JP2005001681A - カートリッジの保存方法及び浄水器 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期に保存した後でもトリハロメタンの吸着性能の低下の少ないカートリッジの保存方法、及び該カートリッジを用いた浄水器を提供する。
【解決手段】活性炭を充填したカートリッジをガスバリアー性の包装材で包装して保存する。カートリッジはハウジングに装填し、浄水器とする。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カートリッジの保存方法及び浄水器に関する。さらに詳しくは、活性炭を充填したカートリッジをガスバリアー性の包装材で包装するカートリッジの保存方法、該カートリッジを用いた浄水器に関する。本発明の保存方法によるカートリッジを用いた浄水器は、水中の遊離残留塩素、黴臭及びトリハロメタン類の吸着除去性能に優れており、とくに長期保存した後に使用してもトリハロメタン類の吸着除去性能の低下が少ない。
【0002】
【従来の技術】
活性炭は各種汚染物質の吸着能に優れているので、水の浄化用途に多く使用されている。近年、飲料水、とくに水道水の水質に関する安全衛生上の関心が高まってきており、飲料水中に含まれる遊離残留塩素、トリハロメタン類、黴臭などの有害物質を除去することが望まれている。これらの要求に対しては、従来から粒状の活性炭をハウジングに充填した浄水器が主として検討されてきたが、通水時の圧損が大きくなるため、活性炭として繊維状の活性炭を使用することが多くなっている。
【0003】
ところで、水道水中に微量溶存しているトリハロメタンは、発ガン性物質であることが疑われており、近年の健康志向の高まりの中で、トリハロメタンを除去できる浄水器の重要性はますます高まっている。トリハロメタンとは、メタン分子の4個の水素原子の内、3個がハロゲンによって置換された化合物の総称であり、クロロホルム、ジクロロブロモメタン、クロロジブロモメタン、ブロモホルムなどがその代表例である。
【0004】
水道水中のトリハロメタンの内、半量近くはクロロホルムであると言われている。このトリハロメタンは、水道水原水中に含まれるフミン質と、殺菌剤として使用される塩素化合物との反応により生成することが知られている。水道水を塩素化合物で殺菌することが義務付けられている現状では、その発生を防ぐことは全く困難である。そのため、水道水中のトリハロメタンの除去は、重要な課題になっている。
【0005】
トリハロメタンの除去に関しては、従来より粒状活性炭、粉末活性炭、繊維状活性炭又はこれらを複合した成型体などが使われることが多いが、近年、浄水器の小型化、大流量化に伴い、繊維状活性炭を主体にしてバインダー繊維で成型し、小型カートリッジを製造し、ハウジングに充填して浄水器として使用されている。
【0006】
例えば、特開平6−99064号公報に、比表面積が1300m/g以上で、細孔半径9〜16Åの細孔の占める累積細孔容積が0.25cc/g以上であり、かつ細孔半径9〜16Åの細孔の占める累積細孔容積が細孔半径100Å以下の細孔の占める累積細孔容積の50%以上の繊維状活性炭からなる浄水器用充填材が開示されている。
【0007】
また、特開平6−99065号公報に、比表面積が800m/g以上で、細孔半径9Å以下の細孔の占める累積細孔容積が0.20cc/g以上であり、かつ細孔半径9Å以下の細孔の占める累積細孔容積が細孔半径100Å以下の細孔の占める累積細孔容積の50%以上の繊維状活性炭からなる浄水器用充填材が開示されている。さらに、特開平8−26711号公報には、1200〜1700℃で熱処理したトリハロメタン類の吸着能に優れた繊維状活性炭が開示されている。
【0008】
このような成型体からなるカートリッジは、小型でありながら大流量、すなわち高空間速度(SV)に対応可能な優れた浄水材であり、実際、浄水器の最大目標である遊離残留塩素の除去において極めて優れた特性を発揮する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
