JP2004536992A - 燃焼室 - Google Patents
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Abstract
ディーゼルエンジン用の燃焼室組立体は、ピストン(10)のクラウン(12)内に形成された燃焼室(14)を有し、ピストン(10)は、中心軸線(16,18,518,524)を有し、燃焼室(14)は、ポストを構成する中央部分を有し、中央部分は、少なくとも一部が球の一部により構成され、球は、半径を有し、半径の原点は、ピストンの中心軸線(16,18,518,524)上に位置し、燃焼室(14)は、隣り合う滑らかな表面相互間に位置する滑らかな接線方向移行部を備えた複数の湾曲した表面を更に有し、滑らかな表面は、球形中央部分及び少なくとも1つの環状の表面を有し、燃焼室(14)は、燃焼室の長手方向軸線(16,216,316,416)に関して対称である。上述の燃焼室(14)を有するピストン(10)及び燃焼室(14)の形成方法が更に提供される。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮着火(ディーゼル)内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という場合がある)用に設計された燃焼室に関する。本発明は、詳細には、燃焼室がクラウン内に形成されたピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの燃焼室内に吸気と燃料の理想的なフローパターンを生じさせる多くの試みがなされている。実施の必要がある留意点としては、エンジン排気ガス中に同伴されるNOxを最小限に抑えると共にこれ又エンジン排気ガス中に同伴されるスート(煤)粒子の量を最小限に抑えるのに適した出力発生を行うことが挙げられるが、これには限定されない。
【0003】
種々のエンジン設計/作動変数、例えばエンジン圧縮比、燃焼室の形状、燃料噴射噴霧パターン及び他の変数のうち任意の1つを変化させると、発生する排出ガス成分すなわちエミッションと出力との両方に影響を及ぼすことがあることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの排気ガスと共に放出されるスートの量は、見苦しいほどのものであり、これは、ディーゼルエンジンの浄化対策を促す社会的圧力を生じさせる。さらに、エンジンの潤滑油中に同伴されるスートの量は、エンジンの信頼性に悪影響を及ぼす場合がある。スートは非常に研磨性が強いので、エンジンのひどい摩耗を生じさせる場合がある。
【0005】
更に、エンジンからのNOxの放出量を減少させる相当な社会的圧力が存在する。ますます厳しくなる規則上の要求により、NOxのレベルの減少が義務付けられている。典型的には、NOxレベルを減少させるのに有効な燃焼室設計は、スートのレベルを増大させることが判明しており、この逆の関係も成り立つ。更に、上述の対策のいずれかを行っても、エンジントルク及び出力が減少するのが通例である。
【0006】
ピストンのクラウン内に形成される燃焼室の例は非常に多い。これら全ての従来設計例にも関わらず、NOxと同伴スートの両方を減少させ、しかもそれと同時にエンジントルク及び出力を維持し又は高めることが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の燃焼室は、当業界における上述の要望を実質的に満たすものである。ピストンのクラウン内に形成した燃焼室は、スートの同伴量とNOx放出量の両方を減少させると同時にエンジンの出力を僅かに増大させることが分かった。ピストンは、ヘッドが2又は3以上の弁を備えた状態で効果的に機能することが分かった。本発明の燃焼室の別の利点は、燃焼室をピストンの中心軸線に関して対称にすることにより燃焼室を比較的容易にピストンのクラウン内に形成できるということにある。
【0008】
本発明は、ディーゼルエンジン用の燃焼室組立体であって、ピストンのクラウン内に形成された燃焼室を有し、ピストンは、中心軸線を有し、燃焼室は、ポストを構成する中央部分を有し、中央部分は、少なくとも一部が球の一部により構成され、球は、半径を有し、半径の原点は、ピストンの中心軸線上に位置し、燃焼室は、隣り合う滑らかな表面相互間に位置する滑らかな接線方向移行部を備えた複数の湾曲した表面を更に有し、滑らかな表面は、球形中央部分及び少なくとも1つの環状の表面を有し、燃焼室は、燃焼室の長手方向軸線に関して対称であることを特徴とする燃焼室を提供する。本発明は更に、上述の燃焼室組立体を備えたピストン及び上述の燃焼室の形成方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1実施形態
本発明のピストンは、図1に全体が符号10で示されている。ピストン10のクラウン12は、ピストン10の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室14は、クラウン12内に形成されている。燃焼室14は、ピストン10の中心軸線と一致した長手方向軸線16に関して対称であることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図1に明示されている。
【0010】
本発明のピストン10は、主として大型(ヘビーデューティ)ディーゼルエンジン用に設計されているが、小型(ライトデューティ)ディーゼルエンジンにも適用できる。ピストン10は、2弁又は多弁ヘッドに利用できる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線16に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。
【0011】
ピストン10のクラウン12内に形成された燃焼室14は、湾曲した表面で構成され、これら湾曲面は、球面と環状面の両方である。球面は、半径RSによって示され、環状面は、半径Rによって示されている。燃焼室14には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室14を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0012】
概略的には、燃焼室14は、2つの球面RS1,RS2で構成され、球面RS1は、中央ポスト17を構成している。2つの球面RS1,RS2は、燃焼室14の底部の環状面R1により連結されている。球面RS2は、2つの環状面R2,R3によってピストンクラウン12に移行し、2つの環状面は、比較的小さな曲率を有し、クラウン12とリエントラント形交差部を構成している。寸法としての直径はDにより示され、寸法としての高さは、Hにより示されている。
【0013】
燃焼室14の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径RS1により定められる球面の一部は、燃焼室14の中央空間(中心部分)内に配置されている。球面RS1の原点18は、ピストン10の中心軸線16上に位置している。球面RS1の原点18と、燃焼室14の軸線16と燃焼室14の底部平面20の交点との間の距離は、0以上であり、0.25D2未満であることが必要である。図1に示すように、原点18は、燃焼室14の軸線16と燃焼室14の底部平面20の交点22のところにある。換言すると、原点18と交点22は、一致しているものとして示されている。これは、燃焼室14の軸線16と燃焼室の底部平面20の交点22のところにおける原点18の好ましい配置場所であるが、原点18と交点22との間には垂直方向高さ距離があってもよい。
【0014】
半径RS2をもつ第2の球面は、第1(中心部分)の球面RS1の外部に位置し、燃焼室14の外縁部の一部を構成している。外縁部の球面RS2は、中心軸線16上に位置する原点23を有している。中心部分の球面RS1及び外縁部の球面RS2のそれぞれの2つの原点18,23相互間の距離は、0.0以上、±2(R1)未満である。この距離は好ましくは0であり、2つの原点18,23は、同心であって好ましくは燃焼室14の中心軸線16と底部平面20の交差部のところに位置している。この距離の値は、原点23を原点22に対して上昇させると正であることは注目されるべきであり、正の距離H1は、図1に示されている。さらに、RS2/RS1の比は、1.0以上、3.0未満である。RS2/RS1の比は好ましくは、約2.0であり、より詳細には2.073である。
【0015】
以下の比は、燃焼室14の或る幾つかのパラメータを定める。
a.RS1/D2の比は、0.10よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.253である。
b.D2/D1の比は、0.45よりも大きく、0.85未満であることが必要であり、好ましくは0.619である。
c.D3/D2の比は、0.75よりも大きく、0.95未満であることが必要であり、好ましくは0.849である。
【0016】
d.H/D2の比は、0.15よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.337である。
e.R1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.136である。
f.R2/D2の比は、0.0よりも大きく、0.35未満であることが必要であり、好ましくは0.11である。
g.R3/D2の比は、0.0よりも大きく、0.2未満であることが必要であり、好ましくは0.14である。
【0017】
上述したような燃焼室14は、球面と環状面の組合せで構成されている。RS1,R1相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS1,R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS2,R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS2,R3相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であることが注目される。このように、燃焼室14を構成する平らな表面というものは存在しない。上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室14内での円滑な流れを促進し、燃焼室14内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室14は、軸線16に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室14を回転させるのは非常に容易である。
【0018】
半径R2,R3は、従来技術の幾つかに示されるような開放燃焼室とは異なり、クラウン12との交差部のところにリエントラント形燃焼室14を構成していることは更に注目されるべきである。
【0019】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図2〜図4に示されている。図2を参照すると、出力は、曲線の各々の下に位置する領域である。公知の燃焼室の第1の実際の実験例が曲線24で示されている。結果的に曲線24となる公知の燃焼室のシミュレーションのトレースが、曲線24のピークの近くで曲線24と厳密に重なり合っている。トレース26は、曲線24と厳密に重なり合うことにより、シミュレーションの有効性を実証している。次に、これと同一のシミュレーションを用いて燃焼室14の性能をシミュレートした。燃焼室14のシミュレーションは、曲線28で示されている。曲線28の下の領域は、曲線24の下の領域よりも僅かに大きく、燃焼室14に起因して生じる出力は、公知の燃焼室の出力よりも僅かに大きいことを示していることが注目される。
