JP2004536780A - 七面鳥の鼻気管炎に対するインオボ保護を提供するための方法およびワクチン - Google Patents
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Abstract
卵1個当たり適当な投与レベルでの、生弱毒化TRTV株のインオボ投与にて、許容される安全性および効率的な態様を有し、かつさらに、常套に投与されたワクチンよりもワクチン予防された鳥においてより高い力価値を提供する、有効かつ効率的なワクチン予防を提供するための、七面鳥の鼻気管炎ウイルスおよび/またはTRTもしくはSHS呼吸困難から鳥類宿主(七面鳥およびニワトリなど)を保護するための方法および組成物。
Description
【技術分野】
【0001】
本出願は、2000年11月21日に出願され、その全内容を出典明示により組み込む、共に係属中の仮出願出願番号60/252162からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、七面鳥の鼻気管炎(TRT)および/または七面鳥およびニワトリなどの鳥類の宿主における「頭部腫脹症候群」(SHS)に対するインオボ保護を提供するのに有用な方法を指向する。より詳細には、TRTに対するワクチンが、本明細書に開示するような鳥類の宿主に対する適当なインオボ投与に際し、安全かつ有効であることがわかった。
【背景技術】
【0003】
TRTは、呼吸ウイルスにより引き起こされる七面鳥の上気道感染である。それは全年齢の七面鳥を冒す高い感染性の急性疾患である。TRT感染の臨床症状には、特徴的な、しばしば泡状の鼻漏、ラッセル、スニッキング(snicking)、くしゃみ、および首振り(head shaking)が含まれる。眼やにまたは眼窩下洞腫脹(swollen infraorbital sinuses)も、感染した七面鳥において認められ得る。
【0004】
TRTウイルス(TRTV)に対する抗体は、頭部腫脹症候群(SHS)に冒されているいくらかのニワトリの群れ(ブロイラーおよびブロイラー/ブリーダーの両方)において検出されている。TRTVは、SHSおよび関連する呼吸器疾患の病因において役割を果たすと仮定されている。
【0005】
TRTに対する市場入手可能なワクチンは、インオボ投与されていない。むしろ、それらは種々の形式で孵化後に投与される。典型的には、そのようなワクチンは、噴霧器(例えば、手動噴霧器、背負い噴霧器、または自動噴霧器)という労力を要する方法により、または滴薬(眼または鼻)にて投与される。
以下により完全に記載するような、インオボ使用のために変更された、TRTワクチンを用いるインオボ投与法により、現在利用できる投与の、不便でかつ時間を消費する孵化後の方法よりも際立った利益が提供される。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、本発明のインオボ投与法に適合した市場入手可能なTRTワクチンを用いる。実験結果により、七面鳥およびニワトリに対するこれらのワクチンのインオボ投与の安全性および有効性が、適当な投与パラメーターを用いて確証される。
本発明の方法を用いて、そのようなワクチンのインオボ投与により、TRT、および/またはTRTもしくはSHS関連呼吸器疾患から、鳥類の宿主を保護することができる。
【0007】
つまり、鳥の大群に用いるのに簡単かつ安価なインオボワクチン予防法を用いて、TRTおよび/またはTRTもしくはSHS関連呼吸器疾患から鳥類宿主を保護する方法を提供することが、本発明の目的である。
さらに、孵化した鳥類宿主において適当な免疫反応を提供する投与量にてワクチンを用いて、孵化率に望ましくない影響を与えることなく、そのようなインオボワクチン予防を提供することが、本発明の目的である。
【0008】
インオボ投与に適合させたTRTワクチンを用いて、SHS関連呼吸器疾患に対する保護を提供することが、本発明のいっそうさらなる目的である。
より少量のワクチン抗原を用いてコストを節約して、常套的にワクチン予防した鳥と比較してTRTVに対して高まった力価を提供する、TRTおよび/またはTRTもしくはSHS呼吸器疾患に対して鳥類宿主をワクチン予防する方法を提供することが本発明のさらなる別の目的である。
【0009】
本発明により、TRTVに対して鳥類宿主をインオボで免疫化し、およびこうしてTRTおよび/またはTRTおよびSHS呼吸器疾患に対する保護を提供するための方法が提供される。本発明の方法に用いられるワクチンは、市場入手可能なTRTワクチンから都合よく調製することができる。本発明における使用に特に適しているのは、市場入手可能な、Fort Dodge Animal Health, Fort Dodge, lowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能なPoulvac(登録商標)TRTワクチンである。Poulvac(登録商標)TRTの市販製剤は、1回投与あたり103 . 2TCID50以上の力価を有する減毒化されたTRTV、K株を含み、インオボ投与には認可または指定されていない。本願を通して、「TCID50」は50%組織培養感染価を意味する。
【0010】
典型的には、ワクチンは、約103 . 2〜約104 . 5の範囲のTCID50を提供するように適当なビヒクル中に再懸濁し、そして免疫化される鳥類の種によって、卵あたり約0.05〜0.1mlの量で投与する。投与は手によるものでよいが、Embrex, Inc., North Carolinaから入手可能な装置のような市場入手可能な卵注入装置を用いることにより、より典型的かつ経済的に投与する。投与する正確な投与量は、ワクチンを送達する鳥類の種に依存するものであり、例えば、小さな鳥ほど必要とされる投与量は少ない。ワクチンの投与は典型的には、インキュベーションの第24日において、またはそれ以前になすが(例えば、七面鳥)、他のインオボワクチン予防時間、例えばインキュベーション第18日にてまたはそれ以前(例えばニワトリ)が本発明の範囲内である。
【0011】
本発明のワクチンおよび方法が企図される鳥類の宿主には、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ガチョウ、チャボ、ウズラ、およびハトが含まれる。好ましい鳥類種は、ニワトリ、アヒルおよび七面鳥などの市場において重要な飼鳥類である。
ワクチン予防のインオボ法は、投与するのに安全かつ簡単であるのみならず、この方法で免疫化された鳥類宿主においてより高力価が認められることが、驚くべきことに見出された。
【0012】
加えて、該ワクチンおよび投与法により、実質上同一の対照(非ワクチン予防)群と比較した場合に、インオボワクチン予防の後で孵化する卵の割合は実質上低下しない。好ましくは、この低下は対照群において孵化する割合に対して約10%未満であり、およびより好ましくは約5%未満である。よりいっそう望ましいことには、約1−2%未満の低下である。いくらかの具体例において、本発明のワクチンおよび方法により、孵化する卵の割合が実質上増加し、時に、約1−2%だけまたはそれ以上まで増加する。つまり、該ワクチンは、ニワトリおよび七面鳥などの鳥類の種に投与するのに安全かつ有効である。
【0013】
以下の実施例により、本発明の例証となる方法および技術を詳細に示す。材料および方法の両方の多くの変更が、本開示の目的および意図から離れることなくなされてよいことが当業者には明らかであろう。
【0014】
実施例
実施例1−七面鳥におけるインオボ投与の安全性に関する試験
七面鳥の孵化用受精卵を、TRTVに感染していないことが分かっており、そしてTRTに対してこれまでにワクチン予防されていない親七面鳥の群から得た。これらの卵を無作為に2つの別個の群に割り当てた。
【0015】
76個の受精卵の第一群に、インキュベーション第24日においてワクチンをインオボ投与した。インキュベーションの1日目は、第0日と見なす。卵はインキュベーション前約2−7日横たえる。Poulvac(登録商標)TRT(バッチTR015、有効期限1997年6月24日、107 . 5TCID50の力価を保持している)を用いてインオボワクチンを調製した。市販製品の3つのバイアルをそれぞれ10mlの滅菌塩水に再懸濁し、0.1ml当たりのワクチンに関して105 . 5TCID50の力価を有する結果としての懸濁液を得る。混合/貯蔵した中身は、以後実施例1において「IOV」と指定し直す。
【0016】
インオボ投与は卵当たり、105 . 5TCID50の力価を保持している0.1mlのIOVを用い、76個の受精卵のそれぞれの羊水に注入した。その後、これらの卵をすぐにインキュベーターに入れ(回転させない)、次いで隔離した檻の中で孵化させ、その中でそれらを飼育した。これらの卵/孵化したばかりの雛を、ワクチン予防した鳥と呼ぶ。
【0017】
66個の受精卵の第二群はワクチン予防せず、そして第二の隔離檻の中で同様の条件下に孵化させた。これらの卵/孵化したばかりの雛は、ネガティブ対照の鳥と呼ぶ。
【0018】
ワクチン予防した鳥およびネガティブ対照の鳥の両方に関して、孵化は、インキュベーション第27、第28、および第29日に記録された。表1は検査において認められた孵化能百分率を示す。孵化能に関して、本発明のインオボワクチン予防により、ネガティブ対照の卵の孵化の92.4%に対してワクチン予防した卵の孵化に関して93.4%にて優れた結果を得た。
【0019】
【表1】
【0020】
孵化後、各群(即ち、ワクチン予防した鳥およびネガティブ対照の鳥)からの25羽の雛を無作為に選択し、次いでそれぞれの隔離檻のそれぞれにおいて、剃毛に際して床の上に置いた。各群からの残りの鳥は間引いた。
各群内で、各鳥を毎日臨床症状に関して21日間検査した。鼻の滲出液の存在を、くちばしを強く握ることにより評価した。臨床症状の重篤度を表2に従い得点付けした。
【0021】
【表2】
【0022】
鳥の群のトータルの毎日のスコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。表3は、検査により認められた臨床徴候を表2の相対スコアリングシステムを用いて示すものである。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
ネガティブ対照の鳥を同様に、いずれかの臨床徴候に関して検査したが、異常は全く認められなかった。すなわち、全て0のスコアを有した。
前記の観察の結果により、本発明のインオボワクチン予防法の安全性が確証される。6日齡の鳥に関する最高の平均スコア/鳥(即ち、0.36)により、安全性に関する妥当な限界が提供され、そして、TRTの軽微な/穏やかな症状のみが示された。
【0026】
血清学的分析も、卵を受け取った日後61/2週の親の七面鳥群内の10羽から採集した血液を集めることにより行った。血液を、さらに以下の鳥の4セットから回収した。:(a)1日齡の、20羽のネガティブ対照の鳥から;(b)21日齡の、21羽のネガティブ対照の鳥から;(c)1日齡の、20羽のワクチン予防した鳥から;および(d)21日齡の、20羽のワクチン予防した鳥から。
【0027】
個々の血液サンプルの血清学的分析は、TRTVに対する抗体の力価を示した。この分析はA型抗原を用いる酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を用い、そして2log力価として表した。検査において測定された2log力価>6.0の力価をポジティブとして採用した。検査において測定された力価の幾何学的平均(GM)および標準偏差(SD)も算定した。力価分析により以下の結果が確証された。親の七面鳥群は、TRTVに感染していなかった[>6.0のポジティブなカットオフ値との比較におけるGM=5.04を参照されたい。]。10羽の鳥の中で、1羽が7.7の高い力価を有した。さらに、1日齡のネガティブ対照の鳥およびワクチン予防した鳥のGM力価はほとんど同一、即ちそれぞれ4.05および4.06であった。しかし、ワクチン予防した鳥の中の2羽は、ポジティブな力価を有した[7.1および8.1の力価−それぞれ>6.0を参照されたい]。これに対して、ネガティブ対照の鳥の中で>6.0の力価を有したものはいなかった。ネガティブ対照の鳥およびワクチン予防した鳥のSDは、それぞれ0.82および1.46であった。
【0028】
21日齡の血液サンプリング試験はさらに、検査において測定された力価に関して明らかな差を示した。ネガティブ対照の鳥に関して、GMは3.53へと低下し、およびSDは0.46へと低下した。直接比較して、ワクチン予防した鳥に関して、GMは10.53へと増加し、およびSDは0.85へと増加した。従って、ワクチン予防した鳥はTRTVに対して非常に高まった力価を有した。
【0029】
ワクチン予防した鳥において、21日齡での血清反応は非常に高かった。この反応は、1日齡の鳥に関して同じ投与を(点眼ワクチン予防により)用いて典型的に遭遇した値よりもいっそう高かった。GM=10.5を有するTRTV抗体力価は、通常、TRTVの毒性株を用いた攻撃後にのみ認められる。比較のために、105 . 5のTCID50Poulvac(登録商標)TRTでの、感染しやすい七面鳥の雛(1日齡)に対する点眼ワクチン予防を用いる2つの試験により、21日齡で回収した血液サンプルに関して、それぞれ8.3および8.7の平均抗体力価を得た。
【0030】
表4は、親七面鳥群、ネガティブ対照の鳥、およびワクチン予防した鳥の、この血清試験を支持するデータを示すものである。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
つまり、本発明のIOVの105 . 5TCID50にての七面鳥受精卵に対するインオボ投与(インキュベーション第24日における)により、孵化能力および臨床徴候に関し、必要な安全性ならびに常套的に投与されたワクチンよりも高い免疫反応が提供される。
【0034】
実施例2:ニワトリにおけるインオボ投与の安全性に関する試験
特定の、病原体を含まない(以下、「SPF」)白色レグホン種の卵を市場入手した(Broekman Instituut BV, Someren, The Netherlands)。120個のSPF卵をインキュベーターに入れ、そしてインキュベーションの18日後、卵を明かりにすかして調べた。これにより、5個の非受精卵を拒絶し、115個を適切とした。適切とした卵の115個の中で、100個をインオボワクチン予防のために無作為に選択した。これらの100個の卵を以下のように3つのグループに分けた。
【0035】