活性炭は、空気中で保存されることが多い。通常は空気中での保存によって、性能が大幅に低下することはなく、これまで活性炭の保存状態が問題になることはなかった。しかしながら、通常ポリエチレンのようなポリオレフィン系のフィルムで包装されて保管されるカートリッジを、長期保管した後に浄水器に使用するとトリハロメタンの吸着性能が大幅に低下することが判明した。浄水器のカートリッジがトリハロメタンの吸着性能の点において、大幅に性能低下を来たすことは、活性炭の吸着性能においては例外的である。
【0010】
保存したカートリッジを浄水器として使用した場合、トリハロメタン吸着能が大きく低下することは大きな問題であり、浄水器としての死活問題といっても過言ではない。したがって本発明の目的は、長期保存した場合でもトリハロメタンの吸着性能の低下が少ないカートリッジの保存方法、及び該カートリッジを用いた浄水器を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討を重ね、活性炭をガスバリアー性の包装材で包装するという極めて簡単な方法により上記目的を達成することができることを見出し、本発明に到達した。すなわち本発明の第1の発明は、活性炭を充填したカートリッジをガスバリアー性の包装材で包装することを特徴とするカートリッジの保存方法である。本発明のもう一つの発明は、このようなカートリッジをハウジングに充填してなる浄水器である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に使用される活性炭は、水道水中の塩素、黴臭、トリハロメタンなどを除去可能であればとくに限定されず、石炭、木材、やし殻、ピッチ系、フェノール系、セルロース系などの各種炭素質材料を炭化した後、水蒸気、ガス又は薬品で賦活して調製されたものを使用することができる。活性炭の形状としては、粉末状、粒状、繊維状いずれでもよい。
【0013】
なかでも、ヤシ殻を原料とする粒状活性炭は、トリハロメタンに対して高い吸着性能を有する活性炭であり、本発明の包装方法を使用することにより、ヤシ殻活性炭が本来有している高い吸着性能をそのまま保持させることができ好ましい。
【0014】
また、繊維状活性炭は、細孔分布を調整しやすく、トリハロメタンの吸着性能に優れた活性炭を作りやすいので好ましい。繊維状活性炭の原料としては、レーヨン繊維、ポリアクリロニトリル繊維、フェノール樹脂繊維、ピッチ繊維等を挙げることができる。
【0015】
活性炭の原料を賦活するために用いられる賦活ガスはとくに限定されないが、水蒸気は賦活の反応速度が高いために、本発明のように比較的低温で賦活するために有効な反応ガスである。また、炭酸ガスは反応速度は遅いが、細孔が小さい状態で賦活を進めることができるので、炭酸ガスを使用してもよい。
【0016】
細孔半径を6Å〜15Åの大きさに調整しやすいという観点からは水蒸気と炭酸ガスの混合ガスを使用するのがよい。この場合の好ましい混合比率は、水蒸気:炭酸ガスが1:0.1〜0.1:1である。
【0017】
活性炭としては、BET比表面積300〜2500m/gで、かつ水蒸気法で測定した細孔半径6〜15Åの範囲にある細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の70%以上のものがトリハロメタン除去性能の低下の点で好ましく、BET比表面積500〜2000m/gのものがさらに好ましい。本発明における活性炭のBET比表面積は液体窒素温度での窒素ガス吸着等温線によるBET法で求めた値である。
【0018】
水蒸気法は、窒素ガスによるBET法と比較して、細孔半径20Å以下の細孔を正確に測定するのに好適な方法であるので、本発明において細孔半径の測定には水蒸気法を採用する。水蒸気法で測定した細孔半径6〜15Åの範囲にある細孔の容積、及び細孔半径100Å以下の細孔の占める容積とは、例えば特開平6−99065号公報などに詳述されているように、次の方法により作成された細孔分布曲線に基づいて求められるものである。
【0019】
