JP2004538275A - ヒトインターフェロン−β配合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、約2.0〜約4.0のpHでのグリシン緩衝液を含む水性基材の溶液に溶解された生物学的活性ヒトインターフェロン−β(IFN−β)、好ましくは細菌宿主において生成されるIFNβ−1bを含む安定した医薬組成物を提供する。本発明はまた、約2.0〜約4.0のpHでのグリシン緩衝液を含む水性基材の溶液に溶解された生物学的活性IFN−βから調製された安定したIFN−β凍結乾燥物も提供する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、約2.0〜約4.0のpHでグリシン緩衝液を含んで成り、そして実質的な量のヒト血清アルブミン又は界面活性剤を含まない、インターフェロン−βのための医薬配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
インターフェロン−β(“IFN−β”)は、いくつかの医学的状態を処理するために使用され、そして多くの他のものについて研究される。大多数の目的のためには、組換え的に生成されたヒトIFN−βが使用される。特に、アメリカ特許第4,588,585号に記載されるように、Ser17がCys17を置換するヒトIFN−βの遺伝子的に構築されたバージョン(“IFN−β−1b”)は、多発性硬化症の処理のために認められて来た。
【発明の開示】
【0003】
本発明は、例えばグリシン緩衝液を含んで成る、低pH(例えば、約2.0〜約4.0のpH)インターフェロン−β(IFN−β)組成物に関する。本発明の組成物は、従来の安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン)及び/又は溶解剤(例えば、界面活性剤)の実質的な不在下で、液体配合物として、及び凍結乾燥物として安定できる。本発明は特に、アメリカ特許第4,588,585号に記載されるように、生物学的活性ヒトIFN−β、好ましくは組換えIFN−β、例えばIFN−β類似体及び最も好ましいくはIFN−β−1bに関する。
【0004】
本発明の1つの観点は、HClをさらに含んで成るグリシン緩衝液が約2〜約4のpH を達成するために添加されている、生物学的活性IFN−βを含んで成るIFN−β組成物;生物学的活性IFN−β及びグリシン緩衝液、又は生物学的活性IFN−β及びグリシンを含んで成る、約2〜約4のpHを有する組成物;HClをさらに含んで成るグリシン緩衝液が約2〜約4のpHを達成するために添加されている、生物学的活性IFN−βから実質的に成るIFN−β組成物;又は生物学的IFN−β、水及びグリシン緩衝液、又は生理学的活性IFN−β、水及びグリシンから実質的に成る、約2〜約4のpHを有する組成物である。本発明の組成物中の水は好ましくは、発熱物質又は微量鉱物を実質的に有さない無菌水、最も好ましくは、注射のためのUSP品種の水(WFI)である。
【0005】
本発明のもう1つの観点は、上記IFN−β組成物のいずれかであり、ここで前記グリシンが安定化有効量で存在し;前記組成物は医薬組成物の形で存在し、無菌性であり、又は非経口又は皮下投与(例えば、注射又は吸入)のための容器に存在し;IFN−β−1bの生物学的活性の少なくとも75%が、4℃で少なくとも9ヶ月間の組成物貯蔵の後、保持され;IFN−βがグリコシル化されておらず、そして細菌宿主において生成され、例えばIFN−β−1bであり;前記組成物はヒト血清アルブミン又は海面活性剤を実質的に有さず、そして/又はグリセロール又はPEGの実質的な不在下で存在し;生物学的活性IFN−βの濃度は、約1.0mg/ml〜約20mg/mlであり;そして/又はIFN−βは非共有結合される凝集体の形で存在しない。
【0006】
本発明のもう1つの観点は、生物学的IFN−β及びグリシン/HCl、又は生物学的活性IFN−β及びグリシンから実質的に成るか;又は生物学的活性IFN−β及びグリシンを含んで成る、凍結乾燥されたIFN−β組成物である。本発明はまた、上記凍結乾燥されたIFN−β組成物のいずれかに関し、ここでIFN−βはグリコシル化されておらず、そして細菌宿主において生成され;又はIFN−βの生物学的活性の少なくとも75%は、約25℃で少なくとも6ヶ月間の組成物の貯蔵の後、可溶形で回復できる。
【0007】
本発明はまた、凍結乾燥されたIFN−β組成物を得るために、生物学的活性IFN−β、水(例えば、WFI)及びグリシン緩衝液から実質的に成る、約2〜約4のpHを有する溶液を凍結乾燥することによって調製されるが;又は凍結乾燥されたIFN−β組成物を得るために、生物学的活性IFN−β、水(例えば、WFI)及びグリシン緩衝液を含んで成る、約2〜約4のpHを有する溶液を凍結乾燥することによって調製される、凍結乾燥されたIFN−β組成物にも関する。
【0008】
本発明のもう1つの観点は、凍結乾燥されたIFN−β組成物を得るために、生物学的活性IFN−β、水(例えば、WFI)及びグリシン緩衝液から実質的に成る、約2〜約4のpHを有する溶液を凍結乾燥することを含んで成るか;又は凍結乾燥されたIFN−β組成物を得るために、生物学的活性IFN−β、水(例えば、WFI)及びグリシン緩衝液を含んで成る、約2〜約4のpHを有する溶液を凍結乾燥することを含んで成る、凍結乾燥されたIFN−β組成物の調製方法;又はIFN−βかグリコシル化されておらず、そして細菌宿主において生成され、例えばTNF−β−1bである、上記方法のいずれかである。
【0009】
本発明はもう1つの観点は、a)上記のような凍結乾燥されたIFN−β組成物を含む容器、b)前記組成物を再構成するための適切な水溶液(例えば、無菌水、好ましくは無菌の発熱物質を含まない水、最も好ましくはWFI)を含む容器を含んで成るキットである。
最も好ましい態様においては、組成物は、約3.0のpHでの約0.02Mのグリシン/HCl緩衝液中、約5mg/mlの生成物学的活性IFN−β−1bを含んで成るか、又はそれらから実質的に成る。
【0010】
驚くべきことには、約2.0〜約4.0、好ましくは約3.0〜約4.0、より好ましくは約3.0〜約3.5、及び最も好ましくは約3.0、例えば2.8〜3.2、好ましくは2.9〜3.1のpHを有する緩衝溶液が、液体配合物において、又は凍結乾燥物として、IFN−βのための卓越した安定性及び溶液性を提供することが見出された。好ましい態様においては、緩衝液は、グリシンの他に、HClを含んで成るグリシン緩衝液である。しかしながら、多くの他のタイプの緩衝液が使用され得(例えば、アスパラギン酸又はグルタミン酸);そして多くの他のタイプの酸がpHを調節するために使用され得る(例えば、リン酸)。本明細書における議論は、主にグリシン/HCl緩衝液に焦点が向けられる。しかしながら、当業者は、これが使用され得る多くのタイプの緩衝液の例示に過ぎないことを理解するであろう。
【0011】