グループ1の卵/孵化したばかりの雛を、数を記入した橙色の羽根で、同定のために標識付けした。グループ1は、30個の卵から成り、これらは以下に記載するように、105.5TCID50の力価の卵当たりの算定投与量にてインオボにワクチンを受容した。
【0036】
グループ2の卵/孵化したばかりの雛を、数を記入した緑色の羽根で、同定のために標識付けした。グループ2は、40個の卵から成り、これらは以下に記載するように、グループ1の卵に対して注射したワクチンと等容積の塩水溶液をインオボに受容した。
【0037】
グループ3の卵/孵化したばかりの雛は、標識付けしなかった。グループ3は、30個の卵から成り、これらはインオボ投与を(ワクチンも塩水溶液もいずれも)全く受容しなかった。
【0038】
羽根標識上の数は、雛がTRTまたはSHSいずれかの臨床徴候を示した場合にのみ用いた。
グループ1および2両方の雛は、それらが孵化した同じ動物室で飼育した。適当な条件(例えば、給餌、飲水、寝床の材料としての木くず、温度、相対湿度など)を維持した。
【0039】
この実験のタイムスケジュールは以下のようであった。グループ1、2、および3の卵のインキュベーションの1日目をインキュベーション第0日と名づけた。ワクチンおよび塩水溶液それぞれの、グループ1およびグループ2の卵へのインオボ投与の日は、インキュベーション第18日であった。算定孵化日は、インキュベーション第21日に対応した。試験は、インキュベーション第46日に相当する孵化後の日に行った。
【0040】
インオボ投与のためのワクチンを調製するために、バイアル当たり2000投与量を含む、Fort Dodge Animal Health in Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販ワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを用いた。投与量当たりの基準に基き、このワクチンは104 . 2TCID50の力価を有した。このワクチンの12個(12)バイアルをリン酸緩衝塩水(以下、「PBS」)中、ワクチンのバイアルあたり5mlのPBSを用いて再懸濁した。生じた内容物をよく混合し、そして保存した。再懸濁した材料は、105.5TCID50の算定力価と60mlのトータル容積を有した。このワクチンを、以下「IOV」と呼ぶ。
【0041】
インキュベーション第18日に、IOVワクチンを、Embrex, Inc., North Carolinaからの市場入手可能なInovoject(登録商標)卵注射器を用いてインオボ注射にて、グループIの卵に投与した。IOVの卵注射投与は、常套法に従い行った。同様の方法で、Bieffle Medital SpA, Italyからの市販塩水溶液、CLEAR-FLEX(登録商標)INFUSIEVLOESISTOFをグループ2の卵に投与した。
表5は、グループ1、2、および3内での卵の処置を示すものである。
【0042】
【表7】
【0043】
グループ1、2、および3からの卵の孵化能百分率を、検査において観察および算定した。簡単に、以下の例外に注意した。脊椎披裂骨格異常(インオボワクチン予防のいずれの副作用の原因でもない)のために、グループ1からの2羽の雛を、それらが孵化した直後で、それらを同定している羽根標識で標識付けする前に、試験から外した。これらの2羽の雛は、グループ1の孵化能百分率から除外した。さらにグループ1からは、1羽の雛が足を損傷し、そしてそれに標識付けした後に試験から外した。この雛の死後の試験は、TRTの徴候も、いずれかの他の疾患のいずれの徴候も示さなかった。この1羽の雛は同様に、グループ1の算定される孵化能百分率から除外した。グループ2の卵/孵化したばかりの雛に関して、1羽の雛は、孵化後、同定羽根標識で標識付けする前に死んだ。この雛は、グループ2の算定孵化能百分率から同様に除外した。
【0044】
計画したように、グループ1およびグループ2両方の孵化したばかりの雛を試験し、25日の観察期間、検査した。この期間中、雛のいずれもTRTまたはSHSいずれの臨床徴候も示さなかった。グループ3の全30個の卵が孵化した。それらが孵化した日に、全30羽の雛を後に記載するような血液サンプリングおよびその後の分析のためにのために断頭した。
【0045】
表6は、グループ1、2、および3のそれぞれに関して検査において認められた孵化能および死亡結果を示す。これらの結果により、本発明のインオボワクチン予防が、孵化能およびTRTおよび/またはSHSの臨床徴候の両方に関して安全であることが確証された。
【0046】
【表8】
【0047】
グループ1(ワクチン)およびグループ2(塩水)両方からの雛の体重を第25日に得た。グループ1の雛の平均体重は、209グラムで、22.1の標準偏差を有した。グループ2の雛に関して、平均体重は217グラムで、24.8の標準偏差を有した。グループ1および2の体重は、2−側面スチューデントt試験を用いて統計学的に決定されるように、有意には差がなかった(P=0.18)。これらの結果により、本発明のインオボワクチン予防が、生理的塩水溶液のインオボ注射にて得られるものと比較して、(産業上重要な)結果としての第25日の体重を損なわないことが確証された。
【0048】
グループ1、2、および3にて用いたSPF卵のTRTに感染していない状態を確認するために、グループ3の卵が孵化した日に、雛を断頭により殺し、そして血液サンプルを回収し、次いで分析した。ELISA試験はTRTVに対するいずれの抗体も検出しなかったが、これにより、この試験で用いたSPF卵のTRT非感染状態が確認される。
本試験により、SPFのニワトリの卵に対するインオボワクチン予防が、孵化能、死亡率、TRTおよび/またはSHSの臨床徴候、および第25日の体重に関して安全であることが確証された。
【0049】
実施例3:インオボSPFニワトリワクチンの効能試験
本試験の目的は、18日齡のニワトリ胚のインオボワクチン予防が、3または6週齡での毒攻撃後のTRTおよび/またはSHS疾患を予防するのに有効かどうかを確認することであった。以下に確証するように、感染しやすい18日齡のSPFニワトリ受精卵の104 . 2TCID50でのインオボワクチン予防は安全であり、一方、103 . 2TCID50の投与量が、臨床疾患に対して有効である。
【0050】
孵化用受精卵は、Whickham Laboratories, United Kindomから購入したSPFの白色レグホン親群から得た。
Fort Dodge Animal Health in Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販のTRTワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを得た。本発明のインオボワクチンは、以下のようにこのPoulvac(登録商標)TRTから調製する。107 . 5TCID50の力価を保持している市販ワクチンの3つの(3)バイアルをそれぞれ4mlの滅菌水に再懸濁し、次いでよく混合し、そして貯蔵した。ついで、0.4mlをとり出し、次いで19.6mlの滅菌PBSに添加し、バイアル当たり200mlに等しい最終希釈および0.1ml当たり104 . 2TCID50のワクチンの力価を含んでいる結果としての懸濁液を得た。このワクチンを、2mlを取り出し、そして18mlの滅菌PBSをそれに添加することにより希釈して、0.1ml当たり103 . 2TCID50の結果としての懸濁液を得た。
【0051】
攻撃ウイルスは以下のように調製した。Dr. R. C. Jones at Liverpool University (U.K.)により単離されたUK株BUT8544からのTRTVを、気管の器官培養(以下、「TOC」)にて23回、雛にて1回継代し、再度単離し、次いで1回以上TOC中で継代した。この攻撃ウイルスの力価は、ml当たり104 . 5TCID50であった。
【0052】
インキュベーションの18日後、70個の受精卵の第1のセット(以下、「セット1」)を前記のように103 . 2TCID50を保持している0.1mlの再構成したTRTワクチンでインオボ接種した。70個の卵の第2のセット(以下、「セット2」)を同様に、前記のように104 . 2TCID50を保持している0.1mlの再構成したTRTワクチンで予防接種した。卵をすぐにインキュベーターに入れ(回転はさせない)、そして、それらを檻の中で孵化させ、その中で飼育した。セット1および2の卵は同種の隔離檻の中で別々に飼育した。70個の受精卵の第3のセットはインオボ投与を全く受けなかった(以下、「セット3」)。セット3は以下、ネガティブ対照の鳥と呼んだ。これらの卵を第3の檻の中で飼育した。
【0053】
孵化はインキュベーション後の第20、第21、第22および第23日に記録された(第0日はインキュベーション1日目である)。孵化後、多くの鳥を1日齡で選択し、セット当たり50羽の鳥を残した。セット1、2、および3に関して、検査において記録した孵化能百分率は、それぞれ、91%、94%、および92%であった。これにより、103 . 2TCID50および104 . 2TCID50の力価でのインオボワクチン予防が孵化能に関して安全であったことが確証される。
【0054】
3週齡にて、各ワクチン予防群(即ち、セット1および2)、およびネガティブ対照の鳥(即ち、セット3)からの10羽の鳥を羽根にて標識付けし、次いで第4の隔離檻に移した。各鳥についで前記の攻撃ウイルスを、0.1ml中103 . 5TCID50の(毒性)TRTVの投与量を含む点眼により投与した。6週齡にて、さらに10羽の鳥を同様に、TRTVの毒性株にて攻撃した。しかし、これらの鳥の増加した年齢のために、攻撃投与量は鳥当たりの基準において0.2ml中103.8TCID50(毒性)TRTVに増した。
【0055】
攻撃した鳥を、14日間実験的にモニターし、その後、それらから採血し、次いで殺した。認められた徴候を、実施例1に用いたような表2の臨床スコアリングシステムを用いて記録した。鳥のグループのトータルの毎日スコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。累積スコアは、第3−第8日の平均毎日スコアの合計である。x2試験を用いてデータを分析した。第3-8日からの2のワクチン予防グループ(セット1および2)において認められるトータルの臨床徴候を、3週および6週攻撃の両方に関して同日に(セット3)ポジティブ対照において認められたものと比較した。このモニタリングにより、以下の結果が確証された。
【0056】
103 . 5TCID50の力価の毒性TRTV株での3週の攻撃に関して、セット3の非ワクチン予防対照の鳥の90%が臨床徴候を示した。直接比較において、セット1および2のワクチン予防した鳥のより少ない割合が臨床徴候を示した。(卵当たり103 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット1に関して、鳥の50%のみが臨床徴候を示した。(卵当たり104 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット2に関しては、鳥の30%のみが臨床徴候を示した。セット3においては、1羽の鳥のみが臨床徴候を完全に示さなかった。これに対して、セット1からの5羽の鳥およびセット2からの7羽の鳥が臨床症状を全く示さなかった。
【0057】
103 . 8TCID50の力価の毒性のTRTV株での6週攻撃に関しては、セット3の非ワクチン予防対照鳥の80%が臨床徴候を示した。直接比較にて、セット1およびセット2のワクチン予防鳥のより少ない割合が臨床徴候を示した。(卵当たり103 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット1に関して、鳥の20%のみが臨床徴候を示した。(卵当たり104 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット2に関しては、鳥の10%のみが臨床徴候を示した。
【0058】
x2統計学的分析により、6週攻撃に関して、鳥(セット1および2)のワクチン予防群の両方において検査において認められた臨床徴候が、セット3の非ワクチン予防ネガティブ対照の鳥において記録されたものよりも重篤度が有意に低いことが確証された(P<0.01を参照されたい)。
表7、8、および9は、それぞれ、3週攻撃、6週攻撃、および前記カイ二乗統計分析に対する結果を示すものである。
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
TRTの臨床徴候に関してセット1、2、および3の鳥をモニターすることに加えて、鳥を血清分析にも供したが、ここで個々の血液サンプルにおけるTRTVに値する抗体を、A型抗原を用いるELISA法により決定し、そして2log力価として表した。2log力価>6.0の抗体力価をポジティブとして採用した。結果を、非対データに関してスチューデントt−試験を用いて統計学的に分析した。表10および11は、3週攻撃および6週攻撃それぞれに関してセット1、2、および3の攻撃鳥を用いて得られた血清学的結果を示すものである。表10および11において、「PC」は攻撃後を意味し、「GM」は幾何学的平均を意味し、および「SD」は標準偏差を意味する。簡単には、全グループ(即ち、セット1、2、および3)は攻撃後7日で抗体力価に有意な上昇を、およびPC14日にて抗体力価に更なる上昇を示した。
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
【表16】
【0068】
【表17】
【0069】
同様の血清学的分析を、TRTVの毒性株で攻撃しなかった全3グループ(即ち、セット1、2、および3)に関してさらに行った。1日齡〜81/2週齡の対照の鳥(セット3)から、およびワクチン予防した鳥の2グループ(セット1および2)からの平均抗体力価を測定した。期待通り、対照の鳥の抗体力価は本試験を通して低いままであった。対照の鳥の力価を、同じ齡のワクチン予防した鳥のものと統計学的に比較した。表12は、インオボ送達後に測定した平均抗体力価を示す。個々の結果は、表12に示す実験結果を支持するのに利用できる(データは示していない)。表12において、「n」は鳥の数を意味し、そして「SD」は標準偏差を意味する。
【0070】
【表18】
【0071】