細孔分布曲線の作成:一定濃度の硫酸水溶液の平衡水蒸気圧は一定値をとることから、硫酸水溶液の硫酸濃度と平衡水蒸気圧との間には一律の関係がある。したがって、所定濃度の硫酸水溶液を存在させた吸着室の気相部に活性炭を入れ、1気圧(絶対圧)、30℃の条件で水蒸気と接触させた後、該活性炭における重量増加分として水の飽和吸着量(重量)を測定する。
【0020】
一方、この飽和吸着量の測定試験において水の吸着に利用された活性炭の細孔は、採用した硫酸水溶液の硫酸濃度に固有の1気圧(絶対圧)、30℃での平衡水蒸気圧の値(P)から下記式(I)で表されるKelvinの式に基づいて求められる細孔半径(r)以下の細孔の細孔半径を有するものである。すなわち、該Kelvinの式に基づいて求められる細孔半径以下の細孔の累積細孔容積が、その測定試験での飽和吸着量の相当する30℃の水の体積となる。
【0021】
【数1】
Kelvinの式:
r=−[2VmγcosΦ]/[RTln(P/P)] (I)
r:細孔半径(cm)
Vm:水の分子容(cm/mol)=18.079(30℃)
γ:表面張力(dyne/cm)=71.15(30℃)
Φ:毛細管壁と水との接触角(°)=55°
R:ガス定数(erg/deg・mol)=8.3143×10
T:絶対温度(K)=303.15
P:細孔内の水の示す飽和蒸気圧(mmHg)
:水の1気圧(絶対圧)、30℃における飽和蒸気圧(mmHg)=31.824
【0022】
同様にして、硫酸濃度を変化させた13種類の硫酸水溶液(すなわち、1.05〜1.30までの0.025間隔の比重を有する11種類の硫酸水溶液、1.35の比重を有する硫酸水溶液及び1.40の比重を有する硫酸水溶液)について同種の活性炭を用いて飽和吸着量の測定試験を行い、各測定試験において、対応する細孔半径以下の細孔の累積細孔容積を求める。このようにして求めた累積細孔容積のデータに基づいて、累積細孔容積を細孔半径に対してプロットすることにより、活性炭の細孔分布曲線を得ることができる。
【0023】
細孔容積(cc/g):相対圧0.96における窒素ガスの気体吸着法により測定した。
【0024】
細孔半径があまり小さいとトリハロメタンが細孔内に入りにくく、トリハロメタンの吸着性能が低下する傾向にあり、一方、細孔半径があまり大きいとトリハロメタンに対する活性炭の吸着力が弱いために、トリハロメタンの吸着性能が低下することがあるので、細孔半径としては6Å〜15Åが適当であり、本発明において、細孔半径が6Å〜15Åの範囲にある細孔の容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の70%以上の活性炭を使用するのが好ましい。
【0025】
本発明で使用するガスバリアー性を有する包装材料は、酸素の透過性が低いものが好ましく、200cm・μm/m・d・atm23℃−0%RH以下の値を示すものが好ましい。なかでも、アルミ箔、エチレンビニルアルコール共重合体(エバール)、ポリ塩化ビニリデン等のガスバリアーフィルムは酸素の透過性が低く、従来使用されているポリプロピレン、低密度ポリエチレン、ナイロン6−6などに比べて酸素の透過性が低く、好ましい包装材料である。これらのガスバリアーフィルムは、ガスバリアーフィルムの表面にポリエチレン等の熱溶融性の高分子層を付けて、熱融着により密閉するのがよい。
【0026】
本発明においては、カートリッジをガスバリアーフィルムで包装し、さらに、脱酸素材を内部に投入してもよい。あるいは、ガスバリアーフィルムで包装し、加熱シールするする前に中の空気を抜き、真空包装するとさらに効果的である。ガスバリアーフィルムで包装された後に、中の酸素は、浄水器カートリッジ中の活性炭と反応して、減少してゆくが、包装した初期の状態で、中の酸素を抜いておくのが、活性炭の酸化が進まず、トリハロメタンの吸着性能が低下しにくいのでよい。カートリッジはハウジングに装填し、通水に供されるが、通水方式としては、原水を全量濾過する全濾過方式や循環濾過方式が採用される。
【0027】
