JP2005001065A - 打ち込み機 - Google Patents

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Abstract

【課題】多数の打ち込み具を装填するためのマガジンを備えたガス燃焼式の打ち込み機において、マガジンに打ち込み具を装填する場合には、不用意な打ち込み動作がなされないようにするために、従来は予めバッテリやガス缶を取り外していたので装填作業が面倒であった。本発明では、従来のように手間を掛けることなく、簡単かつ安心して打ち込み具をマガジンに装填することができるようにする。
【解決手段】マガジン50の蓋52を開けると、係合アーム52bが端子板63から外れて、端子板63がバッテリ60の接点60aから離間し、これによりバッテリ60の通電が遮断される構成とする。これにより特別の操作をすることなく、不用意な打ち込み動作を禁止した状態で打ち込み具の装填を行うことができるようになる。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばガス燃焼式の仕上げ用釘打ち機であって、多数の打ち込み具を装填するためのマガジンを備えた打ち込み具に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばガス燃焼式の打ち込み機において、マガジンに打ち込み具を装填する際には、打ち込み機本体の不用意な打ち込み動作を防止する必要がある。これには、トリガスイッチが操作されないよう注意するだけでは不十分であるため、従来は燃焼室への発火を行うためのバッテリ電源を外して通電を遮断したり、ガス缶を取り外して燃焼室へのガスの供給を遮断した状態で打ち込み具の装填作業を行うようにしていた。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−781号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の打ち込み具では、マガジンへ打ち込み具を装填する際には、予めバッテリやガス缶を取り外しておく必要があり、さらに打ち込み具装填後にこれらを再び装着する必要があり、この点で打ち込み具の装填作業が面倒であった。
本発明は、この問題に鑑みなされたもので、マガジンへの打ち込み具の装填作業を安全かつ従来よりも簡単に行うことができる打ち込み具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は前記請求項に記載した構成の打ち込み機とした。
請求項1記載の打ち込み機によれば、打ち込み具を装填するためにマガジンの蓋を開けると、打ち込み機本体の打ち込み動作が禁止された状態となるので、従来のようにガス燃焼式打ち込み機におけるバッテリの取り外し操作や、ガス缶の取り外し操作等の準備作業をする必要はなく、これによりマガジンへの打ち込み具の装填作業を安全かつ従来よりも簡単に行うことができる。
請求項2記載の打ち込み機によれば、マガジンの蓋を開けると、打ち込み動作に必要な電源を供給するためのバッテリの通電が遮断され、これにより打ち込み機本体の打ち込み動作が禁止された状態となることから上記と同様の作用効果を得ることができる。
請求項3記載の打ち込み機によれば、マガジンの蓋を開けると、打ち込み動作禁止機構により押し付け操作検知部材の移動が規制され、これにより打ち込み機本体の打ち込み動作が禁止された状態となることから上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0006】
【発明の実施形態】
次に、本発明の実施の形態を図1〜図16に基づいて説明する。図1は、本実施形態の打ち込み機1の全体を示している。本実施形態では打ち込み機1の一例としてガス燃焼式の打ち込み機(釘打ち機)を例示している。以下の説明において、各部材および動作の方向については、説明の便宜上、打ち込み具が打ち出される方向を下側(図においても下側)、その反対側を上側(図においても上側)として説明する。従って、以下例示する打ち込み機1が、打ち込み方向を文字通り下向きにして用いる場合にのみ限定されると解してはならず、水平方向あるいは上方に向けて打ち込む場合にも全く同様にして用いることができるものであることは言うまでもない。