本発明の緩衝液の利点は、アメリカ特許第5,643,566号、第5,004,605号、第3,981,991号又は第4,496,537号、EP080879号又はEP082481A号、又はBE897,276号に記載されるように、それらが、従来の安定剤及び/又は溶解剤、例えばヒト血清アルブミン(HAS);高分子量又はポリアルコール溶解剤/安定剤、例えばポリエチレングリコール(PEG)、グリセロール、多価糖アルコール、又はポリビニルピロリドン;又は同様のものの実質的な不在下でさえ、IFN−βに、安定性及び/又は溶解性を付与することである。そのような安定剤及び溶解剤は、それらが組成物の調製の費用に追加され、アレルギー反応を引き起こし、そして処理、凍結乾燥及び凍結乾燥物の再構成のための好ましいpH条件と適合することができないので、医薬組成物においては好都合ではない。本発明の緩衝液の成分、例えばグリシンは、安定化有効量で組成物に存在する。
【0012】
異種タンパク質、例えばIFN−βがしばしば、細菌により、凝集された形又は変性された形で生成される封入体を溶解するために使用される溶解剤、例えば毒性であり、そして/又は異種タンパク質の生来の構造を変性することによって、異種のタンパク質の生物学的活性形を変性する溶解剤、例えばSDSは、処理の間、異種タンパク質から除去されるべきである。しかしながら、細菌により生成される異種タンパク質、及び特に、細菌により生成されるIFN−βは、溶解剤又はSDSの除去の後、溶解性の問題を受けがちである。本発明の利点は、それが、界面活性剤及び/又は溶解剤、例えばSDS又はZwit314の実質的な不在下でさえ、溶解性の生物学的活性組換えIFN−βの安定した溶液を提供することである。
【0013】
本発明の緩衝液はまた、IFN−βの非共有結合されたマルチマー又は凝集体の形成を最少にする(すなわち、それらは非共有結合されたモノマーの形成を最適化する)。凝集の程度は、従来の方法、例えば力学的光散乱又はサイズ排除のクロマトグラフィーにより決定され得る。本発明の組成物は、安定剤、例えばHASを実質的に有さないので、本発明のIFN−βは、例えばHSAと凝集しない(例えば、複合体化しない)。
【0014】
本発明の組成物(液体又は凍結乾燥された形)はまた、周囲温度での貯蔵条件下で安定性である利点を付与する。従って、液体配合物は、貯蔵及び蒸留の間、冷蔵する必要がない。本発明は、凍結乾燥の前、間及びその後、安定し、且つ溶解性のタンパク質を提供する、IFN−β、特にグリコシル化されていないIFN−βのための、非毒性で医薬的に許容できる溶媒を提供する。
【0015】
用語ヒト“IFN−β”とは、本明細書において使用される場合、天然のヒトIFN−β及び組換え的に生成されたヒトIFN−βを包含する。天然に存在するIFN−βは、線維芽細胞、例えばヒト包皮線維芽細胞により生成されるIFN−βである。組換えヒトIFN−βは、種々のヒト細胞のいずれかにおいて、グリコシル化された形(例えば、哺乳類細胞において)、又はグリコシル化されていない形(例えば、細菌細胞において)のいずれかの形で生成され得る。典型的な宿主細胞は、例えば哺乳類細胞、特にチャイニーズハムスター卵巣細胞を包含する(例えば、アメリカ特許第5,376,567号を参照のこと)。好ましい態様においては、IFN−βは、細菌細胞、特にE.コリにおいて生成される。
【0016】
異種タンパク質を組換え的に生成するための方法は、通常であり、そして例えば、Sambrook, J. など (1989). Molecular Cloning, a Laboratory Manual. Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, NY; Ausubel, F. M. など (1995). Current Protocols in Molecular Biology, N. Y. , John Wiley & Sons; and Davis など. (1986), Basic Methods in Molecular Biology, Elsevir Sciences Publishing, Inc. , New Yorkを参照のこと。また、アメリカ特許第5,004,604号、第4,450,103号、第4,315,852号、4,343,735号及び第4,343,736号を参照のこと。本発明はまた、IFN−β類似体を包含する。好ましいIFN−β類似体は、アメリカ特許第4,588,585号に開示されるように、アミノ酸17で、天然の不対システイン残基の代わりに、セリン残基を含むヒト組換えシステイン置換されたムテイン、すなわちIFN−β−1bである。
【0017】
液体として貯蔵される液体配合物におけるIFN−βの量は好ましくは、約0.25mg/ml〜約25.0mg/ml、より好ましくは約0.5mg/ml〜約10.0mg/ml、及び最も好ましくは約1.0mg/ml〜約10.0mg/mlである。最も好ましい量の範囲においては、液体として貯蔵される液体配合における最も好ましい量は、約5.0mg/mlである。凍結乾燥物としての貯蔵のために凍結乾燥される液体配合物におけるIFN−βの量は、好ましくは約0.25mg/ml〜約25.0mg/ml、より好ましくは約0.5mg/ml〜約10.0mg/ml、及び最も好ましくは約1.0mg/ml〜約10.0mg/mlである。最も好ましい範囲の量においては、凍結乾燥物としての貯蔵のために凍結乾燥される液体配合物における最も好ましい量は、約5.0mg/mlである。
【0018】
“生物学的活性”IFN−β又はIFNβ(又はIFN−β類似体の)の“生物学的活性”とは、本明細書において使用される場合、細胞障害効果(CPE)−阻害アッセイにおけるIFN−βの生物学的活性の決定を言及する。そのようなアッセイは、インターフェロンによるウィルス細胞障害効果の阻害のレベルを測定する。CPE−阻害アッセイは、W. E. Stewart, The Interferon System,Springer-Verlag, New York, 1979に記載される。
【0019】
特に、 WISH-CPE アッセイシステムは、S. E. Grossberg et al.,"Biological and immunological assays of human interferons,"Manual of Clinical Immunology (1986), 3rd ed. , N. R. Rose, H. Friedman and J. L.Fahley (eds), Washington, D. C. , pp. 295-299に記載されるようにして、使用され得る。さらに、他の活性システム、例えばE. Pungor, Jr. など., Journal of Interferon and Cytokine Research (1998), Vol. 18, pp. 1025-1030,及び J. Files など., Journal of Interferon and Cytokine Research (1998), Vol. 18, pp. 1019-1024に記載されるMxA誘発アッセイが使用され得る。
【0020】
CPE−阻害アッセイにおいて測定される場合、本発明の配合物におけるIFN−βの生物学的活性は好ましくは、約0.75×107IU/mg〜約1.2×108IU/mg、より好ましくは約1.0×107IU/ml〜約4.5×107IU/mg, 及び最も好ましくは約3.0×107IU/mgである。