原水及び透過水中の遊離残留塩素、トリハロメタン類などの濃度は、公知の分析方法によって測定することができ、例えば遊離残留塩素の濃度はDPD(ジエチル−p−フェニレンジアミン)比色法などにより測定することができる。トリハロメタン類の濃度は、試料を容器に採取し、密閉して気相部分をサンプリングし、ガスクロマトグラフで分析するなどの方法によって測定することができる。
【0028】
浄水器への通水条件は特に限定されないが、圧力損失が極度に大きくならないように100〜5000h−1のSV(空間速度)で実施され、原水及び透過水中の遊離残留塩素、トリハロメタン類などの濃度から計算される各除去率と、通水開始から流した水量(L)とカートリッジの容積(cc)の比(累積透過水量L/cc)との関係をプロットすることにより、浄水器の性能を確認することができる。本発明において、通水方法はJIS S 3201(1999)に定められた家庭用浄水器試験方法に準拠して、除去率が80%を下回るまで継続して行ない、80%を下回った点を除去能とする。本発明の成型体を浄水材として使用すると、吸着速度が大きいので、SVが1000h−1を超える流速においてもその性能を十分に発揮することができ、容器を大幅に小型化することができる。
【0029】
本発明のカートリッジの保存方法によれば、カートリッジを長期に保存した後でも浄水器として使用した場合、トリハロメタンの吸着性能の低下は極めて少ない。この理由を必ずしも明確に説明することはできないが、活性炭の酸化は、通常、少なくとも、100℃〜200℃以上の温度で行われ、室温付近の温度での酸化により性能が大幅に劣化することはないが、トリハロメタンに関しては、室温においても微妙な酸化が性能に大きく影響することが考えられる。
【0030】
本発明の活性炭成型体は、カートリッジとしてそのまま容器に充填することで浄水器として利用できる他、濁り、微細物などを除去する目的で、さらに中空糸膜分離装置、平膜分離装置、不織布、各種吸着材、ミネラル添加材、セラミック濾過材等と組み合わせて使用することもできる。以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
実施例1
〔繊維状活性炭の作製〕:繊維化したフェノール樹脂繊維(日本カイノール株式会社製)からなる不織布を作り、これを400℃及び650℃の2段階で昇温を行い炭化した。この炭化繊維を水蒸気と二酸化炭素の混合比率1:1の混合ガスを用いて900℃で賦活を行った。得られたフェノール繊維系活性炭の窒素ガスによるBETの比表面積は1400m2/g、水蒸気法で計算した100Å以下の細孔分布から計算される細孔半径6Å〜15Åの細孔容積の全細孔容積に対する割合は90%であった。
【0032】
〔浄水器の作製〕:このようにして得た繊維状活性炭を1mmに定長カットし、フィブリル化したセルロース繊維を、繊維状活性炭に対して5重量%の割合で添加し、ビーターで叩解してスラリーとした後、特開平10−5580号公報と同様の方法により吸引成形して体積60cc(直径4cm、長さ5cm)の繊維状活性炭の成形体を得た。この繊維状活性炭成形体の成形密度は0.25g/ccであった。この繊維状活性炭の成形体を同じ体積のプラスチック容器に入れて、浄水器を作製した。
【0033】
〔初期性能の測定〕:
この浄水器カートリッジに1.0リットル(L)/分(SV1000hr−1)の流速でトリハロメタン100ppb(クロロホルム;45ppb、ブロモジクロロメタン;30ppb、ジブロモクロロメタン;20ppb、ブロモホルム;5ppb)、及び遊離残留塩素濃度が2ppmとなるように次亜塩素酸ナトリウムを添加した20℃の水を流した。浄水器出口のトリハロメタン濃度を測定し、トリハロメタンの除去率が80%になった時点を濾過能力とした。その結果、遊離塩素は充分除去されており、トリハロメタンについては、濾過能力が1200L、活性炭フィルターの単位体積あたりの濾過能力は20L/ccであり、非常に優れていた。
【0034】