先ず、このガス燃焼式の打ち込み機1の全体構成について説明する。図1中、符号2は、打ち込み機本体を示している。この打ち込み機本体2の側部からは使用者が把持するためのハンドル部3が延びている。ハンドル部3の先端側はL字型に屈曲している。ハンドル部3の基部下面側には、トリガスイッチ4が配置されている。使用者がハンドル部3を把持して指先でこのトリガスイッチ4を引き操作すると、打ち込み機本体2が動作する。
【0007】
この打ち込み機本体2の下部からは、ノーズ部40が下方へ突き出した状態に設けられている。このノーズ部40は、2枚のノーズプレート41,42を相互に重ね合わせた状態に固定したもので、両ノーズプレート41,42間に形成される打ち込み通路40aにドライバ8が往復動可能に挿通されている。以下、図1において左側のノーズプレート41を第1ノーズプレート41といい、右側のノーズプレート42を第2ノーズプレート42と称して相互に区別する。
このノーズ部40は、打ち込み機本体2に対して上下(ドライバ8の往復動方向)に移動可能に支持されている。このノーズ部40とハンドル部3との間には、多数の打ち込み具(図示省略)を装填しておくためのマガジン50が掛け渡すようにして取り付けられている。このマガジン50は、打ち込み機本体2側の動作に連動して、装填した打ち込み具を1本ずつ打ち込み通路40a内に供給する機能を有している。
このマガジン50には、多数の打ち込み具が並列に連結されて板状をなすものが装填される。このマガジン50は、多数の打ち込み具を収容するための打ち込み具収容部53を有するマガジン本体59と、このマガジン本体59に対してスライド可能に支持されて打ち込み具収容部53を開閉可能な蓋52を備えている。マガジン50の詳細な構成については後述する。
マガジン本体59の基端部(ノーズ部40側の端部)には、固定プレート部51が設けられている。この固定プレート部51は、その上端部を、打ち込み機本体2の下部に設けた台座部2aにボルト2b,2bにより固定することで打ち込み機本体2の下部に取り付けられている。
【0008】
この固定プレート部51を介してノーズ部40が上下に移動可能に支持されている。図示は省略したが、このノーズ部40は、打ち込み機本体2に対して下動する方向にばね付勢されている。また、このノーズ部40は、後述するガス缶70の開閉バルブに連携されている。このため、ノーズ部40を上記ばね付勢力に抗して打ち込み材に押し付けて打ち込み機本体2に対して上動させると(以下、この時の位置を上動位置という)、ガス缶70が開かれて燃焼室14にガスが供給され、その後トリガスイッチ4を引き操作することにより打ち出し動作がなされる。逆に、打ち込み機本体2に対してノーズ部40を移動させない状態(以下、この時の位置を初期位置という)では、燃焼室14にガスが供給されないのでトリガスイッチ4を引き操作しても打ち込み動作を行うことができない。図4および図5は、ノーズ部40が上動位置まで移動した状態を示し、その他の図はノーズ部40が初期位置に位置する状態を示している。
このことから、本実施形態におけるノーズ部40は、打ち込み通路40aによって打ち込み具を発射口40bまで案内する打ち込み具案内機能に加えて、当該ノーズ部40自体が打ち込み機本体2に対して移動可能に設けられることにより、特許請求の範囲に記載した押し付け操作検知部材としての機能を併せ持つ構成となっている。
このノーズ部40の周囲は、保護カバー20によって覆われている。また、このノーズ部40の打ち込み通路40aは、詰まった打ち込み具を簡単に除去できるようにするために開放できるようになっている。これらについては後述する。
【0009】
打ち込み機本体2の内部には、シリンダ6が配置されており、このシリンダ6の内部にはピストン7が上死点と下死点との間を往復動可能に収容されている。以下の説明において、ピストン7が上死点から下死点に向かって移動することを下動といい、下死点から上死点に向かって移動することを上動という。
このピストン7の下面中心にはドライバ8が取り付けられている。このドライバ8は、下方へ向けて長く延びており、その先端部はピストン7が上死点に位置する状態であっても打ち込み通路40a内に僅かに進入する長さを有している。これに対してピストン7が下死点に至ると、ドライバ8はその先端部をノーズ部40の先端(打ち込み通路40aの先端、以下発射口40bともいう)から僅かに突き出した下動端位置まで下動する。