液体として貯蔵されるか、又は凍結乾燥物としての貯蔵のために凍結乾燥される液体配合物におけるグリシンの濃度は好ましくは、約1mM〜約100mM、より好ましくは約5mM〜約50mM、及び最も好ましくは、約20mM、及び約2〜5mMである。
【0021】
液体配合物としての貯蔵に関しては、IFN−β組成物は、生物学的活性の少なくとも50%、好ましくは少なくとも約75%、及びより好ましくは少なくとも約90%が、4℃での少なくとも6ヶ月、好ましくは少なくとも9ヶ月、及びより好ましくは1年間の液体配合物の貯蔵の後、保持されるよう、十分に安定性であることが企画される。IFN−β組成物は、生物学的活性の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%及びより好ましくは少なくとも約90%が、周囲温度(約25℃)での少なくとも約6ヶ月、好ましくは少なくとも9ヶ月、及びより好ましくは少なくとも約12ヶ月の液体配合物の貯蔵の後、保持されるよう、十分に安定性であることも企画される。
【0022】
凍結乾燥としての貯蔵に関しては、IFN−β組成物は、生物学的活性の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%及びより好ましくは少なくとも約90%が、周囲温度(約25℃)での少なくとも2ヶ月、好ましくは少なくとも4ヶ月、より好ましくは少なくとも6ヶ月及び最も好ましくは少なくとも12ヶ月の凍結乾燥物の貯蔵の後、可溶性形で回復できるよう、十分に安定性であることが企画される。IFN−β組成物は、生物学的活性の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約75%及びより好ましくは少なくとも約90%が、役37℃での少なくとも約6ヶ月、好ましくは少なくとも焼く9ヶ月、及び最も好ましくは少なくとも約12ヶ月の凍結乾燥物の貯蔵の後、可溶性形で回復できるよう、十分に安定性であることが企画される。
【0023】
液体配合物又は凍結乾燥物としての本発明のIFN−β組成物は、例えば生成システムからのタンパク質の単離に使用される界面活性剤及び/又は溶解剤を実質的に有さないことは、本発明のさらなる観点である。本発明は特に、細菌宿主からのタンパク質の単離に使用される界面活性剤及び/又は溶解剤を実質的に有さない、組換え的に生成された、グリコシル化されていないIFN−βのそのような組成物に関する。“実質的に有さない”とは、そのようなIFN−β組成物が、≦50ppm, 好ましくは≦25ppm、より好ましくは≦10ppm、さらにより好ましくは≦5ppm及び最も好ましくは≦2ppmの海面活性剤及び/又は溶解剤の含有量に関連していることを意味する。
【0024】
好ましい態様においては、界面活性剤の量は、検出できない。例えば、SDSに関しては、検出され得る最少量のSDSは、約25ppmであり;従って、“SDSを有さない”組成物とは、≦25ppmのSDSを含んで成ると言われる。界面活性剤及び/又は溶解剤を実質的に有さない組成物は時々、界面活性剤及び/又は溶解剤の“実質的な不在”下で存在するものとして、又はそれらから“実質的にすべての”界面活性剤及び/又は溶解剤が除去されたものとして、本明細書においては言及される。
【0025】
本発明はまた、実質的に溶解性の及び生物学的活性のIFN−βを生成するために、実質的な量のSDS又は他の界面活性剤/溶解剤、例えばZwit314の不在下で、水(例えば、WFI)又は他の医薬的に許容できる水溶液において再構成され得るIFN−βの安定した凍結乾燥にも関する。非経口投与できる水溶液において再構成され得る凍結乾燥物が特に好ましい。凍結乾燥の再構成のための溶液は、所望により、及び当業界において良く知られているように、他の医薬的に許容できる賦形剤を含むことができる。
本発明はまた、エアロゾルとしての投与のために適切であるIFN−βの配合物にも関する。それらは、直接的に粉末として、又は適切な液体による再構成の後、液体調製物又は凍結乾燥物から配合され得る。
【0026】
グリシン緩衝化組成物はまた、例えば改良された取扱適性を提供する追加の従来の医薬的に許容できる賦形剤を含むことができる。増量剤、例えばマンニトール又はスクロースは、IFN−β/グリシン緩衝化溶液の凍結乾燥特性を改良する量で存在することができる。スクロースと共にマンニトールの使用がまた企画される。使用されるマンニトールの量は、好ましくは約50%(w/v)以下、より好ましくは約1.0%〜約5.0%(w/v)、及び最も好ましくは約2.0%(w/v)である。マンニトールがスクロースと共に使用される場合、使用されるマンニトール:スクロースの比は、好ましくは、約10部のマンニトール:50部のスクロース、より好ましくは約75部のマンニトール:約25部のスクロース、最も好ましくは約100部のマンニトール:約0部のスクロースである。マンニトール+スクロースの合計量は好ましくは、約1.0(w/v)〜約5.0%(w/v)、より好ましくは約2.0%(w/v)である。
【0027】
好ましい態様においては、IFN−βは、細菌的に生成され、そして細菌封入対からのIFN−βの単離に使用される、実質敵にすべての溶解剤、例えばSDSを除去し、そして実質的に生物学的活性のIFN−βを生成する方法により、その細菌宿主から除去される。そのような方法は、例えばアメリカ特許第4,462,940号及び第5,643,566号、及び特にアメリカ特許第5,004,605号に教授される。
【0028】
グリシン緩衝化溶液に溶解されるIFN−β、その凍結乾燥物、及び水又は他の従来の医薬的に許容できる水性媒体により再構成される凍結乾燥物を含む組成物は、IFN−βを含む従来の医薬組成物と同じ態様において有用である。例えば、それらは、種々の疾病及び病状、例えばウィルス性疾患、癌、多発性硬化症、等の処理のために、哺乳類、例えばヒトに投与され得る。IFN−βの適切な量、及び種々の疾病及び病状の処理のための投与の経路及び頻度を包含する投与のレジメは、当業界においてよく知られており、そして通常、当業者に決定され得る。投与量及び投与スケジュールは、個々の患者のために最適化され得る。用量の最適化は、臨床学的徴候をモニターすることによってい決定され得る。例えば、効果的用量は、臨床学的徴候を実質的に緩和し、そして/又は疾病の進行を遅めるそれらの用量である。
【0029】
本発明のIFN−β調製物は、タンパク質物質の投与について当業界において標準の従来の手段に従って配合され得る。本発明の配合物は、非経口又は経口投与のために医薬的に許容でき;無菌性であり;そして/又は患者への投与のために適切である(例えば、注射できる)容器(例えば、バイアル、アンプル、注射器、等)において、調製され、そして/又は貯蔵される。本発明の1つの態様は、a)本発明のIFN−βの凍結乾燥された調製物を含む容器、及びb)凍結乾燥物の再構成のための適切な無菌水溶液、例えば微量鉱物の発熱物質を好ましくは有さない無菌水を含む容器を含んで成るキットである。最も好ましい態様においては、水は、注射のためのUSP品種の水(WFI)である。