【0020】
図3は、線26により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線28により示された本発明の燃焼室14のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室14によるNOx発生量は、線26で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0021】
図4は、線28で示す本発明の燃焼室14のシミュレートされたスート発生量と比較して線26で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室14のスート発生量は、公知の燃焼室のスート発生量よりも相当少ないことは注目されるべきである。図2〜図4を参照して注目すべき重要なこととして、燃焼室14は結果として出力を増大させ、それと同時に燃焼室14は、公知の燃焼室と比較してNOx発生量とスート発生量の両方を減少させている。
【0022】
第2実施形態
本発明のピストンは、図5に全体が符号210で示されている。ピストン210のクラウン212は、ピストン210の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室214は、クラウン212内に形成されている。燃焼室214は、ピストン210の中心軸線と一致した長手方向軸線216に関して対称であることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図5に明示されている。
【0023】
本発明のピストン210は、主として大型(ヘビーデューティ)ディーゼルエンジン用に設計されているが、小型(ライトデューティ)ディーゼルエンジンにも適用できる。ピストン210は、2弁又は多弁ヘッドに利用できる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線216に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。
【0024】
ピストン210のクラウン212内に形成された燃焼室214は、湾曲した表面で構成され、これら湾曲面は、球面と環状面の両方である。燃焼室214には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室214を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0025】
燃焼室214の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径R1により定められる球面の一部は、燃焼室214の中央空間内に配置されていて、中央ポスト217を構成している。球面R1の原点218は、ピストン210の中心軸線216上に位置している。球面RS1の原点218と、燃焼室214の軸線216と燃焼室214の底部平面220の交点との間の距離は、0以上であり、0.25D2未満であることが必要である。図5に示すように、原点218は、燃焼室214の軸線216と燃焼室214の底部平面220の交点222のところにある。換言すると、原点218と交点222は、一致しているものとして示されている。これは、燃焼室214の軸線216と燃焼室の底部平面220の交点222のところにおける原点218の好ましい配置場所であるが、原点218と交点222との間には垂直方向距離があってもよい。
【0026】
以下の比は、燃焼室214の或る幾つかのパラメータを定める。
a.D1対Dの比は、0.49よりも大きく、0.81未満であることが必要であり、好ましくは0.6065である。
b.D2対D1の比は、0.81よりも大きく、0.99未満であることが必要であり、好ましくは0.908である。
c.H1対D1の比は、0.17よりも大きく、0.47未満であることが必要であり、好ましくは0.344である。
d.H2対H1の比は、0.05よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.253である。
【0027】
e.R1対D1の比は、0.13よりも大きく、0.43未満であることが必要であり、好ましくは0.257である。
f.R2対D1の比は、0.09よりも大きく、0.25未満であることが必要であり、好ましくは0.133である。
g.R3対D1の比は、0.17よりも大きく、0.55未満であることが必要であり、好ましくは0.36である。
h.R4対D1の比は、0.08よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.142である。
i.R5対D1の比は、0.01よりも大きく、0.02未満であることが必要であり、好ましくは0.14である。
【0028】
上述したような燃焼室214は、球面と環状面の組合せで構成されている。球面R1は、半径R1により構成されている。環状面は、半径R2〜R5によって構成されている。球面R1と環状面R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R2,R3相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R3,R4相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R4,R5相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であることが注目される。このように、燃焼室214を構成する平らな表面というものは存在しない。上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室214内での円滑な流れを促進し、燃焼室214内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室214は、軸線216に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室214を回転させるのは非常に容易である。
【0029】
表面R2〜R5は、従来技術で示されるような開放燃焼室とは異なり、リエントラント形燃焼室214を構成していることは更に注目されるべきである。
【0030】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図6〜図8に示されている。図6を参照すると、出力は、曲線の各々の下に位置する領域である。公知の燃焼室の第1の実際の実験例が曲線224で示されている。結果的に曲線224となる公知の燃焼室のシミュレーションのトレースが、曲線224のピークの近くで曲線224と厳密に重なり合っている。トレース226は、曲線224と厳密に重なり合うことにより、シミュレーションの有効性を実証している。次に、これと同一のシミュレーションを用いて燃焼室214の性能をシミュレートした。燃焼室214のシミュレーションは、曲線228で示されている。曲線228の下の領域は、曲線224の下の領域よりも僅かに大きく、燃焼室214に起因して生じる出力は、公知の燃焼室の出力よりも僅かに大きいことを示していることが注目される。
【0031】
図7は、線226により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線228により示された本発明の燃焼室214のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室214によるNOx発生量は、線226で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0032】
図8は、線228で示す本発明の燃焼室214のシミュレートされたスート発生量と比較して線226で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室214のスート発生量は、公知の燃焼室のスート発生よりも相当少ないことは注目されるべきである。図6〜図8を参照して注目すべき重要なこととして、燃焼室214は結果として出力を増大させ、それと同時に燃焼室214は、公知の燃焼室と比較してNOx発生量とスート発生量の両方を減少させている。
【0033】
第3実施形態
図9には、本発明のピストンは、全体が符号310で示されており、本発明の燃焼室は、符号314で示されている。概略的には、ピストン310は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼ボウルの大部分を形成する中央に配置された対称の上向きキャビティを有しており、エンジンは、燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン310を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線316に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。燃焼室314を備えたピストン310は、ディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン310は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0034】
ピストン310のクラウン312は、ピストン310の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室314は、クラウン312内に形成されている。燃焼室314は、燃焼室の長手方向軸線316に関して対称であり、長手方向軸線316は、ピストン310の中心軸線と一致していることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図9に明示されている。
【0035】
ピストン310のクラウン312内に形成された燃焼室314は、球面を含む湾曲した表面で構成されている。球面は半径RSによって示され、湾曲面は半径Rによって示されており、これら湾曲面は環状面であるのがよい。燃焼室314には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室314を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0036】
概略的には、燃焼室314は、2つの球面RS1,RS2で構成され、球面RS1は、凸状の球面を構成し、球面RS2は、凹状の球面を構成している。球面RS1は、中央ポスト31を構成する燃焼室314の中央のところに形成され、球面RS2は、球面RS1の半径方向外方に形成されている。2つの球面RS1,RS2は、燃焼室314の底部のところで半径R2を備えた小さな環状面によって連結されている。燃焼室の側壁は、半径がR1の湾曲した環状面によって構成されている。側壁の湾曲面R1は、半径がR3の湾曲面によって球面RS2に連結されている。側壁の湾曲面R1は、小さな湾曲面、例えば湾曲面R4によってクラウン312との交点に移行している。
【0037】
燃焼室314の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径RS1により定められる凸状球面RS1は、燃焼室314の中央空間(中心部分)内に配置されている。球面RS1の原点318は、ピストン10の中心軸線316上に位置し、好ましくはピストン310の長手方向軸線と一致している。球面RS1の原点318と、燃焼室314の軸線316と底部平面320の交点との間の距離は、0以上であり(図9に示すような原点から上に測定した距離は正である)、0.3D1未満であることが必要であり、D1は、ピストン310の直径である。かかる距離は好ましくは、原点318が底部平面320と軸線316の交点322と一致している場合には0である。
