JP2005001872A - シート後処理装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】駆動源を共通化し装置の小型化,省電力化,シーケンス制御の簡略化あるいは低コスト化を図る。
【解決手段】シートを排出する排出手段8と、シートを収容する処理トレイ33と、シートストッパ36と、シートの移動手段34と、シートの整合手段27と、移動手段34あるいは整合手段27の少なくともいずれかの駆動を排出手段8の駆動と連動させ、欠け歯ギア30、機械式アクチュエータ31を用いて必要に応じて駆動伝導を遮断することを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】シートを排出する排出手段8と、シートを収容する処理トレイ33と、シートストッパ36と、シートの移動手段34と、シートの整合手段27と、移動手段34あるいは整合手段27の少なくともいずれかの駆動を排出手段8の駆動と連動させ、欠け歯ギア30、機械式アクチュエータ31を用いて必要に応じて駆動伝導を遮断することを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、静電プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置および該画像形成装置に備えるシート後処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置等から搬送されたシートを受け取り、そのシートに整合処理を施すシート後処理装置において、画像形成装置等からシートを受け取るシート後処理装置に設けられた排紙ローラ、該排紙ローラから受け取ったシートを1枚ごとに整合するための引き寄せパドルや整合板は、その各々を動作させる複数の駆動源から構成されている。
【0003】
また、引き寄せパドルや整合板の動作タイミングは、排紙ローラの上流に配置されているパスセンサのON,OFFにより、制御されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、複写機、レーザビームプリンタ、静電プリンタ、ファクシミリ等においては、装置の小型化,省電力化,低コスト化等の要求が高まっている。
【0005】
しかしながら、従来のシート後処理装置では、シート後処理装置を構成する複数の駆動源のいくつか、特に、画像形成装置等から排出されるシートを受け取るためにシート後処理装置に設けられた排出手段である排紙ローラ、該排出手段から受け取ったシートを1枚ごとに整合するための引き寄せパドル等の移動手段や整合板等の整合手段といったシートの排出,整合に機能する各手段の駆動源は各々別個独立であり、構成が複雑となり、また、その各々が電力を消費するため、小型化,省電力化および低コスト化等を図ることは困難であった。
【0006】
また、排紙ローラの上流に配置されている電気部品であるパスセンサのON・OFFにより、引き寄せパドルや整合板の動作タイミングを制御しているため、その分電力を消費していた。
【0007】
また、上述のように、各手段の駆動,引き寄せパドルや整合板の動作タイミング等を制御するためシーケンス制御も複雑であった。
【0008】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、小型化,省電力化,シーケンス制御の簡略化あるいは低コスト化を図ることができるシート後処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るシート後処理装置にあっては、搬送路からシートを排出する排出手段と、該排出手段下流で排出されたシートを収容する処理トレイと、該処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段と、前記処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略直交する方向に整合する整合手段と、円周上に設けられた歯が欠落した欠落部を有するギア部と溝部を有する円筒部とを含む欠け歯ギアを備え、前記移動手段あるいは前記整合手段の少なくともいずれかの駆動を前記排出手段の駆動に連動させる連動手段と、前記欠け歯ギアの溝部に入り込み、該欠け歯ギアの回転を停止させることにより前記排出手段の駆動を遮断するアームを有するアクチュエータと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記アクチュエータは前記処理トレイ上に突出した突出部を有し、該突出部が排出されてきたシートにより倒されると、前記アクチュエータは移動し、前記欠け歯ギアの溝部に入り込んでいた前記アームが該欠け歯ギアの溝部から外れることにより、該欠け歯ギアが回転し始めることは好適である。
【0011】
また、前記処理トレイ上のシート排出方向上流の端部にシートの移動を停止させるシートストッパを備え、前記アクチュエータの突出部は、前記シートストッパからシート排出方向に所定長さ分下流に位置することが好適である。
【0012】
