JP2005001746A - 自立袋の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、袋本体の広い範囲に簡易にラベル等を表示可能にすること。
【解決手段】自立袋10の製造方法であって、合成樹脂製の袋本体11を金型成形し、成形された袋本体11を折りたたみ、折りたたんだ袋本体11にラベル貼り又は印刷を施すもの。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自立袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に記載の如く、ブロー成形されたブローバッグの胴部に印刷を施す技術として、ブローバッグの胴部の扁平面に、その扁平面より狭い押当治具の押当面を押当て、胴部の互いに対向する壁(正面部と背面部)を密接させ、密接させた胴部の正面部に印刷を施すものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開平4−163124(1頁、第5図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術には以下の問題点がある。
▲1▼ブローバッグの胴部の正面部と背面部を密接させてその正面部に印刷を施すのに、押当治具を印刷の開始前から終了後までブローバッグの背面部に押当て続ける必要があり、煩雑である。ブローバッグの胴部の正面部と背面部に両面印刷するときには、片面印刷後にブローバッグを反転して残りの片面印刷を施す必要がある。
【0005】
▲2▼ブローバッグに施し得る印刷面積は、ブローバッグの胴部の中の扁平面の範囲内で、しかもその扁平面より狭い押当治具の押当面の範囲に限定され、狭い。
【0006】
尚、従来技術のブローバッグは、バッグ全体を折りたたみ自由にするものでなく、押当治具による押当ての解除後には直ちに3次元状に復元し、内容剤の充填前段階から大きな保管スペースを必要とする。
【0007】
本発明の課題は、金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、袋本体の広い範囲に簡易にラベル等を表示可能にすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、合成樹脂製の袋本体を金型成形し、成形された袋本体を折りたたみ、折りたたんだ袋本体にラベル貼り又は印刷を施す自立袋の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
自立袋10は、図1に示す如く、胴部20と底部30からなる合成樹脂製の袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階で袋本体11の全体を折りたたみ状態にし得るものである。
【0010】
袋本体11は、胴部20と底部30からなる内容剤の収容部21と、胴部20の上縁部の全巾又は全巾近くに渡る広巾の開口を形成し、内容剤のための充填口22Aを形成するための充填口形成部22とを有し、収容部21と充填口形成部22とを肩部23により滑らかにつなぐように、収容部21、充填口形成部22及び肩部23の全体をブロー成形する。肩部23は、自立袋10の側面視(充填口形成部22の後述するシール部22Bの長手方向に沿って見る方向)で、収容部21の側から充填口形成部22の側に向けて逆V字状をなす如くに狭巾化される。
【0011】
袋本体11は、胴部20が正面部20A、背面部20B、両側面部20Cからなるものとし、ブロー成形により、正面部20Aと両側面部20Cの境界に稜線部41を設け、背面部20Bと両側面部20Cの境界に稜線部42を設け、正面部20Aと底部30の境界に稜線部43を設け、背面部20Bと底部30の境界に稜線部44を設け、両側面部20Cと底部30の境界に稜線部45を設ける。また、袋本体11は、両側面部20Cの長手方向に沿う中央部にブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部46を設け、底部30の中央部にもブロー成形金型のパーティングラインに沿う稜線部47を設ける。
【0012】