【0038】
直径がRS2の凹状球面の原点324は、軸線316上に位置し、図9ではピストン310よりもかなり上に示されている。球面RS2の原点324と、底部平面320と軸線316の交点322との間の距離は、1.0D1以上であって8.0D1未満であり、好ましくは2.5D1である(図9に示すように底部平面320と軸線316の交点22から上に測定した距離は、正である)。
【0039】
以下の比は、燃焼室314の或る特定のパラメータを備えており、D2は、燃焼室314の最大直径であり、D3は、クラウン312との交点のところにおける燃焼室314の直径であり、H1は、燃焼室314の最大高さであり、H2は、凸状球面R1のピークからクラウン312までの高さである。
【0040】
a.RS1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.44未満であることが必要であり、好ましくは0.245である。
b.RS2/D2の比は、1.5よりも大きく、30.0未満であることが必要であり、好ましくは3.432である。
c.D2/D1の比は、0.42よりも大きく、0.88未満であることが必要であり、好ましくは0.635である。
d.D3/D2の比は、0.7よりも大きく、0.995未満であることが必要であり、好ましくは0.832である。
【0041】
e.H1/D2の比は、0.13よりも大きく、0.49未満であることが必要であり、好ましくは0.318である。
f.H2/D2の比は、0.005よりも大きく、0.49未満であることが必要であり、好ましくは0.073である。
g.R1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.65未満であることが必要であり、好ましくは0.412である。
h.R2/D2の比は、0.01よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.068である。
i.R3/D2の比は、0.01よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.068である。
【0042】
上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室314内での円滑な流れを促進し、燃焼室314内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室314は、軸線316に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室314を回転させるのは非常に容易である。
【0043】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図10及び図11に示されている。図10は、線328により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線330により示された本発明の燃焼室314のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室314によるNOx発生量(線330)は、線328で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0044】
図11は、線330で示す本発明の燃焼室314のシミュレートされたスート発生量と比較して線328で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室314のスート発生量(線330)は、公知の燃焼室のスート発生量(線328)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0045】
第4実施形態
図12には、本発明のピストン及び燃焼室はそれぞれ全体が符号410、414で示されている。概略的には、ピストン410は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼室一式の一部を形成する中央に配置された対称の上向き燃焼室414を有している。燃焼室414は、ピストン410のクラウン412内に構成されている。エンジンは、燃焼室414に対して燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン410を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。燃料をピストン410の中心近くに噴射すること及び噴射パターンが軸線416に関して半径方向に対称であることが望ましい。ピストン410は、図14及び図15のグラフで示すようにディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン410は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0046】
ピストン410のクラウン412は、ピストン410の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室414は、クラウン412内に形成されている。燃焼室414は、燃焼室の長手方向軸線416に関して対称であり、長手方向軸線416は、ピストン410の中心軸線と一致していることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図12に明示されている。RSは球半径を示し、環状面は、Rで示されている。
【0047】
ピストン410の燃焼室414は、球面及び環状面を含む湾曲した表面で構成されている。燃焼室414には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室414を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0048】
概略的には、燃焼室414は、図12に示すように1つが3つのパラメータから成る4つのグループで構成されており、かかるグループとしては
(1)直径のグループ、
(2)球のグループ、
(3)高さのグループ、及び
(4)環状域のグループ
が挙げられる。
【0049】
直径のグループは、3つの直径パラメータで構成され、D1は、ピストン410の直径、D2は、燃焼室414の直径、D3は、燃焼室414がクラウン412と交差する燃焼室414のリエントランス部の直径である。球のグループは、半径がそれぞれRS1、RS2、RS3の3つの球面を含む。高さのグループは、3つの高さパラメータで構成され、H1は、燃焼室414の深さ、H2は、ピストンのクラウン412と凸状球面RS1の頂点との間の距離、H3は、燃焼室414のリエントランス部の厚さである。環状域のグループは、3つの環状面R1,R2,R3を含む。
【0050】
凸状球面RS1は、中央ポスト417を構成する燃焼室414の底部の中央のところに配置されている。2つの球面RS2,RS3はそれぞれ、燃焼室414の側壁を形成している。2つの球面RS2,RS3は、環状面R1によって連結されている。環状面R1は、燃焼室414の底部を形成している。2つの球面RS2,RS3は、小さな環状面R2によって連結され、それにより2つの球面RS2,RS3相互間に滑らかな移行部を構成している。球面RS3は、小さな環状面R3によってクラウン412に移行している。3つの球面RS1,RS2,RS3の中心は全て、燃焼室の長手方向軸線416上に配置され、燃焼室414の中心線を定めている。
【0051】
以下のパラメータの関係は、燃焼室414の幾何学的形状並びにピストン410及び燃焼室414を用いたディーゼルエンジンの結果的に生じる排出ガスを制御する。
a.D2:D1の比は、0.43よりも大きく、0.83未満であることが必要であり、好ましくは0.631である。
b.D3:D2の比は、0.68よりも大きく、0.998未満であることが必要であり、好ましくは0.883である。
c.RS1:D1の比は、0.08よりも大きく、0.38未満であることが必要であり、好ましくは0.181である。
d.RS2:D2の比は、0.16よりも大きく、0.56未満であることが必要であり、好ましくは0.364である。
e.RS3:D1の比は、0.18よりも大きく、0.48未満であることが必要であり、好ましくは0.282である。
【0052】
f.H1:D2の比は、0.12よりも大きく、0.52未満であることが必要であり、好ましくは0.321である。
g.H2:D1の比は、0.006よりも大きく、0.256未満であることが必要であり、好ましくは0.056である。
h.H3:D1の比は、0.01よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.05である。
i.R1:D1の比は、0.02よりも大きく、0.28未満であることが必要であり、好ましくは0.081である。
j.R2:D1の比は、0よりも大きく、0.31未満であることが必要であり、好ましくは0.017である。
k.R3:D1の比は、0よりも大きく、0.31未満であることが必要であり、好ましくは0.009である。
【0053】
上述したような燃焼室414の曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室414内での円滑な流れを促進し、燃焼室414内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室414は、軸線416に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室414を回転させるのは非常に容易である。
【0054】
図13は、シリンダ内圧力により示される燃焼性能の比較を示しており、圧力曲線の下の領域はディーゼルエンジンの出力を表している。図13、図14及び図15では、従来型エンジンに関するシミュレーション及び従来型エンジンに付いての実験結果がシミュレーションの有効性の指標として実質的に互いに一致している。再び図13を参照すると、本発明の圧力曲線B44aは、従来型エンジンの圧力曲線B0よりも僅かに大きく、これは本発明の性能が従来型エンジンよりも幾分優れていることを指示している。本発明の出力は、従来型エンジンよりも僅かに高い。
【0055】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図14及び図15に示されている。図14は、線B0により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線B44aにより示された本発明の燃焼室314のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室414によるNOx発生量は、線B0で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0056】
図15は、線B44aで示す本発明の燃焼室414のシミュレートされたスート発生量と比較して線B0で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室414のスート発生量(線B44a)は、公知の燃焼室のスート発生量(線B0)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0057】
第5実施形態