また、前記排出手段、前記処理トレイ、前記シートストッパおよび前記移動手段に対して前記整合手段、前記連動手段および前記アクチュエータを相対的に移動させる位置変更手段を備えることが好適である。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置にあっては、本発明に係るシート後処理装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
図1は、画像形成装置およびシート後処理装置の概略断面図であり、図2,図3,図4はシート後処理装置の概略断面図である。
【0016】
図1において、画像形成装置1の画像形成過程は周知であるので説明は省略する。画像形成装置1内の画像形成部2,定着器3において画像を形成・定着されたシートは排出ローラ4によってシート後処理装置5に送り出される。シート後処理装置5には搬送路6からシートを送り出す排出手段である排出ローラ8、シートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段34、シートをシート排出方向と略直交方向に整合する整合手段27、シートストッパ36が配設され、排出方向には移動手段34とシートストッパ36によって、排出方向と略直交する方向には整合手段27によって処理トレイ33上に排出されたシートの整列がなされる。排出ローラ対8はモータ7によって回転され、モータ7は排出ローラ4に合わせて回転するように制御されている。
【0017】
また、排出ローラ対8の駆動はギア等により排紙ローラ4の駆動に連動させてもよい。
【0018】
図2を用いてシート後処理装置5の構成について説明する。
【0019】
移動手段34はギアあるいはプーリ9,10,11,12とタイミングベルト13,14,15,16および欠け歯ギア30等からなる連動手段によって排出ローラ8と連結されており、排出ローラ8の回転に伴いその動力が伝達されて移動手段34が回転するようになっている。なお、欠け歯ギア30は、溝部を有する円筒部と円周上に設けられたギアの歯が所定範囲において欠落した欠落部を有するギア部とを奥行き方向に連続して備えている。
【0020】
また、シートストッパ36からシートの排出方向長さ分だけ下流に処理トレイ33上に突出部31bを有し、アーム31aを有するアクチュエータ31を回転可能に支持して備えており、該アーム31aが前記欠け歯ギア30の溝部に入り込むと欠け歯ギア30が回転しない。そして、欠け歯ギア30は、円周上に設けられたギアの歯が欠落した欠落部を有するため、ギア11と欠け歯ギア30とがかみ合わず、前記排出手段の駆動が遮断され、前記移動手段34は回転しない。
【0021】
そして、図3に示すように、排出されてきたシートにより該アクチュエータ31の突出部31bが倒されて該アクチュエータが回転し前記欠け歯ギア30の溝部に入り込んでいたアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れると、該欠け歯ギア30が回転し始めることにより、前記排出手段の駆動が前記連動手段により伝達されて前記移動手段が回転駆動する。
【0022】
同様にシート整合手段27は、ギアあるいはプーリ9,10,11とタイミングベルト13,14、前記欠け歯ギア30、かさ歯ギア22,23、カム25、リンク26等の連動手段により排出ローラ8の動力が伝達されて、図5に示すギア28、ラック29によって27a,27bが開閉し整合動作を行うようになっている。
【0023】
具体的には、欠け歯ギア30が接続状態のとき、つまり前記アクチュエータのアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れている時、欠け歯ギア30が回転し、かさ歯ギア22,23を介してカム25が回転し、リンク26によって接続されている整合板27aがシート排出方向と略直交する方向に動作する。このとき図5に示すように、ギア28、ラック29によって整合板27bが整合板27aと対になって動作するようになっている。
【0024】
また、アクチュエータ31のアーム31aが欠け歯ギアの溝部に入ると、欠け歯ギア30は回転停止し、動力伝達を遮断するため整合手段27は作動しない。
【0025】
このように、本実施の形態では、移動手段34,整合手段27の駆動をギア,タイミングベルト等の連動手段を用いて排出手段の駆動と連動させることにより、各手段独自に駆動手段を用いる必要がないため省電力化を図ることができ、構成も簡略化できるので装置を小型化できる。また、各手段独自にその駆動を制御する制御手段を備える必要がないのでシーケンス制御も簡略化できる。そして、これらに伴ってコスト削減も図ることができる。
【0026】
また、本実施の形態では、移動手段34および整合手段27の駆動をともに排出手段8の駆動に連動させているが、シート後処理装置のサイズ,配置等の要求に応じて、本実施の形態のギア,タイミングベルト等を任意に用い、移動手段あるいは整合手段のいずれかの駆動のみ排出手段の駆動と連動させてもよい。
【0027】
次に、図3を用いてシートの整列完了までを順を追って説明する。
【0028】
図3において、排出ローラ8により搬送路6から排出されたシートSは案内ガイド35と処理トレイ33の上面または先に積載されたシート束Pの上面により案内され、シート先端でアクチュエータ31の突出部31bを倒す。このときアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れて回転を開始し、排出手段8の動力をタイミングベルト15、ギア12、タイミングベルト16によりシート移動手段34に伝達し、シート移動手段34が図の矢印の方向に回転する。これによりシートSはシートストッパ36に突き当たるまで移動させられ、シート排出方向と略平行方向の整列がなされる。
