JP2004536159A - 製油所の輸送機関用燃料のための混合成分の一体化調製 - Google Patents

製油所の輸送機関用燃料のための混合成分の一体化調製 Download PDF

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    • C10G27/00Refining of hydrocarbon oils in the absence of hydrogen, by oxidation
    • C10G27/04Refining of hydrocarbon oils in the absence of hydrogen, by oxidation with oxygen or compounds generating oxygen

Abstract

有機化合物の混合物を含んでなる製油所の供給原料の、選択的酸化による、周囲条件では液体である輸送機関用燃料の製油所における混合のための成分の製造のための経済的な方法が開示される。有機化合物は、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体を実質的にハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を含まないように維持しながら二原子酸素により酸化されて、炭化水素、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成する。不混和性相の混合物は、重力によって分離されて、少なくとも一つの低密度の第1の有機液体及び少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体が回収される。好都合には、有機液体は、重炭酸ナトリウム溶液又は中和及び/又は酸性副産物の除去が可能な他の可溶性化学塩基の水溶液で洗浄され、そして酸素化された生成物が回収される。
【選択図】図1

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、天然の石油から誘導される輸送機関のための燃料、特に周囲条件では液体である輸送機関用燃料の製油所における混合のための成分を製造する方法に関する。更に特定的には、本発明は、適切な石油留出油中の有機化合物の選択的酸素化を含む一体化方法に関する。有機化合物は、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら二原子酸素によって酸素化して、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成する。不混和性相の混合物は、重力分離されて、少なくとも一つの低密度の第1の有機液体及び少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体が回収される。好都合には、有機液体は、重炭酸ナトリウム溶液又は中和及び/又は酸化の酸性副産物の除去が可能な他の可溶性化学塩基の水溶液で洗浄され、そして酸素化された生成物が回収される。生成物は、混合成分として直接使用することができ、或いは更なる蒸留によるなどして分留して、例えばディーゼル燃料に混合するために更に適した成分を得ることができる。本発明の一体化方法は、更に酸素化の供給原料のそれ自体の供給源を、水素化処理された留出油の低沸点留分として得ることができる。有益なことに、一体化方法は、高沸点留分の選択的酸化を含み、これによって炭化水素、硫黄含有有機化合物及び/又は窒素含有有機化合物への酸素の組み込みは、硫黄及び/又は窒素の除去を酸化によって援助する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関が、19世紀の最後の10年の間のその発明に続いて、輸送機関に革命を起こしたことは公知である。Benz及びGottleib Wilhelm Daimlerを含む他の者は、ガソリンのような燃料の電気点火を使用したエンジンを発明し、そして開発したが、Rudolf C.K.Dieselは、低価格の有機燃料を使用するために、燃料の自己点火のための圧縮を使用した、彼の名前を冠したエンジンを発明し、そして製造した。輸送機関で使用するための改良されたディーゼルエンジンの開発は、ディーゼル燃料の組成の改良との関連で進行した。近代の高性能ディーゼルエンジンは、なお更に進歩した燃料組成の規格を要求するが、しかし価格は重要な考慮事項として残る。
【0003】
現時点では殆どの輸送機関の燃料は天然の石油から誘導される。実際に、石油は、なお燃料及び石油化学の供給原料として使用される炭化水素の世界的に主たる供給源である。天然の石油又は原油の組成は、有意に変化し、全ての原油は硫黄化合物を含有し、そして殆どは窒素化合物を含有する一方、これは更に酸素を含有するが、しかし、殆どの原油の酸素含有率は低い。一般的に、原油の硫黄濃度は約8パーセントより低く、殆どの原油は、約0.5ないし約1.5パーセントの範囲の硫黄濃度を有する。窒素濃度は通常0.2パーセントより少ないが、しかし1.6パーセントのように高いこともある。
【0004】
原油は、まれに井戸から生産された形態で使用されるが、しかし石油製油所で広範囲の燃料及び石油化学供給原料に転換される。典型的には輸送機関用燃料は、原油からの蒸留された留分の加工及び混合によって製造されて、特定の最終使用規格に合致される。今日大量に入手可能な殆どの原油は、高硫黄であるため、蒸留された留分は、性能規格及び/又は環境基準に合致する生成物を得るために脱硫されなければならない。燃料中の硫黄含有有機化合物は、環境汚染の主たる発生源であり続ける。燃焼中にこれらは、二酸化硫黄に転換され、これは次に硫黄オキシ酸となり、そして更に粒子放出にも寄与する。
【0005】
最近でさえ、慣用的な燃料の高性能ディーゼルエンジンにおける燃焼は、排気中に煙を生じる。酸化された化合物並びにメタノール及びジメチルエーテルのような炭素−炭素化学結合を僅かに含有する又は含有しない化合物は、煙及びエンジン排気放出を減少することが知られている。然しながら、殆どのこのような化合物は高い蒸気圧を有し及び/又はディーゼル燃料中に殆ど不溶であり、そしてこれらは、そのセタン価によって示されるように不良な点火品質を有する。更に、その硫黄及び芳香族含有率を減少するための化学的水素化によるディーゼル燃料の改良の他の方法は、更に燃料の潤滑性の減少を起こす。低潤滑性のディーゼル燃料は、燃料噴射装置及び高圧下で燃料と接触する他の可動部分の過度な磨耗を起こすかもしれない。
【0006】
圧縮点火式内燃機関(ディーゼルエンジン)に使用するための燃料又は燃料の混合成分のために使用される蒸留された留分は、通常約1ないし3重量パーセントの硫黄を含有する中間留出油である。過去において、ディーゼル燃料の典型的な規格は、最大0.5重量パーセントであった。1993年までに、ヨーロッパ及び米国の規制は、ディーゼル燃料中の硫黄を0.3重量パーセントに規制した。1996年までにヨーロッパ及び米国において、そして1997年までに日本において、ディーゼル燃料中の最大硫黄は、0.05重量パーセント未満まで減少された。この世界的傾向は、更に低い硫黄の水準にさえ続くと予想しなければならない。
【0007】
一つの側面において、カリフォルニア及び連邦市場の審議中の新しい放出規制の導入は、接触排気処理に対する有意な興味を促している。ディーゼルエンジン、特に重荷重ディーゼルエンジンに対する接触排気抑制を適用する挑戦は、二つの要素のために火花点火式内燃機関(ガソリンエンジン)とは有意に異なっている。第1に、慣用的なTWC触媒は、ディーゼルエンジンからのNOx放出を除去することにおいて無効であり、そして第2に、粒子の抑制の必要性は、ガソリンエンジンより有意に高い。
【0008】
いくつかの排気処理技術が、ディーゼルエンジンの放出の抑制のために出現し、そして全ての分野において燃料中の硫黄の水準が技術の効率に影響する。硫黄は、接触活性を減少する触媒毒である。更に、ディーゼルの放出の接触的抑制の状況において、高い燃料硫黄は、硫黄の接触酸化及び硫酸ミストを形成する水との反応のために、更に粒子の放出の第2の問題を作り出す。このミストは、粒子放出の一部として収集される。
【0009】
圧縮点火エンジンの放出は、燃焼を開始するために使用される異なった方法のために、火花点火エンジンのものとは異なる。圧縮点火は、非常に希薄な空気/燃料混合物中の燃料液滴の燃焼を必要とする。燃焼過程は、小さい炭素の粒子を後に残し、そしてガソリンエンジンで存在するより有意に高い粒子の放出に導く。希薄な操作のために、CO及びガス状炭化水素の放出はガソリンエンジンより有意に低い。然しながら、相当な量の未燃焼の炭化水素が炭素粒子に吸着される。これらの炭化水素は、SOF(可溶性有機画分)と呼ばれる。従って、ディーゼル放出に対する健康問題の根源は、毒性の炭化水素を含有するこれらの非常に小さい炭素粒子を肺の奥深くまで吸入することであると考えることができる。
【0010】
燃焼温度の増加は粒子を減少することができるが、これは、公知のZeldovitch機構によってNOx放出を増加させる。従って、放出規制に合致させるために、粒子及びNOx放出を天秤に掛けることが必要となる。
【0011】
入手可能な証拠は、超低硫黄の燃料が、放出を抑制するためのディーゼル排気の接触的処理を可能とする有意な技術であることを強く示唆している。15ppmより低い燃料の硫黄水準が、0.01g/bhp−hrより低い粒子水準を達成するために必要であるように見受けられる。このような水準は、概略0.5g/bhp−hrのNOx放出を達成する能力を示す現出の排気処理に対する触媒の組み合わせと非常に親和性があるものである。NOx捕獲系は、燃料の硫黄に極度に感受性であり、そして入手可能な証拠は、活性なままであるためには10ppmより低い硫黄水準を必要とするものであることを示唆している。
【0012】
輸送機関用燃料のこれまでにない厳格な硫黄の規格に直面して、石油供給原料及び生成物からの硫黄の除去は、将来漸進的に重要となるものである。ディーゼル燃料中の硫黄に対するヨーロッパ、日本及び米国の規制は、最近規格を0.05重量パーセント(最大)まで低下したが、将来の規格は現在の0.05重量パーセントの水準より更に下回る兆候がある。
【0013】
慣用的な水素化脱硫(HDS)触媒は、製油所の輸送機関用燃料の混合のための石油留出油から硫黄の大部分を除去するために使用することができるが、しかしこれらは、硫黄原子が、多環式芳香族硫黄化合物のように立体障害されている化合物からの硫黄の除去に対して活性ではない。これは、硫黄ヘテロ原子が二重に障害されている(例えば、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン)場合、特に言えることである。慣用的な水素化脱硫触媒を高温で使用することは、収率の損失、より早い触媒のコークス蓄積、及び生成物の劣化(例えば色相)を起こすものである。高圧を使用することは、多額の投資を必要とする。
【0014】
将来のより厳しい規格に合致させるために、このような立体障害された硫黄化合物も更に留出油供給原料及び生成物から除去されなければならないものである。留出油及び他の炭化水素生成物からの硫黄の経済的な除去に対する緊急な必要性が存在する。
【0015】
技術は、留出油供給原料及び生成物から硫黄を除去すると言われる方法で充満している。一つの既知の方法は、非常に高沸点の炭化水素物質より上で沸騰する物質の少なくとも大部分を含有する石油留分(約288℃(550°F)より上で沸騰する物質の少なくとも大部分を含有する石油留分)の酸化、それに続く酸化された化合物を含有する流出物の、硫化水素を形成するための高温(260℃ないし約730℃(500°Fないし1350°F))における処理及び/又は炭化水素物質の硫黄含有率を減少するための水素化加工を含む。例えばJin Sun Yooの名義の米国特許3,847,798号及びVinsent A.Duranteの名義の米国特許第5,288,390号を参照されたい。このような方法は、むしろ低い程度の脱硫のみが達成されるために、制約された用途のみであることが証明されている。更に、これらの方法の実施中の分解及び/又はコークス形成のために、価値ある生成物の実質的な損失を起こすことができる。従って、脱硫の程度が増加し、一方、分解及びコークス形成が減少する方法を開発することが好都合である。
【0016】
過去において、燃料を改良するためのいくつかの異なった酸素化法が記載されている。例えば、米国特許第2,521,698号は、セタン価を改良するものとして炭化水素燃料の部分酸化を記載している。この特許は、燃料が比較的低い芳香族環含有率及び高いパラフィン含有率を有しなければならないことを示唆している。米国特許第2,912,313号は、ペルオキシド及びジハロ化合物の両方を中間留出油燃料に加えることによってセタン価の増加が得られることを記述している。米国特許第2,472,152号は、中間留出油留分のセタン価を、このような留分の飽和環式炭化水素又はナフテン系炭化水素を酸化してナフテン系ペルオキシドを形成することによって改良するための方法を記載している。この特許は、酸化が開始剤としての油溶性金属塩の存在中で促進することができるが、しかし好ましくは無機塩基の存在中で行うことを示唆している。然しながら、形成されたナフテン系ペルオキシドは、有害なガム形成開始剤である。従って、フェノール、クレゾール及びクレゾール酸のようなガム防止剤を酸化された物質に加えて、ガムの形成を減少又は防止しなければならない。これらの後者の化合物は、毒性であり、そして発癌性である。
【0017】