図16には、本発明のピストン及び燃焼室はそれぞれ全体が符号510、512で示されている。概略的には、ピストン510は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼室512の一部を形成する中央に配置された対称の上向きキャビティを有している。燃焼室512は、ピストン510のクラウン514内に構成されている。エンジンは、燃焼室512に対して燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン510を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。ピストン510は、図17及び図18のグラフで示すようにディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン510は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0058】
ピストン510は、燃費及び出力を損なわないでディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるために燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを備えたディーゼルエンジンのシリンダ内に完全な燃焼室の大部分を形成する対称の上方に開いた燃焼室512を有している。
【0059】
ディーゼルエンジンのピストンクラウン514内に配置された燃焼室512は主要構成要素として、図16に示すように一群の球面から成っている。2つの球面RS1,RS2(共通中心516は、燃焼室軸線518上に位置している)は、燃焼室512の大部分を形成している。内側球面RS1は、ポスト520を形成するよう燃焼室512の中央底部に配置され、RS1の半径を有している。外側球面RS2は、燃焼室512の側壁の下方部分を形成し、RS2の半径を有している。RS3の半径を有する第3の球面RS3は、燃焼室512の底部外縁部を形成している。第4の球面RS4は、RS4の半径を有し、燃焼室512の側壁の上方部分を形成している。
【0060】
4つの小さな環状面R1〜R4は、隣り合う球面相互間及びクラウン514との連結及び移行表面としての役目を果たす。内側球面RS1と外側の底部球面RS3は、半径がR1の環状面によって連結されている。下方側壁RS2と外側底部球面RS3は、半径がR2の環状面によって連結されている。下方側壁球面RS2と上方側壁球面RS4は、半径がR3の環状面によって連結されている。上方側壁球面RS4は、半径がR4の小さな環状面R4によりピストンクラウン514に移行し又は再び入る。
【0061】
球面RS1,RS2の原点は、互いに一致しており、即ちこれら原典は共通中心516を有し、共通中心516は、燃焼室512の中心軸線518上に位置している。球面RS1,RS2の共通中心516と、燃焼室軸線518と燃焼室の底部平面522の交点との間の距離は、0以上であって、0.28D1未満であり(D1は、ピストン直径である)、好ましくは0.073D1である。球面RS3の原点は、燃焼室の中心軸線518上に位置し、球面RS3の原点と、燃焼室軸線518と燃焼室512の底部平面522の交点との間の距離は、0.75D1よりも大きく、3.0D1未満であり、好ましくは2.178D1である。球面RS4の原点は、燃焼室512の中心軸線518上に位置し、球面RS4の原点と、燃焼室軸線518とピストン510のクラウン514の交点との間の距離は、H3に等しい。H3/D1の比は、0.02よりも大きく、0.42未満であり、好ましくは0.051である。
【0062】
燃焼室512の中心軸線518は、ピストン510の中心軸線524と一致するのがよく、或いはオフセットを有していてもよく、即ち、燃焼室512の中心軸線518とピストン510の中心軸線524との間の距離H4は、0以上であって0.1D1未満であり、好ましくは0である。この場合、好ましくは、軸線518,524は、一致している。
【0063】
他のパラメータの関係も又、以下に一覧表示されているように燃焼室幾何学的形状、燃焼性能及びディーゼルエンジンの排出ガスを制御する。
1.D2/D1の比は、0.43よりも大きく、0.83未満であり、好ましくは0.637であり、D2は、燃焼室の最大直径である。
2.D3/D1の比は、0.33よりも大きく、0.83未満であり、好ましくは0.548であり、D3は、燃焼室の最小直径である。
3.RS1/D1の比は、0.05よりも大きく、0.35未満であり、好ましくは0.18である。
4.RS2/D1の比は、0.23よりも大きく、0.53未満であり、好ましくは0.334である。
5.RS3/D1の比は、1.18よりも大きく、4.18未満であり、好ましくは2.18である。
【0064】
6. RS4/D1の比は、0.18よりも大きく、0.38未満であり、好ましくは0.28である。
7. H1/D1の比は、0.1よりも大きく、0.4未満であり、好ましくは0.2であり、H1は、燃焼室の深さである。
8. H2/D1の比は、0.04よりも大きく、0.24未満であり、好ましくは0.144であり、H2は、ポストの高さである。
9. 環状面R1の半径は、環状面R2の半径に等しい。R1/D1の比及びR2/D1の比はそれぞれ、0.03よりも大きく0.25未満であり、好ましくは0.051である。
10. 環状面R3,R4の半径は、非常に小さい。したがって、R3/D1の比及びR4/D1の比はそれぞれ、0よりも大きく、0.1未満である。
【0065】
上述したような燃焼室512の曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室512内での円滑な流れを促進し、燃焼室512内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室512は、好ましくは軸線524に関して対称であるが、図16において注目されるように距離H4ずれていてもよい。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室512を回転させる(形成する)のは非常に容易である。
【0066】
図17及び図18では、従来型エンジンのシミュレーションと従来型エンジンに関する実験結果は、シミュレーションの有効性の指標として実質的に一致している(実験トレースB0とシミュレーショントレースB0は実質的に一致している)。燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図17及び図18に示されている。図17は、線B0により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線B27により示された本発明の燃焼室512のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室512によるNOx発生量は、線B0で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0067】
図18は、線B27で示す本発明の燃焼室512のシミュレートされたスート発生量と比較して線B0で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室512のスート発生量(線B27)は、公知の燃焼室のスート発生量(線B0)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0068】
本明細書において実施形態に加えて他の実施形態は本発明の範囲に含まれることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的事項によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のピストンの断面図である。
【図2】本発明のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室の出力のグラフ図である。
【図3】既存のピストン及び燃焼室と本発明のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図4】本発明のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図5】本発明の第2実施形態のピストンの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室の出力のグラフ図である。
【図7】既存のピストン及び燃焼室と本発明の第2実施形態のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図8】本発明の第2実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図9】本発明の第3実施形態のピストンの断面図である。
【図10】既存のピストン及び燃焼室と本発明の第3の実施形態のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図11】本発明の第3実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図12】本発明の第4実施形態のピストン及び燃焼室の断面図である。
【図13】従来技術B0のエンジンの実験データのクランク角に対する圧力、シミュレーションの有効性を実証するための同一エンジンのシミュレーション及び本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室を備えたエンジンのシミュレーションのグラフ図である。
【図14】本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたNOxのグラフ図である。
【図15】本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図16】本発明の第5実施形態のピストン及び燃焼室の断面図である。
【図17】従来技術B0のエンジンの実験データのクランク角に対して生じたNOx、実質的に実験データと重なり合ったシミュレーションの有効性を実証するための同一エンジンB0のシミュレーション及び本発明の第5実施形態B27のピストン及び燃焼室を備えたピストン及び燃焼室を備えたエンジンのシミュレーションのグラフ図である。
【図18】本発明の第5実施形態B27のピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【0001】
本発明は、圧縮着火(ディーゼル)内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という場合がある)用に設計された燃焼室に関する。本発明は、詳細には、燃焼室がクラウン内に形成されたピストンに関する。
【背景技術】
【0002】
エンジンの燃焼室内に吸気と燃料の理想的なフローパターンを生じさせる多くの試みがなされている。実施の必要がある留意点としては、エンジン排気ガス中に同伴されるNOxを最小限に抑えると共にこれ又エンジン排気ガス中に同伴されるスート(煤)粒子の量を最小限に抑えるのに適した出力発生を行うことが挙げられるが、これには限定されない。
【0003】
種々のエンジン設計/作動変数、例えばエンジン圧縮比、燃焼室の形状、燃料噴射噴霧パターン及び他の変数のうち任意の1つを変化させると、発生する排出ガス成分すなわちエミッションと出力との両方に影響を及ぼすことがあることが知られている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エンジンの排気ガスと共に放出されるスートの量は、見苦しいほどのものであり、これは、ディーゼルエンジンの浄化対策を促す社会的圧力を生じさせる。さらに、エンジンの潤滑油中に同伴されるスートの量は、エンジンの信頼性に悪影響を及ぼす場合がある。スートは非常に研磨性が強いので、エンジンのひどい摩耗を生じさせる場合がある。
