JP2005000268A - 血管計測機能を有する超音波診断装置 - Google Patents

血管計測機能を有する超音波診断装置 Download PDF

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Abstract

【課題】血管計測機能を有する超音波診断装置において、血管膜に関する情報を計測してリアルタイムに表示する。
【解決手段】生体内の複数のビームラインに超音波ビームを形成され、そのRF受信信号が血管膜検出部28,血管膜厚さ演算部30に取り込まれる。血管膜検出部28は、各ビームラインについて膜厚さを計測し、膜厚さが最大となるビームラインを血管膜厚さの計測に好適なビームラインとして決定する。そして、この決定されたビームラインについて、血管壁の内膜内側の位置と中膜と外膜間の位置を検出する。血管膜厚さ演算部30は、RF受信信号の中から血管膜厚さ計測用のRF受信信号を抽出し、この抽出したRF受信信号に対してトラッキング点を設定し、その後に抽出して取り込まれるRF受信信号に対してトラッキング点の追跡を行う。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管に対して超音波を繰り返し送受信し、これにより得られた受信信号から血管膜厚さを演算する血管計測機能を有する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、体内の頸動脈を含む領域に超音波を送受波して、頸動脈の血管の内中膜複合体の厚さ(Intima−Media Complex Thickness)を計測し、この内中膜厚さを指標とする動脈硬化の検査法が提案されている。一般的には、この内中膜厚さが1.1mmを超えると、動脈硬化が進展していると報告されている。
【0003】
このような頸動脈の内中膜厚さを計測するための装置の一例が、特開2000−271117号公報に示されている。この文献に示される装置では、超音波を送受信して得られた断層画像データをパーソナルコンピュータに取り込み、この断層画像データに対して処理を行い、血管において輝度値が大きく変化する位置を求めている。これにより、血管の膜位置を特定し、内中膜厚さを計測している。また、血管膜の厚さを計測する装置として、特開平11−318896号公報に示されるものもある。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−271117号公報
【特許文献2】
特開平11−318896号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開2000−271117号公報に記載される装置は、断層画像データを処理して血管膜厚さを求めるものであるため、血管膜厚さの計測精度は、その画像の画素より細かくすることができず、十分な精度を得ることができない、という問題があった。
【0006】
また、この装置は、既に得られた断層画像データに対して処理を行うものであるため、プローブを用いて超音波を送受信すると同時に、血管膜厚さの計測を行うことができない。このため、装置の操作者は血管膜厚さの計測値をその場で知ることができず、不便であるという問題があった。
【0007】
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、血管計測機能を有する超音波診断装置において、患者の診断と同時に血管膜厚さを求めるこを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る血管計測機能を有する超音波診断装置は、血管に対し超音波を繰り返し送受信し、これによりRF受信信号を出力する送受波手段と、前記RF受信信号を処理し、前記血管が有する血管膜の一方側及び他方側の位置を検出する位置検出手段と、前記RF受信信号の波形における前記一方側及び他方側の位置に対応する一方及び他方のトラッキングポイントに対してトラッキングを実行するトラッキング手段と、前記一方及び他方のトラッキングポイント間の距離を演算することにより、血管膜厚さを演算する厚さ演算手段と、を備えるものである。この構成によれば、RF受信信号に対してトラッキングを実行して血管膜厚さを求めるため、患者の診断と同時に血管膜厚さを求めることができる。また、RF受信信号のトラッキングポイント間の距離を演算して血管膜厚さを求めるため、血管膜厚さの計測精度が高い。
【0009】