自立袋10は、充填口22Aから内容剤を充填した後、充填口形成部22の正面部20Aと背面部20Bをシールバーにより挟圧し、正面部20Aと背面部20Bをヒートシール又は超音波シール等により融着して封止する。これにより、充填口形成部22はシール部22Bになる。
【0013】
自立袋10は、ブロー成形時に、胴部20の上縁側の一部に注ぎ口24Aを形成するための注ぎ口形成部24を成形できる。注ぎ口形成部24の切断により注ぎ口24Aを形成する。
【0014】
自立袋10は、袋本体11の全体を例えば以下の如くに折りたたむ(図2)。
底部30の中央部の稜線部47を胴部20の内側に向けて2つ折りし、この2つ折りした底部30を胴部20の下部の内側に折り込み、胴部20を平らにすることにより、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむほぼ平面状の折りたたみ形態。両側面部20Cの稜線部46を胴部20の外側に張り出すもの(図2(A))と、胴部20の内側に折り込むもの(図2(B))がある。稜線部46を外側に張り出すようにした自立袋10の方が折りたたみ状態の全厚が薄くなる。
【0015】
自立袋10は、界面活性剤0.1%〜50%又は溶剤0.1%〜50%の少なくとも1種以上を成分とする内容剤を入れて製品とした自立袋に用いて好適である。
【0016】
以下、自立袋の製造手順について説明する(図3〜図5)。自立袋10は図3、図4に略示した如くの製造ラインにおいて以下の手順で製造される。
【0017】
(1)袋本体11の成形工程(図3(A))
合成樹脂製の袋本体11をダイレクトブロー成形により製造できる。ダイレクトブロー成形は、金型内にパリソンを押出し、パリソンの内部への空気の吹き込みにより円周方向の延伸を行なって袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形は単層又は積層した樹脂層からなる袋本体11を形成する。ダイレクトブロー成形による袋本体11の構成樹脂材料としては、単層のときにはLDPE(低密度ポリエチレン)又はL−LDPE(直鎖低密度ポリエチレン)又はHDPE(高密度ポリエチレン)を採用でき、積層のときには外側層をHDPE、内側層をLDPE又はL−LDPEとしても良く、内側層をHDPE、外側層をLDPEとするものも採用できる。
【0018】
成形された袋本体11は、空気吹込み開口12Aを先端に備える筒状ネック部12を、前述の充填口形成部22の上部に連設して備える。
【0019】
(2)袋本体11の折りたたみ工程(図3(B))
成形された袋本体11の空気吹込み開口12Aにバキューム吸引具を挿着し、袋本体11の内圧を減圧して袋本体11を減容し、扁平状に折りたたむ。袋本体11の折りたたみ形態は例えば前述した図2の如くである。
【0020】
尚、袋本体11は外力の付加により押圧されて減容され、扁平状に折りたたまれるものでも良い。
【0021】
(3)袋本体11のリーク検査工程
袋本体11を上述(2)で減圧する過程で、バキューム吸引具の配管系に設けた圧力計等により減圧度をチェックすることにより、袋本体11のリーク検査を行なう。
【0022】
(4)袋本体11の封止工程(図3(C))
折りたたんだ袋本体11の減容状態を保ったまま空気吹込み開口12Aを封止する。本実施形態では、筒状ネック部12の充填口形成部22に連なる基部をヒートシール具によってヒートシールし、シール部12Bを形成するとともに、シール部12Bより上部を切断除去する。
【0023】
(5)袋本体11のデコレーション工程(図4)。
折りたたみ状態で封止された袋本体11をデコレーション工程に搬送し、折りたたみ状態にある袋本体11の表面へのラベルAの貼着、印刷等を行なう。
【0024】
図4は袋本体11に感熱ラベルAを貼着するラベル貼り機50を示すものであり、袋本体11が折りたたみ状態でコンベア51により搬入される。感熱ラベルAは、ドラム52に巻き回されてくり出されるとともに、ドラム52の周囲を覆うヒータ53により糊剤を活性化された後、貼着ローラー54により袋本体11の胴部20の正面部20Aに加圧されて貼着され、かつカットされる。
【0025】