【0030】
医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤の単独での又はもう1つの剤を組合しての注射又は吸入による投与が好ましい。適切な配合物は、注射可能物質又は液体エアロゾル配合物への再構成のための溶液又は懸濁液、又はエマルジョン又は固体組成物を包含する。医薬的に許容でききるキャリヤーは、IFN−βを溶解するか又はそれを懸濁液に保持し、そして患者に対する毒性ではないそれらのキャリヤーである。当業者は、通常の実験以外に、この組成物のための特に適切な医薬キャリヤーを知っており、又は確かめることができる。例えば、アメリカ特許第4,462,940号、第5,643,566号を参照のこと。液体エアロゾル配合物は、例えばアメリカ特許第5,941,240号及び第5,558,085号に使用される方法に従って調製され得る。
【0031】
本発明のIFN−β及びIFN−βser17の発現、単離及び配合のためのすべての材料は、当業界において良く知られている。例えば、E. こりにおけるヒトIFN−βの発現は、Taniguchiなど., Proc. Acad. Sci. USA (1980), Vol. 77. pp. 5230-5233に開示されており、そしてチャイニーズハムスター卵巣におけるヒトIFN−βの発現は、アメリカ特許第5,376,567号に開示されている。アミノ酸17での天然の不対システイン残基の代わりにセリン残基を含む、IFN−β類似体、例えばヒト組換えシステイン置換ムテイン、すなわちIFN−β1bは、例えばアメリカ特許第4,588,585号に開示される。適切な精製及び配合方法(但し、同一の配合成分ではない)は、アメリカ特許第4,462,940号、第5,004,605号、第5,702,699号及び第5,643,566号(それらは、引用により本明細書に組み込まれる)に開示される。
【0032】
IFN−β−1bを生成する、E. コリK12/MM294-1担持のpSY2501は、ATCC No.39517として、American Type Culture Collection, 12301 Parklawn Dr., Rockville, Maryland, 20852, USAに寄託される。
さらなる労力を伴わないで、当業者は、前述の記載を用いて、本発明をその十分な程度に利用することができると思われる。従って、次の好ましい態様は、単なる例示であって、本発明を制限するものではない。
【0033】
前述及び次の例においては、すべての温度は℃で示され;そして特にことわらない限り、すべての部及び%は重量によってである。
前述及び次の例示においては、生物学的活性は、ml溶液当たりの国際単位又はIU/mlで示される。国際単位は、標準として使用されるHuIFN−βNIH対照試薬Gb23-902-531に関して、National Institute of Health, Bethesda, Marylandにより公開されるResearch Reference Reagent Note No. 35に記載のようにして計算される。
【実施例】
【0034】
例1. pH 及び添加物の関数としての溶解性及び安定性
0.3〜0.5mg/ml(9.6×106〜1.6×107IU/ml)の濃度での、10mMのNaOH(pH10.8)中、精製されたIFN−β−1bの溶液を、出発材料として使用する。IFNβ−1bは、アメリカ特許第5,004,605号に記載される方法に従って精製された、K12/MM294−1担持のプラスミドpSY2501 (ATCC 39517) のE. コリ発酵から誘導される。出発IFNβ−1b溶液のpHを、所望するpH値に前もって滴定された個々の添加物の1M原溶液の1/10堆積の添加により所望するpH値に同時に調節する。得られるIFN−β溶液のpHを測定し、添加剤溶液のpHの有意な変化が希釈の結果として生じないことを確かめる。
【0035】
追加のサンプルを、0.1%SDSの存在又は不在下で、1Nの酢酸により、IFNβ−1b出発溶液のpHを、5.0又は6.5に調節することによって調製する。サンプルを、4℃で24時間、貯蔵し、そして溶液に残るIFNβ−1bの濃度を、P. N. Redlich など., Proc. Natl. Acad. Sci. U. S. A. (1991), Vol. 88, pp. 404-4044; P. N. Redlich など., The Journal of Immunology (1989), Vol. 143, No. 6, pp. 1887-1893; 及び P. N. Redlich など., Eur. J. of Immunol. (1990). Vol.20, pp. 1933-1939に記載される方法と類似する方法により、12,000rpmでの2分間の前記溶液の遠心分離の後、上清液の酵素結合された免疫吸着アッセイ(ELISA)により決定する。ELISA分析の結果が、下記表1に示される。
【0036】
【表1】
Figure 2004538275
【0037】
IFNβ−1bの30%以下の回復率を有するサンプルに関して、有意な量の眼に見える沈殿物が、出発材料のpHの調節に基づいて、すぐに形成する。IFNβ―1bは、溶解剤、例えばSDSが添加されなければ、pH10.8以下及びpH5.0以上のpH値に調節される場合、不溶性である。IFN−βの溶解性は、pHが調節される添加剤に依存して、4℃での24時間の貯蔵の後、pH5.0で及びそれ以下で維持され得る。pH4.0での酢酸ナトリウム緩衝液及びアスパラギン酸緩衝液の両者は、IFN−βを有意に溶解し、そして安定化する。しかしながら、クエン酸ナトリウム緩衝液は、IFN−βの溶解性を維持しない。pH3.0でのグリシン緩衝化溶液は、IFN−βの実質的に完全な回復性を付与する。
【0038】
例2. 100mM のグリシン緩衝液( pH3.0 )における IFN β− 1b 溶液の安定性
E. コリ発酵(上記例1に記載のような)に由来する。0.6−1.1mg/ml(1.9×107〜3.5×107IU/ml)の濃度での100mMのグリシン緩衝液(pH3)(塩酸により調節された)中、精製されたIFNβ−1bの溶液を、さらに安定性について評価する。サンプルを、−70℃、4℃又は37℃で貯蔵する。IFNβ−1b安定性を、逆相高血圧液体クロマトグラフィー(RP−HPLC)分析、ELISA分析又はWISH−CPE生活性分析により評価する。結果は、表2に示される。
【0039】
【表2】
Figure 2004538275
【0040】
例3. IFN −β配合物に対する安定性研究
次の3種の配合物を、安定性について評価する:
配合物1:100mMのNaOAc緩衝液(pH5.0)中、1.1mg/mlのIFNβ−1b。
配合物2:100mMのNaOAc緩衝液(pH5.0)+0.1%SDS中、1.1mg/mlのIFNβ−1b。
配合物3:100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)中、1.1mg/mlのIFNβ−1b。
【0041】