【0005】
更に、エンジンからのNOxの放出量を減少させる相当な社会的圧力が存在する。ますます厳しくなる規則上の要求により、NOxのレベルの減少が義務付けられている。典型的には、NOxレベルを減少させるのに有効な燃焼室設計は、スートのレベルを増大させることが判明しており、この逆の関係も成り立つ。更に、上述の対策のいずれかを行っても、エンジントルク及び出力が減少するのが通例である。
【0006】
ピストンのクラウン内に形成される燃焼室の例は非常に多い。これら全ての従来設計例にも関わらず、NOxと同伴スートの両方を減少させ、しかもそれと同時にエンジントルク及び出力を維持し又は高めることが要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の燃焼室は、当業界における上述の要望を実質的に満たすものである。ピストンのクラウン内に形成した燃焼室は、スートの同伴量とNOx放出量の両方を減少させると同時にエンジンの出力を僅かに増大させることが分かった。ピストンは、ヘッドが2又は3以上の弁を備えた状態で効果的に機能することが分かった。本発明の燃焼室の別の利点は、燃焼室をピストンの中心軸線に関して対称にすることにより燃焼室を比較的容易にピストンのクラウン内に形成できるということにある。
【0008】
本発明は、ディーゼルエンジン用の燃焼室組立体であって、ピストンのクラウン内に形成された燃焼室を有し、ピストンは、中心軸線を有し、燃焼室は、ポストを構成する中央部分を有し、中央部分は、少なくとも一部が球の一部により構成され、球は、半径を有し、半径の原点は、ピストンの中心軸線上に位置し、燃焼室は、隣り合う滑らかな表面相互間に位置する滑らかな接線方向移行部を備えた複数の湾曲した表面を更に有し、滑らかな表面は、球形中央部分及び少なくとも1つの環状の表面を有し、燃焼室は、燃焼室の長手方向軸線に関して対称であることを特徴とする燃焼室を提供する。本発明は更に、上述の燃焼室組立体を備えたピストン及び上述の燃焼室の形成方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1実施形態
本発明のピストンは、図1に全体が符号10で示されている。ピストン10のクラウン12は、ピストン10の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室14は、クラウン12内に形成されている。燃焼室14は、ピストン10の中心軸線と一致した長手方向軸線16に関して対称であることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図1に明示されている。
【0010】
本発明のピストン10は、主として大型(ヘビーデューティ)ディーゼルエンジン用に設計されているが、小型(ライトデューティ)ディーゼルエンジンにも適用できる。ピストン10は、2弁又は多弁ヘッドに利用できる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線16に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。
【0011】
ピストン10のクラウン12内に形成された燃焼室14は、湾曲した表面で構成され、これら湾曲面は、球面と環状面の両方である。球面は、半径RSによって示され、環状面は、半径Rによって示されている。燃焼室14には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室14を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0012】
概略的には、燃焼室14は、2つの球面RS1,RS2で構成され、球面RS1は、中央ポスト17を構成している。2つの球面RS1,RS2は、燃焼室14の底部の環状面R1により連結されている。球面RS2は、2つの環状面R2,R3によってピストンクラウン12に移行し、2つの環状面は、比較的小さな曲率を有し、クラウン12とリエントラント形交差部を構成している。寸法としての直径はDにより示され、寸法としての高さは、Hにより示されている。
【0013】
燃焼室14の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径RS1により定められる球面の一部は、燃焼室14の中央空間(中心部分)内に配置されている。球面RS1の原点18は、ピストン10の中心軸線16上に位置している。球面RS1の原点18と、燃焼室14の軸線16と燃焼室14の底部平面20の交点との間の距離は、0以上であり、0.25D2未満であることが必要である。図1に示すように、原点18は、燃焼室14の軸線16と燃焼室14の底部平面20の交点22のところにある。換言すると、原点18と交点22は、一致しているものとして示されている。これは、燃焼室14の軸線16と燃焼室の底部平面20の交点22のところにおける原点18の好ましい配置場所であるが、原点18と交点22との間には垂直方向高さ距離があってもよい。
【0014】
半径RS2をもつ第2の球面は、第1(中心部分)の球面RS1の外部に位置し、燃焼室14の外縁部の一部を構成している。外縁部の球面RS2は、中心軸線16上に位置する原点23を有している。中心部分の球面RS1及び外縁部の球面RS2のそれぞれの2つの原点18,23相互間の距離は、0.0以上、±2(R1)未満である。この距離は好ましくは0であり、2つの原点18,23は、同心であって好ましくは燃焼室14の中心軸線16と底部平面20の交差部のところに位置している。この距離の値は、原点23を原点22に対して上昇させると正であることは注目されるべきであり、正の距離H1は、図1に示されている。さらに、RS2/RS1の比は、1.0以上、3.0未満である。RS2/RS1の比は好ましくは、約2.0であり、より詳細には2.073である。
【0015】
以下の比は、燃焼室14の或る幾つかのパラメータを定める。
a.RS1/D2の比は、0.10よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.253である。
b.D2/D1の比は、0.45よりも大きく、0.85未満であることが必要であり、好ましくは0.619である。
c.D3/D2の比は、0.75よりも大きく、0.95未満であることが必要であり、好ましくは0.849である。
【0016】
d.H/D2の比は、0.15よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.337である。
e.R1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.136である。
f.R2/D2の比は、0.0よりも大きく、0.35未満であることが必要であり、好ましくは0.11である。
g.R3/D2の比は、0.0よりも大きく、0.2未満であることが必要であり、好ましくは0.14である。
【0017】
上述したような燃焼室14は、球面と環状面の組合せで構成されている。RS1,R1相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS1,R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS2,R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、RS2,R3相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であることが注目される。このように、燃焼室14を構成する平らな表面というものは存在しない。上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室14内での円滑な流れを促進し、燃焼室14内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室14は、軸線16に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室14を回転させるのは非常に容易である。
【0018】
半径R2,R3は、従来技術の幾つかに示されるような開放燃焼室とは異なり、クラウン12との交差部のところにリエントラント形燃焼室14を構成していることは更に注目されるべきである。
【0019】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図2〜図4に示されている。図2を参照すると、出力は、曲線の各々の下に位置する領域である。公知の燃焼室の第1の実際の実験例が曲線24で示されている。結果的に曲線24となる公知の燃焼室のシミュレーションのトレースが、曲線24のピークの近くで曲線24と厳密に重なり合っている。トレース26は、曲線24と厳密に重なり合うことにより、シミュレーションの有効性を実証している。次に、これと同一のシミュレーションを用いて燃焼室14の性能をシミュレートした。燃焼室14のシミュレーションは、曲線28で示されている。曲線28の下の領域は、曲線24の下の領域よりも僅かに大きく、燃焼室14に起因して生じる出力は、公知の燃焼室の出力よりも僅かに大きいことを示していることが注目される。
【0020】
図3は、線26により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線28により示された本発明の燃焼室14のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室14によるNOx発生量は、線26で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0021】
図4は、線28で示す本発明の燃焼室14のシミュレートされたスート発生量と比較して線26で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室14のスート発生量は、公知の燃焼室のスート発生量よりも相当少ないことは注目されるべきである。図2〜図4を参照して注目すべき重要なこととして、燃焼室14は結果として出力を増大させ、それと同時に燃焼室14は、公知の燃焼室と比較してNOx発生量とスート発生量の両方を減少させている。
【0022】
第2実施形態
本発明のピストンは、図5に全体が符号210で示されている。ピストン210のクラウン212は、ピストン210の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室214は、クラウン212内に形成されている。燃焼室214は、ピストン210の中心軸線と一致した長手方向軸線216に関して対称であることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図5に明示されている。
【0023】
本発明のピストン210は、主として大型(ヘビーデューティ)ディーゼルエンジン用に設計されているが、小型(ライトデューティ)ディーゼルエンジンにも適用できる。ピストン210は、2弁又は多弁ヘッドに利用できる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線216に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。
【0024】