Chaya Venkat及びDennnis E.Walshの名義による米国特許第4,494,961号は、低水素含有率を有する粗製の、未処理の、高度に芳香族質の中間留出留分を、50℃ないし350℃の温度で、そして(i)アルカリ土類金属過マンガン酸塩、(ii)周期表のIB、IIB、IIIB、IVB、VB、VIB、VIIB又はVIIIB族の金属の酸化物、又は(i)及び(ii)の混合物のいずれかである触媒の存在中の穏和な酸化条件下で接触させることにより、該留分のセタン価を改良することに関する。欧州特許出願0 252 606 A2は、更に中間留出油燃料留分のセタン価を改良することに関し、これは、留分を酸素又は酸化剤と、スズ、アンチモン、鉛、ビスマス並びに周期表のIB、IIB、VB、VIB、VIIB及びVIIIB族の遷移金属のような触媒性金属の、好ましくは油溶性塩としての存在中で接触させることによって水素化精製することができる。この出願は、触媒が燃料中のベンジルの炭素原子をケトンに選択的に酸化することを記述している。
【0018】
最近になって、William F.Taylorの名義の、米国特許第4,723,963号は、160℃ないし400℃の範囲で沸騰する中間留出油炭化水素燃料中に、少なくとも3重量パーセントの酸素化された芳香族化合物を含めることによって、セタン価が改良されることを示唆している。この特許は、酸素化されたアルキル化芳香族及び/又は酸素化された水素化芳香族が、好ましくはベンジルの炭素のプロトンにおいて酸素化されることを記述している。
【0019】
更に最近になって、リンタングステン酸によって触媒され、そして塩化トリ−n−オクチルメチルアンモニウムを相転移試薬とする過酸化水素水溶液との反応、それに続く酸化された硫黄化合物のシリカによる吸着による中間留出油の酸化的脱硫が、Collinset al.(Journal of Molecular Catalysis(A):Chemical 117(1997)397−403)によって記載されている。Collins等は、水素化処理されていない冬季級ディーゼル油の酸化的脱硫を記載した。Collins等は、水素化脱硫に対して耐性な硫黄種が、酸化的脱硫に対して感受性であるべきであることを示唆しているが、水素化脱硫されたディーゼル中のこのような耐性の硫黄成分の濃度は、Collins等によって処理されたディーゼル油と比較してすでに相対的に少ないものであることができる。
【0020】
Bruce R.Cook、Paul J.Berlowitz及びRobert J.Wittenbrinkの名義の米国特許第5,814,109号は、特にフィッシャー−トロプシュ炭化水素合成法、好ましくは非シフト法によりディーゼル燃料添加剤を製造することに関する。添加剤の製造において、これらのフィッシャー−トロプシュ法の本質的に硫黄を含まない生成物は、高沸点留分及び低沸点留分、例えば約370℃(700°F)より下で沸騰する留分に分離される。フィッシャー−トロプシュ反応生成物の高沸点部は、高沸点留分を、約370℃(700°F)より下で沸騰するパラフィン及びイソパラフィンの混合物に転換するために充分であると言われる条件で、水素化異性化される。この混合物は、フィッシャー−トロプシュ反応性生物の低沸点部と混合されて、中間留出油、ディーゼル燃料のセタン価又は潤滑性、或いはセタン価及び潤滑性の両方を改良するために有用であると言われるディーゼル添加物が回収される。
【0021】
Robert J.Wittenbrink、Darryl P.Klein、Michele S Touvelle、Michel Daage及びPaul J.Berlowitzの名義の米国特許第6,087,544号は、留出油の供給流を処理して、留出油流より低い硫黄の水準を有する留出油燃料を製造することに関する。このような燃料は、留出油の供給流を、約50ないし100ppmの硫黄のみを含有する軽質留分、及び重質留分に分留することによって製造される。軽質留分は、水素化処理されて、その中の硫黄の実質的に全てを除去される。次いで脱硫された軽質留分は、重質留分の半分と混合されて、低硫黄の留出油燃料が製造され、例えば85重量パーセントの脱硫された軽質留分及び15重量パーセントの未処理の重質留分は、硫黄の水準を663ppmから310ppmに減少した。然しながら、この低硫黄の水準を得るために、留出油の供給流の約85パーセントのみが、低硫黄留出油燃料の生成物として回収される。
【0022】
従って、中間留出油炭化水素燃料中の酸素化された芳香族化合物を調製するための接触法、特に上記の不利益を有しない方法に対する現時点の必要性が存在する。改良された方法は、適切な酸素化促進触媒系、好ましくは有機化合物の混合物への酸素の組み込みを向上する、及び/又は周囲条件で液体の製油所の輸送機関用燃料の混合成分として適した有機化合物の混合物から、酸化によって硫黄又は窒素の除去を援助することが可能な酸素化触媒を使用して、液相で好都合に行われなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
本発明は、環境に優しい輸送機関用燃料の製油所における混合のための成分を提供するために、先に記載した問題を克服することを指向する。
【課題を解決するための手段】
【0024】
[発明の概要]
適切な石油留出油、好ましくは水素化処理された留出油中の有機化合物の選択的酸素化を含む一体化方法による、輸送機関用燃料の製油所における混合のための成分の製造のための経済的方法が提供される。本発明の一体化方法は、好都合には更に酸素化の供給原料のそれ自体の供給源を、水素化処理された留出油の低沸点留分として与える。有益には、一体化方法は、高沸点留分の選択的酸化を含み、これにより炭化水素、硫黄含有有機及び/又は窒素含有有機化合物への酸素の組み込みは、酸化によって硫黄及び/又は窒素の除去を援助する。
【0025】
本発明は、各種の炭化水素物質、特に硫黄を含有する石油由来の炭化水素油の処理を企図する。一般的に、油中の硫黄含有率は1パーセントを越える。
本発明の一つの側面は、製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分の製造のための方法を提供し、この方法は:天然の石油から誘導される有機化合物の混合物を含んでなる有機供給原料を用意し、前記混合物は、約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有し;分子状酸素(二原子酸素)のガス状供給源を、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら前記有機供給原料と接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;そして不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離することを含んでなる。
【0026】
一つの側面において、本発明は、有機供給原料が硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を含んでなり、これらの一つ又はそれより多くが液体反応媒体中で酸化される方法を提供する。好都合には、第2の分離された液体は、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の少なくとも一部を含有する水溶液である。
【0027】
有益には、本発明による方法は、更に、分離された有機液体を中和剤と接触させ、そして低い含有率の酸性副産物を有する生成物を回収することを含んでなる。
本発明の方法は、好都合には酸化の供給原料の接触水素化処理を含んで、硫化水素を形成し、これはガスとして、固体収着剤上に収集され、及び/又は水性液体で洗浄して液体供給原料から分離することができる。本発明の好ましい側面において、有機供給原料の全て又は少なくとも一部は、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油のための水素化処理法の生成物であり、この水素化処理法は、石油留出油を水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の除去を水素化によって援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む。
【0028】
もう一つの側面において、本発明は、有機化合物の選択的酸素化のための方法を提供し、ここにおいて有機供給原料の全て又は少なくとも一部は、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油のための水素化処理法の生成物である。水素化処理法は、石油留出油を水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の水素化による除去を援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む。一般的に、有用な水素添加触媒は、周期表のd−遷移元素からなる群から選択され、それぞれが不活性担体上に全触媒の約0.1パーセントないし約30重量パーセントの量で組み込まれた、少なくとも一つの活性金属を含んでなる。適切な活性金属は、原子番号21ないし30、39ないし48、及び72ないし78を有する周期表元素のd−遷移元素を含む。
【0029】
水素添加触媒は、有益には金属の組み合わせを含有する。好ましいものは、コバルト、ニッケル、モリブデン及びタングステンからなる群から選択される少なくとも二つの金属を含有する水素添加触媒である。更に好ましくは、共存金属は、コバルト及びモリブデン又はニッケル及びモリブデンである。好都合には、水素添加触媒は、少なくとも二つの活性金属を含んでなり、それぞれがアルミナのような金属酸化物の担体上に全触媒の約0.1パーセントないし約20重量パーセントの量で組み込まれる。
【0030】
一つの側面において、本発明は、水素化処理法が、更に、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点液体、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点液体を得るための、蒸留による水素化処理された石油留出油の分割を含んでなり、そして有機供給原料は主として低沸点の液体である、製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分の製造のための方法を提供する。
【0031】
典型的には、本発明による有機化合物の選択的酸素化のために適した触媒系は、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される一つ又はそれより多い活性触媒金属を含む。有益には、分離された第2の液体から触媒系の少なくとも一部が回収され、そして回収された触媒系の全て又は一部は液体反応媒体中に注入される。
【0032】
本発明の一つの側面において、本発明による有機化合物の選択的酸素化のための触媒系は、約8個までの炭素原子を有する有機酸の塩の形態のマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなる。
【0033】
好ましくは、本発明による有機化合物の選択的酸素化のための触媒系は、以下の式:
M[RCOCH=C(O−)R’]x
によって表される化合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなり、ここでxは2又は3である。Mは、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ及びセリウムからなる群の一つ又はそれより多い一員であり、そして更に好ましくは、群は、マンガン、コバルト、又はセリウムからなる。R及びR’は、水素原子並びにメチル基、約20個までの炭素原子、そして更に好ましくは約10個までの炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群の同一又は異なった一員である。
【0034】
好都合には、本発明による有機化合物の選択的酸素化のための触媒系は、以下の式:
Mn[RCOCH=C(O−)R’]2
Co[RCOCH=C(O−)R’]2及び/又は
Ce[RCOCH=C(O−)R’]3
によって表される化合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなり、ここでR及びR’は、水素原子並びにメチル基、約20個までの炭素原子、そして更に好ましくは8個までの炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群の同一又は異なった一員である。最も好ましいものは、以下の式:
Mn[CH3COCH=C(O−)CH32
Co[CH3COCH=C(O−)CH32及び/又は
Ce[CH3COCH=C(O−)CH33
によって表される化合物の群から選択される金属触媒の供給源である。
【0035】
本発明のもう一つの側面において、製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分の製造のための方法が提供され、この方法は:天然の石油から誘導される有機化合物の混合物を含んでなる有機供給原料を、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点有機部分、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点有機部分を得るために蒸留によって分割し、前記混合物は約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有し;二原子酸素のガス状供給源を低沸点有機部分の少なくとも一部と、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの触媒金属の供給源を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも一部の触媒金属、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離し;そして分離された有機液体の全て又は一部を中和剤と接触させ、これによって低い含有率の酸性副産物を有する低沸点の酸素化された生成物を回収することを含んでなる。
【0036】