IFNβ−1bを、例1に記載のようにして、E. コリ発酵から誘導する。配列番号1−3を、アメリカ特許第4,462,940号に記載される方法に類似する方法により、IFNβ1bのG−25プールから調製する。すべての3種の配合物を、注射器に結合される0.2μmのフィルターを通して濾過する。単一フィルムを、吸着によるタンパク質損失を最少にするために、すべての配合物のために使用する。フィルターを、サンプリング間で水によりすすぎ、そしてSDS含有配合物を最後に濾過する。
【0042】
個々の配合物の安定性を、37℃で7日間の浸透ポンプ(200μlのレザバー)におけるインキュベーションの後に評価する。ポンプを、ポンプ使用法に従って、約215μlの溶液により満たす。ポンプを、完全な充填を確保するために、充填の前後で計量する。37℃での7日間後、ポンプを冷蔵庫に移し、そして分析のためにポンプからの溶液の除去の前、6日間、4℃で貯蔵する。安定性をまた、0.5mlのEppendorf管における個々の配合物のアリコーとの貯蔵の後、評価する。Eppendurf管における個々の配合物のアリコートの貯蔵後、評価する。Eppendurf管におけるサンプルを、37℃で3日及び7日間インキュベートし、そして対照サンプルを、アッセイの時間まで(約10日後)、4℃で貯蔵する。凍結−融解暴露に対する個々の配合物の安定性をまた評価する。個々の配合物の4個の100μlアリコートを、分析するために個々の時点で貯蔵から除去する。
【0043】
安定性を、RP−HPLC、ELISA及びWISH−CPE生活性により評価する。RP−HPLC及びELISA結果を、表3に表し、そしてWISH CPE生活性結果を、表4に表す。凍結−融解サイクルにゆだねられたサンプルについてのRP−HPLC結果(−70℃で凍結されたEppendorf管におけるサンプル)は、IFN−βの完全な回復率が得られることを示す。37℃で1週間、Eppendorf管において貯蔵されたサンプルについてのRP−HPLC結果は、IFN−βの次の回復率を示す:配合物1について95%、配合物2について94%及び配合物3について86%。37℃で1週間、ポンプに貯蔵されたサンプルに関しては、RP−HPLC回復率結果は次の通りである:配合物1について91%、配合物2について88%及び配合物3について71%。ポンプにおけるインキュベーションの後の回復率は、他の同一の条件下での管におけるよりも4〜15%低い。t=0、及び37℃での1週での(管又はポンプにおける)配合物4を含んで成るRP−HPLCクロマトグラムが図1に示される。
【0044】
ELISAアッセイからのデータは、RP−HPLCアッセイからのデータよりも大きな標準誤差を有する。それにもかかわらず、配合物1−3について得られた結果は、RP−HPLC分析により得られたそれらの結果に類似する。配合物1及び2は37℃で1週間、安定性であり、そして配合物3は初期活性の約25%を失う。
【0045】
WISH−CPEバイオアッセイは、大きな標準偏差を有する。さらに、サンプルを、1つの実験の間に分析され得る限定された数のサンプルのために、異なったアッセイ実験上で評価する。配合物1及び2は、凍結−融解サイクルに対して安定し、そしてEppendorf管又はポンプにおいて37℃で1週間、安定するように見える。配合物3に関しては、すべての結果は、予測されるよりも有意に高く、そして従って、この配合物についての結果は、評価するのに困難である。
【0046】
配合物1をまた、培養物における活性化された単球細胞によるTNF発現のダウン−レギュレーションを測定することによって、生活性についてアッセイする。それらのサンプルを、37℃での1週間のインキュベーションの後、アッセイし、そして4℃で貯蔵されたサンプルに比較する。このアッセイは、配合物1が、37℃での1週間の貯蔵の後、18%の活性を失うことを示す。
【0047】
【表3】
Figure 2004538275
【0048】
【表4】
Figure 2004538275
【0049】
例4.グリシン緩衝液( pH3.0 )における凍結乾燥された IFN β− 1b の安定性
凍結乾燥されたIFN−βを、100mMのグリシン緩衝液(pH3)(塩酸により調節された)中、0.1mg/ml(3.2×106IU/ml)の濃度での精製された組換えIFNβ−1bの溶液から調製する。IFNβ−1bを、上記例1に記載のようにして、E. コリ発酵から誘導する。管バイアル(5.0ml)を、IFNβ−1b溶液の1mlアリコートにより満たす。凍結乾燥の完結の後、真空下で、灰色のブチルゴムストッパーによりバイアルを密閉する。凍結乾燥されたIFNβ−1bバイアルを、−70℃又は50℃で貯蔵し、そして実験における選択された時点で注射用水1mlにより再構成する。再構成されたIFNβ−サンプルを、RP−HPLC分析、ELISA分析又はWISH CPE生活性分析によりIFNβ−1b濃度について評価する。IFNβ−1b濃度のサンプルの評価の結果を、下記表5に示す。50℃でインキュベートされたサンプルをまた、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PEGE)により分析する。
【0050】
【表5】
Figure 2004538275
【0051】
結果は、pH3.0でのグリシン緩衝化された溶液において配合された、凍結乾燥されたIFNβ−1bが、−70℃で貯蔵される場合、少なくとも6ヶ月間、及び50℃で貯蔵される場合、2週間、安定性であることを示す。再構成されたサンプルにおける85%以上のIFNβ−1bの回復率を、すべての時点で測定する。IFN−1bのRP−HPLCプロフィールにおける変化は、実験を通して観察されず、そしてIFNβ−1bの変性は、pH3.0でのグリシン緩衝化された溶液における凍結乾燥されたIFNβ−1bのSDS−PAGEにより検出されない。
【0052】
例5.グリシン緩衝液+マンニトール又はグリシン緩衝液+マンニトール / スクロールにおける凍結乾燥された IFN β− 1b の安定性
凍結乾燥されたIFNβ−1b配合物を、0.1mg/mlのIFNβ−1b、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)のいずれかから成る増量剤を含む溶液から調製する。IFNβ−1bを、上記列1に記載のようにして、E. コリ発酵から誘導する。管バイアル(5.0ml)を、IFNβ−1b溶液の1mlアリコートにより満たす。真空下での凍結乾燥の完結の後、灰色ブチルゴムストッパーを用いて、バイアルを密閉する。バイアルを、4℃及び25℃で貯蔵し、そして実験を通して選択された時点で注射用水1mlにより再構成する。再構成されたサンプルを、逆相HPLC(表6)によりIFNβ−1b純度について、及びWISH CPEアッセイ(表7)により生活性について分析する。
【0053】
【表6】
Figure 2004538275
【0054】
【表7】
Figure 2004538275
【0055】
IFNβ−1b純度における有意な変化は、4℃及び25℃での25週間での貯蔵の後、いずれの配合物についても検出されない。この結果は、従来必要とされる安定剤、例えばHSAの不在下で、グリコシル化されていないIFNβ−1b、特に凍結乾燥されたIFNβ−1bについての安定した配合物を提供することにおいて、グリシン緩衝化された溶液配合物の意外な卓越性を示す。