ピストン210のクラウン212内に形成された燃焼室214は、湾曲した表面で構成され、これら湾曲面は、球面と環状面の両方である。燃焼室214には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室214を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0025】
燃焼室214の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径R1により定められる球面の一部は、燃焼室214の中央空間内に配置されていて、中央ポスト217を構成している。球面R1の原点218は、ピストン210の中心軸線216上に位置している。球面RS1の原点218と、燃焼室214の軸線216と燃焼室214の底部平面220の交点との間の距離は、0以上であり、0.25D2未満であることが必要である。図5に示すように、原点218は、燃焼室214の軸線216と燃焼室214の底部平面220の交点222のところにある。換言すると、原点218と交点222は、一致しているものとして示されている。これは、燃焼室214の軸線216と燃焼室の底部平面220の交点222のところにおける原点218の好ましい配置場所であるが、原点218と交点222との間には垂直方向距離があってもよい。
【0026】
以下の比は、燃焼室214の或る幾つかのパラメータを定める。
a.D1対Dの比は、0.49よりも大きく、0.81未満であることが必要であり、好ましくは0.6065である。
b.D2対D1の比は、0.81よりも大きく、0.99未満であることが必要であり、好ましくは0.908である。
c.H1対D1の比は、0.17よりも大きく、0.47未満であることが必要であり、好ましくは0.344である。
d.H2対H1の比は、0.05よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.253である。
【0027】
e.R1対D1の比は、0.13よりも大きく、0.43未満であることが必要であり、好ましくは0.257である。
f.R2対D1の比は、0.09よりも大きく、0.25未満であることが必要であり、好ましくは0.133である。
g.R3対D1の比は、0.17よりも大きく、0.55未満であることが必要であり、好ましくは0.36である。
h.R4対D1の比は、0.08よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.142である。
i.R5対D1の比は、0.01よりも大きく、0.02未満であることが必要であり、好ましくは0.14である。
【0028】
上述したような燃焼室214は、球面と環状面の組合せで構成されている。球面R1は、半径R1により構成されている。環状面は、半径R2〜R5によって構成されている。球面R1と環状面R2相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R2,R3相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R3,R4相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であり、環状面R4,R5相互間の移行部は、滑らかであって接線方向であることが注目される。このように、燃焼室214を構成する平らな表面というものは存在しない。上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室214内での円滑な流れを促進し、燃焼室214内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室214は、軸線216に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室214を回転させるのは非常に容易である。
【0029】
表面R2〜R5は、従来技術で示されるような開放燃焼室とは異なり、リエントラント形燃焼室214を構成していることは更に注目されるべきである。
【0030】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図6〜図8に示されている。図6を参照すると、出力は、曲線の各々の下に位置する領域である。公知の燃焼室の第1の実際の実験例が曲線224で示されている。結果的に曲線224となる公知の燃焼室のシミュレーションのトレースが、曲線224のピークの近くで曲線224と厳密に重なり合っている。トレース226は、曲線224と厳密に重なり合うことにより、シミュレーションの有効性を実証している。次に、これと同一のシミュレーションを用いて燃焼室214の性能をシミュレートした。燃焼室214のシミュレーションは、曲線228で示されている。曲線228の下の領域は、曲線224の下の領域よりも僅かに大きく、燃焼室214に起因して生じる出力は、公知の燃焼室の出力よりも僅かに大きいことを示していることが注目される。
【0031】
図7は、線226により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線228により示された本発明の燃焼室214のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室214によるNOx発生量は、線226で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0032】
図8は、線228で示す本発明の燃焼室214のシミュレートされたスート発生量と比較して線226で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室214のスート発生量は、公知の燃焼室のスート発生よりも相当少ないことは注目されるべきである。図6〜図8を参照して注目すべき重要なこととして、燃焼室214は結果として出力を増大させ、それと同時に燃焼室214は、公知の燃焼室と比較してNOx発生量とスート発生量の両方を減少させている。
【0033】
第3実施形態
図9には、本発明のピストンは、全体が符号310で示されており、本発明の燃焼室は、符号314で示されている。概略的には、ピストン310は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼ボウルの大部分を形成する中央に配置された対称の上向きキャビティを有しており、エンジンは、燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン310を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。燃料をピストン中心近くに噴射すること及び噴射パターンが半径方向に対称であることが望ましい。好ましい実施形態では、インジェクタは、軸線316に関し等角度にずれた6つのサブスプレーを有する燃料のスプレーを噴射する。燃焼室314を備えたピストン310は、ディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン310は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0034】
ピストン310のクラウン312は、ピストン310の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室314は、クラウン312内に形成されている。燃焼室314は、燃焼室の長手方向軸線316に関して対称であり、長手方向軸線316は、ピストン310の中心軸線と一致していることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図9に明示されている。
【0035】
ピストン310のクラウン312内に形成された燃焼室314は、球面を含む湾曲した表面で構成されている。球面は半径RSによって示され、湾曲面は半径Rによって示されており、これら湾曲面は環状面であるのがよい。燃焼室314には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室314を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0036】
概略的には、燃焼室314は、2つの球面RS1,RS2で構成され、球面RS1は、凸状の球面を構成し、球面RS2は、凹状の球面を構成している。球面RS1は、中央ポスト31を構成する燃焼室314の中央のところに形成され、球面RS2は、球面RS1の半径方向外方に形成されている。2つの球面RS1,RS2は、燃焼室314の底部のところで半径R2を備えた小さな環状面によって連結されている。燃焼室の側壁は、半径がR1の湾曲した環状面によって構成されている。側壁の湾曲面R1は、半径がR3の湾曲面によって球面RS2に連結されている。側壁の湾曲面R1は、小さな湾曲面、例えば湾曲面R4によってクラウン312との交点に移行している。
【0037】
燃焼室314の幾何学的形状を制御し、それによりディーゼルエンジンの燃焼性能並びにNOx及びスート放出量を制御する多くのパラメータがある。半径RS1により定められる凸状球面RS1は、燃焼室314の中央空間(中心部分)内に配置されている。球面RS1の原点318は、ピストン10の中心軸線316上に位置し、好ましくはピストン310の長手方向軸線と一致している。球面RS1の原点318と、燃焼室314の軸線316と底部平面320の交点との間の距離は、0以上であり(図9に示すような原点から上に測定した距離は正である)、0.3D1未満であることが必要であり、D1は、ピストン310の直径である。かかる距離は好ましくは、原点318が底部平面320と軸線316の交点322と一致している場合には0である。
【0038】
直径がRS2の凹状球面の原点324は、軸線316上に位置し、図9ではピストン310よりもかなり上に示されている。球面RS2の原点324と、底部平面320と軸線316の交点322との間の距離は、1.0D1以上であって8.0D1未満であり、好ましくは2.5D1である(図9に示すように底部平面320と軸線316の交点22から上に測定した距離は、正である)。
【0039】
以下の比は、燃焼室314の或る特定のパラメータを備えており、D2は、燃焼室314の最大直径であり、D3は、クラウン312との交点のところにおける燃焼室314の直径であり、H1は、燃焼室314の最大高さであり、H2は、凸状球面R1のピークからクラウン312までの高さである。
【0040】
a.RS1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.44未満であることが必要であり、好ましくは0.245である。
b.RS2/D2の比は、1.5よりも大きく、30.0未満であることが必要であり、好ましくは3.432である。
c.D2/D1の比は、0.42よりも大きく、0.88未満であることが必要であり、好ましくは0.635である。
d.D3/D2の比は、0.7よりも大きく、0.995未満であることが必要であり、好ましくは0.832である。
【0041】
e.H1/D2の比は、0.13よりも大きく、0.49未満であることが必要であり、好ましくは0.318である。
f.H2/D2の比は、0.005よりも大きく、0.49未満であることが必要であり、好ましくは0.073である。
g.R1/D2の比は、0.11よりも大きく、0.65未満であることが必要であり、好ましくは0.412である。
h.R2/D2の比は、0.01よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.068である。