打ち込み機本体2の上部には、概ね円板形状を有するシリンダヘッド10が配置されている。このシリンダヘッド10の中心には、電動モータ11により回転するファン12が配置されている。また、このシリンダヘッド10の周囲には、シールリング13が装着されている。
一方、シリンダ6の上部外周側には、円筒形状を有するバルブスリーブ9が上下に移動可能に配置されている。このバルブスリーブ9は、上動するとその上端部が上記シリンダヘッド10の外周側に至る。上動したバルブスリーブ9とシリンダヘッド10との間は、上記シールリング13により気密にシールされる。この上動したバルブスリーブ9とシリンダヘッド10とピストン7との間で気密なピストン上室すなわち燃焼室14が区画形成される。これに対して、バルブスリーブ9が下動すると、その上端部はシリンダヘッド10の外周側から離間し、これにより燃焼室14が大気に開放される。図1はこの状態を示している。
【0010】
バルブスリーブ9は、図示省略した連結レバーを介してノーズ部40に連結されている。このため打ち込み機1を打ち込み方向に押し付けてノーズ部40を打ち込み機本体2に対して上動させることによりバルブスリーブ9が上動してピストン上室が気密に区画され、これによって燃焼室14が形成される。
燃焼室14にガスが供給された後、トリガスイッチ4を引き操作してこの燃焼室14に注入したガスに点火することにより発生する爆発によってピストン7が下動する。ガスは、ハンドル部3の基部付近に装填したガス缶70から供給される。このガス缶70は、打ち込み機本体2の後部(図示上部)に設けた蓋5を開閉することにより交換される。また、点火は、後述するバッテリ60を電源としてなされる。なお、燃焼室14にガスを供給し、これに点火するための構成は、従来公知の技術をそのまま利用すれば足りるもので、本実施形態において特に変更を要しない。
ピストン7がシリンダ6内を下動すると、ドライバ8がノーズ部40の打ち込み通路40a内を下動する。打ち込み通路40a内には、予めマガジン50から1本の打ち込み具(図示省略)が供給される。打ち込み通路40a内を下動するドライバ8によって供給された打ち込み具が打撃され、これによりこの打ち込み具がノーズ部40の先端(発射口40b)から打ち出される。
打ち込み具が打ち出されてピストン7が下死点に至ると、ピストン下室17(常時大気に連通されている)と燃焼室14(ピストン7が下死点に至った時点では負圧)との差圧によりピストン7が上動して上死点まで戻される。
【0011】
次に、図2以降には、ノーズ部40の周辺の詳細が示されている。ノーズ部40の周囲は保護カバー20によって覆われている。この保護カバー20は、鉄板を概ねコ字形に折り曲げて形成したもので、ノーズ部部40の前方(図2において左側方)を覆う前方遮蔽部20aと左側方(打ち出し方向に向かって左側方)を覆う左遮蔽部20bと右側方(打ち出し方向に向かって右側方)を覆う右遮蔽部20cを有している。この保護カバー20の下端部(先端部)は、ノーズ部40の先端近傍にまで至っている。従って、保護カバー20の下端部からノーズ部40の先端部の一定範囲Lのみが突き出されている。この突き出し範囲Lは、ノーズ部40の押し付け操作検知部材としての機能を損なわない範囲で極力小さくなるように設定されている。すなわち、ノーズ部40の先端部を打ち込み材に押し付けて当該ノーズ部40を打ち込み機本体2に対して距離Lだけ上動させた状態とすると、トリガスイッチ4の引き操作により打ち込み機本体2における打ち込み動作が可能となる。
このように、ノーズ部40の先端部の必要最小限の範囲Lを残して当該ノーズ部40が保護カバー20により覆われていることにより、このノーズ部40に使用者等の指先が触れたり、あるいはこのノーズ部40が他部位に干渉したりすることが防止され、これにより当該ノーズ部40の不用意な移動ひいては打ち込み機本体の誤作動が確実に防止されるようになっている。
【0012】
この保護カバー20は、ノーズ部40に対して開閉可能に設けられている。すなわち、この保護カバー20の上端部は、支軸21,21を介して固定プレート部51の上部に回動可能に支持されている。これにより、保護カバー20は、ノーズ部40を覆う閉じ位置と、この閉じ位置から上方へ回動してノーズ部40から離間した開き位置との間を回動させることができるようになっている。図2および図4は、ノーズ部40に対して保護カバー20が閉じられた状態を示し、図6および図8は開かれた状態を示している。この保護カバー20を開くと、ノーズ部40は、その移動が規制された状態となり、従って打ち込み動作を行うことができない状態となるようになっている。