【0056】
例6.グリシン緩衝液+マンニトール又はグリシン緩衝液+マンニトール / スクロースにおける凍結乾燥された IFN β− 1b の安定性に対する追加の研究
IFNβ−1bの2種のグリシンに基づく、非−HSA含有配合物を、凍結乾燥の後、安定性について試験する。2種のIFNβ−1b配合物は次の通りである:
配合物1:100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール中、0.1mg/mlのIFNβ−1b。
配合物2:100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、4%マンニトール及び1%スクロース中、0.1mg/mlのIFNβ−1b。
【0057】
IFNβ−1bを、例1に記載のようにして、E. コリ発酵から誘導する。IFNβ−1bを、炭水化物のレベルを低めるためにQ−Sepharose(G−25Q)上でさらに精製されたIFNβ−1b(上記例3に記載される方法により調製される)のG−25プールから調製する。個々の配合物の約75のバイアルを、凍結乾燥のために満たし、そしてIFNβ−1b配合物の他のバイアルを、予備凍結乾燥対照サンプルとしての使用のために満たし、そして−70℃で貯蔵する。West Co.管バイアル(5ml)を、1.0mlの配合された溶液により満たす。両配合物を同時に凍結乾燥し、そして凍結乾燥からのサイクルデータを図2に示す。サンプルを−43℃に凍結し、そして5時間、維持する。一次乾燥を−35℃で25時間、続いて−10℃で4時間、行う。二次乾燥を、22℃で12時間、行う。バイアルを、シリコーン処理されていない20mMのWest 4416/50ストッパーを用いて、十分な真空下で(約50mトル)、密閉する。
【0058】
IFNβ−1b配合物の再構成を、バイアルへの1.0mlの水(WF1)の添加により達成する。個々の配合物のバイアルを、4℃、25℃及び37℃で貯蔵し、そしてサンプルを、安定性を試験するために、t=2,4,8,12及び25週で除去し、そして再構成する。個々の配合物の2つのバイアルを、凍結乾燥の直後、再構成し、そしてt=0の再構成対照での後での分析のために−70℃で凍結する。再構成された溶液を、Eppendorf管(0.5ml/管)中にアリコートし、そして分析まで−70℃で貯蔵する。
【0059】
両配合物の凍結乾燥は、卓越した外観を有するケークを付与する。収縮は見られず、そしてすべてのケークは、白色で、滑かな上部表面をを有する。カール・フィッシャー残留湿分を、−70℃で約6ヶ月間、貯蔵されたバイアルを用いて、わずか1時点で測定する。カール・フィッシャー分析を、Aquastar比色滴定器、抽出溶媒としてのメタノール、及び非ピリジン合有試薬(Coulamat A及びC, EM Science)を用いて行う。残留湿分結果は、次のように2種の配合物に関して類似する:配合物1に関して0.63%及び配合物2に関して0.75%(個々の配合物についての2つのバイアルの平均)。
【0060】
配合物2の凍結乾燥されたサンプルは、時間にわたってのより高いインキュベーション温度で黄/褐色に進行することが観察される。配合物2は、37℃で2〜8週間で黄色に変わる。黄色化は、配合物2に関して、25℃及び4℃での貯蔵条件下で観察されない。配合物1のサンプルは、すべての貯蔵条件下で白色のまま存続する。すべての時点で、両配合物のサンプルは、再構成に基づいてすぐに(30秒以下)、溶液になる。得られる溶液の色は、白色であるすべてのケークに関して、透明である。黄/褐色である配合物2のサンプルは、同様に着色された溶液を付与する。濁りは、いずれかのサンプルに関しても観察されない。
【0061】
再構成されたサンプルは、種々の方法、例えばRP−HPLC、ELISA、SDS−PAGE、WISH CPE生活性、及び生活性についてのMxA Induction Assay により安定性について分析される。RP−HPLCデータは、下記表8及び9に要約される。報告されるRP−HPLCデータは、個々の配合物の2個のバイアルについての値の平均結果である。いずれかの2つの二重反復バイアル間での有意な差異は検出されない。異なったデータに基づいて分析される個々の組のサンプルに関して、予備凍結乾燥及びt=0サンプルを、比較のためにそのデータに基づいて分析する。分析されるすべての予備凍結乾燥及びt=0サンプルについての値は、最終の作表データにおいて平均される。
【0062】
配合物1についてのクロマトグラムは、図3〜6に示される。予備凍結乾燥サンプル及びt=0で再構成された凍結乾燥されたサンプルは、同一の結果を与える。4℃で25週間、貯蔵されたサンプルについてのクロマトグラムは、予備凍結乾燥及びt=0サンプルについてのクロマトグラムは、予備凍結乾燥サンプル及びt=0サンプルについてのクロマトグラムと実質的に同一であるが、但し約6分で溶離する小さな新しいピークを除く(図3及び4)。25℃及び37℃で貯蔵されたサンプルに関しては、主要IFNβ−1bピークのいくらかの広がりが、それぞれ25週及び8週の時点で開始する、ピークの高さの同時低下を伴って、観察される(図5及び6)。さらに、主要IFNβ−1bピークの後に溶離する材料の上昇(38〜45分)が観察される。4℃で貯蔵されるサンプルにおいて観察される、約6分で溶離する小さなピークがまた、25℃及び37℃で貯蔵されたサンプルにおいても観察され、そしてそのピークは、それらのサンプルにおいてわずかに高い(図3)。
【0063】
配合物2についてのクロマトグラムは、図7及び8に示される。予備凍結乾燥サンプル、及びt=0で再構成された、凍結乾燥されたサンプルについてのクロマトグラムは同一である。4℃で25週間、貯蔵されたサンプルについてのクロマトグラムは、予備凍結乾燥及びt=0サンプルのクロマトグラムに対して実質的に同一である。25℃で貯蔵されたサンプルに関しては、主要IFNβ−1bの非常にわずかな広がりが、25週の時点で示される(図8)
【0064】
時間及び温度の同じ条件下で配合物1及び2を比較するクロマトグラムが図9−12に示されている。4℃で25週間、貯蔵された両配合物のサンプルに関しては、クロマトグラムにおける有意な変化は、予備凍結乾燥及びt=0のサンプルのクロマトグラム(図3に及び10)に比較される場合、検出されない。25℃で貯蔵された配合物2のサンプルに関しては、25週で主要IFNβ−1bピークの広がりの程度は、配合物1に関して観察されるその程度よりもわずかに低い(図11)。
【0065】
配合物1のサンプルに比較して、後期の溶離ピークの上昇は、25℃で貯蔵された配合物2のサンプルの逆相プロフィールにおいて観察されない。37℃で貯蔵された配合物1のサンプルに関しては、その逆相プロフィールの変化は、25℃で貯蔵されたサンプルのプロフィールにおいて観察される変化に類似するが、但しそれよりも大きい。対照的に、37℃で貯蔵される配合物2のサンプルは、実質的に変性が検出されない、前記よりも低い温度で貯蔵されたサンプルに比較して、有意に高められた変性を示す(図11及び12)。
【0066】