また、前記位置検出手段は、前記RF受信信号を処理してエンベロープを演算するエンベロープ処理部と、前記エンベロープを微分するエンベロープ微分部と、を有し、前記微分されたエンベロープに基づき、前記血管膜の一方側及び他方側の位置を検出することも好ましい。この構成によれば、微分処理により変化が顕著となったエンベロープに基づき、血管膜の一方側及び他方側の位置が検出されるため、それらの位置を精度よく検出できる。
【0010】
また、血管計測機能を有する超音波診断装置は、前記厚さ演算手段により演算された血管膜厚さの経時変化を示す波形をリアルタイムに表示する表示手段を備えることも好ましい。この構成によれば、操作者は血管膜厚さの計測を行いつつ、計測された血管膜厚さの経時変化を確認することができる。なお、血管膜厚さの経時変化に併せて、心拍動の経時変化を示す波形を表示することも好ましい。
【0011】
また、前記送受波手段により形成される超音波ビームは、血管膜厚さ計測用の超音波ビームと、超音波画像形成用の超音波ビームであり、前記送受波手段は、この血管膜厚さ計測用の超音波ビームの形成と、超音波画像形成用の超音波ビームの形成を時分割で実行することも好ましい。この構成によれば、血管膜厚さ計測用のデータと超音波画像形成用のデータを同時に取得することができる。
【0012】
また、前記送受波手段により形成される超音波ビームは、前記血管の複数部位に対して形成される複数の超音波ビームであり、前記位置検出手段は、各超音波ビームについて血管膜厚さを求め、これに基づき血管膜厚さ計測用の超音波ビームを決定する超音波ビーム決定手段を有し、これにより決定された超音波ビームについて前記血管膜の一方側及び他方側の位置を検出し、前記トラッキング手段は、前記超音波ビーム決定手段により決定された超音波ビームについてトラッキングを実行することも好ましい。この構成によれば、血管の複数部位のうち血管膜厚さの計測に好適な計測部位を決定し、この計測部位について血管膜厚さを求める処理を行うことができる。
【0013】
また、前記位置検出手段は、前記検出された一方側及び他方側の位置の正常又は異常を判定する判定手段を有し、前記判定手段により異常と判定された場合には、血管膜の一方側及び他方側の位置を再検出することも好ましい。この構成によれば、検出された一方側及び他方側の位置が異常である場合には、これらの位置の再検出を行うため、誤検出された位置に対してトラッキングを行うことを防止することができる。なお、位置判定の手法として、例えば、前記RF受信信号又はこのエンベロープについて相関演算を行い、前記RF受信信号又はエンベロープの正常又は異常を判定すればよい。
【0014】
また、前記位置検出手段により検出される血管膜の一方側の位置は、血管膜の内膜内側の位置であり、他方側の位置は、血管膜の中膜と外膜間の位置であることが好ましい。これらの位置間の血管膜厚さを演算することにより、動脈硬化の診断に利用することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
【0016】
始めに、図1を参照して、超音波診断装置の血管計測機能における血管壁の内中膜厚さの計測の原理について説明する。図1(A)において、超音波探触子としてのリニアプローブ10は生体表面に当接して用いられ、そのリニアプローブ10から生体内において所定間隔ごとに平行に配列した複数のビームラインに超音波ビームが走査される。これにより、周知のように反射信号の2次元の取込領域100が形成される。もちろん、リニアプローブ10に代えてセクタプローブやコンベックスプローブなどを利用した場合には、それに対応した取込領域100が形成される。
【0017】
血管膜厚さの計測では、リニアプローブ10を生体表面に当接する際に、血管が取込領域100内に含まれるようにプローブの向きを設定する。図1に示す例では、血管の長軸方向の断面が取込領域内に含まれている。血管壁12の内部である血管内腔14には血液が流れている。ここで、図1(B)に示すように、血管壁12のうち前壁又は後壁のいずれか一方を拡大してその構造に着目すると、血管壁12は外膜12a、中膜12b及び内膜12cの3層構造となっている。外膜12a及び中膜12bは厚みのある組織であり、内膜12cは外膜12a及び中膜12bと比較すると非常に薄い組織である。
【0018】
このような血管壁12に対して超音波ビームを形成し、RF受信信号を取得した場合には、そのRF受信信号のエンベロープは、図1(B)に示すように、内中膜の一方側である内膜12c内側(血管内腔14側)の境界においてピーク102が認められ、また内中膜の他方側である中膜12bと外膜12a間の境界において変化点104が認められる。ここで、ピーク102から変化点104の断層像はMラインと称されることがある。超音波診断装置は、図1(B)に示される血管壁の内部構造を反映したピーク102及び変化点104を検出し、その間の距離を求めることにより、血管壁12の内中膜厚さを計測している。
