JP2005000466A - ロックリングの緩み防止機構及びこれを用いた医療用具 - Google Patents

ロックリングの緩み防止機構及びこれを用いた医療用具 Download PDF

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Abstract

【課題】カテーテル操作時、点滴時、透析時などに医療用器具の接続部に使用されるルアーロックコネクターのロックリングに緩みが発生することがなく、安全性を維持することができるロックリング緩み防止機構及びこれを用いた医療用具を提供すること。
【解決手段】内腔部に雌ねじ部を備えたロックリング3を雄ルアー4近傍の軸方向に移動可能に取り付けた雄コネクタと、雄コネクタの雄ルアー4に嵌挿される雌ルアー21を有しこの雌ルアー21の先端近傍外周にロックリング3の雌ねじ部と螺合する雄ネジ部を有する雌コネクタとを備えた、弾性部材によって形成された医療用のロック型接続具であって、一方のねじ部のねじ山の始端部近傍に、弾性を有し他方のねじ部のねじ山を乗り上げて固定させる係止部30,31を設けた。
上記のロックリング緩み防止機構を、医療用活栓の接続部や、カテーテルの接続部に設けた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用器具の接続部に用いるロックリングの緩み防止機構に係り、より詳しくは、例えば、血管内に留置するカテーテルの接続部や、輸液ラインに薬液を注入したり動脈ラインから採血をする場合などにルートを切換える三方活栓などの接続部などに用いることができるロックリングの緩み防止機構及びこれを用いた医療用具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日の医療では、補液、薬剤投与、栄養管理の目的で血管内にカテーテルを留置する治療が日常的に行われている。図9は例えばカテーテルを用いて行う治療方法の一例を示す説明図で、輸液瓶50、輸液セット51、三方活栓52、輸液フィルター53、中心静脈注射用カテーテル54を備えており、それぞれの輸液ラインは、輸液瓶50と輸液セット51を接続する第1の接続部55、輸液セット51と三方活栓52を接続する第2の接続部56、三方活栓52と輸液フィルター53を接続するの第3の接続部57、輸液フィルター52と中心静脈注射用カテーテル54を接続する第4の接続部58によって接続され、カテーテルの操作時には中心静脈注射用カテーテル54の先端54aを刺入部59より体内に挿入する。
こうして、血管内に中心静脈注射用カテーテル54を留置し、補液、薬剤投与、栄養管理などを行う。
【0003】
図10は例えば点滴を行う治療方法の一例を示す説明図で、ボトル60、ドリップチャンバー61、クレンメ62、三方活栓63、エクステンションチューブ64、タコ管65、注射針66を備えており、それぞれの輸液ラインは、三方活栓63とエクステンションチューブ64との接続部67などにおいて接続され、注射針66を皮膚刺入部68から血管に刺突して点滴を行う。
【0004】
ところで、接続部における従来の接続具としては、例えば、図11に示すように、内側がねじ構造になっている可動式ロックリング70を雄コネクタ71の雄ルアー72部分に装着し、この雄ルアー72部分を雌コネクタ73の雌ルアー74部分と嵌合させたのち、可動式ロックリング70の内壁に形成された雌ねじ75に雌コネクタ73の外周に形成された雄ねじ76を螺合させ、可動式ロックリング70を回転させて締め付けて、接続部を固定するルアーロックコネクターがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭59−87840号公報(第1頁、図3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成したルアーロックコネクターによれば、雌コネクタ73側の雄ネジ76と、雄コネクタ71側の可動式ロックリング70の雌ネジ75が緩んでしまう場合があった。これは、雌コネクタ73側の雄ネジ76と、可動式ロックリング70側の雌ネジ75を締め付けた際に、可動式ロックリング70部分と雌ルアー74部分との間の摩擦抵抗が少ないために発生する。
【0007】
カテーテルや点滴装置のような医療用具においては、接続具を用いて接続したあとに輸液を行うが、この場合、特に輸液ラインの接続部の擦り合わせが不良であると、接続部より空気を吸引して小さな気泡が混入され、この気泡が血管内に混入して空気塞栓を起こすおそれがあり、また、接続部の接続が不良であると接続部からの汚染が生ずることがあるため、輸液時の安全が確保されなくなる場合があった。