【0029】
また、欠け歯ギア30が回転すると、かさ歯ギア22,23、軸24、カム25、リンク26に動力が伝達し、図5に示すように整合手段27の27a,27bが対になって動くことにより、シートを挟み込むようにしてシート排出方向と略直交方向の整合がなされる。
【0030】
シートSが整列されるとシート先端がアクチュエータ31の突出部31bから離れ、バネ32によりアクチュエータ31が起き上がり、アーム31aが欠け歯ギア30の溝部に入り込むことにより欠け歯ギア30が回転停止して、シート移動手段34、シート整合手段27が停止し、シート整列動作が終了する。
【0031】
このように、本実施の形態では、電気部品であるパスセンサを用いることなく、機械式のアクチュエータ31を用い、シートの排出動作に応じて適宜移動手段,整合手段を作動可能としているため、省電力化を図ることができるとともにシーケンス制御も簡略化でき、コストも削減することができる。
【0032】
次に、図4において、排出されるシート長さに対応するための構成について説明する。
【0033】
アクチュエータ31の処理トレイ上に突出した突出部31bはシートストッパ36から排出されるシートの排出方向長さ分だけ下流に配置してあるため、排出してくるシートの長さによって変更する必要がある。
【0034】
そのため、図4に示すように、変更するときにはアクチュエータ31、欠け歯ギア30,かさ歯ギア22,23,軸24,カム25,リンク26等からなる連動手段およびシート整合手段27を処理トレイ33、シートストッパ36、移動手段34に対して相対的に移動させることで排出されるシートの排出方向長さに対応させることができるようになっている。
【0035】
また、このとき位置変更手段であるリンク17,18,19,20,21によって、ギア間の距離およびタイミングベルトの長さを一定に保ったまま移動できるようにしている。
【0036】
このように、機械式のアクチュエータを用いてシートの排出動作に応じて適宜移動手段,整合手段を作動させることができるので省電力化を図ることができるとともに、排出されてくるシートの長さに応じて機械式アクチュエータの突出部31bの位置を変更可能としているので、搬送されてくるシートの大きさに柔軟に対応できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシート後処理装置は、搬送路からシートを排出する排出手段と、該排出手段下流で排出されたシートを収容する処理トレイと、該処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段と、前記処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略直交する方向に整合する整合手段と、円周上に設けられた歯が欠落した欠落部を有するギア部と溝部を有する円筒部とを含む欠け歯ギアを備え、前記移動手段あるいは前記整合手段の少なくともいずれかの駆動を前記排出手段の駆動に連動させる連動手段と、前記欠け歯ギアの溝部に入り込み、該欠け歯ギアの回転を停止させることにより前記排出手段の駆動を遮断するアームを有するアクチュエータと、を備えたことにより、移動手段あるいは整合手段の少なくともいずれかに、独自に駆動手段を設ける必要がなく、また、必要に応じて移動手段の駆動を排出手段の駆動から遮断することができるので、装置の小型化,省電力化を図ることができる。また、移動手段独自にその駆動を制御する制御手段を設ける必要がないのでシーケンス制御の簡略化を図ることができる。
【0038】
また、前記アクチュエータは前記処理トレイ上に突出した突出部を有し、該突出部が排出されてきたシートにより倒されると、前記アクチュエータは移動し、前記欠け歯ギアの溝部に入り込んでいた前記アームが該欠け歯ギアの溝部から外れることにより、該欠け歯ギアが回転し始めることにより、電気部品を用いることなく電力を消費しない機械式アクチュエータを用いて、シートの排出動作に合わせて移動手段を駆動させることができるので、省電力化,低コスト化を図ることができる。
【0039】
また、前記処理トレイ上のシート排出方向上流の端部にシートの移動を停止させるシートストッパを備え、前記アクチュエータの突出部は、前記シートストッパからシート排出方向に所定長さ分下流に位置することにより、該突出部がシートが正確に整列していないのを確実に検知し、シートが整列するまでシートを移動させることができる。
【0040】
また、前記排出手段,前記処理トレイ,前記シートストッパおよび前記移動手段に対して前記整合手段,前記連動手段および前記アクチュエータを相対的に移動させる位置変更手段を備えたことにより、シートの長さに柔軟に対応することができる。
【0041】
また、上記効果を有するシート後処理装置を画像形成装置に備えることにより、画像形成装置全体として小型化,省電力化,シーケンス制御の簡略化ひいては低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態であるシート後処理装置および該シート後処理装置を備える画像形成装置の概略断面図である。