【0019】
次に、図2を参照して、上述した原理に基づき血管壁の内中膜厚さの計測を行う本実施形態の血管計測機能を有する超音波診断装置について説明する。図2には、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成を示すブロック図が示されている。なお、図2に示される各機能ブロックは、本実施形態では、演算処理装置(CPU)がプログラムを実行することにより実現されるが、アナログ回路を利用するなど他の態様で実現してもよい。
【0020】
リニアプローブ20は、上述したように、超音波ビームの走査を行って、血管を含む取込領域からRF受信信号を取り込むものである。もちろん、そのリニアプローブ20に代えて各種の超音波探触子を利用可能である。場合によっては三次元エコーデータ取込用超音波探触子を利用してもよい。血管に対して交差する方向から少なくとも一本の超音波ビームを形成できる限りにおいて各種の超音波探触子を利用できる。
【0021】
送受信部22は、送受信制御部24からの送受信指令に応じて、リニアプローブ20に対して超音波ビームを形成するための送信信号を出力するとともに、リニアプローブ20から出力されるRF受信信号に対して増幅や整相加算などの各種の処理を行っている。この送受信部22により、生体内に送信ビーム及び受信ビームが形成される。送受信部22は、RF受信信号を断層画像形成部26、血管膜検出部28及び血管膜厚さ演算部30に出力する。
【0022】
断層画像形成部26は、取り込まれたRF受信信号を検波した後に、対数変換を行い、2次元断層画像を形成するための輝度値データを演算する。取込領域内の各ポイントにおける輝度値データが、表示処理部32に設けられたデジタルスキャンコンバータにより、Bモード断層像などの2次元断層画像として表示部34で画面表示するために利用される。なお、そのような画像表示上において後述する関心領域(ROI)の設定が行われる。
【0023】
血管膜検出部28は、主として、次の2つの処理を行う。その一つは、生体内の複数のビームラインに超音波ビームを形成して、それらの超音波ビームが交差する血管の複数部位における膜厚さを計測し、この計測データに基づき血管膜厚さの計測に好適ないずれか1つ又は複数のビームラインを決定する処理である。もう一つは、この決定されたビームラインからのRF受信信号を処理して、血管壁の内膜内側の位置と中膜と外膜間の位置を検出する処理である。血管膜検出部28は上記の2つの処理を行い、血管膜厚さ計測用として決定されたビームラインの情報と、血管壁の内膜内側と中膜と外膜間の位置情報を、血管膜厚さ演算部30及び表示処理部32に出力する。なお、この血管膜検出部28の処理に詳細は、後に図5を参照して説明する。
【0024】
血管膜厚さ演算部30は、送受信部22からRF受信信号を取り込む。本実施形態では、2次元断層画像と血管膜厚さの計測値を同時表示するため、送受信部22により2次元断層画像形成用と血管膜厚さ計測用の2種類の超音波ビームが形成されており、このため、送受信部22から取り込まれるRF受信信号には、上記した2種類の超音波ビームのRF受信信号が混在している。血管膜厚さ演算部30は、このようにして取り込まれるRF受信信号の中から、血管膜検出部8から入力される血管膜厚さ計測用のビームラインの情報に基づき、血管膜厚さ計測用のRF受信信号を抽出する。そして、血管膜厚さ演算部30は、抽出したRF受信信号に対して、血管膜検出部28から入力される血管膜位置情報に基づき、血管壁の内膜内側と中膜と外膜間の位置に対応するRF受信信号の位相をトラッキング点として設定し、その後に抽出して取り込まれるRF受信信号に対して、そのトラッキング点を位相追従法を用いて追跡する処理を行う。
【0025】
ここで位相追従法としては、公知の様々な手法を用いることができる。本実施形態では、特に以下に説明する手法により、トラッキング点の追跡を行っている。図3には、血管膜厚さ計測用のビームラインからのRF受信信号が示されている。血管壁の内膜内側や中膜と外膜間のように体内において音響インピーダンスが大きく変化する部位では、図3(a)に示されるように、振幅の大きなRF受信信号が得られる。血管壁の内膜内側の境界で反射するRF受信信号を時間軸方向に拡大したものを、図3(b)に示す。図3(b)に実線の波形で示すように、RF受信信号において、血管壁の内膜に対応する位相に最も近いゼロクロス点110aをトラッキング点として設定する。そして、点線の波形で示される次回のRF受信信号が取り込まれると、このRF受信信号において、トラッキング点であるゼロクロス点110aに最も近いゼロクロス点110bを、新たなトラッキング点とする。この処理を、繰り返し入力されるRF受信信号に対して行うことにより、トラッキング点の追跡が行われる。