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、カテーテル操作時、点滴時、透析時などに医療用器具の接続部に使用されるルアーロックコネクターのロックリングに緩みが発生することがなく、安全性を維持することができるロックリングの緩み防止機構及びこれを用いた医療用具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るロックリングの緩み防止機構は、内腔部に雌ねじ部を備えたロックリングを雄ルアー近傍の軸方向に移動可能に取り付けた雄コネクタと、雄コネクタの雄ルアーに嵌挿される雌ルアーを備えこの雌ルアーの先端近傍外周にロックリングの雌ねじ部と螺合する雄ネジ部を有する雌コネクタとを備えた、弾性部材によって形成された医療用のロック型接続具において、一方のねじ部のねじ山の始端部近傍に、弾性を有し他方のねじ部のねじ山を乗り上げて固定させる係止部を設けたものである。
【0010】
また、雌コネクタの雄ネジ部のねじ山の始端部近傍に、ロックリングの雌ネジ部のねじ山を乗り上げ固定させる弾性の係止部を設けたものである。
【0011】
さらに、弾性の係止部を、ねじ山側に位置して他方のねじ山を乗り上げ固定させる係止固定部と、他方のねじ山を該係止固定部に乗り上げさせるテーパー部とによって構成したものである。
【0012】
また、係止部の前面がねじ山の軸方向に対してほぼ直交するように構成したものである。
【0013】
本発明に係る医療用具は、カテーテルの接続部に、上記いずれかに記載のロックリングの緩み防止機構を設けたものである。
【0014】
また、医療用具は、医療用活栓の接続部に、上記いずれかのロックリングの緩み防止機構を設けたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の形態1に係る医療用カテーテルの接続部(図9の第4の接続部58に相当)の分解状態を示す正面図で、中心静脈注射用カテーテル側と輸液フィルター側との接続部近傍を示している。輸液フィルター53側の接続管1の端部には排出口2が設けられ、排出口2の近傍には可動式ロックリング3が取り付けられており、排出口2の近傍に設けた雄ルアー4に、中心静脈注射用カテーテル54側のルアーロックハブ20の内部に設けられた雌ルアー21を嵌合させ、接続管1とルアーロックハブ20を可動式ロックリング3によって連結するようにしてある。なお、ルアーロックハブ20の他端には中心静脈注射用カテーテル22が取り付けられ、中心静脈注射用カテーテル22を血管内に留置して補液、薬液投与などを行うようにしてある。
【0016】
次に、輸液フィルター53側に位置する接続管1と、中心静脈注射用カテーテル54側に位置するルアーロックハブ20の構成を詳述する。 まず、接続管1の構成について説明すると、図2(a)、(b)の縦断面図及びその側面図に示すように、接続管1の雄ルアー4の近傍には、樹脂などの弾性材によって構成され、内壁にねじ山を形成するリング側螺線5と平坦な谷部を形成するリング側平面6を備え、イ方向に回転してルアーロックハブ20に締結する可動式ロックリング3が、軸の前後方向に移動可能に取り付けられている。
【0017】
上記のリング側螺線5は、リング側第1螺線5aの第1の始端部5cと、リング側第2螺線5bの第2の始端部5dが、可動式ロックリング3の開口部側の円周上にほぼ180°の位置を占めて対向配置され、リング側第1螺線5aとリング側第2螺線5bのそれぞれの終端部が可動式ロックリング3の奥側に位置しており、それぞれのリング側第1螺線5aとリング側第2螺線5bが隣りあった状態で、第1の始端部5c側からその終端部側に、あるいは第2の始端部5d側からその終端部側に向かう螺旋を構成している。
【0018】
なお、可動式ロックリング3の内腔部の奥側端部には接続管貫通穴3aを有するリング側停止部7を備えており、その内壁が雄ルアー4側の第1の停止部8aに当接して排出口2側への移動を停止すると共に、その外壁が雄ルアー4側の第2の停止部8bに当接して奥側への移動を停止するようにしてある。
【0019】
次に、ルアーロックハブ20の構成について説明すると、図3(a)、(b)の正面図及びその側面図に示すように、ルアーロックハブ20は樹脂などの弾性材によって構成され、内部に雌ルアー21を有する細長の釣り鐘状に形成され、拡径側の開口部23近傍の外壁にはその外周に沿って嵌合部24が設けられ、ここにねじ山を構成して可動式ロックリング3のリング側螺線5と螺合するカテーテル側螺線25が設けられており、また谷部を形成して可動式ロックリング3のリング側螺線5が滑動するカテーテル側平面26が設けられている。
【0020】