要約すると、RP−HPLC分析は、配合物1におけるIFNβ−1bの変性が、主要IFNβ−1bピークの広がり、及び低い量で予備凍結乾燥サンプルに存在する後期溶離ピークに、明らかに対応する後期溶離ピークの量の上昇をもたらすことを示す。従って、RP−HPLCにより検出されるような変性路は、試験された温度範囲に対して類似するように思え、そして変性の量は、貯蔵時間及び温度の上昇と共に上昇する。対照的に、低い貯蔵温度に関して、37℃で配合物2の有意に高められた変性が存在する。大きな変性が、主要IFNβ−1bピークの有意な拡大として検出される。配合物1とは異なって、後期溶離材料は、予備凍結乾燥サンプルにおいて低レベルで存在するピークとして分解されない。配合物2に関しては、変性経路は、低い温度で貯蔵されるサンプルに関してよりも、高温で貯蔵されたサンプルに関して異なる。
【0067】
ほとんどの貯蔵時点/温度での再構成サンプルを、ELISAにより分析し、そして非常に種々の結果を示す(表10)。研究される温度のいずれかでの25週間の貯蔵の後、両配合物のサンプルに残る有意な量のELISA活性が存在するように思える。
【0068】
再構成されたサンプルをまた、SDS−PAGEにより分析する。その分析は、4℃、25℃及び37℃で25週間、貯蔵された配合物1及び2の還元されされているか又は還元されていないサンプル、及び予備凍結乾燥及びt=0サンプルを包含する(図13及び14)。サンプルを、10−20%Tricineゲル(Precast Novex)上で分析する。予備凍結乾燥対照に比較して、いずれのサンプルに関しても新しいバンドは検出されない。IFNβ−1bに観察される唯一の明らかな変化は、37℃で25週間、貯蔵された配合物2のサンプルに関してのIFNβ−1bのわずかに高い分子量へのシフトである。
【0069】
この変化は、還元されされているか又は還元されていないサンプルにおいて観察される。IFNβ−1bにおける変化は、t=0サンプルに比較して、配合物1のサンプルに関して、検出されず、そしてt=0サンプルに比較して、配合物2のサンプルに関してIFNβ−1bバンドの移動度のわずかな上昇が存在する(図3)。IFNβ−1b移動度であるこの変化は、37℃で25週間、貯蔵された配合物2のサンプルに関して観察される変化に類似するように思える。
【0070】
限定された数のサンプルを、WISH CPEバイオアッセイ及びMxA Inductionアッセイの両者において生活性について分析する(表11及び12)。それらのアッセイを用いて、生活性が特定条件下で保持されるか否かを決定する。WISH CPE生活性に関しては、約80μg/mlの濃度でのIFNβ−1bの理論的生活性(RP−HPLCにより示されるような)は、3.8×106IU/mlである。その結果は、予備凍結乾燥及びt=0サンプルン関して、予測される活性との良好な一致を示す。WISH CPE結果は、すべての貯蔵温度での両配合物に関して、生活性の有意な保持を示す。
【0071】
それらの同じサンプルをまた、MxA Induction Assayにおいて、生活性について試験することができる(図16)。配合物1は、4℃及び37℃で貯蔵される場合、有意な生活性を保持するように思える。25℃で貯蔵されるサンプルについての低い値はまた、希釈誤差のためであり得る。配合物2のサンプルのすべては、t=0サンプルの%と同じ生活性を示し、このことは、生活性の有意な時間依存性及び/又は温度依存損失を示唆しない。
【0072】
【表8】
Figure 2004538275
【0073】
【表9】
Figure 2004538275
【0074】
【表10】
Figure 2004538275
【0075】
【表11】
Figure 2004538275
【0076】
【表12】
Figure 2004538275
【0077】
【表13】
Figure 2004538275
【0078】
本明細書及び前述の例から明らかなように、用語“グリシン緩衝液”とは、有意な酸が言及されるpHを達成するために添加されているグリシンを意味する。グリシン緩衝液において典型的に見出される成分は、IFN−βの使用とできるだけ長く適合できるよう使用されえる。成分は、患者に対して悪影響が塩により引き起こされないように無機塩、例えばMg, Zn, K, Na, 等の塩を包含する。
【0079】
前述の例は、一般的に又は特異的に記載される反応体及び/又は操作条件を、前述の例に使用されるそれらにより置換することによって類似する好結果を伴って反復され得る。
上記及び存在するなら、下記に引用されるすべての出願、特許及び出版物の全開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
前述の記載から、当業者は、本発明の必須の特性を容易に確かめることができ、そして本発明の範囲内で、本発明の種々の変更及び修飾を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)中、0.6mg/mlのIFNβ−1bのt=0(パネルA)及びt=1週(37℃)(パネルB)でのRP−HPLCクロマトグラムの比較である。
【図2】図2は、4%(w/v)マンニトール、又は4%(w/v)マンニトール及び1%(w/v)スクロースを含む、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bの配合物についての凍結乾燥サイクルのグラフである。
【図3】図3は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(1)予備凍結乾燥;(2)t=0で再構成される;(3)4℃で25週で再構成される;(4)25℃で25週で再構成される;(5)37℃で25週で再構成される;(6)50℃で2週で再構成される。
【図4】図4は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(t=0)で再構成され:(2)4℃で8週で再構成され;(3)4℃で25週で再構成される。
【図5】図5は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(t=0)で再構成され:(2)25℃で8週で再構成され;(3)25℃で25週で再構成される。
【図6】図6は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(t=0)で再構成され:(2)37℃で8週で再構成され;(3)37℃で25週で再構成される。
【図7】図7は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール及び1%スクロース中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(t=0)で再構成され:(2)4℃で8週で再構成され;(3)4℃で25週で再構成される。
【図8】図8は、凍結乾燥され、そして次に、次の時点で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)及び4%マンニトール及び1%スクロース中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCクロマトグラムの比較を示す:(t=0)で再構成され:(2)25℃で8週で再構成され;(3)25℃で25週で再構成される。