【図2】実施の形態に係るシート後処理装置を示す図である。
【図3】実施の形態に係るシート後処理装置におけるシートの流れを示す図である。
【図4】排出されるシート長さに対応する構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係るシート後処理装置のシートの整合手段を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 定着器
4 排紙ローラ
5 シート後処理装置
6 搬送路
7 モータ
8 排出ローラ(排出手段)
9,10,11,12 ギア,プーリ
13,14,15,16 タイミングベルト
17,18,19,20,21 リンク
22,23 かさ歯ギア
24 シャフト
25 カム
26 リンク
27 整合手段
28 ギア
29 ラック
30 欠け歯ギア
31 アクチュエータ
31a アーム
31b 突出部
32 バネ
33 処理トレイ
34 移動手段
35 シート案内ガイド
36 シートストッパ
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザビームプリンタ、静電プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置および該画像形成装置に備えるシート後処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像形成装置等から搬送されたシートを受け取り、そのシートに整合処理を施すシート後処理装置において、画像形成装置等からシートを受け取るシート後処理装置に設けられた排紙ローラ、該排紙ローラから受け取ったシートを1枚ごとに整合するための引き寄せパドルや整合板は、その各々を動作させる複数の駆動源から構成されている。
【0003】
また、引き寄せパドルや整合板の動作タイミングは、排紙ローラの上流に配置されているパスセンサのON,OFFにより、制御されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年、複写機、レーザビームプリンタ、静電プリンタ、ファクシミリ等においては、装置の小型化,省電力化,低コスト化等の要求が高まっている。
【0005】
しかしながら、従来のシート後処理装置では、シート後処理装置を構成する複数の駆動源のいくつか、特に、画像形成装置等から排出されるシートを受け取るためにシート後処理装置に設けられた排出手段である排紙ローラ、該排出手段から受け取ったシートを1枚ごとに整合するための引き寄せパドル等の移動手段や整合板等の整合手段といったシートの排出,整合に機能する各手段の駆動源は各々別個独立であり、構成が複雑となり、また、その各々が電力を消費するため、小型化,省電力化および低コスト化等を図ることは困難であった。
【0006】
また、排紙ローラの上流に配置されている電気部品であるパスセンサのON・OFFにより、引き寄せパドルや整合板の動作タイミングを制御しているため、その分電力を消費していた。
【0007】
また、上述のように、各手段の駆動,引き寄せパドルや整合板の動作タイミング等を制御するためシーケンス制御も複雑であった。
【0008】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、小型化,省電力化,シーケンス制御の簡略化あるいは低コスト化を図ることができるシート後処理装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るシート後処理装置にあっては、搬送路からシートを排出する排出手段と、該排出手段下流で排出されたシートを収容する処理トレイと、該処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段と、前記処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略直交する方向に整合する整合手段と、円周上に設けられた歯が欠落した欠落部を有するギア部と溝部を有する円筒部とを含む欠け歯ギアを備え、前記移動手段あるいは前記整合手段の少なくともいずれかの駆動を前記排出手段の駆動に連動させる連動手段と、前記欠け歯ギアの溝部に入り込み、該欠け歯ギアの回転を停止させることにより前記排出手段の駆動を遮断するアームを有するアクチュエータと、を備えたことを特徴とする。
【0010】
また、前記アクチュエータは前記処理トレイ上に突出した突出部を有し、該突出部が排出されてきたシートにより倒されると、前記アクチュエータは移動し、前記欠け歯ギアの溝部に入り込んでいた前記アームが該欠け歯ギアの溝部から外れることにより、該欠け歯ギアが回転し始めることは好適である。
【0011】
また、前記処理トレイ上のシート排出方向上流の端部にシートの移動を停止させるシートストッパを備え、前記アクチュエータの突出部は、前記シートストッパからシート排出方向に所定長さ分下流に位置することが好適である。
【0012】
また、前記排出手段、前記処理トレイ、前記シートストッパおよび前記移動手段に対して前記整合手段、前記連動手段および前記アクチュエータを相対的に移動させる位置変更手段を備えることが好適である。
【0013】