〔30日間放置後の性能〕:通水前の浄水器3ケを準備し、片側をポリエチレンでコーティングしたアルミ箔、両面をポリエチレンでコーティングしたエチレンビニルアルコール共重合体フィルム(エバール)、及び両面をポリエチレンでコーティングしたポリ塩化ビニリデンフィルムを用い、中の空気をエアポンプで抜いて真空包装し、加熱シール(ポリエチレンの熱融着)した。
【0035】
この状態で45℃、湿度60%の条件に設定したインキューベーター(恒温恒湿容器)の中に入れ、30日間放置した。保管条件として、試験時間を短縮するために、過酷な条件を設定したが、この条件は通常の保管条件である25℃、湿度60%での120日に相当する。この浄水器カートリッジを取り出し、トリハロメタンの性能を測定したところ、濾過能力は1200L(活性炭フィルターの単位体積あたり20L/cc)であり、塩素の除去性能は勿論、トリハロメタンの除去性能の劣化は認められなかった。
【0036】
実施例2
実施例1で使用した同じプラスチック容器(直径4cm、高さ5cm、容積60cc)に、クラレケミカル株式会社製のヤシ殻原料の粒状活性炭GW60/150を充填し、浄水器を作製した。充填密度は、0.59g/ccであった。この粒状活性炭の比表面積は1100m/gであった。水蒸気法で測定した100Å以下の細孔分布から計算される、細孔半径6Å〜15Åの細孔容積の全細孔容積に対する割合は76%であった。実施例1と同じ条件でトリハロメタンの吸着性能を測定したところ、濾過能力は1200L(活性炭の体積あたり20L/cc)であり、塩素の除去性能は勿論、トリハロメタンの除去性能の劣化は認められなかった。
【0037】
この浄水器用カートリッジを、実施例1と同様にしてアルミ箔で真空密閉包装した後、インキュベーター中に保管した。30日保管後にトリハロメタンの性能を測定したところ、濾過性能は1200L(20L/cc)であり、塩素の除去性能は勿論、トリハロメタンの除去性能の劣化は認められなかった。
【0038】
比較例1
実施例1で作製した浄水器用カートリッジを厚さ50μmのポリエチレンフィルムで真空包装し、実施例1と同じ条件で、30日間インキュベーター中に保管した。この浄水器カートリッジを取り出し、トリハロメタンの除去性能を測定した。濾過能力は650L(活性炭フィルターの単位体積あたり11L/cc)であり、塩素の除去性能は優れていたが、トリハロメタンの除去性能は46%低下していた。
【0039】
比較例2
実施例2で作製した浄水器カートリッジを、厚さ50μmのポリエチレンフィルムで真空包装し、実施例1と同じ条件で保管した。30日保管後のトリハロメタンの濾過性能は500L(8L/cc)であり、塩素の除去性能は優れていたが、トリハロメタンの除去性能は58%低下していた。
【0040】
【発明の効果】
本発明のカートリッジの保存方法によれば、カートリッジを長期に保存した後浄水器に使用してもトリハロメタンの吸着性能は初期性能とほぼ同じであり、吸着性能の低下は認められず、カートリッジの保存方法として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 活性炭を充填したカートリッジをガスバリアー性の包装材で包装することを特徴とするカートリッジの保存方法。
  2. 該活性炭が、(a)BET比表面積300〜2500m/g、(b)かつ水蒸気法で測定した細孔半径6〜15Åの範囲にある細孔容積が、細孔半径100Å以下の細孔の占める容積の70%以上である請求項1記載のカートリッジの保存方法。
  3. 該活性炭がヤシ殻活性炭である請求項1又は2記載のカートリッジの保存方法。
  4. 該活性炭が繊維状活性炭である請求項1又は2記載のカートリッジの保存方法。
  5. 該包装材が、アルミ箔、エチレンビニルアルコール共重合体又はポリ塩化ビニリデンのフィルムである請求項1〜4いずれかに記載のカートリッジの保存方法。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載のカートリッジをハウジングに充填してなる浄水器。
  7. 請求項6記載の浄水器と中空糸膜分離装置とを組み合わせた浄水器。
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