より詳しくは、図3(b)に示すように、ルアーロックハブ20に設けたカテーテル側螺線25は、カテーテル側第1螺線25aとカテーテル側第2螺線25bが嵌合部24の円周上をほぼ180°の位置を占めて対向配置され、カテーテル側第1、第2螺線25a,25bのそれぞれの第1、第2の始端部25c,25eが嵌合部25の開口部23側に位置し、カテーテル側第1、第2螺線25a,25bの第1、第2の終端部25d,25fが嵌合部24の奥側に位置して、それぞれのカテーテル側第1螺線25aとカテーテル側第2螺線25bが第1の始端部25c側からその終端部25d側に、あるいは第2の始端部25e側からその終端部25f側に向かう半周をなす螺線を形成している。
【0021】
こうして、接続管1に設けた雄ルアー4をルアーロックハブ20に設けた雌ルアー21に嵌合させ、可動式ロックリング3を回転することによって、ルアーロックハブ20のカテーテル側第1、第2螺線25a,25bと、可動式ロックリング3のリング側第1、第2の螺線5a,5bとをそれぞれ結合させて、ルアーロックハブ20と可動式ロックリング3とを固定できるようにしてある。
【0022】
カテーテル側第1螺線25aの第1の始端部25c近傍には、螺線進行側(開口部23と逆方向)に突起状の第1の係止部30が設けられ、同じく、カテーテル側第2螺線25bの第2の始端部25e近傍には、螺線進行側に突起状の第2の係止部31が設けられており、これら第1、第2の係止部30,31によりロックリングの緩み防止機構を構成している。
【0023】
第1の係止部30について詳述すると、図4(a)、(b)の平面図及びそのA−A断面図に示すように、断面ほぼ台形状をなし、カテーテル側第1螺線25aの開口部23の反対側に位置する側縁部25gに連接してカテーテル側第1螺線25aの上面27hよりも低めで上部に係止面30cを備えた係止固定部30aが設けられ、この係止固定部30aからカテーテル側平面26側に傾斜してカテーテル側平面26に接するテーパー面30dを有するテーパー部30bが設けられている。係止固定部30aの係止面30cとテーパー部30bのテーパー面30dとの接線部30e、及びテーパー部30bのテーパー面30dがカテーテル側平面26に接する接線部30fは、共に、カテーテル側第1螺線25aの軸方向とほぼ平行に形成されており、また、テーパー部30bの前面30g及び後面30hはそれぞれカテーテル側第1螺線25aの軸方向とほぼ直交するようにして形成してある。なお、第1の係止部30の前面30gは、カテーテル側第1螺線25aの第1の始端部25cとほぼになるように配設されている(なお、第2の係止部31はカテーテル側第2螺線25bの側縁部に連接して設けられているが、その他の構成においては、第1の係止部30において説明した場合と実質的に同様なので、説明を省略する)。
【0024】
上記のように構成した本発明の作用を説明する。まず、装置の組み立て動作を説明すると、図1に示す位置にあるルアーロックハブ20の雌ルアー21と接続管1の雄ルアー4を嵌合し、次に、可動式ロックリング3をルアーロックハブ20側に移動させる。
こうすると、図5に示すように、例えば、ルアーロックハブ20側のカテーテル側第2螺線25bの第2の終端部25fと、可動式ロックリング3側のリング側第1螺線5aの第1の始端部5cが接触する(この場合、図示しないが、ルアーロックハブ20側のカテーテル側第1螺線25aの第1の終端部25dと、可動式ロックリング3のリング側第2螺線5bの第2の始端部5dが接触する)。この状態で可動式ロックリング3をイ方向に回転すると、第1の始端部5cは、カテーテル側第1螺線25aの軸方向ハに移動すると共に第1の係止部30側のニ方向に移動する(この場合、図示しないが、第2の始端部5dは、カテーテル側第2の螺線25bの軸方向に移動すると共に第2の係止部31の方向に移動する)。
【0025】
可動式ロックリング3をさらにイ方向に回転すると、図6に示すように、可動式ロックリング3のそれぞれのリング側第1、第2螺線5a,5bのねじ山の端部が、第1、第2の係止部30,31のテーパー面30dにそれぞれ接触しスライドしてせりあがる。そして、多少の力を加えると、それぞれのリング側第1、第2螺線5a,5bのねじ山の端部が、第1、第2の係止部30,31の係止固定部30aの係止面30cにそれぞれ乗り上げる。
【0026】
この状態で、さらに可動式ロックリング3をイ方向に回転すると、リング側第1、第2螺線5a,5bは、第1、第2の係止部30,31の係止固定部30aの係止面30cに沿ってさらに移動し、図7に示すように、可動式ロックリング3のそれぞれのリング側第1,第2螺線5a、5bのねじ山の端部と、ルアーロックハブ20の第1、第2の係止部30,31の係止面30cのそれぞれとが接触状態になって停止する。このとき、可動式ロックリング3側のリング側第1、第2螺線5a,5bと、ルアーロックハブ20側の第1、第2の係止部30,31は、樹脂などの弾性物質で構成されているため、押圧状態になり、しっかりと固定される。