検査において得られた測定、結果、および対応する統計学的分析を含む実施例3の結果の分析は、ワクチンのより低い投与量(感染しやすい18日齡のSPFニワトリ受精卵に対してインオボ送達した103 . 2TCID50TRTV)が、それが6週齡におけるTRTVの毒性株での攻撃に対して有意な保護を提供する点で有効であったことを示す。3週齡においても保護が認められたが、鳥の数を考慮して、提供された保護に関して検査において認められた差は、有意なレベルにわずかに及ばなかった。卵当たり104 . 2TCID50のTRTVの増加したワクチン予防投与量にて(約1log10のオーダーの増加)、3週および6週攻撃に関して、TRTVの毒性株への暴露に対して有意な保護が認められた。
【0072】
Poulvac(登録商標)TRT由来のワクチンのインオボ投与は、ワクチン予防/予防接種鳥におけるTRTV−特異的抗体の産生と明らかに関連した。この関連は、投与量依存性であることが明らかであった。インオボワクチンのより高投与量により、ネガティブ対照の鳥のものよりも有意に高いレベルへの、および6.0のカットオフ値のすぐ下のレベルへの、3週齡平均抗体力価に関する増加が引き起こされた。卵当たり104 . 2TCID50のより高投与量でのインオボワクチン予防に対する循環抗体反応は、時間の割合と共に増加するようであり、最大は、6週齡にて得られ、およびその後は、力価は81/2週齡まで一定に留まった。
【0073】
高ワクチン予防投与量に関して前に論じた結果と比較して、卵当たり103 . 2TCID50の低投与量を与えられた鳥は、ワクチン予防に対して遅延した抗体反応を経験するようである。力価は81/2週齡にて増し始め、この時、対照の鳥の力価よりも有意に高いレベルに達した。この時(即ち、81/2週)において、低ワクチン鳥(セット1)の力価は、3週齡の高ワクチン鳥(セット2)のものと同様のレベルであった。81/2週を越す更なる時間の経過と共に、抗体力価は6.0を超すレベルへと増すようであった。
【0074】
抗体力価とTRTの臨床徴候の低下の間には関連があると考えられる。抗体力価が対照の鳥の力価よりも有意に高いが、6.0のポジティブなカットオフ値未満の鳥の各グループ分けにおいて、TRTの臨床徴候において認められた低下は統計学的に有意であった。
【0075】
感染し易い18日齡のSPFニワトリ受精卵に対する、卵当たり少なくとも103 . 2TCID50〜卵当たり少なくとも104 . 2TCID50のおおよその範囲の投与量での、および特に卵当たり約104 . 2TCID50の投与量でのインオボワクチン予防は、TRTVの毒性株での攻撃から通常期待される臨床症状に対して安全かつ有効であると考えられた。
【0076】
実施例4:インオボ市販ニワトリワクチンの効能試験
本試験の目的は、市販のブロイラーの親群からのインキュベートした18日齡のニワトリ受精卵のインオボワクチン予防が、4週または6週齡の毒性攻撃後のTRTおよび/またはSHS疾患を予防するのに有効であるかどうかを確認することであった。以下に確証されるように、TRTV−抗体ポジティブ親からの感染しやすい18日齡の受精卵の、卵当たり103 . 2TCID50にての、Puovac(登録商標)TRT由来のワクチンでのインオボワクチン予防は、臨床ライノ鼻気管炎疾患に対して有効である。
【0077】
孵化用の受精卵を、10週齡にて生TRTワクチンで、および18週齡で死んだTRTワクチンで前もってワクチン予防した37週齡の市販のブロイラー親の群から得た。これらの卵は、Mossbank breeder flock, Marshall Agriculture, Whitburn, Scotlandから得た。
【0078】
Fort Dodge Animal Health, Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販TRTワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを用いて、本発明のインオボワクチンを調製した。107 . 5TCID50の力価を保持しているこの市販ワクチンの3つのバイアルをそれぞれ5mlの滅菌水に再懸濁し、そして、内容物を十分に混合し、次いで保存した。ワクチンをさらに滅菌リン酸緩衝塩水(PBS)に希釈し、0.1ml当たり103 . 2TCID50の結果としての懸濁液を得た。
【0079】
攻撃ウイルスを以下のように調製した。UK株BUT8544からのTRTV(12頁を参照されたい)を、気管の器官培養にて(以下、「TOC」)23回、雛において1回継代し、再度単離し、次いでもう一度TOCにて継代した。この攻撃ウイルスの力価はml当たり104 . 5TCID50であった。
【0080】
インキュベーションの18日後、57個の受精卵を、前記のように103 . 2TCID50を保持している復元したTRTワクチンの0.1mlでインオボ接種した。卵をすぐにインキュベーター中に入れ(回転はさせない)、そして隔離檻にて孵化させ、その中で飼育した。孵化後、40羽の鳥をインキュベーターから取りだし、そして毛剃りに際して床に置いた。
【0081】
多くの受精卵(110)を、ワクチン予防/予防接種をせず、および放置して別個に孵化させた。孵化翌日、40羽の鳥をネガティブ対照の鳥として第二の隔離檻にて飼育した。攻撃対照鳥をポジティブ対照の鳥と呼んだ。
【0082】
第20、第21、第22、および第23(予防接種日−0)において、孵化が記録された。孵化後、過剰の鳥を人力で殺し、または血液採取のために用いた。ワクチン予防しなかった卵およびワクチン予防した卵の孵化能百分率は、それぞれ89%および91%であり、これにより、103 . 2TCID50の力価でのワクチン予防が、孵化能に関して安全であることが確証された。
【0083】
4週齡にて、ワクチン予防群からの10羽の鳥およびネガティブ対照からの10羽の鳥を、羽根で標識付けし、そして第3の隔離檻に移した。各鳥に次いで、前記の攻撃ウイルスを、103 . 5TCID50(毒性)のTRTVを0.1ml中に含んでいる点眼により投与した。6週齡にて、さらなる14羽の鳥を同様にTRTVの毒性株で攻撃した。しかし、3羽の鳥の年齢の増加のために、攻撃投与量は、鳥1羽当たり、0.2ml中103 . 8TCID50(毒性)のTRTVに増した。
【0084】
攻撃した鳥を14日間、実験的にモニターし、その後、採血し、そして殺した。認められた徴候を、表13の改定臨床スコアリングシステムを用いて記録した。表13のシステムは、前記の実施例1にて既に記載した表2のシステムと類似するが、同一ではなかった。
【0085】
【表19】
【0086】
鳥のグループのトータルの毎日スコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。累積スコアは、平均毎日スコアの合計である。x2試験を用いてデータを分析した。セット1ワクチン予防グループにおいて認められたトータルの臨床徴候を、4週および6週攻撃の両方に関して同日にセット2のポジティブ対照にて認められたものと比較した。このモニタリングにより、以下の結果が確証される。
【0087】
103 . 5TCID50の力価の毒性TRTV株での4週攻撃に関して、臨床徴候は第6および第7日にのみ認められ、最大の徴候は両グループ(即ち、セット1および2)において第6日に認められた。ワクチン予防グループ(セット1)において、鳥のわずか30%のみが攻撃後に臨床徴候を示し、そして、鳥当たりの累積平均スコアは0.6であった。セット1において、10羽の鳥の中の7羽は完全に臨床徴候を示さなかった。ワクチン予防した鳥において認められたトータルの臨床徴候を、ポジティブ対照の鳥のものと統計学的に比較した。ワクチン予防した鳥は、ポジティブ対照の鳥のものよりも少ない重篤度の臨床徴候を示したが、これらの結果は統計学的に有意ではなかった(0.2<P<0.3)。
【0088】
103 . 8TCID50の力価の毒性TRTV株での6週攻撃に関して、より低投与量での4週の攻撃後よりも長期間、臨床徴候がポジティブ対照鳥にて認められた。しかし、ワクチン予防した鳥において、臨床徴候は1日間だけ認められた。ポジティブ対照鳥の中で、57%が臨床徴候を示し、そして鳥当たりの累積スコアは1.35であった。このグループの14羽の鳥の中で、6羽が完全に臨床徴候を示さなかった。1羽の鳥は観察期間の第5日および第6日に重篤な臨床徴候を示し、そしてその後、攻撃後9日で死亡した。この鳥の死後の試験により、膨張した右心室、鬱血性心臓静脈、肺充血、気管における過剰な痰、および肝臓における繊維性の滲出物が明らかであった。死亡について考えられる原因は、右心室不全および肝炎の可能性であった。比較により、鳥のワクチン予防グループの14%のみが攻撃後に臨床徴候を示し、そして、鳥当たりの累積スコアは0.14であった。このグループの14羽の鳥の中で、12羽が完全に臨床徴候を示さなかった。ワクチン予防グループ(セット1)におけるトータルの臨床徴候を、ポジティブ対照の鳥(セット2)において認められるものに対して、x2分析を用いて統計学的に比較した。この分析により、ワクチン予防グループにおいて認められた臨床徴候がポジティブ対照の鳥において認められたものよりも有意に重篤度が低いことが確証された(0.02<P<0.05)。
【0089】
表14、15、および16は、それぞれ、4週攻撃、6週攻撃、および前記のx2統計学的分析に対する結果を示す。
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
【表22】
【0093】
【表23】
【0094】
TRTの臨床徴候に関してセット1および2の鳥をモニターすることに加えて、鳥をさらに、個々の血液サンプル中のTRTVに対する抗体をLeahurst, Liverpool, (U.K.)により開発されたELISA法により、A型抗原を用いて測定する血清学的分析に供し、そして2log力価として表した。2log力価>6.0の抗体力価をポジティブとして採用した。結果を、非対データに関するスチューデントt検定を用いて統計学的に分析した。表17および18は、それぞれ4週攻撃および6週攻撃に関して、セット1および2の攻撃鳥にて得られた血清学的結果を示す。表17および18において、「PC」は攻撃後を意味する。
【0095】
【表24】
【0096】
【表25】
【0097】
同様の血清学的分析を、TRTVの毒性株で攻撃しなかったこれらの鳥に関して、25および41週齡のMossbank親ブリーダー群(Marshalls Agriculture)の5の異なる領空のそれぞれからの鳥から採取した10の血清サンプルを用いてさらに行った。表19は、親ブリーダー群からのこれらの鳥の平均抗体力価を示す。
【0098】
【表26】
【0099】
非攻撃ワクチン予防鳥および非攻撃ネガティブ対照の鳥の両方に関して、血液を1日齡および4、6、および8週齡にて回収した。表20は、非攻撃鳥に関する平均抗体力価を示す。
【0100】
【表27】
【0101】
攻撃ワクチン予防鳥および攻撃ポジティブ対照の鳥の両方に関して、血液を4週および6週の攻撃/グループのそれぞれに関して攻撃14日後に回収した。表21は、これら2グループにおける攻撃鳥のこの平均抗体力価を示す。
【0102】
【表28】
【0103】
個々の結果は、表14−21にて前に示したデータを支持するのに利用できる。前記の血清学的分析に基いて、以下の結論をなした。1日齡のワクチン予防鳥およびネガティブ対照の鳥の両方に関して、これらの鳥はTRTVに対してマターナルな抗体(MA)を有した。4週齡までに、ネガティブ対照の鳥における抗体レベルはネガティブな範囲へと低下し、そして実験の残りを通じて低いままであった。103 . 2TTCID50の力価のPoulvac(登録商標)TRT由来のワクチンでのインオボ投与の後で、平均抗体力価はネガティブな範囲(即ち、6.0のポジティブなカットオフ値未満)のままであったが、年齢と共に増加した。4、6、および8週齡にて、ワクチン予防した鳥は、ネガティブ対照の鳥の平均抗体力価レベルよりも統計学的に有意に高い平均抗体力価レベルを有した。4週齡から、ワクチン予防した鳥の20%〜22%がポジティブな力価を有した。攻撃鳥に関して、全鳥は攻撃後14日にて血清変換を示した。4週および6週攻撃試験の両方に関して、ワクチン予防したグループの平均力価はポジティブ対照の鳥の平均力価よりも高く、そしてこの差は統計学的に有意であった(P<0.05)。
【0104】
検査において得られた測定、結果および対応する統計学的分析を含む実施例4の全体の分析は、卵当たり103 . 2TCID50の投与力価にてのPoulvac(登録商標)TRTからのワクチンでの、18日のインキュベーションにてのマターナル−抗体−ポジティブ(MA+)な市販のブロイラー卵のインオボワクチン予防が孵化能に悪影響を与えず、そして、信頼性のある、効率的な、そして有効なワクチン投与の方法が提供されることを示す。このワクチン予防は、6週齡のTRTVの毒性株での攻撃に対して有意な保護を提供し、この場合、認められる臨床徴候は有意に低下した。4週齡にてある程度の保護が認められたが、非ワクチン予防ポジティブ対照鳥においても、この時、認められる臨床徴候はそれほど重篤ではなかった。従って、存在しているとしても、4週での攻撃に対して与えられる保護は、統計学的に有意ではなかった。
【0105】
この実施例4にて示されるデータは、前記の実施例1−3のデータと組み合わせて、ニワトリがTRTワクチンにほとんど感受性がないことを確証した。ポジティブな平均抗体力価(6.0のポジティブなカットオフ値を超す)は、インオボワクチン予防後に認められなかった。しかし、ワクチン予防群のレベルは、ネガティブ対照において認められるものよりも有意に高かった。ワクチン予防した鳥の約4分の1が4週齡後にポジティブな力価を有した。それゆえ、攻撃の時点において、約6.0を超すELISAレベルに対する全血清変換は、インオボワクチン予防により実際に提供される保護の優れた指標ではない可能性がある。局所免疫が誘導された保護と検査において測定された力価の間の相互作用に役割を果たしている可能性がある。
【0106】
前記実施例1−4の分析の前には、マターナルな抗体の存在はワクチンの有効性に逆効果であると仮定されていた。それにも関わらず、および驚くべきことに、実施例4は、卵当たり103 . 2TCID50の力価のTRTワクチンのインオボ投与がMA+であるニワトリの臨床TRT疾患を減じるのに有効であったことを確証する。実施例4により、前記の実施例3にて達した結論、すなわち、インオボワクチン予防したSPF(MA−)ニワトリが臨床疾患の低下を同様に経験したことが補強および拡張される。
【0107】
実施例5:他の雛ワクチンと組み合わせたTRTワクチンの試験
以下の省略を本試験にて用いる。
AHS:Animal Health Service, Deventer, The Netherlands