i.R3/D2の比は、0.01よりも大きく、0.33未満であることが必要であり、好ましくは0.068である。
【0042】
上述したような曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室314内での円滑な流れを促進し、燃焼室314内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室314は、軸線316に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室314を回転させるのは非常に容易である。
【0043】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図10及び図11に示されている。図10は、線328により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線330により示された本発明の燃焼室314のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室314によるNOx発生量(線330)は、線328で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0044】
図11は、線330で示す本発明の燃焼室314のシミュレートされたスート発生量と比較して線328で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室314のスート発生量(線330)は、公知の燃焼室のスート発生量(線328)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0045】
第4実施形態
図12には、本発明のピストン及び燃焼室はそれぞれ全体が符号410、414で示されている。概略的には、ピストン410は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼室一式の一部を形成する中央に配置された対称の上向き燃焼室414を有している。燃焼室414は、ピストン410のクラウン412内に構成されている。エンジンは、燃焼室414に対して燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン410を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。燃料をピストン410の中心近くに噴射すること及び噴射パターンが軸線416に関して半径方向に対称であることが望ましい。ピストン410は、図14及び図15のグラフで示すようにディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン410は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0046】
ピストン410のクラウン412は、ピストン410の上縁部の一部を構成している。本発明の燃焼室414は、クラウン412内に形成されている。燃焼室414は、燃焼室の長手方向軸線416に関して対称であり、長手方向軸線416は、ピストン410の中心軸線と一致していることは注目されるべきである。以下に説明する種々の半径(R)、直径(D)及び高さ(H)は、図12に明示されている。RSは球半径を示し、環状面は、Rで示されている。
【0047】
ピストン410の燃焼室414は、球面及び環状面を含む湾曲した表面で構成されている。燃焼室414には平らな表面が無い。以下に詳細に説明するように、燃焼室414を構成する種々の湾曲した表面相互間には滑らかな接線方向移行部が存在する。
【0048】
概略的には、燃焼室414は、図12に示すように1つが3つのパラメータから成る4つのグループで構成されており、かかるグループとしては
(1)直径のグループ、
(2)球のグループ、
(3)高さのグループ、及び
(4)環状域のグループ
が挙げられる。
【0049】
直径のグループは、3つの直径パラメータで構成され、D1は、ピストン410の直径、D2は、燃焼室414の直径、D3は、燃焼室414がクラウン412と交差する燃焼室414のリエントランス部の直径である。球のグループは、半径がそれぞれRS1、RS2、RS3の3つの球面を含む。高さのグループは、3つの高さパラメータで構成され、H1は、燃焼室414の深さ、H2は、ピストンのクラウン412と凸状球面RS1の頂点との間の距離、H3は、燃焼室414のリエントランス部の厚さである。環状域のグループは、3つの環状面R1,R2,R3を含む。
【0050】
凸状球面RS1は、中央ポスト417を構成する燃焼室414の底部の中央のところに配置されている。2つの球面RS2,RS3はそれぞれ、燃焼室414の側壁を形成している。2つの球面RS2,RS3は、環状面R1によって連結されている。環状面R1は、燃焼室414の底部を形成している。2つの球面RS2,RS3は、小さな環状面R2によって連結され、それにより2つの球面RS2,RS3相互間に滑らかな移行部を構成している。球面RS3は、小さな環状面R3によってクラウン412に移行している。3つの球面RS1,RS2,RS3の中心は全て、燃焼室の長手方向軸線416上に配置され、燃焼室414の中心線を定めている。
【0051】
以下のパラメータの関係は、燃焼室414の幾何学的形状並びにピストン410及び燃焼室414を用いたディーゼルエンジンの結果的に生じる排出ガスを制御する。
a.D2:D1の比は、0.43よりも大きく、0.83未満であることが必要であり、好ましくは0.631である。
b.D3:D2の比は、0.68よりも大きく、0.998未満であることが必要であり、好ましくは0.883である。
c.RS1:D1の比は、0.08よりも大きく、0.38未満であることが必要であり、好ましくは0.181である。
d.RS2:D2の比は、0.16よりも大きく、0.56未満であることが必要であり、好ましくは0.364である。
e.RS3:D1の比は、0.18よりも大きく、0.48未満であることが必要であり、好ましくは0.282である。
【0052】
f.H1:D2の比は、0.12よりも大きく、0.52未満であることが必要であり、好ましくは0.321である。
g.H2:D1の比は、0.006よりも大きく、0.256未満であることが必要であり、好ましくは0.056である。
h.H3:D1の比は、0.01よりも大きく、0.45未満であることが必要であり、好ましくは0.05である。
i.R1:D1の比は、0.02よりも大きく、0.28未満であることが必要であり、好ましくは0.081である。
j.R2:D1の比は、0よりも大きく、0.31未満であることが必要であり、好ましくは0.017である。
k.R3:D1の比は、0よりも大きく、0.31未満であることが必要であり、好ましくは0.009である。
【0053】
上述したような燃焼室414の曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室414内での円滑な流れを促進し、燃焼室414内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室414は、軸線416に関して対称である。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室414を回転させるのは非常に容易である。
【0054】
図13は、シリンダ内圧力により示される燃焼性能の比較を示しており、圧力曲線の下の領域はディーゼルエンジンの出力を表している。図13、図14及び図15では、従来型エンジンに関するシミュレーション及び従来型エンジンに付いての実験結果がシミュレーションの有効性の指標として実質的に互いに一致している。再び図13を参照すると、本発明の圧力曲線B44aは、従来型エンジンの圧力曲線B0よりも僅かに大きく、これは本発明の性能が従来型エンジンよりも幾分優れていることを指示している。本発明の出力は、従来型エンジンよりも僅かに高い。
【0055】
燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図14及び図15に示されている。図14は、線B0により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線B44aにより示された本発明の燃焼室314のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室414によるNOx発生量は、線B0で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0056】
図15は、線B44aで示す本発明の燃焼室414のシミュレートされたスート発生量と比較して線B0で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室414のスート発生量(線B44a)は、公知の燃焼室のスート発生量(線B0)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0057】
第5実施形態
図16には、本発明のピストン及び燃焼室はそれぞれ全体が符号510、512で示されている。概略的には、ピストン510は、ディーゼルエンジンのシリンダ内に燃焼室512の一部を形成する中央に配置された対称の上向きキャビティを有している。燃焼室512は、ピストン510のクラウン514内に構成されている。エンジンは、燃焼室512に対して燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを有している。ピストン510を2弁又は多弁ヘッドに利用することができる。ピストン510は、図17及び図18のグラフで示すようにディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるのに有効である。ピストン510は好ましくは、大型及び中型(ミディアムデューティ)ディーゼルエンジンに適用できる。
【0058】
ピストン510は、燃費及び出力を損なわないでディーゼルエンジンの汚染物質エミッション、例えばNOx及びスートを減少させるために燃料噴射プルームを形成する燃料インジェクタを備えたディーゼルエンジンのシリンダ内に完全な燃焼室の大部分を形成する対称の上方に開いた燃焼室512を有している。
【0059】
ディーゼルエンジンのピストンクラウン514内に配置された燃焼室512は主要構成要素として、図16に示すように一群の球面から成っている。2つの球面RS1,RS2(共通中心516は、燃焼室軸線518上に位置している)は、燃焼室512の大部分を形成している。内側球面RS1は、ポスト520を形成するよう燃焼室512の中央底部に配置され、RS1の半径を有している。外側球面RS2は、燃焼室512の側壁の下方部分を形成し、RS2の半径を有している。RS3の半径を有する第3の球面RS3は、燃焼室512の底部外縁部を形成している。第4の球面RS4は、RS4の半径を有し、燃焼室512の側壁の上方部分を形成している。
【0060】
4つの小さな環状面R1〜R4は、隣り合う球面相互間及びクラウン514との連結及び移行表面としての役目を果たす。内側球面RS1と外側の底部球面RS3は、半径がR1の環状面によって連結されている。下方側壁RS2と外側底部球面RS3は、半径がR2の環状面によって連結されている。下方側壁球面RS2と上方側壁球面RS4は、半径がR3の環状面によって連結されている。上方側壁球面RS4は、半径がR4の小さな環状面R4によりピストンクラウン514に移行し又は再び入る。
【0061】