この保護カバー20の内面側には、爪部20dがノーズ部40に向けて突き出すように設けられている。本実施形態では、図示するように当該保護カバー20の一部を一定幅で切り欠いた部位を折り曲げてこの爪部20dが形成されている。この爪部20dの先端下方には、規制ピン25が配置されている。
この規制ピン25は、マガジン50の背面側に設けた支持孔部59a内に移動可能に収容されている。この規制ピン25は、打ち込み具送り方向(若しくは打ち込み通路40aに対して直交する方向)に沿って移動可能に支持されている。この規制ピン25と支持孔部59aの底部との間には、圧縮ばね26が介装されている。このため、規制ピン25は、この圧縮ばね26によって爪部20dに接近する方向(図2において左方)に付勢されている。この規制ピン25の先端には、規制突部25aが形成されている。この規制突部25aは、固定プレート部51に設けた挿通孔部51a内に常時ほぼガタツキなく案内されており、この状態でその先端側を当該挿通孔部51a内に引き込んだアンロック位置と、この挿通孔部51aから図示左方へ突き出されたロック位置との間を移動する。
【0013】
図2および図4に示すように、保護カバー20を閉じることによって規制突部25aに爪部20dが突き当てられ、これにより規制ピン25がアンロック位置まで押し込まれた状態となる。これに対して、図6および図8に示すように保護カバー20を開くと、爪部20dが規制ピン25から離れてその押し込み状態が解除されるため、規制ピン25は圧縮ばね26により図示左方へ移動し、その結果規制突部25aが第2ノーズプレート42の挿通孔部42a内に進入したロック位置まで移動する。挿通孔部42a内には、規制突部25a側に向けて突き出すように規制部42bが設けられている。このため、規制突部25aはロック位置に至ると、ノーズ部40の移動に伴う当該規制部42bの移動経路に進入することとなる。このため、規制ピン25がロック位置に移動した状態では、図6、図8および図9に示すように規制部42bの先端がこの規制突部25aに突き当てられるため、当該第2ノーズプレート42ひいてはノーズ40の移動が規制された状態となる。
なお、図3,5,7に示すように、第1ノーズプレート41の幅は、第2ノーズプレート42よりも小さく形成されている。このため、保護カバー20の爪部20dは、ノーズ部40に対して閉じた状態では、第1ノーズプレート41の側方を通過して第2ノーズプレート42の挿通孔部42aに挿通され、かつ規制突部25aに突き当てられる。また、図3および図5に示すように爪部20dの先端は、第2ノーズプレート42の規制部42bとは、幅方向にずれた位置に挿通される。このため、爪部20dが挿通孔部42aに進入した状態であっても、爪部20dと規制部42bは相互に干渉せず、従って爪部20dによって第2ノーズプレート42ひいてはノーズ部40の移動が規制されることはない。
【0014】
以上説明したように、押し付け操作検知部材としてのノーズ部40の不用意な移動を防止するための当該ノーズ部40の周囲が保護カバー20によって覆われるようになっている。この保護カバー20はノーズ部40に対して開閉することができ、閉じた状態とすることによりノーズ部40に対して他物品が干渉することが防止され、これにより当該ノーズ部40の不用意な移動を防止することができる。
保護カバー20を閉じた状態では、規制ピン25がアンロック位置に押し込まれてノーズ部40の移動が許容された状態となり、従って保護カバー20から突き出された当該ノーズ部40の先端を打ち込み材に押し付けることにより打ち込み機本体2に対して移動させることができ(適切な移動操作)、これにより打ち込み動作を行うことができる。
一方、図6および図8に示すように上記保護カバー20は、ノーズ部40に対して開くことができる。この保護カバー20を開くことにより、第1ノーズプレート41を第2ノーズプレート42に対して開くことができ、これにより打ち込み通路40aを開放してこの打ち込み通路40a内に詰まった打ち込み具を簡単に除去することができる(打ち込み通路開放機構)。また、保護カバー20を開くと、規制ピン25がロック位置に移動して、ノーズ部40の移動が規制され、これにより不用意な打ち込み動作が禁止された状態となるので、使用者は打ち込み通路40a内に詰まった打ち込み具を除去する際に、打ち込み機本体2の不用意な打ち込み動作を心配をすることなく安心して除去作業を行うことができる。以下、上記打ち込み通路開放機構について説明する。