【0026】
血管膜厚さ演算部30は、上述した手法で、血管壁の内膜内側と中膜と外膜間に対応する2つのトラッキング点を追跡し、2つのトラッキング点の位相差(距離)から血管壁の内中膜厚さを演算する。血管膜厚さ演算部30では、さらに、このようにして演算された内中膜厚さの計測値に基づき、1心拍における内中膜厚さの平均値、最大値、最小値や、1心拍における内中膜厚さの経時変化を示すグラフ(波形)などを演算し、表示処理部32に出力する。そして、これらの情報は、表示部34にて画面表示される。このように血管膜厚さの計測と同時にその計測値を表示することは、操作者に診断情報をリアルタイムに提供することができ有効である。なお、図4に示すように、内中膜厚さの経時変化のグラフを画面表示する際には、それに併せて心拍動の変化を示すグラフを表示することも好ましい。これにより、操作者は、心拍動の影響が少ない時点における内中膜厚さの計測値を得ることができる。
【0027】
次に、図5を参照して、血管膜検出部28の処理について詳しく説明する。図5には、血管膜検出部28の詳細なブロック図が示されている。血管膜検出部28は、既述したとおり、血管膜厚さ計測用のビームラインを決定する処理、及び血管壁の膜位置を検出する処理を行う。
【0028】
関心領域(ROI)設定部36は、に血管の前壁及び後壁の両者を包含するようにあるいは一方を包含するように関心領域を設定するための回路である。これは例えばトラックボールやキーボードなどの入力手段を含んで構成される。装置の操作者は、入力手段を用いて、表示部34に表示される断層画像の一部の領域を関心領域として設定する。
【0029】
エンベロープ処理部38は、関心領域の設定データに基づいて、関心領域を通過するビームラインを選択する。そして、超音波ビームの走査により入力されるRF受信信号の中から、関心領域を通過する複数のビームラインからのRF受信信号を抽出して取り込む。この取り込まれるRF受信信号に対して順次、検波などの処理を行い、関心領域を通過する各ビームラインについてエンベロープを求める。
【0030】
エンベロープ微分部40は、エンベロープ処理部38からエンベロープの情報を取り込み、各エンベロープを時間微分する。図6(a)に示すRF受信信号のエンベロープの波形を時間微分すると、図6(b)に示す微分波形となる。このように、時間微分によりエンベロープの変化点の立ち上がりが顕著となる。
【0031】
血管膜位置検出部42は、各ビームラインの時間微分されたエンベロープをエンベロープ微分部40から取り込み、時間微分されたエンベロープをそれぞれ所定の閾値と比較することにより、血管壁の内膜内側の位置と中膜と外膜間の位置を検出する。次に、関心領域を通過する各ビームラインについて、検出された内膜の内側位置と中膜と外膜間位置の位相差から内中膜厚さを演算する。そして、関心領域を通過するビームラインのうち、内中膜厚さが最大となるビームラインを、血管膜計測用のビームラインとして設定する。この処理により、図7に示すように、複数のビームライン60の中から、診断において最も重要となる血管膜厚さの最大部位を通過するビームライン62が設定される。また併せて、他のビームライン、例えばこのビームライン60から所定距離(例えば10mm)の位置のビームライン64を血管膜計測用のビームラインとして設定してもよい。なお、本実施形態では、血管膜厚さが最大となるビームラインを最適なビームラインとしているが、他の基準により最適なビームラインを設定してもよい。
【0032】
血管膜位置検出部42は、血管膜計測用のビームラインが設定されると、このビームラインについて血管壁の内膜内側の位置と中膜と外膜間の位置の情報を取得する。この位置情報は、上述の処理において各ビームラインについて検出された位置情報から、血管膜計測用のビームラインの位置情報を取り出すことにより取得してもよいし、送受信部22から新たに入力されるRF受信信号を処理することにより取得してもよい。血管膜位置検出部42は、上述した処理により選択された血管膜計測用のビームラインの情報と、このビームラインについて血管膜位置情報を出力する。これらの情報は、血管膜位置判定部52を介して、血管膜厚さ演算部30に出力される。以上に説明した処理が、血管膜検出部28における主要な処理である。