また、本発明に係る画像形成装置にあっては、本発明に係るシート後処理装置を備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0015】
図1は、画像形成装置およびシート後処理装置の概略断面図であり、図2,図3,図4はシート後処理装置の概略断面図である。
【0016】
図1において、画像形成装置1の画像形成過程は周知であるので説明は省略する。画像形成装置1内の画像形成部2,定着器3において画像を形成・定着されたシートは排出ローラ4によってシート後処理装置5に送り出される。シート後処理装置5には搬送路6からシートを送り出す排出手段である排出ローラ8、シートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段34、シートをシート排出方向と略直交方向に整合する整合手段27、シートストッパ36が配設され、排出方向には移動手段34とシートストッパ36によって、排出方向と略直交する方向には整合手段27によって処理トレイ33上に排出されたシートの整列がなされる。排出ローラ対8はモータ7によって回転され、モータ7は排出ローラ4に合わせて回転するように制御されている。
【0017】
また、排出ローラ対8の駆動はギア等により排紙ローラ4の駆動に連動させてもよい。
【0018】
図2を用いてシート後処理装置5の構成について説明する。
【0019】
移動手段34はギアあるいはプーリ9,10,11,12とタイミングベルト13,14,15,16および欠け歯ギア30等からなる連動手段によって排出ローラ8と連結されており、排出ローラ8の回転に伴いその動力が伝達されて移動手段34が回転するようになっている。なお、欠け歯ギア30は、溝部を有する円筒部と円周上に設けられたギアの歯が所定範囲において欠落した欠落部を有するギア部とを奥行き方向に連続して備えている。
【0020】
また、シートストッパ36からシートの排出方向長さ分だけ下流に処理トレイ33上に突出部31bを有し、アーム31aを有するアクチュエータ31を回転可能に支持して備えており、該アーム31aが前記欠け歯ギア30の溝部に入り込むと欠け歯ギア30が回転しない。そして、欠け歯ギア30は、円周上に設けられたギアの歯が欠落した欠落部を有するため、ギア11と欠け歯ギア30とがかみ合わず、前記排出手段の駆動が遮断され、前記移動手段34は回転しない。
【0021】
そして、図3に示すように、排出されてきたシートにより該アクチュエータ31の突出部31bが倒されて該アクチュエータが回転し前記欠け歯ギア30の溝部に入り込んでいたアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れると、該欠け歯ギア30が回転し始めることにより、前記排出手段の駆動が前記連動手段により伝達されて前記移動手段が回転駆動する。
【0022】
同様にシート整合手段27は、ギアあるいはプーリ9,10,11とタイミングベルト13,14、前記欠け歯ギア30、かさ歯ギア22,23、カム25、リンク26等の連動手段により排出ローラ8の動力が伝達されて、図5に示すギア28、ラック29によって27a,27bが開閉し整合動作を行うようになっている。
【0023】
具体的には、欠け歯ギア30が接続状態のとき、つまり前記アクチュエータのアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れている時、欠け歯ギア30が回転し、かさ歯ギア22,23を介してカム25が回転し、リンク26によって接続されている整合板27aがシート排出方向と略直交する方向に動作する。このとき図5に示すように、ギア28、ラック29によって整合板27bが整合板27aと対になって動作するようになっている。
【0024】
また、アクチュエータ31のアーム31aが欠け歯ギアの溝部に入ると、欠け歯ギア30は回転停止し、動力伝達を遮断するため整合手段27は作動しない。
【0025】
このように、本実施の形態では、移動手段34,整合手段27の駆動をギア,タイミングベルト等の連動手段を用いて排出手段の駆動と連動させることにより、各手段独自に駆動手段を用いる必要がないため省電力化を図ることができ、構成も簡略化できるので装置を小型化できる。また、各手段独自にその駆動を制御する制御手段を備える必要がないのでシーケンス制御も簡略化できる。そして、これらに伴ってコスト削減も図ることができる。
【0026】
また、本実施の形態では、移動手段34および整合手段27の駆動をともに排出手段8の駆動に連動させているが、シート後処理装置のサイズ,配置等の要求に応じて、本実施の形態のギア,タイミングベルト等を任意に用い、移動手段あるいは整合手段のいずれかの駆動のみ排出手段の駆動と連動させてもよい。
【0027】
次に、図3を用いてシートの整列完了までを順を追って説明する。
【0028】
図3において、排出ローラ8により搬送路6から排出されたシートSは案内ガイド35と処理トレイ33の上面または先に積載されたシート束Pの上面により案内され、シート先端でアクチュエータ31の突出部31bを倒す。このときアーム31aが欠け歯ギア30の溝部から外れて回転を開始し、排出手段8の動力をタイミングベルト15、ギア12、タイミングベルト16によりシート移動手段34に伝達し、シート移動手段34が図の矢印の方向に回転する。これによりシートSはシートストッパ36に突き当たるまで移動させられ、シート排出方向と略平行方向の整列がなされる。