BC:Biochek, Gouda, The Netherlands
CVL:Central Veterinary Laboratory, Weybridge, UK
EID50:50%卵感染投与量
ELISA:酵素結合免疫吸着アッセイ
FAT:蛍光抗体試験
HI:血球凝集阻害
IB:感染性気管支炎
IBD:伝染性気管支炎
i.m.:筋肉内(の)
MD:マレック病
ND:ニューカッスル病
P:確立
TCID50:50%の組織培養感染価
TRT:七面鳥鼻気管炎
【0108】
以下のワクチン材料を本試験に用いた。
投与量当たりそれぞれ104 . 1および104 . 1TCID50のTRTウイルスを含んでいるPoulvac(登録商標)TRT、バッチTR02100およびTR02200
バイアル当たり103 . 9のEID50NDウイルス(バイアル当たり5000投与量)を含んでいるPoulvac(登録商標)Ovoline ND、バッチBB010
バイアル当たり5000投与量を含んでいるBursamune IN OVO、バッチ61640
MDウイルス、株FC126(バイアル当たり1000投与量)を含んでいるPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyo、バッチ350129
【0109】
Poulvac(登録商標)NDW、バッチBL03200およびBL04302
Poulvac(登録商標)IBプライマー、投与量当たり(バイアル当たり1000投与量)105 . 0EID50 IBウイルス、血清型M41およびD207(D274クローン)を含んでいるバッチCX02301
Poulvac(登録商標)Bursa Plus、バイアル当たり(バイアル当たり2000投与量)103 . 2EID50IBDウイルスを含んでいるバッチ62481
Bursamune IN OVOを除く全ワクチンは、Fort Dodge Animal Health Benelus, Weesp, The Netherlandsにより供給された。Bursamune IN OVOは、Fort Dodge Animal Health, Australiaから得た。
【0110】
ワクチンバッチは、使用日まで0−8℃にて保存し、光から保護し、そして、製造業者の仕様書に従い用いた。復元後、ワクチンは2時間以内に用いた。以下のワクチン希釈物を調製した。
グループ1のインオボワクチン予防のためのワクチン希釈物、Poulvac(登録商標)TRT、バッチTR02100、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVOを復元し、そしてPoulvac(登録商標)Marek diluent、バッチC8109中にさらに希釈した。最終希釈物は、0.05ml中に各ワクチンの1市販量を含んだ。
【0111】
MDに対する筋肉内(i.m.)ワクチン予防グループ1および2のためのワクチン希釈物
Poulvac(登録商標)Marek HVT Iyoを復元し、そして、Poulac(登録商標)Marek diluent、バッチC8109中にさらに希釈した。希釈物は、0.5ml当たりの1市販投与量を含んだ。
きめの粗いスプレーによるワクチン予防群1のためのワクチン希釈物、Poulvac(登録商標)IBプライマーを復元し、次いで2.2リットルの脱塩水中にさらに希釈した。最終希釈物は0.5ml当たり1市販投与量を含んだ。
【0112】
IBDに対するワクチン予防グループ2のための飲料水中のワクチン希釈物。
3バイアルのPoulvac(登録商標)Bursa Plusを復元し、次いでさらに飲料水中に希釈した。
AtomistスプレーによるNDに対するワクチン予防グループ1および2のためのワクチン希釈物。Poulvac(登録商標)NDW、バッチBL03200を復元し、次いで最終希釈物が0.5ml当たり1市販投与量を含むまで、脱塩水にさらに希釈した。
【0113】
Pronk, Meppel, The Netherlandsから得たブロイラー製造のために飼育したCobbの14895個の市販の卵を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandsの試験農場のMUK-5/6にある1インキュベーター中に入れた。全卵をインキュベーションの17日後に明かりにすかして調べた。非受精卵または死んだ胚を含む卵は除いた。
グループ1と指定した6001個の卵を、インキュベーションの18日後、卵当たり1投与量のPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVO を含んでいる0.05mlの希釈物にて、Embrex Inovoject卵注射器を製造業者の指示に従い用いて予防接種した。グループ2と指定する6028個の卵は予防接種せずに置いた。
【0114】
予防接種(グループ1)および非予防接種(グループ2)卵を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandsの試験農場にあるインキュベーター1および4それぞれの中での孵化まで、さらにインキュベートした(回転はさせない)。孵化後、4452羽(予防接種、グループ1)および5248羽(非予防接種、グループ2)の雛をそれぞれ試験に含めた。雛を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandの試験農場の同じ家畜小屋にある動物施設中の木くず上にてグループ飼育した。グループ1の雛はMUL−Lにて飼育し、次いでグループ2の雛はMUL−R中で飼育した。全雛に市販のブロイラーペレットを無制限に給餌し、そしてベルドリンカーにて提供される飲料水を自由に利用できるようにした。
【0115】
ワクチン予防スケジュールを表22に示す。1日齡にて、グループ1の雛をPoulvac(登録商標)IBプライマーにてワクチン予防した。1市販投与量をガーデンスプレイヤー(Gardena)を雛あたり0.5ml用いてきめの粗いスプレーにより投与した。1日齡にて、グループ2の雛をPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)NDWおよびPoulvac(登録商標)IBプライマーにてワクチン予防した。各ワクチンの1市販投与量を、グループ1のように雛当たり0.5mlの1容積にてきめの粗いスプレーにより投与した。きめの粗いスプレーによるワクチン予防前、雛をニワトリ箱に入れ、そしてその中に、ワクチン予防後3時間まで放置した。
【0116】
全雛をPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyo、雛当たり1市販投与量を1日齡にてワクチン予防した。ワクチンは太腿に、Pullet Injection Gun(Veterinary Supplies, Mijdrecht, The Netherlands)を0.5mlのプリセット容積にて用いて適用した。
【0117】
グループ2の雛をPoulvac(登録商標)Bursa Plusで、2週齡の雛当たり、飲料水中1市販投与量にてワクチン予防した。ワクチンは2時間以内に消費される若干の水に分散させた。ニワトリから2時間の間、飲料水を奪い、その後、ワクチンを投与した。
【0118】
全雛を、Poulvac(登録商標)NDWにて4週齡にてワクチン予防した。雛当たり0.5ml中1市販投与量を噴霧器により適用した。
【0119】
【表29】
【0120】
血液サンプルを1日齡にて断頭後、各グループの30羽の雛から採取した。各グループの10羽の雛のサンプルを、AHSにての血清学的試験のために用いた。各グループの10羽の他の雛のサンプルを、Central Veterinary Laboratory, Weybridge, UK (CVL)にての血清学的試験のために用いた。残る10サンプルを、BCにての血清学的試験のために用いた。血液サンプルを、2、3、4、5および6週齡のグループにつき24羽の最大数までの雛の翼状部静脈から回収した。
【0121】
ND、IB M41およびIB D274抗原に対する抗体力価をHI試験を用いて測定した。HI試験の検出限界は、ND抗原に関して2logHI力価=1.0に、およびIB抗原に関して2logHI力価値=3.0に対応する。幾何学的平均HI力価を算定した。TRTおよびIBDウイルスの抗体力価を、ELISA法(IDEXX)を製造業者の指示に従い用いて測定し、そして平均力価を算定した。これらの試験はAHSにて行った。
【0122】
ND、IB、TRTおよびIBDウイルスに対するELISA法を用いる抗体力価測定を、BCにより行った。1159および834またはそれ以上の、NDおよびIBウイルスに対するELISA抗体力価はそれぞれポジティブとみなす。ND(396またはそれ以上にてポジティブとみなす)およびIBウイルスに対する抗体力価を、IDEXX試験キットを用いてさらに測定した。平均力価を、BC99ソフトウェアを用いて算定した。
【0123】
AHSおよびCLVにて得られた結果を統計学的に分析した。2のグループをスチューデントの2側面t試験を用いて抗体力価に関して比較した。IBD、TRTおよびMDに対するELISA抗体力価を、分析前にlog変換した(log[x+1]。MD測定値>1600およびneg.を算定にてそれぞれ1600および25にそれぞれ置き換えた。P<0.05の確率を、統計学的に有意な差と見なした。
【0124】
結果:ND、IB、IBDおよびTRT抗原に対する、AHSおよびBCにより測定された平均抗体力価を表23および24に示す。
【0125】
【表30】
【0126】
【表31】
【0127】
特異的蛍光を示している平均血清希釈を表している、MDウイルスに対する平均FAT力価を表25に示す。統計学的に有意なより高いFAT力価が、2、3、および4週齡のグループ2において認められ、より若い歳の鳥においてより高い免疫反応を示している。
【0128】
【表32】
【0129】
実施例5−考察
両グループの雛は、ND、IB、IBD、TRTおよびMDウイルスに対してMAを有した。NDおよびIBに対する血清反応が、1日齡でのワクチン予防後に観察された。これらの抗原に対する力価の増加は、両グループにおいて正常の範囲内であった。Poulvac(登録商標)NDWでの第2のワクチン予防により、両グループにおいて血清反応が誘導された。両グループは、IBD、TRTおよびMDウイルスに対する抗体力価を増加させた。
【0130】
多くの場合において、グループ間で抗体力価に関して一定の差が認められた。NDに対する抗体力価は、6週齡におけるものを除く全ての場合においてグループ1(予防接種された卵から孵化した雛)においてより高かった。TRTに対する抗体力価も、全場合においてグループ1において高く、これらの差は6週齡での差を除いて統計学的に有意であった。MDに対する血清反応はグループ1において幾分緩慢であったが、5週齡にてグループ2と同じレベルに達した。IBおよびIBD抗原に対する平均的な抗体力価に関してグループ間に明白な差は認められなかった。ほとんどの場合に、BCにてなされた力価測定の結果は、AHSにて得られたものと同じパターンに従い、IBDおよびTRTに対するELISA力価に関してより高い値を有した。IBDに対する血清反応は3週齡におけるBC試験により示され、これは、IDEXX試験にてそれが示された1週前である。BC ELISA試験は、HI法よりもNDに対する平均抗体力価を測定するのに、より感受性があるようである。BC ELISA試験は、3週齡から、HI法よりもIBウイルスに対してより著しい反応を示した。
【0131】
1日齡でのPulvac IBプライマーおよびPoulvac(登録商標)HVTでのワクチン予防を後に行う、インキュベーション18日後のPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVOの1市販投与量を用いた、ブロイラー産生用市販卵のインオボワクチン予防は、生存1日目におけるPoulvac TRT、Poulvac(登録商標)NDW、Poulvac(登録商標)IBプライマーおよびPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyoの市販投与量での、および2週齡でのPoulvac(登録商標)Bursa Plusでの孵化した雛のワクチン予防と有効性に関して矛盾がない。
【0132】
BC ELISA試験キットは、ND、IB、IBDおよびTRTウイルス抗原の抗体力価レベルを測定するのに、ND、IB M41およびIB D274に対するHI試験、またはIBDもしくはTRTに対するIDEXX試験キットに比べて好ましいと考えられる。
表26〜35は、更なる抗体力価の結果を提供するものである。
【0133】
【表33】
【0134】
【表34】
【0135】
【表35】
【0136】
【表36】
【0137】
【表37】
【0138】
【表38】
【0139】
【表39】
【0140】
【表40】
【0141】
【表41】
【0142】
【表42】
【0143】
本発明を前にかなり詳細に記載したが、出願人は、前記の教示を引用しつつ、しかし、いかなる特定の開示された具体例にも制限されずに、そしていかなる場合にも本出願の意図および範囲に矛盾することなく、本明細書中に記載する請求項により規定および決定されるごとくに可能な特許保護の全範囲を希望する。
【0001】
本出願は、2000年11月21日に出願され、その全内容を出典明示により組み込む、共に係属中の仮出願出願番号60/252162からの優先権を主張する。
【0002】
本発明は、七面鳥の鼻気管炎(TRT)および/または七面鳥およびニワトリなどの鳥類の宿主における「頭部腫脹症候群」(SHS)に対するインオボ保護を提供するのに有用な方法を指向する。より詳細には、TRTに対するワクチンが、本明細書に開示するような鳥類の宿主に対する適当なインオボ投与に際し、安全かつ有効であることがわかった。
【背景技術】
【0003】
TRTは、呼吸ウイルスにより引き起こされる七面鳥の上気道感染である。それは全年齢の七面鳥を冒す高い感染性の急性疾患である。TRT感染の臨床症状には、特徴的な、しばしば泡状の鼻漏、ラッセル、スニッキング(snicking)、くしゃみ、および首振り(head shaking)が含まれる。眼やにまたは眼窩下洞腫脹(swollen infraorbital sinuses)も、感染した七面鳥において認められ得る。
【0004】