有益には、分離された有機液体の少なくとも一部を、化学塩基の水溶液と接触させ、そして回収した酸素化された生成物は、約20mgKOH/gより少ない全酸価を示す。回収された酸素化された生成物は、好都合には約10mgKOH/gより少ない全酸価を示す。更に好ましいものは、約5より少ない、そして最も好ましいものは約1より少ない全酸価を示す酸素化された生成物である。好ましくは、化学塩基は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態のナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選択される化合物である。
【0037】
本発明の一つの好ましい側面において、有機供給原料の全て又は一部は、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油のための水素化法の生成物であり、この水素化法は、石油留出油を、水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の除去を水素化によって援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む。
【0038】
もう一つの側面において、本発明は、製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分の製造のための一体化方法を提供し、この方法は:天然の石油から誘導される有機化合物の混合物を含んでなる有機供給原料を、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点有機部分、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点有機部分を得るために蒸留によって分割し、前記混合物は、約75℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になり;二原子酸素のガス状供給源を、低沸点有機部分の少なくとも一部と、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの触媒金属の供給源を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも一部の触媒金属、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離し;そして分離された有機液体の全て又は一部を中和剤と接触させ、そして低い含有率の酸性副産物を有する低沸点の酸素化された生成物を回収することを含んでなる。一体化方法は、高沸点有機部分を、少なくとも一つの有機過酸又は有機過酸の前駆体を含んでなる不混和性相と、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液体酸化反応混合物中で、そして一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化のために適した条件下で接触させ;不混和性過酸含有相の少なくとも一部を反応混合物の酸化された相から分離し;そして反応混合物の酸化された相を、固体の収着剤、イオン交換樹脂、及び/又は溶媒或いは可溶性の塩基性化学化合物を含有する適切な不混和性液体と接触させて、高沸点留分より少ない硫黄及び/又はより少ない窒素を含有する高沸点生成物を得ることを含む。
【0039】
一般的に本発明において使用するために、不混和性相は、過酸化水素及び/又はアルキルヒドロペルオキシドの供給源、2ないし約6個の炭素原子の脂肪族モノカルボン酸、及び水を混合することによって形成される。好都合には、不混和性相は、過酸化水素、酢酸、及び水を混合することによって形成される。好都合には、分離された過酸含有相の少なくとも一部は、反応混合物に循環される。好ましくは、酸化の条件は、約25℃から上約250℃までの範囲の温度及び反応混合物を実質的に液相に維持するために充分な圧力を含む。
【0040】
酸化の供給原料中の硫黄含有有機化合物は、例えば多環式芳香族硫黄化合物のような、硫黄原子が立体障害されている化合物を含む。典型的には、硫黄含有有機化合物は、少なくとも硫化物、複素環式芳香族硫化物、及び/又は置換されたベンゾチオフェン類及びジベンゾチオフェン類からなる群から選択される化合物を含む。
【0041】
有益には、本発明の酸化法は非常に選択的であり、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液相反応混合物中の選択された有機過酸が、芳香族炭化水素より、硫黄原子が立体障害されている化合物を選択的に酸化する。
【0042】
本発明によれば、適した留出油留分は、好ましくは選択的に酸化される前に水素化脱硫され、そして更に好ましくは少なくとも一つの低沸点留分及び一つの高沸点留分の流出物を与えることが可能な装置が使用される。
【0043】
本発明は、酸化の供給原料の全て又は少なくとも一部が、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油の水素化法の生成物である方法を提供する。好ましくは石油留出油は、約150℃ないし約400℃間で沸騰する、そして更に好ましくは約175℃ないし約375℃間で沸騰する物質から本質的になる。本発明の更なる側面によれば、水素化法は、石油留出油を水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の水素化による除去を援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む。
【0044】
好都合には、水素添加触媒は、少なくとも一つの活性金属を含んでなり、それぞれは、全触媒の約0.1パーセントないし約2.0重量パーセントの量で不活性担体上に組み込まれる。好ましくは、活性金属はパラジウム及び白金からなる群から選択され、及び/又は担体はモルデナイトである。
【0045】
本発明の更なる側面によれば、水素化法は、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点液体、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点液体を得るための、蒸留による水素化処理された石油留出油の分割を含む。好都合には、酸素化の供給原料は、本質的に高沸点留分からなる。典型的には、本発明の一体化方法は、更に低沸点留分の少なくとも一部を酸を含まない生成物と混合して、環境に優しい輸送機関用燃料の製油所における混合のための成分を得ることを含んでなる。
【0046】
酸化の供給原料が製油所ストリームの水素化から誘導される高沸点流出油留分である場合、製油所ストリームは、約200℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる。好ましくは製油所ストリームは、約250℃ないし約400℃間で沸騰する物質、そして更に好ましくは約275℃ないし約375℃間で沸騰する物質から本質的になる。
【0047】
本発明の他の側面において、酸化の供給原料及び不混和性相の接触の工程が、二相の向流、十字流、又は並流の流れで連続的に行われる連続法が提供される。
酸化の供給原料が製油所ストリームの水素化から誘導される高沸点流出油留分である場合、製油所ストリームは、約200℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる。好ましくは製油所ストリームは、約250℃ないし約400℃間で沸騰する物質、そして更に好ましくは約275℃ないし約375℃間で沸騰する物質から本質的になる。
【0048】
好ましくは、不混和性の過酸含有相は、水、酢酸の供給源、及び過酸化水素の供給源を、及び過酸化水素の各モルに対して少なくとも1モルの酢酸を与える量を混合することによって形成される水性液体である。有益には、分離された過酸含有相の少なくとも一部は、反応混合物に循環される。
【0049】
本発明のもう一つの側面において、回収された有機相の処理は、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態のナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選択される、可溶性塩基性化学化合物の水溶液を含んでなる少なくとも一つの不混和性液体の使用を含む。特に有用なものは、水酸化又は重炭酸ナトリウムの水溶液である。
【0050】
本発明の一つの側面において、回収された有機相の処理は、アルミナを含んでなる少なくとも一つの固体収着剤の使用を含む。
本発明のもう一つの側面において、回収された有機相の処理は、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を選択的に抽出するために適した誘電率を有する溶媒を含んでなる少なくとも一つの不混和性液体の使用を含む。好都合には、溶媒は、約24ないし約80の範囲の誘電率を有する。有用な溶媒は、2ないし約6個の炭素原子の一価及び二価のアルコール、好ましくはメタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングルコール、ブチレングリコール及びこれらの水溶液を含む。特に有用なものは、溶媒が水、メタノール、エタノール及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含んでなる不混和性液体である。
【0051】
本発明のなおもう一つの側面において、可溶性塩基性化学化合物は、重炭酸ナトリウムであり、そして有機相の処理は、更に、メタノールを含んでなる少なくとも一つの他の不混和性液体のその後の使用を含んでなる。
【0052】
本発明の他の側面において、酸化の供給原料及び不混和性相の接触の工程が、二相の向流、十字流、又は並流の流れで連続的に行われる連続法が提供される。
本発明の一つの側面において、回収された反応混合物の有機相は、その後(i)イオン交換樹脂及び(ii)不均質収着剤と接触させられて、適した全酸価を有する生成物が得られる。
【0053】
本発明の更に完全な理解のために、付属する図面において非常に詳細に例示され、そして本発明の例として以下に説明される態様を参照されたい。
【0054】
[好ましい実施形態]
図面は、周囲条件で液体である輸送機関用燃料の混合のための成分の連続的製造のための本発明の好ましい側面を描写した略系統線図である。図1の略系統線図中の本発明の要素は、有機供給原料を、二原子酸素で、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら酸素化して、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成することを含む。不混和性相の混合物は、重力分離されて、少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体が回収される。有機液体は、重炭酸ナトリウム水溶液又は中和及び/又は酸化の酸性副産物の除去が可能な他の可溶性化学塩基の水溶液で洗浄され、そして酸素化された生成物が回収される。
【0055】
図2の略系統線図における本発明の要素は、石油留出油を二原子水素(分子状水素)で水素化処理し、そして水素化処理された石油を分留して、硫黄に乏しく単環芳香族に富む留分からなる低沸点混合成分、及び硫黄に富み単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点の酸化の供給原料を得ることを含む。この高沸点の酸化の供給原料は、少なくとも一つの有機過酸又は有機過酸の前駆体を含んでなる不混和性相と、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液体反応混合物中で、そして一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化のために適した条件下で接触させられる。その後、不混和性相は、重力分離されて、酸含有相の一部が循環のために回収される。反応混合物の他の部分は、固体の収着剤及び/又はイオン交換樹脂と接触させられて、酸化の供給原料より低い硫黄及び/又はより低い窒素を含有する有機生成物の混合物が回収される。
[一般的説明]
好都合には、本発明の触媒系は、元素、組み合わせ、又はイオンの形態の、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなる。触媒金属は、好ましくはマンガン、コバルト及びこれらの混合物からなる群から選択され、そして金属を使用することができる。
【0056】
好ましくは触媒金属の供給源は、式M[CH3COCH=C(O−)CH3xを有する化合物であり、ここでMは触媒金属であり、xは2又は3である。反応媒体が約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有する炭化水素の混合物である場合、触媒金属の好ましい供給源は、Co[CH3COCH=C(O−)CH32、Mn[CH3COCH=C(O−)CH32及びCe[CH3COCH=C(O−)CH32又はこれらの組み合わせである。反応媒体が少量の硫黄含有有機化合物を有する低沸点留分である場合、更に好ましい触媒金属の供給源は、Co[CH3COCH=C(O−)CH32である。
【0057】