【0029】
また、欠け歯ギア30が回転すると、かさ歯ギア22,23、軸24、カム25、リンク26に動力が伝達し、図5に示すように整合手段27の27a,27bが対になって動くことにより、シートを挟み込むようにしてシート排出方向と略直交方向の整合がなされる。
【0030】
シートSが整列されるとシート先端がアクチュエータ31の突出部31bから離れ、バネ32によりアクチュエータ31が起き上がり、アーム31aが欠け歯ギア30の溝部に入り込むことにより欠け歯ギア30が回転停止して、シート移動手段34、シート整合手段27が停止し、シート整列動作が終了する。
【0031】
このように、本実施の形態では、電気部品であるパスセンサを用いることなく、機械式のアクチュエータ31を用い、シートの排出動作に応じて適宜移動手段,整合手段を作動可能としているため、省電力化を図ることができるとともにシーケンス制御も簡略化でき、コストも削減することができる。
【0032】
次に、図4において、排出されるシート長さに対応するための構成について説明する。
【0033】
アクチュエータ31の処理トレイ上に突出した突出部31bはシートストッパ36から排出されるシートの排出方向長さ分だけ下流に配置してあるため、排出してくるシートの長さによって変更する必要がある。
【0034】
そのため、図4に示すように、変更するときにはアクチュエータ31、欠け歯ギア30,かさ歯ギア22,23,軸24,カム25,リンク26等からなる連動手段およびシート整合手段27を処理トレイ33、シートストッパ36、移動手段34に対して相対的に移動させることで排出されるシートの排出方向長さに対応させることができるようになっている。
【0035】
また、このとき位置変更手段であるリンク17,18,19,20,21によって、ギア間の距離およびタイミングベルトの長さを一定に保ったまま移動できるようにしている。
【0036】
このように、機械式のアクチュエータを用いてシートの排出動作に応じて適宜移動手段,整合手段を作動させることができるので省電力化を図ることができるとともに、排出されてくるシートの長さに応じて機械式アクチュエータの突出部31bの位置を変更可能としているので、搬送されてくるシートの大きさに柔軟に対応できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るシート後処理装置は、搬送路からシートを排出する排出手段と、該排出手段下流で排出されたシートを収容する処理トレイと、該処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段と、前記処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略直交する方向に整合する整合手段と、円周上に設けられた歯が欠落した欠落部を有するギア部と溝部を有する円筒部とを含む欠け歯ギアを備え、前記移動手段あるいは前記整合手段の少なくともいずれかの駆動を前記排出手段の駆動に連動させる連動手段と、前記欠け歯ギアの溝部に入り込み、該欠け歯ギアの回転を停止させることにより前記排出手段の駆動を遮断するアームを有するアクチュエータと、を備えたことにより、移動手段あるいは整合手段の少なくともいずれかに、独自に駆動手段を設ける必要がなく、また、必要に応じて移動手段の駆動を排出手段の駆動から遮断することができるので、装置の小型化,省電力化を図ることができる。また、移動手段独自にその駆動を制御する制御手段を設ける必要がないのでシーケンス制御の簡略化を図ることができる。
【0038】
また、前記アクチュエータは前記処理トレイ上に突出した突出部を有し、該突出部が排出されてきたシートにより倒されると、前記アクチュエータは移動し、前記欠け歯ギアの溝部に入り込んでいた前記アームが該欠け歯ギアの溝部から外れることにより、該欠け歯ギアが回転し始めることにより、電気部品を用いることなく電力を消費しない機械式アクチュエータを用いて、シートの排出動作に合わせて移動手段を駆動させることができるので、省電力化,低コスト化を図ることができる。
【0039】
また、前記処理トレイ上のシート排出方向上流の端部にシートの移動を停止させるシートストッパを備え、前記アクチュエータの突出部は、前記シートストッパからシート排出方向に所定長さ分下流に位置することにより、該突出部がシートが正確に整列していないのを確実に検知し、シートが整列するまでシートを移動させることができる。
【0040】
また、前記排出手段,前記処理トレイ,前記シートストッパおよび前記移動手段に対して前記整合手段,前記連動手段および前記アクチュエータを相対的に移動させる位置変更手段を備えたことにより、シートの長さに柔軟に対応することができる。
【0041】
また、上記効果を有するシート後処理装置を画像形成装置に備えることにより、画像形成装置全体として小型化,省電力化,シーケンス制御の簡略化ひいては低コスト化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態であるシート後処理装置および該シート後処理装置を備える画像形成装置の概略断面図である。
【図2】実施の形態に係るシート後処理装置を示す図である。