【0015】
第1ノーズプレート41の上部は支軸43を介して第2ノーズプレート42の上部に回動可能に支持されている。第1ノーズプレート41は、支軸43を介して上下に傾動させることにより、図6に示すように第2ノーズプレート42に対して重ね合わされた閉じ位置と、図8に示すように第2ノーズプレート42から離間した開き位置との間を移動させることができる。第1ノーズプレート41を開くと、その内面(第2ノーズプレート42に対向する面)に形成された打ち込み通路40aが露出され、これにより当該打ち込み通路40aに詰まった打ち込み具を簡単に取り除くことができる。
第1ノーズプレート41の外面(保護カバー20に対向する面)には、当該第1ノーズプレート41を第2ノーズプレート42に対して閉じ状態に固定するための固定具45が設けられている。この固定具45は、ターンバックル形式の固定具で、第1ノーズプレート41の外面に支軸46を介して回動可能に支持された作動プレート47と、この作動プレート47の回動先端側に取り付けた引き掛けスプリング48と、第2ノーズプレート42の内面(第1ノーズプレート41に対向する面)に設けた掛け止め部49,49を備えている。
【0016】
図3,5,7に示すように引き掛けスプリング48は、弾力性を有する鋼線を平面的に見て概ねコ字形に屈曲させたもので、その両端部に引き掛け部48a,48aを有している。この引き掛けスプリング48は、そのほぼ中央部が作動プレート47の回動先端側に対して回動自在に連結されている。
また、作動プレート47の回動先端側には、当該作動プレート47の回動操作の便宜を図るためのつまみ部47aが設けられている。
第2ノーズプレート42に設けた二つの掛け止め部49,49は、引き掛けスプリング48の両引き掛け部48a,48aに対応して左右対称に配置されている。図8に示すように両掛け止め部49,49の下面側には、引き掛けスプリング48の引き掛け部48aを引き掛けるためのロック孔49aが設けられている。
図2〜図7に示すように第1ノーズプレート41を第2ノーズプレート42に対して閉じた状態で、引き掛けスプリング48の両引き掛け部48a,48aをそれぞれ掛け止め部49のロック孔49aに引き掛け、この引き掛けた状態で作動プレート47を支軸46に対して上側へ回動させることにより第1ノーズプレート41が第2ノーズプレート42に対して閉じ状態にロックされる。この閉じ状態では、引き掛けスプリング48が支軸46に押圧されて弓形に変形することにより発生する付勢力によって作動プレート47が閉じ位置(図2〜図7に示す位置)に保持され、ひいては第1ノーズプレート41が第2ノーズプレート42に対して閉じ位置にロックされる。
【0017】
この閉じ位置ロック状態において、つまみ部47aを摘んで作動プレート47を支軸46を中心にしてかつ引き掛けスプリング48の付勢力に抗してアンロック方向(図2,4,6において左回り方向)に回動させる(引き起こす)ことにより、引き掛けスプリング48の支軸46に対する押圧状態を解除してその付勢力をなくすことができる。作動プレート47を引き起こして引き掛けスプリング48の弓形に変形した状態を解除し、さらに作動プレート47をアンロック側に回動させることにより引き掛けスプリング48の両引き掛け部48a,48aを掛け止め部49のロック孔49aから外すことができる。引き掛けスプリング48の両引き掛け部48a,48aをそれぞれ掛け止め部49のロック孔49aから外すことにより、第1ノーズプレート41を第2ノーズプレート42から離間する方向に回動する(開く)ことができる。第1ノーズプレート41を開いた状態が図8に示されている。この状態では、打ち込み通路40aが露出されるので、この打ち込み通路40aに詰まった打ち込み具を簡単に取り除くことができる。
【0018】
次に、本実施形態の打ち込み機1は、マガジン50に打ち込み具を装填するために蓋を開けると、打ち込み機本体2の打ち込み動作が自動的に禁止された状態となり、これによりマガジン50への打ち込み具装填中における不用意な打ち込み動作がなされないようになっている。