適した供給原料は、一般的に周囲条件で液体である実質的に炭化水素化合物からなる殆どの製油所ストリームを含んでなる。適した酸化の供給原料は、一般的に約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)、好ましくは約10°API(約1.00)ないし約80°API(約0.67)、そして更に好ましくは最良の結果のために約15°API(約0.97)ないし約75°API(約0.68)の範囲のAPI比重を有する。これらのストリームは、制約されるものではないが、流動接触法ナフサ、流動又はディレイド法ナフサ、軽質直留ナフサ、水素化分解装置ナフサ、水素処理法ナフサ、アルキレート、異性化油、接触改質油、並びにベンゼン、トルエン、キシレン、及びこれらの混合物のようなこれらのストリームの芳香族誘導体を含む。接触改質油及び接触分解法ナフサは、しばしば軽質及び重質接触ナフサ、並びに軽質及び重質接触改質油のようなより狭い沸点範囲のストリームに分割することができ、本発明による供給原料として使用するために、特定的に誂えることができる。好ましいストリームは、軽質直留ナフサ、軽質及び重質接触分解装置ナフサを含む接触分解ナフサ、軽質及び重質接触改質油を含む接触改質油、並びにこのような製油所の炭化水素流の誘導体である。
【0058】
適した酸化の供給原料は、一般的に約50℃ないし約425℃、好ましくは150℃ないし約400℃、そして更に好ましくは最良の結果のために約175℃ないし約375℃間の範囲の温度で常圧で沸騰する製油所の留出油流を、含む。これらの流は、制約されるものではないが、直留軽質中間流出油、直留重質中間流出油、流動接触分解法軽質接触サイクル油、コーカー炉留出油、水素化分解装置留出油、並びにこれらの流の集合的に及び個別に水素化処理された態様を含む。好ましい流は、流動接触分解法軽質接触サイクル油、コーカー炉留出油、及び水素化分解装置留出油の集合的に及び個別に水素化処理された態様である。
【0059】
上記の留出油流の一つ又はそれ以上を酸化の供給原料として使用するために組合せることができることも更に予想される。多くの場合、各種の別の供給原料から得られる製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料のための混合成分の性能は、匹敵することができる。これらの場合、流れの容積的な入手の可能性、最も近い接続点の場所及び短期の経済性のような補給管理が、どの流れを使用するかに関して決定力があることができる。
【0060】
典型的には、石油留分中の硫黄化合物は、置換されたベンゾチオフェン類及びジベンゾチオフェン類のような比較的非極性の複素環式芳香族硫化物である。一見すると、複素環式芳香族硫黄化合物が、これらの複素環式芳香族のみに帰されるある種の特質に基づいて選択的に抽出され得るように見えるかもしれない。これらの化合物中の硫黄原子は、これらをルイス塩基として分類するものである二つの非結合の電子対を有するが、この特質は、これらをルイス酸によって抽出するためにはまだ充分ではない。言い換えれば、より低い硫黄の水準を達成するための複素環式芳香族硫黄化合物の選択的抽出は、硫化物及び炭化水素類間のより大きい極性の差を必要とする。
【0061】
本発明による液相酸化によって、これらの硫化物を、更に極性なルイス塩基、スルホキシド及びスルホンのような酸素化された硫黄化合物に選択的に転換することが可能である。ジメチルスルフィドのような化合物は、非常に非極性な分子である。従って、製油所ストリームの中に見出されるベンゾ−及びジベンゾチオフェンのような複素環式芳香族硫化物を選択的に酸化することによって、本発明の方法は、より高い極性の特質をこれらの複素環式芳香族化合物にもたらすことが可能である。これらの所望されない硫黄化合物の極性を、本発明による液相酸化によって増加させた場合、これらは極性溶媒及び/又はルイス酸収着剤によって選択的に抽出することができ、一方炭化水素の流れの大半は影響されない。
【0062】
更に電子の非結合対を有する他の化合物は、アミン類を含む。複素環式芳香族アミン類は、更に上記の硫化物が見出されたものと同じ流れ中で見出される。アミン類は、硫化物より塩基性である。孤立電子対は、Bronstad−Lowry塩基(プロトン受容体)、並びにルイス塩基(電子供与体)として機能する。原子上のこの電子の対は、硫化物と同様な様式の酸化に対してこれを脆弱なものとする。
【0063】
本明細書中で開示したように、酸化の供給原料は、−OOH基礎構造を含有する少なくとも一つの有機過酸又は有機過酸の前駆体を含んでなる不混和性相と接触させられ、そして液体反応混合物は、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まず、そして一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化にために適した条件下に維持される。本発明において使用するための有機過酸は、好ましくは過酸化水素及びカルボン酸の組み合わせから製造される。
【0064】
有機過酸に関して、カルボニルの炭素は、水素又は炭化水素ラジカルに付いている。一般的にこのような炭化水素ラジカルは、1ないし約12個の炭素原子、好ましくは約1ないし約8個の炭素原子を含有する。更に好ましくは、有機過酸は、過ギ酸、過酢酸、トリクロロ酢酸、過安息香酸及び過フタル酸又はこれらの前駆体からなる群から選択される。最良の結果のために、本発明の方法は、過酢酸又は過酢酸の前駆体を使用する。
【0065】
大まかには、本発明で使用される有機過酸の適当な量は、酸化の供給原料中の一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化のために必要な化学量論的な量であり、そして選択された供給原料による直接の実験によって容易に決定される。有機過酸のより高い濃度により、選択性は、一般的に有益にはスルホキシドよりなお更に極性である更に高度に酸化されたスルホンを好む傾向がある。
【0066】
本出願人は、酸化反応が、有機過酸の二価の硫黄原子との協調した非ラジカル機構による迅速な反応に関係し、これによって酸素原子が硫黄原子に実際的に供与されていると信じる。先に記述したように、より多い過酸の存在中では、スルホキシドは、おそらく同じ機構によって更にスルホンに転換される。同様に、アミノの窒素原子が、ヒドロペルオキシ化合物によって同じ様式で酸化されることが予期される。
【0067】
液体反応混合物中の本発明による酸化が、これによって酸素原子が二価の硫黄原子に供与される工程を含んでなることの言明は、本発明による方法が実際にこのような反応機構を経由して進行することを意味すると解釈されるべきではない。
【0068】
酸化の供給原料を、過酸含有不混和性相と、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液体反応混合物中で接触させることによって、緊密に置換された硫化物は、もしあったとしても無視できる単核芳香族の同時酸化を伴って、その対応するスルホキシド及びスルホンに酸化される。これらの酸化の生成物は、その高い極性のために、吸着及び抽出のような分離技術によって容易に除去することができる。酸化剤の高い選択性は、水素化処理された流れ中の緊密に置換された硫化物の少ない量といっしょになって、本発明を、最小の収率の損失を伴う、特に有効な極度な脱硫手段とする。収率の損失は、酸化される緊密に置換された硫化物の量に対応する。水素化処理された原油中に存在する緊密に置換された硫化物の量はむしろ少ないために、収率の損失はそれに応じて少ない。
【0069】
大まかには、液相酸化反応はむしろ穏和であり、そして室温程度の低い温度でさえ行うことができる。特に、液相酸化は、緊密に置換された硫化物をその対応するスルホキシド類及びスルホン類に妥当な速度で転換することが可能ないずれもの条件下で行うことができるものである。
【0070】
本発明によれば、酸化の供給原料を有機過酸含有不混和性相と接触させる間の酸化に適した液体混合物の条件は、所望する酸化反応を進行させるいかなる圧力をも含む。典型的には、約10℃より上の温度が適している。好ましい温度は、約25℃ないし約250℃の間であり、約50℃ないし約150℃間の温度が更に好ましい。最も好ましい温度は、約115℃ないし約125℃の間である。
【0071】
本発明の一体化方法は、スルホキシド類及びスルホン類を除去することが可能な固体収着剤を使用した、一つ又はそれより多い選択的分離工程を含むことができる。当業者にとって普通に知られているこのような収着剤の非制約的な例は、活性炭、活性ボーキサイド、活性白土、活性コークス、アルミナ、及びシリカゲルを含む。酸化された硫黄含有炭化水素物質は、固体の収着剤と、炭化水素相の硫黄含有率を減少するために充分な時間だけ接触させられる。
【0072】
本発明の一体化方法は、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を選択的に抽出するために適した誘電率を有する不混和性の溶媒を使用した、一つ又はそれより多い選択的分離工程を含むことができる。好ましくは本発明は、約24ないし約80の範囲の誘電率を示す溶媒を使用する。最良の結果のために、本発明の方法は、水、メタノール、エタノール、及びこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含んでなる溶媒を使用する。
【0073】
本発明の一体化方法は、可溶性塩基性化学化合物を含有する不混和性液体を使用した、一つ又はそれより多い選択的分離工程を含むことができる。酸化された硫黄含有炭化水素物質は、化学塩基の溶液と、炭化水素相の硫黄含有率を減少するために充分な時間接触させられる。
【0074】
一般的に、適した塩基性化合物は、焼成ドロマイト系物質及びアルカリ化アルミナを使用することができるが、アンモニア又は周期表のI、II及び/又はIII族から選択される元素のいずれもの水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩を含む。更に異なった塩基の混合物を使用することができる。好ましくは塩基性化合物は、I及び/又はII族元素から選択される元素の水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩である。更に好ましくは、塩基性化合物は、ナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウム水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩からなる群から選択される。最良の結果のために、本発明の方法は、好ましくはナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムの水酸化物からなる群から選択されるアルカリ金属水酸化物を含有する水性溶媒を使用する。一般的に、1モルの硫黄に対して約1モルの塩基ないし硫黄のモル当たり約4モルの塩基までのモル基準の濃度の塩基水酸化物の水溶液が適している。
【0075】
本発明による硫黄分離工程を行う場合、常圧近辺及びそれより高い圧力が適していることができる。例えば、100気圧までの圧力を使用することができる。
本発明の方法は、好都合には酸化の供給原料の接触水素化脱硫を含んで、硫化水素を形成し、これを、ガスとして、固体収着剤上に収集して、及び/又は水性液体で洗浄することによって液体供給原料から分離することができる。酸化の供給原料が、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の除去を促進するための石油留出油の水素化法の生成物である場合、本発明のために必要な過酸の量は、本発明により処理されている水素化処理された流れ中に含有された緊密に置換された硫化物を酸化するために必要な化学量論的な量である。好ましくは緊密に置換された硫化物の全てを酸化するものである量が使用されるものである。
【0076】
本発明における水素化のための有用な留出油留分は、約50℃ないし約425℃、好ましくは150℃ないし約400℃、そして更に好ましくは約175℃ないし約375℃間の範囲で常圧で沸騰する、いずれか一つ、数種、又は全ての製油所ストリームから本質的になる。本発明の目的のために、用語“から本質的になる”は、容積で供給原料の少なくとも95パーセントと定義される。留出油生成物中のより軽質の炭化水素成分は、一般的に更に収益の多いガソリンに回収され、そしてこれらの低沸点留分の留出油燃料中の存在はしばしば留出油燃料の引火点の規格によって束縛される。400℃より上で沸騰するより重質の炭化水素成分は、一般的に更に収益の多いFCC送入油として加工され、そしてガソリンに転換される。重質炭化水素成分の留出油燃料中の存在は、更に留出油燃料の終点の規格によって束縛される。
【0077】
本発明における水素化のための留出油留分は、高及び低硫黄原油から誘導される高及び低硫黄直留留出油、コーカー留出油、接触分解装置軽質及び重質接触サイクル油、並びに水素化分解装置及び残渣油水素化分解装置の施設からの留出油の沸点範囲の生成物を含んでなることができる。一般的に、コーカー留出油並びに軽質及び重質接触サイクル油は、80重量パーセント程度に高い範囲の、最も高度に芳香族性の供給原料である。コーカー留出油及びサイクル油の芳香族の主要部分は、単環芳香族及び二環芳香族として存在し、より少ない部分が三環芳香族として存在する。高及び低硫黄直留留出油のような直留原料は、20重量パーセント芳香族程度の高さの範囲の低い芳香族含有率である。一般的に、組み合わせられた水素化設備の供給原料の芳香族含有量は、約5重量パーセントないし約80重量パーセント、更に典型的には約10重量パーセントないし約70重量パーセント、そして最も典型的には約20重量パーセントないし約60重量パーセントの範囲であるものである。制約された運転容量を持つ留出油水素化設備においては、接触プロセスがしばしば充分な空間速度において平衡状態の生成物芳香族濃度まで進行するために、最も高い芳香族性のオーダーで供給原料を処理することが、一般的に収益の多いことである。このような様式によって、最大の留出油の総合した脱芳香族化が一般的に達成される。
【0078】