【図9】図9は、凍結乾燥され、そして次にt=0で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCのクロマトグラムの比較である。
【図10】図10は、凍結乾燥され、そして次にt=25、4℃で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCのクロマトグラムの比較である。
【図11】図11は、凍結乾燥され、そして次にt=25、25℃で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCのクロマトグラムの比較である。
【図12】図12は、凍結乾燥され、そして次にt=8、37℃で再構成される、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bのRP−HPLCのクロマトグラムの比較である。
【図13】図13は、示される温度での25週間の貯蔵の後、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bの凍結乾燥され、そして再構成された、還元されたサンプルのSDS−PAGE分析の像である。サンプルは二重反復して行われる。予備凍結乾燥サンプル、t=0サンプル、分子量マーカー及びIFN−β標準を含むレーンがまた示される。
【図14】図14は、示される温度での25週間の貯蔵の後、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bの凍結乾燥され、そして再構成された、還元されていないサンプルのSDS−PAGE分析の像である。サンプルは二重反復して行われる。予備凍結乾燥サンプル、t=0サンプル、分子量マーカー及びIFN−β標準を含むレーンがまた示される。
【図15】図15は、50℃での2週間の貯蔵の後、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)、又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bの凍結乾燥され、そして再構成されたサンプルのSDS−PAGE分析の像である。サンプルは、示されるように、還元されされるか又は還元されていない。
【図16】図16は、示される温度での示される時間の貯蔵の後、凍結乾燥され、そして次に再構成された、100mMのグリシン緩衝液(pH3.0)、及び4%マンニトール(配合物1)又は4%マンニトール及び1%スクロース(配合物2)中、0.1mg/mlのIFNβ−1bの試験サンプルについてのMxA誘発結果のグラフである。

Claims (35)

  1. 生物学的活性インターフェロン−β−1b(IFN−β−1b)、及び約2〜約4のpHを達成するグリシン緩衝液から実質的に成る医薬組成物。
  2. 前記緩衝液が、3.0〜3.5のpHを達成する請求項1記載の組成物。
  3. 前記緩衝液が、2.8〜3.2のpHを達成する請求項1記載の組成物。
  4. 前記緩衝液が、2.9〜3.1のpHを達成する請求項1記載の組成物。
  5. 前記緩衝液が、約3.0のpHを達成する請求項1記載の組成物。
  6. 水をさらに含む請求項1記載の組成物。
  7. 前記緩衝液が、HClを含む請求項1記載の組成物。
  8. 医薬的許容できるキャリヤーをさらに含む請求項1記載の組成物。
  9. 無菌性である請求項1記載の組成物。
  10. 前記IFN−β−1bの生成物学的活性の75%が、4℃での少なくとも9ヶ月間の組成物の貯蔵の後、保持される請求項1記載の組成物。
  11. 前記IFN−β−1bが、グリコシル化されておらず、そして細菌宿主において生成される請求項1記載の組成物。
  12. 前記IFN−β−1bの生成物学的活性の75%が、37℃での少なくとも9ヶ月間の組成物の貯蔵の後、保持される請求項1記載の組成物。
  13. 前記組成物が、ヒト血清アルブミンを実質的に有さない請求項1記載の組成物。
  14. 前記組成物が、検出できる量の界面活性剤を含まない請求項1記載の組成物。
  15. 前記生物学的活性IFN−β−1bの濃度が、約0.25mg/ml〜約25mg/mlである請求項1記載の組成物。
  16. 前記生物学的活性IFN−β−1bの濃度が、約5mg/mlである請求項1記載の組成物。
  17. 約3.0のpHでのグリシン緩衝液中、約5mg/mlの生物学的活性IFN−β−1bを含んで成る組成物。
  18. 前記グリシン緩衝液がHClを含む請求項1記載の組成物。
  19. 前記IFN−β−1bが、非共有結合された凝集体の形で存在しない請求項1記載の組成物。
  20. 前記グリシン緩衝液が、100mMのグリシン緩衝液である請求項1記載の組成物。
  21. 前記グリシン成分が、安定化有効量で存在する請求項1記載の組成物。
  22. 前記グリシン成分が、約1mM〜約100mMの濃度で存在する請求項1記載の組成物。
  23. 前記グリシン成分が、約2mM〜5mMの濃度で存在する請求項1記載の組成物。
  24. 非経口又は皮下投与のための容器に存在する請求項1記載の組成物。
  25. 前記非経口又は皮下投与が、注射又は吸入によってである請求項1記載の組成物。
  26. 凍結乾燥される請求項1記載の組成物。
  27. 生物学的活性インターフェロン−β−1b(IFN−β−1b)、及び約2〜約4のpHを達成するグリシン緩衝液から実質的に成る医薬組成物を凍結乾燥することによって調製される請求項26記載の組成物。
  28. a)請求項26記載の凍結乾燥されたIFN−β−1b組成物を含む容器、及び
    b)発熱物質を有さない無菌水を含む容器を含んで成るキット。
  29. a)及び/又はb)の容器、及び/又は別の容器に、医薬的に許容できる賦形剤をさらに含む請求項28記載のキット。
  30. 請求項1記載の組成物の調製方法であって、約2〜4のpHを達成するグリシン緩衝液を調製し、そして前記緩衝液及びIFN-βを、組成物に導入することを含んで成る方法。
  31. 請求項26記載の組成物の調製方法であって、生物学的活性インターフェロン−β−1b(IFN−β−1b)、及び約2〜約4のpHを達成するグリシン緩衝液から実質的に成る医薬組成物を凍結乾燥することを含んで成る方法。
  32. 請求項28記載のキットの調製方法であって、前記凍結乾燥されたIFN−β−1b組成物を、容器中に配置することを含んで成る方法。
  33. 多発性硬化症の処理方法であって、有効量の請求項1記載の組成物を、その必要な患者に投与することを含んで成る方法。
  34. 請求項1記載の組成物の投与方法であって、前記組成物を、その必要な患者に非経口又は皮下投与することを含んで成る方法。
  35. 前記投与が、注射又は吸入によってである請求項34記載の方法。
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