マガジン50は、その正面側に多数の打ち込み具を収容するための打ち込み具収容部53を備えたマガジン本体59と、このマガジン本体59の打ち込み具収容部53を開閉するためのスライドドア形式の蓋52を備えている。また、図10に示すようにマガジン本体59の背面側(図10において右側面)には、バッテリ60を収容するためのバッテリ収容部61が設けられている。このバッテリ収容部61と上記打ち込み具収容部53は底板54により区画されている。
蓋52は、図示省略したロック爪によりマガジン本体59に対して閉止状態にロックされる。このロック状態は、押しボタン形式のノブ52a(図1参照)を押し下げることにより解除することができる。この蓋52の内面側(打ち込み具収容部53に臨む側面)であってその上下両端部には2本の係合アーム52b,52bが一体に設けられている。この両係合アーム52b,52bは、上記底板54に形成した挿通溝54a,54aを経てバッテリ収容部61内に進入している。挿通溝54a,54aの長さは、蓋52の移動範囲に合わせて適切な範囲に形成されている。
【0019】
一方、バッテリ収容部61は、ハンドル部3側の端部において開口(開口部61a)している。この開口部61a(図11参照)からバッテリ60をバッテリ収容部61内に装填することができる。この開口部61aは、バッテリ脱落防止用の固定蓋62によって塞がれる。この固定蓋62は、適度な係合力を有する係合爪(図示省略)によってバッテリ収容部61に固定される。
バッテリ収容部61の奥部には、端子板63,63が配置されている。バッテリ60をバッテリ収容部61に装填すると、バッテリ60の接点60a,60aにそれぞれ端子板63が接触し、これにより当該バッテリ60を電源とする電気回路が導通される。この電気回路により、打ち込み機本体2において燃焼室14に点火され、また燃焼室14内の混合気を撹拌し、あるいは強制排気を行うためのファン12を回転させるためのモータ11が起動する。この電気回路については、従来公知の構成をそのまま適用すれば足りるので説明および図示を省略する。
【0020】
図11および図12に示すようにマガジン50の蓋52を閉止すると、係合アーム52b,52bが挿通溝54a,54a内の最もノーズ部40に接近した導通位置に位置する。係合アーム52b,52bが導通位置に位置する状態では、両端子板63,63がそれぞれ係合アーム52bによって押され、これによりバッテリ60の接点60a,60aにそれぞれ端子板63が押し付けられて導通状態に維持される。
これに対して、図13に示すように蓋52を開き方向にスライドさせると、両係合アーム52b,52bが蓋52と一体で移動して導通位置から外れる。このため、両端子板63,63がその弾性力(ばね性)によってバッテリ60の接点60aから離間し、従って導通状態が遮断される。
以上のことから、マガジン50に打ち込み具を装填するために蓋52を開けると、係合アーム52b,52bが導通位置から外れて端子板63,63がバッテリ60の接点60a,60aから離れるため、バッテリ60を電源とする電気回路が遮断される。このため、蓋52を開けた状態では燃焼室14への点火が行われないことから、従来のようにバッテリ60をバッテリ収納部61からわざわざ取り外さなくても、不用意な打ち込み動作を確実に禁止した状態で安心して打ち込み具の装填作業を行うことができる。
【0021】
以上説明した実施形態は、マガジン50の蓋52を開けると、バッテリ60を電源とする電気回路への電源供給が遮断されることにより不用意な打ち込み動作を禁止する構成であったが、別の構成によっても同様の作用効果を得ることができる。例えば、マガジン50の蓋52を開けた時に、電源供給を遮断するのではなく、前記ノーズ部40の移動を禁止することによっても打ち込み具装填時における不用意な打ち込み動作を防止することができる。以下、この別形態の打ち込み動作禁止機構について説明する。この打ち込み動作禁止機構は、上記説明したバッテリ電源遮断機構に代えて、またはこれに加えて設定することができる。
図14に示すように、マガジン50の固定プレート部51には、支軸56を介してロック部材55が傾動可能に支持されている。支軸56は、ロック部材55の長手方向ほぼ中央に配置されている。このため、ロック部材55は、支軸56を介してシーソー状態に支持されている。このロック部材55の、支軸56に対して下側の端部(以下、先端部55aという)に対応して、第2ノーズプレート42の後面(図14〜図16において右側面)には、ロック凹部42cが形成されている。このロック凹部42cは、ノーズ部40が初期位置に位置する状態で、ロック部材55の先端部55aに対向する位置に設定されている。