本発明における水素化のための留出油留分中の硫黄濃度は、一般的に高及び低硫黄原油の混合物、原油容量のバーレル当たりの製油所の水素化の処理能力及び留出油水素化供給原料成分の別の処理方法の関数である。より高濃度の硫黄の留出油供給原料成分は、一般的に高硫黄原油から誘導される直留留出油、コーカー留出油、及び比較的高硫黄の供給原料を加工する流動接触分解装置からの接触サイクル油である。これらの留出油供給原料成分は、2重量パーセント程度に高い元素硫黄の範囲であることができるが、しかし一般的には約0.1重量パーセントないし約0.9重量パーセントの元素硫黄の範囲である。水素化設備が、第1段階の脱窒素及び脱硫域並びに第2段階の脱芳香族域を有する2段法である場合、脱芳香族域の供給原料の硫黄含有率は、約100ppmないし約0.9重量パーセント、又は約10ppm程度の低さから約0.9重量パーセントまでの元素硫黄の範囲であることができる。
【0079】
本発明における水素化のための留出油留分の窒素含有率も、更に、一般的に原油の窒素含有率、原油容量のバーレル当たりの製油所の水素化の処理能力及び留出油水素化供給原料成分の別の処理方法の関数である。より高濃度の窒素の留出油供給原料は、一般的にコーカー留出油及び接触サイクル油である。これらの留出油供給原料成分は、2000ppm程度に高い範囲の全窒素含有率を有することができるが、しかし一般的には約5ppmないし約900ppmの範囲である。
【0080】
接触水素化法は、固定床、移動式流動床又は沸騰床の触媒中で比較的穏和な条件下で行うことができる。好ましくは固定床の触媒は、再生が必要となる前に比較的長い時間が経過するような条件下で、例えば約200℃ないし約450℃、好ましくは約250℃ないし約400℃、そして最も好ましくは最良の結果のために約275℃ないし約350℃の平均反応域温度で、そして約6ないし約160気圧の範囲の圧力で使用される。
【0081】
水素化が極めて良好な硫黄除去を与え、一方圧力及び水素化脱硫工程のために必要な水素の量を最小化する特に好ましい圧力の範囲は、20ないし60気圧、更に好ましくは約25ないし40気圧の範囲の圧力である。
【0082】
本発明によれば、適した留出油留分は、好ましくは選択的に酸化される前に水素化脱硫され、そして更に好ましくは少なくとも一つの低沸点留分及び一つの高沸点留分の流出物を与えることが可能な設備を使用する。
【0083】
特定の水素化設備が2段法である場合、第1段階は、しばしば脱硫及び脱窒素するために設計され、そして第2段階は、脱芳香族するために設計される。これらの運転において、脱芳香族段階に入る供給原料は、実質的に低い窒素及び硫黄含有率であり、そして水素化設備に入る供給原料より低い芳香族含有率であることができる。
【0084】
一般的に、本発明において有用な水素化法は、流出油留分の予熱工程で始まる。留出油留分は、供給油/流出物熱交換器で予熱されてから、目標の反応域入り口温度まで最終的に予熱するために加熱炉に入る。留出油留分は、予熱に先立って、予熱の間に、及び/又は予熱の後に、水素の流れと接触する。水素含有の流れは、更に1段式水素化法の水素化反応域に、或いは2段式水素化法の第1段又は第2段のいずれかにも加えることができる。
【0085】
水素の流れは、純粋な水素であることができ、又は炭化水素、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、水、硫黄化合物、等のような希釈物との混合物であることができる。水素の流れの純度は、少なくとも約50容量パーセントの水素、好ましくは少なくとも約65容量パーセントの水素、そして更に好ましくは最良の結果のために少なくとも約75容量パーセントの水素でなければならない。水素は、水素プラント、接触改質設備又は他の他の水素製造法から供給することができる。
【0086】
反応域は、同一又は異なった触媒を含有する一つ又はそれより多い固定床反応器であることができる。2段法は、脱硫及び脱窒素のための少なくとも一つの固定床反応器、並びに脱芳香族のための少なくとも一つの固定床反応器を伴って設計することができる。固定床反応器は、更に複数の触媒床を含んでなることもできる。単一の固定床反応器中の複数の触媒床もまた、同一又は異なった触媒を含んでなることもできる。触媒が多段床の固定床反応器中で異なっている場合、最初の床は一般的に脱硫及び脱窒素用であり、そしてその後の床は脱芳香族用である。
【0087】
水素化反応は一般的に発熱性であるために、固定床反応器間又は同一反応器シェル内の触媒床間の熱移動手段からなる段間冷却を使用することができる。水素化法から発生される熱の少なくとも一部は、水素化法において使用するために回収されることが有利であることが多い。この熱回収の選択が利用不可能である場合、冷却は、冷却水又は空気のような冷却ユーティリティーにより、又は反応器に直接注入される水素クエンチの流れの使用により行うことができる。2段法は、反応器シェル当たりの減少した温度の発熱を得ることができ、そしてより良好な水素化反応器の温度制御を得ることができる。
【0088】
反応域の流出物は、一般的に冷却され、そして流出物の流れは、分離器手段に送られて、水素が除去される。回収された水素の一部は、プロセスに循環して戻すことができ、一方水素の一部は、装置又は製油所の燃料のような外部系に放出することができる。水素の放出速度は、しばしば最小の水素純度を維持し、そして硫化水素を除去するために制御される。循環水素は、一般的に圧縮され、“補給”水素で補充され、そして更なる水素化のためにプロセスに注入される。
【0089】
分離器手段の液体流出物は、ストリッパー手段で処理することができ、ここで軽質炭化水素を除去することができ、そして更に適当な炭化水素のプールに送られる。好ましくは分離器及び/又はストリッパー手段は、少なくとも一つの低沸点液体留分及び一つの高沸点液体留分の流出物を与えることが可能な手段を含む。液体流出物及び/又は一つ又はそれより多いその液体留分は、その後その中の液体有機化合物に酸素を組み込むために及び/又は液体生成物からの硫黄又は窒素の除去を酸化によって援助するために処理される。次いで液体生成物は、一般的に最終留出油製品の製造のために混合設備に送られる。
【0090】
水素化法において使用される運転条件は、約200℃ないし約450℃、好ましくは約250℃ないし400℃、そして最も好ましくは最良の結果のために約275℃ないし約350℃の平均反応域温度を含む。これらの範囲より低い反応温度は、より有効ではない水素化となる。極度の高温は、方法が熱力学的芳香族減少の限界、水素化分解、触媒の失活に達することを起こすことができ、そしてエネルギー経費を増加させる。本発明の方法による脱硫は、特に500ppmより低い送入油の硫黄水準において、2段法の第2段の脱芳香族域のような従来の技術の方法より、反応域温度によって少なく影響されることができる。
【0091】
水素化法は、典型的には約400psig(約28kg/cm2G)ないし約2000psig(約140kg/cm2G)、更に好ましくは約500psig(約35kg/cm2G)ないし約1500psig(約105kg/cm2G)、そして最も好ましくは最良の結果のために約600psig(約42kg/cm2G)ないし約1200psig(約84kg/cm2G)の範囲の反応域圧力で運転される。水素循環速度は、一般的に約500SCF/Bbl(約84Nm3/kl)ないし約20,000SCF/Bbl(約3400Nm3/kl)、好ましくは約2,000SCF/Bbl(約340Nm3/kl)ないし約15,000SCF/Bbl(約2500Nm3/kl)、そして最も好ましくは最良の結果のために約3,000SCF/Bbl(約510Nm3/kl)ないし約13,000SCF/Bbl(約2200Nm3/kl)の範囲である。これらの範囲より低い反応圧力及び水素循環速度は、より有効ではない脱硫、脱窒素、及び脱芳香族となる高い触媒失活速度となる。極度に高い反応圧力は、エネルギー及び器機経費を増加し、そして限界利益を減少させる。
【0092】
水素化法は、典型的には約0.2hr-1ないし約10hr-1、好ましくは約0.5hr-1ないし約3.0hr-1、そして最も好ましくは最良の結果のために約1.0hr-1ないし約2.0hr-1の時間当たり液体空間速度で操作される。極度に高い空間速度は、全体的な水素化を減少させる。
【0093】
水素化脱硫のために有用な触媒は、有機化合物の混合物中への水素の組み込みを向上し、これによって少なくとも硫化水素を形成することが可能な成分、及び触媒担持成分を含んでなる。
【0094】
触媒担持成分は、典型的にはモルデナイト及びシリカ、アルミナ、又はシリカ−アルミナのような耐火性無機酸化物を含んでなる。モルデナイト成分は、10重量パーセントないし約90重量パーセント、好ましくは約40重量パーセントないし約85重量パーセント、そして最も好ましくは最良の結果のために約50重量パーセントないし約80重量パーセントの範囲の量で担体中に存在する。本発明において使用するために適した耐火性無機酸化物は、約50ないし約200オングストローム、そして更に好ましくは最良の結果のために約80ないし約150オングストロームの範囲の細孔直径を有する。合成されたままのモルデナイトは、約5:1のそのケイ素とアルミニウムの比及びその結晶構造によって特徴付けられる。
【0095】
水素化による留出油石油留分からのこのような複素環式芳香族硫化物の更なる減少は、これらの化合物を炭化水素類及び硫化水素(H2S)に転換するために、流れを、非常に過酷な接触水素化にかける必要があるものである。典型的には、炭化水素部分が大きければ、硫化物を水素化することが更に困難である。従って、水素化処理後に残存する残留有機硫黄化合物は、最も緊密に置換された硫化物である。
【0096】
接触水素化による脱硫の後の、本明細書中で開示したような、脱硫された有機化合物の混合物からの硫黄又は窒素の更なる選択的除去は、硫黄又は窒素含有有機化合物への酸素の組み込み、それによって酸化の供給原料からの硫黄及び窒素の選択的除去を援助することによって達成することができる。
【0097】
[好ましい実施形態の記載]
本発明をよりよく理解するために、本発明の好ましい側面が、図1に略図的に描写される。そこで、図1において、典型的には約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有する、天然の石油から誘導された有機化合物の混合物を含んでなる有機供給原料は、実質的に液体の形態で導管32を経由して、そして撹拌機付酸化反応器110に、空気又は窒素富化空気のような二原子酸素(分子状酸素)のガス状供給源による液相の接触酸素化のために流入する。二原子酸素のガス状供給源は、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で有機供給原料と接触される。液体反応媒体は、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持される。酸素化反応は、約170℃ないし約210℃の範囲の温度で、そして約150psi(約10.5kg/cm2)ないし約400psi(約28kg/cm2)、好ましくは約150psi(約10.5kg/cm2)ないし約300psi(約21kg/cm2)の範囲の圧力で行われる。
【0098】
図1に例示された態様において、Co[CH3COCH=C(O−)CH32の溶液が、酸化反応器110に導管148を経由して供給されて、反応媒体中の触媒系の適した量を維持する。空気は、圧縮機114に導管116を経由して供給され、そして圧縮された空気は、酸化反応器110に導管118を経由して運ばれる。
【0099】
発熱性の酸化反応によって発生した熱は、反応媒体中の揮発性有機化合物の限定された一部を蒸発させる。いずれものこのような蒸発した有機化合物、炭素酸化物、酸化反応に送入された空気からの窒素及び未反応の二原子酸素を含有するガス状の反応器流出物は、導管112、流出物冷却器122、そしてその後、頂部ノックアウトドラム120に導管124を経由して通り抜ける。分離された液体は、酸化反応器110に導管126を経由して戻される。ガスは、ドラム120から導管128を経由して放出ガス処理装置又はフレア(示されていない)に放出される。
【0100】
同伴ガス並びに炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を含有する反応器流出物は、攪拌機付酸化反応器110から導管132を経由して、そして分離ドラム130に迂回される。重力により分離されたガスは、分離ドラム130から冷却器頂部ノックアウトドラム120に導管134を経由して運ばれる。
【0101】
分離された流出物の混合物の液体部分は、静置ドラム140に分離ドラム130から導管136を経由して供給される。不混和性水性相の少なくとも一部は、反応混合物の他の相から重力によって分離される。不混和性水性相は、触媒金属、反応水、及び酸性副産物を含有し、そして更に、いまや不混和性水性相に可溶である酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を含有することができる。水性相の一部は酸化反応器110に直接戻すことができるが、図1に例示された態様によれば、水性相は、静置ドラム140から導管142を経由して抜き出され、そして固体収着剤の床を含有して、触媒系から所望しない物質を分離する触媒回収ドラム144に運ばれる。好ましくは並列の流れに配列された固体収着剤を含有する二つ又はそれより多い触媒回収ドラムの系を、収着剤の一つの床が再生又は交換されている間の連続操作を可能にするために使用する。触媒回収ドラム144からの流出物は、酸化反応器110に導管146を経由して戻される。
【0102】
分離された流出物の混合物の有機相は、静置ドラム140から液−液抽出器150に導管152を経由して供給される。好ましくは、抽出器150の設計は、約2ないし約5段の理論段数の液−液抽出を与える。重炭酸ナトリウム水溶液、又は酸化の酸性副産物を中和及び/又は除去することが可能な他の可溶性化学塩基の溶液が、抽出器150に供給源156から導管154を経由して供給される。酸素化された生成物は、抽出器150から貯蔵所又は直接燃料混合設備に導管92を経由して運ばれる。
【0103】