TRTウイルス(TRTV)に対する抗体は、頭部腫脹症候群(SHS)に冒されているいくらかのニワトリの群れ(ブロイラーおよびブロイラー/ブリーダーの両方)において検出されている。TRTVは、SHSおよび関連する呼吸器疾患の病因において役割を果たすと仮定されている。
【0005】
TRTに対する市場入手可能なワクチンは、インオボ投与されていない。むしろ、それらは種々の形式で孵化後に投与される。典型的には、そのようなワクチンは、噴霧器(例えば、手動噴霧器、背負い噴霧器、または自動噴霧器)という労力を要する方法により、または滴薬(眼または鼻)にて投与される。
以下により完全に記載するような、インオボ使用のために変更された、TRTワクチンを用いるインオボ投与法により、現在利用できる投与の、不便でかつ時間を消費する孵化後の方法よりも際立った利益が提供される。
【発明の開示】
【0006】
本発明は、本発明のインオボ投与法に適合した市場入手可能なTRTワクチンを用いる。実験結果により、七面鳥およびニワトリに対するこれらのワクチンのインオボ投与の安全性および有効性が、適当な投与パラメーターを用いて確証される。
本発明の方法を用いて、そのようなワクチンのインオボ投与により、TRT、および/またはTRTもしくはSHS関連呼吸器疾患から、鳥類の宿主を保護することができる。
【0007】
つまり、鳥の大群に用いるのに簡単かつ安価なインオボワクチン予防法を用いて、TRTおよび/またはTRTもしくはSHS関連呼吸器疾患から鳥類宿主を保護する方法を提供することが、本発明の目的である。
さらに、孵化した鳥類宿主において適当な免疫反応を提供する投与量にてワクチンを用いて、孵化率に望ましくない影響を与えることなく、そのようなインオボワクチン予防を提供することが、本発明の目的である。
【0008】
インオボ投与に適合させたTRTワクチンを用いて、SHS関連呼吸器疾患に対する保護を提供することが、本発明のいっそうさらなる目的である。
より少量のワクチン抗原を用いてコストを節約して、常套的にワクチン予防した鳥と比較してTRTVに対して高まった力価を提供する、TRTおよび/またはTRTもしくはSHS呼吸器疾患に対して鳥類宿主をワクチン予防する方法を提供することが本発明のさらなる別の目的である。
【0009】
本発明により、TRTVに対して鳥類宿主をインオボで免疫化し、およびこうしてTRTおよび/またはTRTおよびSHS呼吸器疾患に対する保護を提供するための方法が提供される。本発明の方法に用いられるワクチンは、市場入手可能なTRTワクチンから都合よく調製することができる。本発明における使用に特に適しているのは、市場入手可能な、Fort Dodge Animal Health, Fort Dodge, lowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能なPoulvac(登録商標)TRTワクチンである。Poulvac(登録商標)TRTの市販製剤は、1回投与あたり103 . 2TCID50以上の力価を有する減毒化されたTRTV、K株を含み、インオボ投与には認可または指定されていない。本願を通して、「TCID50」は50%組織培養感染価を意味する。
【0010】
典型的には、ワクチンは、約103 . 2〜約104 . 5の範囲のTCID50を提供するように適当なビヒクル中に再懸濁し、そして免疫化される鳥類の種によって、卵あたり約0.05〜0.1mlの量で投与する。投与は手によるものでよいが、Embrex, Inc., North Carolinaから入手可能な装置のような市場入手可能な卵注入装置を用いることにより、より典型的かつ経済的に投与する。投与する正確な投与量は、ワクチンを送達する鳥類の種に依存するものであり、例えば、小さな鳥ほど必要とされる投与量は少ない。ワクチンの投与は典型的には、インキュベーションの第24日において、またはそれ以前になすが(例えば、七面鳥)、他のインオボワクチン予防時間、例えばインキュベーション第18日にてまたはそれ以前(例えばニワトリ)が本発明の範囲内である。
【0011】
本発明のワクチンおよび方法が企図される鳥類の宿主には、ニワトリ、アヒル、七面鳥、ガチョウ、チャボ、ウズラ、およびハトが含まれる。好ましい鳥類種は、ニワトリ、アヒルおよび七面鳥などの市場において重要な飼鳥類である。
ワクチン予防のインオボ法は、投与するのに安全かつ簡単であるのみならず、この方法で免疫化された鳥類宿主においてより高力価が認められることが、驚くべきことに見出された。
【0012】
加えて、該ワクチンおよび投与法により、実質上同一の対照(非ワクチン予防)群と比較した場合に、インオボワクチン予防の後で孵化する卵の割合は実質上低下しない。好ましくは、この低下は対照群において孵化する割合に対して約10%未満であり、およびより好ましくは約5%未満である。よりいっそう望ましいことには、約1−2%未満の低下である。いくらかの具体例において、本発明のワクチンおよび方法により、孵化する卵の割合が実質上増加し、時に、約1−2%だけまたはそれ以上まで増加する。つまり、該ワクチンは、ニワトリおよび七面鳥などの鳥類の種に投与するのに安全かつ有効である。
【0013】
以下の実施例により、本発明の例証となる方法および技術を詳細に示す。材料および方法の両方の多くの変更が、本開示の目的および意図から離れることなくなされてよいことが当業者には明らかであろう。
【0014】
実施例
実施例1−七面鳥におけるインオボ投与の安全性に関する試験
七面鳥の孵化用受精卵を、TRTVに感染していないことが分かっており、そしてTRTに対してこれまでにワクチン予防されていない親七面鳥の群から得た。これらの卵を無作為に2つの別個の群に割り当てた。
【0015】
76個の受精卵の第一群に、インキュベーション第24日においてワクチンをインオボ投与した。インキュベーションの1日目は、第0日と見なす。卵はインキュベーション前約2−7日横たえる。Poulvac(登録商標)TRT(バッチTR015、有効期限1997年6月24日、107 . 5TCID50の力価を保持している)を用いてインオボワクチンを調製した。市販製品の3つのバイアルをそれぞれ10mlの滅菌塩水に再懸濁し、0.1ml当たりのワクチンに関して105 . 5TCID50の力価を有する結果としての懸濁液を得る。混合/貯蔵した中身は、以後実施例1において「IOV」と指定し直す。
【0016】
インオボ投与は卵当たり、105 . 5TCID50の力価を保持している0.1mlのIOVを用い、76個の受精卵のそれぞれの羊水に注入した。その後、これらの卵をすぐにインキュベーターに入れ(回転させない)、次いで隔離した檻の中で孵化させ、その中でそれらを飼育した。これらの卵/孵化したばかりの雛を、ワクチン予防した鳥と呼ぶ。
【0017】
66個の受精卵の第二群はワクチン予防せず、そして第二の隔離檻の中で同様の条件下に孵化させた。これらの卵/孵化したばかりの雛は、ネガティブ対照の鳥と呼ぶ。
【0018】
ワクチン予防した鳥およびネガティブ対照の鳥の両方に関して、孵化は、インキュベーション第27、第28、および第29日に記録された。表1は検査において認められた孵化能百分率を示す。孵化能に関して、本発明のインオボワクチン予防により、ネガティブ対照の卵の孵化の92.4%に対してワクチン予防した卵の孵化に関して93.4%にて優れた結果を得た。
【0019】
【表1】
【0020】
孵化後、各群(即ち、ワクチン予防した鳥およびネガティブ対照の鳥)からの25羽の雛を無作為に選択し、次いでそれぞれの隔離檻のそれぞれにおいて、剃毛に際して床の上に置いた。各群からの残りの鳥は間引いた。
各群内で、各鳥を毎日臨床症状に関して21日間検査した。鼻の滲出液の存在を、くちばしを強く握ることにより評価した。臨床症状の重篤度を表2に従い得点付けした。
【0021】
【表2】
【0022】
鳥の群のトータルの毎日のスコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。表3は、検査により認められた臨床徴候を表2の相対スコアリングシステムを用いて示すものである。
【0023】
【表3】
【0024】
【表4】
【0025】
ネガティブ対照の鳥を同様に、いずれかの臨床徴候に関して検査したが、異常は全く認められなかった。すなわち、全て0のスコアを有した。
前記の観察の結果により、本発明のインオボワクチン予防法の安全性が確証される。6日齡の鳥に関する最高の平均スコア/鳥(即ち、0.36)により、安全性に関する妥当な限界が提供され、そして、TRTの軽微な/穏やかな症状のみが示された。
【0026】
血清学的分析も、卵を受け取った日後61/2週の親の七面鳥群内の10羽から採集した血液を集めることにより行った。血液を、さらに以下の鳥の4セットから回収した。:(a)1日齡の、20羽のネガティブ対照の鳥から;(b)21日齡の、21羽のネガティブ対照の鳥から;(c)1日齡の、20羽のワクチン予防した鳥から;および(d)21日齡の、20羽のワクチン予防した鳥から。
【0027】
個々の血液サンプルの血清学的分析は、TRTVに対する抗体の力価を示した。この分析はA型抗原を用いる酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)法を用い、そして2log力価として表した。検査において測定された2log力価>6.0の力価をポジティブとして採用した。検査において測定された力価の幾何学的平均(GM)および標準偏差(SD)も算定した。力価分析により以下の結果が確証された。親の七面鳥群は、TRTVに感染していなかった[>6.0のポジティブなカットオフ値との比較におけるGM=5.04を参照されたい。]。10羽の鳥の中で、1羽が7.7の高い力価を有した。さらに、1日齡のネガティブ対照の鳥およびワクチン予防した鳥のGM力価はほとんど同一、即ちそれぞれ4.05および4.06であった。しかし、ワクチン予防した鳥の中の2羽は、ポジティブな力価を有した[7.1および8.1の力価−それぞれ>6.0を参照されたい]。これに対して、ネガティブ対照の鳥の中で>6.0の力価を有したものはいなかった。ネガティブ対照の鳥およびワクチン予防した鳥のSDは、それぞれ0.82および1.46であった。
【0028】
21日齡の血液サンプリング試験はさらに、検査において測定された力価に関して明らかな差を示した。ネガティブ対照の鳥に関して、GMは3.53へと低下し、およびSDは0.46へと低下した。直接比較して、ワクチン予防した鳥に関して、GMは10.53へと増加し、およびSDは0.85へと増加した。従って、ワクチン予防した鳥はTRTVに対して非常に高まった力価を有した。
【0029】
ワクチン予防した鳥において、21日齡での血清反応は非常に高かった。この反応は、1日齡の鳥に関して同じ投与を(点眼ワクチン予防により)用いて典型的に遭遇した値よりもいっそう高かった。GM=10.5を有するTRTV抗体力価は、通常、TRTVの毒性株を用いた攻撃後にのみ認められる。比較のために、105 . 5のTCID50Poulvac(登録商標)TRTでの、感染しやすい七面鳥の雛(1日齡)に対する点眼ワクチン予防を用いる2つの試験により、21日齡で回収した血液サンプルに関して、それぞれ8.3および8.7の平均抗体力価を得た。
【0030】
表4は、親七面鳥群、ネガティブ対照の鳥、およびワクチン予防した鳥の、この血清試験を支持するデータを示すものである。
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
つまり、本発明のIOVの105 . 5TCID50にての七面鳥受精卵に対するインオボ投与(インキュベーション第24日における)により、孵化能力および臨床徴候に関し、必要な安全性ならびに常套的に投与されたワクチンよりも高い免疫反応が提供される。
【0034】
実施例2:ニワトリにおけるインオボ投与の安全性に関する試験
特定の、病原体を含まない(以下、「SPF」)白色レグホン種の卵を市場入手した(Broekman Instituut BV, Someren, The Netherlands)。120個のSPF卵をインキュベーターに入れ、そしてインキュベーションの18日後、卵を明かりにすかして調べた。これにより、5個の非受精卵を拒絶し、115個を適切とした。適切とした卵の115個の中で、100個をインオボワクチン予防のために無作為に選択した。これらの100個の卵を以下のように3つのグループに分けた。
【0035】
グループ1の卵/孵化したばかりの雛を、数を記入した橙色の羽根で、同定のために標識付けした。グループ1は、30個の卵から成り、これらは以下に記載するように、105.5TCID50の力価の卵当たりの算定投与量にてインオボにワクチンを受容した。
【0036】
グループ2の卵/孵化したばかりの雛を、数を記入した緑色の羽根で、同定のために標識付けした。グループ2は、40個の卵から成り、これらは以下に記載するように、グループ1の卵に対して注射したワクチンと等容積の塩水溶液をインオボに受容した。
【0037】
グループ3の卵/孵化したばかりの雛は、標識付けしなかった。グループ3は、30個の卵から成り、これらはインオボ投与を(ワクチンも塩水溶液もいずれも)全く受容しなかった。
【0038】
羽根標識上の数は、雛がTRTまたはSHSいずれかの臨床徴候を示した場合にのみ用いた。
グループ1および2両方の雛は、それらが孵化した同じ動物室で飼育した。適当な条件(例えば、給餌、飲水、寝床の材料としての木くず、温度、相対湿度など)を維持した。
【0039】
この実験のタイムスケジュールは以下のようであった。グループ1、2、および3の卵のインキュベーションの1日目をインキュベーション第0日と名づけた。ワクチンおよび塩水溶液それぞれの、グループ1およびグループ2の卵へのインオボ投与の日は、インキュベーション第18日であった。算定孵化日は、インキュベーション第21日に対応した。試験は、インキュベーション第46日に相当する孵化後の日に行った。
【0040】
インオボ投与のためのワクチンを調製するために、バイアル当たり2000投与量を含む、Fort Dodge Animal Health in Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販ワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを用いた。投与量当たりの基準に基き、このワクチンは104 . 2TCID50の力価を有した。このワクチンの12個(12)バイアルをリン酸緩衝塩水(以下、「PBS」)中、ワクチンのバイアルあたり5mlのPBSを用いて再懸濁した。生じた内容物をよく混合し、そして保存した。再懸濁した材料は、105.5TCID50の算定力価と60mlのトータル容積を有した。このワクチンを、以下「IOV」と呼ぶ。