【0022】
ロック部材55は、ねじりばね57によってその先端部55aをロック凹部42cに進入させる方向に付勢されている。一方、ロック部材55の上側の端部(以下、後端部55bという)は、マガジン50の蓋52の上端部52c(ノーズ部40側の端部)によって押されるようにその位置が設定されている。このため、図14および図15に示すようにマガジン50の蓋52を閉じた状態では、ロック部材55の後端部55b側が蓋52の上端部52cによって第2ノーズプレート42側に押され、これにより当該ロック部材55が図において左回り方向に傾動してその先端部55aがロック凹部42cから離脱する。ロック部材55が、このアンロック位置に位置する状態では、ノーズ部40の上動が許容される。これに対して、図16に示すようにマガジン50の蓋52を開けると、その上端部52cがロック部材55の後端部55bから離脱するため、ロック部材55がねじりばね67によって図において右回り方向に傾動し、これによりその先端部55aが第2ノーズプレート42のロック凹部42c内に進入する。ロック部材55がこのロック位置に位置する状態では、ノーズ部40の移動が規制されるため、打ち込み動作を行うことができない。
このように、マガジン50の蓋52を閉じた状態では、ロック部材55がアンロック位置に位置し、これによりノーズ部40の移動が許容されて打ち込み動作を行うことができる。一方、打ち込み具を装填するためにマガジン50の蓋52を開けると、後端部55bの拘束が解除されるのでロック部材55がねじりばね56によりロック位置に移動してノーズ部40の上動が規制され、その結果打ち込み動作が禁止された状態となるため、不用意な打ち込み動作が防止された状態で使用者は安心して打ち込み具の装填を行うことができる。
【0023】
以上のように構成した本実施形態の打ち込み機1によれば、マガジン50の蓋52を開けると、係合アーム52b、52bが移動して、端子板63,63がバッテリ60の接点60a,60aから離間し、これによりバッテリ60の電源供給が遮断される。このため、マガジン50の蓋52を開けると、燃焼室14に点火するための電源が供給されず、従って打ち込み動作が自動的に禁止された状態となる。
また、マガジン50の蓋52を開けると、ロック部材55が第2ノーズプレート42に係合してノーズ部40の移動が規制された状態となり、その結果燃焼室14へのガスの供給が遮断されて打ち込み動作が自動的に禁止された状態となる。
以上のことから、マガジン50に打ち込み具を装填する作業に際して従来のようにバッテリ60を取り外したり、ガス缶70を取り外したりすることなく、打ち込み機本体2における不用意な打ち込み動作を心配することなく安心して打ち込み具の装填作業を行うことができ、従って従来よりも簡単に打ち込み具の装填作業を行うことができる。
【0024】
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、ノーズ部40を打ち込み機本体2に対して移動可能に設けて、このノーズ部40自体に押し付け操作検知部材としての機能を併せ持たせた構成を例示したが、打ち込み具を案内するノーズ部は打ち込み機本体に対して固定して設け、これとは別に押し付け操作検知部材をノーズ部先端付近に移動可能に設けた打ち込み機について同様の保護カバーを設ける構成としてもよい。また、この場合にはマガジン50の蓋52を開けると、ノーズ部とは別に設けた押し付け操作検知部材にロック部材55を係合させることにより、打ち込み動作を禁止する構成としてもよい。
また、マガジン50には、多数の打ち込み具を並列に連結して板状にしたもの(いわゆるスティック釘)を1本ずつ打ち出す形態の打ち込み具1を例示したが、多数の打ち込み具を一定の間隔をおいてシートやワイヤにより連結したもの(いわゆるコイル連結釘)をコイル状に巻いた状態で装填する形態のマガジンを備えた打ち込み機についても同様に適用することができる。
さらに、マガジン50の蓋52を開けると、バッテリ60の通電が遮断され、かつロック部材55によりノーズ部40の移動が規制される構成を例示したが、いずれか一方の機構を省略してもよい。
また、保護カバー20およびノーズ部開放機構については省略することができる。