【図3】実施の形態に係るシート後処理装置におけるシートの流れを示す図である。
【図4】排出されるシート長さに対応する構成を示す図である。
【図5】実施の形態に係るシート後処理装置のシートの整合手段を示す図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置
2 画像形成部
3 定着器
4 排紙ローラ
5 シート後処理装置
6 搬送路
7 モータ
8 排出ローラ(排出手段)
9,10,11,12 ギア,プーリ
13,14,15,16 タイミングベルト
17,18,19,20,21 リンク
22,23 かさ歯ギア
24 シャフト
25 カム
26 リンク
27 整合手段
28 ギア
29 ラック
30 欠け歯ギア
31 アクチュエータ
31a アーム
31b 突出部
32 バネ
33 処理トレイ
34 移動手段
35 シート案内ガイド
36 シートストッパ
Claims (5)
- 搬送路からシートを排出する排出手段と、
該排出手段下流で排出されたシートを収容する処理トレイと、
該処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略平行方向に移動させる移動手段と、
前記処理トレイ上に排出されたシートをシート排出方向と略直交する方向に整合する整合手段と、
円周上に設けられた歯が欠落した欠落部を有するギア部と溝部を有する円筒部とを含む欠け歯ギアを備え、前記移動手段あるいは前記整合手段の少なくともいずれかの駆動を前記排出手段の駆動に連動させる連動手段と、
前記欠け歯ギアの溝部に入り込み、該欠け歯ギアの回転を停止させることにより前記排出手段の駆動を遮断するアームを有するアクチュエータと、を備えたことを特徴とするシート後処理装置。 - 前記アクチュエータは前記処理トレイ上に突出した突出部を有し、
該突出部が排出されてきたシートにより倒されると、前記アクチュエータは移動し、前記欠け歯ギアの溝部に入り込んでいた前記アームが該欠け歯ギアの溝部から外れることにより、該欠け歯ギアが回転し始めることを特徴とする請求項1に記載のシート後処理装置。 - 前記処理トレイ上のシート排出方向上流の端部にシートの移動を停止させるシートストッパを備え、
前記アクチュエータの突出部は、前記シートストッパからシート排出方向に所定長さ分下流に位置することを特徴とする請求項2に記載のシート後処理装置。 - 前記排出手段、前記処理トレイ、前記シートストッパおよび前記移動手段に対して前記整合手段、前記連動手段および前記アクチュエータを相対的に移動させる位置変更手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3に記載のシート後処理装置。
- 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート後処理装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003170150A JP2005001872A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | シート後処理装置および画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003170150A JP2005001872A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | シート後処理装置および画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005001872A true JP2005001872A (ja) | 2005-01-06 |
Family
ID=34095034
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2003170150A Withdrawn JP2005001872A (ja) | 2003-06-16 | 2003-06-16 | シート後処理装置および画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2005001872A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019014603A (ja) * | 2017-07-03 | 2019-01-31 | 柯尼▲カ▼美能達▲ベン▼公系統研發无錫有限公司Konica Minolta Technology Development (Wuxi) Co., Ltd. | シート搬送機構およびそれを備えた画像形成装置 |
EP3459885A1 (en) * | 2017-09-21 | 2019-03-27 | Toshiba Tec Kabushiki Kaisha | Sheet processing apparatus |
-
2003
- 2003-06-16 JP JP2003170150A patent/JP2005001872A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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