感熱ラベルAとしては、図5(A)に示す如く、PET(ポリエチレンテレフタレート)又はOPP(延伸ポリプロピレン)からなる基材61の表面にインキ剤62及びオーバーコート剤63を塗工し、基材61の裏面に熱活性型糊剤64を塗工したものを採用できる。感熱ラベルAとして、図5(B)に示す如く、PET又はOPPの基材61の裏面に、インキ剤62及び熱活性型糊剤64を塗工したものを採用することもできる。
【0026】
次に、自立袋10の使用手順は以下の如くである。(図6)。
(1)前述の製造ラインで製造された自立袋10は、箱71に箱詰めされて平積み保管される。
【0027】
(2)自立袋10は箱71から搬送ライン72に供給されて搬送され、袴状の袋保持具73に投入され、充填機に搬送される。
【0028】
(3)充填機に到達した自立袋10は、袋本体11の充填口形成部22(シール部12B)を切断されて、充填口22Aを開封形成される。続いて、袋本体11を3次元状に膨らませ、充填口22Aから内容剤を充填した後、充填口22Aを封止する。充填口形成部22の残存部をヒートシール具によってヒートシールし、シール部22Bを形成する。
【0029】
本実施形態によれば以下の作用効果を奏する。
▲1▼自立袋10において、合成樹脂製の可撓袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、袋本体11への内容剤の充填前段階では袋本体11の全体を折りたたみ、底部30を胴部20に対し平行に重ね合せるように折りたたむ全体ほぼ平面状の折りたたみ状態にて平積み保管でき、内容剤の充填時には袋本体11を3次元状に復元させて自立可能にする。袋本体11は、ブロー成形によって全体を薄肉可撓状にされ、従来のフィルムを貼り合わせた袋に比して使用樹脂量は少なく、平積み保管によって保管効率も良い。
【0030】
▲2▼袋本体11は、一旦折りたたまれることにより、折りたたみぐせを付与され、平面状の折りたたみ状態をほぼ維持する。従って、折りたたんだ袋本体11を単に、ラベル貼り機50(又は印刷機)に供給することで、袋本体11の胴部20の正面部20Aと背面部20Bを密接させる重なり状態を得て、胴部20(正面部20Aと背面部20B)の変形を伴なうことなく、正面部20Aの表面の正しい位置に簡易にラベル貼り(又は印刷)を施すことができる。袋本体11の背面部20Bの表面にラベル貼り(又は印刷)を施すこともできる。
【0031】
自立袋10にあっては、袋本体11を平面状に折りたたんでこれを維持するために、胴部20の一方に押当治具等を押し当て続ける必要がなく、袋本体11の正面部20Aの表面と背面部20Bの表面に同時にラベル貼り(又は印刷)を施すこともできる。
【0032】
▲3▼袋本体11は、全体を平面状に折りたたまれる。従って、袋本体11の胴部20(正面部20Aと背面部20B)のほぼ全域の広い範囲に渡るラベル貼り(又は印刷)を施すことができ、ラベルA(又は印刷)の表示面積を広くとることができる。
【0033】
▲4▼袋本体11の胴部20において、上述▲2▼の如くに重なり合う正面部20Aと背面部20Bがそれらの境界に稜線部41、42をもつことにより、正面部20Aと背面部20Bの輪郭をそれらの稜線部41、42がきれいに画定するし、正面部20Aと背面部20Bがそれらの稜線部41、42を介してずれなく密接するものになる。従って、上述▲2▼の胴部20の変形を伴なわない正しい位置へのラベル貼り(又は印刷)と、上述▲3▼の胴部20の広い範囲に渡るラベル貼り(又は印刷)の確実を図ることができる。
【0034】
▲5▼合成樹脂製の可撓袋本体11を3次元状(立体状)にブロー成形し、成形された袋本体11を折りたたんで該袋本体11の開口12Aを封止することにより、袋本体11の折りたたみ状態を維持して保管、搬送でき、内容剤の充填時には袋本体11を3次元状に膨らませて自立可能にする。袋本体11は折りたたみにより減容されて保管効率、搬送効率を向上できる。上述▲2▼のラベル貼り(又は印刷)のための袋本体11の折りたたみ状態の維持の完全を図り、上述▲2▼の胴部20の変形を伴なわない正しい位置へのラベル貼り(又は印刷)と、上述▲3▼の胴部20の広い範囲に渡るラベル貼り(又は印刷)の確実を図ることができる。
【0035】