【0041】
インキュベーション第18日に、IOVワクチンを、Embrex, Inc., North Carolinaからの市場入手可能なInovoject(登録商標)卵注射器を用いてインオボ注射にて、グループIの卵に投与した。IOVの卵注射投与は、常套法に従い行った。同様の方法で、Bieffle Medital SpA, Italyからの市販塩水溶液、CLEAR-FLEX(登録商標)INFUSIEVLOESISTOFをグループ2の卵に投与した。
表5は、グループ1、2、および3内での卵の処置を示すものである。
【0042】
【表7】
【0043】
グループ1、2、および3からの卵の孵化能百分率を、検査において観察および算定した。簡単に、以下の例外に注意した。脊椎披裂骨格異常(インオボワクチン予防のいずれの副作用の原因でもない)のために、グループ1からの2羽の雛を、それらが孵化した直後で、それらを同定している羽根標識で標識付けする前に、試験から外した。これらの2羽の雛は、グループ1の孵化能百分率から除外した。さらにグループ1からは、1羽の雛が足を損傷し、そしてそれに標識付けした後に試験から外した。この雛の死後の試験は、TRTの徴候も、いずれかの他の疾患のいずれの徴候も示さなかった。この1羽の雛は同様に、グループ1の算定される孵化能百分率から除外した。グループ2の卵/孵化したばかりの雛に関して、1羽の雛は、孵化後、同定羽根標識で標識付けする前に死んだ。この雛は、グループ2の算定孵化能百分率から同様に除外した。
【0044】
計画したように、グループ1およびグループ2両方の孵化したばかりの雛を試験し、25日の観察期間、検査した。この期間中、雛のいずれもTRTまたはSHSいずれの臨床徴候も示さなかった。グループ3の全30個の卵が孵化した。それらが孵化した日に、全30羽の雛を後に記載するような血液サンプリングおよびその後の分析のためにのために断頭した。
【0045】
表6は、グループ1、2、および3のそれぞれに関して検査において認められた孵化能および死亡結果を示す。これらの結果により、本発明のインオボワクチン予防が、孵化能およびTRTおよび/またはSHSの臨床徴候の両方に関して安全であることが確証された。
【0046】
【表8】
【0047】
グループ1(ワクチン)およびグループ2(塩水)両方からの雛の体重を第25日に得た。グループ1の雛の平均体重は、209グラムで、22.1の標準偏差を有した。グループ2の雛に関して、平均体重は217グラムで、24.8の標準偏差を有した。グループ1および2の体重は、2−側面スチューデントt試験を用いて統計学的に決定されるように、有意には差がなかった(P=0.18)。これらの結果により、本発明のインオボワクチン予防が、生理的塩水溶液のインオボ注射にて得られるものと比較して、(産業上重要な)結果としての第25日の体重を損なわないことが確証された。
【0048】
グループ1、2、および3にて用いたSPF卵のTRTに感染していない状態を確認するために、グループ3の卵が孵化した日に、雛を断頭により殺し、そして血液サンプルを回収し、次いで分析した。ELISA試験はTRTVに対するいずれの抗体も検出しなかったが、これにより、この試験で用いたSPF卵のTRT非感染状態が確認される。
本試験により、SPFのニワトリの卵に対するインオボワクチン予防が、孵化能、死亡率、TRTおよび/またはSHSの臨床徴候、および第25日の体重に関して安全であることが確証された。
【0049】
実施例3:インオボSPFニワトリワクチンの効能試験
本試験の目的は、18日齡のニワトリ胚のインオボワクチン予防が、3または6週齡での毒攻撃後のTRTおよび/またはSHS疾患を予防するのに有効かどうかを確認することであった。以下に確証するように、感染しやすい18日齡のSPFニワトリ受精卵の104 . 2TCID50でのインオボワクチン予防は安全であり、一方、103 . 2TCID50の投与量が、臨床疾患に対して有効である。
【0050】
孵化用受精卵は、Whickham Laboratories, United Kindomから購入したSPFの白色レグホン親群から得た。
Fort Dodge Animal Health in Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販のTRTワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを得た。本発明のインオボワクチンは、以下のようにこのPoulvac(登録商標)TRTから調製する。107 . 5TCID50の力価を保持している市販ワクチンの3つの(3)バイアルをそれぞれ4mlの滅菌水に再懸濁し、次いでよく混合し、そして貯蔵した。ついで、0.4mlをとり出し、次いで19.6mlの滅菌PBSに添加し、バイアル当たり200mlに等しい最終希釈および0.1ml当たり104 . 2TCID50のワクチンの力価を含んでいる結果としての懸濁液を得た。このワクチンを、2mlを取り出し、そして18mlの滅菌PBSをそれに添加することにより希釈して、0.1ml当たり103 . 2TCID50の結果としての懸濁液を得た。
【0051】
攻撃ウイルスは以下のように調製した。Dr. R. C. Jones at Liverpool University (U.K.)により単離されたUK株BUT8544からのTRTVを、気管の器官培養(以下、「TOC」)にて23回、雛にて1回継代し、再度単離し、次いで1回以上TOC中で継代した。この攻撃ウイルスの力価は、ml当たり104 . 5TCID50であった。
【0052】
インキュベーションの18日後、70個の受精卵の第1のセット(以下、「セット1」)を前記のように103 . 2TCID50を保持している0.1mlの再構成したTRTワクチンでインオボ接種した。70個の卵の第2のセット(以下、「セット2」)を同様に、前記のように104 . 2TCID50を保持している0.1mlの再構成したTRTワクチンで予防接種した。卵をすぐにインキュベーターに入れ(回転はさせない)、そして、それらを檻の中で孵化させ、その中で飼育した。セット1および2の卵は同種の隔離檻の中で別々に飼育した。70個の受精卵の第3のセットはインオボ投与を全く受けなかった(以下、「セット3」)。セット3は以下、ネガティブ対照の鳥と呼んだ。これらの卵を第3の檻の中で飼育した。
【0053】
孵化はインキュベーション後の第20、第21、第22および第23日に記録された(第0日はインキュベーション1日目である)。孵化後、多くの鳥を1日齡で選択し、セット当たり50羽の鳥を残した。セット1、2、および3に関して、検査において記録した孵化能百分率は、それぞれ、91%、94%、および92%であった。これにより、103 . 2TCID50および104 . 2TCID50の力価でのインオボワクチン予防が孵化能に関して安全であったことが確証される。
【0054】
3週齡にて、各ワクチン予防群(即ち、セット1および2)、およびネガティブ対照の鳥(即ち、セット3)からの10羽の鳥を羽根にて標識付けし、次いで第4の隔離檻に移した。各鳥についで前記の攻撃ウイルスを、0.1ml中103 . 5TCID50の(毒性)TRTVの投与量を含む点眼により投与した。6週齡にて、さらに10羽の鳥を同様に、TRTVの毒性株にて攻撃した。しかし、これらの鳥の増加した年齢のために、攻撃投与量は鳥当たりの基準において0.2ml中103.8TCID50(毒性)TRTVに増した。
【0055】
攻撃した鳥を、14日間実験的にモニターし、その後、それらから採血し、次いで殺した。認められた徴候を、実施例1に用いたような表2の臨床スコアリングシステムを用いて記録した。鳥のグループのトータルの毎日スコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。累積スコアは、第3−第8日の平均毎日スコアの合計である。x2試験を用いてデータを分析した。第3-8日からの2のワクチン予防グループ(セット1および2)において認められるトータルの臨床徴候を、3週および6週攻撃の両方に関して同日に(セット3)ポジティブ対照において認められたものと比較した。このモニタリングにより、以下の結果が確証された。
【0056】
103 . 5TCID50の力価の毒性TRTV株での3週の攻撃に関して、セット3の非ワクチン予防対照の鳥の90%が臨床徴候を示した。直接比較において、セット1および2のワクチン予防した鳥のより少ない割合が臨床徴候を示した。(卵当たり103 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット1に関して、鳥の50%のみが臨床徴候を示した。(卵当たり104 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット2に関しては、鳥の30%のみが臨床徴候を示した。セット3においては、1羽の鳥のみが臨床徴候を完全に示さなかった。これに対して、セット1からの5羽の鳥およびセット2からの7羽の鳥が臨床症状を全く示さなかった。
【0057】
103 . 8TCID50の力価の毒性のTRTV株での6週攻撃に関しては、セット3の非ワクチン予防対照鳥の80%が臨床徴候を示した。直接比較にて、セット1およびセット2のワクチン予防鳥のより少ない割合が臨床徴候を示した。(卵当たり103 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット1に関して、鳥の20%のみが臨床徴候を示した。(卵当たり104 . 2TCID50の力価でワクチン予防した)セット2に関しては、鳥の10%のみが臨床徴候を示した。
【0058】
x2統計学的分析により、6週攻撃に関して、鳥(セット1および2)のワクチン予防群の両方において検査において認められた臨床徴候が、セット3の非ワクチン予防ネガティブ対照の鳥において記録されたものよりも重篤度が有意に低いことが確証された(P<0.01を参照されたい)。
表7、8、および9は、それぞれ、3週攻撃、6週攻撃、および前記カイ二乗統計分析に対する結果を示すものである。
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
TRTの臨床徴候に関してセット1、2、および3の鳥をモニターすることに加えて、鳥を血清分析にも供したが、ここで個々の血液サンプルにおけるTRTVに値する抗体を、A型抗原を用いるELISA法により決定し、そして2log力価として表した。2log力価>6.0の抗体力価をポジティブとして採用した。結果を、非対データに関してスチューデントt−試験を用いて統計学的に分析した。表10および11は、3週攻撃および6週攻撃それぞれに関してセット1、2、および3の攻撃鳥を用いて得られた血清学的結果を示すものである。表10および11において、「PC」は攻撃後を意味し、「GM」は幾何学的平均を意味し、および「SD」は標準偏差を意味する。簡単には、全グループ(即ち、セット1、2、および3)は攻撃後7日で抗体力価に有意な上昇を、およびPC14日にて抗体力価に更なる上昇を示した。
【0065】
【表14】
【0066】
【表15】
【0067】
【表16】
【0068】
【表17】
【0069】
同様の血清学的分析を、TRTVの毒性株で攻撃しなかった全3グループ(即ち、セット1、2、および3)に関してさらに行った。1日齡〜81/2週齡の対照の鳥(セット3)から、およびワクチン予防した鳥の2グループ(セット1および2)からの平均抗体力価を測定した。期待通り、対照の鳥の抗体力価は本試験を通して低いままであった。対照の鳥の力価を、同じ齡のワクチン予防した鳥のものと統計学的に比較した。表12は、インオボ送達後に測定した平均抗体力価を示す。個々の結果は、表12に示す実験結果を支持するのに利用できる(データは示していない)。表12において、「n」は鳥の数を意味し、そして「SD」は標準偏差を意味する。
【0070】
【表18】
【0071】
検査において得られた測定、結果、および対応する統計学的分析を含む実施例3の結果の分析は、ワクチンのより低い投与量(感染しやすい18日齡のSPFニワトリ受精卵に対してインオボ送達した103 . 2TCID50TRTV)が、それが6週齡におけるTRTVの毒性株での攻撃に対して有意な保護を提供する点で有効であったことを示す。3週齡においても保護が認められたが、鳥の数を考慮して、提供された保護に関して検査において認められた差は、有意なレベルにわずかに及ばなかった。卵当たり104 . 2TCID50のTRTVの増加したワクチン予防投与量にて(約1log10のオーダーの増加)、3週および6週攻撃に関して、TRTVの毒性株への暴露に対して有意な保護が認められた。
【0072】
Poulvac(登録商標)TRT由来のワクチンのインオボ投与は、ワクチン予防/予防接種鳥におけるTRTV−特異的抗体の産生と明らかに関連した。この関連は、投与量依存性であることが明らかであった。インオボワクチンのより高投与量により、ネガティブ対照の鳥のものよりも有意に高いレベルへの、および6.0のカットオフ値のすぐ下のレベルへの、3週齡平均抗体力価に関する増加が引き起こされた。卵当たり104 . 2TCID50のより高投与量でのインオボワクチン予防に対する循環抗体反応は、時間の割合と共に増加するようであり、最大は、6週齡にて得られ、およびその後は、力価は81/2週齡まで一定に留まった。
【0073】
高ワクチン予防投与量に関して前に論じた結果と比較して、卵当たり103 . 2TCID50の低投与量を与えられた鳥は、ワクチン予防に対して遅延した抗体反応を経験するようである。力価は81/2週齡にて増し始め、この時、対照の鳥の力価よりも有意に高いレベルに達した。この時(即ち、81/2週)において、低ワクチン鳥(セット1)の力価は、3週齡の高ワクチン鳥(セット2)のものと同様のレベルであった。81/2週を越す更なる時間の経過と共に、抗体力価は6.0を超すレベルへと増すようであった。
【0074】
抗体力価とTRTの臨床徴候の低下の間には関連があると考えられる。抗体力価が対照の鳥の力価よりも有意に高いが、6.0のポジティブなカットオフ値未満の鳥の各グループ分けにおいて、TRTの臨床徴候において認められた低下は統計学的に有意であった。
【0075】
感染し易い18日齡のSPFニワトリ受精卵に対する、卵当たり少なくとも103 . 2TCID50〜卵当たり少なくとも104 . 2TCID50のおおよその範囲の投与量での、および特に卵当たり約104 . 2TCID50の投与量でのインオボワクチン予防は、TRTVの毒性株での攻撃から通常期待される臨床症状に対して安全かつ有効であると考えられた。