本発明をよりよく理解するために、本発明のなおもう一つの好ましい側面が、図2に略図的に描写される。そこで、図2において、製油所の供給源12からの中間流出油の実質的に液体の流れは、導管14を経由して接触反応器20に送入される。二原子水素(分子状水素)を含有するガス状混合物は、接触反応器20に、貯蔵所又は製油所の供給源16から導管18を経由して供給される。接触反応器20は、中間留出油の脱硫、脱窒素、及び脱芳香族のための水素化促進作用を有する、同一又は異なった触媒を含有する一つ又はそれより多い固定床を含有する。反応器は、床を通る液体及びガスの上昇流、下降流、又は向流で操作することができる。
【0104】
一つ又はそれより多い触媒床及びその後の蒸留は、一体化水素化処理及び分留系としていっしょに操作される。この分留系は、未反応の二原子水素、硫化水素及び水素化の他の非凝縮性生成物を流出物の流れから分離し、そして得られた凝縮性化合物の液体混合物を、少量の残留硫黄を含有する低沸点留分及び多量の残留硫黄を含有する高沸点留分に分留する。
【0105】
接触反応器20からの混合流出物は、分離ドラム24に導管22を経由して運ばれる。未反応の二原子水素、硫化水素、及び他の非凝縮性化合物は、分離ドラム24から水素回収(示されていない)へ導管28を経由して流れる。好都合には、未反応水素の全て又は一部は、少なくとも硫化水素の一部がこれから分離されることを条件に、接触反応器20に循環することができる。
【0106】
水素化された液体は、分離ドラム24から蒸留塔30に導管26を経由して流れる。塔30の頂部からのガス及び凝縮性蒸気は、頂部冷却器40を経由して導管34及び42によって、そして頂部ドラム46に運ばれる。分離されたガス及び非凝縮性化合物は、頂部ドラム46から処理又は更なる回収(示されていない)に導管49を経由して流れる。還流のために適した凝縮した有機化合物の一部は、頂部ドラム46から塔30に導管48を経由して戻される。凝縮物の他の部分は、有益には頂部ドラム46から分離ドラム24に循環され及び/又は他の製油所の使用(示されていない)に運ばれる。
【0107】
少量の硫黄含有有機化合物を有する低沸点留分は、塔30の塔頂の近辺から抜き出される。接触水素化からのこの低沸点留分が、それ自体で価値ある生成物であることは明白である。有益には、実質的に液体の形態の低沸点留分の全て又は一部は、導管32を経由して、そして酸化法装置90に、例えば図1に示すように、空気又は酸素富化空気のような二原子酸素のガス状供給源による液相中の接触酸化のために運ばれる。酸素化された有機化合物を含有する流れは、その後、例えば燃料又は燃料の混合成分を回収するために分離され、そして混合設備100に導管92を経由して運ばれる。この流れは、別の方法として化学薬品製造のための供給原料の供給源として使用することができる。
【0108】
塔30の塔底で、高沸点留分の一部は、再沸器36に導管35を経由して運ばれ、そして再沸器36からの蒸気の流れは蒸留塔30に導管35を経由して戻される。
塔30の塔底から、多量の硫黄含有有機化合物を有する高沸点液体留分のもう一つの部分は、酸化の供給原料として酸化反応器60に導管38を経由して供給される。
【0109】
少なくとも過酢酸及び/又は他の有機過酸を含む不混和性相は、酸化反応器60にマニホールド50を経由して供給される。酸化反応器60中の液体反応混合物は、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まず、そして一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化のために適した条件下に維持される。適当には、酸化反応器60は、約80℃ないし約125℃の範囲の温度、及び約15psi(約1.05kg/cm2)ないし約400psi(約26kg/cm2)、好ましくは約15psi(約1.05kg/cm2)ないし約150psi(約10.5kg/cm2)の範囲の圧力に維持される。
【0110】
反応器60からの液体反応混合物は、ドラム64に導管62を経由して供給される。不混和性相の少なくとも一部が反応混合物の他の相から重力によって分離される。不混和性相の一部は反応器60に直接戻すことができるが、図1に例示された態様によれば、この相はドラム64から導管66を経由して抜き出され、そして分離装置80に運ばれる。
【0111】
不混和性相は、反応水、カルボン酸、及びいまや不混和性相中に可溶である、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を含有する。酢酸及び過剰の水は、高沸点の硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物から蒸留によって分離される。回収された酢酸は、酸化反応器60に導管82及びマニホールド50を経由して戻される。過酸化水素は、マニホールド50に貯蔵所52から導管54を経由して供給される。必要に応じて、補給酢酸溶液がマニホールド50に貯蔵所56、又は酢酸水溶液のもう一つの供給源から導管58を経由して供給される。過剰の水は、分離装置80から抜き出され、そして導管86を経由して処理(示されていない)に運ばれる。酸化された高沸点硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の少なくとも一部は、導管84を経由して、そして接触反応器20に運ばれる。
【0112】
ドラム64からの反応混合物の分離された相は、容器70に導管68を経由して供給される。容器70は、固体の収着剤の床を含有し、これは、酸性及び/又は他の極性化合物を保持して、酸化への供給原料より少ない硫黄及び/又は少ない窒素を含有する生成物を得る能力を示す。生成物は、容器70から燃料混合設備100に導管72を経由して運ばれる。好ましくは、この態様において並列の流れに配列された固体の収着剤を含有する二つ又はそれより多い反応器の系二つ又はそれより多い反応器の系が使用されて、一つの収着剤の床が再生又は交換されている間の連続運転を可能にする。
【0113】
環境に優しい輸送機関用燃料は、混合設備100から導管102を経由して貯蔵所及び/又は出荷(示されていない)に運ばれる。
硫黄原子が、むしろ芳香族炭化水素よりも立体障害されている化合物を、従来使用された既知の脱硫系と比較して選択的に酸化するために、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液相反応混合物中の選択された有機過酸を使用した、本発明による方法の特徴及び利益の観点から、以下の実施例が与えられる。以下の実施例は、例示であり、そして制約することを意味するものではない。
【0114】
[一般]
炭化水素生成物の酸素化は、原料油及び生成物の高精度炭素及び水素分析間の差によって決定した。
【0115】
【数1】
Figure 2004536159
【0116】
[実施例1]
この実施例において、約500ppmの水準の硫黄を含有する製油所の留出油を、硫黄を約130ppmの水準で含有する水素化脱硫留出油を製造するために適した条件下で水素化処理し、これを水素化処理留出油150と規定した。水素化処理留出油150を、以下の表による温度で収集した4種の画分にカットした。
【0117】
【表1】
Figure 2004536159
【0118】
この範囲の蒸留カットポイントに対する水素化処理留出油150の分析をTable Iに示す。本発明によれば、約260℃ないし約300℃の範囲より低い温度で収集された留分が、水素化処理留出油150を、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点液体、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分に分割する。
【0119】
【表2】
Figure 2004536159
【0120】
[実施例2]
この実施例において、約500ppmの水準の硫黄を含有する製油所の留出油を、硫黄を約15ppmの水準で含有する水素化脱硫留出油を製造するために適した条件下で水素化処理し、これを水素化処理留出油15と規定した。
【0121】
前記の範囲の蒸留カットポイントに対する水素化処理留出油15の分析をTable IIに示す。本発明によれば、約260℃ないし約300℃の範囲より低い温度で収集された留分が、水素化処理留出油15を、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点液体、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分に分割する。
【0122】
【表3】
Figure 2004536159
【0123】
[実施例3]
この実施例は、S−25と規定された水素化処理された製油所の留出油の、本発明による接触酸化を記載する。公称容積5ガロン(約19リットル)を有し、そしてチタンで製造された撹拌された反応器に、18lbs(約8.2kg)のS−25及び18.81グラムのコバルト(II)アセチルアセトナート水和物(Aldrichカタログ番号34,461−5、これは22.92重量パーセントのコバルトを含有する)を送入した。これは、水素化処理された留出油中の0.23重量パーセントのコバルト(II)アセチルアセトナート水和物濃度、又は留出油中の527ppmのコバルトを与える。
【0124】
次いで反応器を密封し、窒素ガスで置換し、そして100psig(約7.0kg/cm2G)に加圧した。撹拌速度は700rpmであった。反応器内容物を128℃に予熱するために、外部電気加熱器により反応器の壁に熱を加えた。
【0125】
反応器内容物の酸素化は、酸素含有ガスの流れ(約8パーセントの分子状酸素及び92容量パーセントの分子状窒素)を、初期流量50scfh(約1.4Nm3/時)で撹拌機の底部インペラーの下から、反応器の底部に導入することによって開始した。これは、ガスが液体中に分散するに従って、反応器内の液面の上昇を起こした。液面の上部を去るガスは、反応器の上部で液体から殆ど分離され、そして水で冷却された頂部凝縮器を経由し、ガス−液分離器(ノックアウトタンク)を経由し、そして圧力制御用制御弁を経由して下流に流した。この放出ガスの流れの一部は、いくつかのオンラインの分析器を経由して通過し、これらは、放出ガス中の酸素、一酸化炭素、及び二酸化炭素の濃度を、バッチ酸素化の進行中連続的にモニターした。酸素化反応器を去るガスの流れに同伴されるいずれもの液体は、ガス−液分離器に収集され、そしてギアーポンプによって酸化反応器の頂部に連続的に給送されて戻された。
【0126】
酸性化反応器のガス圧力は、フィードバック制御ループによって自動的に制御され、これは、所望の反応器圧力を達成するために圧力調節制御弁を調節した。反応器の温度は、酸素化反応器の下部に位置した冷却用コイルを通る蒸留水の制御された流れによって制御した。蒸留水の流れは、冷却用コイルの上流のマイクロ計量弁を手動で調節することによって制御した。冷却用コイルは、冷却用コイルに入る蒸留水が水蒸気に急速に蒸発され、これによって反応混合物から熱を水の蒸発によって除去するように常圧で操作した。放出ガスの流れの中の酸素濃度は、酸素化反応器に入る酸素含有ガスの流量を調節することによって制御した。酸素含有ガスの流量は、質量流量計によって測定され、そして流量制御弁によって制御した。
【0127】
酸素化の開始後、酸素含有ガスの流量は、反応温度が増加し始め、そして酸素の消費速度が増加するに従ってゆっくりと増加された。10分後、反応温度は約141℃に達し、そしてガス送入速度は200scfh(約5.4Nm3/時)であり、放出ガス中に酸素は検出されなかった。20分後、反応温度は約142℃に達し、ガスの送入速度は375scfh(約10.1Nm3/時)であり、そして放出ガス中の酸素は0.87容量パーセントであった。26分後、反応温度は約141℃であり、ガスの送入速度は423scfh(約11.3Nm3/時)であり、そして放出ガス中の酸素は1.36容量パーセントであった。
【0128】
36分後、バッチ反応を、酸素含有ガスの流れを停止し、そして反応器を窒素の流れで置換することによって終了した。反応温度の減少に伴い、冷却コイルへの蒸留水の流れを停止した。次いで反応器を脱圧し、そして反応器の内容物を5ガロン(約19リットル)容器中に空けた。生成物は二層の液体からなり、大量層は、全液体体積の概略95パーセントを占めていた。
【0129】
GS−25と規定した未処理の大量層の一部を、セタン価測定及び他の分析のために抜き出した。GS−25の分析は、2.75パーセントの酸素化水準、10ppmの硫黄の水準、7ppmの窒素の水準、及び10.7mgKOH/gの全酸価を決定した。GS−25のセタン価測定は、59.9と決定されたが、然しながらセタン価測定エンジンの作動は不調であった。酸素化されない留出油S−25のセタン価測定は、49.9であった。
【0130】
[実施例4]
この実施例は、GS−25の重炭酸ナトリウム水溶液を使用した酸素化後の処理を記載し、これはセタン価を上昇した。実施例3のGS−25の一部を、重炭酸ナトリウム水溶液で処理し、水で洗浄し、無水の3Aモレキュラーシーブで乾燥し、そして濾過した。濾過した物質を、セタン価測定及び他の分析にかけた。大量層の処理された部分の分析は、1.67パーセントの酸素化水準、7ppmの硫黄の水準、9ppmの窒素の水準、及び2.1mgKOH/gの全酸価を決定した。この処理後の大量層のセタン価測定は、62.9と決定されたが、しかしセタン価測定エンジンはこの場合非常に滑らかに作動した。
【0131】
[実施例5]
水素化処理された製油所の留出油S−25を、蒸留によって分割して、コバルト(II)塩を含有する可溶性有機化合物を使用した接触酸素化のための供給原料を得た。約288℃より低い温度で収集された留分は、S−25−B288と規定された硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分であった。S−25−B288の分析は、10ppmの硫黄含有率、5ppmの窒素含有率、及び87.01パーセントの炭素、12.98パーセントの水素を決定し、芳香族炭素は16.5パーセントであった。