【0033】
また、血管膜検出部28では、副次的な処理として、血管膜位置情報の正常又は異常を判定し、異常が判定された場合には、血管膜位置情報を再検出する処理を行っている。この処理は、血管膜位置が誤検出される状況を考慮して設けられた処理であり、具体的には波形相関処理部50により以下に説明する処理が行われている。
【0034】
波形抽出部44は、血管膜位置検出部42から血管膜計測用のビームラインの情報を取り込む。そして、このビームラインの情報に基づいて、送受信部22から送られてくるRF受信信号の中から、血管膜計測用のビームライン60とそれに隣接する複数のビームラインからのRF受信信号を抽出し、波形相関部46に出力する。
【0035】
次に、波形相関部46は、血管膜計測用のビームラインのRF受信信号の波形と、それに隣接するビームラインのRF受信信号の波形に対して相関演算を行い、相関値を求める。そして、この相関値を波形相関値判定部48に出力する。なお、相関演算には、複数の波形の類似度を演算する公知の様々な演算手法を用いることができる。なお、相関値は、波形が互いに類似している場合には大きな値となり、波形が類似しない場合には小さな値となる。
【0036】
次に、波形相関値判定部48では、波形相関部46から入力される相関値を所定の閾値と比較する。そして、相関値が閾値以上である場合には、血管膜厚計測用のビームラインのRF受信信号が正常であると判定し、相関値が閾値未満である場合には、血管膜厚計測用のビームラインのRF受信信号が異常であると判定する。繰り返し取り込まれるRF受信信号の中には異常な波形のものが含まれることがあるが、この判定により異常な波形をもったRF受信信号が検出される。
【0037】
血管膜位置判定部52は、波形相関値判定部48から判定結果の情報を取り込み、RF受信信号が正常である場合には、血管膜位置検出部42から入力された血管膜位置情報を血管膜厚さ演算部30に出力する。一方、RF受信信号が異常である場合には、血管膜位置検出部42から入力された血管膜位置情報を利用せず、エンベロープ微分部40に微分処理を促す指令を出力する。
【0038】
エンベロープ微分部40は、上記の指令が入力されると、エンベロープ処理部38からRF受信信号のエンベロープを再度取り込み、このエンベロープに対して微分処理を行い、血管膜位置検出部42に出力する。これにより、血管膜位置が再検出される。なお、この再検出に利用されたRF受信信号についても、波形相関処理部50にて波形の正常又は異常の判定が行われる。なお、本実施形態では、上述したようにRF受信信号の波形について相関演算を行うことにより、血管膜位置情報の正常又は異常を判定しているが、他の方法を用いてもよい。例えばエンベロープの波形について相関演算を行ってもよい。
【0039】
また、本実施形態においては、表示部34の画面上に2次元断層画像と血管膜厚さの情報を同時に表示するために、送受信制御部24の制御により、2次元断層画像形成用の超音波ビームの形成と、血管膜厚さ計測用の超音波ビームの形成が同時に行われる。この超音波ビームの送受信シーケンスについて、以下に説明する。
【0040】
図8のタイミングチャートには、超音波ビームの送受信シーケンスが示されている。超音波ビームは、一定周期の送信タイミングごとに、ビームライン♯1からビームライン♯9の方向に順番に形成され走査される。この走査において、超音波ビームは、ビームライン♯1から形成が開始されビームライン♯8まで走査されると、再びビームライン♯1に形成され、その後ビームライン♯9から走査が続けられる。その後も、8本のビームラインに超音波ビームを走査するごとに、ビームライン♯1に超音波ビームが形成される。
【0041】
この超音波ビームの走査において、ビームライン♯1からビームライン♯8に走査された超音波ビームと、ビームライン♯9以上に走査された超音波ビームが、2次元断層画像形成用の超音波ビームである。一方、始めにビームライン♯1に形成された超音波ビームと、ビームライン♯8とビームライン♯9に挿間してビームライン♯1に形成された超音波ビームが、内中膜厚さ計測用の超音波ビームである。この内中膜厚さ計測用の超音波ビームは、計測値を十分なサンプリングレートで得るために1msecごと(1kHzの周波数)にビームライン♯1に形成される。
【0042】
本実施形態では、上述したように、2次元断層画像形成用の超音波ビームの形成と、血管膜厚さ計測用の超音波ビームの形成が時分割で行われる。このような超音波ビームの形成により、2次元断層画像を生成するためのデータと、血管膜厚さを計測するためのデータを同時に取り込むことができる。