【0027】
このように、可動式ロックリング3を締めていく際には、当初、軽い力で回すことができ、最後に締め込んだ場合のみ、可動式ロックリング3側のリング側螺線5がルアーロックハブ20側の係止部30,31に当たり、摩擦抵抗を得ることができる。このため、カテーテルを使用する際には、可動式ロックリング3を緩み難い状態で固定することができ、可動式ロックリング3の緩みという現象が発生しなくなり、カテーテル使用時や透析時などにおける安全性を確保することができる。
【0028】
次に、装置の分解動作を説明する。ルアーロックハブ20を取り外すには、可動式ロックリング3に多少の力を加えて先のイ方向と逆のロ方向に回転すると、図7の位置にある可動式ロックリング3のリング側第1、第2の螺線5a,5bのねじ山が先と逆方向に移動し、図6に示すように、ルアーロックハブ20の第1、第2の係止部30,31の係止面30cとの接触が解除され、図5に示すように、可動式ロックリング3をルアーロックハブ20から解除でき、その後、ルアーロックハブ20を接続管1から引き抜けば、装置を分解することができる。
【0029】
上記の説明において、ルアーロックハブ20の第1、第2の係止部30,31の形状をテーパーを備えた断面ほぼ台形状の直方体形状にしたが、この形状に限定するものではなく、テーパーを備えたほぼ立方体形状あるいはほぼ菱形形状であっても良い。また、第1、第2の係止部30,31のテーパー状の斜面は平面形状に構成したが、テーパーをなすものであればいかなる形状であっても良く、例えば円弧状に傾斜するものであっても、逆円弧状に傾斜するものであっても良い。また、第1、第2の係止部30,31はルアーロックハブ20側の2箇所に設けたが、3カ所に設けても良く、またはそれ以上の箇所に設けたものであっても良い。さらに、第1、第2の係止部30,31はルアーロックハブ20側に設けたが、可動式ロックリング3側に設けたものであっても良い。
【0030】
[実施の形態2]
図8は、本発明の実施の形態2に係る医療用三方活栓の接続部(図9に示す三方活栓52の接続部に相当)の分解状態を示す正面図である。樹脂などによって形成された三方活栓40の有底円筒状の本体41には、その側壁から三方向に分岐して内腔を備えた第1、第2、第3の分岐管42,1a,43が設けられている。第1、第2の分岐管42,1aはそれぞれの内腔が本体41を介して直線状になるように配設されて回路側を構成し、第1の分岐管42の端部には注入口42aが形成され、第2の分岐管1aの端部には排出口2が形成されている。また、第3の分岐管43、第1、第2の分岐管42,1aに対してほぼ直交するようにして配設されており、その端部には混注口43aが形成されている。
【0031】
第2の分岐管1aの排出口2には軸方向を前後に移動する樹脂などの弾性部材によって形成された可動式ロックリング3が取り付けられ、排出口2近傍に設けた雄ルアー4に、樹脂などの弾性物質で作られたルアーロックハブ20の雌ルアー21を嵌合させ、第2の分岐管1aとルアーロックハブ20を可動式ロックリング3によって締結するようにしてある。なお、ルアーロックハブ20の端部には輸液フィルター22aが連通している。
【0032】
三方活栓の本体41には、注入ルート切換用のコック44が設けられ、本体41内に回動可能に嵌合された円柱状の軸部45と、その一端に形成されて各分岐管42,1a,43の軸方向につまみ44a,44b,44cを有する頭部が設けられ、軸部45には、頭部のつまみ44a,44b,44cと同方向に各分岐管42,1a,43を連通させるほぼT字状に形成した連通孔が設けられている。
【0033】
上記の構成において、三方活栓の第2の分岐管1aの接続部の構成は、実施の形態1で示した接続管1の構成と実質的に同一であり、輸液フィルター4と連通するルアーロックハブ20の構成は実施の形態1で示した医療用カテーテルの接続部の構成と同一なので、説明を省略する。
【0034】
上記のように構成した本発明の作用を説明する。装置の組み立て動作は実施の形態1で説明した場合と実質的に同一なので、説明を省略する。
三方活栓40の可動式ロックリング3を締めていく際には、当初、軽い力で回すことができ、最後に締め込んだ場合のみ、可動式ロックリング3側のリング側螺線5がルアーロックハブ20側の係止部30,31に当たり、摩擦抵抗を得ることができる。
【0035】
このようにしてルアーロックハブ20と可動式リング3を固定し、さらに三方活栓40の第1の分岐管42の注入口42aにチューブを連結し、第2の分岐管1aの排出口2に輸液フィルター22aを連結する。