【0132】
300mLのParr耐圧反応器の底部に、S−25−B288及びコバルト(II)ビス−アセチルアセトナート水和物を送入して、750ppmのコバルト濃度を得た。反応器を密封し、窒素で置換し、そして100psig(約7.0kg/cm2G)に満たした。反応器の内容物を撹拌しながら約135℃の設定点温度まで加熱した。この温度で短時間置いた後、窒素の流れを、7scfh(約0.19Nm3/時)の流量の窒素中の8パーセントの分子状酸素のガス状混合物に置き換えた。
【0133】
34分の反応時間の終わりに、ガス状混合物(窒素中の8パーセントの分子状酸素)の流れを窒素で置き換えた。反応器を冷却した後、系を脱圧し、開放し、そして酸素化物をGS−25−B288と規定した。酸素化された混合物GS−25−B288の試料を無水の硫酸ナトリウムで乾燥し、そして分析した。
【0134】
この実施例のGS−25−B288の分析は、3ppmの硫黄含有率、即ち70パーセントの硫黄の減少、3.8パーセントの酸素化、及び7.4mgKOH/gの全酸価を決定した。
【0135】
[実施例6]
この実験のために、5ガロン(約19リットル)の耐圧反応器に、S−25−B288のもう一つの部分及びミネラルスピリット中のオクタン酸コバルト(II)を送入して、750ppmのコバルト濃度を得た。酸素化は、反応時間を39分に延長した以外は、実施例3のように行った。GS−25−B288−1と規定された、酸化されたS−25−B288−1の分析は、4.18パーセントの酸素化、及び11.8mgKOH/gの全酸価を決定した。
【0136】
この実施例の手順を10回繰り返して、混合により後処理試験のための酸素化された生成物の供給を得た。1ないし10と番号付けされたGS−25−B288−Xの混合物は、BGS−25−B288と規定した。それぞれの酸化生成物GS−25−B288Xは、二つの層からなっていた。上部(大量)層を、下部層からデカントし、そして上部層を酸素化後処理に使用した。
【0137】
大型の磁気撹拌棒を備えた4リットルのエルレンマイヤーフラスコに、1リットルのGS−25−B288−X酸化精製物を送入した。磁気撹拌を開始し、そして概略500mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液をフラスコに注意深く加えた。全ての塩基水溶液を加えた時点で、撹拌を最大速度に上げ、そして不混和性相の混合物を概略20分間撹拌させた。この時点で、撹拌を止め、そして混合物を2リットルの分液漏斗に注ぎ、ここで二つの不混和性相を分離させた。
【0138】
底部の水性相を除去し、そして廃棄した。新しい重炭酸ナトリウム水溶液による処理を、酸性副産物の水準を減少するために必要なように繰り返した。この抽出された物質を、エルレンマイヤーフラスコに移し、そして概略500mLの脱イオンされ、そして蒸留された水をフラスコに加えた。概略10分間の撹拌後、混合物を再び分液漏斗に注ぎ、そして層を分離させた。底部の水性層をドレンし、そして廃棄した。
【0139】
処理後加工の次の工程のために、3インチ(約7.6cm)ID×24インチ(約61cm)長さの寸法のLC−型カラムを、概略3リットルの乾燥3Aモレキュラーシーブで充填した。重炭酸ナトリウム抽出及び洗浄処理からの混合した混合物、BGS−25−B288を、カラムを通して滴下して、いずれもの残留水を除去した。この物質をE6−Fと規定し、そして実施例18の混合のために使用した。
【0140】
[実施例7]
この実施例のために、300mLのParr耐圧反応器の底部に、S−25及びコバルト(II)ビス−アセチルアセトナート水和物を送入して、543ppmのコバルト濃度を得た。S−25の酸素化を、反応時間が33分であった以外は、実施例5のように行った。この実施例の酸素化されたS−25の分析は、11ppmの硫黄含有率、即ち45パーセントの硫黄の減少、9ppmの窒素含有率、即ち50パーセントの窒素の減少、3.61パーセントの酸素化、及び7.1mgKOH/mgの全酸価を決定した。
【0141】
[実施例8−11]
水素化処理された製油所の留出油S−25を、蒸留によって分割して、過酸化水素及び酢酸を使用した酸化のための供給原料を得た。約300℃より低い温度で収集された留分は、S−25−B300と規定された硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分であった。S−25−B300の分析は、3ppmの硫黄含有率、2ppmの窒素含有率、及び合計37.9パーセントの芳香族に対して、36.2パーセントの単環芳香族、1.8パーセントの二環芳香族を決定した。300℃より高い温度で収集された留分は、S−25−A300と規定された硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分であった。S−25−A300の分析は、35ppmの硫黄含有率、31ppmの窒素含有率を決定し、そして芳香族含有率は、合計22.9パーセントの芳香族に対して、15.7パーセントの単環芳香族、5.8パーセントの二環芳香族、及び1.4パーセントの三環芳香族であった。
【0142】
還流凝縮器、機械式撹拌機、窒素の入り口及び出口を備えた250mLの三つ首丸底フラスコに、100gのS−25−A300を送入した。反応器に、更に変化する量の氷酢酸、蒸留され、そして脱イオンされた水、及び30パーセントの過酸化水素水溶液を送入した。混合物を撹拌しながら、そして窒素の僅かな流れ下で、概略93℃ないし99℃で概略2時間加熱する。反応時間の終わりに撹拌が止められ、そしてフラスコの内容物は急速に二つの液体層を形成した。上部層(有機物)を抜き出し、そして無水の硫酸ナトリウムで脱水した。フラスコの内容物を撹拌し、そして周囲温度まで冷却させてから、概略0.1gの二酸化マンガンを加えて、いずれもの残留過酸化水素を分解した。この時点で、混合物を更に10分間撹拌してから、全体の反応器の内容物を収集した。
【0143】
Table IIIは、変数及び分析データを与え、これは酢酸の濃度の増加が水性層の全硫黄濃度を増加することを証明している。酢酸の水準を増加することは、有機層の硫黄を35ppm減少させる。これらのデータは、本発明の本質的な要素が、カルボニルの炭素が水素又は炭化水素ラジカルに接続されている有機過酸の使用であることを明確に示す。一般的にこのような炭化水素ラジカルは、1ないし約12個の炭素原子、好ましくは約1ないし約8個の炭素原子を含有する。酢酸は、酸化された硫黄化合物を有機相から、そして水性相に抽出することを示した。酢酸がない場合、水生相への顕著な硫黄の移動は観察されなかった。
【0144】
【表4】
Figure 2004536159
【0145】
[実施例12]
水素化処理された製油所の留出油S−25を、蒸留によって分割して、過酸化水素及び酢酸を含有する不混和性水溶液相を使用した酸化のための供給原料を得た。約316℃より高い温度で収集されたS−25の留分は、S−25−A316と規定された硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分であった。S−25−A316の分析は、80ppmの硫黄含有率、及び102ppmの窒素含有率を決定した。
【0146】
還流凝縮器、磁気撹拌器又は機械式撹拌器、窒素の入り口及び出口を備えた250mLの三つ首丸底フラスコに、100gのS−98−25−A316、75mLの氷酢酸、25mLの水、及び17mL(30%)の過酸化水素を送入した。混合物を100℃に加熱し、そして非常に僅かな自家製窒素の流れ下で、2時間激しく撹拌した。
【0147】
反応時間の終わりに、上部層(有機物)の分析により、54ppmの硫黄及び5ppmの窒素の全硫黄及び窒素が見出された。フラスコの内容物を再び撹拌し、そして室温まで冷却した。室温で、概略0.1gの二酸化マンガン(MnO2)を加えて、いずれもの過剰の過酸化水素を分解し、そして撹拌を10分間継続した。次いでフラスコの全体の内容物を放出式蓋を持つビンに注いだ。底部層(水性)の分析により、44ppmの全硫黄が見出された。
【0148】
[実施例12a]
水素化処理された製油所の留出油S−25−A316の第2の酸化を、100mLの氷酢酸を送入し、しかし水を送入しないで、実施例12に記載したように行った。有機層は、27ppmの硫黄及び3ppmの窒素を含有することが見出された。水性層は81ppmの硫黄を含有していた。
【0149】
[実施例12b]
実施例12及び実施例12aの両方からのフラスコの全体の内容物を混合した。次いで底部層を除去し、両方の実験からの混合された有機層を残した。有機層を無水の硫酸ナトリウムで乾燥して、工程からのいずれもの残留水を除去した。真空濾過によって廃硫酸ナトリウムを除去した後、濾液とアルミナの比が7:1ないし10:1の範囲であるような充分なアルミナを通して、濾液をパーコレートした。アルミナから出た有機層の分析は、32ppmの全硫黄及び5ppmの全窒素であった。
【0150】
[実施例13]
S−150と規定された水素化処理された製油所の留出油を、蒸留によって分割して、過酸化水素及び酢酸により形成された過酸を使用した酸化のための供給原料を得た。S−150の分析は、113ppmの硫黄含有率及び36ppmの窒素含有率を決定した。約316℃より高い温度で収集されたS−98の留分は、S−150−A316と規定される硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分であった。S−150−A316の分析は、580ppmの硫黄含有率及び147ppmの窒素含有率を決定した。
【0151】
水ジャケットの還流凝縮器、機械式撹拌器、窒素の入り口及び出口、並びにバリアック(variac)によって制御される加熱マントルを備えた3リットルの三つ首丸族フラスコに、1kgのS−150−A316、1リットルの氷酢酸、及び170mLの30パーセント過酸化水素を送入した。
【0152】
窒素の僅かな流れを開始し、そして次いでこのガスで反応器内容物の表面をゆっくりと吹き払った。撹拌機を始動して、充分な混合を与え、そして内容物を加熱した。温度が93℃に達した時点で、内容物をこの温度で120分の反応時間の間保持した。
【0153】
反応時間が経過した後、内容物の撹拌を継続し、一方加熱マントルを切り、そして取り除いた。概略77℃で、撹拌機を短時間停止し、その間概略1gの二酸化マンガン(MnO2)を丸底フラスコの首の一つから二相混合物に加えて、いずれもの未反応過酸化水素を分解した。次いで撹拌機による内容物の混合を再開し、混合物の温度が概略49℃になるまで冷却した。撹拌を止めて、有機(上部)及び水性(下部)層の両方を分離し、これは直ちに起こった。
【0154】
底部層を除去し、そして更なる分析のためにゆるく蓋をしたビンに保存して、いずれもの未分解過酸化水素からの可能性のある酸素の放出を可能にした。底部層の分析は252ppmの硫黄であった。
【0155】
有機層を中和するために、反応器に500mLの飽和重炭酸ナトリウム水溶液を注意深く送入した。重炭酸塩の溶液を加えた後、混合物を10分間急速に撹拌して、いずれもの残留酢酸を中和した。有機物質を無水の3Aモレキュラーシーブで乾燥した。PS−150−A316と規定された乾燥有機層の分析は、143ppmの硫黄、4ppmの窒素、及び0.1mgKOH/gの全酸価であった。
【0156】
[実施例14]
500mLの分液漏斗に、150mLのPS−150−A316及び150mLのメタノールを送入した。漏斗を振盪し、そして次いで混合物を分離させた。底部メタノール層を収集し、そして分析試験に供した。次いで50mLの生成物の部分を分析試験のために収集し、そして試料ME−14−1と規定した。
【0157】
残った100mLの生成物を含有する漏斗に、新しいメタノールの100mLの部分を加えた。漏斗を再び振盪し、そして混合物を分離させた。底部メタノール層を収集し、そして分析試験に供した。メタノールで抽出した生成物の50mLの部分を分析試験のために収集し、そして試料ME14−2と規定した。
【0158】
漏斗中の残った50mLの生成物に、50mLの新しいメタノールを加えた。漏斗を再び振盪し、そして二層を分離させた。底部メタノール層を収集し、そして分析試験に供した。50mLの生成物を分析試験のために収集し、そして試料ME14−3と規定した。
【0159】
この実施例に対して得られた分析結果をTable IVに示す。
【0160】
【表5】
Figure 2004536159
【0161】
これらの結果は、メタノールが酸化された硫黄化合物を選択的に除去することが可能であったことを明確に示す。更に、酸性不純物も更にメタノール抽出によって除去された。
【0162】
[実施例15]
分液漏斗に50mLのPS−150−A316及び50mLの水を送入した。漏斗を振盪し、そして層を分離させた。底部の水層を収集し、そして分析試験に供した。炭化水素層を分析試験のために収集し、そしてE15−1Wと規定した。Table IIは、これらの結果を与える。
【0163】
【表6】
Figure 2004536159
【0164】
水抽出の結果は、水が、留出油から酸化された硫黄化合物を除去することにおいて有用であることを示す。
【0165】
[実施例16]
500グラムのPS−150−A316を、50グラムの無水の酸性アルミナを通してパーコレートした。収集した生成物をE16−1Aと規定し、そして分析した。データをTable IIに与える。
【0166】
【表7】
Figure 2004536159
【0167】
これらのデータは、アルミナ処理も更に留出油からの酸化された硫黄及び窒素化合物の除去において有効であったことを証明する。
分析は、アルミナで処理された物質E16−1Aに対して行われ、そしてPS−150−A316と比較された。分析は、生成物中にいかなるジベンゾチオフェンも存在しないことを示し、一方原料は約3,000ppmのこの不純物を含有していた。
【0168】
[実施例17]