【0043】
また、図7にて説明したように、血管膜厚さが最大となるビームラインとそれに所定距離離れた2本のビームラインが、血管膜厚さ計測用のビームラインである場合には、図9に示すシーケンスで超音波ビームを形成すればよい。すなわち、2次元断層画像形成用の超音波ビームを8本のビームラインに走査するごとに、血管膜厚さ計測用の3本の超音波ビーム♯1,♯2,♯3を形成すればよい。また、より多数のビームラインが血管膜厚さ計測用のビームラインとして設定される場合も同様である。
【0044】
次に、図10のフローチャートを参照して、以上説明した超音波診断装置が行う一連の処理について説明する。
【0045】
まず、超音波診断装置は、リニアプローブ10から超音波ビームを送受信し、これにより得られたRF受信信号を処理して、診断部位の2次元断層画像を表示部34に画面表示する(S101)。次に、トラックボールなどの入力手段を用いて、2次元断層画像の一部に設定された関心領域の情報を取得する(S102)。
【0046】
超音波診断装置は、関心領域が設定されると、走査される超音波ビームの中から関心領域からの複数の超音波ビームのRF受信信号を抽出して処理し、各RF受信信号について血管壁の内中膜厚さを計測する。そして、内中膜厚さが最大となる超音波ビームを、内中膜厚さ計測用の超音波ビームとして設定する(S103)。ここで、内中膜厚さが最大となる超音波ビームに併せて、他の超音波ビームを設定してもよいことは、既述のとおりである。
【0047】
次に、上記のようにして設定された内中膜厚さ計測用の超音波ビームについて、血管壁の内膜内側の位置と中膜と外膜間の位置を検出する(S104)。また同時に、内中膜厚さ計測用の超音波ビームについて相関演算を行い、これにより求められた相関値を判定することにより、膜位置の検出に用いられたRF受信信号の正常又は異常を判定する(S105)。ここで、正常と判定された場合にはステップS106に進み、一方、異常と判定された場合にはステップS104に戻り血管膜位置を再検出する。
【0048】
その後、検出された膜位置に対応するRF受信信号の位相をトラッキングし、継続して血管膜厚さの情報を取得する(S106)。そして、一心拍内における内中膜厚さの平均値、最大値、最小値、単位時間当たりの変化率、変化特性を示すグラフなどをリアルタイムで画面表示する(S107)。
【0049】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、等価な範囲で様々な変形が可能である。例えば、本実施形態では、超音波診断装置は2次元断層画像を表示する機能を有しているが、断層画像の形成は行わず、血管膜厚さを計測するのみを行う装置として構成してもよい。また、本実施形態では、抽出された一部の超音波ビームに対してトラッキングを行っているが、取り込まれる全ての超音波ビームに対してトラッキングを実行し、内中膜厚さを計測してもよい。また、2次元断層画像に代えて、3次元的な画像を表示してもよい。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る超音波診断装置では、RF受信信号に対してトラッキングを実行して血管膜厚さを求めるため、患者の診断と同時に血管膜厚さを求めることができる。また、RF受信信号のトラッキング点間の距離を演算して血管膜厚さを求めるため、血管膜厚さの計測精度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】血管膜厚さの計測原理を説明するための説明図である。
【図2】超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【図3】エコートラッキングの原理を説明するための説明図である。
【図4】計測結果の画面表示の一例を示す説明図である。
【図5】血管膜検出部の構成を示すブロック図である。
【図6】エンベロープ微分部における処理を説明するための説明図である。
【図7】血管膜計測用の超音波ビームを選択する処理を説明するための説明図である。
【図8】超音波の送受信のシーケンスを示すタイミングチャートである。
【図9】超音波の送受信のシーケンスの別の例を示すタイミングチャートである。
【図10】超音波診断装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