【0076】
実施例4:インオボ市販ニワトリワクチンの効能試験
本試験の目的は、市販のブロイラーの親群からのインキュベートした18日齡のニワトリ受精卵のインオボワクチン予防が、4週または6週齡の毒性攻撃後のTRTおよび/またはSHS疾患を予防するのに有効であるかどうかを確認することであった。以下に確証されるように、TRTV−抗体ポジティブ親からの感染しやすい18日齡の受精卵の、卵当たり103 . 2TCID50にての、Puovac(登録商標)TRT由来のワクチンでのインオボワクチン予防は、臨床ライノ鼻気管炎疾患に対して有効である。
【0077】
孵化用の受精卵を、10週齡にて生TRTワクチンで、および18週齡で死んだTRTワクチンで前もってワクチン予防した37週齡の市販のブロイラー親の群から得た。これらの卵は、Mossbank breeder flock, Marshall Agriculture, Whitburn, Scotlandから得た。
【0078】
Fort Dodge Animal Health, Fort Dodge, Iowa or Weesp, The Netherlandsから入手可能な市販TRTワクチン、Poulvac(登録商標)TRTを用いて、本発明のインオボワクチンを調製した。107 . 5TCID50の力価を保持しているこの市販ワクチンの3つのバイアルをそれぞれ5mlの滅菌水に再懸濁し、そして、内容物を十分に混合し、次いで保存した。ワクチンをさらに滅菌リン酸緩衝塩水(PBS)に希釈し、0.1ml当たり103 . 2TCID50の結果としての懸濁液を得た。
【0079】
攻撃ウイルスを以下のように調製した。UK株BUT8544からのTRTV(12頁を参照されたい)を、気管の器官培養にて(以下、「TOC」)23回、雛において1回継代し、再度単離し、次いでもう一度TOCにて継代した。この攻撃ウイルスの力価はml当たり104 . 5TCID50であった。
【0080】
インキュベーションの18日後、57個の受精卵を、前記のように103 . 2TCID50を保持している復元したTRTワクチンの0.1mlでインオボ接種した。卵をすぐにインキュベーター中に入れ(回転はさせない)、そして隔離檻にて孵化させ、その中で飼育した。孵化後、40羽の鳥をインキュベーターから取りだし、そして毛剃りに際して床に置いた。
【0081】
多くの受精卵(110)を、ワクチン予防/予防接種をせず、および放置して別個に孵化させた。孵化翌日、40羽の鳥をネガティブ対照の鳥として第二の隔離檻にて飼育した。攻撃対照鳥をポジティブ対照の鳥と呼んだ。
【0082】
第20、第21、第22、および第23(予防接種日−0)において、孵化が記録された。孵化後、過剰の鳥を人力で殺し、または血液採取のために用いた。ワクチン予防しなかった卵およびワクチン予防した卵の孵化能百分率は、それぞれ89%および91%であり、これにより、103 . 2TCID50の力価でのワクチン予防が、孵化能に関して安全であることが確証された。
【0083】
4週齡にて、ワクチン予防群からの10羽の鳥およびネガティブ対照からの10羽の鳥を、羽根で標識付けし、そして第3の隔離檻に移した。各鳥に次いで、前記の攻撃ウイルスを、103 . 5TCID50(毒性)のTRTVを0.1ml中に含んでいる点眼により投与した。6週齡にて、さらなる14羽の鳥を同様にTRTVの毒性株で攻撃した。しかし、3羽の鳥の年齢の増加のために、攻撃投与量は、鳥1羽当たり、0.2ml中103 . 8TCID50(毒性)のTRTVに増した。
【0084】
攻撃した鳥を14日間、実験的にモニターし、その後、採血し、そして殺した。認められた徴候を、表13の改定臨床スコアリングシステムを用いて記録した。表13のシステムは、前記の実施例1にて既に記載した表2のシステムと類似するが、同一ではなかった。
【0085】
【表19】
【0086】
鳥のグループのトータルの毎日スコアを、その日の各鳥の個々のスコアを合わせることにより算定した。累積スコアは、平均毎日スコアの合計である。x2試験を用いてデータを分析した。セット1ワクチン予防グループにおいて認められたトータルの臨床徴候を、4週および6週攻撃の両方に関して同日にセット2のポジティブ対照にて認められたものと比較した。このモニタリングにより、以下の結果が確証される。
【0087】
103 . 5TCID50の力価の毒性TRTV株での4週攻撃に関して、臨床徴候は第6および第7日にのみ認められ、最大の徴候は両グループ(即ち、セット1および2)において第6日に認められた。ワクチン予防グループ(セット1)において、鳥のわずか30%のみが攻撃後に臨床徴候を示し、そして、鳥当たりの累積平均スコアは0.6であった。セット1において、10羽の鳥の中の7羽は完全に臨床徴候を示さなかった。ワクチン予防した鳥において認められたトータルの臨床徴候を、ポジティブ対照の鳥のものと統計学的に比較した。ワクチン予防した鳥は、ポジティブ対照の鳥のものよりも少ない重篤度の臨床徴候を示したが、これらの結果は統計学的に有意ではなかった(0.2<P<0.3)。
【0088】
103 . 8TCID50の力価の毒性TRTV株での6週攻撃に関して、より低投与量での4週の攻撃後よりも長期間、臨床徴候がポジティブ対照鳥にて認められた。しかし、ワクチン予防した鳥において、臨床徴候は1日間だけ認められた。ポジティブ対照鳥の中で、57%が臨床徴候を示し、そして鳥当たりの累積スコアは1.35であった。このグループの14羽の鳥の中で、6羽が完全に臨床徴候を示さなかった。1羽の鳥は観察期間の第5日および第6日に重篤な臨床徴候を示し、そしてその後、攻撃後9日で死亡した。この鳥の死後の試験により、膨張した右心室、鬱血性心臓静脈、肺充血、気管における過剰な痰、および肝臓における繊維性の滲出物が明らかであった。死亡について考えられる原因は、右心室不全および肝炎の可能性であった。比較により、鳥のワクチン予防グループの14%のみが攻撃後に臨床徴候を示し、そして、鳥当たりの累積スコアは0.14であった。このグループの14羽の鳥の中で、12羽が完全に臨床徴候を示さなかった。ワクチン予防グループ(セット1)におけるトータルの臨床徴候を、ポジティブ対照の鳥(セット2)において認められるものに対して、x2分析を用いて統計学的に比較した。この分析により、ワクチン予防グループにおいて認められた臨床徴候がポジティブ対照の鳥において認められたものよりも有意に重篤度が低いことが確証された(0.02<P<0.05)。
【0089】
表14、15、および16は、それぞれ、4週攻撃、6週攻撃、および前記のx2統計学的分析に対する結果を示す。
【0090】
【表20】
【0091】
【表21】
【0092】
【表22】
【0093】
【表23】
【0094】
TRTの臨床徴候に関してセット1および2の鳥をモニターすることに加えて、鳥をさらに、個々の血液サンプル中のTRTVに対する抗体をLeahurst, Liverpool, (U.K.)により開発されたELISA法により、A型抗原を用いて測定する血清学的分析に供し、そして2log力価として表した。2log力価>6.0の抗体力価をポジティブとして採用した。結果を、非対データに関するスチューデントt検定を用いて統計学的に分析した。表17および18は、それぞれ4週攻撃および6週攻撃に関して、セット1および2の攻撃鳥にて得られた血清学的結果を示す。表17および18において、「PC」は攻撃後を意味する。
【0095】
【表24】
【0096】
【表25】
【0097】
同様の血清学的分析を、TRTVの毒性株で攻撃しなかったこれらの鳥に関して、25および41週齡のMossbank親ブリーダー群(Marshalls Agriculture)の5の異なる領空のそれぞれからの鳥から採取した10の血清サンプルを用いてさらに行った。表19は、親ブリーダー群からのこれらの鳥の平均抗体力価を示す。
【0098】
【表26】
【0099】
非攻撃ワクチン予防鳥および非攻撃ネガティブ対照の鳥の両方に関して、血液を1日齡および4、6、および8週齡にて回収した。表20は、非攻撃鳥に関する平均抗体力価を示す。
【0100】
【表27】
【0101】
攻撃ワクチン予防鳥および攻撃ポジティブ対照の鳥の両方に関して、血液を4週および6週の攻撃/グループのそれぞれに関して攻撃14日後に回収した。表21は、これら2グループにおける攻撃鳥のこの平均抗体力価を示す。
【0102】
【表28】
【0103】
個々の結果は、表14−21にて前に示したデータを支持するのに利用できる。前記の血清学的分析に基いて、以下の結論をなした。1日齡のワクチン予防鳥およびネガティブ対照の鳥の両方に関して、これらの鳥はTRTVに対してマターナルな抗体(MA)を有した。4週齡までに、ネガティブ対照の鳥における抗体レベルはネガティブな範囲へと低下し、そして実験の残りを通じて低いままであった。103 . 2TTCID50の力価のPoulvac(登録商標)TRT由来のワクチンでのインオボ投与の後で、平均抗体力価はネガティブな範囲(即ち、6.0のポジティブなカットオフ値未満)のままであったが、年齢と共に増加した。4、6、および8週齡にて、ワクチン予防した鳥は、ネガティブ対照の鳥の平均抗体力価レベルよりも統計学的に有意に高い平均抗体力価レベルを有した。4週齡から、ワクチン予防した鳥の20%〜22%がポジティブな力価を有した。攻撃鳥に関して、全鳥は攻撃後14日にて血清変換を示した。4週および6週攻撃試験の両方に関して、ワクチン予防したグループの平均力価はポジティブ対照の鳥の平均力価よりも高く、そしてこの差は統計学的に有意であった(P<0.05)。
【0104】
検査において得られた測定、結果および対応する統計学的分析を含む実施例4の全体の分析は、卵当たり103 . 2TCID50の投与力価にてのPoulvac(登録商標)TRTからのワクチンでの、18日のインキュベーションにてのマターナル−抗体−ポジティブ(MA+)な市販のブロイラー卵のインオボワクチン予防が孵化能に悪影響を与えず、そして、信頼性のある、効率的な、そして有効なワクチン投与の方法が提供されることを示す。このワクチン予防は、6週齡のTRTVの毒性株での攻撃に対して有意な保護を提供し、この場合、認められる臨床徴候は有意に低下した。4週齡にてある程度の保護が認められたが、非ワクチン予防ポジティブ対照鳥においても、この時、認められる臨床徴候はそれほど重篤ではなかった。従って、存在しているとしても、4週での攻撃に対して与えられる保護は、統計学的に有意ではなかった。
【0105】
この実施例4にて示されるデータは、前記の実施例1−3のデータと組み合わせて、ニワトリがTRTワクチンにほとんど感受性がないことを確証した。ポジティブな平均抗体力価(6.0のポジティブなカットオフ値を超す)は、インオボワクチン予防後に認められなかった。しかし、ワクチン予防群のレベルは、ネガティブ対照において認められるものよりも有意に高かった。ワクチン予防した鳥の約4分の1が4週齡後にポジティブな力価を有した。それゆえ、攻撃の時点において、約6.0を超すELISAレベルに対する全血清変換は、インオボワクチン予防により実際に提供される保護の優れた指標ではない可能性がある。局所免疫が誘導された保護と検査において測定された力価の間の相互作用に役割を果たしている可能性がある。
【0106】
前記実施例1−4の分析の前には、マターナルな抗体の存在はワクチンの有効性に逆効果であると仮定されていた。それにも関わらず、および驚くべきことに、実施例4は、卵当たり103 . 2TCID50の力価のTRTワクチンのインオボ投与がMA+であるニワトリの臨床TRT疾患を減じるのに有効であったことを確証する。実施例4により、前記の実施例3にて達した結論、すなわち、インオボワクチン予防したSPF(MA−)ニワトリが臨床疾患の低下を同様に経験したことが補強および拡張される。
【0107】
実施例5:他の雛ワクチンと組み合わせたTRTワクチンの試験
以下の省略を本試験にて用いる。
AHS:Animal Health Service, Deventer, The Netherlands
BC:Biochek, Gouda, The Netherlands
CVL:Central Veterinary Laboratory, Weybridge, UK
EID50:50%卵感染投与量
ELISA:酵素結合免疫吸着アッセイ
FAT:蛍光抗体試験
HI:血球凝集阻害
IB:感染性気管支炎
IBD:伝染性気管支炎
i.m.:筋肉内(の)
MD:マレック病
ND:ニューカッスル病
P:確立
TCID50:50%の組織培養感染価
TRT:七面鳥鼻気管炎
【0108】
以下のワクチン材料を本試験に用いた。
投与量当たりそれぞれ104 . 1および104 . 1TCID50のTRTウイルスを含んでいるPoulvac(登録商標)TRT、バッチTR02100およびTR02200
バイアル当たり103 . 9のEID50NDウイルス(バイアル当たり5000投与量)を含んでいるPoulvac(登録商標)Ovoline ND、バッチBB010
バイアル当たり5000投与量を含んでいるBursamune IN OVO、バッチ61640
MDウイルス、株FC126(バイアル当たり1000投与量)を含んでいるPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyo、バッチ350129
【0109】
Poulvac(登録商標)NDW、バッチBL03200およびBL04302
Poulvac(登録商標)IBプライマー、投与量当たり(バイアル当たり1000投与量)105 . 0EID50 IBウイルス、血清型M41およびD207(D274クローン)を含んでいるバッチCX02301
Poulvac(登録商標)Bursa Plus、バイアル当たり(バイアル当たり2000投与量)103 . 2EID50IBDウイルスを含んでいるバッチ62481
Bursamune IN OVOを除く全ワクチンは、Fort Dodge Animal Health Benelus, Weesp, The Netherlandsにより供給された。Bursamune IN OVOは、Fort Dodge Animal Health, Australiaから得た。
【0110】
ワクチンバッチは、使用日まで0−8℃にて保存し、光から保護し、そして、製造業者の仕様書に従い用いた。復元後、ワクチンは2時間以内に用いた。以下のワクチン希釈物を調製した。