水素化処理された製油所の留出油S−25を、蒸留によって分割して、過酸化水素及び酢酸により形成された過酸を使用した酸化のための供給原料を得た。約288℃より低い温度で収集されたS−25の留分は、S−DF−B288と規定された硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分であった。約288℃より高い温度で収集されたS−25の留分は、S−DF−A288と規定される硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分であった。S−DF−A288の分析は、30ppmの硫黄含有率を決定した。
【0169】
一連の酸化実験を実施例13に記載したように行い、そして生成物を混合して、セタン価測定及び化学分析のために必要な量の物質を得た。実施例13のように装備されたフラスコに、1kgのS−DF−A288、1リットルの氷酢酸、85mLの脱イオン及び蒸留された水及び85mLの30パーセント過酸化水素を送入した。
【0170】
一つの手順において、乾燥された酸化された留出油のバッチを、250mLの乾燥した酸性アルミナ(150メッシュ)を充填した第2のカラムを通してパーコレートした。留出油とアルミナの比は、約4:1(容積/容積)であった。アルミナを概略1,000mLの4バッチのために使用し、そして交換した。
【0171】
もう一つの手順において、概略100グラムのアルミナを、ガラス濾板(微細)を備えた600mLのブフナー漏斗に入れた。乾燥した留出油をアルミナ上に注ぎ、そして真空が留出油をアルミナを通してより短時間で引くに従って、更に迅速に処理した。
【0172】
バッチ毎のアルミナ処理後の物質を、原料からの硫黄除去効率を定量するために全硫黄分析にかけた。全てのアルミナで処理された物質は、3重量ppmより少ない硫黄濃度、そして一般的に約1重量ppmの硫黄を有していた。アルミナで処理された物質の32のバッチの混合物をBA−DF−A288と規定した。
【0173】
[実施例18]
実施例17からのアルミナで処理された物質BA−DF−A288及び実施例6からの酸素化された物質E6−Fを混合して、DF−GPを製造した。燃料DF−GPの試験及び分析の結果をTable VIIIに与える。
【0174】
【表8】
Figure 2004536159
【0175】
本発明の目的のために、“主として”は、約50パーセント多いとして定義される。“実質的に”は、充分な頻度で起こること、或いは関連する化合物又は系の巨視的特質に測定可能に影響するような比率で存在することとして定義される。このような影響の頻度又は比率が明確ではない場合、実質的に、は、約20パーセント又はそれより多いとして考えられる。用語“本質的に”は、巨視的品質に対して無視可能より大きくない影響を有し、そして最終的な結果が許容される小さい変化を除き、典型的には約1パーセントまでの絶対的なとして定義される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】図1は、周囲条件で液体である輸送機関用燃料の混合のための成分の連続的製造のための本発明の好ましい側面を描写した略系統線図である。
【図2】図2は、周囲条件で液体である輸送機関用燃料の混合のための成分の連続的製造のための本発明の好ましい側面を描写した略系統線図である。

Claims (20)

  1. 製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分の製造のための方法であって:
    天然の石油から誘導される有機化合物の混合物を含んでなる有機供給原料を用意し、前記混合物は、約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有し;
    二原子酸素のガス状供給源を、少なくとも一つの多価及び/又は重金属を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら前記有機供給原料と接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;そして
    不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離すること;
    を含んでなる、前記方法。
  2. 前記有機供給原料が、硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物を含んでなり、これらの一つ又はそれより多くは液体反応媒体中で酸化され、そして前記第2の分離された液体が、酸化された硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の少なくとも一部を含有する水溶液である、請求項1に記載の方法。
  3. 更に前記分離された有機液体を中和剤と接触させ、そして低い含有率の酸性副産物を有する生成物を回収することを含んでなる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記触媒金属が、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択され、そして更に、前記分離された第2の液体から触媒系の少なくとも一部を回収し;そして回収された触媒系の全て又は一部を前記液体反応媒体中に注入することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  5. 前記有機供給原料の全て又は一部が、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油のための水素化処理法の生成物であり、この水素化処理法が、石油留出油を水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の除去を水素化によって援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記水素添加触媒が、周期表のd−遷移元素からなる群から選択され、それぞれが不活性担体上に全触媒の約0.1パーセントないし約20重量パーセントの量で組み込まれた、少なくとも一つの活性金属を含んでなる、請求項5に記載の方法。
  7. 前記水素化処理法が、更に、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点液体、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点液体を得るための、蒸留による水素化処理された石油留出油の分割を含んでなり、そして前記有機供給原料が主として低沸点の液体である、請求項5に記載の方法。
  8. 前記触媒系が、約8個までの炭素原子を有する有機酸の塩の形態のマンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  9. 前記触媒系が、以下の式:
    M[RCOCH=C(O−)R’]x
    によって表される化合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなり、ここでMは、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ及びセリウムからなる群の一つ又はそれより多い一員であり、R及びR’は、水素原子並びにメチル、約20個までの炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される同一又は異なった一員であり、そしてxは2又は3である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記触媒系が、以下の式:
    Mn[RCOCH=C(O−)R’]2
    Co[RCOCH=C(O−)R’]2及び/又は
    Ce[RCOCH=C(O−)R’]3
    によって表される化合物からなる群から選択される触媒金属の供給源を含んでなり、ここでR及びR’は、水素原子並びにメチル、約20個までの炭素原子を有するアルキル基、アリール基、アルケニル基及びアルキニル基からなる群から選択される同一又は異なった一員である、請求項1に記載の方法。
  11. 製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分を製造するための方法であって:
    天然の石油から誘導される有機化合物の混合物で、約10°API(約1.00)ないし約100°API(約0.61)の範囲の比重を有する混合物を含んでなる有機供給原料を蒸留によって分割して、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点有機部分、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点有機部分を得て;
    二原子酸素のガス状供給源を低沸点有機部分の少なくとも一部と、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの触媒金属の供給源を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;
    不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離し;そして
    分離された有機液体の全て又は一部を中和剤と接触させ、これによって低い含有率の酸性副産物を有する低沸点の酸素化された生成物を回収すること;
    を含んでなる、前記方法。
  12. 前記分離された有機液体の少なくとも一部が、化学塩基の水溶液と接触させられ、そして回収された酸素化された生成物が約20mgKOH/gより少ない全酸価を示す、請求項11に記載の方法。
  13. 前記化学塩基が、水酸化物、炭酸塩又は重炭酸塩の形態のナトリウム、カリウム、バリウム、カルシウム及びマグネシウムからなる群から選択される化合物である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記有機供給原料の全て又は一部が、約50℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる石油留出油のための水素化法の生成物であり、この水素化法が、石油留出油を水素の供給源と水素化条件で、水素化処理された石油留出油からの硫黄及び/又は窒素の除去を水素化によって援助する水素添加触媒の存在中で反応させることを含む、請求項11に記載の方法。
  15. 製油所の輸送機関用燃料又は製油所の輸送機関用燃料の混合成分を製造するための方法であって:
    天然の石油から誘導される有機化合物の混合物であって約75℃ないし約425℃間で沸騰する物質から本質的になる混合物を含んでなる有機供給原料を蒸留によって分割し、硫黄に貧であり且つ単環芳香族に富む留分からなる少なくとも一つの低沸点有機部分、及び硫黄に富み且つ単環芳香族に乏しい留分からなる高沸点有機部分を得て;
    二原子酸素のガス状供給源を低沸点有機部分の少なくとも一部と、マンガン、コバルト、ニッケル、クロム、バナジウム、モリブデン、タングステン、スズ、セリウム、及びこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも一つの触媒金属の供給源を含んでなる可溶性触媒系を含有する液体反応媒体中で、液体反応媒体をハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物を実質的に含まないように維持しながら接触させて、炭化水素類、酸素化された有機化合物、反応水、及び酸性副産物を含んでなる不混和性相の混合物を形成し;
    不混和性相の混合物から、炭化水素類、酸素化された有機化合物及び酸性副産物を含んでなる少なくとも一つの低密度の第1の有機液体並びに少なくとも触媒金属の一部、反応水、及び酸性副産物を含有する高密度の第2の液体を分離し;そして
    分離された有機液体の全て又は一部を中和剤と接触させ、これによって低い含有率の酸性副産物を有する低沸点の酸素化された生成物を回収し;そして
    高沸点有機部分を、少なくとも一つの有機過酸又は有機過酸の前駆体を含んでなる不混和性相と、触媒的活性金属及び/又は活性金属含有化合物を実質的に含まないように維持された液体反応混合物中で、そして一つ又はそれより多い硫黄含有及び/又は窒素含有有機化合物の酸化のために適した条件下で接触させ;
    不混和性過酸含有相の少なくとも一部を反応混合物の酸化された相から分離し;そして
    反応混合物の酸化された相を、固体の収着剤、イオン交換樹脂、及び/又は溶媒或いは可溶性の塩基性化学化合物を含有する適した不混和性液体と接触させて、高沸点留分より少ない硫黄及び/又はより少ない窒素を含有する高沸点生成物を得ること;
    を含んでなる、前記方法。
  16. 前記不混和性相が、過酸化水素及び/又はアルキルヒドロペルオキシドの供給源、2ないし約6個の炭素原子の脂肪族モノカルボン酸及び水を混合することによって形成される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記不混和性相が、過酸化水素、酢酸、及び水を混合することによって形成される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記分離された過酸含有相の少なくとも一部が、反応混合物に循環される、請求項15に記載の方法。
  19. 更に、低沸点の酸素化された生成物の少なくとも一部を、高沸点生成物の少なくとも一部と混合して、輸送機関用燃料の製油所の混合のための成分を得ることを含んでなる、請求項15に記載の方法。
  20. 酸化の供給原料が、本質的に製油所ストリームの水素化処理から誘導される、約200℃ないし約425℃間で沸騰する物質からなる高沸点留出油留分である、請求項15に記載の方法。
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