▲6▼上述▲5▼で折りたたんだ袋本体11の開口12Aを封止することにより、空袋状態での保管、搬送時に、空袋内への異物の侵入を防止できる。上述▲5▼で袋本体11のブロー成形後、速やかに開口12Aを封止することにより、内容剤の充填段階まで袋内部の無菌状態を維持することができる。
【0036】
▲7▼上述▲5▼で折りたたまれた袋本体11の減容状態がシール部12Bにより維持されて膨らまないことで、袋本体11のピンホールの有無を確認できる。
【0037】
▲8▼感熱ラベルAを用いることにより、ラベルの貼り付け状態をきれいにできるし、ラベル貼機50の操作も簡易になる。剥離紙がなくなり、低コストになる。滑りにくいラベル材質を選択することで、自立袋10を把持し易くすることもできる。
【0038】
尚、自立袋10にあっては、以下の作用効果も奏する。
(1)袋本体11への内容剤の充填口形成部22は、袋本体11の胴部20の上縁の全幅又は全幅近くに渡って設けることができ、内容剤の充填性は良い。
【0039】
(2)袋本体11からの内容剤の注ぎ口形成部24は、袋本体11のブロー成形時に、胴部20の一部として成形し、又はブロー成形された胴部20の上縁の開口部をシールして形成することができる。また、注ぎ口形成部24は、袋本体11のブロー成形時に3次元状に成形されるから、閉塞しにくい。
【0040】
(3)袋本体11をブロー成形するものであるから、従来の自立袋で必要なフィルムの裁断やフィルムのシールが大幅に省略可能となるため、製造工程は簡易である。
【0041】
(4)袋本体11をシートの貼合わせによって構成するものでないから、接着層を介在させた積層樹脂により袋本体11を構成することを必ずしも必要としない。従って、袋本体11を単層樹脂により構成することができ、界面活性剤や溶剤を含む内容剤が積層フィルムの接着層に浸透して該積層樹脂の剥離を生ずる等がなく、袋品質の安定を図ることができる。
【0042】
(5)袋本体11の胴部20と底部30が一体成形され、落下の衝撃に対して強く、割れにくい。
【0043】
(6)袋本体11に形成した注ぎ口形成部24を、袋本体11の底部30に平行をなす水平方向に対し0度〜90度、好適には30度〜60度の範囲内、最適には45度で傾けることにより、注ぎ出し易くできる。
【0044】
(7)袋本体11に形成した注ぎ口形成部24を、袋本体11の外方に突出状にすることを金型設計できることから、その突出形状を自由に構成でき、注ぎ口の突出長を長くしたり、注ぎ口の口幅を広くする等、注ぎ出し易い袋を簡易に製造できる。
【0045】
尚、本発明の自立袋は、金型成形によるものであれば、ブロー成形によるものに限らず、インジェクション成形によるもの等であっても良い。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、金型成形されて折りたたみ可能にされる自立袋において、袋本体の広い範囲に簡易にラベル等を表示できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は自立袋を示す斜視図である。
【図2】図2は自立袋の折りたたみ状態の一例を示す斜視図である。
【図3】図3は自立袋の製造工程を示す模式図である。
【図4】図4は自立袋のラベル貼り工程を示す模式図である。
【図5】図5は感熱ラベルを示す模式図である。
【図6】図6は自立袋の使用工程を示す模式図である。
【符号の説明】
10 自立袋
11 袋本体
20 胴部
41、42、43、44 稜線部

Claims (5)

  1. 合成樹脂製の袋本体を金型成形し、
    成形された袋本体を折りたたみ、
    折りたたんだ袋本体にラベル貼り又は印刷を施す自立袋の製造方法。
  2. 前記袋本体が稜線部をもち、該稜線部に沿ってほぼ平面状に折りたたまれる請求項1に記載の自立袋の製造方法。
  3. 前記袋本体が減圧して折りたたまれた状態で封止される請求項1又は2に記載の自立袋の製造方法。
  4. 前記袋本体に感熱ラベルを貼る請求項1〜3のいずれかに記載の自立袋の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の自立袋の製造方法によって製造された自立袋。
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