グループ1のインオボワクチン予防のためのワクチン希釈物、Poulvac(登録商標)TRT、バッチTR02100、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVOを復元し、そしてPoulvac(登録商標)Marek diluent、バッチC8109中にさらに希釈した。最終希釈物は、0.05ml中に各ワクチンの1市販量を含んだ。
【0111】
MDに対する筋肉内(i.m.)ワクチン予防グループ1および2のためのワクチン希釈物
Poulvac(登録商標)Marek HVT Iyoを復元し、そして、Poulac(登録商標)Marek diluent、バッチC8109中にさらに希釈した。希釈物は、0.5ml当たりの1市販投与量を含んだ。
きめの粗いスプレーによるワクチン予防群1のためのワクチン希釈物、Poulvac(登録商標)IBプライマーを復元し、次いで2.2リットルの脱塩水中にさらに希釈した。最終希釈物は0.5ml当たり1市販投与量を含んだ。
【0112】
IBDに対するワクチン予防グループ2のための飲料水中のワクチン希釈物。
3バイアルのPoulvac(登録商標)Bursa Plusを復元し、次いでさらに飲料水中に希釈した。
AtomistスプレーによるNDに対するワクチン予防グループ1および2のためのワクチン希釈物。Poulvac(登録商標)NDW、バッチBL03200を復元し、次いで最終希釈物が0.5ml当たり1市販投与量を含むまで、脱塩水にさらに希釈した。
【0113】
Pronk, Meppel, The Netherlandsから得たブロイラー製造のために飼育したCobbの14895個の市販の卵を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandsの試験農場のMUK-5/6にある1インキュベーター中に入れた。全卵をインキュベーションの17日後に明かりにすかして調べた。非受精卵または死んだ胚を含む卵は除いた。
グループ1と指定した6001個の卵を、インキュベーションの18日後、卵当たり1投与量のPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVO を含んでいる0.05mlの希釈物にて、Embrex Inovoject卵注射器を製造業者の指示に従い用いて予防接種した。グループ2と指定する6028個の卵は予防接種せずに置いた。
【0114】
予防接種(グループ1)および非予防接種(グループ2)卵を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandsの試験農場にあるインキュベーター1および4それぞれの中での孵化まで、さらにインキュベートした(回転はさせない)。孵化後、4452羽(予防接種、グループ1)および5248羽(非予防接種、グループ2)の雛をそれぞれ試験に含めた。雛を、Fort Dodge AHH, Muiden, The Netherlandの試験農場の同じ家畜小屋にある動物施設中の木くず上にてグループ飼育した。グループ1の雛はMUL−Lにて飼育し、次いでグループ2の雛はMUL−R中で飼育した。全雛に市販のブロイラーペレットを無制限に給餌し、そしてベルドリンカーにて提供される飲料水を自由に利用できるようにした。
【0115】
ワクチン予防スケジュールを表22に示す。1日齡にて、グループ1の雛をPoulvac(登録商標)IBプライマーにてワクチン予防した。1市販投与量をガーデンスプレイヤー(Gardena)を雛あたり0.5ml用いてきめの粗いスプレーにより投与した。1日齡にて、グループ2の雛をPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)NDWおよびPoulvac(登録商標)IBプライマーにてワクチン予防した。各ワクチンの1市販投与量を、グループ1のように雛当たり0.5mlの1容積にてきめの粗いスプレーにより投与した。きめの粗いスプレーによるワクチン予防前、雛をニワトリ箱に入れ、そしてその中に、ワクチン予防後3時間まで放置した。
【0116】
全雛をPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyo、雛当たり1市販投与量を1日齡にてワクチン予防した。ワクチンは太腿に、Pullet Injection Gun(Veterinary Supplies, Mijdrecht, The Netherlands)を0.5mlのプリセット容積にて用いて適用した。
【0117】
グループ2の雛をPoulvac(登録商標)Bursa Plusで、2週齡の雛当たり、飲料水中1市販投与量にてワクチン予防した。ワクチンは2時間以内に消費される若干の水に分散させた。ニワトリから2時間の間、飲料水を奪い、その後、ワクチンを投与した。
【0118】
全雛を、Poulvac(登録商標)NDWにて4週齡にてワクチン予防した。雛当たり0.5ml中1市販投与量を噴霧器により適用した。
【0119】
【表29】
【0120】
血液サンプルを1日齡にて断頭後、各グループの30羽の雛から採取した。各グループの10羽の雛のサンプルを、AHSにての血清学的試験のために用いた。各グループの10羽の他の雛のサンプルを、Central Veterinary Laboratory, Weybridge, UK (CVL)にての血清学的試験のために用いた。残る10サンプルを、BCにての血清学的試験のために用いた。血液サンプルを、2、3、4、5および6週齡のグループにつき24羽の最大数までの雛の翼状部静脈から回収した。
【0121】
ND、IB M41およびIB D274抗原に対する抗体力価をHI試験を用いて測定した。HI試験の検出限界は、ND抗原に関して2logHI力価=1.0に、およびIB抗原に関して2logHI力価値=3.0に対応する。幾何学的平均HI力価を算定した。TRTおよびIBDウイルスの抗体力価を、ELISA法(IDEXX)を製造業者の指示に従い用いて測定し、そして平均力価を算定した。これらの試験はAHSにて行った。
【0122】
ND、IB、TRTおよびIBDウイルスに対するELISA法を用いる抗体力価測定を、BCにより行った。1159および834またはそれ以上の、NDおよびIBウイルスに対するELISA抗体力価はそれぞれポジティブとみなす。ND(396またはそれ以上にてポジティブとみなす)およびIBウイルスに対する抗体力価を、IDEXX試験キットを用いてさらに測定した。平均力価を、BC99ソフトウェアを用いて算定した。
【0123】
AHSおよびCLVにて得られた結果を統計学的に分析した。2のグループをスチューデントの2側面t試験を用いて抗体力価に関して比較した。IBD、TRTおよびMDに対するELISA抗体力価を、分析前にlog変換した(log[x+1]。MD測定値>1600およびneg.を算定にてそれぞれ1600および25にそれぞれ置き換えた。P<0.05の確率を、統計学的に有意な差と見なした。
【0124】
結果:ND、IB、IBDおよびTRT抗原に対する、AHSおよびBCにより測定された平均抗体力価を表23および24に示す。
【0125】
【表30】
【0126】
【表31】
【0127】
特異的蛍光を示している平均血清希釈を表している、MDウイルスに対する平均FAT力価を表25に示す。統計学的に有意なより高いFAT力価が、2、3、および4週齡のグループ2において認められ、より若い歳の鳥においてより高い免疫反応を示している。
【0128】
【表32】
【0129】
実施例5−考察
両グループの雛は、ND、IB、IBD、TRTおよびMDウイルスに対してMAを有した。NDおよびIBに対する血清反応が、1日齡でのワクチン予防後に観察された。これらの抗原に対する力価の増加は、両グループにおいて正常の範囲内であった。Poulvac(登録商標)NDWでの第2のワクチン予防により、両グループにおいて血清反応が誘導された。両グループは、IBD、TRTおよびMDウイルスに対する抗体力価を増加させた。
【0130】
多くの場合において、グループ間で抗体力価に関して一定の差が認められた。NDに対する抗体力価は、6週齡におけるものを除く全ての場合においてグループ1(予防接種された卵から孵化した雛)においてより高かった。TRTに対する抗体力価も、全場合においてグループ1において高く、これらの差は6週齡での差を除いて統計学的に有意であった。MDに対する血清反応はグループ1において幾分緩慢であったが、5週齡にてグループ2と同じレベルに達した。IBおよびIBD抗原に対する平均的な抗体力価に関してグループ間に明白な差は認められなかった。ほとんどの場合に、BCにてなされた力価測定の結果は、AHSにて得られたものと同じパターンに従い、IBDおよびTRTに対するELISA力価に関してより高い値を有した。IBDに対する血清反応は3週齡におけるBC試験により示され、これは、IDEXX試験にてそれが示された1週前である。BC ELISA試験は、HI法よりもNDに対する平均抗体力価を測定するのに、より感受性があるようである。BC ELISA試験は、3週齡から、HI法よりもIBウイルスに対してより著しい反応を示した。
【0131】
1日齡でのPulvac IBプライマーおよびPoulvac(登録商標)HVTでのワクチン予防を後に行う、インキュベーション18日後のPoulvac(登録商標)TRT、Poulvac(登録商標)Ovoline NDおよびBursamune IN OVOの1市販投与量を用いた、ブロイラー産生用市販卵のインオボワクチン予防は、生存1日目におけるPoulvac TRT、Poulvac(登録商標)NDW、Poulvac(登録商標)IBプライマーおよびPoulvac(登録商標)Marek HVT Iyoの市販投与量での、および2週齡でのPoulvac(登録商標)Bursa Plusでの孵化した雛のワクチン予防と有効性に関して矛盾がない。
【0132】
BC ELISA試験キットは、ND、IB、IBDおよびTRTウイルス抗原の抗体力価レベルを測定するのに、ND、IB M41およびIB D274に対するHI試験、またはIBDもしくはTRTに対するIDEXX試験キットに比べて好ましいと考えられる。
表26〜35は、更なる抗体力価の結果を提供するものである。
【0133】
【表33】
【0134】
【表34】
【0135】
【表35】
【0136】
【表36】
【0137】
【表37】
【0138】
【表38】
【0139】
【表39】
【0140】
【表40】
【0141】
【表41】
【0142】
【表42】
【0143】
本発明を前にかなり詳細に記載したが、出願人は、前記の教示を引用しつつ、しかし、いかなる特定の開示された具体例にも制限されずに、そしていかなる場合にも本出願の意図および範囲に矛盾することなく、本明細書中に記載する請求項により規定および決定されるごとくに可能な特許保護の全範囲を希望する。
Claims (22)
- 約103 . 2TCID50/卵〜約104 . 5TCDI50/卵の範囲にある、免疫原的有効量の七面鳥鼻気管炎ウイルスの生弱毒化株を含むワクチンを、鳥類宿主の胚を含有する受精卵にインオボにて投与することを含むTRTおよび/またはTRTもしくはSHS関連呼吸困難から鳥類を保護する方法であって、該ワクチンをインキュベーション第24日またはそれ以前に投与するところの方法。
- 免疫原的有効量が、約0.05〜0.1ml/卵の適当なビヒクルにて投与されるものである、請求項1記載の方法。
- 免疫原的有効量が約103 . 2TCID50/卵である、請求項2記載の方法。
- 免疫原的有効量が約104 . 2TCID50/卵である、請求項2記載の方法。
- 鳥類の宿主が七面鳥またはニワトリの胚である、請求項1記載の方法。
- 投与を、インキュベーション第18日(ニワトリ)あたりまたはインキュベーション第24日(七面鳥)あたりで行う、請求項5記載の方法。
- 鳥類の宿主が七面鳥の胚またはニワトリの胚である、請求項3記載の方法。
- 鳥類の宿主が七面鳥の胚である、請求項7記載の方法。
- 鳥類の宿主がニワトリの胚である、請求項7記載の方法。
- 七面鳥の鼻気管炎ウイルス毒性株への暴露から七面鳥およびニワトリを保護する方法であって、卵1個当たり、免疫原的有効量の生弱毒化株の七面鳥鼻気管炎ウイルスを含むワクチンを受精卵にインオボにて投与し、その投与が孵化する卵の百分率を約2%未満で減少させることを含む方法。
- 免疫原的有効量が約103 . 2TCID50/卵〜約104 . 2TCID50/卵の範囲内である、請求項10記載の方法。
- 毒性七面鳥鼻気管炎ウイルスに対する暴露から七面鳥および/またはニワトリを保護するための、卵1個当たり、約103 . 2TCID50/卵〜約104 . 2TCID50/卵の免疫原的有効量にて七面鳥鼻気管炎ウイルスの生減毒化株を含む緩衝溶液を含んでいるところのインオボワクチン。
- 免疫原的有効量が、毒性七面鳥鼻気管炎ウイルスに対する七面鳥および/またはニワトリのその後の孵化後の暴露に対して有効であり、および、インキュベーション期間終了と同時に孵化するインオボワクチン予防七面鳥および/またはニワトリ卵の百分率に実質上の低下を生じない、請求項11記載のワクチン。
- 免疫原的有効量が約104 . 2TCID50である、請求項13記載のワクチン。
- 七面鳥の鼻気管炎に対して家禽を予防接種するための方法であって、医薬上許容されるキャリア中約103 . 2TCID50/卵〜約104 . 2TCID50/卵の範囲内の、TRTウイルスの生減毒化株の免疫原的有効量をインオボ投与することを含む方法。
- TRTと共に、ニューカッスル病ワクチンおよび伝染性気管支炎ワクチンから成る群から選択される少なくとも一つの他のワクチンを投与することをさらに含む、請求項15記載の方法。
- 伝染性気管支炎ワクチンおよびマレック病ワクチンから成る群から選択される少なくとも一つの他のワクチンを投与することをさらに含む請求項16記載の方法であって、該ワクチンをインオボ後に投与するものであるところの方法。
- インオボ後のワクチンが約1日齡にて投与されるものである、請求項17記載の方法。
- 孵化する卵の数に実質上の低下を生じない、請求項15記載の方法。
- 孵化する卵の百分率に約5%未満の低下を生じる、請求項15記載の方法。
- 孵化する卵の百分率に約1%未満の低下を生じる、請求項20記載の方法。
- 減毒化したTRTV抗原のインオボワクチンを処方すること、次いで該ワクチンを、約0.05〜0.1mL/卵のビヒクル内約103 . 2〜約104 . 5/卵の範囲にてTCID50を提供するように投与することを含む、TRTVに対して高まった力価を提供する方法。
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