20 リニアプローブ、22 送受信部、24 送受信制御部、26 断層画像形成部、28 血管膜検出部、30 血管膜厚さ演算部、32 表示処理部、34 表示部、36 設定部、38 エンベロープ処理部、40 エンベロープ微分部、42 血管膜位置検出部、44 波形抽出部、46 波形相関部、48波形相関値判定部、50 波形相関処理部、52 血管膜位置判定部。

Claims (8)

  1. 血管に対し超音波を繰り返し送受信し、これによりRF受信信号を出力する送受波手段と、
    前記RF受信信号を処理し、前記血管が有する血管膜の一方側及び他方側の位置を検出する位置検出手段と、
    前記RF受信信号の波形における前記一方側及び他方側の位置に対応する一方及び他方のトラッキングポイントに対してトラッキングを実行するトラッキング手段と、
    前記一方及び他方のトラッキングポイント間の距離を演算することにより、血管膜厚さを演算する厚さ演算手段と、
    を備えることを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  2. 請求項1に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記位置検出手段は、
    前記RF受信信号を処理してエンベロープを演算するエンベロープ処理部と、
    前記エンベロープを微分するエンベロープ微分部と、
    を有し、
    前記微分されたエンベロープに基づき、前記血管膜の一方側及び他方側の位置を検出することを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  3. 請求項2に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記位置検出手段により検出される血管膜の一方側の位置は、血管膜の内膜内側の位置であり、他方側の位置は、血管膜の中膜と外膜間の位置であることを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  4. 請求項1に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記厚さ演算手段により演算された血管膜厚さの経時変化を示す波形をリアルタイムに表示する表示手段を備えることを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  5. 請求項1に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記送受波手段により形成される超音波ビームは、血管膜厚さ計測用の超音波ビームと、超音波画像形成用の超音波ビームであり、
    前記送受波手段は、この血管膜厚さ計測用の超音波ビームの形成と、超音波画像形成用の超音波ビームの形成を時分割で実行することを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  6. 請求項1に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記送受波手段により形成される超音波ビームは、前記血管の複数部位に対して形成される複数の超音波ビームであり、
    前記位置検出手段は、各超音波ビームについて血管膜厚さを求め、これに基づき血管膜厚さ計測用の超音波ビームを決定する超音波ビーム決定手段を有し、これにより決定された超音波ビームについて前記血管膜の一方側及び他方側の位置を検出し、
    前記トラッキング手段は、前記超音波ビーム決定手段により決定された超音波ビームについてトラッキングを実行する
    ことを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  7. 請求項1に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記位置検出手段は、
    前記検出された一方側及び他方側の位置の正常又は異常を判定する判定手段を有し、
    前記判定手段により異常と判定された場合には、血管膜の一方側及び他方側の位置を再検出することを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
  8. 請求項7に記載の血管計測機能を有する超音波診断装置であって、
    前記判定手段は、前記RF受信信号又はこのエンベロープについて相関演算を行い、前記RF受信信号又はエンベロープの正常又は異常を判定することを特徴とする血管計測機能を有する超音波診断装置。
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