こうして、主薬液を第1の分岐管42から第2に分岐管1aを通るメインルートを通して血管に投与する。
本実施の形態によれば、可動式ロックリング3を緩み難い状態で固定することができ、可動式ロックリング3の緩みという現象が発生しなくなり、カテーテル使用時や透析時などにおける安全性を確保することができる。
装置の分解の動作は、実施の形態1で示した場合と実質的に同様なので、説明を省略する。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係るロックリングの緩み防止機構は、内腔部に雌ねじ部を備えたロックリングを雄ルアー近傍の軸方向に移動可能に取り付けた雄コネクタと、雄コネクタの雄ルアーに嵌挿される雌ルアーを備えこの雌ルアーの先端近傍外周にロックリングの雌ねじ部と螺合する雄ネジ部を有する雌コネクタとを備えた、弾性部材によって形成された医療用のロック型接続具において、一方のねじ部のねじ山の始端部近傍に、弾性を有し他方のねじ部のねじ山を乗り上げて固定させる係止部を設けたので、ロックリングの緩みという現象が発生しなくなり、医療操作において、安全性が増大する。特に、ロックリングの緩み防止機構を、カテーテルの接続部や医療用活栓の接続部に利用した場合は、操作性が今までと大きく変わることなしに透析やカテーテル操作などにおける安全性が非常に増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る医療用カテーテルの接続部近傍の分解状態を示す正面図である。
【図2】図1の接続管の縦断面図及びその側面図である。
【図3】図1のルアーロックハブの正面図及びその側面図である。
【図4】図1のルアーロックハブの要部の平面図及びそのA−A矢視図である。
【図5】図1の作用説明図である。
【図6】図1の作用説明図である。
【図7】図1の作用説明図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係る三方活栓の接続部近傍の分解状態を示す正面図である。
【図9】カテーテルを用いて行う治療方法の一例を示す説明図である。
【図10】点滴を用いて行う治療方法の一例を示す説明図である。
【図11】従来の接続具の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 接続管、3 可動式ロックリング、4 接続管の雄ルアー、5,5a、5b リング側螺線、5c,5d リング側螺線の始端部、6 リング側平面、20 ルアーロックハブ、21 ルアーロックハブの雌ルアー、22 カテーテル、25,25a,25b カテーテル側螺線、25c,25e カテーテル側螺線の始端部、25d,25f カテーテル側螺線の終端部、26 カテーテル側平面、30,31 第1、第2の係止部、30a 係止固定部、30b テーパー部、30g 係止部の前面部、52,63 三方活栓、54 中心静脈注射用カテーテル、57,67 三方活栓の接続部、58 中心静脈注射用カテーテルの接続部。

Claims (6)

  1. 内腔部に雌ねじ部を備えたロックリングを雄ルアー近傍の軸方向に移動可能に取り付けた雄コネクタと、該雄コネクタの雄ルアーに嵌挿される雌ルアーを有し該雌ルアーの先端近傍外周に前記ロックリングの雌ねじ部と螺合する雄ネジ部を有する雌コネクタとを備えた、弾性部材によって形成された医療用のロック型接続具において、
    前記一方のねじ部のねじ山の始端部近傍に、弾性を有し他方のねじ部のねじ山を乗り上げて固定させる係止部を設けたことを特徴とするロックリングの緩み防止機構。
  2. 前記雌コネクタの雄ネジ部のねじ山の始端部近傍に、ロックリングの雌ネジ部のねじ山を乗り上げ固定させる弾性の係止部を設けたことを特徴とする請求項1記載のロックリングの緩み防止機構。
  3. 前記弾性の係止部を、ねじ山側に位置して他方のねじ山を乗り上げ固定させる係止固定部と、前記他方のねじ山を該係止固定部に乗り上げさせるテーパー部とによって構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のロックリングの緩み防止機構。
  4. 係止部の前面がねじ山の軸方向に対してほぼ直交するように構成したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のロックリングの緩み防止機構。
  5. カテーテルの接続部に、請求項1乃至4のいずれかに記載のロックリングの緩み防止機構を設けたことを特徴とする医療用具。
  6. 医療用活栓の接続部に、請求項1乃至4のいずれかに記載のロックリングの緩み防止機構を設けたことを特徴とする医療用具。
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