さらに、打ち込み機の一例としてガス燃焼式の釘打ち機を例示したが、圧縮エアを駆動源とする釘打ち機に適用することもでき、また釘打ち機に限らず、いわゆるタッカー等その他の打ち込み機についても同様に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す図であって、ガス燃焼式打ち込み機の側面図である。本図では、打ち込み機本体の内部構造が図示されている。
【図2】初期位置に位置するノーズ部およびその周辺の側面図である。本図では、閉じられた状態の保護カバーが縦断面で示されている。また、マガジンの上端部であって規制ピンの周辺が破断して示されている。
【図3】初期位置に位置するノーズ部およびその周辺の平面図である。本図では、閉じられた状態の保護カバーが横断面で示されている。
【図4】上動位置に位置するノーズ部およびその周辺の側面図である。本図では、閉じられた状態の保護カバーが縦断面で示されている。また、マガジンの上端部であって規制ピンの周辺が破断して示されている。
【図5】上動位置に位置するノーズ部およびその周辺の平面図である。本図では、閉じられた状態の保護カバーが横断面で示されている。
【図6】初期位置に位置するノーズ部およびその周辺の平面図である。本図では、開かれた状態の保護カバーが縦断面で示されている。
【図7】初期位置に位置するノーズ部およびその周辺の平面図である。本図では、保護カバーは省略されている。
【図8】第1ノーズプレートが開かれた状態のノーズ部およびその周辺の側面図である。本図では、開かれた保護カバーが縦断面図で示されている。
【図9】第1ノーズプレートが開かれた状態のノーズ部およびその周辺の平面図である。本図では、保護カバーは省略されている。
【図10】図1の(10)−(10)線矢視図であって、マガジンの縦断面図である。
【図11】ノーズ部およびマガジンの側面図である。本図では、蓋が閉じられた状態のマガジンのうちその背面側のバッテリが示されている。
【図12】ノーズ部およびマガジンの一部側面図である。本図では、蓋が閉じられた状態のマガジンのうちその背面側のバッテリが示されている。
【図13】ノーズ部およびマガジンの一部側面図である。本図では、蓋が開かれた状態のマガジンのうちその背面側のバッテリが示されている。
【図14】ノーズ部およびマガジンの側面図である。本図は、蓋が閉じられた状態のマガジンが示されている。ノーズ部は初期位置に位置する状態で示されている。
【図15】ノーズ部およびマガジンの側面図である。本図は、蓋が閉じられた状態のマガジンが示されている。また、ノーズ部は初期位置に位置し、保護カバーは閉じられた状態で示している。
【図16】ノーズ部およびマガジンの側面図である。本図は、蓋が開かれた状態のマガジンが示されている。また、ノーズ部は初期位置に位置し、保護カバーは閉じられた状態で示されている。
【符号の説明】
1…打ち込み機
2…打ち込み機本体
4…トリガスイッチ
7…ピストン
14…燃焼室
20…保護カバー、20d…爪部
25…規制ピン
40…ノーズ部、40a…打ち込み通路
41…第1ノーズプレート
42…第2ノーズプレート
42a…挿通孔部、42b…規制部、42c…ロック凹部
45…固定具
48…引き掛けスプリング
50…マガジン
51…固定プレート
52…蓋
53…打ち込み具収容部
55…ロック部材
59…マガジン本体
60…バッテリ
63…端子板
70…ガス缶
L…初期位置におけるノーズ部の保護カバーから突き出し寸法

Claims (3)

  1. 打ち込み機本体と、打ち込み具を発射するノーズ部と、該ノーズ部に打ち込み具を供給するマガジンを備え、該マガジンの蓋を開けると前記打ち込み機本体の打ち込み動作が禁止される構成とした打ち込み機。
  2. 請求項1記載の打ち込み機であって、打ち込み機本体の打ち込み動作を行うために必要な電源を供給するためのバッテリを備え、マガジンの蓋を開けると、該バッテリからの通電が遮断される構成とした打ち込み機。
  3. 請求項1記載の打ち込み機であって、打ち込み材に押し付けることにより打ち込み機本体に対して移動させた状態でなければ当該打ち込み機本体の打ち込み動作がなされない押し付け操作検知部材と、マガジンの蓋を開けると前記押し付け操作検知部材の移動を規制する打ち込み動作禁止機構を備えた打ち込み機。
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