挿入する際に該開口部の開口縁に押圧され、弾力的に縮小し、前記開口縁及び溝部分とが整合したときに初期寸法に復元し、前記開口縁は、前記溝内に保持されることを特徴とする請求項3に記載の防振支持構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012086746A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Toyota Motor Corp 排気部品の遮熱構造
CN110566329A (zh) * 2019-09-28 2019-12-13 浙江飞碟汽车制造有限公司 一种汽车消声器固定支架及其特性计算方法

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