球面RS1,RS2の原点は、互いに一致しており、即ちこれら原典は共通中心516を有し、共通中心516は、燃焼室512の中心軸線518上に位置している。球面RS1,RS2の共通中心516と、燃焼室軸線518と燃焼室の底部平面522の交点との間の距離は、0以上であって、0.28D1未満であり(D1は、ピストン直径である)、好ましくは0.073D1である。球面RS3の原点は、燃焼室の中心軸線518上に位置し、球面RS3の原点と、燃焼室軸線518と燃焼室512の底部平面522の交点との間の距離は、0.75D1よりも大きく、3.0D1未満であり、好ましくは2.178D1である。球面RS4の原点は、燃焼室512の中心軸線518上に位置し、球面RS4の原点と、燃焼室軸線518とピストン510のクラウン514の交点との間の距離は、H3に等しい。H3/D1の比は、0.02よりも大きく、0.42未満であり、好ましくは0.051である。
【0062】
燃焼室512の中心軸線518は、ピストン510の中心軸線524と一致するのがよく、或いはオフセットを有していてもよく、即ち、燃焼室512の中心軸線518とピストン510の中心軸線524との間の距離H4は、0以上であって0.1D1未満であり、好ましくは0である。この場合、好ましくは、軸線518,524は、一致している。
【0063】
他のパラメータの関係も又、以下に一覧表示されているように燃焼室幾何学的形状、燃焼性能及びディーゼルエンジンの排出ガスを制御する。
1.D2/D1の比は、0.43よりも大きく、0.83未満であり、好ましくは0.637であり、D2は、燃焼室の最大直径である。
2.D3/D1の比は、0.33よりも大きく、0.83未満であり、好ましくは0.548であり、D3は、燃焼室の最小直径である。
3.RS1/D1の比は、0.05よりも大きく、0.35未満であり、好ましくは0.18である。
4.RS2/D1の比は、0.23よりも大きく、0.53未満であり、好ましくは0.334である。
5.RS3/D1の比は、1.18よりも大きく、4.18未満であり、好ましくは2.18である。
【0064】
6. RS4/D1の比は、0.18よりも大きく、0.38未満であり、好ましくは0.28である。
7. H1/D1の比は、0.1よりも大きく、0.4未満であり、好ましくは0.2であり、H1は、燃焼室の深さである。
8. H2/D1の比は、0.04よりも大きく、0.24未満であり、好ましくは0.144であり、H2は、ポストの高さである。
9. 環状面R1の半径は、環状面R2の半径に等しい。R1/D1の比及びR2/D1の比はそれぞれ、0.03よりも大きく0.25未満であり、好ましくは0.051である。
10. 環状面R3,R4の半径は、非常に小さい。したがって、R3/D1の比及びR4/D1の比はそれぞれ、0よりも大きく、0.1未満である。
【0065】
上述したような燃焼室512の曲線及び滑らかな移行部は、燃焼室512内での円滑な流れを促進し、燃焼室512内での熱負荷を減少させるよう働く。さらに、燃焼室512は、好ましくは軸線524に関して対称であるが、図16において注目されるように距離H4ずれていてもよい。したがって、ピストン内に形成される非対称の燃焼室と比較して燃焼室512を回転させる(形成する)のは非常に容易である。
【0066】
図17及び図18では、従来型エンジンのシミュレーションと従来型エンジンに関する実験結果は、シミュレーションの有効性の指標として実質的に一致している(実験トレースB0とシミュレーショントレースB0は実質的に一致している)。燃焼性能の向上及び汚染物質放出量の減少が図17及び図18に示されている。図17は、線B0により示された公知の燃焼室のNOx発生量及び線B27により示された本発明の燃焼室512のNOx発生量のシミュレート結果を示している。本発明の燃焼室512によるNOx発生量は、線B0で示す公知の燃焼室のNOx発生量よりもかなり少ないことが注目される。
【0067】
図18は、線B27で示す本発明の燃焼室512のシミュレートされたスート発生量と比較して線B0で示す公知の燃焼室のシミュレートされたスート発生量を示している。燃焼室512のスート発生量(線B27)は、公知の燃焼室のスート発生量(線B0)よりも相当少ないことは注目されるべきである。
【0068】
本明細書において実施形態に加えて他の実施形態は本発明の範囲に含まれることは当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲に記載された技術的事項によってのみ定められる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のピストンの断面図である。
【図2】本発明のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室の出力のグラフ図である。
【図3】既存のピストン及び燃焼室と本発明のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図4】本発明のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図5】本発明の第2実施形態のピストンの断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室の出力のグラフ図である。
【図7】既存のピストン及び燃焼室と本発明の第2実施形態のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図8】本発明の第2実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図9】本発明の第3実施形態のピストンの断面図である。
【図10】既存のピストン及び燃焼室と本発明の第3の実施形態のピストン及び燃焼室によって生じたNOxのグラフ図である。
【図11】本発明の第3実施形態のピストン及び燃焼室と比較した既存のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図12】本発明の第4実施形態のピストン及び燃焼室の断面図である。
【図13】従来技術B0のエンジンの実験データのクランク角に対する圧力、シミュレーションの有効性を実証するための同一エンジンのシミュレーション及び本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室を備えたエンジンのシミュレーションのグラフ図である。
【図14】本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたNOxのグラフ図である。
【図15】本発明の第4実施形態B44aのピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
【図16】本発明の第5実施形態のピストン及び燃焼室の断面図である。
【図17】従来技術B0のエンジンの実験データのクランク角に対して生じたNOx、実質的に実験データと重なり合ったシミュレーションの有効性を実証するための同一エンジンB0のシミュレーション及び本発明の第5実施形態B27のピストン及び燃焼室を備えたピストン及び燃焼室を備えたエンジンのシミュレーションのグラフ図である。
【図18】本発明の第5実施形態B27のピストン及び燃焼室と比較した従来技術B0のピストン及び燃焼室により生じたスートのグラフ図である。
Claims (19)
- ディーゼルエンジン用の燃焼室組立体であって、
ピストンのクラウン内に形成された燃焼室を有し、前記ピストンは、中心軸線を有し、
前記燃焼室は、ポストを構成する中央部分を有し、該中央部分は、少なくとも一部が球の一部により構成され、球は、半径を有し、半径の原点は、ピストンの中心軸線上に位置し、
前記燃焼室は、隣り合う滑らかな表面相互間に位置する滑らかな接線方向移行部を備えた複数の湾曲した表面を更に有し、前記滑らかな表面は、球形中央部分及び少なくとも1つの環状の表面を有し、
前記燃焼室は、燃焼室の長手方向軸線に関して対称である、
ことを特徴とする燃焼室組立体。 - 中央部分の球面の原点は、燃焼室の底部平面内又は燃焼室の底部平面の下に位置している、
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼室組立体。 - 中央部分の球面の原点は、前記底部平面とピストン中心軸線との交点に一致して位置している、
ことを特徴とする請求項2記載の燃焼室組立体。 - 平らな表面が無い、
ことを特徴とする請求項1、2又は3記載の燃焼室組立体。 - 湾曲面が、ピストンのクラウンとリエントラント形インタフェースを構成している、
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼室組立体。 - 燃焼室の底面は、ポストに結合された球面によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼室組立体。 - 燃焼室の底面は、ポストに結合された環状面によって構成されている、
ことを特徴とする請求項1記載の燃焼室組立体。 - 燃焼室の側壁表面は、底面に結合された球面によって構成されている、
ことを特徴とする請求項6又は7記載の燃焼室組立体。 - 燃焼室の側壁表面は、底面に結合された環状面によって構成されている、
ことを特徴とする請求項6又は7記載の燃焼室組立体。 - ディーゼルエンジン用ピストンであって、請求項1記載の燃焼室組立体を有している、
ことを特徴とするピストン。 - ディーゼルエンジン用燃焼室組立体を構成する方法であって、
中心軸線をもつピストンのクラウン内に燃焼室を構成する工程と、
燃焼室の中央部分でポストを構成する工程と、
中央部分の少なくとも一部を、半径をもつ球の一部で構成する工程と、
前記半径の原点をピストンの中心軸線上に置く工程と、
球形の中央部分及び少なくとも1つの環状の表面を含む隣り合う滑らかな表面相互間に位置する滑らかな接線方向移行部を有する複数の湾曲した表面で燃焼室を更に構成する工程と、
燃焼室を燃焼室の長手方向軸線に関し対称に配置する工程と、を有する、
ことを特徴とする方法。 - 中央部分の球面の原点を燃焼室の底部平面内又は燃焼室の底部平面の下に配置する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。 - 中央部分の球面の原点を底部平面とピストン中心軸線との交点に一致して配置する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項22記載の方法 - 平らな表面の無い燃焼室を形成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項11、12又は13記載の方法。 - ピストンのクラウンと湾曲した表面でリエントラント形インタフェースを構成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。 - ポストに結合された球面により燃焼室の底面を構成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。 - ポストに結合された環状面により燃焼室の底面を構成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項11記載の方法。 - 底面に結合された球面により燃焼室の側壁表面を構成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項16又は17記載の方法。 - 底面に結合された環状面により燃焼室の側壁表面を構成する工程を更に有している、
ことを特徴とする請求項16又は17記載の方法。
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